(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】裏面換気建物ファサードならびにその製造方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/94 20060101AFI20230828BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20230828BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
E04B1/94 L
E04B1/94 G
E04B1/70 D
E04B2/56 645F
E04B2/56 645A
(21)【出願番号】P 2020548903
(86)(22)【出願日】2019-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2019050419
(87)【国際公開番号】W WO2019174792
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】102018106183.8
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505385343
【氏名又は名称】セイント-ゴバイン イソバー
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】パッソン ウィルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】グローナー ヴィルヘルム
(72)【発明者】
【氏名】シュラー ヴァイター
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-200521(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02296263(GB,A)
【文献】実開平06-022416(JP,U)
【文献】特開2004-353224(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0059260(US,A1)
【文献】特開2004-052245(JP,A)
【文献】特開平08-135038(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第04036865(DE,A1)
【文献】登録実用新案第3010456(JP,U)
【文献】特開平11-013158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62-1/99
E04B 2/56
A62C 2/00
E04C 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重担持外壁(2)と、
遮蔽パネル(31)から形成され、前記外壁(2)に固定された遮蔽層(3)と、
裏面換気空隙(5)を形成するように、前記遮蔽層(3)から離隔した位置に荷重担持構造を用いて装着されたファサード外装部(4)と、
ミネラルウールパネルとして構成され、前記裏面換気空隙(5)を垂直方向に中断する少なくとも1つの防火障壁(6、6’)であって、
前記裏面換気空隙(5)側の前記遮蔽層(3)表面から前記裏面換気空隙(5)側のファサード外装部(4)表面までの長さ 全体に亘って延在する防火障壁(6、6’)と
を備える裏面換気建物ファサード(1)において、
前記少なくとも1つの防火障壁(6、6’)が、前記裏面換気空隙(5)の領域に、垂直方向に延在する少なくとも1つの開口(62、63)を有し、前記少なくとも1つの開口(62、63)の合計面積が、
前記防火障壁(6、6’)幅1メートルにつき100cm
2以下であり、
少なくとも一つの開口(62、63)は、火災時に開いたままとなり、裏面換気空隙(5)に熱エネルギーが蓄積することを防ぐ
ことを特徴とする、裏面換気建物ファサード(1)。
【請求項2】
前記防火障壁(6)が、一様に分布する孔(62)の形の開口を有することを特徴とする、請求項1に記載の建物ファサード。
【請求項3】
前記防火障壁(6’)が、縁部に配置された規則的な陥凹(63)の形の開口を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の建物ファサード。
【請求項4】
前記開口の合計面積が、
前記防火障壁(6、6’)幅1メートルにつき80cm
2以下、60cm
2以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の建物ファサード。
【請求項5】
前記防火障壁(6)が、2cm~10cmの
前記垂直方向の厚さを有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の建物ファサード。
【請求項6】
前記防火障壁(6、6’)が、60kg/m
3~300kg/m
3
の見かけ密度を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の建物ファサード。
【請求項7】
前記防火障壁(6、6’)が、前記ファサード外装部(4)から前記遮蔽層(3)の中に延在
することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の建物ファサード。
【請求項8】
前記防火障壁(6、6’)の前記ミネラルウールが、層状繊維構造を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の建物ファサード。
【請求項9】
前記遮蔽層(3)の前記遮蔽パネル(31)が、ミネラルウールから形成されることを特徴とする、請求項1から
8のいずれか一項に記載の建物ファサード。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の裏面換気建物ファサードを製造する方法において、
荷重担持構造を荷重担持外壁(2)に固定するステップと、
遮蔽パネル(31)から形成された遮蔽層(3)を前記外壁(2)に固定するステップと、
前記遮蔽層(3)に少なくとも1つのスロット(32)を形成するステップと、
ミネラルウールパネルとして構成された少なくとも1つの防火障壁(6、6’)を前記スロット(32)に挿入するステップと、
裏面換気空隙(5)を形成するために、前記遮蔽層(3)から離隔した位置にファサード外装部(4)を配置するように、前記荷重担持構造に前記ファサード外装部(4)を装着するステップとを有し、
前記少なくとも1つの防火障壁(6、6’)が、
前記裏面換気空隙(5)側の前記遮蔽層(3)表面から前記裏面換気空隙(5)側のファサード外装部(4)表面までの長さ 全体に亘って延在し、
前記少なくとも1つの防火障壁(6、6’)が、垂直方向に延在
することで前記裏面換気空隙(5)
に位置する少なくとも1つの開口
(62、63)を有する、方法。
【請求項11】
a)平に張られた前記遮蔽層(3)
の遮蔽材に切目を入れることであって、前記スロット(32)の領域の前記遮蔽材が
切目を入れて取り除かれること、
または
b)前記遮蔽層(3)の前記遮蔽パネル(31)を、垂直に隣接する遮蔽パネル(31)間に前記少なくとも1つのスロット(32)が得られるように、相互に離隔する位置に装着すること
によって前記遮蔽層(3)に前記少なくとも1つのスロット(32)を形成することを特徴とする、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの防火障壁(6、6’)を、対応する前記スロット(32)に所定の範囲まで挿入し、前記遮蔽層(3)全体を貫通して前記外壁(2)に至るまで挿入することを特徴とする、
請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記防火障壁(6、6’)を、前記スロット(32)に押し込み、または垂直に隣接する2つの
前記遮蔽パネル(31)間に係止することを特徴とする、請求項
10から
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
防火障壁(6、6’)が、建物の全ての階に配置されることを特徴とする、請求項
10から
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも、前記防火障壁(6、6’)の直ぐ上の
前記遮蔽パネル(31)層の前記遮蔽パネル(31)が、垂直に摺動可能に前記外壁(2)に固定されることを特徴とする、請求項
10から
14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重担持外壁と、遮蔽パネルから形成された遮蔽層と、ファサード外装部とを有する裏面換気建物ファサードであって、遮蔽層が、外壁に固定され、ファサード外装部が、裏面換気空隙を形成するように、遮蔽層から離隔した位置に荷重担持構造を用いて配置され、裏面換気空隙が、ミネラルウールパネルとして構成された少なくとも1つの防火障壁によって垂直方向に中断されている、裏面換気建物ファサードに関する。本発明は、さらに、裏面換気建物ファサードに関する。
【背景技術】
【0002】
建物のファサードの設計に関する様々な構造は、実際によく知られている。商用建物で特に用いられる変形形態は、いわゆる裏面換気カーテンファサードによって代表され、そのファサードは、それで覆われた荷重担持壁に対して特に良好な保護機能を有し、設計の可能性についても特に良好な効能を有する。
【0003】
そのような裏面換気外壁外装部は、荷重担持壁上に配置され、ファサード外装部と、裏面換気空隙を形成するようにファサード外装部を保持する荷重担持構造と、任意選択で、荷重担持外壁に固定された熱遮蔽層とを備える。ファサード外装部は、空き継ぎもしくは密着継ぎ、要素の相互重なり合いなどを有する。荷重担持構造は、通例、金属から構成されるが、木材などから製作されることもある。荷重担持構造は、通常、水平または垂直に延在する担持レールを備え、その担持レールは、建物壁に連結される。熱遮蔽層は、発泡プラスチック、結合ミネラルウール、または他の既知の遮蔽材から構成することができる。裏面換気空隙は、この場合、熱遮蔽層の外側とファサード外装部との間に形成される。
【0004】
この壁構成では、遮蔽部とファサード外装部とが構造上相互に分離されているので、壁および遮蔽部は、湿気、熱、冷気、風などから保護されている。さらに、存在し得る湿気を確実にそこで除去することができる空間が、裏面換気空隙によって存在する。同時に、熱遮蔽層は、それ自体の荷重を超える荷重担持機能は有さず、したがって、熱および/または音の遮蔽に関して最適化することができる。
【0005】
視覚的態様もまた、裏面換気ファサードの上記の技術的利点に伴う。ファサード外装部は、通例、高度に固められたミネラル繊維パネル、金属パネルなどのような、個々の曲げ剛性の高いパネル要素から形成される。これらパネル要素は、たとえばねじ連結、接合、またはリベット止めによって、荷重担持構造に確実に連結される。他方において、この連結は、また、外装パネルの縁の後ろに延在する荷重担持構造によって、ポジティブロッキング方式で確立することもできる。したがって、ファサード外装部の外観を建物の特性および固有の建築様式と個々に調和させることが可能になる。これは、通例、まさに商用建物の場合に特に望ましいが、高層建築物などでも望ましい。
【0006】
しかしながら、そのような裏面換気ファサードの欠点は、裏面換気空隙が、ファサードに火災が発生したとき一種の煙突として作用し得ることである(煙突効果)。したがって、そのようなタイプの構造では防火に注意が払われる。
【0007】
Deutsches Institut fur bautechnik(ドイツ構造技術協会)の技術的建築規準に準拠すると、水平防火障壁は、1階置きに裏面換気空隙内に配置することになる。水平防火障壁は、通例、壁とファサード外装部との間に設置することになる。遮蔽層とファサード外装部との間の設置は、熱遮蔽部が外側に配置され、その遮蔽材が火災に際し寸法的に安定であり、1,000℃より高い融点を有する場合に、十分となる。荷重担持構造が可燃性建築材料から構成されている場合、その荷重担持構造は、水平防火障壁の領域で完全に遮断しなければならない。一方、これは、たとえば金属から構成された荷重担持構造の場合にも利点があり、異なる構成要素の長手方向の熱膨張に基づくシステム内の応力を防止するための常套手段に当たる。
【0008】
防火障壁は、裏面換気空隙の垂直方向の断面積を減少させ、火炎のこの方向の拡散を防止するのに使用される。ただし、同時に、防火障壁は、空気の通風を可能にさせ続け、それにより湿気を除去するために、裏面換気空隙を完全には閉鎖しない。
【0009】
防火障壁は、少なくとも30分を超える十分な寸法安定性を有さなければならず、したがって、1mmより厚い鋼板の設置が、技術的建築規準によって提唱される。この鋼板は、裏面換気空隙を部分的に覆い得、それによって裏面換気のための残余空隙を残し、または、鋼板は裏面換気空隙を完全に覆って延在し得、ただしその場合、鋼板は穿孔され得る。残余空隙または開口の大きさは、この場合、合計100cm2/リニアメートルに制限されることになる(モデル管理規定-技術的建築規準(MVV TB)付則6、4.3)。
【0010】
他方、DIN 18516-1:2010-06、セクション4.2では、残余空隙または開口の大きさの下限を、空気通風要件に適合するために、少なくとも合計50cm2/リニアメートルであるべきと設定する。
【0011】
そのような防火障壁の例は、文書DE202012100418U1に見ることができる。この従来技術の裏面換気ファサードでは、グラスウールまたはミネラルウールなどの繊維材から構成される遮断要素が、防火障壁として用いられる。この遮断要素は、遮蔽層の表面を越えてファサード外装部の方向に延出し、ファサード外装部に対して残余空隙を換気空隙として残す。遮断要素は、圧縮性かつ/または可撓性構成を有し、正常な場合にはプレストレス下にある。このことが、火災の場合に遮断要素が残余空隙を閉鎖することを可能にする。遮断要素は、このために、たとえばスペーサ要素によって2部分構成を有し、そのスペーサ要素が、長期間に亘って繊維材を圧力下に維持する。しかし、火災が発生すると、スペーサ要素が、燃えかつ/または溶解し、繊維材を解放する。繊維材が、圧縮解除され、ファサード外装部に対する空隙、すなわち裏面換気空隙を完全に閉鎖する。
【0012】
しかしながら、防火障壁のこのタイプの構成は、圧縮が解除された場合に、長期間に亘る繊維障壁用の繊維材の確実な復元力を必要とする。しかし、これは、実際には不可能に近い。万一火災がその建物で発生するとしても、20または30年後にはじめて起こることになり得る。まさに風雨の影響下でも、裏面換気空隙を確実に閉鎖することができる十分なプレストレスが、繊維材にまだ存在するか否かは疑問である。さらに、これら従来技術の防火障壁の構築は、複雑かつ費用が掛かる。
【0013】
EP3181778A1は、裏面換気建物ファサードを示す。防火障壁は、ファサード外装部を形成する垂直に隣接するパネル間に配置されている。防火障壁内の換気チャネルが、ファサード外装部の換気チャネルに相当する。したがって、そのような防火障壁は煙突効果を防止しないので、効果的な防火障壁は実現されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の基本的目的は、費用効果的な構成を用いて長持ちする防火を達成することができるように、このクラスの裏面換気建物ファサードを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、請求項1の特徴を有する裏面換気建物ファサードによって達成される。このファサードは、少なくとも1つの防火障壁が、裏面換気空隙の深さ全体に亘って延在し、その少なくとも1つの防火障壁が、裏面換気空隙の領域に、垂直方向に延在する少なくとも1つの開口を有することを特徴とする。
【0017】
それによって、本発明は、関連する現行技術の構造原理を退け、防火障壁の母材のいずれの種類の膨張または応力緩和運動も排除する。したがって、本発明によれば、繊維材のエージングの進行は、防火の確立および維持になんら影響しない。
【0018】
このため、本発明によれば、少なくとも1つの防火障壁が、最初から裏面換気空隙の深さ全体に亘って延在し、それによってこの空隙自体を閉鎖することが基本になる。したがって、防火障壁は、火災の場合に初めてこの位置に達する必要はなく、最初から既にこの位置にある。ただし、それにも拘わらず、裏面換気空隙内の空気の通風は、防火障壁内に垂直方向に延在する少なくとも1つの開口を通して可能になる。
【0019】
これに関して、本発明によれば、防火障壁に設けられた少なくとも1つのそのような開口が、一方で、十分な換気を確保するのに完全に十分であり、他方で、火災の拡大を十分に防止することが確認された。すなわち、火炎の拡大を防火障壁で防止することができ、十分な防火を達成することができる。本発明の過程で実施した実用試験が、これを確証した。
【0020】
別の利点は、ミネラルウールから構成される防火障壁が、本発明によれば、単純なパネル状構成を有し得、したがって、極めて費用効果的に入手しかつ建物ファサードに装着することができることである。
【0021】
ドイツ建築技術協会の技術的建築規準は、個々の開口が一様に分布する防火障壁の使用を提唱するものの、しかし、それによって意味するのは、ミネラルウールパネルとして構成された防火障壁ではなく、mm範囲の厚さを有する穿孔鋼板である。それゆえ、在来の鋼板の個々の孔は、実際的観点から、技術的に妥当な深さを欠き、その結果、火災は、十分にそれら孔を通って確実に広がり得る。本発明によって提供される、ミネラルウールパネルから構成された防火障壁は、対照的に、その構造の結果としてある程度のパネル厚さを有する。したがって、個々の開口は、深さの浅い孔ではなく、チャネルのタイプであり、そのタイプは、火炎が広がるのを大幅に防止する。
【0022】
本発明による裏面換気建物ファサードの有利な変形形態が、従属請求項2から13の主題である。
【0023】
すなわち、防火障壁が、一様に分布する孔の形の開口を有し得る。裏面換気空隙は、このように、通常の使用中に生じ得る湿気を確実に除去するために十分な換気面積を有する。それにより、本発明による裏面換気建物ファサードは、長期間に亘って裏面換気機能を確実に果たすことができ、したがって、長い耐用寿命を特徴とする。さらに、そのような一様に分布する孔は、フライス加工、打抜加工などによって問題なくかつ費用効果的に防火障壁に設けることができる。
【0024】
1リニア/延メートル当たりの開口の合計面積は、80cm2以下、好ましくは70cm2以下であり得る。さらに、1リニア/延メートル当たりの開口の合計面積は、60cm2以上であり得る。試験は、この値が、本発明によって得られる防火性をさらに改善することを立証した。
【0025】
また、その代わりにまたはそれに加えて、防火障壁は、2cm~10cmの厚さを有することが可能である。そのような寸法を有するミネラルウールパネルは、簡単に製造し、取り扱い、建物ファサードに装着することができる。同時に、それによって、開口は、火炎が広がるのを確実に防止する十分な深さを有する。好ましいタイプの構成では、防火障壁は、3cm~5cmの厚さを有し、それによって、実際に必要な防火を、ほとんどの場合、確実に達成することができる。
【0026】
さらに、防火障壁が、60kg/m3~300kg/m3の見かけ密度を有すれば有利であることが判明した。このように構成された防火障壁は、防火障壁として働くことが可能な十分な本質的安定性を有し、さらに、火炎の作用に対して好適な耐性を有し、その結果、十分に長期間に亘る耐性がある。防火障壁は、ここで、好ましくは80kg/m3~200kg/m3の見かけ密度を有する。目指す用途にとってこの範囲が特に好適であることが分かる。防火障壁が100kg/m3~150kg/m3の見かけ密度を有すれば、特に好ましい。
【0027】
別のタイプの構成では、防火障壁が、ファサード外装部から遮蔽層内に延在することが可能である。ここで、防火障壁は、たとえば係止することによって、簡単かつ費用効果的に固定することができる。さらに、遮蔽層に防火障壁を完全に貫通させることがしばしば不必要なことが、実用試験で示された。したがって、特に遮蔽部厚さが厚い場合、防火障壁が長期間その位置を維持できる長さだけ防火障壁を遮蔽層に挿入すれば十分である。防火障壁の装着は、このように著しく簡単に行うことができる。好ましい変形形態では、他方において、防火障壁が、ファサード外装部から外壁まで延在する。この場合、防火障壁は、外壁で特に確実に保持され、接合によって外壁に固定することもできる。さらに、ここで、防火障壁は、通常、耐火性がより低い遮蔽層を、有利には貫通する。その結果、防火障壁の防火効果は、さらに一層著しく向上する。したがって、建物ファサードは全体として、より高度な火災等級に類別することができる。
【0028】
別の利点は、防火障壁のミネラルウールが、防火障壁の大きな表面との関連で層状繊維構造を有することである。ここで、繊維が壁に直交し、そのことは、熱遮蔽効果に関しては不利であるものの、防火障壁の安定性に関しては有利である。それによって、防火障壁の寸法安定性および防火効果を、長期間に亘り確保することができる。繊維のこの配向は、防火障壁の上に配置された裏面換気ファサードの要素に火が向かう場合、より優れた熱遮蔽を生じ、さらに、裏面換気空隙内に生じ得る風雨の影響から防火障壁をより良く防護する。
【0029】
さらに、防火障壁は、発泡性防炎塗料を有することが可能である。この塗料は、熱作用の下に著しく膨張し、その結果、火災の場合、防火障壁の防護効果がさらに一層向上する。特に、これによって、ファサード外装部に向かう境界面に不均一性などによって残る可能性のある空きスペースを、確実かつ完全に閉鎖することができるので、火炎が広がるのをさらに一層確実に防止することができる。さらに、防火障壁の少なくとも1つの開口を部分的または完全に閉鎖するように、塗料を配置することも可能である。本発明による建物ファサードは、このように、著しく向上した防火効果を実現することができる。
【0030】
遮蔽層の遮蔽パネルをミネラルウールから製作すると、特に良好な防火特性を達成することができる。さらに、良好な熱および音遮蔽特性を同様に達成することができる。
【0031】
試験が、ドイツ建築技術協会の技術的建築規準に反して、防火障壁を建物の全ての階に配置することが好ましいことを示した。
【0032】
通常、遮蔽層は、複数のファサード遮蔽パネルから形成される。そのような場合、防火障壁は、垂直に隣接する2つのファサード遮蔽パネル間に配置し、好ましくは係止することができる。これは、防火障壁を装着する極めて容易かつ効率的方法である。これは、少なくとも、防火障壁の直ぐ上のファサード遮蔽パネル層のファサード遮蔽パネルを、垂直に摺動可能に外壁に固定することによって、さらに一層改善することができる。防火障壁を装着するために、これらファサード遮蔽パネルを上方にずらし、次いで、防火障壁を挿入し、最後にファサード遮蔽パネルを再び下げ、特に、それによって、防火障壁を垂直に隣接するファサード遮蔽パネル間に係止する。
【0033】
本発明の別の態様によれば、特に本発明によって構成された裏面換気建物ファサードを製造する方法が、請求項14によって提供される。この方法は、荷重担持構造を荷重担持外壁に固定するステップと、遮蔽パネルから形成された遮蔽層を外壁に固定するステップと、遮蔽層に少なくとも1つのスロットを形成するステップと、ミネラルウールパネルとして構成された少なくとも1つの防火障壁を間隙に挿入するステップと、裏面換気空隙を形成するために、遮蔽層から離隔した位置にファサード外装部を配置するように、荷重担持構造にファサード外装部を固定するステップとを特徴とし、少なくとも1つの防火障壁が、裏面換気空隙の深さ全体に亘って延在し、少なくとも1つの防火障壁が、垂直方向に延在し裏面換気空隙の領域に入る少なくとも1つの開口を有する。
【0034】
裏面換気建物ファサードは、この方法によって、特に費用効果的、簡単、かつ迅速に製造することができる。同時に、裏面換気建物ファサードは、裏面換気機能を適切に保つと同時に、特に良好な耐火性を特徴とする。
【0035】
本発明による方法の有利な変形形態が、従属請求項15から18の主題である。
【0036】
すなわち、遮蔽層のスロットを、平らに張られた遮蔽層に切目を入れることによって形成することができる。本発明によれば、遮蔽層の装着は、防火障壁の装着から分離されている。したがって、最初のステップにおいて遮蔽層を外壁上に全面に亘って配置することが可能になり、時間の掛かる個々の遮蔽パネルの切断をできるだけ回避することが可能になる。その場合、スロットは、たとえばナイフ、鋸などを用いて、遮蔽層の適切な位置に作り込む。防火障壁の挿入を容易にするために、スロットの領域の遮蔽材を、好ましくは取り除く。この手順は、装着を特に簡単かつ迅速に実施することを可能にする。
【0037】
他方において、代替形態として、垂直に隣接する遮蔽パネル間にスロットが得られるように、遮蔽層の遮蔽パネルを、相互に離隔する位置に張ることも可能である。それによって、その後に遮蔽層に切目を入れることによってスロットを生成することをなくすことができる。
【0038】
さらに、少なくとも1つの防火障壁を、対応するスロットに所定の範囲だけ挿入すれば有利である。この場合、スロットに遮蔽層の全体厚さを貫通させる必要はなく、それによって、装着がさらに簡略化されることになる。他方において、好ましい実施形態では、防火障壁を、遮蔽層全体を貫通して外壁に至るまで挿入することも可能である。ここで、防火障壁は、遮蔽層内に特に確実に保持することができる。さらに、この場合、遮蔽層が完全に中断され、それは、防火効果に関して有利であり、その理由は、遮蔽層の遮蔽パネルは、通常、熱および/または音遮蔽に関しては最適化されているが、防火に関しては最適化されていないからである。
【0039】
防火障壁を、スロットに押し込み、または垂直に隣接する2つのファサード遮蔽パネル間に係止すれば、建物ファサードでの防火障壁の特に確実な保持を達成することができる。その結果、ファサードの信頼性および耐久性が著しく向上する。
【0040】
本発明が、図面に基づいて、より詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の第1の実施形態による裏面換気建物ファサードの概略側面図である。
【
図2】第1の実施形態による防火障壁の透視図である。
【
図3】第2の実施形態による防火障壁の透視図である。
【
図4】本発明の別の実施形態による裏面換気建物ファサードの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1の図によれば、建物ファサード1は、荷重担持外壁2を有する。遮蔽層3が、接着剤および/またはダウエルを用いて、それ自体通常の方式で外壁2の外側に固定されている。さらに、建物ファサード1は、図を簡単にするために示されていないが、金属製の荷重担持構造を有し、その荷重担持構造は、外壁2に固定されている。荷重担持構造は、ファサード外装部4を保持し、外壁2の遮蔽層3とファサード外装部4との間に裏面換気空隙5を形成する。
【0043】
遮蔽層3は、良好な熱遮蔽特性を有する複数の遮蔽パネル31から構成される。たとえば、ある熱伝導率を有するファサード遮蔽パネルWLG035が、これに適する。これらパネルは、極めて低い熱伝導率、したがって優れた熱遮蔽性を有し、良好な防火性を提供する。1,000℃以上の融点および約25kg/m3の見かけ密度を有する不燃性遮蔽パネル、ユーロクラスA1を、例示的実施形態では使用する。
【0044】
さらに、建物ファサード1は、複数の防火障壁6を有し、その防火障壁6は、ミネラルウールパネルとして構成され、裏面換気空隙の水平防火障壁として使用され、その防火障壁6の1つが、より詳細に
図2に示される。これら防火障壁6は、ドイツ建築技術協会の技術的建築規準によれば、建物の1階置きに、裏面換気空隙5の水平防火障壁として配置される。しかし、試験は、防火障壁6を建物の各階に配置することが好ましいことを示した。
【0045】
層状繊維配向を有し、1,000℃を超える融点および約140kg/m3の見かけ密度を有する不燃性(ユーロクラスA1)ミネラルウール遮蔽パネルを、この例示的実施形態の防火障壁6として使用する。パネルの厚さは約3cmである。
【0046】
防火障壁6は遮断本体61を有し、その遮断本体61は、外壁2からファサード外装部4まで延在し、それによって遮蔽層3を中断する。防火障壁6は、図示の例示的実施形態では、遮蔽層3のスロット32内に係止状態で受け止められている。外壁2に対向する遮断本体61の端部は、外壁に接合され、それによって外壁に固定される。外側端部によって、防火障壁6の遮断本体61は、ファサード外装部4と接触し、その結果、そこには実質的に空隙は形成されない。遮断本体61は、層状繊維構造を有し、その結果、繊維は、外壁2に実質的に直交する。
【0047】
裏面換気空隙5の領域で、防火障壁6は、複数の一様に分布させた孔62の形の開口を有し、その開口は、裏面換気空隙5内の空気の流れを可能にする。孔62は、そのために、遮断本体61の厚さ全体を貫通して延在し、それによって遮断本体の上下の空間を連結する。孔62により防火障壁6に存在する全開口の規模は、1リニアメートル当たり100cm2に制限される。より好ましくは、開口の規模は、1リニアメートル当たり80cm2に、とりわけ70cm2に制限される。他方、全開口の規模は、好ましくは、1リニアメートル当たり60cm2より大きくすべきである。試験では、優れた結果が、1リニア/延メートル当たり60cm2の全開口規模によって達成された。
【0048】
ファサード外装部4は、複数のカバーパネル41を有し、カバーパネル41は、高曲げ剛性構成を有し、荷重担持構造に一つ一つ固定される。繊維セメントパネルが、実用試験におけるカバーパネル41として使用された。
【0049】
この構成が、本発明の過程で実用試験を受け、成功した。防火障壁6は、30分の要求時間に亘る試験の終了後、延焼または飛び火を防止した。特に、孔62を通って送られるエネルギーは、火災を広げさせるのに十分でないことが分かった。
【0050】
図3は、防火障壁の別の実施形態を示し、その防火障壁は、参照番号6’によって示される。これは、遮断本体61’および開口の構成において、第1の実施形態による防火障壁とは異なる。
【0051】
図3に示された図で分かるように、開口は、縁部に配置された規則的陥凹63の形で構成されている。これは、防火障壁6’の側縁部に挟間状の構造を生じ、その縁部がファサード外装部4に対向する。
【0052】
図4は、裏面換気建物ファサード1の別の実施形態の概略側面図を示す。
【0053】
これは、一方で、直前に説明した防火障壁6’が挟間状の側縁部を有して使用される点で、上記の実施形態とは異なる。さらに、防火障壁6’は、遮蔽層3を完全に貫通せずに、遮蔽層3内に所定の範囲まで、この場合、遮蔽層3の厚さ全体の約1/3を超えるまでしか入り込まない。スロット32は、このために前以て、所望の深さで遮蔽層3に形成され、防火障壁6’が、最後にこのスロットに圧力下で挿入された。防火障壁6’は、このように、遮蔽層3内に係止状態で保持される。
【0054】
スロット32は、遮蔽層3の大きな表面に対して直角には形成されず、その表面に対して数度だけ傾けられた。その結果、防火障壁6’は、遮蔽層3から外方へ幾分垂れ下がって行くように遮蔽層3に対して斜めに配置され、それによって、必要なら水を遮蔽層3から遠ざかるように案内する。
【0055】
裏面換気建物ファサード1を製造する方法を、以下に説明する。
【0056】
ここで、荷重担持構造を担持外壁2にまず固定する。これを、スクリューおよびダウエルを用いて通常の方式で実施する。次いで、遮蔽層3を外壁2上に積み上げるが、そのために、遮蔽パネル31を次々とダウエルを用いて接合しかつ/または固定して閉じた遮蔽面を形成する。荷重担持構造の要素は、遮蔽層3が荷重担持構造の要素によって中断される位置でそれに対応して窪ませる。
【0057】
最後に、スロット32を、遮蔽層3の所定の位置にナイフなどを用いて挿入する。ここで、具体的には、2つの切目を遮蔽層3の互いに離隔した位置に作り、引き続き、それら切目の間に位置する遮蔽材を取り除く。
【0058】
その後、防火障壁6および6’をスロット32に挿入することができ、これを圧力の下に実施するので、それによって、防火障壁6および6’の遮蔽層3内での係止が達成される。
【0059】
設けるスロット32の深さは、個々の適用に適合させることができる。スロット32の深さは、
図4に示すように制限してもよい。一方で、スロット32の深さは、また、遮蔽層3を完全に貫通してもよく、これは
図1に示される。また、スロット32を、垂直に隣接する2つのファサード遮蔽パネル31の間に形成してもよい。そのような場合、防火障壁6は、垂直に隣接する2つのファサード遮蔽パネル31間に配置され、好ましくは係止される。少なくとも、防火障壁6および6’の直ぐ上のファサード遮蔽パネル31の層のファサード遮蔽パネル31を、垂直に摺動可能なように外壁2に固定してもよい。防火障壁6および6’を装着するために、ファサード遮蔽パネル31の上側の層を、上方にずらしてスロット32を形成し、次いで、防火障壁6および6’をスロットに挿入し、最後に、ファサード遮蔽パネル31を再び下げ、特にそれによって、防火障壁6を、垂直に隣接するファサード遮蔽パネル31の間に係止する。
【0060】
防火障壁6および6’が、裏面換気空隙5の深さ全体に亘って延在することが必須である。さらに、
図2および3に見ることができるように、防火障壁6および6’は、縁部に配置された一様に分布する孔62または規則的陥凹63を、裏面換気空隙5の領域に有する。
【0061】
最後に、ファサード外装部4を、遮蔽層3から離隔した位置に配置して裏面換気空隙5を形成するように、荷重担持構造に装着する。ここで、防火障壁6および6’は、ファサード外装部と接する。
【0062】
このようにして、裏面換気建物ファサードが仕上がる。
【0063】
本発明による裏面換気建物ファサード1は、下記に説明する別の構成原理をさらに可能にする。
【0064】
すなわち、開口が、防火障壁6に一様に分布して存在する必要はない。開口は、また、縁部に位置する孔62の形および陥凹63の形で不規則に、または混合して形成してもよい。
【0065】
陥凹63は、
図3に示される矩形を有する必要はなく、三角形、半円形、または別の適切な形状を有してもよい。
【0066】
同様に、孔62は、円形を有する必要はなく、異なる断面形を有してもよく、細長い孔として構成してもよい。
【0067】
説明したタイプの構成では、防火障壁6は、約3cmの厚さを有するが、これは必須ではなく、用途に応じて、より薄い、またはより厚い構成を有してもよい。これに関して、2cm~10cmの材質厚さが、特に適切であることが判明している。
【0068】
説明したものとは異なる、用途に適するミネラルウールパネルもまた、これが適切な防火特性を有する限り、防火障壁6に使用することができる。
【0069】
すなわち、防火障壁6の見かけ密度が、説明した140kg/m3の値とは異なる値もまた有し得る。60kg/m3~200kg/m3の見かけ密度を有するミネラルウールパネルが、好ましくは、使用され、80kg/m3の見かけ密度を有する防火障壁6でも、一部の用途には十分であり得る。特定の要件に応じて、たとえば300kg/m3の見かけ密度を有する、より重い防火障壁6を使用することもまた可能である。
【0070】
さらに、また、防火障壁6および6’を遮蔽層3に必ずしも押し込まなくてもよい。防火障壁6および6’は、この場合、たとえば、隙間を有して配置し、接着剤などによって固定してもよい。
【0071】
これに関連して、必ずしも、防火障壁6を、たとえば接合によって外壁2に固定しなくてもよい。たとえば、遮蔽層のファサード遮蔽パネル31間での係止効果は、防火障壁6の十分な安定性を確保するのにそれだけ十分であり得る。別法として、防火障壁6を、たとえば適切な固定構成要素、形状などを用いて機械的に固定することもできる。
【0072】
さらに、必ずしも防火障壁6をミネラルウールから構成しなくてもよい。際立った耐火性のあるグラスウール、またはスラグウールなどでも、防火障壁にやはり使用することができる。
【0073】
防火障壁6のミネラルウールは、さらに、層状繊維構造を有する必要はない。このミネラルウールは、やはり異なってもよく、特に圧縮した繊維板を使用することも可能である。
【0074】
さらに、防火障壁6は、発泡性防炎塗料を追加して有することが可能である。これは、防火効果をさらに増強させる。発泡性防炎塗料に加えてまたはその代わりに、脱水添加剤の使用などのような他の防火対策をとることも可能である。
【0075】
防火障壁6は、裏面換気空隙5に入ってくる水から特に防火障壁6を保護するために、風雨防護を目指した塗料を追加して有することがさらに可能である。
【0076】
遮蔽層3が十分な防火効果を有する場合、防火障壁6が、遮蔽層3の外側からファサード外装部4までしか延在しなくても、やはり十分であり得る。
【0077】
防火障壁6は、工場で大きめに製造してもよく、その場合、防火障壁6は、本発明による建物ファサード1に装着する時に、外壁2とファサード外装部4との間の対応する寸法に切断される。この場合、前以て、特別注文の防火障壁6を製造する必要はない。さらに、固有の現場状況への適応が問題なく可能になる。
【0078】
スロット32を、遮蔽層3に切り込むことによってこの層に形成する必要はない。その代わりに、遮蔽パネル31を、装着の過程で、所定位置の遮蔽パネル31の間の空きスペースとしてスロット32が得られるように、外壁2上に配置してもよい。
【0079】
一方で、スロット32を遮蔽層3に切り込む場合には、その深さは、そのコンクリート建物を占める状況に応じて適切に選択すべきである。
【0080】
一部の適用では、遮蔽材をスロット32から取り除くことを必ずしも必要としない。防火障壁6または6’を押し込むとき、遮蔽材を変位させることができることもある。
【0081】
別法として、スロット32を、フライス加工で遮蔽層3から母材を取り除くことによって、1工程で形成することもできる。
【0082】
遮蔽層3のファサード遮蔽パネル31は、上記のミネラルウール以外の材料から形成することもできる。すなわち、不燃性材料から構成される他の適切な遮蔽繊維板または遮蔽パネルを使用することが可能である。