IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社宮内製作所の特許一覧

<>
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図1
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図2
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図3
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図4
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図5
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図6
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図7
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図8
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図9
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図10
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図11
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図12
  • 特許-折畳み式燃焼装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】折畳み式燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20230828BHJP
   F24C 1/16 20210101ALI20230828BHJP
【FI】
A47J37/07
F24C1/16 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022114859
(22)【出願日】2022-07-19
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】500266151
【氏名又は名称】有限会社宮内製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】宮内 保昌
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-175930(JP,A)
【文献】特開2022-020342(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0290644(US,A1)
【文献】国際公開第2017/174137(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
F24C 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼物が載置される底面プレートと、この底面プレートと共に組み立てられ、前記燃焼物を燃焼させる燃焼空間を形成する側板プレートと、を備え、
前記側板プレートは、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートからなり、前記第1プレートおよび前記第3プレートが前記第2プレートの幅方向の両側端部のそれぞれにヒンジ状に連結されると共に、前記第1プレートおよび前記第3プレートのそれぞれにおける前記第2プレートに連結された側とは反対側の自由端部同士が係止可能に形成され、
前記底面プレートは、三角形状であり、三辺のそれぞれが外側に向けて凸状に湾曲する湾曲部を有し、前記三辺のうちの一辺である連結辺が、前記第1プレート、前記第2プレートおよび前記第3プレートのいずれかである連結プレートにヒンジ状に連結され、
折畳み時は、前記底面プレートが前記連結プレートに重ねて折り畳まれた状態で、前記第1プレート、前記第2プレートおよび前記第3プレートが互いに重ね合わせられるようにして折り畳まれ、
組立て時は、折り畳まれた前記第1プレート、前記第2プレートおよび前記第3プレートが開かれて、前記連結プレートから起こされた前記底面プレートが、前記第1プレート、前記第2プレートおよび前記第3プレートのうち、前記連結プレート以外の少なくともいずれか一方に設けられた係止部に係止され、前記係止部に係止された前記底面プレートを囲って組み立てられた前記第1プレート、前記第2プレートおよび前記第3プレートが、それぞれ前記三辺の前記湾曲部に対向して押し当てられた状態で、前記自由端部同士が係止されることにより、上方が開口した開口部を有する前記燃焼空間が形成されると共に、前記側板プレートが、前記燃焼空間の外側に向けて、前記湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される、
ことを特徴とする折畳み式燃焼装置。
【請求項2】
前記連結辺は、両端が前記連結プレートに連結されると共に、前記両端間に前記湾曲部が形成されており、
前記底面プレートが起こされるときに、前記連結辺の前記湾曲部が前記連結プレートに押し込まれることで、前記連結プレートが撓ませられる、
ことを特徴とする請求項1に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項3】
前記係止部は、前記連結辺と前記連結プレートとの連結部よりも低い位置に設けられた、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項4】
前記連結プレートが、前記第2プレートである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項5】
前記底面プレートは、前記係止部に係止可能な鉤状の突起部を有し、
前記係止部は、前記第1プレートの幅方向に沿って、前記第1プレートに形成されたスリットであり、このスリットが前記第2プレートの側よりも前記自由端部の側が下方に向けて傾斜した、
ことを特徴とする請求項4に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項6】
前記第1プレートは、前記燃焼空間に前記第1プレートを貫通して前記燃焼物を投入できる投入口部を有し、前記投入口部の下端に受皿部が設けられており、
前記投入口部は、その下端において、前記第1プレートの幅方向の一端側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第1斜辺と、前記第1プレートの幅方向の他端側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第2斜辺と、を有し、
前記受皿部は、前記第1斜辺に一辺がヒンジ状に連結された三角形状の第1受板と、前記第1受板に一辺がヒンジ状に連結された三角形状の第2受板と、から形成され、
前記第2受板は、前記第1受板と連結された一辺である受板連結辺に、外側に向けて凸状に湾曲する受板湾曲部を有し、
折畳み時は、前記第2受板が前記第1受板に重ねて折り畳まれた状態で、前記第1受板が前記投入口部に重ねて折り畳まれ、
組立て時は、折り畳まれた前記第1受板が起こされて、前記第1受板に重ねられていた前記第2受板が開かれた状態で、前記第2受板が前記第2斜辺に係止されることにより、前記第1受板と前記第2受板とから前記受板連結辺の近傍が下方に窪んだ前記受皿部が形成されると共に、前記第2受板が開かれるときに前記受板湾曲部が前記第1受板に押し込まれることで、前記第1受板が前記受板湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項7】
前記側板プレートは、上側の幅が下側の幅よりも狭い台形状であり、
組み立てられた前記側板プレートの上側が前記燃焼空間の内側に向けて傾斜し、前記開口部が前記底面プレートの面積よりも小さく形成された、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項8】
前記底面プレートは、第1底面プレートと、この第1底面プレートの下方に間隔を空けて設けられた第2底面プレートと、を有し、
前記第1底面プレートに、前記第1底面プレートを貫通する複数の孔が設けられ、
前記係止部は、前記第1底面プレートが係止される第1係止部と、この第1係止部の下方に間隔を空けて設けられ、前記第2底面プレートが係止される第2係止部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された折畳み式燃焼装置。
【請求項9】
前記側板プレートに、前記第1係止部に係止された前記第1底面プレートと、前記第2係止部に係止された前記第2底面プレートとの間に空気の供給が可能な空気供給孔が設けられた、
ことを特徴とする請求項8に記載された折畳み式燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み式燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャンプ又は登山等の野外活動では、飲食物や調理器具等の被加熱物の加熱のため、又は、暖をとるために、ストーブ又は焚き火台等の種々の燃焼装置が使用されている。これらの燃焼装置は、使用時には、燃焼装置の上に載置される被加熱物の重さに対して、十分に耐え得る強度を備えることが求められ、一方、不使用時には、コンパクトに折り畳みが可能で、携帯性や収納性に優れたものが好まれる。
【0003】
そこで、例えば、火床を形成する底板と、この底板の側方に配置される第1側板および第2側板とを備え、これらの底板、第1側板および第2側板が重ねられるようにして折り畳むことができる焚火台が提案されている(特許文献1)。この焚火台は、底板、第1側板および第2側板を含む各部材が、比較的厚めのプレートで構成されているため、焚火台の上に載置される被加熱物の重さに対して十分な強度を備えたものとなっている。
【0004】
また、例えば、上部にスロットが設けられた3枚の立て板と、1枚の底板と、数個の横板ストリップとを備え、使用時には、立て板同士が組み付けられ、この立て板のスロットに、横板ストリップが架け渡されて使用される組立式焚火台が提案されている(特許文献2)。この焚火台は、立て板、底板および横板ストリップのそれぞれが別々の部材として取り外しが可能であり、かつ、各部材が比較的薄めのプレートで構成されて、不使用時の携帯性や収納性に優れたものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6652421号公報
【文献】登録実用新案第3233580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の焚火台は、各部材が比較的厚めのプレートで構成されているため、十分な強度は備えるものの、焚火台の重量が増すことで、携帯性に優れたものとは言えなかった。
また、特許文献2の焚火台は、各部材が比較的薄めのプレートで構成されているため、収納性や携帯性には優れるものの、各部材が温度変化によって歪みやすく、繰り返しの使用によって部材同士の組み付けが困難になる可能性や、焚火台としての強度が不足するおそれがあった。さらには、特許文献2の焚火台は、各部材が別々の部材として構成されているため、不慣れな使用者にとっては組み付けが容易ではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、使用時に十分な強度を備え、かつ、不使用時の収納性や携帯性に優れ、組み立てが容易な折畳み式燃焼装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、燃焼物が載置される底面プレートと、この底面プレートと共に組み立てられ、燃焼物を燃焼させる燃焼空間を形成する側板プレートと、を備え、側板プレートは、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートからなり、第1プレートおよび第3プレートが第2プレートの幅方向の両側端部のそれぞれにヒンジ状に連結されると共に、第1プレートおよび第3プレートのそれぞれにおける第2プレートに連結された側とは反対側の自由端部同士が係止可能に形成され、底面プレートは、三角形状であり、三辺のそれぞれが外側に向けて凸状に湾曲する湾曲部を有し、三辺のうちの一辺である連結辺が、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートのいずれかである連結プレートにヒンジ状に連結され、折畳み時は、底面プレートが連結プレートに重ねて折り畳まれた状態で、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが互いに重ね合わせられるようにして折り畳まれ、組立て時は、折り畳まれた第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが開かれて、連結プレートから起こされた底面プレートが、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートのうち、連結プレート以外の少なくともいずれか一方に設けられた係止部に係止され、係止部に係止された底面プレートを囲って組み立てられた第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが、それぞれ三辺の湾曲部に対向して押し当てられた状態で、自由端部同士が係止されることにより、上方が開口した開口部を有する燃焼空間が形成されると共に、側板プレートが、燃焼空間の外側に向けて、湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、連結辺の両端が連結プレートに連結されると共に、連結辺の両端間に湾曲部が形成されており、底面プレートが起こされるときに、連結辺の湾曲部が連結プレートに押し込まれることで、連結プレートが撓ませられる、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、係止部が、連結辺と連結プレートとの連結部よりも低い位置に設けられた、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、連結プレートが、第2プレートである、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、底面プレートが、係止部に係止可能な鉤状の突起部を有し、係止部は、第1プレートの幅方向に沿って、第1プレートに形成されたスリットであり、このスリットが第2プレートの側よりも自由端部の側が下方に向けて傾斜した、ことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、第1プレートは、燃焼空間に第1プレートを貫通して燃焼物を投入できる投入口部を有し、投入口部の下端に受皿部が設けられており、投入口部は、その下端において、第1プレートの幅方向の一端側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第1斜辺と、第1プレートの幅方向の他端側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第2斜辺と、を有し、受皿部は、第1斜辺に一辺がヒンジ状に連結された三角形状の第1受板と、第1受板に一辺がヒンジ状に連結された三角形状の第2受板と、から形成され、第2受板は、第1受板と連結された一辺である受板連結辺に、外側に向けて凸状に湾曲する受板湾曲部を有し、折畳み時は、第2受板が第1受板に重ねて折り畳まれた状態で、第1受板が投入口部に重ねて折り畳まれ、組立て時は、折り畳まれた第1受板が起こされて、第1受板に重ねられていた第2受板が開かれた状態で、第2受板が第2斜辺に係止されることにより、第1受板と第2受板とから受板連結辺の近傍が下方に窪んだ受皿部が形成されると共に、第2受板が開かれるときに受板湾曲部が第1受板に押し込まれることで、第1受板が受板湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、側板プレートが、上側の幅が下側の幅よりも狭い台形状であり、組み立てられた側板プレートの上側が燃焼空間の内側に向けて傾斜し、開口部が底面プレートの面積よりも小さく形成された、ことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、底面プレートが、第1底面プレートと、この第1底面プレートの下方に間隔を空けて設けられた第2底面プレートと、を有し、第1底面プレートに、第1底面プレートを貫通する複数の孔が設けられ、係止部は、第1底面プレートが係止される第1係止部と、この第1係止部の下方に間隔を空けて設けられ、第2底面プレートが係止される第2係止部と、を有する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、側板プレートに、第1係止部に係止された第1底面プレートと、第2係止部に係止された第2底面プレートとの間に空気の供給が可能な空気供給孔が設けられた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、燃焼物が載置される底面プレートと、この底面プレートと共に組み立てられ、燃焼物を燃焼させる燃焼空間を形成する側板プレートと、を備えている。側板プレートは、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートからなり、第1プレートおよび第3プレートが第2プレートの幅方向の両側端部のそれぞれにヒンジ状に連結されると共に、第1プレートおよび第3プレートのそれぞれにおける第2プレートに連結された側とは反対側の自由端部同士が係止可能に形成されている。底面プレートは、三角形状であり、三辺のそれぞれが外側に向けて凸状に湾曲する湾曲部を有し、三辺のうちの一辺である連結辺が、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートのいずれかである連結プレートにヒンジ状に連結されている。折畳み時は、底面プレートが連結プレートに重ねて折り畳まれた状態で、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが互いに重ね合わせられるようにして折り畳まれる。組立て時は、折り畳まれた第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが開かれて、連結プレートから起こされた底面プレートが、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートのうち、連結プレート以外の少なくともいずれか一方に設けられた係止部に係止され、係止部に係止された底面プレートを囲って組み立てられた第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが、それぞれ三辺の湾曲部に対向して押し当てられた状態で、自由端部同士が係止されることにより、上方が開口した開口部を有する燃焼空間が形成されると共に、側板プレートが、燃焼空間の外側に向けて、湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される。そのため、撓んだ状態で維持された側板プレートは、応力が働くことにより、変形がしにくく、外部からの荷重に対して強度を備えたものとなる。したがって、仮に、側板プレートが薄い板状の部材で構成された場合であっても、本発明に係る折畳み式燃焼装置の上部に、飲食物や調理器具等の被加熱物を安定して載置できる。また、不使用時には、折り畳むことができるので、収納性や携帯性にも優れている。さらに、底面プレート、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートがそれぞれヒンジ状に連結されているので、各部材がばらばらになることがなく、組み立てに不慣れな人であっても容易に組み立てることができる。
【0018】
本発明に係る折畳み式燃焼装置の連結辺は、両端が連結プレートに連結されると共に、両端間に湾曲部が形成されている。そして、底面プレートが起こされるときに、連結辺の湾曲部が連結プレートに押し込まれることで、連結プレートが撓ませられる。そのため、連結プレートを撓ませることが容易で、かつ、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートのうち、連結プレート以外のものと比較して、連結プレートをしっかりと撓ませることができる。
【0019】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、係止部が、連結辺と連結プレートとの連結部よりも低い位置に設けられている。底面プレートには、湾曲部が連結プレートに押し込まれる際に、元の折り畳まれた状態に戻ろうとする力が働く。そのため、例えば、底面プレートが、連結辺と連結プレートとの連結部と同じ高さ位置に形成された係止部に係止されると、上記した力によって反り返って撓んだ底面プレートは、連結辺の側よりも連結辺に対向する角部の側が高く、傾斜したものとなってしまう。そこで、係止部を連結部よりも低い位置に形成することにより、底面プレートを、本発明に係る折畳み式燃焼装置が載置される地面等の載置面に対して平行なものにできる。
【0020】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、連結プレートが第2プレートである。そのため、第2プレートを片手で持った状態で、第1プレートおよび第3プレートを開くことができ、また、第2プレートを中心にして、開かれた第1プレート、第2プレートおよび第3プレートを両手で支えた状態で、第1プレートおよび第3プレートを閉じるようにして自由端部同士を係止できるので、組み立てが容易である。さらに、使用後は、第2プレートに重ねて底面プレートを折り畳み、この底面プレートに重ねるようにして、第1プレートおよび第3プレートを交互に折り畳むだけでよいので、折り畳みも簡便である。
【0021】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、底面プレートが、係止部に係止可能な鉤状の突起部を有し、係止部は、第1プレートの幅方向に沿って、第1プレートに形成されたスリットであり、このスリットが第2プレートの側よりも自由端部の側が下方に向けて傾斜している。そのため、連結部よりも低い位置まで押し下げられて傾斜した底面プレートを係止しやすい。また、スリットが傾斜していることで、係止部に係止された鉤状の突起部が外れにくく、スリットと突起部との係止が強固なものとなる。
【0022】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、第1プレートが、燃焼空間に第1プレートを貫通して燃焼物を投入できる投入口部を有し、投入口部の下端に受皿部が設けられている。投入口部は、その下端において、第1プレートの幅方向の一端側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第1斜辺と、第1プレートの幅方向の他端側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第2斜辺と、を有している。受皿部は、第1斜辺に一辺がヒンジ状に連結された三角形状の第1受板と、第1受板に一辺がヒンジ状に連結された三角形状の第2受板と、から形成され、第2受板は、第1受板と連結された一辺である受板連結辺に、外側に向けて凸状に湾曲する受板湾曲部を有している。折畳み時は、第2受板が第1受板に重ねて折り畳まれた状態で、第1受板が投入口部に重ねて折り畳まれる。組立て時は、折り畳まれた第1受板が起こされて、この第1受板に重ねられていた第2受板が開かれた状態で、第2受板が第2斜辺に係止されることにより、第1受板と第2受板とから受板連結辺の近傍が下方に窪んだ受皿部が形成されると共に、第2受板が開かれるときに受板湾曲部が第1受板に押し込まれることで、第1受板が受板湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される。そのため、燃焼空間に入りきらない大きさの燃焼物を、受皿部を支えにして投入口部から投入することができる。また、第1受板および第2受板には、受板湾曲部が押し込まれたことによる応力が働くので、受皿部が変形しにくく、上方からの荷重に対して強いものとなる。
【0023】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、側板プレートが、上側の幅が下側の幅よりも狭い台形状であり、組み立てられた側板プレートの上側が燃焼空間の内側に向けて傾斜し、開口部が底面プレートの面積よりも小さく形成されている。そのため、燃焼空間は、底面プレート側よりも開口部側が小さく、燃焼物を燃焼させると、開口部に火や熱を集中させることができる。したがって、本発明に係る折畳み式燃焼装置の上に載置される被加熱物を強く安定した火力で効率よく加熱できる。
【0024】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、底面プレートが、第1底面プレートと、この第1底面プレートの下方に間隔を空けて設けられた第2底面プレートとを有し、第1底面プレートに、第1底面プレートを貫通する複数の孔が設けられている。また、係止部は、第1底面プレートが係止される第1係止部と、この第1係止部の下方に間隔を空けて設けられ、第2底面プレートが係止される第2係止部とを有している。そのため、第1底面プレートを燃焼物が載置されるロストルとして用い、第2底面プレートを燃焼物の燃焼後の灰を受け止める灰受けとして用いることができる。したがって、燃焼装置が載置される地面等の載置面に燃焼物や灰が落ちることなく、載置面を火や高温による損傷から保護しつつ、燃焼装置を使用できる。また、第1底面プレートに形成された孔を通じて、第1底面プレートの下方から燃焼物を燃焼させるための空気が供給されるため、燃焼物の燃焼効率を高めることができる。
【0025】
本発明に係る折畳み式燃焼装置は、側板プレートに、第1係止部に係止された第1底面プレートと第2係止部に係止された第2底面プレートとの間に空気の供給が可能な空気供給孔が設けられている。そのため、本発明に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態において、第1底面プレートと第2底面プレートとの間の空間に、空気供給孔を通じて燃焼物の燃焼に必要な空気を十分に供給することができる。したがって、燃焼効率がより高い燃焼装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の背面図である。
図4】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の底面図である。
図6】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の右側面図である。
図7】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置が組み立てられた状態の左側面図である。
図8】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置において、第1プレート、第2プレートおよび第3プレートが開かれた状態の展開図である。
図9】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置における投入口部の拡大斜視図であり、(a)が第2受板部の係止が解除された状態、(b)が第2受板部が折り畳まれた状態、(c)が第1受板部が折り畳まれた状態である。
図10】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置において、第1プレートおよび第3プレートの自由端部同士の係止が解除された状態の斜視図である。
図11】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置において、床面プレートの係止が解除され、床面プレートが折り畳まれた状態の斜視図である。
図12】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置において、第1プレートが折り畳まれた状態を示す説明図である。
図13】本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置において、第3プレートが折り畳まれた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る折畳み式燃焼装置を図1から図13を参照して説明する。なお、図1に示す組み立てられた状態の燃焼装置1において、矢印Aの方向から見た状態を正面とする。また、以下の説明において、燃焼装置1の高さ方向を上下方向Zとし、また、図8において、第2プレート7の幅方向を左右方向Xとする。
【0028】
燃焼装置1は、木の枝、薪又は炭等の燃焼物を燃焼させ、上部に載置される飲食物や調理器具等の被加熱物を加熱するために、又は、燃焼装置1の使用者が暖をとるために用いられる。燃焼装置1は、使用時に組み立てられた状態では、図1から図7に示すように、上下方向Zに沿って延びた三角柱状の筒型に形成されている。燃焼装置1は、ステンレス又は鉄等の金属製であり、底面プレート2と、この底面プレート2を囲って組み立てられる側板プレート3と、側板プレート3に設けられた投入口部4と、この投入口部4の下部に設けられた受皿部5と、を備える。燃焼装置1は、折り畳みが可能であり、側板プレート3と底面プレート2とが組み立てられることで自立する。
【0029】
側板プレート3は、図8に示すように、燃焼装置1が組み立てられる前の状態において、左右方向Xに並列された3枚の薄い金属板である。具体的には、側板プレート3は、左側に配置された第1プレート6と、第1プレート6の右側に配置された第2プレート7と、第2プレート7の右側に配置された第3プレート8とから構成される。第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、第2プレート7を例に示すように、それぞれ上側の幅W1が下側の幅W2よりも狭い台形状に形成されている。さらに、第2プレート7が、第1プレート6および第3プレート8よりもわずかに大きく形成されている。
【0030】
第2プレート7は、その幅方向である左右方向Xの左側端部に、第1プレート6がヒンジ状に連結されている。第2プレート7の左側端部は、左方に向けて張り出す凸状部を有し、この凸状部に、この凸状部を貫通する孔である第1連結孔7aが形成されている。また、第1プレート6の右側端部には、第1プレート6の一部がU字状に切り抜かれて、第1凸状部6aが形成されている。そして、第2プレート7が第1プレート6の右側端部に重ねられた状態で、第1連結孔7aに第1凸状部6aが通されて引っ掛けられることで、第2プレート7と第1プレート6とが連結されている。
【0031】
また、第2プレート7は、その右側端部に、第3プレート8がヒンジ状に連結されている。第2プレート7の右側端部には、第2プレート7の一部がU字状に切り抜かれて、第2凸状部7bが形成されている。また、第3プレート8の左側端部は、左方に向けて張り出す凸状部を有し、この凸状部に、この凸状部を貫通する孔である第2連結孔8aが形成されている。そして、第2プレート7の右側端部に第3プレート8が重ねられた状態で、第2連結孔8aに第2凸状部7bが通されて引っ掛けられることで、第2プレート7と第3プレート8とが連結されている。
【0032】
さらに、第2プレート7は、その下部に底面プレート2がヒンジ状に連結されている。そのため、本実施形態では、第2プレート7が連結プレート10となる。なお、連結プレート10は、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8のいずれかから任意で選択されるが、側板プレート3の中で中央の第2プレート7に底面プレート2が連結されていると、ヒンジ状に連結された底面プレート2を起こしやすく、また、燃焼装置1の組み立てが容易であることから、第2プレート7が連結プレート10であることが好ましい。
【0033】
第1プレート6は、左右方向Xにおいて、第2プレート7に連結された右側端部の側とは反対側の左側端部が、自由端部として形成されている。この第1プレート6の自由端部には、上下方向Zに沿って間隔を空けた3箇所に、左方に向けて凸状に張り出す係止フック6bが形成されている。この係止フック6bの先端は、上方に向けて屈曲して鉤状に形成されている。
【0034】
第3プレート8は、左右方向Xにおいて、第2プレート7に連結された左側端部の側とは反対側の右側端部が、自由端部として形成されている。この第3プレート8の自由端部には、第1プレート6の係止フック6bの位置に合わせた3箇所が切り抜かれて、上下方向Zを長手方向とするスリットである係止スリット8bが形成されている。この係止スリット8bには、係止フック6bが差し込まれて、係止フック6bの鉤状部分が係止される。
【0035】
底面プレート2は、第2プレート7の下部にヒンジ状に連結された2枚の薄い板状の金属片である。この2枚の金属片は、三角形に形成されており、上下方向Zにおいて互いに間隔を空けて設けられている。そして、2枚の金属片のうち、上側の金属片が第1底面プレート2aであり、この第1底面プレート2aに対して下方に間隔を空けて設けられた下側の金属片が第2底面プレート2bである。
【0036】
第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bは、それぞれ三辺のうちの一辺である連結辺2cが、第2プレート7に連結されている。連結辺2cの両端には、それぞれ連結辺2cから凸状に張り出す連結突起2dが形成されており、この連結突起2dの先端が、連結辺2cに沿って、中央側から外側に向けて屈曲して鉤状に形成されている。
一方で、第2プレート7の下部には、左右の側端部において、左右方向Xを長手方向とするスリットである底面連結スリット7cが形成されている(図7)。この底面連結スリット7cは、第1底面プレート2aの連結突起2dの位置に合わせた上側の2箇所と、第2底面プレート2bの連結突起2dの位置に合わせた下側の2箇所と、合計4箇所が切り抜かれて形成されている。この底面連結スリット7cに連結突起2dが差し込まれて引っ掛けられることにより、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれが第2プレート7に連結されている。なお、4箇所の底面連結スリット7cのそれぞれは、左右方向Xにおいて、第2プレート7の中央寄りが下方に向けて傾斜している。
【0037】
第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれは、図8に示すように、三辺が外側に向けて凸状に湾曲する湾曲部9を有している。湾曲部9は、三辺のそれぞれと一体に形成されている。第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれにおける三辺のうち、連結辺2cを例に説明すると、左右方向Xにおける両端の間が、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれの内側から外側に向けて弧状に膨らむ曲線として形成されている。この弧状に膨らむ曲線部分が湾曲部9である。
【0038】
第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bは、それぞれ連結辺2cの左端から延びる一辺において、湾曲部9から凸状に張り出す突起部である係止突起2eが形成されている。係止突起2eの先端は、連結辺2cの対角である角部2f側に向けて屈曲して鉤状に形成されており、この鉤状部分が第1プレート6の下部に形成された係止部12に係止される。
なお、第1底面プレート2aは、第1底面プレート2aを貫通する複数の孔である底面孔11が設けられており、燃焼物が載置されるロストルとして用いることができる(図4)。
【0039】
係止部12は、第1プレート6の下部に形成されたスリットであり、組立て時に第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれの係止突起2eが係止される。具体的には、第1底面プレート2aの係止突起2eが係止される上側のスリットである第1係止部12aと、この第1係止部12aの下方に間隔を空けて設けられ、第2底面プレート2bの係止突起2eが係止される下側のスリットである第2係止部12bとから構成される。第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれは、第1プレート6の幅方向、すなわち、左右方向Xを長手方向として形成されている。また、第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれは、第1プレート6の第2プレート7に連結された側である右側端部側よりも、第1プレート6の自由端部の側である左側端部側が、下方に向けて傾斜している。したがって、図2で示すように、組み立てられた状態の燃焼装置1を正面視した場合においては、第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれは、第1プレート6の自由端部側、すなわち、右側が下方に向けて傾いたものとなる。
【0040】
また、第1係止部12aおよび第2係止部12bは、組み立てられた状態の燃焼装置1において、それぞれ連結辺2cと第2プレート7とが連結された連結部13よりも低い位置に形成されている(図7)。具体的には、第1係止部12aが、第1底面プレート2aの連結辺2cと第2プレート7とが連結された上側の連結部13である第1連結部13aよりも低い位置に形成され、第2係止部12bは、第2底面プレート2bの連結辺2cと第2プレート7とが連結された下側の連結部13である第2連結部13bよりも低い位置に形成されている。
【0041】
第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8からなる側板プレート3には、その下部において、側板プレート3を貫通する孔である空気供給孔14が形成されている。空気供給孔14は、燃焼装置1が組み立てられた状態において、第1係止部12aに係止された第1底面プレート2aと、第2係止部12bに係止された第2底面プレート2bとの間に位置し、第1底面プレート2aと第2底面プレート2bとの間に空気の供給を可能にするものである。第1プレート6では、第1係止部12aの左右両側に3つずつの空気供給孔14が並列して形成され(図2)、第2プレート7および第3プレート8では、それぞれの幅方向における中央近傍に7つの空気供給孔14が並列して形成されている(図6および図7)。
【0042】
第1プレート6には、図1および図2に示すように、上下方向Zの中央から下側の下部において、ホームベース形状に開口された孔部である投入口部4が形成されている。この投入口部4は、組み立てられた状態の燃焼装置1において、側板プレート3によって形成される燃焼空間Sに、第1プレート6を貫通して燃焼物を投入するために用いられる。
【0043】
投入口部4の下端には、図8に示すように、第1プレート6の一端である自由端部の側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第1斜辺4aと、第1プレート6の他端である右側端部の側から中央にかけて下方に向けて傾斜する第2斜辺4bとが形成されている。したがって、図2で示すように、第1斜辺4aおよび第2斜辺4bは、組み立てられた状態の燃焼装置1を正面視した場合においては、第1斜辺4aが右側から中央に向けて傾斜し、第2斜辺4bが左側から中央に向けて傾斜したものとなる。また、図8で示す第2斜辺4bの右側の端部、すなわち、図2で示す第2斜辺4bの左側の端部には、切り欠きによって凹状に窪んだ受板係止部4cが形成されている。なお、第2斜辺4bの下端は、第1プレート6の下部中央近傍において、第1斜辺4aに当接している。
【0044】
受皿部5は、三角形状の2枚の薄い板状の金属片である第1受板15と第2受板16とから構成される(図1および図2)。第1受板15は、三辺のうちの一辺である第1辺15aが、第1斜辺4aに沿ってヒンジ状に連結されている。第1辺15aの両端には、それぞれ第1辺15aから凸状に張り出す第1突起15bが形成されており(図4)、この第1突起15bのそれぞれの先端が、第1辺15aに沿って、第1辺15aの中央側から外側に向けて屈曲して鉤状に形成されている。この第1突起15bの鉤状部分が、第1斜辺4aの両端に引っ掛けられることで、第1受板15と第1斜辺4aとが連結されている。
【0045】
また、第1受板15には、第1受板15の一部が切り抜かれたスリットである受板連結スリット15cが形成されている(図4および図5)。具体的には、第1受板15において、第1辺15a以外の二辺のうち、第1斜辺4aの下端側、すなわち、第1プレート6の中央側から、第1辺15aの対角に向けて延びる一辺である第2辺15dに沿って、この第2辺15dの両端の2箇所に、受板連結スリット15cが形成されている。そして、この受板連結スリット15cに、第2受板16の三辺のうちの一辺がヒンジ状に連結される。この第1受板15に連結される一辺は、受板連結辺16aである。
【0046】
受板連結辺16aの両端には、それぞれ凸状に張り出す第2突起16bが形成されており、この第2突起16bの先端が、それぞれ受板連結辺16aに沿って、受板連結辺16aの中央側から外側に向けて屈曲して鉤状に形成されている(図5)。そして、この第2突起16bが、第1受板15の受板連結スリット15cに通されて引っ掛けられることで、第2受板16と第1受板15とが連結されている。
【0047】
第2受板16は、受板連結辺16aの両端から延びる二辺のうち、第1斜辺4aの下端側から延びる一辺である第3辺16cが、第2斜辺4bに係止される(図9(a))。具体的には、第3辺16cの両端のうち、受板連結辺16aの対角側の一端において、第3辺16cから凸状に張り出す第3突起16dが形成されている。この第3突起16dの先端が、第3辺16cに沿って、第3辺16cの中央側から外側に向けて屈曲して鉤状に形成されている。組立て時には、この第3突起16dが第2斜辺4bの受板係止部4cに係止されることで、第1受板15と第2受板16とから受皿部5が形成される。
【0048】
さらに、受板連結辺16aには、外側に向けて凸状に湾曲する受板湾曲部17が形成されている。受板連結辺16aと受板湾曲部17とは一体に形成されており、受板連結辺16aにおいて、第2受板16の内側から外側に向けて弧状に膨らむ曲線部分が受板湾曲部17である(図4)。
【0049】
図8に示すように、第1プレート6の右側端部、第2プレート7の右側端部、および、第3プレート8の右側端部には、それぞれ上部が右方に向けて張り出す五徳部18が形成されている。この五徳部18は、側板プレート3が組み立てられた状態において、側板プレート3によって形成される燃焼空間Sの外側に向けて、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8のそれぞれから張り出す部分であり(図1から図3図6および図7)、組み立てられた状態の燃焼装置1の上部に、被加熱物が載置される際には、被加熱物を下方から支持する五徳として用いられる。
【0050】
また、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、図1および図4に示すように、それぞれの幅方向における中央近傍において谷折れ線19が形成され、この谷折れ線19に沿ってわずかに屈曲している。さらに、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、それぞれの下端に、それぞれの幅方向における両側端部が下方に向けて延びて、脚部20が形成されている(図1から図3図6および図7)。
【0051】
次に、燃焼装置1の折り畳み方法について説明する。
【0052】
まず受板係止部4cから第3突起16dが外されて(図9(a))、第2受板16が第1受板15に重ねて折り畳まれる(図9(b))。続けて、第2受板16が重ねられた状態の第1受板15が、投入口部4に重ねて折り畳まれて、受皿部5が折り畳まれる(図9(c))。
【0053】
次に、係止スリット8bから係止フック6bが外されて、第1プレート6および第3プレート8の自由端部同士の係止状態が解除される(図10)。続けて、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれの角部2f側を押し下げながら、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bから離れる方向に向けて、第1プレート6が開かれる。そうすると、第1係止部12aから第1底面プレート2aの係止突起2eが外れて、第1底面プレート2aと第1係止部12aとの係止状態が解除される。また、第2係止部12bから第2底面プレート2bの係止突起2eが外れて、第2底面プレート2bと第2係止部12bとの係止状態が解除される。その後、第2プレート7を中心にして、第1プレート6および第3プレート8が開かれた後に、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bが第2プレート7(連結プレート10)に重ねて折り畳まれる(図11)。
【0054】
続けて、第2プレート7(連結プレート10)に重ねて折り畳まれた第2底面プレート2bの上に、第1プレート6が重ねて折り畳まれ(図12)、さらに、折り畳まれた第1プレート6の上に第3プレート8が重ねて折り畳まれる(図13)。
これにより、底面プレート2、側板プレート3および受皿部5のそれぞれが折り畳まれ、燃焼装置1は、複数の薄い金属板又は金属片が重ねられた非常にコンパクトな状態になる。
【0055】
次に、燃焼装置1の組み立て方法について説明する。
【0056】
折り畳まれていた第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8が、図11に示すように、第2プレート7を中心にして開かれる。続けて、第2プレート7(連結プレート10)から、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bが起こされて、第1底面プレート2aの係止突起2eが第1係止部12aに係止され、また、第2底面プレート2bの係止突起2eが第2係止部12bに係止される(図10)。このとき、第1底面プレート2aの連結辺2cにおける湾曲部9、および、第2底面プレート2bの連結辺2cにおける湾曲部9が、それぞれ第2プレート7(連結プレート10)に押し込まれて、第2プレート(連結プレート10)が湾曲部9に沿って撓んだ状態となる。
【0057】
次に、第1係止部12aおよび第2係止部12bに係止された第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bを囲うようにして、第3プレート8が閉じられて、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8が組み立てられる。そして、底面プレート2を囲って組み立てられた第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8のそれぞれが、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれの三辺における湾曲部9に対向して押し当てられた状態で、第3プレート8の係止スリット8bに、第1プレート6の係止フック6bが係止される(図1)。
【0058】
これにより、燃焼装置1が自立し、また、第1底面プレート2aの上に燃焼物の載置が可能になる。さらに、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8からなる側板プレート3の内側には燃焼物を燃焼させる燃焼空間Sが形成され、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、それぞれの幅方向における中央近傍が、燃焼空間Sの外側に向けて、湾曲部9に沿って撓んだ状態で維持される(図5)。このとき、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8のそれぞれは、谷折れ線19に沿ってわずかに屈曲しているので、湾曲部9に沿って容易に撓ませることができる。
【0059】
また、側板プレート3によって形成された燃焼空間Sでは、その上部において、上方に向けて開口する開口部21が形成される(図1)。このとき、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、それぞれ上側の幅W1が下側の幅W2よりも狭い台形状であり、それぞれの幅方向における両側端部が連結又は係止されているので、組み立てられた側板プレート3(第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8)の上側は、燃焼空間Sの内側に向けて傾斜する(図2図3図6および図7)。そのため、開口部21は、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bの面積よりも小さく形成される(図4)。
【0060】
続けて、折り畳まれていた第1受板15が起こされて、さらに、この第1受板15に重ねられていた第2受板16が開かれた状態で、第2受板16の第3突起16dが第2斜辺4bの受板係止部4cに係止される(図1)。このとき、受板連結辺16aの受板湾曲部17が第1受板15に押し込まれて、第1受板15が、受板湾曲部17に沿って撓んだ状態で維持される(図2)。そして、第1受板15と第2受板16とによって、第1プレート6の前面から前方に向かって、受板連結辺16a近傍が下方に窪んだ受皿部5が形成される。
【0061】
次に、燃焼装置1の効果について説明する。
【0062】
燃焼装置1は、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bからなる底面プレート2と、この底面プレート2と共に組み立てられる第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8からなる側板プレート3を備えている。側板プレート3は、第1プレート6および第3プレート8が、第2プレート7の左右方向Xの両側端部のそれぞれにヒンジ状に連結され、また、第1プレート6および第3プレート8の自由端部同士は、係止スリット8bと係止フック6bとによって係止が可能である。また、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bは、三角形状に形成され、三辺のそれぞれに湾曲部9を有しており、さらに、三辺のうちの一辺である連結辺2cが、第2プレート7(連結プレート10)にヒンジ状に連結されている。そのため、第1底面プレート2a、第2底面プレート2b、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8がばらばらになることがなく、組み立てに不慣れな人であっても容易に組み立てることができる。
【0063】
また、燃焼装置1は、折畳み時には、底面プレート2が第2プレート7(連結プレート10)に重ねて折り畳まれ、この第2プレート7(連結プレート10)に重ねられた底面プレート2の上に、第1プレート6および第3プレート8がこの順番で交互に重ねて折り畳まれる。そのため、不使用時には、非常にコンパクトに折り畳むことができるので、収納性や携帯性に優れている。
【0064】
さらに、組立て時には、第1プレート6および第3プレート8が開かれて、第2プレート7(連結プレート10)から起こされた第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bからなる底面プレート2が、第1プレート6の第1係止部12aおよび第2係止部12bからなる係止部12に係止される。そして、この係止部12に係止された底面プレート2を囲って、第1プレート6および第3プレート8からなる側板プレート3が組み立てられて、第3プレート8の係止スリット8bと、第1プレート6の係止フック6bとが係止される。そうすると、側板プレート3の内側には開口部21を有する燃焼空間Sが形成され、また、湾曲部9に対向して押し当てられた第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8のそれぞれが、燃焼空間Sの外側に向けて、湾曲部9に沿って撓んだ状態で維持される(図4および図5)。
【0065】
そのため、燃焼装置1では、撓んだ状態の第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8のそれぞれに応力が働くことにより、側板プレート3が変形しにくく、外部からの荷重に対して強度を備えたものとなる。特に、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、それぞれの幅方向における中央近傍が燃焼空間Sの外側に向けて撓むため、上方からの荷重に強く、側板プレート3が薄い金属板で構成されていたとしても、燃焼装置1の上部に被加熱物を安定して載置できる。
【0066】
また、湾曲部9が側板プレート3に押し込まれることで、側板プレート3以外に、湾曲部9を有する底面プレート2も中央近傍が下方に向けて撓んで応力がかかった状態となるため(図1図6図7および図10)、燃焼装置1を構成する各部材同士が反発しあって、燃焼装置1全体が外部からの荷重に対して強度を備えるものとなる。さらに、底面プレート2および側板プレート3は、それぞれ緩やかに撓む程度に薄い金属板又は金属片で構成されているため、重量が軽く、収納性や携帯性に優れた燃焼装置1となる。
【0067】
さらに、燃焼物が燃焼することで発生する熱は、撓んだ状態で維持された側板プレート3によって燃焼空間Sの内側に向けて反射されるので、燃焼効率が高い燃焼装置1となる。また、応力が働いた状態の側板プレート3は、高温になっても変形しにくく、また、熱により変形したとしても、応力が働く方向に向けて歪むため、側板プレート3の補修が容易である。
【0068】
燃焼装置1は、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bが、それぞれ連結辺2cの両端で第2プレート7(連結プレート10)に連結され、さらに、連結辺2cの両端間に湾曲部9が形成されている。そして、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bが起こされるときに、連結辺2cにおける湾曲部9が第2プレート7に押し込まれて、第2プレート7が撓んだ状態となる(図10)。そのため、第2プレート7を撓ませることが容易で、かつ、第1プレート6および第3プレート8と比較して、第2プレート7をしっかりと撓ませることができる。
【0069】
燃焼装置1は、第1係止部12aが、第1底面プレート2aの連結辺2cと第2プレート7(連結プレート10)とが連結された上側の第1連結部13aよりも低い位置に形成され、第2係止部12bが、第2底面プレート2bの連結辺2cと第2プレート7(連結プレート10)とが連結された下側の第2連結部13bよりも低い位置に形成されている。通常、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bには、湾曲部9が第2プレート7に押し込まれる際に、元の折り畳まれた状態に戻ろうとする力が働く。そのため、例えば、連結部13と同じ高さ位置に係止部12が形成され、この係止部12に底面プレート2が係止されていると、上記した力によって反り返って撓んだ底面プレート2が、連結辺2c側よりも角部2f側が高く傾斜したものとなる。そこで、第1係止部12aおよび第2係止部12bを、それぞれ第1連結部13aおよび第2連結部13bよりも低い位置に形成することで、燃焼装置1が載置される地面等の載置面に対して、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bの傾きを軽減できる。
【0070】
また、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bは、上記した元の折り畳まれた状態に戻ろうとする力に逆らって押し込まれた状態で第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれに係止されるので、第1係止部12aが第1連結部13aよりも低い位置に、また、第2係止部12bが第2連結部13bより低い位置にあることで、係止突起2eと第1係止部12aおよび第2係止部12bとの引っ掛かり具合がより強固になる。さらに、第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれに係止された第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bには、上記した元の折り畳まれた状態に戻ろうとする力によって応力が働いた状態となるので、変形がしにくく、また、この力が第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bを上方に向けて跳ね上げる方向に向けて働くので、上方からの荷重により強い底面プレート2となる。
また、第1連結部13aおよび第2連結部13bのそれぞれよりも低い位置の第1係止部12aおよび第2係止部12bに係止される第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bは、連結辺2cの湾曲部9をよりしっかりと第2プレート7(連結プレート10)に押し込むことが可能になるため、第2プレート7により強い撓みを生じさせる。そうすると、第2プレート7に働く応力がより大きくなり、上方からの荷重に対してより強い燃焼装置1となる。
【0071】
燃焼装置1は、連結プレート10が第2プレート7である。そのため、第2プレート7を片手で持った状態で、第1プレート6および第3プレート8を開くことができ、また、第2プレート7を中心にして、開かれた第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8を両手で支えた状態で、第1プレート6および第3プレート8を閉じるようにして、第3プレート8の係止スリット8bと第1プレート6の係止フック6bとを係止できるため、組み立てが容易である。
【0072】
また、燃焼装置1の使用時には、燃焼物が燃焼することにより、燃焼空間Sに接する側板プレート3の内側の面、すなわち、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8の内側の面は、激しく汚れることになる。そこで、燃焼装置1では、第2プレート7に重ねて第1プレート6が折り畳まれ、この第1プレート6に重ねて第3プレート8が折り畳まれることで、折畳み時に、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8の内側の面が露出しないように設計されている。したがって、折り畳まれた燃焼装置1に触れても汚れることないため、収納性や携帯性に優れている。
さらに、燃焼装置1の使用後は、第2プレート7に重ねて底面プレート2を折り畳み、この底面プレート2に重ねるようにして、第1プレート6および第3プレート8をこの順番に交互に折り畳むだけでよいので、折り畳みも簡便である。
【0073】
燃焼装置1は、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれが、第1係止部12aおよび第2係止部12bに係止可能な鉤状の突起部である係止突起2eを有している。そして、第1係止部12aおよび第2係止部12bが、第1プレート6の幅方向に沿って、第1プレート6に形成されたスリットであり、このスリットが第2プレート7側よりも自由端部側が下方に向けて傾斜している。そのため、それぞれに対応する第1連結部13aおよび第2連結部13bよりも低い位置まで押し下げられて傾斜した第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bを係止しやすい。また、第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれに係止された係止突起2eが外れにくく、第1係止部12aおよび第2係止部12bのそれぞれと係止突起2eとの係止が強固なものとなる。
【0074】
燃焼装置1は、第1プレート6が投入口部4を有し、この投入口部4の下端に受皿部5が設けられている。投入口部4は、その下端に第1斜辺4aと第2斜辺4bとを有し、受皿部5は、第1受板15と第2受板16とから形成される。また、第2受板16は、受板連結辺16aに受板湾曲部17を有している。そして、折畳み時は、第2受板16が第1受板15に重ねて折り畳まれた状態で、第1受板15が投入口部4に重ねて折り畳まれる。組立て時は、折り畳まれた第1受板15が起こされて、この第1受板15に重ねられていた第2受板16が開かれた状態で、第2受板16の第3突起16dが第2斜辺4bの受板係止部4cに係止されることで、第1受板15と第2受板16とから受板連結辺16a近傍が下方に窪んだ受皿部5が形成される。さらに、第2受板16が開かれるときに受板湾曲部17が第1受板15に押し込まれることで、第1受板15が受板湾曲部17に沿って撓んだ状態で維持される。
そのため、燃焼装置1では、燃焼空間Sに入りきらない長さの燃焼物であっても、受皿部5を支えにして投入口部4から投入できる。また、第1受板15および第2受板16には、受板湾曲部17が第1受板15に押し込まれたことによる応力が働くので、受皿部5が変形しにくく、特に、第2受板16には、第1受板15に押し込まれた受板湾曲部17によって、元の折り畳まれた状態に戻ろうとする力が上方に向けて働くため、上方からの荷重に対して強い受皿部5となる。また、応力が働いた受皿部5は、高温になっても変形がしにくく、熱により変形したとしても、応力が働く方向に向けて歪むため、第1受板15および第2受板16の補修が容易である。
【0075】
燃焼装置1は、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8からなる側板プレート3が、上側の幅W1が下側の幅W2よりも狭い台形状である。そうすると、組み立てられた側板プレート3の上側は、燃焼空間Sの内側に向けて傾斜し、開口部21が第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bの面積よりも小さくなる。そのため、燃焼空間Sの断面積は、底面プレート2側よりも開口部21側が小さいので、燃焼物を燃焼させた火や熱を開口部21に集中させることができる。したがって、燃焼装置1の上に載置される被加熱物を強く安定した火力で効率よく加熱できる。
【0076】
燃焼装置1は、底面プレート2が、第1底面プレート2aと、この第1底面プレート2aの下方に間隔を空けて設けられた第2底面プレート2bとを有している。そして、第1底面プレート2aに、第1底面プレート2aを貫通する複数の底面孔11が設けられている。さらに、係止部12は、第1底面プレート2aが係止される第1係止部12aと、この第1係止部12aの下方に間隔を空けて設けられ、第2底面プレート2bが係止される第2係止部12bとを有している。そのため、第1底面プレート2aを燃焼物が載置されるロストルとして用いて、第2底面プレート2bを燃焼物の燃焼後の灰を受け止める灰受けとして用いることができる。したがって、燃焼装置1が載置される地面等の載置面に燃焼物や灰が落ちることなく、載置面を火や高温による損傷から保護することができる。また、底面孔11を通じて、第1底面プレート2aの下方から燃焼物を燃焼させるための空気が供給されるため、燃焼物の燃焼効率を高めることができる。
【0077】
燃焼装置1は、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8からなる側板プレート3に空気供給孔14が設けられている。そのため、燃焼装置1が組み立てられた状態において、第1係止部12aに係止された第1底面プレート2aと、第2係止部12bに係止された第2底面プレート2bとの間の空間に、空気供給孔14を通じて燃焼に必要な空気を十分に供給することができる。したがって、燃焼効率が高い燃焼装置1となる。
【0078】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0079】
例えば、本発明の実施形態では、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bのそれぞれの三辺が弧状に湾曲させて湾曲部9が形成されたものを示したが、湾曲部9は、三辺のそれぞれから凸状に張り出すものや、三辺と一体として形成されておらず、別体として形成されて固定されたものなど、側板プレート3に押し当てられて側板プレート3を撓ませることができるものであれば、種々の形態を採用できる。
【0080】
また、本発明の実施形態では、第1底面プレート2aおよび第2底面プレート2bと第2プレート7(連結プレート10)とがヒンジ状に連結され、また、第1プレート6および第3プレート8と第2プレート7とがヒンジ状に連結された例を示したが、これらの連結は、他の蝶番等を用いてヒンジ状に連結されたものでもよい。
【0081】
さらに、本発明の実施形態では、第1プレート6の自由端部と第3プレート8の自由端部とが係止スリット8bと係止フック6bとで係止可能な例を示したが、例えば、第3プレート8の燃焼空間Sの内側となる面に、第1プレート6の自由端部を引っ掛けることができる突起が設けられ、この突起に第1プレート6が係止されるものなど、第1プレート6と第3プレート8とを係止可能なものであれば、種々の形態を採用できる。
【0082】
また、本発明の実施形態では、第1底面プレート2aの係止突起2eと第2底面プレート2bの係止突起2eとが、それぞれ第1係止部12aおよび第2係止部12bに係止される例を示したが、例えば、第1プレート6の上下方向Zに沿って2つの突起が設けられ、この2つ突起の間に、起こされた底面プレート2の自由端部が差し込まれて係止されるものなど、底面プレート2を係止可能なものであれば種々の形態を採用できる。また、係止部12が第1プレート6に形成された例を示したが、係止部12が第3プレート8に形成されたものや、係止部12が第1プレート6および第3プレート8の両方に形成されたものでもよい。
【0083】
さらに、本発明の実施形態では、折畳み時において、第2プレート7に折り畳まれた底面プレート2の上に、第1プレート6と第3プレート8とがこの順番で折り畳まれる例を示したが、第1プレート6と第3プレート8とが逆の順番で折り畳まれるものや、第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8が交互に山折り又は谷折りで折り畳まれるものなど、折り畳みの方法は任意である。
【0084】
また、本発明の実施形態では、連結辺2cの両端が第2プレート7(連結プレート10)に連結され、この両端間に湾曲部9が形成された例を示したが、連結辺2cの中央近傍が連結プレート10に連結され、この連結された部分の両脇に湾曲部9が形成されたものでもよい。また、係止部12の位置は、連結部13よりも低い位置に形成されたものが好ましいが、任意である。さらに、本発明の実施形態では、連結プレート10が第2プレート7である例を示したが、底面プレート2が連結される連結プレート10は、第2プレート7に限定されず、第1プレート6又は第3プレート8でもよい。また、係止部12がスリットでないものや、係止部12が傾斜していないものでもよい。
【0085】
さらに、本発明の実施形態では、投入口部4と受皿部5とが設けられた例を示したが、投入口部4と受皿部5とが設けられていないものや、受皿部5が一枚の薄い板状の金属片で構成されたものでもよい。また、側板プレート3である第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8は、他の多角形状に形成されたものでもよい。さらに、開口部21は、底面プレート2の面積よりも大きく開口されたものでもよい。
【0086】
また、本発明の実施形態では、底面プレート2が、第1底面プレート2aと第2底面プレート2bとを有する例を示したが、例えば、底面プレート2は、1枚又は3枚以上の板状の金属片で構成されてもよく、孔の有無や数も任意である。また、側板プレート3は、空気供給孔14が設けられていないものでもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 燃焼装置
2 底面プレート
2a 第1底面プレート
2b 第2底面プレート
2c 連結辺
2d 連結突起
2e 係止突起
2f 角部
3 側板プレート
4 投入口部
4a 第1斜辺
4b 第2斜辺
4c 受板係止部
5 受皿部
6 第1プレート
6a 第1凸状部
6b 係止フック
7 第2プレート
7a 第1連結孔
7b 第2凸状部
7c 底面連結スリット
8 第3プレート
8a 第2連結孔
8b 係止スリット
9 湾曲部
10 連結プレート
11 底面孔
12 係止部
12a 第1係止部
12b 第2係止部
13 連結部
13a 第1連結部
13b 第2連結部
14 空気供給孔
15 第1受板
15a 第1辺
15b 第1突起
15c 受板連結スリット
16 第2受板
16a 受板連結辺
16b 第2突起
16c 第3辺
16d 第3突起
17 受板湾曲部
18 五徳部
19 谷折れ線
20 脚部
21 開口部
A 矢印
S 燃焼空間
W1 幅(上側)
W2 幅(下側)
X 左右方向
Z 上下方向
【要約】      (修正有)
【課題】使用時に十分な強度を備え、かつ、不使用時の収納性や携帯性に優れ、組み立てが容易な折畳み式燃焼装置を提供する。
【解決手段】燃焼装置1は、底面プレート2と、この底面プレート2と共に組み立てられる第1プレート6、第2プレート7および第3プレート8からなる側板プレート3を備えている。底面プレート2は、三角形状で、三辺に湾曲部を有し、連結辺2cが第2プレート7(連結プレート10)にヒンジ状に連結されている。組立て時には、第2プレート7から起こされた底面プレート2が係止部12に係止され、底面プレート2を囲って側板プレート3が組み立てられ、第3プレート8と第1プレート6とが係止される。側板プレート3の内側に開口部21を有する燃焼空間Sが形成され、湾曲部に押し当てられた側板プレート3が、燃焼空間Sの外側に向けて、湾曲部に沿って撓んだ状態で維持される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13