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▶ スミス アンド ネフュー ピーエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】減圧装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20230825BHJP
   A61F 13/00 20060101ALI20230825BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
A61M27/00
A61F13/00 301M
A61F13/02 A
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020128316
(22)【出願日】2020-07-29
(62)【分割の表示】P 2017556143の分割
【原出願日】2016-04-26
(65)【公開番号】P2020185419
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2020-08-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】62/153,483
(32)【優先日】2015-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/154,078
(32)【優先日】2015-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フィリップ・ゴウワンズ
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ケネス・フレイザー・グルジョン・ハント
(72)【発明者】
【氏名】ベン・アラン・アスケム
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】村上 聡
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-506878(JP,A)
【文献】国際公開第2013/136181(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0343518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所陰圧療法において使用のための一体型陰圧源を備える創傷ドレッシング装置であって、
創傷接触層(610)と、
前記創傷接触層上に配置されたスペーサ層(611)であって、所定の空間を形成するように前記スペーサ層の縁部から上方に延在する部分を備えるスペーサ層(611)と、
前記スペーサ層(611)の上方に延在する部分上に配置された吸収層(622)であって、開口部を有する吸収層(622)と、
前記吸収層(622)上に配置された最上カバー層と、
を備え、
前記創傷ドレッシング装置は、ポーチを形成するために、前記所定の空間を覆うように設けられた第1のカバー層をさらに備え、
前記ポーチは、前記最上カバー層にシールされており、
前記創傷ドレッシング装置は、シールされたポーチ内にポンプおよび電子機器パッケージ(650)を備え
前記ポンプおよび電子機器パッケージは、ポンプ、電子機器、及び電源を含み
前記創傷ドレッシング装置は、前記ポーチが前記吸収層と接触する位置において前記ポンプおよび電子機器パッケージに隣接して位置した第1のフィルタをさらに備え、
前記第1のフィルタは、流体から前記ポンプおよび電子機器パッケージを保護するように構成された疎水性フィルタである、創傷ドレッシング装置。
【請求項2】
前記吸収層は、超吸収層である、請求項1に記載の創傷ドレッシング装置。
【請求項3】
前記創傷接触層は、前記創傷ドレッシング装置を周囲の肌に固定するための接着剤を患者対面側に含む、請求項1又は2に記載の創傷ドレッシング装置。
【請求項4】
前記最上カバー層が水蒸気透過性フィルムである、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷ドレッシング装置。
【請求項5】
前記ポンプは、創傷に供給されるべき陰圧を発生させる圧電トランスデューサを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の創傷ドレッシング装置。
【請求項6】
前記最上カバー層は、その周囲において、前記創傷接触層の周囲にシールされる、請求項に記載の創傷ドレッシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2015年4月27日に出願された米国特許仮出願第62/153483号および2015年4月28日に出願された米国特許仮出願第62/154078号の利益を主張するものであり、これらの両仮出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書において説明される実施形態は、例えばドレッシングを陰圧閉鎖療法と併用する創傷治療の装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
陰圧にて使用するための先行技術のドレッシングは、創傷ドレッシングから遠隔位置に位置する陰圧源を備えている。ポンプなどの遠隔陰圧源を有することはユーザにとって不都合となる場合があり、ユーザは、陰圧源を配置するための場所を見つけなければならず、また陰圧源を創傷ドレッシングに連結する配管または他の部品を有するという不都合に対処しなければならない。陰圧源を創傷ドレッシングに組み込むという試みもなされてきた。これらの創傷ドレッシングでは、創傷からの水分によって、ドレッシングに電子部品を組み込むことが難しくなり得る。
【0004】
また、陰圧にて使用するための先行技術のドレッシングは、特に湾曲状または非平坦状の身体表面の周囲に適用することが難しい場合がある。追加の部品が創傷ドレッシングに追加されるとき、これにより、創傷ドレッシングは、適用するのがさらに難しくなり、ユーザへの不快感がさらに増すことがある。また、創傷滲出液を吸収および保持するドレッシングは、創傷滲出液が見える場合には外観的にも好ましくないものであり、人前での創傷ドレッシングの処置が難しくなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8,235,955号
【文献】米国特許第7,753,894号
【文献】国際公開第2013/007973号
【文献】米国特許仮出願第61/650,904号
【文献】国際公開第2013/175306号
【文献】米国特許仮出願第61/678,569号
【文献】米国特許仮出願第61/753,374号
【文献】米国特許仮出願第61/753,878号
【文献】米国特許仮出願第61/785,054号
【文献】米国特許仮出願第61/823,298号
【文献】国際公開第2014/020443号
【文献】国際公開第2014/020440号
【文献】米国特許出願公開第2011/0282309号
【文献】米国特許仮出願第62/097,273号
【文献】米国特許仮出願第62/172,704号
【文献】国際出願PCT/EP2015/080740
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、創傷治療用の装置および方法に関する。本明細書において説明される創傷治療装置のいくつかは、創傷に陰圧を供給するための陰圧源またはポンプシステムを備える。また、創傷治療装置は、本明細書において説明される陰圧源およびポンプアセンブリとの組合せにおいて使用され得る創傷ドレッシングを備え得る。いくつかの実施形態では、陰圧源は、創傷ドレッシングおよび陰圧源が、患者の創傷に同時に適用される一体型創傷ドレッシング構造体の一部となるように、創傷ドレッシング装置に組み込まれる。
【0007】
いくつかの態様では、創傷ドレッシング装置は、創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、創傷接触層を覆って位置決めされた第1のカバー層と、創傷接触層と第1のカバー層との間に位置決めされた1つまたは複数のスペーサ層であって、創傷接触層の上方表面上に位置決めされた1つまたは複数のスペーサ層と、創傷接触層の上方表面上に位置決めされたスペーサ層を覆って位置決めされた吸収層と、創傷と流体連通状態になるように構成され、1つまたは複数のスペーサ層を通して吸収層中に創傷流体を引き込むように構成された陰圧源であって、スペーサ層または吸収層の凹部、および第1のカバー層により少なくとも部分的に画成されるポケットまたはチャンバの中に位置する、陰圧源と、陰圧源と創傷接触層との間の流路内に設けられた第1のフィルタとを備える。
【0008】
また、前段落の装置は、本明細書において説明されるものの中でもとりわけ本段落内で説明される以下の特徴の任意の組合せを含み得る。陰圧源は、吸収層中の凹部内に位置し得る。吸収層は、創傷接触層と第1のカバー層との間に位置決めされ得る。第1のフィルタは、第1のカバー層内に位置し得る。陰圧源は、第1のカバー層と、第1のカバー層を覆って配置された第2のカバー層との間に画成されたチャンバ内に位置し得る。本装置は、第1のカバー層と第2のカバー層との間にスペーサ層または吸収層を備え得る。第2のフィルタが、第2のカバー層内に位置し得る。本装置は、第2のカバー層を覆って位置決めされた第3のカバー層を備えることが可能であり、この第3のカバー層は、第2のカバー層と第3のカバー層との間にチャンバを画成し得る。本装置は、第2のカバー層と第3のカバー層との間に画成されたチャンバ内にさらなる吸収層および/またはスペーサ層を備え得る。本装置は、第3のカバー層中に第3のフィルタを備え得る。第1のカバー層は、吸収層の上方表面上に位置決めされ得る。第1のカバー層は、創傷接触層に封着され得る。本装置は、1つまたは複数の超音波発振器を備え得る。1つまたは複数のスペーサ層は、吸収層および/または陰圧源を受けるための凹部またはポーチを備え得る。陰圧源は、吸収層の下方に位置決めされ得る。本装置は、圧力がしきい値圧力を超過した場合に、陰圧源の動作を中断するように構成された圧力フューズを備え得る。本装置は、下方のスペーサ層の一部分を露出させるように、吸収層の周囲の周りにおよび吸収層の中間部を横断するチャネルを備え得る。本装置は、装置内に陰圧を生成するために磁性流体で充填されたチューブを備え得る。陰圧源に関連付けられた電子部品が、吸収層および/またはスペーサ層内の個別の凹部内に位置決めされ得る。
【0009】
それに限定されないが、以下に開示されるあらゆるポンプの実施形態およびあらゆる陰圧閉鎖療法の実施形態を含む、本願内で開示されるあらゆる装置または実施形態の任意の特徴、部品、もしくは詳細は、本明細書において開示されるあらゆる構成または実施形態のいずれの他の特徴、部品、または詳細とも互換的に組み合わされ得るものであって、それにより新たな構成および実施形態を形成し得る。
【0010】
以下、添付の図面を参照として、本開示の実施形態を専ら例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ポンプと組み合わされた創傷ドレッシングを備える局所陰圧閉鎖療法装置の一実施形態を示す図である。
図2】ドレッシング層の頂部に組み込まれた陰圧源およびバッテリの一実施形態を示す図である。
図3】一体型ポンプおよび電子部品を有する創傷ドレッシングの層の一実施形態を示す図である。
図4】一体型創傷ドレッシングの一実施形態の断面図である。
図5】超音波発振を有する一体型創傷ドレッシングの一実施形態の断面図である。
図6A】一実施形態によるポンプポーチまたはポケットの実施形態を示す図である。
図6B】一実施形態によるポンプポーチまたはポケットの実施形態を示す図である。
図6C】一実施形態によるポンプポーチまたはポケットの実施形態を示す図である。
図6D】一実施形態によるポンプポーチまたはポケットの実施形態を示す図である。
図7】圧力が許容(安全)しきい値圧力を超過した場合にポンプの動作を中断するために使用され得る圧力フューズの一実施形態を示す図である。
図8】ドレッシング内に組み込まれたポンプおよび電子機器パッケージを有する一体型創傷ドレッシングの一実施形態を示す図である。
図9A】一体型創傷ドレッシングの別の実施形態を示す図である。
図9B】一体型創傷ドレッシングの別の実施形態を示す図である。
図10】一体型創傷ドレッシングの一実施形態の一端部の近接図である。
図11】ポンプおよび関連部品が視認可能である創傷ドレッシングの一実施形態の上面図である。
図12】ポンプおよび関連部品のための凹部が視認可能である創傷ドレッシングの一実施形態の底面図である。
図13】一体型電子部品を有する創傷ドレッシングの一実施形態を示す図である。
図14】一体型電子部品を有する創傷ドレッシングの一実施形態を示す図である。
図15】一体型電子部品を有する創傷ドレッシングの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において開示される実施形態は、陰圧源と、創傷ドレッシング部品および創傷ドレッシング装置を備える、減圧で創傷を治療する装置および方法に関する。本明細書では、創傷オーバーレイおよびパッキング材料を備える場合にそれらを含む装置および部品は、時として集合的にドレッシングと呼ばれる。
【0013】
本明細書全体を通じて、創傷への言及がなされる点が理解されよう。創傷という用語は、広く解釈されるべきであり、皮膚が裂開した、切断された、もしくは穿孔された、または外傷により患者の皮膚に打撲傷もしくは任意の他の表層的なもしくは他の症状もしくは欠陥が生じた、あるいは減圧治療による利益を被る開放創および閉鎖創を包含する点を理解されたい。したがって、創傷は、流体が生成され得るまたはされ得ないあらゆる損傷を被った組織領域として広く定義される。かかる創傷の例としては、手術、外傷、肋骨切開、肋膜切開、もしくは他の条件のいずれかの結果としての腹部創傷または他の大型創傷もしくは切開創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性裂開創傷、外傷創傷、皮弁および皮膚移植片、裂傷、擦過傷、打撲傷、不具、糖尿病性潰瘍、圧迫潰瘍、小口、外科創傷、または外傷性静脈性潰瘍等が含まれるが、それらに限定されない。
【0014】
本開示の実施形態は、局所陰圧(「TNP」)療法システムでの使用に一般的に適用可能である点が理解されよう。約言すれば、陰圧閉鎖療法は、組織浮腫を緩和し、血流および肉芽組織形成を促進し、余剰滲出液を除去することにより多数の形態の「治癒が困難な」創傷の閉鎖および治癒を支援し、細菌負荷(およびしたがって感染リスク)を軽減し得る。さらに、この療法は、創傷の障害緩和を可能にすることによってより迅速な治癒をもたらす。また、TNP療法システムは、流体を除去することにより、およびぴったりと付着された閉鎖位置において組織を安定化させるのを補助することにより、外科的に閉鎖された創傷の治癒を支援し得る。TNP療法のさらなる有利な使用は、余剰流体の除去が重要であり、組織生存性の確保のために組織に対する移植片の近接性が必要とされる移植片および皮弁においても見ることができる。
【0015】
本明細書では、-X mmHgなどの減圧レベルまたは陰圧レベルは、760mmHg(または1アトム、29.93inHg、101.325kPa、14.696psi等)に相当し得る通常の環境大気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、-X mmHgの陰圧値は、760mmHg未満のX mmHgである絶対圧力を、または換言すれば(760-X)mmHgの絶対圧力を表す。さらに、X mmHg「未満」であるまたは「よりも小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば-40mmHgは、-60mmHg未満である)。-X mmHg「超」であるまたは「よりも大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば-80mmHgは、-60mmHg超である)。いくつかの実施形態では、局所的環境大気圧が、基準点として使用され、かかる局所的大気圧は、必ずしも例えば760mmHgなどでなくてもよい。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態に関する陰圧範囲は、約-80mmHgであるか、または約-20mmHg~-200mmHgの間であることが可能である。これらの圧力は、760mmHgであり得る通常の環境大気圧に対するものである点に留意されたい。したがって、-200mmHgは、実際には約560mmHgとなる。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約-40mmHg~-150mmHgの間であることが可能である。代替的には、最大で-75mmHgまでの、最大で-80mmHgまでの、または-80mmHgを超える圧力範囲を使用することが可能である。また、他の実施形態では、-75mmHg未満の圧力範囲を使用することが可能である。代替的には、約-100mmHg超の圧力範囲またはさらには-150mmHgが、陰圧装置により供給され得る。
【0017】
本明細書において説明される創傷閉鎖デバイスのいくつかの実施形態では、創傷収縮の増加により、周囲創傷組織における組織伸展の増加がもたらされ得る。この効果は、場合によっては創傷閉鎖デバイスの実施形態を介して創傷に対して印加される高い張力と組み合わせて、例えば経時的に創傷に印加される陰圧を変更することによってなど、組織に印加される力を変更することによって増大され得る。いくつかの実施形態では、陰圧は、例えば正弦波を使用して、方形波を使用して、および/または1つまたは複数の患者生理学指標(例えば心拍)と同期してなど、経時的に変更され得る。前述に関するさらなる開示が見られる出願の例としては、2012年8月7日に発行された「Wound treatment apparatus and method」と題する特許文献1、および2010年7月13日に発行された「Wound cleansing apparatus with stress」と題する特許文献2が含まれる。これらの両特許の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
本明細書において説明される実施形態と組み合わせてまたはそれに追加して使用され得る実施形態、製造方法、ならびに創傷ドレッシング部品および創傷治療装置に関する、2012年7月12日に出願され、2013年1月17日に特許文献3として公開された、「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する国際出願PCT/GB2012/000587は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部として見なされる出願である。さらに、本明細書において説明される創傷ドレッシング、創傷治療装置、および方法の実施形態は、以下のもの、すなわち2012年5月23日に出願された「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」と題する特許文献4、2013年5月22日に出願され、2013年11月28日に特許文献5として公開された「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」と題する国際出願PCT/IB2013/001469、2012年8月1日に出願された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する特許文献6、2013年1月16日に出願された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する特許文献7、2013年1月17日に出願された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する特許文献8、2013年3月14日に出願された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する特許文献9、2013年5月14日に出願された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する特許文献10、2013年7月31日に出願され、2014年2月6日に特許文献11として公開された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題する国際出願PCT/IB2013/002102、2013年7月31日に出願され、2014年2月6日に特許文献12として公開された「WOUND DRESSING」と題する国際出願PCT/IB2013/002060において説明されるものとの組合せにおいてまたはそれらに追加して使用され得る。これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。また、本明細書において説明される創傷ドレッシング、創傷治療装置、および方法の実施形態は、2011年4月21日に出願され、特許文献13として公開された「WOUND DRESSING AND METHOD OF USE」と題する米国特許出願第13/092,042号において説明されるものとの組合せにおいてまたはそれらに追加して使用され得る。この出願は、創傷ドレッシング、創傷ドレッシング部品および創傷ドレッシング原理、ならびに創傷ドレッシングのために使用される材料の実施形態に関連するさらなる詳細を含め、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0019】
図1は、ポンプ2800との組合せにおいて創傷ドレッシング2100を備えるTNP創傷治療の一実施形態を示す。上述のように、創傷ドレッシング2100は、限定するものではないがドレッシング実施形態100を含む本明細書において開示される任意の創傷ドレッシング実施形態であることが可能であり、または本明細書において開示される任意個数の創傷ドレッシング実施形態の特徴の任意の組合せを有することが可能である。ここでは、ドレッシング2100は、創傷を覆って配置され、導管2220が、次いでポート2150に連結され得るが、いくつかの実施形態では、ドレッシング2100は、ポート2150に事前装着された導管2220の少なくとも一部分を備えてもよい。好ましくは、ドレッシング2100は、事前装着され単一ユニットとして一体化された全ての創傷ドレッシング要素(ポート2150を含む)を単一製品として備える。次いで、創傷ドレッシング2100は、導管2220を介してポンプ2800などの陰圧源に連結され得る。ポンプ2800は、小型化された可搬式のものであることが可能であるが、より大型の従来式ポンプもまたドレッシング2100と共に使用され得る。いくつかの実施形態では、ポンプ2800は、ドレッシング2100上にまたはドレッシング2100に隣接して装着または取付けされ得る。また、コネクタ2221が、創傷ドレッシング2100に続く導管2220をポンプから切り離すことを可能にするために設けられてもよく、これは、例えばドレッシング交換の際などに有用であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、陰圧源(ポンプなど)と、電源、センサ、コネクタ、およびユーザインターフェース部品(ボタン、スイッチ、スピーカ、画面等)等のTNPシステムのいくつかのまたは全ての他の部品とが、創傷ドレッシングと一体であることが可能である。図2に示すように、陰圧源およびバッテリが、一体型ドレッシング200内に含まれることが可能である。図2では、陰圧源およびバッテリ210が、ドレッシング層240(吸収層など)の頂部に配置されるのが示されるが、陰圧源および1つまたは複数の部品は、ドレッシング内に異なる態様で組み込まれることが可能である。陰圧源および1つまたは複数の部品の全てが、同じ方法でドレッシングに組み込まれる必要はない。例えば、圧力センサが、層240の下方に(または創傷のより近くに)位置決めされる一方で、陰圧源が、層240の頂部に位置決めされることが可能である。図6A図6Dは、ドレッシングに陰圧源および1つまたは複数の部品を組み込むための代替的な構成を示す。図2に示す一体型ドレッシングは、創傷を囲む皮膚に対してドレッシングを固定するためのカバー層230を備える。カバー層230は、フィルムなどの実質的に流体不透過性材料から形成され得る。カバー層は、周囲の皮膚にまたは以下でさらに説明される創傷接触層にドレッシングを固定するために接着剤を含むことが可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、ドレッシングは、電源および電子機器などの他の部品をドレッシングの上におよび/またはそれに組み込んで備えることが可能であり、ドレッシング内の創傷接触層および第1のスペーサ層を使用することが可能である。創傷接触層は、創傷と接触状態になるように構成され得る。創傷接触層は、周囲の皮膚にドレッシングを固定するために患者対面側に、またはドレッシングのカバー層もしくは他の層に創傷接触層を固定するために頂部側に接着剤を備えることが可能である。使用時に、創傷接触層は、滲出液が創傷に戻るのを阻止または実質的に防止しつつ、創傷からの滲出液除去を促進するための一方向流を与えるように構成され得る。第1のスペーサ層は、創傷部位にわたる陰圧の分配と、創傷ドレッシング中への創傷滲出液および流体の輸送促進とを支援する。さらに、創傷から吸引された滲出液を吸収および保持するための吸収層(層240など)が使用され得る。いくつかの実施形態では、吸収層は、ポンプ、電子機器、および付帯部品のための凹部またはコンパートメントを有する、形状設定された超吸収層形態を備える。これらの層は、単層のフィルムまたはカバー層(もしくは第1のカバー層)で覆われ得る。第1のカバー層は、凹部の中の1つの中またはそれを覆って位置決めされ得るフィルタセット(第1のカバー層中の開口に設けられたフィルタなど)を備えることが可能である。このフィルタは、吸収層の少なくとも1つの凹部の中の1つと整列するように構成され、フィルタは、滲出液からポンプおよび/または他の部品を保護するための疎水性材料を含むことが可能である。フィルタは、ガスの透過を可能にしつつ流体を阻止し得る。ポンプ、電子機器、スイッチ、およびバッテリは、第1のカバー層の頂部に位置決めされ得る。スペーサの別セクション、すなわち第2のスペーサは、ポンプの上方および/または周囲に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、第2のスペーサは、創傷接触層の上方において使用される第1のスペーサよりも小さいことが可能である。頂部フィルムまたはカバー層の1セクション(すなわち第2のカバー層)が、第2のカバー層に関連付けられたまたはその層内に(第2のカバー層中の開口になど)位置決めされた第2のフィルタを有する第2のスペーサの頂部を覆って位置決めされる。いくつかの実施形態では、第1のカバー層および第2のカバー層は、同一材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、第1のカバー層および第2のカバー層は、それぞれ異なる材料から作製され得る。
【0022】
第2のフィルタが、代替的にまたは追加的に使用され得る。例えば、第2のフィルタ220は、ポンプが大気中にガスを排気し得るように抗菌性(antibacterial and/or antimicrobial)材料から構成され得る。また、フィルタ220は、ポンプにより発生する騒音の軽減を補助し得る。
【0023】
特定の実施形態では、第1のカバー層および第2のカバー層は、ガスの透過を可能にしつつ、創傷から除去された滲出液および他の液体からポンプおよび電子部品を保護する水蒸気透過性材料を含む。ポンプおよび電子機器は、ポンプの各側のフィルタが唯一の入口および出口となる状態で、流体不透過性膜とこれらのカバー層との間に袋状に収容され得る。これらの膜およびフィルタは、両側からの液体から電子機器を保護し得る。いくつかの実施形態では、ドレッシングおよび一体型電子機器は、シャワー内での使用が可能である、および/またはポンプおよびドレッシングの動作を妨げることなく液体と接触状態になることが可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のバッテリに加えてまたはその代わりに、1つまたは複数の代替的エネルギー発生器(RFエネルギーハーベスタおよび熱エネルギーハーベスタ等)が、従来的な電源に対する代替物をもたらすためにポンプ内に含まれ得る。エネルギーハーベスタの例は、2014年12月29日に出願された「Negative Pressure Wound Therapy Apparatus and Methods for Operating the Apparatus」と題する特許文献14、2015年6月8日に出願された「Negative Pressure Wound Therapy Apparatus and Methods for Operating the Apparatus」と題する特許文献15、および2015年12月21日に出願された「Negative Pressure Wound Therapy Apparatus and Method of Operating the Apparatus」と題する特許文献16に記載されている。これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
図3は、いくつかの実施形態による、一体型ポンプと、ポンプを制御するように構成されたコントローラなどの電子部品とを有する創傷ドレッシング300の層を示す。ドレッシング層240は、創傷接触層310、スペーサ層311、および吸収層312を備える。いくつかの実施形態では、スペーサ層311は、三次元(3D)繊維から少なくとも部分的に形成され得る。特定の実施形態では、超吸収性材料が、吸収層312に使用され得る。吸収層312は、ポンプ、電子機器、および/または電源の配置に対応するために層内に1つまたは複数の凹部318(および318a)を備え得る。水蒸気透過性頂部フィルム、すなわち第1のカバー層313が、吸収層312の上方に位置決めされる。カバー層313は、フィルタ320を備えることが可能である。このフィルタは、吸収層312中の凹部318aと一列におよびその上方に位置決めされ得る。
【0026】
図3に示すように、ポンプ316、電子機器パッケージ315、および電源314(バッテリなど)が、カバー層313の上方に位置決めされ得る。ポンプ316、電子機器パッケージ315、および電源314は、カバー層313の頂部に位置決めされ、吸収層312中の対応する凹部318(および318a)内に少なくとも部分的に押し下げられ得る。例えば、ポンプ316は、凹部318a内に少なくとも部分的に押し下げられ得る。パッキング層317が、ポンプ316、電子機器パッケージ315、および電源314の上方におよび/またはそれらの周囲に位置決めされ得る。パッキング層317は、スペーサ材料および/または吸収性材料から形成され得る。パッキング層317は、3Dスペーサを備えることが可能である。いくつかの実施形態では、パッキング層317は、超吸収性材料を追加的にまたは代替的に含むことが可能である。第2の水蒸気透過性頂部フィルム、すなわち第2のカバー層319が、パッキング層317、ポンプ316、電子機器パッケージ315、および電源314を覆って位置決めされこれらを封止し得る。また、第2のカバー層319は、第2のフィルタ220を備えることが可能である。
【0027】
いくつかの実施形態では、ポンプの動作は、環境湿度レベルに応じて変化し得る。ドレッシング外に水分を追いやるまたは他の方法でドレッシングの湿度を制限もしくは制御するための機構を設けることが、有利となり得る。いくつかの実施形態では、ポンプの上方の層により形成されるチャンバが、ガス(ポンプにより排気されるガスなど)用の加圧シンクとして機能するように使用され、それにより外方膜中の相対湿度(すなわちRH)およびデルタRHを上昇させて、蒸発率を上昇させ得る。
【0028】
図4は、いくつかの実施形態による様々な層を示す一体型創傷ドレッシング400の断面を示す。このドレッシングは、創傷接触層410、スペーサ411、および吸収層412、ならびに第1のカバー層434を備える。第1のカバー層434は、吸収層412、スペーサ層411、および創傷接触層410を覆ってシールを形成するように位置決めされる。ドレッシング400は、3つのフィルタ420、421、422を備え得る。第1のフィルタ422は、図3を参照として説明されるような第1のカバー層313中の第1のフィルタ320と同様に、ポンプおよび電子部品の下方にて第1のカバー層434内に設けられ得る。ドレッシング400は、図4に示すようにポンプ416の上方に位置決めされた第2のフィルタ421を備えることが可能である。第2のフィルタ421は、ポンプ416の排気と流体連通状態になるように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2のフィルタ421は、図4に示すような第1のカバー層とオプション層との間にポンプを囲む材料のオプション層440(別のカバー層と見なし得る、および水蒸気透過性フィルムであり得る)に組み込まれ得る。動作時に、ポンプ416は、創傷から除去されたガスでチャンバ430を膨張させる。膨張後には、チャンバ430は、ドレッシング400のボルスタ支持および緩衝の両方を与え得る。図4に示すように、オプションの超吸収材432は、層434の上方においておよび水蒸気透過性頂部フィルム、すなわち第2のカバー層419の下方においてチャンバ430に含まれ得る。かかる実施形態では、超吸収材432は、カバー層434に流体を引き通し、チャンバ430内の高い圧力が、大気中への蒸発の増加を促進し得る。第3のフィルタ420は、第2の水蒸気透過性頂部フィルム、すなわち第2のカバー層419内にまたはそれに隣接して(カバー層419中の開口にてなど)位置決めされ得る。フィルタ420は、図2に示すフィルタ220と同様に機能し得る。いくつかの実施形態では、第3のフィルタ420が、ドレッシングから大気へガスを排気するために代替的にまたは追加的に使用され得る。例えば、第3のフィルタ420は、ポンプおよび/または複数のカバー層により形成されるドレッシングチャンバが大気中にガスを排気し得るような抗菌性材料から構成され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、ポンプは、創傷への陰圧供給を生じさせる圧電トランスデューサを備え得る。特定の実施形態では、二次デバイス(二次圧電デバイスなど)が、ドレッシング内での流体の霧化を発生させることにより、創傷流体の水部分の蒸発を加速させるか、またはこの水部分を蒸発させ得る水蒸気透過性(MVP)頂部フィルムを通して水部分を追い出すかのいずれかを行い得る。これは、水を蒸発させるドレッシングの性能に対する環境湿度の影響を削減または排除することができる。
【0030】
図5は、いくつかの実施形態による一体型創傷ドレッシング500の断面を示す。図示するドレッシング500では、頂部層、すなわち第2のカバー層519が、オプションとなる。ドレッシング500は、頂部フィルム、すなわち第1のカバー層513の下方に、創傷接触層510、スペーサ層511、および吸収層/超吸収材512を備える。いくつかの実施形態では、第1のカバー層513上に位置決めされ得る1つまたは複数の超音波発振器501が、超吸収材および/または吸収層512からあるいは頂部フィルム、すなわち第1のカバー層513とオプションの頂部フィルム、すなわち第2のカバー層519との間の空間から水を霧化させるために使用され得る。第1のカバー層513は、第1のカバー層513を覆って位置決めされた陰圧ポンプ516の入口と連通状態にある第1のフィルタ522を備えることが可能であり、オプションの第2のカバー層519は、ポンプ516のポンプ排気と連通状態にある第2のフィルタ521を備えることが可能である。いくつかの実施形態では、第2のフィルタ521は、図5に示すように第1のカバー層とオプション層540との間にポンプを包囲する材料のオプション層540に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、振動が、ポンプ516により発生され得る。かかる実施形態では、ポンプ516が振動を発生させるため、1つまたは複数の超音波発振器501はドレッシング内に含まれない。
【0031】
いくつかの実施形態では、以下で説明されるように、ポンプ、電子機器、および/または関連部品は、単一または複数の封止されたポケットまたはポーチ内に収容され得る。これらのポケットまたはポーチは、スペーサ層および/または吸収層パッドを伴ってまたは伴わずに、ポンプ、電子機器、および/または電源(バッテリなど)を備えることが可能である。これらのポケットは、廃棄のためにドレッシングから電子機器を容易に分離させることが可能になるように設計され得る。
【0032】
図6A図6Dは、いくつかの実施形態によるポンプポーチまたはポケットの実施形態を示す。図6Aは、図2図4を参照として説明されたドレッシングと同様の一体型創傷ドレッシングを示し、ポンプ616は、第1のカバー層613と第2のカバー層619との間に配置される。このドレッシングは、下から上に順に、創傷接触層610、スペーサ層611、吸収層または超吸収材612、および1つまたは複数の水蒸気透過性カバー層を備える。図6Aに示すようなドレッシングは、第1のカバー層613と第2のカバー層619との間にスペーサ層または吸収層を備えない。さらに、ポンプ616は、吸収層612の上方に配置された第1のカバー層613の上方に位置決めされ、ポンプ用の凹部は、吸収層612中に形成されない。電子機器および電源は、同様に配置され得る。図6Bは、ポンプ616が吸収層612の凹部内において第1のカバー層613の上方に位置決めされる一体型創傷ドレッシングを示す。このドレッシングは、下から上に順に、創傷接触層610、スペーサ層611、吸収層または超吸収材612、および水蒸気透過性であり得る1つまたは複数のカバー層を備える。吸収層612の凹部内における第1のカバー層613の上方へのポンプ616の位置決めは、図3に示すものと同様であるが、図6Bに示す実施形態は、第1のカバー層と第2のカバー層との間にスペーサ層または吸収層を備えない。電子機器および電源は、同様に配置され得る。
【0033】
図6C図6Dは、ポンプおよび電子機器パッケージ650を備える創傷ドレッシングの実施形態を示す。パッケージ650は、電源をさらに備え得る。ドレッシングは、創傷接触層610、スペーサ層611、吸収層または超吸収材612、および水蒸気透過性であり得る1つまたは複数のカバー層を備える。ポンプおよび電子機器パッケージ650は、図3を参照として説明されるようにドレッシング内に位置決めされ得る。他の実施形態では、ポンプおよび電子機器パッケージ650は、図3を参照として説明されるものとは異なる位置に位置決めされ得る。例えば、図6Cに示すように、ドレッシングは、創傷接触層610、スペーサ層611、創傷接触層610の上方に位置決めされた第1のカバー層613、およびスペーサ層611を備え得る。ポンプおよび電子機器パッケージ650は、第1のカバー層613の上方に位置決めされ得る。さらに、吸収層622は、第1のカバー層613の上方にならびにポンプおよび電子機器パッケージ650に隣接して位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、吸収層622は、ポンプおよび電子機器パッケージを受けるための凹部またはスペースを備え得る。第2のカバー層619が、吸収層622の上方に位置決めされ、創傷接触層610の周縁部にて創傷接触層610に対して第2のカバー層619の周縁部で封着し得る。フィルタ620は、ポンプおよび電子機器パッケージ650に隣接して位置し得る。フィルタ620は、流体への露出からポンプおよび電子機器パッケージを保護するように構成された疎水性フィルタであることが可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のカバー層は、ポンプおよび電子機器パッケージ650を包囲するために使用され得る。例えば、第3のカバー層が、フィルタ620を組み込むために使用され、吸収層および/またはスペーサ層内の流体とポンプ入口との間にバリアを形成し得る。第2のフィルタ621が、第2のカバー層619上に位置し得る。第2のフィルタは、ポンプシステムの出口または排気に隣接する位置に位置し得る。追加的にはまたは代替的には、ポンプの排気は、排気の近位に位置決めされたフィルタ621に気体連通され得る。この気体連通は、1つまたは複数の導管および/またはチャンバを含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のカバー層は、ポンプおよび電子機器パッケージ650を包囲するポーチを形成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、スペーサ層611の1つまたは複数の部分が、第1のカバー層613、ポンプおよび電子機器パッケージ650、ならびに吸収層622の周囲に含まれ得る。したがって、1つまたは複数のスペーサ層は、創傷接触層610に沿って延在し、ドレッシングのエッジまたは高さに沿って位置決めされ、および/または第2のカバー層619の下方にてドレッシングの頂部に沿って延在し得る。スペーサ層611の1つまたは複数の部分は、第1のカバー層613、吸収層622、および電子機器パッケージ650の周囲にポーチを形成し得る。第2のフィルタ621が、第2のカバー層619上に組み込まれ得る。第2のカバー層619は、スペーサ層611、吸収層622、ならびにポンプおよび電子機器パッケージ650の上方に位置決めされ、創傷接触層610の周縁部に対して第2のカバー層619の周縁部で封着し得る。第2のフィルタ621は、ポンプシステムの出口または排気に隣接する位置に位置し得る。追加的にはまたは代替的には、ポンプの排気は、排気の近位に位置決めされたフィルタ621に気体連通され得る。この気体連通は、1つまたは複数の導管および/またはチャンバを含み得る。
【0035】
図6Dは、ドレッシング内に位置決めされたポンプおよび電子機器パッケージ650を有する創傷ドレッシングの一実施形態を示す。このドレッシングは、創傷接触層610およびスペーサ層611を備え得る。水蒸気透過性フィルム、すなわち第1のカバー層613が、創傷接触層610およびスペーサ層611の上方に位置決めされ得る。ポンプおよび電子機器パッケージ650は、第1のカバー層613の上方に位置決めされ得る。吸収層622が、ポンプおよび電子機器パッケージ650の上方に設けられ得る。第2のカバー層619が、吸収層622の上方に位置決めされ、創傷接触層610の周縁部にて創傷接触層610に対して第2のカバー層619の周縁部で封着し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、ポンプおよび電子機器パッケージ650は、1つまたは複数のカバー層により画成されるチャンバ内に包囲され得る。第1のカバー層613は、図6Dに示すようにスペーサ層611の上方に位置決めされ、ドレッシングのエッジまたは高さに沿って上方に延在し得る。次いで、この第1のカバー層は、ポンプおよび電子機器パッケージ650の上方表面上へと続き、ポンプおよび電子機器パッケージ650を包囲するポーチを形成することが可能であり、または別個のカバー層が、第1のカバー層613に接合され、吸収層622を覆い延在してポーチを形成してもよい。図6Dに示すように、フィルタ620が、ポンプおよび電子機器パッケージ650の上方表面上に位置するカバー層内において、ポンプおよび電子機器パッケージ650と吸収層622との間に設けられ得る。フィルタ620は、流体への露出に対してポンプおよび電子機器パッケージ650を保護し得る。追加のフィルタ、すなわち第2のフィルタ621が、第2の水蒸気透過性フィルム、すなわち第2のカバー層619上または別のカバー層上など、ポンプの排気側に設けられ得る。フィルタ621は、ポンプシステムの出口もしくは排気に隣接するまたは排気の近位である位置にて位置し得る(ならびに1つまたは複数の導管および/またはチャンバを経由して排気に連結され得る)。例えば、図示するように、チャンバ630が、ポンプ排気およびフィルタ621に気体連通することが可能である。いくつかの実施形態では、チャンバ630は、図4のチャンバ430と同様に機能し得る。追加的にはまたは代替的には、チャンバ630は、ポンプにより生じる騒音を消音するための消音器として構成され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、ドレッシングは、ポンプからドレッシングの最高位置(重力に対する)まで陰圧を供給するためにドレッシングの周縁部にまたは周囲部の一部分もしくは全体に沿って1つまたは複数のポートを備えることが可能である。この周囲部ポートは、超吸収層およびポンプ内への引き込みの前に初めに最高スペーサ層またはスペーサ層の最高部分に流体を搬送するために使用され得る。いくつかの実施形態では、全周囲部ポートまたは複数の周囲部ポートが使用され得る。周囲部ポートは、創傷ドレッシングの周縁部にて使用され得る。これにより、流体挙動は、ドレッシングの適用方向とは独立したものとなり得る。この特徴を有さない場合には、ポートが適用されたドレッシングの底部部分に位置決めされた場合に、性能が低下し得る。例えば、一体型ポンプまたは遠隔ポンプのいずれが使用される場合でも、陰圧がドレッシングの下方部分(重力に対する)にてドレッシング内へと配向されるように(適用時にポンプがドレッシングの底部部分に位置することなどが理由となり)、ドレッシングが患者上に位置決めされると、ドレッシングの性能は、流体がドレッシングの底部に向かって貯留する傾向となり得ることによって、より低いものとなる。いくつかの実施形態では、陰圧源と流体連通状態にある、ドレッシングの周囲に周方向に位置決めされた複数のポートまたは単一の周囲部ポートが、ドレッシング上のより高い位置までスペーサ層を通して流体を引き通すために使用され得る。次いで、流体は、吸収層中へと下方に引き込まれ得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、上述のようなポンプポーチ全体が、リールおよび/または折り畳まれた原材料として工場内に搬送され得る特殊層として形成されることによって、創傷ドレッシングの層を製造するために使用される機械類を使用した全システムの製造を可能にし得る。ポンプおよび他の部品は、ドレッシング内の各々のコンパートメント内に配置され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、以下のポンプ追加物の中の1つまたは複数が、一体型ポンプを有する創傷ドレッシングに追加され得る。圧力センサは、ポンプの基板(例えばセラミック基板)上に追加され得る。圧力フューズが、発生した圧力が許容しきい値を超過した場合にポンプの動作を中断するために、ポンプ基板上にて使用され得る。さらに、ポンプは、特定の圧力向けに設計され得る。ポンプは、流体がポンプ自体に進入すると、陰圧供給を不能にするように設計され得る。
【0040】
図7は、いくつかの実施形態による、圧力が許容(または安全)しきい値圧力を超過した場合にポンプの動作を中断するために使用され得る圧力フューズを示す。図7に示すポンプおよび圧力フューズは、図2図5図6A図6D図8、および図10図15を参照として説明されるドレッシング実施形態での使用に関して説明されるポンプとの組合せにおいてまたはそれに組み込まれて使用され得る。図7に示すように、空部またはバブル701が、ポンプのピエゾ素子716内にまたはそれに隣接して設けられる。空部またはバブル701は、ポンプの動作圧力を上回る圧力にて貯蔵されたガスなどのガスを含む。例えば、図7の領域2における圧力が、圧力しきい値を超過すると(例えば-200mmHg未満または別の適切なしきい値未満に低下すると)、空部またはバブル701は、破裂し、それによりポンプの動作を停止させる。例えば、バブル701が破裂すると、ピエゾ素子は作動不能になり、ポンプは作動しなくなる。他の実施形態では、ピエゾ素子またはポンプへの配線が、バブルの表面を横断して(および/またはバブルの内部に)延在し得る。かかる実施形態では、バブルの破裂が、ワイヤを切断し、それによりポンプの動作を停止または中断し得る。図示および説明される実施形態は、圧電トランスデューサにより動作されるポンプに限定されない。例えば、空部またはバブルが、ボイスコイルポンプ、膜ポンプ等を作動停止させるまたは作動不能にするために使用され得る。
【0041】
さらなる要素が、このデバイスの使用性を高めるためにデバイス内に組み込まれ得る。例えば、1つまたは複数のスピーカおよび/または振動インジケータを備えることが可能である。ポンプは、コントローラを介して動作されることが可能である。ポンプを動作させるための1つまたは複数のユーザインターフェース要素を備えることが可能である。
【0042】
図8は、いくつかの実施形態による、ポンプおよび電子機器パッケージがドレッシング内に組み込まれた一体型創傷ドレッシング800を示す。このドレッシングは、図3図7を参照として説明されるものと同様であるが、例外としてドレッシング800は、異なるスペーサ層および吸収層構成を備える。下から上に順に、ドレッシング800は、創傷接触層、スペーサ層、吸収層または超吸収材812、および水蒸気透過性カバー層を備える。スペーサ層は、創傷ドレッシングの周囲にリングを形成し、図示するように重畳する吸収層の周囲の周りにリングを形成するチャネル801を備えるまたは画成する。いくつかの実施形態では、スペーサ層は、重畳する吸収層よりも大きな周縁部を有する矩形形状を有する。したがって、吸収層812は、スペーサチャネル801により囲まれる。追加のチャネル802が、吸収層中に形成され、上から見た場合に下のスペーサ層を露出させる。これらのチャネル802は、矩形ドレッシングを横断して対角線方向に延在し、ドレッシングの中間部を通り得る。図示するように、これらのチャネルは、吸収層を4つの部分へと分割し得る。いくつかの実施形態では、ポンプ816および/または電子機器パッケージは、前述の実施形態で説明されるように水蒸気透過性カバー層の上方に設けられてもよく、いくつかの実施形態では、ポンプおよび/または電子機器パッケージを覆う第1のカバー層および任意には第2のカバー層により画成されたポーチ内に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、ポンプ816は、吸収層812の部分間のチャネル802内に位置決めされ得る。ポンプ816は、チャネル802のスペーサ層の頂部上に位置決めされ得る、および/またはチャネル802のスペーサ層内に埋設され得る。出口ポート820が、ドレッシングの頂部カバー層上に設けられ得る。いくつかの実施形態では、出口ポート820は、本明細書において説明される実施形態で説明されるように1つまたは複数のフィルタを備え得る。陰圧が、ポンプ816により創傷ドレッシングに印加されると、チャネル801および802は、流体の蒸発を促進し得るチャンバを形成する。
【0043】
図9A図9Bは、いくつかの実施形態による一体型創傷ドレッシング900を示す。前述の実施形態の少なくともいくつかと同様に、創傷ドレッシング900は、下から上に順に、創傷接触層910、スペーサ層911、超吸収材または吸収層912、および頂部フィルム、すなわち水蒸気透過性カバー層913を備える。図9Aに示すように、一体型創傷ドレッシング900は、磁性流体で充填されたチューブ901を備える。図9Bに示すように、チューブ901は、スペーサ層911および/または吸収層912の周縁部上に位置決めされ、チューブ901は、ドレッシング900に沿ってまたはそれを横断して延在し得る。また、図9Aは、点Aと点Bとの間の正弦波電圧または他の電位差により励起されるワイヤコイル902を示す。ドレッシングは、図9Aに示すようにドレッシング上に位置決めされた1つまたは複数のポンプチャンバ903をさらに備える。ポンプチャンバ903はそれぞれ、1つまたは複数の一方向弁を備え得る。いくつかの実施形態では、ポンプチャンバは、磁性流体とチャンバとの間に位置決めされた追加の膜またはピストンを有し得る。磁性流体は、ワイヤコイルの励起によりチューブ内で移動することが可能であり、ポンプチャンバの一方向弁と連通状態にあることによりドレッシング内に陰圧を生成し得る。いくつかの実施形態では、チューブ内の磁性流体は、コイルに印加される電位により発生する磁場の方向に応じて左または右へと線形移動し得る。チューブの各側のポンプチャンバは、流体が移動する方向に応じて吸気チャンバおよび排気チャンバとして機能し得る。いくつかの実施形態では、磁性チューブの各側のチャンバが、一方向吸気弁および一方向排気弁を備え得る。
【0044】
例えば、磁性流体が左に移動するように作動される場合には、磁性流体は、ピストンを押すことにより左側チャンバの排気弁を開かせ、同時に流体の左方向への移動によって、右側ポンプチャンバに隣接するピストンが引っ張られて吸気弁が開かれ、空気が右側チャンバに進入することが可能となり得る。磁性流体の方向が変更されると、流体は、右方向へと移動し、それにより右側のピストンが吸気弁を遮断し、右側チャンバの排気弁を開いて空気を排気し、一方で同時に磁性流体の右方向への移動により、左側ポンプチャンバに隣接するピストンが引っ張られることによってこの左側ポンプチャンバの吸気弁が開かれて、空気の流入を可能にし得る。いくつかの実施形態では、膜が、前述のピストンの代替として使用され得る。この膜は、吸気弁を開かせる一方向に撓曲され得ると共に、排気弁を開かせる逆方向に撓曲され得るものであり、吸気弁および排気弁は、同時には開かない。したがって、磁性流体のチューブは、封止されたチューブであることが可能である。
【0045】
図9Bに示すように、創傷ドレッシングは、創傷接触層910および水蒸気透過性頂部フィルム、すなわちカバー層913を備え得る。カバー層913の周縁部は、創傷接触層の周縁部に封着して、創傷ドレッシング装置の部品を包囲し得る。
【0046】
図10図12は、一体型ドレッシングの実施形態を示す。図10は、図1図5および図6A図6Dを参照として説明される実施形態と同様にポンプが2つのカバー層間に位置決めされるおよび/またはポーチ内に位置決めされる一実施形態における、創傷ドレッシングの一端部の近接図を示す。また、ポンプは、スペーサ材料または吸収性材料の層内に埋設され得る。ポンプ1016は、頂部層の下方の暗色箇所として視認可能である。
【0047】
図11は、ポンプおよび関連部品が図1図5および図6A図6Dを参照として説明されるドレッシングと同様の創傷ドレッシング実施形態において視認可能である創傷ドレッシングの上面図を示す。このドレッシングは、2つのカバー層間に位置決めされたポンプおよび関連部品を有することが可能であり、これらのポンプおよび関連部品は、本明細書において説明されるようなスペーサ層および/または吸収層の凹部内に埋設され得る。ポンプ1116、電子機器パッケージ1115、ポンプを動作させる(例えばポンプをオン/オフに切り替える)ためのスイッチ1160、および電源1114は、ドレッシングの頂部から視認可能である。
【0048】
図12は、ポンプおよび関連部品のための凹部が、図1図5および図6A図6Dを参照として説明されるドレッシングと同様の創傷ドレッシング実施形態において視認可能である創傷ドレッシングの底面図を示す。このドレッシングは、2つのカバー層間に位置決めされたポンプおよび関連部品を有することが可能であり、これらのポンプおよび関連部品は、本明細書において説明されるようなスペーサ層および/または吸収層の凹部内に埋設され得る。凹部1216が、ポンプ凹部であり、凹部1215が、電子機器パッケージ凹部であり、凹部1214が、電源凹部であることが可能である。
【0049】
図13図15は、図1図5および図6A図6Dを参照として説明されるドレッシングと同様の一体型電子部品を有する創傷ドレッシングの一実施形態を示す。このドレッシングは、2つのカバー層間に位置決めされたポンプおよび関連部品を有することが可能であり、これらのポンプおよび関連部品は、本明細書において説明されるようなスペーサ層および/または吸収層の凹部内に埋設され得る。図13図15のドレッシングは、ポンプ1316、ポンプ駆動基板1331、バッテリ1314、およびスペーサ層1311上に配置されたスイッチ1360を備える。いくつかの実施形態では、スイッチ1360は、電子機器パッケージの上および/または中に配置されるか、あるいは凹部内に設けられ得る。
【0050】
本明細書(あらゆる添付の提示物、特許請求の範囲、要約、および図面を含む)において開示される全ての特徴および/または同様に開示されるあらゆる方法もしくはプロセスの全てのステップは、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的となる組合せを除いて、任意の組合せにおいて組み合わされ得る。本開示は、いかなる前述の実施形態の詳細にも限定されない。本開示は、本明細書に開示される特徴のあらゆる新規の1つまたは任意の新規の組合せにまで、あるいは同様に開示されるあらゆる方法またはプロセスのステップの任意の新規の1つまたは任意の新規の組合せにまで及ぶ。
【0051】
本開示において説明される実装形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになろう。また、本明細書において定義される一般的原理は、本開示の主旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書において示される実装形態に限定されるようには意図されず、本明細書において開示される原理および特徴に一致する最も広い範囲を付与されるように意図される。
【0052】
本開示の特定の実施形態は、本明細書の最後に示される特許請求の範囲に、または後日提示される他の特許請求の範囲に包含される。さらなる実施形態は、以下の番号付けされた実施形態のセットに包含される。
実施形態1. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
第1のスペーサ層と、
吸収層と、
創傷接触層、第1のスペーサ層、および吸収層を覆ってシールを形成するように構成された第1のカバー層であって、第1のフィルタを備える第1のカバー層と、
第1のカバー層の上方に位置決めされるように構成された陰圧源と、
第2のスペーサと、
陰圧源および第2のスペーサを覆ってシールを形成するように構成された第2のカバー層であって、第2のフィルタを備える第2のカバー層と
を備え、
吸収層は、陰圧源を受けるように構成された少なくとも1つの凹部を備え、
第1のカバー層の第1のフィルタは、吸収層の少なくとも1つの凹部の中の1つと整列するように構成される、創傷ドレッシング装置。
実施形態2. 第2のカバー層は、第1のカバー層に封着するように構成される、実施形態1に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態3. 陰圧源は、圧電ポンプを備える、実施形態1または2に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態4. ユーザによる陰圧源の操作を可能にするように構成された1つまたは複数のユーザインターフェース部品をさらに備える、実施形態1から3のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態5. ドレッシング内の電子装置を作動させるように構成されたスイッチをさらに備え、スイッチは、ドレッシングに組み込まれる、実施形態1から4のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態6. 陰圧源により排気される少なくともいくつかのガスを貯蔵することにより、水分蒸発率を上昇させるように構成されたチャンバをさらに備える、実施形態1から5のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態7. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
第1の吸収層と、
創傷接触層、スペーサ層、および第1の吸収層を覆ってシールを形成するように構成された第1のカバー層であって、第1のフィルタを備える第1のカバー層と、
第1のカバー層の上方に位置決めされるように構成された陰圧源と、
陰圧源の排気と連通状態にある第2のフィルタと、
陰圧源および第2のフィルタを覆ってシールを形成するように構成された第2のカバー層であって、第3のフィルタを備える第2のカバー層と
を備え、
第1のカバー層の第1のフィルタは、陰圧源の入口と整列するように構成される、創傷ドレッシング装置。
実施形態8. 陰圧源により排気される少なくとも一部のガスを貯蔵することにより、水分蒸発率を上昇させるように構成されたチャンバをさらに備える、実施形態7に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態9. 第1のカバー層と第2のカバー層との間に位置決めされた第2の吸収層をさらに備える、実施形態7または8に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態10. 第2の吸収層は、第1のカバー層を通して流体を引き出すように構成される、実施形態7から9のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態11. 第2のカバー層は、第1のカバー層に封着するように構成される、実施形態7から10のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態12. 陰圧源は、圧電ポンプを備える、実施形態7から11のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態13. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
吸収層と、
創傷接触層、スペーサ層、および吸収層を覆ってシールを形成するように構成された第1のカバー層であって、第1のフィルタを備える第1のカバー層と、
第1のカバー層の上方に位置決めされるように構成された陰圧源と、
陰圧源の排気と連通状態にある第2のフィルタと、
吸収層から水を霧化するように構成された少なくとも1つの超音波発振器と
を備える、創傷ドレッシング装置。
実施形態14. 陰圧源、第2のフィルタ、および少なくとも1つの超音波発振器を覆ってシールを形成するように構成された第2のカバー層をさらに備える、実施形態13に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態15. 第1のカバー層の第1のフィルタは、陰圧源の入口と整列するように構成される、実施形態13または14に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態16. 第2のカバー層は、第1のカバー層に封着するように構成される、実施形態13から15のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態17. 陰圧源は、圧電ポンプを備える、実施形態13から16のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態18. ユーザによる陰圧源の操作を可能にするように構成された1つまたは複数のユーザインターフェース部品をさらに備える、実施形態13から17のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態19. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
吸収層と、
創傷接触層、スペーサ層、および吸収層を覆ってシールを形成するように構成された第1のカバー層であって、第1のフィルタを備える第1のカバー層と、
第1のカバー層の上方に位置決めされるように構成された陰圧源と、
陰圧源を覆ってシールを形成するように構成された第2のカバー層であって、第2のフィルタを備える第2のカバー層と
を備え、
第1のカバー層の第1のフィルタは、陰圧源の入口と連通状態になるように構成され、第2のカバー層の第2のフィルタは、陰圧源の排気と連通状態になるように構成される、創傷ドレッシング装置。
実施形態20. 吸収層は、陰圧源を受けるように構成された少なくとも1つの凹部を備える、実施形態19に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態21.第2のカバー層は、第1のカバー層に封着するように構成される、実施形態19または20に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態22. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
吸収層と、
創傷と流体連通状態になるように構成された陰圧源と、
陰圧源を覆いその周囲にシールを形成するように構成された第1のカバー層であって、第1のフィルタを備える第1のカバー層と、
吸収層、スペーサ層、および第1のカバー層を陰圧源と共に覆ってシールを形成するように構成された第2のカバー層であって、第2のフィルタを備える第2のカバー層と
を備え、
第1のカバー層の第1のフィルタおよび第2のカバー層の第2のフィルタは、陰圧源と連通状態になるように構成される、創傷ドレッシング装置。
実施形態23. 第2のカバー層は、創傷接触層の周縁部にて創傷接触層に対して第2のカバー層の周縁部で封着するように構成される、実施形態22に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態24. 第1のカバー層は、陰圧源の周囲にポーチを形成し、第1のカバー層は、ポーチを形成するように組み合わされた1つまたは複数のカバー層か、またはポーチを形成するための1つの単体カバー層を備え、第1のカバー層ポーチは、陰圧源に対面する表面を備える内部表面と、内部表面の対向側の外部表面とを備える、実施形態22または23に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態25. スペーサ層は、第1のカバー層の外部表面の周囲に位置決めされるように構成された1つまたは複数の部分を備える、実施形態22から24のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態26. スペーサ層は、創傷接触層と第1のカバー層ポーチとの間に位置決めされ、吸収層は、第1のカバー層ポーチと第2のカバー層との間に位置決めされる、実施形態22から25のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態27. 創傷ドレッシングを備える創傷ドレッシング装置であって、創傷ドレッシングは、
創傷を覆ってシールを形成することにより、創傷と第1のカバー層との間に陰圧源リザーバを形成するように構成された第1のカバー層と、
リザーバに陰圧を供給するように構成された陰圧源と、
陰圧源内のまたは陰圧源に隣接する空部であって、所定の圧力にてガスを含み、リザーバ内の圧力が圧力しきい値を超過すると、破裂することにより陰圧源の動作を停止させるように構成された、空部と
を備える、創傷ドレッシング装置。
実施形態28. 陰圧源は、圧電ポンプを備える、実施形態27に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態29. 空部は、圧電ポンプの電気配線と連通状態にあり、空部の破裂により、電気配線が切断される、実施形態28に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態30. 創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
吸収層と
をさらに備え、
第1のカバー層は、創傷接触層、スペーサ層、および吸収層を覆ってシールを形成するように構成される、実施形態27から29のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態31. 陰圧源を覆ってシールを形成するように構成された第2のカバー層をさらに備え、第2のカバー層は、第1のカバー層に封着するように構成される、実施形態27から30のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態32. ユーザによる陰圧源の操作を可能にするように構成された1つまたは複数のユーザインターフェース部品をさらに備える、実施形態27から31のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態33. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
吸収層と、
吸収層の周囲の周りにおよび吸収層の部分間においてスペーサ層により画成されて、吸収層の中間部を横断して延在する1つまたは複数のチャネルと、
チャネルの中の1つの中に位置決めされた陰圧源と
を備える、創傷ドレッシング装置。
実施形態34. 創傷ドレッシング装置であって、
創傷と接触して位置決めされるように構成された創傷接触層と、
スペーサ層と、
吸収層と、
創傷接触層、スペーサ層、および吸収層を覆ってシールを形成することにより陰圧源リザーバを形成するように構成されたカバー層と、
創傷ドレッシング内に位置決めされるように構成された陰圧源であって、
スペーサ層および/または吸収層の周縁部上に位置決めされたチューブであって、磁性流体と、チューブの2つの点間の電位差により励起されるように構成されたコイルワイヤとを備える、チューブおよび
チューブ内に位置決めされ、1つまたは複数の一方向弁を備える、1つまたは複数のポンプチャンバ
を備える、陰圧源と
を備える、創傷ドレッシング装置。
実施形態35. 1つまたは複数のポンプチャンバは、磁性流体とチャンバとの間に位置決めされた膜またはピストンを備える、実施形態34に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態36. 1つまたは複数のポンプチャンバは、磁性チューブの各側に位置決めされる、実施形態34または35に記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態37. 1つまたは複数のポンプチャンバは、一方向吸気弁および一方向排気弁を備える、実施形態34から36のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
実施形態38. 吸気弁および排気弁は、同時には開かれず、それにより封止された磁性流体チューブを形成する、実施形態34から37のいずれかに記載の創傷ドレッシング装置。
【符号の説明】
【0053】
200 一体型ドレッシング
210 陰圧源およびバッテリ
220 第2のフィルタ
230 カバー層
240 ドレッシング層
300 創傷ドレッシング
310 創傷接触層
311 スペーサ層
312 吸収層
313 第1のカバー層
314 電源
315 電子機器パッケージ
316 ポンプ
317 パッキング層
318 凹部
318a 凹部
319 第2の水蒸気透過性頂部フィルム、第2のカバー層
320 フィルタ、第1のフィルタ
400 ドレッシング
410 創傷接触層
411 スペーサ
412 吸収層
416 ポンプ
419 第2のカバー層
420 第3のフィルタ
421 第2のフィルタ
422 第1のフィルタ
430 チャンバ
432 超吸収材
434 第1のカバー層
440 オプション層
500 一体型創傷ドレッシング
501 超音波発振器
510 創傷接触層
511 スペーサ層
512 吸収層/超吸収材
513 頂部フィルム、第1のカバー層
516 陰圧ポンプ
519 頂部層、第2のカバー層
521 第2のフィルタ
522 第1のフィルタ
540 オプション層
610 創傷接触層
611 スペーサ層
612 吸収層、超吸収材
613 第1のカバー層
616 ポンプ
619 第2のカバー層
620 フィルタ
621 第2のフィルタ
622 吸収層
630 チャンバ
650 ポンプおよび電子機器パッケージ
701 空部、バブル
716 ピエゾ素子
800 一体型創傷ドレッシング
801 チャネル
802 チャネル
812 吸収層、超吸収材
816 ポンプ
820 出口ポート
900 一体型創傷ドレッシング
901 チューブ
902 ワイヤコイル
903 ポンプチャンバ
910 創傷接触層
911 スペーサ層
912 超吸収材、吸収層
913 頂部フィルム、水蒸気透過性カバー層
1016 ポンプ
1114 電源
1115 電子機器パッケージ
1116 ポンプ
1160 スイッチ
1214 凹部
1215 凹部
1216 凹部
1311 スペーサ層
1314 バッテリ
1316 ポンプ
1331 ポンプ駆動基板
1360 スイッチ
2100 創傷ドレッシング
2150 ポート
2220 導管
2221 コネクタ
2800 ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15