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特許7337764電力システム、制御装置、電力補償ユニット、および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】電力システム、制御装置、電力補償ユニット、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/18 20060101AFI20230828BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230828BHJP
   H02P 9/14 20060101ALN20230828BHJP
【FI】
H02J3/18 135
H02J3/38 120
H02P9/14 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020154675
(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公開番号】P2022048702
(43)【公開日】2022-03-28
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷内田 貴行
(72)【発明者】
【氏名】奥山 涼太
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-127212(JP,A)
【文献】特開2000-217257(JP,A)
【文献】特開2019-030052(JP,A)
【文献】特開2020-005395(JP,A)
【文献】特開平06-187058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/18
H02J 3/38
H02P 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に接続され、有効電力と無効電力とを出力する発電機と、
前記電力系統に接続され、無効電力を出力する無効電力補償装置と、
前記無効電力補償装置を制御する制御装置と、
前記発電機から出力される有効電力値と、前記発電機から出力される無効電力値とを検出する第1検出器と、
前記電力系統に出力される有効電力値と、前記電力系統に出力される無効電力値とを検出する第2検出器とを備え、
前記制御装置は、
前記第1検出器で検出される有効電力値に基づく値と前記第1検出器で検出される無効電力値との差分に基づいて第1量を算出する第1算出部と、
前記第2検出器で検出される有効電力値に基づく値と前記第2検出器で検出される無効電力値との差分、または、前記第1検出器で検出される有効電力値に基づく値と前記第2検出器で検出される無効電力値との差分に基づいて第2量を算出する第2算出部と、
前記第1量と前記第2量とを加算することにより前記無効電力補償装置から出力される無効電力値を制御する制御部とを含む、電力システム。
【請求項2】
前記第1算出部は、
前記第1検出器で検出される有効電力値に対して係数を乗算することにより第1目標値を算出し、
前記無効電力補償装置から出力される無効電力値を前記第1目標値にするための操作量を前記第1量として算出する、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記第2算出部は、
前記第2検出器で検出される有効電力値または前記第1検出器で検出される有効電力値に対して係数を乗算することにより第2目標値を算出し、
フィードバック制御を実行することにより前記無効電力補償装置から出力される無効電力値を第2目標値にするための操作量を前記第2量として算出する、請求項1または請求項2に記載の電力システム。
【請求項4】
前記第1算出部は、前記第1検出器で検出される有効電力値に基づく値と前記第1検出器で検出される無効電力値との差分に対して高周波成分を除去するフィルタ処理を実行する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項5】
前記発電機と、前記無効電力補償装置とは、3巻線変圧器を介して前記電力系統に接続される、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電力システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電力システムに含まれる制御装置。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電力システムに含まれる、前記無効電力補償装置および前記制御装置を含む無効電力補償ユニット。
【請求項8】
無効電力補償装置を制御する制御方法であって、
発電機から出力される有効電力値と、前記発電機から出力される無効電力値とを検出するステップと、
前記無効電力補償装置および前記発電機が接続されている電力系統に出力される有効電力値と、前記電力系統に出力される無効電力値とを検出するステップと、
前記発電機から出力される有効電力値に基づく値と前記発電機から出力される無効電力値との差分に基づいて第1量を算出するステップと、
前記電力系統に出力される有効電力値に基づく値と前記電力系統に出力される無効電力値との差分、または、前記発電機から出力される有効電力値に基づく値と前記電力系統に出力される無効電力値との差分に基づいて第2量を算出するステップと、
前記第1量と前記第2量とを加算することにより前記無効電力補償装置から出力される無効電力値を制御するステップとを備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力システム、制御装置、電力補償ユニット、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発電機は、有効電力を出力するとともに、無効電力も出力する。有効電力は、負荷で消費される電力である。一方、無効電力は、負荷で消費されない電力である。また、無効電力が変動することにより、電圧変動などが生じる場合がある。この点を鑑み、電圧変動を抑制するために、無効電力を出力する無効電力補償装置が提案されている。特許文献1では、電力系統に接続されている無効電力補償装置と、無効電力補償装置を制御する制御装置と、電力系統に接続されている発電機とにより構成される電力システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-104865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力系統に電力を出力する電力システムにおいて、電力系統側の力率を一定にする制御が望まれている。力率は、有効電力と無効電力とにより定まる値である。この制御では、無効電力補償装置から出力される無効電力の目標値を定め、無効電力を目標値に制御することにより、力率を一定にする制御が考えられる。
【0005】
たとえば、特許文献1に記載の発明が、上記のような力率を一定にする制御を実行するように構成される場合には、発電機からの有効電力および発電機からの無効電力に基づいて、無効電力補償装置から出力される無効電力を制御する構成が考えられる。ここで、発電機から出力される有効電力が変化した場合に、電力系統側の力率を一定にする必要がある。しかしながら、この構成では、発電機から出力される有効電力が変化した場合には、無効電力補償装置からの電力系統における無効電力の値を目標値に到達させることができず、その結果、電力系統側の力率を適切に一定に制御することができないという問題があった。
【0006】
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、有効電力が変動した場合であっても電力系統側の力率を一定に制御することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う電力システムは、発電機と、無効電力補償装置と、制御装置と、第1検出器と、第2検出器とを備える。発電機は、電力系統に接続され、有効電力と無効電力とを出力する。無効電力補償装置は、電力系統に接続され、無効電力を出力する。制御装置は、無効電力補償装置を制御する。第1検出器は、発電機から出力される有効電力値と、発電機から出力される無効電力値とを検出する。第2検出器は、電力系統に出力される有効電力値と、電力系統に出力される無効電力値とを検出する。制御装置は、第1算出部と、第2算出部と、制御部とを含む。第1算出部は、第1検出器で検出される有効電力値に基づく値と第1検出器で検出される無効電力値との差分に基づいて第1量を算出する。第2算出部は、第2検出器で検出される有効電力値に基づく値と第2検出器で検出される無効電力値との差分、または、第1検出器で検出される有効電力値に基づく値と第2検出器で検出される無効電力値との差分に基づいて第2量を算出する。制御部は、第1量と第2量とを加算することにより無効電力補償装置から出力される無効電力値を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、発電機から出力される有効電力と発電機から出力される無効電力との差分に基づく第1量と、電力系統に出力される有効電力と電力系統に出力される無効電力との差分に基づく第2量とを加算することにより、無効電力補償装置の無効電力値を制御する。また、電力系統に出力される有効電力と、発電機から出力される有効電力とは略同一であることから、第2量は、発電機から出力される有効電力と、電力系統に出力される無効電力との差分に基づく値としてもよい。このように、本開示によれば、第1量と第2量との加算値により、無効電力補償装置の無効電力値を制御する。したがって、発電機から出力される有効電力が変化した場合であっても、電力系統における無効電力の値を目標値に到達させることができ、その結果、力率を一定に制御することができる。
【0009】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態の電力システムの構成例である。
図2】制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】θを説明するための図である。
図4】制御装置の機能ブロック図である。
図5】第1演算部の各構成部から出力される電力値などを示す波形の一例を示す図である。
図6】第2演算部の各構成部から出力される電力などの波形の一例を示す図である。
図7】制御部の生成部が生成する指令信号により示される無効電力値Q3の波形の一例を示す図である。
図8】制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態の制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に基づいた実施の形態における電力システムについて、以下、図を参照しながら説明する。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成の少なくとも一部を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。なお、以下では、無効電力補償装置(Static Var Compensator)を「SVC」とも称する。
【0012】
<第1実施形態>
[電力システムの構成]
図1は、本実施の形態の電力システム1000の構成例である。電力システム1000は、無効電力補償ユニット250と、発電機300と、3巻線変圧器400と、第1検出器600と、第2検出器700とを備える。無効電力補償ユニット250は、SVC200と、該SVC200を制御する制御装置100とを含む。発電機300は、制御部302を含む。また、SVC200および発電機300は、3巻線変圧器400を介して電力系統500に接続される。
【0013】
発電機300は、たとえば、太陽光発電および風力発電など自然エネルギーを利用して電力を発電する。発電機は、典型的には、交流発電機である。発電機300から、有効電力と、無効電力とが出力される。また、発電機300から出力される有効電力の値を「有効電力値P1」と称し、発電機300から出力される有効電力の値を「無効電力値Q1」と称する。発電機300から出力された有効電力と無効電力とは、3巻線変圧器400を経由して、電力系統500の負荷(図示せず)に出力される。この負荷は、有効電力に基づいて駆動する。
【0014】
また、発電機300の制御部302は、無効電力値Q1を制御する。たとえば、有効電力値P1が変動した場合であっても、無効電力値Q1が有効電力値P1の変動値に対応した値となるように無効電力値Q1を制御する。なお、制御部302の制御の方法は、他の方法であってもよい。また、発電機300は、制御部302を有さないようにしてもよい。つまり、発電機300は、無効電力値Q1を制御しないようにしてもよい。
【0015】
SVC200は、後述するように、力率を一定に制御するための無効電力を出力する(無効電力を補償する)。SVC200から出力される無効電力の値を「無効電力値Q3」と称する。SVC200から出力された無効電力は、3巻線変圧器400を経由して、電力系統500の負荷(図示せず)に出力される。また、制御装置100は、SVC200から出力される無効電力値Q3を制御する。
【0016】
3巻線変圧器400は、発電機300からの電圧を、予め定められた電圧に変更する。また、3巻線変圧器400は、発電機300から出力される有効電力および無効電力と、SVC200から出力される無効電力とを受け付ける。3巻線変圧器400は、発電機300から出力される有効電力を電力系統500に出力する。また、3巻線変圧器400は、発電機300から出力される無効電力と、SVC200から出力される無効電力とを加算して電力系統500に出力する。
【0017】
第1検出器600は、3巻線変圧器400と発電機300との間に設置されている。第1検出器600は、発電機300からの有効電力値P1および無効電力値Q1を検出する。なお、第1検出器600は、有効電力値P1を検出する検出部と、無効電力値Q1を検出する検出部とに分かれていてもよい。第1検出器600は、有効電力値P1および無効電力値Q1を、制御装置100に出力する。
【0018】
第2検出器700は、3巻線変圧器400と電力系統500との間に設置されている。第2検出器700は、3巻線変圧器400から出力される有効電力値P2と、無効電力値Q2とを検出する。有効電力値P2と、無効電力値Q2とは、電力系統500に出力される電力値でもある。なお、第2検出器700は、有効電力値P2を検出する検出部と、無効電力値Q2を検出する検出部とに分かれていてもよい。第2検出器700は、有効電力値P2および無効電力値Q2を、制御装置100に出力する。
【0019】
制御装置100は、後述の「電力系統500側の力率」が目標力率となるように無効電力値Q3を決定する。本実施の形態では、制御装置100は、有効電力値P1、無効電力値Q1、有効電力値P2、および無効電力値Q2に基づいて、無効電力値Q3を決定する。制御装置100は、該決定された無効電力値Q3の無効電力をSVC200から出力させるようにSVC200を制御する。
【0020】
[制御装置のハードウェア構成]
図2は、制御装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。制御装置100は、コントローラ150を有する。コントローラ150は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)160と、ROM(Read Only Memory)162と、RAM(Random Access Memory)164と、HDD(Hard Disk Drive)166と、通信I/F(Interface)168とを有する。各構成要素はデータバスによって相互に接続されている。
【0021】
CPU160の制御により、通信I/F168は、SVC200に対して指令信号を出力可能である。指令信号は、SVC200から出力される無効電力値Q3を含む。
【0022】
ROM162は、CPU160にて実行されるプログラムを格納する。RAM164は、CPU160におけるプログラムの実行により生成されるデータ、および通信I/F168を経由して入力されたデータを一時的に格納することができる。RAM164は、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能できる。HDD166は、不揮発性の記憶装置である。また、HDD166に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
【0023】
また、ROM162に格納されているプログラムは、記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通されてもよい。または、プログラムは、情報提供事業者によって、いわゆるインターネットなどによりダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供されてもよい。制御装置100は、記憶媒体またはインターネットなどにより提供されたプログラムを読み取る。制御装置100は、読み取ったプログラムを所定の記憶領域(たとえば、ROM162)に記憶する。CPU160は、該記憶されたプログラムを実行することにより上述の表示処理を実行する。
【0024】
記憶媒体は、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、CD-ROM(compact disc read-only memory)、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリなどの固定的にプログラムを担持する媒体としてもよい。また、記録媒体は、プログラムなどをコンピュータが読取可能な非一時的な媒体である。
【0025】
[目標力率について]
本実施の形態の制御装置100は、電力系統500に出力される有効電力および電力系統500に出力される無効電力により定まる力率(以下、「電力系統500側の力率」とも称する。)が目標力率となるような無効電力を、SVC200に出力させる。また、後述の図5などに示すように、有効電力値P1は変動する場合がある。制御装置100は、有効電力値P1が変動したとしても、電力系統500側の力率が目標力率となるようにSVC200を制御する。また、目標力率となるときの無効電力値を、「無効電力の目標値」ともいう。
【0026】
図3は、目標力率cosθの一例を説明するための図である。図3では、有効電力値Pを底辺とし、無効電力値Qを高さとする直角三角形が示されている。なお、斜辺は、皮相電力Sである。θは、皮相電力Sを示す斜辺と、有効電力値Pを示す底辺とによりなす角度である。また、典型的には目標力率は、cosθにより表される。つまり、目標力率cosθは、以下の式(1)で表すことができる。
【0027】
目標力率cosθ=P/S=P/{(P+Q1/2} (1)
この目標力率cosθは、予め設計者などにより定められる値である。したがって、θも予め定められた値である。
【0028】
また、SVC200から出力されている有効電力および無効電力と、発電機300から出力されている無効電力とから定まる力率cosφ1は、P1、Q1、およびQ3を用いて以下の式(2)で表すことができる。
【0029】
cosφ1=P1/{(P1+(Q1+Q3)1/2} (2)
式(2)の力率cosφ1は、「発電機300およびSVC200側の力率」とも称される。
【0030】
また、電力系統500側の力率cosφ2は、P2、Q2を用いて以下の式(3)で表すことができる。
【0031】
cosφ2=P2/{(P2+Q21/2} (3)
また、後述の変化要素が存在しない場合には、P1=P2となり、Q2=Q1+Q3となる。しかしながら、電力システム1000には、有効電力および無効電力の少なくとも一方を変化させる変化要素が存在することから、実際には、P1≒P2となり、Q2≒Q1+Q3となる。この変化要素とは、たとえば、3巻線変圧器400に含まれるインピーダンスおよび電力システム1000に含まれる複数の配線などである。複数の配線は、発電機300と第1検出器600とを結ぶ配線、第1検出器600と3巻線変圧器400とを結ぶ配線、無効電力補償ユニット250と3巻線変圧器400とを結ぶ配線、3巻線変圧器400と第2検出器700とを結ぶ配線などを含む。
【0032】
[制御装置の構成]
図4は、制御装置100の機能ブロック図である。制御装置100は、第1算出部110と、第2算出部120と、制御部130とを備える。第1算出部110は、tanθ乗算部111と、第1減算部112と、第1ゲイン部114と、フィルタ部116とを備える。第2算出部120は、tanθ乗算部121と、第2減算部122と、第2ゲイン部124と、フィルタ部116とを備える。
【0033】
まず、第1算出部110を説明する。第1算出部110に含まれるtanθ乗算部111は、有効電力値P1に対してtanθを乗算する。上述のようにθは予め定められた値であることから、tanθも予め定められた値である。
【0034】
図3の例に示すように、有効電力値P1に対してtanθを乗算した値は、無効電力に対応した無効電力値となる。この無効電力値Q(P1・tanθ)は、目標となる力率cosθに対応した無効電力値Qであることから、「無効電力の第1目標値」とも称される。
【0035】
tanθ乗算部111は、P1・tanθを第1減算部112に出力する。第1減算部112は、P1・tanθと、第1検出器600で検出される無効電力値Q1との差分を算出する。図4の例では、第1減算部112は、P1・tanθ-Q1という減算を行う。第1減算部112は、P1・tanθ-Q1を、第1ゲイン部114に出力する。
【0036】
第1ゲイン部114は、P1・tanθ-Q1に対して、第1ゲインK1を乗算することにより、K1・(P1・tanθ-Q1)を算出する。第1ゲインK1は予め定められた値である。第1ゲイン部114は、K1・(P1・tanθ-Q1)をフィルタ部116に出力する。
【0037】
フィルタ部116は、第1ゲイン部114からの出力であるK1・(P1・tanθ-Q1)に対して、フィルタ処理を実行する。このフィルタ処理は、K1・(P1・tanθ-Q1)の高周波成分を除去する処理である。フィルタ部116は、たとえば、ローパスフィルタにより構成される。このローパスフィルタは、たとえば、1次遅れ要素などである。また、ローパスフィルタは、多次遅れ要素(たとえば、2次遅れ要素)としてもよい。K1・(P1・tanθ-Q1)に対してフィルタ処理が実行されることにより、K1・(P1・tanθ-Q1)の高周波ノイズを除去することができる。フィルタ部116は、高周波成分が除去されたK1・(P1・tanθ-Q1)を制御部130に出力する。また、高周波成分が除去されたK1・(P1・tanθ-Q1)が、本開示の「第1量」および「SVC200から出力される無効電力値を第1目標値にするための操作量」に対応する。また、第1算出部110は、SVC200から出力される無効電力値を、第1目標値にするためにフィードフォワード制御を実行する。このように、第1算出部110は、フィードフォワード制御を実行することから、有効電力値P1が変動したとしても、この変動に対して素早く対応することができる。また、第1量は、フィードフォワード量とも称される。
【0038】
ところで、制御装置100が、第1目標値(P1・tanθ)となる無効電力をSVC200に出力させることにより、cosφ1を目標力率cosθとすることが考えられる。しかしながら、電力システム1000には、上述のように、力率を変化させる変化要素(たとえば、3巻線変圧器400に含まれるインピーダンスなど)が含まれる。よって、P1≠P2となり、Q2≠Q1+Q3となることから、cosφ1≠cosφ2となる。
【0039】
したがって、発電機300からの有効電力が変動した場合などには、cosφ1が目標力率cosθとなったとしても、cosφ2と目標力率cosθとの偏差が生じてしまう。そこで、本実施の形態では、第2算出部120が、この偏差を解消するためのフィードバック制御を行う。これにより、発電機300からの有効電力が変動した場合であっても、「電力系統500側の力率cosφ2」を目標力率cosθに制御できる。
【0040】
第2検出器700からの有効電力値P2は、第2算出部120に含まれるtanθ乗算部121に入力される。tanθ乗算部121は、有効電力値P2に対してtanθを乗算する。このtanθは、tanθ乗算部111で用いられるtanθと同一である。また、図3の例に示すように、有効電力値P2に対してtanθを乗算した値は、無効電力に対応した無効電力値となる。この無効電力値(P2・tanθ)は、目標となる力率cosθに対応した無効電力値Qであることから、「無効電力の第2目標値」とも称される。
【0041】
tanθ乗算部121は、P2・tanθを第2減算部122に出力する。第2減算部122は、P2・tanθと、第2検出器700で検出される無効電力値Q2との差分である第2量を算出する。図4の例では、第2減算部122は、P2・tanθ-Q2という減算を行う。第2減算部122は、P2・tanθ-Q2を、第2ゲイン部124に出力する。
【0042】
第2ゲイン部124は、P2・tanθ-Q2に対して、第2ゲインK2を乗算することにより、K2・(P2・tanθ-Q2)を算出する。第2ゲインK2は予め定められた値である。第1ゲインK1と第2ゲインK2とが同一であってもよく異なっていてもよい。第2ゲイン部124は、K2・(P2・tanθ-Q2)を積分部126に出力する。
【0043】
積分部126は、K2・(P2・tanθ-Q2)に対して、予め定められた期間Δtにおける積分処理を行う。この積分処理は、この積分処理は、上述の偏差を解消するための処理である。また、積分処理が実行されたK2・(P2・tanθ-Q2)が、本開示の「第2量」および「SVC200から出力される無効電力値を第2目標値にするための操作量」に対応する。また、第2算出部120は、SVC200から出力される無効電力値Q3を、第2目標値にするためにフィードバック制御を実行する。したがって、第2量は、フィードバック量とも称される。積分部126は、第2値(積分処理が行われたK2・(P2・tanθ-Q2))を加算部132に送信する。
【0044】
制御部130に含まれる加算部132は、フィルタ部116からの第1値と、積分部126からの第2値とを加算する。この加算値が、SVC200から出力させる無効電力の値(無効電力値Q3)である。生成部134は、無効電力値Q3を示す指令信号を生成し、該指令信号をSVC200に出力する。SVC200は、この指令信号に含まれる無効電力値Q3の無効電力を出力する。
【0045】
図5は、第1算出部110に入力される電力値を示す波形、および第1算出部110の各構成部から出力される電力値を示す波形の一例を示す図である。図6は、第2算出部120の各構成部から出力される電力の波形の一例を示す図である。図7は、制御部130の生成部134が生成する指令信号により示される無効電力値Q3の波形の一例を示す図である。
【0046】
図5図7の横軸は時間とする。また、図5(A)については、有効電力値P1の波形を示すことから、縦軸はワットを示す。図5(B)~図5(E)、および図6図7については、無効電力に対応する電力の波形を示すことから、縦軸はバールを示す。また、図5図7は、波形を示す概略図であり、各図面におけるワット値およびバール値は、実際の値とは異なっている。
【0047】
図5図7に示すタイミングt1において、有効電力値P1が変動(増加)されたとする。次に、有効電力値P1が変動される要因を説明する。たとえば、発電機300がソーラーパネルを有し、該ソーラーパネルによる太陽光発電により発電する場合を説明する。この場合において、ソーラーパネルの単位面積当たりの太陽光の量が変動した場合には、有効電力値P1は増加する。また、たとえば、発電機300が風車を有し、風力発電により発電する装置である場合において、風車に当たる風量が変動した場合には、有効電力値P1は変動する。
【0048】
図5(B)~図5(E)は、それぞれ、tanθ乗算部111から出力される電力値、第1減算部112から出力される電力値、第1ゲイン部114から出力される電力値、およびフィルタ部116から出力される電力値の波形を示す。
【0049】
図5(B)に示すように、タイミングT1において有効電力が増加した場合には、tanθ乗算部111から出力される電力値、第1減算部112から出力される電力値、および第1ゲイン部114から出力される電力値も増加する。上述のように、フィルタ部116は、第1ゲイン部114からの出力値の高周波成分を除去する。したがって、図5(D)に示す波形の頂部が、図5(E)に示すように、丸まった形状となる。
【0050】
次に、図6を説明する。図6(A)に示すように、tanθ乗算部121から出力される電力値P2・tanθは、タイミングT1において、変動する。なお、上述したようにP1・tanθ≒P2・tanθとなる。
【0051】
図6(B)に示すように、第2減算部122から出力される電力値であるP2・tanθ-Q2は、タイミングT1において、増加し、その後、徐々に減少していく。図6(C)に示すように、第2ゲイン部124から出力される電力値も、図6(B)と同様に第2ゲイン部124から出力される電力値であるK2(P2・tanθ-Q2)は、タイミングT1において、増加し、その後、徐々に減少していく。
【0052】
図6(D)に示すように、積分部126から出力される電圧値は、無効電力の目標値であるP2・tanθに収束するように増加する。
【0053】
図7は、加算部132から出力される電圧値の一例を示す図である。上述のように、加算部132から出力される電圧値は、SVC200から出力させる無効電力値Q3である。図7の例では、タイミングT1からタイミングT2までは、比較的大きい増加率で電力値は増加する。このタイミングT1からタイミングT2までの電力値の増加率が大きくなる理由は、第1算出部110が、SVC200からの無効電力値を第1目標値となるようにフィードフォワード制御を実行しているからである(図5(E)の箇所α参照)。
【0054】
また、タイミングT2以降においては、加算部132から出力される電圧値は、第2算出部120のフィードバック制御に基づいて目標値(P2・tanθ)に徐々に近づき、タイミングT3において、該目標値に到達する。生成部134は、加算部132から出力される無効電力値Q3の無効電力をSVC200から出力させるための指令信号を生成する。SVC200は、該指令信号を受信すると、該指令信号により示される無効電力値Q3の無効電力を出力する。
【0055】
たとえば、特許文献1に記載の発明において、力率を一定にする制御(以下、「一定制御」とも称する。)が実行される場合には、発電機からの有効電力および発電機からの無効電力のみに基づいて、無効電力補償装置から出力される無効電力を制御する構成が考えられる。ここで、図5(A)のタイミングT1に示すように、発電機から出力される有効電力が変化した場合であっても、力率を一定にする必要がある。しかしながら、この構成では、発電機から出力される有効電力が変化した場合には、発電機からの有効電力および発電機からの無効電力に基づいて、一定制御を実行したとしても、発電機から電力系統までに上述の変化要素が含まれることから、無効電力補償装置からの電力系統における無効電力の値を目標値に到達させることができない。その結果、この構成では電力系統側の力率を目標力率に制御することができないという問題があった。
【0056】
そこで、本実施の形態の制御装置100では、「発電機300から出力される有効電力値P1に基づく値と、発電機300から出力される無効電力値Q1に基づく値との差分」に基づいて算出される第1量と、「電力系統500側に出力される有効電力値P2と電力系統500側に出力される無効電力値Q2」に基づいて算出される第2値との加算値を、無効電力値Q3とする。そして、制御装置100は、該無効電力値Q3の無効電力をSVC200から出力させる。特に、第2量は、3巻線変圧器400と、電力系統500との間に配置された第2検出器700により検出される値である。したがって、発電機300から電力系統500までに変化要素が含まれていたとしても、電力系統500側の力率を目標力率に制御することができる。
【0057】
また、制御装置100が第1量を用いずに、第2量に基づいて無効電力値Q3を算出する構成が考えられる。つまり、この構成は、第1検出器600で検出された有効電力値P1および無効電力値Q1を用いない構成である。この構成では、発電機300とSVC200との連携が担保されていない。以下に、この構成により懸念される点を説明する。
【0058】
発電機300から出力される無効電力値Q1は、様々な原因により、振動または発散する場合がある。第1の原因は、制御部302による無効電力値Q1の制御と、制御装置100による無効電力値Q3の制御とが干渉することにより生じ得る原因である。第2の原因は、たとえば、無効電力を出力する負荷が、SVC200および発電機300以外に、電力システム1000に配置されている場合に生じ得る原因である。第3の原因は、発電機300の不具合が発生した場合に生じ得る原因である。また、第1~第3の原因以外の原因で、無効電力値Q1は、振動または発散する場合がある。以下では、振動または発散を、「振動など」と称する場合がある。制御装置100が第1量を用いずに、第2量に基づいて無効電力値Q3を算出する構成では、発電機300から出力される無効電力の振動などが生じるた場合には、電力系統500側の力率を目標力率とすることができない。
【0059】
これに対し、本実施形態の電力システム1000では、第2量のみならず、第1算出部110により算出された第1量(発電機300から出力された有効電力値P1および無効電力値Q1により定められる量)をも用いる。具体的には、図4に示すように、制御装置100は、P1・tanθ-Q1という値に基づいて、無効電力値Q3を算出する。したがって、電力システム1000は、無効電力値Q1の振動などが生じたとしても、この振動などが解消された無効電力値Q3を算出することができ、その結果、電力系統500側の力率を目標力率とすることができる。
【0060】
また、tanθ乗算部111は、第1検出器600で検出される有効電力値P1に対してtanθ(係数)を乗算することにより、P1・tanθを算出する。このP1・tanθは、SVC200から出力される無効電力の第1目標値である。第1目標値は、第2目標値に近い値である。第1算出部110は、フィードフォワード制御を実行することにより、SVC200から出力される無効電力値を第1目標値にするための操作量(第1量)を算出する。したがって、図7のタイミングT1~タイミングT2で説明したように、発電機300からの有効電力値P1が変動したとしても、高速に応答することができる。仮に、有効電力値P1の変動に対する応答が遅い場合には、有効電力値P1の変動前の力率と同一の力率とすることが遅くなり、その結果、電力系統500の負荷に不具合が生じる場合がある。本実施形態では、有効電力値P1の変動に対する応答を早くすることができることから、このような不具合が生じることを低減できる。
【0061】
また、第2算出部120は、フィードバック制御を実行することによりSVC200から出力される無効電力値を第2目標値にするための操作量(第2量)を算出する。したがって、SVC200から出力される無効電力値を、電力系統500側での目標値(P2・tanθ)に制御することができる。したがって、上述のように、有効電力値P1の変動に対して高速応答を実現しつつも、電力系統500側の力率を目標力率に高精度かつ安定的に制御することができる。
【0062】
また、フィルタ部116は、第1ゲイン部114からの出力であるK1・(P1・tanθ-Q1)に対して、フィルタ処理を実行する。このフィルタ処理は、K1・(P1・tanθ-Q1)の高周波成分を除去する処理である。この処理により、K1・(P1・tanθ-Q1)の高周波ノイズを除去することができる。また、上述のように、無効電力値Q1の振動などが生じたとしても、フィルタ部116は、この無効電力値Q1の振動などを抑制できる。
【0063】
また、図1に示すように、SVC200と、発電機300とは、3巻線変圧器400を介して電力系統500に接続される。したがって、発電機300からの電圧を所定の電圧に変換でき。さらに、3巻線変圧器400のインピーダンスなどが、上述の変化要素となるが、この変化要素が存在していたとしても、電力系統500側の力率を目標力率に制御することができる。
【0064】
[制御装置の処理]
図8は、制御装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図8の処理は、一定時間(たとえば、0.1秒)経過ごとに実行される処理である。なお、ステップS4~ステップS10は、第1算出部110の処理を示しており、ステップS12~ステップS18は、第2算出部120の処理を示している。
【0065】
ステップS2において、制御装置100は、第1検出器600から有効電力値P1および無効電力値Q1を取得するとともに、第2検出器700から有効電力値P2および無効電力値Q2を取得する。
【0066】
ステップS4において、第1算出部110のtanθ乗算部111は、有効電力値P1に対してtanθを乗算する。次に、ステップS6において、第1減算部112は、P1・tanθと、第1検出器600で検出される無効電力値Q1との差分(P1・tanθ-Q1)を算出する。
【0067】
次に、ステップS8において、第1ゲイン部114は、P1・tanθ-Q1に対して、第1ゲインK1を乗算することにより、K1・(P1・tanθ-Q1)を算出する。次に、ステップS10において、フィルタ部116は、第1ゲイン部114からの出力であるK1・(P1・tanθ-Q1)に対して、フィルタ処理を実行する。
【0068】
また、ステップS12において、第2算出部120のtanθ乗算部121は、有効電力値P2に対してtanθを乗算する。次に、ステップS14において、第2減算部122は、P2・tanθと、第2検出器700で検出される無効電力値Q2との差分を算出する。次に、ステップS16において、第2ゲイン部124は、P2・tanθ-Q2に対して、第2ゲインK2を乗算することにより、K2・(P2・tanθ-Q2)を算出する。次に、ステップS18において、積分部126は、K2・(P2・tanθ-Q2)に対して、予め定められた期間Δtにおける積分処理を行う。
【0069】
次に、ステップS20において、制御部130に含まれる加算部132は、フィルタ部116からの出力値と、積分部126からの出力値とを加算することにより無効電力値Q3を算出する。以上で、処理は終了する。
【0070】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の制御装置100Aのブロック図である。第1実施形態では、図4に示したように、有効電力値P1が、第1算出部110のtanθ乗算部111に入力され、有効電力値P2が、第2算出部120のtanθ乗算部121に入力される構成を説明した。第2実施形態では、図9に示すように、有効電力値P1が、第1算出部110のtanθ乗算部111および第2算出部120のtanθ乗算部121に入力される。第2実施形態では、有効電力値P2は使用されない。なお、他の処理については、第1実施形態と同様である。
【0071】
また、第2実施形態の制御装置100Aのフローチャートは、S12の「P2・tanθを算出」が、「P1・tanθを算出」に代替される。
【0072】
上述のように、有効電力値P1≒有効電力値P2となる。したがって、第2実施形態の制御装置100Aは、力率を一定に制御する精度において、第1実施形態の制御装置100よりも低い。しかしながら、有効電力値P2を使用する必要がないことから、第2検出器700から制御装置100まで有効電力値P2出力する配線は必要ない。
【0073】
<その他の実施形態>
(1) 有効電力値P1,P2、および無効電力値Q1,Q2を使用して、制御装置100が、SVC200を制御する構成であれば、他の制御を実行するようにしてもよい。たとえば、第1算出部110が、有効電力値P2、および無効電力値Q2を用いてフィードフォワード制御を実行し、第2算出部120が、有効電力値P1、および無効電力値Q1を用いてフィードバック制御を実行するようにしてもよい。
【0074】
(2) 本実施形態では、SVC200と、発電機300とが、3巻線変圧器400を介して電力系統500に接続されている構成を説明した。しかしながら、たとえば、SVC200が第1の2巻線変圧器を介して電力系統500に接続され、発電機300が第2の2巻線変圧器を介して電力系統500に接続されル構成であってもよい。
【0075】
また、今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0076】
100,100A 制御装置、110 第1算出部、112 第1減算部、114 第1ゲイン部、116 フィルタ部、120 第2算出部、122 第2減算部、124 第2ゲイン部、126 積分部、130,302 制御部、132 加算部、134 生成部、150 コントローラ、162 ROM、164 RAM、250 無効電力補償ユニット、300 発電機、400 巻線変圧器、500 電力系統、600 第1検出器、700 第2検出器、1000 電力システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9