IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーツェーエル アーヘン ゲーエムベーハーの特許一覧 ▶ ラインイッシュ−ヴェストフェーリッシェ テクニシェ ホッホシューレ(エルヴェーテーハー)アーヘンの特許一覧

特許7337105繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置
<>
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図1
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図2
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図3
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図4
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図5
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図6
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図7
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図8
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図9
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図10
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図11
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図12
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図13
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図14
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図15
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図16
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図17
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図18
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図19
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図20
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図21
  • 特許-繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】繊維複合材料を含むワークピースの製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/38 20060101AFI20230825BHJP
   B29C 70/54 20060101ALI20230825BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
B29C70/38
B29C70/54
C08J5/04 CER
C08J5/04 CEZ
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020573507
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 DE2019100586
(87)【国際公開番号】W WO2020001702
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102018115392.9
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520512580
【氏名又は名称】アーツェーエル アーヘン ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】520512591
【氏名又は名称】ラインイッシュ-ヴェストフェーリッシェ テクニシェ ホッホシューレ(エルヴェーテーハー)アーヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイラー,トマス
(72)【発明者】
【氏名】シャレス,リカード
(72)【発明者】
【氏名】ヴェント,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ギースゲン,ラツロ
(72)【発明者】
【氏名】ティンメルマンス,ルーベン ヨハネス マティアス
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/152331(WO,A1)
【文献】特表2018-511493(JP,A)
【文献】特開2004-175116(JP,A)
【文献】特開平04-016310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00 - 70/88
C08J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維複合材料を含むワークピースの製造方法であって、
a)コンベヤ装置の保持手段(97)によって保持されたベースユニット(5)が、少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)を通って導かれ、
b)当該のアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)を通るベースユニット(5)の並進移動中に、前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)又は前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)のうちの少なくとも1つのアプリケーションステーションで前記ワークピースを形成するために、前記繊維複合材料に属する少なくとも1つのストリップ(6)が前記ベースユニット(5)上に配置され、及び
c)前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)の前又は前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)のうちの少なくとも1つアプリケーションステーションの前の搬送方向において、前記ベースユニット(5)の空間的向きは、前記保持手段(97)に対して少なくとも1回回転することによって変更されることを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
前記ベースユニット(5)が前記コンベヤ装置上で搬送されている間に前記向きの変化が起こることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
少なくとも1つのストリップ(6)から構成される第1の層が、前記コンベヤ装置に属しない基本ベースユニット(96)上に敷設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記コンベヤ装置の前記少なくとも1つのベースユニット(5)は、前記少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)の少なくとも外側でも熱の作用を受けることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのストリップ(6)を形成するためのストリップ材料(31、50)は、少なくとも1つの供給容器(4)に保管されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)のうちの少なくとも1つのアプリケーションステーションで、前記供給容器(4)のうちの少なくとも2つは、ストリップが所定の敷設パターン(66)で計画どおりに敷設される間に、前記供給容器が同時に又は少なくともほぼ同時に使い果たされる方法で、ストリップ材料(31、50)がロードされることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
第1の供給容器(4)が第2の供給容器(4)と交換される前に、前記第2の供給容器(4)の前記ストリップ材料(31、50)が前記第1の供給容器(4)の前記ストリップ材料(31、50)に接合されることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ストリップ材料(31、50)の少なくともサブセットが、所定の分離点(56)を導入することによって、互いに容易に分離することができるストリップ材料の断片に分割され、ストリップ材料の断片のそれぞれの長さが、それら断片とともに形成されるストリップ(6)の長さに等しいことを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ストリップ(6)又は前記ストリップ(6)のうちの少なくとも1つのストリップを敷設するための前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)の少なくとも1つのアプリケーションステーションにおいて、関連する前記ストリップ材料(31、50)が、敷設ユニット(3)のそれぞれの圧力要素(48、53)によって前記ベースユニット(5)に押し付けられることを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ストリップ材料(31、50)が前記ベースユニット(5)に押し付けられる前に、前記ストリップ材料(31、50)は、前記圧力要素(48、53)から圧力要素(48、53)の圧力方向に離れた領域から作用を受けることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記圧力要素(48、53)は、圧力要素(48、53)を通って流れる冷却流体によって冷却されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の製造方法。
【請求項12】
少なくとも2つのベースユニット(5)が前記コンベヤ装置で同時に運ばれ、前記少なくとも2つのベースユニット(5)が少なくとも2つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)を通って次々に案内されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項13】
繊維複合材料を含むワークピースを製造するための装置であって、当該装置は、
a)少なくとも1つの敷設ユニット(3)を備えた少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)であって、前記敷設ユニット(3)は、ストリップ材料(31、50)から形成され且つ前記繊維複合材料に属する少なくとも1つのストリップ(6)を、所定の敷設パターンで少なくとも1つのベースユニット(5)に敷設するように設定される、アプリケーションステーション、
b)保持手段(97)に保持された前記少なくとも1つのベースユニット(5)を、搬送方向に離間した少なくとも2つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)に次々に搬送する、又は同じアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)に少なくとも2回搬送するように設定されたコンベヤ装置、及び
c)前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)の前又は前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)のうちの少なくとも1つのアプリケーションステーションの前に配置され、保持手段(97)に対して少なくとも1回回転することにより、前記ベースユニット(5)又は前記ベースユニット(5)のうちの少なくとも1つのベースユニットの空間的向きを変更するように設定された、少なくとも1つのアライメントユニット(11、15、18、21、24、27、42、43、91-95)、を含むことを特徴とする、装置。
【請求項14】
前記アライメントユニット(11、15、18、21、24、27、42、43、91-95)は、前記ベースユニット(5)のスタック(84)を受け入れるように設定されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記コンベヤ装置内の前記ベースユニット(5)のうちの少なくとも1つの温度を制御するように設定された少なくとも1つの温度制御ユニット(44)を含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)のうちの少なくとも1つのアプリケーションステーションに配置された、ストリップ材料(31、50)のための少なくとも1つの供給容器(4)を含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの敷設ユニット(3)に2つの供給容器(4)が設けられることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記2つの供給容器(4)のうちの一方の前記ストリップ材料(31、50)の始まりを、前記2つの供給容器(4)のうちの他方の前記ストリップ材料(31、50)の終わりに結合するように設定される結合手段を含むことを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記供給容器(4)のうちの少なくとも1つの供給容器がストリップ材料(31、50)を有しており、該ストリップ材料は、前記ストリップ材料(31、50)の少なくとも一部を、互いに容易に分離することができるストリップ材料の断片に分割する所定の分離点(56)を含むことを特徴とする、請求項16乃至18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記敷設ユニット(3)又は前記敷設ユニット(3)のうちの1つの敷設ユニットに配置された少なくとも1つの圧力要素(48、53)が、冷却流体によって冷却され、前記圧力要素(48、53)は、ローラーホルダーに固定された固定軸(58)に取り付けられた加圧ローラーであり、前記加圧ローラーは、前記ストリップ材料(31、50)と接触するように設けられたジャケット要素(101)を含み、且つ、冷却流体ラインの少なくとも一部は、前記固定軸(58)と前記ジャケット要素(101)との間を通るか、又はジャケット要素(101)と前記固定軸(58)との間に配置された少なくとも1つのチャンバ(60)によって形成されることを特徴とする、請求項13乃至19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記ジャケット要素(101)の取り付けは、前記加圧ローラーの作用幅内に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの圧力要素(48、53)又はまだ敷設されていないストリップ材料(31、50)に作用するのに適した少なくとも1つのアクチュエータ、特に、前記圧力要素(48、53)のうちの1つに提供されるストリップ材料片(48、53)の始まりを圧力要素に取り付けるため、及び/又は熱を導入するためのアクチュエータを含み、前記少なくとも1つのアクチュエータは、使用されるときに、前記少なくとも1つのベースユニット(5)の搬送レベル(49)の下に配置された領域から前記圧力要素(48、53)にアクセスするように配置されることを特徴とする、請求項13乃至21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)又は前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、26、29、39-41、67-72)のうちの少なくとも1つアプリケーションステーションに、製造プロセスで静止している少なくとも2つの敷設ユニット(3)があり、前記敷設ユニット(3)の敷設位置(30)は、前記搬送方向において互いに距離を置いて配置されていることを特徴とする、請求項13乃至22のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による方法及び請求項13の上位概念による装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空宇宙工学などの多くのアプリケーション分野で、軽量と高い機械的強度が同時に必要とされる場合に特に適した高性能ファイバー複合コンポーネントが確立されている。高性能ファイバーコンポジットコンポーネントは、ストリップとも呼ばれるエンドレスのファイバー強化ストリップを敷設することで製造できる。補強繊維は、例えば、糸(Garne)、布(Gewebe)、又はノンクリンプ織物(Gelege)の形態であり得、炭素、ガラス又は他の天然又は人工の材料からなり得る。繊維はストリップに固定されているか、プラスチックマトリックスに埋め込まれている。プラスチックマトリックスは、例えば熱可塑性プラスチック又は熱硬化性プラスチックで構成されている。ストリップがワークピース又は基板に敷設する(Ablegen)前に、少なくとも大部分がプラスチックマトリックスに埋め込まれている場合、それらはプリプレグストリップ(事前含浸繊維)とも呼ばれる。プレプレグストリップは、敷設される前にそれらの敷設側に、及び/又はストリップが敷設される前に除去される担体材料上にある、付着材料、例えば反応性ホットメルト接着剤を提供することができる。乾いた繊維はまた、それらを後で含浸させるため、及び/又はそれらをプラスチックマトリックスで囲むために敷設及び固定することができ、その結果、完成したストリップは、敷設されたときに、いわば製造される。例えば、バインダー、メルトスレッド、又は縫製は、乾燥繊維の固定媒体として使用できる。
【0003】
ワークピースの製造では、ストリップ(Baender)は機械的に前進又は前方に引っ張られ、基板に押し付けられ、自動的に敷設される。ストリップは、保管前又は保管中に希望の長さに切断できる。平らな部品を製造するために、いくつかのストリップが定義された距離に配置される。繊維複合材料の最下層は、後で完成したワークピースの一部であるか、又は再び除去される基板上に配置することができる。コンポーネントの厚さは、ラミネート構造に関する仕様を満たすために、場合によっては異なる繊維配向で、いくつかの層を互いに重ねることによって生成される。このようにして、局所的なコンポーネントの補強又は優先方向も達成でき、局所的なワークピース領域を省略できる。したがって、コンポーネントの材料費を削減できる。
【0004】
繊維複合材料を使用したワークピースの製造プロセスの出力量の費用効果の高いスケーリングは、関連するコスト削減により経済的に賢明な応用分野を拡大できるようにするためのさらなる開発の中心的な側面である。
【0005】
US6607626B2から、上記のタイプの方法及び装置が知られている。繊維複合材料を有するワークピース、例えば車両の車体部分を製造するために、コンベヤベルト上のベースユニットをいくつかの適用ステーションに供給し、そこで繊維複合材料をバンドの形態でそれぞれのベースユニットに適用することがそこで開示される。このようにして、繊維複合材料のいくつかの重ねられた層が作成される。アプリケーションステーションにはそれぞれ、敷設するストリップ材料用の複数の敷設ヘッドがある。敷設ヘッドは、コンベヤベルトの搬送方向に対して横切る方向に(quer)移動できる共通のキャリアユニット上に配置されている。さらに、敷設ヘッドにはそれぞれ、搬送面に垂直な軸に対して回転できるストリップガイド要素がある。したがって、敷設されるストリップの整列は、搬送方向に対して変更することができ、その結果、搬送方向に対するストリップの異なる敷設方向は、様々なアプリケーションステーションでのストリップ敷設中のキャリアユニットの横切る方向の動き(Querbewegung)によって提供され得る。ストリップガイド要素の回転運動は、敷設されるストリップの所望の位置合わせを達成するために、キャリアユニットの横切る方向の運動(Querbewegung)と調整されなければならない。さらに、ベースユニットで可能な敷設方向(Ablege-Richtungen)の変動は制限されている。横切る方向(Querrichtung)の大きな塊の加速は、システムのダイナミクスを制限し、したがって、特に高い敷設角度での敷設速度を制限する。横方向の動きにより、空間的に変化するプロセスゾーンがある。これにより、安全及び品質保証デバイスを取り付けることが困難になる。
【0006】
EP 2 925 509 B1は、回転式及び並進移動可能な配置テーブルを備えたストリップ敷設装置を開示している。この先行技術の変形では、異なる材料供給ユニットの2つのストリップを単一の敷設ヘッドユニット内で次々に引き抜き、適切な長さに切断し、適切な場所に配置された敷設テーブル上に置くことができる。敷設されたストリップを固定するために、ストリップステープルユニットが提供され、これは、図面によれば、一列に配置された複数の個別のデバイス、おそらく超音波ソノトロードを含む。共通の敷設テーブルにアクセスできる2つの敷設ヘッドユニットを備えた変形では、敷設ヘッドユニットは互いに独立しており、それぞれ独自の材料供給ユニット、切断装置、ストリップ用のグリップ手段があり、各グリップ手段には、関連するリニアドライブ、敷設する各ストリップのガイドトラック、及びストリップステープルユニットがある。この構成では、ストリップのセクションを所定の長さに引き、ガイドウェイに配置し、製造する部品の最初の敷設ヘッドユニットと所定の位置にステープルで留めると同時に、ストリップの次のセクションを所定の長さに引っ張って、ガイドウェイの2番目の敷設ヘッドユニットに配置する。第1のストリップセクションが第1の敷設ヘッドユニットによって貼り付けられた後、敷設テーブルは、製造される部品を第2の敷設ヘッドユニットに運び、その間に次のストリップセクションが準備され、製造される部品に貼り付けられるように配置される。したがって、一度に1本のストリップだけを置いて固定する。この先行技術に従って必要とされる、配置テーブル及び配置テーブル上に配置されたアクチュエータの動きは、それに適用されるストリップ質量に対して比較的高い質量の動きを意味する。さらに、明らかに超音波ソノトロードの形のストリップステープルユニットを使用して、ストリップは敷設(Ablegen)後に個別に取り付けられる。これには、さらに処理する前に、ストリップで作成されたラミネートのその後の統合(Konsolidierung)が必要である。
【0007】
DE 20 2016 105 889 U1は、繊維複合材料を含むワークピースを製造するためのさらなる装置を開示しており、繊維複合材料ストリップは、アプリケーションステーションによって回転及び並進移動可能な敷設テーブル上に配置される。製造されるワークピースは、負圧により敷設テーブルのテーブルトップに固定される。複数の層を適用する場合、テーブルをアプリケーションステーションの下で数回移動し、必要に応じて回転させて、ストリップを貼り付ける方向(Ablege-Richtungen)を変える。各ストリップはその場合個別に保管される。ストリップを供給するための緩衝システムが開示されており、これは、例えば、ダンサーシステムとして設計することができ、製造プロセスを中断することなくストリップ供給の交換を可能にするストリップ供給を保持する。さらに、バッファーシステムを使用して、供給からのストリップの連続的な巻き戻しを中断することなく、刃先の領域でストリップを目的の敷設物の長さ(Ablegelaenge)に切断するために必要な停止プロセスを可能にすることができる。ストリップ材料を、ある長さに切断されたストリップとして敷設プロセス(Ablegeprozess)に供給することも開示されている。このようにして、切断プロセスを省くことができる。敷設プロセスでは、カットストリップは負圧を使用して敷設ヘッドにぶら下がって輸送される。複数のストリップを同時に敷設することも開示されている。貼り付けられた(abgelegten)ストリップは、超音波を使用したステープル装置によって固定される。EP 2 925 509 B1についてすでに述べた不利な点も本明細書に示される。これは、次の先行技術にも当てはまる。
【0008】
米国特許第8,048,253号B2は、1つの変形例では、いくつかの敷設ヘッドを有するテープ(Tape)敷設装置を記載している。それにより、複数のストリップ又はテープストリップ(Tapestreifen)を同時に敷設することが可能になる。ストリップ材料は、所望の長さのストリップを切断し、次に、関連する敷設ユニット(Ablegeeinheit)とともに、変位面の2方向に並進移動可能で、変位面に垂直に整列した回転軸を中心に回転できる敷設テーブルの処理面に配置される切断装置に供給される。切断されたストリップは、ストリップの(Bandes)両側に配置された、敷設ヘッドのガイドレールにガイドされる。ここで、ストリップの端をガイドレールの溝に保持する。ストリップは超音波ソノトロードを使用して固定されている。
【0009】
回転可能で並進的に移動可能な敷設テーブルを備えた繊維複合材料を含むワークピースを製造するためのストリップ敷設装置(Bandablegevorrichtung)の変形が知られている(https://www.fill.co.at/de/automotivekunststofftechnik/composites/fiber-&-preforming/multilayer/video/1358p572i30.html;2018年6月22日)。前記ストリップ敷設装置の場合、敷設テーブルは、互いに平行に配置され、互いに移動可能な一連の敷設ユニットの下に、所望の方向に配置される。敷設ユニットは、敷設テーブルが停止した状態でグループ又は個別に移動され、次にテーブルが並進及び/又は回転方式で移動され、敷設ユニットのバッテリーの下で新しい方向に再び移動される。敷設パターンがストリップのレイヤーごとに異なる場合は、敷設ユニットの一部のみが特定の位置で使用されていることが必要かもしれない。敷設のパターンによっては、敷設ユニットの静止タイムが長くなる可能性がある。これにより、未使用の投資と、設置スペースに関連する高レベルのマシンの複雑さが発生する。特に、敷設ユニット用のリニアアクチュエータ、つまり敷設ユニットごとに1つに対する需要が高いためである。この機械の原理はまた、大きな移動質量をもたらす。
【0010】
DE 10 2014 201 060 A1は、ファイバー敷設機と呼ばれる複数のアプリケーションステーションが搬送装置に接続されているファイバー敷設システムを開示している。ファイバー敷設システムには、前述の出版物では成形工具用のパレットと呼ばれるベースユニットの保持手段がコンベヤキャリッジによってアプリケーションステーションに輸送される受け取りポイントがある。それぞれのアプリケーションステーションの入口エリアでは、それぞれの保持手段は、X方向に移動できるスライドのツールテーブル上のハンドリングユニットによって配置され、ストレージヘッドの下のドアで閉じることができる敷設チャンバ(Ablegekammer)内で移動される。また、ストリップ敷設中のX方向へのテーブルの動きも開示されている。したがって、3次元ベースユニット(成形ツール)は、閉じた保敷設チャンバ内でストリップで覆うことができる。
【0011】
WO2017/127276A1から、垂直軸を中心に回転可能な敷設テーブルがコンベヤ上で前後に案内される単一のアプリケーションステーションが知られている。ストリップが敷設される前に、敷設テーブルが所望の方向に回転され、敷設ユニットが、ストリップを敷設するためのコンベヤ装置の搬送方向に垂直な方向に並進的に移動されると想定することができる。したがって、ストリップは、敷設テーブルが静止した状態で、及び敷設ユニットが移動した状態でアプリケーションステーションに敷設される(Ablegen)。
【0012】
EP 1 422 048 A2は、移動して静止ワークピースを形成することができ、多数の敷設ヘッド(Legekoepfen)を備えたブリッジ形状の敷設ユニットを開示している。敷設ヘッドは、ブリッジトラバースの両側にオフセットして配置されているため、隙間なく敷設できる。ただし、この目的のために、敷設ユニットを反対方向に2回動かすことができる。
【0013】
複雑なマシンは、DE 10 2016 104 926A1から知られている。前記複雑なマシンでは、リールから取り出されたストリップ材料は、最初にサイズにカットされ、次に細いコンベヤベルトを介して敷設ユニットに供給される。敷設ヘッドは、真空によってストリップの切断片を拾い上げ、敷設テーブルに導き、敷設される。十分な数のストリップが第1の層に敷設されると、敷設された層は輸送ユニットによってピックアップされ、別のテーブルに敷設される。この第2のテーブルは、第1の敷設テーブルに配置された別のレイヤーを、第1のレイヤーの目的の方向に配置できるようにするために回転される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ここで関係する本発明は、最先端技術と比較してより経済的であることができる、例えば、敷設されるストリップの量に関連して移動質量を減らし、敷設ユニットの静止タイムを最小限に抑えることによって、上記のタイプの方法及び装置を提供するという技術的タスクに基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
技術的な問題は、請求項1の特徴を有する方法に関して、及び請求項13の特徴を有する装置に関して達成される。
【0016】
本発明による方法及び本発明による装置の有利な実施形態は、従属請求項から生じる。
【0017】
したがって、繊維複合材料を含むワークピースの製造方法に関して、ベースユニットの空間的位置合わせは、保持手段に対して少なくとも1回回転することにより、アプリケーションステーションの前又は少なくとも1つのアプリケーションステーションの前の搬送方向に変更されることが提案されている。ここで、コンベヤ装置の保持手段によって保持されたベースユニットは、少なくとも1つのアプリケーションステーションを通って導かれる、及び問題のアプリケーションステーションを通るベースユニットの並進移動中に、アプリケーションステーション又は少なくとも1つのアプリケーションステーションでワークピースを形成するために、繊維複合材料に属する少なくとも1つのストリップがベースユニット上に敷設される(abgelegt wird)。
【0018】
本発明の文脈においてストリップを敷設することは、プレプレグストリップを敷設すること、及び敷設の直前、最中、又は直後にバインダーを含浸させ、及び/又はプラスチックマトリックスで取り囲む繊維材料を敷設することの両方を意味すると理解される。
【0019】
ベースユニットにストリップを敷設するということは、ベースユニットに最初の層を適用することと、敷設されたストリップの少なくとも1つの既存の層にさらに層を適用することの両方を意味する。
【0020】
本発明の文脈における用語ベースユニットは、ストリップ材料でまだ覆われていないフリーベースベースユニット、例えば、キャリア要素、基板、有機シート、繊維材料、又はプラスチックフィルムなど、と完成したワークピースまでのストリップ材料がすでに配置されているベースベースユニットとの両方を意味すると理解されるべきである。基本ベースユニットは、完成したワークピースの一部になるか、できれば再利用可能で、適用されたワークピースから分離することができる。
【0021】
ベースユニットはまた、ベースベースユニット上に配置されていない少なくとも1つのストリップを備えた第1の層を意味すると理解されるべきである。このような第1のバンド層は、例えば、コンベヤ装置の保持手段上に直接敷設させることができる。これらの保持手段は、ベースユニットの一部ではない。
【0022】
ストリップ材料という用語は、強化繊維とバインダー及び/又はプラスチックマトリックスを備えたプレハブストリップ(プレプレグストリップ)と、敷設直前、敷設中、又は敷設直後に完成して完成したストリップを形成することができる、供給ロールに由来するプレ含浸又は非含浸繊維材料の両方を意味すると理解される。バンドがバンド材料で形成されていると言われる場合、これは、対応するバンド材料をベースユニットに配置するか、プラスチックマトリックスなどの材料を追加することによってのみバンドが形成されることを意味する。事前に含浸されたストリップには、さまざまな厚さ、幅、繊維量がある。
【0023】
搬送装置は、例えば、駆動摩擦コンベヤベルト、ローラートラック、ボールトラック、真空ベルト、磁気スライド、及び/又はリニアドライブを備えたトロリーを有することができる。搬送装置は、複数の搬送サブ装置で構成できるため、搬送装置全体をさまざまな構成で配置又は組み立てることができる。
【0024】
本発明による方法又は本発明による装置を用いて、製造方法を完全に自動化することができる。アラインメントの変更は、アプリケーションステーション(複数可)の外部で行われる。ここで、位置合わせユニットは、好ましくは、コンベヤの一部として見ることができる。ベースユニットを運ぶ保持手段に対するベースユニットの向きの変更により、並進移動及び回転で移動できるテーブルを備えた、従来の技術から知られている解決策に代わる潜在的に経済的に著しくより効果的な代替案が存在する。保持手段に対するベースユニットの向きの変化は、敷設されるストリップ材料の量に関連して移動される著しく低い質量を意味する。さらに、敷設ユニットには、ストリップ敷設のために追加の複雑なロボット制御の移動アクチュエータが必要になることが回避される。可動式の敷設ユニットは、アプリケーションステーションの領域で省略できるため、静的なプロセスゾーンをそこに設定できる。これにより、ローカルの保護エンクロージャ、プロセスセンサー、追加のプロセス、及びストリップ材料の無限の供給を費用効果の高い方法で実装できる。
【0025】
アラインメントを変更するために、アラインメントユニットを上から、つまり重力の方向にベースユニットに供給することができ、例えば、真空又は他の方法を使用することによって把持することができる。あるいは、位置合わせユニットは、下から、つまり搬送レベルを介してベースユニットにアクセスできる。この場合、位置合わせユニットによるベースユニットの把持又は固定は、重力によってサポートされ、必要に応じて、追加の技術的特徴によって強化される。例えば、好ましくはコンベヤ装置に取り付けられている少なくとも1つの隣接するバンパーエッジ(Stosskante)は、異なる速度で作動するコンベヤ要素、例えばベルト、スライド、落とし穴など、もまた、位置合わせの変更のために使用され得る。
【0026】
ただし、アライメントユニットは、複数のベースユニットを積み重ねるために設定することもできる。最上部のベースユニットの向きを変えるために、ベースユニットのスタック全体の向きを変える、好ましくは回転させることが考えられる。スタックは、機械加工プロセスのバッファーとして機能する。
【0027】
配向の変化は、例えば、搬送面に垂直に配向された回転軸の周りの回転であり得る。ベースユニットは、搬送面に平行に搬送され、例えば、直接又は間接的に搬送面上にある。ただし、例えばベースユニットを回転させるために、異なる方向の回転軸が代替的又は追加的に可能である。
【0028】
本発明による方法はまた、ベースユニットがコンベヤ装置上で運搬されている間に配向の変化が起こるように実施することができる。この場合、位置合わせユニットは、ベースユニット又はベースユニットのスタックと一緒に搬送方向に移動する。アライメントを変更するためのアクチュエータは、コンベヤで運ぶことができる。位置合わせユニットは、コンベヤの一部と見なすこともできる。
【0029】
ただし、コンベヤ装置に加えて移動するユニットがベースユニットにアクセスすることも考えられる。
【0030】
言うまでもなく、向きの変更は、向きの変更のためのアクチュエータがコンベヤ装置によって運ばれるかどうかに関係なく、コンベヤの停止中にも実行できる。
【0031】
少なくとも1つのベルトからなる第1の層は、コンベヤ装置の要素、例えば、コンベヤ装置の保持手段上に直接敷設することができ、それにより、少なくとも1つのさらなる層の敷設のためのベースユニットが製造される。しかしながら、本発明による方法は、少なくとも1つのベルトからなる第1の層が、コンベヤ装置に属さない基本的なベースユニット、例えば、ワークピースキャリア上に敷設されるように実施することもできる。次に、基本ベースユニットと敷設された第1の層の全体が、次のプロセスのベースユニットを形成する。
【0032】
さらに、本発明による方法は、搬送装置内のベースユニットが、少なくとも1つのアプリケーションステーションの外側でも熱にさらされるように実施することができる。これは、搬送装置に沿って配置された少なくとも1つの温度制御ユニットによって実行することができる。その結果、搬送方向の温度制御対策に続いて、アプリケーションステーションのベースユニットを加熱するための費用を回避又は削減することができる。さらに、この方法で、少なくとも1つのベースユニットの有害な可能性のある温度変動を回避できる。基本ベースユニット又はベースユニット用の別個のキャリアユニットを使用することが有利な場合がある。これは、少なくとも1つの適用されたストリップへの高い熱伝達係数を有し、より好ましくは低い熱伝導率を有する。
【0033】
さらに、本発明による方法は、少なくとも1つのストリップを形成するためのストリップ材料が、少なくとも1つの貯蔵容器に在庫として保持されるように実施することができる。その場合、少なくとも2つの保管コンテナに少なくとも1つのアプリケーションステーションにストリップ材料が装備されている場合、ストリップが所定の敷設パターンで計画どおりに敷設されるのと同時に、又は少なくともほぼ同時にそれらが使い果たされることが、特に有利であり得る。これには、関連する保管コンテナを、少なくとも1つの保管コンテナに大量のストリップ材料を残さずに同時に交換できるという大きな経済的利点がある。貯蔵容器は、例えば、巻かれたストリップ材料を備えたリール又はロール、あるいは、例えば、積み重ねられたストリップ材料又は曲がりくねった折り畳みのストリップ材料を備えたマガジンであり得る。
【0034】
さらに、本発明による方法は、第1の貯蔵容器が第2の貯蔵容器と交換される前に、第2の貯蔵容器のストリップ材料が第1の貯蔵容器のストリップ材料に接合されるように実施することができる。接合は手動で、又はできれば自動化されたプロセスで行うことができる。これは、1つの貯蔵容器が交換された場合でも、生産プロセスを継続的に継続できるか、比較的短時間中断するだけでよいことを意味する。ストリップ材料が、例えばダンサーシステムを用いて緩衝ゾーン上を案内されることが提供され得る。
【0035】
本発明による方法はまた、ストリップ材料の少なくともサブセットが、所定の分離点を導入することによって互いに容易に分離することができるストリップ材料の断片に分割されるように実施することができ、その長さは、それで形成されるストリップの長さに正確に又は少なくとも実質的に対応する。これにより、個別の切断プロセスが回避される。意図された分離点は、例えば、ストリップ材料を幅方向に穿孔又は部分的に切断することによって、接着結合片によって連続するストリップ材料の端を接続することによって、又は連続するストリップ材料の重なり合う端を一緒にステープル留めすることによって、又は別個のストリップ材料をキャリアフィルムに固定することによって導入することができる。意図された分離点での分離は、意図された分離点のタイプに応じて、例えば、単にキャリアフィルムを剥がすことによって、引っ張ることによって、又は熱又は放射、特にレーザー放射を導入することによって達成することができ、その結果、切断装置、特に機械的刃先を備えたものを節約することができる。
【0036】
本発明による方法はまた、ストリップを敷設するためのアプリケーションステーションの少なくとも1つ又はストリップの少なくとも1つに関連するストリップ材料が堆積ユニットのkでベースユニットに押し付けられるように実施することができる。これは、好ましくは、ベースユニットが実行される少なくとも1つの静止敷設ユニットによって行われる。
【0037】
バンド材料をベースユニットに押し付ける前に、圧力要素から圧力要素の圧力方向に離間した領域から、バンド材料に作用するように準備することもできる。特に、ストリップ材料は、ベースユニットと接触する前に、事前配置、前処理、特に予熱、及び/又は関連する圧力要素に取り付けられる。重力場で水平な搬送面で搬送されるベースユニットの場合、ストリップ材料への作用は、搬送面の下の領域から発生する。この目的のために、運搬装置は、それぞれの圧力要素の領域で少なくとも一時的に対応して開くように設計されるべきである。前処理は、例えば、接着剤の塗布でもあり得る。粘着が必要な場合は、可能であれば、圧力要素がコンベヤ装置によって運ばれるベースユニットと接触したときに、ストリップ材料の始まりが、所定の敷設パターンに従って敷設されるストリップが開始するポイントでベースユニットと正確に接触するように行う必要がある。したがって、その後の切断又は除去プロセスを回避することができる。
【0038】
本発明による方法はまた、圧力要素、例えば加圧ローラーを通って流れる冷却流体によって圧力要素が冷却されるような方法で実施することができる。圧力要素は、例えば、圧力ビード又はスライドシューとして設計することもできる。冷却は、関係する圧力要素の材料を効果的に保護する。
【0039】
本発明による装置は、有利には、敷設ユニット又は敷設ユニットの1つに配置された少なくとも1つの圧力要素が、冷却流体によって冷却されるように設計することができる。ここで、圧力要素は、ローラーホルダーに固定された固定軸に取り付けられた加圧ローラーであり、ここで、加圧ローラーは、ストリップ材料と接触するように設けられたジャケット要素を含み、冷却流体ラインの少なくとも一部は、車軸とジャケット要素との間を走るか、又はジャケット要素と車軸との間に配置された少なくとも1つのチャンバによって形成される。加圧ローラーのベアリングが加圧ローラーの有用な幅内に配置されている場合、それは特に有利であり得る。さらに、冷却液はローラーホルダーを介して固定軸に直接供給することができるため、固有の回転ユニオンがある。したがって、冷却液をガイドするために必要なシールも、加圧ローラーの有効幅内に配置することができる。
【0040】
この配置により、互いに隣接する敷設ユニットを互いに非常に接近して配置することが可能になり、ストリップを互いにわずかな横方向の(seitlichem)距離で同時に敷設することができる。冷却液がローラーホルダーを通して、例えばレバー要素のアームを通して供給されることも提供され得るため、有用な幅の外側にある回転ユニオンなど、敷設ユニットの幅を拡大する別個のフィード要素は必要とされない。
【0041】
本発明による方法はまた、少なくとも2つのベースユニットが搬送装置内で同時に搬送され、少なくとも2つのベースユニットが少なくとも2つのアプリケーションステーションを通って次々に案内されるように実施することができる。ここで、ストリップの異なる敷設パターンは、好ましくは、少なくとも2つのアプリケーションステーションで提供される。複数のベースユニットが特定の時点でコンベヤ装置内に配置され、それらすべてが次々にアプリケーションステーションを通過することが好ましい。アプリケーションステーションでの敷設パターンは、好ましくは、そこに配置された少なくとも1つの敷設ユニットの固定位置及びそれぞれ敷設されたストリップ材料の寸法によってのみ事前定義される。ベースユニット上の特定のアプリケーションステーションに提供される敷設パターンの配向は、空間内のベースユニットの配向によって、したがってアプリケーションステーション及び搬送方向に対して事前に決定され、配向ユニットで可能な配向の変化によって影響を受ける可能性がある。
【0042】
敷設パターンは、ベースユニットが通過するときに、アプリケーションステーションに存在するすべての敷設ユニットがストリップ敷設プロセスに関与するように、アプリケーションステーションで計画することができる。さらに、ベースユニットの配送サイクルは、アプリケーションステーション内又はアプリケーションステーションの前の任意の時点で少なくとも1つのベースユニットが存在するように設定できる。これにより、敷設ユニットの使用率を最適化し、敷設ユニットの静止タイムを実現できる。
【0043】
敷設ユニットを複数のアプリケーションステーションに分割することには、特に異なるストリップ層において、異なる幅のストリップの敷設が容易になるという利点もある。幅の広いストリップを配置すると、製造プロセスの費用対効果を高めることができる。一方、ストリップ幅が非常に小さい場合は、ワークピースエッジでのオフカットを最小限に抑えることができる。異なるストリップ敷設幅を提供することは、例えば、単一のアプリケーションステーションの下を移動するための回転可能な敷設テーブルを提供する従来の技術において問題となるであろう。
【0044】
全体として、比較的低い投資と運用コストで高いワークピーススループットを達成できる。さらに、好ましくは空間に恒久的に設置されるアプリケーションステーションでは、敷設ユニット及びストリップを供給するための手段を容易に交換できるように設計することができ、その結果、それぞれの敷設パターンを容易に変更することができる。したがって、注文固有の構成を簡単に実装できる。
【0045】
本発明による装置はまた、アプリケーションステーション又はアプリケーションステーションの少なくとも1つが、製造プロセスにおいて静止している少なくとも2つの敷設ユニットを有するように設計することができる。ここで、敷設ユニットの敷設位置は、搬送方向に互いに距離を置いて配置されている。静止とは、敷設ユニットがアプリケーションステーションに対してその位置で変更されないことを意味する。搬送方向の距離は、敷設ユニット又はその部品の修理、保守、又は交換のために、横方向の(seitlichen)アクセス、つまり搬送方向を横切る方向への(quer)アクセスを容易又は可能にする。さらに、搬送方向の距離は、搬送方向に垂直な敷設面の敷設ユニット間の距離が、敷設されるベルトの幅に対応するように設計することができる。これは、敷設されたストリップの連続領域に1回のパスで到達できることを意味する。したがって、同じアプリケーションユニットの隣接する敷設ユニットの使用可能な幅は、互いに直接隣接することができる。
【0046】
従属請求項3から11及び15から23に提示される措置、ならびに関連する説明は、原則として、独立請求項の特徴を特徴づけることなく、すなわち、ベースユニットの配向を変更することなく、又は配向ユニットなしで実施することができ、それ自体が発明的であると見なすことができる。
【0047】
本発明による装置及び本発明による方法の例示的な実施形態は、図を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、監視下にあるアプリケーションステーションを備えた第1の生産装置を図示する。
図2図2は、図1による製造装置を側面図で図示する。
図3図3は、複数のアプリケーションステーションが計画されている第2の生産装置を図示する。
図4図4は、アプリケーションステーションの敷設場所のさまざまな配布計画を図示する。
図5図5は、アプリケーションステーションの敷設場所のさまざまな配布計画を図示する。
図6図6は、アプリケーションステーションの敷設場所のさまざまな配布計画を図示する。
図7図7は、アプリケーションステーションの敷設場所のさまざまな配布計画を図示する。
図8図8は、アプリケーションステーションの敷設場所のさまざまな配布計画を図示する。
図9図9は、アプリケーションステーションの敷設場所のさまざまな配布計画を図示する。
図10図10は、供給リールの最適化された割り当ての基本的な表現を図示する。
図11図11は、ストリップが結合される2つの供給スプールを図示する。
図12図12は、温度制御ユニットを備えた第3の製造装置を図示する。
図13図13は、温度制御ユニットを図示する。
図14図14は、加圧ローラー及び隣接するストリップを備えた部分的に敷設ユニットを図示する。
図15図15は、供給リールと分割ストリップを備えた敷設ユニットを図示する。
図16】部分断面で、流体冷却加圧ローラーを備えた、部分的にのみ示されている敷設ユニットを図示している。
図17図17は、保持フレーム上のいくつかの敷設ユニットの配置を図示している。
図18図18は、保持フレーム上の敷設ユニットを図示している。
図19図19は、製造プロセスのフローチャートを図示している。
図20図20は、図19によるフローチャートの製造装置を図示している。
図21図21は、ベースユニット及び保持要素を側面図で図示している。
図22図22は、図21による保持要素を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1に概略図を示し、図2は、アプリケーションステーション2を備えた第1の製造装置のコンベヤ装置(ここではその全体は示されていない)の部分コンベヤユニット1の側面図を示している。図1の平面図では、供給リール4からストリップ材料(ここには図示されていない)が供給される、複数の敷設ユニット3(そのうちの2つのみが参照記号を備えている)が、アプリケーションステーション2のために示されている。いくつかのベースユニット5は、処理の異なる段階で図示されている。図1では、左上で、ベースユニット5が第1のスタッキングデバイス7に配置されており、異なる長さのストリップ6がすでに第1の貯蔵層に適用されている。図2の側面図では、ベースユニット5は、それらがアプリケーションステーション2に入る前に、ストリップ6をまだ備えていない。第1の敷設層のバンド6は、アプリケーションステーション2の右側にのみ示されている。スタッキング装置7は、ベースユニット5のスタックが第1のキャリア要素8上で受け取られることを可能にする。
【0050】
第1のスタッキング装置7はまた、ここでは矢印のみで表される回転装置12を有し、これを用いて、スタック、及びしたがって最上部のベースユニット5に、アプリケーションステーション2に入る前に特定の方向を与えるため、キャリア要素8、したがってベースユニット5のスタック全体を回転させることができる。したがって、第1のスタッキング装置7は、同時に、位置合わせユニット11として機能する。アプリケーションステーション2を出た後、ベースユニット5は、第2のスタッキング装置9に供給され、そこで、ベースユニット5は、第2のキャリア要素10上のスタックで受け取られ得る。
【0051】
アプリケーションステーション2を出た後、ベースユニット5は、アライメントが変更された可能性がある後、アプリケーションステーション2で再びストリップ6で覆われるようにするため、ここには示されていないが、第2の部分コンベアユニットを用いて、第2のスタッキング装置9から再び第1のスタッキング装置7に戻すことができる。したがって、図1のアプリケーションステーション2の右側のベースユニット5は、第2の敷設層のストリップ6をすでに示している。このサイクルは、必要に応じて何度でも実行できる。第2のスタッキング装置9から第1のスタッキング装置7への輸送は、好ましくは、さらに詳細に示されていない運搬装置によって自動化された方法で実施される。
【0052】
しかしながら、第2のスタッキング装置9から、ベースユニット5は、さらなる適用、すなわち、さらなる適用ステーション(図1及び2には図示されていない)又は、例えば、サイズへの切断又は温度制御などの他の手段に供給することができる。
【0053】
ベースユニット5のためのスタッキング装置7又は9は、それらが製造プロセスにおいてバッファーとして使用され得るという利点を有する。原則として、ベースユニット5は、ここに示されていない他の位置合わせ手段によって、アプリケーションステーション2に入る前に、ベースユニット5上で個別に位置合わせすることもできる。スタッキングは必要ない。
【0054】
図3は、生産ラインとして構成された第2の生産装置の平面図を示し、ストリップ6のいくつかの層を備えたベースユニット5の割り当てを示している。まだストリップ6で覆われていないベースユニット5(図の左上)は、第1のコンベヤサブユニット13によって第1のアプリケーションステーション14を通って案内され、そこでストリップ6の第1の敷設層で覆われる。次に、ベースユニット5は、回転矢印によってのみ象徴される第1の位置合わせユニット15において回転され、回転軸は、特定の角度だけ搬送面に垂直である。ベースユニット5は、第2の搬送サブユニット16によって第2のアプリケーションステーション17に供給され、ストリップ6の第2の敷設層を備えている。このスキームは、第2の位置合わせユニット18、第3のコンベヤ部品ユニット19、第3のアプリケーションステーション20、第3の位置合わせユニット21、第4のコンベヤ部品ユニット22及び第4のアプリケーションステーション23、第4の位置合わせユニット24、第5のコンベヤ部品ユニット25、第5のアプリケーションステーション26、第5の位置合わせユニット27及び第6のアプリケーションステーション29を備えた第6のコンベヤ部品ユニット28を介して継続される。その結果、ストリップ6はベースユニット5の6つの敷設層に存在する。
【0055】
図3は、1つの同じベースユニット5の一連の処理ステップの例示として理解することができる。もちろん、図3による概略図はまた、様々なステーションに多数のベースユニット5を備えた製造装置を示している。
【0056】
図3の図によれば、様々なアプリケーションステーション14、17、20、23、26及び29はそれぞれ、ストリップ6の敷設位置30の異なる配置を有し、そのうちの1つのみに参照番号が与えられる。敷設位置30は、加圧ローラー(ここにはまだ示されていない)によってストリップ材料がベースユニット5に押し付けられる位置であると理解される。敷設位置30の分布が異なると、図3による第2の製造装置の各敷設層は、敷設されたストリップ6の異なる敷設パターンを有する。
【0057】
しかしながら、アプリケーションステーションに敷設されるストリップが、それらのエッジで少なくとも部分的に互いに突き合わされ、その結果、個々のストリップの幅を超える閉じた層が生じることが望ましい場合もある。図4から図9は、それぞれの部分コンベヤユニット1上の敷設位置30の異なる可能な配置を示しており、わかりやすくするために、図では2つだけに参照記号が付けられている。ベースユニット5は、それぞれの場合において、図の左側に示され、また、図1の破線の前の向きで示されている。部分コンベヤユニット1の右端には、ベースユニット5が、それぞれの場合において、敷設位置30に適用されたバンド6(参照番号を有する7つのバンドのうちの2つのみ)とともに示されている。
【0058】
敷設位置30を両方の搬送方向にオフセットすることにより、関連する敷設ユニット(ここには示されていない)を、敷設されるストリップの幅より広くすることができ、これは、敷設ユニットの構造をかなり単純化する。
【0059】
さらに、敷設位置30のオフセットの配置は、例えば、保守、修理、又は交換の目的で、敷設ユニット3(図4から9には示されていない)への横方向のアクセスを可能にする。
【0060】
図10は、左側にベースユニット5及びストリップ6が敷設された後のベースユニットの図の右側に実現されるように、敷設されるストリップ6の敷設堆積パターン66を破線で概略的に示している。敷設パターン66は、正方形の領域ではなく、異なる長さのストリップ6(例えば、x及びx’)を有する領域を提供する。ストリップ6を互いに隣接して敷設させることができるようにするために、図8の配置と同様に、互いにオフセットして配置された敷設位置30(図10には示されていない)が提供される。供給リール4によってストリップ材料31が供給される敷設ユニット(図10には示されていない)は、各布石場所30に属する。複数の供給リール4は、第1列のリール列32と第2のリール列33に互いに隣接して配置されている。ストリップ材料31の互い違いの敷設位置に対応して(図8の敷設位置30と比較)、供給リール4もまた、2列のリール32及び33において互いにオフセットして配置されている。このようにして、ストリップ6が互いに隣接する高密度敷設層(Ablageschicht)が達成される。
【0061】
供給リール4は、異なる量のストリップ材料31を有する。リール列32及び33の中央供給リール4のストリップ材料31の量は、それぞれの端部に配置された供給リール4よりも著しく多い。供給リール4に存在するストリップ材料31の量は、敷設されるストリップパターンに適合され、及びストリップ6が計画通りに敷設されたときに、すべてのリール4内のストリップ材料31の供給が同時になくなるように選択される。これには、供給リール4をすべて同時に交換することができ、リール4の1つにストリップ材料31の顕著な残留物が残ることがないという利点がある。
【0062】
製造プロセスを中断することなく供給リール4を交換できるようにするため、又は中断を可能な限り小さく保つことができるようにするために、2つの異なる供給リール4のストリップ材料31を、図11に示す方法を使用して一緒に接合することができる。図11は、ストリップ材料31aの供給が不足している第1の供給リール4aを示している。第1の供給リール4aの上に第2の供給リール4bがあり、そのストリップ材料31bの供給はまだ完了している。それぞれのストリップ材料31a又は31bは、偏向ローラー34a及び34bを介して、ストリップ材料31a及び31bが互いに接合される接合装置35に供給される。接合中に発生する可能性のあるストリップ材料の肥厚は、敷設プロセス中に切断又は無視することができる。図10に示される変形から始めて、リール列32又は33のすべてのスプール列4に対する供給リール4の交換を実行することができる。なぜなら、リール列32又は33のスプール4は、大部分が同時に使い果たされているからである。
【0063】
図12は、3つのコンベヤサブユニット36、37、38を備え、それぞれが敷設ユニット3の異なる配置を備えたアプリケーションステーション39、40、41を備えた第3の製造装置を概略的に示している。回転矢印によってのみ象徴されるベースユニット5を整列させるための整列ユニット42及び43は、部分コンベヤユニット36、37、38の間に配置される。適用ステーション39、40、及び41の間には、温度制御装置44が搬送レベルより上に設けられ(図12には示されていない)、その結果、ベースユニット5の温度は、アプリケーションステーション39、40、及び41の間の搬送経路上でわずかに低下するだけである。熱放射45、例えば赤外線によってベースユニット5に作用する温度制御装置44の1つが図13に概略的に示されている。ベースユニット5のキャリア部分の誘導加熱又は抵抗加熱、高温ガス又はフォトニック加熱源などの他の加熱変形も可能である。したがって、必要な加熱に必要な時間は、それぞれの後続の適用ステーション、例えば40又は41において短く保つことができる。第3の製造装置の上に、1つ又は複数の温度制御装置44の作用がない、ベースユニット5内の温度TBの例示的な経過を示す図が実線で示され、温度制御の影響下で、破線で示されている。
【0064】
図14は、ベースユニット5がコンベヤローラー47によってその上に運ばれる部分コンベヤユニット46を概略的に示す。全体が示されていない、敷設ユニット3の加圧ローラー48には、左から到着するベースユニット5に敷設するために提供されるストリップ材料31が供給される。加圧ローラー48は、加圧ローラー48上にあるストリップ材料31への熱入力dQ/dtを可能にし、及びストリップ材料31を加圧ローラー48にも敷設するために、ベースユニットの下側によって与えられる搬送レベル49の下からアクセス可能である。ストリップ材料31は、好ましくは、加圧ローラー48が転がり落ちるときに、ベースユニット5上の所望のストリップ敷設物の開始点と一緒になる加圧ローラー48上の点に標的化された方法で配置される。ここに示されていない圧力要素を使用して、ストリップ材料31を加圧ローラー48に敷設することができる。
【0065】
図15は、供給リール4からストリップ材料50が供給される敷設ユニット3を概略的に示している。ストリップ材料50は、駆動ローラー51のペアによって運ばれ、そのうちの1つだけが、ガイドユニット52を介して加圧ローラー53に能動的に駆動されることが好ましい。これは、搬送方向に示される2つのベースユニット5の前面にストリップ材料50を敷設させる。ストリップ材料50は、敷設される直前に、フォトニック加熱ユニット54、例えば、レーザーによって加熱される。加圧ローラー53に搬送されたベースユニット5は、例えば、ここには示されていない空気圧シリンダーを介して、ベースユニット5上の加圧ローラー53の圧力(矢印で表される)を制御するため、及び/又は加熱ユニット54を制御するために使用することもできる、近接センサ55で検出される。加圧ローラー53は、ベースユニット5の表面の凹凸を補正できるように、その周囲が弾性になるように設計されている。
【0066】
ストリップ材料50は、緩衝領域63を介して案内され、緩衝領域63は、供給リール4の慣性から、加圧ローラー53に向かうストリップ材料50の前進を切り離す。
【0067】
ストリップ材料50は、例えば、ストリップ材料50のプラスチックマトリックスの溶融温度未満で溶融するバインダーによって、意図された分離点を形成する接触点56で互いに緩く結合されたストリップ材料の断片に事前に切断される。他のメカニズム、例えば、穿孔、キャリア材料上でのストリップ材料片の静止、又は容易に取り外し可能な接続要素によるストリップ材料片の接続も考えられる。このようにして、敷設ユニット3内の切断プロセスのための支出を回避することができる。ストリップ材料の断片はまた、フォトニック加熱ユニット54によって互いに分離することができる。
【0068】
図16は、部分的に斜視で、部分的に断面で、2つのレバーアームピース103と104との間の旋回可能なレバー要素57上に配置され、敷設されるストリップ材料と接触するために提供されるジャケット要素101を備えた加圧ローラー48を示す。加圧ローラー48は、ベアリング102でレバーアームピース103及び104に固定されたシャフト58に取り付けられている。図16には、ボールベアリングが示されています。もちろん、ローラーベアリングやすべりベアリングなどの他のタイプのベアリングも可能である。ジャケット要素101の幅によって所定の加圧ローラー48の使用可能な幅内、すなわち、図16に、ここに示される例のレバーアームピース103と104との間のベアリング102の配置は、ベアリング102がレバー要素57の幅を増やさないことにより、隣接する収納ユニットを備えたよりコンパクトな設計が可能である。
【0069】
静止車軸58は、冷却流体が車軸58の周りを回転するチャンバ60に導かれることができる穿孔59を有する。チャンバ60は、シール105によってベアリング102からシールされている。コースが矢印で表されている冷却流体は、レバーアームピース103に配置された入口(ここには見えない)を介して供給され、レバーアーム穿孔62を介して静的軸58に導かれることができる。冷却流体は、レバーアームピース104の出口61を介してレバー要素57を出る。レバー要素57の前部107は、修理、保守又は交換の目的で、加圧ローラー48と共に分割106のために取り外すことができる。
【0070】
図17は、それぞれが斜視図で加圧ローラー48を備えた、保持フレーム64上に保持された複数の敷設ユニット3の平行配置を示している。そのような配置は、アプリケーションステーションで提供することができる。基本的に先行技術から知られており、図17に見ることができる敷設ユニット3の個々の要素は、ここではより詳細には説明されない。図18は、保持フレーム64上の敷設ユニット3のうちの1つを側面図で概略的にのみ示している。敷設ユニット3は、可動レール65上に配置され、これにより、保持フレーム64に対して、モーター駆動又は手動で敷設ユニット3を上下に動かすことができる。これにより、必要となる可能性のあるメンテナンス又は修理作業、及び敷設ユニット3の交換が容易になります。個々の敷設ユニット3のより良いアクセス可能性のために、保持フレーム64上に配置され、ここには示されていない、旋回軸の周りの旋回運動を、上下に移動する代わりに使用することができる。
【0071】
図19は、本発明による方法の一例のシーケンスを概略的に示している。異なる敷設パターン73から78が、アプリケーションステーション67から72に敷設される。この目的のために、各アプリケーションステーションには、67から72の異なる敷設ユニットの配置(ここには示されていない)、又は単一の敷設ユニットのみが、ここにも示されていないベースユニットからの各通路で、各預金ユニットがアクティブ化されるような方法で、提供される。そのため、敷設ユニットの最適な使用率が得られる。したがって、単一の敷設ユニットをアプリケーションステーション67に設けることができ、これは、ストリップ79の断片によって象徴されるように、非常に幅の広いストリップを敷設する。他方、ストリップ80は細く、パターン76のアプリケーションステーション70に敷設されるストリップを表す。ストリップパターン81によるストリップは、アプリケーションステーション72に敷設させることができる。
【0072】
バンドパターン82によって示されるような三角形のバンド構造はまた、例えば、敷設パターン75のためのアプリケーションステーション69において使用され得る。三角形又は他の形状のバンドパターン82は、原則として、例えばキャリア材料上に、連続材料として供給することができる。しかしながら、すべてのストリップサンプルは、例えば、供給リール4から、及び必要に応じて、切断点(ここには示されていない)を介して、ストリップの切断片(スタック84内にある)を受け取る、マガジン83を介して、完全に切断されたストリップ片として敷設ユニットに供給することもできる。
【0073】
図20は、関連する製造装置の上面図とともに、図19に示される方法を示す。左から来ると、ベースユニット5は、関連する部分コンベヤユニット及び位置合わせユニット91から95とともに、アプリケーションステーション67から72を通過する。敷設位置30でストリップのそれぞれの位置に配置された敷設パターンは、本質的に、図19の敷設パターン73から78に対応する。
【0074】
最後に、図21及び22は、ストリップ6がその上に敷設された基本ベースユニット96と、基本ベースユニット用の保持要素97とを示している。基本ベースユニット95とベルト6は一緒になって、本発明の意味の範囲内でベースユニット5を形成する。基本ベースユニット96は、ここでは、例えば、保持要素97の穿孔99に係合するスパイクの形態のラッチ手段98を有する。図22には2つだけが明確に示されているが、円状に均等に分布している隣接する穿孔99は、保持要素97の中心点と角度αを形成することができる。その周りに、基本ベースユニット96は、保持要素97内のオフセットにラッチすることができる。保持要素97は、位置合わせの変更を実行できるようにするために、位置合わせユニット(ここには示されていない)の位置合わせ手段が基本ベースユニット96にアクセスすることができる中央穿孔100を有する。
【符号の説明】
【0075】
1 コンベヤユニット
2 アプリケーションステーション
3 敷設ユニット
4 供給スプール
5 ベースユニット
6 ストリップ(Band)
7 第1のスタッキング装置
8 第1のキャリア要素
9 第2のスタッキング装置
10 第2のキャリア要素
11 アライメントユニット
12 回転装置
13 第1の搬送ユニット
14 第1のアプリケーションステーション
15 第1のアライメントユニット
16 第2のコンベヤユニット
17 第2のアプリケーションステーション
18 第2のアライメントユニット
19 第3の搬送ユニット
20 第3のアプリケーションステーション
21 第3のアライメントユニット
22 第4の搬送ユニット
23 第4のアプリケーションステーション
24 第4のアライメントユニット
25 第5の搬送ユニット
26 第5のアプリケーションステーション
27 第5のアライメントユニット
28 第6コンベヤ部品ユニット
29 第6のアプリケーションステーション
30 敷設位置
31 ストリップ材料
32 第1のリール列
33 第2のリール列
34 プーリー
35 接合装置
36 コンベヤサブユニット
37 コンベヤサブユニット
38 コンベヤサブユニット
39 アプリケーションステーション
40 アプリケーションステーション
41 アプリケーションステーション
42 アライメントユニット
43 アライメントユニット
44 温度制御装置
45 熱放射
46 コンベヤユニット(Foerderteileinheit)
47 コンベヤローラー
48 加圧ローラー
49 搬送レベル
50 ストリップ材料
51 ドライブローラー
52 ガイドユニット
53 加圧ローラー
54 加熱ユニット
55 近接センサ
56 接触点
57 レバー要素
58 軸
59 穿孔(Bohrung)
60 チャンバ
61 冷却液出口
62 レバーアーム穿孔
63 バッファエリア
64 保持フレーム
65 レール
66 敷設パターン
67 アプリケーションステーション
68 アプリケーションステーション
69 アプリケーションステーション
70 アプリケーションステーション
71 アプリケーションステーション
72 アプリケーションステーション
73 敷設パターン
74 敷設パターン
75 敷設パターン
76 敷設パターン
77 敷設パターン
78 敷設パターン
79 ストリップパターン
80 ストリップパターン
81 ストリップパターン
82 ストリップパターン
83 マガジン
84 スタック
85 コンベヤサブユニット(Foerderteileinheit)
86 コンベヤサブユニット
87 コンベヤサブユニット
88 コンベヤサブユニット
89 コンベヤサブユニット
90 コンベヤサブユニット
91 アライメントユニット
92 アライメントユニット
93 アライメントユニット
94 アライメントユニット
95 アライメントユニット
96 基本ベースユニット
97 保持要素
98 ラッチ手段
99 穿孔(Bohrungen)
100 中央穿孔
101 ジャケット要素
102 ベアリング
103 レバーアームピース
104 レバーアームピース
105 シール
106 分割
107 レバー要素の前部
【0076】
請求項1
繊維複合材料を含むワークピースの製造方法であって、ここで、
a)コンベヤの保持手段(97)によって保持されたベースユニット(5)は、少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)を通って導かれる、及び
b)問題のアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)を通るベースユニット(5)の並進移動中に、アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)又は少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)でワークピースを形成するために、繊維複合材料に属する少なくとも1つのストリップ(6)がベースユニット(5)上に配置される、
c)前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の前又は前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の少なくとも1つの前の搬送方向において、ベースユニット(5)の空間的位置合わせは、ホルダー手段(97)に対して少なくとも1回回転することによって変更されることを特徴とする、方法。
請求項2
ベースユニット(5)がコンベヤ装置上で搬送されている間に配向の変化が起こることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
請求項3
少なくとも1つのストリップ(6)からなる第1の層が、コンベヤ装置に属しない基本ベースユニット(96)上に敷設されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
請求項4
前記コンベヤ装置内の前記少なくとも1つのベースユニット(5)は、前記少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の外側でも熱が作用することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
請求項5
少なくとも1つのストリップ(6)を形成するためのそのストリップ材料(31、50)は、少なくとも1つの貯蔵容器(4)に保管されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
請求項6
前記貯蔵容器の少なくとも2つが、テープが所定の敷設パターンで計画どおりに敷設されるのと同時に、又は少なくともほぼ同時にそれらが使い果たされる方法で、前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39)の少なくとも1つで前記ストリップ材料を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
請求項7
第1の貯蔵容器(4)が第2の貯蔵容器(4)と交換される前に、前記第2の貯蔵容器(4)の前記ストリップ材料(31、50)が前記第1の貯蔵容器(4)の前記ストリップ材料(31、50)に接合されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
請求項8
前記ストリップ材料(31、50)の少なくともサブセットが、所定の分離点(56)を導入することによってより簡単な方法で互いに分離することができる、それぞれの長さが、それとともに形成されるストリップ(6)の長さに正確に又は少なくとも実質的に対応する、ストリップ材料の断片に分割されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9
前記ストリップ(6)を敷設するための前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の少なくとも1つ又は前記ストリップ(6)の少なくとも1つにおいて、関連ストリップ材料(31、50)が、敷設ユニット(3)の圧力要素でベースユニット(5)に押し付けられることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10
前記ストリップ材料(31、50)が前記ベースユニット(5)に押し付けられる前に、前記ストリップ材料(31、50)は、前記圧力要素(48、53)から前記圧力要素(48、53)の圧力方向に離れた領域から時間的に作用すること、特に、前記ストリップ材料(31、50)は、前記ベースユニット(5)と接触する前に、事前配置、前処理、特に予熱、及び/又は関連する圧力要素(48、53)に取り付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
請求項11
前記圧力要素(48、53)は、前記圧力要素(48、53)を通って流れる冷却流体によって冷却されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
請求項12
少なくとも2つのベースユニット(5)が前記コンベヤ装置内で同時に運ばれ、前記少なくとも2つのベースユニット(5)が少なくとも2つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67ー72)を通って次々に案内されること、それにより、好ましくは、前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39ー41、67―72)の少なくとも2つに、前記ストリップ(6)の異なる敷設パターン(66)が提供されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
a)少なくとも1つの敷設ユニット(3)を備えた少なくとも1つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)であって、ここで、敷設ユニット(3)は、ストリップ材料(31、50)から形成され、且つ繊維複合材料に属する少なくとも1つのストリップ(6)を、所定の敷設パターンで少なくとも1つのベースユニット(5)に敷設するように設定される、アプリケーションステーション、及び
b)少なくとも1つのベースユニット(5)を搬送するように設定され、保持手段(97)を保持して、搬送方向に離間した少なくとも2つのアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)に次々に、又は同じアプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)に少なくとも2回搬送するように設定されたコンベヤ装置、
を含む繊維複合材料を含むワークピースを製造するための装置であって、
c)前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の前又は前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の少なくとも1つの前に配置された、保持手段(97)に対して少なくとも1回回転することにより、前記ベースユニット(5)又は前記ベースユニット(5)の少なくとも1つの空間的位置合わせを変更するように設定された、少なくとも1つのアライメントユニット(11、15、18、21、24、27、42、43、91-95)、を特徴とする装置。
請求項14
前記アライメントユニット(11、15、18、21、24、27、42、43、91-95)は、前記ベースユニット(5)のスタック(84)を受け入れるように設定されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
請求項15
前記コンベヤ装置内に配置された前記ベースユニット(5)のうちの少なくとも1つの温度を制御するように設定された少なくとも1つの温度制御ユニット(44)を特徴とする、請求項13又は14に記載の装置。
請求項16
前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)の少なくとも1つに配置されたストリップ材料(31、50)用の少なくとも1つの貯蔵容器(4)を特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の装置。
請求項17
少なくとも1つの敷設ユニット(3)に2つの貯蔵容器(4)が用意されていることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
請求項18
前記2つの貯蔵容器(4)のうちの一方の前記ストリップ材料(31、50)の始まりを、前記2つの貯蔵容器(4)のうちの他方のストリップ材料(31、50)の終わりに結合するように設定される結合手段を特徴とする、請求項17に記載の装置。
請求項19
前記貯蔵容器(4)の少なくとも1つが、ストリップ材料(31、50)の少なくとも一部を互いに容易に分離することができるストリップ材料の断片に分割する、所定の分離点(56)を備えたストリップ材料(31、50)を有することを特徴とする、請求項16から18のいずれか一項に記載の装置。
請求項20
前記敷設ユニット(3)又は前記敷設ユニット(3)の1つに配置された少なくとも1つの圧力要素(48、53)が、冷却流体によって冷却されることであって、ここで、前記圧力要素(48、53)は、ローラーホルダーに固定された固定軸(58)に取り付けられた加圧ローラーであり、ここで、前記加圧ローラーは、前記ストリップ材料(31、50)と接触するように設けられたジャケット要素(101)を含み、且つ、冷却流体ラインの少なくとも一部は、前記軸(58)と前記ジャケット要素(101)との間を通るか、又はジャケット要素(101)と軸(58)との間に配置された少なくとも1つのチャンバ(60)によって形成されることを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の装置。
請求項21
前記ジャケット要素(101)の取り付けは、前記あの有用な幅内に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
請求項22
少なくとも1つの圧力要素(48、53)又はまだ敷設されていないストリップ材料(31、50)に作用するのに適した少なくとも1つのアクチュエータ、特に、前記圧力要素(48、53)の1つを意図したストリップ材料(48、53)の始まりを圧力要素に取り付けるため、及び/又は熱を導入するために、ここで、前記少なくとも1つのアクチュエータは、使用されるときに、少なくとも1つのベースユニット(5)の搬送レベル(49)の下に配置された領域から前記圧力要素(48、53)にアクセスするように配置されることを特徴とする、請求項13から21のいずれか一項に記載の装置。
請求項23
前記アプリケーションステーション(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)又は前記アプリケーションステーションの少なくとも1つ(2、14、17、20、23、27、29、2、14、17、20、23、27、29、39-41、67-72)に、製造プロセスで静止している少なくとも2つの敷設ユニット(3)があることであって、ここで、敷設ユニット(3)の敷設位置(30)は、搬送方向において互いに距離を置いて配置されていることを特徴とする、請求項13から22のいずれか一項に記載の装置。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22