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特許7337262アクティブノイズ低減オーディオデバイス及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】アクティブノイズ低減オーディオデバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/178 20060101AFI20230825BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20230825BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G10K11/178 110
H04R1/10
H04R3/00 310
H04R3/00 320
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022515562
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020049708
(87)【国際公開番号】W WO2021050424
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】16/565,293
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィット・アール・ミニッチ
(72)【発明者】
【氏名】エメリー・エム・ク
(72)【発明者】
【氏名】アレクシア・デルホウム
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル・ゲルバーガー
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0310846(US,A1)
【文献】特開平07-240989(JP,A)
【文献】米国特許第09894452(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/178
H04R 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブノイズ低減(ANR)オーディオシステムを制御する方法において、
コントローラを使用して、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、前記第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、および、前記第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、前記第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は前記第2ウェアラブルオーディオデバイスのいずれか、あるいはその双方が前記ユーザの耳から離脱した際、前記第1及び/又は第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程と、
前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスが共に、前記ユーザの耳と係合していることが検出された際、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記1つ以上のANRパラメータを前記第1ANR状態へと自動的に調整する工程と、を含み、
前記第2ANR状態は、前記第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む、方法
【請求項2】
記1つ以上のANRパラメータは、フィードバックフィルタ、フィードフォワードフィルタ、及びオーディオ等化の少なくとも1つに関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2ANR状態の前記1つ以上のANRパラメータは、デフォルト設定、又は前記ユーザから入力されるユーザが設定したANR設定、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1ANR状態の前記1つ以上のANRパラメータは、デフォルト設定、前記ユーザから入力されるユーザが設定したANR設定、又は最後に使用したANR設定、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2ANR状態では、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスを使用して、前記オーディオシステムによって再生されるべき音声信号を始動すること、音声信号が前記オーディオシステムによって再生されることを停止すること、前記オーディオシステムによって再生されていた前記音声信号を一時停止すること、通話に答えること、通話を拒否すること、通知に応じること、通知を解除すること、及び音声アシスタントにアクセスすること、の少なくとも1つを実行できる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザインターフェイスを使用して前記1つ以上のANRパラメータが調整される複数のANR状態で動作するよう、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスは配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスの前記第1センサ、及び前記第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記第2センサは、ジャイロスコープ、加速度計、赤外線センサ、磁力計、音響センサ、モーションセンサ、圧電センサ、ピエゾ抵抗型センサ、容量センサ、並びに磁場センサの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アクティブノイズ低減(ANR)オーディオシステムを制御する方法を実行するためメモリに記憶され、プロセッサによって実行可能な一組の非一時的コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品において、前記一組の非一時的コンピュータ可読命令は、
コントローラを使用して、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、前記第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、および、前記第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、前記第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は前記第2ウェアラブルオーディオデバイスのいずれか、あるいはその双方が前記ユーザの耳から離脱した際、前記第1及び/又は第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程と、
前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスが共に、前記ユーザの耳と係合していることが検出された際、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記1つ以上のANRパラメータを前記第1ANR状態へと自動的に調整する工程を実行するよう配置され、
前記第2ANR状態は、前記第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む、コンピュータプログラム製品
【請求項9】
記1つ以上のANRパラメータは、フィードバックフィルタ、フィードフォワードフィルタ、及びオーディオ等化の少なくとも1つに関連する、請求項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
前記第2ANR状態の前記1つ以上のANRパラメータは、デフォルト設定、又は前記ユーザから入力されるユーザが設定したANR設定、の少なくとも1つを含む、請求項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザインターフェイスを使用して前記1つ以上のANRパラメータが調整される複数のANR状態で動作するよう、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスは配置される、請求項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
アクティブノイズ低減(ANR)オーディオシステムであって、
第1ウェアラブルオーディオデバイスであって、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを判定するように配置された第1センサを備える第1ウェアラブルオーディオデバイスと、
第2ウェアラブルオーディオデバイスであって、
前記第2ウェアラブルオーディオデバイスが前記ユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを判定するように配置された第2センサを備える第2ウェアラブルオーディオデバイスと、
コントローラであって、
前記第1及び前記第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、前記第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、および、前記第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、前記第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、
前記第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は前記第2ウェアラブルオーディオデバイスのいずれか、あるいはその双方が前記ユーザの耳から離脱した際、前記第1及び/又は第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程であって、前記第2ANR状態は、前記第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む工程と、
前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスが共に、前記ユーザの耳と係合していることが検出された際、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記1つ以上のANRパラメータを前記第1ANR状態へと自動的に調整する工程と、を実行するよう配置されるコントローラと、を含む、オーディオシステム
【請求項13】
イズ低減を増加、又は減少させるユーザインターフェイスを使用して前記1つ以上のANRパラメータが調整される複数のANR状態で動作するよう、前記第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスは配置される、請求項12に記載のオーディオシステム。
【請求項14】
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスは、ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザ入力を受信するように適合された第1ユーザインターフェイスも更に含む、請求項12に記載のオーディオシステム。
【請求項15】
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスは、第1外側表面を更に含み、前記第1外側表面は、第1タッチ容量センサを備える、請求項12に記載のオーディオシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は前記第2ウェアラブルオーディオデバイス内、その周囲、あるいは近接して配置される、請求項12に記載のオーディオシステム。
【請求項17】
前記第1ウェアラブルオーディオデバイスの前記第1センサ、及び前記第2ウェアラブルオーディオデバイスの前記第2センサは、ジャイロスコープ、加速度計、赤外線センサ、磁力計、音響センサ、モーションセンサ、圧電センサ、ピエゾ抵抗型センサ、容量センサ、並びに磁場センサの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のオーディオシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、アクティブノイズ低減によって、ヘッドフォンなどのオーディオデバイスを制御することを対象とする方法及びシステムに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
下記で言及される全ての例及び特徴は、任意の技術的に可能な方式で組み合わせることができる。
【0003】
全般に、一態様として、アクティブノイズ低減(ANR)オーディオシステムを制御する方法が提供されている。この方法は、コントローラを使用して、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、又は、第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、の少なくとも1つを検出する工程と、第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は第2ウェアラブルオーディオデバイスのいずれか、あるいはその双方がユーザの耳から離脱した際、第1、及び/又は第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程と、を含み、第2ANR状態は、第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む。
【0004】
一態様として、この方法は更に、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出し、第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスが共に、ユーザの耳と係合していることが検出された際、第1、及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態へと自動的に調整する工程、を含む。
【0005】
一態様では、1つ以上のANRパラメータは、フィードバックフィルタ、フィードフォワードフィルタ、及びオーディオ等化の少なくとも1つに関連する。
【0006】
一態様では、第2ANR状態の1つ以上のANRパラメータは、デフォルト設定、又はユーザから入力されるユーザが設定したANR設定、の少なくとも1つを含む。
【0007】
一態様では、第1ANR状態の1つ以上のANRパラメータは、デフォルト設定、ユーザから入力されるユーザが設定したANR設定、又は最後に使用したANR設定、の少なくとも1つを含む。
【0008】
一態様において、第2ANR状態では、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスを使用して、以下の少なくとも1つを実行できる:オーディオシステムによって再生されるべき音声信号を始動すること、音声信号がオーディオシステムによって再生されることを停止すること、オーディオシステムによって再生されていた音声信号を一時停止すること、通話に答えること、通話を拒否すること、通知に応じること、通知を解除すること、及び音声アシスタントにアクセスすること。
【0009】
一態様では、ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザインターフェイスを使用して1つ以上のANRパラメータが調整される複数のANR状態で動作するよう、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスは配置される。
【0010】
一態様では、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサ、及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサは、ジャイロスコープ、加速度計、赤外線センサ、磁力計、音響センサ、モーションセンサ、圧電センサ、ピエゾ抵抗型センサ、容量センサ、並びに磁場センサの少なくとも1つを含む。
【0011】
全般に、一態様では、アクティブノイズ低減(ANR)オーディオシステムを制御する方法を実行するために、メモリに記憶され、プロセッサによって実行可能な一組の非一時的コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品が、提供されている。一組の非一時的コンピュータ可読命令は、コントローラを使用して、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、又は、第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、の少なくとも1つを検出する工程と、第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は第2ウェアラブルオーディオデバイスのいずれか、あるいはその双方がユーザの耳から離脱した際、第1、及び/又は第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程と、を実行するよう配置され、第2ANR状態は、第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む。
【0012】
一態様として、一組の非一時的コンピュータ可読媒体は更に、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出し、第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスが共に、ユーザの耳と係合していることが検出された際、第1、及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態へと自動的に調整する工程、を実行するよう、配置されている。
【0013】
一態様では、1つ以上のANRパラメータは、フィードバックフィルタ、フィードフォワードフィルタ、及びオーディオ等化の少なくとも1つに関連する。
【0014】
一態様では、第2ANR状態の1つ以上のANRパラメータは、デフォルト設定、又はユーザから入力されるユーザが設定したANR設定、の少なくとも1つを含む。
【0015】
一態様では、ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザインターフェイスを使用して1つ以上のANRパラメータが調整される複数のANR状態で動作するよう、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスは配置される。
【0016】
全般に、一態様として、第1ウェアラブルオーディオデバイス、及び第2ウェアラブルオーディオデバイスを含むアクティブノイズ低減(ANR)オーディオシステムが、提供されている。第1ウェアラブルオーディオデバイスは、この第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを判定するように配置された第1センサを、含む。第2ウェアラブルオーディオデバイスは、この第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを判定するように配置された第2センサを、含む。オーディオシステムは、コントローラを含み、このコントローラは、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、もしくは、第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうか、の少なくとも1つを検出する工程と、第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は第2ウェアラブルオーディオデバイスのいずれか、あるいはその双方がユーザの耳から離脱した際、第1、及び/又は第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程と、を実行するよう配置され、第2ANR状態は、第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む。
【0017】
一態様として、コントローラは更に、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサを使用して、第1ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第1耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出し、更に、第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサを使用して、第2ウェアラブルオーディオデバイスがユーザの第2耳と係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスが共に、ユーザの耳と係合していることが検出された際、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態へと自動的に調整する工程、を実行するよう、配置されている。
【0018】
一態様では、ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザインターフェイスを使用して1つ以上のANRパラメータが調整される複数のANR状態で動作するよう、第1及び第2ウェアラブルオーディオデバイスは配置される。
【0019】
一態様では、第1ウェアラブルオーディオデバイスは、ノイズ低減を増加、又は減少させるユーザ入力を受信するように適合された第1ユーザインターフェイスも更に含む。
【0020】
一態様では、第1ウェアラブルオーディオデバイスは、第1外側表面を更に含み、この第1外側表面は、第1タッチ容量センサを備える。
【0021】
一態様では、コントローラは、第1ウェアラブルオーディオデバイス、又は第2ウェアラブルオーディオデバイス内、その周囲、あるいは近接して配置される。
【0022】
一態様では、第1ウェアラブルオーディオデバイスの第1センサ、及び第2ウェアラブルオーディオデバイスの第2センサは、ジャイロスコープ、加速度計、赤外線センサ、磁力計、音響センサ、モーションセンサ、圧電センサ、ピエゾ抵抗型センサ、容量センサ、並びに磁場センサの少なくとも1つを含む。
【0023】
様々な図のこれら及び他の態様は、以下に記載される態様(複数)から明らかになり、それを参照して解明されるであろう。
【0024】
図面では、同じ参照符号は、一般に、異なる図を通して同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、概ね、様々な態様の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示のオーディオシステムの一例を示す図である。
図2A】本開示の一例に係わる第1ヘッドフォンを示す図である。
図2B】本開示の一例に係わる第2ヘッドフォンを示す図である。
図3A】本開示に係わる第1ヘッドフォンに含まれる構成要素の一例示的構成を概略的に示す図である。
図3B】本開示に係わる第2ヘッドフォンに含まれる構成要素の一例示的構成を概略的に示す図である。
図4】フィードバック構成要素、及びフィードフォワード構成要素を組み込んだ例示的なアクティブノイズ低減システムの概略図である。
図5】本開示の態様に係わる方法の手順について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
アクティブノイズ低減(「ANR」)を可能とする無線ヘッドフォンなどのヘッドフォンでは、ANR設定を変えることにより、多様なレベルのノイズ低減が得られる。本開示では、ヘッドフォンがユーザの耳に係合しているか、又はそこから離脱しているかに基づいて、ヘッドフォン内のノイズ低減レベルを変更するANRパラメータを自動的に調整することを対象とする方法、及びシステムを提供する。一例によれば、システムは、第1ヘッドフォン、及び第2ヘッドフォンの一方、あるいは双方がユーザの耳と係合しているかどうかを検出する。両ヘッドフォンがユーザの耳と係合している場合、ANRサブシステムは、2つのヘッドフォンのANR設定を自動調整して、デフォルトの高いレベルのノイズ低減、ユーザ選択レベルのノイズ低減、又は最後に選択したレベルのノイズ低減のいずれかにより、ヘッドフォンを第1ANR状態にする。一方、又は両方のヘッドフォンが耳から離脱している場合、両ヘッドフォンは、ノイズ低減がより低いレベルの第2ANR状態となる。これにより、ユーザは、自分の耳から別のヘッドフォンを取り外した後、耳と係合しているヘッドフォン内のノイズ低減を低くし、例えば、誰か会話できるようにすることが可能となる。両ヘッドフォンが耳に戻されると、システムは、第1ANR状態で使用されるレベルまでノイズ低減レベルを自動的に上昇させる。
【0027】
ANRサブシステムは、不要、又は不快なノイズをキャンセル、あるいは低減させるために使用される。ANRサブシステムは、重ね合わせの原理に基づいて、不要なノイズの少なくとも一部(一次ノイズと称されることが多い)をキャンセルするように構成可能な電気音響システムを含められる。これは、一次ノイズの振幅及び位相を識別して、ほぼ等しい振幅及び逆位相の別の信号(アンチノイズ信号と称されることが多い)を発生することで実施可能である。適切なアンチノイズ信号は、一次ノイズと結合し、これによって、これらの両方は、誤差センサの位置で実質的にキャンセルされる(例えば、仕様又は許容可能な許容差内にキャンセルされる)。この点に関して、本明細書で記載の例示的実装では、ノイズを「キャンセルすること」は、「キャンセルされた」ノイズを指定レベル、又は許容可能な耐量内まで低減させることを含められ、全てのノイズをもれなくなキャンセルすることを必要としない。ノイズキャンセルシステムは、フィードフォワード、及び/又はフィードバック信号パスを含められる。フィードフォワード構成要素は、ヘッドセット外部のノイズを(例えば、外部マイクロフォンを介して)検出し、ユーザの耳を通じて伝わることが見込まれる外部ノイズに対抗するアンチノイズ信号を供給するように作用する。フィードバック構成要素は、ユーザの耳まで達する音響信号を(例えば、内部マイクロフォンを介して)検出し、検出された信号を処理して、ユーザの音響体験の一部になってはならない全ての信号成分に対処する。本明細書では、有線又は無線手段を通じて、他のシステムに結合されるか、あるいは、これと接続して配置されたものとして述べているが、ノイズキャンセリングシステムは、他のシステムや機器から独立していてもよいことを、理解されたい。
【0028】
本明細書で使用する場合、「ウェアラブルオーディオデバイス」という語句は、耳の周り、その上、その中、又は近くで嵌合し、音響エネルギーを外耳道へと、あるいはそこに向かって放射するデバイスを意味することを意図する。ウェアラブルオーディオデバイスは、ヘッドフォン、イヤホン、イヤピース、ヘッドセット、イヤバッド、又はスポーツ用ヘッドフォンと称することもあり、有線式又は無線式とすることができる。ウェアラブルオーディオデバイスは、音声信号を音響エネルギーに変換する音響ドライバを含む。この音響ドライバは、イヤーカップ内に格納されることができる。以下の図及び説明の一部が、単一のウェアラブルオーディオデバイスを示し得るが、ウェアラブルオーディオデバイスは、単一の独立型ユニット、又は、耳ごとに1つの一対のウェアラブルオーディオデバイス(各々が少なくとも1つの音響ドライバ及びイヤーカップを含む)の一方でよい。ウェアラブルオーディオデバイスは、例えば、ヘッドバンドによって、及び/又はウェアラブルオーディオデバイス内の音響ドライバに音声信号を伝えるリード線によって、別のヘッドフォンへと機械的に接続できる。ウェアラブルオーディオデバイスは、音声信号を無線で受信する構成要素を含められる。ウェアラブルオーディオデバイスは、アクティブノイズ低減システムの構成要素を含められる。ウェアラブルオーディオデバイスは、このデバイスがヘッドセットとして機能できるよう、マイクロフォン等の他の機能も含められる。図1が耳周りヘッドセットの一例を示しているが、他の例では、ヘッドセットは、耳内、耳上、又は近耳ヘッドセットでも良い。幾つかの例では、ウェアラブルオーディオデバイスは、耳を耳環境、及び周囲に開放しつつ、外耳道に向かって音響エネルギーを放射する音響ドライバを含むオープンイヤデバイスでよい。
【0029】
これから、図面を参照すると、図1は、オーディオシステム100を概略的に示す。オーディオシステム100は、全般に、第1ヘッドフォン102、第2ヘッドフォン104、及び周辺デバイス106を含む。第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104は共に、周辺デバイス106と通信し、且つ/又は、互いに通信するように配置される。周辺デバイス106は、当技術分野において既知である無線プロトコルを通じた無線により、又は有線接続を介して、つまり、周辺デバイス106から第1ヘッドフォン102、あるいは第2ヘッドフォン104へとデータ信号を伝送可能とするケーブルを介して、第1ヘッドフォン102、及び/又は第2ヘッドフォン104との接続を確立可能とする任意のデバイスであり得る。一例では、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104は、それぞれが周辺デバイス106と無線通信するように配置された耳内、あるいはイヤバッド上にある。一例では、周辺デバイス106は、周辺デバイス106、第1ヘッドフォン102、及び/又は第2ヘッドフォン104間の接続を周辺デバイス106上のユーザインターフェイスを使用して相互に確立できるよう、デバイス上にインストールされたコンピュータ実行可能アプリケーションを有するスマートフォンである。
【0030】
図2Aは、第1ヘッドフォン102を示す。第1ヘッドフォン102は、ハウジングを備え、このハウジングは、例えば、電気信号を、ユーザが聞き取れる音声信号に変換するための音響トランスデューサである第1ドライバ108、及び(図3Aを参照)第1アンテナ110も更に含む。第1音声信号は、少なくとも1つのデジタルオーディオファイルに関連するデータに対応可能であり、このデータは、周辺デバイス106や第1ヘッドフォン102への無線接続を介してストリーミングされ、第1メモリ112(以下で検討)に記憶されるか、あるいは周辺デバイス106のメモリに記憶可能である。第1アンテナ110は、例えば、第2ヘッドフォン104や周辺デバイス106から無線通信情報を送信、及び受信するように配置される。一例では、第1ヘッドフォン102と第2ヘッドフォン104はそれぞれ、周辺デバイス106と無線通信可能である。第1ヘッドフォン102は、制御可能ANRサブシステムを含む。第1ヘッドフォン102は、第1フィードフォワードマイクロフォン114、及び/又は第1フィードバックマイクロフォン116等の1つ以上のマイクロフォンを含む。第1フィードフォワードマイクロフォン114は、装着時、第1ヘッドフォン102外部の音響信号を検知して、例えば、ユーザの耳に届く前に、周囲の環境で音響信号を検出するように構成可能である。フィードバックマイクロフォン116は、第1ヘッドフォン102の装着時、ユーザの耳と共に形成された音響ボリューム内部の音響信号を検知して、例えば、ユーザの耳に届く音響信号を検出するように構成可能である。様々な例において、1つ以上のドライバをヘッドフォンに含められ、ヘッドフォンは、場合によっては、フィードフォワードマイクロフォンのみ、又はフィードバックマイクロフォンのみ、あるいは、複数のフィードフォワード、及び/又はフィードバックマイクロフォンを含められる。図2Aに戻ると、ハウジングは、その上にセンサを配置した第1外側表面115も更に含む。一例では、第1ヘッドフォン102の第1外側表面115上のセンサは、タッチ容量センサ、例えば、第1タッチ容量センサ117である。第1タッチ容量センサ117は、図3Aを参照して検討した第1組のユーザ制御設定128の少なくとも1つの第1ユーザ制御設定119に対応する少なくとも1つのユーザ入力を受信するよう、配置されている。少なくとも1度のユーザ入力は、スワイプジェスチャ(例えば、第1タッチ容量センサ117全体にわたる動き)、シングルタップ、ダブルタップ(所定時間にわたる少なくとも2度のタップ)、トリプルタップ(所定時間にわたる少なくとも3度のタップ)、又は第1タッチ容量センサ117との任意の他のリズム的操作/相互作用を含められる。更に、理解すべき点として、少なくとも1つのユーザ入力は、ジャイロスコープや加速度計等のセンサからの入力である可能性があり、例えば、ユーザUが耳Eから第1ヘッドフォン102を取り外す際、ジャイロスコープや加速度計は、ユーザUが耳Eから第1ヘッドフォン102を取り外すことを示す、所定の回転、加速度、あるいは移動を測定可能である。また、第1ヘッドフォン102は、ユーザUの耳Eへの接近、又は係合を検出するための第1センサ118も、含められる。図2Aでは、第1ヘッドフォン103のイヤーチップ上に配置されて示されているが、代替的に、第1センサ118を第1ヘッドフォン102のハウジング上、又はハウジング内に配置可能である。第1センサ118は、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、赤外線(IR)センサ、音響センサ(例えば、マイクロフォンや音響ドライバ)、モーションセンサ、圧電センサ、ピエゾ抵抗型センサ、容量センサ、磁場センサ、あるいは第1ヘッドフォン102がユーザUの耳Eに近接するか、これと係合するか、その中にあるか、もしくはそこから離脱しているかを判定できる当技術分野で公知の他の任意のセンサのいずれかでよい。
【0031】
図3Aを参照すると、第1ヘッドフォン102は、第1コントローラ120も更に含む。一例では、第1コントローラ120は、少なくとも第1プロセッサ122、及び第1メモリ112を含む。第1コントローラ120の第1プロセッサ122、及び第1メモリ112は、第1フィードフォワードマイクロフォン114、及び/又は第1フィードバックマイクロフォン116からの信号に基づいて、フィードバックフィルタ、フィードフォワードフィルタ、又はオーディオ等化に関連し得る、複数のANRパラメータ125、第1組のANRパラメータ124、及び/又は第2組のANRパラメータ126のいずれかを受信、送信、記憶、並びに実行するよう、配置される。第1コントローラ120の第1プロセッサ122、及び第1メモリ112は、第1組のユーザ制御設定128の少なくとも1つの第1ユーザ制御設定119を受信、送信、記憶、並びに実行するように配置される。一例では、第1組のユーザ制御設定128は、限定されないが、以下を実行する設定を含み得る:オーディオシステム100によって再生されている音声信号の音量を増減すること、コントローラによるノイズ低減を増減すること、オーディオシステム100によって再生される音声信号を始動/再生/停止/一時停止すること、通話に応答、又は拒否すること、通知を解除すること、及びAlexa、Google Assistant、Siri等の音声アシスタントにアクセスすること。コントローラ120の機能は、互いに通信して、動作するように配置可能な1つ以上の別個のコントローラで実行できる。一例として、コントローラは、複数のANRパラメータ125、第1組のANRパラメータ124、及び/又はの第2組のANRパラメータ126のいずれかを受信、送信、記憶、並びに実行するように配置可能であり、別個のコントローラは、第1組のユーザ制御設定128の少なくとも1つの第1ユーザ制御設定119を受信、送信、記憶、並びに実行するように配置できる。
【0032】
図2Bは、第2ヘッドフォン104を示す。第2ヘッドフォン104は、ハウジングも含み、このハウジングは更に、第2音声信号を再生するように配置された第2ドライバ130と、(図3Bを参照して)第2アンテナ132とを備える。第2音声信号は、少なくとも1つのデジタルオーディオファイルに関連するデータに対応可能であり、このデータは、第1ヘッドフォン102や第2ヘッドフォン104への無線接続を介してストリーミングされ、第2メモリ134(以下で検討)に記憶されるか、あるいは周辺デバイス106のメモリに記憶可能である。第2アンテナ132は、例えば、第1ヘッドフォン102や周辺デバイス106から無線通信情報を送信、及び受信するように配置される。一例では、第1ヘッドフォン102と第2ヘッドフォン104はそれぞれ、周辺デバイス106と無線通信可能である。第2ヘッドフォン104は、制御可能ANRサブシステムも含む。第2ヘッドフォン104は、第2フィードフォワードマイクロフォン136、及び/又は第2フィードバックマイクロフォン138等の1つ以上のマイクロフォンを含む。様々な例において、1つ以上のドライバをヘッドフォンに含められ、ヘッドフォンは、場合によっては、フィードフォワードマイクロフォンのみ、又はフィードバックマイクロフォンのみ、あるいは、複数のフィードフォワード、及び/又はフィードバックマイクロフォンを含められる。一例では、第2ヘッドフォン104の第2外側表面135上のセンサは、タッチ容量センサ、例えば、第2タッチ容量センサ137である。第2タッチ容量センサ137は、以下で検討した第2組のユーザ制御設定146の少なくとも1つの第2ユーザ制御設定139に対応する少なくとも1つのユーザ入力を受信するよう、配置されている。第1ヘッドフォン102に関して上述したように、少なくとも1度のユーザ入力は、スワイプジェスチャ(例えば、第2タッチ容量センサ137全体にわたる動き)、シングルタップ、ダブルタップ(所定時間にわたる少なくとも2度のタップ)、トリプルタップ(所定時間にわたる少なくとも3度のタップ)、又は第2タッチ容量センサ137との任意の他のリズム的操作/相互作用を含められる。更に、理解すべき点として、少なくとも1つのユーザ入力は、ジャイロスコープや加速度計等のセンサからの入力である可能性があり、例えば、ユーザUが耳Eから第2ヘッドフォン104を取り外す際、ジャイロスコープや加速度計は、ユーザUが耳Eから第2ヘッドフォン104を取り外すことを示す、所定の回転、加速度、あるいは移動を測定可能である。また、第2ヘッドフォン104は、ユーザUの耳Eへの接近、又は係合を検出するための第2センサ140も、含められる。図2Bでは、第2ヘッドフォン104のイヤーチップ上に配置されて示されているが、代替的に、第2センサ140を第2ヘッドフォン104のハウジング上、又はハウジング内に配置可能である。第2センサ140は、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、赤外線(IR)センサ、音響センサ(例えば、マイクロフォンや音響ドライバ)、モーションセンサ、圧電センサ、ピエゾ抵抗型センサ、容量センサ、磁場センサ、あるいは第2ヘッドフォン104がユーザUの耳Eに近接するか、これと係合するか、その中にあるか、もしくはそこから離脱しているかを判定できる当技術分野で公知の他の任意のセンサのいずれかでよい。
【0033】
図3Bを参照すると、第2ヘッドフォン104は、第2コントローラ142も更に含む。一例では、第2コントローラ142は、少なくとも第2プロセッサ144、及び第2メモリ134を含む。第2コントローラ142の第2プロセッサ144、及び第2メモリ134は、第2フィードフォワードマイクロフォン136、及び/又は第2フィードバックマイクロフォン138からの信号に基づいて、フィードバックフィルタ、フィードフォワードフィルタ、又はオーディオ等化に関連し得る、複数のANRパラメータ125、第1組のANRパラメータ124、及び/又は第2組のANRパラメータ126のいずれかを受信、送信、記憶、並びに実行するよう、配置される。第2コントローラ142の第2プロセッサ144、及び第2メモリ134は、第2組のユーザ制御設定146の少なくとも1つの第2ユーザ制御設定139を受信、送信、記憶、並びに実行するように配置される。コントローラ142の機能は、互いに通信して、動作するように配置可能な1つ以上の別個のコントローラで実行できる。一例として、コントローラは、複数のANRパラメータ125、第1組のANRパラメータ124、及び/又は第2組のANRパラメータ126のいずれかを受信、送信、記憶、並びに実行するように配置してもよく、別個のコントローラは、第2組のユーザ制御設定146の少なくとも1つの第2ユーザ制御設定139を受信、送信、記憶、並びに実行するように配置してもよい。別の例として、第1コントローラ124、又は第2コントローラ142の1つしか、第1ヘッドフォン102と第2ヘッドフォン104の双方に存在できない。その場合、第1ヘッドフォン、又は第2ヘッドフォンに存在するコントローラは、第1ヘッドフォン、及び第2ヘッドフォンの片方又は両方がユーザの耳と係合しているか、あるいは耳から離脱しているかどうかを検出し、片方、又は双方のヘッドフォンでANRパラメータを調整することができる。
【0034】
図4は、ユーザUの耳Eに到達するノイズを低減するために、例えば、第1ヘッドフォン102でマイクロフォン信号を処理する例示的システムと方法を示す。図4は、ノイズ低減システムの特徴を明確化するための簡略模式図である。完全なシステムの様々な例としては、増幅器、アナログデジタル変換(ADC)、デジタルアナログ変換(DAC)、等化、サブバンド分離と合成、並びに他の信号処理などが含まれ得る。幾つかの例では、第1ドライバ108によって音響信号としてレンダリングされるように、再生信号148、p(t)を受信できる。第1フィードフォワードマイクロフォン114は、フィードフォワード伝達関数156、Kffを有する第1プロセッサ122のフィードフォワードプロセッサ122Aによって処理されるフィードフォワード信号150を供給して、フィードフォワードアンチノイズ信号152を生成可能である。第1フィードバックマイクロフォン116は、フィードバック伝達関数158、Kfbを有する第1プロセッサ122のフィードバックプロセッサ122Bによって処理されるフィードバック信号154を供給して、フィードバックアンチノイズ信号160を生成可能である。様々な例において、再生信号148、フィードフォワードアンチノイズ信号152、及び/又はフィードバックアンチノイズ信号160のいずれかを、例えば、結合器162で結合して、第1ドライバ108に供給されるべきドライバ信号164、d(t)を生成可能である。様々な例では、再生信号148、フィードフォワードアンチノイズ信号152、及び/又はフィードバックアンチノイズ信号160のいずれかが省かれ、及び/又は、こうした信号のいずれかをサポートするのに必要な構成要素がシステムの特定の実装形態に含まれていない場合もある。上記例が第1ヘッドフォン102のANRサブシステム上で提供されているが、第2ヘッドフォン104は、ノイズ低減を提供可能であり、第2コントローラ142、第2プロセッサ144、第2フィードフォワードマイクロフォン136、フィードバックマイクロフォン138、並びに、ノイズ低減を行う第2ドライバ124を含む。
【0035】
異なるレベルでノイズを低減する様々なANR設定は、ユーザの嗜好、システム設定、及び動作モードに基づいて、ユーザにとって望ましくなる場合がある。例えば、ユーザは環境条件に基づいてより多くの騒音低減を求め、より強力に更に多くの騒音、及び/又はより広い周波数範囲の騒音をキャンセルするANR設定を望む場合がある。別のユーザは、例えば、外部環境からのノイズをより多く聞き取るために、ノイズ低減を抑え、更に、より少ないノイズ、及び/又はより狭い周波数範囲のノイズをキャンセルする抑えたANR設定を望むかもしれない。様々なレベルのノイズ低減を実現するために、様々なANRパラメータは、以下を変えることができる、例えば、制御可能ANRサブシステムの第1フィードバックマイクロフォン116、又は第2フィードバックマイクロフォン138等のフィードバックマイクロフォンに適用されるフィルタに関連する利得、及び/又は位相のようなフィードバックフィルタ設定、ANRサブシステムの第1フィードフォワードマイクロフォン114、又は第2フィードフォワードマイクロフォン136等のフィードフォワードマイクロフォンに適用されるフィルタに関連する利得、及び/又は位相のようなフィードフォワードフィルタ設定、オーディオ等化設定、並びに、例えば、ドライバ信号振幅(例えば、ドライバ信号164を消音、低減、あるいは制限する)等のノイズ低減システムの種々の他のパラメータ。
【0036】
オーディオシステム100の動作中、第1ヘッドフォン102、及び/又は第2ヘッドフォン104は、周辺デバイス106、例えば、スマートフォンとペアリング(例えば、既知のBluetooth、Bluetooth Low Energy、又は他の無線プロトコルペアリングを使用して)、又は接続することが可能である。オーディオストリームは、周辺デバイス106、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の間で確立可能である。オーディオストリームは、無線接続、又は記憶されたオーディオファイル上でストリーミングされたオーディオファイルに関連するデータを含み得る。ANRサブシステムは、自動ANR設定を有する第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104上で動作可能であり、このANR設定は、ヘッドフォンがユーザの耳と係合しているか、あるいは耳から離脱しているかに基づいて、設定される。第1センサ118と第2センサ140は、第1ヘッドフォン102と第2ヘッドフォン104がそれぞれユーザの耳と係合しているか、あるいは耳から離脱しているかを検出する。第1ヘッドフォン102と第2ヘッドフォン104が共に、ユーザの耳と係合する際、両ヘッドフォン102/104のANR設定は、第1組のANRパラメータで第1ANR状態へと自動的に調整され、このANRパラメータは、以下の1つを含められる:環境からの不要なノイズをブロックするためのより高いノイズ低減設定であり得る、デフォルトのノイズ低減レベル、ユーザが選択したノイズ低減レベル、又は、最後に選択されたノイズ低減レベル。ユーザが1つのヘッドフォン102/104を耳から取り外す場合、ANR設定は、第1コントローラ120、及び/又は第2コントローラ142で自動的に調整され、両ヘッドフォン102/104を第2組のANRパラメータを有する第2ANR状態にし、これにより、環境のより多くがヘッドフォン102/104を通過できるようになる。この第2ANR状態では、ANRは、少なくとも幾つかの周波数、例えば、典型的には、人間の発話音(例えば、140Hz~5kHz)を含む周波数で、第1ANR状態よりも低くてもよい。第2ANR状態で使用されて、環境のより多くがヘッドフォン102/104を通過可能にすることができる技術の例は、米国特許第8,798,283号、同第9,949,017号、同第10,096,313号に記載されており、それぞれを参照により本明細書内で援用する。例えば、他人と会話するために、ユーザが第1ヘッドフォン102を耳から外すだけの場合、第2ヘッドフォン104のノイズキャンセルは(上述のように)変更されて、会話が第2ヘッドフォン104を通して聞こえるようになる。幾つかの例では、第1ヘッドフォン102のノイズキャンセルも同じ様式で修正される。別の例として、第2ANR状態の間、ヘッドフォンは、環境音を聞き取りやすくするための新たなアクションを取ることができる。例えば、オーディオコンテンツの音量を下げたり、オーディオコンテンツを一時停止したり、オーディオコンテンツや電話の会話をミュートしたり、あるいは、ユーザの耳に装着されたままでヘッドフォンの追加マイクを有効にして、環境ノイズに集中したりすることができる。ヘッドフォン102/104の両方が耳から外れると、第1コントローラ120、又は第2コントローラ142は更に、ヘッドフォン102/104を共に第2ANR状態にするために、両ヘッドフォン102/104のANRパラメータを自動的に調整する。次いで、ユーザが片方又は両方のヘッドフォン102/104を耳に戻すと、例えば、会話を終了した後、コントローラ(第1コントローラ120、第2コントローラ142、あるいは両コントローラのいずれか)は、ヘッドフォン102/104を自動で第1ANR状態にし、幾つかの例では、これにより、ノイズ低減がより大きくなり、環境からより多くのノイズを遮断することができる。
【0037】
一例として、第1状態と第2状態のANRパラメータは、例えば、ヘッドフォンの製造や組み立て中にヘッドフォン102/104へと事前にプログラムされたデフォルト設定であり得る。別の例として、ユーザが、第1ANR状態、及び/又は第2ANR状態のANRパラメータを調整して、ヘッドフォンがこれらの状態で動作した際のノイズ低減のレベルを、例えば、両ヘッドフォン102/104が両耳に挿入されているか否かに基づいて調整できるよう、ANRパラメータを調整できる。例えば、ユーザは、ヘッドフォンが第2状態で動作している際、ノイズ低減を抑えて、一例として、車のクラクションや緊急車両のサイレンなどの特定の環境ノイズや、ユーザの耳に残っているヘッドフォンから所望量の会話を聞くことができるようにしたい場合がある。別の例として、ユーザは、例えば、不要な環境ノイズ、例えば、航空機騒音をキャンセルできるよう、第1ANR状態におけるノイズ低減を減らしたり、あるいは、増やしたりしたい場合がある。ユーザは、第1及び/又は第2ANR状態のANRパラメータを調整することができる。別の例として、オーディオシステム100は、複数のANRパラメータ125により、複数のANR状態で動作させることが可能であり、ユーザは、第1ANR状態と第2ANR状態に加えて、追加のANR状態も使用できる。これらの状態は、オーディオシステムで事前プログラムされるか、又はユーザによって調整可能である。一例として、ユーザは、ユーザインターフェイス、例えば、第1タッチ容量センサ117、及び/又は第2タッチ容量センサ137を使用して、ノイズ低減を増減少させることができる。複数のANR状態を有するシステムは、参照により本明細書に組み込まれる用途で記載されている。
【0038】
図5は、本開示の態様に係わるオーディオシステム100を制御する方法の手順について説明するフローチャートである。方法200は、以下のステップとして、アクティブノイズ低減(ANR)コントローラ120/142を使用して、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程(ステップ210)と、第1ヘッドフォン102の第1センサ118において、第1ヘッドフォン102がユーザの第1耳に係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程(ステップ220)と、第2ヘッドフォン104の第2センサ140において、第2ヘッドフォン104がユーザの第2耳に係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程(ステップ230)と、第1ヘッドフォン102、又は第2ヘッドフォン104のいずれか、あるいはその双方がユーザの耳から離脱した際、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程であって、第2ANR状態は、第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む工程(ステップ240)と、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104が共に、ユーザの耳と係合していることが検出された際、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態へと自動的に調整する工程(ステップ250)も、含む。
【0039】
オーディオシステム100を制御する方法を実行するためのコンピュータプログラム製品は、一組の非一時的コンピュータ可読命令を含むことができる。一組の非一時的コンピュータ可読命令は、メモリ112/134、及び第1ヘッドフォン102と第2ヘッドフォン104(図2Aと2Bで図示)のプロセッサ122/144上で記憶、並びに実行可能である。一組の非一時的コンピュータ可読命令は、アクティブノイズ低減(ANR)コントローラ120/142を使用して、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態に設定するための1つ以上の制御信号を生成する工程と、第1ヘッドフォン102の第1センサ118において、第1ヘッドフォン102がユーザの第1耳に係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、第2ヘッドフォン104の第2センサ140において、第2ヘッドフォン104がユーザの第2耳に係合しているか、又はそこから離脱しているかどうかを検出する工程と、第1ヘッドフォン102、又は第2ヘッドフォン104のいずれか、あるいはその双方がユーザの耳から離脱した際、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の1つ以上のANRパラメータを第2ANR状態へと自動的に調整する工程であって、第2ANR状態は、第1ANR状態と比較して、少なくとも幾つかの周波数でのANRのレベルの低下を含む工程と、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104が共に、ユーザの耳と係合していることが検出された際、第1ヘッドフォン102、及び第2ヘッドフォン104の1つ以上のANRパラメータを第1ANR状態へと自動的に調整する工程、を実行するよう、配置可能である。
【0040】
記載の主題の上述の例は、多数の方法のいずれかで実施可能である。例えば、幾つかの態様において、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実装可能である。いずれかの態様の少なくとも一部がソフトウェアとして実装される場合、ソフトウェアコードは、単一デバイスやコンピュータに提供されるか、あるいは複数のデバイス/コンピュータに分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサ、又はプロセッサの集合で実行できる。
【0041】
本開示は、想定される任意の技術的に詳細なレベルの統合で、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品として実装可能である。コンピュータプログラム製品は、本明の態様をプロセッサに実行させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(あるいは、メディア)を含められる。
【0042】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持、及び記憶可能とする有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM、又はフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードや溝内で隆起した構造物な命令が記録された機械的に符号化されたデバイス、並びに、上記の好適な組み合わせ。本明細書で使用する場合、コンピュータ可読記憶媒体は、電波等の自由に伝播する電磁波、導波管等の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、電線を伝送する電気信号等の一過性の信号そのものであると解釈されない。
【0043】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域網、及び/又は無線ネットワークを介して、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスへと、あるいは外部コンピュータ、もしくは外部記憶デバイスへとダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含められる。各計算/処理デバイスのネットワークアダプタカード、あるいはネットワークインターフェイスは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、このコンピュータ可読プログラム命令を転送して、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶する。
【0044】
本開示の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の設定データ、又は、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語等の手続き型プログラミング言語、あるいは類似のプログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードやオブジェクトコードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、全てがユーザのコンピュータで実行されるか、一部がユーザのコンピュータで実行されるか、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されるか、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がリモートコンピュータで実行されるか、あるいは、全体がリモートコンピュータやサーバで実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)や広域網(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続してもよく、あるいは、(例えば、インターネットサービスプロバイダでインターネットを通じて)外部コンピュータに接続してもよい。幾つかの例では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む、電子回路は、本開示の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路を個別化することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行可能である。
【0045】
本開示の態様は、本開示の例に係わる方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図、及び/又はブロック図を参照して本明細書で記載されている。フローチャート図、及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図、及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令で実施可能であることが理解されよう。
【0046】
コンピュータ可読プログラム命令は、専用目的のコンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供されて、機械を製造してもよく、これにより、コンピュータや他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサを介して実行する命令は、フローチャート、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/操作を実施するための手段を生成する。更に、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理機器、及び/又は他のデバイスに対して特定の方法で機能するように指示可能とするコンピュータ可読記憶媒体に記憶してもよく、これにより、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート、及び/又はブロック図、あるいはブロックで指定された機能/操作の態様を実装する命令を有する製造物品を含む。
【0047】
また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理機器、あるいは他のデバイスにロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル機器、あるいは他のデバイス上で実行されるべき一連の操作ステップに対して、コンピュータ実装プロセスを生成させてもよく、これにより、コンピュータ、他のプログラマブル機器、あるいは他のデバイス上で実行する命令は、フローチャート、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/操作を実装する。
【0048】
図中のフローチャートとブロック図は、本開示の様々な例に係わるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品について想定される実装のアーキテクチャ、機能、並びに動作を示す。これに関して、フローチャートやブロック図の各ブロックは、指定された論理機能(複数)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、あるいは部分に相当し得る。幾つかの代替実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載された順序から発生し得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されたり、場合によっては、ブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実行されても良い。更に、ブロック図、及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、ブロック図、及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、特定機能を実行するか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを操作するか、あるいは実行する専用ハードウェアベースのシステムで実装できることにも留意されたい。
【0049】
他の実装形態は、以下の請求項、並びに本出願人が権利を有し得る他の請求項の範囲内にある。
【0050】
本明細書において、様々な例について記述、説明してきたが、当業者であれば、様々な他の手段、及び/又は、機能を実施し、且つ/又は結果、及び/又は、本明細書に記載の1つ以上の利点を得るための構造を容易に思いつくことができ、こうした変更形態、及び/又は変形形態の各々は、本明細書に記載の例の範囲内にあると見なすことができる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載のパラメータ、寸法、材料、及び構成の全てが例示的であること、更に、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、特定の用途、又は本発明の教示が使用される用途で決まることを容易に理解するであろう。当業者であれば、日常的な実験を行うだけで、本明細書に記載されている特定例に相当する多くの等価物を認識したり、あるいは確認することができるであろう。したがって、前述の例は、例示のみとして提示されたものであり、添付の特許請求の範囲及びその同等物の範囲内で、明確に記載、特許請求された以外の方法で例を実施することができるということを理解されたい。本開示の例は、本明細書に記載の各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更に、2つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法のいかなる組む合わせも、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
102 第1ヘッドフォン
108 第1ドライバ
110 第1アンテナ
112 第1メモリ
114 第1フィードフォワードマイクロフォン
116 第1フィードバックマイクロフォン
117 第1タッチ容量センサ
118 第1センサ
119 第1ユーザ制御設定
120 第1コントローラ
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5