IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーエムダブリュ・インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】アンテナ用クランピング装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20230825BHJP
   H01Q 3/08 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
H01Q3/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022512800
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-25
(86)【国際出願番号】 KR2020011551
(87)【国際公開番号】W WO2021040461
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0106969
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0072520
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン マン カン
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0059500(US,A1)
【文献】実開昭62-037417(JP,U)
【文献】特開2013-197855(JP,A)
【文献】特開平05-218720(JP,A)
【文献】実開平06-048203(JP,U)
【文献】特開平05-168198(JP,A)
【文献】特開2002-043818(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107645032(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを水平方向に回動させるローテーションユニットと、
前記アンテナを上下方向に回動させるティルティングユニットと、
前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくとも1つを回動させて前記アンテナの方向を調整するとともに、前記アンテナの方向が調整された後に前記アンテナが任意に回動するのを防止する回動兼用振動防止部と、を含み、
前記回動兼用振動防止部は、
回動モータと、
前記回動モータによって回転するウォームギヤと、
前記ローテーションユニットの回転中心および前記ティルティングユニットの回転中心のうち少なくとも1つの回転中心を形成するシャフトと、
前記シャフトの外周面に設けられ、前記ウォームギヤによって回転して前記少なくとも1つを回動させるウォームホイールギヤとを含み、
前記回動兼用振動防止部は、外側ダンピングアイドルギヤをさらに含み、
前記ウォームギヤは、前記外側ダンピングアイドルギヤおよび前記ウォームホイールギヤの間に備えられ、一側は前記外側ダンピングアイドルギヤのギヤ歯と噛合し、他側は前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯と噛合する、アンテナ用クランピング装置。
【請求項2】
前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯は、平ギヤ歯形態に形成される、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項3】
前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯は、ヘリカルギヤ歯形態に形成される、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項4】
前記外側ダンピングアイドルギヤは、平ギヤ形態に形成される、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項5】
前記外側ダンピングアイドルギヤは、前記ウォームホイールギヤ歯と噛合可能なウォームホイールギヤ形態に形成される、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項6】
アンテナを水平方向に回動させるローテーションユニットと、
前記アンテナを上下方向に回動させるティルティングユニットと、
前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくとも1つを回動させて前記アンテナの方向を調整するとともに、前記アンテナの方向が調整された後に前記アンテナが任意に回動するのを防止する回動兼用振動防止部と、を含み、
前記回動兼用振動防止部は、
回動モータと、
前記回動モータによって回転するウォームギヤと、
前記ローテーションユニットの回転中心および前記ティルティングユニットの回転中心のうち少なくとも1つの回転中心を形成するシャフトと、
前記シャフトの外周面に設けられ、前記ウォームギヤによって回転して前記少なくとも1つを回動させるウォームホイールギヤとを含み、
前記回動兼用振動防止部は、
前記シャフトの端部に設けられたブレーキギヤと、
前記ブレーキギヤに噛合する追加のダンピングアイドルギヤとをさらに含む、アンテナ用クランピング装置。
【請求項7】
前記回動兼用振動防止部は、
前記ウォームギヤを回転可能に支持するモータブラケットと、
前記モータブラケットの一側に備えられ、前記モータブラケットを前記ウォームホイールギヤ側に弾性支持する板スプリングダンパとをさらに含む、請求項1または6に記載のアンテナ用クランピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ用クランピング装置(CLAMPING APPARATUS FOR ANTENNA)に関し、より詳しくは、密集した設置空間で効率的にアンテナを配置できることはもちろん、アンテナの方向調整が容易なアンテナ用クランピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータの伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分するSpatial multiplexing手法である。
【0003】
したがって、送受信アンテナの個数を同時に増加させることによりチャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保する。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が使用されており、これをMassive MIMO技術という。現在のCell運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、FD-MIMO(Full Dimension)とも呼ぶ。
【0005】
Massive MIMO技術では、ANT(アンテナ)の数字が増えるにつれ、これによるtransmitterとFilterの数字も一緒に増加する。にもかかわらず、設置場所のリース費用や空間的な制約によって、RF部品(Antenna/Filter/Power Amplifier/Transceiver etc.)を小さくて軽く、安価に作ることが現実であり、Massive MIMOはCoverage拡張のために高出力が必要になるが、このような高出力による消耗電力と発熱量は重量およびサイズを低減するのに否定的な要因として作用している。
【0006】
特に、RF素子とデジタル素子が実現されたモジュールが積層構造で結合されたMIMOアンテナを限られた空間に設置する時、設置の容易性や空間の活用性を極大化するためにMIMOアンテナを構成する複数のレイヤに対するコンパクト化および小型化設計の必要性が浮上し、1つの支柱ポール(support pole)に設置されたアンテナ装置の自由な方向調整に関する必要性が強く要求されているのが現状である。
【0007】
これとともに、支柱ポールに設置されたアンテナが外部環境による所定の方向を維持するようにするための技術的構成の必要性も要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の技術的課題は、空間の制約が多い支柱ポールにアンテナを設置する時、設置自由度を増進させ、作業性を向上させることができるアンテナ用クランピング装置を提供することである。
【0009】
本発明の他の技術的課題は、支柱ポールに設置されたアンテナが任意にティルティング回動およびローテーティング回動するのを防止して、アンテナが所定の方向を維持できるアンテナ用クランピング装置を提供することである。
【0010】
本発明の技術的課題は以上に言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するために、本発明によるアンテナ用クランピング装置は、アンテナを水平方向に回動させるローテーションユニットと、前記アンテナを上下方向に回動させるティルティングユニットと、前記ローテーションユニットおよび前記ティルティングユニットの少なくとも1つを回動させて前記アンテナの方向を調整するとともに、前記アンテナの方向が調整された後に前記アンテナが任意に回動するのを防止する回動兼用振動防止部と、を含み、前記回動兼用振動防止部は、回動モータと、前記回動モータによって回転するウォームギヤと、前記少なくとも1つの回転中心を形成するシャフトと、前記シャフトの外周面に設けられ、前記ウォームギヤによって回転して前記少なくとも1つを回動させるウォームホイールギヤとを含む。
【0012】
前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯は、平ギヤ歯形態に形成される。
【0013】
前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯は、ヘリカルギヤ歯形態に形成される。
【0014】
前記回動兼用振動防止部は、内側ダンピングアイドルギヤをさらに含むことができる。前記内側ダンピングアイドルギヤは、前記ウォームギヤおよび前記ウォームホイールギヤの間に備えられ、一側は前記ウォームギヤのウォームギヤ歯と噛合し、他側は前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯と噛合することができる。
【0015】
前記内側ダンピングアイドルギヤは、平ギヤ形態に形成される。
【0016】
前記内側ダンピングアイドルギヤは、前記ウォームホイールギヤ歯と噛合可能なウォームホイールギヤ形態に形成される。
【0017】
前記回動兼用振動防止部は、外側ダンピングアイドルギヤをさらに含むことができる。前記ウォームギヤは、前記外側ダンピングアイドルギヤおよび前記ウォームホイールギヤの間に備えられ、一側は前記外側ダンピングアイドルギヤのギヤ歯と噛合し、他側は前記ウォームホイールギヤのウォームホイールギヤ歯と噛合することができる。
【0018】
前記外側ダンピングアイドルギヤは、平ギヤ形態に形成される。
【0019】
前記外側ダンピングアイドルギヤは、前記ウォームホイールギヤ歯と噛合可能なウォームホイールギヤ形態に形成される。
【0020】
前記回動兼用振動防止部は、前記シャフトの端部に設けられたブレーキギヤと、前記ブレーキギヤに噛合する追加のダンピングアイドルギヤとをさらに含むことができる。
【0021】
前記回動兼用振動防止部は、前記ウォームギヤを回転可能に支持するモータブラケットと、前記モータブラケットの一側に備えられ、前記モータブラケットを前記ウォームホイールギヤ側に弾性支持する板スプリングダンパとをさらに含むことができる。
【0022】
その他の実施例の具体的な事項は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例によれば、次のような多様な効果を達成することができる。
【0024】
第一、ティルティングユニットおよびローテーションユニットを介してアンテナの方向を自動調整可能なため、作業者の現場作業性を向上させる効果を有する。
【0025】
第二、ティルティングユニットおよびローテーションユニットを介して固定されたアンテナの方向が任意にティルティング回動またはローテーション回動するのを防止可能なため、アンテナの信号伝達の信頼性を維持できる効果を有する。
【0026】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置を支柱ポールに設置した様子を示す斜視図である。
図2図1においてアンテナを除いて示す分解斜視図である。
図3A】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、共用結合ユニットをアームユニットから分解した分解斜視図である。
図3B】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、共用結合ユニットをアームユニットから分解した分解斜視図である。
図4A】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ローテーションユニットを共用結合ユニットから分解した分解斜視図である。
図4B】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ローテーションユニットを共用結合ユニットから分解した分解斜視図である。
図5A】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ティルティングユニットをローテーションユニットから分解した分解斜視図である。
図5B】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ティルティングユニットをローテーションユニットから分解した分解斜視図である。
図6】本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ティルティングユニット、ローテーションユニットおよび共用結合ユニットの分解斜視図である。
図7A図2のA-A線に沿った切開斜視図である。
図7B図2のB-B線に沿った切開斜視図である。
図7C図2のC-C線に沿った切開斜視図である。
図8】本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置を示す斜視図である。
図9図8の分解斜視図である。
図10】本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、回動兼用振動防止部の多様な実施例を示す斜視図である。
図11】本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、回動兼用振動防止部の多様な実施例を示す斜視図である。
図12】本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、回動兼用振動防止部の多様な実施例を示す斜視図である。
図13】本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、回動兼用振動防止部の多様な実施例を示す斜視図である。
図14】本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、回動兼用振動防止部の多様な実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0029】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0030】
図1は、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置を支柱ポールに設置した様子を示す斜視図であり、図2は、図1においてアンテナを除いて示す分解斜視図であり、図3Aおよび図3Bは、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、共用結合ユニットをアームユニットから分解した分解斜視図であり、図4Aおよび図4Bは、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ローテーションユニットを共用結合ユニットから分解した分解斜視図であり、図5Aおよび図5Bは、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ティルティングユニットをローテーションユニットから分解した分解斜視図である。
【0031】
図1図5Bを参照すれば、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置は、支柱ポール(support pole)1に結合されるアームユニット100と、アームユニット100と結合される共用結合ユニット200と、共用結合ユニット200に水平方向に回動可能に結合されるローテーションユニット300と、ローテーションユニット300に上下方向に回動可能に結合され、アンテナAが結合されるティルティングユニット400とを含むことができる。ここで、水平方向への回動は、ローテーティング回動と同一の意味であり、上下方向への回動は、ティルティング回動と同一の意味であり得る。すなわち、水平方向への回動およびローテーティング回動は、垂直軸を回転中心として回転することを意味することができる。また、上下方向への回動およびティルティング回動は、水平軸を回転中心として回転することを意味することができる。
【0032】
アームユニット100は、共用結合ユニット200を支柱ポール1に結合媒介する役割を果たすことができる。
【0033】
図2を参照すれば、アームユニット100は、支柱ポール1から水平方向の一側に所定長さ延びたアーム本体110と、アーム本体110の一端および他端のうち支柱ポール1側に相当する他端に一体に備えられ、支柱ポール1の外周面の一側に密着結合される固定型ブラケット120と、固定型ブラケット120と複数の固定長ボルト140によって相互結合されかつ、支柱ポール1の外周面の他側に密着結合される分離型ブラケット130とを含むことができる。複数の固定長ボルト140は、その端部が分離型ブラケット130に備えられた固定ナット150を介して相互ナット結合可能である。
【0034】
アーム本体110の他端には、固定型ブラケット120との結合部位の剛性を補強するための複数の補強リブ115が一体に形成可能である。アーム本体110と固定型ブラケット120は、金属材質として一体に成形される。しかし、必ずしもアーム本体110と固定型ブラケット120とが一体に射出成形される必要はなく、アーム本体110および固定型ブラケット120が別途に製作された後、溶接結合方式などにより相互一体化されてもよい。
【0035】
一方、アーム本体110と固定型ブラケット120は、金属材質として金型内で一体に製造され、分離型ブラケット130も、金属材質としてアーム本体110および固定型ブラケット120を製造する金型と異なる金型によって製造される。
【0036】
上述のように、アームユニット100は、固定型ブラケット120と分離型ブラケット130とが相互ボルティング結合方式で結合されかつ、支柱ポール1の長手方向とは直交する水平方向に所定長さ延びて、支柱ポール1からアンテナAが所定長さ離隔して設置される形態に形成される。
【0037】
アームユニット100のうちアーム本体110の先端部には共用結合ユニット200が先に結合されて、多様な仕様で製造された後述するクランピング部60の結合を媒介することができる。しかし、実施例によっては、共用結合ユニット200の媒介なしに、ローテーションユニット300が直接アーム本体110の先端部に設けられることも可能である(後述する図8および図9参照)。
【0038】
以下では、アームユニット100のアーム本体110の先端部にローテーションユニット300が共用結合ユニット200を介在して設けられることを前提に説明する。共用結合ユニット200は、ローテーションユニット300と基本的に類似の形態で備えられるものであるが、アーム本体110の先端部に固定されるか、選択的にアンテナAの追加的な水平方向のローテーティング回動が必要な場合に、ローテーションユニット300と同じく回動可能な構造を有することができる。
【0039】
図3Aおよび図3Bを参照すれば、共用結合ユニット200は、一端部にローテーションユニット300が結合される結合部位を提供する共用一端結合部201と、共用一端結合部201の上端部から他側に所定長さ延び、下方に結合要素である軸になる結合軸210が所定長さ延びた共用他端結合部202とを含むことができる。
【0040】
共用結合ユニット200の共用一端結合部201の内部には、後述する回動兼用振動防止部230、330の構成のうちローテーティング角度調整部230が内蔵される。これについては、後でより詳しく説明する。
【0041】
アームユニット100のアーム本体110の先端部には、共用結合ユニット200の結合のための固定軸ホールブロック190が備えられる。
【0042】
より詳しくは、アーム本体110は、内部が空いている四角管状に備えられ、アーム本体110の先端部は、一側方向に開口するように形成され、上端および下端が半円形に突出形成される。
【0043】
アーム本体110の開口した先端部には、アーム本体110の空いている先端部の内部空間160に対応する形態で備えられた固定軸ホールブロック190が挿入固定される。固定軸ホールブロック190は、アーム本体110の空いている先端部の内部空間160に対応することから、一端側の外形は略半円形の水平断面を有する円形柱に形成され、他端側の外形は四角ブロック形状に形成される。
【0044】
固定軸ホールブロック190には、共用結合ユニット200の結合軸210が上部から下部に軸設される軸挿入孔191が設けられる。これとともに、アーム本体110の先端部の上側には、共用結合ユニット200の結合軸210が貫通して固定軸ホールブロック190に形成された軸挿入孔191に挿入されるように軸貫通孔165が形成される。
【0045】
軸挿入孔191に対する結合軸210の結合は、締まり嵌め、ねじ結合およびボルト結合のいずれか1つの結合であってもよい。本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置では、固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191に共用結合ユニット200の結合軸210が上部から下部に挿入されて型合わせされた後、不図示の固定ボルトを用いて強固に固定される構造が採用された。
【0046】
一方、アームユニット100のアーム本体110の先端部には、共用結合ユニット200との間に予め定められた摩擦力を形成するブレーキ部(図面符号不図示)が備えられる。
【0047】
前記ブレーキ部は、アームユニット100の先端部のうち上側に備えられて、共用結合ユニット200の上部接合面と摩擦力を形成する上部ブレーキワッシャパッド170a、175aと、アームユニット100のアーム本体110の先端部のうち下側に備えられて、共用結合ユニット200の下部接合面と摩擦力を形成する下部ブレーキワッシャパッド170b、175bとを含むことができる。
【0048】
上部ブレーキワッシャパッド170a、175aおよび下部ブレーキワッシャパッド170b、175bは、アームユニット100のアーム本体110の先端部の上側および下側に固定されて、摩擦面を提供する固定板部170a、170bと、共用結合ユニット200の上側または下側に固定されて、回動しながら固定板部170a、170bと摩擦力を形成する回動板部175a、175bとを含むことができる。
【0049】
固定板部170a、170bは、アームユニット100のアーム本体110の先端部の上側に固定される上部固定板部170aと、アームユニット100のアーム本体110の先端部の下側に固定される下部固定板部170bとを含むことができる。
【0050】
下部ブレーキワッシャパッド170b、175bは、共用結合ユニット200の共用一端結合部201の下端部から他端部側に延びて、アーム本体110の先端部の下側面に延びるように備えられたワッシャ取付ブラケット180を介在して設けられる。
【0051】
回動板部175a、175bは、共用結合ユニット200の共用他端結合部202の下面に固定されて、回動しながら上部固定板部170aと摩擦力を形成する上部回動板部175aと、ワッシャ取付ブラケット180の上面に固定されて、回動しながら下部固定板部170bと摩擦力を形成する下部回動板部175bとを含むことができる。
【0052】
ワッシャ取付ブラケット180の上面には上述した下部回動板部175bが備えられ、アームユニット100のアーム本体110の先端部の下側には下部固定板部170bが固定されて、共用結合ユニット200が上述のように追加のローテーティングを必要としてローテーティング回動する時、所定の摩擦力を形成するのである。
【0053】
一方、クランピング部60は、アームユニット100にアンテナAの設置を媒介するとともに、アンテナAの方向を設定できるようにローテーティング回動したり、ティルティング回動するように備えられる。
【0054】
より詳しくは、クランピング部60は、アームユニット100のアーム本体110の先端部に結合される共用結合ユニット200と、共用結合ユニット200の先端部に結合されるローテーションユニット300と、ローテーションユニット300に結合されるティルティングユニット400とを含むことができる。
【0055】
ティルティングユニット400には、図1に示すように、アンテナAが分離可能に設置される。
【0056】
ティルティングユニット400の前面には、図1に示すように、ブラケットパネル405が付着し、ティルティングユニット400に結合されるアンテナAの後面には、フック締結用ブラケット(図示せず)がアンテナAの後面より後方に離隔して備えられる。
【0057】
アンテナAの設置を行う作業者は、ティルティングユニット400に備えられた取付溝に、アンテナAの後面にフック締結用ブラケットを仮固定した状態で、簡単にフック締結用ブラケットを上部から下部に挿入載置した後、フック固定用ねじ(図示せず)を介して強固に組立てることができるため、多数の設置者を必要とすることなく組立性が向上するという利点を提供することができる。
【0058】
図4Aおよび図4Bを参照すれば、ローテーションユニット300は、一端部にティルティングユニット400が結合される結合部位を提供するローテーション一端結合部301と、ローテーション一端結合部301の上端部から他側に所定長さ延び、下方にローテーションユニット300の回動軸になるローテーティング軸固定部310が所定長さ延びたローテーション他端結合部302とを含むことができる。
【0059】
ローテーティング軸固定部310の共用結合ユニット200の共用一端結合部201に備えられたローテーティングシャフト231の軸ホール231’(図6参照)に対する結合方式は、上述した結合軸210の固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191に対する結合方式に準ずる。
【0060】
一方、ローテーション一端結合部301の内部には、後述する回動兼用振動防止部230、330の構成のうちの1つであるティルティング角度調整部330が内蔵される。これについては、後でより詳しく説明する。
【0061】
図5Aおよび図5Bを参照すれば、ティルティングユニット400は、一端部にアンテナAが着脱可能に結合するティルティング一端結合部401と、ティルティング一端結合部401の左右両端からそれぞれ他端部側に延びて、ローテーションユニット300のローテーション一端結合部301の左右両側壁にティルティング回動可能に結合されるように備えられたティルティング他端結合部402とを含むことができる。
【0062】
左右両側にそれぞれ形成されたティルティング他端結合部402のうちの1つには、ローテーション一端結合部301に備えられたティルティング結合ホール365に挿入されるティルティング軸固定部410が形成される。
【0063】
ティルティング軸固定部410のローテーション一端結合部301に備えられたティルティングシャフト331の軸ホール331’(図6参照)に対する結合方式は、上述した結合軸210の固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191に対する結合方式に準ずる。
【0064】
ティルティング軸固定部410は、外部から内部に挿入締結される不図示の固定ボルトを用いてティルティングシャフト331に固定されるようにティルティング他端結合部402の外側から内側に凹入される形態で備えられ、締結固定が完了した固定ボルトを外部から隠匿させるためのティルティング遮蔽キャップ403がティルティング軸固定部410の外側面に結合される。
【0065】
ローテーションユニット300に形成されたローテーティング軸固定部310は、共用結合ユニット200またはアームユニット100のアーム本体110に対する水平方向ローテーティング回動の中心になる。これとともに、ティルティングユニット400に形成されたティルティング軸固定部410は、ローテーションユニット300に対する上下方向ティルティング回動の中心になる。
【0066】
このように、クランピング部60は、共用結合ユニット200に対してローテーションユニット300がローテーティング軸固定部310を中心として水平方向に回動可能に結合されることにより、アンテナAの水平方向に回動が可能に備えられ、ティルティングユニット400がティルティング軸固定部410を中心として上下方向に回動可能に結合されることにより、アンテナAの上下方向に回動が可能に備えられる。
【0067】
図6は、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、ティルティングユニット、ローテーションユニットおよび共用結合ユニットの分解斜視図である。
【0068】
図6を参照すれば、クランピング部60は、回動兼用振動防止部230、330をさらに含むことができる。回動兼用振動防止部230、330は、ローテーションユニット300のローテーション一端結合部301および共用結合ユニット200の共用一端結合部201の内部に備えられて、それぞれティルティングユニット400およびローテーションユニット300をティルティング回動およびローテーティング回動させることができる。また、回動兼用振動防止部230、330は、ティルティングユニット400およびローテーションユニット300が回動して固定された位置で任意に回動するのを防止することができる。
【0069】
回動兼用振動防止部230、330は、共用結合ユニット200の共用一端結合部201の内部に設けられたローテーティング角度調整部230と、ローテーションユニット300のローテーション一端結合部301の内部に設けられたティルティング角度調整部330とを含むことができる。
【0070】
ローテーティング角度調整部230は、ローテーションユニット300をローテーション回動させることができ、ローテーションユニット300がローテーション回動して固定された位置でローテーションユニット300が任意に回動するのを防止することができる。
【0071】
ティルティング角度調整部330は、ティルティングユニット400をティルティング回動させることができ、ティルティングユニット400がティルティング回動して固定された位置でティルティングユニット400が任意に回動するのを防止することができる。
【0072】
ローテーティング角度調整部230は、共用一端結合部201を形成し、内部空間を形成する結合ユニットハウジング220の内部に上下方向に垂直に備えられたローテーティングシャフト231と、ローテーティングシャフト231の外周面に一体に形成され、ウォームホイールギヤ歯が外周面に形成されたウォームホイールギヤ232と、ウォームホイールギヤ232のウォームホイールギヤ歯と噛合するウォームギヤ歯234が形成され、ローテーティングシャフト231に対して直交するように配置されたウォームギヤ233とを含むことができる。
【0073】
ウォームギヤ233は、結合ユニットハウジング220の内部に電気的に駆動されるように備えられた回動モータ235の駆動によって回転作動できる。回動モータ235は、モータブラケット236を介在して結合ユニットハウジング220の内部に強固に固定される。
【0074】
ローテーティングシャフト231の端部には軸ホール231’が形成され、軸ホール231’は、結合ユニットハウジング220の上部に上下に貫通して形成されたローテーティング軸貫通孔265を介して外部に露出し、ローテーティング軸貫通孔265を介して露出したローテーティングシャフト231の軸ホール231’にローテーションユニット300のローテーティング軸固定部310が結合される。
【0075】
一方、結合ユニットハウジング220の下側は開口可能であり、結合ユニットハウジング220の開口した下側は結合ユニットカバー207によってカバーされる。作業者は、結合ユニットハウジング220から結合ユニットカバー207を分離した後、結合ユニットハウジング220の内部に内蔵されたローテーティング角度調整部230の各構成の維持/補修を行うことができる。
【0076】
結合ユニットカバー207は、ローテーティングシャフト231の軸ホール231’が形成された上端に対向する下端の回転を支持するとともに、上述したワッシャ取付ブラケット180が別途に備えられて結合されるか、一体に成形具備される。
【0077】
ティルティング角度調整部330は、ローテーション一端結合部301を形成し、内部空間を形成するローテーティングハウジング320の内部に水平方向に水平に備えられたティルティングシャフト331と、ティルティングシャフト331の外周面に一体に形成され、ウォームホイールギヤ歯332が外周面に形成されたウォームホイールギヤ332と、ウォームホイールギヤ332のウォームホイールギヤ歯332と噛合するウォームギヤ歯334が形成され、ローテーティングシャフト231に対して直交するように配置されたウォームギヤ333とを含むことができる。
【0078】
ウォームギヤ233、333は、ローテーティング角度調整部230に含まれるローテーティングウォームギヤ233と、ティルティング角度調整部330に含まれるティルティングウォームギヤ333とを含むことができる。
【0079】
ウォームホイールギヤ232、332は、ローテーティング角度調整部230に含まれるローテーティングウォームホイールギヤ232と、ティルティング角度調整部330に含まれるティルティングウォームホイールギヤ332とを含むことができる。
【0080】
ウォームギヤ333は、ローテーティングハウジング320の内部に電気的に駆動されるように備えられた回動モータ335の駆動によって回転作動できる。回動モータ335は、モータブラケット336を介在してローテーティングハウジング320の内部に強固に固定される。
【0081】
回動モータ235、335は、共用結合ユニット200の内部に備えられて、ローテーションユニット300を水平方向に回転させるローテーティング回動モータ235と、ローテーションユニット300の内部に備えられて、ティルティングユニット400を上下方向に回転させるティルティング回動モータ335とを含むことができる。
【0082】
ティルティングシャフト331の端部には軸ホール331’が形成され、軸ホール331’は、ローテーティングハウジング320の一側壁に左右に貫通して形成されたティルティング軸貫通孔365を介して外部に露出し、ティルティング軸貫通孔365を介して露出したティルティングシャフト331の軸ホール331’にティルティングユニット400のティルティング軸固定部410が結合される。
【0083】
一方、ローテーティングハウジング320の一側は開口可能であり、ローテーティングハウジング320の開口した一側はローテーティングカバー307によってカバーされる。作業者は、ローテーティングハウジング320からローテーティングカバー307を分離した後、ローテーティングハウジング320の内部に内蔵されたティルティング角度調整部330の各構成の維持/補修を行うことができる。
【0084】
ローテーティングカバー307は、ティルティングシャフト331の軸ホール331’が形成された一端に対向する他端の回転を支持する役割を果たすことができる。
【0085】
回動兼用振動防止部230、330は、上述のように、それぞれローテーションユニット300とティルティングユニット400を回動させることにより、アンテナAの方向を自動調整するとともに、アンテナAの方向が固定された状態で外部環境によって任意にアンテナAの方向が変更されないように振動を防止する役割を果たすことができる。
【0086】
図7A図7Cは、図2のA-A、B-BおよびC-C線に沿った切開斜視図である。
【0087】
図7A図7Cを参照すれば、回動兼用振動防止部230、330の構成のうち、ティルティング角度調整部330のティルティングシャフト331は、ローテーティングハウジング320の内部で水平方向に水平に設けられる。また、回動兼用振動防止部230、330の構成のうち、ローテーティング角度調整部230のローテーティングシャフト231は、共用結合ハウジング220の内部で上下方向に垂直に設けられる。そして、共用結合ユニット200の結合軸210がアームユニット100のアーム本体110の先端内部で上下方向に形成する軸挿入孔191が形成された固定軸ホールブロック190に上下方向に垂直に設けられる。
【0088】
ここで、ティルティング角度調整部330のティルティングシャフト331は、図7Bに示すように、一端部がティルティング軸固定部410の膨らんでいる先端部を取り囲むように結合されるとともに、他端部がローテーティングカバー307に貫通して形成されたシャフト固定ホール308に貫通結合され、それぞれの両端が一側シーリング309aおよび他側シーリング309bによってシーリング処理される。
【0089】
また、ローテーティング角度調整部230のローテーティングシャフト231も、図7Cに示すように、一端部がローテーティング軸固定部310の膨らんでいる先端部を取り囲むように結合され、他端部が結合ユニットカバー207に貫通して形成されたシャフト固定ホール208に貫通結合され、それぞれの両端が一側シーリング209aおよび他側シーリング209bによってシーリング処理される。
【0090】
図8は、本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置を示す斜視図であり、図9は、図8の分解斜視図である。
【0091】
図8および図9を参照すれば、本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置は、図1図7Cを参照して説明した本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置と異なることが分かる。
【0092】
すなわち、図1図7Cを参照して説明した本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置は、クランピング部60の構成のうち、ローテーションユニット300が共用結合ユニット200を介してアームユニット100に介設された。
【0093】
しかし、図8および図9を参照すれば、本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置は、クランピング部60の構成のうち、ローテーションユニット300が共用結合ユニット200なしに直接アームユニット100のアーム本体110の先端部に備えられた固定軸ホールブロック190にローテーティング回動可能に設けられる。
【0094】
また、本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置は、共用結合ユニット200が削除されることから、共用結合ユニット200の内部に内蔵されて、ローテーションユニット300を水平方向にローテーティング回動させるように構成されたローテーティング角度調整部230の構成も削除可能である。すなわち、前述した一実施例のローテーティング角度調整部230およびティルティング角度調整部330のうち、単にローテーションユニット300に内蔵されたティルティング角度調整部330だけが残る実施例が、本発明の他の実施例と定義することができる。
【0095】
その他の残りの構成は、すべて予め説明された本発明の一実施例の構成およびその結合関係が同一であるので、これに関する詳しい説明は省略する。
【0096】
一方、本発明の他の実施例によるアンテナ用クランピング装置は、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置において共用結合ユニット200が除外された構成として説明したが、本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置において共用結合ユニット200が除外されず、ローテーションユニット300が除外されてもよい。この場合、ティルティングユニット400は、共用結合ユニット200に水平方向に回転可能に結合される。
【0097】
すなわち、本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置において回動兼用振動防止部230、330は、ローテーティング角度調整部230およびティルティング角度調整部330の少なくとも1つが構成されて、ローテーションユニット300およびティルティングユニット400の少なくとも1つを回動させてアンテナAの方向を調整することができ、アンテナAの方向が調整された後にはアンテナAが任意に回転するのを防止することができる。
【0098】
回動兼用振動防止部230、330は、ローテーティング角度調整部230およびティルティング角度調整部330の少なくとも1つが構成される場合、回動モータ235、335は、ローテーティング回動モータ235およびティルティング回動モータ335の少なくとも1つが構成され、回動モータ235、335によって回転するウォームギヤ233、333も、ローテーティングウォームギヤ233およびティルティングウォームギヤ333の少なくとも1つが構成され、ローテーションユニット300およびティルティングユニット400の少なくとも1つの回転中心を形成するシャフト231、331も、ローテーティングシャフト231およびティルティングシャフト331の少なくとも1つが構成され、シャフト231、331の外周面に設けられ、ウォームギヤ233、333によって回転してローテーションユニット300およびティルティングユニット400の少なくとも1つを回動させるウォームホイールギヤ232、332も、ローテーティングウォームホイールギヤ232およびティルティングウォームホイールギヤ332の少なくとも1つが構成される。
【0099】
図10図14は、本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち、回動兼用振動防止部の多様な実施例を示す斜視図である。
【0100】
図10図14を参照すれば、本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置において回動兼用振動防止部230、330は、ティルティングシャフト331およびローテーティングシャフト231の外周面に形成されたウォームホイールギヤ232、332のウォームホイールギヤ歯とウォームギヤ233、333の外周面に形成されたウォームギヤ歯234、334との相互噛合間で任意に離隔しない反力を提供するように多様な実施例で実現できる。
【0101】
より詳しくは、回動兼用振動防止部230、330は、ウォームホイールギヤ232、332のウォームホイールギヤ歯が平ギヤ歯形態で備えられた場合よりも増加した噛合面を有するか、その増加した噛合面に対応する噛合力を維持するように備えられる。
【0102】
図10を参照すれば、回動兼用振動防止部230、330は、ウォームホイールギヤ232、332およびウォームギヤ233、333が相互ギヤ噛合が行われるように備えられることにより、アンテナAの方向が固定された状態で回動モータ235、335に別の電源が供給されない場合(すなわち、ティルティングユニット400のティルティング回動動作ではない場合およびローテーションユニット300のローテーティング回動動作ではない場合)、ギヤ噛合力という反力により振動を防止する。
【0103】
ここで、ウォームギヤ233、333のウォームギヤ歯234、334と噛合する構成として、ティルティングシャフト331およびローテーティングシャフト231の外周面に必ずしも平ギヤ歯形態のウォームホイールギヤ232、332が備えられるべきではなく、ヘリカルギヤ歯が形成されたヘリカルギヤで備えられることも可能であることは当然である。ヘリカルギヤは、ウォームギヤ233、333のウォームギヤ歯234、334とのギヤ噛合面が平ギヤ歯形態のギヤより拡張された形態であるので、上述した反力をより多く提供することにより、外部からの振動に対する抵抗力に優れている。
【0104】
図11を参照すれば、回動兼用振動防止部230、330は、図10で説明した回動兼用振動防止部230、330に比べて、ウォームホイールギヤ232、332とウォームギヤ233、333との間に内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aがさらに備えられる。
【0105】
内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aは、一側のウォームギヤ233、333のウォームギヤ歯234、334と噛合可能な平ギヤ形態または他側のウォームホイールギヤ232、332のウォームホイールギヤ歯と噛合可能なウォームホイールギヤ形態で備えられる。
【0106】
内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aは、ウォームギヤ233、333とウォームホイールギヤ232、332との間で動力伝達を媒介する構成であって、回動方向を変更させて伝達する役割を果たすことができる。
【0107】
また、内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aがウォームホイールギヤ232、332およびウォームギヤ233、333の間に備えられることにより、それぞれのギヤ噛合面積を増加させることで間接的に上述した反力をより多く提供する結果を導出することができる。より詳しくは、内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aの一端部はウォームギヤ233、333に噛合するとともに、内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aの他端部はウォームホイールギヤ232、332に噛合することにより、ウォームギヤ233、333が直接ウォームホイールギヤ232、332に噛合する場合より2倍の面積で噛合面積を有するようになる。
【0108】
これとともに、内側ダンピングアイドルギヤ239a、339aのギヤ噛合比を適切に調整することで減速比を向上させて、ギヤ噛合性能を向上させることができる付加的な効果も達成可能である。
【0109】
図12を参照すれば、回動兼用振動防止部230、330は、図10で説明した回動兼用振動防止部230、330に比べて、ウォームギヤ233、333の外側に外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bがさらに備えられる。外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bは、回動モータ235、335によってウォームギヤ233、333が駆動される時、ウォームギヤ233、333によって単純に空回転できる。
【0110】
外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bは、ウォームホイールギヤ232、332とウォームギヤ233、333とが相互噛合した状態を持続的に維持できるように、ウォームギヤ233、333の外側でウォームギヤ歯234、334と追加的に噛合する平ギヤ形態またはウォームホイールギヤ形態で備えられる。
【0111】
ウォームギヤ233、333は、外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bおよびウォームホイールギヤ232、332の間に備えられ、一側は外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bのギヤ歯と噛合し、他側はウォームホイールギヤ232、332のウォームホイールギヤ歯と噛合することができる。
【0112】
このような外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bによれば、ウォームギヤ233、333がウォームホイールギヤ232、332および外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bの間で安定的に回転駆動されるので、ウォームギヤ233、333がウォームホイールギヤ232、332から離隔することを最小化して、外部から伝達される振動によってローテーションユニット300およびティルティングユニット400の任意回動が防止される。
【0113】
より詳しくは、ウォームギヤ233、333が外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bによってウォームホイールギヤ232、332側に支持されて外部振動による任意離隔が防止されるとともに、ウォームギヤ233、333の両側がそれぞれウォームホイールギヤ232、332と外側ダンピングアイドルギヤ239b、339bにそれぞれ噛合することで、より広い面積での噛合面を確保することができる。
【0114】
図13を参照すれば、回動兼用振動防止部230、330は、図10で説明した回動兼用振動防止部230、330に比べて、ティルティングシャフト331およびローテーティングシャフト231の端部としてウォームホイールギヤ232、332が形成された端部に対向する端部に別途に備えられたブレーキギヤ238、338に噛合する追加のダンピングアイドルギヤ239c、339cがさらに備えられた形態で実現できる。
【0115】
すなわち、図13に参照された回動兼用振動防止部230、330は、図10で説明した回動兼用振動防止部230、330に比べて、ティルティングシャフト331およびローテーティングシャフト231の両端部のうち、ウォームホイールギヤ232、332が設けられた端部の反対側端部の外周面に設けられたブレーキギヤ238、338と、ブレーキギヤ238、338に噛合する追加のダンピングアイドルギヤ239c、339cとをさらに含むことができる。
【0116】
このように実現された回動兼用振動防止部230、330によれば、既存のウォームギヤ233、333とウォームホイールギヤ232、332との噛合面に加えて、ブレーキギヤ238、338と追加のダンピングアイドルギヤ239c、339cとの噛合面が追加されてより広い噛合面を確保できることから、外部から提供される振動に対する反力をさらに維持することにより、ローテーションユニット300およびティルティングユニット400の任意回動を防止する。
【0117】
図14を参照すれば、回動兼用振動防止部230、330は、図10で説明した回動兼用振動防止部230、330に比べて、ウォームギヤ233、333の設置を媒介するモータブラケット236、336に備えられて、ウォームギヤ233、333をウォームホイールギヤ232、332側に密着させる板スプリングダンパ239d、339dがさらに備えられた形態で実現できる。
【0118】
すなわち、図14に参照された回動兼用振動防止部230、330は、図10で説明した回動兼用振動防止部230、330に比べて、ウォームギヤ233、333を回転可能に支持するモータブラケット236、336と、モータブラケット236、336の一側に備えられ、ウォームギヤ233、333を含むモータブラケット236、336をウォームホイールギヤ232、332側に弾性支持する板スプリングダンパ239d、339dとを含むことができる。
【0119】
板スプリングダンパ239d、339dは、略両端部239d’、339d’が外側に突出折曲げられかつ、それぞれ回動兼用振動防止部230、330が設けられる結合ユニットハウジング220およびローテーティングハウジング320の内面に支持されるようにモータブラケット236、336に設けられる。
【0120】
このような板スプリングダンパ239d、339dによれば、持続的にウォームギヤ233、333をウォームホイールギヤ232、332側に弾性支持して密着させる反力を形成することにより、外部から伝達される振動によるローテーションユニット300およびティルティングユニット400の任意回動を防止することができる。
【0121】
図14に参照された回動兼用振動防止部230、330の実現例は、板スプリング形態の板スプリングダンパ239d、339dが例示されたものであるが、一般のバネスプリングを含む弾性を付加できるものであれば、いかなる構成の採用も可能であろう。
【0122】
板スプリングダンパ239d、339dの形態で備えられた実現例では、ウォームギヤ233、333をウォームホイールギヤ232、332側に支持する弾性支持力が、上述した図10図13を参照して説明した他の実現例で増加した噛合面に対応する噛合力を維持する程度の弾性支持力であってもよい。
【0123】
このように、本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例において、回動兼用振動防止部は、ティルティングユニット400とローテーションユニット300との間の摩擦構造であるブレーキ部と、ローテーションユニット300と共用結合ユニット200との間の摩擦構造であるブレーキ部とからさらに進んで、実質的にティルティングユニット400のティルティング回動およびローテーションユニット300のローテーティング回動に関与するように駆動されるティルティング角度調整部330およびローテーティング角度調整部230のウォームギヤ233、333およびウォームホイールギヤ232、332の噛合面または噛合力を維持できる構造に変更設計することにより、外部から伝達される細かい振動による任意流動を防止できるという利点を有する。
【0124】
以上、本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然であろう。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、空間の制約が多い支柱ポールにアンテナを設置する時、設置自由度を増進させ、作業性を向上させることができるアンテナ用クランピング装置を提供する。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14