(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 E
(21)【出願番号】P 2020109340
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】浅川 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】宮島 健太郎
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276183(JP,A)
【文献】特開2018-014381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 3/34
G01B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁シリコーン基材と、前記絶縁シリコーン基材上に配置された導電シリコーンシートと、前記導電シリコーンシート上に形成された導電パターン回路と、前記導電パターン回路の一部に、シリコーン系導電ペーストからなる接着剤層を介して接着された非伸縮導電板と、前記非伸縮導電板上にはんだ付けされた接続用配線と、前記非伸縮導電板と前記接続用配線との接続部を被覆する樹脂層と、を有する、回路基板。
【請求項2】
前記非伸縮導電板は、金属プレート、フレキシブルプリント回路基板、実装プリント基板またはポリイミド基板である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記非伸縮導電板は、前記接着剤層を介して、前記絶縁シリコーン基材、前記導電シリコーンシートおよび前記導電パターン回路の少なくとも1つと電気的に接続している、請求項1または2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記接続用配線は、前記接着剤層、前記導電パターン回路、前記導電シリコーンシート及び前記絶縁シリコーン基材に接触せずに、前記非伸縮導電板上にはんだ付けされている、請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記非伸縮導電板は、面積50mm
2以上の金属プレートからなる、請求項2~4のいずれか1項に記載の回路基板。
【請求項6】
前記接着剤層の厚さは、10μm以上50μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の回路基板。
【請求項7】
前記導電シリコーンシートの体積抵抗率は、前記導電パターン回路の体積抵抗率よりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の回路基板。
【請求項8】
前記導電パターン回路は、ストレッチャブル導電ペーストからなる、請求項1~7のいずれか1項に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
導電シリコーン回路は、シリコーンシートと、シリコーンシート上に形成された導電パターン回路とを有する。導電シリコーン回路は、耐熱性や耐寒性に優れるとともに、生体適合性および柔軟性にも優れることから、車載用途、曲面追従型タッチセンサー、ヘルスケア用途等に用いられる。導電シリコーン回路に対する配線の接続方法としては、例えば、強固な機械的接合が得られるリベットによるカシメ等の塑性変形の加工法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。従来の機械的接合の場合、一般的にパンチとダイを用いるため、接続部の厚さが厚くなり、導電シリコーン回路を筐体等に組み込む際の設計が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電シリコーン回路はシリコーンシートを有するため、上記の機械的接合を用いた場合、接続部を起点としてシリコーンシートに破れや破損が発生する頻度が高くなる。つまり、機械的接合により配線が接続されたシリコーンシートを延伸した際には、シリコーンシートにおける配線の引出部も延伸されて、その引出部に引裂き等が発生するという課題があった。
【0005】
接続部の厚みを薄くして、設計に幅を持たせるためには、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)を用いることが考えられる。しかしながら、異方性導電フィルムは、接着剤としてアクリル系接着剤やウレタン系接着剤を含んでいる。アクリル系接着剤やウレタン系接着剤は、導電シリコーン回路への接着が不可能であるため、異方性導電フィルムを用いて、導電シリコーン回路に配線を接続することができなかった。また、接続部を起点としてシリコーンシートに破れや破損が発生する頻度を低くするためには、シリコーンシートの延伸を抑制する必要があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、配線の接続部における厚さを薄くすることができるとともに、シリコーンシートの延伸を抑制できる回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]絶縁シリコーン基材と、前記絶縁シリコーン基材上に配置された導電シリコーンシートと、前記導電シリコーンシート上に形成された導電パターン回路と、前記導電パターン回路の一部に、シリコーン系導電ペーストからなる接着剤層を介して接着された非伸縮導電板と、前記非伸縮導電板上にはんだ付けされた接続用配線と、前記非伸縮導電板と前記接続用配線との接続部を被覆する樹脂層と、を有する、回路基板。
[2]前記非伸縮導電板は、金属プレート、フレキシブルプリント回路基板、実装プリント基板またはポリイミド基板である、[1]に記載の回路基板。
[3]前記非伸縮導電板は、前記接着剤層を介して、前記絶縁シリコーン基材、前記導電シリコーンシートおよび前記導電パターン回路の少なくとも1つと電気的に接続している、[1]または[2]に記載の回路基板。
[4]前記非伸縮導電板の厚さは、25μm以上1000μm以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の回路基板。
[5]前記非伸縮導電板は、面積50mm2以上の金属プレートからなる、[2]~[4]のいずれかに記載の回路基板。
[6]前記接着剤層の厚さは、10μm以上50μm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の回路基板。
[7]前記導電シリコーンシートの体積抵抗率は、前記導電パターン回路の体積抵抗率よりも大きい、[1]~[6]のいずれかに記載の回路基板。
[8]前記導電パターン回路は、ストレッチャブル導電ペーストからなる、[1]~[7]のいずれかに記載の回路基板。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配線の接続部における厚さを薄くすることができるとともに、シリコーンシートの延伸を抑制できる回路基板を提供することができる。
【0009】
本発明は、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の回路基板の概略構成を示す平面図である。
【
図2】本実施形態の回路基板の概略構成を示す断面図である。
【
図3】本実施形態の回路基板の概略構成を示す断面図であり、
図2に示す領域αを拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の回路基板の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
以下に説明する各部材の厚さは、厚さ方向の断面を測定顕微鏡等の拡大観察手段で観察し、任意の代表的な5点の厚さを測定した平均値とする。
【0012】
[回路基板]
図1は、本実施形態の回路基板の概略構成を示す平面図である。
図2は、本実施形態の回路基板の概略構成を示す断面図である。
図3は、本実施形態の回路基板の概略構成を示す断面図であり、
図2に示す領域αを拡大した図である。
本実施形態の回路基板10は、絶縁シリコーン基材11と、導電シリコーンシート12と、導電パターン回路13と、非伸縮導電板14と、接続用配線15と、接着剤層16と、樹脂層17と、を有する。
【0013】
導電シリコーンシート12は、絶縁シリコーン基材11上、すなわち、絶縁シリコーン基材11の一方の面(上面)11aに配置されている。
導電パターン回路13は、導電シリコーンシート12上、すなわち、導電シリコーンシート12の一方の面(上面)12aに形成されている。
【0014】
非伸縮導電板14は、接着剤層16を介して、導電パターン回路13の一部に接着されている。本実施形態では、
図2および
図3に示すように、非伸縮導電板14は、接着剤層16を介して、導電パターン回路13の一端部(
図2および
図3の紙面右側の端部)において、導電パターン回路13の一方の面(上面)13aに接着されている。
【0015】
接続用配線15は、非伸縮導電板14上にはんだ付けされている。本実施形態では、
図2および
図3に示すように、接続用配線15は、非伸縮導電板14の一方の面(上面)14aにはんだ付けされている。
【0016】
非伸縮導電板14と接続用配線15との接続部18は、樹脂層17で被覆されている。本実施形態では、
図2および
図3に示すように、導電シリコーンシート12の一端部(
図2および
図3の紙面右側の端部)における導電シリコーンシート12の一方の面12aの一部、導電パターン回路13の一端部(
図2および
図3の紙面右側の端部)、非伸縮導電板14、接着剤層16、並びに接続部18における接続用配線15およびその近傍が樹脂層17で被覆されている。
【0017】
絶縁シリコーン基材11は、シリコーンゴムからなる絶縁性の基材である。
絶縁シリコーン基材11の厚さは、特に限定されないが、例えば、20μm以上1000μm以下であることが好ましい。
【0018】
導電シリコーンシート12は、シリコーンゴムと、シリコーンゴム中に分散された導電性付与剤とを含む複合材料からなる導電性のシートである。導電性付与剤としては、カーボンブラック、金属、金属酸化物等が挙げられる。
導電シリコーンシート12の厚さは、特に限定されないが、例えば、20μm以上1000μm以下であることが好ましい。
【0019】
導電シリコーンシート12の体積抵抗率は、0.1Ω・cm以上10Ω・cm以下であることが好ましく、0.3Ω・cm以上1.0Ω・cm以下であることがより好ましい。導電シリコーンシート12の体積抵抗率が前記範囲内であれば、寄生容量が少なく、安定した静電容量が得られる。
【0020】
導電シリコーンシート12の体積抵抗率は、JIS K6271:2008「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム体積抵抗率及び表面抵抗率の求め方」に準拠して測定する。
【0021】
また、導電シリコーンシート12の体積抵抗率は、導電パターン回路13の体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、導電パターン回路13を流れる電流が、導電シリコーンシート12へ漏れ難くなり、導電パターン回路13に効率的に電流を流すことができる。
【0022】
導電パターン回路13は、導電ペーストからなる導電性の回路パターンである。導電パターン回路13にストレッチ性(よく伸び、その後元に戻る性質(伸縮性))を付与する観点から、導電パターン回路13はストレッチャブル導電ペーストからなることが好ましい。ストレッチャブル導電ペーストは、伸縮性の基材上にストレッチ性を有する配線を形成可能である、得られた導電パターン回路13の伸長時に亀裂が生じない、伸長時や伸縮を繰り返した時でも高い導電性を維持するという性質を有する。また、導電パターン回路13と非伸縮導電板14との電気的、機械的な接続が可能となる。ストレッチャブル導電ペーストの具体例としては、シリコーン、ポリエステル、ポリウレタン等の熱硬化型樹脂と、熱硬化型樹脂中に分散された金属とを含むものが挙げられる。金属としては、例えば、銅、銀、白金、金、アルミニウム等が挙げられる。
【0023】
導電パターン回路13の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上20μm以下であることが好ましい。
【0024】
導電パターン回路13の平面視における幅は、特に限定されないが、例えば、5μm以上300μm以下であることが好ましい。
【0025】
導電パターン回路13の体積抵抗率は、2.0×10-5Ω・m以上8.0×10-5Ω・m以下であることが好ましく、2.5×10-5Ω・m以上4.5×10-5Ω・m以下であることがより好ましい。導電パターン回路13の体積抵抗率が前記範囲内であれば、導電回路としての機能を十分に発揮できるという効果が得られる。
【0026】
導電パターン回路13の体積抵抗率は、上記の導電シリコーンシート12の体積抵抗率の測定方法と同様の方法で測定することができる。
【0027】
非伸縮導電板14は、伸縮性を有さない導電性の基板であれば特に限定されないが、金属プレート、フレキシブルプリント回路基板、実装プリント基板またはポリイミド基板であることが好ましい。
金属プレートとしては、例えば、銅、銀、白金、金、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属からなるプレートが挙げられる。
フレキシブルプリント回路基板としては、例えば、電子手帳のヒンジ、カメラのレンズ配線等が挙げられる。
実装プリント基板としては、例えば、パーソナルコンピューター内部等の部品搭載が必要な基板等が挙げられる。
ポリイミド基板としては、例えば、カメラのレンズ配線等が挙げられる。
【0028】
非伸縮導電板14の厚さは、25μm以上1000μm以下であることが好ましく、25μm以上500μm以下であることがより好ましい。非伸縮導電板14の厚さが前記下限値以上であれば、接続用配線15をはんだ付けした際に、はんだの熱によって変形し難い。非伸縮導電板14の厚さが前記上限値以下であれば、接続用配線15の接続部18において、非伸縮導電板14、接続用配線15および接着剤層16からなる積層体の厚さを薄くすることができる。
【0029】
非伸縮導電板14は、面積50mm2以上の金属プレートからなることが好ましい。面積50mm2以上の金属プレートを用いることにより、接続部18の延伸を抑制することができる。
【0030】
非伸縮導電板14は、接着剤層16を介して、導電シリコーンシート12および導電パターン回路13の少なくとも1つと電気的に接続していることが好ましい。非伸縮導電板14を導電シリコーンシート12と接続することにより、非伸縮導電板14に電気的に接続した接続用配線15と導電シリコーンシート12とを電気的に接続することができる。非伸縮導電板14を導電パターン回路13と接続することにより、非伸縮導電板14に電気的に接続した接続用配線15と導電パターン回路13とを電気的に接続することができる。
【0031】
接続用配線15としては、特に限定されないが、例えば、銅線、銀ワイヤ等が挙げられる。
【0032】
接着剤層16を構成する接着剤としては、導電パターン回路13と非伸縮導電板14に接着可能であり、かつ導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、シリコーン系導電ペースト、ポリエステル導電ペースト、ポリウレタン導電ペースト等が挙げられる。シリコーン系導電ペーストは、例えば、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂中に分散された導電性付与剤とを含む複合材料からなる導電性のインクである。導電性付与剤としては、カーボンブラック、金属、金属酸化物等が挙げられる。
【0033】
接着剤層16の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。接着剤層16の厚さが、前記の範囲内であれば、導電パターン回路13と非伸縮導電板14との電気的、機械的な接続が可能となるとともに、非伸縮導電板14、接続用配線15および接着剤層16からなる積層体の厚さを薄くすることができる。
【0034】
樹脂層17を構成する接着剤としては、導電シリコーンシート12、導電パターン回路13、非伸縮導電板14、接着剤層16および接続用配線15に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、例えば、熱硬化性絶縁ペースト等が挙げられる。樹脂層17で、導電シリコーンシート12、導電パターン回路13、非伸縮導電板14、接着剤層16および接続用配線15を被覆することにより、導電パターン回路13に対して接続用配線15を接続した状態で固定することができる。
また、導電シリコーンシート12に対する接着性を高める観点と、樹脂層17が導電シリコーンシート12に対して与える機械的な応力(引張や延伸)を低減する観点から、樹脂層17は、シリコーン含有樹脂であることが好ましく、シリコーンゴムであることがより好ましい。
【0035】
本実施形態の回路基板10によれば、上述の機械的接合を用いることなく、導電パターン回路13に対して接続用配線15を接続することができるため、接続部18における厚さを薄くすることができる。また、機械的接合を用いていないため、導電シリコーンシート12の延伸を抑制できる。従って、導電パターン回路13と接続用配線15との接続部を起点として導電シリコーンシート12に破れや破損が発生する頻度が低くなる。
【0036】
[回路基板の製造方法]
図1~
図3を参照して、本実施形態の回路基板の製造方法を説明する。
絶縁シリコーン基材11の一方の面11aに、シリコーンゴムと、シリコーンゴム中に分散された導電性付与剤とを含む複合材料を塗布した後、その複合材料を乾燥して、所定の厚さの導電シリコーンシート12を形成する。
次に、導電シリコーンシート12の一方の面12aに、スクリーン印刷等の印刷法を用いて導電ペーストを塗布した後、その導電ペーストを乾燥して、所定のパターンの導電パターン回路13を形成する。
【0037】
次に、導電パターン回路13の一端部に、スクリーン印刷等の印刷法を用いて導電性の接着剤を塗布して接着剤層16を形成する。
次に、接着剤層16を介して、導電パターン回路13の一端部に非伸縮導電板14を接続する。
次に、非伸縮導電板14の一方の面14aに、接続用配線15をはんだ付けする。
【0038】
さらに、導電シリコーンシート12の一端部における導電シリコーンシート12の一方の面12aの一部、導電パターン回路13の一端部、非伸縮導電板14、接着剤層16、並びに接続部18における接続用配線15およびその近傍を覆うように、被覆用樹脂を滴下し、その被覆用樹脂を硬化させて、樹脂層17を形成する。これにより、非伸縮導電板14に接続用配線15を固定し、回路基板10を得る。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
[実施例]
厚さ20μmの絶縁シリコーン基板(商品名:KE-1935A/B、信越化学社製)の一方の面に、シリコーンゴムとカーボンブラックとを含む複合材料(商品名:KE-87C-40P-U、信越ポリマー社製)を塗布した。その後、その複合材料を乾燥して、絶縁シリコーン基板上に厚さ20μmの導電シリコーンシートを形成した。
次に、導電シリコーンシートの一方の面に、スクリーン印刷法を用いて、銀粒子配合シリコーン系導電ペースト(商品名:XA-9469、藤倉化成社製)を塗布した。その後、その熱硬化型銀インクを乾燥して、導電シリコーンシート上に厚さ15μm、平面視における幅0.5mmの導電パターン回路を形成した。
次に、導電パターン回路の一端部に、スクリーン印刷法を用いて、銀粒子配合シリコーン系導電ペースト(商品名:XA-9469、藤倉化成社製)を塗布して、厚さ20μmの接着剤層を形成した。
次に、接着剤層を介して、導電パターン回路の一端部に、厚さ0.5mm、面積50mm2の金属プレート(商品名:SUS304フリープレート、ミスミ社製)を接続した。
次に、金属プレートの一方の面に、接続用配線(商品名:電気機器用ビニル絶縁電線KIV、東日京三電線社製)をはんだ付けした。
さらに、導電シリコーンシートの一端部における導電シリコーンシートの一方の面の一部、導電パターン回路の一端部、金属プレート、接着剤層並びに接続用配線およびその近傍を覆うように、熱硬化性絶縁ペースト(商品名:KE-1950-50A/B、信越化学工業社製)を滴下し、その熱硬化性絶縁ペーストを硬化させて、樹脂層を形成した。これにより、金属プレートに接続用配線を固定し、回路基板を得た。
得られた回路基板において、接続用配線と導電パターン回路との間に電流を流したところ、接続用配線と導電パターン回路とが通電していることが確認された。
【符号の説明】
【0041】
10 回路基板
11 絶縁シリコーン基材
12 導電シリコーンシート
13 導電パターン回路
14 非伸縮導電板
15 接続用配線
16 接着剤層
17 樹脂層
18 接続部