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特許73374872つの突き錐シャフトを使用した結び目のない縫合糸固定
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】2つの突き錐シャフトを使用した結び目のない縫合糸固定
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20230828BHJP
   A61B 17/04 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/04
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018140048
(22)【出願日】2018-07-26
(65)【公開番号】P2019025333
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】15/661,901
(32)【優先日】2017-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ガスタフソン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ガブリエル
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-105840(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0265270(US,A1)
【文献】特開2013-126546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0196290(US,A1)
【文献】特表2014-516272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用システムであって、
近位ハンドル及び前記近位ハンドルから延出する駆動体シャフトを有する駆動体であって、内部を通って延在する内腔を有する、駆動体と、
遠位突き錐シャフト、及び前記遠位突き錐シャフトから分離し、かつ前記遠位突き錐シャフトに対して近位に移動可能である近位突き錐シャフトであって、前記遠位突き錐シャフト及び前記近位突き錐シャフトは、前記遠位突き錐シャフトの一部分が前記駆動体シャフトの遠位端から遠位に延出し、前記近位突き錐シャフトが前記遠位突き錐シャフトの近位に配設されるように、前記駆動体の前記内腔内で受容可能である、遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトと、
前記遠位突き錐シャフトを取り外し可能に受容する、内部を通って延在する内腔を有する縫合糸アンカーであって、前記駆動体シャフトの遠位駆動体機構は前記縫合糸アンカーに動作可能に連結されている、縫合糸アンカーと、を備え、
前記駆動体シャフトが、前記駆動体シャフトの側壁を通って長手方向に延在し、かつ前記遠位突き錐シャフトの側壁を通って長手方向に延在する前記遠位突き錐シャフトの縫合糸保定機構と連通する縫合糸保定機構を有する、外科用システム。
【請求項2】
前記遠位突き錐シャフトの前記縫合糸保定機構は、少なくとも1つの縫合糸が前記遠位突き錐シャフトの前記縫合糸保定機構を通るように前記少なくとも1つの縫合糸を受容するように構成され、前記縫合糸保定機構を通って受容された前記縫合糸が、前記縫合糸アンカーを通り、かつ前記駆動体シャフトの前記縫合糸保定機構の少なくとも一部分を通って近位に延出するようになっている、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項3】
前記近位突き錐シャフトが中実の細長い部材である、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項4】
前記駆動体シャフトの前記縫合糸保定機構の遠位端の近位にある前記駆動体シャフトの外壁に連結された縫合糸保持機構をさらに備える、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項5】
前記縫合糸保持機構が、前記駆動体シャフトの前記外壁の周りに少なくとも部分的に半径方向に延出する、請求項4に記載の外科用システム。
【請求項6】
前記外科用システムは、前記近位突き錐シャフトの遠位端が前記遠位突き錐シャフトの近位端に当接する第1の構成と、前記近位突き錐シャフトの前記遠位端が前記遠位突き錐シャフトの前記近位端から離間される第2の構成とを有する、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項7】
前記遠位突き錐シャフトの前記近位端が、嵌合機構を備え、前記嵌合機構が、前記嵌合機構から延出する前記遠位突き錐シャフトの一部分の直径より大きい直径を有する、請求項6に記載の外科用システム。
【請求項8】
前記第1の構成において、前記駆動体シャフトが前記遠位突き錐シャフトに対して遠位に駆動されることを防止するように、前記近位突き錐シャフトの前記遠位端が前記遠位突き錐シャフトの前記近位端に当接する、請求項6に記載の外科用システム。
【請求項9】
前記近位突き錐シャフトが、前記近位突き錐シャフトの近位部分に連結された突き錐ハンドルを有し、前記突き錐ハンドルは、起動されて前記近位突き錐シャフトを前記遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項10】
前記突き錐ハンドルが、前記駆動体の前記近位ハンドル内に少なくとも部分的に配設されており、前記突き錐ハンドル及び前記駆動体の前記近位ハンドルは互いに独立して移動可能である、請求項9に記載の外科用システム。
【請求項11】
外科用システムであって、
近位ハンドル及び前記近位ハンドルから延出する駆動体シャフトを有する駆動体であって、内部を通って延在する内腔を有する、駆動体と、
遠位突き錐シャフト、及び前記遠位突き錐シャフトから分離し、かつ前記遠位突き錐シャフトに対して近位に移動可能である近位突き錐シャフトであって、前記遠位突き錐シャフト及び前記近位突き錐シャフトは、前記遠位突き錐シャフトの一部分が前記駆動体シャフトの遠位端から遠位に延出し、前記近位突き錐シャフトが前記遠位突き錐シャフトの近位に配設されるように、前記駆動体の前記内腔内で受容可能である、遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトと、
前記遠位突き錐シャフトを取り外し可能に受容する、内部を通って延在する内腔を有する縫合糸アンカーであって、前記駆動体シャフトの遠位駆動体機構は前記縫合糸アンカーに動作可能に連結されている、縫合糸アンカーと、を備え、
前記近位突き錐シャフトが、前記近位突き錐シャフトの近位部分に連結された突き錐ハンドルを有し、前記突き錐ハンドルは、起動されて前記近位突き錐シャフトを前記遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成され、
前記突き錐ハンドルが、起動されて前記近位突き錐シャフトを前記遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されたトリガ機構を有する、外科用システム。
【請求項12】
前記遠位駆動体機構が中を通って延出する前記縫合糸アンカーの前記内腔の少なくとも一部分が、六角形の断面の内壁を有する、請求項1に記載の外科用システム。
【請求項13】
外科用システムであって、
近位ハンドル及び前記近位ハンドルから延出する駆動体シャフトを有する駆動体であって、内部を通って延在する内腔を有する、駆動体と、
遠位突き錐シャフト、及び前記遠位突き錐シャフトから分離し、かつ前記遠位突き錐シャフトに対して近位に移動可能である近位突き錐シャフトであって、前記遠位突き錐シャフト及び前記近位突き錐シャフトは、前記遠位突き錐シャフトの一部分が前記駆動体シャフトの遠位端から遠位に延出し、前記近位突き錐シャフトが前記遠位突き錐シャフトの近位に配設されるように、前記駆動体の前記内腔内で受容可能である、遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトと、
前記遠位突き錐シャフトを取り外し可能に受容する、内部を通って延在する内腔を有する縫合糸アンカーであって、前記駆動体シャフトの遠位駆動体機構は前記縫合糸アンカーに動作可能に連結されている、縫合糸アンカーと、
前記縫合糸アンカーの遠位にある拡張器機構であって、前記遠位突き錐シャフトの遠位先端の少なくとも一部分が前記拡張器機構の遠位端から遠位に延出するように、前記拡張器機構が、前記拡張器機構を少なくとも部分的に通って延出する前記遠位突き錐シャフトの遠位部分を有する、拡張器機構と、を備える、外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、組織を骨に固定するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
靱帯、腱、及び/若しくは他の軟部組織が裂傷すること、又は靱帯、腱、及び/若しくは他の軟部組織が関連付けられた骨から体内で完全に若しくは部分的に剥離することは、ありふれた外傷である。かかる外傷は、過度のストレスがこれらの組織にかかる結果として生じ得る。一例として、組織の裂傷又は剥離は、業務関連作業中に、あるいは競技大会の過程の中で、転倒、過度の行使などの事故の結果として生じ得る。裂傷又は骨からの軟部組織の部分的又は完全な剥離の場合、軟部組織(又は移植組織)を骨に再付着させるために、手術が通常必要とされる。
【0003】
軟部組織を骨に固定するために、これまで多数の装置が使用されている。このような装置の例としては、ねじ、タック、ステープル、縫合糸アンカー、及び縫合糸のみが挙げられる。縫合糸アンカーを使用する軟部組織修復又は再付着処置では、アンカー受容穴が、所望の固定点又は組織再付着点で骨に穿孔され、縫合糸アンカーが、適切な設置ツールを用いて穴内に展開される。このため、縫合糸アンカーに連結され、軟部組織を貫通したか又は軟部組織の周りに通された縫合糸が、骨に効果的に係止されるようになり、軟部組織を骨に固定する。
【0004】
縫合糸アンカー処置の間、縫合糸アンカーをアンカー受容穴内に展開することは困難であり得る。さらに、骨内にアンカーを挿入するために使用される既存の縫合糸アンカー及び挿入装置は、それらの使用を複雑にし、かつ/又はある望ましくない限界を課す特定の欠点を有することがある。また、縫合糸を結び目に結び付けることを必要とする処置は、固有の空間的制約のために、時間がかかり煩わしいことがあり得、手術を複雑にすることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、骨に組織を付着させるための改善された方法及びシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、近位ハンドル及び近位ハンドルから延出する駆動体シャフトを有する駆動体と、遠位突き錐(awl)シャフトと、遠位突き錐シャフトから分離し、かつ遠位突き錐シャフトに対して近位に移動可能である近位突き錐シャフトと、縫合糸アンカーと、をいくつかの実施形態では含む外科用システムが提供される。駆動体は、内部を通って延在する内腔を有し、遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトは、遠位突き錐シャフトの一部分が駆動体シャフトの遠位端から遠位に延出し、近位突き錐シャフトが遠位突き錐シャフトの近位に配設されるように、駆動体の内腔内で受容可能であり得る。縫合糸アンカーは、遠位突き錐シャフトを取り外し可能に受容する、内部を通って延在する内腔を有し得、駆動体シャフトの遠位駆動体機構は縫合糸アンカーに動作可能に連結されている。
【0007】
システムは、様々な方法で変化し得る。例えば、駆動体シャフトは、駆動体シャフトの側壁を通って長手方向に延在し、かつ遠位突き錐シャフトの側壁を通って長手方向に延在する遠位突き錐シャフトの縫合糸保定機構に連通する縫合糸保定機構を有し得る。いくつかの実施形態では、遠位突き錐シャフトの縫合糸保定機構は、縫合糸保定機構を通って少なくとも1つの縫合糸を受容するように構成されることができ、これにより、縫合糸保定機構を通って受容された縫合糸が、縫合糸アンカーを通り、かつ駆動体シャフトの縫合糸保定機構の少なくとも一部分を通って近位に延出するようになっている。
【0008】
少なくともいくつかの実施形態では、近位突き錐シャフトは、中実の細長い部材であり得る。いくつかの実施形態では、システムは、駆動体シャフトの縫合糸保定機構の遠位端の近位にある駆動体シャフトの外壁に連結された縫合糸保持機構をさらに含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、縫合糸保持機構は、駆動体シャフトの外壁の周りに少なくとも部分的に半径方向に延出し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、システムを使用して骨に穴を形成する構成において、近位突き錐シャフトの遠位端は、遠位突き錐シャフトの近位端に当接する。システムを使用して縫合糸アンカーを穴の中へ駆動させる構成において、近位突き錐シャフトの遠位端は遠位突き錐シャフトの近位端から離間され得る。いくつかの実施形態では、遠位突き錐シャフトの近位端は、嵌合機構を有し、当該嵌合機構は、当該嵌合機構から延出する遠位突き錐シャフトの一部分の直径より大きい直径を有する。システムを使用して骨に穴を形成する構成において、駆動体シャフトが遠位突き錐シャフトに対して遠位に駆動されることを防止するように、近位突き錐シャフトの遠位端は遠位突き錐シャフトの近位端に当接し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、近位突き錐シャフトは、近位突き錐シャフトの近位部分に連結された突き錐ハンドルを有してもよく、突き錐ハンドルは、起動されて近位突き錐シャフトを遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されている。突き錐ハンドルは、多様に異なり得る。例えば、突き錐ハンドルは、駆動体の近位ハンドル内に少なくとも部分的に配設され得、駆動体の突き錐ハンドル及び近位ハンドルは独立して移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、突き錐ハンドルは、起動されて近位突き錐シャフトを遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されたトリガ機構を有し得る。
【0011】
ドライバは、様々な構成を有し得る。例えば、ドライバの遠位駆動機構は、六角形の断面を有し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、縫合糸アンカーの遠位にある拡張器機構を備え得る。拡張器機構は、遠位突き錐シャフトの遠位先端の少なくとも一部分が拡張器機構の遠位端から遠位に延出するように、拡張器機構を少なくとも部分的に通って延出する遠位突き錐シャフトの遠位部分を有し得る。
【0013】
別の態様において、外科的修復を行う方法であって、いくつかの実施形態では、遠位突き錐シャフトの遠位端を骨内に前進させて骨穴を形成することであって、近位突き錐シャフトが遠位突き錐シャフトの近位端に負荷を加えるように、遠位突き錐シャフトの近位端が近位突き錐シャフトの遠位端に当接する、形成することを含む、方法が提供される。本方法は、骨穴が形成された後、近位突き錐シャフトの遠位端が遠位突き錐シャフトの近位端から離間されるように、近位突き錐シャフトを後退構成に移動させることをさらに含む。本方法は、近位突き錐シャフトが後退構成にある状態で、縫合糸が連結された縫合糸アンカーを骨穴の中へ遠位に駆動し、それによって骨穴の内壁と縫合糸アンカーの外側表面との間で縫合糸を固定することをさらに含み得る。
【0014】
本方法は、多数の変形形態を有し得る。例えば、近位突き錐シャフトを後退構成に移動させることは、近位突き錐シャフトの近位部分に連結されたハンドルを起動することを含み得る。別の例として、いくつかの実施形態では、遠位突き錐シャフトは、移植可能な拡張器機構を通り、拡張器機構の近位に位置決めされた縫合糸アンカーを通り、かつ駆動体シャフトの一部分を通って延出し得、縫合糸アンカーを骨穴の中へ遠位に駆動することは、縫合糸アンカーを拡張器機構に向かって遠位に駆動することを含む。さらなる例として、本方法は、近位突き錐シャフトが後退構成に移動されている間に、縫合糸の末端部分に張力を加えることをさらに含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、縫合糸の末端部分は、遠位突き錐シャフトの縫合糸保定機構を貫通し、縫合糸アンカーの内腔を貫通し、かつ駆動体シャフトの縫合糸保定機構の少なくとも一部分を貫通し得、末端部分は駆動体シャフトから延出する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことで、より完全に理解されるであろう。
図1】外科用システムの一実施形態の斜視図である。
図2図1の外科用システムの遠位突き錐シャフトの斜視図である。
図3図1の外科用システムの近位突き錐シャフトの斜視図である。
図4図1の外科用システムの側断面図であり、骨穴形成構成の外科用システムを示す。
図5図1の外科用システムの遠位部分の斜視部分断面図であり、骨穴形成構成の外科用システムを示す。
図6A図1の外科用システムの斜視図であり、縫合糸アンカー挿入構成の外科用システムを示す。
図6B図6Aの外科用システムの側断面図である。
図7図1の外科用システムの駆動体の駆動体シャフトの斜視図である。
図8図1の外科用システムの遠位部分の斜視図である。
図9図1の外科用システムの遠位部分の斜視部分断面図であり、縫合糸アンカーの断面図も示す。
図10図1の外科用システムの近位ハンドルの透視図であり、近位ハンドルは、近位ハンドルに関連付けられた突き錐ハンドルを有する。
図11図10の近位ハンドルの斜視分解図である。
図12A図1の外科用システムの斜視図であり、縫合糸が連結されており、かつ骨の近くにある外科用システムを示す。
図12B図12Aの外科用システムであり、骨に穴を開ける遠位突き錐シャフトの遠位端を示す。
図12C図12Bの外科用システムであり、骨の中へ遠位に駆動された遠位突き錐シャフトの遠位端を示す。
図12D図12Cの外科用システムであり、骨近くの縫合糸アンカー、近位突き錐シャフトを近位に後退させるように起動された突き錐ハンドルを示し、かつ回転する駆動体の近位ハンドルを示す。
図12E図12Dの外科用システムであり、骨の中に駆動された縫合糸アンカー及び固定されトリミングされた縫合糸を示す。
図13A】外科用システムの別の実施形態の斜視図であり、トリガ機構が起動される前の位置のトリガ機構を示す。
図13B図13Aの外科用システムの透視図であり、トリガ機構が起動された後の位置のトリガ機構を示す。
図14図13Aの外科用システムの近位ハンドルの斜視分解図である。
図15A図14の外科用システムの駆動体シャフトホルダの斜視近位図である。
図15B図14の外科用システムの駆動体シャフトホルダの斜視遠位図である。
図16A図13Aの外科用システムの近位ハンドルの断面図であり、外科用システムが骨穴形成構成にあるときの近位ハンドルを示す。
図16B図13Aの外科用システムの近位ハンドルの別の断面図であり、外科用システムが縫合糸アンカー挿入構成にあるときの近位ハンドルを示す。
図16C図16Aの近位ハンドルの部分断面図である。
図16D図16Bの近位ハンドルの部分断面図である。
図17】外科用システムの別の実施形態の斜視図であり、トリガ機構が起動される前の位置の突き錐ハンドルのトリガ機構を示す。
図18図17の外科用システムの近位ハンドルの斜視図である。
図19図17の外科用システムの近位ハンドル内に配設されたバネの斜視図である。
図20図17の外科用システムの突き錐ハンドルの斜視図である。
図21A図17の外科用システムの近位ハンドルの側断面図であり、トリガ機構が起動される前の位置の突き錐ハンドルのトリガ機構を示す。
図21B図17の外科用システムの近位ハンドルの別の側断面図であり、起動され、それによって突き錐ハンドル及び突き錐ハンドルに連結された近位突き錐シャフトを近位に移動させる、突き錐ハンドルのトリガ機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に例示される装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びに本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0018】
組織を骨に固定するための様々な方法及び装置が提供される。少なくともいくつかの記載される実施形態では、駆動体装置又は駆動体と、遠位突き錐シャフトと、近位突き錐シャフトと、縫合糸アンカーと、を備え得る外科用システムが提供される。駆動体は、近位ハンドル及び近位ハンドルから延出する駆動体シャフトを有し得、駆動体シャフトは、内部を通って延在する内腔を有する。近位突き錐シャフトは、遠位突き錐シャフトから分離しており、かつ遠位突き錐シャフトに対して近位に移動可能である。遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトは、遠位突き錐シャフトの一部分が駆動体シャフトの遠位端から遠位に延出し、近位突き錐シャフトが駆動体の内腔内に配設されるように、駆動体の内腔内で受容可能であり得る。縫合糸アンカーは、遠位突き錐シャフトを取り外し可能に受容する、内部を通って延在する内腔を有する。駆動体シャフトの遠位駆動体機構は、駆動体シャフトが回転して縫合糸アンカーが骨内に遠位に駆動され得るように、縫合糸アンカーに動作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、外科用システムはまた、縫合糸アンカーの遠位にある拡張器機構を備え得る。拡張器機構は、遠位突き錐シャフトの遠位先端の少なくとも一部分が拡張器機構の遠位端から遠位に延出するように、拡張器機構を少なくとも部分的に通って延出する遠位突き錐シャフトの遠位部分を有し得る。
【0019】
例示される実施形態では、外科用システムは、システムを使用して骨穴を形成する第1の構成と、システムを使用して縫合糸アンカーを骨穴の中へ駆動させる第2の構成と、を有し得る。第1の骨穴形成構成において、近位突き錐シャフトの遠位端は遠位突き錐シャフトの近位端に当接する。このように、外科用システムが、外科用システムの近位端に(例えば、マレット又は他の好適な器具を使用することによって)負荷を加えることによって骨の中へ駆動されると、近位突き錐シャフトは遠位突き錐シャフトに負荷を加える。また、この構成では、駆動体シャフトが遠位突き錐シャフトに対して遠位に移動することを防止することができる。以下でより詳細に論じられるように、システムを使用して骨穴を形成した後、近位突き錐シャフトの遠位端が遠位突き錐シャフトの近位端から離間されるように、近位突き錐シャフトを近位に後退させることができる。例えば、近位突き錐シャフトの近位部分に連結された突き錐ハンドルを動作させて、近位突き錐シャフトを近位に移動させることができる。近位突き錐シャフトが近位に移動した後、外科用システムを使用して縫合糸アンカーを骨の中へ駆動させることができる。
【0020】
図1図11及び図12A図12Dは、近位ハンドル104及び近位ハンドル104から延出する駆動体シャフト106を有する駆動体装置又は駆動体102と、遠位突き錐シャフト108と、遠位突き錐シャフト108から分離した近位突き錐シャフト110と、縫合糸アンカー112と、移植可能であり得る拡張器機構114と、を備える外科用システム100の一実施形態を例示する。図1に示されるように、システム100はまた、近位突き錐シャフト110に連結され、少なくとも部分的に近位ハンドル104から近位に延出する突き錐ハンドル120を含む。図5に示されるように、駆動体シャフト106は、内部を通って長手方向に延在する内腔116を有し得る。図5に同様に示されるように、駆動体シャフト106の内腔116は、遠位突き錐シャフト108の一部分が駆動体シャフト106の遠位端から遠位に延出し、近位突き錐シャフト110が遠位突き錐シャフト108の近位にある内腔116内に配設されるように、内部を少なくとも部分的に通って遠位突き錐シャフト108を受容するように構成されている。
【0021】
近位ハンドル104は、近位ハンドル104の長さに沿って延在し、駆動体シャフト106の内腔116に連通する内腔118を有する。図1図4図6A、及び図6Bに示されるように、駆動体シャフト106の内腔116及び近位ハンドル104の内腔118は、内部を通って近位突き錐シャフト110を受容するように構成されている内腔を提供する。近位突き錐シャフト110の近位端110pは、突き錐ハンドル120の近位端から近位に突出し得る。しかしながら、他の実施形態では、近位端110pは、突き錐ハンドル120の近位端から突出しない場合がある。図1に示されるように、外科用システム100は、駆動体シャフト106の外壁に連結された縫合糸保持機構109を有する。
【0022】
上に形成された雄ねじ115を有し得る縫合糸アンカー112は、内部を通って延在し、かつ遠位突き錐シャフト108を取り外し可能に受容する内腔113を有する。以下でより詳細に論じられるように、駆動体シャフト106の遠位駆動体機構は、縫合糸アンカーに動作可能に連結されている。縫合糸アンカー112の遠位にある拡張器機構114は、例えば、図1図4、及び図5に示されるように、遠位突き錐シャフト108の遠位先端108dの少なくとも一部分が拡張器機構114の遠位端114dから遠位に延出するように、拡張器機構114を少なくとも部分的に通って延出する遠位突き錐シャフト108の遠位部分を有する。いくつかの実装例では拡張器機構が存在しない場合があることを理解されたい。
【0023】
図4に示されるように、近位突き錐シャフト110は、例えば、近位突き錐シャフト110の一部分が突き錐ハンドル120のボアを通って延在するなど、近位突き錐シャフト110に連結された突き錐ハンドル120を有する。近位突き錐シャフト110は、起動されて近位突き錐シャフト110を遠位突き錐シャフト108から離れて近位に後退させるように構成されている突き錐ハンドル120に移動不能に連結されている。以下でより詳細に論じられるように、例示される実施形態では、突き錐ハンドル120は、駆動体102の近位ハンドル104内に少なくとも部分的に配設され、突き錐ハンドル120及び駆動体102の近位ハンドル104は独立して移動可能であり得る。近位突き錐シャフト110は、例えば、プレス嵌めによって、粘着剤、接着剤によって、超音波溶接によってなど、多くの様々な方法で突き錐ハンドル120に連結され得る。
【0024】
システム100の構成要素は、様々な構成を有し得る。これにより、遠位突き錐シャフト108及び近位突き錐シャフト110は、多くの変形を有し得る。図2図4、及び図5に示されるように、遠位突き錐シャフト108は、中央部分122と、中央部分122から遠位に延在する遠位部分124とを有する、略円筒形の細長い部材である。遠位突き錐シャフト108の少なくとも一部分は、遠位突き錐シャフト108の側壁を通って長手方向に延在する縫合糸保定機構126を有し得る。例えば、例示される実施形態では、縫合糸保定機構126は、遠位部分124の近位端124pの一部分から(及び内部を通って)、遠位突き錐シャフト108の近位端108pに一致する中央部分122の近位端122pまで延在する。図2に示されるように、縫合糸保定機構126は、遠位突き錐シャフト108の近位端108pに近位開口を有する。図2に同様に示されるように、例示される実施形態では、縫合糸保定機構126の遠位端126dは、遠位突き錐シャフトの遠位部分124の近位端124pのすぐ遠位に配設される。
【0025】
いくつかの実施形態では、遠位突き錐シャフト108の近位端は、近位突き錐シャフト110の遠位端より大きい直径を有し得る。例示される実施形態では、遠位突き錐シャフト108の近位端108pは、嵌合機構128であって、当該嵌合機構から延出する遠位突き錐シャフトの一部分の直径より大きい直径を有する嵌合機構128を含む。特に、図2に示されるように、嵌合機構128の直径は、遠位突き錐シャフト108の中央部分122の残部の直径より大きい。図2に同様に示されるように、遠位突き錐シャフト108の遠位部分124は、中央部分122の直径より小さい直径を有する。
【0026】
図3図5に示されるように、近位突き錐シャフト110は、略円筒形の細長い部材であり得る。近位突き錐シャフト110は、近位突き錐シャフト110の近位端110pが突き錐ハンドル120の近位端120pから延出するように、駆動体102の内腔116を通って延在する。システム100を使用して骨に穴を開けて、骨穴が形成された後に、縫合糸アンカーを穴の中へ駆動させる。例示される実施形態では、図4及び図5に示されるように、システム100を使用して骨に穴を形成する構成において、近位突き錐シャフト110の遠位端110dは、遠位突き錐シャフト108の近位端108pに当接する。システム100は、骨穴形成構成において、駆動体シャフト106が遠位突き錐シャフト108に対して遠位に移動されることを防止するように、近位突き錐シャフト110が遠位突き錐シャフト108に対して付勢されるように構成され得る。
【0027】
穴を開けている間に、近位突き錐シャフト110に負荷が加えられると、近位突き錐シャフト110は、骨の中に挿入されている遠位突き錐シャフト108の遠位端108dに負荷を加える。これにより、遠位突き錐シャフト108及び近位突き錐シャフト110が一緒に作用して、システム100を骨に穴を開けるために使用される自己穿孔シャフトとして動作させる。これにより、穴を開けるために追加の器具を必要としなくてもよい。骨に穴が開けられると、近位突き錐シャフト110に負荷をさらに加えることによって、遠位突き錐シャフト108の遠位端108dを穴の中へさらに遠位に駆動することができる。移植可能であり得る拡張器機構114は、穴が形成されているときに骨の穴を広げるのを補助し得る。
【0028】
骨穴が形成されると、以下でより詳細に論じられる図6A及び図6Bに示されるように、近位突き錐シャフト110は、例えば、近位突き錐シャフト110に連結された突き錐ハンドル120を起動させることによって、遠位突き錐シャフト108から近位に後退する。遠位突き錐シャフト108の遠位端108dが骨穴内にとどまり、縫合糸アンカー112を、近位突き錐シャフト110によって妨げられることなく、遠位突き錐シャフト108上で駆動することができる。また、近位突き錐シャフト110の遠位端110dが遠位突き錐シャフト108の近位端108pから離間されるように、近位突き錐シャフト110を移動させることにより、縫合糸が連結された縫合糸アンカー112を骨の中へ駆動するときに近位突き錐シャフト110が縫合糸の邪魔にならないようにすることができる。この構成は、本明細書に記載される遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトの代わりに一体型の突き錐シャフトを使用する場合に生じ得る、縫合糸アンカー挿入中の近位突き錐シャフトによる縫合糸の巻回の可能性を回避する。
【0029】
縫合糸アンカー112を骨の中へ駆動させるように構成されている駆動体102は、様々な構成を有し得る。駆動体シャフト106を様々な方法で近位ハンドル104に連結することができる。図7に示されるように、駆動体シャフト106は、駆動体シャフト106の遠位表面に肩部130を有する中央部分107を有する。肩部130は、肩部130から遠位駆動体部材132の遠位端132dまで延出する遠位駆動体部材132の近位にある。遠位端132dは、駆動体102の駆動体シャフト106の遠位端106dでもある。遠位駆動体部材132は、その上に縫合糸アンカー112が取り付けられている。例示される実施形態では、駆動体シャフト106は、首機構131が縫合糸アンカー112の近位端112pに当接するように、肩部130と遠位駆動体部材132との間に配設された首機構131を有する。使用時、首機構131は、縫合糸アンカー112を遠位に駆動することを容易にする。駆動体シャフト106は、肩部130及び/又は首機構131が含まれていない構成を含む他の好適な構成を有し得ることを理解されたい。
【0030】
駆動体シャフト106の内腔116は、遠位突き錐シャフト108の近位部分が内腔116内に着座するように、遠位突き錐シャフト108を受容する。例えば、図5に示されるように、遠位突き錐シャフト108は、遠位突き錐シャフト108の嵌合機構128が駆動体シャフト106の遠位駆動体機構132の近位に着座するように、駆動体シャフトの内腔116内に受容される。嵌合機構128の遠位表面128dは、駆動体102の肩部130の近位にある駆動体シャフトの内腔116内に配設された内肩部134の近位表面134pに当接する。
【0031】
さらに、例示される実施形態では、駆動体102の駆動体シャフト106は、駆動体シャフト106の側壁を通って長手方向に延在する縫合糸保定機構136を有している。スロットの形態であり得る縫合糸保定機構136は、例えば、図5に示されるように、遠位突き錐シャフト108の縫合糸保定機構126と連通する。例示される実施形態では、駆動体シャフト106の縫合糸保定機構136は、駆動体シャフト106の内腔116に開口する長手方向スロットの形態であり得る。図7に示されるように、縫合糸保定機構136は、縫合糸保定機構136の遠位端136dと近位端136pとの間に駆動体シャフト106の長さに沿って延在する。この例では、縫合糸保定機構136の遠位端136dは肩部130の近位にあり、近位端136pは駆動体シャフト106の近位端106pの遠位にある。縫合糸保定機構136は他の方法で駆動体シャフト106内に形成され得ることを理解されたい。
【0032】
図5に示されるように、(2つ又はそれ以上の縫合糸ストランドの形態であり得る)縫合糸140は、縫合糸の末端部分142が遠位突き錐シャフト108の縫合糸保定機構126を貫通し、(内部を通って遠位突き錐シャフト108が延在する)縫合糸アンカー112の内腔113を貫通し、かつ駆動体シャフト106の縫合糸保定機構136の少なくとも一部分を貫通するように、矢印117によって示されるように通され得る。図5に示されるように、縫合糸140の末端部分142は駆動体シャフト106から延出する。同様に示されるように、末端部分142は、駆動体シャフト106から、駆動体シャフト106の縫合糸保定機構136の遠位端136dの近位にある駆動体シャフト106の外壁に連結された縫合糸保持機構109まで近位に延在する。例えば、駆動体シャフト106の外壁の周りに少なくとも部分的に半径方向に延出し得る縫合糸保持機構109は、使用時に、縫合糸140の位置を維持しつつ、駆動体シャフト106内の縫合糸の巻付きを防止することを可能にする。また、関節鏡視下手術において、縫合糸保持機構109は、手術部位にアクセスするために内部を通してシステム100(及び他の器具)を挿入することができるカニューレから外へ縫合糸140の末端142を方向付けることを容易にする。
【0033】
縫合糸保持機構109は、様々な構成を有し得、かつ様々な方法で駆動体シャフト106に連結され得る。例えば、縫合糸保持機構109は、リングの形態であり得るか又は半円形を有し得る。縫合糸保持機構109は駆動体シャフト106に移動不能に取り付けられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、縫合糸保持機構109は駆動体シャフト106に対して移動可能であり得るが、シャフト106に対する縫合糸保持機構109の位置が調整可能であり得るように駆動体シャフト106に連結される。例えば、縫合糸保持機構109は、駆動体シャフト106に対する縫合糸保持機構109の位置を調整し、調整後に維持することができるように、例えば、摩擦嵌合又は他の方法で、駆動体シャフト106に摺動自在に取り付けられるように構成され得る。縫合糸保持機構109は、取り外し可能に駆動体シャフト106に付着され得るか、又はいくつかの実現例では、シャフト駆動体シャフトに恒久的に固定され得る。少なくとも1つの実施形態では、縫合糸保持機構109は、機構109が駆動体シャフト106にスナップ嵌めされるか又は別様に取り外し可能に連結され得るように、縫合糸保持機構109の側面に開口を有し得る。
【0034】
縫合糸保持機構109は、外科処置で使用され得るカニューレの上に縫合糸保持機構109が着座するように、駆動体シャフト106に連結され得る。例えば、使用時に、システム300はカニューレを通して手術部位に挿入され得、次いで、縫合糸保持機構109は摺動自在に又は別様に駆動体シャフト106に取り付けられ得る。
【0035】
縫合糸アンカー112は、様々な構成を有し得る。例示される実施形態では、上述のように、縫合糸アンカー112の上には、縫合糸アンカー112を骨に係合するように構成されている少なくとも1つの雄ねじ115が形成されている。しかしながら、縫合糸アンカー112は、任意の好適な構成を有することができ、他の骨係合機構を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、縫合糸アンカーは、ねじ込みアンカーであり得る。いくつかの実施形態では、縫合糸アンカーは、プッシュイン型の縫合糸アンカーであり得る。
【0036】
図9に示されるように、縫合糸アンカー112は、内腔113の少なくとも一部分が内部に遠位駆動体部材132を受容し得るように、内部を通って延在する内腔113を有する。図5及び図9に示されるように、組み立てられた構成では、遠位駆動体部材132の遠位端132dが縫合糸アンカー112の遠位端112dの近位に配置されるように、遠位駆動体部材132は縫合糸アンカー112の内腔113を通って延在する。しかしながら、他の実施形態では、遠位駆動体部材132の遠位端132dは、縫合糸アンカー112の遠位端112dと整列され得るか又は遠位端112dを越えて延出し得る。図9に示されるように、縫合糸アンカー112の内腔113はまた、遠位駆動体部材132を通って延在する遠位突き錐シャフト108を貫通させて受容する。
【0037】
以下でより詳細に論じられるように、駆動体102の遠位駆動体部材132は、縫合糸アンカー112と取り外し可能に嵌合し、それによって、遠位駆動体部材132に嵌合された縫合糸アンカー112を骨の中へ遠位に(遠位突き錐シャフト108上で)駆動するように構成されている。本明細書に例示されるように、いくつかの実施形態では、遠位駆動体部材132は、縫合糸アンカー112の内腔を画定する内壁の少なくとも一部分の上に形成された対応する雌駆動機構内に受容されるように構成された雄機構の形態であり得る。
【0038】
図9に示されるように、例示される実施形態では、遠位駆動体部材132は、六角形状の雄機構の形態であり得、縫合糸アンカー112の対応する雌駆動機構は、縫合糸アンカー112の内腔113を画定する内壁の少なくとも一部分の中に形成された対応する六角形状の雌駆動機構であり得る。図9は、縫合糸アンカー112の内腔113を画定する内壁の少なくとも一部分が六角形の断面であることを示す。例示される実施形態では、縫合糸アンカーの内腔113を画定する内壁の遠位部分144(図5及び図8)は、それが六角形機構を有していないように、円形の断面であってもよい。この実施形態では、駆動体102の遠位駆動体部材132は、遠位駆動体部材132の遠位端132dが縫合糸アンカー112の遠位端112dの近位に配置されるように、縫合糸アンカー112の内腔113を通って延在する。縫合糸アンカー112の内腔113を画定する内壁の遠位部分144は、縫合糸アンカー112の内腔113の遠位端に縫合糸を通すのを容易にする円形の断面を有する。内腔113の遠位部分144の円形の断面形状は、縫合糸アンカー112の遠位端に縫合糸が絡むのを防止するのにも役立つ。
【0039】
図1図4図5図6A図6B、及び図8に示されるように、例示される実施形態では、外科用システム100は、縫合糸アンカー112の遠位にある拡張器機構114を含む。例えば、図8に示されるように、遠位突き錐シャフト108は、遠位突き錐シャフト108の遠位端108dが拡張器機構114から遠位に延出するように、拡張器機構114の内腔を通って延出するように構成されている。拡張器機構114は、遠位突き錐シャフト108の遠位端108dなどによって穴が開けられた後、骨の穴を広げることによって、骨の中への遠位突き錐シャフト108の挿入を容易にするように構成されている。拡張器機構114は、遠位に先細りであり得、円錐台又は角錐の形態であり得る。図4に示されるように、図示の例では、拡張器機構114は、拡張器機構114の長さに沿って実質的に同じ直径を有する近位首部分146と、近位首部分146から遠位に延出し、遠位に先細りである遠位部分148と、を有し得る。拡張器機構114の遠位部分148の外壁は、いずれの表面機構も備えていない円錐形であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、拡張器機構の少なくとも一部分は、例えば、三角形であり得る2つ又はそれ以上の面を有し得る。例えば、一実施形態では、拡張器機構は3つの面を有し得る。面は、実質的に平坦であり得るか又は拡張器機構の骨への挿入を容易にする他の構成及び機構を有し得る。拡張器機構114は任意の好適な構成を有し得ることを理解されたい。
【0040】
拡張器機構114は、遠位突き錐シャフト108にプレス嵌めされるか又は別様に取り外し可能に連結され得、かつ任意の寸法を有し得る。さらに、いくつかの実施形態では、拡張器機構114は、移植可能であり得、かつ非金属材料から作製され得る。これは、非金属材料の性質がシステム100を使用して行われる修復のポスト移植撮像と干渉しないはずであるようなものであるため有益であり得る。さらに、拡張器機構114は、骨穴の形成を補助するのに十分な剛性を有しながらも、生吸収性及び/又は生分解性であり得る。しかしながら、他の実施形態では、拡張器機構114は金属から作製され得る。
【0041】
駆動体102の近位ハンドル104は、様々な構成を有し得る。例示される実施形態では、図4及び図6Bに示されるように、近位ハンドル104の内腔118は、内腔118が駆動体シャフト106の内腔116と連通するように、駆動体シャフト106の近位部分を受容する。これにより、内腔116及び118は、近位突き錐シャフト110を貫通させて受容する。駆動体シャフト106は、近位ハンドル104の回転が駆動体シャフト106を回転させるように、任意の好適な様式で、近位ハンドル104に連結されている。駆動体102の近位ハンドル104は、システム100の使用中に把持しやすい表面機構を有するように構成され得る。例えば、図10に示されるように、近位ハンドル104は、近位ハンドル104の長さに沿って形成された1つ又は2つ以上の溝145を有する。しかしながら、記載される実施形態はこの点において限定されていないので、近位ハンドル104は任意の好適な表面機構を有し得ることを理解されたい。
【0042】
駆動体102の近位ハンドル104は、近位突き錐シャフト110に連結されている突き錐ハンドル120に連結され得る。例えば、図4及び図6Bに示されるように、近位ハンドル104の内腔118は、内部に突き錐ハンドル120を少なくとも部分的に受容するように構成されている。これにより、近位ハンドル104の内腔118は、駆動体シャフト106の近位部分を受容するように構成された遠位部分148と、内部に突き錐ハンドル120の少なくとも一部分を受容するように構成された近位部分150と、を有する。図4及び図6Bに示されるように、近位ハンドルの内腔118の近位部分150は、内腔118の遠位部分148より大きい直径を有し得、近位部分150は、突き錐ハンドル120の構成に対応する構成を有する。内腔118の近位部分150は、近位ハンドル104の開口105と連通する。図4及び図6Bに示されるように、近位ハンドルの内腔118の近位部分150は、ピン111又は突き錐ハンドル120の位置を保定するように構成された他の機構(例えば、突き錐ハンドル120のタブ158)を含む。
【0043】
図11に示されるように、突き錐ハンドル120は、遠位部分152、中央部分154、及び近位部分156を有する。突き錐ハンドル120の遠位部分152、中央部分154、及び近位部分156は、略円筒形であり、遠位部分152は中央部分154の直径より小さい直径を有し、中央部分154は近位部分156の直径より小さい直径を有する。図4及び図6Bに示されるように、突き錐ハンドル120の遠位部分152及び中央部分154は、近位ハンドル104の内腔118の近位部分150内に受容され、突き錐ハンドル120の近位部分156は、近位ハンドル104の近位端104pを越えて突出する。図4及び図6Aに同様に示されるように、内腔118の近位部分150は、内部に着座される突き錐ハンドル120の遠位部分152及び中央部分154と同様に形状決めされ得る。これにより、この例では、近位ハンドル104の内腔118の近位部分150は、近位部の直径より小さい直径を備える遠位部を有する。
【0044】
図1図6B図10図11、及び図12A図12Cに示されるように、例示される実施形態では、突き錐ハンドル120の中央部分154は、中央部分154から延出するタブ158を有する。タブ158は、リブ、ウィングの形態であり得るか又は任意の他の機構であり得る。システム100の骨穴形成構成において、突き錐ハンドル120のタブ158が近位ハンドル104のスロット105から突出することで、突き錐ハンドル120(ひいては突き錐ハンドル120に連結された近位突き錐シャフト110)が近位ハンドル104に対して移動することを防止する。例示される実施形態では、近位ハンドル104の内腔118の近位部分150は、タブ158が図6Bに示されるように近位ハンドル内の開口105から係脱するなど、突き錐ハンドル120が近位ハンドル104との係合から解除されると突き錐ハンドル120を近位に付勢するように構成されたバネ160(図11に示される)を含む。このように、システム100の骨穴形成構成において、内腔118の近位部分150の長さに沿って延在し得るバネ160は、少なくとも部分的に圧縮された構成であり得る。
【0045】
近位ハンドル104の近位端104pの近位に位置決めされている突き錐ハンドル120の近位部分156は、使用者(例えば、外科医)によって把持されて近位突き錐シャフト110を近位に後退させるように構成されている。近位部分156は、把持することを容易にする任意の好適な表面機構を有し得る。
【0046】
使用時、システム100を使用して骨に穴を形成する構成において、近位突き錐シャフト110は、近位突き錐シャフト110の遠位端110dが遠位突き錐シャフト108の近位端108pに当接するように配配される。かかる構成では、駆動体の近位ハンドル104と突き錐ハンドル120との係合により、駆動体120が遠位突き錐シャフトに対して遠位に駆動されることが防止される。システム100を使用して縫合糸アンカーを骨穴の中へ駆動させることができる構成にシステム100を移動させるために、突き錐ハンドル120を起動させることができる。例えば、図示される例では、近位部分156を把持して回転させることによって突き錐ハンドル120を回転させて、突き錐ハンドル120のタブ158を回転させ、スロット105を介して近位ハンドル104の内腔118に進入させることができる。このようにして、図6A及び図6Bに示されるように、タブ158が近位ハンドル104のスロット105に係合しなくなると、突き錐ハンドル120は、近位ハンドル104の内腔118の近位部分150内に配設された付勢バネ160の補助により、突き錐ハンドル120の中央部分154が近位ハンドル104の近位端104pを越えて近位に突出するように近位に移動される。
【0047】
図6Bに示されるように、突き錐ハンドル120のタブ158が近位ハンドルの内腔118の近位部分150内のピン111の遠位に当接し得、それによって突き錐ハンドル120がさらに近位に移動することが防止される。このように、内腔118内のピン111の位置は、ある一定の距離であって、その距離まで突き錐ハンドル120を近位に移動させることができる、距離を決定し得る。この点で、本明細書に記載される他の実施形態同様、外科用システムは、近位突き錐シャフトを遠位突き錐シャフトに対して所定の距離まで近位に移動させることができるように構成され得ることを理解されたい。すなわち、近位突き錐シャフトの突き錐ハンドルが起動されると、近位突き錐シャフトは自動的に所望の距離まで移動し、近位突き錐シャフトをどの程度移動させるかを制御するために(例えば、外科医による)追加のアクションを必要としなくてもよい。
【0048】
突き錐ハンドル120が近位ハンドル104から係脱されると、バネ160は、バネ160が突き錐ハンドル120を近位に付勢し、かかる位置に突き錐ハンドル120を維持するのに役立つように、少なくとも部分的に圧縮された構成から圧縮が弱い構成まで移動し得る。
【0049】
突き錐ハンドル120の近位移動は、突き錐ハンドル120に連結されている近位突き錐シャフト110を遠位突き錐シャフト108から離れて近位に移動させる。したがって、図6Bは、近位突き錐シャフト110の遠位端110dが遠位突き錐シャフト108の近位端108pから離間しているところを示している。図6Bは縫合糸保持機構109の遠位に配置された近位突き錐シャフト110の遠位端110dを示すが、いくつかの実現例では、近位突き錐シャフト110は、近位突き錐シャフト110の遠位端110dが縫合糸保持機構109の近位に配置されるように近位に後退され得ることを理解されたい。また、図1図4図6A、及び図6Bに示されていないが、例えば、図5に示されるように、使用時に、システム100には縫合糸が連結されている。近位突き錐シャフト110を近位に後退させた後、近位ハンドル104を回転させて縫合糸アンカー112を骨穴の中へ駆動させることができる。
【0050】
図12A図12Eは、軟部組織202(例えば、腱)を骨200に付着させるために、(例としてのみ示される)外科用システム100などの外科用システムの使用を伴う外科的修復を行う方法を例示する。記載される実施形態に従った外科的修復方法は、1つ又は2つ以上の構成要素が外科用システム100に含まれるものとは異なり得る外科用システムを含む他の外科用システムを使用して行うことができることを理解されたい。
【0051】
図12Aは、(図5の縫合糸140と同様の)縫合糸240の末端部分240a、240bが、骨穴形成構成内にあるシステム100に連結されているところを模式的に例示する(矢印205)。図12Aは、縫合糸240は組織202に連結され得ることを例示する。例えば、縫合糸240は、縫合糸240の末端部分240a、240bがシステム100と自由に係合することができるように、組織202を貫通し得るか又は別様に組織202に連結され得る。いくつかの実施形態では、縫合糸240は、システムに事前に装填されてもよいし、又は縫合糸240は、システム100を使用して骨内に定着された後に、組織202を貫通するか若しくは別様に組織202に連結されてもよいことを理解されたい。
【0052】
図5の例として示される縫合糸140に関連して上述したように、縫合糸240の末端部分240a、240bは、遠位突き錐シャフト108の縫合糸保定機構126及び縫合糸アンカー112の内腔113を貫通(矢印205)し、駆動体シャフト106の縫合糸保定機構136に沿って通され得る。縫合糸240が上に装填された外科用システム100を例示する図12Bに示されるように、縫合糸240の末端部分240a、240bは、末端部分240a、240bが縫合糸保持機構109の下に通されるように、駆動体シャフト106の縫合糸保定機構136(例えば、スロット)の一部分に沿って通される。これにより、図12Bに同様に示されるように、縫合糸240の末端部分240a、240bは、シャフト106から延出する。
【0053】
図12Bに示されるように外科用システム100が縫合糸240を備えた後、図12Cに示されるように、遠位突き錐シャフト108の遠位端108dは、所望の位置で骨200に穴を開けるように骨200に挿入される。遠位突き錐シャフト108の遠位端108dを骨200に挿入して穴201を形成した後、張力が縫合糸240に加えられる。例示される実施形態では、上述のように、近位突き錐シャフト110が当接する遠位突き錐シャフト108は、追加の器具を必要とせずに骨に穴を開けて穴を作り出すように構成された自己穿孔シャフトである。骨に穴が開けられた後、遠位突き錐シャフト108を骨200の中へさらに遠位に駆動させて骨穴201を形成する。具体的には、矢印207によって図12Cに示されるように、マレット、ハンマ、又は他の器具などの好適な器具211を使用して近位突き錐シャフト110の近位端110pに力を加え、次に、遠位突き錐シャフト108に負荷を加え、それによって遠位突き錐シャフト108を骨200の中へ遠位に駆動させる。遠位突き錐シャフト108が骨200の中へ遠位に駆動されるにつれて、拡張器機構114は穴201を広げる。図の12Cの矢印213によって示されるように、遠位突き錐シャフト108の遠位端108dが骨200に挿入された後に、縫合糸240の末端部分240a、240bに張力を加えることができる。形成される骨穴201の位置が示される図12Bにおいてよりも組織202が骨穴201により近くに配置されている図12Cにおいて模式的に示されるように、縫合糸末端部分240a、240bへの張力により、組織202を骨穴201の位置に近づけることができる。
【0054】
図12Cに示されるように、遠位突き錐シャフト108の遠位端108dは、遠位端108dに連結された拡張器機構114が骨200の穴201に挿入されるように、骨200の中へ駆動される。遠位突き錐シャフト108の一部分も穴201に挿入されるが、縫合糸アンカー112は骨穴201に対して所望の位置に位置決めされる。例示される実施形態では、図12Cに示されるように、縫合糸アンカー112の遠位端は、骨の中へ駆動される前に、骨穴201の近位端に位置決めされる。他の実施形態では、縫合糸アンカー112を骨穴に部分的に挿入することができる。
【0055】
拡張器機構114を有する遠位突き錐シャフト108の遠位端108dが所望の深さまで骨200の中へ駆動されると、近位突き錐シャフト110は、遠位突き錐シャフト108から離れて近位に移動する。それに応じて、図12Dは、上述のように、突き錐ハンドル120の近位部分156を(矢印215によって示されるように)把持して回転させることによって突き錐ハンドル120が起動されて(すなわち、回転して)、それによって突き錐ハンドル120を駆動体102の近位ハンドル104との係合から解除することを示す。例えば、停止表面として作用する突き錐ハンドル120のタブ158が近位ハンドル104の開口105から係脱されると、図12Dに矢印217によって示されるように、突き錐ハンドル120が近位に移動する。これにより、突き錐ハンドル120に連結された近位突き錐シャフト110は近位に移動し、(例えば、図6Bに示されるように)遠位突き錐シャフト108から離間される。近位突き錐シャフト110が遠位突き錐シャフト108に当接しなくなると、遠位突き錐シャフト108に対する駆動体シャフト106の遠位移動は防止されなくなる。また、近位突き錐シャフト110は、近位突き錐シャフト110の遠位端と遠位突き錐シャフトとの間にクリアランスがあるように近位に移動するため、それに伴って、近位突き錐シャフト110は、駆動体102の遠位前進中に、縫合糸のもつれの可能性を低減するように、縫合糸240の邪魔にならない場所に位置決めされる。
【0056】
システム100が骨穴形成構成から縫合糸アンカー駆動構成に移動すると、縫合糸アンカー112を骨穴201の中へ駆動させることができる。これにより、図12Dに矢印219によって示されるように、近位ハンドル104を回転させて、駆動体シャフト106を回転させ、駆動体シャフト106の遠位駆動体部材132に連結された縫合糸アンカー112を骨穴201に対して遠位に駆動する。例示される実施形態では、縫合糸アンカー112が遠位に前進するとき、遠位突き錐シャフト108の近位端108pは、駆動体シャフト106の縫合糸保定機構136(例えば、スロット)の遠位端136dを越えて近位に延出しない。
【0057】
例示される実施形態では、突き錐ハンドル120及び近位ハンドル104は、例として、反対方向に回転するように(それぞれ矢印215及び219によって)示される。他の実現例では、近位突き錐シャフトに連結されたハンドルと駆動体の駆動体シャフトに連結されたハンドルとが同じ方向に回転するように構成され得ることを理解されたい。
【0058】
縫合糸アンカー112が骨200の穴201の中へ前進するにつれて、縫合糸アンカー112のねじ山115が骨200に係合する。駆動体102が回転するとき、駆動体シャフト106の内腔116を通り、拡張器機構114を通って延在する遠位突き錐シャフト108は静止したままである。駆動体102の回転により、縫合糸アンカー112が遠位拡張器機構114に向かって、骨200の中へ遠位に移動し、これにより、縫合糸240が骨穴201の内壁と縫合糸アンカー112の外側表面との間に固定される。
【0059】
縫合糸アンカー112を骨200の穴201の中へ駆動させた後、駆動体102及び駆動体102の中に着座した遠位突き錐シャフト108を縫合糸アンカー112から分離することができる。図12Eに示されるように、拡張器機構114及び縫合糸240が連結された縫合糸アンカー112が骨穴201の中に移植されたまま残り、それによって組織202を骨200に付着させる。図12Eに示されるように、縫合糸アンカー112が拡張器機構114に向かって、骨の中へ遠位に駆動された後、縫合糸240は縫合糸アンカー112内の内腔の少なくとも一部分を通って近位に延出する。所望により、縫合糸240の末端部分240a、240bは、図12Eに模式的に示されるハサミ221などの好適な切断器具を使用してトリミングすることができる。また、いくつかの実施形態では、縫合糸240の末端部分240a、240bを組織202に貫通させることができるか、又は末端部分240a、240bを別の縫合糸アンカーに連結するか、若しくは、所望により、他の縫合糸に結び付けることができる。
【0060】
記載される技術に従う遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトを有するシステムは、様々な構成を有することができる。システムの駆動体の近位ハンドルも、多様に異なり得る。図13A図16Bは、システムのアンカー挿入構成において、遠位突き錐シャフトと、遠位突き錐シャフトから離れて近位に移動し得る近位突き錐シャフトと、を有することができるシステム300の別の実施形態を示す。システム300は、近位ハンドル304と、ハンドル304から遠位に延出する駆動体シャフト306と、を有する駆動体302を有する。駆動体302は、駆動体102(図1及び図4図11)と同様の構成とすることができるため、詳細には記載されていない。同様に、システム300は、図2及び図3の遠位突き錐シャフト108及び近位突き錐シャフト110と同様の遠位突き錐シャフト(図示せず)及び近位突き錐シャフト310を有し得るため、遠位及び近位突き錐シャフトは詳細には記載されていない。この実施形態では、以下でより詳細に論じられるように、近位突き錐シャフト310の近位に連結された突き錐ハンドル320は、起動されて近位突き錐シャフト310を遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されたトリガ機構を有し得る。トリガ機構は突き錐ハンドルに連結されてもよく、又はトリガ機構は、起動されて突き錐ハンドルを近位に移動させ、それによって近位突き錐シャフトを近位に移動させるように構成された別個の構成要素とされてもよい。
【0061】
図14図16A、及び図16Bに示されるように、システム300の近位ハンドル304は、内部を通って延在する内腔318を有する。図16A及び図16Bに示されるように、内腔318は、内腔318が1つの遠位開口を有するように、近位ハンドル304内に閉鎖端を有する。近位ハンドル304の内腔318は、タブ327、バネ360、及び駆動体シャフトホルダ321を有する突き錐ハンドル320を内部に受容するように構成されている。
【0062】
図14に示されるように、近位ハンドル304はまた、摺動ボタン325などの突き錐ハンドル320を起動させるように構成されたトリガ機構を内部を通して受容するように構成されているスロット323を、近位ハンドル304の側壁内に有する。ボタン325は、任意の好適な様式で突き錐ハンドル320に連結され得る。例えば、ボタン325は、別個の構成要素とすることができる。近位ハンドル304の内腔318と連通するスロット323は、摺動ボタン325の少なくとも一部分を受容するように構成されている。この実施形態では、図14に示されるように、ボタン325は、内部を通る開口345を有する略円筒形の部材であり得る。以下でより詳細に論じられる図16Aに示されるように、ボタン325の開口345は、突き錐ハンドル320の一部分を貫通させて受容し得る。突き錐ハンドル320は、ボタン325の一部分が近位ハンドル304の表面を越えて突出するように、ボタン325の開口345を通して挿入され得、ボタン325のこの突出した部分は、起動されて(例えば、近位ハンドル304の表面に向かって押し込まれて)、それによってボタン325を近位ハンドル304の中へより深く移動させることができる。
【0063】
図13A図13B、及び図14に示されるように、近位ハンドル304は、ハンドル304のほぼ中央に配設された表面機構329を有し得る。スロット323は、図14に示されるように、機構329に対して形成され得、この例では、スロット323は、機構329のほぼ中央にあり、機構329よりも広い。
【0064】
近位ハンドル304は、様々な構成を有し得る。この実施形態では、機構329から近位に延在する近位ハンドル304の近位部331pは略円筒形であり、機構329から遠位に延在する近位ハンドル304の遠位部331dは略円錐形(例えば、円錐台の形態)で遠位に先細りである。近位ハンドル304の近位部331p及び遠位部331dは、図14に示されるように、近位部331p及び遠位部331dの長さに沿って延在するプレート又はリブ333などの表面機構を有し得る。リブ333は、同じ幅を有し得るか、又は、この例のように、いくつかのリブ333、例えば、近位ハンドル304の片側若しくは両側に沿って延在する1つ又は2つ以上のリブ333aは、(例えば、補強のために)より広くてもよい。ボタン起動式の突き錐ハンドルを有するシステムの駆動体の近位ハンドルは任意の好適な構成を有することができ、かつ表面機構を有しても有しなくてもよいため、近位ハンドル304の特定の形状及び機構は、例としてのみ示されていることを理解されたい。
【0065】
突き錐ハンドル320もまた、様々な構成を有し得る。この実施形態では、図14に示されるように、突き錐ハンドル320は略円筒形であり、タブ327が突き錐ハンドル320の外壁の両側から延出している。図14に示されるように、突き錐ハンドル320は、突き錐ハンドル320の遠位端320dから突き錐ハンドル320の少なくとも一部分を通って形成された周方向内腔335を有する。周方向内腔335は、内腔335が突き錐ハンドル320の中実の内部部分337の周りに形成されるように形成されている。周方向内腔335は、図16Bに示される(存在はするが図16Aには図示せず)バネ360を受容するように構成されており、中実の内部部分337は、近位突き錐シャフト310を内部に受容するように構成された内腔349を有する。例示される実施形態では、内部部分337の遠位端は、雌嵌合機構などの嵌合機構の形態であり得るが、他の形態の嵌合機構を使用することができる。
【0066】
駆動体シャフト306の内腔316は、近位突き錐シャフト310を内部を通して受容し、近位突き錐シャフト310は、突き錐ハンドル320に連結される。図14及び図15Bに示されるように、駆動体シャフトホルダ321は、駆動体シャフト306の少なくとも一部分が駆動体シャフトホルダ321に連結されるように、駆動体シャフト306の近位端306pを受容するように構成されている内腔341を有する。内腔341は、駆動体シャフトホルダ321の遠位対向面321dと近位対向面321pとの間に延在する。図14及び図15Aに示されるように、駆動体シャフトホルダ321は、ハンドル304の内腔318の遠位端の対応する雌嵌合機構と嵌合するように構成されている。
【0067】
システム300は、図12A図12Eに示されるように、システム100を使用する方法と同様に外科処置で使用することができる。システム300の骨穴形成構成において、摺動ボタン325は、図13Aに示されるように、近位ハンドル304の外壁を越えて突出するように構成されている。かかる構成において、図16Aに示されるように、突き錐ハンドル320のタブ327は、突き錐ハンドル320が近位に移動することが防止されるように、摺動ボタン325に遠位側で当接する。バネ360(図16Aでは図示せず)は、少なくとも部分的に圧縮された構成で突き錐ハンドル320の周方向内腔335内に配設され得る。
【0068】
システム300を骨穴形成構成から縫合糸アンカー挿入構成に移動させるために、図13Bに示されるように、ボタン325を起動させる(例えば、近位ハンドル304の外側表面に向かって押下する又は押し込む)ことができる。これにより、ボタン325が近位ハンドル304のスロット323の中へより深く移動し、それによって突き錐ハンドル320のタブ327がボタン325との係合から解放される。図13Bは、起動するために、ボタン325が近位ハンドル304の表面とほぼ面一に配置されるまでボタン325を押し込むことができることを示す。しかしながら、他の実現例では、ボタン325は、ボタン325の起動後に別様に配置され得る。
【0069】
図16C及び図16Dは、近位ハンドル304のボタン325を追加で例示するが、単に例示を容易にする目的で、すべての構成要素を示さない。これにより、図16Cは、ボタン325がシステム300の骨穴形成構成にある、すなわち、ボタン325が起動されず、突き錐ハンドル320のタブ327がボタンに係合する構成にある、近位ハンドル304を示す。図16Dは、ボタン325がシステムの縫合糸アンカー挿入構成にある、すなわち、ボタン325が、例えば、押圧されて起動し、突き錐ハンドル320のタブ327がボタン325との係合から解除されている構成にある、近位ハンドル304を示す。
【0070】
図16Bに示されるように、ボタン325の起動により、突き錐ハンドル320が近位ハンドルの内腔318内で近位に移動することにより、突き錐ハンドル320に連結された近位突き錐シャフト310も近位に移動する。突き錐ハンドル320の周方向内腔335内のバネ360は、少なくとも部分的に圧縮された構成から圧縮が弱い構成まで移動し、それによって突き錐ハンドル320を近位に付勢し、かかる位置に突き錐ハンドル320を維持し得る。このように、近位突き錐シャフト310は、遠位突き錐シャフトから離れて近位に離間配置されており、システムの駆動体302を使用して(例えば、近位ハンドル304を回転させることによって)縫合糸アンカー(図示せず)を骨穴の中へ駆動させることができる。この例では、突き錐ハンドル320は、近位ハンドルの内腔318の近位端318pに当接するように近位に移動される。これにより、近位ハンドル304の内腔318は、突き錐ハンドル320が所定の距離まで移動されて、それによって近位突き錐シャフト310がその所定の距離まで近位に移動するように構成され得る。
【0071】
外科用システムは、近位ハンドル及び突き錐ハンドルの任意の他の構成を有し得る。また、突き錐ハンドルは、起動されて、突き錐ハンドルに連結された近位付き錐シャフトを近位に移動させるように構成された様々なトリガ機構を有し得る。また、トリガ機構は、近位突き錐シャフトが、回転することなく、遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退するように構成され得る。
【0072】
図17図21Bは、駆動体装置、又は近位ハンドル404及び駆動体シャフト406を含む駆動体402を有する外科用システム400の別の実施形態を例示する。システム100(図1)と同様に、システム400は、駆動体シャフト406の遠位駆動体部材に連結された縫合糸アンカー412と、突き錐ハンドル420が近位に連結された近位突き錐シャフト(図示せず)と、駆動体シャフト406を少なくとも部分的に通って延在する遠位突き錐シャフト408と、を備える。図17に示されるように、また、システム100と同様に、システム400は、拡張器機構414を備え、拡張器機構414は、縫合糸アンカー412の遠位にあり、遠位突き錐シャフト408の遠位先端408dの少なくとも一部分が拡張器機構414の遠位端から遠位に延出するように、拡張器機構414を少なくとも部分的に通って延出する遠位突き錐シャフト408の遠位部分を有する。拡張器機構414は、移植可能であり得る。
【0073】
図17図18、及び図20に示されるように、近位ハンドル404は、内部の内腔418に、略円筒形の本体419と本体419の外側表面から延出するボタン又はノブ425とを含む突き錐ハンドル420を受容し得る。近位ハンドル404の内腔418は、ハンドル404の長さの一部分に沿って近位ハンドル404の外壁に形成されたスロット429と連通している。このように、突き錐ハンドル420は、図17に示されるように、内部のノブ425が近位ハンドル404の外側表面を越えて少なくとも部分的に突出するように、内腔418及びスロット429内に移動可能に(例えば、摺動可能に)着座する。ノブ425は、起動されて突き錐ハンドル420をスロット429に沿って移動させるように構成されている。近位ハンドル404の遠位端404dは、内部に駆動体シャフト106の近位部分を受容する。
【0074】
スロット429の内壁及び近位ハンドル404の内腔418の少なくとも一部分は、突き錐ハンドル420の構成に少なくとも部分的にぴったり一致するように構成され得る。例えば、内腔418の少なくとも一部分は、内部に突き錐ハンドル420の本体419を移動可能に着座させるように略円筒形である。さらに、例示される例では、スロット429の内側側壁は、対応する表面437が両側にある突き錐ハンドル420のノブ425を着座させるように構成され得る。図20に示されるように、ノブ425は、実質的に平坦であり得る頂部表面438を有し、かつ互いに向かって傾斜し、突き錐ハンドル420の本体419の頂部に着座している、ノブ425の両側の表面427を有する。この例では、ノブ425のボアは、傾斜した表面427の間に形成され得るが、ノブ425は任意の他の構成を有し得ることを理解されたい。突き錐ハンドル420のノブ425を含む突き錐ハンドル420は、例としてのみ示され、突き錐ハンドルは、任意の好適な構成を有し得、かつ把持されるか又は別様に起動されて突き錐ハンドルを移動させるように構成された他のトリガ機構を有し得ることを理解されたい。
【0075】
システム400は、図12Eに示されるように、システム100を使用する方法と同様に外科処置で使用することができる。システム400の骨穴形成構成において、突き錐ハンドル420は、図21Aに示されるように、ノブ425が近位ハンドル404の外側表面を越えて突出するように、近位ハンドル404の内腔418内及びスロット429内に着座している。かかる構成では、本明細書に記載される他の実施形態と同様に、近位突き錐シャフトの遠位端は、遠位突き錐シャフト408の近位端に当接する。
【0076】
骨穴が形成された後、システム400を骨穴形成構成から縫合糸アンカー挿入構成に移動させるために、ハンドル420を(例えば、ノブ425を押し込んで、ハンドル420を駆動体の中心軸に向かって移動させて)起動し、(図21Bに矢印435によって模式的に示されるように)駆動体402の残部に対して近位にノブ(及び付着した近位突き錐シャフト)を動かすことができる。このように、突き錐ハンドル420は、図21Bに示されるように、近位ハンドル404の一部分431の内側表面に遠位に当接するように、近位に移動する。この一部分431は、任意の好適な構成を有し得る。近位ハンドル404の内腔418内に配設され得るバネ460(図19)は、少なくとも部分的に圧縮された構成から圧縮が弱い構成に移動され、それによって突き錐ハンドル420を近位に付勢し得る。図14及び図16Bに示されるシステム300のバネ360と同様に、バネ460は、例えば、突き錐ハンドル420の周方向内腔内に配設され得る。しかしながら、バネ460は、突き錐ハンドル420と別様に関連付けられ得る。突き錐ハンドル420の近位移動により、突き錐ハンドル420に連結された近位突き錐シャフトも近位に移動され、それに伴って遠位突き錐シャフト408から離間されるようになる。この構成において、システム400の駆動体402を使用して(例えば、近位ハンドル404を回転させることによって)縫合糸アンカー412を骨穴の中へ駆動させることができる。
【0077】
近位ハンドル404は様々な表面機構を有し得ることを理解されたい。例えば、近位ハンドル304(図13A図13B、及び図14)と同様に、近位ハンドル404は、リブを有し得る。例えば、例示される実施形態では、近位ハンドル404は、近位ハンドル404の長さの少なくとも一部分に沿って形成されたリブ433を有し得る。図17及び図18に示されるように、ハンドル404の遠位端404dに隣接する近位ハンドル404の一部分はリブを有さない。また、近位ハンドル304と同様に、図17の近位ハンドル404は、近位ハンドル404の周囲の少なくとも一部分の周りに、近位ハンドル404の外壁に形成された機構439を含み得る。機構439は、近位ハンドル404の実質的に円筒形の近位部分と近位ハンドル404の遠位に先細りの遠位部分との間に配設され得る。しかしながら、ここでも同様に、近位ハンドル404は、近位ハンドル404の把持及び操作を容易にする任意の他の好適な形状、構成、及び機構を有し得る。
【0078】
本明細書に記載される方法及びシステムは、異なる変形形態を有し得る。例えば、実施形態の各々において、複数の縫合糸を使用して組織を骨に連結することができる。また、外科処置の前又は間に、1つ又は2つ以上の縫合糸を外科用システムに装填することができる。例えば、いくつかの実施形態では、外科用システムは、組み立てられた構成の外科用システムが縫合糸を含むように、少なくとも1つの縫合糸が事前に装填されていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、拡張器機構を使用しなくてもよい。別の変形形態として、別の機構を使用して骨の穴を拡張することができる。
【0079】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部分又は部品、例えば、シャフトを、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本発明の範囲内にある。
【0080】
好ましくは、本明細書に記載された構成部品は、手術の前に処理される。最初に、新しい又は使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄する。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次に、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過することができる放射線照射野に置く。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。この後、滅菌された器具を滅菌容器内で保管することができる。密封された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0081】
本構成部品は滅菌されることが好ましい。これは、β線又はγ線放射、酸化エチレン、蒸気、及び液浴(例えば、低温浸漬)などの当業者には周知の様々な方法によって行うことができる。
【0082】
当業者は、上述の実施形態に基づいて記述される主題のさらなる機構及び利点を認識するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参照文献はそれらの全容を参照によって本明細書に明示的に援用するものである。
【0083】
〔実施の態様〕
(1) 外科用システムであって、
近位ハンドル及び前記近位ハンドルから延出する駆動体シャフトを有する駆動体であって、内部を通って延在する内腔を有する、駆動体と、
遠位突き錐シャフト、及び前記遠位突き錐シャフトから分離し、かつ前記遠位突き錐シャフトに対して近位に移動可能である近位突き錐シャフトであって、前記遠位突き錐シャフト及び前記近位突き錐シャフトは、前記遠位突き錐シャフトの一部分が前記駆動体シャフトの遠位端から遠位に延出し、前記近位突き錐シャフトが前記遠位突き錐シャフトの近位に配設されるように、前記駆動体の前記内腔内で受容可能である、遠位突き錐シャフト及び近位突き錐シャフトと、
前記遠位突き錐シャフトを取り外し可能に受容する、内部を通って延在する内腔を有する縫合糸アンカーであって、前記駆動体シャフトの遠位駆動体機構は前記縫合糸アンカーに動作可能に連結されている、縫合糸アンカーと、を備える、外科用システム。
(2) 前記駆動体シャフトが、前記駆動体シャフトの側壁を通って長手方向に延在し、かつ前記遠位突き錐シャフトの側壁を通って長手方向に延在する前記遠位突き錐シャフトの縫合糸保定機構と連通する縫合糸保定機構を有する、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記遠位突き錐シャフトの前記縫合糸保定機構が、前記縫合糸保定機構を通って少なくとも1つの縫合糸を受容するように構成され、前記縫合糸保定機構を通って受容された前記縫合糸が、前記縫合糸アンカーを通り、かつ前記駆動体シャフトの前記縫合糸保定機構の少なくとも一部分を通って近位に延出するようになっている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記近位突き錐シャフトが中実の細長い部材である、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記駆動体シャフトの前記縫合糸保定機構の遠位端の近位にある前記駆動体シャフトの外壁に連結された縫合糸保持機構をさらに備える、実施態様1に記載のシステム。
【0084】
(6) 前記縫合糸保持機構が、前記駆動体シャフトの前記外壁の周りに少なくとも部分的に半径方向に延出する、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記システムを使用して骨に穴を形成する構成において、前記近位突き錐シャフトの遠位端が前記遠位突き錐シャフトの近位端に当接する、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記システムを使用して前記縫合糸アンカーを前記穴の中へ駆動させる構成において、前記近位突き錐シャフトの前記遠位端が前記遠位突き錐シャフトの前記近位端から離間される、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記遠位突き錐シャフトの前記近位端が、嵌合機構を備え、前記嵌合機構が、前記嵌合機構から延出する前記遠位突き錐シャフトの一部分の直径より大きい直径を有する、実施態様7に記載のシステム。
(10) 前記システムを使用して前記骨に前記穴を形成する前記構成において、前記駆動体シャフトが前記遠位突き錐シャフトに対して遠位に駆動されることを防止するように、前記近位突き錐シャフトの前記遠位端が前記遠位突き錐シャフトの前記近位端に当接する、実施態様7に記載のシステム。
【0085】
(11) 前記近位突き錐シャフトが、前記近位突き錐シャフトの近位部分に連結された突き錐ハンドルを有し、前記突き錐ハンドルは、起動されて前記近位突き錐シャフトを前記遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(12) 前記突き錐ハンドルが、前記駆動体の前記近位ハンドル内に少なくとも部分的に配設されており、前記突き錐ハンドル及び前記駆動体の前記近位ハンドルは独立して移動可能である、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記突き錐ハンドルが、起動されて前記近位突き錐シャフトを前記遠位突き錐シャフトから離れて近位に後退させるように構成されたトリガ機構を有する、実施態様11に記載のシステム。
(14) 遠位駆動機構を通って延出する前記内腔の少なくとも一部分が、六角形の断面の内壁を有する、実施態様1に記載のシステム。
(15) 前記縫合糸アンカーの遠位にある拡張器機構をさらに備え、前記遠位突き錐シャフトの遠位先端の少なくとも一部分が前記拡張器機構の遠位端から遠位に延出するように、前記拡張器機構が、前記拡張器機構を少なくとも部分的に通って延出する前記遠位突き錐シャフトの遠位部分を有する、実施態様1に記載のシステム。
【0086】
(16) 外科的修復を行う方法であって、
遠位突き錐シャフトの遠位端を骨内に前進させて骨穴を形成することであって、近位突き錐シャフトが前記遠位突き錐シャフトの近位端に負荷を加えるように、前記遠位突き錐シャフトの前記近位端が前記近位突き錐シャフトの遠位端に当接する、形成することと、
前記骨穴が形成された後、前記近位突き錐シャフトの前記遠位端が前記遠位突き錐シャフトの前記近位端から離間されるように、前記近位突き錐シャフトを後退構成に移動させることと、
前記近位突き錐シャフトが前記後退構成にある状態で、縫合糸が連結された縫合糸アンカーを前記骨穴の中へ遠位に駆動し、それによって前記縫合糸を固定することと、を含む、方法。
(17) 前記近位突き錐シャフトを前記後退構成に移動させることが、前記近位突き錐シャフトの近位部分に連結されたハンドルを起動することを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記遠位突き錐シャフトが、移植可能な拡張器機構を通り、前記拡張器機構の近位に位置決めされた前記縫合糸アンカーを通り、かつ駆動体シャフトの一部分を通って延出し、前記縫合糸アンカーを前記骨穴の中へ遠位に駆動することが、前記縫合糸アンカーを前記拡張器機構に向かって遠位に駆動することを含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記近位突き錐シャフトが前記後退構成に移動されている間に、前記縫合糸の末端部分に張力を加えることをさらに含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記縫合糸の前記末端部分が、前記遠位突き錐シャフトの縫合糸保定機構を貫通し、前記縫合糸アンカーの内腔を貫通し、かつ前記駆動体シャフトの縫合糸保定機構の少なくとも一部分を貫通し、前記末端部分が前記駆動体シャフトから延出する、実施態様16に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B