(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】新生児用寝台装置
(51)【国際特許分類】
A61G 7/05 20060101AFI20230825BHJP
A47D 7/00 20060101ALI20230825BHJP
A47D 7/04 20060101ALI20230825BHJP
A47C 19/12 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A61G7/05
A47D7/00 A
A47D7/00 Z
A47D7/04
A47C19/12 Z
(21)【出願番号】P 2020077112
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】岩井 文
(72)【発明者】
【氏名】有松 崇行
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06370715(US,B1)
【文献】米国特許第08316482(US,B1)
【文献】特開2017-225802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0308011(US,A1)
【文献】実開平06-075463(JP,U)
【文献】登録実用新案第3212236(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/05
A47D 7/00,13/02
A47C 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成人用寝台装置に取り付けられる新生児用寝台装置であって、
前記成人用寝台装置に取付可能な第1部材と、
前記成人用寝台装置に載せられ、前記第1部材に取付可能なマットレスと、
を備え
、
前記第1部材は、前記成人用寝台装置のサイドレールに取り付け可能である、新生児用寝台装置。
【請求項2】
成人用寝台装置に取り付けられる新生児用寝台装置であって、
第1部材と、
前記成人用寝台装置に載せられ、前記第1部材に取付可能なマットレスと、
を備え、
前記第1部材には、前記成人用寝台装置に取り付けるための取付部が設けら
れ、
前記取付部は、前記成人用寝台装置のサイドレール取付位置に挿入される固定軸である、新生児用寝台装置。
【請求項3】
前記第1部材は、クッション性を有する芯材と、前記芯材を覆うカバーと、を含む、請求項1
または2に記載の新生児用寝台装置。
【請求項4】
前記第1部材は、前記寝台装置のサイドレールを収納する袋状部分を含む、請求項1~
3のいずれか1つに記載の新生児用寝台装置。
【請求項5】
前記マットレスは、通気性及びクッション性を有するマットレス本体と、前記マットレス本体を覆うマットレスカバーと、を含む、請求項1~
4のいずれか1つに記載の新生児用寝台装置。
【請求項6】
前記マットレスの一の長辺が、前記第1部材の一の長辺に着脱可能であり、
前記マットレスが前記第1部材に取り付けられた状態において、前記第1部材と前記マットレスとが折り畳み可能である、請求項1~
5のいずれか1つに記載の新生児用寝台装置。
【請求項7】
前記マットレスに横たわる乳児の、前記マットレスの長手方向における移動を制限する第1規制部及び第2規制部をさらに備え、
前記第1規制部は、前記第1部材の一の短辺と前記マットレスの一の短辺とを連結するように設けられ、
前記第2規制部は、前記第1部材の他の短辺と前記マットレスの他の短辺とを連結するように設けられている、請求項1~
6のいずれか1つに記載の新生児用寝台装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、新生児用寝台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産後の母親と新生児とが一緒に過ごす母子同室、又は、母親と新生児が同じベッドで寝る母子同床を行う医療機関がある。母子同床においては、ベッドの柵に新生児が接触したり、新生児がベッドから転落したりすることのないよう注意が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、利便性及び安全性の高い新生児用寝台装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る新生児用寝台装置は、成人用寝台装置に取り付けられる。前記新生児用寝台装置は、第1部材と、マットレスと、を含む。第1部材は、前記成人用寝台装置に取付可能である。マットレスは、前記成人用寝台装置に載せられ、前記第1部材に取付可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、利便性及び安全性の高い新生児用寝台装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る新生児用寝台装置のサイドガードの一例を示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【
図5】第1実施形態に係る新生児用寝台装置のマットレスの一例を示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
【
図6】第1実施形態に係る新生児用寝台装置の使用状態の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態の変形例に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図であり、(A)は使用時を示し、(B)は収納時を示す。
【
図8】第1実施形態に係る新生児用寝台装置のマットレスの他の例を示す参考図である。
【
図9】第1実施形態に係る新生児用寝台装置の他の例を示す斜視図である。
【
図10】第2実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。
【
図11】第3実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。
【
図12】第3実施形態に係る新生児用寝台装置の使用状態の一例を示す図である。
【
図13】第4実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。
【
図14】第4実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1~
図3は、第1実施形態に係る新生児用寝台装置(母子同床ベッド)の一例を示す斜視図である。
図1~
図3に示すように、新生児用寝台装置10は、成人用の寝台装置(以下、単に「寝台装置」という)80に取り付けて用いるものであり、サイドガード(第1部材)20と、マットレス30と、を含む。
【0010】
サイドガード20は、クッション性を有する芯材と、芯材を覆うカバーとを含む。カバーは、寝台装置80のサイドレール81を収納する袋状部分を含む。
図1(A)及び
図1(B)に示すように、カバーの袋状部分にサイドレール81を収納することにより、サイドガード20が寝台装置80のサイドレール81に取り付けられる。
【0011】
寝台装置80は、可動部を有する電動ベッドであっても良い。可動部は、例えば、背ボトム、膝ボトム、脚ボトム及び高さ変更部などを含む。背ボトム、膝ボトム及び脚ボトムにおいて、互いの角度は変更可能である。背ボトムの動作により、利用者の背の角度が変更可能である。膝ボトムと脚ボトムとの間の角度の変更により、膝の角度が変更可能である。これらの角度は、連動して変化しても良い。高さ変更部は、例えば、床面とベッド面との間の距離(高さ)を変更可能である。これらの可動部には、例えばアクチュエータなどが用いられる。可動部の動作により、「背上げ」、「膝上げ」及び「高さ調整」などの少なくともいずれかが可能である。
【0012】
図4は、第1実施形態に係る新生児用寝台装置のサイドガードの一例を示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図5は、第1実施形態に係る新生児用寝台装置のマットレスの一例を示し、(A)は正面図、(B)は背面図である。
本実施形態においては、説明の便宜上、サイドガード20とマットレス30とが連結されて折り畳まれたときに、サイドガード20とマットレス30とが向き合う面を、サイドガード20及びマットレス30の正面とする。サイドガード20とマットレス30とが連結されて折り畳まれたときに、サイドガード20及びマットレス30の外側に向く面を、サイドガード20及びマットレス30の背面とする。
【0013】
図4に示すように、サイドガード20の正面において、長辺20a、20bのうち、サイドレール81に取り付けたときに下方に位置する長辺20bの近傍に、面ファスナー21a、21bが設けられている。サイドガード20の背面において、短辺20c、20dの近傍にそれぞれ面ファスナー23a、23bを設けても良い。
【0014】
サイドガード20の長辺20aの中心部には、フラップ24が設けられている。フラップ24に、面ファスナー24aが取り付けられている。
【0015】
図1、
図2及び
図4に示すように、マットレス30は、マットレス本体とマットレスカバーとを含む。マットレス本体は、通気性及びクッション性を有する。例えば、マットレス本体は、例えば、ウレタンフォームなどの材料を上面視矩形状に形成したものである。マットレス本体の硬さは、乳児の体重によって沈み込みが生じない程度の硬さであることが好ましい。マットレス本体において、長辺30a、30bのうち、少なくとも長辺30aの両端の2つの角部には、R面取り加工がなされている。
【0016】
マットレスカバーは、布製材料をマットレス本体を覆う形状に縫製したものである。マットレスカバーの角部は、マットレス本体の角部のR面に一致するように曲線状に縫製されている。マットレスカバーの縫製部分は、マットレス30の寝台装置80と接する面に位置するようになっている。このため、マットレスに乳児が横たわった際に、縫製部分が乳児に接触しない。マットレスカバーは、洗浄又は清拭可能であることが好ましい。
【0017】
マットレスカバーの長辺30bには、マットレス30をサイドガード20に連結させるための連結片31が延びている。連結片31には、面ファスナー21a、21bに着脱可能な面ファスナー31a、31bが設けられている。連結片31の面ファスナー31a、31bをサイドガード20の面ファスナー21a、21bに接着させることにより、マットレス30の長辺30bが、サイドガード20の長辺20bに取り付けられる。これにより、マットレス30と、サイドガード20とが連結される。マットレス30と、サイドガード20とが連結された状態において、サイドガード20とマットレス30とを、連結片31を中心に折り畳むことができる。
【0018】
マットレス30の背面に面ファスナー24aに対応する面ファスナー24bが取付けられている。サイドガード20とマットレス30とが折り畳まれたときに、フラップ24の面ファスナー24aとマットレス30の面ファスナー24bとを接着させる。これにより、サイドガード20とマットレス30とが折り畳まれた状態を保持することができる。
【0019】
マットレス30の短辺30c、30dには、第1規制部41及び第2規制部42の一端が取付けられてもよい。第1規制部41及び第2規制部42の他端には、面ファスナー(図示せず)が設けられている。第1規制部41の面ファスナーは、サイドガード20の面ファスナー23aに取り付けられる。これにより、第1規制部41が、サイドガード20の一の短辺20cとマットレスの一の短辺30cとを連結するように設けられる。第2規制部42の面ファスナーは、サイドガード20の面ファスナー23bに取り付けられる。これにより、第2規制部42が、サイドガード20の一の短辺20dとマットレスの一の短辺30dとを連結するように設けられる。第1規制部41及び第2規制部42には、メッシュ状の布などの素材を適用することが好ましい。
【0020】
第1規制部41及び第2規制部42により、マットレスの長手方向における乳児の移動を制限することができる。例えば、マットレスに横たわる乳児がマットレスの長手方向に移動した場合であっても、第1規制部41及び第2規制部42により、マットレスからの脱落を防止することができる。
【0021】
マットレス本体及びマットレスカバーは、例えば、汚れがつきにくい(防汚性を有する)、薬剤での清拭可能である、汗を吸収しやすい、吸水性がある、速乾性がある、洗浄可能である、などの材料から形成されていることが好ましい。具体的には、マットレスカバーの材料として、例えば、ポリウレタンフィルム、ビニルレザー、ポリエステル等を適用することが好ましい。マットレス本体及びマットレスカバーには、抗菌加工が施されていると更に好ましい。
【0022】
図6は、第1実施形態に係る新生児用寝台装置10の使用状態の一例を示す図である。
図6に示すように、第1実施形態に係る新生児用寝台装置10によれば、サイドガードと、サイドガードに取付可能なマットレスと、を含んでいる。サイドガードを成人用の寝台装置に取り付けることにより、新生児用寝台装置を寝台装置に容易に取り付けることができる。サイドガードは、サイドガードに設けられた袋状部分に寝台装置のサイドレールを挿入するだけでよく、汎用性のある既存の寝台装置に容易に取り付けることができる。例えば、寝台装置がいわゆる電動ベッドである場合において、寝台装置の上下動に影響されない。
【0023】
サイドガードとマットレスとは、面ファスナーによって連結されているので、マットレスとサイドレールとの間に空隙がない。従って、新生児用寝台装置が寝台装置に取り付けられた場合において、新生児用寝台装置や寝台装置からから乳児が転落したり、新生児用寝台装置とサイドレールとの空隙に乳児が挟まれたりすることがない。新生児用寝台装置が寝台装置に取り付けられた状態において、マットレスは、一方の長辺にサイドガードが連結され、他方の長辺は添い寝する母親側に開放されている。従って、乳児と母親との隔たりがない。
【0024】
サイドガード20及びマットレス30に用いられる各面ファスナーは、いずれも、サイドガード20とマットレス30との接続部分や、新生児用寝台装置の背面等に設けられている。このため、新生児用寝台装置に寝かせられる乳児に面ファスナーが触れることがない。また、サイドガード20とマットレス30とは、連結片31を介して面ファスナーで接続されるため、連結片31の幅及び面ファスナーの幅の分だけサイドガード20に対してマットレス30の高さや距離を調節することができる。このため、例えば、寝台装置のマットレスの厚みにばらつきがあっても、マットレス30の位置を適切な位置に調整することができる。
【0025】
新生児用寝台装置の不使用時には、マットレスをサイドガード側に折り畳んで収納することができるので、寝台装置内の母親の休養スペースを確保することができる。サイドガード及びマットレスは、いずれもクッション性を有している。従って、マットレスに横たわる乳児や添い寝する母親の身体への接触が柔らかく安全である。このように、本実施形態に係る新生児用寝台装置によれば、容易かつ安全に、乳児と母親との隔たりのない、母子同床を実現することができる。
なお、乳児の心拍などを検出する体動センサをマットレスに設けても良い。
【0026】
サイドガード20がクッション性を有しているのは、マットレスに横たわる乳児がサイドレール81に取りついたサイドガード20にぶつかったときに痛みを感じないようにするためである。サイドレール81の表面に軟質の素材が設けられていたり、サイドレール81が樹脂製であったりした場合で、サイドレール81の表面がクッション性を有しているのであれば、サイドガード20はクッション性を有する芯材や芯材を覆うカバーを必ずしも含む必要はなく、紐やマジックテープ(登録商標)など、サイドレール81に取り付けることができるものであれば、それでもよい。
【0027】
実施形態によれば、利便性及び安全性の高い新生児用寝台装置を提供することができる。
【0028】
(変形例)
上述した第1実施形態においては、マットレス30の連結片31が、サイドガード20の長辺20b近傍に取り付けられる構成について説明した。本変形例においては、サイドガード20の正面の中央部に連結片25が設けられ、連結片25にマットレス30の連結片31を取り付ける構成について説明する。
【0029】
図7は、第1実施形態の変形例に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図であり、(A)は使用時を示し、(B)は収納時を示す。
図7に示すように、サイドガード20の正面の中央部に連結片25の一端が固定され、連結片25の他端部(
図7中の下端)に面ファスナー25a、25bが設けられている。マットレス30の連結片31には、面ファスナー25a、25bに対応する面ファスナー31a、31bが取り付けられている。面ファスナー25aと面ファスナー31a、面ファスナー25bと面ファスナー31bとを接触させる。これにより、サイドガード20とマットレス30とが連結される。
【0030】
母子同床ベッドの不使用時は、連結片25の他端部を連結片25の一端を中心にほぼ180度回転させる。これにより、連結片25の他端部がサイドガードの上端に位置する。連結片25の他端部に取り付けられたマットレス30は、サイドガード20を跨いで、サイドガード20の背面側に折り畳まれる。
このようにすることで、新生児用寝台装置の不使用時において、寝台装置内の母親の休養スペースをより広く確保することができる。また、寝台装置がいわゆる電動ベッドのように可動部を有する寝台装置である場合にも、新生児用寝台装置の不使用時は、寝台装置の高さ調節(上昇又は下降)、背上げ又は背下げ動作によって寝台装置と新生児用寝台装置とが干渉せず、安全性が向上する。
【0031】
図8は、マットレス30の他の例を示す参考図である。
図8に示すように、マットレス30は、長辺30aの中央部近傍に窪みのある形状であってもよい。
図9は、本実施形態に係る新生児用寝台装置の他の例を示す斜視図である。
図9に示すように、例えば、寝台装置のサイドレールとサイドガードとが一体的に形成された新生児用寝台装置であってもよい。
図9に示す例では、サイドレールとサイドガードとを含む新生児用寝台装置において、サイドレールの下端から、寝台装置に取り付けるための固定軸(取付部)82が突出している。固定軸82を寝台装置のサイドレール取り付け位置に挿入することにより、新生児用寝台装置を寝台装置に用意に取り付けることができる。
【0032】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。本実施形態では、寝台装置に、サイドレールと一体の支持台90を取り付け、この支持台90に上述した新生児用寝台装置10を載せることにより母子同床を実現する。
図10に示すように、支持台90は、サイドレール83とベッド支持板85とが一体となっている。サイドレール83には、サイドレール83の下端部にベッド支持板85が取り付けられている。ベッド支持板85には、固定軸88が設けられている。
【0033】
支持台90は、固定軸88を寝台装置80のサイドレール取付穴に挿入することで寝台装置80に固定される。新生児用寝台装置10の支持台90への取付は、サイドガード20に設けられた袋状部分に、支持台90のサイドレール83を挿入するだけでよい。このようにすることで、支持台90及び新生児用寝台装置10を汎用性のある既存の寝台装置に容易に取り付けることができる。このようにすることで、新生児用寝台装置10を使用する場合であっても、寝台装置80内の母親の休養スペースを確保することができる。
【0034】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。本実施形態では、寝台装置のサイドレールを利用せずに、サイドレールに代えて、専用の支持フレームを取り付ける。支持フレームに乳児を寝かせるベッド(かご部)を支持させることにより、母子同床を実現する。
【0035】
図11に示すように、新生児用寝台装置11は、かご部50と、支持フレーム60と、を含む。かご部50は、乳児を収容して寝かせることができる。かご部50は、例えば、平面視で楕円形または長円形である。かご部50は、例えば、平面視で楕円形または長円形の底面50aと、底面の周縁を囲繞するように設けられた側壁50bとを含む。側壁50bには、開口部50cが設けられている。かご部50は、例えば、透明な樹脂によって形成することができる。かご部には、クッション性のあるマットレスを敷くことができる。
【0036】
支持フレーム60は、枠部60aと、固定軸60bとを含む。枠部60aは、かご部50の底面50aと同形状であり、底面50aの周縁部を支持する。支持フレーム60は、固定軸60bを、寝台装置80のサイドレール取付穴に挿入することにより、寝台装置80に固定される。かご部50は、開口部50cが寝台装置80に隣り合うように、支持フレーム60に支持される。かご部50は、支持フレーム60に着脱可能とすることもできる。
【0037】
図12は、第3実施形態に係る母子同床ベッドの使用状態の一例を示す図である。
図12に示すように、第3実施形態に係る新生児用寝台装置11によれば、サイドレールに代えてかご部を支持する支持フレーム60を取付ける。かご部50は、開口部50cを寝台装置80に隣り合うように支持フレーム60に支持される。このようにすることで、新生児用寝台装置11を寝台装置80に容易に取り付けることができる。支持フレーム60は、寝台装置80のサイドレール取付穴に挿入するだけでよく、汎用性のある既存の寝台装置に容易に取り付けることができる。例えば、寝台装置が電動ベッドである場合において、寝台装置の高さ調節や背上げ又は背下げ動作に影響されない。
【0038】
かご部50の開口部50cは、寝台装置80に隣り合うように支持フレーム60に支持されている。すなわち、かご部50は、開口部50cによって添い寝する母親側に開放されている。従って、乳児と母親との隔たりがない。かご部50を透明な樹脂によって形成することにより、外部から乳児の様子や状況を目視によって確認することが容易となる。また、かご部50が支持フレーム60に着脱可能である場合には、乳児を寝かせたまま、かご部50を支持フレーム60から取り外し、かご部50ごと乳児を移動させることができる。
【0039】
また、かご部50と支持フレーム60との間にタオル等を挟むことにより、かご部50を任意の角度、方向に傾けることができる。かご部50を支持フレーム60から取り外すことのできる構造にすることにより、支持フレーム60自体を傾斜させることのできる構造にする必要がなくなる。新生児用寝台装置11を、寝台装置80の付近で使用しない場合には、かご部50において開口部50cを塞ぐ、又は、開口部50cのない他のかご部を用いても良い。
【0040】
新生児用寝台装置11の不使用時には、支持フレーム60を取り外してサイドレールを取り付ければ良い。したがって、寝台装置80内の母親の休養スペースを確保することができる。このように、本実施形態に係る新生児用寝台装置11によれば、容易かつ安全に、乳児と母親との隔たりのない、母子同床を実現することができる。
【0041】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態に係る新生児用寝台装置の一例を示す斜視図である。本実施形態では、寝台装置のサイドレールを利用せずに、サイドレールを取り付ける箇所に配置することができる新生児用寝台装置を用いることにより、母子同床を実現する。
【0042】
図13に示すように、新生児用寝台装置12は、かご部50と、支持フレーム61と、架台70と、を含む。かご部50は、乳児を収容して寝かせることができる。かご部50は、例えば、平面視で楕円形または長円形である。かご部50は、例えば、平面視で楕円形または長円形の底面50aと、底面の周縁を囲繞するように設けられた側壁50bとを含む。側壁50bには、開口部50cが設けられている。かご部50は、例えば、透明な樹脂によって形成することができる。かご部には、クッション性のあるマットレスを敷くことができる。
【0043】
支持フレーム61は、枠部61aを含む。枠部61aは、かご部50の底面50aと同形状であり、底面50aの周縁部を支持する。かご部50は、支持フレーム61に着脱可能とすることができる。枠部61aは、架台70の支柱71に固定されている。
【0044】
架台70は、支持フレーム61を固定する支柱71と、支柱71を支持する脚部72とを備えている。支柱71の一端は支持フレーム61と接続され、支柱71の他端は脚部72と接続される。支柱71は、伸縮させることができ、寝台装置80の高さに合わせて支持フレーム61の高さを調節することができる。脚部72には、4箇所にキャスター73が設けられ、新生児用寝台装置12を容易に移動させることができるようになっている。キャスター73に、キャスター73の動作を制限するストッパを設けても良い。
かご部50は、開口部50cが寝台装置80に隣り合うように、支持フレーム61に支持される。
【0045】
図14は、第4実施形態に係る母子同床ベッドの使用状態の一例を示す図である。
図14に示すように、第4実施形態に係る新生児用寝台装置12によれば、サイドレールの取り付け位置に新生児用寝台装置12を近付け、かご部50と支持フレーム61の一部が、寝台装置80と重なるように配置する。このとき、かご部50は、開口部50cが、寝台装置80側に位置するように支持フレームに支持されている。すなわち、かご部50は、添い寝する母親側に開口部50cによって開放されている。従って、乳児と母親との隔たりがない。かご部50を透明な樹脂によって形成することにより、外部から乳児の様子や状況を目視によって確認することが容易となる。
【0046】
また、かご部50が支持フレーム61に着脱可能である場合には、乳児を寝かせたまま、かご部50を支持フレーム61から取り外し、かご部50ごと乳児を移動させることができる。さらに、かご部50と支持フレーム61との間にタオル等を挟むことにより、かご部50を任意の角度、方向に傾けることができる。かご部50を支持フレーム61から取り外すことのできる構造にすることにより、支持フレーム61自体を傾斜させることのできる構造にする必要がなくなる。
【0047】
新生児用寝台装置12を移動させて、サイドレール取り付け位置に配置するので、寝台装置80と新生児用寝台装置12をと用いて容易に母子同床を実現させることができる。また、新生児用寝台装置12は、かご部50及び支持フレーム61の一部を寝台装置80と重なるように配置することができるので、寝台装置80と新生児用寝台装置12とを隙間なく配置させることができる。この状態で、ストッパによりキャスター73の動作を停止させてもよい。これにより、新生児用寝台装置12の移動を制限させ、寝台装置80と新生児用寝台装置12とを隙間なく配置した状態を維持することができる。
【0048】
従って、寝台装置80のマットレスと新生児用寝台装置12との間に乳児が挟まれたり、新生児用寝台装置12から乳児が転落したりする心配がない。なお、新生児用寝台装置12と寝台装置80とを隙間なく配置した状態を維持するために、キャスター73のストッパとは別に、新生児用寝台装置12を寝台装置80に固定する固定手段を設けても良い。
【0049】
上述した各実施形態によれば、より利便性の高い新生児用寝台装置を提供することができる。
【0050】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、母子同床ベッドに含まれる各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0051】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0052】
その他、本発明の実施の形態として上述した新生児用寝台装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての新生児用寝台装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0053】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0054】
10、11、12…新生児用寝台装置、 20…サイドガード、 20a、20b…長辺、 20c、20d…短辺、 21a、21b…面ファスナー、 23a、23b…面ファスナー、 24…フラップ、 24a、24b…面ファスナー、 25…連結片、 25a、25b…面ファスナー、 30…マットレス、 30a、30b…長辺、 30c、30d…短辺、 31…連結片、 31a、31b…面ファスナー、 41…第1規制部、 42…第2規制部、 50…かご部、 50a…底面、 50b…側壁、 50c…開口部、 60…支持フレーム、 60a…枠部、 60b…固定軸、 61…支持フレーム、 61a…枠部、 70…架台、 71…支柱、 72…脚部、 80…寝台装置、 81…サイドレール、 83…サイドレール、 85…ベッド支持板、 88…固定軸、90…支持台