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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】ピリリウム塩の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 309/34 20060101AFI20230828BHJP
   C07D 407/04 20060101ALI20230828BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20230828BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20230828BHJP
   C07D 311/78 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
C07D309/34
C07D407/04
C07D409/04
C07D409/14
C07D311/78
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020542442
(86)(22)【出願日】2018-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 IN2018050898
(87)【国際公開番号】W WO2019155485
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201811004385
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】508176500
【氏名又は名称】カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】サジダル、バラッパ、ソマッパ
(72)【発明者】
【氏名】チェッティヤル、トディ、ファティマツ、サルフィーナ
(72)【発明者】
【氏名】アヤパンピライ、アジャヤゴシュ
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第01023377(GB,A)
【文献】Chem. Commun.,2018年,54,12463-12466
【文献】Recueil des Travaux Chimiques des Pays-Bas,1963年,82(9-10),845-58
【文献】Indo. J. Chem.,2012年,12(3),261-267
【文献】Bioorg. Med. Chem.,2015年,23(13),3499-3512
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 309/34
C07C 309/06
C07D 407/04
C07D 409/04
C07D 409/14
C07D 311/78
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iを有する塩:
【化1】
[式中、Xは、酸素であり;
R、R、Rは、CH、OCH、OH、Br、Cl、F、CFから選択される置換を有するフェニル基からなる群から選択され;
R、R、Rはまた、置換を有するチオフェン、フランから選択されるヘテロアリール基からなる群から選択され;
Rはまた、ナフチル基から選択される嵩高い基を表すか、あるいはそれが結合している炭素原子の隣の炭素原子と一緒になって縮合シクロヘキシルまたは縮合オクタヒドロナフタレニルを形成し
はまた、3個の炭素原子のアルキル鎖で置換されたフェニル基をも表し、かつ、
Z-は、BF 、OTf、ClO から選択される陰イオン官能基である]の製造のための方法であって、
a)NaOHの存在下で以下の化合物
【化2】
と以下の化合物
【化3】
を縮合させてα,β-不飽和ケトンを得る工程;
b)60~70℃にてシクロヘキサン中、以下の化合物
【化4】
およびBF.OEtで処理し、あるいは以下の化合物
【化5】
およびHOTfで処理し、酸素雰囲気下で3~6時間撹拌して反応混合物を得ることにより、工程(a)で得られた置換α,β-不飽和ケトンを環化する工程;および
c)工程b)において得られた反応混合物をジエチルエーテルに注いで生成物を沈澱させた後に、濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾し、エタノールから結晶化させて、式Iのピリリウム塩の環化生成物を得る工程
を含んでなる、方法。
【請求項2】
α,β-不飽和ケトンがCl、Br、Fを含んでなる群から選択されるハロゲンにより置換される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
α,β-不飽和ケトンのハロゲン以外の置換基がCH、OCH、OH、CFを含んでなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
α,β-不飽和ケトンがナフチルを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
α,β-不飽和ケトンがフランおよびチオフェンから選択される複素環を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
α,β-不飽和ケトンがオクタヒドロナフタレニルを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
以下の化合物
【化6】
がフェニルアセチレンであり、かつパラ位が3個の炭素原子のアルキル鎖で置換されている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ピリリウム塩の製造方法に関する。本発明は、対称および不斉ピリリウム塩を生成する簡単な方法を提供する。本発明は、容易に入手できる出発材料を工業規模の適用に好適な反応条件とともに探究する。合成された化合物を総て、フーリエ変換赤外線分光法、1H NMR、13C NMR、19F NMR分光法、および単結晶X線分析などの種々の分光技術によって確認した。化合物の質量はHRMS分析により確認した。
【背景技術】
【0002】
背景および従来技術
【化1】
ピリリウム塩は、光増感剤[Miranda et al, Chem. Rev., 1994, 94, 1063; Alfonzo et al, Org. Lett., 2017, 19, 2989参照]、Qスイッチャー(Qswitchers)[Reynoldsらによる米国特許第3,417,083号;Ammonsらによる米国特許第3,462,706号参照]、レーザー色素[Schafer et al, Phys. Lett., 1967, 24A, 280; Kotowski et al, J. Lumin., 1991, 50, 39; Zhang et al, Dyes Pigm., 1995, 27, 263参照]、および有機発光原子団[Bonch-Bruevich et al, Opt Spectrosc., 2000, 89, 216; Nikolov et al, J. Photochem. Photobiol. A, 2000, 135, 13参照]などの多くの分野において広範な適用を示す。このような塩は光伝導組成物の効率および有効性を増すことも述べられている[Reynoldsらによる米国特許第3,938,994号;Gramzaらによる米国特許第3,615,396号;およびVan Allanらによる米国特許第3,250,615号参照]。
【0003】
ピリリウムおよび関連の塩の製造に関して種々の方法が知られている。このような方法は、ピリリウム塩クラスを含む置換ピリジンのより大きなクラスを製造する方法に関連する。中でも、置換ピリリウム塩を製造するための多くの方法が文献に述べられている[Vanallan et al, J. Org. Chem., 1968, 33, 1102; Dilthey et al, J. Pr. Chem., 1916, 94, 53; Dinculescu et al, Bull. Soc. Chim. Belg., 1991, 100, 665; Dovey et al, J. Chem. Soc., 1935, 1389; Katritzki et al, J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1980, 1895; Bos et al, RECUEIL, 1963, 82, 845; Ning et al, J. Org. Chem., 2004, 69, 1432; Yang et al, Tetrahedron Lett., 2013, 54, 2967; Potts et al, US 4451659, Issued on 29.05.1984参照]。
【0004】
一般に、既存の従来技術は、対称または不斉ピリリウム塩のいずれかの合成をもたらす。そして、不斉ピリリウム塩の製造には多くの工程が含まれる。これに対して、本明細書に開示されるものは、対称および不斉ピリリウム塩を生成する簡単で汎用性のある直接的合成である。この方法は、第4位に置換可能な置換基を有し、この基を様々な有機置換基または支持体に置換することによりこのような塩の結合を可能とするタイプの塩を生成する。本発明は、容易に入手できる出発材料を工業規模の適用に好適な反応条件とともに探究する。本発明の顕著な特徴は、R、R、Rは同じ置換であっても異なる置換であってもよく、カラムクロマトグラフィーを用いずに分離され、Z-は、BF-、OTf、ClO-によって置換可能である。
【0005】
従来技術に比べ、本発明は、これまでに知られていないピリリウム塩および既知のピリリウム塩、ならびに簡単な製造方法を開示する。
【発明の概要】
【0006】
発明の目的
本発明の主要な目的は、様々な対称および不斉ピリリウム塩の合成のための効率的な触媒による二工程法を提供することである。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、対称および不斉ピリリウム塩の合成のための、工業的に実行可能かつコスト効率の良い方法を提供することである。
【0008】
さらに別の目的は、これらのピリリウム塩に組み込まれる置換基の著しい汎用性を提供し、同時にこれらの塩の直接的かつ効率的合成を提供することである。
【0009】
さらに別の目的は、新規な感光システムを提供することであり、それは可視光域のより長い波長で感度の顕著な増大をもたらす。
【0010】
さらに別の目的は、置換可能な置換基(XおよびZ)を有し、この基を様々な有機置換基または支持体に置換することによりこのような塩の結合を可能とするタイプの塩を製造することである。
【0011】
略語の詳細
NMR-核磁気共鳴
HRMS-高解像度質量分析
KOtBu-カリウムtert-ブトキシド
KOH-水酸化カリウム
DCM-ジクロロメタン
BF.OEt-三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート
【0012】
発明の概要
本発明は、一般式Iの様々なピリリウム塩の便利かつ実用的な合成に関する。
【化2】
【0013】
式中、Xは酸素であり;R、R、Rは、CH、OCH、OH、Br、Cl、F,CFなどの種々の置換を有するフェニル基を表し;R、R、Rは、様々な置換を含むチオフェン、フランなどのヘテロアリール基を表す。Rはまた、ナフチル基などの嵩高い基をも表し、Rはまた、縮合シクロヘキシルおよびオクタヒドロナフタレニル基のような縮合置換も含む。Rはまた、3個の炭素原子のアルキル鎖で置換されたフェニル基をも表し、Zは、BF 、ClO などの陰イオン官能基である。
【0014】
本発明の一つの側面において、ハリド置換α,β-不飽和ケトンは、Cl、Br、Fを含んでなる。
【0015】
本発明の別の側面において、α,β-不飽和ケトンのハリド置換以外は、CH、OCH、OH、CFを含んでなる。
【0016】
本発明のさらに別の側面において、α,β-不飽和ケトンは、ナフチル置換を含んでなる。
【0017】
本発明のさらなる側面において、α,β-不飽和ケトンは、フランおよびチオフェンなどの複素環を含んでなる。
【0018】
本発明の別の側面において、アリリデンケトンは、シクロヘキシルおよびオクタヒドロナフタレニル置換を含んでなる。
【0019】
本発明のさらに別の側面において、ハリド置換フェニルアセチレンは、Cl、Br、Fを含んでなる。
【0020】
本発明のさらに別の側面において、フェニルアセチレンは、3個の炭素原子のアルキル鎖(alky chain)を含んでなる。
【0021】
本発明の別の側面において、アセチレンは、複素環式チオフェンで置換されている。
【0022】
本発明のさらに別の側面において、3当量のルイス酸は、3当量のBF.OEtを含んでなる。
【0023】
本発明のさらに別の側面において、Z-は、BF 、OTf、ClO のうちの1つである。
【0024】
本発明の別の側面において、本発明は、可視光域のより長い波長で感度の顕著な増大をもたらす新規な感光システムを提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の側面において、生成物は総て、濾過、結晶化、蒸留または抽出による精製を受ける。
【0026】
本発明を特徴付ける新規性の種々の特徴は、特に本開示に付属する特許請求の範囲で示され、本開示の一部をなす。本発明、その実施上の利点、およびその使用により達成される特定の目的のよりよい理解のために、本発明の好ましい実施形態が示される付属の記述文書が参照される。
【0027】
本発明により解決される技術的問題は、α-,β-不飽和ケトンの合成を含む4成分2工程法により改善され、次いで、これらのα,β-不飽和ケトンをBF.OEtの存在下、種々の置換アルキンで環化するとピリリウム塩が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、ピリリウムイオンの一般構造を表す。
図2図2は、ピリリウムイオンを製造するためのプロセスプロトコールを示す概略図を表す。
図3図3は、縮合ピリリウムイオンを製造するためのプロセスプロトコールを示す概略図を表す。
図4図4は、本発明のプロトコールにより合成された化合物のライブラリーを表す。
図5図5は、化合物B6(CCDC 1574744)の単結晶X線構造を表す。
【発明の具体的説明】
【0029】
本発明は、ピリリウム塩の製造方法に関する。本発明は、対称ピリリウム塩および不斉ピリリウム塩を製造する簡単な方法を提供する。本方法は、これらのピリリウム塩に組み込まれる置換基の著しい汎用性を提供し、同時にこれらの塩の直接的かつ効率的合成を提供する。本発明は、NaOHの存在下でアセトフェノンをアルデヒドと縮合させ、得られた生成物をBF.OEtの存在下、フェニルアセチレンまたは複素環式付属アセチレンで処理してピリリウム塩の環化生成物(cyclised product)を形成することによるピリリウム塩製造の新規な方法を提供する。エタノール、メタノール、DCMなどの様々な溶媒中で、アルデヒドと反応させてα,β-不飽和ケトンを形成するためのメチルケトンのエノラートを生成するために、KOtBu、KOHなどの他の強塩基を使用してもよい。本発明の実施形態の1つにおいて、使用される方法は、α,β-不飽和ケトンの合成を含む4成分2工程(実験の節に示される例)であり、次いで、これらのα,β-不飽和ケトンをBF.OEtの存在下、種々の置換アルキンで環化すると式(図1)のピリリウム塩が得られる。
【0030】
あるいは、本発明の別の実施形態において、α,β-不飽和ケトンの製造後に同じ反応容器にBF.OEtおよび種々の置換アルキンを加えて、1ポット3成分様式で環化を促進する。反応において一般に示される通り(図2)。
【0031】
本発明のさらに別の実施形態において、アセトフェノンは、エタノール中、NaOHの存在下でのアルデヒドとの縮合時にα,β-不飽和ケトン(A)を生じる。中間生成物Aを、60~70℃で乾燥シクロヘキサン中、アリールまたはヘテロアリールアセチレンおよびBF.OEtに加え、酸素雰囲気下で3~6時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物をジエチルエーテルに注いで生成物を沈澱させた。この生成物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾し、エタノールから結晶化させると、結晶性ピリリウム塩(B)が得られる。
【0032】
本発明のさらに別の実施形態において、縮合ピリリウム塩の製造のための新規な方法も示される。60℃で、乾燥シクロヘキサン中、アリールまたはヘテロアリールアセチレンおよびBF.OEtにアリリデンケトン(C)を加え、酸素雰囲気下で3~6時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物をジエチルエーテルに注いで生成物(D)を沈澱させ、エタノーからル結晶化させて結晶性化合物を得た(図3)。
【0033】
本発明の別の実施形態において、反応の付加的新規性は、ピリリウム塩の形成における3当量のBF.OEtの使用であり、このため副反応を抑制することによりカラムを用いない生成物の単離となる。ピリリウム塩のこの新規な方法では、2つの方法が使用される。第1の方法で、α,β-不飽和ケトンが環化の前に単離され、第2の方法で、α,β-不飽和ケトンをさらに精製することなく、または分離することなく、in situで置換アルキンと反応させ、同じ反応容器で環化の促進が行われる。
【0034】
本発明のさらに別の実施形態において、前記方法の反応工程は総てクロマトグラフィーによりモニタリングし、得られた粗生成物に結晶化を用いた精製を行い、良好な収量で純粋な化合物が得られた。さらに、得られた化合物/生成物を総て、種々の分析法およびスペクトル法を用いて体系的に同定した。
【実施例
【0035】
以下の実施例は例示として示され、従って、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
【0036】
実施例1
2,4,6-トリフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B1]の一般的製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(102.18mg、0.09ml、0.72mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中で、フェニルアセチレン(74mg、0.72mmol)と(T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A1(E-Chalcone)(50mg、0.24mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌する。反応が完了した後、反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させ、化合物2,4,6-トリフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;62 mg (65%), 融点 = 225 - 227℃; IR (純物質, cm-1): 3069, 2923, 1621(-C=O+), 1592, 1468, 1272, 1194, 1049, 986, 763; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.84 - 8.67 (m, 15 芳香族H), 9.24 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ115.1, 128.8, 129.1, 129.8, 129.9, 130.0, 132.4, 135.0, 135.2, 165.1, 170.0; C23H17O+としてのHRMS([M]+): 309.1284。
【0037】
実施例2
2,6-ジフェニル-4-(p-トリル)ピリリウムテトラフルオロボラート[B2]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(102.18mg、0.08ml、0.72mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルセチレン(68.63mg、0.67mmol)と(T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A2((E)-1-フェニル-3-(p-トリル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.22mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(95ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させ、化合物2,6-ジフェニル-4-(p-トリル)ピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;65 mg (70%), 融点 = 257 - 259℃; IR (純物質, cm-1): 2920, 2851, 1624 (-C=O+), 1599, 1491, 1254, 1195, 1060, 1027, 822; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ2.53 (s, 3H, -CH3), 6.63 - 8.59 (m, 14 芳香族H), 79.41 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ21.4, 114.3, 128.7, 129.1, 129.5, 129.8, 130.2, 130.6, 134.9, 147.0, 164.6, 169.7; C24H19O+としてのHRMS([M]+): 323.1437。
【0038】
実施例3
4-(4-メトキシフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B3]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.07ml、0.63mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(64.34mg、0.63mmol)と(T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499) により記載されている方法により製造した化合物A3((E)-3-(4-メトキシフェニル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールからの再結晶化させ、化合物4-(4-メトキシフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを赤橙色の結晶として得た; 50 mg (56%), 融点 = 218 - 220℃; IR (ニート, cm-1): 3063, 2924, 2850, 1629 (-C=O+), 1576, 1442, 1246, 1186, 1055, 836; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ4.01 (s, 3H, -OCH3), 7.34 - 8.72 (m, 14 芳香族H), 9.06 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ61.5, 120.9, 129.6, 133.7, 134.5, 135.0, 139.9, 168.8, 171.1, 174.1; C24H19O2 +としてのHRMS([M]+): 339.1390。
【0039】
実施例4
4-(4-ヒドロキシフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B4]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(93.67mg、0.08ml、0.66mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(67.04mg、0.66mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A4((E)-3-(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.22mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で6時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物4-(4-ヒドロキシフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを橙色の結晶として得た; 62 mg (67%), 融点 = 282 - 285℃; IR (ニート, cm-1): 3343, 2972, 1633 (-C=O+), 1596, 1491, 1277, 1188, 1120, 1069, 844; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.13 - 8.65 (m, 14 芳香族H), 8.99 (s, 2H), 11.41 (brs, 1H, -OH) ; 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ112.5, 117.1, 122.8, 128.3, 129.3, 129.7, 133.6, 134.5, 163.4, 165.7, 168.3 ; C23H17O2 +としてのHRMS([M]+): 325.1239。
【0040】
実施例5
4-(4-ブロモフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B5]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(72.38mg、0.06ml、0.51mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(53.31mg、0.51mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A5((E)-3-(4-ブロモフェニル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.17 mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物4-(4-ブロモフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;39 mg (48%), 融点 = 260 - 262℃; IR (ニート, cm-1): 3057, 2920, 1617 (-C=O+), 1578, 1490, 1275, 1193, 1065, 777, 683; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.82 - 8.61 (m, 14 芳香族H), 9.19 (s, 2H) ; 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ115.1, 128.8, 129.1, 129.9, 131.6, 131.8, 132.9, 135.1, 163.9, 170.2; C23H16BrO+としてのHRMS([M]+): 387.0384。
【0041】
実施例6
4-(4-クロロフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B6]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(87.71mg、0.08ml、0.62mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(63.12mg、0.62mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A6((E)-3-(4-クロロフェニル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物4-(4-クロロフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;45 mg (51%), 融点 = 253 - 255℃; IR (ニート, cm-1): 2921, 1622 (-C=O+), 1587, 1492, 1248, 1093, 1047, 825, 778, 731;1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.82 - 8.66 (m, 14 芳香族H), 9.19 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ115.2, 128.8, 129.1, 129.8, 129.9, 131.8, 135.2, 163.7, 170.2; C23H16ClO+としてのHRMS([M]+): 343.0883。
【0042】
実施例7
4-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B7]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(94.09mg、0.08ml、0.66mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(67.71mg、0.66mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A7((E)-3-(4-フルオロフェニル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.22mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物4-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;59 mg (64%), 融点 = 208 - 210℃; IR (ニート, cm-1): 3062, 2972, 1624 (-C=O+), 1493, 1269, 1166, 1120, 1036, 830, 777; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.68 - 8.75 (m,14 芳香族H), 9.16 (s, 2H) ; 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ114.9, 117.1, 117.2, 128.8, 129.1, 129.9, 133.2, 133.3, 135.1, 163.8, 169.9 ; C23H16FO+としてのHRMS([M]+): 327.1189。
【0043】
実施例8
2,6-ジフェニル-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリリウムテトラフルオロボラート[B8]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(77.07mg、0.07ml、0.54mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(55.47mg、0.54mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A8((E)-1-フェニル-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.18mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。
【0044】
エタノールから再結晶化させて、化合物2,6-ジフェニル-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;39 mg (47%), 融点 = 245 - 247℃; IR (ニート, cm-1): 3109, 3077, 1622 (-C=O+), 1495, 1322, 1270, 1171, 1065, 1034, 836; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.59 - 8.52 (m, 14 芳香族H), 9.03 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ116.3, 126.5, 128.9, 129.9, 130.7, 135.3, 136.5, 163.7, 170.7; C24H16F3O+としてのHRMS理論値([M]+): 377.1159。
【0045】
実施例9
4-(ナフタレン-2-イル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート(tetrafluroborate)B9]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(82.17mg、0.07ml、0.58mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(59.15mg、0.57mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A9((E)-3-(ナフタレン-2-イル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.19mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解せて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物4-(ナフタレン-2-イル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート(tetrafluroborate)を淡赤色結晶として得た;50 mg (58%), 融点 = 190 - 193℃; IR (ニート, cm-1): 3061, 3029, 1611 (-C=O+), 1579, 1492, 1273, 1223, 1158, 777; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.76 - 9.35 (m, 19 芳香族H) ; 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ115.0, 124.8, 127.8, 127.9,128.8, 129.2, 129.5, 129.8, 129.9, 130.3, 132.5, 132.6, 135.0, 135.8, 164.7, 169.8; C27H19O+としてのHRMS([M]+): 359.1443。
【0046】
実施例10
4-(フラン-2-イル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B10]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(107.72mg、0.09ml、0.75mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(67.04mg、0.75mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A10((E)-3-(フラン-2-イル)-1-フェニルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.25mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物4-(フラン-2-イル)-2,6-ジフェニルピリリウムテトラフルオロボラートを緑がかった黒色の結晶として得た; 69 mg (71%), 融点 = 202 - 204℃; IR (ニート, cm-1): 3120, 3061, 1626 (-C=O+), 1581, 1495, 1377, 1266, 1063, 946, 766; 1H NMR (500 MHz, CD3CN): δ7.06 - 8.38 (m, 13 芳香族H), 8.49 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, CD3CN): δ111.6, 117.5, 126.6, 129.3, 130.1, 130.9, 136.1, 149.6, 154.7, 170.9; C21H15O2 +としてのHRMS([M]): 299.1077。
【0047】
実施例11
2,6-ジフェニル-4-(チオフェン-3-イル)ピリリウムテトラフルオロボラート(tetrafluroborate)[B11]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(99.21mg、0.09ml、0.0.69mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(71.38mg、0.69mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A11(E)-1-フェニル-3-(チオフェン-3-イル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.23mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2,6-ジフェニル-4-(チオフェン-3-イル)ピリリウムフルオロボラート(tetrafluroborate)を黒色の結晶として得た;63 mg (67%), 融点 = 205 - 207℃; IR (ニート, cm-1): 3104, 3062, 1622 (-C=O+), 1579, 1492, 1270, 1221, 1055, 775, 700; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.82 - 9.51 (m, 15 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ113.9, 127.6, 128.5, 129.2, 129.9, 134.9, 136.1, 138.2, 158.2, 169.7; C21H15OS+としてのHRMS([M]+): 315.0849。
【0048】
実施例12
2-フェニル-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラート[B12]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(90.01mg、0.08ml、0.72mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(64.36mg、0.63mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A12((E)-1,3-ジ-p-トリルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2-フェニル-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラートを橙色の結晶として得た;42 mg (48%), 融点 = 214 - 216℃; IR (ニート, cm-1): 3124, 2923, 2855, 1624 (-C=O+), 1599, 1491, 1228, 1192 1055, 818; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ2.49 (s, 6H, -CH3), 7.56 - 8.99(m, 15 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ21.3, 21.4, 113.7, 113.8, 126.3, 128.5, 128.7, 129.1, 129.5, 129.8, 130.0, 130.5, 130.5, 134,7, 146.3, 146.9, 164.2, 169.1, 169.8 ; C25H21O+としてのHRMS([M]+): 337.1597。
【0049】
実施例13
2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B13]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(80.90mg、0.07ml、0.57mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(58.23mg、0.57mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A13((E)-1,3-ビス(4-メトキシフェニル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.19mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラートを淡赤色結晶として得た;43 mg (51%), 融点 = 245 - 247℃; IR (ニート, cm-1): 3161, 3073, 2923, 1629 (-C=O+), 1589, 1467, 1246, 1056, 951, 836; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ3.98 - 3.99 (m, 6H, -CH3), 7.31 - 8.93 (m, 15 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ56.0, 56.1, 111.9, 115.4, 121.3, 124.3, 128.1, 129.3, 129.7, 131.0, 132.7, 134.3,162.5, 164.8, 165.5, 167.5, 168.9; C25H21O3 +としてのHRMS([M]+): 369.1496。
【0050】
実施例14
2,4-ビス(4-クロロフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B14]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt2(77.06mg、0.07ml、0.54mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(55.16mg、0.54mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499) (50 mg, 0.18 mmol)により記載されている方法により製造した化合物A14((E)-1,3-ビス(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.18mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。 反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2,4-ビス(4-クロロフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラーを黄色の結晶として得た;42 mg (50%), 融点 = 243 - 245℃; IR (ニート, cm-1): 3070, 2922, 1621 (-C=O+), 1586, 1490, 1226, 1121, 1051, 829, 723; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.81 - 8.64 (m, 13 芳香族H), 9.18 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ115.3, 127.9, 128.8, 128.9, 129.8, 130.0, 130.5, 131.1, 131.8, 135.3, 140.3, 140.6, 163.7, 169.0, 170.3 ; C23H15Cl2O+としてのHRMS([M]+): 377.0509。
【0051】
実施例15
2,4-ビス(4-ブロモフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B15]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(58.33、0.05ml、0.14mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(42.11mg、0.14mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A15((E)-1,3-ビス(4-ブロモフェニル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.14mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2,4-ビス(4-ブロモフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;27 mg (36%), 融点 = 255 - 257℃; IR (ニート, cm-1): 3063, 2922, 1622 (-C=O+), 1581, 1493, 1266, 1244, 1055, 821, 722; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.82 - 8.61 (m, 13 芳香族H), 9.20 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ115.2, 115.3, 128.3, 128.9, 129.0, 129.5, 129.9, 130.1, 130.5, 131.5, 131.8, 132.9, 133.0, 135.3, 163.9, 169.2, 170.4 ; C23H15Br2O+としてのHRMS([M]+): 464.9489。
【0052】
実施例16
2,4-ビス(4-フルオロフェニル)-6-フェニルピリリウムテトラフルオロボラート[B16]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(85.16mg、0.07ml、0.60mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(62.52mg、0.61mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A16((E)-1,3-ビス(4-フルオロフェニル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.20 mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、この化合物名を黄色の結晶として得た;51 mg (57%), 融点 = 190 - 192℃; IR (ニート, cm-1): 3068, 2923, 1626 (-C=O+), 1595, 1496, 1271, 1165, 1051, 834, 774; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.66 - 9.15 (m, 15 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ114.7, 114.8, 117.1, 117.1, 117.2, 117.3, 125.8, 128.8, 128.9, 129.0, 129.8, 131.9, 132.0, 133.2, 133.3,135.1, 163.7, 165.1, 169.0, 169.9; C23H15F2O+としてのHRMS([M]+): 345.1092。
【0053】
実施例17
2-フェニル-4,6-ジ(チオフェン-3-イル)ピリリウムテトラフルオロボラート[B17]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(97.93mg、0.08ml、0.69mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(69.65mg、0.68mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A17((E)-1,3-ジ(チオフェン-3-イル)プロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.23 mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。. エタノールから再結晶化させて、化合物2-フェニル-4,6-ジ(チオフェン-3-イル)ピリリウムテトラフルオロボラートを黒色の結晶として得た; 70 mg (76%), 融点 = 219 - 221℃; IR (ニート, cm-1): 3106, 2964, 1622 (-C=O+), 1513, 1445, 1264, 1224, 1059, 889, 765; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.67 - 9.30 (m,13 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ113.1, 113.8, 126.4, 127.5, 128.3, 129.0, 129.7, 129.9, 132.0, 134.6, 135.3, 136.1, 137.7, 157.9, 165.6, 168.5; C19H13OS2 +としてのHRMS([M]+): 321.0412。
【0054】
実施例18
2,4,6-トリ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラート[B18]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.08ml、0.0.63mmol)に、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、4-エチニルトルエン(73.18mg、0.63mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A12((E)-1,3-ジ-p-トリルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2,4,6-トリ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラートを黄色の結晶として得た;54 mg (58%), 融点 = 251 - 253℃; IR (ニート, cm-1): 3129, 3039, 2921, 1624 (-C=O+), 1599, 1494, 1256, 1191, 1055, 817, 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.54 - 8.48 (m, 12 芳香族H), 8.94 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ21.4, 21.4, 113.3, 126.4, 128.5, 129.9, 130.4, 146.1, 146.7, 163.9, 169.3; C26H23O+としてのHRMS([M]+): 351.1749。
【0055】
実施例19
2-(4-ブロモフェニル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラート[B19]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.08ml、0.63mmol)に、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、1-ブロモ-4-エチニルベンゼン(114.05mg、0.63mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A12((E)-1,3-ジ-p-トリルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2-(4-ブロモフェニル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラートを橙色の結晶として得た; 50 mg (47%), 融点 = 270 - 272℃; IR (ニート, cm-1): 3109, 3030, 2854, 1624 (-C=O+), 1598, 1498, 1230, 1192, 1055, 1004; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.61 - 8.55 (m, 12 芳香族H), 9.09 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ21.4, 21.5, 113.9, 126.2, 128.3, 128.7, 129.1, 129.4, 130.1, 130.2, 130.5, 130.5, 132.8, 146.5, 147.1, 164.2, 168.0, 169.9; C25H20BrO+としてのHRMS([M]+): 415.0645。
【0056】
実施例20
2-(4-n-プロピルフェニル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラート[B20]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.08ml、0.63mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、1-エチニル-4-プロピルベンゼン(91.21mg、0.63mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A12 ((E)-1,3-ジ-p-トリルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2-(4-プロピルフェニル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラートを橙色の結晶として得た;53 mg (54%), 融点 252 - 254℃; IR (ニート, cm-1): 3114, 3039, 2928 (-C=O+), 2869, 1625, 1600, 1496, 1273, 1055, 818; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ0.95 (t, 3H, -CH3), 1.69 (st, 2H, -CH2), 2.75 (t, 2H, -CH2), 7.58 - 8.52 (m, 12 芳香族H), 9.00 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ13.6, 21.4, 21.4, 23.6, 37.2, 113.2, 113.3, 126.3, 126.6, 128.5, 128.6, 129.4, 129.8, 129.9, 130.4, 146.1, 146.7, 150.4, 163.8, 169.3; C28H25O+としてのHRMS([M]+): 379.2056。実測値: 379.2055。
【0057】
実施例21
2-(4-フルオロフェニル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラート[B21]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.08ml、0.63mmol)を、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、1-エチニル-4-フルオロベンゼン(76.19mg、0.63mmol)と(T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A12((E)-1,3-ジ-p-トリルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2-(4-フルオロフェニル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラートを橙色の結晶として得た;41 mg (44%), 融点 = 242 - 244℃; IR (ニート, cm-1): 2968, 2922, 1626 (-C=O+), 1599, 1492, 1348, 1194, 1165, 1055, 845; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.61 - 9.05 (m, 14 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ21.4, 21.4, 113.5, 113.6, 117.0, 117.2, 125.8, 126.3, 128.7, 129.4, 130.0, 130.4, 130.5, 131.6, 131.7, 146.3, 146.9, 164.2, 164.9, 168.1, 169.7; C25H20FO+としてのHRMS([M]+): 355.1501。
【0058】
実施例22
2-(チオフェン-3-イル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラート[B22]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.08ml、0.63mmol)に、酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、3-エチニルチオフェン(68.46mg、0.63mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A12((E)-1,3-ジ-p-トリルプロパ-2-エン-1-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2-(チオフェン-3-イル)-4,6-ジ-p-トリルピリリウムテトラフルオロボラートを黒色の結晶として得た;89 mg (98%), 融点 = 232 - 234℃; IR (ニート, cm-1): 3108, 2920, 2851, 1625 (-C=O+), 1599, 1495, 1266, 1193, 1057, 817; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.60 - 9.26 (m, 14 芳香族H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ21.4, 21.4, 112.9, 113.6, 126.3, 128.6, 129.5, 129.8, 130.4, 130.5, 132.1, 146.0, 146.6, 164.1, 165.2, 168.8; C23H19OS+としてのHRMS([M]+): 343.1164。
【0059】
実施例23
2,4,6-トリフェニルピリリウムトリフルオロメタンスルホナート[D1]の製造
酸素雰囲気下、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、3当量のHOTf(108.06mg、0.06ml、0.72mmol)を、フェニルアセチレン(74mg、0.72mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物A1(E-Chalcone)(50mg、0.24 mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、化合物2,4,6-トリフェニルピリリウムトリフルオロメタンスルホナートを黄色の結晶として得た;53 mg (48 %), 融点 = 252 - 254℃; IR (ニート, cm-1): 2920, 2851, 1622, (-C=O+), 1594, 1499, 1471, 1254, 1144, 1031, 770, 641; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ7.79 - 8.94 (m, 15 芳香族H), 9.19 (s, 2H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): 115.7, 129.3, 129.6, 130.3, 130.4, 130.5, 132.9, 135.5, 135.7, 165.6, 170.6; C23H17O+としてのHRMS([M]+): 309.1278。
【0060】
実施例24
2,4-ジフェニル-5,6-ジヒドロベンゾ[h]クロメン-1-イウムテトラフルオロボラート[D2]の製造
1mlのシクロヘキサンに溶解させた3当量のBF.OEt(89.42mg、0.08ml、0.63mmol)を、酸素雰囲気、乾燥シクロヘキサン(2ml)中、フェニルアセチレン(64.45mg、0.63mmol)と( T. M. Kadayat, C. Park, K. Y. Jun, T. T. Magar, G. Bist, H. Y. Yoo, Y. Kwon and E. S. Lee, Bioorg. Med. Chem., 2015, 23, 3499)により記載されている方法により製造した化合物C1((E)-2-ベンジリデン-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン)(50mg、0.21mmol)の混合物に加える。この溶液を60℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、この反応混合物を10mlのジエチルエーテルに注ぎ、その残渣をDCM(5ml)に溶解させて生成物を沈澱させた。生成物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。エタノールから再結晶化させて、この化合物名を黄色の結晶として得た;43 mg (48%), 融点 = 248 - 250℃; IR (ニート, cm-1): 3066, 2851, 1612 (-C=O+), 1596, 1493, 1386, 1243, 1053, 881, 728; 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ3.09 (t, 2H, -CH2), 3.25 (t, 2H, -CH2), 7.59 - 8.55 (m, 14 芳香族H), 8.84 (s, 1H); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6): δ24.2, 25.7, 119.1, 125.9, 126.8, 128.4, 128.4, 128.8, 128.9, 129.2, 129.3, 129.4, 129.9, 132.1, 134.0, 134.7, 135.6, 142.0, 165.8, 166.6, 167.4; C25H19O+としてのHRMS([M]+): 335.1435.; C25H19O+としてのHRMS([M]+): 335.1435。
【0061】
発明の利点
本方法の種々の利点を以下に示す。
1.本発明は、対称および不斉ピリリウム塩の製造のための、工業的に実行可能かつコスト効率の良い方法を提供する。
2.本発明において、本発明者らは、様々な対称および不斉ピリリウム塩の合成のための4成分2工程法を開発した。
3.本方法は酸素雰囲気下で行われ、副生成物は見られず、明らかに生成物の収量を改向上させた。
図1
図2
図3
図4
図5