(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20230828BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
(21)【出願番号】P 2020010130
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】小宮 孝
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0043029(US,A1)
【文献】特開2010-001656(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2010-0010743(KR,U)
【文献】特開2014-173317(JP,A)
【文献】特開2009-079431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンの一端部が巻取り及び巻解き可能に巻取パイプに連結され、前記スクリーンの他端部が前記巻取パイプから垂下して折り返し部材で折り返されて前記巻取パイプ付近に設けられる固定部材に連結されるロールスクリーンであって、
少なくとも一部が前記折り返し部材の下方に位置し、前記スクリーンにテンションをかけるウエイト部と、
前記折り返し部材に設けられ、前記ウエイト部を前記折り返し部材に対して上下方向に相対移動可能に支持する支持部と
を備えることを特徴とするロールスクリーン。
【請求項2】
前記支持部は
回転可能な操作部と、
前記操作部の回転変位を前記折り返し部材に対する前記ウエイト部の直線変位に変換する変換部とを備える
ことを特徴とする請求項1記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記支持部は、
前記ウエイト部に対して上下方向に相対移動可能に設けられ、前記折り返し部材を回転可能に支持する軸受部
をさらに備え、
前記変換部は、前記軸受部を前記ウエイト部に対して上下方向に相対移動させる
ことを特徴とする請求項2記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記変換部は、ネジ孔であり、
前記操作部は、前記ネジ孔を貫通し前記軸受部に当接するネジ部材である
ことを特徴とする請求項3記載のロールスクリーン。
【請求項5】
前記変換部は、前記軸受部に設けられたラックを有し、
前記操作部は、前記ラックに噛み合うピニオンである
ことを特徴とする請求項3記載のロールスクリーン。
【請求項6】
前記支持部は、その正面及び背面が前記ウエイト部に覆われ、該覆われた正面及び背面のいずれかの外壁面に、1つまたは上下方向に複数設けられた第1の係合部を有し、
前記ウエイト部は、前記外壁面に対向する内壁面に、前記第1の係合部と分離可能に係合する、1つまたは上下方向に複数設けられた第2の係合部を有し、
前記第1及び第2の係合部のいずれかは複数設けられる
ことを特徴とする請求項1記載のロールスクリーン。
【請求項7】
前記ウエイト部は、相対移動がなされる場合、前記折り返し部材における下端部の正面及び背面の少なくともいずれかを覆う状態を維持する
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に開示される技術は、巻取パイプから垂下したスクリーンをウエイトバーで折り返して巻取パイプ付近に連結したロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
このような構成のロールスクリーンとしては、下記特許文献1に示されるものが知られている。これに示されるものは、天井又は壁面に取付けられるバー本体と、前記バー本体の一方の側部から突出して設けられたスクリーン固定部材と、前記バー本体に回転可能に取付けられた巻き取りロッドと、前記巻き取りロッドに一端が固定されて前記巻き取りロッドから垂下し錘本体で折り返されて他端が前記スクリーン固定部材に固定されたスクリーンとを備えたロールブラインドであって、前記スクリーンの他端が前記スクリーン固定部材の内部に前記スクリーンの長さを調整し得るように収容されたことを特徴としている。
【0003】
これによれば、スクリーンの長さが足りなくなった場合又はその長さが長すぎた場合には、スクリーン固定部材の内部にそのスクリーンの他端を収容、又はそのスクリーン固定部材の内部からスクリーンの他端を引き出すことによりその長さを調整することができる、という効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1のロールスクリーンでは、錘本体を含めたスクリーン上下方向長さである製品長さを調節する場合、ロールスクリーンが固定された天井高さ近傍での調節作業が必要となり、特に天井が高い場合には作業者は手が届かないため、脚立や足場に上がっての高所での作業となる。このような作業は極めて煩雑であり、容易に調節することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、製品長さの調節が容易なロールスクリーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、スクリーンの一端部が巻取り及び巻解き可能に巻取パイプに連結され、前記スクリーンの他端部が前記巻取パイプから垂下して折り返し部材で折り返されて前記巻取パイプ付近に設けられる固定部材に連結されるロールスクリーンであって、少なくとも一部が前記折り返し部材の下方に位置し、前記スクリーンにテンションをかけるウエイト部と、前記折り返し部材に設けられ、前記ウエイト部を前記折り返し部材に対して上下方向に相対移動可能に支持する支持部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スクリーン長さの調節が容易なロールスクリーンを提供することができる。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係るロールスクリーンを示す概略斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係るロールスクリーンを側面側から見た縦断面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る当接状態における可動支持部材を示す斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係る離間状態における可動支持部材を示す斜視図である。
【
図5】第1の実施形態に係る当接状態におけるウエイトバーを正面側から見た縦断面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る離間状態におけるウエイトバーを正面側から見た縦断面図である。
【
図11】第1の実施形態に係る調節部材の調節を説明するための図である。
【
図12】第2の実施形態に係る当接状態における可動支持部材を側面側から見た縦断面図である。
【
図13】第2の実施形態に係る離間状態における可動支持部材を側面側から見た縦断面図である。
【
図14】第2の実施形態に係る当接状態における可動支持部材を示す側面図である。
【
図15】第2の実施形態に係る離間状態における可動支持部材を示す側面図である。
【
図16】第3の実施形態に係る当接状態におけるウエイトバーを側面側から見た縦断面図である。
【
図17】第3の実施形態に係る離間状態におけるウエイトバーを側面側から見た縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
(全体構成)
先ず、本実施形態に係るロールスクリーンの全体構成について説明する。
図1は本実施形態に係るロールスクリーンを示す概略斜視図であり、
図2は本実施形態に係るロールスクリーンを側面側から見た縦断面図である。なお、本実施形態においては、後述するロールスクリーン1が例えば家屋の窓枠等に取り付けられた状態において、その室内側を正面、窓側を背面と称し、これらの面垂直方向を前後方向、当該前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と称して以後説明を行う。
【0012】
本実施形態に係るロールスクリーン1は、
図1及び
図2に示されるように、窓枠や天井等にブラケット10を介して固定されるセットフレーム11の両端に設けられたサイドブラケット12に巻取パイプ13の両端が回転可能に支持されており、巻取パイプ13にスクリーン20の一端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。巻取パイプ13の回転操作は、サイドブラケット12の一端に設けられた操作チェーン14を操作することにより行われ、また、操作チェーン14の操作を停止すれば、公知のストッパにより巻取パイプ13はその停止位置を維持可能となる。
【0013】
(スクリーン20)
スクリーン20は、
図1及び
図2に示されるように、巻取パイプ13から垂下すると共にウエイトバー30で折り返されて上昇し、巻取パイプ13よりも後方においてセットフレーム11に固定されている。より詳細には、スクリーン20の他端は板状の固定部材15に巻回される形で連結されており、この固定部材15がセットフレーム11の下方に画成された固定空間111に挿入されることにより、スクリーン20の他端がセットフレーム11に固定される。巻取パイプ13から垂下したスクリーン20は、ウエイトバー30の前方側に位置すると共に、ウエイトバー30で折り返されてウエイトバー30の後方側にも位置しており、前後方向に二重の状態になる。したがってスクリーン20は、巻取パイプ13により巻取及び巻解かれた際にはその前後で互い違いの方向に移動することとなる。また、スクリーン20は、ウエイトバー30の自重によりその折り返し部分が下方に引っ張られることによりテンションが加わり、展張状態を維持する。
【0014】
スクリーン20は、光をある程度透過する透過部22と、透過部22に比較して光の透過率が低い不透過部21とが上下方向に交互に連続して形成される。好ましくは、透過部22は透明または半透明の生地からなっており、不透過部21は遮光生地からなっている。また、好ましくは、透過部22の高さ寸法は、不透過部21の高さ寸法以下、さらに好ましくは、不透過部21の高さ寸法よりも小さくなるように設定される。
【0015】
(ウエイトバー30)
ウエイトバー30は、
図2に示されるように、左右方向に延在しスクリーン20の折り返し部分の内側にあってスクリーン20が巻き掛けられる回転パイプ31と、回転パイプ31と共にスクリーン20にテンションを付与するウエイト本体32と、ウエイト本体31の両端面にそれぞれ固定され回転パイプ31を相対回転可能に支持すると共に、後述する調節部材332により回転パイプ31に対してウエイト本体31を上下方向に相対移動可能な一対の可動支持部材33と、からなる。
【0016】
(ウエイト本体32)
ウエイト本体32は、回転パイプ31と平行且つその下方に配置されて左右方向に延在すると共に、その下面にウエイト本体32の左右方向全長に亘って開口321が形成された長尺部材である。ウエイト本体32の開口321には、これを閉塞するための着脱自在な軟質樹脂等の可撓性部材であるウエイトカバー324が嵌め込まれており、ウエイト本体32の正面内壁及び背面内壁から互いに近接するように突出する支持片323と開口321縁部とによりウエイトカバー324が脱落不能に支持されている。
【0017】
(可動支持部材33)
図3は本実施形態に係る当接状態における可動支持部材33を示す斜視図であり、
図4はその離間状態を示す斜視図である。
図5は本実施形態に係るウエイトバー30を正面側から見た縦断面図であり、
図6はその離間状態を示す縦断面図である。なお、一対の可動支持部材33は、それぞれが同一構成を有するため、
図3~
図6では一方の可動支持部材33のみが示されている。また、
図5及び
図6における回転パイプ31及び後述するパイプキャップ311は、その回転軸から上方が正面、下方が縦断面でそれぞれ示されている。
図3及び
図4に示されるように、1つの可動支持部材33は、支持部本体330と、軸受け部材331と、調節部材332とを備える。
【0018】
(支持部本体330)
支持部本体330は、ウエイトバー30の側面を覆う所謂サイドキャップであり、
図3及び
図4に示されるように上下方向に延在する薄箱状に形成されて、上下端部が円弧状に形成されると共に、一方の側面が閉塞され、他方の側面が開口している。支持部本体330の略中央には、前後方向に延在して軸受け部材331を支持する板状の支持板333が設けられている。支持板333の略中央に凹部が形成されており、当該凹部の略中央には内周にネジ山が設けられた所謂雌ネジである貫通孔338が穿設されている。支持板333は、その上方に支持部本体330の内壁と協働して収容空間334を画成する。
【0019】
支持板333下方には4つの嵌合片335が設けられており、
図5及び
図6に示されるように、これらがウエイト本体32内に側面から嵌合することにより、ウエイト本体31両端部に可動支持部材33をそれぞれ組み付けることができる。支持部本体330の周壁下面には、後述する調節部材332の調節を可能とするために切欠き336が形成されている。なお、切欠き336は、
図5及び
図6に示されるように、通常ウエイトカバー324により閉塞され、当該調整がなされる場合に開放される。ウエイトカバー324による閉塞を可能とするために、切欠き336の前後方向長さは、ウエイト本体32の開口321と同等とすることが好ましい。
【0020】
(軸受け部材331)
軸受け部材331は、その略中央に軸受け孔337が穿設されており、当該軸受け孔337により回転パイプ31を相対回転可能に軸支する。より詳細には、軸受け孔337に、回転パイプ31と一体回転するように回転パイプ31の両端部にそれぞれ係合する一対のパイプキャップ311(
図5及び
図6参照)の一方が相対回転可能に挿入され、これによち軸受け部材331は回転パイプ31を軸支することができる。また、軸受け部材331は、支持部本体330の収容空間334に上下方向に沿って相対移動可能に収容されており、
図3及び
図5に示されるような支持板333に当接した状態(以後、当接状態と称する)から、
図4及び
図6に示されるような支持板333から離間した状態(以後、離間状態と称する)へ移行することができる。
【0021】
(調節部材332)
調節部材332は、円筒部分の周壁に螺旋状にネジ山が設けられ、支持板333の貫通孔338に螺合可能な所謂雄ネジであり、貫通孔338を貫通した状態で螺合している。支持板333の下方に位置する調節部材332の下端部には、ネジ頭が設けられると共に、支持板333の上方に位置する上端部には、軸受け部材331の下面と当接してこれを支持する平板状の支持台339が設けられている。したがって軸受け部材331は、調節部材332を介して支持板333により支持されることとなる。調節部材332は、
図3~
図6に示されるように、貫通孔338に螺合しているため、自身の回転により貫通孔338に対して上下方向に相対移動することができ、つまり調節部材332及び貫通孔338は、その回転変位を直線変位に変換可能な変換機構をなしている。
【0022】
以下、調節部材332の作用について、
図5及び
図6と共に
図7~
図10を用いて詳細に説明する。
図7及び
図8は
図5のA-A線断面図、B-B線断面図であり、
図9及び
図10は
図6のC-C線断面図、D-D線断面図である。
図11は、本実施形態に係る調節部材の調節を説明するための図である。なお、
図7及び
図9に示される2点鎖線は、当該断面からは見えない回転パイプ31を示している。
【0023】
調節部材332は、その回転により可動支持部材33を当接状態から離間状態までの間の状態に調節することができる。当接状態では、
図5及び
図7に示されるように、調節部材332が最も下方に位置して支持台339の下面が支持板333上面、より詳細には支持板333の凹部底面に当接し、支持板333の凹部に内に支持台339が位置しており、支持板333の上面と支持台339の上面とが面一となって軸受け部材331の下面と当接し、これを支持している。この時の回転パイプ31下端からウエイトカバー324下面までの長さは、
図7に示される長さαとなる。
【0024】
当接状態において調節部材332が回転されると、その回転量に応じて、貫通孔338に対して調節部材332と共に支持台339が上方へ相対移動し、これに伴い軸受け部材331が支持台339により持ち上げられる形で上方に移動することとなる。回転パイプ31は、操作チェーン14が操作されなければスクリーン20により上下方向位置が維持されるため、調節部材332が回転されることにより、結果的に支持板333、延いてはウエイト本体32、可動支持部材33、及びウエイトカバー324が回転パイプ31に対して下方へ相対移動することとなる。よって調節部材332の回転量に応じて、軸受け部材331と支持板333との距離、換言すれば回転パイプ31下端部とウエイトカバー324下面との距離が増大することとなる。
【0025】
調節部材332が回転され続けると、最終的には
図6及び
図9に示されるように、軸受け部材331が収容空間334の天井壁に当接、または調節部材332のネジ頭が支持板333の下面に当接し、回転パイプ31の下端部とウエイトカバー324の下面との距離が最大となった離間状態となる。この時の回転パイプ31下端からウエイトカバー324下面までの長さは、当接状態時の長さαより大きい長さβ(
図9参照)となる。したがって、調節部材332は回転パイプ31の下端からウエイトカバー324の下面までの長さを、最も小さい長さαから最も大きい長さβまでの範囲内で任意に調節することができ、延いては製品長さを任意に調節することができる。
【0026】
また、
図8及び
図10に示されるように、当接状態及び離間状態いずれの状態においても、ウエイト本体32の正面及び背面側の壁面が回転パイプ31の下端部を前後方向において覆うように長さα及び長さβを設定することが好ましい。これにより当接状態や離間状態においても回転パイプ31とウエイト本体32との間に上下方向においての隙間が形成されず、隙間からの意図しない光の漏れを防止することができる。なお、ウエイト本体32の正面及び背面側の壁面長さを適切に設定するようにしてもよい。
【0027】
調節部材332を回転させるには、
図11に示されるように、ウエイトカバー324を取り外した後、支持部本体330の切欠き336に例えばドライバ40等の工具を下方から挿入し、当該ドライバ40により調節部材332のネジ頭を所望の方向へ回転させればよい。
【0028】
以上に説明した本実施形態によれば、可動支持部材33をウエイトバー30が備えることにより、ロールスクリーン1の下端に位置するウエイトバー30での製品長さの調節を容易に行うことができる。また、その調節作業自体も、ウエイトバー30の下方からドライバ40等の工具を用いて調節部材332を回転させるのみでよいため、極めて容易である。さらに、調節部材332の回転操作により、支持部本体330に対する軸受け部材331を上下方向に相対移動させるという簡素な構成で、製品長さの調節を実現できる。
【0029】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、雄ネジである調節部材332と雌ネジである貫通孔338とからなる回転変位を直進変位へ変換する変換機構によりロールスクリーン1の長さを調節すると説明したが、これに限定されるものではなく、当該変換機構としてラック・ピニオン機構を用いてもよい。本実施形態においては、ラック・ピニオン機構を備えた調節部材について
図12~15を用いて詳細に説明する。
【0030】
図12は、本実施形態に係る当接状態における可動支持部材33aを内方側面から見た縦断面図であり、
図13は、その離間状態における縦断面図である。
図14は、当接状態における可動支持部材33aを外方側面から見た側面図であり、
図15はその離間状態における側面図である。
図12及び
図14に示されるように、本実施形態に係る可動支持部材33aは、第1の実施形態に係る可動支持部材33と比較して、軸受け部材331、調節部材332、及び支持板333に代わり、軸受け部材331a、調節部材332a、及び支持板333aを備える点で異なる。
【0031】
軸受け部材331aは、前後方向一方側、本実施形態においては背面側端部に下方へ突出するレール部331―1が形成されており、支持板333aには、当該レール部331-1が上下方向に移動可能に貫通できるよう孔部が形成されている。レール部331-1は、その正面側壁面に、後述する調節部材332aの歯車332-1に噛み合うように上下方向に歯切りがなされた、所謂ラック・ピニオン機構におけるラックに相当するものである。
【0032】
調節部材332aは、支持部本体330の側壁を貫通して当該支持部本体330に対して相対回転可能に軸支されており、歯車332-1と操作つまみ332-2とを備えて構成されている。歯車332-1は、レール部331-1の歯と噛み合うように、その周壁に歯切りがなされており、自身が回転することによりレール部331-1を介して軸受け部材331aを上下方向に相対移動させる所謂ラック・ピニオン機構におけるピニオンに相当するものである。操作つまみ332-2は、歯車332-1に対して同軸且つ一体回転可能に設けられた円盤状部材である。
【0033】
本実施形態に係る調節部材332aによる調節を行う場合は、先ずロールスクリーン1の使用者が、操作つまみ332-2を例えば
図13及び
図15に矢印で示される方向、ここでは右回転させることにより、歯車332-1を一体回転させ、軸受け部材331aを図示のように離間状態へ移行させるといった調節を行うことができる。当然、操作つまみ332-2を逆方向に回転させることにより、離間状態から当接状態へ容易に移行させることができる。
【0034】
以上に説明した本実施形態によれば、軸受け部材331aと調節部材332aとをラック・ピニオン機構とすることにより、第1の実施形態の可動支持部材33と同等の機能を実現することができる。さらに、支持部本体330の外部に操作つまみ332-2が露出していることから、使用者はウエイトカバー324を取り外すといった作業を行うことなく、また工具を用いることなく製品長さを容易に調節することができ、作業時間の短縮を実現できる。
【0035】
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態においては、調節部材を回転させることにより、製品長さを調節すると説明したが、回転操作を行うことなく直線変位させるようにしてもよい。本実施形態においては、回転操作の必要がない可動支持部材を備えるウエイトバーについて
図16及び
図17を用いて詳細に説明する。
【0036】
図16は、本実施形態に係る当接状態におけるウエイトバー30bを内方側面から見た縦断面図であり、
図17は、その離間状態における縦断面図である。
図16及び
図17に示されるように、本実施形態に係るウエイトバー30bは、第1の実施形態に係るウエイトバー30と比較して、ウエイト本体32及び可動支持部材33に代わり、ウエイト本体32b及び可動支持部材33bを備える点で異なる。
【0037】
可動支持部材33bは、ここでは図示しないパイプキャップ311を介して回転パイプ31を相対回転可能に両側面において支持すると共に、回転パイプ31の正面、背面、及び下面を覆うように形成された左右方向に延在する長尺部材である。可動支持部材33bの上面には、スクリーン20が挿通可能な開口33-1がスクリーン20の左右方向長さ分、延在するように形成されている。可動支持部材33bの正面及び背面側の外壁面には、後述するウエイト本体32bの係合凹部32-2に係脱自在に係合する係合凸部33-2が上下方向に複数連設されている。
【0038】
ウエイト本体32bは、可動支持部材33bの正面及び背面側の外壁面に当接すると共に、
図16に示されるように当接状態においては可動支持部材33bの下方側外壁面に当接して左右方向に延在する可撓性を有する長尺部材である。ウエイト本体32bの上面には、スクリーン20が挿通可能な開口32-1がスクリーン20の左右方向長さ分、延在するように形成されている。また、ウエイト本体32b上方部分は、軸受け部材331の上方への相対移動を可能とするために可動支持部材33bの上面から所定の長さ離間するように形成されている。ウエイト本体32b正面及び背面側の内壁面には、可動支持部材33bの係合凸部33-2が係脱自在に係合する係合凹部32-2が上下方向に複数連設されている。
【0039】
本実施形態に係るウエイトバー30bの長さを調節する場合は、先ずロールスクリーン1の使用者がウエイト本体32bを把持し、スクリーン20により吊下されている可動支持部材33bに対して上下動させればよい。例えば
図17に示されるように、ウエイト本体32bに下方へ引き下げる力を加えると、可動支持部材33bの係合凸部33-2が、ウエイト本体32bの復元力に抗して2つの係合凹部32-2間の突起を乗り越える。この時、ウエイト本体32bは、開口32-1が前後方向に僅かに広がるようにウエイト本体32bの正面及び背面の壁面が外方に撓むこととなる。その後に係合凸部33-2は下方に隣接する他の係合凹部32-2に係合し、これが繰り返されることで当接状態から離間状態へ段階的に移行させることができる。
【0040】
以上に説明した本実施形態によれば、回転操作を行うことなく、ウエイト本体32bを把持して直接段階的に上下動させることができ、簡便な構成で第1の実施形態の可動支持部材33と同等の機能を実現することができる。
【0041】
なお、係合凹部32-2が可動支持部材33bに設けられ、係合凸部33-2がウエイト本体32bに設けられるようにしてもよく、可動支持部材33bが可撓性を有してウエイト本体32bの相対移動の際に内方へ撓むようにしてもよい。
【0042】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の第1~第3の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0043】
1 ロールスクリーン
13 巻取パイプ
15 固定部材
20 スクリーン
30 ウエイトバー(ウエイト部)
31 回転パイプ(折り返し部材)
32,32b ウエイト本体(ウエイト部)
32-2 係合凹部(第2の係合部)
33,33b 可動支持部材(支持部)
33-2 係合凸部(第1の係合部)
331,331a 軸受け部材(軸受部)
331-1 レール部(変換部、ラック)
332,332a 調節部材(操作部、変換部、ネジ部材)
332-1 歯車(変換部、ピニオン)
338 挿通孔(変換部,ネジ孔)