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特許7337558油揚げ即席麺の製造方法および製造装置ならびに油揚げ即席麺
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  • 特許-油揚げ即席麺の製造方法および製造装置ならびに油揚げ即席麺 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】油揚げ即席麺の製造方法および製造装置ならびに油揚げ即席麺
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/113 20160101AFI20230828BHJP
【FI】
A23L7/113
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019111592
(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公開番号】P2020202771
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000222783
【氏名又は名称】東洋水産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山村 健太
(72)【発明者】
【氏名】田中 敏志
(72)【発明者】
【氏名】佐川 智朗
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-121629(JP,A)
【文献】特開昭61-128854(JP,A)
【文献】特開昭56-005062(JP,A)
【文献】登録実用新案第3082503(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A47J
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主原料に水を加え、混練して麺生地を得て、生麺線を切り出す工程と、前記生麺線をα化することなく、前記生麺線に水を付着させ、油シャワー処理を行った後、油に浸漬して油揚げする工程とを有する、油揚げ即席麺の製造方法。
【請求項2】
前記生麺線に付着させる水の重量が、一食分の生麺線の重量の1/40~1/10である、請求項1に記載の油揚げ即席麺の製造方法。
【請求項3】
水を付着させた前記生麺線にかける油の温度が95℃以上140℃以下である、請求項1または2に記載の油揚げ即席麺の製造方法。
【請求項4】
前記油揚げ即席麺のα化度が50%以上73%以下である、請求項1から3のいずれかの1項に記載の油揚げ即席麺の製造方法。
【請求項5】
生麺線を搬送するネットコンベアと、前記ネットコンベアによって搬送される生麺線を一食分に切断するカッターと、一食分に切断された生麺線を受け入れるリテーナーと、前記リテーナーを搬送するリテーナーコンベアと、前記リテーナーコンベアによって搬送されるリテーナーを導入し、一食分に切断された生麺線を油揚げするフライヤーとを有する油揚げ即席麺の製造装置であって、
さらに、前記リテーナーへの生麺線の受入れ位置の近傍に設けられ、前記生麺線に水を付着させる水噴霧装置と、前記フライヤーへの入り口近傍に設けられ、前記リテーナー内の水を付着させた生麺線に油をかける油シャワー装置とを有する、油揚げ即席麺の製造装置。
【請求項6】
α化度が50%以上73%以下、振動試験損傷率が0.3%以下、落下試験損傷率が3.6%以下である、油揚げ即席麺であって、
前記振動試験損傷率および前記落下試験損傷率を算出するにあたっては、それぞれ、油揚げ即席麺の麺塊をカップ型包材に入れ、添付品を載せ、蓋をしてシュリンク包材で覆った後、段ボール箱にカップ容器に包装された麺を12食入れて製品形態にしたものを用意し、
前記振動試験損傷率については、前記段ボール箱を用いて、JIS Z0232に準ずる振動試験機を用いた固定試験90分および跳ね上げ試験20分のランダム振動試験を行い、
前記落下試験損傷率については、前記段ボール箱を用いて、JIS Z0200:2013の8.5.4人力による荷扱い(自由落下試験)のレベルIIIの落下試験を行い、
前記振動試験損傷率および前記落下試験損傷率は、それぞれ、前記ランダム振動試験による衝撃により、または前記落下試験による衝撃により、麺塊から麺線が欠けて損傷した麺線を欠け麺として、麺総重量と欠け麺重量から下記の計算式により算出される、
損傷率(%)=欠け麺重量(g)÷麺総重量(g)×100
油揚げ即席麺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油揚げ即席麺の製造方法および製造装置ならびに油揚げ即席麺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油揚げ即席麺は、小麦粉などを含む主原料と、食塩などの副原料と、水とを混練して麺生地とし、これをロール圧延し、これを切り出して生麺線を得た後、蒸したり茹でたりしてα化し、さらに油揚げすることによって製造されている。
【0003】
このようにして製造される油揚げ即席麺は、一般的に水分含有率が10質量%以下で長期保存が可能であり、熱湯を注ぐだけでまたは数分間煮込んで調理するだけで、喫食することができる簡便性の高い食品である。
【0004】
しかし、従来の油揚げ即席麺の製造方法では、生麺線をα化するために蒸したり茹でたりする熱エネルギーと、α化した麺を油で揚げる熱エネルギーが必要であるため、熱エネルギーのロスが大きいという問題があった。
【0005】
この問題に対して、本出願人は、主原料に水を加え、混練して麺生地を得て、生麺線を切り出す工程と、前記生麺線を油で揚げる工程とを有する、油揚げ即席麺の製造方法を開発した(特許文献1)。この方法は、生麺線を蒸したり茹でたりしてα化する工程を含まないので、低エネルギーで油揚げ即席麺製品を製造することができ、省エネルギーを達成でき、製造のためのランニングコストを抑えることができ、設備投資コストも低く抑えられる。
【0006】
ただし、油揚げ即席麺の麺塊をカップに入れた状態(カップ麺)で流通させる場合、カップとそれに収容された麺塊の形状によっては輸送時に製品が受ける振動や落下などの影響が大きく、油揚げ即席麺の麺塊の一部が欠けて損傷する割合が高くなるという問題が生じる。同様の問題は、油揚げ即席麺の麺塊を包装袋に入れた状態(袋麺)で流通させる場合にも生じる。そこで、油揚げ即席麺の麺塊について、硬さに代表される強度を高めて、麺塊の一部が欠けて損傷する割合を低減させることが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-121629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、低エネルギーで油揚げ即席麺を製造することができ、省エネルギーを達成できるとともに、製造される油揚げ即席麺の強度を高めることができる油揚げ即席麺の製造方法および製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る油揚げ即席麺の製造方法は、主原料に水を加え、混練して麺生地を得て、生麺線を切り出す工程と、前記生麺線をα化することなく、前記生麺線に水を付着させ、油をかける処理を行った後、油に浸漬して油揚げする工程とを有する。以下において油をかける工程を油シャワー処理、油をかける装置を油シャワー装置と表記する。
【0010】
本発明の他の態様に係る油揚げ即席麺の製造装置は、生麺線を搬送するネットコンベアと、前記ネットコンベアによって搬送される生麺線を一食分に切断するカッターと、一食分に切断された生麺線を受け入れるリテーナーと、前記リテーナーを搬送するリテーナーコンベアと、前記リテーナーコンベアによって搬送されるリテーナーを導入し、一食分に切断された生麺線を油揚げするフライヤーとを有する油揚げ即席麺の製造装置であって、さらに、前記リテーナーへの生麺線の受入れ位置の近傍に設けられ、前記生麺線に水を付着させる水噴霧装置と、前記フライヤーへの入り口近傍に設けられ、前記リテーナー内の水を付着させた生麺線に油をかける油シャワー装置とを有する。
【0011】
本発明のさらに他の態様に係る油揚げ即席麺は、α化度が50%以上73%以下、振動試験損傷率が0.3%以下、落下試験損傷率が3.6%以下である。振動試験損傷率および落下試験損傷率を算出するにあたっては、それぞれ、油揚げ即席麺の麺塊をカップ型包材に入れ、添付品を載せ、蓋をしてシュリンク包材で覆った後、段ボール箱にカップ容器に包装された麺を12食入れて製品形態にしたものを用意する。振動試験損傷率については、段ボール箱を用いて、JISZ0232に準ずる振動試験機を用いた固定試験90分および跳ね上げ試験20分のランダム振動試験を行う。落下試験損傷率については、段ボール箱を用いて、JISZ0200:2013の8.5.4人力による荷扱い(自由落下試験)のレベルIIIの落下試験を行う。振動試験損傷率および落下試験損傷率は、それぞれ、ランダム振動試験による衝撃により、または落下試験による衝撃により、麺塊から麺線が欠けて損傷した麺線を欠け麺として、麺総重量と欠け麺重量から下記の計算式により算出される。
損傷率(%)=欠け麺重量(g)÷麺総重量(g)×100
【発明の効果】
【0012】
本発明の油揚げ即席麺の製造方法および製造装置によれば、生麺線を蒸したり茹でたりしてα化する工程を含まないので、低エネルギーで油揚げ即席麺製品を製造することができ、省エネルギーを達成でき、製造のためのランニングコストを抑えることができ、設備投資コストも低く抑えられる。しかも、製造された油揚げ即席麺の麺塊の強度を高めることができ、油揚げ即席麺の麺塊をカップ麺または袋麺として流通させる場合、輸送時に製品が振動や落下などを受けても、油揚げ即席麺の麺塊の一部が欠けて損傷する割合を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一態様に係る油揚げ即席麺の製造装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明に係る油揚げ即席麺の主原料は、小麦粉を含む。小麦粉としては、たとえば、強力粉、準強力粉、薄力粉およびデュラムセモリナ粉が挙げられる。また、小麦粉の一部を米粉および/またはそば粉などのその他穀物粉で代替してもよく、これらに加えてでん粉やグルテンを加えてもよい。でん粉としては、たとえば、トウモロコシ、ならびにジャガイモおよびタピオカなどのでん粉が挙げられる。また、これらのでん粉を公知の手法を用いて加工した加工でん粉を用いてもよい。
【0015】
主原料としてでん粉を添加すると、油揚げ即席麺の湯戻りを早くでき、なめらかさや弾力に関する食感を改良できる。
【0016】
本発明に係る油揚げ即席麺が、湯戻ししたときに良好な食感を示すためには、でん粉を主原料の50~10質量%、でん粉を除くその他主原料を50~90質量%とすることが好ましい。でん粉の割合が主原料の30質量%を超えると、製麺性が悪くなることがあるが、グルテンなどで製麺適性を適宜調整できる。
【0017】
本発明に係る油揚げ即席麺の副原料としては、食塩、かん水、色素などの他に、増粘多糖類が用いられる。増粘多糖類としては、たとえばペクチンおよび/またはアルギン酸類などが挙げられる。ここで、本発明で用いるペクチンはその起源などは制限されない。例えば、リンゴ、レモンなどを起源とするものを用いることができる。また、本発明で用いるアルギン酸類とは、アルギン酸の他、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸エステル、またはこれらの混合物をいう。なお、アルギン酸エステルはそのエステル化度などには制限されない。これらの副原料を水に溶解して主原料に投入し、これらを混練して麺生地を作製する。
【0018】
得られた麺生地をロール圧延して0.7~2.0mmの所定の厚さとし、切刃で切り出して所定の幅の生麺線を得る。生麺線の幅は、1.1~5.0mmに設定される。生麺線を製品形態に応じて適宜一食分にカットする。一食分の生麺線の重量は、30~150g程度である。麺生地または生麺線の全質量を基準とする水分含有率は40質量%以下で30質量%以上であることが好ましい。
【0019】
本発明の方法は、生麺線を蒸したり茹でたりしてα化する工程を含まず、上記のように水分含有率が40質量%以下である生麺線を油で揚げて油揚げ即席麺を製造する。
【0020】
本発明の方法では、生麺線を油揚げする前に、生麺線に水を付着させ、油シャワー処理を行う工程を有する。これらの工程を加えることにより、油揚げされた即席麺の強度を向上させることができることがわかった。
【0021】
たとえば、リテーナー内面とリテーナー内に枠詰めされた一食分の生麺線の上部に、各々2g以上6g以下の水を噴霧して、生麺線に水を付着させる。このようにリテーナー内面とリテーナー内に枠詰めされた一食分の生麺線の上部に水を噴霧する場合、供給したすべての水が生麺線に付着するわけではなく、水の一部は生麺線に付着せずに流出する。後述するように、一食分の重量の生麺線あたりの付着量は2g以上8g以下であることが好ましい。
【0022】
油シャワー処理に用いる油は、植物性でも動物性でもよい。油の温度は95℃以上140℃以下が好ましく、105℃以上125℃以下がより好ましい。処理時間は5秒以上60秒以下が好ましく、9秒以上30秒以下がより好ましく、9秒以上20秒以下がさらに好ましい。
【0023】
油揚げ工程に用いる油は、植物性でも動物性でもよく、α化度が50%以上73%以下、水分含有率が10質量%以下となる様に温度勾配をつけたり、二度揚げするなど一般的な油揚げ方法で温度と時間を調整し、油の温度を110℃以上160℃以下、油揚げ時間を1分以上2分30秒以下として油揚げすることで、本発明の油揚げ即席麺を製造することが出来る。
【0024】
なお、本発明において、麺のα化度は、たとえばグルコアミラーゼ第二法に従って測定することができる。また、本発明において、麺の水分含有率は、常圧加熱乾燥法に従って測定することができる。
【0025】
次に、図1を参照して、本発明に係る油揚げ即席麺の製造装置1の一例を説明する。なお、この図では、通常の油揚げ即席麺の製造装置に含まれる部材のうち、変更を加えずに使用できる部材の一部については図示を省略している。
【0026】
まず、ミキサー(図示せず)に小麦粉などの主原料を投入して混合する。このミキサー内の主原料に、副原料の水溶液を加え、混練して麺生地を得る。得られた麺生地を通常複数段のロール(図示せず)で順次圧延して所定の厚さの生麺帯にする。この生麺帯を切刃(図示せず)により所定の幅に切り出して生麺線にする。この生麺線Sを区分け板(図示せず)によって複数列に区分けした状態で、図1に示すネットコンベア11によって搬送する。
【0027】
なお、通常の装置には、ネットコンベア11によって搬送される生麺線をα化するための蒸し機が設置されるが、本発明の装置では生麺線をα化しないので、蒸し機を設ける必要はない。あるいは、蒸し機を外さない場合でも蒸し機に蒸気を通すことなく、単なる通路として用いる。
【0028】
その後、ネットコンベア11によって搬送された複数列の生麺線Sを、回転式のカッター13によって複数列にわたって一食分ずつに横にカットする。カットした複数列の一食分の生麺線Sを、シュート12に沿わせていったんダンパー14上に保持する。なお、カッター13は、必ずしも図1に示したようにシュート12の近傍に設ける必要はない。また、ネットコンベア11から後述するリテーナーへ生麺線を移すことができれば、シュート12およびダンパー14なども、必ずしも図1に示したような構成に限定されない。
【0029】
さらに、ダンパー14の下方には、チェーン式のリテーナーコンベア21に取り付けられた複数列の多数のリテーナー22が、油が満たされたフライヤー23に出入りするように循環駆動している。また、リテーナー22がフライヤー23に満たされた油に浸漬される前に、蓋コンベア(図示せず)で搬送される蓋(図示せず)をリテーナー22に被せるようになっている。
【0030】
ダンパー14上に保持していた複数列の一食分の生麺線Sを、リテーナー22の駆動に合わせたタイミングで複数列のリテーナー22に移して枠詰めし、フライヤー23への入り口側でリテーナー22に蓋をした状態で、フライヤー23に満たした油に浸漬し、生麺線Sを油揚げして油揚げ即席麺を製造する。フライヤー23の出口側でリテーナー22から蓋をはずした後に、リテーナー22内の油揚げ即席麺を搬出コンベア(図示せず)に移す。こうして空になったリテーナー22を循環駆動して、上記と同じ動作を繰り返す。
【0031】
本発明の製造装置は、ダンパー14からリテーナー22への生麺線Sの受入れ位置の近傍に設けられ、リテーナー22内の生麺線Sに水を噴霧して水を付着させる水噴霧装置を有する。図1においては、リテーナー22への生麺線Sの受入れ位置の前方でリテーナー22の内面に水を噴霧する第1の水噴霧装置15と、リテーナー22への生麺線Sの受入れ位置の後方でリテーナー22に枠詰めされた生麺線Sの上部に水を噴霧する第2の水噴霧装置16とを設けている。第1の水噴霧装置15からリテーナー22の内面に噴霧された水は、リテーナー22に移された生麺線Sの下部に接して付着する。ただし、第2の水噴霧装置16によって、生麺線Sの上部だけでなく下部にも水を行き渡らせて付着させることができるのであれば、第1の水噴霧装置15は必ずしも設ける必要はない。また、本発明の製造装置は、フライヤー23の入り口近傍に設けられ、リテーナー22内の水が噴霧された生麺線に油をかける油シャワー装置17を有する。
【0032】
図1に示したように、本発明の他の態様に係る油揚げ即席麺の製造装置は、生麺線Sを搬送するネットコンベア11と、前記ネットコンベア11によって搬送される生麺線Sを一食分に切断するカッター13と、一食分に切断された生麺線Sを受け入れるリテーナー22と、リテーナー22を搬送するリテーナーコンベア21と、前記リテーナーコンベア21によって搬送されるリテーナー22を導入し、一食分に切断された生麺線Sを油揚げするフライヤー23とを有し、さらに、前記リテーナー22への生麺線Sの受入れ位置の近傍に設けられ、前記リテーナー22内の生麺線に水を付着させる水噴霧装置15、16と、前記フライヤー23への入り口近傍に設けられ、前記リテーナー22内の水を付着させた生麺線Sに油をかける油シャワー装置17とを有する。
【0033】
上記のように、本発明の油揚げ即席麺の製造方法および製造装置は、生麺線を蒸したり茹でたりしてα化する工程を含まないので、低エネルギーで油揚げ即席麺製品を製造することができ、省エネルギーを達成でき、製造のためのランニングコストを抑えることができ、設備投資コストも低く抑えられる。しかも、リテーナー内部および枠詰めされた生麺線の上部に水を噴霧して付着させ、油シャワー処理を行った後に、油に浸漬して油揚げすることによって、製造された油揚げ即席麺の強度を向上させることができるとともに、官能評価値を損なうこともない。この結果、油揚げ即席麺の麺塊をカップ麺または袋麺として流通させる場合、輸送時に製品が振動や落下などを受けても、油揚げ即席麺の麺塊の一部が欠けて損傷する割合を低減させることができる。
【実施例
【0034】
以下、実施例に基づいて本発明を更に説明する。
以下においては、製造した油揚げ即席麺について、湯戻しした後にその食感の官能評価試験を行った。官能評価試験では、訓練された専門パネラー5名が、各々の麺のほぐれ、復元性、滑らかさ、硬さ、および弾力性を5点法で評価した。また、総合評価は、トータルバランスで麺の食感を評価しており、個々の評価項目とは独立した評価項目である。評点は次の通りである。5=非常によい、4=やや良い、3=良い、2=やや悪い、1=悪い。以下の各表においては、専門パネラー5名の評点の平均値を示す。
【0035】
予備実験例1~8および参照例1~2
最初に、特許文献1よりも、さらに省エネルギー効果を向上させることを試みた。そのために、生麺線を油に浸漬して油揚げする前に生麺線に油シャワー処理を行うことで、従来の油揚げ時間の一部を、油シャワー時間で代替して、従来よりも油揚げ時間を短縮することによって、省エネルギー効果を向上させる予備実験を行った。
【0036】
予備実験例1
小麦粉370g、そば粉310g、でん粉200gおよびグルテン120gからなる麺の主原料1kgをミキサーに投入した。一方、水340mL(主原料100質量部に対して34質量部)に、副原料として食塩15g、リン酸ナトリウム8g、アルギン酸2gおよびペクチン5gを加えて撹拌溶解して副原料の水溶液を調製した。前記ミキサー内の主原料に副原料の水溶液を加え、混練してそば生地を得た。得られたそば生地をロール圧延して0.88mmの厚さとし、20番角刃で切り出して幅1.5mmの生麺線を得た後、この生麺線を一食分の定量にカットした。カットした一食分の生麺線をリテーナーに移して枠詰めした。次に、生麺線を枠詰めしたリテーナー全体に、105℃に加温したパーム油を流量172g/secで5秒間、満遍なくかけて、油揚げ前の油シャワー処理を行った。さらに、リテーナーに蓋をし、フライヤーに満たした145℃のパーム油に1分30秒間浸漬して油揚げし、予備実験例1の油揚げ即席麺を得た。
【0037】
予備実験例2~8
予備実験例1と同じ主原料、水および副原料を用い、予備実験例1と同様な方法により、生麺線を得てリテーナーに枠詰めした後、予備実験例1と同様に105℃に加温したパーム油を流量172g/secの条件で、処理時間8秒、9秒、10秒、20秒、30秒、60秒または90秒とした以外は予備実験例1と同様に満遍なくかけて、油揚げ前の油シャワー処理を行った。さらに、リテーナーに蓋をし、フライヤーに満たした145℃のパーム油に1分30秒間浸漬して油揚げし、予備実験例2~8の油揚げ即席麺を得た。
【0038】
参照例1
予備実験例1と同じ主原料、水および副原料を用い、予備実験例1と同様な方法により、生麺線を得てリテーナーに枠詰めした後、油シャワー処理を実施せずにフライヤーに満たした120~150℃の範囲で温度勾配をつけたパーム油に2分間浸漬して油揚げし、参照例1の油揚げ即席麺を得た。
【0039】
参照例2
予備実験例1と同じ主原料、水および副原料を用い、予備実験例1と同様な方法により、生麺線を得た後、油シャワー処理を実施せずにフライヤーに満たした145℃のパーム油に1分30秒間浸漬して油揚げし、参照例2の油揚げ即席麺を得た。
【0040】
製造した予備実験例1~8および参照例1~2の油揚げ即席麺について官能評価試験を行った結果を下記の表1に示す。
【0041】
表1から、官能評価試験の総合評価およびかける油の温度を考慮しつつ省エネルギー効果を検討すると、油シャワー時間を5秒以上60秒以下とすることが好ましく、9秒以上30秒以下とすることがより好ましく、9秒以上20秒以下とすることがさらに好ましいことがわかる。すなわち、たとえば予備実験例3~5の場合には、油シャワー時間と油揚げ時間(1分30秒)との合計が1分39秒~1分50秒となり、最も製造効率の向上が見込まれる。
【0042】
【表1】
【0043】
予備実験例9~21
予備実験例1と同じ主原料、水および副原料を用い、予備実験例1と同様な方法により、生麺線を得てリテーナーに枠詰めした後、パーム油の温度を90℃から150℃まで5℃きざみで変化させた以外、予備実験例3と同様に流量172g/secで9秒間、満遍なくかけて、油シャワー処理を行った。さらに、リテーナーに蓋をし、フライヤーに満たした145℃のパーム油に1分30秒間浸漬して油揚げし、予備実験例9~21の油揚げ即席麺を得た。
【0044】
製造した予備実験例9~21の油揚げ即席麺について官能評価試験を行った結果を下記の表2に示す。
【0045】
表2から、油シャワー処理に用いる油の温度は、95℃以上140℃以下が好ましく、105℃以上125℃以下がより好ましいことがわかる。
【0046】
【表2】
【0047】
実施例1~8および比較例1~2
水付着および油シャワーの工程を加えたことによる効果を検討した。
【0048】
実施例1
小麦粉370g、そば粉310g、でん粉200gおよびグルテン120gからなる麺の主原料1kgをミキサーに投入した。一方、水340mL(主原料100質量部に対して34質量部)に、副原料として食塩15g、リン酸ナトリウム8g、アルギン酸2gおよびペクチン5gを加えて撹拌溶解して副原料の水溶液を調製した。前記ミキサー内の主原料に副原料の水溶液を加え、混練してそば生地を得た。得られたそば生地をロール圧延して0.88mmの厚さとし、20番角刃で切り出して幅1.5mmの生麺線Sを得た後、生麺線Sを蒸したり茹でることによりα化することなく、生麺線Sをカッター13により一食分の定量にカットした。予めリテーナー22の内面に第1の水噴霧装置15から水1gを噴霧し、カットした一食分の生麺線Sをダンパー14からリテーナー22に移して枠詰めし、さらに枠詰めした生麺線Sの上部に第2の水噴霧装置16から水1gを噴霧して水を付着させた。次に、生麺線Sを枠詰めしたリテーナー22全体に、105℃に加温したパーム油を流量172g/secで9秒間、満遍なくかけて、油揚げ前の油シャワー処理を行った。さらに、リテーナー22に蓋をし、フライヤー23に満たした145℃のパーム油に1分30秒間浸漬して油揚げし、実施例1の油揚げ即席麺を得た。
【0049】
実施例2~8
実施例1と同じ主原料、水および副原料を用い、実施例1と同様な方法により生麺線を得た後、生麺線の一食分の定量へのカット、第1の水噴霧装置15からリテーナー22内面への水噴霧、切り出した生麺線のリテーナー22への枠詰め、および第2の水噴霧装置16から枠詰めした生麺線の上部への水噴霧を行う際に、2回の水の噴霧量を2gずつ、3gずつ、4gずつ、5gずつ、6gずつ、7gずつ、または8gずつに変化させた。これ以降は、実施例1と同様な方法により油揚げ前の油シャワー処理および油揚げを行い、実施例2から実施例8の油揚げ即席麺を製造した。
【0050】
なお、実施例1~8と同じ条件で、別途に、生麺線の一食分の定量へのカット、第1の水噴霧装置15からリテーナー22内面への水噴霧、切り出した生麺線のリテーナー22への枠詰め、および第2の水噴霧装置16から枠詰めした生麺線の上部への水噴霧の工程のみを行い、水噴霧の前と後とで生麺線の重量変化を調べ、水噴霧による生麺線への水の付着量を計算した。
【0051】
比較例1
実施例1と同じ主原料、水および副原料を用い、実施例1と同様な方法により生麺線を得て、一食分の定量をリテーナーに枠詰めし、水噴霧をせずに、実施例1と同様な方法により油シャワー処理および油揚げを行い、比較例1の油揚げ即席麺を製造した。
【0052】
比較例2
実施例1と同じ主原料、水および副原料を用い、実施例1と同様な方法により生麺線を得た。得られた生麺線を従来の方法に従って100℃の蒸気で2分間蒸煮することでα化し、調味液シャワーをかけ、一食分の定量をリテーナーに枠詰めした後、フライヤーに満たした145℃のパーム油に2分間浸漬して油揚げし、比較例2の油揚げ即席麺を製造した。
【0053】
[油揚げ即席麺の評価]
(1)製造した実施例1~8および比較例1~2の油揚げ即席麺について官能評価試験を行った。
【0054】
(2)製造した実施例1~8および比較例1~2の油揚げ即席麺について、衝撃試験に含まれる自由落下試験(以下、落下試験と記載)および振動試験を行い、麺塊から麺線が欠けることによる麺塊の損傷の状況を調べた。
【0055】
落下試験および振動試験にあたっては、油揚げ即席麺の麺塊をカップ型包材に入れ、スープなどの添付品を載せ、蓋をしてシュリンク包材で覆った後、包装材(段ボール箱)にカップ容器に包装された麺を12食入れて製品形態にしたものを用意した。
【0056】
(2-1)落下試験の実施方法は以下のとおりである。上記の形態の段ボール箱を用い、JIS Z0200:2013の8.5.4人力による荷扱い(自由落下試験)のレベルIIIを参考にし、下記表3に示した落下手順で、段ボール箱を40cmの高さから10回にわたって自由落下させた。
【0057】
【表3】
【0058】
(2-2)振動試験の実施方法は以下のとおりである。上記の形態の段ボール箱を用い、JIS Z0232に準ずる振動試験機(IMV社製、低騒音小型振動試験機m-series、型式:m060)を用いた固定試験90分および跳ね上げ試験20分のランダム振動試験を行った。
【0059】
落下または振動による衝撃により麺塊から麺線が欠けて損傷した麺線を「欠け麺」として、麺総重量と欠け麺重量から下記の計算式により損傷率(%)を算出した。
【0060】
損傷率(%)=欠け麺重量(g)÷麺総重量(g)×100
実施例1~8および比較例1~2の油揚げ即席麺についての官能評価試験、落下試験および振動試験の結果をまとめて下記の表4に示す。
【0061】
表4から以下のことがわかる。すなわち、官能評価試験のうち総合評価およびほぐれなどの個々の項目を検討すると、第1および第2の水噴霧装置からの噴霧量は各々6g以下(水付着量8g以下)が好ましく、5g以下(水付着量6.2g以下)がより好ましく、1~4g(水付着量1g以上5.1g以下)がさらに好ましいと判断できる。一方、落下試験結果を検討すると、水噴霧量を2~8g(水付着量2g以上10g以下)とするのが適正であると判断できる。振動試験は落下試験ほど影響が大きくないので、落下試験結果を優先的に考慮すればよいと判断できる。全ての結果を考慮すると、第1および第2の水噴霧装置からの噴霧量を各々2~6g(水付着量2g以上8g以下)とするのが適正であると結論できる。2g以上8g以下という水付着量を、一食分の生麺線の重量に対して生麺線に付着させる水重量の比率で表すと、約1/40~1/10となる。
【0062】
【表4】
【0063】
補足試験例1~5
以下のようにして、原料中の水の量が、油揚げ即席麺のα化度および官能評価試験に及ぼす影響を検討した。
【0064】
実施例1と同じ主原料、副原料を用い、副原料を溶解させる水の量を、主原料100質量部に対して28、31、34(既述した実施例1)、37、40、または43質量部と変化させ、実施例1と同様な方法により、生麺線をリテーナーへ枠詰めし、生麺線に水を付着させ、油シャワー処理を行った後に油揚げし、補足試験例1~5の油揚げ即席麺を得た。
【0065】
[油揚げ即席麺の評価]
(1)補足試験例1~5ならびに既述した実施例1および比較例2の油揚げ即席麺について、グルコアミラーゼ第二法によるα化度の測定を日本食品分析センターに依頼した。
【0066】
(2)補足試験例1~5で製造した油揚げ即席麺についても官能評価試験を行った。
【0067】
これらの油揚げ即席麺のα化度および官能評価試験の結果をまとめて下記表5に示す。
【0068】
表5から、比較例2を除外して、原料中の水の量が増加するにつれて油揚げ即席麺のα化度が高くなることがわかる。α化度が低すぎると、弾力および総合評価が低下し、α化度が高すぎると、ほぐれおよび総合評価が低下する。表5の結果から、油揚げ即席麺のα化度は50~73%が好ましく、50~67%がより好ましい。
【0069】
【表5】
【0070】
表4および表5の結果を総合的に判断すると、本発明に係る油揚げ即席麺は、α化度が50~73%、振動試験損傷率が0.3%以下、落下試験損傷率が3.6%以下であることが好ましい。
【0071】
実施例9~14
そば以外の麺種で、水付着および油シャワー処理を加えたことによる効果を検討した。
【0072】
実施例9
小麦粉490g、でん粉430g、グルテン80gからなる麺の主原料1kgをミキサーに投入した。一方、水435mL(主原料100質量部に対して43.5質量部)に、副原料として食塩20g、リン酸ナトリウム10g、増粘多糖類5gを加えて撹拌溶解して副原料の水溶液を調製した。前記ミキサー内の主原料に副原料の水溶液を加え、混練してうどん生地を得た。得られたうどん生地をロール圧延して1.30mmの厚さとし、10番角刃で切り出して幅3mmの生麺線を得た後、生麺線を蒸したり茹でることによりα化することなく、生麺線を一食分の定量にカットした。予めリテーナーの内面に水2gを噴霧し、カットした一食分の生麺線をリテーナーに移して枠詰めし、さらに枠詰めした生麺線の上部に水2gを噴霧した。これ以降は、実施例1と同様な方法により油シャワー処理および油揚げを行い、実施例9の油揚げ即席麺を得た。
【0073】
実施例10~11
実施例9と同じ主原料、水および副原料を用い、実施例9と同様な方法により、生麺線を得た後、リテーナー内面への水噴霧および枠詰めした生麺線の上部への水噴霧を4gずつまたは6gずつにしたこと以外は、実施例1と同様な方法により油シャワー処理および油揚げし、実施例10および11の油揚げ即席麺を得た。
【0074】
実施例12
小麦粉490g、でん粉430g、グルテン80gからなる麺の主原料1kgをミキサーに投入した。一方、水435mL(主原料100質量部に対して43.5質量部)に、副原料として食塩20g、かんすい5g、増粘多糖類5gを加えて撹拌溶解して副原料の水溶液を調製した。前記ミキサー内の主原料に副原料の水溶液を加え、混練してラーメン生地を得た。得られたラーメン生地をロール圧延して1.36mmの厚さとし、22番丸刃で切り出して幅1.36mmの生麺線を得た後、生麺線を蒸したり茹でることによりα化することなく、生麺線を一食分の定量にカットした。予めリテーナーの内面に水2gを噴霧し、カットした一食分の生麺線をリテーナーに移して枠詰めし、さらに枠詰めした生麺線の上部に水2gを噴霧した。これ以降は、実施例1と同様な方法により油シャワー処理および油揚げを行い、実施例12の油揚げ即席麺を得た。
【0075】
実施例13~14
実施例12と同じ主原料、水および副原料を用い、実施例12と同様な方法により、生麺線を得た後、リテーナー内面への水噴霧および枠詰めした生麺線の上部への水噴霧を4gずつまたは6gずつにしたこと以外は、実施例1と同様な方法により油シャワー処理および油揚げし、実施例13および14の油揚げ即席麺を得た。
【0076】
製造した実施例9~14の油揚げ即席麺について官能評価試験を行った結果を下記の表6に示す。
【0077】
表6から、うどんやラーメンにもそばと同等の官能評価試験効果が得られることを実証できた。
【0078】
【表6】
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 主原料に水を加え、混練して麺生地を得て、生麺線を切り出す工程と、前記生麺線をα化することなく、前記生麺線に水を付着させ、油シャワー処理を行った後、油に浸漬して油揚げする工程とを有する、油揚げ即席麺の製造方法。
[2] 前記生麺線に付着させる水の重量が、一食分の生麺線の重量の1/40~1/10である、[1]に記載の油揚げ即席麺の製造方法。
[3] 水を付着させた前記生麺線にかける油の温度が95℃以上140℃以下である、[1]または[2]に記載の油揚げ即席麺の製造方法。
[4] 前記油揚げ即席麺のα化度が50%以上73%以下である、[1]から[3]のいずれかの1項に記載の油揚げ即席麺の製造方法。
[5] 生麺線を搬送するネットコンベアと、前記ネットコンベアによって搬送される生麺線を一食分に切断するカッターと、一食分に切断された生麺線を受け入れるリテーナーと、前記リテーナーを搬送するリテーナーコンベアと、前記リテーナーコンベアによって搬送されるリテーナーを導入し、一食分に切断された生麺線を油揚げするフライヤーとを有する油揚げ即席麺の製造装置であって、
さらに、前記リテーナーへの生麺線の受入れ位置の近傍に設けられ、前記生麺線に水を付着させる水噴霧装置と、前記フライヤーへの入り口近傍に設けられ、前記リテーナー内の水を付着させた生麺線に油をかける油シャワー装置とを有する、油揚げ即席麺の製造装置。
[6] α化度が50%以上73%以下、振動試験損傷率が0.3%以下、落下試験損傷率が3.6%以下である、油揚げ即席麺。
【符号の説明】
【0080】
1…油揚げ即席麺の製造装置、11…ネットコンベア、12…シュート、13…カッター、14…ダンパー、15…第1の水噴霧装置、16…第2の水噴霧装置、17…油シャワー装置、21…リテーナーコンベア、22…リテーナー、23…フライヤー、S…生麺線。
図1