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特許7336905情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0637 20230101AFI20230825BHJP
【FI】
G06Q10/0637
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019136786
(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公開番号】P2021022036
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】名田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】秋月 誠
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-152097(JP,A)
【文献】特開2007-272722(JP,A)
【文献】特開2019-082937(JP,A)
【文献】特開2003-141327(JP,A)
【文献】国際公開第2015/194202(WO,A1)
【文献】特開2016-149060(JP,A)
【文献】特開2000-067369(JP,A)
【文献】特開2018-026718(JP,A)
【文献】国際公開第2019/059137(WO,A1)
【文献】特開2011-039768(JP,A)
【文献】特開2017-049137(JP,A)
【文献】平下 治,実践!GISマーケティング(最終回),日経情報ストラテジー 第8巻 第11号 NIKKEI INFORMATION STRATEGY,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,1999年11月24日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記憶する記憶部と、
商品を販売する複数の販売位置であって、自動販売機が設置されている位置と、店舗の位置とが含まれる前記販売位置に関する位置情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部によって取得された位置情報と、前記記憶部に記憶される地図情報とに基づいて前記複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記販売空白地域の人口、前記販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、前記販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部によって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、前記販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定部と、
前記自動販売機において取得される外部情報に基づいて取得される前記自動販売機の周囲の通行状況に関する通行情報を利用して、商品の販売予測を行う第1予測部と、
前記第1予測部によって予測された販売予測を、前記自動販売機から所定範囲内にある店舗に送信する通信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記自動販売機の外部の情報を取得する情報取得部から送信された外部情報を取得する第3取得部と、
前記第3取得部によって取得された外部情報に基づいて、前記自動販売機の周囲の通行状況に関する通行情報を取得する第4取得部と、
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第4取得部によって取得された通行情報に基づいて、前記自動販売機の周囲の犯罪発生の可能性を示す防犯情報を取得する第5取得部を備え、
前記通信部は、前記第5取得部によって取得された防犯情報を、前記自動販売機から所定範囲内にある店舗に送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第4取得部によって取得された通行情報に基づいて、前記店舗への来店客数を予測する第2予測部を備え、
前記通信部は、前記第2予測部によって予測された来店客数を、前記自動販売機から所定範囲内にある店舗へ送信する
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記外部情報としての画像データを生成する撮像部、外部情報としての音データを生成するマイク、及び、外部情報として振動データを生成する振動センサのうち少なくとも1つである
請求項2~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
1又は複数の店舗の混雑状況に関する第1混雑情報をその店舗から取得する第6取得部と、
前記情報取得部によって取得された外部情報に基づいて、前記自動販売機の混雑状況に関する第2混雑情報を取得する第7取得部と、
ユーザが所有する端末からその端末の位置に関する端末位置情報を取得する第8取得部と、
前記第8取得部によって取得された端末位置情報に基づいて、前記端末から所定範囲の距離にある店舗及び自動販売機を抽出し、抽出した店舗の第1混雑情報と、抽出した自動販売機の第2混雑情報とに基づいて、商品を提供するまでの所定時間内の店舗及び自動販売機を特定する第2特定部を備え、
前記通信部は、前記第2特定部によって特定された店舗及び自動販売機に関する情報を前記端末に送信する
請求項2~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
地図情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
商品を販売する複数の販売位置であって、自動販売機が設置されている位置と、店舗の位置とが含まれる前記販売位置に関する位置情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得された位置情報と、前記記憶部に記憶される地図情報とに基づいて前記複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップによって抽出された前記販売空白地域の人口、前記販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、前記販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する第2取得ステップと、
前記第2取得ステップによって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、前記販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定ステップと、
前記自動販売機において取得される外部情報に基づいて取得される前記自動販売機の周囲の通行状況に関する通行情報を利用して、商品の販売予測を行う第1予測ステップと、
前記第1予測ステップによって予測された販売予測を、前記自動販売機から所定範囲内にある店舗に送信する通信ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
地図情報を記憶する記憶機能と、
商品を販売する複数の販売位置であって、自動販売機が設置されている位置と、店舗の位置とが含まれる前記販売位置に関する位置情報を取得する第1取得機能と、
前記第1取得機能によって取得された位置情報と、前記記憶機能で記憶される地図情報とに基づいて前記複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する抽出機能と、
前記抽出機能によって抽出された前記販売空白地域の人口、前記販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、前記販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する第2取得機能と、
前記第2取得機能によって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、前記販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定機能と、
前記自動販売機において取得される外部情報に基づいて取得される前記自動販売機の周囲の通行状況に関する通行情報を利用して、商品の販売予測を行う第1予測機能と、
前記第1予測機能によって予測された販売予測を、前記自動販売機から所定範囲内にある店舗に送信する通信機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売する店舗を新規に出店する場合、多額の費用等がかかることから、調査員による調査と、その調査に基づく出店評価とが重要視されている。その調査と出店評価を支援するシステムとしては、特許文献1に記載されたシステムがある。
特許文献1に記載されたシステムは、調査員が調査した競合店の情報、及び、候補物件に関する物件情報等をシステムに入力して出店候補地を指定すると、指定した出店候補地を中心とした地図と、調査員が商圏と考える商圏範囲と重ねて表示部に表示するようになっている。特許文献1に記載されたシステムは、商圏範囲内の人口及び世帯数を取得する。さらに、特許文献1に記載されたシステムは、出店候補地の情報と、商圏に関する情報とに基づいて、出店候補地の評価を行い、評価結果を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-125955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品を販売する形態には、店舗で販売する形態及び自動販売機で販売する形態がある。
商品をより多く販売するためには、店舗及び自動販売機を密に配置した方が良いと考えられる場合があるが、店舗及び自動販売機を密に配置すると互いの商圏が重複してしまう可能性がある。商圏が互いに重なった場合には商品の販売が伸びない可能性があり、店舗及び自動販売機の配置の効率が悪くなる可能性がある。
【0005】
本発明は、商品の効率的な販売位置を提示することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、地図情報を記憶する記憶部と、商品を販売する複数の販売位置に関する位置情報を取得する第1取得部と、第1取得部によって取得された位置情報と、記憶部に記憶される地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する抽出部と、抽出部によって抽出された販売空白地域の人口、販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する第2取得部と、第2取得部によって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定部と、を備える。
【0007】
一態様の情報処理装置では、商品を販売する複数の販売位置には、自動販売機が設置されている位置と、店舗の位置とが含まれ、自動販売機の外部の情報を取得する情報取得部から送信された外部情報を取得する第3取得部と、第3取得部によって取得された外部情報に基づいて、自動販売機の周囲の通行状況に関する通行情報を取得する第4取得部と、第4取得部によって取得された通行情報に基づいて、商品の販売予測を行う第1予測部と、第1予測部によって予測された販売予測を、自動販売機から所定範囲内にある店舗に送信する通信部と、を備えることとしてもよい。
【0008】
一態様の情報処理装置は、第4取得部によって取得された通行情報に基づいて、自動販売機の周囲の犯罪発生の可能性を示す防犯情報を取得する第5取得部を備え、通信部は、第5取得部によって取得された防犯情報を、自動販売機から所定範囲内にある店舗に送信することとしてもよい。
【0009】
一態様の情報処理装置は、第4取得部によって取得された通行情報に基づいて、店舗への来店客数を予測する第2予測部を備え、通信部は、第2予測部によって予測された来店客数を、自動販売機から所定範囲内にある店舗へ送信することとしてもよい。
【0010】
一態様の情報処理装置では、情報取得部は、外部情報としての画像データを生成する撮像部、外部情報としての音データを生成するマイク、及び、外部情報として振動データを生成する振動センサのうち少なくとも1つであってもよい。
【0011】
一態様の情報処理装置は、1又は複数の店舗の混雑状況に関する第1混雑情報をその店舗から取得する第6取得部と、情報取得部によって取得された外部情報に基づいて、自動販売機の混雑状況に関する第2混雑情報を取得する第7取得部と、ユーザが所有する端末からその端末の位置に関する端末位置情報を取得する第8取得部と、第8取得部によって取得された端末位置情報に基づいて、端末から所定範囲の距離にある店舗及び自動販売機を抽出し、抽出した店舗の第1混雑情報と、抽出した自動販売機の第2混雑情報とに基づいて、商品を提供するまでの所定時間内の店舗及び自動販売機を特定する第2特定部を備え、通信部は、第2特定部によって特定された店舗及び自動販売機に関する情報を端末に送信することとしてもよい。
【0012】
一態様の情報処理装置では、コンピュータが、地図情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、商品を販売する複数の販売位置に関する位置情報を取得する第1取得ステップと、第1取得ステップによって取得された位置情報と、記憶部に記憶される地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する抽出ステップと、抽出ステップによって抽出された販売空白地域の人口、販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する第2取得ステップと、第2取得ステップによって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定ステップと、を実行する。
【0013】
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、地図情報を記憶する記憶機能と、商品を販売する複数の販売位置に関する位置情報を取得する第1取得機能と、第1取得機能によって取得された位置情報と、記憶部に記憶される地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する抽出機能と、抽出機能によって抽出された販売空白地域の人口、販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する第2取得機能と、第2取得機能によって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0014】
一態様の情報処理装置は、位置情報と地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている販売空白地域を抽出し、販売空白地域の特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、例えば、特定情報としての販売空白地域の人口、販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、前記販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数のうち少なくとも1つの数値が閾値以上となる場合に集客が見込めるので、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定することで、商品の効率的な販売位置を提示することができる。
一態様の情報処理方法及び情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る情報処理システムについて説明するためのブロック図である。
図2】抽出部によって抽出される販売空白地域の一例について説明するための図である。
図3】情報取得部について説明するためのブロック図である。
図4】情報処理装置が新規の販売地域を特定するための処理方法の一例について説明するためフローチャートである。
図5】自動販売機で取得される外部情報に基づいた処理方法の一例について説明するためのフローチャートである。
図6】端末に店舗及び自動販売機を提案する処理方法の一例について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システムについて説明するためのブロック図である。
【0017】
情報処理システム1は、情報処理装置10、店舗50、自動販売機60及び端末70を備える。
【0018】
店舗50は、ユーザに商品を提供する施設である。店舗50及び自動販売機60がユーザに提供する商品の一例は、飲食物等である。図1では店舗50、自動販売機60及び端末70がそれぞれ1つのみ記載されるが、情報処理システム1の店舗50、自動販売機60及び端末70は複数であってもよい。
端末70は、ユーザが所有する端末であり、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等である。
【0019】
情報処理装置10は、例えば、店舗50及び自動販売機60を管理する管理本部等に配される。情報処理装置10は、店舗50、自動販売機60及び端末70との間で情報を送受信することが可能である。情報処理装置10は、店舗50、自動販売機60及び端末70との間で情報を送受信して、その情報を処理することが可能であり、例えば、端末又はサーバ等である。
【0020】
情報処理装置10は、既に設置された店舗50又は自動販売機60の設置位置(販売位置)に関する位置情報に基づいて、店舗50又は自動販売機60が設置されていないエリアを新規の販売地域として特定する。すなわち、情報処理装置10は、店舗50又は自動販売機60の新規の出店地域を特定する。
【0021】
なお、情報処理装置10は、店舗50のみの設置位置(販売位置)に基づいて、自動販売機60を設置する新規の販売地域を特定してもよい。又は、情報処理装置10は、店舗50のみの設置位置(販売位置)に基づいて、店舗50を設置する新規の販売地域を特定してもよい。又は、情報処理装置10は、自動販売機60のみの設置位置(販売位置)に基づいて、店舗50及び自動販売機60の少なくとも一方を設置する新規の販売地域を特定してもよい。又は、情報処理装置10は、店舗50及び自動販売機60の両方の設置位置(販売位置)に基づいて、店舗50及び自動販売機60の少なくとも一方を設置する新規の販売地域を特定してもよい。
【0022】
次に、情報処理装置10について詳細に説明する。
図2は、抽出部によって抽出される販売空白地域の一例について説明するための図である。
【0023】
図1に示すように、情報処理装置10は、記憶部31、通信部32、表示部33、第1取得部11、抽出部12、第2取得部13、第1特定部14、第3取得部15、情報取得部61、第4取得部16、第1予測部17、第5取得部18、第2予測部19、第6取得部20、第7取得部21、第8取得部22及び第2特定部23を備える。第1取得部11、抽出部12、第2取得部13、第1特定部14、第3取得部15、情報取得部61、第4取得部16、第1予測部17、第5取得部18、第2予測部19、第6取得部20、第7取得部21、第8取得部22及び第2特定部23は、情報処理装置10の制御部の一機能であってもよい。
【0024】
記憶部31は、地図情報を記憶する。地図情報は、例えば、市街地図、道路地図及び地形図等の、店舗50及び自動販売機60の位置を把握することが可能な地図に関する情報であってよい。
【0025】
通信部32は、自動販売機60、店舗50(店舗50に配される端末(図示せず))、及び、ユーザが所有する端末70と通信を行う。
表示部33は、文字及び画像等を表示することが可能である。
【0026】
第1取得部11は、商品を販売する複数の販売位置に関する位置情報を取得する。商品を販売する位置とは、店舗50及び自動販売機60が設置されている位置のことである。店舗50及び自動販売機60は、情報処理装置10が設置される管理本部等が管理する、同じ系列の店舗及び自動販売機である。第1取得部11は、複数の店舗50の位置情報、及び、複数の自動販売機60の位置情報を取得する。第1取得部11は、例えば、外部に配されるサーバ等(図示せず)から位置情報を取得することとしてもよく、管理本部の従業員等が入力部(キーボード及びマウス等(図示せず))を操作することに基づいて入力された位置情報を取得することとしてもよい。
【0027】
図2を参照して、抽出部12を説明する。
抽出部12は、第1取得部11によって取得された位置情報と、記憶部31に記憶される地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている地域としての販売空白地域を抽出する。抽出部12は、地図情報に基づく地図に販売位置(店舗50及び自動販売機60の位置)を記録する。抽出部12は、例えば、販売位置から所定距離内の所定範囲A1を、その販売位置の販売エリアと推定する。販売エリアは、販売位置毎に推定される。抽出部12は、推定された販売エリア外において、1又は複数の販売空白地域A2を抽出する。
【0028】
所定距離は、店舗50及び自動販売機60に応じて設定されていてもよいし、設定されていなくともよい。
自動販売機60からの所定距離には、例えば、自動販売機60の近所の住人等が行ける距離等の相対的に近い距離が設定されてもよい。具体的な一例として、自動販売機60からの所定距離は、50m、100m、200m、300m又は500m等の任意の距離が設定されてもよい。
店舗50からの所定距離には、例えば、店舗50の近所の住人等の他に、店舗50から相対的に離れた位置の住人等が車又はバイク等で行ける距離等の相対的に遠い距離が設定されてもよい。具体的な一例として、店舗50からの所定距離は、1km、2km、3km、5km、8km又は10km等の任意の距離が設定されてもよい。抽出部12は、複数の販売位置から所定範囲内とはなっていない他の地域(所定範囲外となっている地域(販売空白地域))を抽出する。
【0029】
また、所定距離は、販売位置毎に設定されていてもよいし、設定されていなくともよい。この場合、販売位置毎に近隣の調査(例えば、人口、車両の交通量、又は、公共交通機関の利用客数等の調査)を行うことに基づいて、所定距離として販売位置毎に異なる距離が設定されてもよい。所定距離は、例えば、近隣の人口が相対的に少ない場合等に相対的に短い距離が設定され、近隣の人口が相対的に多い場合等に相対的に長い距離が設定されてもよい。
【0030】
抽出部12は、所定範囲外となっている地域の範囲が上述した所定範囲と同等以上(同じ又はそれ以上)となる場合、その地域を販売空白地域として抽出することとしてもよい。上述したように店舗50及び自動販売機60に応じて所定範囲が設定されている場合には、抽出部12は、店舗用の販売空白地域及び自動販売機用の販売空白地域を抽出することとしてもよい。一方、店舗50及び自動販売機60に応じて所定範囲が設定されている場合でも、抽出部12は、店舗50及び自動販売機60のいずれか一方の所定範囲(例えば、店舗50に応じた所定範囲)に基づいて、販売空白地域を抽出することとしてもよい。
【0031】
第2取得部13は、抽出部12によって抽出された販売空白地域の人口、販売空白地域を走行する車両の交通量、及び、販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数に関する特定情報のうち少なくとも1つの特定情報を取得する。第2取得部13は、例えば、外部に配されるサーバ等(図示せず)から特定情報を取得することとしてもよく、管理本部の従業員等による調査に基づいて入力部(キーボード及びマウス等(図示せず))介して入力された特定情報を取得することとしてもよい。
【0032】
販売空白地域の人口は、例えば、その販売空白地域に居住する人口、及び、その販売空白地域に勤務する人口等であってもよい。販売空白地域を走行する車両は、例えば、販売空白地域に幹線道路等の主たる道路がある場合には、その道路を走行する車両であってもよい。販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数は、例えば、販売空白地域に鉄道の駅及びバス停等がある場合には、その駅及びそのバス停を利用する利用客数であってもよい。
【0033】
第1特定部14は、第2取得部13によって取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する。第1特定部14は、販売空白地域の人口が閾値以上となる場合、販売空白地域を走行する車両の交通量が閾値以上となる場合、又は、販売空白地域を走行する公共交通機関の利用客数が閾値以上となる場合、その販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する。新規の販売地域は、店舗50を設置するための地域、又は、自動販売機60を設置するための地域である。管理本部は、新規の販売地域内のいずれかの位置に、店舗50又は自動販売機60を新規に設置することを決定することが可能である。
【0034】
閾値は、例えば、所定数の商品の販売の可能性(利益が得られる可能性)等を考慮して、第1特定部14によって適宜設定される。
なお、閾値は、複数有ってもよい。すなわち、閾値には、例えば、新規の販売地域に自動販売機60を設置するための閾値、及び、新規の販売地域に店舗50を設置するための閾値の2種類があってもよい。この場合、第1特定部14は、例えば、特定情報に記録される数値が第1閾値未満の場合には新規の販売地域を特定せず、特定情報に記録される数値が第1閾値以上且つ第2閾値未満の場合には自動販売機60を設置するための新規の販売地域として特定し、特定情報に記録される数値が第2閾値以上の場合には店舗50を設置するための新規の販売地域として特定することとしてもよい。
【0035】
上述した情報処理装置10は、次のような構成を備えてもよい。
上述したように、商品を販売する複数の販売位置には、自動販売機60が既に設置されている位置と、店舗50が既に設置されている位置とが含まれる。
第3取得部15は、既に設置されている自動販売機60の外部の情報を取得する情報取得部61から送信された外部情報を取得する。情報取得部61は、所定のタイミングで、外部情報を情報処理装置10に送信する。第3取得部15は、情報取得部61から送信された外部情報を取得する。
【0036】
ここで、自動販売機60が備える情報取得部61について説明する。
図3は、情報取得部について説明するためのブロック図である。
情報取得部61は、外部情報としての画像データを生成する撮像部611、外部情報としての音データを生成するマイク612、及び、外部情報として振動データを生成する振動センサ613のうち少なくとも1つである。
【0037】
撮像部611は、画像データとして、静止画データ又は動画データを生成する。撮像部611は、カメラ等である。撮像部611は、自動販売機60の外部(自動販売機60の相対的に近く)を撮像する。撮像部611は、例えば、歩行者及び車両等を撮像する。撮像部611は、自動販売機60の相対的に近くを歩行者が歩行する場合、又は、自動販売機60の相対的に近く道を車両が走行する場合、その歩行者又はその車両を撮像することとしてもよい。この場合、撮像部611は、例えば、歩行者及び車両を検知する検知センサと連動することにより、歩行者又は車両を撮像することとしてもよい。
【0038】
マイク612は、自動販売機60の外部の音を取得する。マイク612は、例えば、相対的に大きな音(予め設定された閾値よりも大きい音)を取得することとしてもよい。相対的に大きな音とは、例えば、車両が集団走行する際の音であり、デシベル計等の計測結果に基づいて音の大きさが判断されてもよい。
【0039】
振動センサ613は、自動販売機60の外部の振動(自動販売機60に伝わった振動)を取得する。振動センサ613は、例えば、相対的に大きな振動(予め設定された閾値よりも大きな振動)、又は、予め設定された特徴的な振動(振動波形が特徴的なもの)を取得することとしてもよい。相対的に大きな振動、又は、振動波形が特徴的な振動とは、例えば、車両が集団走行する際の振動である。
【0040】
第4取得部16は、第3取得部15によって取得された外部情報に基づいて、自動販売機60の周囲の通行状況に関する通行情報を取得する。第4取得部16は、一例として、撮像部611によって撮像された画像データ(外部情報)に基づいて、自動販売機60の相対的に近くを歩行する歩行者に関する属性(一例として、性別及び年代等)を通行情報として取得する。また、第4取得部16は、一例として、撮像部611によって撮像された画像データ(外部情報)に基づいて、自動販売機60の相対的に近くを走行する車両に関する属性(一例として、乗用車、トラック及びバイク等の車両タイプ)を通行情報として取得する。また、第4取得部16は、通行情報として、歩行者の人数、歩行者が歩いていた曜日及び時間帯、車両の数、並びに、車両が走行していた曜日及び時間帯、も取得することとしてもよい。
【0041】
また、第4取得部16は、外部情報(例えば、画像データ、音データ又は振動データ等)に基づいて、自動販売機60の周囲を走行する車両に関する属性を通行情報として取得することができる。車両に関する属性は、例えば、上述したように、乗用車、トラック及びバイク等の車両タイプの他に、複数の車両が走行していること(車両が集団走行していること)の車両の走行状況等であってよい。
【0042】
第1予測部17は、第4取得部16によって取得された通行情報に基づいて、商品の販売予測を行う。第1予測部17は、例えば、撮像部611によって撮像された複数の歩行者のうち、属性が30歳代及び40歳代の男性の歩行者が相対的に多い場合、量が多い料理、すなわち、大盛の牛丼等が売れる可能性があると商品の販売予測を行う。第1予測部17は、例えば、撮像部611によって撮像された複数の歩行者のうち、属性が女性の歩行者が相対的に多い場合、量が少ない料理及びヘルシーな料理、すなわち、小盛の牛丼及びサラダ等が売れる可能性があると商品の販売予測を行う。第1予測部17は、上記の例に限らず、外部情報(画像データ、音データ又は振動データ)に基づいて取得された通行情報に応じて、種々の商品の販売予測を行うこととしてよい。商品は、牛丼に限らず種々の飲食物(一例として、ファミリーレストランで提供する料理、すし屋で提供する料理又はステーキ店で提供する料理等)であってもよく、飲食物以外の他の製品であってもよい。
なお、第1予測部17は、複数の自動販売機60の情報取得部61によって取得された複数の通行情報を集計する等に基づいて、商品の販売予測を行うこととしてもよい。
【0043】
通信部32は、第1予測部17によって予測された販売予測を、自動販売機60から所定範囲内にある店舗50に送信する。通信部32は、外部情報が取得された自動販売機60から所定範囲内にある1又は複数の店舗50に対して、販売予測を送信する。所定範囲は、例えば、1km、2km、3km、5km、8km又は10km等の、自動販売機60の近くを歩行した歩行者、又は、自動販売機60の近くを走行した車両のドライバが立ち寄ると考えられる距離であり、適宜設定される。
【0044】
上述した情報処理装置10は、次のような構成を備えてもよい。
第5取得部18は、第4取得部16によって取得された通行情報に基づいて、自動販売機60の周囲の犯罪発生の可能性を示す防犯情報を取得する。第5取得部18は、例えば、複数の車両が走行していること(車両が集団走行していること)を示す属性が通行情報に記録される場合、自動販売機60若しくは店舗50が破損される可能性があり、又は、自動販売機60若しくは店舗50の利用客に危害が加えられる可能性があるという情報を含む防犯情報を生成する。
第5取得部18は、防犯情報を生成した場合、その防犯情報を表示部33に表示することとしてもよい。管理本部の従業員等は、表示部33に表示された防犯情報を確認することにより、自動販売機60の近隣地域を重点管理エリアとして確認することができる。
【0045】
通信部32は、第5取得部18によって取得された防犯情報を、自動販売機60から所定範囲内にある店舗50に送信する。通信部32は、外部情報が取得された自動販売機60から所定範囲内にある1又は複数の店舗50に対して、販売予測を送信する。所定範囲は、例えば、集団走行をしている車両グループが来ることが予想される自動販売機60からの距離を考慮して、適宜設定される。
【0046】
上述した情報処理装置10は、次のような構成を備えてもよい。
第2予測部19は、第4取得部16によって取得された通行情報に基づいて、店舗50への来店客数を予測する。第2予測部19は、例えば、通行情報に基づいて、特定の曜日又は特定の時間帯に歩行者又は走行する車両の数が多い場合、その特定の曜日又はその特定の時間帯に、自動販売機60の近隣にある店舗50等に来店客が多くなると予測する。
【0047】
通信部32は、第2予測部19によって予測された来店客数に関する情報を、自動販売機60から所定範囲内にある店舗50へ送信する。通信部32は、外部情報が取得された自動販売機60から所定範囲内にある1又は複数の店舗50に対して、来店客数を送信する。来店客数に関する情報は、第2予測部19によって予測したように、例えば、特定の曜日又は特定の時間帯に来店客が多くなることを示す情報である。所定範囲は、例えば、1km、2km、3km、5km、8km又は10km等の、自動販売機60の近くを歩行した歩行者、又は、自動販売機60の近くを走行した車両のドライバが立ち寄ると考えられる距離であり、適宜設定される。
店舗50は、来店客数に関する情報を受信すると、特定の曜日又は特定の時間帯に、従業員を店舗50に多く配置する等のスケジュールに反映させることができる。スケジュールは、店舗50の人員配置に係るスケジュールである。
【0048】
上述した情報処理装置10は、次のような構成を備えてもよい。
第6取得部20は、1又は複数の店舗50の混雑状況に関する第1混雑情報をその店舗50から取得する。複数の店舗50それぞれは、第1混雑情報を情報処理装置10に送信する。第6取得部20は、各店舗50から送信された第1混在情報を取得する。第1混雑情報は、例えば、店舗50における順番待ちの状況であってよく、具体的には、何組が順番待ちをしているかを示す情報である。第1混在情報は、例えば、店舗50の従業員によって順番待ちのグループ数が店舗50に配される端末(図示せず)に入力することに基づいて生成され、又は、店舗50に配される端末と順番待ちをしている利用客が所有する端末70とがアプリを介して連動することに基づいて生成される。また、第1混雑情報には、例えば、店舗50でテイクアウトを実施している場合には、テイクアウトの順番待ちのグループ数が記録されていてもよい。
【0049】
第7取得部21は、情報取得部61によって取得された外部情報に基づいて、自動販売機60の混雑状況に関する第2混雑情報を取得する。例えば、情報取得部61としての撮像部611は、自動販売機60の外部を撮像するため、自動販売機60を利用するユーザが複数いる場合には、順番待ちをしているユーザを撮像することができる。第7取得部21は、第3取得部15によって外部情報が取得されると、その外部情報(例えば、画像データ)に基づいて、順番待ちをしているユーザ数を第2混雑情報として取得する。
【0050】
第8取得部22は、ユーザが所有する端末70からその端末70の位置に関する端末位置情報を取得する。端末位置情報は、例えば、店舗50又は自動販売機60で順番待ちをしているユーザが所有する端末70によって送信された端末位置情報ばかりでなく、これから店舗50又は自動販売機60に行く予定のあるユーザが所有する端末70から送信された端末位置情報、及び、情報処理装置10と情報の送受信が可能なアプリがインストールされた端末70から送信された端末位置情報であってよい。
【0051】
第2特定部23は、第8取得部22によって取得された端末位置情報に基づいて、端末70から所定範囲の距離にある店舗50及び自動販売機60を抽出し、抽出した店舗50の第1混雑情報と、抽出した自動販売機60の第2混雑情報とに基づいて、商品を提供するまでの所定時間内の店舗50及び自動販売機60を特定する。情報処理装置10には、店舗50及び自動販売機60の位置(位置情報)が予め登録されている。第2特定部23は、端末位置情報と、店舗50及び自動販売機60の位置情報とに基づいて、端末位置情報が示す端末70の位置から所定範囲の距離にある店舗50及び自動販売機60を抽出する。所定範囲の距離は、例えば、ユーザが店舗50若しくは自動販売機60に歩いていける相対的に近い距離、又は、車若しくはバイク等の交通手段を利用して行ける距離等を考慮して、適宜設定される。商品を提供するまでの所定時間は、例えば、順番待ちをしているユーザが不快に感じることが少ない時間であり、適宜設定される。
第2特定部23は、第1混雑情報及び第2混雑情報に基づいて、順番待ちの無い店舗50若しくは自動販売機60、又は、順番待ちの相対的に少ない店舗50若しくは自動販売機60を特定する。
【0052】
通信部32は、第2特定部23によって特定された店舗50及び自動販売機60に関する情報を端末70に送信する。
これにより、端末70は、順番待ちの無い又は順番待ちが相対的に少ない店舗50及び自動販売機60の情報を取得することができる。端末70は、その情報を取得すると、例えば、店舗50及び自動販売機60の位置情報(住所等)を端末表示部(図示せず)に表示してもよく、店舗50及び自動販売機60の位置が示された地図を端末表示部に表示してもよい。また、端末70、例えば、店舗50及び自動販売機60で順番待ちをしているグループ数を端末表示部に表示してもよく、店舗50でテイクアウトのために順番待ちをしているグループ数を端末表示部に表示してもよい。また、端末70は、例えば、店舗50及び自動販売機60で販売する商品の情報を端末表示部に表示してもよい。
【0053】
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
まず、情報処理装置10が新規の販売地域を特定するための処理方法について説明する。
図4は、情報処理装置が新規の販売地域を特定するための処理方法の一例について説明するためフローチャートである。
【0054】
ステップST101において、第1取得部11は、商品を販売する複数の販売位置に関する位置情報を取得する。商品を販売する位置とは、店舗50及び自動販売機60が設置されている位置のことである。
【0055】
ステップST102において、抽出部12は、ステップST101で取得された位置情報と、記憶部31に記憶される地図情報とに基づいて、複数の販売位置から所定範囲外となっている販売空白地域を抽出する。
抽出部12は、地図情報に基づく地図に販売位置(店舗50及び自動販売機60の位置)を記録する。抽出部12は、例えば、販売位置から所定距離内の所定範囲を、その販売位置の販売エリアと推定する。抽出部12は、推定された販売エリア外となる1又は複数の地域を販売空白地域として抽出する。
【0056】
ステップST103において、第2取得部13は、ステップST102で抽出された販売空白地域の人口、車両の交通量及び公共交通機関の利用客数のうち少なくとも1つの情報(特定情報)を取得する。第2取得部13は、例えば、外部のサーバ等(図示せず)から特定情報を取得し、又は、管理本部の従業員等による調査に基づいて情報処理装置10に入力された特定情報を取得する。
【0057】
ステップST104において、第1特定部14は、ステップST103で取得された特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上かを判断する。閾値は、例えば、所定数の商品の販売の可能性(利益が得られる可能性)等を考慮して、適宜設定される。特定情報の数値が閾値以上の場合(Yes)、処理は、ステップST105に進む。特定情報の数値が閾値以上でない場合(No)、処理は、新規の販売地域を特定できずに終了する。
【0058】
ステップST105において、第1特定部14は、ステップST102で抽出された販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する。第1特定部14は、ステップST102で複数の販売空白地域が抽出された場合、複数の販売空白地域のうち特定情報の数値が閾値以上となる販売空白地域を新規の販売地域として特定する。
第1特定部14は、例えば、新規の販売地域を特定した場合、その販売地域を表示部33に表示し、又は、記憶部31に記憶する。
【0059】
次に、自動販売機60で取得される外部情報に基づいた処理方法について説明する。
図5は、自動販売機で取得される外部情報に基づいた処理方法の一例について説明するためのフローチャートである。
【0060】
ステップST201において、第3取得部15は、既に設置されている自動販売機60から外部情報を取得する。外部情報は、自動販売機60の情報取得部61によって生成される。情報取得部61は、例えば、撮像部611、マイク612又は振動センサ613等である。
【0061】
ステップST202において、第4取得部16は、ステップST201で取得された外部情報に基づいて、自動販売機60の周囲の通行情報を取得する。通行情報は、例えば、自動販売機60の近くを歩行している歩行者の属性(一例として、性別及び年代等)に関する情報、及び、自動販売機60の近くを走行している車両の属性(一例として、車両タイプ又は、車両が集団走行していること)等に関する情報である。
【0062】
ステップST203において、第1予測部17は、ステップST202で取得された通行情報に基づいて、商品の販売予測を行う。第1予測部17は、複数の自動販売機60の情報取得部61によって取得された複数の通行情報を集計する等に基づいて、商品の販売予測を行うこととしてもよい。
【0063】
ステップST204において、通信部32は、ステップST203で予測された販売予測を、自動販売機60から所定範囲内にある1又は複数の店舗50に送信する。
【0064】
ステップST205において、第5取得部18は、ステップST202で取得された通行情報に基づいて、自動販売機60の周囲の犯罪発生の可能性を示す防犯情報を取得する。第5取得部18は、例えば、通行情報に基づいて車両が集団走行していると推定される場合、防犯情報を生成する。
【0065】
ステップST206において、通信部32は、ステップST205で取得された防犯情報を、自動販売機60から所定範囲内にある1又は複数の店舗50に送信する。
【0066】
ステップST207において、第2予測部19は、ステップST202で取得された通行情報に基づいて、店舗50への来店客数を予測する。第2予測部19は、例えば、特定の曜日又は特定の時間帯に、自動販売機60の近隣にある店舗50等に来店客が多くなると予測する。
【0067】
ステップST208において、通信部32は、ステップST207で来店客数に関する情報を、自動販売機60から所定範囲内にある1又は複数の店舗50へ送信する。
【0068】
次に、端末70に店舗50及び自動販売機60を提案する処理方法について説明する。
図6は、端末に店舗及び自動販売機を提案する処理方法の一例について説明するためのフローチャートである。
【0069】
ステップST301において、第6取得部20は、1又は複数の店舗50から第1混雑情報を取得する。第1混雑情報は、例えば、店舗50においる順番待ちの状況(順番待ちをしているグループ数)である。
【0070】
ステップST302において、第7取得部21は、自動販売機60の情報取得部61によって取得された外部情報に基づいて、その自動販売機60の第2混雑情報を取得する。第2混雑情報は、例えば、自動販売機60で順番待ちをしているユーザ数である。
【0071】
ステップST303において、第8取得部22は、ユーザが所有する端末70から端末位置情報を取得する。
【0072】
ステップST304において、第2特定部23は、ステップST303で取得された端末位置情報と、予め登録されている店舗50及び自動販売機60の位置情報とに基づいて、端末位置情報が示す端末70の位置から所定範囲の距離にある店舗50及び自動販売機60を抽出する。抽出される店舗50及び自動販売機60は、それぞれ1又は複数であってよい。
なお、上述した例の他に、ステップST303及びステップST304の処理の後にステップST301及びステップST302の処理が行われてもよい。
【0073】
ステップST305において、第2特定部23は、ステップST301で取得した第1混雑情報、及び、ステップST302で取得した第2混雑情報に基づいて、ステップST304で抽出した店舗50及び自動販売機60のうち、順番待ちの無い店舗50若しくは自動販売機60、又は、順番待ちの相対的に少ない店舗50若しくは自動販売機60を特定する。
【0074】
ステップST306において、通信部32は、ステップST305で特定された店舗50及び自動販売機60に関する情報を端末70に送信する。
【0075】
次に、本実施形態の効果について説明する。
情報処理装置10は、位置情報と地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている販売空白地域を抽出する抽出部12と、販売空白地域の特定情報を取得する第2取得部13と、特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する第1特定部14と、を備える。
これにより、情報処理装置10は、店舗50又は自動販売機60が設置されていない地域を新規の販売地域として特定できるので、その販売地域内に店舗50又は自動販売機60を新規に設置することにより、店舗50又は自動販売機60を効率的に設置することができる。すなわち、情報処理装置10は、商品の効率的な販売位置を提示することができる。
【0076】
情報処理装置10は、自動販売機60の情報取得部61から外部情報を取得する第3取得部15と、外部情報に基づいて、自動販売機60の周囲の通行情報を取得する第4取得部16と、通行情報に基づいて商品の販売予測を行う第1予測部17と、販売予測を自動販売機60から所定範囲内にある店舗50に送信する通信部32と、を備えることとしてもよい。この場合、情報取得部61は、撮像部611、マイク612及び振動センサ613のうち少なくとも1つであってよい。
これにより、情報処理装置10は、既に設置されている自動販売機60の周囲の状況に基づいて、その自動販売機60の近隣にある店舗50に販売予測を送信するので、その店舗50は効率的に商品を販売することができる。
【0077】
情報処理装置10は、通行情報に基づいて自動販売機60の周囲の防犯情報を取得する第5取得部18を備えることとしてもよい。この場合、通信部32は、防犯情報を自動販売機60から所定範囲内にある店舗50に送信することとしてもよい。
これにより、情報処理装置10は、店舗50の施設及び店舗50の利用客の安全を確保することができる。また、情報処理装置10では、管理本部の従業員等は、防犯情報に基づいて、自動販売機60の近隣地域を重点管理エリアとして確認することができる。
【0078】
情報処理装置10は、通行情報に基づいて店舗50への来店客数を予測する第2予測部19を備えることとしてもよい。この場合、通信部32は、第2予測部19によって予測された来店客数を、自動販売機60から所定範囲内にある店舗50へ送信することとしてもよい。
これにより、情報処理装置10は、来店客数の予測に基づいて、店舗50に配置する従業員等のスケジュールを作成することができ、適切な量の商品を保管しておくことができる。
【0079】
情報処理装置10は、第1混雑情報を店舗50から取得する第6取得部20と、自動販売機60の第2混雑情報を取得する第7取得部21と、ユーザが所有する端末70の位置に関する端末位置情報を取得する第8取得部22と、端末位置情報に基づいて、端末70から所定範囲の距離にある店舗50及び自動販売機60を抽出し、抽出した店舗50の第1混雑情報と、抽出した自動販売機60の第2混雑情報とに基づいて、商品を提供するまでに所定時間内の店舗50及び自動販売機60を特定する第2特定部23を備えることとしてもよい。この場合、通信部32は、第2特定部23によって特定された店舗50及び自動販売機60に関する情報を端末70に送信することとしてもよい。
これにより、情報処理装置10は、商品を相対的に早く提供できる(順番待ちのない、又は、順番待ちが相対的に少ない)店舗50及び自動販売機60の情報をユーザに提供することができる。また、情報処理装置10は、ユーザが店舗50又は自動販売機60において順番待ちによって不快に感じることを抑制することができる。
【0080】
情報処理方法では、コンピュータが、位置情報と地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている販売空白地域を抽出する抽出ステップと、販売空白地域の特定情報を取得する取得ステップと、特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する特定ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、店舗50又は自動販売機60が設置されていない地域を新規の販売地域として特定できるので、その販売地域内に店舗50又は自動販売機60を新規に設置することにより、店舗50又は自動販売機60を効率的に設置することができる。すなわち、情報処理方法は、商品の効率的な販売位置を提示することができる。
【0081】
情報処理プログラムは、コンピュータに、位置情報と地図情報とに基づいて複数の販売位置から所定範囲外となっている販売空白地域を抽出する抽出機能と、販売空白地域の特定情報を取得する取得機能と、特定情報に記録される数値が予め設定された閾値以上となる場合、販売空白地域を商品の新規の販売地域として特定する特定機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、店舗50又は自動販売機60が設置されていない地域を新規の販売地域として特定できるので、その販売地域内に店舗50又は自動販売機60を新規に設置することにより、店舗50又は自動販売機60を効率的に設置することができる。すなわち、情報処理プログラムは、商品の効率的な販売位置を提示することができる。
【0082】
上述した情報処理装置10の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置10の第1取得部11、抽出部12、第2取得部13、第1特定部14、第3取得部15、第4取得部16、第1予測部17、第5取得部18、第2予測部19、第6取得部20、第7取得部21、第8取得部22及び第2特定部23は、コンピュータの演算処理装置等による、第1取得機能、抽出機能、第2取得機能、第1特定機能、第3取得機能、第4取得機能、第1予測機能、第5取得機能、第2予測機能、第6取得機能、第7取得機能、第8取得機能及び第2特定機能としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。衛生管理プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、情報処理装置10の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置10の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置10の第1取得部11、抽出部12、第2取得部13、第1特定部14、第3取得部15、第4取得部16、第1予測部17、第5取得部18、第2予測部19、第6取得部20、第7取得部21、第8取得部22及び第2特定部23は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、第1取得回路、抽出回路、第2取得回路、第1特定回路、第3取得回路、第4取得回路、第1予測回路、第5取得回路、第2予測回路、第6取得回路、第7取得回路、第8取得回路及び第2特定回路として実現されてもよい。
また、情報処理装置10の記憶部31、通信部32及び表示部33は、例えば、記憶機能、通信機能及び表示機能として実現されてもよい。また、情報処理装置10の記憶部31、通信部32及び表示部33は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、記憶回路、通信回路及び表示回路として実現されてもよい。また、情報処理装置10の記憶部31、通信部32及び表示部33は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより、記憶装置、通信装置及び表示装置出力装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 第1取得部
12 抽出部
13 第2取得部
14 第1特定部
15 第3取得部
16 第4取得部
17 第1予測部
18 第5取得部
19 第2予測部
20 第6取得部
21 第7取得部
22 第8取得部
23 第2特定部
31 記憶部
50 店舗
60 自動販売機
61 情報取得部
611 撮像部
612 マイク
613 振動センサ
70 端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6