(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法、及び学習支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 11/80 20060101AFI20230828BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20230828BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20230828BHJP
【FI】
G06T11/80 D
G06F3/04842
G06F3/04845
(21)【出願番号】P 2021180540
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2021137417の分割
【原出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2018178049
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507262855
【氏名又は名称】株式会社LoiLo
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 浩二
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182649(JP,A)
【文献】特開2004-086370(JP,A)
【文献】特開2000-035842(JP,A)
【文献】特開2009-145926(JP,A)
【文献】特開2014-109956(JP,A)
【文献】特開2005-173705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/80
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GUI(Graphical User Interface)を介したユーザの操作に基づいて、文字または図形を配置できるカード状のオブジェクトを生成し、フィールド上に配置する資料作成部と、
前記オブジェクトを表示させる資料出力部と、
を備え、
前記資料作成部は、前記ユーザの操作に応じて、予め記憶装置に格納された
、ベン図、ピラミッドチャート、マトリクス、Yチャート、又は座標軸を含む所定のチャートが描かれたテンプレートオブジェクトを前記フィールドに配置
する
学習支援装置。
【請求項2】
前記資料作成部は、前記ユーザの操作によって1つのオブジェクトに他のオブジェクトを重ねられた場合は、前記1つのオブジェクト内に前記他のオブジェクトが配置されたオブジェクトを作成する
請求項
1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記資料作成部は、前記フィールド上において少なくとも一部が重ねられた複数の前記オブジェクトについて、前記ユーザが下側のオブジェクトを操作した場合は、当該オブジェクト上に少なくとも一部が重ねられたオブジェクトがまとめて操作される
請求項
2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記資料作成部は、前記ユーザの操作に応じて、前記フィールド上に配置された前記オブジェクトを、拡大または縮小させる
請求項1から
3のいずれか一項に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記資料作成部は、前記ユーザの操作に応じて、前記フィールド上に配置された前記オブジェクトの領域を、拡張または削減させる
請求項1から
4のいずれか一項に記載の学習支援装置。
【請求項6】
GUI(Graphical User Interface)を介したユーザの操作に基づいて、文字または図形を配置できるカード状のオブジェクトを生成し、フィールド上に配置する資料作成ステ
ップと、
前記オブジェクトを表示させる資料出力ステップと、
をコンピュータが実行し、
前記資料作成ステップにおいて、前記ユーザの操作に応じて、予め記憶装置に格納された
、ベン図、ピラミッドチャート、マトリクス、Yチャート、又は座標軸を含む所定のチャートが描かれたテンプレートオブジェクトを前記フィールドに配置
する
学習支援方法。
【請求項7】
GUI(Graphical User Interface)を介したユーザの操作に基づいて、文字または図形を配置できるカード状のオブジェクトを生成し、フィールド上に配置する資料作成ステップと、
前記オブジェクトを表示させる資料出力ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記資料作成ステップにおいて、前記ユーザの操作に応じて、予め記憶装置に格納された
、ベン図、ピラミッドチャート、マトリクス、Yチャート、又は座標軸を含む所定のチャートが描かれたテンプレートオブジェクトを前記フィールドに配置させる
学習支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション資料作成装置、プレゼンテーション資料作成方法、及びプレゼンテーション資料作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレゼンテーション用のスライドを作成するための様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、作業フィールドの空き領域におけるタップ操作に応じて、個別のスライドに対応するスライドオブジェクトを生成して作業フィールド上に配置し、作業フィールドにおけるスライドオブジェクトに対する孤立したスライドオブジェクトを目標とするドラッグ操作に応じて、スライドフローを生成して作業フィールド上に配置し、作業フィールドにおけるスライドオブジェクトに対するスライドフローを目標とするドラッグ操作に応じて、スライドオブジェクトをスライドフローに追加する。スライドフローにおいては、スライドオブジェクトが所定の間隔を空けて線状に配列される発表資料作成支援装が提案されていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発表の内容を考えながら試行錯誤して資料を作るような場面では、例えばあるスライドの内容をより俯瞰した巨視的な内容に変更したい場合に、スライドを1枚作り直す必要があった。また、このような煩わしい操作が、発表の内容に関する思考の妨げとなるおそれがある。そこで、本発明は、プレゼンテーション用のスライドを作成する際の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプレゼンテーション資料作成装置は、GUI(Graphical User Interface)を介したユーザの操作に基づいて、文字または図形を配置できるカード状のオブジェクトを生成し、フィールド上に配置すると共に、複数のオブジェクト間に順序を設定する資料作成部と、設定された順序でオブジェクトを出力するプレゼンテーション資料を出力する資料再生部とを備え、資料作成部は、ユーザの操作によって1つのオブジェクトに他のオブジェクトを重ねられた場合は、1つのオブジェクト内に他のオブジェクトが配置されたオブジェクトを作成する。
【0007】
ユーザの操作によって1つのオブジェクトに他のオブジェクトを重ねられた場合は、1つのオブジェクト内に他のオブジェクトが配置されたオブジェクトを作成するため、作成したオブジェクトを他のオブジェクトの一部として利用したいような場合に、オブジェクトを作り直す必要がない。すなわち、フィールド上において独立して配置された包含関係のないオブジェクトを、自由に他のオブジェクトの一部に部品として利用することができる。よって、ユーザは、当該装置の操作に思考を妨げられることなく、自由にプレゼンテーション資料を作成することができるようになる。すなわち、プレゼンテーション用のスライドを作成する際の利便性を向上させることができるといえる。
【0008】
また、資料作成部は、ユーザの操作に応じて、フィールド上に配置されたオブジェクトを、拡大または縮小させるようにしてもよい。このようにすれば、オブジェクトを重ねる際のレイアウトを自由にユーザが決定できるようになる。
【0009】
また、資料作成部は、フィールド上において少なくとも一部が重ねられた複数のオブジェクトについて、ユーザが下側のオブジェクトを操作した場合は、当該オブジェクト上に少なくとも一部が重ねられたオブジェクトがまとめて操作されるようにしてもよい。このようにすれば、重ねて作成したオブジェクトを1つのオブジェクトとして扱うことができる。
【0010】
また、資料作成部は、ユーザの操作に応じて、予め記憶装置に格納された所定のチャートが描かれたテンプレートオブジェクトをフィールドに配置し、又はユーザの操作に応じて作成されたテンプレートオブジェクトを記憶装置に記憶させるようにしてもよい。このようにすれば、資料の内容を整理するために有用なオブジェクトを予め用意しておくことができる。
【0011】
また、資料作成部は、ユーザの操作に応じて、フィールド上に配置されたオブジェクトの領域を、拡張または削減させるようにしてもよい。このようにすれば、1つのオブジェクト内に配置されるコンテンツのレイアウトのバランスを容易に調整できるようになる。
【0012】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、コンピュータが実行する方法、又はコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
プレゼンテーション用のスライドを作成する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るシステム全体の一例を示す図である。
【
図2】ユーザ装置及びサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ装置に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図4】資料作成処理の一例を示す処理フロー図である。
【
図5】カードが追加された画面の一例を示す図である。
【
図6】カードに描画するための画面の一例を示す図である。
【
図7】カードを拡大した後の画面の一例を示す図である。
【
図8】カードの位置を変更した後の画面の一例を示す図である。
【
図9】カードの位置及び大きさを更に変更した後の画面の一例を示す図である。
【
図10】再生処理の一例を示す処理フロー図である。
【
図11】チャートが描かれたカードの一例を示す図である。
【
図12】カードの領域を拡張又はトリミングする操作の一例を説明するための図である。
【
図13】カードの領域を拡張又はトリミングする操作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
<システム構成>
図1は、実施形態に係るシステム全体の一例を示す図である。本システムは、ユーザが操作するタブレット等のユーザ装置1と、ユーザ装置1で作成および再生するプレゼンテーション資料等のデータを記憶したり配信したりするサーバ2とを含み、これらの装置がネットワーク3を介して接続されている。ユーザ装置1は、本発明に係る「プレゼンテーション資料作成装置」に相当する。なお、本実施形態においては、プレゼンテーション資料に含まれるスライドを少なくとも一部のユーザ装置1、又は教室等に設けられた図示していないディスプレイ、スクリーン等の、例えば全画面に表示させる処理を「再生」と呼ぶものとする。ネットワーク3は、インターネット等の通信網であり、ネットワーク3に接続されたコンピュータは様々なプロトコルに基づいて互いに通信ができるものとする。また、ユーザ装置1は複数存在し、例えば学校において教師と生徒とが使用するものであってもよい。
【0017】
<装置構成>
図2は、ユーザ装置1及びサーバ2の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
ユーザ装置1は、タブレットやスマートフォン、PC(Personal Computer)等の一般
的なコンピュータであり、入出力インターフェース(I/F)11と、記憶装置12と、通信インターフェース(I/F)13と、演算装置14と、バス15とを備えている。入出力I/F11は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク、スピーカ、カメラ等のユーザインターフェースである。入出力I/F11は、ユーザの操作を受け付けると共に、ユーザに対して情報を出力する。記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置及びHDD(Hard-disk Drive)や
SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)で
ある。主記憶装置は、演算装置が読み出したプログラムを一時的に記憶したり、演算装置14の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、演算装置が実行するプログラムやその他のデータを記憶する。通信I/F13は、例えば携帯電話の基地局や無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントと通信を行うためのネットワークモジュールであり、所定のプロトコルに基づき通信を行う。演算装置14は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、プログラムを実行することにより本実施の形態で説明
する各処理を行う機能部として動作する。
図2の例では、演算装置14内に機能ブロックを示している。具体的には、演算装置14は、プレゼンテーション資料等のファイルを作成する生成部141と、ファイルを再生する再生部142として機能する。以上のような構成要素が、バス15を介して接続されている。
【0019】
また、サーバ2は、いわゆるクラウドサービスを提供する一般的なコンピュータであり、入出力I/F21と、記憶装置22と、通信I/F23と、演算装置24と、バス25とを備えている。入出力I/F21は、例えばキーボードやマウス、ディスプレイ等のユーザインターフェースである。記憶装置22は、RAMやROM等の主記憶装置及びHDDやSSD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置である。主記憶装置は、演算装置が読み出したプログラムや補助記憶装置に格納されているファイルを一時的に記憶したり、演算装置14の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、演算装置14が実行するプログラムやその他のデータを記憶する。通信I/F23は、例えば有線のネットワークカード等であり、所定のプロトコルに基づき通信を行う。演算装置24は、CPU等のプロセッサであり、プログラムを実行することにより本実施の形態に係る各処理を行う機能部として動作する。
図2に示すように、演算装置24は、制御部241として機能する。制御部241は、ユーザ装置1同士でのファイルの送受信を制御したり、ユーザ装置1において作成されたファイルを通信I/F23を介して受信し、記憶装置22に記憶させたりする。以上のような構成要素が、バス25を介して接続されている。
【0020】
<ユーザインターフェース>
図3は、プレゼンテーション資料のファイルを作成する処理において、ユーザ装置1に表示されるGUI(Graphical User Interface)の一例を示す図である。
図3の操作画面は、上述したタッチパネル等の入出力I/F11に表示される。
図3の例では、入出力I/F11内に、プレゼンテーション資料のスライドになるカード上のオブジェクト(単に「カード」と呼ぶ)等を表示するフィールド111と、カード1111をフィールド111に追加するためのカード追加メニュー112と、作成したファイルを保存するための資料箱アイコン113と、カードの少なくとも一部を教師が使用するユーザ装置1へ送信するための提出アイコン114と、カードの少なくとも一部を他の生徒が使用するユーザ装置1へ送信するための送信アイコン115と、カードの少なくとも一部を削除するためのごみ箱アイコン116とが表示されている。また、カード追加メニュー112には、写真や動画を撮影して表示するカードをフィールド111に追加するためのカメラアイコン1121と、文字列を表示するカードをフィールド111に追加するためのテキストアイコン1122と、自由に描画した画像を表示するカードをフィールド111に追加するための描画アイコン1123と、ウェブサイトのキャプチャ画像を表示するためのカードをフィールド111に追加するためのウェブアイコン1124と、地図や衛星写真のキャプチャ画像を表示するためのカードをフィールド111に追加するための地図アイコン1125と、記憶装置12に保存されている画像や動画を表示するカードをフィールド111に追加するためのカメラロールアイコン1126とが表示されている。
【0021】
フィールド111には、2つのカード1111が表示されている。上のカード1111には、文字列が表示されているものとする。下のカード1111には、図形が表示されているものとする。カード1111は、ユーザがドラッグすることで、フィールド111内で移動させることができる。また、各カード1111の右上には、複数のカード1111に再生する順序を定義するための矢印アイコン1112が表示されている。例えば、あるカード1111の矢印アイコン1112から他のカード1111に向けてユーザがドラッグして2つのカード1111を接続することで、接続元から接続先へ再生時の順序を定義することができる。このとき、前後のカード1111の間が矢印で接続される(
図3の例では予め矢印で接続されている)。なお、矢印は、接続先を他のカードに変更できるようにしてもよいし、例えばタップする操作により接続を解除できるようにしてもよい。また、矢印で接続された複数のカード1111のうち矢印の開始点側のスライドには、カード群を折畳み又は展開するためのプラス/マイナスアイコン1113が表示されている。例えば、
図3に示されたマイナスが表示されたアイコン1113をタップすると、矢印で接続された複数のカード1111がコンパクトに重ねてまとめられ、アイコン1113の表示がプラス(図示せず)に変更されるものとする。また、プラスが表示されたアイコン1113をタップすると、まとめられている複数のカード1111が展開され、アイコン1113の表示がマイナスに変更されるものとする。展開する際には、カード1111を直線的に整列させるようにしてもよいし、折畳み前の配置を再現するようにしてもよい。また、折畳みされたカード1111のグループをさらに複数接続できるようにしてもよい。
【0022】
また、フィールド111をピンチアウト・ピンチインすることにより、フィールド111を拡大・縮小することができる。また、カード1111をピンチアウト・ピンチインすることにより、カード1111を拡大・縮小することができる。また、あるカード1111の上に他のカード1111を重ねることで、あるカード1111内に他のカード1111を表示する1つのスライドを作成することができる。このとき、カードに記載された内容の大きさの比率は、上下に重ねられたカードのフィールド111上での大きさの比率とすることで、ユーザは直感的にスライドを作成することができるようになる。また、重ねられた2以上のカードを含むスライドは、その配置及び大小関係を維持したまま移動及び大きさの変更(拡大・縮小)を行うことができる。すなわち、ユーザの操作によって1つのカードに他のカードが重ねられた場合は、1つのカード内に他のカードが配置されたカード(スライド)が作成される。また、あるカードの上に重ねられた他のカードに対して
ユーザがドラッグ操作を行い、あるオブジェクトの外に他のカードを移動させた場合は、それぞれのカードは包含関係のない独立したカードに戻るものとする。
【0023】
<資料作成処理>
図4は、本システムにおいて実行される資料作成処理の一例を示す処理フロー図である。なお、資料作成処理は、本発明に係る「プレゼンテーション資料作成方法」に相当する。まず、生成部141は、ユーザの操作がスライドの追加であるか判断する(
図4:S1)。本ステップでは、例えばユーザによってカード追加メニュー112のいずれかのアイコンがタップされた場合等に、スライド追加であると判断する。ユーザの操作がスライドの追加である場合(S1:YES)、フィールド111上に新たなカードが追加される(S2)。
【0024】
図5は、カードが追加された画面の一例を示す図である。
図5の右のカード1111は、例えば描画アイコン1123によって作成されたものであり、ユーザは右のカード1111をタップ等することにより当該カードに自由に描画をすることができる。
【0025】
図6は、カードに描画するための画面の一例を示す図である。
図6の例では、画面一杯に1つのカード1111が表示され、ユーザはカード1111内にポインタの軌跡によって自由に描画を行うことができる。すなわち、描画アイコン1123をタップして追加したカード1111に対しては、ユーザが自由に描画した画像を表示することができる。なお、カメラアイコン1121をタップして追加したカードに対しては、写真や動画を撮影して表示させることができる。テキストアイコン1122をタップして追加したカードに対しては、文字列を表示させることができる。ウェブアイコン1124をタップして追加したカード1111に対しては、ウェブサイトのキャプチャ画像を表示することができる。地図アイコン1125をタップして追加したカード1111に対しては、地図や衛星写真のキャプチャ画像を表示することができる。また、カメラロールアイコン1126をタップして追加したカード1111に対しては、記憶装置12に保存されている画像や動画を表示することができる。
【0026】
図4のS2の後、又はS1においてスライドの追加でないと判断された場合(S1:NO)、生成部141は、ユーザの操作がスライドの大きさの変更(拡大又は縮小)であるか判断する(
図4:S3)。本ステップでは、いずれかのカード1111上で例えばユーザがピンチアウト又はピンチインの操作を行った場合に、拡大又は縮小の操作を行ったと判断し(S3:YES)、操作対象のカード1111の大きさをフィールド111上において変更する(S4)。このとき、カードの少なくとも一部が重なっている場合は、所定の座標を基準として重ねられたカードのすべての大きさが変更されるものとする。
【0027】
図7は、カードを拡大した後の画面の一例を示す図である。
図7の例では、ベン図が描かれたカード1111が拡大されている。
【0028】
また、
図4のS4の後、又はS3において拡大縮小の操作ではないと判断された場合(S3:NO)、生成部141は、ユーザの操作がスライドの移動であるか判断する(
図4:S5)。本ステップでは、ユーザの操作がカード1111のドラッグである場合に、カード1111の移動であると判断し(S5:YES)、カード1111の位置を変更する(S6)。このとき、カードの少なくとも一部が重なっている場合は、重ねられたカードのすべてが平行に移動させられるものとする。また、あるカード1111が移動により他のカード1111の上に重ねられた場合は、重ねたカード1111が重ねられたカード1111の上部に配置されるものとする。なお、重ねられたカード1111がプレゼンテーション資料として再生された場合、下側のカード1111をスライドの外縁として、その上に重ねられたカード1111との上下関係に基づいて、最も上部の内容を表示する1つ
のスライドが表示される。
【0029】
図8は、カードの位置を変更した後の画面の一例を示す図である。
図8の例では、絵が描かれたカード1111がユーザの操作によって移動され、ベン図が描かれたカード1111の上に重ねられている。
【0030】
また、
図4のS6の後、又はS5において移動の操作ではないと判断された場合(S5:NO)、
図4の資料作成処理を終了する。このようにして作成されたプレゼンテーション資料のファイルは、ユーザ装置1の記憶装置12又はサーバ2の記憶装置22に格納される。なお、
図4の処理は、実施形態に係るプログラムが実行されている間、継続的に実行される。また、
図4に明示した処理以外にも、
図3の画面を用いて説明した様々な処理を行うことができる。
【0031】
図9は、カードの位置及び大きさを更に変更した後の画面の一例を示す図である。
図8に示した画面と
図9に示した画面とでは、ベン図が描かれたカード1111とその上に重ねられた絵が描かれたカード1111とが、その位置関係及び大きさの比率を保ったまま、その位置及び大きさが変更されている。
【0032】
<再生処理>
図10は、再生処理の一例を示す処理フロー図である。ユーザ装置1の再生部142は、ユーザの操作によって再生が指示された1以上のスライドを含むプレゼンテーション資料を、再生する。まず、再生部142は、未再生のスライドが存在するか判断する(
図10:S11)。本ステップでは、矢印で接続された複数のカードの最も開始点側のカードから、未再生のスライドを1つ抽出する。なお、プレゼンテーション資料が1つのスライドのみを含む場合は、当該スライドを抽出するものとする。
【0033】
未再生のスライドが存在する場合(S11:YES)、再生部142は、抽出したスライドを表示させる(S12)。本ステップでは、再生部142は、タッチパネルやディスプレイ等の入出力I/F11の、例えば画面全体にスライドを表示させる。その後、ユーザによって次のスライドに進む旨の指示が入力された場合、S11の処理に戻り処理を繰り返す。一方、未再生のスライドが存在しない場合(S11:NO)、再生部142は再生処理を終了する。
【0034】
<効果>
上述した資料作成処理によれば、例えば内容を考えながら試行錯誤して資料を作成する場合に、作成したカードを他のカードの一部として利用したいような場合に、カードを作り直す必要がない。すなわち、フィールド111上において独立して配置された包含関係のないカード1111を、自由に他のカード1111の一部に部品として利用することができる。よって、ユーザは、ソフトウェアの操作に思考を妨げられることなく、自由に考えをまとめることができる。すなわち、プレゼンテーション用のスライドを作成する際の利便性を向上させることができる。
【0035】
<変形例1>
図11は、チャートが描かれたカードの一例を示す図である。例えば、ベン図やピラミッドチャート、マトリクス、Yチャート、座標軸等のチャートが描かれたカードをテンプレートとして記憶装置12に格納しておくようにしてもよい。このようなカードは、プレゼンテーションの内容を整理するための有用であり、容易に読み出せると利便性が向上する。また、このようなチャート等をユーザが作成し、テンプレートに追加して記憶させられるようにしてもよい。このようにすれば、例えば学習教材を作成する教師が、自分の授業に沿ったチャート等を作成することができ、授業を進め易くすることができる。
【0036】
<変形例2>
図12、
図13は、カードの領域を拡張又はトリミングする操作の一例を説明するための図である。カード1111は、拡大及び縮小させるだけでなく、領域を拡張させたり削減(例えばトリミング)させられるようにしてもよい。
図12、
図13の例では、文字列「ABCDE」等が付されたカード1111の周縁に、カード1111を拡大及び縮小するための操作領域1115と、カード1111の領域を拡張及び削減するための操作領域1116とを備える。
図12及び
図13の例では、操作領域1115は、略矩形のカード1111の頂点付近に設けられており、操作領域1116は、略矩形のカード1111の辺の中央付近に設けられているが、このような位置には限定されない。例えば、操作領域1116は、カード1111の辺の端点以外の全体にわたって設けられていてもよい。
【0037】
操作領域1115は、例えばユーザが当該箇所をドラッグすることにより、カード1111の大きさを拡大又は縮小させることができる。なお、このような領域に限らず、ピンチイン、ピンチアウトの操作により拡大、縮小させることができるようにしてもよい。また、拡大及び縮小の処理においては、縦横の比率を維持してもよいし、維持しなくてもよい。
【0038】
操作領域1116は、例えばユーザが当該箇所をドラッグすることにより、カード1111の領域を拡張及び削減することができる。
図12の例においては、文字列「ABCDE」等が付されたカード1111の下の辺に設けられた操作領域1116を上方に向かってドラッグすると、例えば
図13の例に示すように、カード1111の下の辺が上方に平行移動し、平行移動した分だけカード1111の下端から領域が切除される。
【0039】
例えば、カード1111に書きたい内容に対して余白が足りなくなった場合に、カード1111の四辺の任意の方向に領域を追加することができる。また、カード1111の端に不要な余白や画像の不要な部分がある場合に、カード1111の四辺から任意の大きさを切除することができる。なお、プレゼンテーションを行う場面においては、順序が設定されたカード1111の全体がモニタやスクリーンの全画面に表示される。このとき、カード1111の縦横の比率は維持されるようにしてもよい。カード1111の領域を拡張及び削減する処理によれば、1つのスライドに含まれるコンテンツの配置のバランスを容易に調整することができる。なお、カード1111上に文字列が配置されている場合、カード1111の領域が切除された場合には、文字列を折り返したりフォントの大きさが小さくなるようにしたりしてもよいし、切除された領域に配置されていた文字列が表示されなくなるようにしてもよい。
【0040】
<変形例3>
ユーザが、一方のカード1111の上に他方のカード1111を重ねる操作を行った場合、フィールド111において他方のカード1111の大きさを自動的に縮小し、一方のカード1111内に収まるように配置するようにしてもよい。なお、縮小する程度は任意であり、例えば一方のカード1111に対する所定の比率になるように設定してもよい。このようにすれば、一方のカード1111内に他のカード1111を配置して利用する際の利便性が向上する。なお、3つ以上のカード1111を入れ子状に配置できるようにしてもよい。
【0041】
<その他>
上述した実施形態の構成は例示であり、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせたり、変更することができる。
【0042】
実施形態では、1以上のカードによって形成されるスライドを含むプレゼンテーション
資料を作成するものとして説明したが、作成されるデータは、1以上のカードによって形成されるページを含む電子的なノートと捉えることもできる。
【0043】
本発明は上述の処理を実行するコンピュータプログラムを含む。さらに、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に属する。当該プログラムが記録された記録媒体については、コンピュータに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、上述の処理が可能となる。
【0044】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、ハードディスクドライブやROM等がある。
【符号の説明】
【0045】
1 :ユーザ装置
11 :入出力I/F
12 :記憶装置
13 :通信I/F
14 :演算装置
141 :生成部
142 :再生部
15 :バス
2 :サーバ
21 :入出力I/F
22 :記憶装置
23 :通信I/F
24 :演算装置
241 :制御部
25 :バス
3 :ネットワーク