(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】路面凹凸領域の検出方法、装置、電子デバイス、記憶媒体、プログラム、及び車両
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230825BHJP
G06T 7/62 20170101ALI20230825BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230825BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G06T7/62
G06T7/00 650A
G01B11/30 W
(21)【出願番号】P 2022019166
(22)【出願日】2022-02-10
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202110671500.8
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リアン シン
(72)【発明者】
【氏名】シュチン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イー ウ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンタオ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シュアイシュアイ ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】チョンファ ルオ
(72)【発明者】
【氏名】リーフォン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユンチャン フォン
(72)【発明者】
【氏名】タオ ワン
(72)【発明者】
【氏名】シャオチェン ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】フチュアン ウ
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-049952(JP,A)
【文献】特開2017-053777(JP,A)
【文献】特開2013-140448(JP,A)
【文献】特開昭62-088604(JP,A)
【文献】特開昭63-249008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06T 7/00 - 7/90
G01B 11/00 - 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサにより実行される路面凹凸領域の検出方法であって、
車両の走行状態データと車両の向きとを取得することと、
前記走行状態データにより、前記車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することと、
前記車両が路面凹凸領域を通過した場合、前記走行状態データと車両の向きにより、前記路面凹凸領域の位置を決定することと、を含
み、
前記路面凹凸領域の検出方法は、
路面の可視化情報をリアルタイムで収集することと、
前記走行状態データに速度が含まれる場合、前記車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻を取得することと、
収集範囲と前記速度とに基づき、インターバル時間を決定し、前記インターバル時間は、前記車両が路面凹凸領域を通過する開始時刻と、収集装置が当該路面凹凸領域の可視化情報を収集する収集時刻との時間差であり、路面凹凸領域が収集装置の収集範囲に入ってから車両が路面凹凸領域を通過するまでの距離が変わらない場合、車両の速度が速いほど前記インターバル時間が短くなるように決定することと、
前記開始時刻と前記インターバル時間とに基づき、収集時刻を決定することと、
前記収集時刻に収集した可視化情報を前記路面凹凸領域の可視化情報とすることと、
前記路面凹凸領域の可視化情報に基づき、前記路面凹凸領域の面積を決定することと、をさらに含む
ことを特徴とする路面凹凸領域の検出方法。
【請求項2】
前記車両が路面凹凸領域を通過し、かつ、前記走行状態データに加速度が含まれる場合、前記加速度の垂直方向における成分により、前記路面凹凸領域の深さ又は高さを決定すること、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項3】
前記加速度の垂直方向における成分により、前記路面凹凸領域の深さ又は高さを決定することは、
前記加速度の垂直方向における成分と第1関連関係とにより、前記路面凹凸領域の深さ又は高さを決定すること、を含み、
前記第1関連関係は、予め作成された前記加速度の垂直方向における成分と路面凹凸領域の深さ又は高さとの間の関連関係である
ことを特徴とする請求項2に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項4】
前記走行状態データと車両の向きにより、前記路面凹凸領域の位置を決定することは、
前記走行状態データにオイラー角と車両位置とが含まれる場合、前記オイラー角により、前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定することと、
前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪、車両位置、及び車両の向きにより、前記路面凹凸領域の位置を決定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項5】
前記オイラー角により、前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定することは、
前記オイラー角と第2関連関係とにより、前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定すること、を含み、
前記第2関連関係は、予め作成された前記オイラー角と前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪との間の関連関係である
ことを特徴とする請求項4に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項6】
前記開始時刻と前記インターバル時間とに基づき、収集時刻を決定することは、
収集方向と前記車両の向きが同じである場合、前記開始時刻から前記インターバル時間を遡り、前記収集時刻を得ること、を含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項7】
前記開始時刻と前記インターバル時間とに基づき、収集時刻を決定することは、
収集方向と前記車両の向きとが逆である場合、前記開始時刻から前記インターバル時間を経過し、前記収集時刻を得ること、を含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項8】
前記可視化情報は、画像又は点群データである
ことを特徴とする請求項
1、6
及び7のいずれか一項に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項9】
前記車両の走行状態データと車両の向きとを取得することは、
慣性センサを用いて、前記車両の加速度とオイラー角とを取得することと、
リアルタイムキネマティックRTK装置を用いて、前記車両の向きと車両位置とを取得することと、
前記加速度、オイラー角及び車両位置を前記車両の運行状態データとすることと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項10】
前記走行状態データにより、前記車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することは、
前記加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とにより、前記車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定すること、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の路面凹凸領域の検出方法。
【請求項11】
車両の走行状態データと車両の向きとを取得するための取得モジュールと、
前記走行状態データにより、前記車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定するための第1決定モジュールと、
前記車両が路面凹凸領域を通過した場合、前記走行状態データと車両の向きにより、前記路面凹凸領域の位置を決定するための第2決定モジュールと、
面積決定モジュールと、を備え
、
前記面積決定モジュールは、
路面の可視化情報をリアルタイムで収集することと、
前記走行状態データに速度が含まれる場合、前記車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻を取得することと、
収集範囲と前記速度とに基づき、インターバル時間を決定し、前記インターバル時間は、前記車両が路面凹凸領域を通過する開始時刻と、収集装置が当該路面凹凸領域の可視化情報を収集する収集時刻との時間差であり、路面凹凸領域が収集装置の収集範囲に入ってから車両が路面凹凸領域を通過するまでの距離が変わらない場合、車両の速度が速いほど前記インターバル時間が短くなるように決定することと、
前記開始時刻と前記インターバル時間とに基づき、収集時刻を決定することと、
前記収集時刻に収集した可視化情報を前記路面凹凸領域の可視化情報とすることと、
前記路面凹凸領域の可視化情報に基づき、前記路面凹凸領域の面積を決定することと、に用いられる
ことを特徴とする路面凹凸領域の検出装置。
【請求項12】
前記車両が路面凹凸領域を通過し、かつ、前記走行状態データに加速度が含まれる場合、前記加速度の垂直方向における成分により、前記路面凹凸領域の深さ又は高さを決定するための第3決定モジュール、をさらに備える
ことを特徴とする請求項
11に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項13】
前記第3決定モジュールは、
前記加速度の垂直方向における成分と第1関連関係とにより、前記路面凹凸領域の深さ又は高さを決定することに用いられ、
前記第1関連関係は、予め作成された前記加速度の垂直方向における成分と路面凹凸領域の深さ又は高さとの間の関連関係である
ことを特徴とする請求項
12に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項14】
前記第2決定モジュールは、
前記走行状態データにオイラー角と車両位置とが含まれる場合、前記オイラー角により、前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定するための第1決定ユニットと、
前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪、車両位置、及び車両の向きにより、前記路面凹凸領域の位置を決定するための第2決定ユニットと、を有する
ことを特徴とする請求項
11に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項15】
前記第1決定ユニットは、
前記オイラー角と第2関連関係とにより、前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定することに用いられ、
前記第2関連関係は、予め作成された前記オイラー角と前記車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪との間の関連関係である
ことを特徴とする請求項
14に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項16】
前記面積決定モジュールは、前記開始時刻と前記インターバル時間とに基づき、収集時刻を決定するとき、収集方向と前記車両の向きが同じである場合、前記開始時刻から前記インターバル時間を遡り、前記収集時刻を得ることに用いられる
ことを特徴とする請求項
11に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項17】
前記面積決定モジュールは、前記開始時刻と前記インターバル時間とに基づき、収集時刻を決定するとき、収集方向と前記車両の向きとが逆である場合、前記開始時刻から前記インターバル時間を経過し、前記収集時刻を得ることに用いられる
ことを特徴とする請求項
11に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項18】
前記可視化情報は、画像又は点群データである
ことを特徴とする請求項
11、16及び17のいずれか一項に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項19】
前記取得モジュールは、
慣性センサを用いて、前記車両の加速度とオイラー角とを取得することと、
リアルタイムキネマティックRTK装置を用いて、前記車両の向きと車両位置とを取得することと、
前記加速度、オイラー角及び車両位置を前記車両の運行状態データとすることと、に用いられる
ことを特徴とする請求項
11に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項20】
前記第1決定モジュールは、
前記加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とにより、前記車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することに用いられる
ことを特徴とする請求項
12に記載の路面凹凸領域の検出装置。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な命令が記憶され、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から
10のいずれか一項に記載の路面凹凸領域の検出方法を実行させる、
電子デバイス。
【請求項22】
コンピュータに請求項1から
10のいずれか一項に記載の路面凹凸領域の検出方法を実行させる命令を記憶するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行されると、請求項1から
10のいずれか一項に記載の路面凹凸領域の検出方法を実現するためのプログラム。
【請求項24】
請求項
11から
20のいずれか一項に記載の路面凹凸領域の検出装置、請求項
21に記載の電子デバイス、及び請求項
22に記載の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体のうちの少なくとも1つを備える
ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ技術分野、特にデータ処理分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車両が路面を走行する場合には、異なる区間によって走行速度が異なる可能性があり、走行する路面にくぼみ又は突起が存在するとき、車両が適時に減速しなければ揺れが発生し、乗車の快適性に影響を与え、深刻な場合は安全事故を引き起こすことに至る。そのため、路面凹凸領域の位置に対して検出を行い、該区間を通過する他の車に減速、徐行を促す、もしくは道路のメンテナンス者に速やかにメンテナンスをするようリマインドする必要がある。
【0003】
従来技術では、通常、カメラにより路面画像を収集し、路面凹凸領域に対して大まかな測位を行うが、このように測位した路面凹凸領域の位置の正確性は高くなく、他の車両が揺れを回避するよう効果的にリマインドすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、路面凹凸領域の検出方法、装置、電子デバイス、記憶媒体、プログラム、及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様において、路面凹凸領域の検出方法を提供し、該方法は、
車両の走行状態データと車両の向きとを取得することと、
走行状態データにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することと、
車両が路面凹凸領域を通過した場合、走行状態データと車両の向きにより、路面凹凸領域の位置を決定することと、を含む。
【0006】
本開示の他の様態において、路面凹凸領域の検出装置を提供し、該装置は、
車両の走行状態データと車両の向きとを取得するための取得モジュールと、
走行状態データにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定するための第1決定モジュールと、
車両が路面凹凸領域を通過した場合、走行状態データと車両の向きにより、路面凹凸領域の位置を決定するための第2決定モジュールと、を備える。
【0007】
本開示の他の様態において、電子デバイスを提供し、該デバイスは、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、
メモリには、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、
命令は、少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本開示の任意の実施形態が提供する方法を実行させる。
【0008】
本開示の他の様態において、コンピュータ命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該コンピュータ命令は、本開示の任意の実施形態が提供する方法をコンピュータに実行させる。
【0009】
本開示の他の様態において、プログラムを提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本開示の任意の実施形態が提供する方法を実現する。
【0010】
本開示の他の様態において、本開示の任意の実施形態が提供する装置、電子デバイス、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体のうちの少なくとも1つを含む車両を提供する。
【0011】
本開示の技術方案により、路面凹凸領域の測位精度が高くないという問題を解決する。本開示の技術方案における路面凹凸領域の検出方法は、車両が路面凹凸領域を通過したとき、車両の走行状態データと車両の向きとから路面凹凸領域の位置を決定することにより、路面凹凸領域の位置を正確に特定することができるため、他の車両に即座に対策を講じるよう効果的にリマインドすることができ、道路メンテナンス者に速やかに道路メンテナンスを行うようにリマインドすることができる。
【0012】
ここに記載された内容は、本開示の実施形態のキーポイント又は重要な特徴を記述することを意図せず、また、本開示の範囲を制限することにも用いられないことを理解すべきである。本開示の他の特徴については、下記の明細書を通して説明を促す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面は、本方案をより良く理解するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【
図1】本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の検出方法の概略図である。
【
図2】本開示の1つの実施形態による車両がくぼみ通過を検出する概略図である。
【
図3】本開示の1つの実施形態によるくぼみがカメラの視野範囲内にある概略図である。
【
図4】本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の画像である。
【
図5】本開示の1つの実施形態によるカメラの向きと車両の向きが逆である概略図である。
【
図6】本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の検出方法の概略図である。
【
図7】本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の検出装置の概略図である。
【
図8】本開示の1つの実施形態による第2決定モジュールの概略図である。
【
図9】本開示の実施形態の路面凹凸領域の検出方法を実施するための電子デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本開示の例示的な実施形態を、理解を容易にするために本開示の実施形態の様々な詳細を含む添付の図面に関連して説明するが、これらは単に例示的なものであると考えるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び精神を逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に様々な変更及び修正を加えることができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、周知の機能及び構成については、明確化及び簡明化のために説明を省略する。
【0015】
本開示の技術方案は、人工運転車、自動運転車等の応用シーンに応用することができる、車両が路面凹凸領域を通過したとき、車両の走行状態データと走行中の車両の向きとにより、路面凹凸領域の正確な特定を実現し、他の車両の運転者又は自動運転車両に即座に減速又はその他の対応措置を講じるようにリマインドするとともに、道路メンテナンス者に速やかに路面の修理及びメンテナンスを行うようにリマインドすることができる。
【0016】
本開示の実行主体は、任意の電子デバイス、例えば、車両、車載端末などの端末デバイスであってもよい。以下に、本開示の実施形態における路面凹凸領域の検出方法について詳しく説明する。
【0017】
図1は、本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の検出方法の概略図である。
図1に示すように、路面凹凸領域の検出方法は、以下を含むことができる。
【0018】
ステップS101において、車両の走行状態データと車両の向きとを取得する。
【0019】
車両が道路を走行するとき、車載端末などの端末デバイスを介して、速度、加速度、オイラー角、車両位置などを含むがこれらに限定されない車両走行に関する状態データを取得することができる。また、車両の向き、即ち車の先頭が対応する方向を取得することもできる。
【0020】
ステップS102において、走行状態データにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定する。
【0021】
該走行状態データにより、車両の走行中の状態変化を決定することができるため、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することができる。
【0022】
ステップS103において、車両が路面凹凸領域を通過した場合、走行状態データと車両の向きとにより、路面凹凸領域の位置を決定する。
【0023】
車両の走行状態データにより車両が現在路面凹凸領域を走行していると決定した場合、車両の走行状態データ、及び車両の先頭が対応する方向により、ある区間における路面凹凸領域の具体的な位置を決定し、提示メッセージを生成して、サーバを介して他の車両に送信したり、又は路面メンテナンス者の端末デバイスに送信したりすることにより、関係者に路面凹凸領域の状況を把握させ、速やかに相応の対策を講じるようにすることができる。
【0024】
選択的に、車載端末は、路面凹凸領域の位置をサーバに送信し、サーバは対応する提示メッセージを生成し、電子地図上に表示したり、又はナビゲーションシステムを介して音声提示を行ったりして、路面凹凸領域の位置を他の車両に把握してもらうことができる。
【0025】
本開示の実施形態に係る路面凹凸領域の検出方法では、車両が路面凹凸領域を通過する際に、車両の走行状態データと車両の向きとから路面凹凸領域の位置を決定することにより、路面凹凸領域の位置を正確に特定することができるので、他の車両に適時に対策を講じるよう効果的にリマインドすることができ、道路メンテナンス者に適時に道路メンテナンスを行うようにリマインドすることができる。
【0026】
本開示の技術方案において、路面凹凸領域の位置を決定することができるほか、路面凹凸領域に関連するその他の情報を取得することができ、具体的には、以下の実施形態を参照する。
【0027】
1つの実施形態において、該方法は、さらに、以下のステップを含む。
【0028】
車両が路面凹凸領域を通過し、かつ、走行状態データに加速度が含まれる場合、加速度の垂直方向における成分により、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定する。
【0029】
実際の応用において、車両が路面凹凸領域を通過した場合、車両が平坦な区間を走行するのと比較すると、垂直方向に加速度の変化が生じる。そのため、車両の加速度を取得した後、加速度のx軸、y軸、z軸の3方向の成分のうち、z軸方向の成分、即ち垂直方向の成分により車両の揺れの大きさを表すことができ、路面の陥没領域の深さ又は突起領域の高さを決定することができる。
【0030】
本開示の実施形態において、路面凹凸領域の位置を決定することに加えて、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定することができるため、他の車両又は道路メンテナンス者が路面凹凸領域のより多くの情報を把握することができ、路面凹凸領域を回避するために減速又は迂回走行等の対応策を容易にとることができる。
【0031】
ここで、加速度の垂直方向における成分により、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定することの具体的な方法は、次のような実施形態を参照する。
【0032】
1つの実施形態において、加速度の垂直方向における成分により、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定することは、以下を含む。
【0033】
加速度の垂直方向における成分と第1関連関係とにより、前記路面凹凸領域の深さ又は高さを決定し、第1関連関係は、予め作成された加速度の垂直方向における成分と路面凹凸領域の深さ又は高さとの間の関連関係である。
【0034】
ここで、第1関連関係は、加速度の垂直方向における成分と、路面凹凸領域の深さ又は高さとの対応関係テーブルであってもよい。標定の方法により、加速度の垂直方向における成分と、路面凹凸領域の深さ又は高さとの対応関係テーブルを予め作成しておくことができる。例えば、車両はそれぞれ1cm、2cm、3cm、4cm、5cmのくぼみを通過し、車両加速度の垂直方向の成分z1、z2、z3、z4、z5をそれぞれ記録することで、垂直方向の成分と路面凹凸領域の深さとの間の対応関係テーブルが得られる。同様に、車両に1cm、2cm、3cm、4cm、5cmの突起を通過させ、車両加速度の垂直方向の成分z6、z7、z8、z9、z10をそれぞれ記録することで、垂直方向成分と路面凹凸領域の高さとの間の対応関係テーブルを得ることもできる。
【0035】
選択的に、予め標定を行う際に、異なる車種や車両の異なる積載量等に基づき、それぞれ標定を行うこともでき、このようにして得られた対応関係テーブルを路面凹凸領域の高さ又は深さの決定に適用することにより、より正確な凹凸領域の深さ又は高さ情報を得ることができる。
【0036】
車載端末は車両走行中のリアルタイムな加速度を取得した後、加速度の垂直方向の成分と、予め作成された対応関係テーブルとにより、路面凹凸領域の深さ又は高さを得ることができる。
【0037】
本開示の実施形態において、加速度の垂直方向における成分、及び予め作成された加速度の垂直方向における成分と路面凹凸領域の深さ又は高さとの関連関係により、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定し、比較的正確な路面凹凸領域の深さ又は高さ情報を得ることができる。
【0038】
上述したステップS103の具体的な実現方法は、以下の実施形態を参照する。
【0039】
1つの実施形態において、ステップS103は、以下のステップを含む。
【0040】
ステップS1031において、走行状態データにオイラー角と車両位置とが含まれる場合、オイラー角により、車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定する。
【0041】
ステップS1032において、車両の路面凹凸領域を通過した車輪、車両位置、及び車両の向きにより、路面凹凸領域の位置を決定する。
【0042】
実際の適応において、車両の異なる車輪(左前輪、右前輪、左後輪、右後輪)が路面凹凸領域を通過するとき、車両のオイラー角は一般的に異なるため、車両のオイラー角により車両のどの車輪(1つ又は複数)が路面凹凸領域を通過したかを決定することができる。車両の路面凹凸領域を通過した車輪と車両の向きにより、現在路面凹凸領域を通過している車輪と車両との相対位置を決定ことができ、車両位置は、車両に搭載された測位装置の位置であってもよく、現在路面凹凸領域を通過している車輪と車両との相対位置、車両位置とにより、現在路面凹凸領域を通過している車輪の位置、即ち路面凹凸領域の位置を得ることができる。
【0043】
本開示の実施形態において、まず、車両の路面凹凸領域を通過した車輪を決定し、車両位置により路面凹凸領域の位置を決定するだけではなく、車両の路面凹凸領域を通過した車輪、車両位置及び車両の向きにより路面凹凸領域の位置を決定するため、路面凹凸領域の位置をより正確に決定することができる。
【0044】
ここで、オイラー角により、車両の路面凹凸領域を通過した車輪を決定する具体的な実現方法は、以下の実施形態を参照する。
【0045】
1つの実施形態において、ステップS1031は、以下を含む。
【0046】
オイラー角と第2関連関係とにより、車両の路面凹凸領域を通過した車輪を決定し、第2関連関係は、予め作成されたオイラー角と車両の路面凹凸領域を通過した車輪との間の関連関係である。
【0047】
ここで、第2関連関係は、車両のオイラー角と、車両の路面凹凸領域を通過した車輪との間の対応関係テーブルであってもよい。標定の方法を通して、オイラー角と車両の路面凹凸領域を通過した車輪との間の対応関係テーブルを予め作成することができる。たとえば、車両の異なる車輪がそれぞれ同一の路面陥没領域を通過し、車両のオイラー角w1、w2、w3、w4をそれぞれ記録する。同様に、車両の異なる車輪がそれぞれ同一の路面突起領域を通過し、車両のオイラー角w5、w6、w7、w8をそれぞれ記録することにより、オイラー角と車両の路面凹凸領域を通過した車輪との間の対応関係テーブルが得られる。
【0048】
選択的に、予め標定を行う際に、異なる車種や車両の異なる積載量等に基づき、それぞれ標定を行うこともでき、路面凹凸領域を通過した車輪を決定する際に、より正確な情報を得ることができる。
【0049】
車載端末は車両走行中のリアルタイムなオイラー角を取得した後、オイラー角と予め作成された対応関係テーブルとにより、路面凹凸領域を通過した車輪を決定することができる。
【0050】
本開示の実施形態において、オイラー角及び、予め作成されたオイラー角と車両の路面凹凸領域を通過した車輪との間の関連関係により、車両の路面凹凸領域を通過した車輪を決定し、どの車輪(1つ又は複数)が路面凹凸領域を通過したかを比較的正確に決定することができ、その後の路面凹凸領域の位置の決定を容易にすることができる。
【0051】
本開示の技術方案では、路面凹凸領域の深さ、高さ、位置を決定する以外に、更に多くの情報を取得することができ、具体的に、以下の実施形態を参照する。
【0052】
1つの実施形態において、該方法はさらに、以下を含む。
【0053】
路面の可視化情報をリアルタイムで収集する。
【0054】
走行状態データに速度が含まれる場合、車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻を取得する。
【0055】
収集範囲と速度とに基づき、インターバル時間を決定する。
【0056】
開始時刻とインターバル時間とに基づき、収集時刻を決定する。
【0057】
収集時刻に収集した可視化情報を路面凹凸領域の可視化情報とする。
【0058】
路面凹凸領域の可視化情報に基づき、路面凹凸領域の面積を決定する。
【0059】
実際の適応において、車載端末は、車両に搭載された収集装置で路面の可視化情報をリアルタイムで収集することができ、一般的に、車両が路面凹凸領域を通過することと、収集装置が路面凹凸領域に収集した可視化情報との間には、時間的な同期がとられておらず、一定の時間差、即ちインターバル時間が存在し、収集装置の収集範囲と車両の速度によりインターバル時間を決定することができ、路面凹凸領域が収集装置の収集範囲に入ってから車両が路面凹凸領域を通過するまでの距離が変わらない場合、車両の速度が速いほどインターバル時間が短い。車両の加速度、オイラー角の変化により、車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻を決定することができ、車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻及びインターバル時間とに基づいて、収集装置が路面凹凸領域の可視化情報を収集した収集時刻を決定することができ、該時刻の可視化情報により、路面凹凸領域の面積を決定することができる。
【0060】
本開示の実施形態において、路面凹凸領域の面積を取得することができるため、他の車両や関係者が路面凹凸領域についてより多くの情報を知ることができる。
【0061】
ここで、開始時刻とインターバル時間とに基づき、路面凹凸領域の対応する可視化情報を決定する具体的な実現方法は、以下の実施形態を参照する。
【0062】
1つの実施形態において、開始時刻とインターバル時間とに基づき、収集時刻を決定することは以下を含む。
【0063】
収集方向と車両の向きが同じである場合、開始時刻からインターバル時間を遡り、収集時刻を得る。
【0064】
実際の適応において、収集装置の向きと車両の向きとが同じである場合、収集装置はまず路面凹凸領域の可視化情報を収集し、車両はその後に路面凹凸領域を通過するため、車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻から前位にインターバル時間を遡り、路面凹凸領域の可視化情報の対応する時刻、即ち収集時刻を得て、収集時刻に収集装置が収集した可視化情報、即ち路面凹凸領域の可視化情報を調べることができる。
【0065】
本開示の実施形態において、収集装置の向きと車両の向きとが同じである場合、遡る方法により収集装置が路面凹凸領域の可視化情報を収集した時点を決定し、該時刻により路面凹凸領域の可視化情報を得ることができる。
【0066】
1つの実施形態において、開始時刻とインターバル時間とに基づいて、取得時刻を決定することは、以下を含む。
【0067】
収集方向と車両の向きとが逆である場合、開始時刻からインターバル時間を経過し、収集時刻を得る。
【0068】
実際の適応において、収集装置の向きと車両の向きとが逆である場合、車両が路面凹凸領域をまず通過した後、収集装置が路面凹凸領域の可視化情報をする、即ち車両が路面凹凸領域を通過する開始時刻からインターバル時間を経過し、路面凹凸領域の可視化情報の対応する時刻、即ち収集時刻を得、収集装置が収集時刻に収集した可視化情報、即ち路面凹凸領域の可視化情報を調べることができる。
【0069】
本開示の実施形態において、収集装置の向きと車両の向きとが逆である場合、経過する方法により収集装置が路面凹凸領域の可視化情報を収集した時刻を決定し、該時刻により路面凹凸領域の可視化情報得ることができる。
【0070】
ここで、収集される可視化情報は、収集装置のタイプが異なる場合に異なり、具体的には以下の実施形態を参照する。
【0071】
1つの実施形例において、ここで、可視化情報は、画像又は点群データである。
【0072】
実際の適応において、収集装置はカメラであってもよく、選択的に、車載端末はドライブレコーダーのカメラを通して路面の画像を収集することができ、車両が路面凹凸領域を通過したとき、路面凹凸領域の画像を収集する。収集装置はレーザレーダであってもよく、車載端末は、車両の先端に搭載されたレーザレーダにより路面の点群データを収集することができ、車両が路面凹凸領域を通過したとき、路面凹凸領域の点群データを収集することで路面凹凸領域の3次元モデルを得る。路面凹凸領域の画像又は点群データにより、路面凹凸領域の面積を算出することができる。
【0073】
本開示の実施形態において、異なるタイプの収集装置を通して路面凹凸領域の異なるタイプの視覚化情報を収集することにより、異なるニーズを満たすことができる。
【0074】
1つの具体的な実施形態において、収集装置はカメラであり、カメラの向きと車両の向きとは同じであり、車両が道路を走行中に、車載端末はカメラを通してリアルタイムに路面画像を収集し、
図2に示すように、車両がくぼみを通過したことを車載端末が検出した場合、くぼみはすでにカメラの視野範囲外にあるため、車両がくぼみを通過した時刻から0.8秒前に遡り、くぼみがカメラの視野範囲内に現れた時刻まで遡る必要があり、
図3に示すように、該時点の画像を路面くぼみ領域の画像とし、
図4に示すような画像を得る。カメラの向きと車両の向きとが逆である場合、車両はまずくぼみに通過し、その後にくぼみ画像がカメラの視野範囲内に現れるが、
図5に示すように、車両がくぼみを通過した時刻から0.8秒経過することにより、路面くぼみ領域の画像を得ることができる。
【0075】
本開示の実施形態において、車両の運行状態データと車両の向きとを具体的にどのように取得するかについては、以下の実施形態を参照する。
【0076】
1つの実施形態において、ステップS101は、以下を含む。
【0077】
慣性センサを用いて、車両の加速度とオイラー角とを取得する。
【0078】
リアルタイムキネマティックRTK装置を用いて、車両の向きと車両位置とを取得する。加速度、オイラー角及び車両位置を車両の運行状態データとする。
【0079】
ここで、車両の運転状態データは、加速度、オイラー角及び車両位置を含むことができる。慣性センサ(Inertial Measurement Unit、IMU)は、加速度と回転運動とを検出、測定するために使用でき、加速度計と角速度計(ジャイロスコープとも呼ばれる)とを含み、加速度計によりx軸、y軸、z軸の各方向における車両の加速度の成分を取得し、角速度計により車両のオイラー角を取得し、ここで、オイラー角はピッチ角、ヨー角、ロール角を含むことができるがこれらに限定されない。選択的に、6軸慣性センサを用いて車両の加速度とオイラー角とを取得することができる。
【0080】
リアルタイムキネマティック(Real-timekinematic、RTK)装置は、リアルタイムでセンチメートル級の測位精度を得ることができる測定装置で、車両の向きと車両位置とを取得することができる。選択的に、デュアルアンテナRTK装置を用いて車両の向きと車両位置とを取得することができる。
【0081】
本開示の実施形態において、慣性センサを通して車両の加速度とオイラー角とを取得し、RTK装置を通して車両の向きと車両位置とを取得することにより、得られるデータの精度がより高くなり、これらのデータに基づいて決定される凹凸領域の情報をより正確にすることができる。
【0082】
1つの実施形態において、走行状態データにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することは、以下を含む。
【0083】
加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定する。
【0084】
実際の適応において、車両の加速度の垂直方向における成分、つまりZ軸方向の成分は、車両の揺れ程度を表すことができるため、加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とを通じて、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することができ、ここで、予め設定された閾値は、当業者が具体的な必要に応じて設定することができ、例えば、異なる車種、車両の異なる積載量等の異なる状況により予め設定することができる。
【0085】
選択的に、加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定するほかに、車両のオイラー角等の要因を組み合わせて、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することも可能であり、本開示ではこれを限定しない。
【0086】
本開示の実施形態において、加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することは、簡単で、他の装置を追加する必要がなく、低コストで実現される。
【0087】
図6は、本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の検出方法の概略図である。
図6に示すように、路面凹凸領域の検出方法は、以下を含む。
【0088】
ステップS601において、車両の走行状態データと車両の向きとを取得する。
【0089】
ステップS602において、走行状態データに基づいて、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定する。
【0090】
ステップS603において、走行状態データにオイラー角と車両位置とが含まれる場合、オイラー角により、車両の路面凹凸領域を通過した車輪を決定する。
【0091】
ステップS604において、車両の路面凹凸領域を通過した車輪、車両位置、及び車両の向きにより、路面凹凸領域の位置を決定する。
【0092】
ステップS605において、走行状態データに加速度が含まれる場合、加速度の垂直方向における成分により、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定する。
【0093】
ステップS606において、路面の可視化情報をリアルタイムで収集し、走行状態データに速度が含まれる場合、車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻を取得する。
【0094】
ステップS607において、収集装置の収集範囲と速度とに基づいて、開始時刻と、収集装置が路面凹凸領域の可視化情報を取得した時刻との間のインターバル時間を決定する。
【0095】
ステップS608において、開始時刻とインターバル時間とに基づいて、取得時刻を決定し、取得時刻に取得した可視化情報を路面凹凸領域の可視化情報とする。
【0096】
ステップS609において、路面凹凸領域の可視化情報に基づいて、路面凹凸領域の面積を決定する。
【0097】
ステップS610において、路面凹凸領域の位置、深さ又は高さ、及び面積を、サーバが提示メッセージを生成して他の車両及び関係者の端末装置に送信するように、サーバに送信する。
【0098】
本開示の技術方案における路面凹凸領域の検出方法は、車両が路面凹凸領域を通過したとき、路面凹凸領域の位置、深さ又は高さ、及び面積をサーバに送信し、サーバが提示メッセージを生成し、他の車両と端末装置に送信することで、他の車両に即座に対策を講じるよう効果的にリマインドし、道路メンテナンス者に速やかに道路メンテナンスを行うようにリマインドすることができる。
【0099】
図7は、本開示の1つの実施形態による路面凹凸領域の検出装置の概略図である。
図7に示すように、路面凹凸領域の検出装置は、
車両の走行状態データと車両の向きとを取得するための取得モジュール701と、
走行状態データにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定するための第1決定モジュール702と、
車両が路面凹凸領域を通過した場合、走行状態データと車両の向きにより、路面凹凸領域の位置を決定するための第2決定モジュール703と、を備える。
【0100】
本開示の技術方案における路面凹凸領域の検出装置は、車両が路面凹凸領域を通過したとき、車両の走行状態データと車両の向きとを通じて、路面凹凸領域の位置を決定することで、路面凹凸領域の位置を正確に決定することができ、他の車両に即座に対策を講じるよう効果的にリマインドし、道路メンテナンス者に速やかに道路メンテナンスを行うようにリマインドすることができる。
【0101】
1つの実施形態において、該装置は、車両が路面凹凸領域を通過し、かつ、走行状態データに加速度が含まれる場合、加速度の垂直方向における成分により、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定するための第3決定モジュール、をさらに備える。
【0102】
1つの実施形態において、第3決定モジュールは、具体的に、
加速度の垂直方向における成分と第1関連関係とにより、路面凹凸領域の深さ又は高さを決定することに用いられ、第1関連関係は、予め作成された前記加速度の垂直方向における成分と路面凹凸領域の深さ又は高さとの間の関連関係である。
【0103】
図8は、本開示の1つの実施形態による第2決定モジュールの概略図である。
図8に示すように、1つの実施形態において、第2判断モジュール703は、第1判断ユニット801と第2判断ユニット802とを備える。
【0104】
第1決定ユニット801は、走行状態データにオイラー角と車両位置とが含まれる場合、オイラー角により、車両の路面凹凸領域を通過した車輪を決定する。
【0105】
第2決定ユニット802は、車両の路面凹凸領域を通過した車輪、車両位置、及び車両の向きにより、路面凹凸領域の位置を決定する。
【0106】
1つの実施形態において、第1決定ユニット702は、具体的に、オイラー角と第2関連関係とにより、車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪を決定することに用いられ、第2関連関係は、予め作成されたオイラー角と車両の前記路面凹凸領域を通過した車輪との間の関連関係である。
【0107】
1つの実施形態において、該装置は、面積決定モジュールをさらに備え、
路面の可視化情報をリアルタイムで収集することと、
走行状態データに速度が含まれる場合、車両が路面凹凸領域を通過した開始時刻を取得することと、
収集範囲と速度とに基づき、インターバル時間を決定することと、
開始時刻とインターバル時間とに基づき、収集時刻を決定することと、
収集時刻に収集した可視化情報を路面凹凸領域の可視化情報とすることと、
路面凹凸領域の可視化情報に基づき、路面凹凸領域の面積を決定することと、に用いられる。
【0108】
1つの実施形態において、面積決定モジュールが開始時刻とインターバル時間とに基づき、収集時刻を決定するとき、
収集方向と車両の向きが同じである場合、開始時刻からインターバル時間を遡り、収集時刻を得ることに用いられる。
【0109】
1つの実施形態において、面積決定モジュールが開始時刻とインターバル時間とに基づき、収集時刻を決定するとき、
収集方向と車両の向きとが逆である場合、開始時刻からインターバル時間を経過し、収集時刻を得ることに用いられる。
【0110】
1つの実施形態において、可視化情報は画像又は点群データである。
【0111】
1つの実施形態において、取得モジュール701は、具体的に、
慣性センサを用いて、車両の加速度とオイラー角とを取得することと、
リアルタイムキネマティックRTK装置を用いて、車両の向きと車両位置とを取得することと、
加速度、オイラー角及び車両位置を車両の運行状態データとすることと、に用いられる。
【0112】
1つの実施形態において、第1決定モジュール702は、具体的に、
加速度の垂直方向における成分と予め設定された閾値とにより、車両が路面凹凸領域を通過したか否かを決定することに用いられる。
【0113】
本開示の実施形態における各装置の各ユニット、モジュール、又はサブモジュールの機能は、上述した方法の実施形態における対応する説明を参照してもよく、ここでは繰り返し言及しない。
【0114】
本開示の技術方案において、関連するユーザーの個人情報の取得、保存及び応用等は、いずれも関連する法律法規の規定に合致しており、公序良俗に反するものではない。
【0115】
本開示の実施形態によれば、本開示はまた、電子デバイス、可読記憶媒体、及びプログラムを提供する。
【0116】
本開示の実施形態によれば、本開示はさらに、本開示の任意の実施形態における装置、電子デバイス、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体のうちの少なくとも1つを含む車両を提供する。
【0117】
図9は、本開示の実施形態を実現するための電子デバイス900のブロック図である。電子デバイスは、各形式のデジタルコンピュータを指し、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及びその他の適合するコンピュータが挙げられる。電子デバイスは、各形式の移動装置をさらに指し、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、セルラー電話、インテリジェントフォン、ウェアラブルデバイス、及びその他の類似のコンピュータ装置が挙げられる。本開示に記載されているコンポーネント、それらの接続関係、及び機能は例示的なものに過ぎず、本開示に記載・特定されているものの実現を限定するわけではない。
【0118】
図9に示すように、デバイス900は、リードオンリーメモリ(ROM)902に記憶されたコンピュータプログラム命令、又は記憶ユニット908からランダムアクセスメモリ(RAM)903にローディングされたコンピュータプログラム命令に基づいて、各種の適切な動作と処理を実行できるコンピューティングユニット901を含む。RAM903には、デバイス900の動作に必要な各種のプログラム及びデータをさらに記憶することができる。コンピューティングユニット901と、ROM902と、RAM903とは、バス904を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O)インターフェース905もバス904に接続されている。
【0119】
デバイス900における複数のコンポーネントは、I/Oインターフェース905に接続されており、その複数のコンポーネントは、キーボードやマウス等の入力ユニット906と、種々なディスプレイやスピーカ等の出力ユニット908と、磁気ディスクや光学ディスク等の記憶ユニット908と、ネットワークカード、モデム、無線通信トランシーバー等の通信ユニット909と、を備える。通信ユニット909は、デバイス900がインターネットのようなコンピュータネット及び/又は種々なキャリアネットワークを介して他の機器と情報/データを交換することを許可する。
【0120】
コンピューティングユニット901は、処理及びコンピューティング能力を有する様々な汎用及び/又は専用の処理コンポーネントであってもよい。コンピューティングユニット901のいくつかの例としては、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、様々な専用の人工知能(AI)コンピューティングチップ、様々な機械学習モデルアルゴリズムを実行するコンピューティングユニット、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び任意の適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を備えるが、これらに限定されない。コンピューティングユニット901は、上述で説明された各方法及び処理、例えば路面凹凸領域の検出方法を実行する。例えば、いくつかの実施形態では、路面凹凸領域の検出方法を、記憶ユニット908のような機械読み取り可能な媒体に有形的に含まれるコンピュータソフトウエアプログラムとして実現することができる。一部の実施形態では、コンピュータプログラムの一部又は全ては、ROM902及び/又は通信ユニット909を介して、デバイス900にロード及び/又はインストールすることができる。コンピュータプログラムがRAM903にロードされてコンピューティングユニット901によって実行される場合に、前述した路面凹凸領域の検出方法の1つ又は複数のステップを実行することができる。追加可能に、他の実施形態では、コンピューティングユニット901は、他の任意の適当な方式(例えば、ファームウェア)により路面凹凸領域の検出方法を実行するように構成することができる。
【0121】
ここで記載されているシステム又は技術の各種の実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、コンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はこれらの組み合わせによって実現することができる。これらの各実施形態は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにて実行及び/又は解釈される1つ又は複数のコンピュータプログラムにより実行することを含み得、該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受け取り、データ及び命令を該ストレージシステム、該少なくとも1つの入力デバイス、及び該少なくとも1つの出力デバイスに転送することができる専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよい。
【0122】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで作成することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラミングデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行される場合に、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/動作を実行することができる。プログラムコードは、完全にマシンで実行されてもよいし、部分的にマシンで実行されてもよいし、独立したソフトパッケージとして部分的にマシンで実行されるとともに部分的にリモートマシンで実行されてもよし、又は完全にリモートマシン又はサーバで実行されてもよい。
【0123】
本開示の説明において、機械読み取り可能な媒体は、有形な媒体であってもよく、命令実行システム、装置又は機器によって、又は命令実行システム、装置又は機器と合わせて用いられるプログラムを含み、又は記憶する。機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能な信号媒体又は機械読み取り可能な記憶媒体であってもよい。機械読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、又は前述した内容の任意の適切な組み合わせを含むことができるがこれらに限定されない。機械読み取り可能な記憶媒体のさらなる具体例として、1つ又は複数の配線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(RMO)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPRMO又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-RMO)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は前述した内容の任意の組み合わせを含む。
【0124】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータでここで記載されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニター等)、ユーザが入力をコンピュータに提供するためのキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール等)を備えるができる。ユーザとのインタラクションを提供するために、他の種類の装置を使用することもでき、例えば、ユーザに提供するフィードバックは、いかなる形式のセンサーフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック等)であってもよく、また、いかなる形式(例えば、音響入力、音声入力、触覚入力等)によって、ユーザからの入力を受付取るができる。
【0125】
ここに記載されているシステムと技術を、バックグラウンド部品に含まれるコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェア部品を含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロント部品を含むコンピューティングシステム(例えば、GUI又はネットワークブラウザを有するユーザコンピュータが挙げられ、ユーザがGUI又は当該ネットワークブラウザによって、ここに記載されているシステムと技術の実施形態とインタラクションすることができる)、又はこのようなバックグラウンド部品、ミドルウェア部品、又はフロント部品のいかなる組合したコンピューティングシステムで実施することができる。如何なる形式又はメディアのデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)を介して、システムの部品を互いに接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)及びインターネットを含む。
【0126】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバを含み得る。通常、クライアントとサーバは、互いに離れており、通信ネットワークを介してインタラクションを行うことが一般的である。対応するコンピュータで動作することで、クライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバの関係を生み出す。
【0127】
上記の様々な態様のフローを使用して、ステップを新たに順序付け、追加、又は削除することが可能であることを理解すべきである。例えば、本開示で記載された各ステップは、並列に実行しても良いし、順次に実行しても良いし、異なる順序で実行しても良い。本開示で開示された技術案が所望する結果を実現することができる限り、本開示ではこれに限定されない。
【0128】
上記具体的な実施形態は、本開示の保護範囲に対する限定を構成するものではない。当業者は、設計事項やその他の要因によって、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせ、及び代替が可能であることを理解するべきである。本開示の要旨及び原理原則内における変更、均等な置換及び改善等は、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。