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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】ドローンポート
(51)【国際特許分類】
   B64U 70/97 20230101AFI20230825BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20230825BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230825BHJP
   B64F 1/32 20060101ALI20230825BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20230825BHJP
   B64U 60/55 20230101ALI20230825BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230825BHJP
   B64U 101/64 20230101ALN20230825BHJP
【FI】
B64U70/97
B64C27/08
B64C39/02
B64F1/32
B64U10/13
B64U60/55
B65G1/00 501F
B64U101:64
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019170383
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021046110
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼我 隆之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 克之
(72)【発明者】
【氏名】小野 右季
(72)【発明者】
【氏名】巽 慎太郎
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-124758(JP,A)
【文献】特開2019-023020(JP,A)
【文献】国際公開第2017/138803(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/006421(WO,A1)
【文献】特開2002-114314(JP,A)
【文献】特開2009-143668(JP,A)
【文献】特開昭56-043107(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007003458(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 9/00
B64F 1/12
B64F 1/32
B64U 10/13
B64U 60/55
B64U 70/97
B64U 101/64
B65G 1/00
E01F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にドローンが離着陸する離着陸面を有するドローンポートであって、
前記ドローンは、平面視において搬送する荷物を囲む複数の脚と、
前記脚の下端部に設けられ、外部と接触して自由に転動する複数のフリーローラと、を有し、
前記離着陸面は、前記ドローンが静止して水平に載り、かつ平面視における着陸ラインの両側に前記フリーローラが整列して位置するドローン支持面と、
前記着陸ラインに沿って着陸方向の上流側に位置し、着陸中の前記ドローンを前記ドローン支持面の高さまで案内する傾斜案内面と、
前記ドローン支持面と前記傾斜案内面を間に挟んで前記着陸ラインの両側に位置し、平面視における前記ドローンの前後方向を修正する1対の姿勢修正面と、を有し、
前記ドローン支持面と前記傾斜案内面の幅方向両端に、前記姿勢修正面の幅方向内端面から下方に延びる鉛直ガイド面を有する、ドローンポート。
【請求項2】
前記傾斜案内面は、前記フリーローラと接触して下降中の前記ドローンを前記ドローン支持面の高さまで案内する勾配を有する、請求項1に記載のドローンポート。
【請求項3】
1対の前記姿勢修正面は、前記フリーローラと接触して前記フリーローラを前記鉛直ガイド面と平行に整列させる修正傾斜面を有する、請求項に記載のドローンポート。
【請求項4】
上面にドローンが離着陸する離着陸面を有するドローンポートであって、
前記ドローンは、平面視において搬送する荷物を囲む複数の脚と、
前記脚の下端部に設けられ、外部と接触して自由に転動する複数のフリーローラと、を有し、
前記離着陸面は、前記ドローンが静止して水平に載り、かつ平面視における着陸ラインの両側に前記フリーローラが整列して位置するドローン支持面と、
前記着陸ラインに沿って着陸方向の上流側に位置し、着陸中の前記ドローンを前記ドローン支持面の高さまで案内する傾斜案内面と、
前記ドローン支持面と前記傾斜案内面を間に挟んで前記着陸ラインの両側に位置し、平面視における前記ドローンの前後方向を修正する1対の姿勢修正面と、を有し、
前記ドローン支持面は、前記ドローンが静止して水平に載る定位置における前記フリーローラの内側に前記荷物が通過可能な貫通孔を有し、
さらに、前記貫通孔を開閉可能な閉鎖扉を備え、該閉鎖扉は、雨水が通過可能な上面と、雨水を外部に排水する排水装置とを有する、ドローンポート。
【請求項5】
前記貫通孔を上下に通過して前記荷物を支持可能な荷物台と、
前記荷物台を前記貫通孔より上方の上昇位置と前記閉鎖扉より下方の下降位置との間で昇降させる昇降装置と、を備え、
前記荷物台は、前記下降位置において、前記荷物を前記荷物台の外側へ移動する移動装置を有する、請求項に記載のドローンポート。
【請求項6】
前記ドローンは、前記荷物を把持又は解放する荷物把持装置を備え、
前記昇降装置により前記荷物の載る前記荷物台を前記貫通孔より上方の上昇位置まで移動させ、前記荷物把持装置により前記荷物を把持する、請求項に記載のドローンポート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンの着陸精度を向上させるドローンポートに関する。
【背景技術】
【0002】
「ドローン」とは、小型の無人ヘリコプターの一種である。近年、ドローンを用いて、小型の荷物を無人で搬送することが計画されている。かかるドローンを「物流用ドローン」と呼ぶ。
また、「ドローンポート」とは、ドローンが離着陸する離着陸面を有する装置を意味する。
【0003】
従来、ドローンの着陸は、例えばGPSや、離着陸のマークを画像認識することで、所定の着陸位置(定位置)に位置制御している。
また、ドローンの離着陸面には、従来、開口部の少ない水平板が主に用いられていた。
【0004】
しかし、この場合、ドローンにより発生するダウンウォッシュが離着陸面ではね返り、ドローンの回転翼周辺は下降流と上昇流が混在する状態となる。そのため、離着陸時のドローンの姿勢制御が困難となり、着陸精度が低下し、安全性が損なわれる、可能性があった。
なお「ダウンウォッシュ」とは、ドローンの回転翼により発生する空気の下降流を意味する。
【0005】
そこで、簡単な構成でドローンの着陸精度を向上させる手段として、例えば特許文献1が開示されている。
【0006】
特許文献1の「飛行体の着陸対象装置」は、飛行体(ドローン)を着陸させる飛行体の着陸対象装置(着陸台)であって、周辺部に対して中央部が低く設定された傾斜部を有する。また、傾斜部の中央部に円形の円形平面部を有し、円形平面部は、その周囲の部分よりも低く形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-124758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の着陸台は、上述した構成により、飛行体が上昇しない程度に駆動装置を駆動させることにより、着地地点の位置を高精度に制御しなくても、着陸後に、自重の影響によって正確に中央部の位置に導くことができる。
【0009】
しかし、特許文献1の手段には、以下の問題点があった。
(1)中央部の円形平面部に位置決めされたドローンの前後の向きがランダムとなる。そのため、ドローンが搬送する荷物の外形が一般的な直方体の場合、ドローンの脚位置が定まらないため、荷物の取り出し方向が不安定となる。
(2)この場合、例えば、円形平面部におけるドローンの脚位置の内側に円形貫通孔を設けることで、円形貫通孔を通して荷物を下方に落下させることは可能である。
しかし、この場合、傾斜部の中央部に円形平面部があるため、雨水が円形平面部に集まり、円形貫通孔を通して装置内部に多量の水が流入し、内部の荷物や機器が浸水する可能性がある。
また、荷物を下方に落下させると荷物の一部が凹む等の損傷を受ける可能性がある。
【0010】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、簡単な構成でドローンを所定の着陸位置(定位置)に、前後方向を揃えて位置決めすることができるドローンポートを提供することにある。また、第2の目的は、装置内部に雨水が流入せず、雨天であっても荷物を濡らすことなく回収又は保管できるドローンポートを提供することにある。また、第3の目的は、荷物を傷つけることなく回収できるドローンポートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、上面にドローンが離着陸する離着陸面を有するドローンポートであって、
前記ドローンは、平面視において搬送する荷物を囲む複数の脚と、
前記脚の下端部に設けられ、外部と接触して自由に転動する複数のフリーローラと、を有し、
前記離着陸面は、前記ドローンが静止して水平に載り、かつ平面視における着陸ラインの両側に前記フリーローラが整列して位置するドローン支持面と、
前記着陸ラインに沿って着陸方向の上流側に位置し、着陸中の前記ドローンを前記ドローン支持面の高さまで案内する傾斜案内面と、
前記ドローン支持面と前記傾斜案内面を間に挟んで前記着陸ラインの両側に位置し、平面視における前記ドローンの前後方向を修正する1対の姿勢修正面と、を有する、ドローンポートが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、ドローンが、複数(例えば4本)の脚と複数(例えば4つ)のフリーローラを有するので、ドローンが静止して水平に載るドローン支持面において、着陸ラインの両側にフリーローラが整列して位置することができる。
また、着陸ラインに沿って着陸方向の上流側に位置する傾斜案内面に、飛行しながら下降するドローンのフリーローラが接触することで、着陸中のドローンをドローン支持面の高さまで下降させることができる。
【0013】
さらに、ドローン支持面と傾斜案内面を間に挟んで着陸ラインの両側に位置する1対の姿勢修正面に、飛行しながら着陸方向に移動するフリーローラが接触することで、平面視におけるドローンの前後方向を修正することができる。
従って、上述した簡単な構成でドローンを所定の着陸位置(定位置)に、前後方向を揃えて位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明で用いるドローンの一例を示す模式図である。
図2】本発明の第1実施形態のドローンポートを示す平面図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4図2のB-B断面図である。
図5図2のC-C断面図である。
図6】修正傾斜面と鉛直ガイド面の作用の説明図である。
図7】本発明の第2実施形態のドローンポートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明で用いるドローン1の一例を示す模式図である。この図において、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は(A)の部分説明図である。
この図において、ドローン1は、ドローン本体2、回転翼3、脚4、フリーローラ5、荷物把持装置6を備える。
【0017】
ドローン1は、例えば平面寸法1m×1m程度、ペイロード2~10kgの物流用ドローンである。
ドローン本体2は、ドローン1の平面視で中央に位置し、図示しない各種のセンサ、制御装置、無線装置、等を備える。
回転翼3は、この例では3基設けられ、ドローン本体2の上方に互いに間隔を隔てて取り付けられ、図示しない制御装置により制御される。
【0018】
脚4は、複数(この例では4本)が設けられ、ドローン本体2の下方に延び互いに間隔を隔てて取り付けられている。4本の脚4は、ドローン1が搬送する荷物9を囲んで、ドローン本体2の四隅外側に位置する。
フリーローラ5は、複数(この例では4つ)が設けられ、4本の脚4の下端部にそれぞれ固定されている。フリーローラ5は、この例では球形ボールであり、外部と接触してその中心のまわりに自由に転動するようになっている。
荷物把持装置6は、ドローン本体2又は脚4に設けられ、荷物9を把持又は解放する機能を有する。
【0019】
図1(A)において、符号Oは平面視におけるドローン本体2の中心、x1は中心Oを通るドローン1の前後方向を示す軸(以下、「前後方向軸x1」)、y1は中心Oを通り前後方向軸x1に直交する幅方向を示す軸(以下、「幅方向軸y1」)である。
ドローン1が水平に飛行するとき、前後方向軸x1と幅方向軸y1はそれぞれ水平軸である。
【0020】
図1(C)は、平面視における図1(A)のフリーローラ5と荷物9のみを示している。
この図に示すように、4つのフリーローラ5は、前後方向軸x1と幅方向軸y1を中心として前後方向軸x1の両側に整列して位置する。すなわち、4つのフリーローラ5は、前後方向軸x1と幅方向軸y1を中心として左右及び前後に対称に位置し仮想上の矩形8の四隅にそれぞれ位置する。
【0021】
なお、矩形8は、この例では、正方形であるが、長方形であってもよい。また、フリーローラ5は、4つに限定されず、前後方向軸x1からの距離が一定である限り、3つ又は5以上であってもよい。
以下、図1(C)の4つのフリーローラ5を、必要な場合にフリーローラ5a,5b,5c,5dとする。
【0022】
図2は、本発明の第1実施形態のドローンポート100を示す平面図である。
この図において、ドローンポート100は、上面にドローン1が離着陸する離着陸面10を有する。
離着陸面10は、ドローン支持面12、傾斜案内面14、及び、姿勢修正面16を有する。
【0023】
この図において、着陸ラインX-Xは、ドローン1が着陸する際の平面視における進行経路である。以下、着陸ラインX-Xに平行な水平方向であり、図で右方向を着陸方向X(又はX方向)、X方向に直交する水平方向を幅方向Y(又はY方向)、X方向とY方向に直交する上下方向を高さ方向Z(又はZ方向)とする。
【0024】
ドローン支持面12は、ドローン1が静止して水平に載り、かつ平面視における着陸ラインX-Xの両側にフリーローラ5が整列して位置する矩形平面である。
図2において、ドローン支持面12の四隅を12a,12b,12c,12dとする。
着陸ラインX-Xの両側にフリーローラ5が整列して位置する状態において、4つのフリーローラ5a,5b,5c,5dは、図に示すように、フリーローラ5a,5dとフリーローラ5b,5cが、着陸ラインX-Xを中心に互いに対称に位置する。
【0025】
ドローンポート100は、ドローン支持面12と傾斜案内面14の幅方向両端に、姿勢修正面16の幅方向内端面から下方に延びる鉛直ガイド面17を有する。
すなわち、ドローン支持面12は、姿勢修正面16より低く、ドローン支持面12の2つの辺(12a-12dと12b-12c)は、姿勢修正面16の幅方向(Y方向)の内側端面より低い鉛直面(鉛直ガイド面17)となっている。
ドローン支持面12において、鉛直ガイド面17の内側に2組のフリーローラ5(5a-5dと5b-5c)が近接して位置することにより、ドローン1の前後方向を着陸ラインX-Xの方向に位置決めするようになっている。
【0026】
図2において、ドローン支持面12は、ドローン1が静止して水平に載る定位置におけるフリーローラ5の内側に、ドローン1が搬送する荷物9が通過可能な貫通孔13を有する。
この貫通孔13は、ドローン1の前後方向及び荷物9の前後方向が着陸ラインX-Xの方向と一致していることから、荷物9が通過できる限りで大きく設定することができる。
貫通孔13の平面視形状は、矩形であるのが好ましいが、円形その他であってもよい。
【0027】
図3は、図2のA-A断面図である。
図2図3において、傾斜案内面14は、着陸ラインX-Xに沿って着陸方向Xの上流側(図で左側)に位置し、着陸中のドローン1をドローン支持面12の高さまで案内する。
【0028】
図3において、傾斜案内面14の着陸方向Xの上流側(図で左側)が高く、下流側(図で右側)は低く、その間に一定の勾配θ1を有する。
すなわち、傾斜案内面14は、フリーローラ5と接触して下降中のドローン1をドローン支持面12の高さまで案内する勾配θ1を有する。勾配θ1は、飛行しながら下降するドローン1のフリーローラ5が接触し、その接触抵抗又はドローン1の自重により、ドローン1を着陸方向Xに移動させることができる角度、例えば3度以上、15度以内であるのがよい。
また、傾斜案内面14の着陸方向Xの下流端(図で右端)の高さは、ドローン支持面12の高さと同一に設定されている。
この構成で、飛行しながら下降するドローン1をドローン支持面12まで案内することができる。
【0029】
図3において、ドローンポート100は、貫通孔13を開閉可能な閉鎖扉20と閉鎖扉20を駆動する開閉駆動装置22とを備える。
この例で、閉鎖扉20は貫通孔13を全開する全開位置と全閉する全閉位置との間でX方向に水平移動する。また、開閉駆動装置22は、例えばラックとピニオン、直動シリンダ、等であり、閉鎖扉20を全開位置と全閉位置との間で移動する。
なお、閉鎖扉20の移動方向はこの例に限定されず、その他の方向でもよい。また、開閉駆動装置22は、閉鎖扉20を移動できる限りでその他に機構でもよい。
【0030】
貫通孔13を全閉する全閉位置において、閉鎖扉20は貫通孔13の外縁部との間を液密にシールし、雨水が貫通孔13から内部に流入しないようになっている。
また、この例で、閉鎖扉20は、上面20a、容器20b、及び排水装置(図示せず)を有する。上面20aは、雨水が通過可能な板である。容器20bは、上面20aを通過した雨水を溜める平板状の容器である。排水装置は、例えば排水管と雨樋であり、容器内の雨水を外部に排水する。
この構成により、閉鎖扉20が貫通孔13を全閉する全閉位置において、傾斜案内面14及び姿勢修正面16からドローン支持面12に流れる雨水が大量であっても、閉鎖扉20を介して雨水を外部に排水することができる。
【0031】
なお、ドローン支持面12にも排水装置(例えば、雨樋と排水管)を設け、ドローン支持面12に流れる雨水を外部に常時排水できるようにすることが好ましい。
【0032】
図3において、ドローンポート100は、さらに、荷物台24、昇降装置26、及び搬送装置28を備える。
荷物台24は、貫通孔13を上下に通過して荷物9を支持可能な台である。すなわち、荷物台24は、平面視において貫通孔13の外縁に対し隙間を有する大きさ及び形状に設定されている。
この例で、荷物台24の上面は水平であるが、荷物9の形状に応じて平面以外でもよい。
【0033】
昇降装置26は、荷物台24を貫通孔13より上方の上昇位置と閉鎖扉20より下方の下降位置との間で昇降させる機能を有する。昇降装置26は、例えばラックとピニオン、直動シリンダ、等である。
【0034】
搬送装置28は、例えば、ベルトコンベア、ロータコンベア、等であり、ドローンポート100の内部から外部まで荷物9を搬送する。
【0035】
この例において、荷物台24は、その下降位置において、荷物9を荷物台24の外側(この例では搬送装置28)へ移動する移動装置25を有する。移動装置25は、例えば駆動ローラであり、荷物台24を搬送装置28へ移動させる。
【0036】
上述した構成により、荷物台24の上昇位置でドローン1の荷物9を荷物台24に載せ、下降位置で荷物台24を搬送装置28へ移動させることで、ドローン1からドローンポート100の外部まで荷物9を傷つけることなく搬送することができる。
【0037】
図2において、1対の姿勢修正面16は、ドローン支持面12と傾斜案内面14を間に挟んで着陸ラインX-Xの両側(図で上下)に位置し、平面視におけるドローン1の前後方向を修正する。
【0038】
図4は、図2のB-B断面図である。
この図において、上述したように、ドローン支持面12の幅方向(Y方向)の両端に上方に延びる鉛直ガイド面17を有する。この鉛直ガイド面17の内側に2組のフリーローラ5(5a-5dと5b-5c)が近接して位置することにより、ドローン1の前後方向を着陸ラインX-Xの方向に位置決めするようになっている。
またこの図において、1対の姿勢修正面16は、鉛直ガイド面17の上端から幅方向外方に延びる修正傾斜面16aをそれぞれ有する。
【0039】
図2において、傾斜案内面14の幅(Y方向寸法)は、着陸方向Xの下流端(図で右端)において、ドローン支持面12と一致しており、着陸方向Xの上流側(図で左側)は、下流端から一定の勾配で広くなっている。
すなわち図2において、傾斜案内面14は台形平面であり、その四隅を14a,14b,14c,14dとすると、辺14a-14bは辺12d-12cと一致しており、2つの辺(14a-14dと14b-14c)は連続した直線に形成されている。
また、2つの辺(14a-14dと14b-14c)は姿勢修正面16の幅方向(Y方向)の内側端面より低い鉛直面(鉛直ガイド面17)となっている。
【0040】
図5は、図2のC-C断面図である。
この図において、上述したように、傾斜案内面14の幅方向(Y方向)の両端に上方に延びる鉛直ガイド面17を有する。
またこの図において、1対の姿勢修正面16は、鉛直ガイド面17の上端から幅方向外方に延びる修正傾斜面16aをそれぞれ有する。
【0041】
図6は、修正傾斜面16aと鉛直ガイド面17の作用の説明図である。
ドローン1は、前後方向軸x1を着陸ラインX-Xに一致させて着陸方向Xに飛行し、徐々に高度を下げ、所定の着陸位置(定位置)に着陸するように、制御される。
しかし、ドローン1により発生するダウンウォッシュが離着陸面10ではね返り、ドローン1の姿勢制御が困難となり、前後方向軸x1が着陸ラインX-Xから外れることがある。
【0042】
この場合、ドローン1が傾斜案内面14まで下降している場合には、この図に示すように、前後のフリーローラ5の一方が鉛直ガイド面17に接触し、接触したフリーローラ5が傾斜案内面14の幅方向内方に案内される。
これにより、前後のフリーローラ5が、鉛直ガイド面17に沿って案内され、ドローン支持面12において、2組のフリーローラ5が、着陸ラインX-Xを中心に互いに対称に位置することで、ドローン1の前後方向軸x1を着陸ラインX-Xに一致させることができる。
【0043】
同様に、ドローン1が傾斜案内面14まで下降していない場合も、前後のフリーローラ5の一方が姿勢修正面16に接触し、接触したフリーローラ5が姿勢修正面16の幅方向内方に案内される。これにより、前後のフリーローラ5が、姿勢修正面16に沿って案内され、傾斜案内面14まで下降するまでに、ドローン1の前後方向軸x1を鉛直ガイド面17に一致させることができる。
その後の作用は、上述した通りである。
【0044】
上述したように、本発明の実施形態によれば、ドローン1が、4本の脚4と4つのフリーローラ5を有するので、ドローン1が静止して水平に載るドローン支持面12において、着陸ラインX-Xの両側にフリーローラ5が整列して位置することができる。
また、着陸ラインX-Xに沿って着陸方向Xの上流側に位置する傾斜案内面14に、飛行しながら下降するドローン1のフリーローラ5が接触することで、着陸中のドローン1をドローン支持面12の高さまで下降させることができる。
【0045】
さらに、ドローン支持面12と傾斜案内面14を間に挟んで着陸ラインX-Xの両側に位置する1対の姿勢修正面16に、飛行しながら着陸方向Xに移動するフリーローラ5が接触することで、平面視におけるドローン1の前後方向を修正することができる。
従って、上述した簡単な構成でドローン1を所定の着陸位置(定位置)に、前後方向を揃えて位置決めすることができる。
【0046】
また、上述した本発明の実施形態によれば、閉鎖扉20が貫通孔13を全閉する全閉位置において、傾斜案内面14及び姿勢修正面16からドローン支持面12に流れる雨水が大量であっても、装置内部に雨水が流入せず、閉鎖扉20を介して雨水を外部に排水することができる。
さらに、ドローン1がドローン支持面12に静止して水平に載る際は、ドローン1が貫通孔13の上部を覆っているので、雨天であっても閉鎖扉20を全開させて荷物9を濡らすことなく回収又は保管できる。
【0047】
さらに、上述した本発明の実施形態によれば、荷物台24の上昇位置で、ドローン1の荷物9を荷物台24に載せ、荷物台24の下降位置で、荷物台24を搬送装置28へ移動させる。これにより、荷物9の外形が一般的な直方体であっても、ドローン1からドローンポート100の外部まで荷物9を傷つけることなく搬送することができる。
【0048】
なお、荷物9の外形形状は直方体に限定されず、その他の形状、例えば球形であってもよい。
また、本発明はドローン1の着陸に限定されず、離陸にもそのまま適用することができる。
【0049】
図7は、本発明の第2実施形態のドローンポート100を示す平面図である。
この図に示すように、ドローン支持面12を着陸ラインX-Xの中央部に設け、その両側に傾斜案内面14を設けてもよい。
この構成により、着陸ラインX-Xに沿って図の左右からドローン1を着陸させることができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0050】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
X-X 着陸ライン、X 着陸方向、Y 幅方向、Z 高さ方向、
x1 前後方向軸、y1 幅方向軸、O ドローン本体の中心、
1 ドローン、2 ドローン本体、3 回転翼、4 脚、
5,5a,5b,5c,5d フリーローラ、6 荷物把持装置、
8 矩形、9 荷物、10 離着陸面、
12 ドローン支持面、12a,12b,12c,12d 四隅、
13 貫通孔、14 傾斜案内面、16 姿勢修正面、
20 閉鎖扉、20a 上面、20b 容器、22 開閉駆動装置、
24 荷物台、25 移動装置、26 昇降装置、28 搬送装置、
100 ドローンポート


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7