(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】清掃キット及び収納キット
(51)【国際特許分類】
B08B 1/00 20060101AFI20230828BHJP
B65D 77/26 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
B08B1/00
B65D77/26
(21)【出願番号】P 2019169209
(22)【出願日】2019-09-18
【審査請求日】2021-08-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト/トリリオンノード・エンジンの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿川 謙一
(72)【発明者】
【氏名】二宮 良次
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 稔
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3206301(JP,U)
【文献】特開2009-160024(JP,A)
【文献】特開平02-180666(JP,A)
【文献】実開昭54-061601(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00
B65D 77/26
H05K 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに配置され、第1開口部を有する第1袋と、
前記ケースにおいて前記第1袋と離間して配置され、前記第1開口部と対向する第2開口部を有する第2袋と、
前記第1袋内に設けられた第1清掃パッド及び第2清掃パッドと、
を備え、
前記第1清掃パッドと前記第2清掃パッドとは、形状が異なっており、前記第1袋内において対向している、収納キット。
【請求項2】
前記第1清掃パッドは、不織布であり、
前記第2清掃パッドは、繊維群が植毛された植毛シートである、
請求項
1に記載の収納キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、モジュール基板の清掃キット及び収納キットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(internet of things)端末を構成するための規格化されたモジュール基板が開発されている。モジュール基板の各々は、例えば、センシング、通信、電源などの単機能を有しており、これらモジュール基板を組み合わせることで、所望の機能を有するIoT端末が実現される。
【0003】
上記のIoT端末において、モジュール基板は、一例では、導電性を有するコネクタを介して積層される。これにより、複数のモジュール基板が連結されるとともに電気的に接続される。このようなIoT端末は、任意にモジュール基板を組み合わせることができるため、開発の自由度が高い。一方で、モジュール基板の導電パッドやコネクタの導電部に埃などが付着している場合、モジュール基板間の導通不良が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-582号公報
【文献】特開2011-85642号公報
【文献】特開昭62-49984号公報
【文献】実開昭63-169486号公報
【文献】実開昭59-20636号公報
【文献】実開昭60-177037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、モジュール基板を容易に清掃することが可能な清掃キット及び収納キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、清掃キットは、第1スタンドと、第2スタンドと、第1清掃パッドと、第2清掃パッドと、前記第1スタンドと前記第2スタンドとが載置される受け皿と、を備えている。第1スタンドは、第1面を有している。第2スタンドは、第1面と離間して対向した第2面を有している。第1清掃パッドは、第1面に設けられている。第2清掃パッドは、第2面に設けられ、第1清掃パッドと対向している。第1清掃パッドと第2清掃パッドとは、形状が異なっている。第1清掃パッドは、アルコールを含んでいる。
【0007】
一実施形態によれば、収納キットは、ケースと、ケースに配置された第1袋と、ケースにおいて第1袋と離間して配置された第2袋と、第1袋内に設けられた第1清掃パッド及び第2清掃パッドと、を備えている。第1袋は、第1開口部を有している。第2袋は、第1開口部と対向する第2開口部を有している。第1清掃パッドと第2清掃パッドとは、形状が異なっており、第1袋内において対向している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る清掃キットの一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、清掃キットに挿入されるモジュール基板の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すモジュール基板を清掃している様子を示す図である。
【
図5】
図5は、清掃キットの他の例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、清掃キットの他の例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す清掃キットにモジュール基板が挿入される様子を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る清掃キットの一例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す清掃キットによってモジュール基板を清掃する様子を示す図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る収納キットの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る清掃キットについて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る清掃キット10の一例を示す斜視図である。図に示す第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交しており、第3方向Zは、高さ方向に相当する。
図1に示すように、清掃キット10は、対向して配置された第1スタンド11及び第2スタンド12、第1スタンド11及び第2スタンド12を固定する平板状の台座13、第1スタンド11に設けられた第1清掃パッド1、及び第2スタンド12に設けられた第2清掃パッド2、を備えている。
【0011】
第1スタンド11、第2スタンド12、及び台座13は、例えばアルミニウム等の金属、または樹脂によって形成されている。第1スタンド11と第2スタンド12とは、第1方向Xに沿って並び、台座13にねじ止め又は接着材によって固定されている。第1スタンド11は、台座13と交差する方向に延出した側壁111と、台座13に固定される底壁112とを有している。側壁111は、台座13の上面13Aと垂直な第1面11Aを有している。第2スタンド12は、台座13と交差する方向に延出した側壁121と、台座13に固定される底壁122とを有している。側壁121は、台座13の上面13Aと垂直な第2面12Aを有している。第1面11Aと第2面12Aとは、一例では、いずれもY-Z平面と平行であり、互いに対向している。なお、第1スタンド11及び第2スタンド12の形状は、図示した例に限定されない。例えば、第1スタンド11及び第2スタンド12は、平板状でもよく、底壁112及び122は、省略されてよい。この場合、側壁111及び121が台座13に固定される。
【0012】
第1清掃パッド1は、第1面11Aに設けられている。第2清掃パッド2は、第2面12Aに設けられている。第1清掃パッド1と第2清掃パッドとは、第2方向Yに沿って延出した帯状に形成され、互いに対向している。図示した例では、第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とは、それぞれ第1面11A及び第2面12Aの上側の領域、すなわち台座13から離間する側に配置されている。本実施形態において、第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とは、形状が異なっている。第1清掃パッドは、例えば不織布である。第2清掃パッド2は、例えば植毛シート(植毛テープ)である。
【0013】
図2は、
図1に示す清掃キット10の断面図である。第1面11Aと第2面12Aとは、間隔(第1間隔)IT1を置いて対向している。間隔IT1は、例えば8mm以上10mm以下である。第2清掃パッド2は、第2面12Aに接着されたシート2aと、シート2aに植毛された繊維群2bとを有している。繊維群2bは、一例では、ポリプロピレン等の樹脂によって形成されているが、繊維群2bは、除電作用を有することが好ましい。繊維群2bは、第2面12Aと交差する方向に沿って延出している。繊維群2bの長さL2は、例えば5mm以上7mm以下である。また、第1清掃パッド1と第2清掃パッド2との間隔(第2間隔)IT2は、例えば1mm以上3mm以下である。なお、間隔IT1は、上記の例に限定されず、使用者が任意に調整することができる。
【0014】
図3は、清掃キット10に挿入されるモジュール基板40の一例を示す斜視図である。
図3(a)及び(b)に示すように、モジュール基板40は、平板状の回路基板41と、回路基板41に実装された複数の電子部品D1、D2及びD3と、回路基板41に嵌合されたゴムコネクタ42と、を備えている。
図3(a)は、回路基板41の面41A側を示し、
図3(b)は、面41Aと反対の面41B側を示している。
【0015】
図3(a)及び(b)に示すように、回路基板41は、略正方形であり、平行する一対の辺S1及びS2と、一対の辺S3及びS4とを有している。辺S1、S2、S3及びS4の長さは、互いに等しい。なお、回路基板41の形状は、図示した例に限定されない。例えば、回路基板41は、略長方形状でもよく、辺S1及びS2の長さと、辺S3及びS4の長さとは、異なっていてもよい。また、回路基板41は、辺S2に沿って並ぶ複数の導電パッドPDと、導電パッドPDの両側に設けられた一対の貫通孔H1を備えている。複数の導電パッドPDは、例えば2列に並んで配置され、面41A及び41Bの双方に設けられている。
【0016】
図示した例では、電子部品D1は、面41Aに実装され、電子部品D2及びD3は、面41Bに実装されている。なお、回路基板41に実装される電子部品の種類、形状、数、及び配置は、図示した例に限定されない。すなわち、回路基板41に実装される電子部品は、所望の機能に応じて適宜に変更される。
【0017】
図3(a)及び(b)に示すように、ゴムコネクタ42は、コネクタ部421と、コネクタ部421を保持するホルダ422と、を有している。
【0018】
コネクタ部421は、例えば、シリコーン樹脂により直方体形状に形成された支持体421aと、支持体421a内に埋め込まれた複数本の導電ピン421bとを有している。複数本の導電ピン421bは、例えば2列に並んで配置されている。各導電ピン421bの一端及び他端は、支持体421aの上面及び下面にそれぞれ露出し、あるいは、それぞれ上面及び下面から僅かに突出している。
【0019】
ホルダ422は、例えば、シリコーン樹脂により細長い直方体形状に形成されている。ホルダ422は、長手方向の中央に形成された開口部OP42と、開口部OP42の両側に設けられた一対の貫通孔H2と、長手方向の両端部に突設された複数の係合爪、及び切欠き部NTと、を有している。複数の係合爪は、回路基板41の側縁部に係合する係合爪422aと、他のモジュール基板40のゴムコネクタ42に係合可能な係合爪422bとを含んでいる。コネクタ部421は、ホルダ422の開口部OP42に嵌合され、ホルダ422に保持されている。
【0020】
ゴムコネクタ42は、ホルダ422の係合爪422aが回路基板41の側縁部に係合した状態で回路基板41に装着されている。図示した例では、4つの係合爪422aが回路基板41の辺S2、S3及びS4に係合している。ゴムコネクタ42が回路基板41に装着された状態において、コネクタ部421は、回路基板41の導電パッドPD群に対向している。各導電ピン421bの一端は対応する導電パッドPDに当接し、導電ピン421bの他端は、ゴムコネクタ42の面42Aに露出している。
【0021】
例えばIoT端末を構成する場合、複数のモジュール基板40は、積層され、物理的及び電気的に接続される。このとき、係合爪422bが他のモジュール基板40の切欠き部NTに係合される。また、ゴムコネクタ42の面42Aに露出した導電ピン421bは、他のモジュール基板40の回路基板41の面41Bに形成された導電パッドPDと当接される。なお、回路基板41の貫通孔H1とゴムコネクタ42の貫通孔H2とは連通しており、ここにねじを通すことで複数のモジュール基板40を固定することができる。
【0022】
図4は、
図3に示すモジュール基板40を清掃している様子を示す図である。ここでは、回路基板41に実装される電子部品の図示を省略している。
図4に示すように、モジュール基板40は、ゴムコネクタ42側(すなわち回路基板41の辺S2側)が清掃キット10の第1スタンド11と第2スタンド12との間に挿入される。
【0023】
モジュール基板40が挿入された際、ゴムコネクタ42の面42Aは、例えば不織布からなる第1清掃パッド1と対向する。したがって、清掃キット10の使用者が例えば第1面11Aに沿ってモジュール基板40を動かした際に、面42Aに付着した埃などが第1清掃パッド1によって拭き取られる。これにより、面42Aに露出した導電ピン421bの表面が清掃される。
【0024】
一方、回路基板41の面41B側は、例えば植毛シートからなる第2清掃パッド2と対向する。係合爪422bは、面41Bよりも外側に突出しているが、第2清掃パッド2が繊維群2bを有しているため、繊維群2bは、係合爪422bに阻まれることなく、面41Bと接することができる。したがって、清掃キット10の使用者が例えば第2面12Aに沿ってモジュール基板40を動かした際に、面41Bに付着した埃などが繊維群2bによって掻き出される。これにより、面41Bに形成された導電パッドPDの表面が清掃される。
【0025】
図示した例では、モジュール基板40の挿入時、ゴムコネクタ42の面42Aが第1清掃パッド1と接するとともに、回路基板41の面41Bが第2清掃パッド2と接している。すなわち、面42Aと面41Bとが同時に清掃される。このように効率的に清掃できるため、上述したように間隔IT2は、例えば1mm以上3mm以下であることが好ましい。しかしながら、清掃キット10は、面42Aと面41Bとが一方ずつ清掃されるように構成されてもよい。すなわち、面42Aが第1清掃パッド1によって清掃される間、面41Bは、第2清掃パッド2から離間し、面41Bが第2清掃パッド2によって清掃される間、面42Aは、第1清掃パッド1から離間していてもよい。
【0026】
第1実施形態によれば、清掃キット10は、互いに対向した形状の異なる清掃パッドを備えている。すなわち、第1スタンド11の第1面11Aは、例えば不織布である第1清掃パッド1を備え、第2スタンド12の第2面12Aは、例えば繊維群2bが植毛された植毛シートからなる第2清掃パッド2を備えている。
【0027】
モジュール基板40が清掃キット10に挿入された際、シリコーン樹脂からなるゴムコネクタ42の面42Aは、第1清掃パッド1と対向する。第1清掃パッド1が例えば不織布であるため、比較的摩擦力の大きいシリコーン樹脂の表面に対しても、繊維屑などを出すことなく面42Aを清掃することができる。すなわち、面42Aに露出した導電ピン421bに付着した埃などを除去することができる。この結果、モジュール基板40を積層した際に、当該モジュール基板40の導電ピン421bと、他のモジュール基板40の導電パッドPDとの間で生じ得る導通不良を抑制することができる。
【0028】
一方、モジュール基板40が清掃キット10に挿入された際、回路基板41の面41Bは、第2清掃パッド2と対向する。第2清掃パッド2が例えば植毛シートであるため、面41B側において、導電パッドPDと、導電パッドPDも突出した係合爪422bとが混在する場合であっても、導電パッドPDと係合爪422bとを清掃することができる。すなわち、第2清掃パッド2が有する繊維群2bによって、面41Bからの距離が異なる導電パッドPDと係合爪422bの双方を清掃することができる。したがって、面41Bにおいて導電パッドPDに付着した埃などを除去することができる。この結果、モジュール基板40を積層した際に、当該モジュール基板40の面41Bに形成された導電パッドPDと、他のモジュール基板40の導電ピン421bとの間で生じ得る導通不良を抑制することができる。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、モジュール基板40の面41A側と面41B側の材質及び形状が異なる場合であっても、面41A側と面41B側の双方を容易に清掃することができる。
【0030】
次に、
図5乃至
図7を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。
【0031】
図5は、清掃キット10の他の例を示す斜視図である。
図5に示す例は、清掃キット10が受け皿14をさらに備えている点で、
図1に示す例を相違している。一例では、受け皿の深さ(側面の高さ)は、台座13の高さよりも大きい。
図5に示す例において、第1清掃パッド1は、例えばプロパノール等のアルコールを含んでいる。
【0032】
図5に示す例においても、互いに対向し、且つ形状の異なる第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とを備えているため、
図1に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、
図5に示す例によれば、第1清掃パッド1がアルコールを含むため、ゴムコネクタ42の面42Aに付着した汚れをさらに容易に落とすことが可能になる。また、受け皿14が備えられているため、第1清掃パッド1にアルコールを含ませる際、又はアルコールを含ませた後に、液だれ等が生じた場合であっても、アルコールが清掃キット10以外の部材に付着することを防ぐことができる。
【0033】
図6は、清掃キット10の他の例を示す斜視図である。
図6に示す例は、清掃キット10が誤使用抑止用の可撓シート15を備えている点で、
図1に示す例と相違している。可撓シート15は、例えばポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン等の樹脂からなり、可撓性を有している。可撓シート15は、図において斜線を付して示したように、第1スタンド11の上面11Bに接着されている。可撓シート15は、第1面11Aよりも第2スタンド12側に延出しているが、第2スタンド12と接していない。図示した例では、可撓シート15は、略長方形状であり、第2方向Yに沿った長さは、第1スタンド11の第2方向Yに沿った長さと等しい。
【0034】
図7は、
図6に示す清掃キット10にモジュール基板40が挿入される様子を示す図である。ここでは、モジュール基板40は、第3方向Zに沿って下方に挿入されるものとする。可撓シート15は、モジュール基板40の挿入時に下方に撓み、モジュール基板40の挿入が終わると復元する。
図7(a)は、モジュール基板40を正しい向きで挿入した場合を示し、
図7(b)は、モジュール基板40を誤った向きで挿入した場合を示している。
【0035】
図7(a)に示すように、回路基板41の面41Aが可撓シート15と対向するようにモジュール基板40が挿入されると、ゴムコネクタ42の面42Aは、第1清掃パッド1に接し、回路基板41の面41Bは、第2清掃パッド2に接する。一方、
図7(b)に示すように、回路基板41の面41Bが可撓シート15と対向するようにモジュール基板40を挿入すると、ゴムコネクタ42の面42Aは、第2清掃パッド2と接するが、回路基板41の面41Bは、第1清掃パッド1と接しない。あるいは、この状態で面41Bを第1清掃パッドに近づけようとすると、
図7(a)の場合よりも大きい反発力を可撓シート15から受ける。さらに、図において破線で示すように、モジュール基板40が第3方向Zに対して傾く場合がある。したがって、清掃キット10の使用者は、モジュール基板40の挿入向きが誤っていることを認知することができる。
【0036】
図6に示す例においても、互いに対向し、且つ形状の異なる第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とを備えているため、
図1に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、
図6に示す例によれば、清掃キット10に挿入される際のモジュール基板40の向きによって第1清掃パッド1とモジュール基板40との距離が異なるため、モジュール基板40を誤った向きで挿入した場合の認知が容易になる。したがって、誤使用を抑止することができる。
【0037】
以上のように、第1実施形態によれば、容易に清掃することが可能な清掃キット10が提供される。
【0038】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る清掃キット20の一例を示す斜視図である。第2実施形態は、清掃キット20が蝶番型である点で、第1実施形態と相違している。すなわち、清掃キット20は、第1板21と、第2板22と、軸部23と、第1清掃パッド1と、第2清掃パッド2と、を備えている。
【0039】
第1板21と第2板22とは、軸部23に回動可能に支持されている。第1清掃パッド1は、第1実施形態と同様、例えば不織布であり、第1板21の面21Aに設けられている。第1清掃パッド1は、帯状に形成され、第1板21の端部E21に沿って延出している。ここで、端部E21は、一例では、軸部23と平行な端部のうち軸部23から離間する側の端部である。第2清掃パッド2は、第1実施形態と同様、例えば繊維群が植毛された植毛シートであり、第2板22の面22Aに設けられている。第2清掃パッド2は、帯状に形成され、第2板22の端部E22に沿って延出している。ここで、端部E22は、軸部23と平行な端部のうち、軸部23から離間する側の端部である。
【0040】
面21Aと面22Aとが対向する際、第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とは、互いに対向する。図示した例では、第1清掃パッド1の幅と第2清掃パッド2の幅はほぼ等しいが、異なっていてもよい。例えば、第1清掃パッド1は、面21Aの全体に亘って設けられていてもよい。
【0041】
図9は、
図8に示す清掃キット20によってモジュール基板40を清掃する様子を示す図である。使用者は、モジュール基板40を第1板21と第2板22との間に挟みこんだ後、例えばモジュール基板40を動かして清掃を行う。
【0042】
第2実施形態においても、清掃キット20が形状の異なる第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とを備えているため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2実施形態によれば、第1清掃パッド1が設けられた第1板21と第2清掃パッド2が設けられた第2板22とが軸部23を中心として回動可能であるため、使用者が清掃時にモジュール基板40への加圧量を調整することができる。また、モジュール基板40の挿入向きの確認が容易になる。
【0043】
以上のように、第2実施形態よれば、容易に清掃することが可能な清掃キット20が提供される。
【0044】
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態に係る収納キット300の一例を示す斜視図である。第3実施形態は、モジュール基板40を収納することができる点で、第1実施形態及び第2実施形態と相違している。
【0045】
収納キット300は、ケース50と、収納袋30と、を有している。ケース50は、底部51と、底部51の周縁に沿って設けられた外壁52と、区画壁53X及び53Yと、を備えている。区画壁53X及び53Yは、外壁52によって囲まれた領域をマトリクス状に配置された複数の領域に区画している。図示した例では、区画壁53Xは、第1方向Xに沿って延出し、区画壁53Yは、第2方向Yに沿って延出している。収納袋30の各々は、区画壁53X及び53Yによって区画された領域内に配置されている。収納袋30は、モジュール基板40を収納する。
【0046】
図11は、
図10に示す収納袋30の一例を示す図である。
図11は、収納袋30にモジュール基板40が収納されている様子を示している。収納袋30は、離間して配置された第1袋31と第2袋32とによって構成されている。第1袋31は、開口部OP1を有している。第2袋32は、開口部OP2を有している。第1袋31と第2袋32とは、開口部OP1と開口部OP2とが対向するように並んでいる。図示した例では、ゴムコネクタ42側は第1袋31に挿入され、回路基板41の辺S1側は第2袋32に挿入されている。
【0047】
第1袋31は、その内部に第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とを備えている。第1実施形態及び第2実施形態と同様、第1清掃パッド1は、例えば不織布であり、第2清掃パッド2は、例えば繊維群が植毛された植毛シートである。図示した例では、第1清掃パッド1及び第2清掃パッド2は、帯状に形成され、少なくともゴムコネクタ42と重なる領域に設けられている。図示した例では、第1清掃パッド1と第2清掃パッドとは、ほぼ等しい幅を有し、開口部OP1を規定する端部に沿って配置されている。
【0048】
第1袋31及び第2袋32は、いずれも非帯電性であることが好ましい。第1袋31及び第2袋32は、例えば粉末状又は繊維状の導電性材料が混合された合成樹脂によって形成されてもよく、金属層と合成樹脂層とを含む多層フィルムによって形成されていてもよい。なお、図示した例では、第1袋31と第2袋32とは、同じ大きさを有する同形状であるが、第1袋31及び第2袋32の大きさ及び形状は、互いに異なっていてもよい。
【0049】
図12は、
図11に示すA-A’線に沿った断面を模式的に示す図である。第1清掃パッド1と第2清掃パッド2は、第1袋31の内面に設けられ、第3方向Zに沿って対向している。本実施形態において、第2清掃パッド2は、ケース50の底部51側に位置している。図示した例では、第2清掃パッドは、底部51とほぼ平行に配置されている。
【0050】
モジュール基板40が収納袋30に収納された状態において、第1清掃パッド1は、ゴムコネクタ42の面42Aに接し、第2清掃パッド2は、回路基板41の面41Bに接する。このような第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とは、収納袋30内においてモジュール基板40を支持するとともに、外部からの衝撃を緩衝するための緩衝材としても機能する。
【0051】
第3実施形態によれば、収納キット300は、開口部OP1と開口部OP2とが対向するように配置された第1袋31及び第2袋32からなる収納袋30を有しており、モジュール基板40を収納することができる。第1袋31と第2袋32とは離間しているため、モジュール基板40を容易に収納袋30に収納することができる。
【0052】
さらに、第3実施形態によれば、第1袋31は、その内部に例えば不織布からなる第1清掃パッド1と、例えば植毛シートからなる第2清掃パッド2とを備えている。モジュール基板40が収納袋30に収納された状態において、ゴムコネクタ42の面42Aは、第1清掃パッド1に接する一方、回路基板41の面41Bは、第2清掃パッド2と接する。面41B側では、係合爪422bが面41Bよりも突出しているが、第2清掃パッド2が例えば植毛シートであるため、面41Bと係合爪422bの双方が第2清掃パッド2の繊維群と接することができる。この結果、モジュール基板40を第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とによって挟持することができ、収納袋30内のモジュール基板40の位置を安定させるとともに、外部からの衝撃を緩衝することができる。また、面42A及び面41Bへの埃などの付着を抑制することができる。
【0053】
さらに、モジュール基板40を収納袋30に対して出し入れすることで、ゴムコネクタ42の面42Aに付着した埃などを第1清掃パッド1によって除去することができ、回路基板41の面41Bに付着した埃などを第2清掃パッド2によって除去することができる。すなわち、モジュール基板40を第1袋31に対して出し入れすることで、面42Aに露出した導電ピン421bの表面と、面41Bに形成された導電パッドPDの表面の双方を清掃することができ、モジュール基板40間で生じ得る導通不良を抑制することができる。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、モジュール基板40の面41A側と面41B側の材質及び形状が異なる場合であっても、モジュール基板40を収納するとともに、面41A側と面41B側の双方を容易に清掃することができる。
【0055】
図13は、収納キットの他の例を示す斜視図である。
図13に示す収納キット301は、溝部にモジュール基板40を収納する点で、
図10に示す例と相違している。
【0056】
収納キット301は、例えばラバーによって形成された基材33と、第2清掃パッド2とを備えている。基材33は、第1方向Xに沿って並び、第2方向Yに沿って延出した複数の溝部TRを有している。溝部TRの第2方向Yに沿った長さは、モジュール基板40の第2方向に沿った長さよりも十分に大きい。第2清掃パッド2は、溝部TR内に配置され、第2方向Yに沿って延出している。モジュール基板40は、ゴムコネクタ42側が溝部TR内に挿入される。
【0057】
図14は、
図13に示す収納キット301の側面図である。基材33は、溝部TRを構成する第1側面33A及び第2側面33Bを有している。図示した例では、第1側面33A及び第2側面33Bは、Y-Z平面と平行である。第2清掃パッド2は、第2側面33Bに設けられている。本変形例において、第1側面33Aと第2清掃パッド2とは、形状が異なっている。モジュール基板40が溝部TRに挿入された状態において、ゴムコネクタ42の面42Aは、第1側面33Aに接し、回路基板41の面41Bは、第2清掃パッド2に接している。第1側面33Aと第2清掃パッド2とは、外部からの衝撃を緩衝するための緩衝材としても機能する。さらに、本変形例において、第1側面33Aは、
図12に示す第1清掃パッド1として機能する。
【0058】
図13に示す例によれば、収納キット301は、例えばラバーからなる基材33の第1側面33Aと第2清掃パッド2とによってモジュール基板40を挟持し、モジュール基板40を溝部TRに収納することができる。また、溝部TRの長さがモジュール基板40の長さよりも大きく、且つ複数の溝部TRが形成されているため、複数のモジュール基板40を任意の位置に容易に収納することができる。
【0059】
さらに、
図13に示す例によれば、モジュール基板40を溝部TRに対して出し入れすることで、面42Aに付着した埃などを第1側面33Aによって除去することができ、面41Bに付着した埃などを第2清掃パッド2によって除去することができる。すなわち、第1側面33Aが清掃パッドとして機能するため、不織布等の清掃パッドを第1側面に設ける必要がない。
図13に示す例においても、モジュール基板40を収納するとともに容易に清掃することができる。
【0060】
以上のように、第3実施形態によれば、モジュール基板40の面41A側と面41B側の材質及び形状が異なる場合であっても、モジュール基板40を収納するとともに、面41A側と面41B側の双方を容易に清掃することが可能な収納キットが提供される。
【0061】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものでなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0062】
例えば、第1実施形態において、第1スタンド11、第2スタンド12、及び台座13は、一体的に形成されていてもよい。また、第3実施形態において、第1袋31及び第2袋32の双方に第1清掃パッド1と第2清掃パッド2とが設けられていてもよい。また、
図13に示す変形例において、第1側面33Aに例えば不織布からなる第1清掃パッド1が設けられていてもよい。あるいは、第2清掃パッド2と基材33とが一体的に形成されてもよい。換言すると、第2清掃パッド2を設けずに、第1側面33Aと第2側面33Bとによってモジュール基板40が挟持されてもよい。この場合、第2側面33Bは、ブラシ状に、すなわち第2清掃パッド2が備える繊維群と同様の形状に形成される。
以下に、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)第1面を有する第1スタンドと、
前記第1面と離間して対向した第2面を有する第2スタンドと、
前記第1面に設けられた第1清掃パッドと、
前記第2面に設けられ、前記第1清掃パッドと対向する第2清掃パッドと、
前記第1スタンドと前記第2スタンドとが載置される受け皿と、
を備え、
前記第1清掃パッドは、アルコールを含み、
前記第1清掃パッドと第2清掃パッドとは、形状が異なっている、清掃キット。
(2)前記第1清掃パッドは、不織布であり、前記第2清掃パッドは、繊維群が植毛された植毛シートである、(1)に記載の清掃キット。
(3)前記繊維群の長さは、5mm以上7mm以下である、(2)に記載の清掃キット。
(4)前記第1清掃パッドと前記第2清掃パッドとの間隔は、1mm以上3mm以下である、(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の清掃キット。
(5)前記第1スタンドの上面に固定された可撓シートをさらに備え、
前記可撓シートは、前記第2スタンドから離間している、(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の清掃キット。
【符号の説明】
【0063】
1…第1清掃パッド、2…第2清掃パッド、2a…シート、2b…繊維群、10,20…清掃キット、11…第1スタンド、11A…第1面、12…第2スタンド、12A…第2面、14…受け皿、15…可撓シート、21…第1板、22…第2板、23…軸部、30…収納袋、31…第1袋、32…第2袋、33…基材、33A…第1側面、33B…第2側面、50…ケース、51…底部、300,301…収納キット、OP1,OP2…開口部。