(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】多重モダリティ身体組成分析
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20230828BHJP
A61B 5/053 20210101ALI20230828BHJP
【FI】
A61B6/00 333
A61B6/00 330Z
A61B5/053
(21)【出願番号】P 2019553575
(86)(22)【出願日】2018-03-22
(86)【国際出願番号】 US2018023817
(87)【国際公開番号】W WO2018183086
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-18
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(73)【特許権者】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン, ケビン イー.
(72)【発明者】
【氏名】シェパード, ジョン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ング, ベネット ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ギュータースロー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ファン, チャオ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー, トーマス エル.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワイス, ハワード
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0238957(US,A1)
【文献】国際公開第2016/177798(WO,A1)
【文献】Serghei Malkov et al.,"Combining 3D optical imaging and dual energy absorptiometry to measure three compositional components",Proceedings of SPIE the international Sociecy for Optical Engineering,2014年08月17日,8937: 893714,PMID:25083118
【文献】Joseph P Wilson et al.,"Improved 4-compartment body-composition model for a clinically accessible measure of total body protein 1-3",Am J Clin Nutr,vol. 97(3),2013年,pp. 497-504,PMID:23364008
【文献】A. DE LORENZO et al.,"Predicting body cell mass with bioimpedance by using theoretical methods: a technological review",J Appl Physiol,vol.82(5),1997年05月,pp.1542-1558,PMID:9134904
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
A61B 5/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体組成を決定するためのシステムであって、前記システムは、
走査標的の軸に沿って移動するように構成された支持構造体と、
前記支持構造体に搭載された二重エネルギーX線源であって、前記二重エネルギーX線源は、前記走査標的に向かって二重エネルギーX線を放出するように構成されている、二重エネルギーX線源と、
前記走査標的を通過後の前記二重エネルギーX線源から放出された前記二重エネルギーX線を検出するように構成されたX線検出器と、
前記支持構造体に搭載された第1の3D光学撮像デバイスであって、前記第1の3D光学撮像デバイスは、前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的の第1の側の3D光学画像を取得するように構成されている、第1の3D光学撮像デバイスと、
前記システムの一部に動作可能に接続された生体インピーダンス機械と
を備え、前記生体インピーダンス機械は、
セグメント化された生体インピーダンス分析を前記走査標的の
別個の身体部分に実施
し、前記実施されたセグメント化された生体インピーダンス分析の結果に基づいて、前記走査標的の前記別個の身体部分における水分量を決定するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記走査標的が位置付けられた光学的に半透明な患者支持台または壁をさらに備え、前記光学的に半透明な台は、前記二重エネルギーX線源と前記検出器との間に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記走査標的の重量を測定するための体重計をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記支持構造体は、第1のアームと第2のアームとを有し、前記第1のアームと前記第2のアームとは、走査標的の反対側に配置され、
前記第1の3D光学撮像デバイスは、前記第1のアームに搭載されており、
前記システムは、前記第2のアームに搭載された第2の3D光学撮像デバイスをさらに備え、前記第2の3D光学撮像デバイスは、前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的の第2の側を光学的に走査する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
処理デバイスをさらに備え、前記X線検出器および前記第1の3D光学撮像デバイスは、前記処理デバイスに通信可能に結合され、前記処理デバイスは、ピクセル毎に前記走査標的の厚さを算出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理デバイスは、ピクセル毎に、骨、脂肪組織、除脂肪組織、
および脱水除脂肪組
織から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定するようにさらに構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記生体インピーダンス機械は、前記処理デバイスに通信可能に結合されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、立位位置において患者を走査するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
走査標的の組成を決定する方法であって、前記方法は、
前記走査標的の走査経路に沿って、X線源、X線検出器、および少なくとも1つの3D光学撮像デバイスを移動させることと、
X線を前記X線源から放出することと、
前記X線が前記走査標的を通過した後、前記X線を検出することと、
前記X線の前記放出と実質的に
並行して、前記走査標的の3D光学画像を捕捉することと、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、ピクセル毎に前記走査標的の厚さを決定することと、
プロセッサによって、前記走査標的の前記厚さおよび前記検出されたX線に基づいて、少なくとも1つのピクセルに対して、骨、脂肪組織、除脂肪組織、
および脱水除脂肪組
織から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定することと、
セグメント化された生体インピーダンス分析を前記走査標的の
別個の身体部分に実施
し、前記実施されたセグメント化された生体インピーダンス分析の結果に基づいて、前記走査標的の前記別個の身体部分における水分量を決定することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記走査標的の前記厚さを決定することは、
前記X線源から前記厚さが計算されている所定のピクセルまで進行するX線の軌道を推定することと、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、前記所定のピクセルに対して、前記X線の前記推定された軌道に沿った前記走査標的の厚さを決定することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記走査標的の前記厚さを決定することは、
前記3D光学画像からの深度測定をグローバル座標空間と位置合わせし、前記グローバル座標空間における前記走査標的の3Dモデルを生成することと、
前記X線源と前記X線検出器との幾何学配置に基づいて、前記放出されたX線の軌道を前記グローバル座標空間において位置合わせすることと、
前記グローバル座標空間における前記放出されたX線の前記軌道および前記3Dモデルに基づいて、所定のピクセルに対して、前記走査標的の厚さを決定することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記走査標的の前記厚さを決定することは、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、人体のテンプレートを修正することと、
前記修正されたテンプレートに基づいて、前記人体の形状によって生じる前記人体の外部の空気間隙を識別することと、
少なくとも部分的に前記識別された空気間隙に基づいて、前記決定された厚さを調節することと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、前記走査標的のための総体積を決定することをさらに含み、前記少なくとも3つのコンパートメントの前記値を決定することは、前記総体積にさらに基づく、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、PCT国際特許出願として2018年3月22日に出願され、米国仮特許出願第62/480,017号(2017年3月31日出願)に対する優先権を主張し、上記出願の開示は、その全体において参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
患者の身体組成を理解することは、健康問題を診断し、健康関連指針を提供することにおける重要な側面であり得る。例えば、65歳以上の人物として定義される高齢米国人の人口が、総米国人口に比例して成長するにつれて、米国人口のこの亜集合に影響を及ぼす複雑な老化関連症候群をより深く理解し、診断し、治療することがますます重要になっている。加えて、競争が運動選手間で激化し続けるにつれて、パフォーマンスを改良するための効果的かつ効率的訓練プログラムの開発も、重要である。
【0003】
しかしながら、身体組成システムおよび方法は、これまで、そのようなシステムを診断し、パフォーマンス動態を評価することにおいて、それらの正確度および有用性において限定されている。例えば、デンシトメーターとしても知られる二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)機械は、一般に、患者の骨密度を決定するために使用されている。骨密度測定は、骨粗鬆症等の病気を決定するために有用であるが、他の症候群を査定すること、または特定の訓練計画によってなされる物理的パフォーマンス利得を査定することにおいて、より限定された値を有し得る。さらに、DXA機械は、基本的に、所与のピクセルにおける3つ以上の組織タイプを分解することができず、したがって、DXAを使用して、身体組成を測定するとき、いくつかの仮定が、行われなければならない。それらの仮定は、いくつかの潜在的不正確性につながり得る。2つの組織タイプのみを分解することが可能であることによって、他のタイプの症候群またはパフォーマンス改良を決定することにおける有用性も、本質的に限定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面では、技術は、身体組成を決定するためのシステムであって、支持アームと、支持アームに搭載された二重エネルギーX線源であって、走査標的に向かって二重エネルギーX線を放出するように構成されている二重エネルギーX線源と、支持アームに搭載され、走査標的を通過した後、二重エネルギーX線源から放出される二重エネルギーX線を検出するように構成されているX線検出器と、支持アームに搭載され、二重エネルギーX線の放出と実質的に並行して、走査標的の第1の側の3D光学画像を取得するように構成されている、第1の3D光学撮像デバイスとを含むシステムに関する。ある例では、システムは、走査標的が位置付けられた光学的に半透明な患者支持台を含み、光学的に半透明な台は、二重エネルギーX線源と検出器との間に配置される。別の例では、支持アームは、走査標的の縦軸に沿って移動するように構成される。さらに別の例では、支持アームは、上側アームと下側アームとを有し、上側アームおよび下側アームは、走査標的の反対側に配置され、第1の3D光学撮像デバイスは、上側アームに搭載されており、システムは、下側アームに搭載され、二重エネルギーX線の放出と実質的に並行して、走査標的の第2の側を光学的に走査する第2の3D光学撮像デバイスをさらに含む。なおも別の例では、第1の3D光学撮像デバイスは、立体視デバイス、レーザ走査デバイス、構造化された光デバイス、および変調光デバイスから成る群から選択される。
【0005】
上記の側面の別の例では、システムは、処理デバイスを含み、X線検出器および第1の3D光学撮像デバイスは、処理デバイスに通信可能に結合され、処理デバイスは、ピクセル毎に走査標的の厚さを算出するように構成される。ある例では、処理デバイスは、ピクセル毎に、骨、脂肪組織、除脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定するようにさらに構成される。別の例では、システムは、システムの一部に搭載され、処理デバイスに通信可能に結合された生体インピーダンス機械を含む。さらに別の例では、システムは、立位位置において患者を走査するように構成される。なおも別の例では、システムは、体重計を含む。
【0006】
上記の側面の別の例では、システムは、台に動作可能に接続され、走査標的の体重を検出するように構成された体重計を含む。ある例では、台は、体重計を台の脚部の各々に含む。別の例では、X線源は、患者の縦軸に対して横方向に支持アームに沿って移動するように構成される。
【0007】
別の側面では、技術は、身体組成を決定するためのシステムであって、支持アームと、支持アームに搭載された二重エネルギーX線源であって、走査標的に向かって二重エネルギーX線を放出するように構成された二重エネルギーX線源と、支持アームに搭載され、走査標的を通過した後、二重エネルギーX線源から放出される二重エネルギーX線を検出するように構成されたX線検出器と、システムの一部に動作可能に接続され、生体インピーダンス分析を走査標的の少なくとも一部に実施するように構成された生体インピーダンス機械とを含むシステムに関する。ある例では、システムは、走査中、走査標的が位置している患者支持台を含み、患者支持台は、二重エネルギーX線源と検出器との間にある。別の例では、支持アームは、走査標的の縦軸に沿って一緒に移動するように構成される。さらに別の例では、システムは、支持アームに搭載された複数の3D光学撮像デバイスを含み、複数の3D光学撮像デバイスは、二重エネルギーX線の放出と実質的に並行して、走査標的を撮像するように構成される。なおも別の例では、生体インピーダンス機械は、走査標的の少なくとも一部の水分量を決定する。
【0008】
上記の側面の別の例では、システムは、走査標的の少なくとも1つのセグメントに対して、骨、脂肪組織、除脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定するように構成された処理デバイスを含む。ある例では、システムは、立位位置において患者を走査するように構成される。別の例では、少なくとも一部は、走査標的の付属器を含む。
【0009】
別の側面では、技術は、走査標的の組成を決定する方法であって、走査標的の走査経路に沿って、二重エネルギーX線源、X線検出器、および少なくとも1つの3D光学撮像デバイスを移動させることと、二重エネルギーX線をX線源から放出することと、二重エネルギーX線が走査標的を通過した後、二重エネルギーX線を検出することと、二重エネルギーX線の放出と実質的に並行して、走査標的の3D光学画像を捕捉することと、ピクセル毎に、捕捉された3D光学画像に基づいて、走査標的の厚さを決定することと、プロセッサによって、走査標的の厚さおよび捕捉された二重エネルギーX線に基づいて、少なくとも1つのピクセルに対して、骨、脂肪組織、除脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定することとを含む方法に関する。ある例では、走査標的の厚さを決定することは、二重エネルギーX線源から厚さが計算されている所定のピクセルまで進行するX線の軌道を推定することと、捕捉された3D光学画像に基づいて、所定のピクセルに対して、X線の推定された軌道に沿った走査標的の厚さを決定することとをさらに含む。別の例では、走査標的の厚さを決定することは、3D光学画像からの深度測定をグローバル座標空間と位置合わせし、グローバル座標空間における走査標的の3Dモデルを生成することと、二重エネルギーX線源と二重エネルギーX線検出器との幾何学配置に基づいて、グローバル座標空間において、放出されたX線の軌道を位置合わせすることと、グローバル座標空間における放出されたX線の軌道および3Dモデルに基づいて、所定のピクセルに対して、走査標的の厚さを決定することとをさらに含む。さらに別の例では、走査標的の厚さを決定することは、捕捉された3D光学画像に基づいて、人体のテンプレートを修正することと、修正されたテンプレートに基づいて、人体の形状によって生じる人体の外部の空気間隙を識別することと、少なくとも部分的に識別された空気間隙に基づいて、決定された厚さを調節することとをさらに含む。なおも別の例では、テンプレートを修正することは、テンプレート上のテンプレート基準マーカを走査標的上の走査標的基準マーカと位置合わせすることを含む。
【0010】
上記の側面の別の例では、方法は、捕捉された3D光学画像に基づいて、走査標的位置を確認することを含む。ある例では、走査標的位置を確認することは、走査標的が走査野内に完全に位置することを確認することを含む。別の例では、標的位置を確認することは、走査標的の身体部分が重なっていないことを確認することを含む。さらに別の例では、方法は、プロセッサによって、走査標的の厚さおよび二重エネルギーX線に基づいて、走査標的内の内部ガス状空隙を決定することを含む。なおも別の例では、方法は、走査標的の少なくとも1つの身体部分に対して、セグメント化された生体インピーダンス分析を実施することを含む。
【0011】
上記の側面の別の例では、方法は、検出された二重エネルギーX線のうちの少なくとも1つに基づいて、セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することを含む。ある例では、方法は、捕捉された3D光学画像に基づいて、走査標的のための総体積を決定することを含む。別の例では、方法は、走査標的の体重を測定することを含む。さらに別の例では、コンパートメントは、骨、脂肪組織、および除脂肪組織を含む。なおも別の例では、コンパートメントは、脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分を含む。
【0012】
別の例では、方法は、走査標的の体重および総体積に基づいて、コンパートメントのうちの少なくとも1つの値を調節することを含む。さらに別の例では、患者は、立位位置にあり、方法は、走査標的を回転プラットフォーム上で回転させることをさらに含む。なおもさらに別の例では、方法は、捕捉された3D光学画像と合致する3D二重エネルギーコンピュータ断層撮影画像を生成することをさらに含む。別の例では、放出された二重エネルギーX線は、ファンビーム、ペンシルビーム、または円錐ビームの形態である。さらに別の例では、方法は、データを、検出された二重エネルギーX線に基づいて、2物質ベースの組に変換することを含み、2物質ベースの組における2つの物質は、アルミニウムおよびアクリルであり得る。
【0013】
別の側面では、技術は、走査標的の組成を決定する方法であって、走査標的の走査経路に沿って、二重エネルギーX線源およびX線検出器を移動させることと、二重エネルギーX線を放出することと、二重エネルギーX線が走査標的を通過した後、二重エネルギーX線を検出することと、少なくとも1つの別々の身体部分に対するセグメント化された生体インピーダンス分析を実施し、少なくとも1つの別々の身体部分における水分量を決定することと、プロセッサによって、二重エネルギーX線に基づいて、少なくとも1つの別々の身体部分に対して、骨、脂肪組織、および除脂肪組織の少なくとも1つのコンパートメントの値を決定することとを含む方法に関する。ある例では、方法は、検出された二重エネルギーX線に基づいて、少なくとも1つの別々の身体部分のための筋肉組織の形状を決定することと、決定された筋肉形状に基づいて、セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することとを含む。別の例では、方法は、筋肉組織の決定された形状に基づいて、生体インピーダンス分析デバイスの少なくとも1つの電極を取り付けるための走査標的上の位置を決定することを含む。さらに別の例では、方法は、筋肉組織の決定された形状に基づいて、二重エネルギーX線の処理のための境界線を修正することを含む。なおも別の例では、少なくとも1つの別々の身体部分は、腕部および脚部のうちの少なくとも1つである。
【0014】
上記の側面の別の例では、少なくとも1つの別々の身体部分は、腕部であり、生体インピーダンス分析デバイスの第1の電極は、腕部に関連付けられた肩部に取り付けられ、生体インピーダンス分析デバイスの第2の電極は、腕部に関連付けられた指部に取り付けられる。ある例では、方法は、二重エネルギーX線の放出と実質的に並行して、走査標的の3D光学画像を捕捉することと、少なくとも1つの別々の身体部分の形状を決定することと、決定された少なくとも1つの別々の身体部分の形状に基づいて、セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することとを含む。別の例では、方法は、検出された二重エネルギーX線に基づいて、少なくとも1つの別々の身体部分における筋肉形状を決定することと、決定された筋肉形状に基づいて、少なくとも1つの別々の身体部分内のセグメント化された生体インピーダンス分析を修正することとを含む。さらに別の例では、方法は、二重エネルギーX線の放出と実質的に並行して、走査標的の3D光学画像を捕捉することと、捕捉された3D光学画像に基づいて、少なくとも1つの別々の身体部分の形状を決定することと、検出された二重エネルギーX線に基づいて、少なくとも1つの別々の身体部分における筋肉形状を決定することと、決定された少なくとも1つの別々の身体部分の形状および決定された筋肉形状に基づいて、セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することとを含む。なおも別の例では、生体インピーダンスデータは、走査標的の走査に続いて、走査標的から捕捉される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
身体組成を決定するためのシステムであって、前記システムは、
支持アームと、
前記支持アームに搭載された二重エネルギーX線源であって、前記二重エネルギーX線源は、走査標的に向かって二重エネルギーX線を放出するように構成されている、二重エネルギーX線源と、
前記支持アームに搭載されたX線検出器であって、前記X線検出器は、前記走査標的を通過後の前記二重エネルギーX線源から放出された前記二重エネルギーX線を検出するように構成されている、X線検出器と、
前記支持アームに搭載された第1の3D光学撮像デバイスと
を備え、
前記第1の3D光学撮像デバイスは、前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的の第1の側の3D光学画像を取得するように構成されている、システム。
(項目2)
前記走査標的が位置付けられた光学的に半透明な患者支持台をさらに備え、前記光学的に半透明な台は、前記二重エネルギーX線源と前記検出器との間に配置されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記支持アームは、前記走査標的の縦軸に沿って移動するように構成されている、項目1-2のいずれかに記載のシステム。
(項目4)
前記支持アームは、上側アームと下側アームとを有し、前記上側アームと下側アームとは、走査標的の反対側に配置され、
前記第1の3D光学撮像デバイスは、前記上側アームに搭載されており、
前記システムは、前記下側アームに搭載された第2の3D光学撮像デバイスをさらに備え、前記第2の3D光学撮像デバイスは、前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的の第2の側を光学的に走査する、項目1-3のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
前記第1の3D光学撮像デバイスは、立体視デバイス、レーザ走査デバイス、構造化された光デバイス、および変調光デバイスから成る群から選択される、項目1-4のいずれかに記載のシステム。
(項目6)
処理デバイスをさらに備え、前記X線検出器および前記第1の3D光学撮像デバイスは、前記処理デバイスに通信可能に結合され、前記処理デバイスは、ピクセル毎に前記走査標的の厚さを算出するように構成されている、項目1-5のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
前記処理デバイスは、ピクセル毎に、骨、脂肪組織、除脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定するようにさらに構成されている、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記システムの一部に搭載され、前記処理デバイスに通信可能に結合された生体インピーダンス機械をさらに備えている、項目1-7のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
前記システムは、立位位置において患者を走査するように構成されている、項目1-8のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
体重計をさらに備えている、項目1-9のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
前記台に動作可能に接続され、前記走査標的の体重を検出するように構成された体重計をさらに備えている、項目2に記載のシステム。
(項目12)
前記台は、体重計を前記台の脚部の各々に含む、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記X線源は、前記患者の縦軸に対して横方向に前記支持アームに沿って移動するように構成されている、項目3に記載のシステム。
(項目14)
身体組成を決定するためのシステムであって、前記システムは、
支持アームと、
前記支持アームに搭載された二重エネルギーX線源であって、前記二重エネルギーX線源は、走査標的に向かって二重エネルギーX線を放出するように構成されている、二重エネルギーX線源と、
前記支持アームに搭載されたX線検出器であって、前記X線検出器は、前記走査標的を通過後の前記二重エネルギーX線源から放出された前記二重エネルギーX線を検出するように構成されている、X線検出器と、
前記システムの一部に動作可能に接続された生体インピーダンス機械と
を備え、
前記生体インピーダンス機械は、生体インピーダンス分析を前記走査標的の少なくとも一部に実施するように構成されている、システム。
(項目15)
走査中、前記走査標的が位置している患者支持台をさらに備え、前記患者支持台は、前記二重エネルギーX線源と前記検出器との間にある、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記支持アームは、前記走査標的の縦軸に沿って一緒に移動するように構成されている、項目14-15のいずれかに記載のシステム。
(項目17)
前記支持アームに搭載された複数の3D光学撮像デバイスをさらに備え、前記複数の3D光学撮像デバイスは、前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的を撮像するように構成されている、項目14-16のいずれかに記載のシステム。
(項目18)
前記生体インピーダンス機械は、前記走査標的の少なくとも一部の水分量を決定する、項目14-17のいずれかに記載のシステム。
(項目19)
処理デバイスをさらに備え、前記処理デバイスは、前記走査標的の少なくとも1つのセグメントに対して、骨、脂肪組織、除脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定するように構成されている、項目14-18のいずれかに記載のシステム。
(項目20)
前記システムは、立位位置において患者を走査するように構成されている、項目14-19のいずれかに記載のシステム。
(項目21)
前記少なくとも一部は、前記走査標的の付属器を備えている、項目14-20のいずれかに記載のシステム。
(項目22)
走査標的の組成を決定する方法であって、前記方法は、
前記走査標的の走査経路に沿って、X線源、X線検出器、および少なくとも1つの3D
光学撮像デバイスを移動させることと、
X線を前記X線源から放出することと、
前記X線が前記走査標的を通過した後、前記X線を検出することと、
前記X線の前記放出と実質的に平行して、前記走査標的の3D光学画像を捕捉することと、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、ピクセル毎に前記走査標的の厚さを決定することと、
プロセッサによって、前記走査標的の前記厚さおよび前記捕捉されたX線に基づいて、少なくとも1つのピクセルに対して、骨、脂肪組織、除脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分から選択される少なくとも3つのコンパートメントの値を決定することと
を含む、方法。
(項目23)
前記走査標的の前記厚さを決定することは、
前記X線源から前記厚さが計算されている所定のピクセルまで進行するX線の軌道を推定することと、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、前記所定のピクセルに対して、前記X線の前記推定された軌道に沿った前記走査標的の厚さを決定することと、
をさらに含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記走査標的の前記厚さを決定することは、
前記3D光学画像からの深度測定をグローバル座標空間と位置合わせし、前記グローバル座標空間における前記走査標的の3Dモデルを生成することと、
前記二重エネルギーX線源と前記X線検出器との幾何学配置に基づいて、前記放出されたX線の軌道を前記グローバル座標空間において位置合わせすることと、
前記グローバル座標空間における前記放出されたX線の軌道および前記3Dモデルに基づいて、所定のピクセルに対して、前記走査標的の厚さを決定することと
をさらに含む、項目22-23のいずれかに記載の方法。
(項目25)
前記走査標的の前記厚さを決定することは、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、人体のテンプレートを修正することと、
前記修正されたテンプレートに基づいて、前記人体の形状によって生じる前記人体の外部の空気間隙を識別することと、
少なくとも部分的に前記識別された空気間隙に基づいて、前記決定された厚さを調節することと
をさらに含む、項目22-24のいずれかに記載の方法。
(項目26)
前記テンプレートを修正することは、前記テンプレート上のテンプレート基準マーカを前記走査標的上の走査標的基準マーカと位置合わせすることを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、走査標的位置を確認することをさらに含む、項目22-26のいずれかに記載の方法。
(項目28)
前記走査標的位置を確認することは、前記走査標的が走査野内に完全に位置することを確認することを含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記標的位置を確認することは、前記走査標的の身体部分が重なっていないことを確認することを含む、項目27または28に記載の方法。
(項目30)
プロセッサによって、前記走査標的の前記厚さおよび前記X線に基づいて、前記走査標
的内の内部ガス状空隙を決定することをさらに含む、項目22-29のいずれかに記載の方法。
(項目31)
前記走査標的の少なくとも1つの身体部分に対して、セグメント化された生体インピーダンス分析を実施することをさらに含む、項目22-30のいずれかに記載の方法。
(項目32)
前記検出されたX線のうちの少なくとも1つに基づいて、前記セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、前記走査標的のための総体積を決定することをさらに含む、項目22-32のいずれかに記載の方法。
(項目34)
前記走査標的の体重を測定することをさらに含む、項目22-33のいずれかに記載の方法。
(項目35)
前記コンパートメントは、骨、脂肪組織、および除脂肪組織を備えている、項目22-34のいずれかに記載の方法。
(項目36)
前記コンパートメントは、脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分を備えている、項目22-35のいずれかに記載の方法。
(項目37)
前記走査標的の前記体重および前記総体積に基づいて、前記コンパートメントのうちの少なくとも1つの値を調節することをさらに含む、項目22-36のいずれかに記載の方法。
(項目38)
前記患者は、立位位置にあり、前記方法は、前記走査標的を回転プラットフォーム上で回転させることをさらに含む、項目22-37のいずれかに記載の方法。
(項目39)
前記捕捉された3D光学画像と合致する3D二重エネルギーコンピュータ断層撮影画像を生成することをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記放出されるX線は、ファンビーム、ペンシルビーム、または円錐ビームの形態である、項目22-39のいずれかに記載の方法。
(項目41)
前記検出されたX線に基づいて、データを2物質ベースの組に変換することをさらに含む、項目22-40のいずれかに記載の方法。
(項目42)
前記2物質ベースの組における前記2つの物質は、アルミニウムおよびアクリルである、項目41に記載の方法。
(項目43)
走査標的の組成を決定する方法であって、前記方法は、
前記走査標的の走査経路に沿って、二重エネルギーX線源およびX線検出器を移動させることと、
二重エネルギーX線を放出することと、
前記二重エネルギーX線が前記走査標的を通過した後、前記二重エネルギーX線を検出することと、
少なくとも1つの別々の身体部分に対するセグメント化された生体インピーダンス分析を実施し、前記少なくとも1つの別々の身体部分における水分量を決定することと、
プロセッサによって、前記二重エネルギーX線に基づいて、前記少なくとも1つの別々の身体部分に対して、骨、脂肪組織、および除脂肪組織の少なくとも1つのコンパートメ
ントの値を決定することと
を含む、方法。
(項目44)
前記検出された二重エネルギーX線に基づいて、前記少なくとも1つの別々の身体部分のための筋肉組織の形状を決定することと、
前記決定された筋肉形状に基づいて、前記セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することと
をさらに含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記筋肉組織の前記決定された形状に基づいて、生体インピーダンス分析デバイスの少なくとも1つの電極を取り付けるための前記走査標的上の位置を決定することをさらに含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記筋肉組織の前記決定された形状に基づいて、前記二重エネルギーX線の処理のための境界線を修正することをさらに含む、項目43または45に記載の方法。
(項目47)
前記少なくとも1つの別々の身体部分は、腕部および脚部のうちの少なくとも1つである、項目43-46のいずれかに記載の方法。
(項目48)
前記少なくとも1つの別々の身体部分は、腕部であり、生体インピーダンス分析デバイスの第1の電極は、前記腕部に関連付けられた肩部に取り付けられ、前記生体インピーダンス分析デバイスの第2の電極は、前記腕部に関連付けられた指部に取り付けられる、項目43-47のいずれかに記載の方法。
(項目49)
前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的の3D光学画像を捕捉することと、
前記少なくとも1つの別々の身体部分の形状を決定することと、
前記少なくとも1つの別々の身体部分の前記決定された形状に基づいて、前記セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することと
をさらに含む、項目43-48のいずれかに記載の方法。
(項目50)
前記検出された二重エネルギーX線に基づいて、前記少なくとも1つの別々の身体部分における筋肉形状を決定することと、
前記決定された筋肉形状に基づいて、前記少なくとも1つの別々の身体部分内の前記セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することと
をさらに含む、項目43-49のいずれかに記載の方法。
(項目51)
前記二重エネルギーX線の前記放出と実質的に並行して、前記走査標的の3D光学画像を捕捉することと、
前記捕捉された3D光学画像に基づいて、前記少なくとも1つの別々の身体部分の形状を決定することと、
前記検出された二重エネルギーX線に基づいて、前記少なくとも1つの別々の身体部分における筋肉形状を決定することと、
前記少なくとも1つの別々の身体部分の前記決定された形状および前記決定された筋肉形状に基づいて、前記セグメント化された生体インピーダンス分析を修正することと
をさらに含む、項目43-50のいずれかに記載の方法。
(項目52)
前記生体インピーダンスデータは、前記走査標的の走査に続いて、前記走査標的から捕捉される、項目43-51のいずれかに記載の方法。
【0015】
本概要は、発明を実施するための形態にさらに後述される簡略化された形態において、一連の概念を導入するために提供される。本概要は、請求される主題の重要な特徴または不可欠な特徴を識別することを意図しておらず、また、請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
同一番号は、全図面において、同一要素または同一タイプの要素を表す。
【0017】
【
図1A】
図1Aは、技術の一実施形態による多重モダリティ走査システムの斜視図を描写する。
【0018】
【
図1B】
図1Bは、技術の一実施形態による多重モダリティ走査システムの内部構成要素を示す斜視図を描写する。
【0019】
【
図1C】
図1Cは、技術の一実施形態による立位位置における患者を走査するように構成された多重モダリティ走査システムの斜視図を描写する。
【0020】
【
図1D】
図1Dは、技術の一実施形態による多重モダリティ走査システム内の3D光学撮像デバイスの概略図を描写する。
【0021】
【
図1E】
図1Eは、本例のうちの1つ以上のものが実装され得る好適な動作環境の一例を描写する。
【0022】
【
図1F】
図1Fは、本明細書に開示される種々のシステムおよび方法が動作し得るネットワークの例を描写する。
【0023】
【
図2】
図2は、
図1A-1Bの多重モダリティ走査システムの台の上部平面図を描写する。
【0024】
【
図3】
図3は、技術のある実施形態による身体組成データを走査手技から生成する方法を描写する。
【0025】
【
図4】
図4は、技術のある実施形態による走査標的の厚さを決定するための走査技術の概略断面図を描写する。
【0026】
【
図5】
図5は、技術のある実施形態による走査標的の厚さを決定する方法を描写する。
【0027】
【
図6】
図6は、技術のある実施形態による走査標的の決定された厚さを修正する方法を描写する。
【0028】
【
図7】
図7は、技術のある実施形態による走査標的内の内部ガス状空隙を識別する方法を描写する。
【0029】
【
図8】
図8は、技術のある実施形態による3D光学および/またはDXAデータに基づいて、セグメント化された生体インピーダンス測定を修正する方法を描写する。
【0030】
【
図9】
図9は、技術のある実施形態による走査するための標的の位置付けを確認する方法を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
付属Aは、DXA技術と3D光学技術とを組み合わせる方法およびシステムの検証に関する要約である。
【0032】
付属Bは、DXA技術と生体インピーダンス技術とを組み合わせる方法およびシステムの検証に関する要約である。
【0033】
付属Cは、X線および光学撮像にさらされているファントムに関連する画像を描写する。
【0034】
本技術は、患者等の走査標的の身体組成を決定するための多重モダリティ走査システムおよび方法を提供する。本明細書に説明されるように、多重のモダリティを使用することによって、身体組成分析の結果は、改良され、概して、患者の身体組成を説明するより正確かつ詳細な結果を提供する。走査システムは、(1)二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)技術、(2)3次元(3D)光学走査技術、および(3)生体電気インピーダンス分析(BIA)技術を含む2つ以上のモダリティの組み合わせを含み得る。あるシステムでは、全3つのモダリティが、組み合わせられ得る。
【0035】
多重のモダリティを同一走査システム内に含むことによって、身体組成についての追加の情報、かつ多くの場合より正確な情報が、取得され得る。例えば、4つのコンパートメント(4C)モデルが、多くの場合、人体組成のための有用なモデルであると考えられている。モデルは、身体を骨ミネラル、脂質、水分、およびタンパク質のコンパートメントに分離するが、モデルは、従来、標識された水分同位体を使用した総身体水分測定を含むいくつかの測定を要求する。本多重モダリティ走査システムは、4Cモデルのより多くのコンパートメントを分解することが可能である。例えば、上で議論されるように、DXA技術単独では、任意の所与のピクセルにおける3つ以上の物質(例えば、骨および軟質組織)を分解することが可能ではない。DXA技術を3D光学走査技術と組み合わせることによって、3つ以上のコンパートメント(例えば、骨、脂肪、および除脂肪軟質組織)が、3D光学走査技術から取得された身体部分の厚さ等の空間情報を使用して分解され得る。そのような結果は、以前は、DXA技術から達成不可能であった。例えば、骨が検出されたピクセルに対して、従来のDXAシステムは、骨の上方または下方にある軟質組織の組成差を分解することができなかった。本技術は、その軟質組織を除脂肪組織と脂肪組織と等の2つの異なるコンパートメントに分解することが可能である。DXA技術をBIA技術と組み合わせることによって、4Cモデルのコンパートメントも、BIA技術からの水分測定をDXA技術からの結果と組み合わせることによって分解され得る。加えて、全3つのモダリティを同一走査システム内に組み込むことによって、モダリティの各々からの情報が、別個の手技のための要件を伴わずに、別のモダリティからの結果を改良または検証するために使用され得る。
【0036】
図1Aは、本技術の一実施形態による多重モダリティ走査システム100の斜視図を描写し、
図1Bは、技術の一実施形態による多重モダリティ走査システム100の内部構成要素を示す斜視図を描写する。
図1A-1Bは、並行して議論される。多重モダリティ走査システム100は、二重エネルギーX線吸収測定法構成要素と、3D光学走査構成要素と、BIA構成要素とを含む。多重モダリティ走査システム100は、支持アーム112を含み、支持アーム112は、垂直バー118によって分離された垂直に対向する水平アーム114と116とを有する。水平平面患者支持台120は、水平アーム114、116間に配置され、縦軸122に沿って延びている。当技術分野において周知であるタイプのベルト駆動システム124は、縦軸122に沿って縦方向に台120の長さに対して支持アーム112の運動を可能にする。他の実施形態では、ラックおよび歯車を含む他のタイプの駆動システムが、利用され得る。台120の縦軸122は、概して、台120上に横たわっている患者の縦軸と実質的に平行である。
【0037】
X線源126は、下側アーム116内にある。X線源126は、台120を通して上向きに導かれるX線のコリメートされたファンビーム128を放出する。ビーム128は、線形検出器130によって検出または別様に受け取られる。ファンビーム128は、その最も狭い範囲128aが横軸132に沿ってあり、その最も広い範囲128bが縦軸122に沿ってあるように向けられる。理解されるであろうように、X線源126および検出器130の場所は、X線源126が上側アーム114内にあり、検出器130が下側アーム116内にあるように切り替えられ得る。検出器130は、X線源126から放出されるX線を検出する複数のピクセルを含む。
【0038】
放射源126は、二重エネルギーX線を放出する。二重エネルギーX線源126は、一定電圧で起動し、多くのエネルギー放射ビームを生産する放射性同位体またはX線管であり得る。ビームは、続いて、Kエッジフィルタでフィルタ処理され、2つのエネルギーモードを形成し得る。代替として、放射源126は、切り替え式電圧モードで起動されるX線管であり得、X線管における電圧は、高から低電圧に周期的に変化させられ、生産されたX線ビームのエネルギースペクトルをシフトさせる。例えば、低エネルギーX線が、最初に、生産され得、次いで、源の電圧は、増加させられ、より高いエネルギーX線を生産し得る。真鍮フィルタが、高エネルギーX線が所望されるとき、低エネルギーX線をフィルタ処理するために使用され得る。回転フィルタホイール等を含む他の技法が、連続的な二重エネルギービームを生産するために使用され得る。データが、広帯域検出器130によって入手され、二重エネルギー測定において使用され得る高および低エネルギーデータを検出する。検出器130は、高エネルギー放射を検出するための検出要素と、低エネルギー放射を検出するための検出要素とを含み得る。放射源126が、高エネルギーと低エネルギーとの間で交代する、または切り替わる例では、検出器130は、高および低エネルギー放出が時間単位で分離されるので、高および低エネルギーを分離する必要がないこともある。高および低エネルギー放出が、時間によって分離されない場合、検出器130は、検出中、高および低エネルギーを分離する。
【0039】
複数の3D光学撮像デバイス140、142、144も、多重モダリティ走査システム100の中に組み込まれる。第1の3D光学撮像デバイス140および第2の3D光学撮像デバイス142は、上側アーム114に搭載される。第3の3D光学撮像デバイス144は、第1の3D光学撮像デバイス140および第2の3D光学撮像デバイス142から台120の反対側で下側アーム116に搭載される。3D光学撮像デバイス140、142、144をそのような様式で配列することによって、患者134の正面、背面、および側面を含む患者134の全ての可視表面を捕捉する3D表面画像が、取得され得る。3D光学撮像デバイス140、142、144の各々は、患者134の表面の3Dモデルを作成するために好適な表面画像を捕捉することが可能な任意のタイプの撮像デバイスであり得る。例えば、3D光学撮像デバイス140、142、144の各々は、とりわけ、立体視デバイス、レーザ走査デバイス、構造化された光デバイス、または変調光デバイス、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、撮像デバイスは、構造化された光パターンを生成するために、2つのカメラと、赤外線プロジェクタとを含み得る。例示的撮像デバイスは、Microsoft Corporation(Redmond,Washington)製KINECT撮像デバイスである。
【0040】
3つの3D光学撮像デバイス140、142、144が、
図1Aに描写されるが、より多いまたはより少ない数の3D光学撮像デバイスが、特定のタイプの撮像デバイスおよび用途に応じて組み込まれ得る。同様に、3D光学撮像デバイス140、142、144は、図内の特定の場所および構成に描写されるが、他の構成も、特定のタイプの撮像デバイスおよび用途に応じて、想定され、可能性である。例えば、2つの3D光学撮像デバイスが、台120の下方に配置され得る。
【0041】
台120は、概して、ファンビーム128の減衰に有意に影響を及ぼさずに支持表面を提供するように、放射線透過性である。いくつかの例では、台120は、光学的に半透明でもあり、3D光学撮像カメラ144が、台120に支えられている患者の側面を撮像することを可能にする。台120の各脚部136は、台上に横たわっている患者134の体重を測定するための体重計または構成要素も含み得る。例えば、体重計を脚部136の各々の中に組み込むことによって、患者134のより正確な体重が、測定され得る。代替として、体重計は、台から遠隔(例えば、検査室内の他の場所)に配置され得る。その体重計から取得されたデータは、本明細書に説明されるコンピューティングデバイスに直接通信され得るか、または技術者によって手動で打ち込まれ得る。
【0042】
X線源126および線形検出器130は、横軸132に沿って横方向に移動させられ得る。X線源126および線形検出器130は、アーム114および116に沿って移動するように構成される。この移動は、台120上の患者の横方向走査を可能にする。X線源126および検出器130の運動は、当業者に深く理解されるであろうように、ベルト駆動式作動機構121によって同期させられる。上で説明されるベルト駆動システム124と同様に、他のタイプの駆動機構も、ベルト駆動式作動機構124の代わりに利用されることができる。
【0043】
生体インピーダンス機械146も、多重モダリティ走査システム100の中に組み込まれ、患者の生体インピーダンス分光法分析を実施するように構成され得る。生体インピーダンス機械146は、下側アーム116に搭載され得る。他の例では、生体インピーダンス機械146は、多重モダリティ走査システム100の別の構成要素に搭載され得る。生体インピーダンス機械146は、患者134に接続される、電極または接点の組を含む。電気信号が、電極のうちの1つ以上のものを通して送信され、信号は、電極のうちの別の1つを通して受信される。電気信号が身体を通過するにつれて、身体の異なる組織によって改変され、信号の異なる周波数が、それらが身体を通過するとき、異なって改変される。例えば、電気信号は、脂肪組織ほど筋肉組織によって妨げられない。当業者によって理解されるであろうように、複数の周波数の使用を通して、細胞内水分および細胞外水分含有量が、決定され得る。
【0044】
図1E-1Fを参照して下で議論されるもの等のディスプレイと、他の入力/出力オプションとを含むコンピューティングデバイスが、本明細書に議論されるように、多重モダリティ走査システム100によって集められた、または生成された結果または他の情報を表示するために、多重モダリティ走査システム100に動作可能に結合され得る。例えば、ユーザインターフェースが、ネットワークまたは有線接続を通して、多重モダリティ走査システム100に動作可能に結合され得る。
【0045】
図1Cは、技術の一実施形態による立位位置における患者を走査するように構成された立位多重モダリティ走査システム100の斜視図を描写する。立位多重モダリティ走査システム100は、
図1Aに描写される多重モダリティ走査システム100に実質的に類似するが、構成要素は、立位位置における患者を走査するために適応するように回転させられている。したがって、立位多重モダリティ走査システム100と多重モダリティ走査システム100との間の共有構成要素は、同一参照番号で標識され、機能を共有する。しかしながら、立位多重モダリティ走査システム100内の体重計は、患者の体重を正確に測定するために、患者のための立位位置の真下に位置し得る。回転プラットフォームも、立位多重モダリティシステムの基部に含まれ得る。そのような例では、患者は、光学およびX線データが、並行して、または実質的に並行して収集されるとき、回転し得る。したがって、3次元断層撮影画像が、同一身体場所の3D光学画像と合致する二重エネルギーX線データから再構成され得る。
【0046】
さらに、立位多重モダリティ走査システム100は、走査中、患者が、快適なままであるために、その体重の一部を支えられるように追加の支持体(図示せず)も含み得る。この例では、患者は、検査中、疲労を低減させるように、放射線透過性かつ透明な壁120aにもたれかかり得る。さらなる例では、透明な壁120aは、立位多重モダリティ走査システム100内に含まれないこともあるか、または半透明な壁120aは、患者が立位し得る柱もしくは細い支持体でもあり得る。グリップ、アームレスト、またはパッド等の他の支持体も、走査中、患者のための快適性を追加し、患者移動を最小化することに役立つために組み込まれ得る。いくつかの例では、グリップ、アームレスト、またはパッドも、放射線透過性および/または光学的に半透明であり得る。
【0047】
図1Dは、技術の一実施形態による多重モダリティ走査システム100における3D光学撮像デバイス140、142、144の概略図を描写する。3D光学撮像デバイス144は、患者から台120(または示されない壁120a)の反対側に配置され得る。この例では、3D光学撮像デバイス144は、台120の中心線150と整列させられるように、台120の中心に置かれるように配置される。3D光学撮像デバイス144は、台から距離D1に位置付けられる。いくつかの例では、距離D1は、約60cmであり得る。他の例では、距離D1は、約40~80cmであり得る。
【0048】
2つの3D光学撮像デバイス140と、142とは、患者が2つの3D光学撮像デバイス140、142と台120との間に位置付けられるように、台120の反対側に位置する。2つの3D光学撮像デバイス140、142は、中心線150から距離D2において、中心線150から等距離で間隔を置かれる。ある例では、距離D2は、約26cmである。他の例では、距離D2は、約10~40cmであり得る。2つの3D光学撮像デバイス140、142は、3D光学撮像デバイス140、142のそれぞれの撮像平面と平面台120のとの間に角度αを画定するように傾けられ得る。ある例では、角度αは、約30度である。他の例では、角度αは、約20~40度であり得る。2つの3D光学撮像デバイス140、142は、台120の上方の距離D3に位置する。ある例では、距離D1は、約84.5cmである。他の例では、距離D1は、約60~100cmであり得る。距離D1、D2、D3は、それぞれの3D光学撮像デバイスの基部の中心まで測定される。
【0049】
図1Eは、多重モダリティ走査システム100に結合され得る好適なコンピューティングデバイス1400の一例を描写する。コンピューティングデバイス1400は、本例のうちの1つ以上のものが実装され得る好適な動作環境である。この動作環境は、直接、多重モダリティ走査システム100の中に組み込まれ得るか、または本明細書に説明される多重モダリティ走査システム100から別々であるが、制御するために使用されるコンピュータシステムの中に組み込まれ得る。これは、好適な動作環境の一例にすぎず、使用または機能性の範囲に対する任意の限定を示唆することを意図するものではない。使用のために好適であり得る他の周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成は、限定ではないが、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、スマートフォン、ネットワークPC、ミニコンピュータ、主要フレームコンピュータ、タブレット等のプログラマブル消費者電子機器、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散型コンピューティング環境等を含む。
【0050】
その最も基本構成では、動作環境1400は、典型的には、少なくとも1つの処理ユニット1402と、メモリ1404とを含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに応じて、メモリ1404(とりわけ、本明細書に開示される測定値入手、処理、および視覚的表現生成方法を実施するための命令を記憶する)は、揮発性(RAM等)、不揮発性(ROM、フラッシュメモリ等)、または2つのある組み合わせであることができる。この最も基本的な構成は、破線1406によって、
図1Eに図示される。さらに、環境1400は、限定ではないが、固体デバイス、磁気または光ディスク、もしくはテープを含む記憶デバイス(リムーバブル1408および/または非リムーバブル1410)も含むことができる。同様に、環境1400は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ペン、音声入力等の入力デバイス1414、および/またはディスプレイ、スピーカ、プリンタ等の出力デバイス1416も有することができる。LAN、WAN、2地点間、Bluetooth(登録商標)、RF等の1つ以上の通信接続1412も、環境内に含まれ得る。
【0051】
動作環境1400は、典型的には、少なくともある形態のコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、処理ユニット1402または動作環境を備えている他のデバイスによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であることができる。一例として、限定ではなく、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体と、通信媒体とを備えていることができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報の記憶のために、任意の方法または技術において実装される揮発性および不揮発性のリムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、固体記憶装置、もしくは任意の他の有形および非一過性媒体を含み、それらは、所望の情報を記憶するために使用されることができる。
【0052】
通信媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを搬送波または他の移送機構等の変調されたデータ信号に具現化し、通信媒体は、任意の情報送達媒体を含む。用語「変調されたデータ信号」は、その特性のうちの1つ以上のものを信号内の情報をエンコードするような様式で設定または変更された信号を意味する。一例として、限定ではなく、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体と、音響、RF、赤外線および他の無線媒体等の無線媒体とを含む。上記のいずれかの組み合わせも、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0053】
動作環境1400は、1つ以上の遠隔コンピュータとの論理接続を使用して、ネットワーク化された環境内で動作する単一コンピュータであることができる。遠隔コンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の共通ネットワークノードであり、典型的には、上で説明される要素の多くまたは全てならびに述べられていないその他を含むことができる。論理接続は、利用可能な通信媒体によってサポートされる任意の方法を含むことができる。そのようなネットワーキング環境は、病院、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネット内に一般的である。
【0054】
いくつかの例では、本明細書に説明される構成要素は、コンピュータ記憶媒体および他の有形媒体上に記憶され、通信媒体内で伝送され得るコンピュータシステム1400によって実行可能なそのようなモジュールまたは命令を備えている。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報の記憶のために任意の方法または技術で実装される揮発性および不揮発性のリムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせも、読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。いくつかの例では、コンピュータシステム1400は、コンピュータシステム1400による使用のためにデータを遠隔記憶媒体内に記憶する、ネットワークの一部である。
【0055】
図1Fは、本明細書に開示される種々のシステムおよび方法が動作し得るネットワーク1500の例である。例では、クライアントデバイス1502等のクライアントデバイスは、ネットワーク1508を介して、サーバ1504および1506等の1つ以上のサーバと通信し得る。例では、クライアントデバイスは、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、PDA、ネットブック、または
図1Eにおけるコンピューティングデバイス等の任意の他のタイプのコンピューティングデバイスであり得る。例では、サーバ1504および1506は、
図1Eに図示されるコンピューティングデバイス等の任意のタイプのコンピューティングデバイスであり得る。ネットワーク1508は、クライアントデバイスと1つ以上のサーバ1504および1506との間の通信を促進することが可能な任意のタイプのネットワークであり得る。そのようなネットワークの例として、限定ではないが、LAN、WAN、セルネットワーク、および/またはインターネットが挙げられる。
【0056】
例では、データの処理および本明細書に説明される方法の実施は、1つ以上のサーバデバイスの使用により遂行され得る。例えば、一例では、サーバ1504等の単一サーバが、データを処理し、本明細書に開示される方法を実施することを補助するために採用され得る。クライアントデバイス1502は、ネットワーク1508を介して、サーバ1504と相互作用し得る。さらなる例では、クライアントデバイス1502は、データを走査し、処理する等、本明細書に開示される機能性も実施し得、それは、次いで、サーバ1504および/または1506に提供されることができる。
【0057】
代替例では、本明細書に開示される方法は、分散型コンピューティングネットワークまたはクラウドネットワークを使用して実施され得る。そのような例では、本明細書に開示される方法は、サーバ1504および1506等の2つ以上のサーバによって実施され得る。特定のネットワーク例が、本明細書に開示されるが、当業者は、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、他のタイプのネットワークおよび/またはネットワーク構成を使用して実施され得ることを理解されるであろう。さらに、サーバに送信され、サーバから受信されるデータは、暗号化され得る。データは、ローカルおよびサーバの両方にも、暗号化された様式で記憶され得る。
【0058】
図2は、
図1A-1Dの多重モダリティ走査システム100の台120の平面図を描写する。上で説明される構成要素のあるものは、明確にするために、
図2に描写されない。ファンビーム128は、台120の表面にわたって走査され得、故に、一連の横方向に延びている走査画像を生成するように、患者134の全身を走査し得、走査画像は、単一複合画像またはデータセットの中にマージされ得る。代替として、複数の走査画像は、特定の身体構造または部分のために、単一複合画像の中にマージされることができる。例えば、第1の走査画像は、順に、エリアA1、A2、A3、およびA4を包含し得る。上で説明される、X線源および線形検出器は、要求に応じて、横方向に移動し、種々の連続的なエリアに沿って、X線エネルギーを放出し、受け取り得る。この走査の終了時、縦方向における上で説明される支持アームの運動が、実施され得る。例えば、支持アームは、検出器が第2の走査画像を実施し得るように、患者の第2のエリアと整列するように、患者の足部に向かって移動し得る。第2の走査画像は、エリアB4、B3、B2、およびB1の順序であり得る。代替として、アームは、台120の側面に戻り得、そこで、第1の画像走査を開始し、エリアB1、B2、B3、およびB4を走査する。患者134の横幅は、実質的に、患者の上から下までの身長未満であるので、各走査画像、例えば、経路Aまたは経路Bの各々におけるエリア1-4の全ては、その隣接する走査画像に非常に近接した時間に入手され、したがって、患者運動のリスクおよび患者運動の量は、実質的に低減させられ得る。これは、患者の縦軸に沿って走査を実施する撮像システムに優るいくつかの顕著な利点のうちの1つである。理解されるであろうように、他のタイプのX線源および走査技法が、患者134のDXA走査を行うために実装され得る。例えば、ペンシルビームまたは円錐ビームが、利用され得る。走査のために患者の単回通過を使用すること、複数回の走査を行うこと、ラスタ走査技法を利用すること、または他の類似走査技法等の走査技法も全て、可能である。
【0059】
3次元光学画像も、走査中、X線の放出と実質的に並行して捕捉される。例えば、X線が、X線源から放出されると、3D光学画像が、実質的に同時に3D光学撮像デバイスから捕捉される。光学画像は、X線の放出直前、それと同時、または直後に捕捉され、X線の放出と実質的に並行して捕捉されるべきと考えられ得る。いくつかの例では、光学画像は、X線の放出前または後の1秒以内に捕捉される。3D光学画像も、放出されたX線が通過する少なくとも同一身体部分の画像を捕捉する。3D光学画像をX線の放出と実質的に並行して捕捉することによって、捕捉された3D光学画像は、二重エネルギーX線情報が取得されるのとほぼ同時に、患者の位置および形状を捕捉するであろう。したがって、身体部分厚等の3D光学画像から抽出されるデータは、二重エネルギーX線からのデータと正確に互いに関係付けられ得る。光学画像を取得する3D光学デバイスは、X線源および検出器と同様に移動するように構成され得る。すなわち、3D光学デバイスおよびX線源は、移動して、エリアA1、A2、A3、およびA4を撮像し得る。代替として、3D光学デバイスは、軸122に対してその横方向における移動を防止するように固定され得る。そのような場合では、X線源は、エリアA1、A2、A3、およびA4を連続して撮像するが、3D光学デバイスは、エリアA1-A4を同時に撮像し得る。X線源は、次いで、エリアB4、B3、B2、およびB1を連続して撮像し得る一方、3D光学デバイスは、エリアB1-B4を同時に撮像する。他の走査経路も、想定される。理解されるであろうように、患者134は、台120上に横たわっているように描写されるが、類似走査技法は、立位多重モダリティシステム100を使用して、立位位置にある患者のために実施され得る。例えば、3次元光学画像も、光学画像がX線の測定と互いに関係付けられ得るように、走査中、X線の放出と実質的に並行して捕捉される。
【0060】
他の実施形態では、特定または別々の身体部分の横方向走査が、実施され得る。一例では、胸郭の完全な横方向走査は、走査経路E、F、G、およびHに沿った走査を含み得る。横方向走査経路全体を横断して延びていない単一身体部分の横方向走査も、実施されることができる。例えば、左大腿部は、撮像エリアI1、I2、J2、J1、K1、およびK2を撮像することによって走査され得る。他の横方向走査経路も、想定される。
【0061】
図3は、技術のある実施形態による身体組成データを走査手技から生成する方法300を描写する。方法300は、患者を横断し、電子放射検出器に導かれる放射ビームを生産または放出するためのコリメートされた放射源を有する多重モダリティ走査システムを提供し、電子放射検出器は、患者を通過する放射ビームを受け取り、検出し、または、別様に測定する。走査アセンブリが、動作302において、患者の縦軸に対して横方向の少なくとも1つの走査経路に沿って、放射源および放射検出器を移動させる。移動中、放射源は、動作304において、放射ビームを放出し、放射ビームは、動作306において、放射検出器によって検出される。放射の放出および検出と実質的に並行して、画像等の3D光学データが、動作308において、1つ以上の3D光学撮像デバイスによって捕捉される。光学画像を放射の放出と実質的に並行して捕捉することによって、光学画像は、患者の特定の部分が二重エネルギーX線で走査されるのと同時に、患者の構成および位置をより正確に捕捉する。
【0062】
検出されたビームおよび/または捕捉された光学データは、次いで、動作310において、画像またはその一部を形成するように処理され得る。例えば、患者の3Dモデルが、3D光学データから生成され得る。加えて、ビームは、所定の幅を有するので、各画像のサイズは、ビーム幅および走査アセンブリの進行長に基づき得る。任意の数の別々の画像が、走査アセンブリが横方向走査経路に沿って進行するにつれて形成され得る。走査アセンブリが、走査経路を横断するにつれて、1つ以上のセンサが、その位置を決定する。動作310において、複合画像が、次いで、記憶され、表示され、および/または、本明細書に説明されるように、組織のマーキングおよび分析のために利用され得る。動作312に描写されるように、走査経路の端部に到達しない場合、フローは、「いいえ」に分岐し、走査アセンブリの移動(および動作302-310)は、走査経路に沿って継続し、したがって、複数の画像を生成する。動作312において、走査経路の端部に到達すると、フローは、「はい」に分岐し、追加の情報は、取得され得、さらなる処理が、生じる。
【0063】
患者支持台は、患者の頭部および足部が縦軸に沿って置かれた状態で、仰臥位患者を支持し得、走査アセンブリは、放射源および電子検出器を患者を横断して縦軸と実質的に垂直に一連の横方向走査経路に沿って移動させ、走査画像を入手し得る。そのような方法は、
図3に描写されるものに類似する動作を含む。走査経路の端部に到達すると、システムは、次いで、第1の横方向走査経路と実質的に平行な第2の横方向走査経路を横断し得る。
【0064】
走査が完了すると、または走査中、いくつかの例では、捕捉された3D光学データは、動作314におけるDXAデータと互いに関係付けられる。例として、3D光学データとDXAデータとを互いに関係付けることは、ピクセル毎に、患者の厚さを決定することを含み得る。例えば、光線追跡方法が、検出器の特定のピクセルに対応する患者の厚さを決定するために使用され得る。ピクセル毎に患者の厚さを決定することは、下記の
図4-6に関してさらに議論される。
【0065】
DXAデータは、2物質ベースの組に変換され得る。例えば、DXAデータは、アルミニウムおよびアクリルの厚等の2つの適切なベース物質の厚さ、または水分および脂肪厚に変換され得る。ここで好適であり得るベースの組および技法の議論は、Lehmann L A,Alvarez R E,Macovski A,Brody W R,Pelc N J,Riederer S J and Hall A L 1981 Generalized image combinations in dual kVp digital radiography Med. Phys. 8 659-67,DOI 10.1118/1.595025(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に記載される。本技術では、2つの物質の各々の等価面積密度(g/cm
2)が、DXAシステムを用いて測定され得る。その測定値は、次いで、3D光学データと組み合わせられ得る。光学データも、患者の密度が水分(1g/cm
3)と類似密度を有するという仮定に基づいて、または、患者の測定、または光学データから決定された患者の体重および体積に基づく平均密度を使用することによって、面積密度(g/cm
2)の単位で表され得る。Lehmannによって説明される技法の例は、付属Cに示される。
図Aは、アルミニウムの厚さまたはアクリル(Luciteとしても知られる)の厚さのいずれかとしての全身ファントム(Hologic,Inc.(Marlborough,Massachusettsから利用可能)全体の画像である。各ピクセルは、アルミニウムのmm単位のある厚さおよびアクリルのmm単位のある厚さを有するように表されている。
図Bは、2Dヒストグラムであり、各円形は、
図Aにおける単一ピクセルを表す。
図Cは、ファントムの脊椎エリアを描写し、
図Dは、脊椎エリアの2Dヒストグラムである。ファントムのアルミニウム脊椎は、画像および2Dヒストグラムの両方において、アルミニウム脊椎を含まない画像の一部を上回るピクセルあたりのアルミニウムの厚さを有することが理解され得る。さらに明白であることは、脊椎を含まないプラスチックの総厚が、二重エネルギーX線データによって測定されるように、約130~135mmのLuciteであるということである。脊椎ファントムの実際の厚さは、135mmを上回り、それは、光学データによって決定されることができる。これは、脊椎ファントムのプラスチックが、アクリルではなく、実際は、低密度ポリエチレンであることを示す。ファントムの厚さに関するデータは、したがって、二重エネルギーX線データのみを使用して取得されないこともある情報を追加する。
【0066】
生体インピーダンス分析データも、動作316において取得され得る。生体インピーダンスデータは、電極を患者に取り付けることによって、生体インピーダンス機械を通して取得される。生体インピーダンス分析は、セグメント化された様式で実施され、身体の部分またはセグメントが、生体インピーダンス機械を用いて具体的に分析される。例えば、情報が、患者の腕部に対して所望される場合、生体インピーダンス機械の1つの電極は、患者の肩部に取り付けられ得、別の電極は、患者の指部に取り付けられ得る。電極の位置付けは、
図8に関してさらに下で議論されるように、取得される光学データおよび/またはDXAデータに基づいて修正され得る。生体インピーダンス分析データは、患者の走査中または患者の走査後、取得され得る。いくつかの例では、より正確な結果が、走査プロセスの持続時間にわたって、患者が実質的に静止したままでいることに起因して、走査に続いて、生体インピーダンス分析を実施することによって取得され得る。
【0067】
患者の体重も、動作318において、患者の体重を体重計を用いて測定することによって、取得され得る。例えば、体重データが、多重モダリティ走査システム内の患者支持台の脚部の各々の中に組み込まれる体重計構成要素から受信され得る。
【0068】
DXA走査データ、3D光学データ、生体インピーダンスデータ、および体重データを含む取得されるデータに基づいて、患者の身体組成が、動作320において取得されるデータの一部または全部を使用して生成される。いくつかの例では、身体組成は、ピクセル毎レベルおよび/または身体部分もしくはセグメント毎に生成され得る。ピクセル毎レベルで身体組成を決定することにおいて、3つのタイプの組織が、動作314において決定された特定のピクセルに対して、患者の厚さを使用して、各ピクセルに対して分解され得る。骨を含むピクセルに対して、身体組成は、骨、除脂肪組織、および脂肪組織の量を決定することを含む。骨を含まないピクセルに対して、身体組成を生成することは、脂肪組織、脱水除脂肪組織、および水分の量を決定することを含む。故に、ピクセルの各々のための身体組成が、組み合わせられ、腕部等の身体の一部に対する身体組成を決定すると、骨、脱水除脂肪組織、脂肪組織、および水分を含む4つのコンパートメントが、生成される。コンパートメントの量または値は、パーセンテージ、面積密度、質量、体積、または身体組成コンパートメントを表すために当業者によって公知の任意の他の値として表され得る。患者の厚さおよびDXAデータを使用して、ピクセル毎の身体組成に対する3つのコンパートメントを決定するための一例は、Malkov S,Shepherd J. Combining 3D optical imaging and dual energy absorptiometry to measure three compositional components. Proceedings of SPIE--the International Society for Optical Engineering. 2014;8937:893714-.doi:10.1117/12.2040903(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に記載される。
【0069】
生体インピーダンス分析データは、DXAデータとともに、特定の身体部分またはセグメントに対する身体組成を生成するためにも使用され得る。例えば、患者の腕部に対するセグメント化された生体インピーダンス分析データを受信することによって、水分量が、患者の腕部に対して確認され得る。BIAデータを通して決定された水分量は、DXAデータと組み合わせられ、4Cモデルのコンパートメントを提供し得る。全身分析のためにDXAデータおよびBIAデータを組み合わせるための方法は、Wilson JP,Strauss BJ,Fan B,Duewer FW,Shepherd JA. Improved 4-compartment body-composition model for a clinically accessible measure of total body protein. Am J Clin Nutr. 2013;97:497-504.doi:10.3945/ajcn.112.048074.PubMed PMID:23364008(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に記載される。前述の参考文献は、全身BIAデータについて議論するが、別々の身体部分に対するBIAデータ等のセグメント化されたBIAデータの使用に対処しない。セグメント化されたBIAデータおよびDXAデータの組み合わせは、多くの場合、簡単な操作ではない。例えば、適切な電極場所を決定し、DXAデータと正確に整合する別々の身体部分を測定することは、困難なタスクである。この問題の解決策は、
図8に関して下でさらに詳細に議論される。
【0070】
患者の体重も、身体組成を生成することにおいて利用され得る。いくつかの例では、患者の体重は、3D光学データおよび/または生体インピーダンスデータとともに、DXAデータから決定された身体組成の照合として使用され得る。例えば、DXAデータおよび3D光学データから決定された身体組成に基づいて、患者の全体的体積が、決定されることができる。異なるコンパートメントの既知の密度に起因して、患者に関する質量も、次いで、計算され得る。その質量は、患者の測定された体重と比較され、生成された身体組成データを照合することができる。体重はまた、患者の推定された質量または体重が、患者の測定された質量または体重と異なる場合、生成された身体組成データを修正するために使用され得る。
【0071】
DXAデータおよび3D光学データから生成された身体組成データは、DXAデータおよび生体インピーダンスデータから生成された身体組成データと比較され得る。結果が、所定の閾値を上回って異なる場合、次いで、エラーメッセージが、表示され、潜在的不正確な走査を示し得る。いくつかの実施形態では、DXAデータおよび3D光学データからの身体組成結果は、DXAデータおよび生体インピーダンスデータから生成された身体組成データとマージされ得る。例えば、2組の身体組成データが、平均されるか、または、所定の係数もしくは重みの組によって修正され、2つのデータの組間の差異を補償し得る。
【0072】
上で議論されるように、捕捉された3D光学データは、ピクセル毎レベルで患者の厚さを決定するために使用され得る。その厚さを決定するために、光線追跡アルゴリズムが、実装され、X線源から放出され、特定のピクセルに到達する特定の光線または光線の一部の厚さを決定し得る。
図4は、技術のある実施形態による患者434等の走査標的の厚さTを決定するための多重モダリティ走査システム400の概略断面図を描写する。多重モダリティ走査システム400は、上記の
図1A-1Fに描写される多重モダリティ走査システム100と同一であり得る。多重モダリティ走査システム400は、二重エネルギーX線を台420上の患者434に向かって放出するX線源426を含む。X線は、患者434を通過後、検出器430によって検出される。X線源426から放出される1つの光線428が、
図4に描写される。光線428は、X線源426から放出され、患者434の脚部または他の付属器等の部分を通過し、検出器430のピクセル431によって検出される。故に、特定の光線428に対応する患者434の厚さTは、光線428が患者434を通して進行する距離である。その厚さTは、次いで、ピクセル431に対するDXAデータと組み合わせて使用され、ピクセル431に対する身体組成データを生成し得る。理解されるであろうように、光線428は、単一光線として描写されるが、特定のピクセル431によって検出される光線の集合であり得る。さらに、光線428は、特定のピクセル431によって検出される光線の集合の中心光線を表し得る。
【0073】
図5は、技術のある実施形態による患者等の走査標的の厚さを決定する方法500を描写する。上記の
図4に説明される厚さTを決定することは、2つの異なる撮像システム、例えば、DXA撮像技術と3D光学撮像技術との幾何学配置によって生じる実質的障害を克服することを要求する。X線源および線形検出器は、概して、ある座標の組に良好に適合する一方、3D光学デバイスは、概して、別個の座標の組に良好に適合する。一般に、これらの複数の座標の組は、単純計算または決定に直ちに役立つわけではない。方法500は、異なる幾何学配置を伴う複数の撮像システムを有するにもかかわらず、特定のピクセルに対応する患者の厚さを決定するための解決策を提供する。
【0074】
動作502では、特定のピクセルに対応するX線の軌道が、決定され得る。軌道は、X線源の場所および幾何学配置と、患者厚さが所望される特定のピクセルとに基づいて推定された軌道であり得る。動作504では、1つ以上の3D光学デバイスからの深度測定が、グローバル座標空間に位置合わせされ得る。グローバル座標空間は、台等の多重モダリティ走査システム内の構成要素のうちの1つを基礎とするか、またはそれに基づく原点を有し得る。そのような例では、グローバル座標系の原点は、台の中心であり得る。他の例では、グローバル座標系の原点は、移動する支持アーム、X線源、線形検出器、または3D光学デバイスのうちの1つの一部であり得る。いくつかの例では、動作504において、3D光学デバイスからの深度測定は、推定された軌道に基づいて、光線が通過する身体部分にのみ位置合わせされ得る。3D光学デバイスからの位置合わせされた深度測定に基づいて、動作506において、患者または患者の身体部分に対する3Dモデルが、グローバル座標空間内で生成される。患者の3Dモデルは、深度がグローバル座標空間において決定され得るように、患者を3次元で描写する。
【0075】
動作508では、所望のピクセルに対応するX線の軌道が、グローバル座標空間に位置合わせされる。X線をグローバル座標空間に位置合わせすることは、3D光学デバイスの各々の幾何学配置および場所と比較して、X線源および検出器の幾何学配置および場所を考慮することを伴う。動作510では、X線の軌道が、グローバル座標空間に位置合わせされると、特定のピクセルに対応する患者の厚さは、グローバル座標空間内の患者の3Dモデルから決定される。その厚さは、次いで、上で議論されるように、特定のピクセルに対応する身体組成データを生成するために使用され得る。方法500は、
図3に描写される方法300における動作314の一部であり得る。
【0076】
しかしながら、方法500において決定された厚さ等の3D光学データから決定された厚さは、3D光学データが患者の表面走査に限定されることに起因して、不正確性を含み得る。例えば、空気間隙が、腕部と肩部の合流点の真下の腋下の中空エリア等の患者の外部表面間に存在し得る。厚さが、表面撮像からの3Dモデルに基づいて、腋下を通過するX線に対して決定される場合、厚さは空気間隙が3Dモデルによって捕捉されないこともあるので、正しくないこともある。
図6は、技術のある実施形態による走査標的の決定された厚さを修正する方法600を描写する。方法600は、典型的ヒトのテンプレートを利用し、走査されている実際の患者により類似するようにテンプレートを修正する。患者内の空気間隙が、次いで、修正されたテンプレートに基づいて推定され、患者の厚さを調節するために使用される。
【0077】
より具体的には、方法600における動作602において、人体の標準的テンプレートが、アクセスされる。患者の基準マーカまたは他の目印が、動作604において、3D光学画像から識別される。患者の基準マーカまたは目印は、3D光学デバイスからの捕捉された画像データから生成された患者の3Dモデルから識別され得る。患者上で識別された基準マーカまたは他の目印のうちの1つ以上のものが、次いで、人体テンプレートと互いに関係付けられる。動作606では、人体テンプレートは、次いで、患者上で識別された基準マーカまたは目印に合致するように修正される。修正されたテンプレート内の空気間隙が、次いで、動作608において識別される。例えば、修正されたテンプレートの腋下または殿裂内の空気間隙が、識別され得る。動作610では、特定のピクセルに到達するX線が空気間隙を通過した場合、
図5に描写される方法500において決定された厚さ等の特定のピクセルに対して患者に対して決定された厚さが、識別された空気間隙に基づいて調節される。例えば、X線が空気間隙を通過したかどうかを決定するために、修正されたテンプレートが、患者の捕捉された3D画像から生成された患者の3Dモデルと整列させられ得る。3Dモデルと修正されたテンプレートとが整列させられると、X線が修正されたテンプレート内で識別された空気間隙のいずれかを通過したかどうかの決定が、行われることができる。X線が、識別された空気間隙を通過した場合、特定のピクセルに対する患者の厚さは、識別された空気間隙のサイズおよび形状に基づいて低減させられる。調節された厚さは、次いで、
図3に描写される方法300の動作320等において、身体組成データを生成することにおいて使用され得る。
【0078】
方法600は、腋下等の患者の外部表面間の空気間隙を識別するが、技術は、患者内の内部ガス状空隙を識別するためにも使用され得る。
図7は、技術のある実施形態による走査標的内の皮下ガス状空隙を識別する方法700を描写する。動作702では、患者の一部に対する体積が、
図3に描写される方法300において生成された身体組成データに基づいて、1つ以上のピクセルに対して決定されることができる。DXAデータおよび/または身体組成データから体積を決定するための1つの方法は、Wilson JP,Mulligan K,Fan B,et al. Dual-energy X-ray absorptiometry-based body volume measurement for 4-compartment body composition.The American Journal of Clinical Nutrition. 2012;95(1):25-31. doi:10.3945/ajcn.111.019273(参照することによって本明細書に全体として組み込まれる)に記載される。特定のピクセルまたはピクセルの組に対する体積は、動作704において、3D光学データに基づいて生成される。体積は、上で議論される各ピクセルの形状、サイズ、および厚さ決定を使用することによって、3D光学データから決定され得る。例えば、1つ以上のピクセルに対応する患者の体積は、捕捉された3D画像データから生成された患者の3Dモデルから生成され得る。身体組成データおよび/またはDXAデータから決定された体積は、動作706において、3D光学データから生成された体積と比較される。
【0079】
動作708では、患者内の内部ガス状空隙が、動作706における体積の比較に基づいて識別される。3D光学データから決定された体積が、身体組成データから予測される体積を上回る場合、異常ガス状空隙が、体積が決定された1つ以上のピクセルに対応する軌道またはX線に沿った場所の患者の内側に存在し得る。いくつかの事例では、内部ガス状空隙は、肺内等に予期されるべきである。しかしながら、腹部では、そのようなガス状空隙は、異常であり得、潜在的に深刻な状態のインジケータであり得る。故に、
図6に描写される方法600における動作606において生成された修正された人体テンプレート等の修正された人体テンプレートは、比較のためのベースラインとして使用され得る。例えば、修正された人体テンプレートは、標準的人体内の肺または他の予期されるガス状空隙の場所または体積を示し得る。動作706において比較される体積間の差異が、所定の閾値を超える場合、異常ガス状空隙が、予測され得る。例えば、動作706において比較される体積間の差異が、修正されたヒトテンプレートから予測される体積差異を上回る場合、異常ガス状空隙が、予測され得る。同様に、ガス状空隙が予期されないエリアに対して、動作706において比較される体積間の差異が存在する場合、異常ガス状空隙が、患者内に存在することが予期され得る。腸ガス等のあるガス状空隙が、一部の患者に対して、腹部内に予期され得る。腸ガスの予期される量または容認可能量が、所定の閾値を計算することにおいて利用され得る。光学画像も、患者の表面内の膨隆を識別し、内部ガス状空隙をさらに確認するために分析され得る。いくつかの例では、ガス状空隙の存在に関する抽出されたデータが、検出されるガスまたは空気の量に基づいて、異なるコンパートメントの値を決定することにおいて利用され得る。
【0080】
図8は、技術のある実施形態による3D光学および/またはDXAデータに基づいて、セグメント化された生体インピーダンス測定を修正する方法800を描写する。生体インピーダンス分析測定は、従来、ジオメトリ定数(K
B)等の身体の形状または幾何学配置に基づく仮定の組に基づく。生体インピーダンス分析がジオメトリ係数(K
B)に基づく方法の一例は、De Lorenzo A,Andreoli A,Matthie J,Withers P. Predicting body cell mass with bioimpedance by using theoretical methods:a technological review. J Appl Physiol 1997;82:1542-58(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に記載される。De Lorenzo参考文献の付属Cに説明されるように、ジオメトリ係数(K
B)は、身体の体積を表す5つの円柱形の幾何学配置に基づく。DXAデータおよび/または光学データを通して、人体の実際の形状または身体の筋肉形状を判別することによって、5円柱形仮定が、改良されることができる。例えば、ジオメトリ係数(K
B)の導出は、無限小長さを有する無限数の円柱形に基づき、腕部、脚部、および胴体部等の身体のセグメントに対する筋肉の円周の積分であるジオメトリ係数(K
B)のための方程式を提供することができる。方法800は、DXAデータとの使用のためのセグメント化された生体インピーダンス分析を改良するための解決策を提供する。
【0081】
動作802では、所望の身体部分に対する筋肉組織の形状が、DXAデータから決定される。筋肉の形状は、DXAデータから形成される画像から決定され得る。動作804では、身体部分の形状が、3D光学デバイスによって捕捉された3D光学データから決定され得る。例えば、患者の腕部の形状は、
図5に描写される方法500の動作506において生成された3Dモデル等の患者の3Dモデルから決定され得る。
【0082】
動作802において決定された筋肉形状と動作804において決定された身体部分形状データとの一方または両方に基づいて、生体インピーダンス分析のための電極位置付け指針が、動作806において提供され得る。生体インピーダンス測定のための電極の場所は、所望の身体部分を正確に測定することにおける有意な要因であり得る。それを通して電気信号が進行するであろう身体部分の形状および/または筋肉の形状を把握することによって、電極が、より最適様式で位置付けられ得る。指針は、患者の画像または患者のモデル上に表示されるインジケータとともに、ディスプレイ画面を通して提供され得る。
【0083】
生体インピーダンス測定は、動作808においても、修動作802において決定された筋肉形状と動作804において決定された身体部分形状データとの一方または両方に基づいて修正され得る。例として、概して生体インピーダンス分析において使用される仮定および/または近似が、筋肉の実際の形状および/または身体部分の実際の形状に基づいて修正され得る。例えば、いくつかの生体インピーダンス分析では、腕部または脚部は、円柱形として近似され得る。患者の3Dモデルに基づいて腕部の実際の形状を有することによって、実際の形状が、円柱形近似ではなく、生体インピーダンス計算のために使用され得る。筋肉の実際の形状も、生体インピーダンス計算をさらに修正および精緻化するために同様に使用され得る。さらに、決定された身体部分形状および/または筋肉形状は、DXAデータをセグメント化および処理するために使用される境界線を修正するために使用され得る。
【0084】
いくつかの例では、DXAデータおよび/または3D光学データは、走査の終結時、生体インピーダンス機械によって処理され得る。DXAデータおよび/または3D光学データが、生体インピーダンス機械によって受信および処理されると、生体インピーダンス測定が、行われ得る。他の例では、生体インピーダンス測定は、DXAデータおよび/または3D光学データが処理されることに先立って行われ得、それらの生体インピーダンス測定は、DXAデータおよび/または3D光学データが処理された後に修正され得る。
【0085】
図9は、技術のある実施形態による走査するための患者の位置付けを確認する方法900を描写する。動作902では、患者の位置が、捕捉された3D光学画像に基づいて識別される。患者の位置は、患者の走査に先立って、または走査中のいずれかにおいて、識別され得る。患者位置は、次いで、動作時904、容認基準と比較される。容認基準は、複数のルールまたは所定の容認可能位置を含み得る。例えば、1つのルールは、患者全体が走査野内に完全になければならないことであり得る。別のルールは、患者のいずれの部分も患者の別の部分に重複しないことであり得る。例えば、患者は、その脚部を交差させ得、または、その手を身体の別の部分の真下に置き得、それらの両方は、不正確な走査結果につながるであろう。患者位置が、容認基準を満たし、したがって、適切であるかどうかに関する決定が、動作906において行われる。患者位置が、適切ではない場合、方法900は、動作910に進み、患者の走査は、開始することを防止されるか、または走査がすでに開始されている場合、一時停止される。走査を一時停止すると、アラートが、不適切な患者位置を示すために提示され得る。アラートは、患者位置が不適切なである理由とともに、患者に適切な位置に移動する方法を指示するために患者に提供するための指示も表示し得る。動作912では、患者は、後続走査のために、適切な位置に再位置付けされる。方法900は、次いで、動作902に戻り、方法900は、持続的にまたは間隔を空けてのいずれかにおいて、走査の持続時間全体を通して繰り返される。
【0086】
走査位置が、動作906において、適切であると決定される場合、方法900は、動作908に進み、走査が、開始するか、または走査がすでに開始されている場合、継続する。方法900は、次いで、動作902に戻り、方法900は、持続的にまたは間隔を空けてのいずれかにおいて、走査の持続時間全体を通して繰り返される。3D光学撮像を通して患者の適切な位置を確認し続けることによって、患者の放射暴露は、患者が適切な位置にある時間に限定される。例えば、放射の放出は、患者が使用不可能または不正確な走査データをもたらすであろう不適切な位置にあるとき、防止される。
【0087】
本明細書に説明される例は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせを使用して、本明細書に開示されるシステムおよび方法を実装し、行うために採用されることができる。具体的デバイスが、本開示全体を通して、具体的機能を行うように列挙されたが、当業者は、これらのデバイスが、例証目的のために提供され、他のデバイスも、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される機能性を行うために採用されることができることを理解されるであろう。
【0088】
本開示は、付随の図面を参照して、技術のいくつかの例を説明したが、可能な例のいくつかのみが、示された。しかしながら、他の側面も、多くの異なる形態で具現化されることができ、本明細書に記載される例の限定として解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が徹底的かつ完全であり、当業者に可能な例の範囲を完全に伝えるように提供された。
【0089】
具体的例が本明細書に説明されたが、技術の範囲は、それらの具体的例に限定されない。当業者は、技術の範囲内の他の例または改良を認識するであろう。したがって、具体的構造、作用、または媒体は、例証的例としてのみ開示される。本発明による例は、本明細書に別様に記載されない限り、概して開示されるが、組み合わせとして明示的に例示されないものの要素または構成要素も組み合わせ得る。技術の範囲は、以下の請求項およびその中の任意の均等物によって定義される。
付属A
向上されたマルチコンパートメント組織組成査定のための二重エネルギーX線および3D表面撮像の統合:Ultra DXAプロジェクト
Bennett K. Ng,Wei Wang,Chao Huang,Howard Weiss,Thomas L. Kelly,Kevin E. Wilson,John A. Shepherd
緒言:2つのみの重畳された物質を分解する二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)の能力は、骨と比べた軟質組織質量に関する正確な解決策をもたらすが、骨と比べた軟質組織組成を推定するために、有意な空間近似を余儀なくする。軟質組織組成測定の正確度を改良するために、我々は、真のピクセル毎3コンパートメント濃度測定のための3D光学全身撮像とDXAの新規組み合わせを提案する。
方法:プロトタイプデバイスが、3つの3D光学カメラ(Kinect,Microsoft(Redmond,WA))をHologic Discovery/W(Hologic(Marlborough,MA))上に配設されたカスタマイズされた光学的に透明なテーブルトップの上方および下方に統合することによって開発された。カメラからの深度画像が、組み立てられ、各DXAピクセルに対応するX線経路長を推定する。物質分離は、脂肪(青色ろう)、水分(プラスチック水)、およびタンパク質(Delrin)に生物学的に等価の物質の6-cmステップファントム上で複数回の走査を使用して実証された。較正のために、45の厚さの組み合わせが、使用された。30名の参加者の募集が、継続中である。
結果:デバイスは、
図1の上に示される。較正を使用して、我々は、ファントム脂肪、水分、およびタンパク質コンパートメントの逆畳み込み物質画像を作成した(
図1下)。ステップファントムの個々の光学画像は、各ステップにおいて、約2.3mmの厚さ誤差(SD)を有していた。複数の光学画像の評価は、20枚の画像集合が、誤差を0.5mmを下回って低減させることを示した。Ultra DXAと標準的DXAとの間のインビボ測定一致は、収集された参加者データを使用して実証されるであろう。加えて、完全4コンパートメント撮像が、提示されるであろう。
考察:我々は、高精度および正確度を伴って、3つの物質を同時に分解するUltra DXAの能力を実証した。成功する場合、このデバイスは、タンパク質および水分分離を含む高速で、分かりやすく、かつ高忠実性の身体組成査定のための新しいツールをもたらし得、それは、サルコペニア等の状態を監視するために貴重であり得る。
【表1】
付属B
二重エネルギーX線吸収測定法および生体電気インピーダンス分析を使用した高速4コンパートメント身体組成査定の検証
Bennett K. Ng,Wei Wang,Chao Huang,Howard Weiss,Thomas L. Kelly,Kevin E. Wilson,John A. Shepherd
緒言:4コンパートメント(4C)モデルは、人体組成のための至適基準である。本モデルは、身体を骨ミネラル、脂質、水分、およびタンパク質コンパートメントに分離するが、従来、標識された水分同位体を使用して、総身体水分測定を含むいくつかの測定を要求する。方法のコストおよび時間要件は、広い臨床用途を阻むが、しかし、高速4C査定のための二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)および生体電気インピーダンス分析(BIA)を統合した簡略化されたモデルが、提案されている。
目的:4コンパートメント身体組成分析において使用するための生体電気インピーダンスからの身体水分測定の使用を検証する。
方法:30名の健康な成人参加者が、全身DXA走査(カスタマイズされたDiscovery/W,Hologic Inc.(Marlborough,MA))、3区多周波数BIA測定(S10,InBody USA(Cerritos,CA))、4倍重水素希釈プロトコルによる総身体水分測定、および空気置換プレチスモグラフィ(ADP)(BODPOD,COSMED USA,Inc.(Concord,CA))による身体体積測定を受けるために募集されている。4C組成は、Lohmanモデル(体重計質量、DXAからの骨質量、D2O希釈からの身体水分、ADPからの体積)と、Wilsonによって説明される、身体水分に関するBIAおよび身体体積に関するDXAを使用する簡略化された方法とを使用して計算された。種々のモデルからの%脂肪測定の正確度が、査定された。
結果:本書記述現在で、13名の参加者(男性3名)が、研究プロトコルを完了していた。年齢の平均および標準偏差は、35.8±13.9歳であり、BMIは、26.4±4.3kg/m
2であった。BIAからの反復総身体水分測定は、高精度(再位置付けを伴って、%CV=1.5%)を呈した。5名の参加者(男性1名)が、有効重水素希釈TBW測定を有していた。本亜群では、BIA水分測定は、D2Oと高相関を示した(R
2=0.99、RMSE=0.57L)。線形補正[TBW_BIA
Corrected]=0.81
*[TBW_BIA]+4.96が、バイアスを除去するために適用された。全てのモダリティからのパーセント脂肪測定が、Lohmanモデルとの高相関を呈したが、1と異なる傾きおよびいくつかの有意なオフセットを伴っていた。4C DXA+BIAは、最近傍近似であった(
図1参照)。
結論:本研究は、4コンパートメント身体組成のためのDXAおよびBIA技術を組み込む、簡略化された臨床上実行可能な技法を実証する。追加のデータが、さらなる較正のために要求される。本技法の臨床実践への移行は、サルコペニアおよび悪液質等の筋消耗状態の監視のために重要な高速かつ分かりやすい臨床4C査定を可能にするであろう。
【表2】
参考文献:
S. B. Heymsfield et al.,“Multi-component molecular-level body composition reference methods:evolving concepts and future directions,” Obes Rev,vol.16,no.4,pp.282-294,Apr. 2015.
付属C
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】