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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】バタフライバルブの配管用調芯機構
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/22 20060101AFI20230828BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20230828BHJP
   F16K 27/02 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
F16K1/22 B
F16K27/00 C
F16K27/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019561606
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2018046968
(87)【国際公開番号】W WO2019131430
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2017248720
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000039
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 忍文
(72)【発明者】
【氏名】那須 隆志
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-161987(JP,A)
【文献】実開平6-14644(JP,U)
【文献】実開平5-45344(JP,U)
【文献】実公平5-5349(JP,Y2)
【文献】実開昭60-40862(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/22
F16K 27/00ー27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの配管用調芯機構において、弁箱のトップフランジ下部に、位置決め治具が嵌合可能な溝を設け、溝の端面位置は配管フランジと弁箱が接合する面上とすると共に、前記溝は、前記位置決め治具に設けられた嵌合突起を嵌合可能な挿入溝を有し、該挿入溝は各種フランジ接続規格に対応可能とすべく異なる位置に少なくとも1つ設けられていることを特徴とするバタフライバルブの配管用調芯機構。
【請求項2】
円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの配管用調芯機構において、弁箱のトップフランジ下部に、位置決め治具が嵌合可能な溝を設け、溝の端面位置は配管フランジと弁箱が接合する面上とすると共に、前記溝は、前記位置決め治具に設けられた棒状突起を挿入可能な穴部を有し、該穴部は各種フランジ接続規格に対応可能とすべく異なる位置に少なくとも1つ設けられていることを特徴とするバタフライバルブの配管用調芯機構。
【請求項3】
円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの配管用調芯機構において、弁箱のトップフランジ下部に、位置決め治具が嵌合可能な溝を設け、溝の端面位置は配管フランジと弁箱が接合する面上とすると共に、前記溝は、前記位置決め治具に設けられた嵌合突起を嵌合可能な挿入溝を有すると共に前記位置決め治具に設けられた棒状突起を挿入可能な穴部を有し、該穴部及び前記挿入溝は各種フランジ接続規格に対応可能とすべく異なる位置に少なくとも1つ設けられていることを特徴とするバタフライバルブの配管用調芯機構。
【請求項4】
位置決め治具は、前記溝に挿入され嵌合する部分と、配管フランジ外周側面に当接する部分から形成されことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバタフライバルブの配管用調芯機構。
【請求項5】
トップフランジに位置決め治具収納部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の配管用調芯機構。
【請求項6】
位置決め治具は、拡縮自在の爪によるバイヨネット機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の配管用調芯機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学工場、上下水道、農業・水産などの配管ラインに好適に使用されるバタフライバルブに関するものであり、さらに詳しくは、各種流体移送する管路へのウエハ型のバタフライバルブに施工に際し、管路とバタフライバルブの中心線を合致させる芯出し作業、すなわち調芯を行うために使用する配管用調芯機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体の輸送用管路を構成する前後2本の管の間にバタフライバルブを組み付ける際に、これらの管の中心線とバタフライバルブの弁箱の中心線を合致させる調芯を行う必要がある。この調芯が正確に行われないと配管フランジ部のシール性が毀損されたり、バルブの全開時に弁体が配管の内径を干渉してしまうという問題が発生する。そこで従来から、バタフライバルブの配管に際し、この調芯が行い易く配管作業がスムーズに行えるような工夫や対応策が講じられている。
【0003】
従来は、接続するボルトの高さを基準にし、ボルト外周にセットカラーを装着し、カラーに弁箱の外周をあてがう方式や、弁箱の上部に半円状のフックを設け、このフックをボルトにあてがう方式が採用されてきた。ボルト挿通孔の径はボルト径より大きく、且つ締結前のボルトは不安定な状態にあるため、芯出し作業が困難であった。また、他には弁箱のトップフランジ下部に、スリーブ形状の位置決め部材を装着し、配管時に位置決め部材をフランジ外側面にあてがう方式が採用されてきた。
【0004】
また、スリーブ形状の位置決め部材を装着し、配管時に位置決め部材を配管のフランジ外側面にあてがう方法では、スリーブの上面と弁箱のトップフランジ下面を接触させることで位置決めすることから、配管接続規格が変わりフランジ径が変わると、接続規格に応じたスリーブが必要となり、汎用性に難があることや、部品が大きいため、保管に難点があった。
【0005】
例えば、特許文献1には、円筒状バルブ本体の外周に立設されている円柱状の弁軸受け部に対し管路の上流側又は下流側から嵌合可能な半円筒状嵌合部とこの嵌合部の両側に張り出した張出部とで本体を形成し、両側の張出部の各下端に切欠き部を設けた芯出し治具が開示されている。
【0006】
この芯出し治具は、弁軸軸受け部の上端に弁軸アクチュエータ取付け用として固定されているトップフランジの下面に前記半円筒形状嵌合部の上端を接触させ、その状態でバタフライバルブを前後2本の管の端部に固定されている配管フランジの上端部を連結するボルトに前記芯出し治具の張出部下端の切欠き部が係合してバタフライバルブの下降が制止されることによって調芯される。
【0007】
また、円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの組付け用芯出し治具が弁軸軸受け部の外面に嵌合する本体部と本体部の下部に結合されて管路の上流側および下流側の少なくとも一方に張り出す足部とからなり、芯出し治具をバタフライバルブと共に管路内で対向する上流側および下流側の配管フランジ間に挿入して管路およびバルブ本体の中心線を合致させたときに足部の下面が配管フランジの外周と接触するように構成し、バラフライバルブ組付け用芯出しを作業者一人で容易に、かつ正確に行うことができ、しかもバタフライバルブの組付け後に容易に取り外すことができ、配管フランジに各種規格サイズに対応することが可能な芯出し治具が開示されている(特許文献2参照。)。
【0008】
他にも、短円筒形の弁箱内に設けたジスク(弁体)を回転自在に設けたバタフライバルブにおいて、前記弁の外周上方側と外周下方側に突設片を設け、この突設片に、各種のフランジ規格に対応可能な配管ボルトガイド用のボルト当接部を形成し、このボルト当接部のうち弁箱の下方側のボルト当接部を下方側に向けて開口形成すると共に、上方側のボルト当接部を前記下方側のボルト当接部と略交差方向に開口形成し、ウエハ型バタフライバルブと配管との芯出し作業を正確かつ容易に行うことができると共に、配管作業性の向上を図り、各種のフランジ規格に広く対応可能としたものが提案されている(特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】実公平5-5349号公報
【文献】特開2002-161987号公報
【文献】特開2007-177813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明もまた、以上のような従来技術の問題点に鑑み、位置決め方式、位置決め治具形状を工夫することにより、使い勝手が良く、且つ簡便に配管工事の調芯作業を実施することができるバタフライバルブの配管用調芯機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの配管用調芯機構において、弁箱のトップフランジ下部に、位置決め治具が嵌合可能な溝を設け、溝の端面位置は配管フランジと弁箱が接合する面上とすると共に、前記溝は、前記位置決め治具に設けられた嵌合突起を嵌合可能な挿入溝を有し、該挿入溝は各種フランジ接続規格に対応可能とすべく異なる位置に少なくとも1つ設けられていることを第1の特徴とする。
【0012】
また、円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの配管用調芯機構において、弁箱のトップフランジ下部に、位置決め治具が嵌合可能な溝を設け、溝の端面位置は配管フランジと弁箱が接合する面上とすると共に、前記溝は、前記位置決め治具に設けられた棒状突起を挿入可能な穴部を有し、該穴部は各種フランジ接続規格に対応可能とすべく異なる位置に少なくとも1つ設けられていることを第2の特徴とし、円筒状バルブ本体の外周部に突設されて径方向に延びる柱状の弁軸軸受け部に着脱自在に取付けられるバタフライバルブの配管用調芯機構において、弁箱のトップフランジ下部に、位置決め治具が嵌合可能な溝を設け、溝の端面位置は配管フランジと弁箱が接合する面上とすると共に、前記溝は、前記位置決め治具に設けられた嵌合突起を嵌合可能な挿入溝を有すると共に前記位置決め治具に設けられた棒状突起を挿入可能な穴部を有し、該穴部及び前記挿入溝は各種フランジ接続規格に対応可能とすべく異なる位置に少なくとも1つ設けられていることを第3の特徴とする。
【0013】
さらに、位置決め治具は、前記溝に挿入され嵌合する部分と、配管フランジ外周側面に当接する部分から形成されことを第4の特徴とし、トップフランジに位置決め治具収納部を設けたことを第5の特徴とする。
【0014】
位置決め治具は、拡縮自在の爪によるバイヨネット機構を備えていることを第6の特徴とし、前記位置決め治具が、前記溝との接触面、並びに前記治具収納部との接触面に複数の突起を有することを第7の特徴とする。
【0015】
ここで、バタフライバルブの材質は、樹脂、金属、陶器等限定されないが、PVC、PP、PVDF、ジシクロペンタジエンのいずれか一つからなることが望ましい。これらは軽量で成形や二次加工し易く、配管材料の材質として広く用いられているため好適である。また高い剛性が要求される場合は、銅、真鍮、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼、ステンレス、チタン、アルミニウム、アルミダイカストなどの金属が望ましく、特に成形や加工が容易であり、腐食に強いことからステンレスであることがより望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以上のような構造をしており、以下の優れた効果が得られる。
(1)同一形状の位置決め治具を、弁箱に設けられた溝に嵌合させ、位置決め治具の配管フランジ接触面に配管フランジ外周側面を当接させる簡単な操作で、配管施工時の調芯が可能となる。また、同一形状の位置決め治具で多種の配管接続規格に対応可能となり高い汎用性を持つ。
(2)配管フランジの外周を基準にしてバタフライバルブの組付け高さを設定するものであるから、配管フランジの接続ボルトを基準にする従来の芯出し治具に比べて芯出し作業が容易になり、組付けを作業員が一人で正確に行うことができる。
(3)位置決め治具は、拡縮自在の爪によるバイヨネット機構を備えているので、芯出し治具の着脱および再使用が可能である。また、位置決め治具は小型軽量であり、トップフランジに収納することができるため、作業性及び保管性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一の実施形態に係るバタフライバルブを示す正面図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係るバタフライバルブの配管用調芯機構を示す斜視図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係るバタフライバルブの配管用調芯機構の施工状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る配管用調芯機構の要部拡大斜視図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係る位置決め治具を示す斜視図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係る位置決め治具を示す(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の底面図、(d)は(a)の右側面図である。
図7】本発明の第二の実施形態に係るバタフライバルブを示す正面図である。
図8】本発明の第二の実施形態に係るバタフライバルブの配管用調芯機構を示す斜視図である。
図9】本発明の第二の実施形態に係る配管用調芯機構の要部拡大斜視図である。
図10】本発明の第二の実施形態に係る位置決め治具を示す斜視図である。
図11】本発明の第二の実施形態に係る位置決め治具を示す(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の底面図、(d)は(a)の右側面図である。
図12】本発明の第三の実施形態に係るバタフライバルブを示す正面図である。
図13】本発明の第三の実施形態に係るバタフライバルブの配管用調芯機構を示す斜視図である。
図14】本発明の第三の実施形態に係る配管用調芯機構の要部拡大斜視図である。
図15】本発明の第三の実施形態に係る位置決め治具を示す斜視図である。
図16】本発明の第三の実施形態に係る位置決め治具を示す(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の底面図、(d)は(a)の右側面図である。
図17】本発明の第三の実施形態に係る位置決め治具がバタフライバルブに収納された状態を説明する(a)は収納前、(b)は収納時の斜視図、(c)は収納時の正面図である。
図18】本発明の第三の実施形態に係る位置決め治具とフランジとの関係を説明する図である。
図19】本発明の第四の実施形態に係るバタフライバルブを示す正面図である。
図20】本発明の第四の実施形態に係るバタフライバルブの配管用調芯機構を示す斜視図である。
図21】本発明の第四の実施形態に係る配管用調芯機構の要部拡大斜視図である。
図22】本発明の第四の実施形態に係る位置決め治具を示す斜視図である。
図23】本発明の第四の実施形態に係る位置決め治具を示す(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の底面図、(d)は(a)の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明における第一の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明の第一の実施形態におけるバタフライバルブの本体は略短円筒形の弁箱1であって、樹脂成型品(PP製)であり弁箱1の外周部には複数の配管ボルトのガイド凹部4が設けられている。このように周囲に波状の凹凸加工を施すことによって剛性を高めるようにされ、配管ボルトガイドとしての機能は十分に果たすことができるようにされている。弁箱1の材質としては、樹脂以外にもアルミダイキャストやステンレス等の金属製その他の材料であっても良い。この弁箱1の上部にはハンドルレバー3を取付けるための上ステム2を軸装する軸装部5が設けられ、軸装部5の上端にハンドルレバー3や弁軸アクチュエータ(図示せず)取付用のトップフランジ6が全周に渡って張り出して一体に形成されている。尚、図中8はシートリング、9は弁体である。
【0020】
図3において、7は配管フランジであり、流体輸送用の管路を構成して隣り合う上流側および下流側の2本の管の端部に固定され、この2枚の配管フランジ7の間にバタフライバルブの弁箱1を上から挿入した後、配管フランジ7に開けた規定のボルト孔7aに締結ボルト(図示せず)を挿通し、その先端にナットを嵌めて締結し、弁箱1を2枚の配管フランジ7間に挟持するようにされている。
【0021】
そして、弁箱1の軸装部5の上端に形成されたトップフランジ6上に搭載したハンドルレバー3又は弁軸アクチュエータ(図示せず)を下方から挿通される複数本のボルトでトップフランジ6に固定できるようにされている。
【0022】
図4に示すように、トップフランジ6の下部に、位置決め治具11を挿入する挿入溝10を設け、挿入溝10の端面位置はフランジ7と弁箱1が接合する面上とする。位置決め治具11を挿入する挿入溝10は、縦長の楕円形状に穿設され、各種フランジ接続規格に対応可能とすべく、挿入溝10の複数の位置に両横方向に張り出した溝段部10a、10b及び10cが形成されている。
【0023】
そして、この挿入溝10のいずれかの溝段部10a、10b及び10cに、位置決め治具11を挿入するが、位置決め治具11には各溝段部に嵌合する突起11cと、フランジ7外周側面に当接する面11bから形成され、同一形状の位置決め治具11にて、多種の配管接続規格に応じて施工時の調芯を可能にされている。図中、11aはリング状の取手である。溝段部10a、10b及び10cと突起11cは長方形断面であらわされているが嵌合可能であれば、断面が多角形の角柱、半円形でも構わない。
【0024】
位置決め治具11は、調芯後又は不要の際は、トップフランジ6の治具収納部12に収納可能とされている。位置決め治具11は、爪11dと間隙11eによる拡縮自在のバイヨネット機構を備えているので、位置決め治具11を治具収納部12に簡便かつ確実に収納でき、その着脱および再使用も容易に行うことができる。
【0025】
次に、本発明における第二の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。第一の実施形態と同様の構成を有するものについては同一符号を用いる。
【0026】
図7及び図8に示すように、本発明の第二の実施形態におけるバタフライバルブの本体は略短円筒形の弁箱1であって、樹脂成型品(PP製)であり弁箱1の外周部には複数の配管ボルトのガイド凹部4が設けられている。このように周囲に波状の凹凸加工を施すことによって剛性を高めるようにされ、配管ボルトガイドとしての機能は十分に果たすことができるようにされている。弁箱1の材質としては、樹脂以外にもアルミダイキャストやステンレス等の金属製その他の材料であっても良い。この弁箱1の上部にはハンドルレバー3を取付けるための上ステム2を軸装する軸装部5が設けられ、軸装部5の上端にハンドルレバー3や弁軸アクチュエータ(図示せず)取付用のトップフランジ6が全周に渡って張り出して一体に形成されている。尚、図中8はシートリング、9は弁体である。施工状態は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
図9に示すように、トップフランジ6の下部に、位置決め治具11を挿入する挿入溝10を設け、溝10の端面位置はフランジ7と弁箱1が接合する面上とする。位置決め治具11を挿入する挿入溝10は、縦長の楕円形状に穿設され、各種フランジ接続規格に対応可能とすべく、挿入溝10の複数の位置に後述する棒状突起11fが挿入される溝穴部10dが形成されている。
【0028】
そして、この挿入溝10のいずれかの溝穴部10dに、位置決め治具11を挿入するが、位置決め治具11には溝穴部10dに嵌合する棒状突起11fと、フランジ7外周側面に当接する面11bから形成され、同一形状の位置決め治具11にて、多種の配管接続規格に応じて施工時の調芯を可能にされている。溝穴部10dと棒状突起11fは円筒であらわされているが嵌合可能であれば、断面が多角形の角柱、楕円柱、半円柱でも構わない。
【0029】
位置決め治具11は、調芯後又は不要の際は、トップフランジ6の治具収納部12に収納可能とされている。位置決め治具11は、爪11dと間隙11eによる拡縮自在のバイヨネット機構を備えているので、位置決め治具11を治具収納部12に簡便かつ確実に収納でき、その着脱および再使用も容易に行うことができる。
【0030】
次に、本発明における第三の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。前述した実施形態と同様の構成を有するものについては同一符号を用いる。
【0031】
図12及び図13に示すように、本発明の第三の実施形態におけるバタフライバルブの本体は略短円筒形の弁箱1であって、樹脂成型品(PP製)であり弁箱1の外周部には複数の配管ボルトのガイド凹部4が設けられている。このように周囲に波状の凹凸加工を施すことによって剛性を高めるようにされ、配管ボルトガイドとしての機能は十分に果たすことができるようにされている。弁箱1の材質としては、樹脂以外にもアルミダイキャストやステンレス等の金属製その他の材料であっても良い。この弁箱1の上部にはハンドルレバー3を取付けるための上ステム2を軸装する軸装部5が設けられ、軸装部5の上端にハンドルレバー3や弁軸アクチュエータ(図示せず)取付用のトップフランジ6が全周に渡って張り出して一体に形成されている。尚、図中13はシートリング、9は弁体である。施工状態は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0032】
図14に示すように、トップフランジ6の下部に、位置決め治具11を挿入する挿入溝10を設け、挿入溝10の端面位置はフランジ7と弁箱1が接合する面上とする。位置決め治具11を挿入する挿入溝10は、縦長で、トップフランジ6側が平滑に、他端側が隅部を有する多角形状に穿設され、各種フランジ接続規格に対応可能とすべく、挿入溝10の複数の位置に後述する棒状突起11fが挿入される溝穴部10dが形成されている。溝穴部10dと棒状突起11fは円筒であらわされているが嵌合可能であれば、断面が多角形の角柱、楕円柱、半円柱でも構わない。
【0033】
そして、この挿入溝10のいずれかの溝穴部10dに、位置決め治具11を挿入するが、位置決め治具11には溝穴部10dに嵌合する棒状突起11fと、フランジ7外周側面に当接する面11bから形成され、同一形状の位置決め治具11にて、多種の配管接続規格に応じて施工時の調芯を可能にされている。
【0034】
位置決め治具11は、調芯後又は不要の際は、トップフランジ6の治具収納部12に収納可能とされている。位置決め治具11は、爪11dと間隙11eによる拡縮自在のバイヨネット機構を備えているので、位置決め治具11を治具収納部12に簡便かつ確実に収納でき、その着脱および再使用も容易に行うことができる。前述した実施形態は、位置決め治具11の背面側から正面側に向かって間隙11eが形成されているが、本実施形態においては、位置決め治具11の正面側から背面側に向かって間隙11eが形成されている。
【0035】
位置決め治具11は、図15に示すように、挿入溝10と嵌合するため底面に突出した嵌合部11mが設けられている。嵌合部11mの両面側には、圧入用の小突起11gが複数個設けられ、挿入溝10に嵌合部11mを挿入した際、簡単に脱離しない構造とされている。位置決め治具11の両側面には抜け防止用突起11hが設けられおり、図14に示すように、位置決め治具11を治具収納部12に収納した際、抜け防止用突起11hが挿入溝10に接触して爪11dを位置決め治具11の内側に押圧し、より強固にバイヨネット機構を機能させて位置決め治具11の脱離を防止することができる。位置決め治具11の平面側には逃がし溝11kが設けられている。図18(a)に示すように、配管フランジ7には、配管に設けられた刻印に合わせることを目的としてフランジのボルト穴の角度や継手の角度を簡易に調節できるよう複数の角度指示用突起71が設けられている。図18(b)に示すように、逃がし溝11kは、この角度指示用突起71と位置決め治具11の干渉を防止する。
【0036】
図17に示すように、挿入溝10内には複数の規格マーク10eが刻設されている。嵌合部11mには、切欠部11jが設けられており、この規格マーク10eを視認可能に構成されている。切欠部11jの設けられる位置は、棒状突起11fと規格マーク10eとの位置関係で決定される。
【0037】
次に、本発明における第四の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。前述した実施形態と同様の構成を有するものについては同一符号を用いる。
【0038】
図19及び図20に示すように、本発明の第四の実施形態におけるバタフライバルブの本体は略短円筒形の弁箱1であって、樹脂成型品(PP製)であり弁箱1の外周部には複数の配管ボルトのガイド凹部4が設けられている。このように周囲に波状の凹凸加工を施すことによって剛性を高めるようにされ、配管ボルトガイドとしての機能は十分に果たすことができるようにされている。弁箱1の材質としては、樹脂以外にもアルミダイキャストやステンレス等の金属製その他の材料であっても良い。この弁箱1の上部にはハンドルレバー3を取付けるための上ステム2を軸装する軸装部5が設けられ、軸装部5の上端にハンドルレバー3や弁軸アクチュエータ(図示せず)取付用のトップフランジ6が全周に渡って張り出して一体に形成されている。尚、図中20はシートリング、9は弁体である。施工状態は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
図21に示すように、トップフランジ6の下部に、位置決め治具11を挿入する挿入溝10を設け、溝10の端面位置はフランジ7と弁箱1が接合する面上とする。位置決め治具11を挿入する挿入溝10は、第一の実施形態と同様の形状に穿設され、各種フランジ接続規格に対応可能とすべく、挿入溝10の複数の位置に後述する棒状突起11fが挿入される溝穴部10dが形成されている。
【0040】
そして、この挿入溝10のいずれかの溝段部10a、10b、10c、及びこれらに対応する溝穴部10dに、位置決め治具11を挿入するが、位置決め治具11には各溝段部に嵌合する突起11cと、溝穴部10dに嵌合する棒状突起11fと、フランジ7外周側面に当接する面11bから形成され、同一形状の位置決め治具11にて、多種の配管接続規格に応じて施工時の調芯を可能にされている。溝段部10a、10b及び10cと突起11cは長方形断面であらわされているが嵌合可能であれば、断面が多角形の角柱、半円形でも構わない。さらに、溝穴部10dと棒状突起11fは円筒であらわされているが嵌合可能であれば、断面が多角形の角柱、楕円柱、半円柱でも構わない。
【0041】
位置決め治具11は、調芯後又は不要の際は、トップフランジ6の治具収納部12に収納可能とされている。位置決め治具11は、爪11dと間隙11eによる拡縮自在のバイヨネット機構を備えているので、位置決め治具11を治具収納部12に簡便かつ確実に収納でき、その着脱および再使用も容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 弁箱
2 ステム
3 ハンドルレバー
4 ガイド凹部
5 軸装部
6 トップフランジ
7 配管フランジ
8 シートリング
9 弁体
10位置決め治具の挿入溝
10d溝穴部
10e規格マーク
11位置決め治具
11aリング状の取手
11bフランジ当接面
11c嵌合突起
11d爪
11e間隙
11f棒状突起
11g圧入用の小突起
11h抜け防止用の突起
11j切欠部
11k逃がし溝
11m嵌合部
12治具収納部
71角度指示用突起
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