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特許7336976フィルタ、廃棄物処理システムおよび廃棄物処理システムを作動させる方法
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  • 特許-フィルタ、廃棄物処理システムおよび廃棄物処理システムを作動させる方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】フィルタ、廃棄物処理システムおよび廃棄物処理システムを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/60 20060101AFI20230825BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20230825BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
B64G1/60
A61L9/01 B
A61L9/014
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019223419
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2020200017
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】16/435,984
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500107762
【氏名又は名称】ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】トーマス デーヴィッド ハンソン
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-218821(JP,A)
【文献】特開2018-199125(JP,A)
【文献】特開2002-058728(JP,A)
【文献】特開昭62-114626(JP,A)
【文献】米国特許第09187190(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/60
A61L 9/01
A61L 9/014
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ外壁と、
前記フィルタ外壁から離間されたフィルタ内壁であって、前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、それらの間にフィルタ空洞を画定し、前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、フィルタ軸に沿って延在している、フィルタ内壁と、
前記フィルタ空洞内に置かれた濾過材と、
前記フィルタ内壁と前記フィルタ外壁との間に延在する複数のバッフルであって、それ自体を空気は通過せず、かつ、第1の空洞端部において前記フィルタ空洞に進入し、前記第1の空洞端部の反対側の第2の空洞端部において前記フィルタ空洞を出て行く空気流に対してらせん形の成分を誘発させるように、前記フィルタ軸に対してらせん状に配列された、前記複数のバッフルと、
を備えるフィルタ。
【請求項2】
前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、前記フィルタ軸上に中心が位置する同軸の円形の断面を有する。請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記複数のバッフルの各バッフルは、前記第1の空洞端部から前記第2の空洞端部まで曲線を成すように延在する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記複数のバッフルは、前記フィルタ空洞の周りに均等に離間される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記複数のバッフルは、前記フィルタ壁及び前記フィルタ壁のうちの少なくとも一方に固定される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記フィルタ空洞内の前記濾過材を保持するために、少なくとも前記第1の空洞端部及び前記第2の空洞端部に保持具をさらに備える、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記濾過材は、活性炭を含む、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項8】
前記フィルタは、単一の一体式の要素として形成される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記フィルタは、付加製造を介して形成される、請求項8に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記複数のバッフルは、前記空気流の前記フィルタ空洞内での滞在時間を増大させるように構成される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項11】
廃棄物入口と、
前記廃棄物入口から延びる廃棄物移送管と、
前記廃棄物移送管を介して前記廃棄物入口に接続された収集キャニスタであって、吸引空気流が前記廃棄物移送管を通るように誘導されて、廃棄物を前記廃棄物入口を通り、前記廃棄物移送管に沿って前記収集キャニスタまで推し進める、前記収集キャニスタと、
前記吸引空気流からの臭気及び/または他の汚染物質の除去のために前記吸引空気流が中を通るように誘導されるフィルタであって、
フィルタ外壁と、
前記フィルタ外壁から離間されたフィルタ内壁であって、前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、それらの間にフィルタ空洞を画定し、前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、フィルタ軸に沿って延在している、フィルタ内壁と、
前記フィルタ空洞内に置かれた濾過材と、
前記フィルタ内壁と前記フィルタ外壁との間に延在する複数のバッフルであって、それ自体を空気は通過せず、かつ、第1の空洞端部において前記フィルタ空洞に進入し、前記第1の空洞端部の反対側の第2の空洞端部において前記フィルタ空洞を出て行く前記吸引空気流に対してらせん形の成分を誘発させるように、前記フィルタ軸に対してらせん状に配列された、前記複数のバッフルと、
を備える、前記フィルタと、
を備える廃棄物処理システム。
【請求項12】
前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、前記フィルタ軸上に中心が位置する同軸の円形の断面を有する、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項13】
前記複数のバッフルの各バッフルは、前記第1の空洞端部から前記第2の空洞端部まで曲線を成すように延在する、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項14】
前記複数のバッフルは、前記フィルタ空洞の周りに均等に離間される、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項15】
前記複数のバッフルは、前記フィルタ壁及び前記フィルタ壁のうちの少なくとも一方に固定される、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項16】
前記フィルタ空洞で前記濾過材を保持するために、前記第1の空洞端部及び前記第2の空洞端部のうちの少なくとも一方に保持具をさらに備える、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項17】
前記濾過材は、活性炭を含む、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項18】
前記フィルタは、付加製造を介して単一の一体式の要素として形成される、請求項11に記載の廃棄物処理システム。
【請求項19】
前記廃棄物処理システムは、宇宙船での使用のために構成される、請求項18に記載の廃棄物処理システム。
【請求項20】
廃棄物入口を通るように吸引空気流を推し進めることと、
前記吸引空気流によって、廃棄物を前記廃棄物入口を通り、前記廃棄物入口から延びる廃棄物移送管に沿って推し進めることと、
フィルタを通るように前記吸引空気流を誘導し、前記フィルタは、
フィルタ外壁と、
前記フィルタ外壁から離間されたフィルタ内壁であって、前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、それらの間にフィルタ空洞を画定し、前記フィルタ内壁及び前記フィルタ外壁は、フィルタ軸に沿って延在している、フィルタ内壁と、
前記フィルタ空洞内に置かれた濾過材と、
前記フィルタ内壁と前記フィルタ外壁との間に延在する複数のバッフルであって、それ自体を空気は通過せず、かつ、らせん状に配列された複数のバッフルと、を備えることと、
前記複数のバッフルによって、前記フィルタ軸に対して第1の空洞端部において前記フィルタ空洞に進入し、前記第1の空洞端部の反対側の第2の空洞端部において前記フィルタ空洞を出て行く前記吸引空気流に対してらせん形の成分を誘発させ、これにより前記吸引空気流の前記フィルタ空洞内での滞在時間を増大させることと、
を含む、廃棄物処理システムを作動させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府の支援の陳述
本発明は、米国航空宇宙局(NASA)によって与えられた契約NNH16CO87Cの下に政府の支援によって作成された。政府は、本発明に特定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
一例の実施形態は、濾過システムの分野に関する。
【0003】
有意なサイズ及び重量の制約を伴う押し込み空気流の濾過システムは、汚染された空気を適切に濾過することが要求される。例えば、宇宙船の廃棄物処理システム、すなわちトイレなどは、重力の助けがない状態でシステムが機能しなければならないため、廃棄のために体から尿や糞便物を除去するために空気流が「吸い込む」ことを必要とする。使用される空気流は、宇宙船の乗員室から抜き取られ、その後乗員室に戻される。空気流を乗員室に戻す前に、空気フィルタを使用して空気流から臭気や他の汚染物質を除去する。空気流から除去することができる臭気や他の汚染物質の量は、汚染された空気流のフィルタ内での「滞在時間」と関係がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的には、フィルタサイズに対する空間の制約が、十分な空気流を提供するための要件と共に、汚染された空気流のフィルタ内での滞在時間を制限する。フィルタが適切なサイズに作成されず、空気流を効果的に濾過することができない場合、フィルタは、臭気や汚染物質の全てを除去することができなくなり、これは乗組員にとって厄介であり、彼らの健康に対して有害な可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、フィルタは、フィルタ外壁と、フィルタ内壁から離間されたフィルタ内壁とを含む。フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、それらの間にフィルタ空洞を画定し、フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、フィルタ軸に沿って延在している。特定の体積の濾過材がフィルタ空洞内に配置され、複数のバッフルがフィルタ内壁とフィルタ外壁との間に延在している。複数のバッフルは、フィルタ軸に対して第1の空洞端部においてフィルタ空洞に進入し、第1の空洞端部の反対側の第2の空洞端部においてフィルタ空洞を出て行く空気流に対してらせん形の成分を誘発させるように構成される。
【0006】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、フィルタ軸上に中心が位置する同軸の円形の断面を有する。
【0007】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルの各バッフルは、第1の空洞端部から第2の空洞端部まで曲線を成すように延在する。
【0008】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルは、フィルタ空洞の周りに均等に離間される。
【0009】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルは、内側フィルタ壁及び外側フィルタ壁のうちの少なくとも一方に固定される。
【0010】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタ空洞内の濾過材の体積を保持するために、少なくとも第1の空洞端部及び第2の空洞端部に保持具が設置される。
【0011】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、濾過材の体積は、活性炭を含む。
【0012】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタは、単一の一体式の要素として形成される。
【0013】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタは、付加製造を介して形成される。
【0014】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルは、空気流のフィルタ空洞内での滞在時間を増大させるように構成される。
【0015】
別の実施形態では、廃棄物処理システムは、廃棄物入口と、廃棄物入口から延びる廃棄物移送管とを含む。収集キャニスタが、廃棄物移送管を介して廃棄物入口に接続される。吸引空気流が、廃棄物移送管を通るように誘導されて、廃棄物を廃棄物入口を通り、廃棄物移送管に沿って収集キャニスタまで推し進める。吸引空気流は、吸引空気流からの臭気及び/または他の汚染物質の除去のためにフィルタを通るように誘導される。フィルタは、フィルタ外壁と、フィルタ内壁から離間されたフィルタ内壁とを含む。フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、それらの間にフィルタ空洞を画定する。フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、フィルタ軸に沿って延在しており、特定の体積の濾過材がフィルタ空洞内に置かれる。複数のバッフルがフィルタ内壁とフィルタ外壁との間に延在している。複数のバッフルは、フィルタ軸に対して第1の空洞端部においてフィルタ空洞に進入し、第1の空洞端部の反対側の第2の空洞端部においてフィルタ空洞を出て行く吸引空気流に対してらせん形の成分を誘発させるように構成される。
【0016】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、フィルタ軸上に中心が位置する同軸の円形の断面を有する。
【0017】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルの各バッフルは、第1の空洞端部から第2の空洞端部まで曲線を成すように延在する。
【0018】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルは、フィルタ空洞の周りに均等に離間される。
【0019】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、複数のバッフルは、内側フィルタ壁及び外側フィルタ壁のうちの少なくとも一方に固定される。
【0020】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタ空洞で濾過材の体積を保持するために、第1の空洞端部及び第2の空洞端部のうちの少なくとも一方に保持具が設置される。
【0021】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、濾過材の体積は、活性炭を含む。
【0022】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、フィルタは、付加製造を介して単一の一体式の要素として形成される。
【0023】
追加として、または代替として、この実施形態または他の実施形態では、廃棄物処理システムは、宇宙船での使用のために構成される。
【0024】
さらに別の実施形態では、廃棄物処理システムを作動させる方法は、廃棄物入口を通るように吸引空気流を推し進めることと、吸引空気流によって、廃棄物を廃棄物入口を通り、廃棄物入口から延びる廃棄物移送管に沿って推し進めることと、フィルタを通るように吸引空気流を誘導することとを含む。フィルタは、フィルタ外壁と、フィルタ内壁から離間されたフィルタ内壁とを含む。フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、それらの間にフィルタ空洞を画定し、フィルタ内壁及びフィルタ外壁は、フィルタ軸に沿って延在している。特定の体積の濾過材がフィルタ空洞内に配置され、複数のバッフルがフィルタ内壁とフィルタ外壁との間に延在している。複数のバッフルによって、フィルタ軸に対して第1の空洞端部においてフィルタ空洞に進入し、第1の空洞端部の反対側の第2の空洞端部においてフィルタ空洞を出て行く吸引空気流に対してらせん形の成分を誘発させ、これにより吸引空気流のフィルタ空洞内での滞在時間を増大させる。
【0025】
以下の記載は、いかなる方法においても限定するものとみなすべきではない。添付の図面を参照すると、同様の要素は同様に番号が振られている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】廃棄物処理システムの一実施形態を例示する概略図である。
図2】廃棄物処理システムのためのフィルタの一実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
開示される装置及び方法の1つまたは複数の実施形態の詳細な記載が、図面を参照して、限定ではなく、例証の目的で本明細書に提示されている。
【0028】
図1を参照すると、廃棄物処理システム10の部分概略図が示されている。廃棄物処理システム10は、座面開口14を有する座面12を含んでおり、座面開口14は、廃棄物処理システム10への廃棄物の入口として機能する。廃棄物移送管16が、座面開口14から収集キャニスタ18に向かって延びている。作動中、乗員室22から、または宇宙船などの乗り物の他の空間から吸引空気流20が抜き取られ、廃棄物を座面開口14を通り、廃棄物移送管16を通って収集キャニスタ18へと推し進める。廃棄物は、圧縮機(図示せず)の作動を通して収集キャニスタ18で圧縮されてもよい、またはそれ以外の方法で廃棄のために準備される場合もある。吸引空気流20は、乗員室22に再び取り込むための1つまたは複数の空気流出口24へと進む。
【0029】
フィルタ26が、廃棄物移送管16を取り囲んでいる。吸引空気流20は、吸引空気流20から臭気や他の汚染物質を除去するために、乗員室22に再び取り込む前にフィルタ26を通るように誘導される。ここで図2を参照すると、フィルタ26の一実施形態がより詳細に示される。フィルタ26は概ね管状である、またはより具体的には、それらの間にフィルタ空洞32を画定するために互いから離間されたフィルタ内壁28と、フィルタ外壁30とを有する矩形のトロイドである。いくつかの実施形態において、フィルタ内壁28は、フィルタ軸34上に中心が位置する円形の断面を有する。フィルタ内壁28は、フィルタ軸34に平行な内壁の長さ36を有する。いくつかの実施形態において、内壁の直径38はゼロである場合もある。
【0030】
同様に、フィルタ外壁30も、フィルタ軸34上に中心が位置する円形の断面を有してよく、フィルタ内壁28と同軸である。フィルタ外壁30は、フィルタ軸34に平行な外壁の長さ40を有する。いくつかの実施形態において、外壁の長さ40は内壁の長さ36に等しい。
【0031】
再び図1を参照すると、フィルタ26は、フィルタ内壁28が廃棄物移送管16の管壁60に当接するように廃棄物移送管16を囲むように設置される。特定の体積の濾過材44が、フィルタ内壁28とフィルタ外壁30との間のフィルタ空洞32内に置かれる。スクリーンまたは穿孔されたプレートまたは他の材料などの保持具46が、フィルタ空洞32の第1の空洞端部48及び第2の空洞端部50に配置されて、吸引空気流20がなおもその中を通過できるようにしつつ、濾過材44を空洞内に保持する。いくつかの実施形態において、濾過材44は、吸引空気流20から臭気や他の汚染物質を除去するための、例えば活性炭材料である。いくつかの実施形態において、濾過材44は、吸引空気流20から汚染物質を除去するための、例えばきつく編まれたガラス繊維メッシュである。しかしながら他の実施形態では、例えば紙、ガラス繊維またはポリウレタンフォームなどの他の材料が利用される場合もあることを理解されたい。
【0032】
図2を再び参照すると、明確にするために濾過材44は示されていない。複数のバッフル52が、フィルタ空洞32内に配列される。バッフル52は、空気流の方向が純粋にフィルタ軸34に平行な方向にならないように、フィルタ26を通過する吸引空気流20にらせん形の成分を誘発させるように構成され、フィルタ空洞32の周りに配列される。そのようならせん形の空気流のパターンは、吸引空気流20のフィルタ空洞32内での滞在時間を増大させ、したがって吸引空気流20と濾過材44との相互作用の時間も増大させる。
【0033】
バッフル52は、第1の空洞端部48から第2の空洞端部50まで、及びフィルタ内壁28とフィルタ外壁30との間に延在する。いくつかの実施形態において、バッフル52は、フィルタ内壁28及びフィルタ外壁30のうちの一方またはその両方に固定される。
【0034】
いくつかの実施形態において、バッフル52は、例えば第1の空洞端部48に対して一定の角度で第1の空洞端部48から第2の空洞端部50まで平面に延在するが、図2に示されるような他の実施形態では、バッフル52は、第1の空洞端部48と第2の空洞端部50との間に曲線を成すように延在する。さらに他の実施形態では、バッフル52は、第1の空洞端部48と第2の空洞端部50との間に直線部分の組み合わせを有するように構成される場合もある。
【0035】
図2に示されるようないくつかの実施形態において、バッフル52は、フィルタ軸34の周りに均等に離間されるが、他の実施形態では、例えば、吸引空気流20の円周方向の変化に適応するように間隔が変化する場合もある。同様に、図2の実施形態では、バッフル52は全く同じであるが、他の実施形態では、バッフル52は、形状、半径方向の幅、軸方向の長さまたは他の特性が互いに対して異なる場合もある。
【0036】
いくつかの実施形態において、フィルタ26は、機械加工、溶接などの従来の製造方法によって形成される。他の実施形態ではフィルタは、付加製造を介して単一部品の一体式の要素として形成される。さらに、廃棄物処理システム10の文脈で本明細書には記載されるが、当業者は、そのようなフィルタ26は、濾過装置のサイズ及び重量に対する制約によって押し込み空気流の濾過が必要とされる多くの用途で利用され得ることを容易に理解するであろう。
【0037】
らせん形の空気流のパターンは、フィルタ26の全体のサイズまたは質量を増大させることなく、フィルタ空洞42内での、それ故濾過材44と接触している状態の吸引空気流20の滞在時間を増大させる。よって、所与のフィルタ26の体積及び質量に対して、より多くの臭気や他汚染物質がフィルタ26によって除去されてよい。さらにバッフル52は、フィルタ26に対して構造的な強度を加えることで、宇宙飛行用機材によって被る必須の動荷重及び疲労に今まで通り耐えながら、フィルタ26を全体的により軽量にすることを可能にする。
【0038】
「およそ」という用語は、本出願の提出時に利用可能な装置に基づいた特定の量の測定に関連する誤差の範囲を含むことが意図されている。
【0039】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、本開示の限定であることは意図されていない。本明細書で使用される際、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈がそうでないことをはっきりと指摘していなければ、複数形も同様に含むことが意図されている。用語「備える(comprises)」及び/または「備えている(comprising)」は、本明細書で使用される場合、記述される特徴、整数、ステップ、操作、要素及び/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素及び/またはその集合の存在または追加を排除するものではないこともさらに理解されたい。
【0040】
本開示を、一例の一実施形態または複数の実施形態を参照して記載してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされる可能性があり、均等物がその要素に置き換わる場合があることは当業者によって理解されるであろう。加えて、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正がなされる場合もある。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最適な態様として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲の範囲内にある全ての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2