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特許7337094固体撮像装置、固体撮像方法および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】固体撮像装置、固体撮像方法および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20230825BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230825BHJP
   H04N 23/611 20230101ALI20230825BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20230825BHJP
【FI】
H04N23/60 300
G03B15/00 Q
H04N23/611
H04N25/70
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020559919
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 JP2019045745
(87)【国際公開番号】W WO2020116197
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2018229603
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥池 和幸
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157936(JP,A)
【文献】特開2018-107538(JP,A)
【文献】特開2016-038621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 15/00
H04N 23/611
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の撮像画像を撮像する撮像部と、
第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御する送信制御部と、
前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行う第1の認証部と、
を備え
前記送信制御部は、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、
固体撮像装置。
【請求項2】
前記第1の認証部は、機械学習済みの第1のニューラルネットワークを含んで構成される、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記第2の撮像画像の送信先に、機械学習済みの第2のニューラルネットワークを含んで構成された第2の認証部が存在し、
前記第1の認証部は、前記第2の認証部によって前記第2の撮像画像に基づく第2の認証が成功した場合、前記第2のニューラルネットワークの第2のパラメータに基づいて前記第1のニューラルネットワークの第1のパラメータを更新する、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記固体撮像装置は、複数の半導体チップを含んで構成され、
前記第1の認証部は、前記複数の半導体チップのうち、前記撮像部を含む第1の半導体チップとは異なる第2の半導体チップに含まれる、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記第1の認証部は、前記第2の半導体チップに含まれるDSPによって実現される、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記固体撮像装置は、前記撮像部からの出力信号に対して信号処理を行う信号処理部を備え、
前記信号処理部は、前記複数の半導体チップのうち、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップとは異なる第3の半導体チップ、または、前記第2の半導体チップに含まれる、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記複数の半導体チップのうち、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップとは異なる第3の半導体チップ、または、前記第2の半導体チップに含まれる、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記送信制御部は、前記第1の特徴量が前記記憶部に記憶されてからの経過時間が所定時間を超えている場合、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を停止する、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記送信制御部は、前記第2の撮像画像から前記被写体の第2の動作を検出した場合、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を停止する、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記送信制御部は、再帰型ニューラルネットワークを用いて前記第2の動作を検出する、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記第1の特徴量および前記第2の特徴量は、機械学習済みの第3のニューラルネットワークを用いて抽出される、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記記憶制御部は、前記第1の動作が検出されたことに基づいて、前記第1の特徴量を抽出して前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記記憶制御部は、前記第1の動作が検出されなかったことに基づいて、前記第1の特徴量を抽出して前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
前記送信制御部は、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの、アプリケーション、サーバ装置または外部記録媒体への送信を制御する、
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記第1の認証が成功した場合、前記第1の認証によって得られたデータに基づく処理が実行される、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記第1の認証によって得られたデータは、前記第2の撮像画像から識別される被写体の識別情報を含む、
請求項15に記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記第2の認証が成功した場合、前記第2の認証によって得られたデータに基づく処理が実行される、
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項18】
第1の撮像画像を撮像することと、
プロセッサが、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させ、第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御することと、
プロセッサが、前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行うことと、
含み、
前記制御することは、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、
固体撮像方法。
【請求項19】
アプリケーションと、
第1の撮像画像を撮像する撮像部と、
第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させ、前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの前記アプリケーションへの送信を制御する送信制御部と、
前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行う第1の認証部と、
を備え
前記送信制御部は、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置、固体撮像方法および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラによって撮影される人物(以下、「被写体」とも言う。)のプライバシー保護を強化するための技術が知られている。例えば、撮影者の意図しないときに携帯電話のインカメラを用いて撮影者が撮影されてしまうことを防ぐために、インカメラが動作中である場合には、インカメラが動作中であることを通知する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-133624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カメラによって撮影される人物のプライバシー保護をより強化することが可能な技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、第1の撮像画像を撮像する撮像部と、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御する送信制御部と、前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行う第1の認証部と、を備え、前記送信制御部は、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、固体撮像装置が提供される。
【0006】
本開示によれば、第1の撮像画像を撮像することと、プロセッサが、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させ、第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御することと、プロセッサが、前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行うことと、含み、前記制御することは、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、固体撮像方法が提供される。
【0007】
本開示によれば、アプリケーションと、第1の撮像画像を撮像する撮像部と、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させ、前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの前記アプリケーションへの送信を制御する送信制御部と、前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行う第1の認証部と、を備え、前記送信制御部は、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る固体撮像システムの構成例を示す図である。
図2】イメージセンサの構造の第1の例を示す図である。
図3】イメージセンサの構造の第2の例を示す図である。
図4】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像システムの詳細構成例を示す図である。
図5】信号処理部の詳細構成例を示す図である。
図6】ローカル認証部の詳細構成例を示す図である。
図7】データ送信判断部の詳細構成例を示す図である。
図8】本開示の第1の実施形態に係るイメージセンサの動作例を示すフローチャートである。
図9】同実施形態に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図10】送信可を示すジェスチャの例を示す図である。
図11】同実施形態の変形例1に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図12】同実施形態の変形例2に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図13】送信不可を示すジェスチャの例を示す図である。
図14】同実施形態の変形例3に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図15】同実施形態の変形例4に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。
図16】本開示の第2の実施形態に係る固体撮像システムの詳細構成例を示す図である。
図17】同実施形態に係るイメージセンサの動作例を示すフローチャートである。
図18】本開示の第3の実施形態に係る固体撮像システムの詳細構成例を示す図である。
図19】本開示の第4の実施形態に係る固体撮像システムの詳細構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、同一または類似する機能構成を有する複数の構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、同一または類似する機能構成を有する複数の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
0.概要
1.実施形態の詳細
1.1.システム構成例
1.2.イメージセンサの構成例
1.3.第1の実施形態
1.4.第2の実施形態
1.5.第3の実施形態
1.6.第4の実施形態
2.むすび
【0012】
<0.概要>
近年、カメラによって撮影される人物(以下、「被写体」とも言う。)のプライバシー保護を強化するための技術が知られている。例えば、撮影者の意図しないときに携帯電話のインカメラを用いて撮影者が撮影されてしまうことを防ぐために、インカメラが動作中である場合には、インカメラが動作中であることを通知する技術が開示されている。しかし、カメラによって撮影される人物のプライバシー保護をより強化することが可能な技術が提供されることが望まれる。
【0013】
より具体的には、インカメラが動作中である場合にインカメラが動作中であることを通知する技術では、悪意のあるアプリケーション作成者によって、インカメラが動作中であっても通知がなされないようにアプリケーションを作成できる可能性がある。また、インカメラが動作中である場合にインカメラが動作中であることを通知する技術では、被写体の撮影によって得られたデータがイメージセンサの外部に自動的に送信されてしまうため、被写体のプライバシー保護が十分ではない。
【0014】
そこで、本開示の実施形態では、被写体の撮影によって得られたデータのイメージセンサ外部への送信を制御することによって、被写体のプライバシー保護をより強化することが可能な技術について主に説明する。
【0015】
以上、本開示の実施形態の概要について説明した。
【0016】
<1.実施形態の詳細>
[1.1.システム構成例]
続いて、図1を参照しながら、本開示の実施形態に係る固体撮像システムの構成例について説明する。図1を参照すると、本開示の実施形態に係る固体撮像システム1は、電子機器10、サーバ装置40およびネットワーク50を有する。電子機器10およびサーバ装置40は、ネットワーク50を介して通信可能である。なお、図1に示された例では、電子機器10がネットワーク50に接続されているが、複数の電子機器10がネットワーク50に接続されていてよく、複数の電子機器10それぞれが、ネットワーク50を介してサーバ装置40と通信可能であってよい。
【0017】
電子機器10は、イメージセンサ20およびアプリケーション30を有している。イメージセンサ20は、固体撮像装置の例として機能し、CIS(Contact Image Sensor)210、ロジック回路220、DSP(Digital Signal Processor)230、メモリ240、セレクタ250を有している。
【0018】
ここで、CIS210は、撮像部の例に相当し、撮像素子、光源、受光レンズおよびA/D変換器などを含んでいる。ロジック回路220は、CIS210からの出力信号に対して信号処理を行う信号処理部などを含んでいる。また、本開示の実施形態では、電子機器10がカメラである場合を主に想定する。しかし、電子機器10は、イメージセンサ20を有する機器であればカメラに限定されず、他の機器(例えば、スマートフォンおよび携帯電話など)であってもよい。また、アプリケーション30は、電子機器10に内蔵されたプロセッサによって実行される。
【0019】
本開示の実施形態では、イメージセンサ20によって映像が撮像される。映像は、イメージセンサ20によって、複数のフレーム(撮像画像)が連続的に撮像されることによって得られる。本開示の実施形態では、イメージセンサ20によって撮像されたフレーム(撮像画像)またはフレーム(撮像画像)に基づくデータ(以下、「メタデータ」とも言う。)が、サーバ装置40に送信される場合を主に想定する。しかし、後にも説明するように、撮像画像またはメタデータの送信先は、アプリケーション30であってもよいし、電子機器10の外部の記録媒体であってもよい。
【0020】
以上、本開示の実施形態に係る固体撮像システム1の構成例について説明した。
【0021】
[1.2.イメージセンサの構成例]
続いて、本開示の実施形態に係るイメージセンサ20の構造の例について説明する。図2は、イメージセンサ20の構造の第1の例を示す図である。図3は、イメージセンサ20の構造の第2の例を示す図である。図2を参照すると、イメージセンサ20は、第1の半導体チップL1および第2の半導体チップL2を含んで構成されている。図3を参照すると、イメージセンサ20は、第1の半導体チップL1、第2の半導体チップL2および第3の半導体チップL3を含んで構成されている。
【0022】
このように、イメージセンサ20は、複数の半導体チップを含んでおり、複数の半導体チップは、層状に構成され、互いに電気的に接続されて構成されている。イメージセンサ20が有する半導体チップの数は、2つおよび3つに限定されず、1つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0023】
図2を参照すると、第1の半導体チップL1に、CIS210が含まれている。そして、第2の半導体チップL2に、メモリ240、DSP230、ロジック回路220が含まれている。図3を参照すると、第1の半導体チップL1に、CIS210が含まれている。そして、第2の半導体チップL2に、メモリ240およびDSP230が含まれている。第3の半導体チップL3には、ロジック回路220が含まれている。しかし、CIS210、メモリ240、DSP230、ロジック回路220それぞれは、どの半導体チップに含まれていてもよい。
【0024】
図2および図3に示された例において、後に説明するローカル認証部231(第1の認証部)は、第2の半導体チップL2に含まれてよい。より詳細には、ローカル認証部231(第1の認証部)は、第2の半導体チップL2に含まれるDSP230によって実現されてよい。後に説明するデータ送信判断部233も、第2の半導体チップL2に含まれてよい。より詳細には、データ送信判断部233は、第2の半導体チップL2に含まれるDSP230によって実現されてよい。
【0025】
また、図3に示された例において、信号処理部221は、第3の半導体チップL3のロジック回路220に含まれてもよい。あるいは、図2に示された例において、信号処理部221は、第2の半導体チップL2のロジック回路220に含まれてもよい。さらに、図3に示された例において、後に説明するローカル認証用データ記憶部232は、第3の半導体チップL3のメモリ240に含まれてもよい。あるいは、図2に示された例において、ローカル認証用データ記憶部232は、第2の半導体チップL2のメモリ240に含まれてもよい。
【0026】
以上、イメージセンサ20の構造の例について説明した。
【0027】
[1.3.第1の実施形態]
続いて、本開示の第1の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成について説明する。図4は、本開示の第1の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成例を示す図である。なお、図4からは、紙面の都合上、アプリケーション30およびネットワーク50が省略されている。図4を参照すると、イメージセンサ20およびサーバ装置40が示されている。
【0028】
イメージセンサ20は、撮像素子211、A/D変換器212、信号処理部221、ローカル認証部231、ローカル認証用データ記憶部232、データ送信判断部233、データ送信可能リスト記憶部234、セレクタ250、データ送信部261およびデータ受信部262を備える。一方、サーバ装置40は、データ受信部410、サーバ認証部(第2の認証部)420、サーバ認証用データ記憶部430およびデータ送信部440を備える。
【0029】
撮像素子211は、被写体から受光された光信号を電気信号に変換する。A/D変換器212は、電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。信号処理部221は、A/D変換器212からの出力信号(撮像画像)に対して各種の信号処理を行い、処理後の信号(撮像画像)を出力する。ここで、信号処理部221によって行われる信号処理の例を説明する。ただし、以下に説明する信号処理の全部が信号処理部221によって行われる必要はなく、これらの信号処理の一部だけが信号処理部221によって行われてもよいし、これらの信号処理以外の処理が信号処理部221によって行われてもよい。
【0030】
図5は、信号処理部221の詳細構成例を示す図である。図5に示されるように、信号処理部221は、シェーディング補正を行うシェーディング補正部2211、混色補正を行う混色補正部2212、および、デジタルゲイン調整を行うデジタルゲイン調整部2213を有してよい。また、信号処理部221は、ホワイトバランスゲインを調整するホワイトバランスゲイン調整部2214、検波を行う検波部2215、デモザイク処理を行うデモザイク処理部2216、および、γ補正を行うγ補正部2217を有してよい。
【0031】
図4に戻って説明を続ける。信号処理部221による処理後の信号(撮像画像)は、セレクタ250、データ送信判断部233およびローカル認証部231に出力される。まず、ローカル認証部231の詳細構成例について説明する。図6は、ローカル認証部231の詳細構成例を示す図である。図6に示されるように、ローカル認証部231は、正規化処理部2311およびローカル認証処理部2312を有する。
【0032】
正規化処理部2311は、ローカル認証処理部2312(例えば、ニューラルネットワーク)による処理に必要の前処理(プリプロセッシング)を行う。例えば、前処理は、第2の撮像画像のレンジ調整およびサイズ調整などであってよい。ローカル認証処理部2312は、第2の撮像画像から第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出された場合に、第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行う。例えば、第1の認証によって得られるデータは、第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)であってよい。かかるメタデータは、第2の撮像画像から識別される被写体(人物)の識別情報であってよい。
【0033】
なお、ローカル認証部231は、機械学習済みのニューラルネットワーク(第1のニューラルネットワーク)を含んで構成されてよい。これによって、認証精度が高まることが想定される。例えば、ニューラルネットワークは、ディープラーニングネットワークであってもよい。かかる場合には、認証精度がさらに高まることが想定される。しかし、ローカル認証部231による第1の認証は、学習を必要としない構成によって行われてもよい。第1の認証の認証結果(成功/失敗)および第1の認証によって得られるデータ(メタデータ)は、セレクタ250に出力される。
【0034】
続いて、データ送信判断部233の詳細構成例について説明する。図7は、データ送信判断部233の詳細構成例を示す図である。図7に示されるように、データ送信判断部233は、送信制御部2331および記憶制御部2332を有する。
【0035】
本開示の実施形態では、データ送信判断部233が、信号処理部221から入力される映像の毎フレーム(撮像画像)に対して処理を行う場合を主に想定する。しかし、データ送信判断部233による処理対象は、信号処理部221から入力される映像の毎フレーム(撮像画像)に限らず、複数フレーム毎であってもよい。ここでは、あるタイミングでデータ送信判断部233に入力されたフレームを「第1の撮像画像」と言い、第1の撮像画像より後にデータ送信判断部233に入力されたフレームを「第2の撮像画像」と言う。
【0036】
まず、撮像素子211によって撮像された第1の撮像画像がデータ送信判断部233に入力される。記憶制御部2332は、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、第1の撮像画像から被写体の第1の特徴量を抽出する。記憶制御部2332は、抽出した第1の特徴量をデータ送信可能リスト記憶部234に記憶させる。
【0037】
続いて、撮像素子211によって撮像された第2の撮像画像がデータ送信判断部233に入力される。送信制御部2331は、第2の撮像画像から第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されるかを試みる。送信制御部2331は、第2の撮像画像から第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出した場合、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)のサーバ装置40への送信を制御する。なお、送信制御部2331は、第2の撮像画像および第2の撮像画像に基づくメタデータのいずれをセレクタ250から出力させるかを制御することによって、いずれかがサーバ装置40に送信されるように制御すればよい。
【0038】
かかる構成によれば、被写体の撮影によって得られた第2の撮像画像または第2の撮像画像のメタデータのイメージセンサ20の外部への送信を制御することが可能になる。これによって、被写体のプライバシー保護をより強化することが可能となる。
【0039】
例えば、送信制御部2331は、ローカル認証部231による第1の認証が成功した場合には、第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)のサーバ装置40への送信を制御すればよい。一方、送信制御部2331は、ローカル認証部231による第1の認証に失敗した場合には、第2の撮像画像のサーバ装置40への送信を制御すればよい。
【0040】
第1の動作は限定されない。例えば、被写体が被撮影を許容するときにあるジェスチャ(ポジティブジェスチャ)を行う場合を想定する。かかる場合には、ポジティブジェスチャが第1の動作に相当し得る。このとき、記憶制御部2332は、第1の撮像画像から第1の動作を検出したことに基づいて、第1の特徴量を抽出してデータ送信可能リスト記憶部234に記憶させる。しかし、後にも説明するように、第1の動作は、被写体が被撮影を禁止するときに行うジェスチャ(ネガティブジェスチャ)であってもよい。
【0041】
第1の特徴量および第2の特徴量は、機械学習済みのニューラルネットワーク(第3のニューラルネットワーク)を用いて抽出されてもよい。これによって、特徴量抽出の精度が高まることが想定される。例えば、ニューラルネットワークは、ディープラーニングネットワークであってもよい。かかる場合には、特徴量抽出の精度がさらに高まることが想定される。しかし、第1の特徴量および第2の特徴量は、学習を必要としない構成によって抽出されてもよい。なお、機械学習済みのニューラルネットワーク(第3のニューラルネットワーク)は、データ送信判断部233に含まれ得る。
【0042】
第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)は、データ送信判断部233による制御に従って、データ送信部261によってサーバ装置40に送信される。サーバ装置40においては、データ受信部410によって、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)が受信される。サーバ認証部420は、第2の撮像画像に基づく第2の認証を行う。例えば、第2の認証によって得られるデータは、第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)であってよい。かかるメタデータは、第2の撮像画像から識別される被写体(人物)の識別情報であってよい。
【0043】
なお、サーバ認証部420は、機械学習済みのニューラルネットワーク(第2のニューラルネットワーク)を含んで構成されてよい。これによって、認証精度が高まることが想定される。例えば、ニューラルネットワークは、ディープラーニングネットワークであってもよい。かかる場合には、認証精度がさらに高まることが想定される。しかし、サーバ認証部420による第2の認証は、学習を必要としない構成によって行われてもよい。第2の認証の認証結果(成功/失敗)および第2の認証によって得られるデータ(メタデータ)は、データ送信部440を介して、イメージセンサ20に送信される。
【0044】
イメージセンサ20においては、データ受信部262によって、第2の認証の認証結果(成功/失敗)および第2の認証によって得られるデータ(メタデータ)が受信される。
【0045】
第1の認証が成功した場合、第1の認証によって得られたデータ(メタデータ)に基づく処理がイメージセンサ20において実行される。また、第2の認証が成功した場合にも、第2の認証によって得られたデータ(メタデータ)に基づく処理がイメージセンサ20において実行される。メタデータに基づく処理は限定されない。例えば、メタデータに基づく処理は、メタデータが被写体の識別情報である場合、当該識別情報によって識別される被写体に対応するアバターを画面に表示する処理であってもよい。
【0046】
なお、サーバ認証部420に含まれる第2のニューラルネットワークの第2のパラメータのほうが、ローカル認証部231に含まれる第1のニューラルネットワークの第1のパラメータよりも高い認識精度に寄与する可能性がある。パラメータとしては、重みおよびバイアスなどが想定される。そこで、所定のタイミングにおいて、サーバ認証部420に含まれる第2のニューラルネットワークの第2のパラメータに基づいて、ローカル認証部231に含まれる第1のニューラルネットワークの第1のパラメータが更新されるのが望ましい。
【0047】
具体的には、サーバ認証部420によって第2の撮像画像に基づく第2の認証が成功した場合、サーバ認証部420に含まれる第2のニューラルネットワークの第2のパラメータが、サーバ認証部420によってサーバ認証用データ記憶部430から取得され、データ送信部440を介してイメージセンサ20に送信されてもよい。このとき、イメージセンサ20においては、データ受信部262によって当該第2のパラメータが受信され、ローカル認証用データ記憶部232に記憶されている、ローカル認証部231に含まれる第1のニューラルネットワークの第1のパラメータが、第2のパラメータに基づいてローカル認証部231によって更新されてもよい。
【0048】
続いて、本開示の第1の実施形態に係るイメージセンサ20の動作例について説明する。図8は、本開示の第1の実施形態に係るイメージセンサ20の動作例を示すフローチャートである。図8に示されるように、データ送信判断部233は、データ送信可否を判断する(S11)。データ送信可否判断について、図9を参照しながら詳細に説明する。
【0049】
図9は、本開示の第1の実施形態に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。図9に示されるように、データ送信可否判断S11においては、データ送信判断部233は、入力された撮像画像から顔(顔の特徴量)の検出を試みる(S111)。なお、顔の特徴量の代わりに、被写体の他の特徴量が用いられてもよい。データ送信判断部233は、顔(顔の特徴量)の検出がされなかった場合には(S111において「NO」)、データ送信不可であると判断する(S112)。一方、データ送信判断部233は、顔の検出がされた場合には(S111において「YES」)、検出された顔がデータ送信可能リストにある顔であるか否かを判定する(S113)。
【0050】
データ送信判断部233は、検出された顔がデータ送信可能リストにある顔である場合には(S113において「YES」)、データ送信可能であると判断する(S116)。一方、データ送信判断部233は、検出された顔がデータ送信可能リストにない顔である場合には(S113において「NO」)、入力された撮像画像に送信可を示すジェスチャがあるか否かを判定する(S114)。送信可を示すジェスチャは、上記したポジティブジェスチャの例に該当する。
【0051】
図10は、送信可を示すジェスチャの例を示す図である。図10を参照すると、入力された撮像画像M10が示されている。撮像画像M10には、顔F10と送信可を示すジェスチャF20が写っている。このような場合には、撮像画像M10から顔F10が検出され、顔F10がデータ送信可能リストにない場合、撮像画像M10から送信可を示すジェスチャF20があると判定される。なお、図10には、送信可を示すジェスチャF20の例として、親指を立てるジェスチャが示されているが、送信可を示すジェスチャF20は、かかる例に限定されない。
【0052】
図9に戻って説明を続ける。データ送信判断部233は、入力された撮像画像に送信可を示すジェスチャがないと判定した場合(S114において「NO」)、データ送信不可であると判断する(S112)。一方、データ送信判断部233は、入力された撮像画像に送信可を示すジェスチャがあると判定した場合(S114において「YES」)、検出した顔(顔の特徴量)をデータ送信可能リストに登録し(S115)、データ送信可能であると判断する(S116)。
【0053】
図8に戻って説明を続ける。データ送信不可であると判断された場合(S11において「NG」)、データ送信不可となる(S12)。一方、ローカル認証部231は、データ送信可であると判断された場合(S11において「OK」)、ローカル認証を行う(S13)。ローカル認証は、上記した第1の認証に相当し得る。ローカル認証が成功した場合(S13において「OK」)、データ送信部261によってメタデータがサーバ装置40に送信され(S14)、認証成功となる(S15)。一方、ローカル認証が失敗した場合(S13において「NG」)、データ送信部261によって撮像画像がサーバ装置40に送信される。このとき、データ送信状態である旨が通知されてもよい(S16)。
【0054】
続いて、サーバ装置40におけるサーバ処理が実行される(S17)。具体的には、データ送信部440によって撮像画像が受信され(S18)、撮像画像に基づいてサーバ認証が行われる(S19)。サーバ認証は、上記した第2の認証に相当し得る。サーバ認証が成功した場合(S19において「OK」)、サーバ認証用データによってローカル認証用データが更新され(S21)、認証成功となる(S15)。一方、サーバ認証が失敗した場合(S19において「NG」)、認証失敗となる(S20)。
【0055】
続いて、本開示の第1の実施形態の変形例1について説明する。上記では、送信制御部2331は、第2の撮像画像から第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出した場合、特に制限なしに、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)のサーバ装置40への送信を制御する例を示した。しかし、送信制御部2331は、第1の特徴量がデータ送信可能リスト記憶部234に記憶されてからの経過時間が所定時間を超えている場合、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータの送信を停止してもよい。これによって、被写体のプライバシー保護がより強化されることが期待される。
【0056】
図11は、本開示の第1の実施形態の変形例1に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。図11に示されるように、図9に示された例と異なり、データ送信可否判断S11において、データ送信判断部233は、検出された顔がデータ送信可能リストにある顔である場合には(S113において「YES」)、データ送信可能リストに顔(顔の特徴量)が登録されてから、所定期間内であるかを判定する(S118)。データ送信判断部233は、データ送信可能リストに顔(顔の特徴量)が登録されてから、所定期間内である場合には(S118において「YES」)、データ送信可であると判断する(S116)。一方、データ送信判断部233は、データ送信可能リストに顔(顔の特徴量)が登録されてから、所定期間外である場合には(S118において「NO」)、データ送信不可であると判断する(S112)。
【0057】
続いて、本開示の第1の実施形態の変形例2について説明する。上記では、第1の動作として、被写体が被撮影を許容するときに行うジェスチャ(ポジティブジェスチャ)が用いられる例を説明した。しかし、第1の動作として、被写体が被撮影を禁止するときに行うジェスチャ(ネガティブジェスチャ)が用いられてもよい。すなわち、記憶制御部2332は、第1の動作が検出されなかったことに基づいて、第1の特徴量を抽出してデータ送信可能リスト記憶部234に記憶させてもよい。
【0058】
図12は、本開示の第1の実施形態の変形例2に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。図12に示されるように、図9に示された例と異なり、データ送信可否判断S11において、データ送信判断部233は、検出された顔がデータ送信可能リストにない顔である場合には(S113において「NO」)、入力された撮像画像に送信不可を示すジェスチャがあるか否かを判定する(S119)。送信不可を示すジェスチャは、上記したネガティブジェスチャの例に該当する。
【0059】
図13は、送信不可を示すジェスチャの例を示す図である。図13を参照すると、入力された撮像画像M20が示されている。撮像画像M20には、顔F10と送信不可を示すジェスチャF30が写っている。このような場合には、撮像画像M20から顔F10が検出され、顔F10がデータ送信可能リストにない場合、撮像画像M20から送信不可を示すジェスチャF30があると判定される。なお、図13には、送信不可を示すジェスチャF30の例として、両腕をクロスさせるジェスチャが示されているが、送信不可を示すジェスチャF30は、かかる例に限定されない。
【0060】
図12に戻って説明を続ける。データ送信判断部233は、入力された撮像画像に送信不可を示すジェスチャがあると判定した場合(S119において「YES」)、データ送信不可であると判断する(S112)。一方、データ送信判断部233は、入力された撮像画像に送信不可を示すジェスチャがないと判定した場合(S119において「NO」)、検出した顔(顔の特徴量)をデータ送信可能リストに登録し(S115)、データ送信可能であると判断する(S116)。
【0061】
続いて、本開示の第1の実施形態の変形例3について説明する。上記では、被写体の動作に関わらず、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータの送信が開始されたら、送信が継続される例について説明した。しかし、データ送信判断部233は、第2の撮像画像から被写体の第2の動作を検出した場合、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータの送信を停止してもよい。例えば、第2の動作は、被写体が被撮影を認識していないという動作であってよい。そうすれば、被写体が被撮影を認識していない場合に、被写体の撮影によって得られたデータがイメージセンサ20の外部に送信されてしまうことが防止されるため、被写体のプライバシー保護が強化される。
【0062】
ここで、データ送信判断部233は、再帰型ニューラルネットワークRNN(Recurrent Neural Network)を用いて第2の動作を検出するのが望ましい。そうすれば、第2の撮像画像だけではなく、第2の撮像画像よりも前に入力された撮像画像と第2の撮像画像とから、被写体の動作が認識され得るため、被写体が被撮影を認識していないという動作がより高精度に認識されることが期待される。
【0063】
図14は、本開示の第1の実施形態の変形例3に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。図14に示されるように、図9に示された例と異なり、データ送信可否判断S11において、データ送信判断部233は、検出された顔がデータ送信可能リストにある顔である場合には(S113において「YES」)、RNNを用いて被写体が被撮影を認識しているかを推定する(S120)。データ送信判断部233は、被写体が被撮影を認識していないと判定した場合には(S121において「NO」)、データ送信不可であると判断する(S112)。一方、データ送信判断部233は、被写体が被撮影を認識していると判定した場合には(S121において「YES」)、データ送信可であると判断する(S116)。
【0064】
続いて、本開示の第1の実施形態の変形例4について説明する。上記では、変形例3では、撮像画像から顔(顔の特徴量)が検出された場合に(S111において「YES」)、検出された顔がデータ送信リストにある顔であるかが判定される例を示した。しかし、検出された顔がデータ送信リストにある顔であるかは判定されなくてもよい。
【0065】
図15は、本開示の第1の実施形態の変形例4に係るデータ送信可否判断の詳細な動作例を示すフローチャートである。図15に示されるように、図14に示された例と異なり、データ送信可否判断S11において、データ送信判断部233は、顔(顔の特徴量)の検出がされた場合には(S111において「YES」)、RNNを用いて被写体が被撮影を認識しているかを推定する(S120)。データ送信判断部233は、被写体が被撮影を認識していないと判定した場合には(S121において「NO」)、データ送信不可であると判断する(S112)。一方、データ送信判断部233は、被写体が被撮影を認識していると判定した場合には(S121において「YES」)、データ送信可であると判断する(S116)。
【0066】
以上、本開示の第1の実施形態について説明した。
【0067】
[1.4.第2の実施形態]
続いて、本開示の第2の実施形態について説明する。本開示の第2の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成について説明する。図16は、本開示の第2の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成例を示す図である。図16に示されるように、本開示の第2の実施形態は、イメージセンサ20がローカル認証部231およびローカル認証用データ記憶部232を有していない点が、本開示の第1の実施形態と異なる。この場合には、イメージセンサ20からメタデータがサーバ装置40に送信されない。
【0068】
続いて、本開示の第2の実施形態に係るイメージセンサ20の動作例について説明する。図17は、本開示の第2の実施形態に係るイメージセンサ20の動作例を示すフローチャートである。図17に示されるように、図8に示された例と異なり、データ送信可であると判断された場合(S11において「OK」)、データ送信部261によって撮像画像がサーバ装置40に送信される。このとき、データ送信状態である旨が通知されてもよい(S16)。
【0069】
続いて、サーバ装置40におけるサーバ処理が実行される(S17)。具体的には、データ送信部440によって撮像画像が受信され(S18)、撮像画像に基づいてサーバ認証が行われる(S19)。サーバ認証は、上記した第2の認証に相当し得る。サーバ認証が成功した場合(S19において「OK」)、認証成功となる(S15)。一方、サーバ認証が失敗した場合(S19において「NG」)、認証失敗となる(S20)。
【0070】
以上、本開示の第2の実施形態について説明した。
【0071】
[1.5.第3の実施形態]
続いて、本開示の第3の実施形態について説明する。本開示の第3の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成について説明する。図18は、本開示の第3の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成例を示す図である。図18に示されるように、本開示の第3の実施形態は、固体撮像システム1が、検出装置60を有している点が、本開示の第1の実施形態と異なる。この場合には、検出装置60によって第1の動作が検出され得る。例えば、検出装置60がマイクロフォンを含む場合、第1の動作として、撮像画像から認識されるジェスチャの代わりに、所定の音声の発話が用いられてもよい。あるいは、検出装置60が入力装置(例えば、タッチパネルなど)を含む場合には、第1の動作として、所定の入力操作(例えば、タッチパネルへのタッチ操作など)が用いられてもよい。
【0072】
以上、本開示の第3の実施形態について説明した。
【0073】
[1.6.第4の実施形態]
続いて、本開示の第4の実施形態について説明する。本開示の第4の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成について説明する。図19は、本開示の第4の実施形態に係る固体撮像システム1の詳細構成例を示す図である。図19に示されるように、本開示の第4の実施形態は、固体撮像システム1が、サーバ装置40の代わりに外部記録媒体70を有している点が、本開示の第1の実施形態と異なる。この場合には、イメージセンサ20から送信された第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)が外部記録媒体70に記録されてよい。なお、第2の撮像画像または第2の撮像画像に基づくデータ(メタデータ)は、イメージセンサ20からアプリケーション30に出力されてもよい。
【0074】
以上、本開示の第4の実施形態について説明した。
【0075】
<2.むすび>
以上説明したように、本開示の実施形態によれば、第1の撮像画像を撮像する撮像部と、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御する送信制御部と、を備える、固体撮像装置が提供される。
【0076】
かかる構成によれば、被写体の撮影によって得られたデータのイメージセンサ外部への送信が制御されるため、被写体のプライバシー保護をより強化することが可能となる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
例えば、上記では、本開示の第1の実施形態、本開示の第1の実施形態の変形例1~4、本開示の第2の実施形態、本開示の第3の実施形態、および、本開示の第4の実施形態について説明した。これらの各種実施形態および各種変形例から、適宜にいずれかの構成が選択されて組み合わされてもよい。
【0079】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
【0080】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1の撮像画像を撮像する撮像部と、
第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御する送信制御部と、
を備える、固体撮像装置。
(2)
前記固体撮像装置は、
前記第2の撮像画像から前記第2の特徴量が抽出された場合に、前記第2の撮像画像に基づいて第1の認証を行う第1の認証部を備え、
前記送信制御部は、前記第1の認証が成功した場合には、前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御し、前記第1の認証に失敗した場合には、前記第2の撮像画像の送信を制御する、
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記第1の認証部は、機械学習済みの第1のニューラルネットワークを含んで構成される、
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記第2の撮像画像の送信先に、機械学習済みの第2のニューラルネットワークを含んで構成された第2の認証部が存在し、
前記第1の認証部は、前記第2の認証部によって前記第2の撮像画像に基づく第2の認証が成功した場合、前記第2のニューラルネットワークの第2のパラメータに基づいて前記第1のニューラルネットワークの第1のパラメータを更新する、
前記(3)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記固体撮像装置は、複数の半導体チップを含んで構成され、
前記第1の認証部は、前記複数の半導体チップのうち、前記撮像部を含む第1の半導体チップとは異なる第2の半導体チップに含まれる、
前記(2)~(4)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(6)
前記第1の認証部は、前記第2の半導体チップに含まれるDSPによって実現される、
前記(5)に記載の固体撮像装置。
(7)
前記固体撮像装置は、前記撮像部からの出力信号に対して信号処理を行う信号処理部を備え、
前記信号処理部は、前記複数の半導体チップのうち、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップとは異なる第3の半導体チップ、または、前記第2の半導体チップに含まれる、
前記(5)または(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記記憶部は、前記複数の半導体チップのうち、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップとは異なる第3の半導体チップ、または、前記第2の半導体チップに含まれる、
前記(5)~(7)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(9)
前記送信制御部は、前記第1の特徴量が前記記憶部に記憶されてからの経過時間が所定時間を超えている場合、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を停止する、
前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(10)
前記送信制御部は、前記第2の撮像画像から前記被写体の第2の動作を検出した場合、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を停止する、
前記(1)~(9)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(11)
前記送信制御部は、再帰型ニューラルネットワークを用いて前記第2の動作を検出する、
前記(10)に記載の固体撮像装置。
(12)
前記第1の特徴量および前記第2の特徴量は、機械学習済みの第3のニューラルネットワークを用いて抽出される、
前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(13)
前記記憶制御部は、前記第1の動作が検出されたことに基づいて、前記第1の特徴量を抽出して前記記憶部に記憶させる、
前記(1)~(12)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(14)
前記記憶制御部は、前記第1の動作が検出されなかったことに基づいて、前記第1の特徴量を抽出して前記記憶部に記憶させる、
前記(1)~(12)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(15)
前記送信制御部は、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの、アプリケーション、サーバ装置または外部記録媒体への送信を制御する、
前記(1)~(14)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(16)
前記第1の認証が成功した場合、前記第1の認証によって得られたデータに基づく処理が実行される、
前記(2)~(8)のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
(17)
前記第1の認証によって得られたデータは、前記第2の撮像画像から識別される被写体の識別情報を含む、
前記(16)に記載の固体撮像装置。
(18)
前記第2の認証が成功した場合、前記第2の認証によって得られたデータに基づく処理が実行される、
前記(4)に記載の固体撮像装置。
(19)
第1の撮像画像を撮像することと、
プロセッサが、第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させ、第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの送信を制御することと、
を備える、固体撮像方法。
(20)
アプリケーションと、
第1の撮像画像を撮像する撮像部と、
第1の撮像画像からの被写体の第1の動作の検出に関する情報に基づいて、前記第1の撮像画像から前記被写体の第1の特徴量を抽出して記憶部に記憶させ、前記撮像部による第2の撮像画像から前記第1の特徴量と一致または類似する第2の特徴量が抽出されたことに基づいて、前記第2の撮像画像または前記第2の撮像画像に基づくデータの前記アプリケーションへの送信を制御する送信制御部と、
を備える、電子機器。
【符号の説明】
【0081】
1 固体撮像システム
10 電子機器
20 イメージセンサ
210 CIS
211 撮像素子
212 A/D変換器
220 ロジック回路
221 信号処理部
2211 シェーディング補正部
2212 混色補正部
2213 デジタルゲイン調整部
2214 ホワイトバランスゲイン調整部
2215 検波部
2216 デモザイク処理部
2217 γ補正部
230 DSP
231 ローカル認証部
2311 正規化処理部
2312 ローカル認証処理部
232 ローカル認証用データ記憶部
233 データ送信判断部
2331 送信制御部
2332 記憶制御部
234 データ送信可能リスト記憶部
240 メモリ
250 セレクタ
261 データ送信部
262 データ受信部
30 アプリケーション
40 サーバ装置
410 データ受信部
420 サーバ認証部
430 サーバ認証用データ記憶部
440 データ送信部
50 ネットワーク
60 検出装置
70 外部記録媒体
L1 第1の半導体チップ
L2 第2の半導体チップ
L3 第3の半導体チップ
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