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特許7337833縮合二環式C5aRアンタゴニストのプロドラッグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】縮合二環式C5aRアンタゴニストのプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20230828BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20230828BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20230828BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20230828BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230828BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230828BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20230828BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20230828BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230828BHJP
   C07K 5/06 20060101ALI20230828BHJP
   C07K 5/08 20060101ALI20230828BHJP
   C07F 9/6561 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
C07D471/04 106H
C07D487/04 138
A61K31/661
A61K31/4162
A61K31/506
A61K31/496
A61K38/05
A61K45/00
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P37/06
A61P35/00
A61P9/00
A61P25/00
A61P7/00
A61P13/12
A61P31/04
A61P13/02
A61P25/28
A61P9/10
A61P1/04
A61P11/00
A61P17/02
A61P19/02
A61P27/02
A61P9/10 101
A61P7/02
A61P29/00 101
A61P1/18
A61P17/06
A61P11/06
A61P21/04
A61P7/04
A61P3/10
A61P3/00
A61P25/02
A61P35/02
A61P43/00 123
C07K5/06
C07K5/08
C07F9/6561 Z CSP
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2020553520
(86)(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2019025165
(87)【国際公開番号】W WO2019195159
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】62/651,512
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507416218
【氏名又は名称】ケモセントリックス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ピンチェン ファン
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ エム.ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ラジンダー シング
(72)【発明者】
【氏名】ベンカット レッディ マリ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン イーピン
(72)【発明者】
【氏名】ペングリー チャン
【審査官】星 浩臣
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-524228(JP,A)
【文献】特表2006-524225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、または(IIC):
【化1】
のいずれか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで
環頂点(ring vertex)aはNまたはC(R2C)であり、環頂点bはNまたはC(R2d)であり、環頂点eはNまたはC(R2e)であり、ここでa、b、eの一つのみがNである;
1は結合、C1-8アルキレン、C(O)、C(O)-C1-4アルキレン、およびS(O)2からなる群から選択される;
1
a) N、OおよびSから選択される環頂点として1~4個のヘテロ原子を有する5~10員のヘテロアリール;
b) C6-10アリール;
c) C3-8シクロアルキル;
d) N、OおよびSから選択される環頂点として1~2個のヘテロ原子を有する4~8員のヘテロシクロアルキル;および
e) C1-8アルキル、C1-8アルコキシ、C1-8ハロアルキル、-C(O)NR1a1b、および-CO21a;ここでR1aおよびR1bは水素、C1-8アルキル、C6-10アリール、および-C1-6アルキレン-C6-10アリールからなる群からそれぞれ独立に選択される;
からなる群から選択される;
ここで基-X1-R1は未置換、または1~5個のRx置換基で置換されている;
2aおよびR2eは水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、CN、およびハロゲンからなる群からそれぞれ独立に選択され、R2aおよびR2eの少なくとも一つは水素以外である;
2b、R2c、およびR2dは水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、シアノ、およびハロゲンからなる群からそれぞれ独立に選択される;
各R3はヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択され、任意に同じ炭素原子上の2つのR3基が結合してオキソ(=O)を形成し、任意に2つのR3基およびそれらが結合している炭素原子は、O、N、およびSから選択される環員として0~2個のヘテロ原子を含む3~6員環を形成する;
4は-NHP1、-NHC(O)NHP1、-CH2NHP1、および-CH2NHC(O)NHP1からなる群から選択されるメンバーである;
各R5はC1-8アルキル、C1-8アルコキシ、C1-8ハロアルキル、C1-8ハロアルコキシ、C1-8ヒドロキシアルキル、ハロゲン、OH、CN、C(O)R5a、およびCO25aからなる群から独立に選択される;
5’は水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C1-8ヒドロキシアルキル、C(O)R5a、およびCO25aからなる群から選択されるメンバーである;ここで各R5aは水素、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルからなる群から独立に選択される;
6は水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、シアノ、およびハロゲンからなる群から選択されるメンバーである;
7はP1である;および
8は-CH2OP1である;
各P1
(i)
【化2】
からなる群から選択され、ここで
各R 9 はHおよびC 1-3 アルキルからなる群から独立に選択される;および
各R 10 はH、C 1-3 アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択される;または
(ii)
【化3】
からなる群から選択され、ここで
各R y は-OP(O)(OR y1 2 、-OC(O)CH 2 N(R y2 2 、-N(R y2 2 、およびピペラジンからなる群から独立に選択される;
各R y1 はH、C 1-3 アルキル、およびベンジルからなる群から独立に選択される;
各R y2 は独立にH、またはC 1-3 アルキルである;および
y またはCH 2 y 置換基を有する各フェニル環はニトロ、ハロゲン、CN、CF 3 、C 1-4 アルキル、C 1-4 アルコキシ、C 1-4 ハロアルキル、C 1-4 ハロアルコキシ、およびC 1-4 ヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択される0~3個のメンバーでさらに置換されている;または
(iii)-CH 2 OH、-P(O)(OR 10 2 、および-CH 2 -O-P(O)(OR 10 2 からなる群から選択され、ここで各R 10 はH、C 1-3 アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択される;または
(iv)アミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドからなる群から選択される;または
(v)
【化4】
からなる群より選択される
各Rxはハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C2-4アルケニル、C3-6シクロアルキル、CO2-C1-4アルキル、およびCONH2からなる群から独立に選択される;
下付き文字mは0、1、2、3、または4である;および
下付き文字nは0、1、2、または3である、
化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式IIAを有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式IIBを有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式IICを有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
式IAを有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式IBを有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式ICを有する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記アミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチド部分は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、およびフェニルアラニンからなる群から独立に選択され、ここで各アミノ酸単位のN原子はメチル化またはアシル化されうる、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記X1はC(O)-C1-4アルキレン、またはS(O)2である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記R1はN、OおよびSから選択される環頂点として1~4個のヘテロ原子を有する5~10員のヘテロアリールである;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記R1はピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、およびピラジニルからなる群から選択される;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記R1はC6-10アリールである;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記R1はフェニルである;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記R1はC3-8シクロアルキルである;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
前記R1はシクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択される;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記R1はN、OおよびSから選択される環頂点として1~2個のヘテロ原子を有する4~8員のヘテロシクロアルキルである;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
前記R1はオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリニルからなる群から選択される;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記R1はC1-8アルキル、C1-8アルコキシ、C1-8ハロアルキル、-C(O)NR1a1b、および-CO21aからなる群から選択され;ここでR1aおよびR1bは水素、C1-8アルキル、C6-10アリール、および-C1-6アルキレン-C6-10アリールからなる群からそれぞれ独立に選択される;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
前記R1はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、およびピラジニルからなる群から選択される;およびここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
(i)前記環頂点aおよびbはCHであり;前記R2bは水素であり;前記環頂点eはC(R2e)であり、前記R2aおよびR2eはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、CN、およびハロゲンからなる群から独立に選択される;または
(ii)前記環頂点aおよびbはCHであり;前記R2bは水素であり;前記環頂点eはC(R2e)であり、前記R2aおよびR2eはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から独立に選択される、
請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
(i)前記nは0、1、または2であり、前記各R5は、存在する場合、F、Cl、CN、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシからなる群から選択される;または
(ii)前記nは0、1、または2であり、前記各R5は、存在する場合、F、Cl、CN、CH3、およびOCH3からなる群から選択される、
(iii)前記mは0、1、または2であり、前記各R3は、存在する場合、C1-4アルキルである、
請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
前記R1はフェニル、またはピリジルからなる群から選択される;ここで前記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている;前記環頂点aおよびbはCHである;前記R2bは水素である;前記環頂点eはC(R2e)であり、前記R2aおよびR2eはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から独立に選択される;前記mは0、1、または2であり、前記各R3は、存在する場合、CH3である;前記nは0、1、または2であり、前記各R5は、存在する場合、F、Cl、CN、CH3、およびOCH3からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
前記R1
【化5】
からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
前記-X1-R1
【化6】
からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
前記R1
【化7】
からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
前記R1
【化8】
からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
前記R1
【化9】
からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
【化10】

【化11】
からなる群から選択される、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
前記nは0である、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
前記nは2であり、前記2つのR3基は同じ炭素原子上にあり、結合してオキソ(=O)を形成している、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【化12-4】
【化12-5】
【化12-6】
【化12-7】
【化12-8】
から選択される構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
【化13】
の構造を有する、請求項31に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
【化14】
の構造を有する、請求項31に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
【化15】
の構造を有する、請求項31に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項36】
C5a受容体の病理学的活性化を伴う疾患または障害に罹患している、または罹患しやすいヒトを治療するための、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、または請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
(i)前記疾患または障害は、好中球減少症、好中球増加症、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、C3腎症(C3-glomerulopathy)、C3腎炎(C3-glomerulonephritis)、デンスデポジット病、膜性増殖性糸球体腎炎、川崎病、敗血症、敗血症性ショック、溶血性尿毒症症候群、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳卒中、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患、熱傷関連炎症(inflammation associated with burns)、肺損傷、変形性関節症、アトピー性皮膚炎、慢性じんましん、虚血再灌流障害、急性呼吸促拍症候群、全身性炎症反応症候群、多臓器不全症候群、ぶどう膜炎、組織移植片拒絶、移植臓器超急性拒絶、心筋梗塞、冠動脈血栓、血管閉塞、術後血管再閉塞(post-surgical vascular reocclusion)、アテローム性動脈硬化(artherosclerosis)、ポリ-プ状脈絡膜血管症、外傷性中枢神経系損傷、虚血性心疾患、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ギラン・バレー症候群、膵炎、ループス腎炎、ループス糸球体腎炎、乾癬、クローン病、血管炎、ANCA血管炎、過敏性腸症候群、皮膚筋炎、多発性硬化症、気管支喘息、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫性溶血性および血小板減少性状態(autoimmune hemolytic and thrombocytopenic states)、グッドパスチャー症候群、免疫血管炎(immuno vasculitis)、移植片対宿主病、発作性夜間ヘモグロビン尿症、シェーグレン症候群、インスリン依存性糖尿病、mellitus、狼瘡ネフロパチー(lupus nephropathy)、ヘイマン腎炎(Heyman nephritis)、膜性腎炎、糸球体腎炎、IgA腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、抗リン脂質抗体症候群、加齢黄斑変性;ドライ型加齢黄斑変性、ウェット型加齢黄斑変性、運動ニューロン疾患、化膿性汗腺炎、および人工表面との血液の接触による炎症からなる群から選択される;または
(ii)前記疾患または障害は、好中球減少症、好中球増加症、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、C3腎症(C3-glomerulopathy)、C3腎炎(C3-glomerulonephritis)、デンスデポジット病、膜性増殖性糸球体腎炎、川崎病、溶血性尿毒症症候群、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、組織移植片拒絶、移植臓器超急性拒絶、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、ループス糸球体腎炎、血管炎、ANCA血管炎、自己免疫性溶血性および血小板減少性状態(autoimmune hemolytic and thrombocytopenic states)、免疫血管炎(immuno vasculitis)、移植片対宿主病、狼瘡ネフロパチー(lupus nephropathy)、ヘイマン腎炎(Heyman nephritis)、膜性腎炎、糸球体腎炎、IgA腎症、化膿性汗腺炎、および膜性増殖性糸球体腎炎からなる群から選択される;または
(iii)前記疾患または障害は、メラノーマ、肺がん、リンパ腫、肉腫、細胞腫、線維肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、滑膜腫、髄膜腫、白血病、リンパ腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、乳頭がん、嚢胞腺がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝細胞がん、移行上皮がん、絨毛がん、セミノーマ、胚性がん腫、ウィルムス腫瘍(wilm’s tumor)、多形腺腫、肝細胞パピローマ(liver cell papilloma)、腎尿細管腺腫(renal tubular adenoma)、嚢胞腺腫、パピローマ、腺腫、平滑筋腫、横紋筋腫、血管腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫、および線維腫から選択される、
請求項36に記載の化合物または医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、米国特許法第119条の下で2018年4月4日に出願された米国仮出願第62/651,512号の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
連邦政府が後援する研究開発の下で行われた発明に対する権利に関する記載
該当なし
【0003】
コンパクトディスクに提出された「配列表」、表、またはコンピュータプログラムリストの付録への参照
該当なし
【背景技術】
【0004】
補体系は、免疫複合体のクリアランス、および感染性病原体、外来抗原、ウイルス感染細胞、および腫瘍細胞に対する免疫応答において中心的な役割を果たす。補体系の不適切または過剰な活性化は、重度の炎症およびその結果としての組織破壊により、有害な、さらには生命を脅かす可能性のある結果につながる可能性がある。これらの結果は、敗血症性ショック;心筋ならびに腸管の虚血/再灌流障害;移植片拒絶;臓器不全;腎炎、病的炎症;および自己免疫疾患を含む様々な障害で臨床的に現れる。
【0005】
補体系は、通常、不活性状態で血清中に存在するタンパク質の群からなる。補体系の活性化は、主に3つの異なる経路、すなわち古典経路、代替経路、およびレクチン経路を含む(V. M. Holers, In Clinical Immunology: Principles and Practice, ed. R. R. Rich, Mosby Press;1996,363-391)。: 1) 古典的経路は、カルシウム/マグネシウム依存性カスケードであり、通常、抗原-抗体複合体の形成によって活性化される。また、リガンドと複合体を形成したC反応性タンパク質の結合、およびグラム陰性菌を含む多くの病原体によって、抗体に依存しない方法で活性化することもできる。 2) 代替経路は、特定の感受性表面(たとえば、酵母および細菌の細胞壁多糖類、および特定の生体高分子材料)へのC3の沈着および活性化によって活性化されるマグネシウム依存性カスケードである。 3) レクチン経路は、マンノース結合レクチンの初期結合、およびそれに続く、古典的経路に共通するC2およびC4の活性化を含む(Matsushita, M. et al., J. Exp. Med. 176:1497-1502(1992); Suankratay, C. et al., J. Immunol. 160:3006-3013(1998))。
【0006】
補体経路の活性化は、補体タンパク質の生物学的に活性な断片、たとえばC3a、C4a、およびC5aアナフィラトキシン、ならびにC5b-9膜侵襲複合体(MAC)を生成し、これらはすべて、白血球の走化性に影響を与えること;マクロファージ、好中球、血小板、マスト細胞、および内皮細胞の活性化;および血管透過性、細胞溶解、および組織損傷の増加によって炎症反応を媒介する。
【0007】
補体C5aは、補体系の最も強力な炎症誘発性メディエーターの一つである。(アナフィラキシーC5aペプチドは、モルベ-スで、炎症反応の誘発においてC3aより100倍強力である。) C5aはC5(分子量190kD)の活性型である。C5aはヒト血清中に約80 μg/mlで存在する(Kohler, P. F. et al., J. Immunol. 99:1211-1216(1967))。それは2つのポリペプチド鎖、分子量がそれぞれ115kDおよび75kDであるαおよびβからなる(Tack, B. F. et al., Biochemistry 18:1490-1497(1979))。一本鎖プロ分子(promolecule)として生合成されたC5は、プロセシングおよび分泌中に酵素的に切断されて二本鎖構造になる。切断後、二つの鎖は少なくとも一つのジスルフィド結合ならびに非共有相互作用によって一緒に保持される(Ooi, Y. M. et al., J. Immunol. 124:2494-2498(1980))。
【0008】
補体経路の活性化中に、C5はC5aおよびC5b断片に切断される。C5活性化に関与するコンバターゼ酵素(convertase enzyme)は、古典経路ではC4b、C2a、およびC3bのマルチサブユニット複合体、代替経路では(C3b)2、Bb、およびPのマルチサブユニット複合体のマルチサブユニット複合体である(Goldlust, M. B. et al., J. Immunol. 113:998-1007(1974); Schreiber, R. D. et al, Proc. Natl. Acad. Sci. 75:3948-3952(1978))。C5はα鎖の74-75位(Arg-Leu)での切断によって活性化される。活性化後、α鎖のアミノ末端部分から11.2kD、74アミノ酸のペプチドC5aが放出される。C5aおよびC3aの両方が、好中球および単球の強力な刺激因子である(Schindler, R. et al., Blood 76:1631-1638(1990); Haeffner-Cavaillon, N. et al., J. Immunol. 138:794-700(1987); Cavaillon, J. M. et al., Eur. J. Immunol. 20:253-257(1990))。
【0009】
そのアナフィラトキシンの性質に加え、C5aは好中球(Ward, P. A. et al., J. Immunol. 102:93-99(1969))、好酸球(Kay, A. B. et al., Immunol. 24:969-976(1973))、好塩基球(Lett-Brown, M. A. et al., J. Immunol. 117:246-252 1976))、および単球(Snyderman, R. et al., Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 138:387-390 1971))の走化性遊走を誘発する。C5aおよびC5b-9の両方が内皮細胞を活性化し、組織の炎症および損傷を媒介する活性化白血球の隔離に不可欠な接着分子を発現させる(Foreman, K. E. et al., J. Clin. Invest. 94:1147-1155(1994); Foreman, K. E. et al., Inflammation 20:1-9(1996); Rollins, S. A. et al., Transplantation 69:1959-1967(2000))。C5aはまた、平滑筋収縮を引き起こすこと、血管透過性の増加、好塩基球およびマスト細胞の脱顆粒の誘発、およびリソソームプロテアーゼおよび酸化フリーラジカル(oxidative free radical)の放出の誘発によって炎症反応を媒介する。さらに、C5aは肝臓の急性期遺伝子発現を調節し、TNF-α、IL-1-β、IL-6、IL-8、プロスタグランジン、およびロイコトリエンの産生を増加させることによって全体的な免疫応答を増強する(Lambris, J. D. et al., In: The Human Complement System in Health and Disease, Volanakis, J. E. ed., Marcel Dekker, New York, pp.83-118)。
【0010】
C5aのアナフィラキシーおよび走化性効果は、そのC5a受容体との相互作用によって媒介されると考えられている。ヒトC5a受容体(C5aR)は52kD膜結合Gタンパク質共役受容体であり、好中球、単球、好塩基球、好酸球、肝細胞、肺平滑筋、および内皮細胞、および腎糸球体組織において発現する(Van-Epps, D. E. et al., J. Immunol. 132:2862-2867(1984); Haviland, D. L. et al., J. Immunol. 154:1861-1869(1995); Wetsel, R. A., Immunol. Leff. 44:183-187(1995); Buchner, R. R. et al., J. Immunol. 155:308-315(1995); Chenoweth, D. E. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 75:3943-3947(1978); Zwirner, J. et al., Mol. Immunol. 36:877-884(1999))。C5aRのリガンド結合部位は複雑であり、少なくとも二つの物理的に分離可能な結合ドメインからなる。一つはC5aアミノ末端(アミノ酸1~20)およびジスルフィド結合コア(アミノ酸21~61)に結合し、一方でもう一つはC5aカルボキシ末端(アミノ酸62~74)に結合する(Wetsel, R. A., Curr. Opin. Immunol. 7:48-53(1995))。
【0011】
C5aは炎症および組織損傷において重要な役割を果たす。心肺バイパスおよび血液透析において、ヒトの血液が人工心肺装置または腎臓透析装置の人工表面に接触したときに、C5aは代替補体経路の活性化の結果として形成される(Howard, R. J. et al., Arch. Surg. 123:1496-1501(1988); Kirklin, J. K. et al., J. Cardiovasc. Surg. 86:845-857(1983); Craddock, P. R. et al., N. Engl. J. Med. 296:769-774(1977))。C5aは、毛細血管透過性および浮腫の増加、気管支収縮、肺血管収縮、白血球および血小板の活性化、ならびに組織、具体的には肺への浸潤を引き起こす(Czermak, B. J. et al., J. Leukoc. Biol. 64:40-48(1998))。抗C5aモノクローナル抗体の投与は、心肺バイパスおよび心筋保護によって誘発される冠状動脈内皮機能障害を軽減することが示された(Tofukuji, M. et al., J. Thorac. Cardiovasc. Surg. 116:1060-1068(1998))。
【0012】
C5aはまた、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および多臓器不全(MOF)に関与している(Hack, C. E. et al., Am. J. Med. 1989:86:20-26; Hammerschmidt DE et al. Lancet 1980;1:947-949; Heideman M. et al. J. Trauma 1984;4:1038-1043; Marc, MM, et al., Am. J. Respir. Cell and Mol. Biol., 2004:31:216-219)。C5aは二つの重要な炎症誘発性サイトカインである、TNF-αおよびIL-1の単球産生を増加させる。C5aは、敗血症性ショックの動物モデルにおいて、組織損傷、および特に肺損傷の進行において重要な役割を果たすことも示されている(Smedegard G et al. Am. J. Pathol. 1989;135:489-497; Markus, S., et al., FASEB Journal (2001),15:568-570)。ラット、ブタ、および非ヒト霊長類を使用した敗血症モデルでは、内毒素または大腸菌の処理の前に動物に抗C5a抗体を投与すると、組織損傷が減少し、同様にIL-6の産生が減少した(Smedegard, G. et al., Am. J. Pathol. 135:489-497(1989); Hopken, U. et al., Eur. J. Immunol. 26:1103-1109(1996); Stevens, J. H. et al., J. Clin. Invest. 77:1812-1816(1986))。さらに重要なことに、抗C5aポリクローナル抗体による遮断またはC5aは、ラットにおける敗血症の腸管穿孔モデル(caecal ligation/puncture model)における生存率を優位に改善することが示されている(Czermak, B.J. et al., Nat. Med. 5:788-792(1999))。このモデルは、ヒトにおける敗血症の臨床症状の多くの態様を共有する。(Parker, S.J. et al., Br. J. Surg. 88:22-30(2001))。同じ敗血症モデルにおいて、抗C5a抗体は胸腺細胞のアポトーシスを阻害し(Guo, R.F. et al., J. Clin. Invest. 106:1271-1280(2000))、MOFを予防する(Huber-Lang, M. et al., J. Immunol. 166:1193-1199(2001))ことが示された。抗C5a抗体はまた、ラットにおける肺損傷のコブラ毒因子モデル、および免疫複合体誘発性肺損傷においても保護的であった(Mulligan, M. S. et al. J. Clin. Invest. 98:503-512(1996))。免疫複合体を介した肺損傷におけるC5aの重要性は、後にマウスで確認された(Bozic, C. R. et al., Science 26:1103-1109(1996))。
【0013】
C5aは心筋虚血再灌流障害における主要なメディエーターであることが見出された。補体の枯渇は、マウスにおける心筋梗塞の大きさを低減し(Weisman, H. F. et al., Science 249:146-151(1990))、抗C5a抗体を用いた治療は後肢虚血再灌流のラットモデルにおける損傷を軽減した(Bless, N. M. et al., Am. J. Physiol. 276:L57-L63(1999))。心筋梗塞中の再灌流障害はまた、モノクローナル抗C5a IgGで再処置したブタにおいて顕著に軽減した(Amsterdam, E. A. et al., Am. J. Physiol. 268:H448-H457(1995))。組換えヒトC5aRアンタゴニストは、外科的血行再建のブタモデルにおける梗塞の大きさを低減する(Riley, R. D. et al., J. Thorac. Cardiovasc. Surg. 120:350-358(2000))。
【0014】
C5a駆動の好中球は、多くの水疱症(たとえば、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡)にも関与する。これらは、皮膚および粘膜の表皮下腔に現れる無菌の水疱を臨床的に特徴とする慢性および再発性の炎症性疾患である。皮膚の基底膜に位置するケラチノサイトに対する自己抗体は、下にある基底膜からの表皮基底ケラチノサイトの剥離の根底にあると考えられているが、水疱はまた、真皮上層と水疱腔内の両方に好中球が蓄積することを特徴とする。実験モデルでは、好中球の減少または補体の欠損(完全欠損またはC5選択的欠損)は、高い自己抗体力価の存在下でさえ、表皮下水疱の形成を阻害する可能性がある。
【0015】
補体レベルは、関節リウマチ(Jose, P. J. et al., Ann. Rheum. Dis. 49:747-752(1990); Grant, E.P., et al., J. of Exp. Med., 196(11):1461-1471,(2002))、ループス腎炎(Bao, L., et al., Eur. J. of Immunol., 35(8),2496-2506,(2005))、および全身性エリテマトーデス(SLE)(Porcel, J. M. et al., Clin. Immunol. Immunopathol. 74:283-288(1995))の患者で上昇している。C5aレベルは病状の重症度と相関している。マウスおよびラットのコラ-ゲン誘発関節炎は、ヒトの関節リウマチに似ている。C5a受容体を欠損したマウスは、モノクローナル抗コラ-ゲン抗体の注射によって誘発された関節炎からの完全な保護を示した(Banda, N.K., et al., J. of Immunol., 2003,171:2109-2115)。したがって、C5aおよび/またはC5a受容体(C5aR)の阻害は、これらの慢性疾患の治療に役立つ可能性がある。
【0016】
補体系は、炎症性腸疾患(IBD)を有する患者において活性化されると考えられており、疾患病因において役割を果たすと考えられている。活性化された補体産物は、IBD患者の表面上皮細胞の内腔面、ならびに粘膜筋板および粘膜下血管に見られた(Woodruff, T.M., et al., J of Immunol.,2003,171:5514-5520)。
【0017】
C5aRの発現は、炎症を起こしたヒト中枢神経系の反応性アストロサイト、ミクログリア、および内皮細胞で上方制御される(Gasque, P. et al., Am. J. Pathol. 150:31-41(1997))。C5aは、神経変性疾患、たとえばアルツハイマー病(Mukherjee, P. et al., J. Neuroimmunol. 105:124-130(2000); O’Barr, S. et al., J. Neuroimmunol. (2000)105:87-94; Farkas, I., et al. J. Immunol. (2003)170:5764-5771)、パ-キンソン病、ピック病、および伝達性海綿状脳症に関与している可能性がある。ニューロンC5aRの活性化はアポトーシスを誘発する可能性がある(Farkas I et al. J. Physiol. 1998;507:679-687)。したがって、C5aおよび/またはC5aRの阻害はまた、神経変性疾患の治療にも役立つ可能性がある。
【0018】
C5a産生がアトピー性皮膚炎(Neuber, K., et al., Immunology 73:83-87,(1991))および慢性じんましん(Kaplan, A.P., J. Allergy Clin. Immunol. 114;465-474,(2004))に関連した炎症を悪化させるというエビデンスがある。
【0019】
乾癬は現在、T細胞媒介性疾患であることが知られている(Gottlieb, E. L. et al., Nat. Med. 1:442-447(1995))。しかし、好中球およびマスト細胞もこの疾患の病因に関与している可能性がある(Terui, T. et al., Exp. Dermatol. 9:1-10;2000); Werfel, T. et al., Arch. Dermatol. Res. 289:83-86(1997))。角質層の下の好中球の蓄積は、乾癬プラークの高度に炎症を起こした領域で観察され、乾癬病巣(鱗屑)抽出物は、非常に高いレベルのC5aを含み、好中球に対して強力な走化性活性を示し、これはC5a抗体の添加によって阻害できる効果である。T細胞および好中球はC5aによって化学誘引される(Nataf, S. et al., J. Immunol. 162:4018-4023(1999); Tsuji, R. F. et al., J. Immunol. 165:1588-1598(2000); Cavaillon, J. M. et al., Eur. J. Immunol. 20:253-257(1990))。さらに、C5aRの発現は、皮膚エリテマトーデスの病変から分離された形質細胞様樹状細胞(pDC)で示されており、これらの細胞はC5aに対して走化性行動を示すことが示され、これはpDCでのC5aRの遮断がSLEおよび乾癬の両方においてpDC浸潤の減少において有効である可能性を示唆する。したがって、C5aは感染の治療のための重要な治療標的となる可能性がある。
【0020】
免疫グロブリンG含有免疫複合体(IC)は、多くの自己免疫疾患、たとえば全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン病、グッドパスチャー症候群、および過敏性肺炎の病態生理学に寄与する(Madaio, M. P., Semin. Nephrol. 19:48-56(1999); Korganow, A. S. et al., Immunity 10:451-459(1999); Bolten, W. K., Kidney Int. 50:1754-1760(1996); Ando, M. et al., Curr. Opin. Pulm. Med. 3:391-399(1997))。これらの疾患は非常に不均一であり(heterogeneous)、一般に、皮膚、血管、関節、腎臓、心臓、肺、神経系、および肝臓(肝硬変および肝線維症を含む)の一つまたは複数に影響を及ぼす。これらのIC疾患における炎症反応の古典的な動物モデルは、多形核細胞の浸潤、出血、および血漿滲出を特徴とするアルサス反応である(Arthus, M., C.R. Soc. Biol. 55:817-824(1903))。最近の研究は、C5aR欠損マウスがICによって誘発される組織損傷から保護されていることを示している(Kohl, J. et al., Mol. Immunol. 36:893-903(1999); Baumann, U. et al., J. Immunol. 164:1065-1070(2000))。結果は、小さなペプチド性抗C5aRアンタゴニストがIC沈着によって引き起こされる炎症反応を阻害するという知見と一致している(Strachan, A. J. et al., J. Immunol. 164:6560-6565(2000))。C5aは、その受容体とともに、IC疾患の病因において重要な役割を果たしている。C5aおよびC5aRの阻害剤は、これらの疾患の治療に役立つ可能性がある。
【0021】
関連技術の記載
非ペプチドベースのC5a受容体アンタゴニストは、ラットの内毒素性ショックの治療(Stracham, A.J., et al., J. of Immunol. (2000),164(12):6560-6565);およびラットモデルにおけるIBDの治療(Woodruff, T.M., et al., J of Immunol., 2003,171:5514-5520)に有効であると報告されている。非ペプチドベースのC5a受容体モジュレーターはまた、Neurogen Corporation(たとえば、国際公開第2004/043925号、国際公開第2004/018460号、国際公開第2005/007087号、国際公開第03/082826号、国際公開第03/08828号、国際公開第02/49993号、国際公開第03/084524号);Dompe S.P.A.(国際公開第02/029187);クイーンズランド大学(国際公開第2004/100975号);およびChemoCentryx(国際公開第2010/075257号)による特許文献にも記載されている。
【0022】
C5aのレベルの増加が多くの疾患および障害、特に自己免疫および炎症性の疾患および障害に関係していることを示唆する多くの実験的エビデンスが文献にある。したがって、当技術分野では、アナフィラトキシン活性の上昇に関連する病原性イベント、たとえば走化性を阻害するのに有用な、C5a受容体(C5aR)の新しい小有機分子モジュレーター、たとえばアゴニスト、好ましくはアンタゴニスト、部分アゴニストのニーズが残っている。本発明は、このニーズおよび他のニーズを満たす。
【発明の概要】
【0023】
一つの態様では、本発明は、化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、または(IIC):
【0024】
【化1】
【0025】
のいずれか一つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。ここで、文字および下付き文字n、m、a、b、e、X1、R1、R2a、R2b、R3、R4、R5、R5’、R6、 R7、およびR8は以下の説明に記載されている意味を有する。
【0026】
本明細書で提供される化合物に加え、本発明は一つまたは複数のこれらの化合物を含む医薬組成物、ならびに治療方法、主にC5aシグナル伝達活性に関連する疾患の治療におけるこれらの化合物の使用のための方法をさらに提供する。
【0027】
さらに別の態様では、本発明は、個体における疾患の診断方法を提供する。これらの方法では、本明細書で提供される化合物は標識された形態で対象に投与され、続いて画像診断により、C5aRの存在または非存在および/またはC5aR受容体を発現する細胞の局在が決定される。関連する態様では、疾患を診断する方法は、組織または血液サンプルを本明細書で提供される標識化合物と接触させ、サンプル中のC5aRの存在、不存在、量、または局在性を特定することによって実行される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、実施例1の化合物からの活性化合物中間体4の放出を示す(0.5 mg/kgモル当量、AUC=4,160 ng.hr/mL)。
図2図2は、実施例4の化合物からの活性化合物中間体1の放出を示す(0.5 mg/kgモル当量、AUC=753 ng.hr/mL)。
【発明を実施するための形態】
【0029】
略語および定義
用語「アルキル」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定された炭素原子の数を有する直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを意味する(すなわち、C1-8は1~8個の炭素を意味する)。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等を含む。用語「アルケニル」は、一つまたは複数の二重結合を有する不飽和アルキル基を指す。同様に、用語「アルキニル」は、一つまたは複数の三重結合を有する不飽和アルキル基を指す。そのような不飽和アルキル基の例は、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、イソブテニル、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、およびより高次の同族体および異性体を含む。用語「シクロアルキル」は、示された数の環原子(たとえば、C3-6シクロアルキル)を有し、完全に飽和している、または環頂点間に一つ以下の二重結合を有する炭化水素環を指す。「シクロアルキル」はまた、二環式および多環式炭化水素環、たとえば、例としてビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン等を指すことを意図する。用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O、およびSから選択される1~5個のヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指す。ここで、窒素および硫黄原子は任意に酸化されており、窒素原子は任意に四級化されている。ヘテロシクロアルキルは、単環式、二環式または多環式環系であってもよい。ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例は、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジン等を含む。ヘテロシクロアルキル基は、環炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。
【0030】
用語「アルキレン」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、-CH2CH2CH2CH2-によって例示されるように、アルカンに由来する二価ラジカルを意味する。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は、1から24個の炭素原子を有し、本発明では、10個以下の炭素原子を有するそれらの基が好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、一般に4つ以下の炭素原子を有する、より短い鎖のアルキルまたはアルキレン基である。同様に、「アルケニレン」および「アルキニレン」は、それぞれ二重結合または三重結合を有する「アルキレン」の不飽和形態を指す。
【0031】
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、記載された数の炭素原子、およびO、N、SiおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子からなる安定な直鎖または分岐鎖、または環状炭化水素ラジカル、またはそれらの組み合わせを意味し、ここで窒素原子および硫黄原子は任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、NおよびSは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置することができる。ヘテロ原子Siは、アルキル基が分子の残りの部分に結合している位置を含む、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置することができる。例は、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH33、-CH2-CH=N-OCH3、および-CH=CH-N(CH3)-CH3を含む。たとえば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH33のように最大2つのヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、用語「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、それぞれ、特に明記しない限り、記載された数の炭素原子を含み、およびO、N、SiおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有するアルケニル基またはアルキニル基を意味し、ここで窒素原子および硫黄原子は任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、NおよびSは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置することができる。
【0032】
用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、-CH2-CH2-S-CH2CH2-、および-CH2-S-CH2-CH2-NH-CH2-、-O-CH2-CH=CH-、-CH2-CH=C(H)CH2-O-CH2-、および-S-CH2-C≡C-によって例示されるように、ヘテロアルキルに由来する飽和または不飽和または多価不飽和の二価ラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子はまた、鎖末端のいずれかまたは両方を占めてもよい(たとえば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。
【0033】
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)は、それらの従来の意味で使用され、それぞれ酸素原子、アミノ基、または硫黄原子を介して分子の残りの部分に結合しているアルキル基を指す。さらに、ジアルキルアミノ基の場合、アルキル部分は同じでも異なっていてもよく、組み合わせて、それぞれが結合している窒素原子と3~7員環を形成することもできる。したがって、-NRabとして表される基は、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル等を含むことを意図する。
【0034】
用語「ヒドロキシアルキル」は、その従来の意味で使用され、少なくとも一つのヒドロキシル基で置換された分岐または直鎖アルキル基を指す。ヒドロキシル基は、アルキル基の任意の位置にあってもよい。たとえば、用語「C1-4ヒドロキシルアルキル」は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシイソプロピル等を含むことを意図する。
【0035】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」等の用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことを意図する。たとえば、用語「C1-4ハロアルキル」は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピル等を含むことを意図する。
【0036】
用語「アリール」は、特に明記しない限り、一緒に縮合または共有結合した単環または複環(最大3つの環)であってもよい多価不飽和、典型的には芳香族の炭化水素基を意味する。用語「ヘテロアリール」は、N、O、およびSから選択される1~5個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)を指し、ここで窒素および硫黄原子は任意に酸化されており、窒素原子は任意に四級化されている。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。アリール基の非限定的な例は、フェニル、ナフチルおよびビフェニルを含み、一方でヘテロアリール基の非限定的な例は、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミンジニル(pyrimindinyl)、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、フタラジニイル(phthalaziniyl)、ベンゾトリアジニル、プリニル(purinyl)、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル(benzopyrazolyl)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピリジル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル(benzothiaxolyl)、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニル等を含む。上記のアリールおよびヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、以下に記載される許容される置換基の群から選択される。
【0037】
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的無毒性の酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意図する。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形態を、溶媒なしで(neat)または好適な不活性溶媒のいずれかで、十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される無機塩基に由来する塩の例は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(manganic)、マンガン(manganous)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含む。薬学的に許容される有機塩基に由来する塩は、置換アミン、環状アミン、天然に存在するアミン等、たとえばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン(piperazine)、ピペラジン(piperadine)、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等を含む第一級、第二級および第三級アミンの塩を含む。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形態を、溶媒なしで(neat)または好適な不活性溶媒のいずれかで、十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic acid)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric acid)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric acid)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric acid)、ヨウ化水素酸、または亜リン酸等の無機酸に由来するもの、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の比較的無毒性の有機酸を含む。また、たとえばアルギン酸等のアミノ酸塩、グルクローン酸またはガラクツロン酸(galactunoric acid)等のような有機酸の塩も含む(たとえば、Berge, S.M., et al, “Pharmaceutical Salts”, Journal of Pharmaceutical Science, 1977,66,1-19を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、該化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれにも変換することを可能にする塩基性および酸性の官能性の両方を含む。
【0038】
中性形態の化合物は、塩を塩基または酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒への溶解度等の特定の物理的特性において様々な塩形態とは異なるが、その他の点では、塩は、本発明の目的のための化合物の親形態と同等である。
【0039】
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。たとえば、プロドラッグは、好適な酵素または化学試薬とともに経皮パッチリザーバー中に配置された場合に、本発明の化合物に緩徐に変換することができる。
【0040】
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態、ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在してもよい。一般に、溶媒和された形態は、溶媒和されていない形態と同等であり、本発明の範囲内に含まれることを意図する。本発明の特定の化合物は、複数の結晶形態またはアモルファス形態で存在してもよい。一般に、すべての物理的形態は、本発明によって企図される使用の面で同等であり、本発明の範囲内にあることを意図する。
【0041】
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体、および個々の異性体(たとえば、別個のエナンチオマー)はすべて、本発明の範囲内に含まれることを意図する。本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する一つまたは複数の原子に不自然な割合の原子同位体を含んでもよい。たとえば、該化合物は、たとえば、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、または炭素-14(14C)等の放射性同位体で放射性標識されてもよい。本発明の化合物のすべての同位体変化は、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0042】
用語「プロドラッグ成分」は、たとえば、化合物の安定性、in vivoでの循環時間、または溶解性を改善する、所望の特性を化合物に提供する基を指す。プロドラッグ成分を有する化合物は、対象への投与後に代謝され(一般に加水分解または酵素的に)、活性化合物をもたらす。プロドラッグ成分を含む化合物は、切断時にのみ活性になってもよいが、プロドラッグ成分を含む化合物は、それらの未反応の形態で活性を有してもよい。さらに、プロドラッグ成分自体が活性であってもよい。本開示で企図されるプロドラッグ成分の例は、リン酸塩、ホスホメチル、ヒドロキシメチル、アミノ酸、ジペプチドおよびトリペプチド部分を含むが、これらに限定されない。企図されるさらなる実施形態は、本明細書でさらに説明される。
【0043】
用語「アミノ酸」は、天然および非天然のアミノ酸を指す。非天然アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合するα炭素を有する化合物、たとえば、これらに限定されないが、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。このような類似体は、修飾されたR基(たとえば、2,5-ジアミノペンタン酸)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持している。本開示のアミノ酸は、N-メチル化およびN-アシル化部分を含む。アミノ酸の末端基がN原子の場合、ジメチル化されていてもよい。
【0044】
本明細書で使用する場合、本明細書に示される任意の化学構造において単一、二重、または三重結合と交差する波線「
【0045】
【化2】
【0046】
」は、分子の残りの部分への単一、二重、または三重結合の点結合を表す。
【0047】
実施形態の説明
化合物
一つの態様では、本発明は、化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、または(IIC):
【化3】
の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、ここで
環頂点(ring vertex)aはNまたはC(R2C)であり、環頂点bはNまたはC(R2d)であり、環頂点eはNまたはC(R2e)であり、ここでa、b、eの一つのみがNである;
1は結合、C1-8アルキレン、C(O)、C(O)-C1-4アルキレン、およびS(O)2からなる群から選択される;
1
a) N、OおよびSから選択される環頂点として1~4個のヘテロ原子を有する5~10員のヘテロアリール;
b) C6-10アリール;
c) C3-8シクロアルキル;
d) N、OおよびSから選択される環頂点として1~2個のヘテロ原子を有する4~8員のヘテロシクロアルキル;および
e) C1-8アルキル、C1-8アルコキシ、C1-8ハロアルキル、-C(O)NR1a1b、および-CO21a;ここでR1aおよびR1bは水素、C1-8アルキル、C6-10アリール、および-C1-6アルキレン-C6-10アリールからなる群からそれぞれ独立に選択される;
からなる群から選択される;
ここで基-X1-R1は未置換、または1~5個のRx置換基で置換されている;
2aおよびR2eは水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、CN、およびハロゲンからなる群からそれぞれ独立に選択され、R2aおよびR2eの少なくとも一つは水素以外である;
2b、R2c、およびR2dは水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、シアノ、およびハロゲンからなる群からそれぞれ独立に選択される;
各R3はヒドロキシル、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択され、任意に同じ炭素原子上の2つのR3基が結合してオキソ(=O)を形成し、任意に2つのR3基およびそれらが結合している炭素原子は、O、N、およびSから選択される環員として0~2個のヘテロ原子を含む3~6員環を形成する;
4は-NHP1、-NHC(O)NHP1、-CH2NHP1、および-CH2NHC(O)NHP1からなる群から選択されるメンバーである;
各R5はC1-8アルキル、C1-8アルコキシ、C1-8ハロアルキル、C1-8ハロアルコキシ、C1-8ヒドロキシアルキル、ハロゲン、OH、CN、C(O)R5a、およびCO25aからなる群から独立に選択される;
5’は水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C1-8ヒドロキシアルキル、C(O)R5a、およびCO25aからなる群から選択されるメンバーである;ここで各R5aは水素、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルからなる群から独立に選択される;
6は水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、シアノ、およびハロゲンからなる群から選択されるメンバーである;
7はP1である;および
8は-CH2OP1である;
各P1はプロドラッグ成分である;
各Rxはハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキル、C2-4アルケニル、C3-6シクロアルキル、CO2-C1-4アルキル、およびCONH2からなる群から独立に選択される;
下付き文字mは0、1、2、3、または4である;および
下付き文字nは0、1、2、または3である、
化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0048】
実施形態の一群では、本明細書で提供される化合物は化学式(IA)を有する。実施形態の別の群では、本明細書で提供される化合物は化学式(IB)を有する。実施形態のさらに別の群では、本明細書で提供される化合物は化学式(IC)を有する。実施形態のさらに別の群では、本明細書で提供される化合物は化学式(IIA)を有する。実施形態の別の群では、本明細書で提供される化合物は化学式(IIB)を有する。実施形態のさらに別の群では、本明細書で提供される化合物は化学式(IIC)を有する。
【0049】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群のいずれかについての一部の実施形態では、P1は:
【0050】
【化4】
【0051】
からなる群から選択され、
ここで各R9はHおよびC1-3アルキルからなる群から独立に選択される;および
各R10はH、C1-3アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択される。
【0052】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群のいずれかについての一部の実施形態では、P1は:
【0053】
【化5】
【0054】
からなる群から選択され、ここで
各Ryは-OP(O)(ORy12、-OC(O)CH2N(Ry22、-N(Ry22、およびピペラジンからなる群から独立に選択される;
各Ry1はH、C1-3アルキル、およびベンジルからなる群から独立に選択される;
各Ry2は独立にH、またはC1-3アルキルである;および
yまたはCH2y置換基を有する各フェニル環はニトロ、ハロゲン、CN、CF3、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、およびC1-4ヒドロキシアルキルからなる群から独立に選択される0~3個のメンバーでさらに置換されている。
【0055】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群のいずれかについての一部の実施形態では、P1は-CH2OH、-P(O)(OR102、および-CH2-O-P(O)(OR102からなる群から選択され、ここで各R10はH、C1-3アルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択される。
【0056】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群のいずれかについての一部の実施形態では、P1はアミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドからなる群から選択される。一部の実施形態では、上記アミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドは天然アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチド部分は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、およびフェニルアラニンからなる群から独立に選択され、ここで各アミノ酸単位のN原子はメチル化またはアシル化されていてもよい。
【0057】
本開示のアミノ酸は、任意の好適な手段を介して分子の残りの部分に共有結合することができる。好適な結合は、アミン基とヒドロキシル基との間のアミド形成、カルボン酸基とヒドロキシル基との間のエステル形成、およびチオ基とアミノ基との間のスルホンアミド形成(N-S結合)を含むが、これらに限定されない。通常、アミノ酸はアルファアミノ基またはアルファカルボン酸を介して分子の残りの部分に共有結合している;しかし、アミノ酸のR基が官能基を含む場合、これは結合点としても機能しうる。たとえば、グルタミン酸のカルボン酸(carboylxic acid)は、分子の残りの部分への結合点として機能しうる。同様に、システインのチオ-ルは、分子の残りの部分への結合点としても機能しうる。
【0058】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群のいずれかについての一部の実施形態では、P1は:
【0059】
【化6】
【0060】
からなる群から選択される。
【0061】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群のいずれかに関して、X1は結合である;他の選択された実施形態では、X1はC(O)である;さらに他の選択された実施形態では、X1はC1-8アルキレンである;さらに別の選択された実施形態では、X1はC(O)-C1-4アルキレン、またはS(O)2である。
【0062】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群または選択された実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、ここでR1はN、OおよびSから選択される環頂点として1~4個のヘテロ原子を有する5~10員のヘテロアリールである;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。さらなる実施形態では、R1はピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、およびピラジニルからなる群から選択される;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。
【0063】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群または選択された実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、ここでR1はC6-10アリールである;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。さらなる実施形態では、R1はフェニルである;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。
【0064】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群または選択された実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、R1はC3-8シクロアルキルである;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。さらなる実施形態では、R1はシクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択される;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。
【0065】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群または選択された実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、R1はN、OおよびSから選択される環頂点として1~2個のヘテロ原子を有する4~8員のヘテロシクロアルキルである;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。さらなる実施形態では、R1はオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリニルからなる群から選択される;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。
【0066】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群または選択された実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、R1はC1-8アルキル、C1-8アルコキシ、C1-8ハロアルキル、-C(O)NR1a1b、および-CO21aからなる群から選択され;ここでR1aおよびR1bは水素、C1-8アルキル、C6-10アリール、および-C1-6アルキレン-C6-10アリールからなる群からそれぞれ独立に選択される;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。
【0067】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態の群または選択された実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、R1はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、およびピラジニルからなる群から選択される;およびここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている。
【0068】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、環頂点aおよびbはCHであり;R2bは水素であり;環頂点eはC(R2e)であり、R2aおよびR2eはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、-O-C1-6ハロアルキル、-S-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-O-C1-6アルキル、-C1-6アルキル-S-C1-6アルキル、CN、およびハロゲンからなる群から独立に選択される。
【0069】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、環頂点aおよびbはCHであり;R2bは水素であり;環頂点eはC(R2e)であり、R2aおよびR2eはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から独立に選択される。
【0070】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、上記下付き文字nは0、1、または2であり、各R5は、存在する場合、F、Cl、CN、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシからなる群から選択される。さらに選択された実施形態では、上記nは0、1、または2であり、各R5は、存在する場合、F、Cl、CN、CH3、およびOCH3からなる群から選択される。
【0071】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、上記mは0、1、または2であり、各R3は、存在する場合、C1-4アルキルである。
【0072】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩の実施形態の特定の群では、R1はフェニル、またはピリジルからなる群から選択され、ここで上記基-X1-R1は1~4個のRx置換基で任意に置換されている;環頂点aおよびbはCHである;R2bは水素である;環頂点eはC(R2e)であり、R2aおよびR2eはC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲンからなる群から独立に選択される;mは0、1、または2であり、各R3は、存在する場合、CH3である;nは0、1、または2であり、各R5は、存在する場合、F、Cl、CN、CH3、およびOCH3からなる群から選択される。
【0073】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩の一部の実施形態では、R1
【0074】
【化7】
【0075】
からなる群から選択される。
【0076】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩の一部の実施形態では、-X1-R1
【0077】
【化8】
【0078】
からなる群から選択される。
【0079】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩の一部の実施形態では、R1
【0080】
【化9】
【0081】
からなる群から選択される。
【0082】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩の一部の実施形態では、R1
【0083】
【化10】
【0084】
からなる群から選択される。
【0085】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩の一部の実施形態では、R1
【0086】
【化11】
【0087】
からなる群から選択される。
【0088】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、上記基
【0089】
【化12】
【0090】
【0091】
【化13】
【0092】
からなる群から選択される。
【0093】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、nは0である。
【0094】
化学式(IA)、(IB)、(IC)、(IIA)、(IIB)、(IIC)の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに上記の実施形態のいずれかに関して、一部のさらなる実施形態では、上記下付き文字nは2であり、上記2つのR3基は同じ炭素原子上にあり、結合してオキソ(=O)を形成している。
【0095】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、実施例のセクションおよび添付の表に記載されている化合物である。
【0096】
化合物の調製
本発明の特定の化合物は、本文書の実施例のセクションに記載されている方法に従って調製することができる。さらに、本発明の化合物の調製に有用な特定の中間化合物の合成も記載されている。
【0097】
医薬組成物
上記に提供された化合物に加えて、ヒトおよび動物におけるC5a活性を調節するための組成物は、典型的には、医薬担体または希釈剤を含むであろう。
【0098】
本明細書で使用される用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特定の成分を特定の量で組み合わせることから直接的または間接的に生じる任意の製品を包含することを意図している。「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と適合性でなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0099】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単位剤形で便利に提示することができ、薬学および薬物送達の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。すべての方法は、有効成分を一つまたは複数の副成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、有効成分を液体担体または細かく分割された固体担体、あるいはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。医薬組成物において、有効対象化合物は、疾患のプロセスまたは状態に対して所望の効果を生み出すのに十分な量で含まれている。
【0100】
有効成分を含む医薬組成物は、たとえば、米国特許出願第2002-0012680号に記載されているように、錠剤、トロ-チ剤、ロゼンジ剤(lozenge)、水性または油性懸濁剤、分散性粉末剤または顆粒剤、乳剤および自己乳化物(self emulsification)、硬カプセル剤または軟カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、液剤、頬側貼付剤(buccal patch)、口腔ゲル、チューインガム、チュアブル錠、発泡散剤および発泡錠として、経口使用に好適な形態であってもよい。経口使用を目的とする組成物は、医薬組成物を製造するための当技術分野で知られている任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的にエレガントおよび甘味剤、香味剤、着色剤、抗酸化剤および防腐剤からなる群から選択される一つまたは複数の薬剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された有効成分を含む。これらの賦形剤は、たとえば、不活性希釈剤、たとえばセルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、たとえば、コーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、たとえば、PVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、および滑沢剤、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクであってもよい。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長期間にわたって持続的な作用を提供するために、腸溶コーティング(coated, enterically)またはその他のコーティングがされていてもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリン等の時間遅延剤(time delay material)を使用することができる。それらは米国特許第4,256,108号;第4,166,452号;および第4,265,874号に記載されている技術によってコーティングし、制御放出のための浸透圧治療錠剤(osmotic therapeutic tablet)を形成することができる。
【0101】
経口使用のための製剤はまた、有効成分が不活性固体希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセル剤として、または有効成分が水または油性媒体、たとえば落花生油、液体パラフィン、またはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提示されてもよい。さらに、乳剤は、油等の非水混和性成分とともに調製することができ、モノジグリセリド、PEGエステル等の界面活性剤で安定化することができる。
【0102】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤と混合された活物質を含む。そのような賦形剤は、懸濁剤、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガム、およびアラビアゴムである。分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、たとえばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸、たとえばポリオキシエチレンステアレートとの縮合生成物、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノールとの縮合生成物、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導する部分エステルとの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導する部分エステルとの縮合生成物、たとえば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。水性懸濁剤はまた、一つまたは複数の防腐剤、たとえば、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、またはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル、一つまたは複数の着色剤、一つまたは複数の香味剤、および一つまたは複数の甘味剤、たとえば、スクロースまたはサッカリンを含んでもよい。
【0103】
油性懸濁剤は、有効成分を植物油、たとえば落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油、または液体パラフィン等の鉱物油に懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、たとえば蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含んでもよい。上記のような甘味剤、および香味剤を添加して、口当たりの良い経口剤を提供することができる。これらの組成物は、抗酸化剤、たとえばアスコルビン酸の添加によって保存することができる。
【0104】
水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な分散性粉末剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および一つまたは複数の防腐剤と混合された有効成分を提供する。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上記で述べたものによって例示される。追加の賦形剤、たとえば甘味剤、香味剤および着色剤もまた存在しうる。
【0105】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油、たとえばオリーブ油または落花生油、または鉱物油、たとえば液体パラフィンまたはこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム、たとえばアラビアガムまたはトラガントゴム、天然に存在するホスファチド、たとえば大豆、レシチン、および脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導するエステルまたは部分エステル、たとえばソルビタンモノオレエート、および上記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。乳剤はまた、甘味剤および香味剤を含んでもよい。
【0106】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、たとえば、グリセロ-ル、プロピレングリコ-ル、ソルビトールまたはスクロースと共に製剤化してもよい。そのような製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、香味剤および着色剤を含んでもよい。経口液剤は、たとえば、シクロデキストリン、PEG、および界面活性剤と組み合わせて調製することができる。
【0107】
医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性懸濁剤の形態であってもよい。この懸濁剤は、上記の好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化することができる。無菌の注射可能な製剤はまた、たとえば、1,3-ブタンジオールの溶液としての、毒性のない非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁剤であってもよい。使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、従来、溶媒または懸濁媒体として使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌性の固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸等の脂肪酸は、注射剤の調製に使用されている。
【0108】
本発明の化合物はまた、薬物の直腸投与のための坐剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で融解して薬物を放出する、好適な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって調製することができる。このような材料は、カカオバターやポリエチレングリコールを含む。さらに、化合物は、液剤または軟膏による眼への送達を介して投与することができる。さらに、対象化合物の経皮送達は、イオントフォレーシスパッチ等によって達成することができる。局所使用のために、本発明の化合物を含むクリ-ム剤、軟膏、ゼリー剤、液剤または懸濁剤等が使用される。本明細書で使用される場合、局所投与はまた、洗口剤および含嗽剤の使用を含むことを意図する。
【0109】
本発明の化合物はまた、標的化可能な薬物担体として好適なポリマーである担体と結合されてもよい。そのようなポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合物、ポリヒドロキシ-プロピル-メタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アスパルタミド-フェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド-ポリリジンを含む。さらに、本発明の化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーのクラスである担体、たとえば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合物、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタ-ル、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレ-ト、およびヒドロゲルの架橋されたまたは両親媒性のブロック共重合体と結合することができる。ポリマーおよび半透性ポリマーマートリックスは、バルブ、ステント、チューブ、装具等の造形品に形成することができる。本発明の一つの実施形態では、本発明の化合物は、ステントまたはステントグラフト装置として形成されるポリマーまたは半透性ポリマーマートリックスに結合される。
【0110】
本開示の医薬組成物は、一つまたは複数の追加の治療薬と共に製剤化されてもよい。一つまたは複数の追加の治療薬は、副腎皮質ステロイド、ステロイド、免疫抑制剤、免疫グロブリンGアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、リンパ球機能抗原3受容体アンタゴニスト、インターロイキン2リガンド、インターロイキン1βリガンド阻害薬、IL-2受容体αサブユニット阻害薬、HGF遺伝子刺激因子(HGF gene stimulator)、IL-6アンタゴニスト、IL-5アンタゴニスト、α1アンチトリプシン刺激因子(Alpha 1 antitrypsin stimulator)、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬、AKTプロテインキナーゼ阻害薬、CD20阻害薬、Ablチロシンキナーゼ阻害薬、JAKチロシンキナーゼ阻害薬、TNFαリガンド阻害薬、ヘモグロビンモジュレーター(Hemoglobin modulator)、TNFアンタゴニスト、プロテアソーム阻害薬、CD3モジュレーター、Hsp70ファミリー阻害薬、免疫グロブリンアゴニスト、CD30アンタゴニスト、チューブリンアンタゴニスト、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1アゴニスト、結合組織成長因子リガンド阻害薬、カスパーゼ阻害薬、副腎皮質刺激ホルモンリガンド、Btkチロシンキナーゼ阻害薬、補体C1sサブコンポーネント阻害薬、エリスロポエチン受容体アゴニスト、Bリンパ球刺激因子リガンド阻害薬、サイクリン依存性キナーゼ2阻害薬、P-セレクチン糖タンパク質リガンド-1刺激因子、mTOR阻害薬、伸長因子2阻害薬、細胞接着分子阻害薬、第XIII因子アゴニスト、カルシニューリン阻害薬、免疫グロブリンG1アゴニスト、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、補体C1sサブコンポーネント阻害薬、チミジンキナーゼモジュレーター、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4モジュレーター(Cytotoxic T-lymphocyte protein-4 modulator)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシンII受容体モジュレーター、TNFスーパーファミリー受容体12Aアンタゴニスト、CD52アンタゴニスト、アデノシンデアミナーゼ阻害薬、T細胞分化抗原CD6阻害薬、線維芽細胞増殖因子-7リガンド、ジヒドロオロト酸脱水素酵素阻害薬、Sykチロシンキナーゼ阻害薬、インターフェロン1型受容体アンタゴニスト、インターフェロンαリガンド阻害薬、マクロファージ遊走阻止因子阻害薬、インテグリンα-V/β-6アンタゴニスト、システインプロテアーゼ刺激因子、p38MAPキナーゼ阻害薬、TP53遺伝子阻害薬、志賀様毒素1型阻害薬、フコシルトランスフェラーゼ6刺激因子、インターロイキン22リガンド、IRS1遺伝子阻害薬、プロテインキナーゼC刺激因子、プロテインキナーゼCα阻害薬、CD74アンタゴニスト、免疫グロブリンγFc受容体IIBアンタゴニスト、T細胞抗原CD7阻害薬、CD95アンタゴニスト、Nアセチルマンノサミンキナーゼ刺激因子、カルジオトロフィン-1リガンド、白血球エラスタ-ゼ阻害薬、CD40リガンド受容体アンタゴニスト、CD40リガンドモジュレーター、IL-17アンタゴニスト、TLR-2アンタゴニスト、マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2(MASP-2)阻害薬、B因子阻害薬、D因子阻害薬、C3aRモジュレーター、C5aR2モジュレーター、T細胞受容体アンタゴニスト、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、TIGIT阻害薬、TIM-3阻害薬、LAG-3阻害薬、VISTA阻害薬、STINGアゴニスト、IDO阻害薬、アデノシン受容体モジュレーター、CD39阻害薬、CD73阻害薬、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、特にCXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CCR7、CCR9、CX3CR1、およびCXCR6、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0111】
一部の実施形態では、一つまたは複数の追加の治療薬は、オビヌツズマブ、リツキシマブ、オクレリズマブ、シクロホスファミド、プレドニゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チキソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオコルトロン、17-吉草酸ヒドロコルチゾン、ハロメタゾン、アルクロメタゾンジプロピオン酸エステル、ベクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、プレドニカルベート、17-酪酸クロベタゾン(clobetasone-17-butyrate)、17-プロピオン酸クロベタゾール(clobetasol-17-propionate)、カプロン酸フルオコルトロン、ピバル酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、17-酪酸ヒドロコルチゾン、17-アセポン酸ヒドロコルチゾン、17-酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone-17-buteprate)、シクレソニドおよびプレドニカルベート、GB-0998、immuglo、begelomab、アレファセプト、アルデスロイキン、ゲボキズマブ、ダクリズマブ、バシリキシマブ、イノリモマブ、ベペルミノゲンペルプラスミド、シルクマブ、トシリズマブ、クラザキズマブ、メポリズマブ、フィンゴリモド、パノビノスタット、トリシリビン、ニロチニブ、イマチニブ、トファシチニブ、モメロチニブ、ペフィシチニブ、イタシチニブ、インフリキシマブ、PEG-bHb-CO、エタネルセプト、イキサゾミブ、ボルテゾミブ、ムロモナブ、オテリキシズマブ、グスペリムス、ブレンツキシマブベドチン、ポネシモド、KRP-203、FG-3019、エムリカサン、コルチコトロピン、イブルチニブ、シンライズ、コネスタット、メトキシポリエチレングリコールエポエチンβ、ベリムマブ、ブリシビモド、アタシセプト、セリシクリブ、ネイフリズマブ(neihulizumab)、エベロリムス、シロリムス、デニロイキンジフチトクス、LMB-2、ナタリズマブ、カトリデカコグ、シクロスポリン、タクロリムス、ボクロスポリン、ボクロスポリン、カナキヌマブ、ミコフェノール酸(mycophenolate)、ミゾリビン、CE-1145、TK-DLI、アバタセプト、ベラタセプト、オルメサルタンメドキソミル、スパルセンタン(sparsentan)、TXA-127、BIIB-023、アレムツズマブ、ペントスタチン、イトリズマブ、パリフェルミン、レフルノミド、PRO-140、セニクリビロク、ホスタマチニブ、アニフロルマブ(anifrolumab)、シファリムマブ(sifalimumab)、BAX-069、BG-00011、ロスマピモド(losmapimod)、QPI-1002、ShigamAbs、TZ-101、F-652、レパリキシン、ladarixin、PTX-9908、アガニルセン(aganirsen)、APH-703、ソトラスタウリン、ソトラスタウリン、ミラツズマブ、SM-101、T-Guard、APG-101、DEX-M74、カルジオトロフィン-1、tiprelestat、ASKP-1240、BMS-986004、HPH-116、KD-025、OPN-305、TOL-101、デフィブロチド、ポマリドミド、サイモグロブリン、ラキニモド、レメステムセル-L(remestemcel-L)、抗胸腺細胞ウマ免疫グロブリン、Stempeucel、LIV-Gamma、オクタガム10%、t2c-001、99mTcセスタミビ、Clairyg、プロソルバ(Prosorba)、ポマリドミド、ラキニモド、テプリズマブ、FCRx、ソルナチド(solnatide)、フォラルマブ(foralumab)、ATIR-101、BPX-501、ACP-01、ALLO-ASC-DFU、イルベサルタン+プロパゲルマニウム、ApoCell、カンナビジオール、RGI-2001、サラチン(saratin)、抗CD3二価抗体-ジフテリア毒素コンジュゲート(anti-CD3 bivalent antibody-diphtheria toxin conjugate)、NOX-100、LT-1951、OMS721、ALN-CC5、ACH-4471、AMY-101、Acthar gel、およびCD4+CD25+制御性T細胞、MEDI7814、P32、P59、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、CCX354、CCX721、CCX9588、CCX140、CCX872、CCX598、CCX6239、CCX587、CCX624、CCX282、CCX025、CCX507、CCX430、CCX765、CCX758、CCX771、CCX662、CCX650、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。併用療法の詳細については、本明細書の「使用方法」セクションに記載されている。
【0112】
使用方法
本発明の化合物は、in vitroおよびin vivoの両方で、様々な状況で、C5a受容体のアゴニスト、(好ましくは)アンタゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニストとして使用されてもよい。一つの実施形態では、本発明の化合物は、in vitroまたはin vivoでのC5a受容体へのC5a受容体リガンド(たとえば、C5a)の結合を阻害するために使用することができる、C5aRアンタゴニストである。一般に、そのような方法は、水溶液中のC5a受容体リガンドの存在下で、そうでなければリガンドのC5aへの結合に適した条件下で、本明細書に提供される十分な量の一つまたは複数のC5a受容体モジュレーターとC5a受容体を接触させる工程を含む。C5a受容体は、懸濁液(たとえば、単離された膜または細胞調製物)、培養細胞または単離細胞、または組織または器官に存在しうる。
【0113】
好ましくは、受容体と接触するC5a受容体モジュレーターの量は、たとえば、本明細書に記載の放射性リガンド結合アッセイカルシウム動員アッセイ(calcium mobilization assay)、または走化性アッセイを使用して測定されるように、in vitroでC5a受容体へのC5a結合を阻害するのに十分でなければならない。
【0114】
本発明の一つの実施形態では、本発明のC5aモジュレーターを使用して、たとえば、本発明の一つまたは複数の化合物をモジュレーターの受容体への結合に好適な条件下でC5a受容体(in vitroまたはin vivoのいずれか)と接触させることによって、C5a受容体のシグナル伝達活性を調節する、好ましくは阻害する。受容体は、溶液または懸濁液中、培養または単離された細胞調製物中、または患者内に存在しうる。シグナル伝達活性の任意の調節は、カルシウムイオンカルシウム動員への影響を検出することによって、またはC5a受容体を介した細胞走化性への影響を検出することによって評価することができる。一般に、C5aモジュレーターの有効量は、カルシウム動員アッセイ内のin vitroでのC5a受容体シグナル伝達活性または遊走アッセイ内のC5a受容体媒介細胞走化性を調節するのに十分な量である。
【0115】
本発明の化合物が、in vitro走化性アッセイにおいて、C5a受容体媒介細胞走化性、好ましくは白血球(たとえば、好中球)走化性を阻害するために使用される場合、そのような方法は、本発明の一つまたは複数の化合物と白血球(具体的には霊長類白血球、特にヒト白血球)との接触を含む。好ましくは、濃度は、in vitro走化性アッセイにおいて白血球の走化性を阻害するのに十分であり、その結果、対照アッセイで見られる走化性のレベルは、上記のように、本発明の化合物が添加されたアッセイで見られるレベルよりも有意に高い。
【0116】
別の実施形態では、本発明の化合物はさらに、C5a受容体調節に応答性である状態に苦しむ患者を治療するために使用することができる。本明細書で使用される場合、用語「治療(treating)」または「治療(treatment)」は、疾患修飾治療および対症療法の両方を含み、いずれも予防的(すなわち、症状の発症前に、症状の重症度を予防、遅延または軽減するために)、または治療的(すなわち、症状の発症後、症状の重症度および/または症状持続期間を軽減するため)でありうる。本明細書で使用される場合、C5a受容体活性の調節がC5a受容体の不適切な活性の低下をもたらす場合、状態は「C5a受容体調節に応答性である」と見なされる。本明細書で使用される場合、用語「患者」は、霊長類(特にヒト)、家畜化したコンパニオンアニマル(イヌ、ネコ、ウマ等)および家畜(ウシ、ブタ、ヒツジ等)を本明細書に記載されているような用量とともに含む。
【0117】
C5a調節によって治療できる状態:
自己免疫疾患--たとえば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ギラン・バレー症候群、膵炎、ループス腎炎、ループス糸球体腎炎、乾癬、クローン病、血管炎、過敏性腸症候群、皮膚筋炎、多発性硬化症、気管支喘息、デンスデポジット病、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫性溶血性および血小板減少性状態(autoimmune hemolytic and thrombocytopenic states)、グッドパスチャー症候群(および付随する糸球体腎炎および肺出血)、C3腎症(C3-glomerulopathy)、C3腎炎(C3-glomerulonephritis)、膜性増殖性糸球体腎炎、川崎病、IG腎症(IGs nephropathy)、免疫血管炎(immunovasculitis)、組織移植片拒絶、移植片対宿主病、移植臓器超急性拒絶;等。
【0118】
炎症性疾患および関連する状態--たとえば、好中球減少症、敗血症、敗血症性ショック、アルツハイマー病、多発性硬化症、好中球増加症、脳卒中、炎症性腸疾患(BD)、重症熱傷関連炎症(inflammation associated with severe burns)、肺損傷、および虚血再灌流障害、変形性関節症、ならびに急性(成人)呼吸促拍症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、アトピー性皮膚炎、乾癬、慢性じんましんおよび多臓器不全症候群(MODS)、溶血性尿毒症症候群、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)。インスリン依存性糖尿病(糖尿病性網膜症を含む)と関連する病的後遺症(pathologic sequellae)、狼瘡ネフロパチー(lupus nephropathy)、ヘイマン腎炎(Heyman nephritis)、膜性腎炎、および他の形態の糸球体腎炎、接触過敏症、およびたとえば、血液の体外循環中(たとえば、血液透析中、または心肺装置を介して、たとえば、冠状動脈バイパス移植または心臓弁置換術等の血管手術に関連して)、または他の人工血管または容器表面(たとえば、補助人工心臓、人工心臓装置、輸血チューブ、血液保存バッグ、血漿交換、血小板フェレーシス等)との接触に関連して発生する補体活性化を引き起こす可能性のある人工表面との血液の接触による炎症も含む。固形臓器移植を含む移植に起因するもの等の虚血/再灌流障害に関連する疾患、ならびに症候群、たとえば虚血再灌流障害、虚血性大腸炎および心臓虚血も含む。本発明の化合物はまた、加齢性黄斑変性症の治療において有用である可能性がある(Hageman et al, P.N.A.S. 102:7227-7232,2005)。
【0119】
心血管障害および脳血管障害--たとえば、心筋梗塞、冠状動脈血栓症、血管閉塞、術後血管再閉塞、アテローム性動脈硬化症、外傷性中枢神経系損傷、および虚血性心疾患。一つの実施形態では、有効量の本発明の化合物を、心筋梗塞または血栓症のリスクがある患者(すなわち、たとえば肥満、喫煙、高血圧、高コレステロール血症、心筋梗塞または血栓症の既往歴または遺伝歴に限定されない、心筋梗塞または血栓症の一つまたは複数の認識されているリスク因子を有する患者)に投与し、心筋梗塞または血栓症のリスクを低減することができる。
【0120】
腫瘍学的疾患または障害--たとえば、メラノーマ、肺がん、リンパ腫、肉腫、細胞腫、線維肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、血管肉腫、リンパ管肉腫、滑膜腫、中皮腫、髄膜腫、白血病、リンパ腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、扁平上皮がん、基底細胞がん、乳頭がん、嚢胞腺がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝細胞がん、移行上皮がん、絨毛がん、セミノーマ、胚性がん腫、ウィルムス腫瘍(wilm’s tumor)、多形腺腫、肝細胞パピローマ(liver cell papilloma)、腎尿細管腺腫(renal tubular adenoma)、嚢胞腺腫、パピローマ、腺腫、平滑筋腫、横紋筋腫、血管腫、リンパ管腫、骨腫、軟骨腫、脂肪腫、および線維腫。
【0121】
血管炎の疾患--血管炎性疾患は、血管の炎症を特徴とする。白血球の浸潤は血管壁の破壊につながり、補体経路は、白血球の遊走の開始、ならびに炎症部位に現れる損傷の結果において主要な役割を果たすと考えられている(Vasculitis, Second Edition, Edited by Ball and Bridges, Oxford University Press, pp 47-53,2008)。本発明で提供される化合物は、白血球破砕性血管炎(leukoclastic vasculitis)、抗好酸球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、免疫血管炎ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、チャーグ・ストラウス症候群、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、結節性多発動脈炎(polyateritis nodosa)、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)、クリオグロブリン血症、巨細胞性動脈炎(GCA)、ベーチェット病、および高安動脈炎(Takayasu’s arteritis;TAK)の治療に使用できる。
【0122】
HIV感染およびAIDS--本明細書で提供されるC5a受容体モジュレーターは、HIV感染を阻害し、AIDS進行を遅らせ、または症状またはHIV感染およびAIDSの重症度を低下させるために使用することができる。
【0123】
神経変性障害および関連疾患--さらなる態様では、本明細書で提供されるC5aアンタゴニストは、アルツハイマー病、多発性硬化症、および心肺バイパス手術および関連手術に関連する認知機能低下を治療するために使用することができる。
【0124】
本発明の一つの実施形態では、本発明の化合物は、敗血症(および関連障害)、COPD、関節リウマチ、ループス腎炎、および多発性硬化症からなる群から選択される疾患の治療のために使用することができる。
【0125】
本明細書において提供される治療方法は、一般に、有効量の本明細書に提供される一つまたは複数の化合物を患者に投与することを含む。好適な患者は、本明細書で特定されている障害または疾患に罹患している、または感受性である(すなわち、予防的治療)患者を含む。本明細書に記載される治療のための典型的な患者は、哺乳動物、具体的には霊長類、特にヒトを含む。他の好適な患者は、家畜化されたコンパニオンアニマル、たとえばイヌ、ネコ、ウマ等、または家畜動物、たとえばウシ、ブタ、ヒツジ等を含む。
【0126】
一般に、本明細書に提供される治療方法は、有効量の本明細書に提供される一つまたは複数の化合物を患者に投与することを含む。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは患者(たとえば、ヒト)に経口投与または局所投与される。有効量は、有効量は、C5a受容体活性を調節するのに十分な量、および/または患者が呈する症状を軽減または緩和するのに十分な量であってもよい。好ましくは、投与される量は、in vitroで白血球(たとえば、好中球)の走化性を検出可能に阻害するのに十分高い化合物(または化合物がプロドラッグである場合はその活性代謝物)の血漿濃度をもたらすのに十分である。治療レジメンは、使用する化合物および治療する特定の状態によって異なってもよい;ほとんどの障害の治療には、1日4回以下の投与頻度が好ましい。一般に、1日2回の投与レジメンがより好ましく、1日1回の投与が特に好ましい。しかしながら、特定の患者の特定の用量レベルおよび治療レジメンは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の組み合わせ(すなわち、患者に投与されている他の薬物)、および治療を受けている特定の疾患の重症度、ならびに処方する医師の判断を含む様々な要因に依存することが理解されよう。一般に、効果的な治療を提供するのに十分な最小用量の使用が好ましい。患者を一般に、治療または予防されている状態に好適な医学的または獣医学的基準を使用して、治療効果についてモニターしてもよい。
【0127】
1日あたり体重1キログラムあたり約0.1 mg~約140 mgのオ-ダ-の用量レベルは、病的C5a活性(1日あたりヒト患者あたり約0.5 mg~約7 g)を含む状態の治療または予防に有用である。単一の剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、治療される宿主および特定の投与様式に応じて変化するであろう。単位剤形は、一般に、約1 mg~約500 mgの間の有効成分を含むであろう。経口、経皮、静脈内、または皮下投与される化合物の場合、5 ng(ナノグラム)/mL~10 μg(マイクログラム)/mL血清の血清濃度を達成するために十分な量の化合物が投与されるのが好ましい、より好ましくは20 ng~1 μg/ml血清の血清濃度を達成するのに十分な化合物を投与する必要がある、最も好ましくは50 ng~200 ng/ml血清の血清濃度を達成するのに十分な化合物を投与する必要がある。滑膜への直接注射(関節炎の治療用)の場合、約1マイクロモル濃度の局所濃度を達成するのに十分な化合物を投与する必要がある。
【0128】
投与の頻度はまた、使用される化合物および治療される特定の疾患に応じて変化しうる。しかし、ほとんどの障害の治療には、1日4回、1日3回、またはそれ以下の投与レジメンが好ましく、1日1回または1日2回の投与レジメンが特に好ましい。しかし、特定の患者の特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、薬物の組み合わせ(すなわち、患者に投与されている他の薬物)、および治療を受けている特定の疾患の重症度、ならびに処方する医師の判断を含む他の要因を含む様々な要因に依存することが理解されよう。
【0129】
併用療法
本開示の化合物は、本発明の化合物および組成物が有用である疾患または状態の治療、予防、抑制または寛解に使用される一つまたは複数の追加の治療薬と組み合わせて使用することができる。そのような一つまたは複数の追加の治療薬は、本発明の化合物または組成物と同時に、または連続して、そのために一般的に使用される経路および量で投与することができる。本発明の化合物または組成物を一つまたは複数の他の薬物と同時に使用する場合、本発明の化合物または組成物に加えてそのような他の薬物を含む医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物または組成物に加えて、一つまたは複数の他の有効成分または治療薬も含むものを含む。
【0130】
一つまたは複数の追加の治療薬の例は、副腎皮質ステロイド、ステロイド、免疫抑制剤、免疫グロブリンGアゴニスト、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害薬、リンパ球機能抗原3受容体アンタゴニスト、インターロイキン2リガンド、インターロイキン1βリガンド阻害薬、IL-2受容体αサブユニット阻害薬、HGF遺伝子刺激因子(HGF gene stimulator)、IL-6アンタゴニスト、IL-5アンタゴニスト、α1アンチトリプシン刺激因子(Alpha 1 antitrypsin stimulator)、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬、AKTプロテインキナーゼ阻害薬、CD20阻害薬、Ablチロシンキナーゼ阻害薬、JAKチロシンキナーゼ阻害薬、TNFαリガンド阻害薬、ヘモグロビンモジュレーター(Hemoglobin modulator)、TNFアンタゴニスト、プロテアソーム阻害薬、CD3モジュレーター、Hsp70ファミリー阻害薬、免疫グロブリンアゴニスト、CD30アンタゴニスト、チューブリンアンタゴニスト、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1アゴニスト、結合組織成長因子リガンド阻害薬、カスパーゼ阻害薬、副腎皮質刺激ホルモンリガンド、Btkチロシンキナーゼ阻害薬、補体C1sサブコンポーネント阻害薬、エリスロポエチン受容体アゴニスト、Bリンパ球刺激因子リガンド阻害薬、サイクリン依存性キナーゼ2阻害薬、P-セレクチン糖タンパク質リガンド-1刺激因子、mTOR阻害薬、伸長因子2阻害薬、細胞接着分子阻害薬、第XIII因子アゴニスト、カルシニューリン阻害薬、免疫グロブリンG1アゴニスト、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害薬、補体C1sサブコンポーネント阻害薬、チミジンキナーゼモジュレーター、細胞傷害性Tリンパ球タンパク質4モジュレーター(Cytotoxic T-lymphocyte protein-4 modulator)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシンII受容体モジュレーター、TNFスーパーファミリー受容体12Aアンタゴニスト、CD52アンタゴニスト、アデノシンデアミナーゼ阻害薬、T細胞分化抗原CD6阻害薬、線維芽細胞増殖因子-7リガンド、ジヒドロオロト酸脱水素酵素阻害薬、Sykチロシンキナーゼ阻害薬、インターフェロン1型受容体アンタゴニスト、インターフェロンαリガンド阻害薬、マクロファージ遊走阻止因子阻害薬、インテグリンα-V/β-6アンタゴニスト、システインプロテアーゼ刺激因子、p38MAPキナーゼ阻害薬、TP53遺伝子阻害薬、志賀様毒素1型阻害薬、フコシルトランスフェラーゼ6刺激因子、インターロイキン22リガンド、IRS1遺伝子阻害薬、プロテインキナーゼC刺激因子、プロテインキナーゼCα阻害薬、CD74アンタゴニスト、免疫グロブリンγFc受容体IIBアンタゴニスト、T細胞抗原CD7阻害薬、CD95アンタゴニスト、Nアセチルマンノサミンキナーゼ刺激因子、カルジオトロフィン-1リガンド、白血球エラスタ-ゼ阻害薬、CD40リガンド受容体アンタゴニスト、CD40リガンドモジュレーター、IL-17アンタゴニスト、TLR-2アンタゴニスト、マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2(MASP-2)阻害薬、B因子阻害薬、D因子阻害薬、C3aRモジュレーター、C5aR2モジュレーター、T細胞受容体アンタゴニスト、PD-1阻害薬、PD-L1阻害薬、TIGIT阻害薬、TIM-3阻害薬、LAG-3阻害薬、VISTA阻害薬、STINGアゴニスト、IDO阻害薬、アデノシン受容体モジュレーター、CD39阻害薬、CD73阻害薬、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、特にCXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR7、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CCR7、CCR9、CX3CR1、およびCXCR6、ならびにそれらの組み合わせである。
【0131】
一部の実施形態では、本明細書の治療方法で使用される追加の治療薬は、オビヌツズマブ、リツキシマブ、オクレリズマブ、シクロホスファミド、プレドニゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チキソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオコルトロン、17-吉草酸ヒドロコルチゾン、ハロメタゾン、アルクロメタゾンジプロピオン酸エステル、ベクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、プレドニカルベート、17-酪酸クロベタゾン(clobetasone-17-butyrate)、17-プロピオン酸クロベタゾール(clobetasol-17-propionate)、カプロン酸フルオコルトロン、ピバル酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、17-酪酸ヒドロコルチゾン、17-アセポン酸ヒドロコルチゾン、17-酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(hydrocortisone-17-buteprate)、シクレソニドおよびプレドニカルベート、GB-0998、immuglo、begelomab、アレファセプト、アルデスロイキン、ゲボキズマブ、ダクリズマブ、バシリキシマブ、イノリモマブ、ベペルミノゲンペルプラスミド、シルクマブ、トシリズマブ、クラザキズマブ、メポリズマブ、フィンゴリモド、パノビノスタット、トリシリビン、ニロチニブ、イマチニブ、トファシチニブ、モメロチニブ、ペフィシチニブ、イタシチニブ、インフリキシマブ、PEG-bHb-CO、エタネルセプト、イキサゾミブ、ボルテゾミブ、ムロモナブ、オテリキシズマブ、グスペリムス、ブレンツキシマブベドチン、ポネシモド、KRP-203、FG-3019、エムリカサン、コルチコトロピン、イブルチニブ、シンライズ、コネスタット、メトキシポリエチレングリコールエポエチンβ、ベリムマブ、ブリシビモド、アタシセプト、セリシクリブ、ネイフリズマブ(neihulizumab)、エベロリムス、シロリムス、デニロイキンジフチトクス、LMB-2、ナタリズマブ、カトリデカコグ、シクロスポリン、タクロリムス、ボクロスポリン、ボクロスポリン、カナキヌマブ、ミコフェノール酸(mycophenolate)、ミゾリビン、CE-1145、TK-DLI、アバタセプト、ベラタセプト、オルメサルタンメドキソミル、スパルセンタン(sparsentan)、TXA-127、BIIB-023、アレムツズマブ、ペントスタチン、イトリズマブ、パリフェルミン、レフルノミド、PRO-140、セニクリビロク、ホスタマチニブ、アニフロルマブ(anifrolumab)、シファリムマブ(sifalimumab)、BAX-069、BG-00011、ロスマピモド(losmapimod)、QPI-1002、ShigamAbs、TZ-101、F-652、レパリキシン、ladarixin、PTX-9908、アガニルセン(aganirsen)、APH-703、ソトラスタウリン、ソトラスタウリン、ミラツズマブ、SM-101、T-Guard、APG-101、DEX-M74、カルジオトロフィン-1、tiprelestat、ASKP-1240、BMS-986004、HPH-116、KD-025、OPN-305、TOL-101、デフィブロチド、ポマリドミド、サイモグロブリン、ラキニモド、レメステムセル-L(remestemcel-L)、抗胸腺細胞ウマ免疫グロブリン、Stempeucel、LIV-Gamma、オクタガム10%、t2c-001、99mTcセスタミビ、Clairyg、プロソルバ(Prosorba)、ポマリドミド、ラキニモド、テプリズマブ、FCRx、ソルナチド(solnatide)、フォラルマブ(foralumab)、ATIR-101、BPX-501、ACP-01、ALLO-ASC-DFU、イルベサルタン+プロパゲルマニウム、ApoCell、カンナビジオール、RGI-2001、サラチン(saratin)、抗CD3二価抗体-ジフテリア毒素コンジュゲート(anti-CD3 bivalent antibody-diphtheria toxin conjugate)、NOX-100、LT-1951、OMS721、ALN-CC5、ACH-4471、AMY-101、Acthar gel、およびCD4+CD25+制御性T細胞、MEDI7814、P32、P59、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、CCX354、CCX721、CCX9588、CCX140、CCX872、CCX598、CCX6239、CCX587、CCX624、CCX282、CCX025、CCX507、CCX430、CCX765、CCX758、CCX771、CCX662、CCX650、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0132】
治療される疾患または障害は、どの追加の治療薬(単数または複数)が本発明の化合物と組み合わせて最も適切に投与されるかを決定する。そのような決定は、当業者によって行うことができる。
【0133】
第二の有効成分に対する本発明の化合物の重量比は、変えることができ、各成分の有効量に依存する。一般的に、それぞれの有効量が使用される。したがって、たとえば、本発明の化合物がNSAIDと組み合わされる場合、本発明の化合物のNSAIDに対する重量比は、一般に、約1000:1~約1:1000の範囲、好ましくは約200:1~約1:200の範囲である。本発明の化合物と他の有効成分との組み合わせもまた、一般に前述の範囲内であるが、いずれの場合も、各有効成分の有効量を使用すべきである。
【0134】
非医薬品用途
本発明の別の態様では、本発明の化合物は、様々な非医薬品のin vitroおよびin vivo用途で応用することができる。たとえば、本発明の化合物は、C5a受容体(細胞調製物または組織切片サンプル)の検出および局在化のためのプローブとして標識および使用されてもよい。本発明の化合物はまた、C5a受容体活性のアッセイにおける陽性対照として、すなわち、候補薬剤がC5a受容体に結合する能力を決定するための標準として、または陽電子放射断層撮影(PET)画像化のため、または単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)の放射性トレーサとして、使用することができる。このような方法は、生きている対象のC5a受容体を特徴づけるために使用することができる。たとえば、C5a受容体モジュレーターは、様々な周知の技術のいずれかを使用して標識され(たとえば、トリチウム等の放射性核種で放射性標識され)、好適なインキュベーション時間(たとえば、最初に結合の時間経過を分析することによって決定される)の間、サンプルと共にインキュベートされてもよい。インキュベーション後、非結合化合物を(たとえば、洗浄により)除去し、使用する標識に好適な任意の方法(たとえば、放射性標識化合物のオートラジオグラフィーまたはシンチレーション測定;分光法を使用して発光基および蛍光基を検出することができる)を使用して結合化合物を検出する。対照として、標識化合物およびより多くの(たとえば、10倍多い)量の非標識化合物を含む対応サンプルを同じ方法で処理することができる。対照よりも試験サンプルに残っている検出可能な標識の量が多いことは、サンプル中にC5a受容体が存在することを示す。培養細胞または組織サンプル中のC5a受容体の受容体オートラジオグラフィー(受容体マッピング)を含む検出アッセイは、KuharによってCurrent Protocols in Pharmacology (1998) John Wiley & Sons, New Yorkのセクション8.1.1~8.1.9で記載されているように実施することができる。
【0135】
本明細書に提供される化合物はまた、様々な周知の細胞分離法において使用できる。たとえば、モジュレーターは、in vitroでC5a受容体を固定化し、それによって単離する(たとえば、受容体発現細胞を単離する)ための親和性リガンドとしての使用のために、組織培養プレートまたは他の担体の内部表面に結合されていてもよい。一つの好ましい用途では、蛍光マ-カ-、たとえばフルオレセインに結合されたモジュレーターは、細胞と接触し、蛍光活性化セルソーティング(FACS)によって分析(または単離)される。
【実施例
【0136】
以下の実施例は、特許請求される発明を説明するために提供されているが、限定するものではない。
【0137】
以下で使用される試薬および溶媒は、Aldrich Chemical Co. (Milwaukee, Wisconsin, USA)等の商業的供給源から入手することができる。1H-NMRスペクトルを、Varian Mercury 400 MHz NMR分光計で記録した。重要なピ-クはTMSに関連して提供され、多重度(s、一重線;d、二重線、t、三重線、q、四重線、m、多重線)およびプロトン数の順に表になっている。質量分析の結果は、電荷に対する質量の比率として報告され、その後に各イオンの相対的な存在量が続く(括弧内)。実施例では、最も一般的な原子同位体を含むM+H(または前述のようにM-H)イオンの単一のm/e値が報告されている。同位体パターンは、すべての場合に予想される化学式に対応する。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析は、試料供給(sample delivery)にHP1100 HPLCを使用して、Hewlett-Packard MSDエレクトロスプレー質量分析計で実施した。標準的に、分析対象物を0.1 mg/mLのメタノールに溶解し、1マイクロリットルを送達溶媒とともに質量分析計に注入し、質量分析計は100~1500ダルトンをスキャンした。すべての化合物は、1%ギ酸を含むアセトニトリル/水を送達溶媒として使用して、ポジティブESIモードで分析できた。以下に示す化合物は、アセトニトリル/水中の2 mM NH4OAcを送達系として使用して、ネガティブESIモードで分析することもできた。
【0138】
以下の略語は、実施例および本発明の説明全体を通して使用される:
EtOH: エタノール
EtONa: ナトリウムエトキシド
THF: テトラヒドロフラン
TLC: 薄層クロマトグラフィー
MeOH: メタノール
【0139】
本発明の範囲内の化合物は、当業者に知られている様々な反応を使用して、以下に記載されるように合成することができる。当業者はまた、本発明の標的化合物を合成するために代替の方法を使用することができ、本文書の本文内に記載されるアプローチは網羅的ではないが、目的の化合物への広く適用可能で実用的な経路を提供することを認識するであろう。
【0140】
本特許でクレームされている特定の分子は、異なるエナンチオマーおよびジアステレオマーの形態で存在してもよく、これらの化合物のそのようなすべてのバリアントがクレームされている。
【0141】
本文書で重要な化合物を合成するために使用される実験手順の詳細な説明は、それらを識別する物理的デ-タならびにそれらに関連する構造的描写によって説明される分子につながる。
【0142】
当業者はまた、有機化学における標準的なワークアップ手順の間に、酸および塩基が頻用されることを認識するであろう。親化合物の塩は、必要な固有の酸性度または塩基性度を有する場合、この特許に記載されている実験手順中に生成されることがある。
【0143】
中間体1: 3-(6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンの合成
【0144】
【化14】
【0145】
注意:ジアゾニウムの形成は潜在的に危険である。注意して取り扱い、適切な個人用保護具を着用されたい。
【0146】
工程a:磁気攪拌下で90 mLの濃塩酸を入れた250 mLフラスコに、2,6-ジエチルアニリン(10.0 g、67.0 mmol)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、内部温度が-5℃に達するまで氷塩浴で冷却した。水(60 mL)中の亜硝酸ナトリウム(5.5 g、80.0 mmol)の溶液を、内部温度を5℃未満に保持しながら、上記の混合物に緩徐に添加した。
【0147】
これとは別に、塩化スズ(II)二水和物(31.6 g、140.0 mmol)を、機械的攪拌下で濃塩酸(60 mL)を入れた500 mLの三ツ口丸底フラスコに添加した。次に、得られた溶液を氷浴で冷却した。
【0148】
次に、ジアゾニウムスラリーを、激しく攪拌しながら、冷却した塩化スズ溶液を含む500 mLフラスコに濾過した。90分後、反応混合物を500 mLの三角フラスコに移し、フラスコを水(20 mL)およびクロロホルム(8 mL)ですすいだ。合わせた混合物を室温で一晩撹拌した。液体層全体をデカントして、湿潤固体を得た。回収した物質を真空中で1日乾燥させた後、オーバーヘッドメカニカルスターラーを備えた500 mLの三ツ口丸底フラスコに移し、エ-テル(180 mL)と共に撹拌した。得られた混合物を氷浴で冷却し、内部温度を12℃未満に維持しながら、NaOH溶液(10 N、30 mL)を上記の混合物に緩徐に添加した。添加後、混合物を氷上で2時間放置した。エ-テル層を500 mLフラスコにデカントし、撹拌しながら塩化水素ガスの気流をエ-テル溶液にバブリングした。得られた沈殿物を濾過により収集して、(2,6-ジエチルフェニル)ヒドラジン塩酸塩を得た。MS: (ES) C10172 [M+H]+ 165.1に対して計算されたm/z, 実測値165.1.
【0149】
工程b:N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8 mL、46.0 mmol)を、磁気撹拌下の250 mL丸底フラスコ中の(2,6-ジエチルフェニル)ヒドラジン塩酸塩(8 g、39.9 mmol)、tert-ブチル3-シアノ-4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート(5 g、22.3 mmol)およびEtOH(60 mL)の混合物に添加した。得られた混合物を還流下で3時間撹拌した。氷酢酸(12 mL、208 mmol)を加え、混合物をさらに2時間還流下で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOAcに溶解し、NaOH溶液(2 N)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5~55%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル3-アミノ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C213142 [M+H]+ 371.2に対して計算されたm/z, 実測値371.2.
【0150】
注意:ジアゾニウムの形成は潜在的に危険である。注意して取り扱い、適切な個人用保護具を着用されたい。
【0151】
亜硝酸イソペンチル(4 mL、28.6 mmol)を、室温で緩徐に、磁気撹拌下の250 mL丸底フラスコ中のtert-ブチル3-アミノ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラート、CuBr(4 g、27.9 mmol)、およびMeCN(50 mL)の混合物に添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過し、飽和NH4Cl溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~25%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル3-ブロモ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C2129BrN32 [M+H]+ 434.1に対して計算されたm/z, 実測値434.2.
【0152】
工程c: ヨードメタン(1.5 mL、24 mmol)を、磁気撹拌下の250 mL丸底フラスコ中のDMF(40 mL)中の4-ブロモ-2-クロロ-6-ニトロフェノール(3.2 g、12.7 mmol)およびK2CO2(3 g、21.7 mmol)の懸濁液に添加した。得られた混合物を45℃で4時間撹拌し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~25%のEtOAc)で精製して、5-ブロモ-1-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンゼンを得た。MS: (ES) C76BrClNO3 [M+H]+ 265.9に対して計算されたm/z, 実測値265.9.
【0153】
THF中の臭化ビニルマグネシウムの溶液(1 M、40 mL、40 mmol)を、N2下で-60℃で無水THF(40 mL)中の5-ブロモ-1-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンゼン(3.2 g、12 mmol)の溶液に迅速に添加した。反応混合物を1.5時間かけて-30℃に温めた。反応を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、混合物を1時間かけて室温に温めた。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~20%のEtOAc)で精製して、4-ブロモ-6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドールを得た。MS: (ES) C98BrClNO [M+H]+ 259.9に対して計算されたm/z, 実測値259.9.
【0154】
DMSO(10 mL)中の4-ブロモ-6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール(1.2 g、4.6 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.4 g、9.5 mmol)、およびKOAc(2.3 g、23.4 mmol)の懸濁液に、ジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(600 mg、0.73 mmol)を添加した。反応混合物を2分間脱気(N2)し、120℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5~20%のEtOAc)で精製して、6-クロロ-7-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドールを得た。MS: (ES) C1520BClNO3 [M+H]+ 308.1に対して計算されたm/z, 実測値308.1.
【0155】
p-ジオキサン(6 mL)およびH2O(1 mL)中のtert-ブチル3-ブロモ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラート(600 mg、1.4 mmol)、6-クロロ-7-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール(550 mg、1.8 mmol)、およびK2CO3(500 mg、3.6 mmol)の懸濁液に、ジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(300 mg、0.37 mmol)を添加した。反応混合物を2分間脱気(N2)し、100℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5~20%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル3-(6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C3036ClN43 [M+H]+ 535.2.1に対して計算されたm/z, 実測値535.2.
【0156】
上記のtert-ブチル3-(6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラートをジクロロメタン(5 mL)に溶解し、ジオキサン(5 mL、20 mmol)中の4 N HClを添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応が完了した後、溶媒を真空中で蒸発させて、3-(6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン塩酸塩を得た。MS: (ES) C2529ClN4O [M+H]+ 435.2に対して計算されたm/z, 実測値435.2.
【0157】
工程d: N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.2 mL、1.15 mmol)を、磁気撹拌下でMeCN(10 mL)中の3-(6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン塩酸塩(100 mg、0.21 mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(45 mg、0.25 mmol)、およびLi2CO3(20 mg、0.27 mmol)の懸濁液に添加した。得られた混合物を75℃で30分間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をTLC(ヘキサン中40%のEtOAc)、それに続くMeOH中での摩砕(trituration)で精製して、3-(6-クロロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.48 (s,2H), 8.46 (s,1H), 7.06-7.27 (m,4H), 6.62 (d,J=1.0 Hz,1H), 6.42-6.49 (m,1H), 4.83 (s,2H), 4.36 (t,J=5.7 Hz,2H), 4.00 (s,3H), 3.03 (t,J=5.7 Hz,2H), 2.10-2.40 (m,4H),0.80-1.08 (m,6H). MS: (ES) C3029ClF36O [M+H]+ 581.2に対して計算されたm/z, 実測値581.2.
【0158】
中間体2: [4-[2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-5-フルオロ-1H-インドール7-イル]メタノールの合成
【0159】
【化15】
【0160】
工程a: THF中の臭化ビニルマグネシウム溶液(1 M、341 mL、341 mmol)を、無水THF(200 mL)中の4-ブロモ-5-フルオロ-2-ニトロ安息香酸(15.0 g、56.8 mmol)の溶液に、N2下で-50℃で加えた。反応混合物を同じ温度で撹拌し、1.5時間かけて-40℃に温めた。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、1時間かけて室温に温めた。反応混合物を1N HCl水溶液で酸性化し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗残留物を得た。
【0161】
上記の粗残留物を、MeOH(250 mL)中のH2SO4(25 mL)の混合物中で5時間還流下で撹拌した。次にそれを室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をEtOAcおよびブラインで希釈した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~50%のEtOAc)で精製して、メチル4-ブロモ-5-フルオロ-1H-インドール7-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C108BrFNO2 [M+H]+ 271.9に対して計算されたm/z, 実測値271.9.
【0162】
DMSO(19 mL)中のメチル4-ブロモ-5-フルオロ-1H-インドール7-カルボキシレ-ト(0.900 g、3.3 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.51 g、5.94 mmol)、およびKOAc(1.62 g、16.5 mmol)の懸濁液にジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(400 mg、0.49 mmol)を添加した。反応混合物を2分間脱気(N2)し、115℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のCH2Cl2)で精製して、メチル5-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール7-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C1620BFNO4 [M+H]+ 320.1に対して計算されたm/z, 実測値320.1.
【0163】
p-ジオキサン(14 mL)および水(2.5 mL)中のtert-ブチル3-ブロモ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5(4H)-カルボキシラート(1.00 g、2.31 mmol)、メチル5-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール7-カルボキシラート(740 mg、2.31 mmol)、およびK2CO3(1.28 g、9.24 mmol)の懸濁液に、ジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(400 mg、0.49 mmol)を添加した。反応混合物を2分間脱気(N2)し、N2下で100℃で2.5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~70%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(5-フルオロ-7-メトキシカルボニル-1H-インドール4-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C3136FN44 [M+H]+ 547.2に対して計算されたm/z, 実測値547.2.
【0164】
工程b: 上記tert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(5-フルオロ-7-メトキシカルボニル-1H-インドール4-イル)-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシラート(1.00 g、1.83 mmol)をTHF(35 mL)に溶解し、0℃でエ-テル中のLiAlH4の溶液(1 M、2.7 mL)を添加した。反応混合物を0℃で40分間撹拌した。次に、水でクエンチし、IPA/CHCl3(1:3)で希釈し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~90%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-[5-フルオロ-7-(ヒドロキシメチル)-1H-インドール4-イル]-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C3036FN43 [M+H]+ 519.2に対して計算されたm/z, 実測値519.2.
【0165】
上記のtert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-[5-フルオロ-7-(ヒドロキシメチル)-1H-インドール4-イル]-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-カルボキシラート(650 mg、1.25 mmol)をジクロロメタン(13 mL)に溶解し、ジオキサン(35 mL、140 mmol)中の4 N HClを添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応完了後、溶液を真空中で蒸発させ、[4-[2-(2,6-ジエチルフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-5-フルオロ-1H-インドール7-イル]メタノール塩酸塩を得た。MS: (ES) C2528FN4O [M+H]+ 419.2に対して計算されたm/z, 実測値419.2.
【0166】
工程c: MeCN(70 mL)中の[4-[2-(2,6-ジエチルフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-5-フルオロ-1H-インドール7-イル]メタノール塩酸塩(600 mg、1.32 mmol)および2-クロロ-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(350 mg、1.9 mmol)の懸濁液にトリエチルアミン(1.50 mL、10.7 mmol)を添加した。反応混合物を80℃で30分間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~90%のEtOAc)で精製して、[4-[2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-5-フルオロ-1H-インドール7-イル]メタノールを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.05 (br s, 1H), 8.47(br s, 2H), 7.27(m, 1H), 7.16(m, 2H), 6.86(d, J=7.26 Hz, 1H), 6.56(d, J=10.0 Hz, 1H), 6.37(t, J=2.6 Hz, 1H), 4.88(m, 3H), 4.68(d, J=16.4 Hz, 1H), 4.43(m, 1H), 4.29(m, 1H), 3.04(t, J=6.0 Hz, 2H), 2.38-2.58(m, 3H), 2.17(sextet, J=7.3 Hz, 1H), 1.94(sextet, J=7.3 Hz, 1H), 1.21(t, J=7.4 Hz, 3H), 0.75(t, J=7.4 Hz, 3H).MS: (ES) C302946O [M+H]+ 565.2に対して計算されたm/z, 実測値565.2.
【0167】
中間体3: 1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)尿素の合成
【0168】
【化16】
【0169】
工程a: 磁気攪拌下で250 mLフラスコ中の(2,6-ジエチルフェニル)ヒドラジン塩酸塩(5.0 g、24.9 mmol)、tert-ブチル4-siano-2,2-ジメチル-3-オキソピロリジン-1-カルボキシラート(5.0 g、21.0 mmol)およびEtOH(60 mL)の混合物にピリジン(4.0 mL、49.5 mmol)を添加した。反応混合物を70℃で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEtOAcで希釈し、クエン酸水溶液、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシクロヘキサンから結晶化して、tert-ブチル3-アミノ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C223342 [M+H]+ 385.2に対して計算されたm/z, 実測値385.2.
【0170】
注意:ジアゾニウムの形成は潜在的に危険である。注意して取り扱い、適切な個人用保護具を着用されたい。
【0171】
亜硝酸tert-ブチル(0.5 mL、3.8 mmol)を磁気撹拌下の100 mL丸底フラスコ中のtert-ブチル3-アミノ-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラート(1 g、2.6 mmol)、ジヨードメタン(1.5 mL、18.6 mmol)、およびMeCN(15 mL)の混合物に、室温で緩徐に添加した。反応混合物を45℃で3時間撹拌した後、トルエンで希釈し、飽和NH4Cl溶液/NH4OH(3:1)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~25%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C2231IN32 [M+H]+ 496.1に対して計算されたm/z, 実測値496.2.
【0172】
工程b: ジオキサン(12 mL)中の4-ブロモ-2,5-ジフルオロアニリン(1.5 g、7.2 mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.2 g、8.7 mmol)、KOAc(1.8 g、18.3 mmol)、およびジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(580 mg、0.7 mmol)の混合物を窒素下で95℃で2時間撹拌した。次に、混合物を室温に冷却し、セライトで濾過した。濾液を回収し、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~50%のEtOAc)で精製して、2,5-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリンを得た。MS: (ES) C1217BF2NO2 [M+H]+ 256.1に対して計算されたm/z, 実測値256.2.
【0173】
ジオキサン(10 mL)および水(2 mL)中のtert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラート(0.7 g、1.4 mmol)、2,5-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(0.7 g、2.7 mmol)、K2CO3(1.3 g、7.2 mmol)の懸濁液に、ジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(300.0 mg、0.37 mmol)を添加した。反応混合物を2分間脱気(N2)し、N2下で100℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~10%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル3-(4-アミノ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C2835242 [M+H]+ 497.3に対して計算されたm/z, 実測値497.5.
【0174】
工程c: THF(10 mL)中のtert-ブチル3-(4-アミノ-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラート(0.5 g、1.0 mmol)、およびベンゾイルイソシアナ-ト(0.5 g、3.4 mmol)の混合物を室温で3時間、撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、tert-ブチル3-(4-(3-ベンゾイルウレイド)-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートを得た。
【0175】
MeOH(15 mL)中のtert-ブチル3-(4-(3-ベンゾイルウレイド)-2,5-ジフルオロフェニル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラート(上記から、~1.0 mmol)およびK2CO3(1.3 g、7.2 mmol)の混合物を室温で2時間撹拌し、その後50℃で20分間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(2,5-ジフルオロ-4-ウレイドフェニル)-6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C2936253 [M+H]+ 540.3に対して計算されたm/z, 実測値540.3.
【0176】
工程d: 上記tert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートをジクロロメタン(10 mL)中に溶解し、ジオキサン中の4N HCl(5 mL、20 mmol)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応完了後、溶媒を真空中で蒸発させ、1-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)尿素塩酸塩を得た。MS: (ES) C242825O [M+H]+ 440.2に対して計算されたm/z, 実測値440.3.
【0177】
工程e: 磁気撹拌下で1,2-ジクロロエタン(10 mL)中の1-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)尿素塩酸塩、および2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(0.2 g、0.8 mmol)の懸濁液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.2 mL、1.2 mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、NaBH(OAc)3(0.3 g、1.4 mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を45℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を分取TLC(ヘキサン中50%EtOAc)、続いてHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)によって精製し、1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)尿素を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.18(d, J=8.3 Hz, 1H), 7.88-7.98 (m,2H), 7.75-7.83 (m,1H), 7.31 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.14 (d, J=7.7 Hz, 2H), 6.79-6.85 (br,1H), 6.40 (dd,J=6.5, 12.1 Hz, 1H), 4.79 (s,2H), 4.13 (s,2H), 3.74 (s,2H), 2.20-2.34 (m,4H), 1.51 (s,6H), 1.06 (t, J=7.6 Hz,6H). MS: (ES) C333285O [M+H]+ 666.2に対して計算されたm/z, 実測値666.2.
【0178】
中間体4: 4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドールの合成
【0179】
【化17】
【0180】
工程a: 上記のtert-ブチル2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール5(4H)-カルボキシラートをジクロロメタン(10 mL)に溶解し、ジオキサン中の4N HCl(5 mL、20 mmol)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応完了後、溶媒を真空中で蒸発させ、2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール塩酸塩を得た。MS: (ES) C1723IN3 [M+H]+ 396.1に対して計算されたm/z, 実測値396.2.
【0181】
磁気撹拌下で、1,2-ジクロロエタン(10 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール塩酸塩(680 mg、1.57 mmol)、および2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(800 mg、3.3 mmol)の懸濁液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.3 mL、1.73 mmol)を添加した。室温で10分間撹拌後、NaBH(OAc)3(800 mg、3.77 mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を45℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2~25%のEtOAc)で精製して、5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-ヨード6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾールを得た。MS: (ES) C26276IN3 [M+H]+ 622.1に対して計算されたm/z, 実測値622.1.
【0182】
工程b: ジオキサン(15 mL)中の4-ブロモ-7-フルオロ-1H-インドール(1.00 g、4.67 mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.31 g、5.14 mmol)、およびKOAc(1.15 g、11.7 mmol)の懸濁液に、ジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(416 mg、0.51 mmol)を添加した。反応混合物を2分間脱気(N2)し、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、セライトを通して濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~30%のEtOAc)で精製して、7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドールを得た。MS: (ES) C1418BFNO2 [M+H]+ 262.1に対して計算されたm/z, 実測値262.1.
【0183】
ジオキサン(6 mL)および水(1 mL)中の5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-3-ヨード2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール(200 mg、0.32 mmol)、7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール(150 mg、0.57 mmol)、K2CO3(276 mg、2.0 mmol)、およびジクロロメタンとのPd(dppf)Cl2複合体(60 mg、0.07 mmol)の混合物をN2下で100℃で5時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、セライトの栓(plug)を通じて濾過した。濾液を回収し、真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~50%のEtOAc)で精製して、4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドールを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.44 (s,1H), 8.19 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.86 (s,1H), 7.75 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.22 (m,2H), 7.07 (d, J=7.6 Hz, 2H), 6.61 (m,1H), 6.47 (m,2H), 4.15 (s,2H), 3.71 (s,2H), 2.37 (m,2H), 2.22 (m,2H), 1.56 (s,6H), 1.00 (t, J=7.6 Hz, 6H). MS: (ES) C343274 [M+H]+ 629.2に対して計算されたm/z, 実測値629.2.
【0184】
実施例1: (ホスホノオキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0185】
【化18】
【0186】
工程a: DMF中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(240 mg、0.35 mmol)の撹拌溶液に、NaH(60%、60 mg、1.5 mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、続いてジベンジルオキシホスホリルオキシメチルカルボノクロリダート(263 mg、0.71 mmol)を0℃で添加した。反応混合物を撹拌し、30分間かけて室温に温めた。反応完了後、反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、Mg2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%のEtOAc)で精製して、((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C5047746P [M+H]+ 963.3に対して計算されたm/z, 実測値963.3.
【0187】
工程b: 酢酸エチル(40 mL)中の((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(79 mg、0.08 mmol)の溶液に10%Pd/C(100 mg)を添加し、45 psi下で20分間水素化した。反応混合物をセライトを通じて濾過し、1:1EtOAc/MeOH(15 mL)でリンスし、乾燥(dryness)まで濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製し、(ホスホノオキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 8.13 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.01 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.95 (s,1H), 7.80 (d, J=4.8 Hz, 1H), 7.30 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J=7.8 Hz, 2H), 6.95 (dd, J=8.6, 12.1 Hz, 1H), 6.56-6.66 (m,2H), 5.70 (d, J=14.4 Hz, 2H), 4.15 (s,2H), 3.60 (s,2H), 3.35 (br,2H), 2.14-2.22 (m,4H), 1.47 (s,6H), 0.90 (t, J=7.6 Hz, 6H). MS: (ES) C3635746P [M+H]+ 783.2に対して計算されたm/z, 実測値783.2.
【0188】
実施例2: (S)-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-L-システインの合成
【0189】
【化19】
【0190】
工程a: ジクロロエタン(6 mL)中のジ-tert-ブチル3,3’-ジスルファンジイル(2R,2’R)-ビス(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノア-ト)(830 mg、1.5 mmol)の撹拌溶液に、0℃で塩化チオニル(0.14 mL、1.9 mmol)を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、tert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-S-クロロ-L-システイナ-トを形成し、次の工程で直接使用した。
【0191】
THF(10 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(240 mg、0.35 mmol)の撹拌溶液に、N2下で-45℃でTHF中の1M LiHMDS溶液(0.8 mL、0.8 mmol)を添加した。-45℃で15分間撹拌した後、上記で形成したtert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-S-クロロ-L-システイナ-ト(~1.5 mmol)を添加した。得られた混合物を撹拌し、室温に30分間かけて温めた。反応完了後、反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%のEtOAc)で精製して、tert-ブチル(S)-(4-(5-(2,4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-システイナ-トを得た。MS: (ES) C4653754S [M+H]+ 904.4に対して計算されたm/z, 実測値904.5.
【0192】
工程b: ジクロロメタン(6 mL)中のtert-ブチル(S)-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-システイナ-ト(220 mg、0.24 mmol)にジオキサン(5 mL、20 mmol)中の4 N HClを添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応完了後、混合物を真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で(S)-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-L-システインを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.24 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.98-8.10 (m,2H), 7.63-7.66 (m,2H), 7.22-7.37 (m, 2H), 6.97-7.03 (m,1H), 6.63-6.68 (m,1H), 6.43-6.47 (m,1H), 4.71-4.86 (m,5H), 4.07-4.27 (m,3H), 3.14-3.33 (m,2H), 2.37-2.49 (m,2H), 2.02-2.26 (m,2H), 1.85-1.94 (m,6H), 1.25-1.42 (m,3H), 0.77-0.84 (m,3H). MS: (ES) C3737752S [M+H]+ 748.3に対して計算されたm/z, 実測値748.2.
【0193】
実施例3: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリミジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)ホスホン酸の合成
【0194】
【化20】
【0195】
工程a: THF(10 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(230 mg、0.4 mmol)の撹拌溶液に、N2下で-70℃でTHF(0.6 mL、0.6 mmol)中の1M LiHMDS溶液を追加した。-70℃での15分間の撹拌後、ジエチルホスホロクロリダート(0.1 mL、0.8 mmol)を添加した。得られた混合物を1時間かけて室温に温めた。反応完了後、混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中5~25%のEtOAc)で精製して、ジエチル(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)ホスホン酸塩を得た。MS: (ES) C3438464P [M+H]+ 701.3に対して計算されたm/z, 実測値701.3.
【0196】
工程b: ジクロロメタン(6 mL)中のジエチル(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)ホスホン酸塩(75 mg、0.11 mmol)の溶液に、0℃でTMSBr(0.2 mL、1.5 mmol)を添加した。得られた混合物を1時間かけて室温に温め、次に40℃で一晩撹拌した。反応の完了後、反応混合物を真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)ホスホン酸を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58(s,2H), 7.68(dd, J=2.5, 3.5 Hz,1H), 7.32 (t, J=7.7 Hz,1H), 7.16(br,2H), 6.49-6.57 (m,2H), 4.82-4.90 (m,4H), 4.39(s,2H), 3.99(s,3H), 2.98(t, J=5.9 Hz,2H), 2.05-2.42(m,4H), 0.78-1.25(m,6H). MS: (ES) C3030464P [M+H]+ 645.2に対して計算されたm/z, 実測値645.4.
【0197】
実施例4: (ホスホノオキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0198】
【化21】
【0199】
工程a: DMF中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(570 mg、1.0 mmol)にNaH(60%、60 mg、1.5 mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、続いてジベンジルオキシホスホリルオキシメチルカルボノクロリダート(526 mg、1.42 mmol)を添加した。得られた混合物を撹拌し、30分間かけて室温に温めた。反応完了後、混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10~100%のEtOAc)で精製して、((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C4644467P [M+H]+ 899.3に対して計算されたm/z, 実測値899.3.
【0200】
工程b: 酢酸エチル(45 mL)中の((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(120 mg、0.13 mmol)も10%Pd/C(200 mg)を添加し、50 psi下で20分間水素化した。反応混合物をセライトを通じて濾過し、1:1EtOAc/MeOH(15 mL)でリンスし、乾燥(dryness)まで濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製し、(ホスホノオキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58(s,2H), 7.87(d, J=3.9 Hz,1H), 7.33 (t,J=7.6 Hz,1H), 7.16(br s,2H), 6.59-6.64(m,2H), 5.87(d,J=14.4 Hz,2H), 4.74-4.86(m,4H), 4.39(s,2H), 3.97(s,3H), 2.98(t,J=5.7 Hz,2H), 2.05-2.42(m,4H), 0.76-1.28(m,6H). MS: (ES) C3232467P [M+H]+ 719.2に対して計算されたm/z, 実測値719.2.
【0201】
実施例5: (E)-4-(((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)オキシ)メトキシ)-4-オキソブト-2-エン酸の合成
【0202】
【化22】
【0203】
工程a: -78℃のTHF(10 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(280 mg、0.5 mmol)にTHF中の1 M LiHMDS溶液(0.8 mL、0.8 mmol)を添加した。混合物を-78℃で15分間撹拌し、続いてクロロメチルカルボノクロリダート(80 μL、0.9 mmol)を添加した。得られた混合物を撹拌し、30分間かけて室温に温めた。反応完了後、混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮し、クロロメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得て、次の工程で直接使用した。MS: (ES) C3230ClF463 [M+H]+ 657.2に対して計算されたm/z, 実測値657.2.
【0204】
工程a: NaI(350 mg、2.33 mmol)をアセトン(10 mL)中のクロロメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(300 mg、0.46 mmol)の撹拌溶液に室温で添加した。得られた混合物を45℃で一晩撹拌した。反応完了後、混合物をブラインでクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中5~25%のEtOAc)で精製して、ヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C32304IN63 [M+H]+ 749.1に対して計算されたm/z, 実測値749.2.
【0205】
工程c: 0℃のTHF(5 mL)中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(50 mg、0.07 mmol)に、DMF(1 mL)中のフマル酸テトラブチルアンモニウム塩(25 mg、0.07 mmol)を添加した。得られた混合物を1時間かけて室温に温めた。反応完了後、混合物を真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(E)-4-(((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)オキシ)メトキシ)-4-オキソブト-2-エン酸を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58(s,2H), 7.87(d, J=3.9 Hz,1H), 7.33(t, J=7.6 Hz, 1H), 7.16(br s,2H), 6.59-6.64(m,2H), 5.87(d, J=14.4 Hz,2H), 4.74-4.86(m,4H), 4.39(s,2H), 3.97(s,3H), 2.98(t,J=5.7 Hz,2H), 2.05-2.42(m,4H), 0.76-1.28(m,6H). MS: (ES) C3633467 [M+H]+ 737.2に対して計算されたm/z, 実測値737.2.
【0206】
実施例6: ((ジメチルグリシル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0207】
【化23】
【0208】
0℃のMeCN(5 mL)中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(40 mg、0.06 mmol)の溶液に、DMF(1 mL)中のテトラブチルアンモニウムジメチルグリシン酸塩(20 mg、0.06 mmol)を添加した。得られた混合物を1時間かけて室温に温めた。反応完了後、混合物を1 N HCl(0.1 mL、0.1 mmol)でクエンチし、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、((ジメチルグリシル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートをTFA塩として得た。1H NMR (400 MHz,CD3OD) δ 8.59(s, 2H), 7.92(d, J=3.9 Hz,1H), 7.34(t,J=7.6 Hz, 1H), 7.17(br s,2H), 6.63-6.74(m,2H), 5.83(s,2H), 4.81-4.88(br s,1H), 4.46(s,2H), 4.39(s,2H), 3.97(s, 3H), 3.45(s,5H), 2.95-3.03(m,5H), 2.05-2.42(m,4H), 0.76-1.28(m,6H). MS: (ES) C3638475 [M+H]+ 724.2に対して計算されたm/z, 実測値724.2.
【0209】
実施例7: ((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)ホスホロアミド酸の合成
【0210】
【化24】
【0211】
工程a: -50℃のTHF(6 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(100 mg、0.16 mmol)に、ホスホロイソシアンアチジン酸ジクロリド(0.04 mL、0.41 mmol)を添加した。混合物を1時間かけて室温に温め、次に真空中で濃縮した。残留物をヘキサンで摩砕して、((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)ホスホロアミド酸ジクロリドを得て、次の工程で直接使用した。
【0212】
工程b: 室温のTHF(6 mL)中の上記((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)ホスホロアミド酸ジクロリド(~0.16 mmol)の溶液に、水(3 mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて1N NaOH(0.5 mL、0.5 mmol)を添加した。混合物を再び2時間撹拌した。反応完了後、混合物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)ホスホロアミド酸を得た。1H NMR (400 MHz,DMSO-d6) δ 9.60(br,1H), 8.29(s,1H), 8.16(d, J=8.2 Hz,2H), 7.92-8.08(m,2H), 7.38(d, J=7.9 Hz,1H), 7.21(d,J=7.7 Hz,2H), 6.45(dd, J=6.7,11.9 Hz,1H), 4.13(s,2H), 3.64(s,2H), 3,24-3.48(br,2H), 2.16(q, J=7.6 Hz,4H), 1.42(s,6H), 0.95(t, J=7.6 Hz,6H). MS: (ES) C3333854P [M+H]+ 746.2に対して計算されたm/z, 実測値746.2.
【0213】
実施例8: ((3,3-ジメチル-5-(ホスホノオキシ)ペンタノイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0214】
【化25】
【0215】
工程a: THF(140 mL)中の4,4-ジメチルジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン(5 g、35 mmol)を含むフラスコにTHF中の1 MのLiAlH4溶液(35 mL、35 mmol)を滴下した。混合物を75℃で2時間加熱した。反応完了後、該反応をH2Oでクエンチし、混合物を濾過した。濾液を濃縮し、3,3-ジメチルペンタン-1,5-ジオールを得た。
【0216】
THF(15.6 mL)中の3,3-ジメチルペンタン-1,5-ジオール(1 g、7.6 mmol)溶液にtBuOKの1 M溶液(8.3 mL、8.3 mmol)を滴下し、続いて二リン酸テトラベンジル(tetrabenzyldiphosphate;4.2 g、7.8 mmol)を滴下した。70℃で16時間加熱した後、混合物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、ジベンジル(5-ヒドロキシ-3,3-ジメチルペンチル)リン酸塩を得た。MS: (ES) C21295P [M+H]+ 393.2に対して計算されたm/z, 実測値393.1.
【0217】
DMF(10 mL)中のジベンジル(5-ヒドロキシ-3,3-ジメチルペンチル)リン酸塩溶液に、ピリジニウムジクロマート(2.3 g、6 mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次に濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製した。精製した残留物を10 mLのtBuOHおよびH2Oの1:1溶液に溶解した。該溶液にNaH2PO4(0.61 g、5 mmol)、続いて亜塩素酸ナトリウム(0.46 g、5 mmol)、および2-メチル-2-ブテンの2 M溶液(5 mL、10 mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応完了後、混合物を真空中で濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、5-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3,3-ジメチルペンタン酸を提供した。MS: (ES) C21276P [M+H]+ 407.2に対して計算されたm/z, 実測値407.1.
【0218】
0.2 mLのDMF中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(70 mg、0.09 mmol)に5-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3,3-ジメチルペンタン酸(54 mg、0.13 mmol)、続いてEt3N(0.02 mL、0.14 mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、その後真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(((5-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3,3-ジメチルペンタノイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを生成した。
【0219】
工程b: MeOH(1 mL)中の(((5-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3,3-ジメチルペンタノイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(50 mg、0.05 mmol)に10%Pd/C(6 mg、0.005 mmol)を添加した。混合物をH2バル-ン下で1時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して((3,3-ジメチル-5-(ホスホノオキシ)ペンタノイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.54(s,2H), 7.63(d, J=3.9 Hz,1H), 7.28(t, J=7.7 Hz,1H), 7.08(d, J=7.6 Hz,2H), 6.59(d, J=12.1 Hz,1H), 6.47(d, J=3.8 Hz,1H), 6.02(s,2H), 5.60(br s, 2H), 4.76(bs,2H), 4.38(t, J = 5.9 Hz,2H), 4.03(dd, J=14.1, 7.1 Hz,2H), 3.99(s,3H), 3.10(t, J=3.1 Hz, 2H), 2.35(s,2H), 2.20(br s,4H), 1.74(t, J=7.0 Hz,2H), 1.05(br s,12H). MS: (ES) C3943FN69P [M+H]+ 847.3に対して計算されたm/z, 実測値847.2.
【0220】
実施例9: (3-フルオロ-4-ホスホノオキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル]カルバマートの合成
【0221】
【化26】
【0222】
工程a: ジクロロメタン(36 mL)中の3-フルオロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5 g、35.7 mmol)にEt3N(7.5 mL、53.8 mmol)、続いてクロロリン酸ジエチル(diethylchlorophosphate;5.7 mL、39.4 mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次にH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチル(2-フルオロ-4-ホルミルフェニル)リン酸塩を得た。MS: (ES) C1114FO5P [M+H]+ 277.1に対して計算されたm/z, 実測値277.0.
【0223】
-78℃のTHF(32.5 mL)中のジエチル(2-フルオロ-4-ホルミルフェニル)リン酸塩(8.99 g、32.5 mmol)の溶液に、NaBH4(3.6 g、97,3 mmol)を添加した。-78℃で1時間撹拌した後、該反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中85~100%のEtOAc)によって精製し、ジエチル(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)リン酸塩を生成した。MS: (ES) C1116FO5P [M+H]+ 279.1に対して計算されたm/z, 実測値279.0.
【0224】
0℃のTHF(8.7 mL)中のジエチル(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)リン酸塩(1 g、3.6 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.76 mL、4.4 mmol)およびトリホスゲン(0.53 g、1.8 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、NH4OH(1.6 mL、41 mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次に真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-フルオロベンジルカルバマートを提供した。MS: (ES) C1217FNO6P [M+H]+ 322.1に対して計算されたm/z, 実測値322.0.
【0225】
0℃のジクロロメタン(4.8 mL)中の4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-フルオロベンジルカルバマート(155 mg、0.48 mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.06 mL、0.71 mmol)を添加した。混合物を40℃で16時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物をTHF(2 mL)に溶解し、THF(2 mL9中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(100 mg、0.16 mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-ジエトキシホスホリルオキシ-3-フルオロフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。MS: (ES) C4545957P [M+H]+ 970.3に対して計算されたm/z, 実測値970.0.
【0226】
工程b: ジクロロメタン(1 mL)中の(4-ジエトキシホスホリルオキシ-3-フルオロフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマート(77 mg、0.08 mmol)の溶液に、TMSbr(0.13 mL、0.10 mmol)を滴下した。混合物を室温で16時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(3-フルオロ-4-ホスホノオキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル]カルバマートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.22(d, J=8.2 Hz,1H), 8.15(s, 1H), 8.08-8.15(m,2H), 7.46(dd, J=7.6, 7.9 Hz,1H), 7.38(dd, J=8.2, 8.2 Hz,1H), 7.28(d,J=7.6 Hz,2H), 7.17(d, J=11.0 Hz,1H), 7.10(d,J=8.6 Hz,1H), 6.42(dd, J=6.5, 11.5 Hz,1H), 5.14(s,2H), 4.77(s,2H), 4.57(s,2H), 3.34(s,2H), 2.24(q, J=7.7 Hz,4H), 1.89(s,6H), 1.05 (t, J=7.2 Hz,6H). MS: (ES) C4137957P [M+H]+ 914.2に対して計算されたm/z, 実測値914.1.
【0227】
実施例10: 3-ニトロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0228】
【化27】
【0229】
工程a: ジクロロメタン(6 mL)中の4-ヒドロキシ-3-ニトロベンズアルデヒド(1 g、6.0 mmol)の溶液に、Et3N(1.25 mL、9.0 mmol)およびクロロリン酸ジエチル(diethylchlorophosphate;0.95 mL、6.6 mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次にH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、ジエチル(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)リン酸塩を得た。MS: (ES) C11H14NO7P [M + H]+ 304.1に対して計算されたm/z, 実測値304.0.
【0230】
-78℃のTHF(4.5 mL)中のジエチル(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)リン酸塩(1.36 g、4.5 mmol)にNaBH4(500 mg、13.5 mmol)を添加した。-78℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、ジエチル(4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェニル)リン酸を提供した。MS: (ES) C11H16NO7P [M + H]+ 306.1に対して計算されたm/z, 実測値306.0.
【0231】
0℃のTHF(1.6 mL)中のジエチル(4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェニル)リン酸(100 mg、0.33 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.07 mL,0.40 mmol)およびトリホスゲン(50 mg、0.17 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製クロロホルマート中間体を得た。
【0232】
0℃のTHF(1 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(93 mg、0.16 mmol)の溶液に、NaH(13 mg、0.32 mmol)を添加した。0℃で30分間撹拌した後、THF(0.5 mL)中の粗製クロロホルマート(上記で調製)の溶液を混合物に添加した。溶液を室温で16時間撹拌した。反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-ニトロベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを生成した。
【0233】
工程b: ジクロロメタン(1.4 mL)中の4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-ニトロベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(128 mg、0.14 mmol)にTMSBr(0.11 mL、0.86 mmol)を滴下した。室温で5時間撹拌した後、追加の量のTMSBr(0.11 mL、0.86 mmol)を混合物に添加した。混合物を室温で16時間撹拌した後、真空中で濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、3-ニトロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.68(s,2H), 8.12(dd, J=0.9, 2.3 Hz,1H), 7.85(d, J=3.8 Hz,1H), 7.85(dd, J = 2.2, 8.6 Hz,1H), 7.60(dd, J=1.1, 8.5 Hz, 1H), 7.29(t, J=7.6 Hz,1H), 7.12(br s,2H), 6.62(d, J=3.8 Hz,1H), 6.55(d, J=12.4 Hz,1H), 5.48(s,2H), 4.76(s,2H), 4.30(br s,2H), 3.83(d, J=1.2 Hz,3H), 2.91(t, J=6.0 Hz,2H), 2.16(br s,4H), 2.04(s,2H), 0.91(br s,6H). MS: (ES) C3834FN79P [M+H]+ 840.2に対して計算されたm/z, 実測値840.0.
【0234】
実施例11: 3-フルオロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0235】
【化28】
【0236】
工程a: THF(32 mL)中の3-フルオロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1 g、7.1 mmol)に、THF中のtBuOKの1Mの溶液(7.6 mL、7.6 mmol)を添加した。混合物を70℃で加熱し、リン酸テトラベンジル(tetrabenzylphosphate;4.0 g、7.4 mmol)を添加した。70℃で1時間加熱した後、ヘキサンを混合物に添加して、内容物を濾過した。濾液を真空中で濃縮して、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、ジベンジル(2-フルオロ-4-ホルミルフェニル)リン酸塩を生成した。MS: (ES) C2118FO5P [M+H]+ 401.1に対して計算されたm/z, 実測値401.1.
【0237】
-78℃のTHF(6.7 mL)中のジベンジル(2-フルオロ-4-ホルミルフェニル)リン酸塩の溶液にNaBH4(0.76 g、20.5 mmol)を添加した。-78℃で1時間撹拌した後、混合物をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラム(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、ジベンジル(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)リン酸塩を提供した。MS: (ES) C2120FO5P [M+H]+ 403.1に対して計算されたm/z, 実測値403.0.
【0238】
0℃のTHF(2.4 mL)中のジベンジル(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)リン酸塩(200 mg、0.50 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.1 mL、0.57 mmol)およびトリホスゲン(72 mg、0.24 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗クロロホルマート中間体を得た。
【0239】
0℃のTHF(1.2 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(70 mg、0.12 mmol)の溶液にNaH(10 mg、0.24 mmol)を添加した。0℃で30分間撹拌した後、THF(1.2 mL)中の粗クロロホルマート中間体(上記で調製)の溶液を混合物に添加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、次にH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-フルオロベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを生成した。
【0240】
工程b: MeOH(1 mL)中の4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-フルオロベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(100 mg、0.10 mmol)の溶液に、10%Pd/C(10 mg、0.01 mmol)を添加した。混合物をH2バル-ン下で1時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、3-フルオロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.68(s,2H), 7.84(s,1H), 7.52-7.38(m,2H), 7.37-7.25(m,2H), 7.11(br s,2H), 6.62(s,1H), 6.54(d, J=12.3 Hz,1H), 5.40(s,2H), 4.76(s,2H), 4.30(s,2H), 3.83(s,3H), 2.90(bs,2H), 2.16(br s,4H), 2.04 (br s,2H), 0.90(br s,6H). MS: (ES) C3834567P [M+H]+ 813.2に対して計算されたm/z, 実測値813.2.
【0241】
実施例12: (2-(4-(ホスホノオキシ)フェニル)アセトキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0242】
【化29】
【0243】
工程a: THF(11 mL)中の2-(4-ヒドロキシフェニル)酢酸エチル(1 g、5.6 mmol)を含むフラスコにTHF中のtBuOKの1 M溶液(5.9 mL、5.9 mmol)および二リン酸テトラベンジル(tetrabenzyldiphosphate;3 g、5.6 mmol)を滴下した。混合物を70℃で2時間加熱した。追加量の1.0 M tBuOK(1.2 mL、1.2 mmol)および二リン酸テトラベンジル(tetrabenzyldiphosphate;0.6 g、1.1 mmol)を添加した。混合物をさらに3時間加熱した。反応完了後、ヘキサンを添加し、内容物を濾過した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、2-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)フェニル)酢酸エチルを得た。MS: (ES) C24256P [M+H]+ 441.1に対して計算されたm/z, 実測値441.1.
【0244】
THF(9 mL)中の2-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)フェニル)酢酸エチル(1.54 g、3.5 mmol)の溶液に、H2O(9 mL)中のLiOH(0.32 g、7.6 mmol)の溶液を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。反応を1 NのHClでクエンチした。水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、2-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)フェニル)酢酸を得た。MS: (ES) C22216P [M+H]+ 413.1に対して計算されたm/z, 実測値413.1.
【0245】
DMF(0.5 mL)中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(100 mg、13 mmol)の溶液に、2-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)フェニル)酢酸(82 mg、20 mmol)およびトリエチルアミン(0.03 mL、0.20 mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(2-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)フェニル)アセトキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを提供した。
【0246】
工程b: MeOH(1 mL)中の(2-(4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)フェニル)アセトキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(66 mg、0.06 mmol)の溶液に、10%Pd/C(7 mg、0.006 mmol)を添加した。混合物をH2バル-ン下で1時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、(2-(4-(ホスホノオキシ)フェニル)アセトキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.47(s,2H), 7.38(d, J=3.8 Hz,1H), 7.22-7.26(m,2H), 7.10(d, J=7.7 Hz,2H), 7.01-7.06(m,4H), 6.57(d, J=12.1 Hz,1H), 6.45(d, J=3.8 Hz,1H), 5.97(s,2H), 5.02(br s,2H), 4.77(s,2H), 4.36(br s,2H), 3.95(s,3H), 3.60(s,2H), 3.07(br s, 2H), 2.05-2.35(m,4H),0.99 (br s,6H). MS: (ES) C4037469P [M+H]+ 853.2に対して計算されたm/z, 実測値853.0.
【0247】
実施例:13 (4-ホスホノオキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートの合成
【0248】
【化30】
【0249】
工程a: ジクロロメタン(10 mL)中の4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(1 g、0.53 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.1 mL、0.79 mmol)、続いてクロロリン酸ジエチル(diethylchlorophosphate;0.84 mL、0.58 mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-ホルミル-2-(トリフルオロメチル)フェニル)リン酸ジエチルを得た。MS: (ES) C121435P [M+H]+ 327.1に対して計算されたm/z, 実測値327.0.
【0250】
THF(4.5 mL)中の(4-ホルミル-2-(トリフルオロメチル)フェニル)リン酸ジエチル(1.43 g、4.4 mmol)の溶液にNaBH4(0.49 g、13.2 mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。反応完了後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中85~100%のEtOAc)によって精製し、(4-(ヒドロキシメチル)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)リン酸ジエチルを生成した。MS: (ES) C121635P [M+H]+ 329.1に対して計算されたm/z, 実測値329.1.
【0251】
0℃のTHF(4.4 mL)中の(4-(ヒドロキシメチル)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)リン酸ジエチル(0.6 g、1.8 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.39 mL、2.2 mmol)およびトリホスゲン(0.27 mL、0.9 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、NH4OH(0.8 mL、21 mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次に真空中で濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバマートを提供した。MS: (ES) C13173NO6P [M+H]+ 372.1に対して計算されたm/z, 実測値372.0.
【0252】
0℃のジクロロメタン(2 mL)中の4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバマート(240 mg、0.65 mmol)の溶液に塩化オキサリル(0.09 mL、1.0 mmol)を添加した。混合物を40℃で16時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物を2 mLのTHFに溶解し、THF(4 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(200 mg、0.32 mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-ジエトキシホスホリルオキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。
【0253】
工程b: ジクロロメタン(1.7 mL)中の4-ジエトキシホスホリルオキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマート(176 mg、0.17 mmol)の溶液に、TMSBr(0.29 mL、2 mmol)を滴下した。混合物を室温で16時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)によって精製して、(4-ホスホノオキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ: 10.80(s,1H), 10.11(s,1H), 8.15(s,1H), 7.90-8.15(m,3H), 7.73(bs,1H), 7.63-7.69(m,1H),7.54-7.61(m,1H), 7.35-7.42(m,1H), 7.18-7.24(m,2H), 6.49-6.58(m,1H), 5.19(s,2H), 4.13(s,2H), 3.65(s,2H), 2.07-2.23(m,4H), 1.30-1.40(m,6H), 0.88-1.03(m,6H). MS: (ES) C42371157P [M+H]+ 964.2に対して計算されたm/z, 実測値964.0.
【0254】
実施例14: (3-ニトロ-4-ホスホノオキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートの合成
【0255】
【化31】
【0256】
工程a: ジクロロメタン(6 mL)中の4-ヒドロキシ-3-ニトロベンズアルデヒド(1 g、6.0 mmol)の溶液に、Et3N(1.25 mL、9.0 mmol)およびクロロリン酸ジエチル(0.95 mL、6.6 mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次にH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)リン酸ジエチルを得た。MS: (ES) C11H14NO7P [M + H]+ 304.1に対して計算されたm/z, 実測値304.0.
【0257】
-78℃のTHF(4.5 mL)中の(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)リン酸ジエチル(1.36 g、4.5 mmol)の溶液にNaBH4(500 mg、13.5 mmol)を添加した。-78℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェニル)リン酸ジエチルを提供した。MS: (ES) C11H16NO7P [M + H]+ 306.1に対して計算されたm/z, 実測値306.1.
【0258】
0℃でTHF(1.6 mL)中の4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェニル)リン酸ジエチル(200 mg、0.66 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.14 mL、0.80 mmol)およびトリホスゲン(100 mg、0.34 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、NH4OH(0.32 mL、8.2 mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次に真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-ニトロベンジルカルバマートを提供した。MS: (ES) C12H17N2O8P [M + H]+ 349.1に対して計算されたm/z, 実測値349.0.
【0259】
0℃のジクロロメタン(11.5 mL)中の4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)-3-(トリフルオロメチル)ベンジルカルバマート(0.4 g、1.2 mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.15 mL、1.8 mmol)を添加した。混合物を40℃で16時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物をTHF(1 mL)中に溶解し、4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(200 mg、0.32 mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-ジエトキシホスホリルオキシ-3-ニトロフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。
【0260】
工程b: ジクロロメタン(1 mL)中の(4-ジエトキシホスホリルオキシ-3-ニトロフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマート(100 mg、0.10 mmol)の溶液に、TMSBr(0.09 mL、0.6 mmol)を滴下した。室温で3時間撹拌した後、追加量のTMSBr(0.09 mL、0.6 mmol)を混合物に添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、真空中で濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)によって精製して、(3-ニトロ-4-ホスホノオキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 8.25(d, J=8.0 Hz,1H), 8.16(s,2H), 8.01-8.12(m,1H), 7.82(s,1H), 7.54(s,2H), 7.46(t,J=7.7 Hz,1H), 7.28(d, J=7.8 Hz,2H), 6.38(dd, J=7.6,11.2 Hz,1H), 5.20(s,2H), 4.81(s,2H), 4.66(s,2H), 2.25(q, J=7.7 Hz,4H), 1.92(s,6H), 1.05(t, J=7.7 Hz,6H). MS: (ES) C4137869P [M+H]+ 941.2に対して計算されたm/z, 実測値941.1
【0261】
実施例15: リン酸二水素2-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)-5-フルオロベンジルの合成
【0262】
【化32】
【0263】
工程a: 5-フルオロイソベンゾフラン-1(3H)-オン(50 mg、0.33 mmol)、ホウ酸(2 mg、0.03 mmol)、および塩化トリエチルベンジルアンモニウム(6 mg、0.03 mmol)を110℃で加熱した。混合物に塩化チオニル(0.05 mL、0.69 mmol)を添加した。110℃で16時間撹拌した後、内容物を濃縮して、塩化2-(クロロメチル)-4-フルオロベンジルを得た。
【0264】
-78℃のTHF(0.5 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(46 mg、0.08 mmol)の溶液に、THF(0.12 mL,0.12 mmol)中のLHMDSの1 Mの溶液を添加した。混合物を-78℃で30分間撹拌し、0℃に温め、15分間撹拌し、次に-78℃に再び冷却した。THF(0.5 mL)中の塩化2-(クロロメチル)-4-フルオロベンジル(0.33 mmol)を混合物に滴下した。室温で16時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(2-(クロロメチル)-4-フルオロフェニル)(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メタノンを得た。MS: (ES) C3832ClF562 [M+H]+ 735.2に対して計算されたm/z, 実測値735.1.
【0265】
工程b: アセトン(1 mL)中の(2-(クロロメチル)-4-フルオロフェニル)(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メタノン(48 mg、0.065 mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(32 mg、0.21 mmol)を添加した。混合物を70℃で1時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)フェニル)メタノンを生成した。MS: (ES) C38325IN62 [M+H]+ 827.2に対して計算されたm/z, 実測値827.0.
【0266】
工程c: トルエン(1 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)(4-フルオロ-2-(ヨードメチル)フェニル)メタノン(26 mg、0.031 mmol)にリン酸銀ジベンジル(silver dibenzylphosphate;24 mg、0.062 mmol)を添加した。混合物を110℃で16時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(2-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)-5-フルオロベンジル)リン酸ジベンジルを提供した。
【0267】
工程d: MeOH(1 mL)中の(2-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)-5-フルオロベンジル)リン酸ジベンジル(17 mg、0.017 mmol)の溶液に、10%Pd/C(2 mg)を添加した。混合物をH2バル-ン下で1時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、(2-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)-5-フルオロベンジル二水素リン酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58(s,2H), 7.60(d, J=10.0 Hz,1H), 7.49(br s,2H), 7.33(t, J=7.6 Hz,1H), 7.11-7.24(m,3H), 6.65(s,1H), 6.59(d, J=13.0 Hz, 1H), 5.35(d, J=7.3 Hz,2H), 4.87(s,2H), 4.38(s,2H), 3.75(s,3H), 2.98(s,2H), 2.25(br s,4H), 1.02(br s,6H). MS: (ES) C3834566P [M+H]+ 797.2に対して計算されたm/z, 実測値797.1.
【0268】
実施例16: ジメチルグリシン酸(2-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)ベンジルの合成
【0269】
【化33】
【0270】
工程a: -78℃のTHF(8.8 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(500 mg、0.9 mmol)にTHF中のLHMDSの1 M溶液(0.98 mL、0.98 mmol)を添加した。-78℃で30分間撹拌した後、塩化2-(クロロメチル)ベンゾイル(0.25 mL、1.78 mmol)を混合物に添加した。室温で16時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(2-(クロロメチル)フェニル)(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メタノンを得た。MS: (ES) C3833ClF462 [M+H]+ 717.2に対して計算されたm/z, 実測値717.0.
【0271】
工程b: アセトン(2.2 mL)中の(2-(クロロメチル)フェニル)(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メタノン(156 mg、0.22 mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(129 mg、0.9 mmol)を添加した。70℃で1時間加熱した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)(2-(ヨードメチル)フェニル)メタノンを生成した。
【0272】
工程c: 0℃のDMF(1 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)(2-(ヨードメチル)フェニル)メタノン(76 mg、0.094 mmol)の溶液に、Cs2CO3(31 mg、0.1 mmol)およびジメチルグリシン(10 mg、0.1 mmol)を添加した。室温で16時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、ジメチルグリシン酸2-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボニル)ベンジルを提供した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.54 (s, 2H), 7.65-7.81 (m, 4H), 7.31 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.11 (br s, 2H), 6.64 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 4.37 (s, 2H), 4.14 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.32 (s, 6H), 3.09 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.08 (br s, 4H), 1.04 (br s, 6H). MS: (ES) C42H41F4N7O4 [M + H]+ 784.3に対して計算されたm/z, 実測値784.2.
【0273】
実施例17: 3-クロロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0274】
【化34】
【0275】
工程a: MeOH(100mL)中の3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸(5 g、29 mmol)を含むフラスコに、塩化チオニル(7.4 mL、102 mmol)を滴下した。混合物を60℃で1時間加熱し、次に真空中で濃縮した。粗残留物をTHF(100 mL)中に溶解した。該溶液にLiAlH4(4.4 g、110 mmol)を添加した。65℃で1時間加熱した後、反応を1 NのHClでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、2-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)フェノールを得た。
【0276】
ジオキサン(25 mL)中の2-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)フェノール(2 g、12.7 mmol)の溶液に、DDQ(2.87 g、12.7 mmol)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、次に濾過した。濾液をH2Oで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒドを得た。MS: (ES) C75ClO2 [M+H]+ 157.0に対して計算されたm/z, 実測値157.0.
【0277】
THF(14.6 mL)中の3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.4 g、9.0 mmol)を含むフラスコに、THF中のtBuOKの1.0 M溶液(9.5 mL、9.5 mmol)および二リン酸テトラベンジル(tetrabenzyldiphosphate;4.8 g、8.9 mmol)を滴下した。混合物を70℃で2時間加熱した。反応完了後、ヘキサンを添加し、内容物を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル(2-クロロ-4-ホルミルフェニル)を得た。MS: (ES) C2118ClO5P [M+H]+ 417.1に対して計算されたm/z, 実測値417.0.
【0278】
-78℃のTHF(6.6 mL)中のリン酸ジベンジル(2-クロロ-4-ホルミルフェニル)(2.75 g、6.6 mmol)の溶液に、NaBH4(0.73 g、19.7 mmol)を添加した。-78℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル(2-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)を生成した。MS: (ES) C2120ClO5P [M+H]+ 419.1に対して計算されたm/z, 実測値419.0.
【0279】
0℃のTHF(3 mL)中のリン酸ジベンジル(2-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)(250 mg、0.6 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.12 mL、0.69 mmol)およびトリホスゲン(92 mg、0.3 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗クロロホルマートを得た。
【0280】
0℃のTHF(1.5 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(187 mg、0.30 mmol)の溶液に、NaH(24 mg、0.60 mmol)を添加した。0℃で30分間撹拌した後、THF(1.5 mL)中の粗クロロホルマート(上記で調製)の溶液を混合物に添加した。0℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-クロロベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを生成した。
【0281】
工程b: MeOH(4 mL)中の4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-クロロベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(298 mg、0.28 mmol)の溶液に10%Pd/C(30 mg、0.03 mmol)を添加した。混合物をH2バル-ン下で1時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、3-クロロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.12 (s, 1H), 8.04-8.12(m,2H), 7.83(s, 1H), 7.55(s,1H), 7.51(d, J=8.4 Hz,1H),7.33-7.37(m,2H), 7.17(d,J=7.9 Hz,2H), 6.82(dd, J=10.2,10.2 Hz,1H), 6.67(br s,2H), 5.36(s,2H), 4.77(s,2H), 4.50(s,2H), 2.16-2.29(m,4H), 1.93(br s,6H), 0.99(br s,6H). MS: (ES) C4237ClF746P [M+H]+ 893.2に対して計算されたm/z, 実測値893.1.
【0282】
実施例18: 3-フルオロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0283】
【化35】
【0284】
工程a: THF(32 mL)中の3-フルオロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(1 g、7.1 mmol)を含むフラスコに、THF中のtBuOKの1.0 Mの溶液(7.6 mL、7.6 mmol)および二リン酸テトラベンジル(tetrabenzyldiphosphate;4.0 g、7.4 mmol)を滴下した。混合物を70℃で1時間加熱した。反応完了後、ヘキサンを添加し、内容物を濾過した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル(2-フルオロ-4-ホルミルフェニル)を得た。MS: (ES) C2118FO5P [M+H]+ 401.1に対して計算されたm/z, 実測値401.1.
【0285】
-78℃のTHF(6.7 mL)中のリン酸ジベンジル(2-フルオロ-4-ホルミルフェニル)の溶液に、NaBH4(0.76 g、20.5 mmol)を添加した。-78℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)を生成した。MS: (ES) C2120FO5P [M+H]+ 403.1に対して計算されたm/z, 実測値403.0.
【0286】
0℃のTHF(3 mL)中のリン酸ジベンジル(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)(250 mg、0.62 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.12 mL、0.69 mmol)およびトリホスゲン(92 mg、0.3 mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗クロロホルマートを得た。
【0287】
0℃のTHF(1.5 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(195 mg、0.31 mmol)の溶液に、NaH(24 mg、0.60 mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、THF(1.5 mL)中の粗クロロホルマート(上記で調製)の溶液を混合物に添加した。室温で16時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-フルオロベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを生成した。
【0288】
工程b: EtOAc(1.5 mL)中の4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-3-フルオロベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(307 mg、0.29 mmol)の溶液に10%Pd/C(30 mg、0.03 mmol)を添加した。混合物をH2バル-ン下で3時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、3-フルオロ-4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 8.13(s,1H), 8.05-8.11(m,2H), 7.83(m,1H), 7.44(dd,J=8.4,8.4 Hz,1H), 7.30-7.37(m,2H), 7.23(d,J=8.4 Hz,1H), 7.17(d,J=7.8 Hz,2H), 6.83(dd,J=10.4,10.4 Hz,1H), 6.67(br s,2H), 5.38(s,2H), 4.80(s,2H), 4.54(s,2H), 2.15-2.29(m,4H), 1.96(br s,6H), 0.99(br s,6H). MS: (ES) C4237846P [M+H]+ 877.2に対して計算されたm/z, 実測値877.1.
【0289】
実施例19: 2-((ホスホノオキシ)メチル)フェニル)4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-じめちる-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0290】
【化36】
【0291】
工程a: DMF(82 mL)中の2-ヒドロキシベンズアルデヒド(10 g、82 mmol)を含むフラスコに、イミダゾ-ル(6.1 g、90 mmol)およびTBDMSCl(13.6 g、90 mmol)を添加した。室温で3時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンズアルデヒドを得た。MS: (ES) C13202Si [M+H]+ 237.1に対して計算されたm/z, 実測値237.1.
【0292】
MeOH(126 mL)中の2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンズアルデヒド(16.4 g、69 mmol)の溶液に、NaBH4(2.55 g、67.4 mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。混合物を真空中で濃縮し、次にヘキサンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~10%のEtOAc)によって精製し、(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)メタノールを生成した。
【0293】
THF(42 mL)中の(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)メタノール(1 g、4.2 mmol)を含むフラスコにTHF中の1.0 MのtBuOK溶液(4.6 mL、4.6 mmol)および二リン酸テトラベンジル(tetrabenzyldiphosphate;2.5 g、4.6 mmol)を滴下した。混合物を60℃で1時間加熱した。反応完了後、ヘキサンを添加し、内容物を濾過した。濾液を濃縮し、残留物をさらなる精製をせず使用した。
【0294】
MeCN(42 mL)に溶解した粗残留物の溶液にHF-ピリジン(4.2 mL)を滴下した。室温で1時間撹拌し他後、混合物を真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル(2-ヒドロキシベンジル)を得た。MS: (ES) C21215P [M+H]+ 385.1に対して計算されたm/z, 実測値385.0.
【0295】
THF(4.8 mL)中のリン酸ジベンジル(2-ヒドロキシベンジル)(366 mg、0.95 mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.18 mL、1.0 mmol)およびトリホスゲン(139 mg、0.47 mmol)を添加した。室温で30分間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。
【0296】
THF(4.8 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(300 mg、0.48 mmol)の溶液に、NaH(37 mg、0.97 mmol)を添加した。室温で20分間撹拌した後、THF 1 mL中の粗クロロホルマート(上記で調製)の溶液を混合物に添加した。室温で16時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、2-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)フェニル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを生成した。
【0297】
工程b: EtOAc(2.4 mL)中の2-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)フェニル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(500 mg、0.48 mmol)に10%Pd/C(51 mg)を添加した。混合物をH2バル-ン下で2時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、2-((ホスホノオキシ)メチル)フェニル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 8.12(d, J=8.1 Hz,1H), 7.94-8.06(m,2H), 7.85(s,1H), 7.51(d, J=7.6 Hz,1H), 7.35-7.39(m,1H), 7.28-7.33(m,2H), 7.07-7.20(m,3H), 6.90-6.95(m,1H), 6.60(s,1H), 6.56(dd, J=8.4, 3.7 Hz,1H), 5.42(s,2H), 4.15(br s,2H), 3.59(br s,2H), 2.16(q,J=7.8 Hz,4H), 1.48(br s,6H), 0.90(t,J=7.5 Hz,6H). MS: (ES) C4238746P [M+H]+ 859.2に対して計算されたm/z, 実測値859.2.
【0298】
実施例20: 2-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボニル)ベンジル二水素リン酸塩の合成
【0299】
【化37】
【0300】
工程a: -78℃のTHF(8 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(500 mg、0.80 mmol)にTHF中のKHMDSの0.5 M溶液(2.6 mL、1.3 mmol)を添加した。-78℃で30分間撹拌した後、2-(クロロメチル)ベンゾイル(0.28 mL、1.9 mmol)を混合物に添加した。室温で16時間撹拌した後、反応をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)(2-(クロロメチル)フェニル)メタノンを得た。MS: (ES) C4236ClF74O [M +H]+ 781.3に対して計算されたm/z, 実測値781.0.
【0301】
工程b: アセトン(3.1 mL)中の(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)(2-(クロロメチル)フェニル)メタノン(194 mg、0.25 mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(149 mg、0.99 mmol)を添加した。70℃で2時間加熱した後、反応をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)(2-(ヨードメチル)フェニル)メタノンを生成し、さらなる精製をせずに次の工程で使用した。
【0302】
工程c: トルエン(1 mL)中の粗4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)(2-(ヨードメチル)フェニル)メタノン(0.25 mmol)の溶液に、リン酸銀ジベンジル(silver dibenzylphosphate;190 mg、0.49 mmol)を添加した。混合物を110℃で3時間加熱した後、混合物をセライトを通じて濾過した。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル(2-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボニル)ベンジル)を提供した。
【0303】
工程d: EtOAc(1 mL)中のリン酸ジベンジル(2-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボニル)ベンジル)(96 mg)の溶液に、10%Pd/C(10 mg、0.009 mmol)を添加した。混合物をH2バル-ン下で4時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、2-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボニル)ベンジル二水素リン酸塩を得た。1H NMR (400 MHz,CD3OD) δ: 8.12(s,1H), 8.09(br s,2H), 7.74(d, J=7.7 Hz,1H), 7.67(ddd, J=1.4,7.3,7.3 Hz, 1H), 7.57(dd, J=1.4,7.7 Hz,1H), 7.49(ddd,J=1.4,7.2,7.2 Hz,1H), 7.40(d,J=3.7 Hz,1H), 7.36(d, J=7.7 Hz,1H), 7.20(d, J=7.7 Hz,1H), 6.84(dd, J=8.3,11.3 Hz,1H), 6.72(dd,J=3.8,8.4 Hz,1H), 6.67(dd,J=1.8,3.8 Hz,1H), 5.19(d, J=7.4 Hz,2H), 4.75(s,2H), 4.55(s,2H), 2.26(q,J=7.5 Hz,4H), 1.93(s,6H), 1.03(t,J=7.5 Hz,6H). MS: (ES) C4238745P [M+H]+ 843.3に対して計算されたm/z, 実測値843.2.
【0304】
実施例21: (((4-(ピペラジン-1-イルメチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0305】
【化38】
【0306】
工程a: ジクロロメタン(20 mL)中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(840 mg、1.12 mmol)、4-ホルミル安息香酸(252 mg、1.68 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.74 mL、4.48 mmol)の混合物を50℃で3時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~60%のEtOAc)によって精製し、((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C4035466[M+H]+ 771.2に対して計算されたm/z, 実測値771.2.
【0307】
工程b: 0℃のジクロロメタン(25 mL)中にピペラジン(1.0 g、11.6 mmol)を含む200 mLのフラスコに、酢酸(40 mL)、NaBH(OAc)3(1.5 g、7.0 mmol)、および((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.5 g、0.65 mmol)を順次添加した。混合物を室温に温め、一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、エ-テル中の2 MのHCl溶液(20 mL、40 mmol)を添加した。混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc、続いてCH2Cl2中0~60%のMeOH)によって精製した。純粋な画分を合わせ、0℃に冷却し、エ-テル中の2 MのHCl溶液(10 mL、20 mmol)を添加し、減圧下で濃縮して、((4-ピペラジン-1-イルメチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートのHCl塩を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58(s,2H), 8.21(d, J=8.4 Hz,2H), 7.80(d,J=3.6 Hz,1H), 7.75(d, J=8.0 Hz,2H), 7.33(t, J=7.8 Hz,1H), 7.16(br s,2H), 6.59-6.66(m,2H), 6.30(s,2H), 4.32-4.50(m,4H), 3.96(d, J=1.2 Hz,3H), 3.40-3.60(m,9H), 3.28-3.34(m,3H), 2.98(dd, J=5.8,5.8 Hz,2H), 2.25(br s,4H), 1.00(br s,6H); MS(遊離型): (ES) C4445485[M+H]+ 841.3に対して計算されたm/z, 実測値841.7.
【0308】
実施例22: ((4-(ホスホノオキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0309】
【化39】
【0310】
工程a: -78℃のTHF(30 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(3.0 g、4.76 mmol)にトルエン中の1 MのLiHMDS溶液(7.61 mL、7.61 mmol)を滴下した。混合物を同じ温度でさらに15分間撹拌した。カルボノクロリド酸クロロメチル(0.83 mL、9.52 mmol)を混合物に添加した。得られた混合物を室温に温め、0.5時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~40%のEtOAc)によって精製し、クロロメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C3633ClF742[M+H]+ 721.1に対して計算されたm/z, 実測値721.0.
【0311】
工程b: アセトン(50 mL)中のクロロメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(2.5 g、2.46 mmol)、およびNaI(6.0 g、40.0 mmol)の混合物を45℃で7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~40%のEtOAc)によって精製し、ヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C36337IN42[M+H]+ 813.2に対して計算されたm/z, 実測値813.2.
【0312】
工程c: トルエン(10 mL)中のヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(156 mg、0.19 mmol)、および((4-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)銀(100 mg、0.19 mmol)の混合物を110℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~60%のEtOAc、続いてCH2Cl2中0~30%のEtOAc)によって精製して、((4-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C5853748P[M+H]+ 1097.3に対して計算されたm/z, 親MSの断片のみが検出された。
【0313】
工程d: ((4-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.10 g、0.09 mmol)、TFA(1 mL)、ジクロロメタン(1 mL)、および水(1 mL)の混合物を45℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、((4-((ホスホノオキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートをTFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.01-8.13(m,6H), 7.85(d, J=3.6 Hz,1H), 7.54(d, J=8.4 Hz,2H), 7.35(dd, J=7.8,7.8 Hz,1H), 7.16(d, J=8.0 Hz,2H), 6.81-6.88(m,1H), 6.66-6.71(m,2H), 6.26(s,2H), 5.07(d, J=7.2 Hz,2H), 4.70(br s,2H), 4.40(br s,2H), 3.30(br s,2H), 2.16-2.30(m,4H), 1.88(s,6H), 1.00(t, J=7.6 Hz,6H); MS: (ES) C4441748P[M+H]+ 917.3に対して計算されたm/z, 実測値917.1.
【0314】
実施例23: ((4-(ピペラジン-1-イルメチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)-ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0315】
【化40】
【0316】
工程a: THF(7.5 mL)、MeOH(1 mL)、および水(0.5 mL)中の4-ホルミル安息香酸(0.5 g、3.3 mmol)、およびLiOH一水和物(0.15 g、3.7 mmol)の混合物を室温で15分間撹拌した。混合物にAgNO3(0.65 g、3.8 mmol)を添加した。混合物をさらに15分間撹拌し、減圧下で蒸発乾固し、((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)銀を得た。
【0317】
トルエン(5 mL)中のヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.30 g、0.37 mmol)、および上記((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)銀(0.14 g、0.55 mmol)の混合物を100℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~60%のEtOAc)で精製して、((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C4438745[M+H]+ 835.3に対して計算されたm/z, 実測値835.3.
【0318】
工程c: 0℃のジクロロメタン(4 mL)中のピペラジン(0.150 g、1.74 mmol)を含むバイアルに酢酸(3 mL)、NaBH(OAc)3(0.400 g、1.88 mmol)、および((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.060 g、0.071 mmol)を順次添加した。混合物を室温に温め、一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、エ-テル中の2 MのHCl溶液(2 mL、4 mmol)でクエンチした。混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~100%のMeOH)で精製した。純粋な画分を合わせ、0℃に冷却し、エ-テル中の2 MのHCl溶液(2 mL、4 mmol)を添加し、減圧下で濃縮して、((4-ピペラジン-1-イルメチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートのHCl塩を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.04-8.26(m,6H), 7.74-7.90(m, 3H), 7.35(dd, J=7.2,7.2 Hz,1H), 7.16(d, J=7.2 Hz,2H), 6.80-6.90(m,2H), 6.66-6.74(m,1H), 6.27(s,2H), 4.80-5.00(m,2H), 4.58(s,2H), 4.36(br s,1H), 3.63(br s,10H), 2.23(br s,4H), 2.03(br s,6H), 0.99(t, J=6.4 Hz,6H); MS: (ES) C4848764[M+H]+ 905.3に対して計算されたm/z, 実測値905.3.
【0319】
実施例24: ((4-((ホスホノオキシ)メチルベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0320】
【化41】
【0321】
工程a: トルエン(4 mL)中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.15 g、0.20 mmol)、および((4-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)銀(0.11 g、0.21 mmol)の混合物を110℃で1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~40%のEtOAc)で精製して、((4-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C5450469P[M+H]+ 1033.3に対して計算されたm/z, 親MSの断片のみが検出された。
【0322】
工程b: ((4-(((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.08 g、0.08 mmol)、TFA(1 mL)、ジクロロメタン(1 mL)、および水(1 mL)の混合物を45℃で7時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、((4-((ホスホノオキシ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.55(s,2H), 8.10(d, J=7.6 Hz,2H), 7.78(s,1H), 7.54(d, J=8.0 Hz,2H), 7.32(dd, J=7.2 Hz,1H), 7.15(br s,2H), 6.57-6.64(m,2H), 6.28(s,2H), 5.08(d, J=7.6 Hz,2H), 4.81(br s,2H), 4.36(br s,2H), 3.95(s,3H), 3.25-3.34(m,2H), 2.92-3.00(m,2H), 2.20(br s,4H), 1.00(br s,6H); MS: (ES) C4038469P[M+H]+ 853.2に対して計算されたm/z, 実測値853.0.
【0323】
実施例25: (グリシルオキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0324】
【化42】
【0325】
工程a: ジクロロメタン(3 mL)中のヨードメチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.080 g、0.10 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(0.056 g、0.32 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.088 mL、0.53 mmol)の混合物を45℃で1.5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C3942477[M+H]+ 796.3に対して計算されたm/z, 実測値796.3.
【0326】
工程b: ジクロロメタン(3 mL)中のジオキサン(1.5 mL、6 mmol)中の(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(~0.10 mmol)および4 M HCl溶液の混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc、続いてEtOAc中0~80%のMeOH)で精製した。純粋な画分を合わせ、0℃に冷却し、エ-テル中の2 M HCl溶液(1 mL、2 mmol)を添加し、減圧下で濃縮し、(グリシルオキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートをHCl塩として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.59(s,2H), 7.78-7.83(m,1H), 7.34(dd, J=7.2,7.2 Hz,1H), 7.18(br s,2H), 6.60-6.68(m,2H), 6.17(s,2H), 4.83(br s,2H), 4.39(br s,2H), 4.01(br s,2H), 3.97(s,3H), 2.96-3.03(m,2H), 2.26(br s,4H), 1.96-2.03(m,2H), 1.20-1.26(m,1H), 1.00(br s,6H); MS: (ES) C3434475[M+H]+ 696.2に対して計算されたm/z, 実測値696.2.
【0327】
実施例26: ((L-バリル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0328】
【化43】
【0329】
工程a: ジクロロメタン(3 mL)中の4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.080 g、0.10 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリン(0.07 g、0.32 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.09 mL、0.53 mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。減圧下でロ-タリ-エバポレ-タ-で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~60%のEtOAc)で精製して、(((tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た; MS: (ES) C4248477[M+H]+ 838.4に対して計算されたm/z, 実測値838.8.
【0330】
工程b: ジクロロメタン(0.5 mL)中の(((tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(31 mg、0.037 mmol)およびジオキサン中の4 M HCl溶液(0.5 mL、2 mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2中0~30%のMeOH)で精製した。純粋な画分を合わせ、0℃に冷却し、エ-テル中の4 M HCl溶液(0.5 mL、2 mmol)を添加し、減圧下で濃縮し、((L-バリル)オキシ)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートをHCl塩として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.60(s,2H), 7.81(s,1H), 7.36(dd, J=7.2,7.2 Hz,1H), 7.19(br s,2H), 6.62-6.72(m,2H), 6.24(d, J=5.6 Hz,1H), 6.13(d, J=5.2 Hz,1H), 5.49(s,1H), 4.82(br s,2H), 4.41(br s,2H), 4.10(s,1H), 3.98(s,3H), 3.01(s,2H), 1.80-2.60(m,5H), 0.60-1.40(m,14H); MS: (ES) C3740475[M+H]+ 738.3に対して計算されたm/z, 実測値738.2.
【0331】
実施例27: (グリシルオキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-じめちる-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0332】
【化44】
【0333】
工程a: ジクロロメタン(1 mL)中のヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.06 g、0.07 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(0.04 g、0.18 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.08 mL、0.48 mmol)の混合物を45℃で1.5時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C4345756[M+H]+ 860.3に対して計算されたm/z, 実測値860.3.
【0334】
工程b: ジオキサン(2 mL)中の(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(~0.07 mmol)およびジオキサン中の4 M HCl溶液(1 mL、4 mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(グリシルオキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートをTFA塩として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.37(d, J=7.6 Hz,1H), 7.88-7.94(m,2H), 7.59(d, J=4.0 Hz,1H), 7.20-7.30(m,2H), 7.07(d, J=7.6 Hz,2H), 6.58-6.70(m,3H), 5.96(s,2H), 4.50-4.70(m,2H), 4.30(br s,2H), 3.79(s,2H), 2.19(br s,4H), 1.83-2.03(m,8H), 0.98(t, J=7.2 Hz,6H); MS: (ES) C3837754[M+H]+ 760.3に対して計算されたm/z, 実測値760.1.
【0335】
実施例28: ((L-バリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0336】
【化45】
【0337】
工程a: ジクロロメタン(3 mL)中のヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.10 g、0.12 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリン(0.08 g、0.37 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.10 mL、0.61 mmol)の混合物を45℃で撹拌した。2時間後、混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~50%のEtOAc)で精製して、(((tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C4651756[M+H]+ 902.3に対して計算されたm/z, 実測値902.3.
【0338】
工程b: ジクロロメタン(0.3 mL)中の(((tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(25 mg、0.028 mmol)の溶液に、ジオキサン中の4 M HCl(0.1 mL、0.4 mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次に減圧下で濃縮し、((L-バリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートをHCl塩として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.33(s,1H), 8.99(s,2H), 7.99-8.06(m,1H), 7.93(s,1H), 7.72(s,1H), 7.10-7.30(m,3H), 6.97(br s,1H), 6.68-6.78(m,1H), 6.59-6.66(m,1H), 6.16-6.22(m,1H), 5.90-5.98(m,1H), 4.69(br s,2H), 4.47(br s,1H), 4.03(s,1H), 3.60-3.90(m,3H), 1.70-2.60(m,10H), 0.75-1.34(m,12H); MS: (ES) C4143754[M+H]+ 802.3に対して計算されたm/z, 実測値802.2.
【0339】
実施例29: ((4-((ジメチルアミノ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0340】
【化46】
【0341】
ジクロロメタン中のジメチルアミン(0.40 mL、ジクロロメタン中に飽和している)、HOAc(0.80 mL)、((4-ホルミルベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.080 g、0.096 mmol)、およびNaBH(OAc)3(0.200 g、0.94 mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc、続いてEtOAc中0~30%のMeOH)で精製して、((4-((ジメチルアミノ)メチル)ベンゾイル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.15(d, J=8.0 Hz,1H), 8.03(d, J=7.2 Hz,2H), 7.86(s,1H), 7.75(d, J=8.0 Hz,1H), 7.66(m,1H), 7.40(d, J=7.6 Hz,2H), 7.25(m,1H), 7.07(d, J=7.6 Hz,2H), 6.77(m,1H), 6.62(m,1H), 6.56(m,1H), 6.23(s,2H), 4.12(s,2H), 3.63(s,2H), 3.47(s,2H), 2.23(s,6H), 2.10-2.40(m,4H), 1.55(s,6H), 1.01(t, J=7.4 Hz,6H); MS: (ES) C4645754[M+H]+ 864.3に対して計算されたm/z, 実測値864.2.
【0342】
実施例30: ((ジメチルグリシル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0343】
【化47】
【0344】
THF(0.6 mL)中のヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(0.03 g、0.04 mmol)およびジメチルグリシン酸テトラブチルアンモニウム(20 mg、0.06 mmol)の混合物を室温で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、HPLC(0.1%HOAcを含むMeCN/H2O)で精製して、((ジメチルグリシル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.21(d,J=8.4 Hz,1H), 7.91-7.96(m,2H), 7.80(d, J=4.0 Hz,1H), 7.34(dd, J=7.6,7.6 Hz,1H), 7.17(d, J=7.6 Hz,2H), 6.81-6.87(m,1H), 6.65-6.72(m,2H), 6.12(s,2H), 4.23(s,2H), 4.17(s,2H), 3.69(s,2H), 2.90(s,6H), 2.17-2.36(m,4H), 1.57(s,6H), 1.02(t, J=7.4 Hz,6H); MS: (ES) C4041754[M+H]+ 788.3に対して計算されたm/z, 実測値788.2.
【0345】
実施例31: ((ジメトキシホスホリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0346】
【化48】
【0347】
THF(6 mL)中のヨードメチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(40 mg、0.037 mmol)およびジメチルリン酸テトラブチルアンモニウム(30 mg、0.08 mmol)の混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応完了後、混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5~20%のEtOAc)で精製して、((ジメトキシホスホリル)オキシ)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.13(d, J=8.2 Hz,1H), 7.75-7.88(m,2H), 7.66-7.68(m,1H), 7.23-7.27(m,1H), 7.07-7.09(m,2H), 6.77(dd, J=8.4, 11.8 Hz,1H), 6.59-6.66(m,2H), 5.81(d, J=14.1 Hz,2H), 4.12(s,2H), 3.79(s,3H), 3.76(s,3H), 3.70(s,2H), 2.14-2.38(m,4H), 1.56(s,6H), 1.02(t,J=7.6 Hz,6H). MS: (ES) C3839746P [M+H]+ 811.2に対して計算されたm/z, 実測値811.2.
【0348】
実施例32: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メタノールの合成
【0349】
【化49】
【0350】
DMF(5 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(200 mg、0.35 mmol)、リン酸ジ-tert-ブチル(クロロメチル)(183 mg、0.35 mmol)、およびNaH(100 mg、鉱物油中60%、2.5 mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を見ずに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~80%のEtOAc)で精製して、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メタノールを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.48(s,2H), 7.24(dd, J=7.2,7.2 Hz,1H), 7.15(d, J=3.2 Hz,1H), 7.00-7.10(m,2H), 6.44(d, J=12.8 Hz,1H), 6.33(d,J=3.2 Hz,1H), 5.59(d,J=8.0 Hz,2H), 4.80(s,2H), 4.35(s,2H), 4.11(d, J=2.4 Hz,3H), 3.71(t, J=8.2 Hz,1H), 3.02(t, J=5.8 Hz,2H), 2.30(br s,4H), 1.02(br s,6H). MS: (ES) C3131462[M+H]+ 595.2に対して計算されたm/z, 実測値595.5.
【0351】
実施例33: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルグリシナート塩酸塩の合成
【0352】
【化50】
【0353】
DMF(3.0 mL)の入ったバイアルに(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(100 mg、0.18 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(61 mg、0.35 mmol)、HATU(134 mg、0.35 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(68 mg、0.52 mmol)を添加した。混合物を室温で24時間撹拌した。反応完了後、反応物をH2Oでクエンチし、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%のEtOAc)で精製して、真空中で濃縮した。残留物を次にジクロロメタン(3.0 mL)に溶解し、ジオキサン(2.0 mL)中の4 N HClで室温で2時間処理した。反応完了後、溶媒を除去し、残留物をジクロロメタンを用いて摩砕して、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルグリシナート塩酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 11.07(bs,1H), 8.56(bs,2H), 7.47-7.50(m,1H), 7.19-7.26(m,2H), 6.91(dd, J=1.9,3.1 Hz,1H), 6.85(d, J=10.9 Hz 1H), 6.40-6.43(m,1H), 5.53(s,2H), 4.90(d, J=16.1 Hz, 1H), 4.62(d, J=16.0 Hz,1H), 4.42-4.50(m,1H), 4.25-4.35(m,1H), 3.90 (s,2H), 3.76(s,2H), 3.00(t, J=5.9 Hz,2H), 2.43-2.50(m,2H), 2.12-2.20(m,1H), 1.90-1.98(m,1H), 1.22(t,J=7.8 Hz,3H), 0.73(t, J=7.4 Hz,3H) MS: (ES) C3231472[M+H]+ 622.3に対して計算されたm/z, 実測値622.2
【0354】
実施例34: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル-L-バリナート塩酸塩の合成
【0355】
【化51】
【0356】
工程a: DMF(3.0 mL)の入ったバイアルに(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(100 mg、0.18 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)バリン(77 mg、0.35 mmol)、HATU(134 mg、0.35 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(68 mg、0.53 mmol)を添加した。反応混合物を50℃で24時間混合した。反応完了後、混合物をH2Oでクエンチし、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10~50%のEtOAc)で精製して、真空中で濃縮して、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリナートを得た。MS: (ES) C4045474[M+H]+ 764.4に対して計算されたm/z, 実測値764.3.
【0357】
工程b: ジクロロメタン(5 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリナート(60 mg、0.08 mmol)の撹拌溶液に、ジオキサン中の4 N HCl(0.2 mL、0.8 mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、得られた混合物を水および飽和NaHCO3水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、所望の生成物を得た。材料をHCl塩に変換し、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル-L-バリナート塩酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.65(bs,1H), 8.61-8.72(m,2H), 8.42(bs,2H), 7.56(bs,1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.88-6.98(m,2H), 6.33(s,1H), 5.42-5.55(m,2H), 4.74(dd, J=6.2, 15.2 Hz,1H), 4.57(d, J=15.7 Hz,1H), 4.35-4.45(m,1H), 4.15-4.20(m,1H), 3.92-4.05(m,1H), 2.85-2.95(m,2H), 2.28-2.40(m,2H), 2.00-2.20(m,2H), 1.85-1.92(m,1H), 1.12(t, J=7.4 Hz,3H), 0.83-0.90(m,6H), 0.61-0.63(m,3H). MS: (ES) C3537472 [M+H]+ 664.3に対して計算されたm/z, 実測値664.2.
【0358】
実施例35: 4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(S)-2,5-ジアミノペンタノアート塩酸塩の合成
【0359】
【化52】
【0360】
工程a: DMF(3.0 mL)の入ったバイアルに(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(100 mg、0.29 mmol)、2,5-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ペンタン酸(96 mg、0.29 mmol)、HATU(149 mg、0.39 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(75 mg、1.17 mmol)を添加した。反応を室温で24時間撹拌した。反応完了後、混合物をH2Oでクエンチし、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)で精製して、真空化で濃縮乾燥させ、4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(S)-2,5-ビス((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタノアートを得た。MS: (ES) C4554486[M+H]+ 879.41に対して計算されたm/z, 実測値879.5
【0361】
工程b: ジクロロメタン(5 mL)中の4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(S)-2,5-ビス((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタノアート(75 mg、3.6 mmol)の撹拌溶液に、ジオキサン中の4 N HCl(0.18 mL、0.38 mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をH2Oおよび飽和NaHCO3水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、所望の生成物を得た。材料をHCl塩に変換し、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(S)-2,5-ジアミノペンタノアート塩酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.77(bs,1H), 8.50-8.65(m,4H), 7.90-8.25(m,2H), 7.55(bs,1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.97(dd, J=1.9, 10.9 Hz,1H), 6.91(d, J=7.4 Hz 1H), 6.34(bs,1H), 5.35-5.54(m,2H), 4.73(d, J=15.7 Hz,1H), 4.56 (d, J=16.0 Hz,1H), 4.38-4.45(m,2H), 4.05-4.25(m,2H), 2.85-3.00(m,2H), 2.75-2.80(m,2H), 2.31-2.40(m,2H), 1.95-2.10(m,1H), 1.65-1.78(m,4H), 1.12(t, J=7.4 Hz,3H), 0.65(t, J=7.4 Hz,3H), MS: (ES) C3538482 [M+H]+ 679.3に対して計算されたm/z, 実測値679.2.
【0362】
実施例36: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルL-リジナート塩酸塩の合成
【0363】
【化53】
【0364】
実施例36は実施例35に記載されている方法と類似の方法でN2,N6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.71(bs,1H), 8.50-8.75(m,4H), 7.89(bs,2H), 7.56(t, J=2.8 Hz 1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.94(d, J=11.0 Hz,1H),6.91(d, J=7.1 Hz 1H), 6.30-6.35(m,1H), 5.38-5.54(m,2H), 4.73(d, J=15.6 Hz,1H), 4.57(d, J=15.7 Hz,1H), 4.35-4.45(m,1H), 4.15-4.30(m,1H), 4.05-4.15(m,2H), 2.85-3.00(m,2H), 2.65-2.75(m,2H), 2.30-2.42(m,2H), 2.00-2.15(m,1H), 1.75-1.90(m,3H), 1.25-1.60(m,3H),1.12(t, J=7.4 Hz,3H), 0.65(t,J=7.4 Hz,3H), MS: (ES) C3640482[M+H]+ 693.3に対して計算されたm/z, 実測値693.3.
【0365】
実施例37: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル4-アミノブタノア-ト塩酸塩の合成
【0366】
【化54】
【0367】
実施例37は実施例35に記載されている方法と類似の方法で4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸および(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.98(s,1H), 8.52-8.72(m,2H), 7.79(bs,2H), 7.52(t, J=3.1 Hz 1H), 7.14-7.30(m,2H), 6.91(dd, J=1.6, 7.4 Hz,1H), 6.84(d, J=10.9 Hz,1H), 6.31(dd, J=1.9, 3.1 Hz,1H), 5.27(d, J=3.1 Hz,2H), 4.74(d, J=15.6 Hz,1H), 4.57(d, J=15.6 Hz,1H), 4.35-4.50(m,2H), 4.15-4.25(m,2H), 2.85-3.00(m,2H), 2.76-2.84(m,2H), 2.31-2.40(m,2H), 2.0-2.15(m,1H), 1.76-1.90(m,3H), 1.12(t, J=7.4 Hz,3H), 0.65(t, J=7.5 Hz,3H), MS: (ES) C3435472[M+H]+ 650.3に対して計算されたm/z, 実測値650.3.
【0368】
実施例38: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル-L-ヒスチジナート塩酸塩の合成
【0369】
【化55】
【0370】
実施例38は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(tert-ブトキシカルボニル)-L-ヒスチジンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.76(br s,1H), 9.01(d, J=3.9 Hz 1H), 8.55-8.75(m,4H), 7.55(d, J=2.8 Hz 1H), 7.48(s,1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.90-6.98(m,2H), 6.34(bs,1H), 5.37-5.54(m,2H), 4.75(dd, J=2.7, 15.6 Hz,1H), 4.56(d, J=15.6 Hz, 1H), 4.35-4.45(m,2H), 4.15-4.25(m,1H), 3.25-3.35(m,2H), 2.85-2.95(m,3H), 2.30-2.42(m,2H), 2.00-2.10(m,1H), 1.82-1.90(m,1H), 1.13(t, J=7.8 Hz,3H), 0.65(t, J=7.8 Hz,3H). MS: (ES) C3635492[M+H]+ 702.3に対して計算されたm/z, 実測値701.9.
【0371】
実施例39: (S)-3-アミノ-4-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)-4-オキソブタン酸塩酸塩の合成
【0372】
【化56】
【0373】
実施例39は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(S)-4-(tert-ブトキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソブタン酸および(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.65(bs,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.46(bs,3H), 7.52(t, J=2.9 Hz 1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.90(d, J=7.8 Hz,1H), 6.87(bs,1H), 6.31(bs,1H), 5.25-5.40(m,2H), 4.57(d, J=15.7 Hz,1H), 4.35-4.45(m,1H), 4.15-4.30(m,2H), 3.53(s,2H), 2.99(d,J=5.5 Hz,1H),2.85-2.92(m,2H), 2.30-2.38(m,2H), 2.00-2.15(m,1H), 1.82-1.90(m,1H), 1.11 (t, J=7.8 Hz,3H), 0.65(t, J=7.8 Hz,3H). MS: (ES) C3433472[M+H]+ 680.3に対して計算されたm/z, 実測値680.1.
【0374】
実施例40: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルL-バリルグリシナート塩酸塩の合成
【0375】
【化57】
【0376】
工程a: DMF(3.0 mL)の入ったバイアルに(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(150 mg、0.27 mmol)、(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリルグリシン(145 mg、0.53 mmol)、EDCI(101 mg、0.53 mmol)、HOBT(61 mg、0.39 mmol)、およびDIPEA(102 mg、0.77 mmol)を添加した。混合物を50℃で24時間撹拌した。反応完了後、反応を完了させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10~60%のEtOAc)で精製して、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリルグリシナートを得た。
【0377】
工程b: ジクロロメタン(5 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリルグリシナート(180 mg、0.02 mmol)の撹拌溶液に、ジオキサン中の4 N HCl溶液(0.25 mL、0.1 mmol)を添加した。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応完了後、溶媒を水および飽和NaHCO3水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(20~100%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望の生成物を得て、HCl塩に変換し、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル-L-バリルグリシナート塩酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.58(br s,1H), 8.85(br s,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.09(br s,2H),7.53(t, J=3.1 Hz 1H), 7.12-7.25(m,2H), 6.90(d, J=6.3 Hz,1H), 6.86(d, J=10.9 Hz,1H), 6.31(t, J=2.8 Hz,1H), 5.25-5.35(m,2H), 4.72(d, J=15.9 Hz,1H), 4.57(d, J=16.3 Hz,1H), 4.40-4.45(m,1H), 4.10-4.25(m,2H), 3.91(dd, J=5.1,17.2 Hz,1H), 3.59(t, J=0.8 Hz,1H),2.85-2.92(m,2H), 2.31-2.40(m,2H), 1.90-2.08(m,2H), 1.80-1.90(m,1H), 1.12(t, J=7.8 Hz,3H), 0.80-0.85(m,6H), 0.65(t, J=7.8 Hz,3H), MS: (ES) C3740483[M+H]+ 721.3に対して計算されたm/z, 実測値721.3.
【0378】
実施例41: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルL-イソロイシナート塩酸塩の合成
【0379】
【化58】
【0380】
実施例41は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(tert-ブトキシカルボニル)-L-イソロイシンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.63(br s,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.42(br s,2H), 7.43-7.60(m,1H), 7.14-7.25(m,2H), 6.85-6.95(m,2H), 6.30-6.35(m,1H), 5.38-5.45(m,2H), 4.76(dd, J=5.8, 16.0 Hz,1H), 4.56(d, J=15.7 Hz,1H), 4.35-4.45(m,1H), 4.15-4.20(m,1H), 3.98-4.05(m,1H), 2.82-2.97(m,2H), 2.30-2.42(m,3H), 2.00-2.10(m,1H), 1.80-1.90(m,2H), 1.25-1.35(m,1H), 1.12(t,J=7.4 Hz,3H), 0.72-0.85(m,6H), 0.65(t, J=7.4 Hz,3H). MS: (ES) C3639472[M+H]+ 678.3に対して計算されたm/z, 実測値678.3.
【0381】
実施例42: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルL-アラニナート塩酸塩の合成
【0382】
【化59】
【0383】
実施例42は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.62(br s,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.35(br s,2H), 7.56(t, J=2.7 Hz,1H), 7.12-7.25(m,2H), 6.85-6.95(m,2H), 6.30-6.35(m,1H), 5.35-5.50(m,2H), 4.73(d, J=17.0 Hz,1H), 4.56(d, J=15.76 Hz,1H),4.35-4.45(m,1H), 4.15-4.22(m,2H), 2.85-2.95(m,2H), 2.25-2.40(m,2H), 2.00-2.10(m,1H), 1.82-1.90(m,1H), 1.38(dd, J=2.4, 7.5 Hz,3H), 1.12(t, J=7.8 Hz,3H), 0.65(dd, J=7.2,15.6 Hz,3H). MS: (ES) C3333472[M+H]+ 636.3に対して計算されたm/z, 実測値636.2.
【0384】
実施例43: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルL-フェニルアラニナート塩酸塩の合成
【0385】
【化60】
【0386】
実施例43は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(tert-ブトキシカルボニル)-L-フェニルアラニンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.55(br s,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.45-8.52(m,2H), 7.52-7.58(m,1H), 7.10-7.25(m,7H), 6.88-6.95(m,1H), 6.71(dd, J=11.4,24.3 Hz,1H), 6.30-6.38(m,1H), 5.35-5.45(m,2H), 4.73(d, J=15.9 Hz,1H), 4.57(d, J=16.0 Hz,1H), 4.35-4.45(m,2H), 4.15-4.22(m,1H), 3.05-3.15(m,2H), 2.85-2.95(m,2H), 2.30-2.45(m,2H), 2.00-2.15(m,1H), 1.82-1.90(m,1H), 1.13(t, J=7.4 Hz,3H), 0.64(t, J=7.8 Hz,3H). MS: (ES) C3937472[M+H]+ 712.3に対して計算されたm/z, 実測値712.2.
【0387】
実施例44: (S)-2-アミノ-5-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)-5-オキソペンタン酸塩酸塩の合成
【0388】
【化61】
【0389】
実施例44は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(S)-5-(tert-ブトキシ)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸および(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.61(br s,1H), 8.62-8.75(m,2H), 8.35-8.45(m,3H), 7.52(t, J=2.7 Hz 1H), 7.12-7.25(m,2H), 6.90(dd, J=7.8, 11.6 Hz,1H), 6.84(d, J=11.0 Hz,1H), 6.31(q, J=2.0 Hz,1H), 5.23-5.31(m,2H), 4.74(d, J=16.0 Hz,1H), 4.57(d, J=16.0 Hz,1H), 4.35-4.45(m,1H), 3.85-4.00(m,2H), 2.85-2.95(m,2H), 2.45-2.65(m,2H), 2.25-2.40(m,2H), 1.85-2.10(m,3H), 1.80-1.95(m,1H), 1.12(t, J=7.8 Hz,3H), 0.64(t, J=7.8 Hz,3H). MS: (ES) C3535474[M+H]+ 694.3に対して計算されたm/z, 実測値694.2.
【0390】
実施例45: (S)-2-アセトアミド-5-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)-5-オキソペンタン酸の合成
【0391】
【化62】
【0392】
室温のジクロロメタン(3.0 mL)中の(S)-2-アミノ-5-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)-5-オキソペンタン酸(70 mg、0.113 mmol)の撹拌溶液にピリジン(27 mg、0.4 mmol)および無水酢酸(30 mg、0.34 mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応完了後、溶媒を除去し、粗製品をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(S)-2-アセトアミド-5-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)-5-オキソペンタン酸を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.53(br s,1H), 8.55-8.80(m,2H), 8.12(d, J=7.8 Hz,1H), 7.53(t, J=2.7 Hz,1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.91(d, J=7.5 Hz,1H), 6.85(d, J=10.2 Hz,1H), 6.31(t, J=10.2 Hz,1H), 5.25(d, J=2.7 Hz,2H), 4.75(d, J=16.0 Hz,1H), 4.58(d,J=16.0 Hz,1H), 4.37-4.45(m,1H), 4.18-4.25(m,2H), 3.45-3.85(m,1H), 2.85-2.98(m,2H), 2.30-2.45(m,4H), 1.95-2.10(m,2H), 1.85-1.92(m,1H), 1.81(s,3H), 1.70-1.78(m,1H), 1.12(t,J=7.8 Hz,3H), 0.65(t, J=7.8 Hz,3H), MS: (ES) C3737475[M+H]+ 736.3に対して計算されたm/z, 実測値736.2.
【0393】
実施例46: (S)-4-アミノ-5-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)-5-オキソペンタン酸塩酸塩の合成
【0394】
【化63】
【0395】
実施例46は実施例35に記載されている方法と類似の方法で、(S)-5-(tert-ブトキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-オキソペンタン酸および(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.56(br s,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.30-8.45(m,2H), 7.56(t, J=2.7 Hz 1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.90-6.98(m,2H), 6.30-6.38(m,1H), 5.36-5.52(m,2H), 4.74(dd, J=5.6,16.0 Hz,1H), 4.57(d, J=15.7 Hz,1H), 4.35-4.45(m,1H), 4.05-4.25(m,2H), 3.35-4.00(m,1H), 2.85-2.95(m,2H), 2.30-2.45(m,4H), 1.95-2.10(m,3H), 1.83-1.95(m,1H), 1.12(t, J=7.8 Hz,3H), 0.65(dd, J=7.5,14.9 Hz,3H), MS: (ES) C3535474[M+H]+ 694.3に対して計算されたm/z, 実測値694.2.
【0396】
実施例47: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルグリシル-L-バリナート塩酸塩の合成
【0397】
【化64】
【0398】
実施例47は実施例40に記載されている方法と類似の方法で、(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.60(br s,1H), 8.60-8.75(m,2H), 8.05(br s,2H), 7.55(br s,1H), 7.14-7.25(m,2H), 6.90-6.95(m,1H), 6.86(dd, J=2.0,11.0 Hz,1H), 6.32(t, J=2.3 Hz,1H), 5.30-5.45(m,2H), 4.78(d, J=3.5 Hz,1H), 4.74(d, J=3.1 Hz,1H), 4.58(d, J=16.0 Hz,2H), 4.35-4.45(m,2H), 4.15-4.25(m,1H), 3.55-3.70(m,2H), 2.85-2.96(m,2H), 2.30-2.45(m,2H), 2.00-2.10(m,2H), 1.83-1.90(m,1H), 1.12(t, J=7.5 Hz,3H), 0.75-0.85(m,6H), 0.63(t, J=7.4 Hz,3H). MS: (ES) C3740483[M+H]+ 721.3に対して計算されたm/z, 実測値721.2.
【0399】
実施例48: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチルL-アラニル-L-アラニナート塩酸塩の合成
【0400】
【化65】
【0401】
実施例48は実施例40に記載されている方法と類似の方法で、(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニル-L-アラニンおよび(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.58(br s,1H), 8.50-8.95(m,3H), 8.10(br s,2H), 7.53(br s,1H), 7.12-7.25(m,2H), 6.90(d, J=7.5 Hz,1H), 6.84(dd、J=6.0, 10.6 Hz,1H), 6.31(br s,1H), 5.25-5.38(m,2H), 4.73(d, J=16.5 Hz,1H), 4.57(d, J=16.0 Hz,1H), 4.35-4.45(m,2H), 4.15-4.25(m,1H), 3.70-3.92(m,1H), 2.85-2.95(m,2H), 2.30-2.38(m,2H), 2.00-2.10(m,1H), 1.80-1.87(m,1H), 1.30(t, J=5.6 Hz,3H), 1.10-1.18(m,6H), 0.60-0.66(m,3H). MS: (ES) C3638483[M+H]+ 707.3に対して計算されたm/z, 実測値707.2.
【0402】
実施例49: (((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンの合成
【0403】
【化66】
【0404】
室温のジクロロメタン(4.0 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(100 mg、0.18 mmol)の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(151 mg、1.2 mmol)および4-(クロロメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(150 mg、0.78 mmol)を添加した。反応を室温で24時間撹拌した。反応完了後、混合物をH2Oでクエンチし、粗生成物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、4-(((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.17(br s,1H), 8.47(br s,2H), 7.32-7.40(m,1H), 7.10-7.35(m,2H), 6.85(d, J=7.4 Hz,1H), 6.63(d, J=10.5 Hz,1H), 6.35-6.45(m,1H), 5.49(d, J=15.1 Hz,1H), 5.29(d, J=15.5 Hz,1H), 4.87(dd, J=4.3,16.1 Hz,1H), 4.66(dd, J=6.0,16.5 Hz,1H), 4.38-4.45(m,1H), 4.25-4.35(m,1H), 3.04(t, J=5.8 Hz,1H), 2.38-2.55(m,2H), 2.35(s,3H), 2.11-2.25(m,2H), 1.85-2.05 (m,2H), 0.91-1.12(m,3H), 0.70-0.89(m, 3H). MS: (ES) C3532464[M+H]+ 677.2に対して計算されたm/z, 実測値677.3.
【0405】
実施例50: (4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル二水素リン酸塩の合成
【0406】
【化67】
【0407】
工程a: -20℃のジクロロメタン(30 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(100 mg、0.16 mmol)の撹拌溶液に、PBr3(95 mg、0.32 mmol)を添加した。反応混合物を0℃に温め、2時間撹拌した。反応完了後、溶媒を真空中で除去し、3-(7-(ブロモメチル)-5-フルオロ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを得て、さらなる精製をせずに次の工程で直接使用した。
【0408】
工程b: THF(4 mL)中の3-(7-(ブロモメチル)-5-フルオロ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(85 mg、1.24 mmol)の撹拌溶液に、ジ-tert-ブチルリン酸テトラブチルアンモニウム(91 mg、0.2 mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10~100%のEtOAc)で精製して、ジ-tert-ブチル-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル)リン酸を得た。MS: (ES) C3845464P [M+H]+ 757.32に対して計算されたm/z, 実測値757.3.
【0409】
工程c: 0℃の無水ジクロロメタン(15 mL)中のジ-tert-ブチル-((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル)リン酸(70 mg、0.92 mmol)の撹拌溶液に、TFA(52 mg、0.46 mmol)を5分間かけて滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、溶媒を真空中で除去し、残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メチル二水素リン酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.56(br s,2H), 7.43(d, J=3.2 Hz,1H), 7.15-7.25(m,2H), 6.90(d, J=5.9 Hz,1H), 6.81(d, J=11.3 Hz,1H), 6.37(d, J=3.1 Hz,1H), 5.20-5.30(m,2H), 4.91(d, J=16.1 Hz,1H), 4.64(d, J=15.6 Hz,1H), 4.42-4.50(m,1H), 4.30-4.37(m,1H), 2.98(t, J=5.1 Hz,2H), 2.44(q, J=7.8 Hz,2H), 2.12-2.19(m,1H), 1.90-1.98(m,2H), 1.22(t, J=7.4 Hz,3H), 0.72(t, J=7.4 Hz,3H), MS: (ES) C3029464P[M+H]+ 645.2に対して計算されたm/z, 実測値645.6.
【0410】
実施例51: ((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)メチル)二水素リン酸塩の合成
【0411】
【化68】
【0412】
工程a: 室温のジクロロメタン(4 mL)中の(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メタノール(140 mg、0.25 mmol)の撹拌溶液にジイソプロピルエチルアミン(77 mg、0.74 mmol)および((クロロメトキシ)メチル)ベンゼン(77 mg、0.49 mmol)を添加した。反応混合物を50℃に温め、4時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を室温に冷却した。混合物を水および飽和NaHCO3水溶液で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10~100%のEtOAc)で精製して、3-(7-(((ベンジルオキシ)メトキシ)メチル)-5-フルオロ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.82(br s,1H), 8.47(br s,2H), 7.32-7.40(m,4H), 7.12-7.25(m,3H), 6.85(d, J=7.4 Hz,1H), 6.63(d, J=10.5 Hz,1H), 6.35(t, J=3.1 Hz,1H), 4.85-4.98(m,7H), 4.69(d, J=16.8 Hz,1H), 4.65(s,2H), 4.40-4.50(m,1H), 4.25-4.35(m,1H), 3.0-3.12(m,1H), 2.45-2.60(m,2H), 2.15-2.25(m,1H), 1.85-2.05(m,1H), 1.12(t, J=7.4 Hz,3H), 0.73(t, J=7.4 Hz,3H). MS: (ES) C3836462 [M+H]+ 685.74に対して計算されたm/z, 実測値685.5.
【0413】
工程b: ジクロロメタン(3 mL)中の3-(7-(((ベンジルオキシ)メトキシ)メチル)-5-フルオロ-1H-インドール4-イル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(140 mg、0.20 mmol)の撹拌溶液に、ヨウ化トリメチルシリル(0.5 mL、0.51 mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、溶媒を真空中で除去し、2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(5-フルオロ-7-((ヨードメトキシ)メチル)-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを得て、さらなる精製をせずに次の工程で直接使用した。
【0414】
工程c: MeCN(5 mL)およびH2O(5滴)中のホスホン酸ジイソプロピルエチルアミン塩(482 mg、1.0 mmol)の撹拌懸濁液に2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(5-フルオロ-7-((ヨードメトキシ)メチル)-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(140 mg、0.19 mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、溶媒を真空中で除去し、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をHPLC(0.1%NH4CO3を含むMeCN/H2O)で精製して、凍結乾燥して((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)メチル二水素リン酸塩のアンモニウム塩を得た。材料をMeCN(0.6 mL)/H2O(0.4 mL)で希釈し、0.1 M NaOH(213 μL、2当量)を添加して乾燥まで凍結乾燥して(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-5-フルオロ-1H-インドール7-イル)メトキシ)メチル二水素リン酸塩の二ナトリウム塩を得ることでナトリウム塩に変換した。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.07(br s,2H), 7.37(br s,1H), 7.07-7.15(m,2H), 6.79(d, J=6.6 Hz,1H), 6.21(br s,2H), 4.87-4.95(m,2H), 4.76 (d, J=11.3 Hz,1H), 4.15-4.25(m,2H), 3.60-3.85(m,2H), 2.79(br s,2H), 2.00-2.25(m,4H), 1.65-1.85(m,2H), 0.93(t, J=7.4 Hz,3H), 0.35-0.50(m,3H), MS: (ES) C3131465P[M+H]+ 675.2に対して計算されたm/z, 実測値675.7.
【0415】
4-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンの合成
【0416】
【化69】
【0417】
工程a: -78℃のTHF(10 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(400 mg、0.64 mmol)にTHF中の1 M LiHMDS溶液(1 mL、1 mmol)を添加した。30分間撹拌した後、THF(3 mL)中の4-(クロロメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(113 mg、0.76 mmol)の溶液を添加した。混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応完了後、飽和NH4Cl溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~30%のEtOAc)で精製して、4-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 8.16 (d, J=8.2 Hz,1H), 8.01(d, J=8.2 Hz,1H), 7.97(br s,1H), 7.82(d, J=3.5 Hz,1H), 7.28(t, J=7.8 Hz,1H), 7.13(d, J=8.1 Hz,1H), 7.08(d, J=7.0 Hz,1H), 6.84(dd, J=8.06, 13.7 Hz,1H), 6.54(dd, J=2.8, 3.6 Hz,1H), 6.45(dd, J=4.3, 8.2 Hz,1H), 4.99(d, J=4.7 Hz,1H), 4.45(d, J=4.7 Hz,1H), 4.15(br s,2H), 3.61(q, J=3.5 Hz,1H), 2.33(s,3H), 2.20-2.25(m,2H), 2.05-2.15(m,2H), 1.85-2.05(m,1H), 1.47(s,6H), 0.90(t, J=7.4 Hz,3H), 0.85(t, J=7.4 Hz,3H). MS: (ES) C3935743 [M+H]+ 741.3に対して計算されたm/z, 実測値741.2.
【0418】
実施例53: (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-6,6-ジメチルピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0419】
【化70】
【0420】
-40℃の無水ジクロロメタン(6 mL)中の4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(0.5 g、3.84 mmol)の入った50 mLの丸底フラスコにトリエチルアミン(0.77 g、7.62 mmol)を添加し、続いてトリホスゲン(0.88 g、4.58 mmol)を5分かけて滴下した。反応混合物を-40℃で1時間撹拌し、次に室温に1時間温めた。反応完了後、反応混合物をH2Oで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカルボノクロリダートを得て、さらなる精製をせずに次の工程で直接使用した。
【0421】
実施例53は実施例52に記載されている方法と類似の方法で、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカルボノクロリダートおよび4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドールを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.22(d, J=6.6 Hz,1H), 7.90-7.97(m,2H), 7.81(br s,1H), 7.34(t, J=7.4 Hz, 1H), 7.16(d, J=7.4 Hz,2H), 6.83(t, J=8.6 Hz,1H), 6.60-6.75(m, 2H), 5.24(s,2H), 4.23(br s,2H), 3.71(s,2H), 2.25-2.38(m,4H), 2.24(s,3H), 1.57(s,6H), 1.03 (t, J=7.4 Hz,6H). MS: (ES) C4035745[M+H]+ 785.2に対して計算されたm/z, 実測値785.1.
【0422】
実施例54: 4-(((4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンの合成
【0423】
【化71】
【0424】
実施例54は実施例52に記載されている方法と類似の方法で、4-(クロロメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンおよび2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.70(br s,2H), 7.86(s,1H), 7.28(t, J=6.9 Hz,1H), 6.59(br s,1H), 6.40(d, J=13.3 Hz,1H), 5.02(br s,2H), 4.78(br s,2H), 4.25-4.60(m,2H), 3.79(s,3H), 3.30(br s,2H), 2.89(br s,2H), 2.47(s,3H), 2.36(br s,4H), 0.67-1.12(m,6H). MS: (ES) C3532464[M+H]+ 677.24に対して計算されたm/z, 実測値677.2.
【0425】
実施例55: (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0426】
【化72】
【0427】
実施例55は実施例52に記載されている方法と類似の方法で、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルクロロホルマートおよび2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを用いて調製した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.58 (br s,2H), 7.78(d, J=1.2 Hz, 1H), 7.32(t, J=1.2 Hz,1H), 7.15-7.22(m,2H), 6.50-6.65(m,2H), 5.28(s,2H), 4.38(br s,2H), 3.95(s,3H), 2.97(br s,2H), 2.30-2.40(m,6H), 2.26(s,3H), 0.98-1.25(m,6H). MS: (ES) C3632466[M+H]+ 721.23に対して計算されたm/z, 実測値721.2.
【0428】
実施例56: 4-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-6,6-ジメチルピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシロイルオキシ)メチル)フェニル二水素リン酸塩の合成
【0429】
【化73】
【0430】
工程a: 0℃の4-(ヒドロキシメチル)フェノール(0.27 g、1.73 mmol)、トリエチルアミン(0.27 g、1.73 mmol)、および無水ジクロロメタン(6 mL)の入った50 mLの丸底フラスコに塩化ジエチルホスホリル(0.54 g、4.32 mmol)を5分かけて滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応完了後、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~80%のEtOAc)で精製して、リン酸ジエチル4-(ヒドロキシメチル)フェニルを得た。
【0431】
0℃のジクロロメタン(10 mL)中のリン酸ジエチル4-(ヒドロキシメチル)フェニル(0.27 g、1.73 mmol)およびトリエチルアミンの撹拌溶液にトリホスゲン(0.54 g、4.32 mmol)を緩徐に5分かけて添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をH2Oで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)ベンジルカルボノクロリダートを得て、さらなる精製をせずに次の工程で直接使用した。
【0432】
THF(4 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-6,6-ジメチルピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(150 mg、0.23 mmol)にTHF中の1 M LiHMDS溶液((0.38 mL、0.38 mmol)を-78℃で添加した。30分間撹拌後、THF(2 mL)中の4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)ベンジルカルボノクロリダートの溶液を-78℃で添加した。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応完了後、飽和NH4Cl水溶液を添加し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~60%のEtOAc)で精製して、4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)ベンジル-4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。MS: (ES) C4646746P [M+H]+ 915.3に対して計算されたm/z, 実測値915.3.
【0433】
工程b: ジクロロメタン(2.5 mL)中の4-((ジエトキシホスホリル)オキシ)ベンジル-4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラート(100 mg、0.11 mmol)の撹拌溶液にブロモトリメチルシラン(83 mg、0.55 mmol)を室温で8時間添加した。反応完了後、混合物を乾燥まで濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.13(s,1H), 8.06(s,2H), 7.82(d, J=3.5 Hz,1H), 7.46(d, J=8.6 Hz,2H), 7.35(t, J=7.8 Hz,1H), 7.22(d, J=7.9 Hz,2H), 7.16(d, J=7.8 Hz,2H), 6.83(dd, J=8.2, 12.1 Hz,1H), 6.65-6.75(m,2H), 5.40(s,2H), 4.72(br s,2H), 4.50(br s,2H), 2.15-2.30(m,4H), 1.93(s,6H), 0.99(t, J=7.4 Hz,6H) MS: (ES) C4238746P [M+H]+ 859.24に対して計算されたm/z, 実測値859.2.
【0434】
実施例57: 4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートの合成
【0435】
【化74】
【0436】
工程a: THF100 mL中の4-ヒドロキシベンズアルデヒド(3.0 g、24.5 mmol)の溶液に、THF中の1.0 M tBuOKの溶液(27.04 mL、27.04 mmol)を添加した。混合物を70℃に加熱し、リン酸テトラベンジルを添加した(14.5 g、26.95 mmol)。70℃で1時間後、ヘキサンを混合物に添加し、内容物を濾過した。濾液を真空中で濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)で精製して、リン酸ジベンジル(4-ホルミルフェニル)を得た。MS: (ES) C21195P [M+H]+ 383.1に対して計算されたm/z, 実測値383.2.
【0437】
-78℃の50 mLのTHF中のリン酸ジベンジル(4-ホルミルフェニル)(3.5 g、9.16 mmol)にNaBH4(0.65 g、18.3 mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、混合物をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラム(ヘキサン中0~100%のEtOAc)によって精製し、リン酸ジベンジル-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)を提供した。MS: (ES) C21215P [M+H]+ 385.に対して計算されたm/z, 実測値385.1.
【0438】
0℃の30 mLのTHF中のリン酸ジベンジル-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)(3.56 g、9.24 mmol)にジイソプロピルエチルアミン(2.98、23.1 mmol)およびトリホスゲン(3.0 g、10.1 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、反応をH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗クロロホルマートを生成した。
【0439】
0℃の1.2 mLのTHF中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(250 mg、0.442 mmol)にNaH(26 mg、1.05 mmol)を添加した。0℃で30分間撹拌した後、THF(2 mL)中の上記で生成した粗クロロホルマート(247 mg、0.553 mmol)の溶液を混合物に添加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、次にH2Oでクエンチした。有機層と水層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。該有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~50%のEtOAc)で精製し、4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。
【0440】
工程b: 7 mLのTHF中の4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラート(150 mg、0.15 mmol)の溶液に10%Pd/C(50 mg)を添加した。混合物をH2バル-ン下で1時間撹拌し、次にセライトを通じて濾過し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で濃縮および精製して、4-(ホスホノオキシ)ベンジル4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-カルボキシラートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 7.90 (br s,1H), 6.99(d, J=3.5 Hz,1H), 6.20-6.60(m,10H), 5.80(d, J=3.5 Hz,1H), 5.69(d, J=12.5 Hz,1H), 4.53(s,2H), 3.94(br s,2H), 3.48(br s,2H), 3.0(s, 3H), 2.08(br s,2H), 1.68-1.95(m,2H), 0.98-1.45(m,6H), MS: (ES) C3835467P [M+H]+ 795.22に対して計算されたm/z, 実測値795.2.
【0441】
実施例58: 2-(4-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-6,6-ジメチルピロロ-[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)-3,5-ジメチルフェニル二水素リン酸塩の合成
【0442】
【化75】
【0443】
無水ジクロロメタン(10 mL)中の3-(2-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-4,6-ジメチルフェニル)-3-メチルブタン酸(1.0 g、2.07 mmol)の溶液にジイソプロピルエチルアミン、続いてジクロロメタン(10 mL)中のイソブチルクロロホルマート(298 mg、2.49 mmol)を0℃で5分かけて滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をH2Oで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、3-(2-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-4,6-ジメチルフェニル)-3-メチルブタン(イソブチルカルボン)無水物を得て、さらなる精製をせずに次の工程で直接使用した。
【0444】
THF(10 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール(400 mg、0.63 mmol)の溶液に、THF中の1 M LiHMDS溶液(1.01 mL、1.01 mmol)を-78℃で添加した。30分間撹拌した後、THF(5 mL)中の3-(2-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-4,6-ジメチルフェニル)-3-メチルブタン(イソブチルカルボン)無水物(0.46 g、0.8 mmol)の溶液を-78℃で添加し、1時間撹拌した。混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応完了後、飽和NH4Cl水溶液を添加し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~60%のEtOAc)で精製して、リン酸ジベンジル(2-(4-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)-3,5-ジメチルフェニル)を得た。
【0445】
エタノール(10 mL)中の得られたリン酸塩(270 mg、0.25 mmol)の溶液に、室温で10%Pd/C(200 mg)を添加した。得られた混合物を混合物を水素(バル-ン)雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトを通じて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して2-(4-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)-3,5-ジメチルフェニル二水素リン酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 12.22(br s,1H), 8.47(d, J=8.2 Hz,1H), 8.35(d, J=7.4 Hz,1H), 8.30(s,1H), 8.23(s,1H), 7.62(t, J=8.2 Hz,1H), 7.44(d, J=7.0 Hz,2H), 7.32(br s,1H), 7.15(t, J=10.9 Hz,1H), 6.82-6.95(m,3H), 4.49(br s,2H), 3.85-4.05(m,4H), 3.66(br s,1H), 2.72(s,3H), 2.42-2.60(m,4H), 2.38(s,3H), 1.90(s,4H), 1.80(s,6H), 1.23(t, J=7.4 Hz,6H). MS: (ES) C4748745P [M+H]+ 913.3に対して計算されたm/z, 実測値913.3.
【0446】
実施例59: 2-(4-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-7-フルオロ-1H-インドール1-イル)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)-3,5-ジメチルフェニル二水素リン酸塩の合成
【0447】
【化76】
【0448】
THF(5 mL)中の2-(2,6-ジエチルフェニル)-3-(6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール4-イル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(150 mg、0.27 mmol)の溶液にTHF(0.43 mL、0.43 mmol)中の1 M LiHMDS溶液を-78℃で添加した。30分間撹拌した後、THF(2.5 mL)中の3-(2-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)-4,6-ジメチルフェニル)-3-メチルブタン(イソブチルカルボン)無水物(193 mg、0.33 mmol)を-78℃で添加し、1時間撹拌した。混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応完了後、飽和NH4Cl溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10~40%のEtOAc)で精製して、リン酸ジベンジル(2-(4-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)-3,5-ジメチルフェニル)を得た。
【0449】
エタノール(5 mL)中の得られたリン酸塩(120 mg、0.12 mmol)の溶液に10%Pd/C(100 mg)を室温で添加した。得られた混合物を水素(バル-ン)雰囲気下で室温で1時間撹拌した。反応混合物をセライトを通じて濾過し、濾液を減圧下で濃縮して2-(4-(4-(2-(2,6-ジエチルフェニル)-5-(5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-6-フルオロ-7-メトキシ-1H-インドール1-イル)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)-3,5-ジメチルフェニル二水素リン酸塩を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 8.74(br s,2H), 7.89(d, J=1.2 Hz,1H), 7.30-7.38(m,1H), 7.21(br s,2H), 7.07(d, J=6.2 Hz,2H), 6.96(s,1H), 6.64(s,1H), 6.54(s,1H), 6.46-6.50(m,2H), 4.76(bs,2H), 4.25-4.45(m,2H), 3.72(s,6H), 2.91(br s,2H), 2.46(br s,5H), 2.14(s,3H), 1.65-2.05(m,4H), 0.80-1.20 (m,6H). MS: (ES) C4345466P [M+H]+ 849.31に対して計算されたm/z, 実測値849.2.
【0450】
実施例60: (4-ホスホノオキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)-フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロ-フェニル)カルバモイル)カルバマートの合成
【0451】
【化77】
【0452】
工程a: 0℃の2.4 mLのTHF中のリン酸ジベンジル-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)(3.56 g、9.24 mmol)の溶液にジイソプロピルエチルアミン(2.98、23.1 mmol)およびトリホスゲン(3.0 g、10.1 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、NH4OH(5.0 mL、41 mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次に真空中で濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20~80%のEtOAc)で精製して、4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ベンジルカルバマートを得た。MS: (ES) C2222NO6P [M+H]+ 428.1に対して計算されたm/z, 実測値428.1.
【0453】
0℃のジクロロメタン(12 mL)中の4-((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)ベンジルカルバマート(700 mg、1.63 mmol)の溶液に塩化オキサリル(0.3 g、2.45 mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、混合物を50℃で16時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物をTHF(2 mL)に溶解し、THF(2 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(150 mg、0.16 mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%のEtOAc)で精製して、(4-ジベンジルオキシホスホリルオキシ-3-フェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。
【0454】
工程b: ジクロロメタン(2 mL)中の4-ジベンジルオキシホスホリルオキシ-3-フェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)カルバマート(150 mg、0.14 mmol)にTFA:CH2Cl2の1:1の混合物(2 mL)およびH2O(0.4 mL)を滴下した。混合物を50℃で48時間加熱し、次に真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、(4-ホスホノオキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロ-フェニル)カルバモイル)カルバマートを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 10.78(s,1H), 10.15(s,1H), 8.14(d, J=8.4 Hz,1H), 7.95-8.08(m,3H), 7.35-7.45(m,3H), 7.08-7.25(m,4H), 6.53(dd, J=6.7, 11.7 Hz,1H), 5.11(s,2H), 4.12(br s,2H), 3.65(br s,2H), 2.05-2.25(m,4H), 1.43(s,6H), 0.96(t, J=7.4 Hz,6H). MS: (ES) C4138857P [M+H]+ 896.2に対して計算されたm/z, 実測値896.2.
【0455】
実施例61: 4-(ベンジルオキシ(ヒドロキシ)ホスホリル)オキシフェニル)メチルN-((4-(5-((2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-4H-ピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロ-フェニル)カルバモイル)カルバマート
【0456】
【化78】
【0457】
実施例60の工程bでまた実施例61も得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 10.79(s,1H), 10.14(br s,1H), 8.14(d, J=7.0 Hz,1H), 7.85-8.10(m,3H), 7.25-7.40(m,7H),), 7.20(d, J=22.2 Hz,2H), 7.14(d, J=9.0 Hz,2H), 6.53(dd, J=6.7,11.4 Hz,1H), 5.13(s,2H), 4.99(d, J=7.9 Hz,2H), 4.12(br s,2H), 3.65(br s,2H), 2.10-2.25(m,4H), 1.43(s,6H), 0.96(t, J=7.4 Hz,6H). MS: (ES) C4844857P [M+H]+ 986.3に対して計算されたm/z, 実測値986.3.
【0458】
実施例62: N-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-2-(ジメチルアミノ)アセトアミドの合成
【0459】
【化79】
【0460】
THF(5 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(400 mg、0.64 mmol)に2-クロロアセチルイソシアナ-トを室温で添加した。16時間撹拌した後、混合物をH2Oでクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮してN-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-2-クロロアセトアミドを得た。
【0461】
THF(5 mL)中の上記からのN-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-2-クロロアセトアミド(125 mg、0.17 mmol)の溶液にジメチルアミン(0.35 mL、0.34 mmol)を室温で添加した。反応混合物を16時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むH2O/ACN)で精製して、N-((4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-2-(ジメチルアミノ)アセトアミドを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO―d6) δ 11.3(br s,1H), 10.3(br s,1H), 9.85(br s,1H), 7.90-8.25(m,4H), 7.40-7.45(m,1H), 7.20-7.28(m,2H), 6.55-6.65(m,1H), 4.10-4.35(m,3H), 3.70(br s,2H), 2.83(s,6H), 2.17(q,J=8.2 Hz,4H), 1.45(s,6H), 0.95(t, J=7.4 Hz,6H). MS: (ES) C3738862P [M+H]+ 751.3に対して計算されたm/z, 実測値751.2.
【0462】
実施例63: 1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-ピロリジン-1-イルメチル)尿素の合成
【0463】
【化80】
【0464】
工程a: 0℃のジクロロメタン(100 mL)中の2-ヒドロキシ酢酸(5.0 g、65.7 mmol)の撹拌溶液にイミダゾ-ル(11.7 g、164.3 mmol)およびTBSCl(19.7 g、131.4 mmol)を添加した。反応混合物を16時間室温で撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液の滴下でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製材料をさらなる精製をせずに次の工程で直接使用した。
【0465】
0℃の50 mLのジクロロメタン中の2-tert-ブチルジメチルシリルオキシ酢酸(10.0 g、32.6 mmol)の溶液に塩化オキサリル(8.23 g、65.3 mmol)を添加した。反応混合物を3時間室温で撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、真空下で乾燥させた。粗製材料を次の工程で直接使用した。
【0466】
アセトン:H2Oの1:1の混合物(30 mL)中の塩化2-tert-ブチルジメチルシリルオキシアセチル(5.0 g、15.4 mmol)にNaN3(2.5 g、38.5 mmol)を室温で添加し、2時間撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下で除去し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して2-tert-ブチルジメチルシリルオキシアセチルアジドを得た。該アジド(3.2 g、1.63 mmol)を室温で20 mLのクロロホルムに溶解し、混合物を80℃で2時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、次の工程で直接使用した。
【0467】
THF(5 mL)中のtert-ブチル(イソシアナ-トメトキシ)ジメチルシラン(0.56 g)の溶液をTHF(10 mL)中の4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロアニリン(1.25 g、2.0 mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で5時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%Et3Nを含む、ヘキサン中0~100%のEtOAc)で精製して、1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)尿素を得た。MS: (ES) C4047852Si [M+H]+ 810.3に対して計算されたm/z, 実測値810.1.
【0468】
工程b: ジクロロメタン(3 mL)中の1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)尿素(150 mg、0.19 mmol)にTMSBr(84 mg、0.55 mmol)を0℃で滴下した。該材料をジクロロメタン(4.0 mL)に溶解し、ピロリジン(65 mg、0.92 mmol)を添加した。混合物を室温で4時間撹拌し、続いて真空中で濃縮した。残留物をHPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-(ピロリジン-1-イルメチル)尿素を得た。1H NMR (400 MHz,CD3OD) δ 8.19(d, J=5.9, Hz,1H), 8.00-8.10(m,3H), 7.42-7.48(m,1H), 7.20-7.35(m,2H), 6.45(dd, J=6.6, 11.7 Hz,1H), 4.61(s,2H), 4.35-4.55(m,2H), 3.85-4.20(m,2H), 3.45-3.55(m,2H), 3.10-3.35(m,3H), 2.25(q, J=7.4 Hz,4H), 1.90-2.18(m,5H), 1.65(s,6H), 1.06(t, J=7.8 Hz,6H). MS: (ES) C384086O [M+H]+ 749.3に対して計算されたm/z, 実測値749.2.
【0469】
実施例64: 1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)尿素の合成
【0470】
【化81】
【0471】
工程a: ジクロロメタン(1.4 mL)中の1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)尿素(200 mg、0.24 mmol)の溶液に、TMSBr(0.11 mL、0.86 mmol)を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、続いて真空中で濃縮し、HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)で精製して、1-(4-(5-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)-2-(2,6-ジエチルフェニル)-6,6-ジメチル-2,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール3-イル)-2,5-ジフルオロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)尿素を得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.00-8.25(m,4H), 7.42-7.50(m,1H), 7.25-7.30(m,2H), 6.36-6.45(m,1H), 4.75(br s,1H), 4.40-4.70(m,5H), 2.25(q, J=7.4 Hz,4H), 1.80-1.95(m,6H), 1.04(t, J=3.5 Hz,6H). MS: (ES) C3433852 [M+H]+ 696.3に対して計算されたm/z, 実測値696.3.
【0472】
実施例65
本実施例は本発明の特定の化合物に関する生物活性の評価を例示する。
材料および方法
細胞
C5a受容体発現細胞
U937細胞
U937細胞はC5aRを発現する単核球細胞であり、ATCC(VA)から入手できる。これらの細胞を2 mL-グルタミン、1.5 g/L重炭酸ナトリウム、4.5 g/Lグルコース、10 mM HEPES、1 mM ピルビン酸ナトリウム、および10%FBSを補充したRPMI-1640培地中の懸濁液としてインキュベートした。細胞を37℃で5%CO2/95%空気、100%湿度下で生育させ、週に2回、1:6(細胞を1×105~2×106の密度範囲でインキュベートした)で継代し、1×106細胞/mLで回収した。アッセイの前に細胞を0.5 mMのサイクリックAMP(Sigma、OH)で一晩処理し、使用する前に一度洗浄した。cAMP処理したU937細胞はC5aRリガンド結合アッセイおよび機能アッセイで使用することができる。
【0473】
単離したヒト好中球
必要に応じて、ヒトまたはマウスの好中球を化合物活性のアッセイに使用してもよい。好中球は、密度分離および遠心分離を用いて新鮮なヒト血液から単離することができる。簡単に説明すると、全血を等量の(with equal parts)3%デキストランでインキュベートし、45分間分離させた。分離後、最上層を15 mlのフィコールの上に重ね(血液懸濁液30 ml毎にフィコール15 ml)、30分間400×gでブレーキなしで遠心分離した。チューブの底のペレットを続いて単離し、PharmLyse RBC Lysis Buffer (BD Biosciences, San Jose, CA)に再懸濁し、その後に該サンプルを再び10分間400×gでブレーキありで遠心分離した。残りの細胞ペレットを必要に応じて再懸濁し、当該細胞ペレットは単離された好中球からなる。
【0474】
アッセイ
C5aRリガンド結合の阻害
C5aRを発現しているcAMP処理U937細胞を遠心分離して3×106細胞/mLの濃度になるよう、アッセイバッファー(20 mM HEPES pH7.1、10 mM NaCl、1 mM CaCl2、5 mM MgCl2、および0.1%ウシ血清アルブミンを含む)に再懸濁した。結合アッセイは下記の通り行った。0.1 mLの細胞を5 μLの化合物を含むアッセイプレートに添加し、スクリーニング(または化合物のIC50測定のための用量反応の一部)用の各化合物の終濃度~2~10 μMを与えた。次に、アッセイバッファーで終濃度~50 pMに希釈され、ウェルあたり~30,000 cpmになる0.1 mLの125I標識C5a(Perkin Elmer Life Sciences, Boston, MAから入手)を添加し、プレートを密封してシェーカープラットフォーム上で4℃で約3時間インキュベートした。反応物を真空セルハーベスター(Packard Instruments; Meriden, CT)で、0.3%ポリエチレンイミン(PEI)溶液にあらかじめ浸したGF/Bガラスフィルター上で吸引した。シンチレーション液(40 μl; Microscint 20, Packard Instruments)を各ウェルに添加し、プレートを密封し、Topcountシンチレーションカウンター(Packard Instruments)で放射活性を測定した。希釈剤のみ(総カウント用)または過剰なC5a(1 μg/mL、非特異的結合用)のいずれかを含む対照ウェルを使用して、化合物の完全阻害(total inhibition)を計算した。GraphPad, Inc. (San Diego, Ca)のコンピュータプログラムPrismを使用してIC50値を計算した。IC50値は、放射性標識C5aの受容体への結合を50%減少させるために必要な濃度である。(リガンド結合アッセイおよび他の機能アッセイのさらなる説明については、Dairaghi, et al., J. Biol. Chem. 274:21569-21574(1999), Penfold, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 96:9839-9844(1999),およびDairaghi, et al,. J. Biol. Chem. 272:28206-28209(1997)を参照のこと。)
【0475】
カルシウム動員
必要に応じて、化合物を、細胞内のカルシウム流を阻害する能力についてさらにアッセイすることができる。カルシウムの細胞内貯蔵の放出を検出するために、細胞(たとえば、cAMP刺激U937、または好中球)を細胞培地中で3 μMのINDO-1AM色素(Molecular Probes; Eugene, OR)と室温で45分間インキュベートし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。INDO-1AMをロ-ドした後、細胞をフラックスバッファー(ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)および1%FBS)に再懸濁する。カルシウム動員は、Photon Technology International分光光度計(Photon Technology International; New Jersey)を使用して、350 nmで励起し、400 nmおよび490 nmにおける蛍光発光を同時に記録して測定する。相対的な細胞内カルシウムレベルは、400 nm/490 nmの発光比として表される。実験は37℃で行われ、それぞれが2 mLのフラックスバッファーに106個の細胞を含むキュベットで絶えず混合される。ケモカインリガンドは、1~100 nMの範囲で使用することができる。放出比は時間の経過とともにプロットされる(通常は2~3分)。候補リガンドブロッキング化合物(最大10 μM)を10秒で添加し、続いて60秒でケモカイン(すなわち、C5a; R&D Systems;Minneapolis, MN)および150秒で対照ケモカイン(すなわち、SDF-1α; R&D Systems;Minneapolis, MN)を添加した。
【0476】
走化性アッセイ
必要に応じて、化合物を、細胞における走化性を阻害する能力についてさらにアッセイさすることができる。走化性アッセイは、96ウェル走化性チャンバ-(Neuroprobe; Gaithersburg,MD)で、5 μmポアのポリカ-ボネ-ト、ポリビニルピロリドンでコーティングされたフィルターを使用し、走化性バッファー(ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)および1%FBS)を使用して行う。C5aRリガンド(すなわち、C5a、R&D Systems;Minneapolis, MN)は、C5aR媒介性遊走の化合物媒介性阻害を評価するために使用される。他のケモカイン(すなわち、SDF-1α;R&D Systems;Minneapolis, MN)は、特異性対照として使用される。下部チャンバ-には、29 μlのケモカイン(すなわち、0.03 nMのC5a)および様々な量の化合物がロ-ドされている。上部のチャンバ-は、20 μlに100,000個のU937または好中球細胞を含む。チャンバ-を37℃で1.5時間インキュベートし、下部チャンバ-内の細胞数を、ウェルあたり5つの高出力フィ-ルドでの直接細胞計数、または核酸含有量を測定する蛍光色素法および顕微鏡観察であるCyQuantアッセイ(Molecular Probes)のいずれかによって定量化する。
【0477】
C5aRの阻害剤の同定
アッセイ
C5a受容体がリガンドに結合するのを阻害する小さな有機分子を評価するために、細胞表面でC5aRを発現する細胞(たとえば、cAMP刺激U937細胞または単離されたヒト好中球)に結合する放射性リガンド(すなわち、C5a)を検出するアッセイを使用した。結合を阻害した化合物の場合、競合するかどうかに関係なく、阻害されていない対照と比較した場合、放射性カウントは少なくなる。
【0478】
同数の細胞をプレートの各ウェルに添加した。次に、細胞を放射性標識したC5aとともにインキュベートした。細胞を洗浄することにより非結合リガンドを除去し、放射性カウントを定量化することにより結合リガンドを測定した。有機化合物なしで培養された細胞は、総カウントを示した。非特異的結合は、細胞を非標識リガンドおよび標識リガンドとインキュベートすることによって測定した。阻害率は次の式で決定した:
【0479】
【数1】
【0480】
用量反応曲線
C5aRに対する候補化合物の親和性を確認し、リガンド結合を阻害する能力を確認するために、阻害活性を1×10-10~1×10-4 Mの化合物濃度範囲で力価測定した。アッセイでは、化合物の量を変化させたが、細胞数およびリガンド濃度は一定に保った。
【0481】
In Vivo有効性モデル
所望の化合物は、動物モデルにおける化合物の有効性を決定することにより、C5a媒介状態を治療する際の潜在的な有効性について評価することができる。以下に記載するモデルに加えて、所望の化合物を研究するための他の好適な動物モデルは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Mizuno, M. et al., Expert Opin. Investig. Drugs (2005), 14(7), 807-821に見出すことができる。
【0482】
C5a誘発性白血球減少症のモデル
ヒトC5aRノックインマウスモデルにおけるC5a誘発性白血球減少症
動物モデルにおける本発明の化合物の有効性を研究するために、組換えマウスは、マウスC5aRをコ-ドする遺伝子配列をヒトC5aRをコ-ドする配列に置換して、hC5aR-KIマウスを作成する標準的な手法を使用して作成できる。このマウスでは、hC5aの投与は、血液白血球に結合する血管壁上の接着分子の上方制御を引き起こし、それらを血流から隔離する。動物に20 ug/kgのhC5aを投与し、1分後に標準的な手法で末梢血中の白血球を定量する。本化合物の様々な用量でのマウスの前処理は、hC5a誘発性白血球減少症をほぼ完全に阻止することができる。
【0483】
C5aはカニクイザルモデルで白血球減少症を誘発した非ヒト霊長類モデルモデルにおける本発明の化合物の有効性を研究するために、C5a誘発性白血球減少症をカニクイザルモデルにおいて研究する。このモデルでは、hC5aの投与は、血液白血球に結合する血管壁上の接着分子の上方制御を引き起こし、その理由でそれらを血流から隔離する。動物に10 ug/kgのhC5aを投与し、1分後に末梢血中の白血球を定量する。
【0484】
ANCA誘発血管炎のマウスモデル
0日目に、hC5aR-KIマウスに、ミエロペルオキシダ-ゼに対する50 mg/kgの精製された抗体を静脈内注射する(Xiao et al, J. Clin. Invest. 110:955-963(2002))。マウスに本発明の化合物またはビヒクルの経口1日用量をさらに7日間投与し、次にマウスを屠殺し、組織学的検査のために腎臓を収集する。腎臓切片の分析は、ビヒクル処置動物と比較した場合、糸球体における半月体病変および壊死性病変の数および重症度の有意な減少を示すことができる。
【0485】
脈絡膜血管新生のマウスモデル
加齢性黄斑変性症(AMD)の治療における本発明の化合物の有効性を研究するために、hC5aR-KIマウスの眼のブルッフ膜をレ-ザ-光凝固によって切り裂く(Nozika et al, PNAS 103:2328-2333(2006))。マウスを、ビヒクルまたは本発明の化合物の毎日の経口または適切な硝子体内用量で1~2治療する。レ-ザ-誘発性損傷の修復および血管新生は、組織学および血管造影によって評価される。
【0486】
関節リウマチモデル
破壊性関節炎のウサギモデル
細菌膜成分リポ多糖(LPS)の関節内注射に対するウサギの炎症反応の阻害に対する候補化合物の効果を研究するために、破壊性関節炎のウサギモデルを使用する。この研究デザインは、関節炎に見られる破壊性関節炎を模倣している。LPSの関節内注射は、サイトカインおよびケモカインの放出を特徴とする急性炎症反応を引き起こす。これらの多くは、関節リウマチの関節で確認されている。白血球の顕著な増加は、これらの走化性メディエーターの上昇に応答して、滑液および滑膜で発生する。ケモカイン受容体の選択的アンタゴニストは、このモデルにおいて有効性を示した(Podolin, et al., J. Immunol. 169(11):6435-6444(2002)を参照のこと)。
【0487】
ウサギLPS研究は、基本的に、Podolinらに記載されているように実施する。同書の、ニュ-ジ-ランドのメスのウサギ(約2キログラム)を、片方の膝の関節内で、ビヒクルのみ(1%DMSOを含むリン酸緩衝生理食塩水)または総量1.0 mLの候補化合物の添加(用量1=総量1.0 mLで50 μMまたは用量2=100 μM)とともにLPS(10 ng)で処理した。LPS注射の16時間後、膝を洗浄し、細胞数を計数する。治療の有益な効果は、滑膜炎の組織病理学的評価によって判定した。炎症スコアを、組織病理学的評価に使用する:1-最小、2-軽度、3-中程度、4-中程度~顕著。
【0488】
コラ-ゲン誘発関節炎のラットモデルにおける化合物の評価
関節炎誘発性の臨床的くるぶし腫脹に対する候補化合物の効果を評価するために、17日間の開発中のII型コラ-ゲン関節炎研究が実施される。ラットコラ-ゲン関節炎は、多くの抗関節炎薬の前臨床試験に広く使用されている多発性関節炎の実験モデルである(Trentham, et al., J. Exp. Med. 146(3):857-868(1977), Bendele, et al., Toxicologic Pathol. 27:134-142(1999), Bendele, et al., Arthritis Rheum. 42:498-506(1999)を参照のこと)。このモデルの特徴は、安定した簡単に測定可能な多関節型関節炎(polyarticular inflammation)の確実な発症および進行、パンヌス形成に関連する顕著な軟骨破壊、および軽度から中程度の骨吸収および骨膜骨増殖である。
【0489】
メスのLewisラット(約0.2キログラム)をイソフルランで麻酔し、この17日間の研究のの0日目および6日目に、尾の基部および背中の2つの部位に2 mg/mLのウシII型コラ-ゲンを含むフロイント不完全アジュバントを注射する。候補化合物は、0日目から17日目まで有効な用量で皮下的に毎日投与する。足首関節の直径のノギス測定を行い、関節の腫脹を軽減することが有効性の尺度として考えられる。
【0490】
敗血症の ラットモデル
敗血症様疾患に関連する全身性炎症反応の阻害に対する所望の化合物の効果を研究するために、敗血症の腸管穿孔(CLP)ラットモデルを使用する。ラットCLP研究は、基本的にFujimura N, et al. (American Journal Respiratory Critical Care Medicine 2000;161:440-446)に記載されているように実施する。ここで簡単に説明すると、体重が200~250 gの両方の性のWistarAlbinoラットを、実験前に12時間絶食させる。動物は通常の12時間の明暗サイクルで飼育され、実験の12時間前まで標準的なラットの餌を与えられる。次に、動物を4つの群に分ける; (i)2つのシャム操作群および(ii)2つのCLP群。これらの2つのグル-プ(すなわち、(i)および(ii))のそれぞれは、ビヒクル対照群および試験化合物群に分けられる。敗血症はCLP法によって誘発される。短時間の麻酔下で、最小限の切開を使用して正中線開腹術を行い、盲腸を回盲弁のすぐ下に3-0 silkで結紮するため、腸の連続性が維持される。盲腸の腸間膜付着対側(antimesenteric)表面は、1 cm離れた2つの場所で18ゲ-ジの針で穿孔され、糞便が押し出されるまで盲腸は穏やかに圧迫される。その後、腸は腹部に戻され、切開が閉じられる。手術の終わりに、すべてのラットは、皮下に与えられる3 ml/100g体重の生理食塩水で蘇生される。術後、屠殺されるまで次の16時間はラットは食物を奪われるが、水を自由に摂取できる。シャム手術群には開腹術が施され、盲腸は操作されますが、結紮または穿孔はされない。治療の有益な効果は、組織および臓器の組織病理学的スコアリング、ならびに肝機能、腎機能、および脂質過酸化のいくつかの重要な指標の測定によって測定される。肝機能を試験するために、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)およびアラニントランスアミナーゼ(ALT)が測定される。血中尿素窒素およびクレアチニン濃度は、腎機能を評価するために研究される。炎症誘発性サイトカイン、たとえばTNF-αおよびIL-1βもELISAで血清レベルを測定される。
【0491】
実験的ループス腎炎のマウスSLEモデル。
全身性エリテマトーデス(SLE)に対する所望の化合物の効果を研究するために、MRL/lprマウスSLEモデルを使用する。MRL/Mp-Tmfrsf6lpr/lpr系統(MRL/lpr)は、ヒトSLEの一般的に使用されるマウスモデルである。このモデルで化合物の有効性を試験するために、オスのMRL/lprマウスを、13週齢の対照群およびC5aRアンタゴニスト群に均等に分ける。続いて、次の6週間にわたって、浸透圧ポンプを介して化合物またはビヒクルを動物に投与して、適用範囲を維持し、動物へのストレスの影響を最小限に抑える。血清および尿のサンプルは、病気の発症および進行の6週間の間、隔週で収集する。これらのマウスの少数では、糸球体硬化症が発症し、腎不全による動物の死亡につながる。腎不全の指標としての死亡率の追跡は、測定された基準の一つであり、治療が成功すると、通常、試験群間で突然死の発症が遅れる。さらに、腎疾患の存在および大きさは、血中尿素窒素(BUN)およびアルブミン尿の測定値で継続的にモニターすることもできる。組織および臓器も19週目に採取し、組織病理学および免疫組織化学に供し、組織損傷および細胞浸潤に基づいてスコア化した。
【0492】
COPDのラットモデル
げっ歯類モデルにおける煙誘発性気道炎症は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)における化合物の有効性を評価するために使用することができる。ケモカインの選択的アンタゴニストは、このモデルにおいて有効性を示した(Stevenson, et al., Am. J. Physiol Lung Cell Mol Physiol. 288 L514-L522, (2005)を参照)。COPDの急性ラットモデルは、Stevenson, et al.に記載されているように実施する。所望の化合物は、経口投与または静脈内投与を介して全身投与;または噴霧化合物で局所投与のいずれかで投与される。オスのSprague-Dawleyラット(350~400 g)をパ-スペックスチャンバ-に入れ、ポンプを介して吸い込まれたタバコの煙に暴露する(30秒ごとに50 mL、間に新鮮な空気を入れる)。ラットを合計32分間暴露する。ラットを最初の暴露から7日まで屠殺する。治療の有益な効果は、炎症性細胞浸潤の減少、ケモカインおよびサイトカインレベルの減少によって評価される。
【0493】
慢性モデルでは、マウスまたはラットを、最大12ヶ月間、毎日のタバコの煙への曝露に曝露する。化合物は、1日1回の経口投与により全身投与されるか、噴霧化合物を介して局所投与されてもよい。急性モデル(Stevensen et al.)で観察された炎症に加えて、動物は、ヒトCOPDで見られるものと同様の他の病状、たとえば肺気腫(平均線形切片(mean linear intercept)の増加によって示される)ならびに肺化学(lung chemistry)の変化(Martorana et al, Am. J. Respir. Crit Care Med. 172(7): 848-53を参照)も示す可能性がある。
【0494】
多発性硬化症のマウスEAEモデル
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、ヒト多発性硬化症のモデルである。モデルのバリエ-ションが公開されており、この分野で周知である。典型的なプロトコルでは、C57BL/6(Charles River Laboratories)マウスをEAEモデルに使用する。マウスを4 mg/mlマイコバクテリウム・ツベルクロ-シス(Mycobacterium tuberculosis[Sigma-Aldrich])を含む完全フロイントアジュバント(CFA)に乳化された200 ugのミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)35-55(Peptide International)で0日目に皮下注射で免疫する。さらに、0日目と2日目に、動物に200 ngの百日咳毒素(Calbiochem)を静脈内投与する。臨床スコアは0~5のスケ-ルに基づく:0、病期の兆候なし;1、弛緩した尾;2、後肢の脱力;3、後肢まひ;4、前肢の脱力またはまひ;5、瀕死。評価対象とする所望の化合物の投与は、0日目(予防的)または7日目(治療的、疾患の組織学的証拠はあるが臨床的兆候を示している動物はほとんどない場合)に開始し、それらの活性および薬物動態学的特性に適切な濃度、たとえば100 mg/kgで皮下注射で1日1回以上投与してもよい。化合物の有効性は、重症度の比較(ビヒクルと比較した化合物の存在下での最大平均臨床スコア)によって、または脊髄から単離されたマクロファージ(F4/80陽性)の数の減少を測定することによって評価することができる。脊髄単核細胞は、不連続なパ-コ-ル勾配を介して分離することができる。細胞は、ラット抗マウスF4/80-PEまたはラットIgG2b-PE(Caltag Laboratories)を使用して染色し、サンプルあたり10 μlのポリビ-ズ(Polysciences)を使用したFACS分析によって定量化できる。
【0495】
腎臓移植のマウスモデル
移植モデルはマウスで行うことができる。たとえば、C57BL/6マウスからBALB/cマウスへの同種異系間の腎移植のモデルは、Faikah Gueler et al, JASN Express, Aug 27th, 2008に記載されている。簡単に説明すると、マウスに麻酔をかけ、ドナ-の左腎を小さな大静脈カフで大動脈のカフおよび腎静脈に取り付け、尿管をブロックで除去する。レシピエントの左腎摘出後、血管カフを、それぞれ、ネイティブ腎血管のレベルより下で、レシピエントの腹部大動脈および大静脈に吻合する。尿管を膀胱に直接吻合する。冷虚血時間は60分間、温虚血時間は30分間である。右のネイティブ腎臓は、同種異系移植の時点で、または移植後4日目に、長期生存研究のために除去してもよい。マウスの全体的な身体状態を、拒絶のエビデンスについてモニターする。動物の化合物治療は、手術前または移植直後、たとえば1日1回の皮下注射によって開始することができる。マウスの腎機能および生存率を研究する。血清クレアチニンレベルを、自動化された方法(Beckman Analyzer, Krefeld, Germany)によって測定する。
【0496】
虚血/再灌流のマウスモデル
虚血/再灌流障害のマウスモデルは、Xiufen Zheng et al, Am. J. Pathol, Vol 173:4, Oct, 2008に記載されているように行うことができる。簡単に説明すると、6~8週齢のCD1マウスに麻酔をかけ、手術中の暖かさを維持するために温熱パッド上に置く。腹部を切開した後、腎茎を鈍的切開し、微小血管クランプを左腎茎に25~30分間配置する。虚血後、クランプを右腎と一緒に取り外し、切開を縫合し、動物を回復させる。腎臓の健康の指標として、血清クレアチニンおよびBUN分析のために採血する。あるいは、動物の生存を経時的にモニターする。化合物は、手術の前および/または後に動物に投与することができ、血清クレアチニン、BUN、または化合物の有効性の指標として使用される動物の生存への影響。
【0497】
腫瘍増殖のマウスモデル
6~16週齢のC57BL/6マウスに、右または左ひ腹(rear flank)に1×105 TC-1細胞(ATCC、VA)を皮下注射する。細胞注射の約2週間後から、マウスを殺すのに必要な腫瘍サイズになるまで、2~4日ごとにノギスで腫瘍を測定する。屠殺のときに、動物を完全な剖検にかけ、脾臓および腫瘍を除去する。切除した腫瘍を測定し、重量を測定する。化合物は、腫瘍注射の前および/または後に投与することができ、腫瘍増殖の遅延または阻害を使用して、化合物の有効性を評価する。
【0498】
中間体1~4は、実施例65に記載のU937細胞を使用する走化性アッセイにおいて、IC50≦5nMを有する強力なC5aRアンタゴニストである。実施例1~64の特性デ-タを表1(下記)に提供する。
【0499】
表1:特定の実施形態の構造、特性デ-タ
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【0500】
表1の保持時間の決定に使用される逆相HPLC条件:
カラム: ZORBAX (SB-C18 2.1×50 mm,5 μm)
移動相A: 95% H2O, 5% MeCN (0.1%ギ酸を含む)
移動相B: 5% H2O, 95% MeCN (0.1%ギ酸を含む)
流速: 1.0 mL/分
勾配: 5.5分間で20~100%B (方法A)
4.5分間で0~100%B (方法B)
5.5分間で0~100%B (方法C)
【0501】
ラットへの静脈内注射
0.22~0.25 kgの間の体重のオスラットをCharles River Laboratories (Hollister, Calif.)から購入し、使用前に順応させた。すべての化合物は溶液製剤で調製され、静脈内投与により動物に投与された。実施例1および実施例4の化合物は、31.6%DMA/36.8%EtOH/31.6%PGで調製され、各動物は1 mL/Kgを受けた。血液(0.2 mL)は、投与前、静注投与後2、5、10、15、および30分、1、2、4、6、および8時間後に頸静脈または心臓穿刺(終点のみ)からサンプリングされた。血液サンプルを抗凝固剤としてEDTAカリウムを含む冷却ポリプロピレンチューブに収集し、血漿を10,000 rpm、4℃で6分間の遠心分離(Eppendorf Centrifuge 5417R)により収集し、分析まで-20℃で保存した。血漿サンプル(50μL)を、線形シェーカー上で内部標準を含む200 μLのアセトニトリルで10分間抽出し、次いで4450 rpmで10分間、4℃で遠心分離した(Allegra X-15R centrifuge, Beckman Coulter, Inc., Fullerton, Calif.)。得られた上清100 μLを新しいプレートに移し、LC-MS/MS分析のためにの0.1%ギ酸100 μL水溶液と混合した。図1および2に示すように、オスのラットの両方の化合物の静脈内注射後に、大量の活性薬物が放出された。
【0502】
本発明の特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本明細書を読むと、開示された実施形態の変形が当技術分野で働く個人に明らかになり得、それらの当業者が適切にそのような変形を使用できることが期待される。したがって、本発明は、本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施され、本発明は、適用法によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された主題のすべての変形および同等物を含むことを意図する。さらに、そのすべての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、本発明に含まれる。
【0503】
本明細書で引用されるすべての刊行物、特許出願、アクセッション番号、および他の参考文献は、個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2