(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/56 20060101AFI20230825BHJP
A61F 13/58 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A61F13/56 213
A61F13/58
(21)【出願番号】P 2019168308
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】福元 淳生
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-147711(JP,A)
【文献】特開2012-040245(JP,A)
【文献】特開2011-224098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨ておむつであって、
前方部、股下部および後方部を長手方向に順に有する略シート状の本体部と、
前記後方部の両側部に取り付けられ、前記前方部の外面に止着されることにより、前記後方部の前記両側部を前記前方部に接続する一対の接続部と、
を備え、
各接続部が、前記長手方向に配列されて前記長手方向に垂直な幅方向に伸びる2つの止着テープを備え、
各止着テープが、
テープ基部と、
前記テープ基部の内面上に設けられ、前記前方部の前記外面に対して止着可能な止着部と、
を備え、
前記止着部が、
前記テープ基部の先端側に設けられる第1止着部と、
前記テープ基部の根元側に設けられる第2止着部と、
を含み、
前記テープ基部の前記内面において、前記第1止着部と前記第2止着部との間には、止着部が存在しない中間領域が設けられ、
前記前方部の前記外面に対する前記各接続部の止着において、一方の止着テープを前記前方部の前記外面に止着した後、他方の止着テープを、前記一方の止着テープと交差させつつ前記一方の止着テープ上に重ねた状態において、前記他方の止着テープの外面側から前記テープ基部の前記中間領域を透かして視認可能である一のマークが、前記一方の止着テープにおける前記テープ基部の外面上
、かつ、前記一方の止着テープにおける前記テープ基部の前記中間領域と重なる位置のみに設けられて
おり、
前記他方の止着テープにおいて、前記テープ基部の外面上、かつ、前記テープ基部の前記中間領域と重なる位置に他のマークが設けられており、
前記他のマークが、前記一方の止着テープよりも後に前記他方の止着テープが止着されることを指示することを特徴とする使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープタイプの使い捨ておむつが利用されている。テープタイプの使い捨ておむつでは、着用者の背側に接触する後方部の両側部に一対の接続部が取り付けられ、着用者の腹側に接触する前方部の外面に、当該一対の接続部が止着されることにより、後方部の両側部が前方部に接続される。特許文献1では、各接続部において2つの止着テープが上下方向に配列された使い捨ておむつが開示されている。また、当該2つの止着テープを交差させつつ重ねた状態で前方部の外面に止着する、重ね止めについても記載されている。
【0003】
なお、特許文献2の使い捨ておむつでは、各接続部において上下方向に配列された2つの止着テープを、互いに近接する方向に引き寄せた状態で前方部の外面に止着させるために、当該2つの止着テープに指標ラインが設けられる。また、特許文献3の使い捨ておむつでは、止着テープの表面に暗所視認処理部を設けることにより、暗い場所での装着が可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-147711号公報
【文献】特開2012-50575号公報
【文献】特開2006-305377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の使い捨ておむつのように、2つの止着テープを交差させつつ重ねた状態で前方部の外面に止着する場合、着用者が脚を動かしやすくなる、または、レッグギャザーが着用者の脚周りに密着しやすくなる等の好ましい着用状態が得られる。しかしながら、この場合に、先に止着した内側の止着テープに対して、後に止着した外側の止着テープが重なる位置によっては、当該外側の止着テープが前方部の外面から外れやすくなる場合がある。また、各接続部において、2つの止着テープを交差させつつ重ねること自体が適切に行われない場合もある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、2つの止着テープを交差させつつ重ねた状態で前方部の外面に適切に止着することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、使い捨ておむつであって、前方部、股下部および後方部を長手方向に順に有する略シート状の本体部と、前記後方部の両側部に取り付けられ、前記前方部の外面に止着されることにより、前記後方部の前記両側部を前記前方部に接続する一対の接続部とを備え、各接続部が、前記長手方向に配列されて前記長手方向に垂直な幅方向に伸びる2つの止着テープを備え、各止着テープが、テープ基部と、前記テープ基部の内面上に設けられ、前記前方部の前記外面に対して止着可能な止着部とを備え、前記止着部が、前記テープ基部の先端側に設けられる第1止着部と、前記テープ基部の根元側に設けられる第2止着部とを含み、前記テープ基部の前記内面において、前記第1止着部と前記第2止着部との間には、止着部が存在しない中間領域が設けられ、前記前方部の前記外面に対する前記各接続部の止着において、一方の止着テープを前記前方部の前記外面に止着した後、他方の止着テープを、前記一方の止着テープと交差させつつ前記一方の止着テープ上に重ねた状態において、前記他方の止着テープの外面側から前記テープ基部の前記中間領域を透かして視認可能である一のマークが、前記一方の止着テープにおける前記テープ基部の外面上、かつ、前記一方の止着テープにおける前記テープ基部の前記中間領域と重なる位置のみに設けられており、前記他方の止着テープにおいて、前記テープ基部の外面上、かつ、前記テープ基部の前記中間領域と重なる位置に他のマークが設けられており、前記他のマークが、前記一方の止着テープよりも後に前記他方の止着テープが止着されることを指示する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、2つの止着テープを交差させつつ重ねた状態で前方部の外面に適切に止着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図5A】被止着部に対する止着テープの止着を説明するための図である。
【
図5B】被止着部に対する止着テープの止着を説明するための図である。
【
図6A】第1止着テープのマークの役割を説明するための図である。
【
図6B】第1止着テープのマークの役割を説明するための図である。
【
図7A】第2止着テープのマークの役割を説明するための図である。
【
図7B】第2止着テープのマークの役割を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る使い捨ておむつ1を広げた状態にて示す平面図である。使い捨ておむつ1は、着用者の腹側に接触する部位と背側に接触する部位とを、一対の接続部4により腰周りで接続するテープタイプの使い捨ておむつである。使い捨ておむつ1は、着用者からの排泄物を受ける。
図1では、着用時に着用者に接触する側(すなわち、着用者側)の面を手前にして使い捨ておむつ1を描いている。
【0018】
図2は、使い捨ておむつ1を
図1中に示すII-IIの位置で長手方向(すなわち、
図1中における上下方向)に垂直な面で切断した断面図である。
図2では、図示の都合上、使い捨ておむつ1の各構成を厚さ方向に離して描いている。
図1および
図2に示すように、使い捨ておむつ1は、長手方向に延びる略シート状の本体部2と、一対のサイドシート3とを備える。一対のサイドシート3は、本体部2の両側部(すなわち、長手方向に垂直な幅方向の両側の端部)上において本体部2の長手方向に延びる。
図1に示す例では、一対のサイドシート3は、本体部2の長手方向のおよそ全長に亘って配置される。
【0019】
本体部2の
図1中における下側の部位201および上側の部位203はそれぞれ、着用者の腹側および背側の肌に接触する。以下の説明では、当該部位201,203をそれぞれ、「前方部201」および「後方部203」と呼ぶ。また、前方部201と後方部203との間において前方部201および後方部203から連続する部位202を「股下部202」と呼ぶ。股下部202は、着用者の股間部に対向する。使い捨ておむつ1では、本体部2が、前方部201、股下部202および後方部203を長手方向に順に有する。
図1に示す例では、前方部201および後方部203の幅方向の幅(以下、単に「幅」ともいう。)は、股下部202の幅よりも大きい。換言すれば、使い捨ておむつ1は、平面視において、いわゆる砂時計型である。
【0020】
前方部201における着用者とは反対側の外面には、被止着部26(
図3参照)が設けられる。被止着部26は、面ファスナのループ部材であり、前方部201の外面上にホットメルト接着剤等により接合される。
図1に示すように、使い捨ておむつ1は、一対の接続部4をさらに備える。一対の接続部4は、後方部203の両側部に取り付けられる。一対の接続部4の内面(着用者側の面)には、後述の止着部410が設けられる。止着部410は、被止着部26に対して止着可能な面ファスナのフック部材である。接続部4の詳細については後述する。
【0021】
使い捨ておむつ1を着用者に装着する際には、本体部2の前方部201および後方部203をそれぞれ着用者の腹側および背側に接触させた状態で、
図3に示すように、一対の接続部4が、前方部201の外面、詳細には、被止着部26に止着される。これにより、後方部203の両側部が前方部201(典型的には、前方部201の両側部)に接続される。
【0022】
図1および
図2に示すように、本体部2は、トップシート21と、吸収コア22と、バックシート23とを備える。トップシート21は、透液性のシート部材である。バックシート23は、撥液性または不透液性のシート部材である。吸収コア22は、長手方向に延びる略シート状であり、トップシート21とバックシート23との間に配置される。吸収コア22の着用者側の主面がトップシート21により覆われる。吸収コア22の他方の主面、すなわち、着用者とは反対側の主面がバックシート23により覆われる。
【0023】
図1では、図の理解を容易にするために、吸収コア22の輪郭を太い破線にて描いている。
図1に示す例では、前方部201および後方部203における吸収コア22の幅は、股下部202における吸収コア22の幅よりも大きい。換言すれば、吸収コア22は、平面視において、いわゆる砂時計型である。もちろん、吸収コア22の形状は任意に変更されてよい。
【0024】
トップシート21は、吸収コア22の周りにおいてバックシート23に固定される。トップシート21とバックシート23との固定は、例えば、ホットメルト接着剤を介して行われる。トップシート21とバックシート23との固定は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
図2に示す例では、トップシート21の幅は、バックシート23の幅よりも小さく、バックシート23の両側部は、トップシート21の両側エッジから幅方向外側に延出している。
【0025】
トップシート21は、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉し、当該水分を吸収コア22へと移動させる。吸収コア22は、トップシート21を透過した水分(すなわち、着用者からの排泄物の水分)を吸収して固定する。バックシート23は、バックシート23に到達した排泄物の水分等が、本体部2の外部にしみ出すことを防止する。
【0026】
図1に示すように、本体部2の長手方向の両端部では、幅方向に延びる弾性部材25が、トップシート21とバックシート23との間にホットメルト接着剤等により伸張状態にて接合される。弾性部材25は、幅方向に延びる少なくとも1本の弾性要素を含む。弾性部材25が収縮することによりウエストギャザーが形成され、使い捨ておむつ1の着用時に本体部2が着用者の腰周りに密着する。
【0027】
一対のサイドシート3のそれぞれは、撥液性または不透液性のサイドシート本体31と、弾性部材32とを備える。
図2に示すように、サイドシート本体31は、固定部33と、側壁部34とを備える。固定部33は、トップシート21の側部上、および、バックシート23のトップシート21から幅方向外側に延出する側部上に固定される。固定部33とトップシート21およびバックシート23との固定は、ホットメルト接着剤等の接着剤を介して行われる。固定部33とトップシート21およびバックシート23との固定は、例えば、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0028】
側壁部34は、固定部33の幅方向内側に連続し、固定部33と共に長手方向に延びる。使い捨ておむつ1では、一対の側壁部34が、吸収コア22の両側部近傍においてトップシート21側に設けられる。各側壁部34の端部、すなわち、自由端には、長手方向に延びる弾性部材35がホットメルト接着剤等により伸張状態にて接合される。弾性部材35は、長手方向に延びる少なくとも1本の弾性要素を含む。弾性部材35が収縮することにより、側壁部34が着用者に向かって立ち上がり、立体ギャザーが形成される。
【0029】
本体部2の股下部202の側部では、長手方向に延びる弾性部材32が、固定部33とバックシート23との間にホットメルト接着剤等により伸張状態にて接合される。弾性部材32は、長手方向に延びる少なくとも1本の弾性要素を含む。弾性部材32が収縮することにより、固定部33およびバックシート23が着用者側に向かって立ち上がり、着用者の脚の付け根近傍に密着するレッグギャザーとなる。トップシート21の形状によっては、弾性部材32が、トップシート21と固定部33またはバックシート23との間に配置されてもよい。また、バックシート23が、複数のシートの積層体である場合には、弾性部材32が、当該複数のシートのうち互いに隣接するシート間に配置されてもよい。
【0030】
吸収コア22は、例えば、粒状または繊維状の高吸収性材料、および、親水性繊維の集合体のうち、少なくとも一方を吸収材として含む。当該高吸収性材料としては、例えば、粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))、または、繊維状の高吸収性ファイバー(SAF(Super Absorbent Fiber))が利用される。当該親水性繊維の集合体は、例えば、粉砕されたパルプ繊維またはセルロース繊維により形成される。
図2に示す例では、吸収コア22は、上述の親水性繊維の集合体に粒状のSAPを混合したものを、ティッシュペーパーまたは透液性不織布等により包み込むことにより形成される。これにより、親水性繊維の集合体の型崩れ、および、SAPの脱落(特に、吸液後における脱落)を防止することができる。
【0031】
トップシート21は、例えば、透液性の不織布により形成される。当該不織布は、例えば、表面が界面活性剤により親水処理された疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)により形成される。当該不織布は、セルロース、レーヨンまたはコットン等の親水性繊維により形成されてもよい。当該不織布は、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布またはスパンレース不織布等である。
【0032】
バックシート23は、例えば、疎水性繊維により形成された不透液性もしくは撥液性の不織布(スパンボンド不織布、メルトブロー不織布またはSMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布等)、または、不透液性もしくは撥液性のプラスチックフィルムにより形成される。バックシート23は、当該不織布と当該プラスチックフィルムとの積層体であってもよい。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、使い捨ておむつ1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(すなわち、通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0033】
サイドシート本体31は、例えば、疎水性繊維にて形成された不透液性または撥液性の不織布(エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布またはSMS不織布等)により形成される。弾性部材25,32,35の弾性要素としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、または、糸状もしくは帯状の天然ゴム等が利用される。本実施の形態では、ポリウレタン糸が弾性要素として利用される。
【0034】
次に、接続部4の詳細について説明する。
図4は、一方の接続部4近傍を拡大して示す図である。他方の接続部4も、
図4と同様の構造を有する。各接続部4は、2つの止着テープ41と、1つの共通基部42とを備える。2つの止着テープ41は、
図1および
図4中の上下方向である本体部2の長手方向に配列される。各止着テープ41は、
図1および
図4中の左右方向である本体部2の幅方向に伸びる。以下、本体部2の長手方向を「本体長手方向」といい、本体部2の幅方向を「本体幅方向」という。本体長手方向は、止着テープ41の幅方向であり、本体幅方向は、止着テープ41の長手方向である。共通基部42は、略矩形であり、2つの止着テープ41の本体幅方向内側(すなわち、本体部2側)に位置する。2つの止着テープ41の構造および形状は同様である。各止着テープ41の本体幅方向の長さは、例えば、共通基部42の本体部2から露出している部位の本体幅方向の長さよりも長い。
【0035】
各止着テープ41は、テープ基部413と、止着部410とを備える。テープ基部413は、本体幅方向に伸びるテープ状(帯状)である。
図4の例では、本体長手方向におけるテープ基部413の幅は、テープ基部413の先端である本体幅方向外側の端部に向かうに従って漸次小さくなる。以下の説明では、テープ基部413において
図4中の手前側における主面414を「内面414」といい、内面414とは反対側の主面415を「外面415」という。使い捨ておむつ1を着用者に装着した状態において、テープ基部413の内面414は、本体部2の前方部201(
図3参照)に対向し、テープ基部413の外面415は、着用者とは反対側を向く。
【0036】
止着部410は、第1止着部411と、第2止着部412とを備える。
図4では、図の理解を容易にするために、第1止着部411および第2止着部412に平行斜線を付す(他の図において同様)。第1止着部411および第2止着部412のそれぞれは、テープ基部413の内面414上に設けられ、テープ基部413を本体長手方向に横断する。テープ基部413の内面414において、第1止着部411と第2止着部412との間には、止着部が存在しない中間領域416が設けられる。
【0037】
第1止着部411は、テープ基部413の先端側(本体部2とは反対側)に設けられ、第2止着部412は、テープ基部413の根元側に設けられる。第1止着部411は、止着部410の先端部であり、第2止着部412は、止着部410の根元部である。
図4の例では、第1止着部411は、テープ基部413の先端エッジから本体部2側に離れた位置に配置される。すなわち、テープ基部413の内面414において、テープ基部413の先端エッジと第1止着部411との間には、止着部が存在しない先端領域417が設けられる。後述するように、第1止着部411および第2止着部412は被止着部26に対して止着可能であり、先端領域417は、止着テープ41の止着および止着の解除の際に指先で摘ままれる領域である。
【0038】
第1止着部411および第2止着部412のそれぞれは、面ファスナのフック部材であり、ベースシートと、微細フック構造とを有する。ベースシートは、樹脂等により形成され、一方の面がテープ基部413の内面414にホットメルト接着剤等により接合される。微細フック構造は、多数の微細なフック要素の集合であり、ベースシートの他方の面に設けられる。
【0039】
既述のように、前方部201の被止着部26(
図3参照)は、面ファスナのループ部材であり、多数の微細なループ要素の集合である微細ループ構造を備える。第1止着部411および第2止着部412の微細フック構造は、被止着部26の微細ループ構造と互いに係合可能である。このように、止着テープ41の止着部410は、被止着部26に対して止着可能である。なお、使い捨ておむつ1の設計によっては、止着部410に微細ループ構造が設けられ、被止着部26に微細フック構造が設けられてもよい。
【0040】
図4中に破線にて示すように、テープ基部413の外面415には、所定のマーク43が設けられる。マーク43は、例えば印刷によりテープ基部413に形成される。マーク43は、印刷以外の手法により形成されてもよい。止着テープ41を平面視した場合に、テープ基部413の外面415上のマーク43は、内面414の中間領域416と重なる。
図4の例では、下側に位置する止着テープ41に「1」を示すマーク43が設けられ、上側に位置する止着テープ41に「2」を示すマーク43が設けられる。マーク43は、文字、図柄、記号、線等であってもよい。マーク43の他の例については後述する。
【0041】
本実施の形態では、各止着テープ41のテープ基部413は、白色の樹脂材料により形成され、マーク43は白色以外の有色のインクにより形成される。マーク43は、テープ基部413の外面415側のみならず、テープ基部413の内面414側からもテープ基部413を透かして視認可能である。止着テープ41では、第1止着部411および第2止着部412が、白色以外の有色の樹脂材料により形成され、テープ基部413の外面415側からテープ基部413を透かして視認可能であってもよい。
【0042】
図4の例では、2つの止着テープ41の2つのテープ基部413、および、共通基部42は1つの接続部シート40の一部であり、2つのテープ基部413はそれぞれ、共通基部42から本体幅方向外側に向かって突出する。また、共通基部42の内端部(接続部シート40の内端部でもある。)は、本体部2のサイドシート3とバックシート23との間に挟まれて接合される。共通基部42の内端部以外の部位は、本体部2から本体幅方向外側に向かって突出する。
【0043】
各止着テープ41において、本体幅方向における第1止着部411の内側エッジと第2止着部412の外側エッジとの間の距離、すなわち、本体幅方向における中間領域416の長さL1は、本体長手方向におけるテープ基部413の中間領域416でのエッジ間距離D1(詳細には、中間領域416の本体幅方向中央におけるエッジ間距離)以上であることが好ましい。上述のように、各接続部4における2つの止着テープ41の構造および形状は同様である。したがって、一方の止着テープ41におけるL1は他方の止着テープ41におけるD1以上である。
【0044】
図5Aおよび
図5Bは、被止着部26に対する止着テープ41の止着を説明するための図である。以下の説明では、
図4および
図5A中の下側に位置する止着テープを「第1止着テープ41a」といい、上側に位置する止着テープを「第2止着テープ41b」という。
図5Aおよび
図5Bでは、図の理解を容易にするため、前方部201における被止着部26以外の図示を省略している。
【0045】
各接続部4では、まず、
図5Aに示すように、下側に位置する第1止着テープ41aが、先端を斜め上に向けて被止着部26に止着される。被止着部26において、先端を斜め上に向けて第1止着テープ41aを被止着部26に止着することを促すマーク(矢印等)が設けられてもよい。既述のように、第1止着テープ41aの外面415には、「1」を示すマーク43が設けられている。第1止着テープ41aの被止着部26への止着により、当該マーク43が、使い捨ておむつ1の装着作業を行う者(例えば、介護者や着用者自身であり、以下、単に「作業者」という。)において直接的に視認可能となる。
【0046】
仮に、作業者が第2止着テープ41bを第1止着テープ41aよりも先に被止着部26に止着した場合には、第2止着テープ41bの外面415に設けられた、「2」を示すマーク43が作業者において直接的に視認可能となる。第2止着テープ41bのマーク43の「2」は、第1止着テープ41aよりも後に第2止着テープ41bが止着されることを指示する。したがって、第1止着テープ41aと第2止着テープ41bの止着順序が誤っていることを、作業者に気付かせることが可能となる。なお、マーク43が示す止着順序は、好ましい順序に過ぎず、第2止着テープ41bを第1止着テープ41aよりも先に被止着部26に止着することを除外するものではない。すなわち、使い捨ておむつ1では、第1止着テープ41aおよび第2止着テープ41bのいずれが先に被止着部26に止着されてもよい。マーク43が示す止着順序は、数字以外に、文字または記号等により表されてもよい。
【0047】
続いて、上側に位置する第2止着テープ41bが、第1止着テープ41a上に重ねられ、被止着部26に止着される。既述のように、第2止着テープ41bの外面415には、「2」を示すマーク43が設けられ、第1止着テープ41aの外面415には、「1」を示すマーク43が設けられている。第2止着テープ41bを第1止着テープ41a上に重ねる際には、作業者により、第2止着テープ41bのマーク43の位置が、第1止着テープ41aのマーク43に対して合わせられる。ここでは、第2止着テープ41bのマーク43が、第1止着テープ41aのマーク43に重ねられる(第1止着テープ41aのマーク43を覆う)。これにより、
図5Bに示すように、第2止着テープ41bが、先端を斜め下に向けて被止着部26に止着され、第1止着テープ41aと交差する。好ましくは、第2止着テープ41bの中心線と第1止着テープ41aの中心線とがなす角度は、30°以上90°以下である。
【0048】
また、第2止着テープ41bのマーク43の位置を第1止着テープ41aのマーク43に対して合わせた状態では、第2止着テープ41bの第1止着部411が、第1止着テープ41aとほとんど重ならないように、テープ基部413上におけるマーク43および第1止着部411等の配置が決定されている。したがって、
図5Bに示す状態では、第2止着テープ41bの第1止着部411の大部分を、第1止着テープ41aに重ねることなく被止着部26に直接接触させる、すなわち、第1止着部411を被止着部26にしっかりと止着することが可能となる。
図5Bでは、図の理解を容易にするために、第2止着テープ41bの第1止着部411および第2止着部412に平行斜線を付す。
【0049】
既述のように、好ましい接続部4では、中間領域416の長さL1は、テープ基部413の中間領域416でのエッジ間距離D1(
図4参照)以上である。これにより、第2止着テープ41bの第1止着部411が、第1止着テープ41aの近傍において被止着部26に接触する
図5Bの状態では、第2止着テープ41bの第2止着部412の少なくとも一部を、第1止着テープ41aに重ねることなく被止着部26に直接接触させる、すなわち、第2止着部412を被止着部26にしっかりと止着することが可能となる。なお、第1止着テープ41aを第2止着テープ41b上に重ねて止着する場合も同様である。
【0050】
接続部4では、第2止着テープ41bの外面415側からテープ基部413を透かして第1止着テープ41aのマーク43が視認可能である。したがって、第2止着テープ41bを第1止着テープ41a上に重ねた状態において、第2止着テープ41bのマーク43の位置が第1止着テープ41aのマーク43に対して合わせられているか否かを確認することが容易に可能である。
【0051】
ここで、第1止着テープ41aのマーク43および第2止着テープ41bのマーク43の役割について説明する。
図6Aおよび
図6Bは、第1止着テープ41aのマーク43の役割を説明するための図であり、第1止着テープ41aにマーク43を設け、第2止着テープ41bのマーク43を省略した接続部4を示している。
図6Aに示すように、第1止着テープ41aが、先端を斜め上に向けて被止着部26に止着される。続いて、第2止着テープ41bが、被止着部26に止着される。このとき、第2止着テープ41bが第1止着テープ41aのマーク43を覆うように、第2止着テープ41bが第1止着テープ41a上に重ねられる。これにより、
図6Bに示すように、第2止着テープ41bが、先端を斜め下に向けて被止着部26に止着され、第1止着テープ41aと第2止着テープ41bとが交差する。
【0052】
よって、第1止着テープ41aのマーク43は、第1止着テープ41aを前方部201の外面(の被止着部26)に止着した後、第2止着テープ41bを前方部201の外面に止着する際に参照されることにより、第2止着テープ41bを、第1止着テープ41aと交差させつつ第1止着テープ41a上に重ねさせるための交差案内マークであるといえる。
図5Aおよび
図5Bの例において、第2止着テープ41bを第1止着テープ41aよりも先に被止着部26に止着する場合には、第2止着テープ41bのマーク43が、交差案内マークとなる(接続部4の他の例において同様)。
【0053】
以上のように、
図4の接続部4では、前方部201の外面に対する止着において、一方の止着テープ41を前方部201の外面に止着した後、他方の止着テープ41を前方部201の外面に止着する際に参照され、当該他方の止着テープ41を、当該一方の止着テープ41と交差させつつ当該一方の止着テープ41上に重ねさせるための交差案内マークが、当該一方の止着テープ41に設けられている。これにより、2つの止着テープ41を交差させつつ重ねた状態を容易に形成して、当該2つの止着テープ41を前方部201の外面に適切に止着することができる。なお、実際の使い捨ておむつ1において、
図6Aおよび
図6Bの構成が用いられてもよい。
【0054】
図7Aおよび
図7Bは、第2止着テープ41bのマーク43の役割を説明するための図であり、第2止着テープ41bにマーク43を設け、第1止着テープ41aのマーク43を省略した接続部4を示している。
図7Aに示すように、第1止着テープ41aが、先端を斜め上に向けて被止着部26に止着される。続いて、第2止着テープ41bが、被止着部26に止着される。このとき、第2止着テープ41bのマーク43を、第1止着テープ41aの中央近傍(例えば、第1止着テープ41aの中間領域416の中央近傍)等の所定位置に重ねることにより、第2止着テープ41bの第1止着部411を被止着部26に直接接触させることが可能となる。
【0055】
よって、第2止着テープ41bのマーク43は、第2止着テープ41bを、第1止着テープ41aと交差させつつ第1止着テープ41a上に重ねる際に参照されることにより、第2止着テープ41bの第1止着部411を前方部201の外面(の被止着部26)に直接接触させるための止着位置案内マークであるといえる。
図5Aおよび
図5Bの例において、第2止着テープ41bを第1止着テープ41aよりも先に被止着部26に止着する場合には、第1止着テープ41aのマーク43が、止着位置案内マークとなる(接続部4の他の例において同様)。
【0056】
以上のように、
図4の接続部4では、前方部201の外面に対する止着において、一方の止着テープ41を前方部201の外面に止着した後、他方の止着テープ41を、当該一方の止着テープ41と交差させつつ当該一方の止着テープ41上に重ねる際に参照され、当該他方の止着テープ41の止着部410の先端部を前方部201の外面に直接接触させるための止着位置案内マークが、当該他方の止着テープ41に設けられている。これにより、2つの止着テープ41を交差させて前方部201の外面に止着する際に、外側に配置される(後に止着される)止着テープ41の止着部410の先端部を、より確実に前方部201の外面に接触させることができる。その結果、当該止着テープ41を強固に止着して、当該止着テープ41の前方部201の外面からの剥がれを防止することができる。このように、使い捨ておむつ1では、2つの止着テープ41を交差させつつ重ねた状態で前方部201の外面に適切に止着することができる。なお、実際の使い捨ておむつ1において、
図7Aおよび
図7Bの構成が用いられてもよい。
【0057】
図4の接続部4の各止着テープ41では、第1止着部411と第2止着部412との間にフック部材が接合されない中間領域416が設けられる。これにより、2つの止着テープ41を交差させつつ重ねた状態において、外側に配置される止着テープ41の外面415側からテープ基部413を透かして、内側に配置される(先に止着される)止着テープ41のマーク43(交差案内マーク)が視認可能となる。その結果、外側の止着テープ41のマーク43の位置が内側の止着テープ41のマーク43に対して合わせられているか否かを容易に確認することが可能となる。また、中間領域416を設けることにより、止着部(すなわち、第1止着部411および第2止着部412)の合計面積を小さくすることができ、使い捨ておむつ1の製造コストを削減することができる。
【0058】
また、本体幅方向における中間領域416の長さL1が、本体長手方向におけるテープ基部413の中間領域416でのエッジ間距離D1以上であることにより、外側の止着テープ41において止着に利用されない部位(すなわち、内側の止着テープ41に重なる部位)に止着部410が設けられることを抑制して(止着部410の合計面積をより小さくして)、使い捨ておむつ1の製造コストをさらに削減することができる。
【0059】
図8Aおよび
図8Bは、接続部4の他の例を示す図であり、
図5Aおよび
図5Bにそれぞれ対応する。
図8Aに示すように、第1止着テープ41aのテープ基部413の外面415には、複数本の矢印(1本の矢印であってもよい。)を示すマーク43が設けられる。当該複数本の矢印(マーク43)は、中間領域416と重なる位置に設けられ、第1止着部411および第2止着部412に略平行である。また、当該複数本の矢印の始点は、第2止着テープ41b側に位置し、終点は第2止着テープ41bとは反対側に位置する。第1止着テープ41aのマーク43は交差案内マークであり、第2止着テープ41bを被止着部26に止着する際に、作業者に対して第2止着テープ41bを第1止着テープ41aと交差させることを促す。これにより、
図8Bに示すように、第1止着テープ41aおよび第2止着テープ41bを交差させつつ重ねた状態を容易に形成することができる。
【0060】
第2止着テープ41bのテープ基部413の外面415には、複数本の矢印(1本の矢印であってもよい。)を示すマーク43が設けられる。当該複数本の矢印(マーク43)は、中間領域416(
図8A参照)と重なる位置に設けられ、第1止着部411および第2止着部412に略垂直である。また、当該複数本の矢印の始点は、第2止着部412側に位置し、終点は第1止着部411側に位置する。
【0061】
図8Bの例では、第2止着テープ41bを第1止着テープ41aと交差させつつ第1止着テープ41a上に重ねる際に、当該複数本の矢印の終点を第1止着テープ41aを超えた位置に配置することにより、第2止着テープ41bの第1止着部411が、第1止着テープ41aとほとんど重ならないように設計されている。このように、第2止着テープ41bのマーク43は、第2止着テープ41bの第1止着部411を被止着部26に直接接触させるための止着位置案内マークである。これにより、第2止着テープ41bの第1止着部411を、より確実に被止着部26に接触させることができ、第2止着テープ41bを強固に止着することができる。既述のように、第1止着テープ41aが第2止着テープ41b上に重ねて止着されてもよい。
【0062】
図9Aないし
図9Dは、接続部4の他の例を示す図であり、
図5Bに対応する。
図9Aの例では、第1止着テープ41aの外面415に円形のマーク43が設けられ、第2止着テープ41bの外面415に第1止着テープ41aのマーク43よりも小さい円形のマーク43が設けられる。第2止着テープ41bを第1止着テープ41a上に重ねる際に、第2止着テープ41bのマーク43の円が、第1止着テープ41aのマーク43の円内に配置される。これにより、第2止着テープ41bの第1止着部411の大部分が、被止着部26に直接接触する。
【0063】
図9Bの例では、第1止着テープ41aの外面415に有色の矩形であるマーク43が設けられ、第2止着テープ41bの外面415に円形の貫通孔がマーク43として設けられる。第2止着テープ41bを第1止着テープ41a上に重ねる際には、第2止着テープ41bのマーク43である貫通孔が、第1止着テープ41aのマーク43に重ねられる。これにより、第2止着テープ41bの第1止着部411の大部分が、被止着部26に直接接触する。また、当該貫通孔から第1止着テープ41aのマーク43の一部が露出する、すなわち、当該貫通孔内の色が周囲の色と相違する。これにより、第2止着テープ41bのマーク43が第1止着テープ41aのマーク43に重ねられていることを容易に確認することが可能となる。
【0064】
図9Cの例では、第1止着テープ41aの外面415、および、第2止着テープ41bの外面415に線状のマーク43が設けられ、当該線状のマーク43は、第1止着部411および第2止着部412に略垂直である。第2止着テープ41bを第1止着テープ41a上に重ねる際に、第2止着テープ41bの線状のマーク43が、第1止着テープ41aの線状のマーク43と交差させられる。これにより、第2止着テープ41bの第1止着部411の大部分が、被止着部26に直接接触する。
【0065】
図9Dの例では、第1止着テープ41aの外面415において、第1止着部411および第2止着部412とそれぞれ重なる2本の矢印を示すマーク43が設けられる。第1止着テープ41aおよび第2止着テープ41bを被止着部26に止着していない状態において、当該2本の矢印の始点は、第2止着テープ41b側に位置し、終点は第2止着テープ41bとは反対側に位置する。当該2本の矢印の間の間隔は、始点から終点に向かうに従って漸次小さくなる。第2止着テープ41bにはマーク43は設けられない。第2止着テープ41bを第1止着テープ41a上に重ねる際には、第2止着テープ41bにおいて、第1止着部411および第2止着部412に交差するテープ基部413の縁が、当該2本の矢印に近接して沿うように、第2止着テープ41bが配置される。これにより、第2止着テープ41bの第1止着部411の大部分が、被止着部26に直接接触する。
【0066】
図9Aないし
図9Dの接続部4では、第1止着テープ41aのマーク43が交差案内マークとなり、第1止着テープ41aおよび第2止着テープ41bを交差させつつ重ねることが容易に可能となる。また、
図9Aないし
図9Cの使い捨ておむつ1では、第2止着テープ41bのマーク43が止着位置案内マークとなり、第2止着テープ41bのマーク43の位置を、第1止着テープ41aのマーク43に対して合わせることにより、第2止着テープ41bの第1止着部411を、より確実に被止着部26に接触させることが可能となる。
図9Dの接続部4では、第1止着テープ41aのマーク43が止着位置案内マークを兼ねていると捉えることができる。
図9Aないし
図9Dの接続部4においても、第1止着テープ41aが第2止着テープ41b上に重ねて止着されてもよい。
【0067】
上記使い捨ておむつ1では様々な変形が可能である。
【0068】
上記実施の形態では、交差案内マークおよび止着位置案内マークが止着テープ41の外面415に設けられ、止着テープ41の外面415側から容易に視認されるが、交差案内マークおよび止着位置案内マークは、止着テープ41の外面415側から視認可能であるならば、止着テープ41の内面414(例えば、中間領域416)に設けられてもよい。
【0069】
使い捨ておむつ1の設計によっては、止着テープ41の中間領域416にフック部材が設けられてもよい。すなわち、止着部410において、第1止着部411および第2止着部412が、連続する1つのフック部材であってもよい。一方、外側に配置される止着テープ41の外面415側からテープ基部413を透かして内側に配置される止着テープ41のマーク43を視認可能とするには、第1止着部411と第2止着部412との間においてフック部材が取り付けられない中間領域416が設けられることが好ましい。
【0070】
本体部2において、前方部201の外面に微細ループ構造を直接形成することにより、被止着部26が設けられてもよい。また、前方部201の外面が不織布の表面である場合に、当該不織布の表面に対して止着部410におけるフック部材をしっかりと止着することが可能であるならば、被止着部26は省略されてもよい。さらに、第1止着部411および第2止着部412が、不織布製のテープ基部413上に粘着材料により形成された粘着層であり、被止着部26、または、被止着部26を省略した前方部201の外面が、当該粘着層が粘着可能なプラスチックフィルム等であってもよい。
【0071】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0072】
1 使い捨ておむつ
2 本体部
4 接続部
41,41a,41b 止着テープ
43 マーク
201 前方部
202 股下部
203 後方部
26 被止着部
410 止着部
411 第1止着部
413 テープ基部
414 (テープ基部の)内面
415 (テープ基部の)外面