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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】静電チャックヒータおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230825BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020533211
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 KR2019001029
(87)【国際公開番号】W WO2019168271
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0024661
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520139620
【氏名又は名称】ミコ セラミックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジュン チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジン ヨン
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-259721(JP,A)
【文献】特開2009-170509(JP,A)
【文献】特開2000-277595(JP,A)
【文献】特開2017-212375(JP,A)
【文献】特開2002-293655(JP,A)
【文献】特開2001-319967(JP,A)
【文献】特開2015-135960(JP,A)
【文献】特開2008-251737(JP,A)
【文献】特開2007-311399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地電極、および前記接地電極の外側に一定距離離れて形成された静電チャック電極を含み、
前記静電チャック電極に静電チャック連結部材が接続され、前記静電チャック連結部材は、前記静電チャック電極とは異なる平面上に配置されることを特徴とする、静電チャックヒータ。
【請求項2】
前記接地電極および前記静電チャック電極は同一平面上に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項3】
前記静電チャック電極は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項4】
前記接地電極は、285mmの直径を有する円板形状であり、
前記静電チャック電極は、内側直径が290mm、外側直径が320mmのリング形状であることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項5】
前記静電チャック電極は0.2mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項6】
前記静電チャック電極に電力を供給するための前記静電チャック連結部材の素材はモリブデン(Mo)であることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒータ。
【請求項7】
前記静電チャック連結部材は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであることを特徴とする、請求項6に記載の静電チャックヒータ。
【請求項8】
第1セラミック粉末層と第2セラミック粉末層との間に、接地電極および静電チャック電極が埋め込まれたセラミック成形体が介在するセラミック粉末層構造を成形するステップ、および
前記セラミック粉末層構造を焼結するステップを含み、
前記静電チャック電極は前記接地電極の外側に一定距離離れて形成され
前記成形するステップは、前記静電チャック電極が埋め込まれる面とは異なる面に静電チャック連結部材を配置し、前記静電チャック連結部材を前記静電チャック電極に接続することをさらに含むことを特徴とする静電チャックヒータの製造方法。
【請求項9】
前記セラミック粉末層構造は、前記第2セラミック粉末層と第3セラミック粉末層との間に発熱体をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項10】
前記セラミック成形体の成形ステップは、
成形体の加工ステップ、
前記静電チャック連結部材の提供ステップ、
接地ロッド連結部材および静電チャックロッド連結部材の提供ステップ、および
前記接地電極および前記静電チャック電極の提供ステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項11】
前記接地電極および前記静電チャック電極は同一平面上に提供されることを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項12】
前記静電チャック電極は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであることを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項13】
前記接地電極は、285mmの直径を有する円板形状であり、
前記静電チャック電極は、内側直径が290mm、外側直径が320mmのリング形状であることを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項14】
前記静電チャック電極は0.2mmの厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項15】
前記静電チャック連結部材の素材はモリブデン(Mo)であることを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【請求項16】
前記静電チャック連結部材は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであることを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックヒータおよびその製造方法に関し、ウェハの沈着均一性を高めるために接地電極の外側に一定距離離れた位置に形成された静電チャック電極を含む静電チャックヒータおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックヒータは、半導体ウェハ、ガラス基板、フレキシブル基板などのような様々な目的の熱処理対象体を所定の加熱温度で熱処理するために用いられる。半導体ウェハ処理のために、セラミックヒータは、静電チャックの機能と結合されて静電チャックヒータとして用いられたりもする。そして、セラミックヒータによる薄膜工程時、セラミックヒータの内部に発生する残留電流を除去するために接地電極が埋め込まれたりもする。
【0003】
図1は、静電チャックヒータの一例を示す図である。
【0004】
図1を参照すれば、一般に、セラミックヒータは、外部の電極から電力の供給を受けて発熱するセラミックプレートを含む。セラミックプレート100は、セラミック焼結体に埋め込まれる所定の抵抗を有する発熱体を含む。そして、前記セラミックプレートは、接地電極および/または静電チャック電極を含むことができる。
【0005】
図2は、従来の発明に係る接地電極を含むセラミックヒータの一例を示す図である。
【0006】
図2を参照すれば、従来の発明に係るセラミックヒータは、ウェハ(WAFER)を固定するためにセラミックヒータの上部面にウェハサイズのポケット(POKET)が加工されており、工程ガスが流れる時、ウェハエッジの段差によってガス渦流が発生して、ウェハエッジ部分の沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)を低下させるという問題がある。その結果、ウェハの温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)も低下させるという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題および他の問題を解決することを目的とする。
【0008】
また他の目的は、工程時にガス流れによるウェハエッジの浮き上がり現象を防止して、ウェハの沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)を増加させ、温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)を改善するための静電チャックヒータおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的または他の目的を達成するために、本発明の一側面によれば、接地電極、および前記接地電極の外側に一定距離離れて形成された静電チャック電極を含む静電チャックヒータを提供する。
【0010】
そして、本発明の一側面によれば、前記接地電極および前記静電チャック電極は同一平面上に形成されてもよい。
【0011】
また、本発明の一側面によれば、前記静電チャック電極は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであってもよい。
【0012】
また、本発明の一側面によれば、前記接地電極は、285mmの直径を有する円板形状であり、前記静電チャック電極は、内側直径が290mm、外側直径が320mmのリング形状であってもよい。
【0013】
なお、本発明の一側面によれば、前記静電チャック電極は0.2mmの厚さを有してもよい。
【0014】
また、本発明の一側面によれば、前記静電チャック電極に電力を供給するための静電チャック連結部材をさらに含み、前記静電チャック連結部材の素材はモリブデン(Mo)であってもよい。
【0015】
なお、本発明の一側面によれば、前記静電チャック連結部材は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであってもよい。
【0016】
そして、本発明のまた他の一側面によれば、第1セラミック粉末層と第2セラミック粉末層との間に、接地電極および静電チャック電極が埋め込まれたセラミック成形体が介在するセラミック粉末層構造を成形するステップ、および前記セラミック粉末層構造を焼結するステップを含み、前記静電チャック電極は前記接地電極の外側に一定距離離れて形成されることを特徴とする静電チャックヒータの製造方法を提供する。
【0017】
また、本発明の一側面によれば、前記セラミック粉末層構造は、前記第2セラミック粉末層と第3セラミック粉末層との間に発熱体をさらに含んでもよい。
【0018】
なお、本発明の一側面によれば、前記セラミック成形体の成形ステップは、成形体の加工ステップ、静電チャック連結部材の提供ステップ、接地ロッド連結部材および静電チャックロッド連結部材の提供ステップ、および前記接地電極および前記静電チャック電極の提供ステップを含んでもよい。
【0019】
また、本発明の一側面によれば、前記接地電極および前記静電チャック電極は同一平面上に提供されてもよい。
【0020】
なお、本発明の一側面によれば、前記静電チャック電極は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであってもよい。
【0021】
また、本発明の一側面によれば、前記接地電極は、285mmの直径を有する円板形状であり、前記静電チャック電極は、内側直径が290mm、外側直径が320mmのリング形状であってもよい。
【0022】
なお、本発明の一側面によれば、前記静電チャック電極は0.2mmの厚さを有してもよい。
【0023】
また、本発明の一側面によれば、前記静電チャック連結部材の素材はモリブデン(Mo)であってもよい。
【0024】
なお、本発明の一側面によれば、前記静電チャック連結部材は、シートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る静電チャックヒータによれば、静電チャックヒータのエッジに埋め込まれた静電チャック電極により、静電チャック上部に位置するウェハの沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)を向上させて、ウェハなどの対象体加熱面に均一な熱を加えるようにするという効果がある。換言すれば、工程時にガス流れによって発生するウェハエッジの浮き上がり現象を減少させることによって、ウェハなどの対象体加熱面の位置別の温度偏差が顕著に減って、加熱面の温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】静電チャックヒータの一例を示す図である。
図2】従来の発明に係る接地電極を含むセラミックヒータの一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による静電チャックヒータの構造を示す断面図である。
図4】従来技術に係るセラミックヒータと本発明に係る静電チャックヒータのエッジ温度を測定して示すグラフである。
図5】本発明の一実施形態による静電チャックヒータの静電チャック電極タイプ(TYPE)、接地電極直径、静電チャック電極直径別のウェハエッジの温度変化範囲を測定して示す図である。
図6】本発明の一実施形態による静電チャックヒータの製造方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による静電チャックヒータの製造方法を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を説明するための図である。
図11】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を説明するための図である。
図14】本発明の一実施形態によるセラミック成形体の上/下部の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、添付図面を参照して本発明について詳しく説明する。この時、各々の図面において、同一な構成要素に対しては可能な限り同一な符号を付することにする。また、既に公知された機能および/または構成に関する詳しい説明は省略する。以下にて開示された内容は様々な実施形態による動作を理解するのに必要な部分を重点的に説明し、その説明の要旨を不要に濁す恐れのある要素に関する説明は省略する。また、図面の一部の構成要素は、誇張、省略または概略的に図示されることがある。各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するのではなく、そのため、各々の図面に示された構成要素の相対的な大きさや間隔により、ここに記載される内容が制限されるものではない。
【0028】
また、本発明において、「積層」とは、各層の相対的な位置関係を規定する意味として用いられる。「A層上のB層」とは、A層とB層の相対的な位置関係を表現するものであって、A層とB層が必ずしも接触することを要するのではなく、その間に第3の層が介在してもよい。それと同様に、「A層とB層との間にC層が介在」するとは、A層とC層との間またはB層とC層との間に第3の層が介在することを排除するのではない。
【0029】
図1は、静電チャックヒータの一例を示す図である。
【0030】
図1を参照すれば、静電チャックヒータの上部には、発熱体、接地電極および静電チャック電極が埋め込まれた円板形状のセラミックプレートが存在する。静電チャックヒータ内部の発熱体から発生する熱エネルギーがセラミックプレートの上部面に伝達され、静電チャックヒータの上部面上に置かれた物体に熱エネルギーが伝達される。
【0031】
図2は、従来の発明に係る接地電極を含むセラミックヒータの一例を示す図である。
【0032】
図2を参照すれば、従来技術に係るセラミックプレートは接地電極210および発熱体220を含み、静電チャックヒータの上部にはウェハ(WAFER)などのような加熱対象体が置かれるように凹んだ空間(POCKET)が形成されていてもよい。薄膜工程時に静電チャックヒータによってウェハ(WAFER)などのような加熱対象体に熱が加えられるが、チャンバ(CHAMBER)内部のガス流れ(GAS FLOW)が均一ではなく、静電チャックヒータの凹んだ空間(POCKT)とウェハ(WAFER)の外側エッジとの間の空間部分230にガス流れ(GAS FLOW)の渦流が発生してウェハエッジ曲がり(WAFER EDGE BENDING)現象が発生して、ウェハ(WAFER)エッジの沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)が低下し、よって、ウェハ(WAFER)エッジに加えられる温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)が低下する現象が発生しうる。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による静電チャックヒータの構造を示す断面図である。
【0034】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による静電チャックヒータは、セラミックプレート100の内部に接地電極310、静電チャック電極320、発熱体220、静電チャック連結部材325、ロッド(ROD)312、322、332およびロッド連結部材311、321、331を含むことができる。
【0035】
接地電極310は、ウェハ沈着工程時、チャンバの内部にプラズマ生成時にセラミックプレートが帯電され、セラミックプレートに帯電された電流を接地させるための電極である。接地電極310は、円板形状であってもよく、メッシュタイプ(MESH TYPE)またはシートタイプ(SHEET TYPE)であってもよい。そして、接地電極310の成分はモリブデン(Mo)であってもよい。
【0036】
静電チャック電極320は、帯電されたウェハ(WAFER)などのような加熱対象体がセラミックプレートによく沈着するようにする役割をし、外部から静電チャック電極320に電圧が加えられ、それにより電圧を帯びた静電チャック電極320によってセラミックプレートの上部面に位置したウェハ(WAFER)などのような加熱対象体がセラミックプレートに密着するようにすることができる。その結果、静電チャックヒータの熱エネルギーがウェハ(WAFER)などのような加熱対象体によく伝達される。
【0037】
図3を参照すれば、静電チャック電極320は、接地電極310と同一平面上に形成される。一例として、接地電極310はセラミックプレートのセンター部分に円板形状に形成され、静電チャック電極320は前記接地電極310の外側部分に前記接地電極310から一定距離離離れた位置に形成される。静電チャック電極320は、リング形状であってもよく、メッシュタイプ(MESH TYPE)またはシートタイプ(SHEET TYPE)であってもよい。そして、静電チャック電極320の成分はモリブデン(Mo)であってもよい。また、静電チャック電極320の厚さは0.2mmであってもよい。
【0038】
そして、同一平面上に形成された接地電極310および静電チャック電極320は様々な大きさを有してもよく、接地電極310の直径が285mmの円板形状である場合、静電チャック電極320は直径が280mm~320mm範囲のリング形状であってもよい。
【0039】
再び、図3に基づいて静電チャックヒータの構成を説明すれば、発熱体220をさらに含むことができ、接地電極310、静電チャック電極320および発熱体220を接地ロッド(ROD)312、静電チャックロッド(ROD)322および発熱体ロッドと連結する接地ロッド(ROD)連結部材311、静電チャックロッド(ROD)連結部材321および発熱体ロッド連結部材を含むことができる。そして、静電チャック電極320の場合、接地電極310と平面上に形成されており、接地電極310の外側に接地電極310から一定距離離れた位置に形成されているため、セラミックプレートのセンター部分に形成されている静電チャックロッド(ROD)322と直接連結され難い。したがって、セラミックプレートは、前記静電チャック電極320と静電チャックロッド(ROD)322を電気的に連結するための静電チャック連結部材325を含むことができる。前記静電チャック連結部材325の素材はモリブデン(Mo)であってもよく、前記静電チャック連結部材325はシートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであってもよい。前記静電チャック連結部材325により、セラミックプレートのセンター部分に位置する静電チャックロッド(ROD)322とセラミックプレートのエッジ部分にリング形状で含まれている静電チャック電極320とが電気的に連結されることができる。それにより、セラミックプレートに含まれた接地電極310、静電チャック電極320および発熱体220の各ロッドが静電チャックヒータのセンター部分に共に位置できるという効果がある。
【0040】
本発明に係る静電チャックヒータによれば、ウェハ(WAFER)などのような加熱対象体の沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)が良好な内側部分と良好ではない外側部分に分け、静電チャックヒータの外側部分に静電チャック電極320が形成されるようにして、ウェハ(WAFER)などのような帯電された加熱対象体が静電チャックヒータに固定されるようにするという効果がある。
【0041】
その結果、ウェハ(WAFER)などのような加熱対象体エッジ(EDGE)部と静電チャックヒータの接触面が増加して熱伝導が向上し、ウェハ(WAFER)などのような加熱対象体エッジ(EDGE)部の沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)および温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)が向上するという効果がある。
【0042】
図4は、従来技術に係るセラミックヒータと本発明に係る静電チャックヒータのエッジ温度を測定して示すグラフである。
【0043】
本発明の効果を実験するために、T/C WAFERを用いてヒータのエッジの8ヶ所の部分の温度を測定して比較をした。各ヒータのセッティング温度は550度に設定した。従来技術に係るセラミックヒータ内部の接地電極310としては直径が320mmのメッシュタイプ(24MESH)の電極を用い、本発明に係る静電チャックヒータの接地電極310としては直径が285mmのメッシュタイプ(24MESH)の電極を用い、静電チャック電極320としては直径が290~320mmのリング形状のメッシュタイプ(24MESH)電極を用いて実験した。
【0044】
その結果、従来技術に係るセラミックヒータの温度範囲は約7.5度であり、本発明に係る静電チャックヒータの温度範囲は約2.7度であった。本発明に係る静電チャックヒータは、従来技術に係るセラミックヒータよりヒータエッジ温度変化範囲が大幅に減ったことが確認され、具体的には、その温度変化範囲は従来範囲の36%程度に減ったことが確認された。
【0045】
本発明に係る静電チャックヒータは、従来の発明に係るセラミックヒータに比べて、エッジの沈着均一性が大きく向上するという効果があり、それによりウェハ(WAFER)などのような加熱対象体に加えられる熱エネルギーの均一性も大きく向上するという効果がある。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態による静電チャックヒータの静電チャック電極320のタイプ(TYPE)、接地電極310の直径、静電チャック電極320の直径別のウェハエッジの温度変化範囲を測定して示す図である。
【0047】
この実験において、接地電極310としては、メッシュタイプ(24MESH)を用い、直径は275mm、280mmおよび285mmのものを用いて実験した。そして、静電チャック電極320としては、リング形状のシートタイプおよびメッシュタイプ(24MESH)を用い、直径は280mm~320mm、285mm~320mmおよび290mm~320mm(内側直径~外側直径)のものを用いた。
【0048】
その結果、接地電極310の直径が285mmであり、静電チャック電極320がメッシュタイプ(24MESH)であり、静電チャック電極320の直径が290mm~320mm(内側直径~外側直径)である時、ウェハエッジの温度変化範囲が2.7度として最も小さい幅を有することが明らかになった。換言すれば、前記条件において、静電チャックヒータの沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)および温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)が最も優れるものであった。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態による静電チャックヒータの製造方法を示すフローチャートである。
【0050】
図7は、本発明の一実施形態による静電チャックヒータの製造方法を説明するための図である。
【0051】
以下では、図7を参照して、図6に示された本発明に係る静電チャックヒータの製造方法について詳しく説明する。
【0052】
カーボンモールド(CARBON MOLD)705に第1セラミック粉末層710を提供し(S610)、接地電極310および静電チャック電極320が埋め込まれたセラミック成形体720を提供する(S620)。その後、第2セラミック粉末層730を提供し(S630)、発熱体220を提供した後(S640)、再び第3セラミック粉末層740を提供する(S740)。この時、前記セラミック成形体720は、所定の圧力で加圧されて形状を維持できる成形体の形態として提供できる。勿論、前記セラミック粉末層構造700の全体が加圧成形された成形体の形態として提供されてもよい。最後に、前記形成されたセラミック粉末層構造を焼結する(S660)。
【0053】
図8は、本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を示すフローチャートである。
【0054】
図9図13は、本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法を説明するための図である。
【0055】
以下では、図9~13を参照して、図8に示された本発明の一実施形態によるセラミック成形体の製造方法について詳しく説明する。
【0056】
先ず、成形体900を加工してセラミックプレートに接地電極310と静電チャック電極320が同一平面上に形成されるように、成形体900上部面の内側に接地電極310が埋め込まれる溝(GROOVE)910と成形体900上部面の外側に静電チャック電極320が埋め込まれる溝(GROOVE)920および接地電極310が埋め込まれる溝(GOOVE)910のセンターの特定の部位に接地ロッド(ROD)連結部材311が埋め込まれる溝(GROOVE)930を形成する(S810、図9)。
【0057】
その後、静電チャック連結部材325を成形体900に提供する(S820、図10)。静電チャック連結部材325は「コ」字状に加工された薄くて長い板状であってもよく、図10に示すように成形体900の上下を貫通するように成形体900に挿入される。その後、静電チャック連結部材325が静電チャック電極320と電気的に連結されるように、静電チャック連結部材325の両端が折曲線326に沿って内側(または外側)に折り曲げられて静電チャック電極320が埋め込まれる位置に成形体900と並んで形成される(1000)。図10においては、図9の静電チャック連結部材325が折曲線326に沿って内側(または外側)に折り曲げられて成形体900と並んで形成された様子(1000)をより詳しく示している。前記静電チャック連結部材325の素材はモリブデン(Mo)であってもよく、前記静電チャック連結部材325のタイプはシートタイプ(SHEET TYPE)またはメッシュタイプ(MESH TYPE)のいずれか一つであってもよい。
【0058】
その後、接地ロッド(ROD)連結部材311および静電チャック連結部材325が提供される(S830、図12)。
【0059】
そして、接地電極310および静電チャック電極320が提供される(S840、図13)。接地電極310は接地ロッド(ROD)連結部材311と接触して電気的に連結されるように形成され、静電チャック電極320は静電チャック連結部材325と接触して電気的に連結されるように形成される。
【0060】
接地電極310は、円板形状であってもよく、メッシュタイプ(MESH TYPE)またはシートタイプ(SHEET TYPE)であってもよい。そして、接地電極310の成分はモリブデン(Mo)であってもよい。
【0061】
静電チャック電極320は、リング形状であってもよく、メッシュタイプ(MESH TYPE)またはシートタイプ(SHEET TYPE)であってもよい。そして、静電チャック電極320の成分はモリブデン(Mo)であってもよい。また、静電チャック電極320の厚さは0.2mmであってもよい。
【0062】
図14は、本発明の一実施形態によるセラミック成形体の上/下部の形状を示す図である。
【0063】
図14は、図8図13に示された製造方法により形成された完成した成形体900の一例を示す。成形体900の上部面には接地電極310および静電チャック電極320が形成され、成形体の下部面には上部面の静電チャック電極320と静電チャックロッド(ROD)連結部材321を電気的に連結させる静電チャック連結部材325が形成されている。
【0064】
本発明に係る静電チャックヒータによれば、Chuckingにより、ウェハ(WAFER)などのような加熱対象体エッジ(EDGE)部と静電チャックヒータの接触面が増加して熱伝導が向上し、ウェハ(WAFER)などのような加熱対象体エッジ(EDGE)部の沈着均一性(DEPOSITION UNIFORMITY)および温度均一性(TEMPERATURE UNIFORMITY)が向上するという効果がある。
【0065】
以上、本発明では具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施形態および図面によって説明したが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正および変形が可能である。したがって、本発明の思想は説明した実施形態に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的な変形がある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14