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  • 特許-会議確認評価システム 図1
  • 特許-会議確認評価システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】会議確認評価システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230828BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20230828BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q50/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020216523
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102042
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 令和2年8月27日,公開者 株式会社エクシオテック,公開内容 MCPCaward2020(ユーザー部門)エントリー,添付資料 MCPCaward2020(ユーザー部門)エントリーメール MCPCaward2020(ユーザー部門)エントリーシート 東京都市大学延澤氏との往復メール
(73)【特許権者】
【識別番号】591177015
【氏名又は名称】株式会社エクシオテック
(74)【代理人】
【識別番号】100090044
【弁理士】
【氏名又は名称】大滝 均
(72)【発明者】
【氏名】南雲 悟志
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-197811(JP,A)
【文献】特開2019-074993(JP,A)
【文献】特開2020-095210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設現場・施工現場の現場の作業詳細データを予め記憶する作業管理システムと、
予めテキスト化されて作成された業界用語集及び各種工事用語集DB及び危険作業対策DBを備えた教師データが記憶されるサーバー、音声ファイルをテキスト化する文字起し処理部、テキスト化された会議音声ファイルから会議の適切評価に対応可能な文章抽出を行う自然言語処理部、会議内で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別を教師データに基づき行う内部処理部を有するコンピュータからなる会議確認評価システムにおいて、
作業現場で実施される会議の録音音声ファイルと共に作業詳細データに紐付けする信号を送信するステップと、
作業管理システムでは、会議の音声ファイルと共に蓄積された作業詳細データをコンピュータに送信するステップと、
コンピュータでは、送られた音声ファイルをテキスト化するステップと、
テキスト化された音声ファイルデータ及び作業詳細データと予めテキスト化されて作成された業界用語集及び各種工事用語集DB及び危険作業対策DBからなる教師データとを照合して対象となる語ないし文章を抽出するステップと、
テキスト化された会議音声ファイルデータ、作業詳細データ並びに教師データとの照合から必要なキーワード認識の上、危険工程及び危険ポイントにおける対策内容を検出するステップと、
作業現場の会議中の会話及び伝達内容から教師データに含まれる用語を判別し、時系列に従って会議録を作成するステップと、
テキスト化された会議音声ファイルデータ及び作業詳細データから、当該作業現場で行われる会議で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別を教師データに基づいて行うステップと、
現場で行われる会議で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別結果を数値化するステップと、
数値化された諸事項の合計から会議での確認・伝達が適切に行われたか否か総合評価するステップと、
を有することを特徴とする会議確認評価システム。
【請求項2】
会議の録音音声ファイルは、会議を録画した画像ファイルから取り込まれる音声ファイルであることを特徴とする請求項1に記載の会議確認評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常業務として作業現場での会議が適切に行われているかどうかを確認し、その結果の評価を表示し、実施された会議の適正情報を共有する会議確認評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事や施工工事等の各種作業現場においては、通例、作業開始に際し、朝礼等と称する会議(以下「ミーティング」ないしは「朝礼等」とも称するが、これらは同じ意味である。)が行われ、その日の作業に関する作業員メンバー確認、各作業員の作業工程の確認、注意事項の伝達等が行われる。しかしながら、各作業現場における作業メンバー確認や作業工程確認、注意事項伝達などについては、各作業現場毎に多種多様に異なる状況でもあり、確認漏れ、伝達漏れが生じることが多々ある。
【0003】
この種の会議における確認や注意伝達を確実にするための技術としては、例えば、特開2020-095210号公報に開示のものが知られている。
特開2020-095210号公報の開示は、発明名称「議事録出力装置および議事録出力装置の制御プログラム」に係り、「会議における発言者が高い精度で判別された議事録を出力する議事録出力装置および議事録出力装置の制御プログラムを提供すること」を目的とする発明解決課題において(同公報明細書段落番号0005参照)、「会議における参加人数に関する情報を取得する情報取得部と、前記会議における音声に関するデータを取得する音声取得部と、前記音声取得部によって取得された前記音声に関するデータに基づいて、前記音声を認識し、発言者の発言としてテキスト化する音声認識部と、前記情報取得部によって取得された前記参加人数に関する情報と、前記音声取得部によって取得された前記音声に関するデータとに基づいて、前記発言者を判別する判別部と、前記判別部によって判別された前記発言者を示すラベルと、前記音声認識部によってテキスト化された前記発言の内容とを関連付けた議事録を、出力部に出力させる出力制御部と、を有する」構成とすることによって(同公報特許請求の範囲請求項1の記載等参照)、「会議における参加人数に関する情報と、音声に関するデータとに基づいて、会議における発言者を判別し、議事録を出力する。議事録出力装置は、参加人数に応じて発言者を判別するため、発言者を高い精度で判別できる。これにより、議事録出力装置は、会議における発言者が高い精度で判別された議事録を出力できる」との発明の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0029参照)。
【0004】
しかしながら、特開2020-095210号公報の開示は、会議発言者を高い精度で判別し、テキスト化した議事録を出力するに止まり、会議(ミーティング)内で特別なシチュエーションや、一般的には聞きなれない言葉、略語が使用される等の場合には、その内容を正しくテキスト化することが難しいという問題があり、その結果、その現場における会議(ミーティング)が適切に実現されたかを評価確認するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-095210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、各種作業現場で行われる朝礼等の会議の録音ファイルから会議録(以下「日誌報告書」とも称する。)を作成すると共に、当該作業現場で通例確認等がされなければならない諸事項を予め作成した教師データに基づいて確認・数値化して評価し、その評価結果(評価点数や点数分布)を作業現場を統括する事業本部内等のモニタ表示すると共に、結果を一覧表等に出力し、統括管理者を含む現場監督者との間で情報共有を可能とする会議確認評価システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、建設現場・施工現場の現場の作業詳細データを予め記憶する作業管理システムと、予めテキスト化されて作成された業界用語集及び各種工事用語集DB及び危険作業対策DBを備えた教師データが記憶されるサーバー、音声ファイルをテキスト化する文字起し処理部、テキスト化された会議音声ファイルから会議の適切評価に対応可能な文章抽出を行う自然言語処理部、会議内で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別を教師データに基づき行う内部処理部を有するコンピュータからなる会議確認評価システムにおいて、作業現場で実施される会議の録音音声ファイルと共に作業詳細データに紐付けする信号を送信するステップと、作業管理システムでは、会議の音声ファイルと共に蓄積された作業詳細データをコンピュータに送信するステップと、コンピュータでは、送られた音声ファイルをテキスト化するステップと、テキスト化された音声ファイルデータ及び作業詳細データと予めテキスト化されて作成された業界用語集及び各種工事用語集DB及び危険作業対策DBからなる教師データとを照合して対象となる語ないし文章を抽出するステップと、テキスト化された会議音声ファイルデータ、作業詳細データ並びに教師データとの照合から必要なキーワード認識の上、危険工程及び危険ポイントにおける対策内容を検出するステップと、作業現場の会議中の会話及び伝達内容から教師データに含まれる用語を判別し、時系列に従って会議録を作成するステップと、テキスト化された会議音声ファイルデータ及び作業詳細データから、当該作業現場で行われる会議で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別を教師データに基づいて行うステップと、現場で行われる会議で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別結果を数値化するステップと、数値化された諸事項の合計から会議での確認・伝達が適切に行われたか否か総合評価するステップと、を有することを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の会議確認評価システムにおいて、会議の録音音声ファイルは、会議を録画した画像ファイルから取り込まれる音声ファイルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成としたので、本発明は、会議録(日誌報告書)を自動的に作成すると共に、当該作業現場で通例確認等がされなければならない諸事項を予め作成した教師データたるデータベース(以下「DB」)に基づいて適切に行われているかを数値化して評価し、その評価結果(評価点数や点数分布)にて当日のミーティング内容が不十分の判定時は、即時現場へのフィードバックを行い、不足内容を補い安全作業等を促すために追加指示や補足指示を行い作業現場を統括する事業本部内等のモニタ表示し、統括管理者を含む現場監督者との情報共有を可能とするので、工事長等当該工事担当者は、評価結果を基に漏れ等のない適切な注意喚起や安全指導を当該作業班に対して行うことができ、また、評価結果を工事等の協力企業に対して所定間隔(例えば、毎月毎)に開示し、現場最前線班長等のリーダーシップの向上、協力企業全パートナーの現場での協力関係の一層の構築を図ることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施例に係る会議確認評価システムを実施する全体概略を示す図である。
図2図2は、本実施例1に係る会議確認評価システム1における処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る会議確認評価システムを実施する一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の一実施例に係る会議確認評価システムを実施する全体概略を示す図であり、図1において、符号1は、本実施例1に係る会議確認評価システム,2は、作業現場、3aは、会議録音声ファイル、3bは、後述する作業管理システム4に記憶される当該現場の作業詳細データ3cと紐付けする指示信号、4は、作業管理システム、5は、予め作成された「業界用語集及び各種工事用語集DB」及び「危険作業対策DB」の教師データを記憶し、当該教師データに基づき、会議音声ファイル3a及び作業詳細データ3cからテキスト化された会議録(日誌報告書)を作成し、テキスト化された会議録(日誌報告書)から作業現場で確認等がされなければならない諸事項に関し、会議(ミーティング)が適切に実現されているを数値化し、評価し、その結果を出力するコンピュータ、6は、テキスト化された会議録(日誌報告書)の表示及び会議(ミーティング)の適切性の数値表示並びにその評価結果を表示するモニタ、7は、出力結果である。
【0012】
次に、本実施例1に係る会議確認評価システム1における処理の流れについて図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本実施例1に係る会議確認評価システム1における処理の流れを示すフロー図である。図2において、符号は、図1に示した同じ部材は同じ符号で示し、コンピュータ5内で行われる各処理の概要を示している。すなわち、図2において、作業現場2で録音された会議音声ファイル3a及び作業詳細データ3cと紐付けする指示信号3bを当該現場の施工管理者(監督者)のスマートフォン等(図示外)から作業管理システム4に送信される。作業管理システム4では、作業詳細データ3cと紐付けする指示信号3bに基づき予め記憶されている作業詳細データ3cを呼び出し、会議音声ファイル3aと共にコンピュータ5に送る。
【0013】
ここに、予め記憶されている当該現場における作業指示書たる作業詳細データ3cとは、例えば、現場の施工管理者(監督者)等が,その現場における「施工業務、施工業務-工事長名、施工業務-協力会社名、施工業務-現場責任者名(協力会社)、施工業務-全作業員数、施工業務-作業内容、施工業務-危険工程(例えば、「光ケーブル敷設、2m以上の高所、現用機近傍作業」等の伝達事項)」等の作業現場における作業指示内容等からなるデータである。
コンピュータ5は、送られた会議音声ファイル3a及び作業詳細データ3cを保存するをサーバー5a、会議音声ファイル3aをテキスト化する文字起し処理部5b、テキスト化された会議音声ファイルデータ3a’(以下、テキスト化された会議声ファイル3aを「会議音声ファイルデータ3a」とも称する。)から会議内容を評価等のため抽出する自然言語処理部5c、評価のため抽出された会議内容を教師データと照合処理をする内部処理部5dを有し、サーバー5aから会議音声ファイル3aを読み込み、音声認識技術を利用した文字起し処理部5bで文字起しテキストデータを作成し、テキストした会議音声ファイルデータ3a’を自然言語処理部5cに送る。
【0014】
自然言語処理部5c及び内部処理部5dでは、テキストデータ化された会議音声ファイルデータ3a’中の文章を人間の会話内容及び作業詳細データ3cをAI(人工知能)技術及びディープラーニング技術を駆使して自然言語抽出を行う。すなわち、テキストデータ化された会議音声ファイルデータ3a’及び作業詳細データ3c中の関連性のある語(用語)のテキストデータを予め記憶された教師データとを結びつけ、又は関連性のない又は論理矛盾をきたすような語(用語)の関連性を排除して、会議(ミーティング)の適切評価に対応可能な文章抽出、つまり、テキスト化されたデータから教師データとのマッチングが適切に行われる前処理的処理を行う。
【0015】
次に、本実施例1に係る会議確認評価システム1における自然言語処理部5c及び内部処理部5dにおける処理について説明する。
本実施例1に係る会議確認評価システム1においては、自然言語処理部5c及び内部処理部5dにテキスト化されたデータとのマッチングを行うための「業界用語集及び各種工事用語集」及び「危険作業対策集」からなる教師データを予め作成し、蓄積・記憶しておく。
【0016】
(教師データの事前作成)
(1)教師データベース(「業界用語集及び各種工事用語集DB」)の事前作成
本実施例1に係る会議確認評価システム1の実現においては、各種工事現場は多岐に渡り、工事の業種のよっても使用される用語が異なり、また、同じ用語であっても現場における言い回し(呼び方等)が異なる。そこで、これまでの過去のミーティング音声や各担当者からの聞き取りに基づき手入力にてテキストデータ化したDBを予め作成しておく。
【0017】
【表1】
【0018】
表1は、この種の「業界用語集及び各種工事用語集DB」の例を示すものであり、表1に示されるように、例えば、「(a)業界用語集(通信建設業界向け)」、「(b)工事用語集(システム工事編)」、「(c)工事用語集(システムエンジニア編)」、「(d)工事用語集(公共工事編)」、「(e)工事用語集(鉄道工事)辺)」を例として集積したものであり、例えば、「(a)業界用語集(通信建設業界向け)」においては、「復唱確認」を意味する作業については、「2Way」ないしは「2wayコミュニケーション」と言い回されることから、これを、「つーうぇい」ないしは「つーうぇいこみゅにけーしょん」とテキスト化(文字化)し。これらを集積したものである。表1から明らかなように、各種の業界で使用される特有の用語の集積であり、例えば、「(c)工事用語集(システムエンジニア編)」において、「装置と装置がLANケーブルやスタックケーブルで接続できていない状態」を「りんくだうん」と言い回すように、各企業現場や現場監督者などが独自の言い回して使用されるものであり、今後、適宜、増減・修正などで常に変更されるDBである。
【0019】
(2)教師データベース(「危険作業対策DB」)の事前作成
各工事現場においては、予め作業マニュアル等で、「高所作業、酸欠作業、クレーン作業、コア抜き作業、天井作業、トンネル内作業、軌道付近作業、・・・・・等」の危険作業における「危険工程」が定められており、表2は、それらの「危険工程」において、事故の原因となるであろうポイントを「危険ポイント」として分類し、この「危険ポイント」における過去の事故事例やヒヤリハット集計を抜粋し、その「危険ポイント」に対する「対策内容(事故予防策)」を集積し、テキスト化したものである。この「危険作業対策DB」の事前作成も、これまでの過去のミーティング音声や各担当者からの聞き取りに基づき手入力にてテキストデータ化したDBである。
【0020】
【表2】
【0021】
表2は、「危険作業対策DB」の例を示すものであり、例えば、「脚立作業」においては、「バランスを崩して転倒する」危険があることから、これを「危険ポイント」として分類し、この「危険ポイント」に対して、「3点支持で昇降する」、「物を持って昇降しない」、「使用前点検を行う」等の「対策内容」について、前記同様テキスト化してDBとしたものである。なお、本実施例1に係る会議確認評価システム1における「危険作業対策DB」を示す表2では、この「危険ポイント」に対する「対策内容」については、大幅に省略して表示しており、この「危険ポイント」に対する「対策内容」は、表2に示される「危険ポイント」及びその「対策内容」に限られるものではなく、本実施例1に係る会議確認評価システム1においては、検討される「対策内容」は3660項目もの「対策内容」をテキスト化したものであり、表2は、多くを省略・抜粋したものである。
【0022】
上述してきたように、本実施例1に係る会議確認評価システム1における自然言語処理部5c及び内部処理部5dには、予めテキスト化された教師データたる「業界用語集及び各種工事用語集DB」及び「危険作業対策DB」が記憶されており、自然言語処理部5c及び内部処理部5dでは協同して、処理すべきテキスト化された会議音声ファイルデータ3a’及びテキスト化された作業詳細データ3c’とこれらの教師データを適宜照合して、評価対象となる語ないしは文章を抽出する。例えば、(a)作業詳細データと文章との照合から発言人数を推定し、(b)テキスト化された会議音声ファイルデータ3a’及び教師データとの照合から必要なキーワード認識の上、危険工程を検出し、また、(c)同様のキーワード認識から危険ポイントにおける対策内容の検出を行う。
【0023】
例えば、朝のミーティングにおける
(a)おはようございます。
(b)○月○日の作業前ミーティングを始めます。
(c)本日の作業は、○○様宅への光ケーブル開通工事です。
(d)作業内容は、高所作業で電柱からお客様2F屋根へ光ケーブルを架渉し、古いメタルケーブルを撤去になります。
(e)作業員(A)さんは、高所作業車にて電柱での作業をお願いします。
(f)電柱付近は交通量が多く、一般車両が高所作業車に衝突する危険がありますので、明確な作業帯を設置する事と、警備員を配置する事で安全の確保をお願いします。
(g)作業員(B)さんは、お客様2F屋根での作業をお願いします。
(h)脚立での作業となりますので、バランスを崩して転倒する事のない様に、3点支持で昇降する事と物を持って昇降しない様にお願いします。
(i)光ケーブル開通後に既設のメタルケーブルを切断し撤去になりますが、ケーブル切断作業は誤切断してしまう恐れがありますので、必ずケーブルを地上に下ろして切断する事を厳守してください。



等々の会話や伝達内容等から、教師データに含まれるフレーズ(用語等)を判別し、時系列に従う会議録(日誌報告書)が作成される。
さらに、テキスト化された会議音声ファイルデータ3a’及び作業詳細データ3c’から、当該作業現場で行われる朝礼等のミーティング(会議)で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別を教師データに基づき行う。
【0024】
次に、本実施例1に係る会議確認評価システム1における作業現場での朝礼等のミーティング(会議)において、諸事項の確認等が適切にされているかどうかを数値化及びその評価処理について説明する。
【0025】
【表3】
【0026】
表3は、ミーティング(会議)において、確認諸事項の確認等が適切行われているかどうかをNo1~No14の「実施項目」について評価基準を示す評価表であり、本実施例1に係る会議確認評価システム1における作業現場での朝礼等のミーティング(会議)においては、前記諸事項の伝達・確認等が適切にされているかどうかをコンピュータ5における数値化処理の上、評価する。
【0027】
例えば、実施項目No.4「人員、新規・スポット作業員の有無」の「班構成」が、ミーティング参加者の発言内容及び/又は音声の相違等から判明する場合には、「5点」と数値化され、判明できない場合には、「0点」のいずれかに数値化されて、その数値が右欄の「評価点」欄に記載される。
同様に、例えば、実施項目No6「当日の作業内容の説明」が、「6a:具体的に説明している」場合には、「10点」と数値化され、「6b:一部しか説明していない」場合には、「5点」と、「6c:指示していない」場合には、「0点」のいずれかと数値化されて、その数値が右欄の「評価点」欄に記載される。また、実施項目No.11「品質等の注意・指示」が、「11a:工程ごとに具体的に指示している」場合には、「10点」、「11b:一部実施している」場合には、「5点」、「11c:具体性に欠ける」場合には、「3点」、「11d:指示していない」場合には、「0点」のいずれかと数値化されて、その数値が右欄の「評価点」欄に記載される。
【0028】
なお、「具体的に説明/指示している」とは、教師データ中の「危険ポイント」に関する「語(用語)」に続いて「危険対策内容」に関する「語(用語)」が判別できる場合(例えば、近接する語から用語の関連性を繰り返し判別できる場合)等をいい、「一部しか説明していない」とは、繰り返し判別ができない場合を,「具体性に欠ける」とは、全体を通じて、1,2回しか判別できない場合を、「指示/説明していない」とは、教師データ中の用語がテキスト化された音声データ中に現れない場合等をいい、これらの処理は、コンピュータ5内で行われる。
【0029】
この右欄の「評価点」欄の合計が、右欄下方の「合計点」欄に挿入され、さらに、その合計点が、86点以上の場合には、総合評価[A]と、75~85点は、総合評価[B]と、61~74点は、総合評価[C]と、51~60点は、総合評価[D]と、50点以下は、総合評価[E]と判定されて、右欄最下の「総合評価」欄に記載される。
【0030】
テキスト化された会議音声ファイルデータ3a’及びテキスト化された作業詳細データ3c’から当該作業現場における朝礼等のミーティング(会議)の会議録(日誌報告書)が作性されると共に、当該作業現場における朝礼等のミーティング(会議)で「確認されなければならない諸事項」の有無の判別を行い、その判別結果に基づいて、さらに、当該作業現場の朝礼等のミーティング(会議)において、「確認されなければならない諸事項」が適切にされているかどうかを数値化した評価(点数評価)を行い、それらが記入された「ミーティング評価表」をモニタ6に表示し、同評価表の出力結果7を作成する。
【0031】
このように構成したので、本実施例1に係る会議確認評価システム1においては、会議録(日誌報告書)を自動的に作成すると共に、当該作業現場で通例確認等がされなければならない諸事項を予め作成した教師データたるデータベース(以下「DB」)に基づいて数値化して評価し、評価結果(評価点数や点数分布)を作業現場を統括する事業本部内モニタ表示し、統括管理者を含む現場監督者と情報共有を可能とする。例えば、前記総合評価が、「B 85点以下」の場合などには、速やかに担当工事長と班長(ミーティング実施者)にフィードバックして不足事項を確認・納得させ、現場指示をやり直すことが可能となり、その結果として、作業開始前ミーティングの適正性を確保することができるので、工事長等当該工事担当者は、評価結果を基に漏れ等のない適切な注意喚起や安全指導を当該作業班に対して行うことができ、また、評価結果を工事等の協力企業に対して所定間隔(例えば、毎月毎)に開示し、現場最前線班長のリーダーシップの向上、協力企業全パートナーの現場での協力関係の一層の構築を図ることができることとなる。
【実施例2】
【0032】
本実施例1に係る会議確認評価システム1においては、作業現場から朝礼等のミーティングの会議音声ファイルデータ3aを作業管理システム4に送信するようにしたが、これは、会議音声ファイルデータ3aに限られず、動画ファイル中の音声であっても良く、動画ファイルを受け取った作業管理システム4において、会議音声ファイル3aを取り出すようにしても良いことはもちろんである。
なお、本実施例1に係る会議確認評価システム1においては、教師データを予め手入力で作成したが、これは、初期的な語(用語)を予め記憶させておき、その後は、多量の音声ファイルを取り込ませ、会議等で使用される「業界用語」、「工事用語」、「危険ポイントを示す語ないしは言い回し」、「危険対策内容を示す語ないしは言い回し」をAI技術・ディープラーニング技術により自動的に作成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、通常業務として作業現場での会議が適切に行われているかどうかを確認し、その結果の評価を表示し、実施された会議の適正情報を共有する会議確認評価システムに利用される。
【符号の説明】
【0034】
1 実施例1に係る会議確認評価システム
2 作業現場
3a 会議音声ファイル
3a’ 会議音声ファイルデータ
3b 指示信号
3c 作業詳細データ
4 作業管理システム
5 コンピュータ
5a サーバー
5b 文字起し処理部
5c 自然言語処理部
5d 内部処理部
6 モニタ
7 出力結果
図1
図2