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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】菓子用穀粉組成物及び菓子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A21D 6/00 20060101AFI20230828BHJP
   A21D 13/80 20170101ALI20230828BHJP
【FI】
A21D6/00
A21D13/80
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019045461
(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公開番号】P2020145950
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000227489
【氏名又は名称】日東富士製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100086689
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100157772
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 武孝
(72)【発明者】
【氏名】中村 聰
(72)【発明者】
【氏名】平林 裕子
(72)【発明者】
【氏名】石丸 友美
(72)【発明者】
【氏名】高柳 雅義
(72)【発明者】
【氏名】大島 秀男
【審査官】堂畑 厚志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-320325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0263503(US,A1)
【文献】特開2008-092941(JP,A)
【文献】特開2007-312604(JP,A)
【文献】特開2011-177101(JP,A)
【文献】特開平01-206943(JP,A)
【文献】特開2020-130105(JP,A)
【文献】特開2018-027051(JP,A)
【文献】特開2009-039094(JP,A)
【文献】小麦粉の特性 おしえて!小麦ごはん|デルソーレ 小麦ごはん, [online],2017年02月23日,[2022年12月12日検索]、インターネット<URL : https://web.archive.org/web/20170223010016/https://delsole-komugigohan.jp/komugigohan/wheat/character.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D
A23G
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粉原料として、下記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉を含有することを特徴とする菓子用穀粉組成物。
(A)平均粒径:150~350μm
(B)粒径100μm未満が40質量%以下
(C)粒径400μm超が15質量%以下
(D)マルトース価:150~350mg/10g
(E)食物繊維含量:15.0~35.0質量%
【請求項2】
前記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉を穀粉原料中に5~100質量%含有する、請求項1に記載の菓子用穀粉組成物。
【請求項3】
前記小麦粉は加熱処理を行ったものである、請求項1又は2に記載の菓子用穀粉組成物。
【請求項4】
前記小麦粉は、脂質含量が3.0~7.0質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の菓子用穀粉組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の菓子用穀粉組成物を用いて生地を調製する調製工程と、調製した生地を焼成又は油ちょうする加熱工程とを含むことを特徴とする菓子の製造方法。
【請求項6】
更に、焼成又は油ちょうした菓子を冷蔵又は冷凍する冷蔵/冷凍工程を含む、請求項5に記載の菓子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくい菓子の製造に用いる菓子用穀粉組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、菓子はホロホロとしていて歯切れがよく、軽く口溶けの良い食感であり、油っぽさを感じにくいものが好まれる傾向にある。
【0003】
例えば、下記文献1には、軟質系小麦を原料とする小麦粉であって、1)粗蛋白質量12質量%以下;2)粒径60μm以上の粗粉画分の含有割合が3質量%以上~20質量%未満;3)損傷澱粉量が3.2質量%以下;4)粒径60μm以上の粗粉画分の損傷澱粉量が1.4~2.2%、且つ粒径60μm未満の微粉画分の損傷澱粉量が2.4~3.5%以下の、1)~4)の物性及び粒度を有することを特徴とする菓子用小麦粉が開示されている。これによれば、口溶けが極めて良好な食感の菓子類を製造できることが記載されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、強力粉と、α化度が12.5%以上、30%以下であり、かつ対粉300質量%に加水した場合の粘度が1Pa・s以上、10Pa・s以下である湿熱処理小麦粉とを含有することを特徴とするクレープミックスが開示されている。これによれば、滑らかで口溶けの良い食感のクレープが得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-27051号公報
【文献】特許第4799578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1、2には、いずれも口溶けのよい食感の菓子が得られたことが記載されているが、ホロホロとした歯切れが良い食感や、油っぽさの感じにくさについては、検討されていない。
【0007】
したがって、本発明の目的は、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくい菓子の製造に用いる菓子用穀粉組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、特定の小麦粉原料を穀粉原料として用いることで、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくい菓子を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、穀粉原料として、下記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉を含有することを特徴とする菓子用穀粉組成物を提供するものである。
(A)平均粒径:150~350μm
(B)粒径100μm未満が40質量%以下
(C)粒径400μm超が15質量%以下
(D)マルトース価:150~350mg/10g
(E)食物繊維含量:15.0~35.0質量%
本発明の菓子用穀粉組成物によれば、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくい菓子を提供することができる。
【0010】
本発明の菓子用穀粉組成物において、前記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉を穀粉原料中に5~100質量%含有することが好ましい。
【0011】
また、本発明の菓子用穀粉組成物において、前記小麦粉は加熱処理を行ったものであることが好ましい。
【0012】
更に、本発明の菓子用穀粉組成物において、前記小麦粉は、脂質含量が3.0~7.0質量%であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、上記記載の菓子用穀粉組成物を用いて生地を調製する調製工程と、調製した生地を焼成又は油ちょうする加熱工程とを含むことを特徴とする菓子の製造方法を提供するものである。
【0014】
本発明の菓子の製造方法によれば、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくい菓子を提供することができる。
【0015】
本発明の菓子の製造方法において、更に、焼成又は油ちょうした菓子を冷蔵又は冷凍する冷蔵/冷凍工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくい菓子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の菓子用穀粉組成物は、穀粉原料として、下記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉を含有する。
(A)平均粒径:150~350μm
(B)粒径100μm未満が40質量%以下
(C)粒径400μm超が15質量%以下
(D)マルトース価:150~350mg/10g
(E)食物繊維含量:15.0~35.0質量%
以下、上記小麦粉のそれぞれの条件について説明する。
【0018】
上記小麦粉は、(A)平均粒径が150~350μmであり、好ましくは150~250μmである。平均粒径が上記範囲にあることによって、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくいという効果が得られる。平均粒径が150μm未満であると、歯切れが悪くなり、油っぽくなる傾向にあり、平均粒径が350μmを超えると、焼成した生地の食感がざらついてしまう傾向にある。
【0019】
なお、本発明における小麦粉の平均粒径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置を用いて乾式で測定された体積平均値(Mean V)として求めることができる。レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置としては、例えばマイクロトラック粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社)等を用いることができる。
【0020】
また、上記小麦粉は、(B)粒径100μm未満が40質量%以下であり、好ましくは35質量%以下である。粒径100μm未満が40質量%を超えると歯切れが悪くなり、油っぽくなる傾向にある。
【0021】
更に、上記小麦粉は、(C)粒径400μm超が15質量%以下であり、好ましくは10質量%以下である。粒径400μm超が15質量%を超えると生地の食感がざらついてしまう傾向にある。
【0022】
更に、上記小麦粉は、(D)マルトース価が150~350mg/10gであり、好ましくは150~300mg/10gである。マルトース価が上記範囲にあることによって、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくいといった効果が得られる。マルトース価が150mg/10g未満であると、生地粘度がゆるくなり、クチャつきのある食感となる傾向にあり、マルトース価が350mg/10gを超えると、生地粘度が安定せず、クチャつきのある食感となる傾向にある。
【0023】
なお、本発明においてマルトース価とは、小麦粉中のアミラーゼによって、小麦粉の澱粉がどれだけ分解されるかを表す指標であり、マルトース価が高いと小麦粉中の損傷澱粉の割合が高く、マルトース価が低いと損傷澱粉の割合が低い。本発明においてマルトース価は、AACC(American Association of Cereal Chemists )の公定法(22-15)により測定することができる。
【0024】
更に、上記小麦粉は、(E)食物繊維を15.0~35.0質量%、好ましくは15~30質量%含有する。食物繊維含量が上記範囲にあることによって、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくいといった効果が得られる。食物繊維含量が15.0質量%未満であると、歯切れが悪くなり、油っぽくなる傾向にあり、食物繊維含量が35.0質量%を超えると、食味が悪くなり、食感がぼそつく傾向にある。
【0025】
なお、本発明において、食物繊維含量は、AOAC法985.29(プロスキー法)により測定することができる。
【0026】
本発明において、上記(A)~(E)の条件を満たす小麦粉や、更に加えて上記(F)の条件を満たす小麦粉は、小麦を粉砕、分級・篩い分けして小麦粉を製造する際に、篩い分けされた複数の画分の小麦粉を組合せ、それぞれの配合量を調整することによって得ることができる。すなわち、粒径は、所望の粒度範囲のものを選択したり、粗い粒度のものを更に粉砕したり、それらの画分を組み合わせたりして調整することができ、マルトース価は、粉砕の程度が激しい画分ほど高くなる傾向があるので、所望のマルトース価になるように粉砕された画分を選択したり、組み合わせたりして調整でき、食物繊維含量や脂質含量は、フスマ分や胚芽分が多い画分ほど高くなる傾向があるので、そのような画分を選択したり、組み合わせたりして調整できる。
【0027】
更に、本発明の菓子用穀粉組成物には、加熱処理を行った小麦粉を用いてもよい。加熱処理を行った小麦粉を用いることで、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感が得られるという利点が得られる。菓子用穀粉組成物中の加熱処理された小麦粉の割合は、50~100質量%が好ましく、70~100質量%がより好ましい。
【0028】
加熱処理の方法としては、公知の方法を採用することができる。具体的には乾熱加熱、湿熱加熱が挙げられる。例えば、乾熱加熱では、原料に加水を行わずに加熱を行う。乾熱加熱に用いられる装置としては、回転釜、焙煎釜、パドルドライヤー、熱風乾燥機、棚式乾燥機等を用いることができる。また、湿熱加熱では、原料の水分含量が13~16質量%程度となるように適宜加水し水分を調整した後、熱した密閉容器内で加熱を行う。あるいは加熱蒸気が含まれる容器中で加熱を行う。湿熱加熱に用いられる装置としては、密閉式加熱装置、ボックス式蒸し器等を用いることができる。その加熱条件に特に制限はないが、例えば、回転釜等の加熱容器に入れて、撹拌しながら、最終品温が100~120℃になるように、加熱時間がトータルで好ましくは30~60分間になるように加熱する等によってなされる。また、回転釜等の加熱容器を用いる態様に限らず、例えば、回転ドラムに原料を入れて、熱風を吹込みながら加熱する方法等、各種の態様を採用することができる。加熱処理は、ウェットグルテンが採取できない状態まで加熱処理するのが好ましい。
【0029】
また、本発明において、上記小麦粉は、脂質含量が好ましくは3.0~7.0質量%であり、より好ましくは3~6質量%である。本発明の小麦粉の脂質含量が上記範囲内であることで、穀物感の強い良好な風味が得られるという利点が得られる。
【0030】
なお、本発明において、脂質含量は、新・食品分析法(発行者:光琳、平成8年11月30日発行)に記載されている1-4-3酸分解法に則って測定することができる。
【0031】
本発明の菓子用穀粉組成物は、上記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉を穀粉原料中に5~100質量%含有することが好ましく、30~80質量%含有することが更に好ましい。上記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉含量が上記範囲内であることで、歯切れがよく、軽く口溶けのよい食感であり、油っぽさを感じにくいといった利点が得られる。
なお、菓子用穀粉組成物中の穀粉原料としては、上記(A)~(E)の全てを満たす小麦粉の他に、上記(A)~(E)の全てを満たさない通常の小麦粉、米粉、ライ麦粉、大麦粉、あわ粉、ひえ粉、はとむぎ粉、及びとうもろこし粉等を用いることができる。この場合、通常の小麦粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉、及び薄力粉等が挙げられるが、特に薄力粉が好ましく用いられる。
【0032】
このような本発明の菓子用穀粉組成物は、例えば、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の一般的な焼菓子;バターケーキ類(パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等)、スポンジケーキ類(ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等)、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子;菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパン;等を含む菓子の製造に用いることができる。
【0033】
上記菓子は、菓子用穀粉組成物と他の原料とを混合して生地とし、公知の製造方法により得ることができる。例えば、菓子用穀粉組成物と他の原料とを混合して生地を調製する調製工程と、調製した生地を焼成又は油ちょうする加熱工程等を含む工程により製造することができる。
【0034】
他の原料としては、原料として上記菓子に通常用いられているものを用いることができ、例えば、調味料(砂糖、食塩、こしょう、醤油、味噌、みりん、酒等)、膨張剤、増粘剤(例えばキサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム、ローストビーンガム、ジェランガム、カラギーナン、カードラン、プルラン等)、卵製品(例えば卵黄粉末、全卵粉末等)、澱粉(生澱粉、α化澱粉、化工澱粉等)、大豆蛋白質、えんどう蛋白質、小麦グルテン、乳製品(牛乳、脱脂粉乳、ホエー蛋白、カゼイン等)、ゼラチン、食物繊維、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン酸脂肪酸エステル等)、砂糖、トレハロース等の糖類、デキストリン、イースト、イーストフード、油脂、糖類、甘味料、香辛料、ビタミン類、ミネラル類等が挙げられる。
【0035】
上記菓子の製造方法としては、加熱工程の後、更に菓子を冷蔵又は冷凍する冷蔵/冷凍工程を含んでもよい。
【実施例
【0036】
<試験例1>
1.パウンドケーキの製造
パウンドケーキの穀粉原料としては、表1に示した物性を有する各菓子用穀粉組成物(以下、「穀粉組成物」ともいう。)を用いた。
なお、実施例1~3、比較例1~6の穀粉組成物は、小麦原料の水分含量が16質量%となるように適宜加水し水分を調整した後、加熱蒸気が含まれる容器中で20分間加熱処理を行った。その後、小麦を粉砕、分級・篩い分けして小麦粉を製造する際に、篩い分けされた複数の画分の小麦粉を組合せ、それぞれの配合量を調整することによって得た。得られた粉のウェットグルテンは採取出来なかった。一方、実施例4の穀粉組成物は、加熱処理を行わない他は、他の実施例と同様にサンプルを作製した。
【0037】
【表1】
【0038】
表2の配合に従い、Bをクリーム状になるまで混合した。これに、C約2/3程度を数回に分けて加えた。次いで、混合し篩にかけたAを約1/2程度加えてよく混合し、これに残りのCを加えてよく混合してから、残りのAを加えた。更に、Dを加えて混合して生地を調製し、パウンドケーキ生地を得た。
【0039】
得られた生地210gを型に流し込み、上火180℃/下火180℃のオーブンで30分間焼成し、パウンドケーキを製造した。
【0040】
【表2】
【0041】
2.評価方法
それぞれのパウンドケーキを、パネラー7名に試食させて、食感(歯切れ、口溶け)、及び油っぽさを評価した。食感の評価は、ホロホロとしていて歯切れがよく、口溶けが良いものを5点とし、反対に、クチャついて、口溶けが悪いものを1点とした5段階で行い、平均値を求めた。また、油っぽさの評価は、油っぽさを感じないを5点とし、反対に、油っぽいものを1点とした5段階で行い、平均値を求めた。
【0042】
3.結果
その結果を表3に示す。表3に示すように、(A)平均粒径:150~350μm、(B)粒径100μm未満が40質量%以下、(C)粒径400μm超が15質量%以下、(D)マルトース価:150~350mg/10g、(E)食物繊維含量:15.0~35.0質量%、の全てを満たす小麦粉を用いた実施例1~4のパウンドケーキでは、ホロホロとしていて歯切れが良く口溶けの良い食感であり、また油っぽさが感じられなかった。
【0043】
【表3】
【0044】
<試験例2>
1.パウンドケーキの製造
穀粉組成物として試験例1の実施例2の穀粉組成物を用いて、表4に示すように上記穀粉組成物の配合量を変えて、試験例1と同様にして、パウンドケーキ生地を得た。
【0045】
得られた生地210gを型に流し込み、上火180℃/下火180℃のオーブンで30分間焼成し、パウンドケーキを製造した。
【0046】
【表4】
【0047】
2.評価方法
それぞれのパウンドケーキを、パネラー7名に試食させて、試験例1と同様にして、食感(歯切れ、口溶け)、及び油っぽさを評価した。
【0048】
3.結果
その結果を表5に示す。表5に示すように、本発明の穀粉組成物を5~100%配合することにより、ホロホロとしていて歯切れが良く口溶けの良い食感であり、また油っぽさを感じないパウンドケーキを得ることができた。
【0049】
【表5】