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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】光強度適応型LED側壁
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20230825BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20230825BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20230825BHJP
   G02F 1/15 20190101ALI20230825BHJP
   G02F 1/17 20190101ALI20230825BHJP
   G02B 5/23 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/08
H01L33/50
G02F1/15 506
G02F1/17
G02B5/23
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020534195
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018067193
(87)【国際公開番号】W WO2019126701
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】62/609,202
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18162551.8
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18191100.9
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16/226,487
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シミズ,ケンタロウ
(72)【発明者】
【氏名】ボーマー,マルセル レネ
(72)【発明者】
【氏名】エストラーダ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヘーツ,ヤコーブス ヨハンネス フランシスクス ゲラルドゥス
【審査官】東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-204551(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106019688(CN,A)
【文献】特開2016-219637(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0018754(US,A1)
【文献】特開2011-138705(JP,A)
【文献】特開平06-044811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G02F 1/15
G02F 1/17
G02B 5/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルアレイデバイスであって、当該デバイスは、
ピクセルのアレイであって、各ピクセルが、側壁を有しており、且つn型領域、活性領域、p型領域、及び前記活性領域によって放出された光の経路内の波長変換層を含む、ピクセルのアレイと、
前記アレイ内の第1のピクセルの側壁に取り付けられた動的な光アイソレーション材料であって、前記側壁は、前記第1のピクセルと前記アレイ内の別のピクセルとの間に配置され、前記動的な光アイソレーション材料は光の透過を妨げる光学的状態と該光を透過させる第2の光学的状態との間で切り替え可能であり、状態トリガに基づいて前記光学的状態と前記第2の光学的状態との間で切り替わるように構成される動的な光アイソレーション材料と、を含み、
前記動的な光アイソレーション材料は前記波長変換層の側壁に取り付けられる、
デバイス。
【請求項2】
前記光の透過を妨げるように構成される前記光学的状態により、前記動的な光アイソレーション材料を光が通過するのが防止され、前記第2の光学的状態により、前記動的な光アイソレーション材料を光が通過するのを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記光の透過を妨げるように構成される前記光学的状態により、前記動的な光アイソレーション材料を通過する光を散乱させ、前記第2の光学的状態により、前記動的な光アイソレーション材料を光が通過するのを可能にする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記動的な光アイソレーション材料は、サーモクロミック材料、サーモトロピック材料、エレクトロクロミック材料、及びフォトクロミック材料のうちの1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記動的な光アイソレーション材料の外側に取り付けられた第2の動的な光アイソレーション材料を含み、該第2の動的な光アイソレーション材料は、サーモクロミック材料、サーモトロピック材料、エレクトロクロミック材料、及びフォトクロミック材料のうちの1つである、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記状態トリガは、光学的アドレス指定、電気的アドレス指定、又は温度変化のうちの1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記状態トリガは、前記アレイ内のピクセルによって提供される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記状態トリガは、前記アレイ内の2つ以上のピクセルの組合せによって提供される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1のピクセルの上面及び/又は底面に取り付けられた第2の動的な光アイソレーション材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光学的状態は、不透明状態、散乱状態、及び反射状態のうちの1つで光の透過を妨げるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ピクセルのアレイは、ピクセルのグループにセグメント化され、各グループは個々にアドレス指定可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
方法であって、当該方法は、
請求項1に記載の前記ピクセルアレイデバイスの前記第1のピクセルをアドレス指定して、前記第1のピクセルの前記活性領域を発光させるステップと、
前記第1のピクセルの側壁に取り付けられた前記動的な光アイソレーション材料に状態トリガを送って、前記動的な光アイソレーション材料の光学的状態を切り替えるステップと、を含む、
方法。
【請求項13】
方法であって、当該方法は、
請求項11に記載の前記ピクセルアレイデバイスの第1のグループのピクセルをアドレス指定して、前記第1のグループ内の前記ピクセルの前記活性領域を発光させるステップと、
請求項11に記載の前記ピクセルアレイデバイスの第2のグループのピクセルをアドレス指定しないステップであって、前記第2のグループのピクセルは前記第1のグループのピクセルとは異なる、ステップと、
前記第1のグループのピクセル内の隣接するピクセル同士の間のピクセル側壁に取り付けられた前記動的な光アイソレーション材料に状態トリガを送って、前記動的な光アイソレーション材料の光学的状態を切り替えるステップと、を含む、
方法。
【請求項14】
ピクセルアレイデバイスであって、当該デバイスは、
ピクセルのアレイであって、各ピクセルが、側壁を有しており、且つn型領域、活性領域、p型領域、及び前記活性領域によって放出された光の経路内の波長変換層を含み、前記ピクセルのアレイはピクセルのグループにセグメント化され、各グループは個々にアドレス指定可能である、ピクセルのアレイと、
前記アレイ内の前記ピクセルの側壁に取り付けられたサーモクロミック材料であって、前記側壁は前記アレイ内の隣接するピクセル同士の間に配置され、前記サーモクロミック材料の温度変化の結果として透明状態と不透明状態との間で切り替え可能であるサーモクロミック材料と、を含み、
前記サーモクロミック材料は前記波長変換層の側壁に取り付けられる、
デバイス。
【請求項15】
前記透明状態において、光の透過率が95%である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
方法であって、当該方法は、
請求項14に記載の前記デバイスの第1のグループのピクセルをアドレス指定して、前記第1のグループ内の前記ピクセルの前記活性領域を発光させ、且つ前記第1のグループ内の前記ピクセルの側壁に取り付けられた前記サーモクロミック材料を透明状態に切り替えるステップと、
請求項14に記載の前記デバイスの第2のグループのピクセルをアドレス指定しないステップであって、前記第2のグループ内の前記ピクセルの側壁に取り付けられた前記サーモクロミック材料は不透明状態のままであり、前記第2のグループのピクセルは前記第1のグループのピクセルとは異なる、ステップと、を含む、
方法。
【請求項17】
ピクセルアレイデバイスであって、当該デバイスは、
ピクセルのアレイであって、各ピクセルが、側壁を有しており、且つn型領域、活性領域、p型領域、及び前記活性領域によって放出された光の経路内の波長変換層を含み、前記ピクセルのアレイはピクセルのグループにセグメント化され、各グループは個々にアドレス指定可能である、ピクセルのアレイと、
前記アレイ内の前記ピクセルの側壁に取り付けられたフォトクロミック材料であって、前記側壁は前記アレイ内の隣接するピクセル同士の間に配置され、透明状態と不透明状態との間で切り替え可能であるフォトクロミック材料と、を含み、
前記フォトクロミック材料は前記波長変換層の側壁に取り付けられる、
デバイス。
【請求項18】
前記透明状態において、光の透過率が95%である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
方法であって、当該方法は、
請求項17に記載の前記デバイスの第1のグループのピクセルをアドレス指定して、前記第1のグループ内の前記ピクセルの前記活性領域を発光させるステップと、
前記第1のグループ内の前記ピクセルの側壁に取り付けられた前記フォトクロミック材料を照らして、該フォトクロミック材料を透明状態に切り替えるステップと、
請求項17に記載の前記デバイスの第2のグループのピクセルをアドレス指定しないステップであって、前記第2のグループ内の前記ピクセルの側壁に取り付けられた前記フォトクロミック材料は不透明状態のままであり、前記第2のグループのピクセルは前記第1のグループのピクセルとは異なる、ステップと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、光強度適応型LED側壁に関する。
【背景技術】
【0002】
照明用途の精密な制御は、アドレス指定可能な小さな発光ダイオード(LED)ピクセルシステムの製品及び製造を必要とし得る。このようなLEDピクセルシステムの製造では、ピクセルのサイズが小さく、システム同士の間のレーン(lane)スペースが小さいため、材料を正確に堆積する必要があり得る。
【0003】
LED、共鳴空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直空洞レーザーダイオード(VCSEL)、及び端面発光レーザーを含む半導体発光デバイスは、現在利用可能な最も効率的な光源の1つである。可視スペクトルに亘って動作可能な高輝度発光デバイスの製造で現在注目されている材料系には、III-V族半導体、特にガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の二元、三元、及び四元合金が含まれ、これらはIII族窒化物材料ととも呼ばれる。典型的に、III族窒化物の発光デバイスは、有機金属化学気相成長法(MOCVD)分子線エピタキシー(MBE)、又は他のエピタキシャル技術によって、サファイア、炭化ケイ素、III族窒化物、複合材料、又は他の適切な基板上に、様々な組成及びドーパント濃度の半導体層のスタックをエピタキシャル成長させることによって製造される。スタックは、大抵の場合、基板の上に形成された、例えばSiでドープされた1つ又は複数のn型層、1つ又は複数のn型層の上に形成された活性領域内の1つ又は複数の発光層、及び活性領域の上に形成された例えばMgでドープされた1つ又は複数のp型層を含む。電気コンタクトが、n型領域及びp型領域上に形成される。
【0004】
III族窒化物デバイスは、多くの場合、反転又はフリップチップデバイスとして形成され、ここで、nコンタクトとpコンタクトとの両方が、半導体構造の同じ側に形成され、殆どの光は、コンタクトとは反対側の半導体構造の側から抽出される。
【発明の概要】
【0005】
第1のピクセル側壁を有する第1のピクセルが開示される。第1のピクセル側壁に面する第2のピクセル側壁を有する第2のピクセルも開示される。第1のピクセル側壁と第2のピクセル側壁との間にあり、且つ状態トリガに基づいて光学的状態を変化させるように構成される第1の動的な光アイソレーション材料も開示され、第1のピクセル及び第2のピクセルの一方によって放出された光に対する第1のピクセル側壁での光の挙動が、光学的状態によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面と併せて例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
図1A】分解部分を含むマイクロLEDアレイの上面図である。
図1B】トレンチを含むピクセルマトリクスの断面図である。
図1C】トレンチを含む別のピクセルマトリクスの斜視図である。
図1D】ピクセルの側壁において光に影響を与える方法を示す図である。
図1E】不透明状態の動的な光アイソレーション材料を含むピクセルアレイの上面図である。
図1F】透明状態の動的な光アイソレーション材料を含むピクセルアレイの上面図である。
図1G】アレイの一部が活性化状態であり、アレイの他の部分が非活性化状態であるピクセルアレイの上面図である。
図1H】2つの動的な光アイソレーション材料層を含むピクセルの断面図である。
図1I】ピクセルアレイの断面図である。
図2A】一実施形態における、LEDデバイスの取付け領域において基板に取り付けられたLEDアレイを含む電子回路基板の上面図である。
図2B】回路基板の2つの面に電子部品が取り付けられた2チャネル統合型LED照明システムの一実施形態の図である。
図2C】車両前照灯システムの例である。
図3】例示的な照明システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々な光照明システム及び/又は発光ダイオード(LED)の実施態様の例について、以下に添付の図面を参照してより完全に説明する。これらの例は互いに排他的ではなく、1つの例に見出される機能を1つ又は複数の他の例に見出される機能と組み合わせて、追加の実施態様を実現できる。従って、添付の図面に示される例は、例示のみを目的として提供されており、決して本開示を限定することを意図していないことが理解されよう。同じ番号は図面全体を通して同じ要素を指す。
【0008】
本明細書では、第1、第2、第3等の用語を使用して様々な要素を説明し得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定すべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用され得る。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合に、「及び/又は」という用語は、関連するリストされた項目のうちの1つ又は複数のありとあらゆる組合せを含み得る。
【0009】
層、領域、又は基板等の要素が別の要素の「上(on)」にある又は別の要素の「上まで(onto)」延びると呼ばれる場合に、その要素が他の要素の上に直接ある又は他の要素の上まで直接延びてもよく、又は介在要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「上に直接」にある又は別の要素の「上まで直接」延びると呼ばれる場合に、介在要素が存在しない場合がある。要素が別の要素に「接続」又は「結合」されると呼ばれる場合に、その要素は、他の要素に直接接続又は結合してもよく、及び/又は1つ又は複数の介在要素を介して他の要素に接続又は結合してもよいことも理解されよう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されると呼ばれる場合に、その要素と他の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図に示される任意の向きに加えて、要素の異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0010】
「より下(below)」、「より上(above)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「水平」又は「垂直」等の相対的な用語は、図に示されるように、ある要素、層、又は領域と別の要素、層、又は領域との関係を説明するために本明細書で使用され得る。これらの用語は、図に示される向きに加えて、デバイスの別の向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0011】
紫外(UV)又は赤外(IR)光出力を放出するデバイス等の半導体発光デバイス(LED)又は光出力放出デバイスは、現在利用可能な最も効率的な光源の1つである。これらのデバイス(以下、「LED」)は、発光ダイオード、共振空洞発光ダイオード、垂直空洞レーザーダイオード、又は端面発光レーザー等を含み得る。例えば、コンパクトなサイズ及び低電力要件のため、LEDは、多くの異なる用途に対して魅力的な候補になる可能性がある。例えば、それらLEDは、カメラ及び携帯電話等のハンドヘルド型電池式デバイスの光源(例えば、フラッシュライト及びカメラフラッシュ)として使用することができる。それらLEDは、例えば、自動車照明、ヘッドアップディスプレイ(HUD)照明、園芸照明、街路照明、ビデオ用トーチ、一般照明(例えば、家、店、オフィス、及びスタジオ照明、劇場/舞台照明、及び建築照明)、拡張現実(AR)照明、バーチャルリアリティ(VR)照明、ディスプレイ用のバックライト、及びIR分光法にも使用することができる。単一のLEDは、白熱光源よりも明るくない光を提供する可能性があり、従って、マルチ接合デバイス又はLEDのアレイ(モノリシックLEDアレイ、マイクロLEDアレイ等)が、高輝度が望ましい又は必要な用途に使用され得る。
【0012】
開示される主題の実施形態によれば、LEDアレイ(例えば、マイクロLEDアレイ)は、図1A図1B、及び/又は図1Cに示されるようなピクセルのアレイを含み得る。LEDアレイは、LEDアレイセグメントの精密な制御を必要とするような任意の用途に使用され得る。LEDアレイ内のピクセルは、個別にアドレス指定でき、グループ/サブセットでアドレス指定でき、或いはアドレス指定できない場合がある。図1Aにおいて、ピクセル111を含むLEDアレイ110の上面図が示される。LEDアレイ110の3×3部分の分解図も図1Aに示される。3×3部分の分解図に示されるように、LEDアレイ110は、約100マイクロメートル(μm)以下(例えば、40μm)の幅wを有するピクセル111を含み得る。ピクセル同士の間のレーン113は、約20μm以下(例えば、5μm)の幅wによって分離され得る。図1B及び図1Cに示され且つさらに本明細書に開示されるように、レーン113は、ピクセル同士の間にエアギャップを提供してもよく、又は他の材料を含んでもよい。1つのピクセル111の中心から隣接するピクセル111の中心までの距離dは、約120μm以下(例えば、45μm)であり得る。本明細書で提供される幅及び距離は単なる例であり、実際の幅及び/又は寸法が変化し得ることが理解されよう。
【0013】
対称的なマトリックスで配置された長方形のピクセルが図1A図1B、及び図1Cに示されているが、任意の形状及び配置のピクセルを、本明細書に開示される実施形態に適用してもよいことが理解されよう。例えば、図1のLEDアレイ110は、100×100マトリックス、200×50マトリックス、対称マトリックス、又は非対称マトリックス等の任意の適用可能な配置で10,000を超えるピクセルを含み得る。本明細書に開示される実施形態を実施するために、ピクセル、マトリクス、及び/又はボードの複数のセットを、任意の適用可能なフォーマットで配置してもよいことも理解されよう。
【0014】
図1Bは、例示的なLEDアレイ1000の断面図を示す。図示されるように、ピクセル1010、1020、及び1030は、LEDアレイ内の3つの異なるピクセルに対応し、分離セクション1041及び/又はn型コンタクト1040がピクセルを互いに分離する。一実施形態によれば、ピクセル同士の間のスペースは、エアギャップによって占められてもよい。図示されるように、ピクセル1010は、例えばサファイア基板等の任意の適用可能な基板上で成長され得るエピタキシャル層1011を含み、サファイア基板はエピタキシャル層1011から除去され得る。コンタクト1015から遠位の成長層の表面は、実質的に平面であるか、又はパターン化してもよい。p型領域1012が、pコンタクト1017に近接して位置し得る。活性領域1021が、n型領域及びp型領域1012に隣接して配置され得る。あるいはまた、活性領域1021は、半導体層又はn型領域及びp型領域1012の間にあり得、活性領域1021が光ビームを放出するように電流を受け取ることができる。pコンタクト1017は、SiO層1013及び1014、並びにめっき金属層1016(例えば、めっき銅)と接触し得る。n型コンタクト1040は、Cu等の適用可能な金属を含み得る。金属層1016は、反射性であり得るコンタクト1015と接触し得る。
【0015】
特に、図1Bに示されるように、n型コンタクト1040は、ピクセル1010、1020、及び1030の間に形成されたトレンチ1130内に堆積してもよく、且つエピタキシャル層を越えて延びてもよい。分離セクション1041は、(図示されるように)波長変換層1050の全て又は一部を分離し得る。LEDアレイが、そのような分離セクション1041なしで実装され得るか、又は分離セクション1041は、エアギャップに対応し得ることが理解されよう。分離セクション1041は、n型コンタクト1040の延長であり得、それによって分離セクション1041は、n型コンタクト1040と同じ材料(例えば、銅)から形成される。あるいはまた、分離セクション1041は、n型コンタクト1040とは異なる材料から形成され得る。一実施形態によれば、分離セクション1041は、反射性材料を含み得る。分離セクション1041及び/又はn型コンタクト1040内の材料は、例えば、n型コンタクト1040及び/又は分離セクション1041の堆積を含む又は可能にするメッシュ構造を適用する等、任意の適用可能な方法で堆積され得る。波長変換層1050は、図2Aの波長変換層205と同様の特徴/特性を有することができる。本明細書で述べるように、1つ又は複数の追加の層が、分離セクション1041をコーティングし得る。そのような層は、反射層、散乱層、吸収層、又は他の任意の適用可能な層であり得る第1の光学材料であり得る。1つ又は複数のパッシベーション層1019が、n型コンタクト1040をエピタキシャル層1011から完全に又は部分的に分離することができる。
【0016】
エピタキシャル層1011は、励起されたときに光子を放出する任意の適用可能な材料(サファイア、SiC、GaN、シリコンを含む)から形成され得、より具体的には、AlN、AlP、AlA、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSbを含むがこれらに限定されないIIIーV族半導体、ZnS、ZnSe、CdSe、CdTeを含むがこれらに限定されないII-VI属半導体、Ge、Si、SiC、及びこれらの混合物又は合金を含むがこれらに限定されないIV族半導体から形成され得る。これらの例示的な半導体は、それらが存在するLEDの典型的な発光波長で、約2.4~約4.1の範囲の屈折率を有し得る。例えば、GaN等のIII族窒化物半導体は、500nmで約2.4の屈折率を有し得、InGaP等のIII族リン化物半導体は、600nmで約3.7の屈折率を有し得る。LEDデバイス200に結合されたコンタクトは、AuSn、AuGa、AuSi、又はSACはんだ等のはんだから形成され得る。
【0017】
n型領域は、成長基板上で成長することができ、例えば、バッファ又は核生成層等の準備層及び/又は成長基板の除去を容易にするように設計された層を含む、異なる組成及びドーパント濃度を含む半導体材料のうちの1つ又は複数の層を含むことができる。これらの層は、n型であっても意図的にドープされていなくてもよく、又はp型デバイス層であってもよい。層は、発光領域が効率的に発光するために望ましい特定の光学的、材料的、又は電気的特性のために設計され得る。同様に、p型領域1012は、意図的にドープされていない層又はn型層を含む、異なる組成、厚さ、及びドーパント濃度の複数の層を含み得る。電流が、(例えば、コンタクトを介して)p-n接合を通って流れるようにされ得、ピクセルは、少なくとも部分的に材料のバンドギャップエネルギーによって決定される第1の波長の光を生成し得る。ピクセルは、光を直接放出するか(例えば、通常又は直接放出LED)、又は放出された光の波長をさらに変更して第2の波長の光を出力するように機能する波長変換層1050(例えば、蛍光体変換LED、「PCLED」等)内に光を放出し得る。
【0018】
図1Bが、例示的な配置のピクセル1010、1020、及び1030を含む例示的なLEDアレイ1000を示しているが、LEDアレイ内のピクセルは、複数の配置のうちの任意の1つで提供してもよいことが理解されよう。例えば、ピクセルは、フリップチップ構造、垂直注入薄膜(VTF)構造、マルチ接合構造、薄膜フリップチップ(TFFC)、横型デバイス等であってもよい。例えば、横型LEDピクセルは、フリップチップLEDピクセルに似ているが、電極を基板又はパッケージに直接接続するために上下を逆にすることはできない。TFFCもフリップチップLEDピクセルに似ているが、成長基板が除去されている場合がある(薄膜半導体層は支持されていないままである)。対照的に、成長基板又は他の基板は、フリップチップLEDの一部として含まれ得る。
【0019】
波長変換層1050は、活性領域1021によって放出された光の経路にあり得、それによって活性領域1021によって放出された光が1つ又は複数の中間層(例えば、フォトニック層)を横断することができる。実施形態によれば、波長変換層1050は、LEDアレイ1000に存在してもしなくてもよい。波長変換層1050は、例えば、透明又は半透明のバインダー又はマトリックス中の蛍光体粒子、又はセラミック蛍光体等の任意の発光材料を含むことができ、発光材料は、ある波長の光を吸収し、別の波長の光を放出する。波長変換層1050の厚さは、使用される材料、或いはLEDアレイ1000又は個々のピクセル1010、1020、及び1030が配置される用途/波長に基づいて決定され得る。例えば、波長変換層1050は、約20μm、50μm、又は200μmであり得る。波長変換層1050は、図示されるように、各個々のピクセル上に設けてもよく、又はLEDアレイ1000全体の上に配置してもよい。
【0020】
一次光学系1022は、1つ又は複数のピクセル1010、1020、及び/又は1030上に又はその上にあってもよく、光が活性領域101及び/又は波長変換層1050から一次光学系を通過することを可能にし得る。一次光学系を介した光は、一般にランバート分布パターンに基づいて放出され得るため、一次光学系1022を介して放出された光の光度は、理想的な拡散ラジエーターから観察すると、入射光の方向と表面法線との間の角度の余弦に正比例する。一次光学系1022の1つ又は複数の特性を変更して、ランバート分布パターンとは異なる光分布パターンを生成することができることが理解されよう。
【0021】
レンズ1065及び導波路1062の一方又は両方を含む二次光学系には、ピクセル1010、1020、及び/又は1030を設けることができる。二次光学系が、図1Bに示される例に従って複数のピクセルを含んだ状態で議論されるが、二次光学系は、単一のピクセルで提供され得る。二次光学系を使用して、入射光を広げる(発散光学系)、又は入射光を平行ビームに集める(コリメート光学系)ことができる。導波路1062は、誘電材料、メタライゼーション層等でコーティングしてもよく、且つ入射光を反射又は方向転換するために提供してもよい。代替実施形態では、照明システムは、波長変換層1050、一次光学系1022、導波路1062、及びレンズ1065のうちの1つ又は複数を含まなくてもよい。
【0022】
レンズ1065は、SiC、酸化アルミニウム、ダイヤモンド等、又はこれらの組合せ等であるがこれらに限定されない任意の適用可能な透明材料から形成することができる。レンズ1065は、レンズ1065からの出力ビームが所望の測光仕様に効率的に適合するように、レンズ1065に入力される光ビームを修正するために使用してもよい。さらに、レンズ1065は、複数のLEDデバイス200Bの点灯及び/又は消灯の外観を決定等することによって、1つ又は複数の審美的目的を果たすことができる。
【0023】
図1Cは、LEDアレイ1100の3次元ビューの断面図を示す。図示されるように、LEDアレイ1100内のピクセルは、トレンチによって分離され得、トレンチは、n型コンタクト1140を形成するために充填される。ピクセルは、基板1114上で成長され得、pコンタクト1113、p型GaN半導体層1112、活性領域1111、n型GaN半導体層1110を含み得る。この構造は、単なる例として提供されており、1つ又は複数の半導体又は他の適用可能な層を追加、除去、或いは部分的に追加、又は除去して、本明細書で提供される本開示を実施することができることが理解されよう。波長変換層1117は、半導体層1110(又は他の適用可能な層)上に堆積してもよい。
【0024】
図示されるように、パッシベーション層1115が、トレンチ1130内に形成され得、n型コンタクト1140(例えば、銅コンタクト)が、トレンチ1130内に堆積され得る。パッシベーション層1115は、n型コンタクト1140の少なくとも一部を半導体の1つ又は複数の層から分離することができる。実施態様によれば、トレンチ内のn型コンタクト1140又は他の適用可能な材料は、n型コンタクト1140又は他の適用可能な材料がピクセル同士の間に完全又は部分的な光学的分離を提供するように、波長変換層1117内に延びることができる。
【0025】
図1Dは、本明細書で開示される主題による、ピクセルアレイ内にピクセルを生成するための方法1200を示す。そのようなピクセルアレイ内のピクセルは、300ミクロン以下の大きさであり得、300ミクロン以下の範囲のピクセルに特有の側壁材料の堆積技術が、動的な光アイソレーション材料を堆積するために使用され得る。ステップ1210に示されるように、動的な光アイソレーション材料が、ピクセルアレイ内のピクセルのピクセル側壁に取り付けられ得る。取り付けられるという用語が使用されているが、取り付けられるという用語は、その上に形成される、成長する、接続される、接触する等として適用され得ることが理解されよう。ステップ1220において、状態トリガが、動的な光アイソレーション材料において受け取られ得る。状態トリガは、信号又は特性の変化(温度変化等であるが、これに限定されない)であり得る。状態トリガは、マイクロプロセッサ又はコントローラの電子部品、ピクセルアレイ内のピクセル等によって提供してもよく、又はピクセルアレイ内の他のピクセルによって生成してもよい。ステップ1230において、動的な光アイソレーション材料の光学的状態は、受け取った状態トリガに基づいて変化し得る。光学的状態の変化は、動的な光アイソレーション材料が光学的状態の変化前に光と相互作用する方法とは異なる方法で光と相互作用するように動的な光アイソレーション材料を構成することができる。ステップ1240において、放出された光は動的な光アイソレーション材料において受け取ることができ、動的な光アイソレーション材料は、ステップ1250でのその光学的状態に基づいて光に影響を与えることができる。放出光は、動的な光アイソレーション材料が取り付けられるピクセルによって生成してもよく、又は別のピクセルによって生成してもよい。
【0026】
本明細書に開示される動的な光アイソレーション材料の結果として、ピクセルアレイの効率が向上し得る。動的な光アイソレーション材料が、所与のピクセルからの光がその側壁を介してピクセル同士の間のレーン内に、及びオフになっている隣接又は近接ピクセル内に放出されるのを防ぎ、意図しないクロス照明効果を緩和又は防止するため、クロストークを低減又は排除できる。さらに、動的な光アイソレーション材料は、セグメント化された光を放出するピクセルアレイのコントラストを改善し、それによって互いに隣接又は近接する2つ以上のピクセルの間に境界がより明確になり得る。
【0027】
あるいはまた、ピクセルアレイの効率は、隣接するピクセルに電源が投入されたとき等に、ピクセル同士の間の分離が低減又は排除された結果として改善され得る。動的な光アイソレーション材料は、光が側壁を通過できるように構成され得、それによってピクセルアレイ又はピクセルアレイのセグメントが、例えば、ピクセル同士の間のレーン内に及び隣接及び近接するピクセル内に光を放出することにより、より均一な光を放出し、均一又は勾配ベースの光の変化を提供するように構成され得る。
【0028】
図1Dのステップ1210によれば、図1Eにも示されるように、動的な光アイソレーション材料1320は、ピクセルアレイ1300内のピクセル1315の側壁に取り付けられ得る。図1A及び図1Bに示されるように、ピクセルは、300ミクロン以下の幅であり得、例えば100ミクロン幅又は80ミクロン幅であり得る。動的な光アイソレーション材料1320は、ピクセル同士の間に形成されたレーン内の全部又は一部のスペースを占めることができ、レーンは、例えば20ミクロン幅であってもよい。動的な光アイソレーション材料1320は、スクリーン印刷、コンタクト印刷、ドリップコーティング、スプレーコーティング、リソグラフィー等を含む任意の適用可能な技術を使用して、ピクセル1315の側壁に取り付けることができる。
【0029】
動的な光アイソレーション材料1320は、サーモクロミック材料、サーモトロピック材料、エレクトロクロミック材料、又はフォトクロミック材料であり得る。
【0030】
サーモクロミック材料は、温度変化の結果として光学特性を変化させることができ、具体的には、温度変化の結果として不透明状態から透明状態に変化し得る。サーモクロミック材料の光学特性の変化は可逆的であり得る。例えば、サーモクロミック材料は、材料の温度が温度Xを超えて上昇すると、光学的状態Aから光学的状態Bに変化し得る。温度が温度X又は別のしきい値温度Yを下回るように冷却されると、サーモクロミック材料は、光学的状態Aに戻ように変化する。サーモクロミック材料において変化し得る光学特性には、色の変化及びそれぞれの不透明度/透明度が含まれる。サーモクロミック材料は、ロイコ(leuco)染料を含み得、ロイコ染料は、構造化エポキシ、構造化ポリマー、又は均質構造化材料中に提供されて、動的な光アイソレーション材料1320を形成する。
【0031】
サーモクロミック材料は、しきい値温度でその光学的状態を変化させることができる。サーモクロミック材料は、染料吸収材料を含むことができ、それによってサーモクロミック材料に到達する光がその吸収材料と衝突し、結果としてサーモクロミック材料を通過して放出されるのを部分的又は完全に防止する。例えば、光は、吸収材料と衝突して光子を吸収し得、それにより、サーモクロミック材料を部分的又は完全に通過する代わりに、サーモクロミック材料に色を含む。従って、サーモクロミック材料は、光が材料を通過しない可能性があるため、不透明状態を示す。サーモクロミック染料は、構造化ポリマーのシェルであるカプセル内のワックス及び顕色剤でカプセル化することができる。ワックスが固体状態の場合に、顕色剤及び染料が会合し、サーモクロミック材料が着色し得る。ワックスは、しきい値温度で溶けるように構成することができ、吸収材料は、溶けたバインダーワックスに溶解するように構成することができる。サーモクロミック材料に到達する光が吸収材料と相互作用しないので、吸収材料の溶解は光学的状態の変化をもたらす。その結果、光はサーモクロミック材料を通過し、サーモクロミック材料を透明状態にすることができる。
【0032】
サーモトロピック材料は、温度変化の結果として光学特性を変化させることができ、特に温度変化の結果として光散乱特性を変化させることができる。サーモトロピック材料の光学特性の変化は可逆的であり得る。サーモトロピック材料は、シリコーン又は他の有機ポリマー中の金属酸化物ビーズ、シリコーン又は他の有機ポリマー中の多孔質金属酸化物ビーズ、シリコーン又はポリマーマトリックス中の相変化材料、シリコーン又はポリマーマトリックス中の液晶カプセル等を含み得る。サーモトロピック材料は、屈折率の変化に基づいて確立される光散乱変調を与えるように構成してもよい。一例として、サーモトロピック材料は、ワックスが固体である場合に高い散乱特性を示す結晶性パラフィンワックスを含み得る。ワックスは、しきい値温度で溶けるように構成され得、その結果、溶けたワックスは散乱特性が低いか又は全くないため、散乱が低くなる又は非散乱状態になる。
【0033】
サーモトロピック材料における光散乱変調は、例えば、高いdn/dtを有するシリコーン等の、有機ポリマーと、金属酸化物との混合物における温度の関数としての屈折率差の変化に基づいて確立することができる。あるいはまた、温度感受性液晶材料は、しきい値温度で等方相に転移し得る。あるいはまた、又はさらに、サーモトロピック材料は、その多孔質構造の結果として多数の界面を含む多孔質シリカ材料を含み得る。細孔は、例えばシリコーンで満たされ得、多孔質シリカを含むサーモトロピック材料は、材料の温度がしきい値温度に達すると、散乱状態から低散乱状態又は非散乱状態に変化し得る。シリコーンとシリカとの間の屈折率の差が小さくなるように、シリコーンの屈折率がしきい値温度で減少するため、散乱は減少し得、こうして、しきい値温度で又はしきい値温度を超えると、散乱が少なくなる。多孔質シリカは、50~1400nmの開気孔率を有し得る。
【0034】
代替構成では、サーモトロピック材料は、塩の水和及び脱水特性に基づいて散乱特性を変化させるように構成される塩を含み、それによって、より高い温度で塩を脱水させ、より高い散乱をもたらすことができる。
【0035】
エレクトロクロミック材料は、エレクトロクロミック材料に印可された電荷の結果として光学特性を変化させて、電気化学的レドックス(redox)反応を生じさせ得る。エレクトロクロミック材料の光学特性の変化は可逆的であり得る。エレクトロクロミック材料は、酸化タングステンを含む遷移金属酸化物、NiO材料、ポリアニリン、ビオロゲン、ポリオキソタングステート等を含み得る。エレクトロクロミック材料は、電荷が材料に印可された結果として、透明状態、不透明状態、又は反射状態への変化を含むように光学特性を変化させ得る。一例として、エレクトロクロミック材料に関連して電極に電圧が印加されると、イオンは、ある電極位置から別の電極位置に移動し得る。移動により、エレクトロクロミック材料内の粒子が透明状態から反射状態に変化し得る。あるいはまた、又はさらに、エレクトロクロミック材料は、電流がダイを通過するときに状態を変化させるダイ(die)を含み得る。
【0036】
フォトクロミック材料は、フォトクロミック材料に適用される光強度の変化の結果として光学特性を変化させ得る。具体的には、フォトクロミック材料は、材料に適用された光の変化の結果として、非透明状態から透明状態に変化し得る。フォトクロミック材料の光学特性の変化は可逆的であり得る。例えば、フォトクロミック材料は、紫外光が材料内に放出されると、光学的状態Aから光学的状態Bに変化し得る。紫外光が取り除かれると、フォトクロミック材料は、光学的状態Aを示す状態に戻り得る。特定の例として、フォトクロミック材料は、材料に光が入射しない場合に、不透明状態を示し得る。ピクセルが活性化されてピクセルが青色光を放出するとき、青色光はフォトクロミック材料に到達し、フォトクロミック材料はその光学的状態を透明状態に変化させて、ピクセルからの光が材料を通して発光するようにする。
【0037】
動的な光アイソレーション材料1320は、ピクセルの発光構成要素の全て又は一部、及びピクセルの波長変換層の全て又は一部に取り付けられるように、ピクセル側壁に取り付けられ得る。例示的なピクセルアレイが図1Iに示されており、且つここでより詳細に説明される。
【0038】
図1Dのステップ1220において、図1E及び3bに示されるように、状態トリガは、動的な光アイソレーション材料1320において受け取られ得る。状態トリガは、条件、特性変化、信号等であり得、且つ光学的アドレス指定、電気的アドレス指定、又は温度変化等の形態で受け取られ得る。光学的アドレス指定は、動的な光アイソレーション材料上にUV光を放出する等の光ベースのトリガであり得る。電気的アドレス指定は、動的な光アイソレーション材料に印加される電圧又は電流に基づき得る。温度変化は、加熱又は冷却構成要素によって、又はスイッチがオンにされたときに隣接又は近接するピクセルを含むピクセルアレイ構成要素によって生成された熱によって引き起こされ得る。
【0039】
状態トリガは、第1の材料の状態トリガが第2の材料の状態トリガではないように、動的な光アイソレーション材料に依存し得る。一例として、しきい値温度Xへの温度上昇は、サーモクロミック性の動的な光アイソレーション材料の状態トリガとなり得るが、エレクトロクロミック性の動的な光アイソレーション材料の状態トリガとなり得ない。あるいはまた、例として、電荷の印可は、エレクトロクロミック性の動的な光アイソレーション材料の状態トリガとなり得るが、同じ電荷の印可は、サーモクロミック性の動的な光アイソレーション材料の状態トリガとなり得ない。
【0040】
状態トリガは、明示的に提供してもよいし、暗黙的に提供してもよい。明示的に提供される状態トリガは、明示的な状態トリガを提供するように構成されたピクセル又は外部マイクロコントローラ、センサ、又は任意のコンポーネントによって開始され得る。一例として、マイクロコントローラは、エレクトロクロミック性の動的な光アイソレーション材料に印可される電荷を開始するように構成され得る。マイクロコントローラは、動的な光アイソレーション材料の光学的状態を変化させるための信号又は決定に基づいて、電荷を開始することができる。別の例として、UV発光素子は、動的な光アイソレーション材料の光学的状態を変化させるための信号又は決定に基づいて、フォトクロミック材料においてUV光を放出し得る。
【0041】
条件の変化の結果として、暗黙的に提供される状態トリガが開始され得る。一例として、ピクセルアレイ内の第1のピクセル行は、非活性化モードから活性化モードに変化し得る。活性化モードのピクセルは、発光の副産物として熱を発生させ得る。熱により、温度Xを超える温度上昇が生じる可能性があり、第1のピクセル行に隣接する第2のピクセル行に取り付けられたサーモトロピック性の動的な光アイソレーション材料に状態トリガを提供する。隣接するピクセルが光学的状態を変化させるための状態トリガを提供するべく、しきい値温度Xを超えて温度を上昇させるしきい値量の熱を生成するために、複数のピクセルが必要になり得る。
【0042】
ピクセルに取り付けられた動的なアイソレーション材料に関する暗黙的な状態トリガは、ピクセル自体によって与えてもよい。一例として、所与のピクセルによって生成された熱は、活性化されると、その熱が動的な光アイソレーション材料の温度を、しきい値温度Xを発生させる状態トリガを超えて上昇させる可能性があるので、暗黙的な状態トリガを提供することができる。例として、温度Xは、40℃~150℃の間であり得る。
【0043】
ピクセルに取り付けられた動的なアイソレーション材料に関する暗黙的な状態トリガは、ピクセル自体と1つ又は複数の隣接又は近接ピクセルとの組合せによって提供することができる。例として、所与のピクセルだけで生成された熱は、活性化されたとき、その動的なアイソレーション材料の温度を、しきい値温度Xを超えて上昇させるのに十分ではない可能性がある。しかしながら、活性化されたピクセルによって生成された熱と隣接するピクセルによって生成された熱との組合せは、動的な光アイソレーション材料の温度を、しきい値温度Xを発生させる状態トリガを超えて上昇させ得る。さらに、隣接又は近接ピクセルの動的な光アイソレーション材料が同じ特性を有する場合に、そのようなピクセルの動的な光アイソレーション材料は、それぞれ、同じ状態トリガに基づいて光学的状態を変化させることができる。
【0044】
図1Dのステップ1230において、動的な光アイソレーション材料の光学的状態は、受け取った状態トリガに基づいて変化し得る。光学的状態の変化は、動的な光アイソレーション材料が、透明状態、非透明又は吸収状態、散乱状態、非散乱状態、又は反射状態等の1つ又は複数の状態の間で切り替わる結果となり得る。光学的状態の変化は、第1の状態から第2の状態への実質的な変化であり得るが、全か無か(all-or-nothing)のバイナリのオン/オフ指定である必要はないことが理解されよう。例えば、動的な光アイソレーション材料は、材料が95%透明であるように、不透明状態から透明状態に変化し得る。特に、動的な光アイソレーション材料は、依然として光の5%が放出されるのを防ぎ得るが、材料が実質的に透明であることが理解されよう。本明細書では非限定的な95%/5%の例が使用されるが、状態の変化のパーセンテージ又は基準は、動的な光アイソレーション材料のタイプ、光学的状態、又はピクセルアレイの用途等に依存し得ることも理解されよう。
【0045】
図1Eは、ピクセル1315を有するピクセルアレイ1300を示しており、ピクセル1315は、動的な光アイソレーション材料1320を含む側壁を有する。図1Eの動的な光アイソレーション材料1320は、暗い動的な光アイソレーション材料1320によって表されるように不透明状態であり得る。状態トリガは、動的な光アイソレーション材料において受け取られ得、状態トリガは、例えば、しきい値温度Xまで加熱される動的な光アイソレーション材料であり得る。状態トリガは、動的な光アイソレーション材料1320でのしきい値温度Xへの明示的な温度上昇であり得、加熱機構によって引き起こされ得る。あるいはまた、状態トリガは、ピクセル1315が活性化され、ピクセルによって放散された熱によって光アイソレーション材料1320の温度をしきい値温度Xに到達させ得るような暗黙的なトリガであり得る。
【0046】
図1Fは、動的な光アイソレーション材料1320の光によって表されるような、動的な光アイソレーション材料1320が透明状態であるピクセルアレイを示す。図1Eの不透明状態から図1Fの透明状態への変化は、動的な光アイソレーション材料1320の温度がしきい値温度Xを超えて到達したことの暗黙的又は明示的な状態トリガの結果であり得る。
【0047】
図1Gは、マトリクス状に配置された複数のピクセルを含むピクセルアレイ1400を示す。マトリクスピクセル配置が示されているが、本開示は、互いに隣接又は近接するピクセルを含むように構成された任意のピクセルアレイに適用してもよいことが理解されよう。ピクセルアレイ1400は、アレイの異なるセグメントが互いに独立して動作され得るようにセグメント化され得る。一例として、図1Gに示されるように、ピクセルアレイ1400は、独立して動作する3つのセグメント1410、1420、及び1430を含み得る。この例では特定のセグメントが示されているが、特定のセグメントを所与の用途に利用でき、且つ別の用途のために同じピクセルアレイをセグメント毎に異なるピクセルで異なる方法でセグメント化できるようにセグメントの配置を動的にすることができる。
【0048】
一例として、ピクセルアレイ1400は、自動車の前向き(front facing)照明システムに対応し得る。動的な光アイソレーション材料1415、1425、及び1435は、サーモクロミック材料を含み得る。ピクセルアレイは、対向車の位置を検出するように構成された自動車センサから入力を受け取り、対向車に又は対向車に向けて光を放出せずに、ピクセルアレイから放出された光が運転者のシーンを照らすようにピクセルを活性化させ得る。自動車センサからの入力に基づいて、セグメント1410及び1420のピクセルが活性化され得、セグメント1430のピクセルが非活性化され得る。動的な光アイソレーション材料1415、1425、及び1435は、しきい値温度X未満の不透明状態からしきい値温度X以上の透明状態に変化するように構成されたサーモクロミック材料であり得る。セグメント1410及び1420の活性化ピクセルは、動的な光アイソレーション材料1415及び1425の温度がしきい値温度Xまで上昇するように熱を発生させ得る。セグメント1430内の非活性化ピクセルに隣接する動的な光アイソレーション材料1435の温度は、しきい値温度X未満のままであり得る。その結果、図1Gに示されるように、動的な光アイソレーション材料1415及び1425は、不透明な光学的状態から透明な光学的状態に変化し得る。動的な光アイソレーション材料1435は、不透明な光学的状態のままであり得る。この構成により、発光素子からの光が活性化ピクセルの側壁を通過して隣接又は近接ピクセルに向かうことができるので、セグメント1410及び1420によってより均一な光を放出することができる。この構成により、セグメント1410及び1420の活性化ピクセルとセグメント1430の非活性化ピクセルとの間にクロストークがないように、セグメント1410及び1420のエッジで鋭いコントラストを提供することもできる。
【0049】
別の例として、ピクセルアレイ1400は、街路灯パネルに対応し得る。動的な光アイソレーション材料1415、1425、及び1435は、フォトクロミック材料を含み得る。さらに、動的な光アイソレーション材料1415、1425、及び1435は、UV光が放出されないときの不透明状態からUV光が放出されるときの透明状態に変化するように構成されたフォトクロミック材料であり得る。ピクセルアレイは、対応する通りの歩行者の交通パターンに基づいて、どのピクセルセグメントを照らすべきかに関する入力をコントローラから受け取ることができる。コントローラからの入力に基づいて、UV発光素子は、セグメント1410及び1420のピクセルでUV光を放出することができ、UV光は、セグメント1430のピクセルでは放出されない。結果として、図1Gに示されるように、動的な光アイソレーション材料1415及び1425は、不透明な光学的状態から透明な光学的状態に変化し得る。動的な光アイソレーション材料1435は、不透明な光学的状態のままであり得る。この構成により、発光素子からの光が活性化ピクセルの側壁を通過して隣接又は近接ピクセルに向かうことができるので、セグメント1410及び1420によってより均一な光を放出することができる。この構成により、セグメント1410及び1420の活性化ピクセルとセグメント1430の非活性化ピクセルとの間にクロストークがないように、セグメント1410及び1420のエッジで鋭いコントラストを提供することもできる。
【0050】
図1Hに示されるように、複数の動的な光アイソレーション材料1521及び1522は、ピクセル1510の側壁に取り付けられ得る。複数の動的な光アイソレーション材料1521及び1522は、例えばサーモトロピック材料及びサーモクロミック材料等の異なるタイプの材料であり得る。あるいはまた、複数の動的な光アイソレーション材料1521及び1522は、異なる光学特性を有する同じタイプの材料であってもよい。一例として、材料1521及び1522は両方とも、材料1521が材料1522よりも低いしきい値温度で光学的状態を変化させることができるように、サーモクロミックであり得る。複数の動的な光アイソレーション材料によって、単一の材料と比べたときに、より精密な光制御が可能になる。一例として、材料1521はサーモクロミックであり得、材料1522はサーモトロピックであり得る。温度Xは、サーモクロミック材料1521が透明状態に変化し、サーモトロピック材料1522が非散乱状態に変化することができるように、材料1521及び1522と両方の状態トリガであり得る。透明状態及び非散乱状態は、ピクセル1510によって放出された光が、側壁を通って、他の隣接又は近接するピクセルに向けて出るのを可能にし得る。温度X未満の温度の低下は、材料1521及び材料1522の両方の第2の状態トリガを開始し、サーモクロミック材料1521が不透明状態に入り、サーモトロピック材料1522が反射状態に入り得る。サーモクロミック材料1521の不透明状態は、ピクセル1510によって放出された光が側壁を介してピクセルを出るのを防ぐことができる。サーモトロピック材料1522の反射状態は、光が材料1522に到達したときに、隣接するピクセルによって放出された光をピクセル1510から離れる方向に反射させることができる。2つの動的な光アイソレーション材料の結果として生じる複合効果は、外部光がピクセル1510の側壁から離れる方向に放出され、内部光がその側壁を介してピクセル1510を出ないようにし得る。
【0051】
一実施形態によれば、複数の動的な光アイソレーション材料1530及び1531が、ピクセル1510の非側壁面(例えば、上面、底面等)に取り付けられ得る。複数の動的な光アイソレーション材料1530及び1531は、図示されるように、単一の層又は材料であり得るか、又は異なる材料であり得る。複数の動的な光アイソレーション材料1530及び1531は、材料1521及び1522と同時に、又は異なる時間に堆積され得る。複数の動的な光アイソレーション材料1530及び1531は、例えばサーモトロピック材料及びサーモクロミック材料等の異なるタイプの材料であってもよい。あるいはまた、複数の動的な光アイソレーション材料1530及び1531は、異なる光学特性を有する同じタイプの材料であってもよい。一例として、動的な光アイソレーション材料1530及び1531は両方とも、動的な光アイソレーション材料1531が材料1530よりも低いしきい値温度で光学的状態を変化させることができるように、又はその逆であるように、サーモクロミックであり得る。複数の動的な光アイソレーション材料1530及び1531は、クロストークを低減させることができ、及び/又はピクセル1510のオン状態とオフ状態との間で交互に使用することができる。
【0052】
図1Iは、本明細書に開示される技術に従って製造されたピクセル1675と、GaN層1650、活性領域1690、はんだ1680、及びパターンサファイア基板(PSS)パターン1660を含む発光デバイス1670とを含む、ピクセルアレイ1600の例を示す。図示されるように、波長変換層1620は、発光デバイス1670上に取り付けられ得る。
【0053】
波長変換層は、光の1つ又は複数の特性を変換するように構成された材料を含み得る。波長変換層は、限定はしないが、その波長、その位相等の光の特性を変換することができる。波長変換層は、波長変換層内の1つ又は複数の粒子と入射光との衝突、それに続く光子放出に基づいて、光の特性を変換することができる。
【0054】
波長変換層は、希土類イオンによる活性化を踏含む又は含まない蛍光体粒子、蛍光体分散ガラス(PiG)、蛍光体分散シリコン、セラミック蛍光体、ホウ酸亜鉛バリウム、(Y,Gd)(AlGa)12:Ce等のCe(III)でドープされたガーネット材料、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム(AlON)、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、立方晶ジルコニア、ダイヤモンド、ガドリニウムガリウムガーネット(GGG)、ジルコン酸チタン酸ランタン鉛(PLZT)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、サファイア、シリコン酸窒化アルミニウム(SiAlON)、炭化シリコン、酸窒化シリコン(SiON)、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、及びテルル化亜鉛、ダイヤモンド、炭化ケイ素(SiC)、単結晶窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、又は透明、半透明、又は散乱セラミック、光学ガラス、高屈折率ガラス、サファイア、アルミナ、リン化ガリウム等のIII-V族半導体、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、及びテルル化亜鉛等のII-VI族半導体、IV族半導体及び化合物、金属酸化物、金属フッ化物、以下のいずれかの酸化物(アルミニウム、アンチモン、ヒ素、ビスマス、カルシウム、銅、ガリウム、ゲルマニウム、ランタン、鉛、ニオブ、リン、テルル、タリウム、チタン、タングステン、亜鉛、又はジルコニウム)、多結晶酸化アルミニウム(透明アルミナ)、酸窒化アルミニウム(AlON)、立方晶ジルコニア(CZ)、ガドリニウムガリウムガーネット(GGG)、リン化ガリウム(GaP)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸窒化シリコンアルミニウム(SiAlON)、炭化シリコン(SiC)、酸窒化シリコン(SiON)、チタン酸ストロンチウム、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、硫化亜鉛(ZnS)、スピネル、ショットグラスLaFN21、LaSFN35、LaF2、LaF3、LaF10、NZK7、NLAF21、LaSFN18、SF59、又はLaSF3、OharaガラスSLAM60又はSLAH51等の適用可能な発光又は光散乱材料を含むことができ、及び窒化物発光材料、ガーネット発光材料、オルトケイ酸塩発光材料、SiAlON発光材料、アルミン酸塩発光材料、酸窒化物発光材料、ハロゲン化物発光材料、酸ハロゲン化物発光材料、硫化物発光材料及び/又は酸硫化物発光材料、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛から選択されるコア材料を含む発光量子ドットを含むことができ、SrLiAl:Eu(II)(ストロンチウム-リチウム-窒化アルミニウム:ユーロピウム(II))クラス、Eu(II)ドープ化窒化物蛍光体((Ba,Sr,Ca)Si-xAlxOxN:Eu,(Sr,Ca)SiAlN3:Eu、又はSrLiAl:Eu、又はそれらの任意の組合せから選択され得る。
【0055】
動的な光アイソレーション材料1630は、波長変換層1620に適用してもよい。波長変換層1620は、パターンサファイア基板(PSS)パターン1660を介してGaN層1650上に取り付けられ得る。GaN層1650は、活性領域1690に接合され又は活性領域1690の上で成長され、発光デバイス1670をはんだ780に接続することができる。動的な光アイソレータ材料1640を、GaN層1650の側壁に適用することもできる。
【0056】
例として、図1Iのピクセル1675は、図1Aのピクセル111に対応し得る。具体的には、図1Aに示されるように、ピクセル111は、波長変換層1620が発光デバイス1670上に取り付けられた後の図1Iのピクセル1675に対応し得る。ピクセル111又は1675が活性化されると、ピクセルのそれぞれの活性領域1690は、光を生成することができる。光は、波長変換層1620を通過し得、且つ波長変換層1620の表面から実質的に放出され得る。動的な光アイソレーション材料1630及び/又は1640に到達する光は、材料が透明状態の場合に、動的な光アイソレーション材料1630及び/又は1640を通過し得る。あるいはまた、又はさらに、光は、動的な光アイソレーション材料1630及び/又は1640の光学的状態に基づいて、変更、吸収、反射、又は他に変更され得る。
【0057】
図2Aは、一実施形態における、LEDデバイスの取付け領域318で基板に取り付けられたLEDアレイ410を含む電子回路基板の上面図である。電子回路基板は、LEDアレイ410と共に、LEDシステム400Aを表す。さらに、電源モジュール312は、Vin497での電圧入力と、トレース418Bを介して接続及び制御モジュール316からの制御信号とを受け取り、トレース418Aを介してLEDアレイ410に駆動信号を与える。LEDアレイ410は、電源モジュール312からの駆動信号を介してオン及びオフにされる。図2Aに示される実施形態おいて、接続及び制御モジュール316は、トレース418Cを介してセンサモジュール314からセンサ信号を受け取る。LEDアレイ410内のピクセルは、図1Dのステップに従って及び図1E図1Hに示されるように、形成することができる。
【0058】
図2Bは、回路基板499の2つの面に電子部品が取り付けられた2チャネル統合型LED照明システムの一実施形態を示している。図2Bに示されるように、LED照明システム400Bは、調光器信号及びAC電力信号を受け取るための入力と、それに取り付けられたAC/DCコンバータ回路412とを有する第1の面445Aを含む。LEDシステム400Bは、調光器インターフェイス回路415、DC-DCコンバータ回路440A及び440B、マイクロコントローラ472を有する接続及び制御モジュール416(この例では無線モジュール)、及びその上に取り付けられたLEDアレイ410を有する第2の面445Bを含む。LEDアレイ410は、2つの独立したチャネル411A及び411Bによって駆動される。代替実施形態では、単一のチャネルを使用して駆動信号をLEDアレイに与えるか、又は任意数の複数のチャネルを使用して駆動信号をLEDアレイに与えることができる。
【0059】
LEDアレイ410は、2つのグループのLEDデバイスを含み得る。例示的な実施形態では、グループAのLEDデバイスは第1のチャネル411Aに電気的に結合され、グループBのLEDデバイスは第2のチャネル411Bに電気的に結合される。2つのDC-DCコンバータ440A及び440Bのそれぞれは、LEDアレイ410内のそれぞれのLEDグループA及びBを駆動するために、単一のチャネル411A及び411Bをそれぞれ介したそれぞれの駆動電流を供給し得る。LEDのグループ内の1つにおけるLEDは、第2のLEDグループ内のLEDとは異なるカラーポイントを有する光を放出するように構成され得る。LEDアレイ410によって放出される光の複合カラーポイントの制御は、単一のチャネル411A及び411Bをそれぞれ介して個々のDC-DCコンバータ回路440A及び440Bによって印可される電流及び/又はデューティサイクルを制御することによって、範囲内で調整され得る。図2Bに示される実施形態が(図2Aに記載されるような)センサモジュールを含まないが、代替実施形態は、センサモジュールを含み得る。
【0060】
図示のLED照明システム400Bは、LEDアレイ410及びLEDアレイ410を動作させるための回路が単一の電子回路基板上に設けられる統合システムである。回路基板499の同じ面上のモジュール同士の間の接続は、例えば、トレース431、432、433、434、及び435又はメタライゼーション(図示せず)等の表面又は表面下相互接続によって、モジュール同士の間の電圧、電流、及び制御信号を交換するために電気的に結合され得る。回路基板499の対向する表面上のモジュール同士の間の接続は、ビア及びメタライゼーション(図示せず)等の基板相互接続を介して電気的に結合され得る。
【0061】
実施形態によれば、LEDシステムは、LEDアレイがドライバ及び制御回路とは別の電子回路基板上にある場合に提供され得る。他の実施形態によれば、LEDシステムは、ドライバ回路とは別の電子回路基板上のいくつかの電子回路と共にLEDアレイを有し得る。例えば、LEDシステムは、LEDアレイとは別の電子回路基板上に配置された電力変換モジュール及びLEDモジュールを含み得る。
【0062】
実施形態によれば、LEDシステムは、マルチチャネルLEDドライバ回路を含み得る。例えば、LEDモジュールは、埋め込まれたLED較正及び設定データ、及び例えば3つのLEDグループを含み得る。当業者は、任意数のLEDグループを1つ又は複数の用途と一致して使用し得ることを認識するであろう。各グループ内の個々のLEDは、直列又は並列に配置してもよく、異なるカラーポイントを有する光が提供され得る。例えば、暖色系の白色光が第1のLEDグループによって提供され得、寒色系の白色光が第2のLEDグループによって提供され得、そしてニュートラルな白色光が第3のグループによって提供され得る。
【0063】
図2Cは、車両電源302及びデータバス304を含む例示的な車両ヘッドランプシステム300を示す。センサモジュール307は、データバス304に接続されて、環境条件(例えば、周囲の光条件、温度、時間、雨、霧等)、車両の状態(駐車中、移動中、速度、方向)、他の車両、歩行者、物体の存在/位置等に関するデータを提供することができる。センサモジュール307は、図2Aのセンサモジュール314と同様又は同じであってもよい。AC/DCコンバータ305は、車両電源302に接続され得る。アクティブヘッドランプ330内のピクセルは、図1Dのステップに従って及び図1E図1Hに示されるように、形成され得る。
【0064】
図2Cの電源モジュール312(AC/DCコンバータ)は、図2BのAC/DCコンバータ412と同じ又は同様であり得、車両電源302からAC電力を受け取り得る。この電源モジュール312は、AC/DCコンバータ412に関して図2Bに記載されるように、AC電力をDC電力に変換することができる。車両ヘッドランプシステム300は、AC/DCコンバータ305、接続及び制御モジュール306、及び/又はセンサモジュールによって又はこれらに基づいて提供される1つ又は複数の入力を受け取るアクティブヘッドランプ330を含むことができる。一例として、センサモジュール307は、歩行者が十分に明るくされないように歩行者の存在を検出することができ、これにより、運転者が歩行者を見る可能性を低減することができる。このようなセンサ入力に基づいて、接続及び制御モジュール306は、AC/DCコンバータ305から供給される電力を使用してアクティブヘッドランプ330にデータを出力し、出力データがアクティブヘッドランプ330内に含まれるLEDアレイのLEDのサブセットを活性化することができる。LEDアレイ内のLEDのサブセットは、活性化されると、センサモジュール307が歩行者の存在を感知した方向に光を放出することができる。これらのLEDのサブセットは、歩行者が車両のヘッドランプシステムを含む車両の経路にもはやいないことを確認する更新されたデータをセンサモジュール207が提供した後に、非活性化され得るか、そうでなければそれらの光ビーム方向が変更され得る。
【0065】
図3は、アプリケーション・プラットフォーム1360、LEDシステム552及び556、及び光学系554及び558を含む例示的なシステム1350を示す。LEDシステム552及び556のアレイ内のピクセルは、図1Dのステップに従って及び図1E図1Hに示されるように形成され得る。LEDシステム552は、矢印5161aと5161bとの間に示される光ビーム5161を生成する。LEDシステム556は、矢印5162aと5162bとの間に光ビーム5162を生成することができる。図3に示される実施形態では、LEDシステム552から放出された光は二次光学系554を通過し、LEDシステム556から放出された光は二次光学系558を通過する。代替実施形態では、光ビーム5161及び5162はいかなる二次光学系も通過しない。二次光学系は、1つ又は複数の光ガイドであり得るか、又はそれを含み得る。1つ又は複数の光ガイドは、エッジ部が照らされてもよく、又は光ガイドの内部エッジを規定する内部開口部を有してもよい。LEDシステム552及び/又は556は、1つ又は複数の光ガイドの内部開口部に挿入され、それによって、それらLEDシステム552及び/又は556が、1つ又は複数の光ガイドの内部エッジ(内部開口光ガイド)又は外部エッジ(エッジ部が照らされる光ガイド)に光を注入するようにできる。LEDシステム552及び/又は556のLEDは、光ガイドの一部であるベースの周囲に配置してもよい。一実施態様によれば、ベースは熱伝導性であってもよい。一実施態様によれば、ベースは、光ガイドの上に配置される放熱要素に結合してもよい。放熱要素は、LEDによって生成された熱を熱伝導性ベースを介して受け取り、受け取った熱を放散するように構成することができる。1つ又は複数の光ガイドは、LEDシステム552及び556によって放出された光を、例えば、勾配、面取り分布、狭い分布、広い分布、角度分布等の所望の方法で成形することを可能にする。
【0066】
例示的な実施形態では、システム1350は、カメラフラッシュシステムの携帯電話、屋内の住宅用又は商業用の照明、街路照明等の屋外の照明、自動車、医療装置、AR/VR装置、及びロボット装置であり得る。図2Aに示されるLEDシステム400A及び図2Cに示される車両ヘッドランプシステム300は、例示的な実施形態におけるLEDシステム552及び556を示す。
【0067】
本明細書で説明するように、アプリケーション・プラットフォーム1360は、ライン5165又は他の適用可能な入力を介して電力バスを介してLEDシステム552及び/又は556に電力を供給することができる。さらに、アプリケーション・プラットフォーム1360は、LEDシステム552及びLEDシステム556の動作のためにライン5165を介して入力信号を与えることができ、その入力は、ユーザ入力/好み、感知された読取り、予めプログラムされた又は自律的に決定された出力等に基づき得る。1つ又は複数のセンサは、アプリケーション・プラットフォーム1360のハウジングの内部又は外部にあってもよい。あるいはまた、又はさらに、図2AのLEDシステム400に示されるように、各LEDシステム552及び556は、それ自体のセンサモジュール、接続及び制御モジュール、電源モジュール、及び/又はLEDデバイスを含み得る。
【0068】
実施形態では、アプリケーション・プラットフォーム1360のセンサ及び/又はLEDシステム552及び/又は556のセンサは、視覚データ(例えば、LIDARデータ、IRデータ、カメラを介して収集されたデータ等)、オーディオデータ、距離ベースのデータ、移動データ、環境データ等、又はこれらの組合せ等のデータを収集することができる。データは、物体、個人、車両等の物理的なアイテム又はエンティティに関連し得る。例えば、感知機器は、ADAS/AVベースのアプリケーションの物体の近接データを収集でき、このデータは、物理的なアイテム又はエンティティの検出に基づいて、検出及びその後の動作に優先順位を付けることができる。データは、例えばLEDシステム552及び/又は556によってIR信号等の光信号を発することに基づいて収集され、発せられた光信号に基づいてデータが収集される。データは、データ収集のために光信号を発するコンポーネントとは異なるコンポーネントによって収集されもよい。例を続けると、感知機器は自動車に配置してもよく、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)を使用してビームを放出してもよい。1つ又は複数のセンサは、放出されたビーム又は他の任意の適用可能な入力に対する応答を感知することができる。
【0069】
例示的な実施形態では、アプリケーション・プラットフォーム1360は自動車を表すことができ、LEDシステム552及びLEDシステム556は自動車のヘッドライトを表すことができる。様々な実施形態において、システム1350は、LEDを選択的に活性化させて操縦可能な光を提供することができる操縦可能な光ビームを備えた自動車を表すことができる。例えば、LEDのアレイを使用して、形状又はパターンを規定又は投影するか、又は道路の選択された部分のみを照明することができる。例示的な実施形態では、LEDシステム552及び/又は556内の赤外線カメラ又は検出器ピクセルは、照明を必要とするシーンの一部(道路、歩行者、交差点等)を識別するセンサ(例えば、図2A及び図2Cのセンサモジュール314及び307と同様)であり得る。
【0070】
実施形態を詳細に説明してきたが、当業者は、本説明が与えられると、本発明の概念の趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に変更を加えることができることを理解するであろう。従って、本発明の範囲を、図示及び説明された特定の実施形態に限定することは意図していない。特徴及び要素について特定の組合せで上に説明したが、当業者は、各特徴又は要素を、単独で、又は他の特徴及び要素との任意の組合せで使用し得ることを理解するだろう。さらに、本明細書で説明する方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアで実装され得る。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が含まれる。コンピュータ可読記憶媒体の例には、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク等の磁気媒体、光磁気媒体、CD-ROMディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)等の光媒体が含まれるが、これらに限定されるものではない。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2A
図2B
図2C
図3