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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】風呂給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20230825BHJP
   F24H 1/18 20220101ALI20230825BHJP
   F24H 15/215 20220101ALI20230825BHJP
   F24H 15/219 20220101ALI20230825BHJP
   F24H 15/325 20220101ALI20230825BHJP
   F24H 15/238 20220101ALI20230825BHJP
【FI】
F24H15/196 301G
F24H15/196 301Q
F24H1/18 G
F24H15/215
F24H15/219
F24H15/325
F24H15/238
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019209348
(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公開番号】P2021081134
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】大桃 正己
(72)【発明者】
【氏名】米山 朋之
(72)【発明者】
【氏名】小形 武史
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-003736(JP,A)
【文献】特開2003-156251(JP,A)
【文献】特開平03-286956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H1/00,1/18,15/00-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯を貯湯する貯湯タンクと、
前記貯湯タンク内の高温の湯と給水管からの水を混合する混合弁と、
前記混合弁で混合した混合水を浴槽に給湯するための湯張り管と、
前記貯湯タンク内部に設け、貯湯タンク上部の熱と熱交換して浴槽水を加熱する風呂熱交換器と、
前記浴槽と前記風呂熱交換器の一端とを接続し、前記湯張り管が接続された風呂戻り管と、
前記浴槽と前記風呂熱交換器の他端とを接続した風呂往き管と、
前記風呂往き管と前記風呂戻り管とを前記風呂熱交換器を介さずに連通して、前記風呂熱交換器をバイパスする熱交バイパス管と、
前記熱交バイパス管側の流路と前記風呂熱交換器側の流路とを弁の開度によって湯の流れを調節する切替弁と、
前記熱交バイパス管よりも上流側の湯水の温度である戻り側温度を検出する戻り側温度センサと、
前記熱交バイパス管よりも下流側の湯水の温度である往き側温度を検出する往き側温度センサと、
前記切替弁を前記風呂熱交換器側と前記熱交バイパス管側の両方に連通させ、前記混合水の給湯により前記風呂熱交換器内に溜まっている空気を前記浴槽へ押し出すエアパージ動作を制御する本体制御装置を備えた風呂給湯装置において、
前記本体制御装置は、前記エアパージ動作時に、前記往き側温度が前記戻り側温度以下である場合、前記切替弁の弁開度を前記風呂熱交換器側に駆動させ、前記往き側温度が前記戻り側温度よりも高くなったところで前記切替弁を停止するようにしたことを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項2】
湯を貯湯する貯湯タンクと、
前記貯湯タンク内の高温の湯と給水管からの水を混合する混合弁と、
前記混合弁で混合した混合水を浴槽に給湯するための湯張り管と、
前記貯湯タンク内部に設け、貯湯タンク上部の熱と熱交換して浴槽水を加熱する風呂熱交換器と、
前記浴槽と前記風呂熱交換器の一端とを接続し、前記湯張り管が接続された風呂戻り管と、
前記浴槽と前記風呂熱交換器の他端とを接続した風呂往き管と、
前記風呂往き管と前記風呂戻り管とを前記風呂熱交換器を介さずに連通して、前記風呂熱交換器をバイパスする熱交バイパス管と、
前記熱交バイパス管側の流路と前記風呂熱交換器側の流路とを弁の開度によって湯の流れを調節する切替弁と、
前記切替弁を前記風呂熱交換器側と前記熱交バイパス管側の両方に連通させ、前記混合水の給湯により前記風呂熱交換器内に溜まっている空気を前記浴槽へ押し出すエアパージ動作を制御する本体制御装置を備えた風呂給湯装置において、
前記熱交バイパス管と前記風呂往き管との接続位置と、前記風呂熱交換器との間に配管内の流量を検出する流量検出手段を設け、
前記本体制御装置は、エアパージ動作時に、前記流量検出手段での検出値が所定流量以下であった場合、前記切替弁の弁開度を前記風呂熱交換器側に駆動させ、前記流量検出手段の検出値が所定流量よりも高くなったところで前記切替弁を停止するようにしたことを特徴とする風呂給湯装置。
【請求項3】
前記本体制御装置は、前記エアパージ動作時に前記切替弁を駆動させて弁開度を変更したときの停止位置を記憶し、
前記本体制御装置は、次回の前記エアパージ動作時に、前記切替弁の弁開度の初期位置を前記停止位置とするようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の風呂給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、風呂熱交換器内に溜まった空気を浴槽へ排出するエアパージ動作を行う風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の風呂装置においては、特許文献1に示すように、浴槽と、浴槽水を加熱する間接熱交換器(風呂熱交換器)と、間接熱交換器を加熱する貯湯タンクと、浴槽と間接熱交換器を接続する風呂往き管、風呂戻り管と、風呂戻り管に設けた風呂循環ポンプと、間接熱交換器から浴槽に向かう浴槽水の温度を検出する温度センサと、風呂往き管と風呂戻り管を連通し浴槽をバイパスするバイパス管と、間接熱交換器側とバイパス側と中間位置側の流路を切り替える流路切替手段とを備え、浴槽水を加熱する追い焚き時に、前記浴槽と前記間接熱交換器を風呂戻り管及び風呂往き管を介して循環させて、浴槽水温度を上昇させている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、特許文献1のように、前記間接熱交換器(風呂熱交換器)内は貯湯タンク上部の温度に加熱されているため、前記間接熱交換器内には高温の湯が滞留しており、この高温の湯を浴槽に直接給湯しないように、前記流路切替手段の開度を中間位置側にして、浴槽水や混合水と高温の湯とを混ぜ合わせて少しづつなまらせることが知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-156251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のものにおいて、前記間接熱交換器(風呂熱交換器)内に空気が滞留している場合、前記追い焚き時に風呂循環ポンプの駆動により前記空気が浴槽内に押し出されて、ボコボコと不快な音を発生する可能性があり、浴槽に人がいない湯張り運転初期に湯張り運転の風呂への給湯時に前記間接熱交換器を介して浴槽へ給湯して、前記間接熱交換機内に滞留した空気を浴槽へ押し出すエアパージ動作を行う必要があるという課題があった。
【0006】
また、エアパージ動作と高温の湯の出湯防止を両立する場合、前記流路切替手段を間接熱交換器(風呂熱交換器)側とバイパス側の両方を連通する状態にし、間接熱交換器内に滞留した空気を押し出しつつ、高温の湯を湯張り運転の給湯でなまらせる必要があるが、バイパス管側を流すよりも間接熱交換器を流す方が圧力損失が大きいので湯が流れにくく、エアパージ動作が不完全な状態となってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上記課題を解決するために、湯を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の高温の湯と給水管からの水を混合する混合弁と、前記混合弁で混合した混合水を浴槽に給湯するための湯張り管と、前記貯湯タンク内部に設け、貯湯タンク上部の熱と熱交換して浴槽水を加熱する風呂熱交換器と、前記浴槽と前記風呂熱交換器の一端とを接続し、前記湯張り管が接続された風呂戻り管と、前記浴槽と前記風呂熱交換器の他端とを接続した風呂往き管と、前記風呂往き管と前記風呂戻り管とを前記風呂熱交換器を介さずに連通して、前記風呂熱交換器をバイパスする熱交バイパス管と、前記熱交バイパス管側の流路と前記風呂熱交換器側の流路とを弁の開度によって湯の流れを調節する切替弁と、前記熱交バイパス管よりも上流側の湯水の温度である戻り側温度を検出する戻り側温度センサと、前記熱交バイパス管よりも下流側の湯水の温度である往き側温度を検出する往き側温度センサと、前記切替弁を前記風呂熱交換器側と前記熱交バイパス管側の両方に連通させ、前記混合水の給湯により前記風呂熱交換器内に溜まっている空気を前記浴槽へ押し出すエアパージ動作を制御する制御装置を備えた風呂給湯装置において、前記制御装置は、前記エアパージ動作時に、前記往き側温度が前記戻り側温度以下である場合、前記切替弁の弁開度を前記風呂熱交換器側に駆動させ、前記往き側温度が前記戻り側温度よりも高くなったところで前記切替弁を停止するようにした。
【0008】
また、湯を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の高温の湯と給水管からの水を混合する混合弁と、前記混合弁で混合した混合水を浴槽に給湯するための湯張り管と、前記貯湯タンク内部に設け、貯湯タンク上部の熱と熱交換して浴槽水を加熱する風呂熱交換器と、前記浴槽と前記風呂熱交換器の一端とを接続し、前記湯張り管が接続された風呂戻り管と、前記浴槽と前記風呂熱交換器の他端とを接続した風呂往き管と、前記風呂往き管と前記風呂戻り管とを前記風呂熱交換器を介さずに連通して、前記風呂熱交換器をバイパスする熱交バイパス管と、前記熱交バイパス管側の流路と前記風呂熱交換器側の流路とを弁の開度によって湯の流れを調節する切替弁と、前記切替弁を前記風呂熱交換器側と前記熱交バイパス管側の両方に連通させ、前記混合水の給湯により前記風呂熱交換器内に溜まっている空気を前記浴槽へ押し出すエアパージ動作を制御する本体制御装置を備えた風呂給湯装置において、前記熱交バイパス管と前記風呂往き管との接続位置と、前記風呂熱交換器との間に配管内の流量を検出する流量検出手段を設け、前記本体制御装置は、エアパージ動作時に、前記流量検出手段での検出値が所定流量以下であった場合、前記切替弁の弁開度を前記風呂熱交換器側に駆動させ、前記流量検出手段の検出値が所定流量よりも高くなったところで前記切替弁を停止する。
【0009】
また、前記本体制御装置は、前記エアパージ動作時に前記切替弁を駆動させて弁開度を変更したときの停止位置を記憶し、前記本体制御装置は、次回の前記エアパージ動作時に、前記切替弁の弁開度の初期位置を前記停止位置とするようにした。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、本体制御装置は、戻り側温度センサで検出した戻り側温度と往き側温度センサで検出した往き側温度以下であるとき、風呂熱交換器に湯の流れがなく、エアパージ動作が不完全であることを判断するので、切替弁の弁開度を風呂熱交換器側に開き、戻り側温度センサで検出した戻り側温度よりも往き側温度センサで検出した往き側温度の方が高くなったときに弁開度の駆動を停止することで、エアパージ動作を実際に行うことができ、かつ、切替弁が風呂熱交換器側を開き過ぎない弁開度にすることができ、風呂熱交換器内に溜まった空気を確実に押し出しつつ、浴槽へ流出する高温の湯の温度も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施形態の風呂給湯装置の概略構成図。
図2】第一実施形態のエアパージ動作を説明するフローチャート。
図3】第二実施形態のエアパージ動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の実施形態の風呂給湯装置を図1に基づき説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニット、3は貯湯タンク2内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、4は浴槽、5はこの風呂装置を遠隔操作するリモコンである。
【0013】
6は貯湯タンク2とヒートポンプユニット3とを循環可能に接続するヒーポン循環回路で、貯湯タンク2下部に接続されたヒーポン往き管7および貯湯タンク2上部に接続されたヒーポン戻り管8により構成され、ヒーポン往き管7から取り出した貯湯タンク2内の湯水をヒートポンプユニット3によって沸き上げてヒーポン戻り管8から貯湯タンク2内に戻して高温の温水を貯湯するものである。なお、貯湯タンク2側面には上下方向に複数個の貯湯温度検出手段としての貯湯温度センサ9を有しており、この貯湯温度センサ9が検出する温度情報によって、貯湯タンク2にどれだけの熱量が残っているかを検知するものである。
【0014】
10は貯湯タンク2上端に接続され貯湯タンク2内の温水を出湯する出湯管、11は貯湯タンク2下端に接続され貯湯タンク2内に給水する給水管、12は出湯管10からの温水と給水管11からの水とを所定の設定温度になるように混合する混合弁、13は混合弁12で混合された設定温度の温水を給湯する給湯管、14は給湯管13の端部に接続され台所や洗面所等に設けられた蛇口である。15は混合弁12の下流に設けた給湯温度センサ、16は給湯量をカウントする給湯流量センサである。なお、17は水道圧を所定の圧力に減圧する減圧弁、18は給水の温度を検出する給水温度センサ、19は貯湯タンクの過圧を逃す過圧逃し弁である。
【0015】
ヒートポンプユニット3は、冷媒を圧縮する回転数可変の圧縮機20と、凝縮器としての水冷媒熱交換器21と、減圧手段としての電子膨張弁22と、強制空冷式の蒸発器としての空気熱交換器23とで構成されたヒートポンプ回路24と、前記ヒーポン往き管7に設けられ貯湯タンク2内の湯水を水冷媒熱交換器21に循環させるヒーポン循環ポンプ25と、それらの駆動を制御するヒーポン制御部26とを備えているものである。
【0016】
27は前記浴槽4内の浴槽水を加熱するための蛇管よりなる風呂熱交換器であり、貯湯タンク2内の上部に配置されるもので、この風呂熱交換器27と浴槽4とを、浴槽水を浴槽4内に流入させる風呂往き管28および浴槽水を浴槽4外に流出させる風呂戻り管29で接続して風呂循環回路30を形成し、浴槽4内の浴槽水が貯湯タンク2内の高温の温水により加熱されて追い焚きが行われるものである。
【0017】
31は風呂循環回路30に設けられ浴槽4内の浴槽水を循環させる風呂循環ポンプ、32は風呂往き管28に設けられ風呂熱交換器27から浴槽4に向かう浴槽水の温度を検出する風呂往き温度検出手段としての往き側温度センサ、33は風呂戻り管29に設けられ浴槽4から風呂熱交換器27に向かう浴槽水の温度を検出する風呂戻り温度検出手段としての戻り側温度センサである。
【0018】
34は戻り側温度センサ33よりも下流側で、往き側温度センサ32よりも上流側の風呂往き管28と風呂戻り管29を連通し風呂熱交換器27をバイパスする熱交バイパス管、35はこの熱交バイパス管34と風呂戻り管29との接続部分に設けられた流路切替手段としての切替弁、36は往き側温度センサ32の入力を受け切替弁35の駆動を制御するマイコンを有する流路切替制御部である。
【0019】
37は給湯管13途中から分岐されて風呂戻り管29に接続され浴槽4への注湯を行う湯張り管、38はこの湯張り管37に設けられ浴槽4への注湯の開始、停止を行う湯張り弁、39は浴槽4への注湯量をカウントする風呂流量センサである。
【0020】
前記リモコン5には、給湯設定温度を設定する給湯温度設定スイッチ40および風呂設定温度を設定する風呂温度設定手段としての風呂温度設定スイッチ41が設けられていると共に、浴槽4へ風呂設定温度の湯をリモコン5の湯張り量設定スイッチ(図示せず)で設定された湯張り量だけ湯張りし風呂温度設定スイッチ4で設定した風呂設定温度または風呂設定温度に対して1~2℃程度高い温度で所定時間保温運転させる風呂自動スイッチ4と、浴槽4内の浴槽水を風呂熱交換器27に循環させて、浴槽4内の浴槽水が追い焚き目標温度になるように加熱させる追い焚き運転を実行する追い焚きスイッチ43が設けられているものである。
【0021】
44はリモコン5、ヒーポン制御部26、流路切替制御部36と無線または有線により接続され相互に通信すると共に、貯湯タンクユニット1内の各センサの入力を受け各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有し、給湯および風呂の制御を行う制御装置である。
【0022】
次に、本発明の風呂給湯装置の作動について説明する。
【0023】
<沸き上げ運転>
電力料金単価の安価な所定時間帯(深夜時間帯)の開始時刻になると、本体制御装置44はそれまでの給湯負荷量に見合う湯量を沸き上げ開始するべく、ヒートポンプユニット3に対し、給湯負荷量に見合う沸き上げ目標温度と沸き上げ開始の指示を送信し、ヒートポンプユニット3は圧縮機2電子膨張弁22と送風機とヒーポン循環ポンプ2を駆動開始して、貯湯タンク下部から取り出した湯水を水冷媒熱交換器21で沸き上げ目標温度まで加熱して貯湯タンク上部へ戻し、貯湯タンク上部から沸き上げ設定温度の湯を積層状に貯湯し、本体制御装置44は貯湯タンクの最下部まで沸き上げるか、所定時間帯の終了時刻に到達すると、ヒートポンプユニット3に沸き上げの停止を指示し、ヒートポンプユニット3は圧縮機2と膨張弁22と送風機とヒーポン循環ポンプ2を駆動停止して沸き上げ運転を終了する。
【0024】
<給湯>
給湯栓14が開かれると、貯湯タンク2の底部に給水管11から市水が流入すると共に貯湯タンク2の頂部から出湯管10を介して高温の湯が出湯し、混合弁12給水管11から分岐した給水バイパス管からの水と混合されて給湯管13を通過する。そして、給湯流量センサ16が最低作動水量以上を検出すると、本体制御装置44は、給湯温度センサ15が検出する温度が給湯設定温度と一致するように混合弁12の弁開度をフィードバック制御して、給湯設定温度の給湯を行う。そして、給湯栓14が閉じられる等によって、給湯流量センサ16が最低作動水量未満を検出すると、本体制御装置44は、混合弁12の弁開度のフィードバック制御を停止して給湯停止するようにしている。
【0025】
<追い焚き運転>
本体制御装置44が追い焚き運転を指示すると、本体制御装置44は、風呂循環ポンプ31を駆動して、風呂循環回路30と風呂熱交換器27に浴槽水を循環させ、浴槽水を風呂熱交換器27で加熱する。そして、戻り側温度センサ33で浴槽水の温度が風呂設定温度まで上昇したことを確認すると、風呂循環ポンプ31の駆動を停止する。
【0026】
<湯張り運転>
次に、図1に湯張り運転の動作について図2に示したフローチャートに基づき説明する。
本体制御装置44に接続されたリモコン5の風呂自動スイッチ42が操作され湯張り運転が指示されると(S1がYes)、湯張り弁38を開弁し、流路切替制御部36は切替弁35を熱交バイパス管34側に切り替え(S2)、本体制御装置44は、給湯温度センサ15が検出する温度がリモコン5の風呂温度設定スイッチ41で設定された湯張り設定温度になるように混合弁12の弁開度をフィードバック制御して、浴槽4に湯張りを開始する(S3)。
【0027】
そして、少なくとも浴槽4と風呂循環回路30とを接続する循環口よりも浴槽の水位が上になる水量である所定量の湯水が湯張りされると(S4がYes)、流路切替制御部36は切替弁35を熱交バイパス管34側及び風呂熱交換器27側の両方が連通されるように切り替え(S5)、風呂熱交換器27内に溜まった空気を押し出すエアパージ動作を開始する(S6)。
【0028】
このとき風呂熱交換器27内に滞留した水は高温になるため水に含まれた空気が風呂熱交換器27の上方に空気が溜まりやすく、空気溜まっていると、ポンプの循環不良や追い焚き運転時に浴槽に空気が排出され、ボコボコと不快な音を発生させる原因となり、浴槽への給湯(湯張り)時に空気を排出するエアパージ動作を行う必要があると共に、風呂熱交換器27内に滞留している水が貯湯タンク2の上部の熱により高温に温められるので、追い焚き運転時や浴槽への給湯(湯張り)時にはユーザーが突然の高温出湯で不快な思いをさせないために、この高温水を給湯の混合水と混ぜ合わせてなまらせる必要がある。
【0029】
よって、このエアパージ動作中、本体制御装置44は往き側温度センサ32の検出温度が戻り側温度センサ33の検出温度よりも高いかを確認し(S7)、往き側温度センサの検出温度が戻り側温度センサの検出温度以下であった場合(S7がNo)、流路切替制御部36は、切替弁35の弁開度を風呂熱交換器27側に駆動させ(S8)、本体制御装置44は往き側温度センサ32の検出温度が戻り側温度センサ33の検出温度よりも高いかを確認する(S7)。この切替弁35の弁解度の駆動を往き側温度センサの検出温度が戻り側温度センサの検出温度よりも高くなるまで繰り返し行う。
【0030】
そして、本体制御装置44は、往き側温度センサの検出温度が戻り側温度センサの検出温度よりも高くなってからの風呂流量センサ39の検出値が予め定められた風呂熱交換器27内に滞留した空気を押し出すのに必要なエアパージ規定量(10L)に達していれば(S9がYes)、流路切替制御部36は切替弁を熱交バイパス管34側に切り替えて(S10)、エアパージ動作を完了する(S11)。
【0031】
その後、本体制御装置44は、湯張り運転開始から湯張りした積算値である総湯張り量が予め設定された湯張り設定量に到達した場合(S12)、湯張り運転を完了する(S13)。
【0032】
このように、第一実施形態では、風呂熱交換器27内に溜まった高温の湯と湯張り運転で混合弁12に混合された混合水と混ぜ合わせると、戻り側温度センサ33で検出した戻り側温度よりも往き側温度センサ32で検出した往き側温度の方が高くなるので、戻り側温度と往き側温度と比較することで正常に風呂熱交換器27に湯の流れがあるか否かを判断することができる。
【0033】
したがって、戻り側温度センサ33で検出した戻り側温度よりも往き側温度センサ32で検出した往き側温度の方が高い場合は、風呂熱交換器27に湯の流れがあり、風呂熱交換器27内に滞留した空気も湯張り運転の給湯で押し出されており、正常にエアパージ動作が行われていると判断することができる。
【0034】
また、本体制御装置44は、戻り側温度センサ33で検出した戻り側温度と往き側温度センサ32で検出した往き側温度以下であるとき、風呂熱交換器27に湯の流れがなく、エアパージ動作が不完全であることを判断するので、流路切替制御部36は切替弁35の弁開度を風呂熱交換器27側に開き、戻り側温度センサ33で検出した戻り側温度よりも往き側温度センサ32で検出した往き側温度の方が高くなったときに弁開度の駆動を停止することで、エアパージ動作を実際に行うことができ、かつ、切替弁35が風呂熱交換器27側を開き過ぎない弁開度にすることができ、風呂熱交換器27内に溜まった空気を確実に押し出しつつ、浴槽4へ流出する高温の湯の温度も抑制することができる。
【0035】
次に、第一実施形態では、前記エアパージ動作が正常に行われているかを往き側温度と戻り側温度の比較で判断していたが、熱交バイパス管34と風呂往き管28との接続位置と、風呂熱交換器27との間に流量を検出する流量検出手段45を設け、この流量検出手段45の流量が所定流量以下である場合、エアパージ動作を正常に行われていないと判断し、所定流量以上である場合、エアパージ動作が正常に行われていると判断する第二実施形態を説明する。
【0036】
この第二実施形態を図3のフローチャートに基づいて詳しく説明する。
本体制御装置44に接続されたリモコン5の風呂自動スイッチ42が操作され湯張り運転が指示されると(S14がYes)、流路切替制御部36は切替弁35を熱交バイパス管34側に切り替え(S15)、本体制御装置44は、リモコン5の風呂温度設定スイッチ41で設定された湯張り設定温度になるように浴槽4に湯張りを開始する(S16)。
【0037】
そして、少なくとも浴槽4と風呂循環回路30とを接続する循環口よりも浴槽の水位が上になる水量である所定量の湯水が湯張りされると(S17がYes)、流路切替制御部36は切替弁35を熱交バイパス管34側及び風呂熱交換器27側の両方が連通されるように切り替え(S18)、風呂熱交換器27内に溜まった空気を押し出すエアパージ動作を開始する(S19)。
【0038】
このエアパージ動作中、本体制御装置44は往き側温度センサ32の検出温度が戻り側温度センサ33の検出温度よりも高いかを確認し(S20)、流量検出手段45での検出値所定流量以下であった場合(S20がNo)、流路切替制御部36は、切替弁35の弁開度を風呂熱交換器27側に駆動させ(S21)、本体制御装置44は流量検出手段45での検出値所定流量よりも高いかを確認する(S20)。この切替弁35の弁解度の駆動を流量検出手段45での検出値所定流量よりも高くなるまで繰り返し行う。
【0039】
そして、本体制御装置44は、流量検出手段45での検出値所定流量よりも高くなったとき(S20がYes)、風呂流量センサ39の検出値が予め定められた風呂熱交換器27内に滞留した空気を押し出すのに必要なエアパージ規定量(10L)に達していれば(S22がYes)、流路切替制御部36は切替弁を熱交バイパス管34側に切り替えて(S23)、エアパージ動作を完了する(S24)。
【0040】
その後、湯張り運転開始から湯張りした合計値である総湯張り量が予め設定された湯張り設定に到達した場合(S25)、湯張り運転を完了する(S26)。
【0041】
このように、熱交バイパス管34と風呂往き管28との接続位置と、風呂熱交換器27との間に流量を検出する流量検出手段45を設けており、流量検出手段45は風呂熱交換器27に湯の流れがあるかを検出することができるので、流量検出手段45で湯の流れが所定流量以下の場合、風呂熱交換器27に湯の流れがなく、エアパージ動作が不完全であることを判断し、流量検出手段45で湯の流れが所定流量よりも高くなった場合、風呂熱交換器27に湯の流れがあり、エアパージ動作が正常に行われていると判断することができるとともに、流路切替制御部36は、流量検出手段45で検出した流量が所定流量よりも高くなるように切替弁35の弁開度を駆動させることで正常にエアパージ動作を行うことができる。
【0042】
また、この第一実施形態及び第二実施形態でエアパージ動作が正常に行われているときの切替弁35の弁開度の停止位置を本体制御装置44で記憶しておき、次回のエアパージ動作時にその記憶した停止位置を切替弁35の初期位置としてエアパージ動作を行うことで、スムーズにエアパージ動作を行うことができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものであり、例えば、ヒートポンプ式の加熱手段で湯水を加熱する貯湯式の風呂給湯装置を例に説明したが、電気ヒーターで湯を温めて貯湯する電気温水器であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
4 浴槽
12 混合弁
13 給湯管
27 風呂熱交換器
28 風呂往き管
29 風呂戻り管
31 風呂循環ポンプ
32 往き側温度センサ
33 戻り側温度センサ
34 熱交バイパス管
35 切替弁
36 流路切替制御部
37 湯張り管
44 本体制御装置
45 流量検出手段
図1
図2
図3