(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】非焼成セラミックス組成物
(51)【国際特許分類】
C04B 28/34 20060101AFI20230828BHJP
【FI】
C04B28/34
(21)【出願番号】P 2019207308
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】595089525
【氏名又は名称】株式会社喜多村
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤 正督
(72)【発明者】
【氏名】北村 眞行
(72)【発明者】
【氏名】打江 勇
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠実
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 晴美
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-512190(JP,A)
【文献】特開平04-119951(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0164230(US,A1)
【文献】特開平06-042693(JP,A)
【文献】特開2014-076921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00 - 32/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MgOおよびCaOの少なくとも一方からなる酸化物と、酸性リン酸塩と、SiO
2を含む骨材とを含む粉体混合物であって、粉体混合物における組成が、
前記酸化物11.9~20質量%、
前記酸性リン酸塩13~37質量%、
前記骨材45~
72質量%
を満たし、
前記酸性リン酸塩が、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム又はリン酸二水素ナトリウムであり、
前記酸性リン酸塩と酸化物との質量比が、酸性リン酸塩/酸化物=1.3~
2.5である、粉体混合物。
【請求項2】
MgOおよびCaOの少なくとも一方からなる酸化物と、酸性リン酸塩と、SiO
2を含む骨材とを含む粉体混合物であって、粉体混合物における組成が、
前記酸化物
13~20質量%、
前記酸性リン酸塩21~37質量%、
前記骨材45~
65質量%
を満たし、
前記酸性リン酸塩が、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム又はリン酸二水素ナトリウムである、粉体混合物。
【請求項3】
前記SiO
2を含む骨材を60質量%以上含む、請求項1または2に記載の粉体混合物。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれかに記載の粉体混合物と水を含む非焼成セラミックス組成物であって、非焼成セラミックス組成物の総質量に対する水の質量が、18質量%以上であり、25質量%以下である非焼成セラミックス組成物。
【請求項5】
請求項
4に記載の非焼成セラミックス組成物が固化されてなる非焼成セラミックス成形体。
【請求項6】
請求項1~
3のいずれかに記載の粉体混合物と水を含む非焼成セラミックス組成物の総質量に対する水の質量が、18質量%以上であり、25質量%以下となるように、粉体混合物に水を添加し、乾燥させて、非焼成セラミックス成形体を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成工程を経ず固化する非焼成セラミックス組成物に用いられる粉体混合物、及び該粉体混合物を含有する非焼成セラミックス組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
石灰石に依存せず、焼成する必要のない、省エネタイプの材料として、ケイ酸カルシウムなどを結合剤として酸化マグネシウムなどのセラミックス粉体を結合した、常温固化型のセラミックス固化体が注目を浴びている(特許文献1など)。このセラミックス固化体では、リン酸化合物をケイ酸カルシウムと反応させて、ケイ酸カリウムが架橋して無機ポリマーとなり、そして水分の蒸発による脱水縮合が起こり、セラミックス固化体が形成される。
【0003】
このような焼成工程を経ないセラミックス固化体の形成においては、水分の蒸発による固化時の収縮が問題となり、固化体のクラックの発生を抑制することが重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような、水分の蒸発による固化時の収縮の問題に対しては、セラミックス粉体の種類や組成など種々の検討がなされているが、よりよい改善方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の[1]~[6]に関する。
[1]MgOおよびCaOの少なくとも一方からなる酸化物と、酸性リン酸塩と、SiO2を含む骨材とを含む粉体混合物であって、粉体混合物における組成が、前記酸化物7~20質量%、前記酸性リン酸塩13~37質量%、前記骨材45~80質量%を満たす粉体混合物。
[2]前記酸性リン酸塩と酸化物との質量比が、酸性リン酸塩/酸化物=0.7~5.3である前記[1]に記載の粉体混合物。
[3]前記SiO2を含む骨材を60質量%以上含む、前記[1]または[2]に記載の粉体混合物。
[4]前記酸性リン酸塩が、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素アンモニウム、及び、リン酸水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の粉体混合物。
[5]前記[1]~[4]のいずれかに記載の粉体混合物と水とからなる非焼成セラミックス組成物であって、非焼成セラミックス組成物と水の総質量における水の質量が、25質量%以下である非焼成セラミックス組成物。
[6]前記[5]に記載の非焼成セラミックス組成物が固化されてなる非焼成セラミックス成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、粉体混合物における組成を酸化物7~20質量%、酸性リン酸塩13~37質量%、SiO2を含む骨材45~80質量%とすることで、水と反応して固化する際の収縮が少なく、得られる非焼成セラミックスのクラックの発生を抑制できる粉体混合物、を提供することができる。また、本発明によれば、優れた強度を有する非焼成セラミックスを得ることができる粉体混合物、を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(粉体混合物)
本発明の粉体混合物は、MgO及びCaOの少なくとも一方からなる酸化物と、酸性リン酸塩と、SiO2を含む骨材とを含有する。
【0009】
粉体混合物は、酸化物と酸性リン酸塩と骨材の合計を100質量%とした場合に、酸化物7~20質量%、酸性リン酸塩13~37質量%、骨材45~80質量%を含むものである。後述の非焼成セラミックスに用いる粉体組成物において骨材を45質量%以上含むものは、従来の同様の粉体組成物に比べて、骨材割合が多いものである。本発明では、骨材を多量に含有することによって、後述する非焼成セラミックス組成物の固化時の収縮抑制の効果に優れ、強度に優れた固化セラミックス成形体を製造することが可能となる。
【0010】
(酸化物)
上記粉体混合物における酸化物は、MgO及びCaOの少なくとも一方であり、MgOとCaOの両方を用いてもよい。MgO又はCaOは、市販の工業レベルのものをいずれも用いることができる。例えば、MgOは、水酸化マグネシウムや鉱物炭酸マグネシウムの加熱により形成される酸化物などが挙げられる。
【0011】
上記酸化物は、その平均粒子径は1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、その平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。このような粒子径を有する酸化物を用いることで、非焼成セラミックス組成物の固化時の収縮を抑制できる、という利点がある。なお、本明細書において酸化物の粒子径とは、マイクロトラックFRA粒度分析計(MICROTRAC社製)で測定される平均粒子径をいう。
【0012】
上記酸化物の粉体混合物における含有量は、粉体混合物全体の7質量%以上であり、13質量%以上であることが好ましい。酸化物の含有量は、20質量%以下である。酸化物の含有量は18質量%以下が好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。本発明においては、後述の骨材が粉体混合物全体の45質量%以上を占めることが必須であり、酸化物の含有量は、骨材の配合割合により適宜調整すればよい。
【0013】
(酸性リン酸塩)
本発明で用いる酸性リン酸塩は、水と反応して一価のリン酸陰イオン(PO4
-)を遊離する塩であれば、公知のものをいずれも用いることができる。酸性リン酸塩の具体例としては、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、リン酸水素アンモニウム((NH4)2HPO4)、リン酸水素ナトリウム(Na2HPO4)を挙げることができる。
【0014】
これらの中では、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、及び、リン酸二水素カリウムを用いた場合は、リン酸水素アンモニウムやリン酸水素ナトリウムを用いた場合に比べて、後述の参考例に示すように、水と反応させた場合の固化時間が短く、固化セラミックス成形体の製造効率の点から好ましい。リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、及び、リン酸二水素カリウムの中では、アンモニウム塩が最も固化速度が速く、次いでカリウム塩、その次にナトリウム塩の順である。また、リン酸水素アンモニウムの固化速度が、リン酸水素ナトリウムの固化速度より短い。固化後の物性はいずれも良好であり、セラミックス成形物の成形加工工程に求められる固化条件に応じて、いずれの酸性リン酸塩を用いるかを適宜選択すればよい。
【0015】
上記酸性リン酸塩の粉体混合物における含有量は、粉体混合物全体の13質量%以上であり、21質量%以上であることが好ましい。酸性リン酸塩の含有量は、37質量%以下であり、26質量%以下であることが好ましい。酸性リン酸化合物の含有量も、上記酸化物の含有量と同様、骨材の配合割合により適宜調整すればよい。
【0016】
(骨材)
本発明においては、骨材としてSiO2を含む骨材を用いる。具体的には、例えば、砂、砕砂、砂利、砕石、珪砂、珪石粉、結晶質アルミナ、フライアッシュ、アルミナ、マイカ、珪藻土、雲母、岩石粉末(シラス、抗火石等)、玄武岩、長石、珪灰石、粘土、ボーキサイト、セピオライト、繊維材料等などを例示することができる。これらの中でも、珪砂は、硬度や耐熱性さらには化学的安定性が良好であり、粉体混合物の粉砕メディアとしても機能するため、好ましく用いられる。他方、フライアッシュを骨材として用いる場合も、環境負荷の軽減や後述の非焼成セラミックスの強度の点から好ましい。
【0017】
骨材は、粉体混合物に占める体積が70~80%であることが好ましい。骨材の粉体混合物全体における含有量は45質量%以上である。骨材の含有量は、粉体混合物全体の50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。骨材の含有量は、粉体混合物全体の80質量%以下であり、68質量%以下であることが好ましい。
【0018】
上記骨材の粒子径は、20μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。骨材の粒子径は、350μm以下であることが好ましく、210μm以下であることがより好ましい。このような粒子径を有するSiO2を用いる場合、非焼成セラミックス組成物が固化する際のクラックの発生抑制が優れたものとなる利点がある。なお、本明細書においてSiO2の粒子径とは、マイクロトラックFRA粒度分析計(MICROTRAC社製)で測定される粒子径をいう。
【0019】
(成分間の関係)
酸化剤の粒子径ROと骨材の粒子径RBとの比(RO/RB)は、1/30以上であることが好ましく、1/17以上であることがより好ましい。RO/RBは、1/3以下であることが好ましく、1/6以下であることがより好ましい。このような粒子径比を満たす場合、非焼成セラミックス組成物が固化する際のクラックの発生抑制がより優れたものとなる。
【0020】
本発明の粉体混合物を用いて形成される非焼成セラミックスの固化時間と強度とが良好であることから、上記酸性リン酸塩と酸化物との質量比(酸性リン酸塩/酸化物)は、0.7以上であることが好ましく、1.3以上であることがより好ましく、1.7以上であることがさらに好ましい。酸性リン酸塩/酸化物は、5.3以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましい。
【0021】
(非焼成セラミックス組成物)
上記粉体混合物は、水と混合することで焼成工程を経ずに固化してセラミックス成形体となる。本明細書において、固化前の粉体混合物と水との混合物を非焼成セラミックス組成物と称する。
【0022】
非焼成セラミックス組成物において、粉体混合物と水との配合比は、粉体混合物に含まれる酸性リン酸塩の質量を基に決定することが望ましい。酸性リン酸塩の種類にもよるが、概ね、非焼成セラミックス組成物と水の総質量における水の質量が、25質量%以下であることが、固化速度が短くなる点、また得られる非焼成セラミックの強度が高くなる点からより好ましい。上記水の質量は22質量%以下であることがより好ましい。また、上記水の質量は18質量%以上であることが好ましい。
【0023】
非焼成セラミックス組成物には、粉体混合物と水の他、機能性付与剤やその他添加物を混合することができる。粉体混合物100質量部に対するこれらの添加物の混合量は、2質量部以上であることが好ましい。これらの添加物の混合量は、10質量部以下であることが好ましい。このような混合量とすることで、粉体混合物における酸化物と酸性リン酸塩との反応を阻害することなく、所望の特性を付与することができる。
【0024】
(機能性付与剤)
非焼成セラミックス組成物には、光触媒作用、疎水性、断熱性、導電性又は電磁波吸収、強化、徐放性、蓄熱性などの機能性を付与する目的で機能性付与剤を混合してもよい。光触媒作用を付与するには、酸化チタンなど光触媒作用のある物質を用いることができる。疎水性を付与するには、疎水性フィラーを用いることができる。断熱性を付与するためには、中空粒子や中空糸又は溶解性フィラーや溶解性繊維を用いることができる。導電性又は電磁波吸収性能を付与するためには、カーボンやカーボンナノチューブを用いることができる。固化したセラミックス成形体の強度を高める強化目的では、ケブラー(登録商標)等の繊維、セルロースやセルロースナノファイバーなどを用いることができる。徐放性を付与するためには、成形体内部においてミクロ孔を形成させるために繊維等を混合することができる。
【0025】
(その他添加物)
非焼成セラミックス組成物には、MgO及び/又はCaOと酸性リン酸塩との反応を阻害しない範囲で、繊維等のその他添加物を含有してもよい。
【0026】
(非焼成セラミックス組成物による固化セラミックス成形体の製造方法)
上記非焼成セラミックス組成物は、鋳込成形、薄膜成形、点成形により固化セラミックス成形体とすることができる。
【0027】
鋳込成形とは、粉体混合物と水とを混合した上記非焼成セラミックス組成物を、所望の鋳型に流し込み、固化するまで静置する方法である。細かい複雑な形状の鋳型であっても、本発明の非焼成セラミックス組成物は焼成工程を経ないので、再現良く形成することができる。
【0028】
薄膜成形とは、粉体混合物のうち、MgO及び/又はCaOとSiO2を含む骨材とからなるスラリーに布などを浸漬したのち乾燥させたものに、表面から酸性リン酸塩を含む水溶液を霧吹き等で塗布し、乾燥させ固化する方法である。スラリーを成形する際に用いる水は、酸性リン酸塩の塗布前に乾燥させることから、非焼成セラミックス組成物とは別途の分量で用いられる。従来のセラミックス成形物よりも焼成工程を経ないので、厚みの薄い、軽量化された板状成形体を得ることができ、壁面ボードなど装飾目的でも利用することができる。
【0029】
点成形とは、インクジェットプリンタや3Dプリンタを利用した非焼成セラミックス組成物の固化成形方法であり、MgO及び/又はCaOとSiO2を含む骨材とからなるスラリーで所望の形状をプリントし乾燥させたのちに、表面から酸性リン酸塩を含む水溶液をプリンタにより滴下し、乾燥させ固化する方法である。微細な形状の固化セラミックス成形物を形成することができる。
【0030】
上記いずれの成形方法においても、MgO及び/又はCaOとSiO2を含む骨材は、混合工程を経ていることが好ましい。混合工程では、骨材と酸化物をよく混合することにより、骨材粒子表面は酸化物の粒子によって覆われ、酸性リン酸塩との反応活性の状態となっている。
【0031】
混合工程においては、衝撃、摩擦、圧縮、剪断等の各種の力を複合的に作用させることが、骨材表面を活性とするには効果的である。混合工程に用いる装置としては、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル、ヘンシェルミキサ等の混合装置、ボール媒体ミル、ローラーミル、乳鉢等の粉砕機などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、被粉砕物に対し、主として衝撃、摩砕等の力を作用させることができるジェット粉砕機等も用いることができる。ジェット粉砕機で粉砕すれば、圧縮力、せん断力、衝撃力等を加えることができるので好ましい。
【0032】
混合工程は、粒度分布の経時変化が小さくなるまで粉体を混合することが好ましい。粒度分布の経時変化が小さくなるまで混合しながら粉砕するということは、粉体の粒子が混合によって分散し、限界まで均一に達していると考えられる。
【0033】
なお、MgO及び/又はCaOとして、粒度の揃った純度が90%を超えるような高いものを用いる場合は、より酸性リン酸塩と反応しやすい。
【0034】
固化セラミックス成形体は、上記のように非セラミックス組成物の固化により成形されるが、固化速度をより向上させる目的で、乾燥工程を設けても良い。このような乾燥工程は、焼成工程とは異なり、100℃程度の温度条件で行うことができる。固化状態は、固化物表面の不動化により確認することができる。
【実施例】
【0035】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」とある場合、特に断りのない限り「質量%」を意味する。
【0036】
(実施例1)
酸化マグネシウム(富士フィルム和光純薬社製、メディアン50%粒径12μm、比表面積1.06(103m2/kg))13.1gと、リン酸二水素アンモニウム(富士フィルム和光純薬社製、分子量115.03)21.9gと、骨材として硅砂(株式会社ヤマス製、平均粒径100μm)72gとからなる粉体組成物を混合し、得られた粉体混合物をコップ状容器に入れ、粉体混合物と水の総質量における水が22質量%となるように水を加えて(表1中、水分値と表す)、東京理化器械社製撹拌機 EYELA(MINI D.C STIRRER)により攪拌し、その後、静置した。
【0037】
静置後180秒を経過したところで、試験体表面を観測および触診したところ、試験体が固化していることが確認された。静置後24時間経過した試験体(非焼成セラミック)について、曲げ強度(N/mm2)を、耐圧試験機(イマダ社製、デジタルフォースゲージ ZTA-500N(商品名))を使用して荷重最大500Nを加え、JIS R 1601:2008の「ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」に基づき求めた。結果を表1に示す。
【0038】
(実施例2~21)
粉体混合物における組成と水の配合量とを表1に記載するように変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2~21の非焼成セラミックス組成物を製造し、固化させた。結果を表1に示す。表1中、骨材について、石英粉とは(株式会社ヤマス製、平均粒径100μm)フライアッシュとは、JIS A6201:2008に規定されるコンクリート用フライアッシュII種(SiO240~75%、平均粒径20μm)、ケイ酸塩鉱物とは、(SiO241~46%、平均粒径130μm)を表す。
【0039】