(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】薬液供給装置
(51)【国際特許分類】
B05C 13/00 20060101AFI20230828BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
B05C13/00
B05C5/00 101
(21)【出願番号】P 2021105769
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0083381
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハ インソク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジニョク
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジェヨン
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-031143(JP,A)
【文献】特表2017-515658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に長い辺及び相対的に短い辺を有する基板が置かれるステージと、
前記基板の相対的に長い辺の端部又は前記基板の相対的に短い辺の端部を保持して、前記基板を移送させる移送部材と、
第1の方向に、第1のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第1の領域上に薬液を供給し、前記第1の方向に直交する第2の方向に、第2のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第2の領域上に前記薬液を供給する薬液吐出部材と、
前記第2の方向から前記第1の方向へ前記基板の方向を変える方向転換部材と、
前記基板の方向を変えるとき、前記ステージからずれる前記基板の縁部が下方に撓むことを防止するために、前記ステージからずれる前記基板の縁部に、エア噴射を提供する撓み防止部材と、
前記基板が回転して、前記移送部材が前記基板の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板の相対的に短い辺の端部を把持するか、前記移送部材が前記基板の相対的に短い辺の端部の代わりに、前記基板の相対的に長い辺の端部を把持する場合、前記回転された基板の相対的に長い辺の端部、又は前記回転された基板の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材からずれると、前記移送部材が前記回転された基板の相対的に長い辺の端部、又は前記回転された基板の相対的に短い辺の端部を把持するように、前記基板の位置又は前記移送部材の位置を調整する位置調整部材と、を含むことを特徴とする薬液供給装置。
【請求項2】
前記方向転換部材は、前記基板の底面の中心部に真空吸引を提供する保持部材と、前記保持部材を回転させる回転部材とを含むことを特徴とする請求項
1に記載の薬液供給装置。
【請求項3】
前記方向転換部材は、前記基板の底面の周辺部に真空吸引を提供する保持部材と、前記保持部材を回転させる回転部材とを含むことを特徴とする請求項
1に記載の薬液供給装置。
【請求項4】
前記基板の底面の周辺部は、前記基板の相対的に長い辺及び前記基板の相対的に短い辺から、同一距離に位置することを特徴とする請求項
3に記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記保持部材は、前記基板の底面に前記真空吸引とエア噴射を同時に提供することを特徴とする請求項
2又は
3に記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記位置調整部材は、前記基板が前記移送部材に向かって移動するように、前記基板の底面に接触されるローラを含むことを特徴とする請求項
1に記載の薬液供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液供給装置に関する。より詳しくは、基板上に異なる方向に配列されるピクセルを形成するために、該基板上に薬液を供給する薬液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置や有機発光表示装置のような表示装置を製造するために用いられる基板の寸法は、逐次増えている。大サイズの基板から、より多いパネルを得るために、1つの基板上に互いに異なるサイズを有する複数のパネルが形成される。例えば、大サイズを有する1つの基板から、約65インチのパネル及び32インチのパネルが同時に得られる。これらの異なるサイズを有するパネルは、異なる方向に配列されるピクセルを含む。
【0003】
前記異なる方向に配列されるピクセルを形成するために、前記基板の少なくとも2つの領域上に薬液が供給される。例えば、65インチのパネルのピクセルを形成するために、第1の方向に、前記基板の少なくとも2つの領域上に前記薬液が提供され、32インチのパネルのピクセルを形成するために、第2の方向に、前記基板の少なくとも2つの他の領域上に前記薬液が供給される。
【0004】
従来の薬液供給装置の薬液吐出部材は、1方向にのみ、前記薬液を前記基板上に供給することができる。すなわち、従来の薬液吐出部材は、前記第1の方向のみに沿って、前記基板の少なくとも2つの領域上に前記薬液を供給するか、前記第2の方向にのみ、前記基板の少なくとも2つの他の領域上に前記薬液を提供することができる。そこで、1つの基板上に、異なる方向に配列されるピクセルを形成するためには、前記第1の方向に、前記基板上に前記薬液を供給する薬液吐出部材を含む薬液供給装置と、前記第2の方向に、前記基板上に前記薬液を供給する他の薬液吐出部材を含む他の薬液供給装置とが求められる。これらの装置を用いて、前記基板上に異なるサイズを有するパネルを形成する場合、前記装置の構成が複雑となるだけでなく、表示装置を製造するためのコストと時間が増えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、基板上に異なる方向に配列されるピクセルを形成するために、前記基板上に薬液を供給することができる薬液供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一様態によると、基板が置かれるステージと、薬液吐出部材と、方向転換部材とを含む薬液供給装置が提供される。前記薬液吐出部材は、第1の方向に、第1のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第1の領域上に薬液を供給し、第2の方向に、第2のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第2の領域上に前記薬液を供給する。前記方向転換部材は、前記第2の方向から前記第1の方向へ前記基板の方向を変える。
【0007】
前記方向転換部材は、前記基板の底面の一部を保持する保持部材と、前記保持部材を回転する回転部材とを含む。
前記保持部材は、前記基板の底面の一部に真空吸引を提供する。
【0008】
前記保持部材は、前記基板の底面の一部に真空吸引及びエア噴射を同時に提供する。
前記薬液供給装置は、更に、前記基板の方向を変えるとき、前記ステージからずれる前記基板の縁部が下方に撓むことを防止するための撓み防止部材を含む。
【0009】
前記撓み防止部材は、前記ステージからずれる前記基板の縁部に、エア噴射を提供する。
本発明の他の様態によると、ステージと、移送部材と、薬液吐出部材と、方向転換部材とを含む薬液供給装置が提供される。相対的に長い辺及び相対的に短い辺を有する基板は、前記ステージ上に置かれる。前記移送部材は、前記基板の相対的に長い辺の端部又は前記基板の相対的に短い辺の端部を保持して、前記基板を移送させる。前記薬液吐出部材は、第1の方向に、第1のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第1の領域上に薬液を供給し、前記第1の方向に直交する第2の方向に、第2のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第2の領域上に前記薬液を供給する。前記方向転換部材は、前記第2の方向から前記第1の方向へ前記基板の方向を変える。
【0010】
前記方向転換部材は、前記基板の底面の中心部に真空吸引を提供する保持部材と、前記保持部材を回転させる回転部材とを含む。
前記方向転換部材は、前記基板の底面の周辺部に真空吸引を提供する保持部材と、前記保持部材を回転させる回転部材とを含む。ここで、前記基板の底面の周辺部は、前記基板の相対的に長い辺及び前記基板の相対的に短い辺から、同一距離に位置する。
【0011】
前記保持部材は、前記基板の底面に前記真空吸引とエア噴射を同時に提供する。
前記薬液供給装置は、更に、前記基板が回転して、前記移送部材が前記基板の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板の相対的に短い辺の端部を把持するか、前記移送部材が前記基板の相対的に短い辺の端部の代わりに、前記基板の相対的に長い辺の端部を把持する場合、前記回転された基板の相対的に長い辺の端部、又は前記回転された基板の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材からずれると、前記移送部材が前記回転された基板の相対的に長い辺の端部、又は前記回転された基板の相対的に短い辺の端部を把持するように、前記基板の位置又は前記移送部材の位置を調整する位置調整部材を含む。
【0012】
前記位置調整部材は、前記基板が前記移送部材に向かって移動するように、前記基板の底面に接触されるローラを含む。
前記薬液供給装置は、更に、前記基板の方向を変えるとき、前記ステージからずれる前記基板の縁部が下方に撓むことを防止するために、前記ステージからずれる前記基板の縁部に、エア噴射を提供する撓み防止部材を含む。
【0013】
本発明の更に他の様態によると、浮上ステージと、移送部材と、薬液吐出部材と、方向転換部材とを含む薬液供給装置が提供される。前記浮上ステージは、相対的に長い辺及び相対的に短い辺を有する基板を上部に浮かせる。前記移送部材は、前記基板の相対的に長い辺の端部又は前記基板の相対的に短い辺の端部を保持して、前記基板を移送させる。前記薬液吐出部材は、第1の方向に、第1のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第1の領域上に薬液を供給し、前記第1の方向に直交する第2の方向に、第2のピクセルのための前記基板の少なくとも2つの第2の領域上に前記薬液を供給する。前記方向転換部材は、前記基板の相対的に長い辺及び前記基板の相対的に短い辺から、同一距離に位置する前記基板の周辺部を把持して、前記第2の方向から前記第1の方向に前記基板の方向を変える。
【0014】
前記移送部材は、前記基板の底面の一部に真空吸引を提供する。
前記薬液吐出部材は、前記浮上ステージの上部から移送される前記基板上に、前記薬液を吐出するために、ガントリー及びインクジェットヘッドを含む。
【0015】
前記方向転換部材は、前記基板の底面の一部に真空吸引を提供するための保持部材と、前記保持部材と直接連結される直結型モータとを含む。
前記保持部材は、前記基板の底面の一部に、前記真空吸引とエア噴射を同時に提供する。
【0016】
前記薬液供給装置は、更に、前記基板の方向が変わるとき、前記ステージからずれる前記基板の縁部が下方に撓むことを防止するために、前記ステージからずれる前記基板の縁部にエア噴射を提供するための撓み防止部材を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、前記薬液供給装置が、前記ステージ上に置かれる前記基板の方向を変えることができるので、1つの薬液供給装置のみを用いて、異なる方向に配列されるピクセルを、1つの基板上に容易に形成することができる。また、実質的に矩形の形状を有する基板の回転で、前記基板と前記移送部材の間に整列エラーが生じても、前記基板の位置及び/又は前記移送部材の位置を調整することができるので、前記基板と前記移送部材の間に正しい整列を行うことができる。更に、前記薬液供給装置は、偏心回転により前記基板を回転することができるので、前記基板を回転する間、前記基板と前記移送部材の間に整列エラーが生じることを防止することができる。
【0018】
本発明の効果は上述したことに限定されず、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、様々に拡張されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例による薬液供給装置を説明するための概略的な平面図である。
【
図2】本発明の実施例による薬液供給装置に適用される基板を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施例による薬液供給装置の方向転換部材を説明する概略的な平面図である。
【
図6】
図5の方向転換部材を説明するための斜視図である。
【
図7】
図5の方向転換部材の保持部材を説明するための概略的な断面図である。
【
図8】本の実施例による方向転換部材の配置を説明するための概略的な平面図である。
【
図9】本発明の他の実施例による方向転換部材の配置を説明するための概略的な平面図である。
【
図10】本発明の実施例による方向転換部材を用いて、基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図11】本発明の実施例による方向転換部材を用いて、基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図12】本発明の実施例による方向転換部材を用いて、基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図13】本発明の他の実施例による方向転換部材を用いて、基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
【
図14】本発明の他の実施例による方向転換部材を用いて、基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるところ、例示する実施例を、本文で詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。各図面を説明することに当たり、類似した図面符号を、類似した構成要素に対して使用している。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素を前記用語により限定してはいけない。前記用語は、1つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。本出願で使用された用語は、単に、特定の実施例を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「なる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0021】
異なって定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、一般的に理解されるものと同一の意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有することと解析されるべきであり、本出願において明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例による薬液供給装置をより詳しく説明する。添付の図面において、実質的に同一又は類似した構成要素は、実質的に同一又は類似した参照符号を付している。
【0023】
図1は、本発明の実施例による薬液供給装置を説明するための概略的な平面図である。
図1に示しているように、本発明の実施例による薬液供給装置100は、液晶表示装置、有機発光表示装置などのようなディスプレイ装置を製造するための工程において、基板上に所定の薬液を供給するために用いられる。例えば、前記薬液供給装置100は、前記基板上に前記表示装置のピクセルを形成するための工程において、前記基板上に前記薬液を供給することができる。
【0024】
前記薬液供給装置100は、ステージ11と、薬液吐出部材13と、移送部材19とを含む。
基板10は、前記ステージ11上に配置され、前記ステージ11は、前記基板10上に前記薬液を供給する間に、前記基板10を保持する。前記ステージ11は、前記基板10の寸法よりも大きい寸法を有する。例えば、前記ステージ11は、前記基板10をその上部に十分収容可能なサイズを有する。そこで、前記基板10が前記薬液供給装置100内に搬入される場合、及び前記薬液供給装置100内で前記基板10が所定の角度で回転する場合にも、前記ステージ11が前記基板10を安定して支持することができる。
【0025】
本発明の実施例において、前記基板10が前記ステージ11上に浮上した状態で、前記基板10上に前記薬液が提供される。この場合、前記ステージ11は、前記基板10をその上部に浮上するために、所定の浮上力を、前記基板10の底面に与える。例えば、前記浮上力は、エア及び/又は超音波を用いて発生する。
【0026】
また、本発明の実施例において、前記薬液が前記基板10上に供給される間、前記基板10が前記ステージ11の表面から精度高く制御される高さを有する。すなわち、前記基板10の所望する領域上に前記薬液を正しく供給するために、前記基板10の底面と前記ステージ11の上面の間の距離を精度高く調節する必要がある。このため、前記ステージ11は、前記基板10の底面上に、空気噴射及び真空吸引を同時に提供する構成を有することができる。
【0027】
図1に示しているように、前記薬液吐出部材13は、前記ステージ11上に配置されるか、前記ステージ11の上部に浮上する前記基板10上に前記薬液を供給する。前記薬液吐出部材13は、前記移送部材19により、前記ステージ11の上部から移送される前記基板10上に、前記薬液を供給することができる。例えば、前記薬液吐出部材13は、前記ステージ11に沿って移動する前記基板10の上部に配置される。
【0028】
本発明の実施例において、前記薬液吐出部材13は、前記基板10と共に移動しながら、前記基板10上に前記薬液を提供することができる。この場合、前記薬液吐出部材13は、ガントリー15と、前記ガントリー15に設けられる少なくとも1つのインクジェットヘッド17とを含む。本発明の実施例において、前記薬液吐出部材13は、複数のインクジェットヘッドを含み、ここで、前記複数のインクジェットヘッドはそれぞれ、前記基板10上に前記薬液を噴射するための複数のノズルを含む。
【0029】
前記ガントリー15は、前記基板10が前記移送部材19により移送される方向に実質的に直交する方向に配置される。また、前記少なくとも1つのインクジェットヘッド17は、前記ガントリー15が配置される方向と実質的に同一方向に配置される。本発明の実施例において、前記少なくとも1つのインクジェットヘッド17は、前記ガントリー15が配置される方向と実質的に同一方向に沿って、前記基板10の少なくとも2つの領域上に前記薬液を供給する。ここで、前記基板10がy方向(以下、「第2の方向」という)に沿って移送される場合、前記ガントリー15及び前記少なくとも1つのインクジェットヘッド17は、x方向(以下、「第1の方向」という)に配置される。ここで、前記少なくとも1つのインクジェットヘッド17は、前記第1の方向及び/又は前記第2の方向に、前記基板10の少なくとも2つの領域上に前記薬液を噴射する。
【0030】
前述したように、本発明の実施例による薬液供給装置100は、前記ステージ11上で又は前記ステージ11の上部において、前記第1の方向に沿って移送される前記基板10の少なくとも2つの領域上に、前記薬液吐出部材13が前記第1の方向及び/又は前記第2の方向に、少なくとも前記薬液を提供する構成を有する。
【0031】
他の実施例において、前記ガントリー15及び前記少なくとも1つのインクジェットヘッド17が配置される前記第1の方向と、前記基板10が移送される第2の方向とは、実質的に直交しないこともできる。例えば、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直角ではなく、所定の角度で傾くことができる。
【0032】
以下、本発明の実施例による薬液供給装置から前記薬液が供給される基板の構成を説明する。
図2は、本発明の実施例による薬液供給装置から前記薬液が供給される基板の構成を説明するための平面図である。
図3は、
図2における「I」部分の拡大図であり、
図4は、
図2における「II」部分の拡大図である。
【0033】
図2に示しているように、
図1を参照して説明した薬液供給装置100から前記薬液が吐出される基板10は、実質的に方形の平面状を有する。また、前記基板10は、相対的に長い長さを有する第1の辺、及び相対的に短い長さを有する第2の辺を有する矩形の平面状を備える。
【0034】
前記基板10は、有機発光表示装置や液晶表示装置のようなディスプレイ装置のパネルを製造するために用いられる。様々な構成を有するディスプレイ装置を製造するために、1つの基板上に実質的に同一寸法を有する複数のパネルが形成されるよりは、1つの基板上に異なるサイズを有する複数のパネルが形成される。このような観点から、前記薬液供給装置100を用いて、1つの基板10上に、約65インチのパネルのような第1のパネル10a、及び約32インチパネルのような第2のパネル10bが形成される。ここで、前記第1のパネル10a及び前記第2のパネル10bはそれぞれ、複数のピクセルを含む。
【0035】
また、前記薬液供給装置100を用いて、前記基板10上にそれぞれ異なるサイズを有する複数のピクセルが形成される。換言すると、前記薬液供給装置100を用いて、前記基板10上に異なるサイズを有する様々なピクセルが形成される。ここで、前記複数のピクセルは、前記基板10上に、異なる方向に配列される。例えば、
図3に示しているように、それぞれの第1のパネル10aは、複数の第1のピクセル31を含む。また、
図4に示しているように、それぞれの第2のパネル10bは、複数の第2のピクセル41を含む。この場合、前記第1のピクセル31及び前記第2のピクセル41はそれぞれ、異なる方向に配列される。
【0036】
図3に示しているように、前記第1のパネル10aの第1のピクセル31は、相対的に長い長さを有する辺が、前記第1の方向に沿って配置され、相対的に短い長さを有する辺が、前記第2の方向に沿って配置される実質的に矩形の構成に配列される。この場合、前記第1のピクセル31はそれぞれ、隣接して配置される赤色(R)ピクセル、緑色(G)ピクセル、及び青色(B)ピクセルを含む。換言すると、それぞれの第1のピクセル31は、隣接して配置される赤色(R)ピクセル、緑色(G)ピクセル、及び青色(B)ピクセルを含むピクセルユニットで配置される。
【0037】
図4に示しているように、前記第2のパネル10bの第2のピクセル41は、相対的に長い長さを有する辺が、前記第2の方向に配置され、相対的に短い長さを有する辺が、前記第1の方向に配置される実質的に矩形の構成に配列される。同様に、前記第2のピクセル41は、それぞれ隣接して配置される赤色(R)ピクセル、緑色(G)ピクセル、及び青色(B)ピクセルを含む。すなわち、それぞれの第2のピクセル41は、隣接して配置される赤色(R)ピクセル、緑色(G)ピクセル、及び青色(B)ピクセルを含むピクセルユニットで配置される。
【0038】
それぞれの前記第1のピクセル31は、長軸が前記第1の方向に沿って配置され、短縮が前記第2の方向に配置される実質的に楕円又は実質的にトラックの構成で配列される。また、それぞれの前記第2のピクセル41は、長軸が前記第2の方向に沿って配置され、短縮が前記第1の方向に配置される実質的に楕円又は実質的にトラックの構成で配列される。
【0039】
それぞれの前記第1のピクセル31は、長軸が前記第1の方向に沿って配置され、短縮が前記第2の方向に配置される実質的に菱形の構成で配列される。また、それぞれの前記第2のピクセル41は、長軸が前記第2の方向に沿って配置され、短縮が前記第1の方向に配置される実質的に菱形の構成で配列される。
【0040】
図1に戻り、前記薬液吐出部材13は、上述したように、前記第1の方向に沿って、前記基板10の少なくとも2つの領域上に前記薬液を供給することができる。本発明の実施例において、前記第1のピクセル31が前記第1の方向に配列されるので、前記薬液吐出部材13は、前記第1の方向に沿って、前記第1のピクセル31のための前記基板10の少なくとも2つの第1の領域上に、前記薬液を吐出することができる。一方、前記第2のピクセル41は、前記第2の方向に配列されるので、前記薬液吐出部材13が、前記第1の方向に沿って、前記第2のピクセル41のための前記基板10の少なくとも2つの第2の領域上に前記薬液を吐出する場合は、前記薬液が所望する前記第2の領域上に正しく供給されないことがある。これによって、前記薬液吐出部材13から前記薬液を正しく前記基板10の第2の領域上に提供するために、前記第2のピクセル41が配列される方向を、前記第2の方向から前記第1の方向に切り換えることができる。換言すると、前記薬液供給装置100を用いて、前記基板10の方向を切り換える。
【0041】
以下、本発明の実施例による前記基板10の方向を変えるための方法を説明する。
図5は、本発明の実施例による薬液供給装置の方向転換部材を説明する概略的な平面図である。
図6は、
図5の方向転換部材を説明するための斜視図である。
図7は、
図5の方向転換部材の保持部材を説明するための概略的な断面図である。
図8は、本発明の実施例による方向転換部材の位置を説明するための概略的な平面図である。
図9は、本発明の他の実施例による方向転換部材の位置を説明するための概略的な平面図である。
【0042】
図1及び
図5に示しているように、本発明の実施例による薬液供給装置100は、前記基板10が位置する方向を変えられる方向転換部材51を含む。
前記方向転換部材51は、前記ステージ11上に置かれる前記基板10の方向を変える。例えば、前記方向転換部材51は、前記第2のピクセル41のための前記基板10の第2の領域の配列を、前記第2の方向から前記第1の方向に変えることができる。
【0043】
図1、
図5、及び
図6に示しているように、前記薬液供給装置100の方向転換部材51は、保持部材53と、回転部材55とを含む。前記ステージ11は、リセス構造を含み、前記方向転換部材51は、前記ステージ11の該当リセス構造内に収容される。
【0044】
前記保持部材53は、前記ステージ11上に置かれる前記基板10を保持する。前記回転部材55は、前記保持部材53を収容し、前記基板10と共に、前記保持部材53を回転させる。例えば、前記回転部材55は、前記保持部材53を収容するグルーブ構造を含み、前記保持部材53は、前記回転部材55のグルーブ構造内に部分的に収容される。本発明の実施例において、前記回転部材55は、前記保持部材53に所定の回転力を供するように、前記保持部材53に直接連結される直結型モータ(direct coupled motor)を含む。
【0045】
本発明の実施例において、前記方向転換部材51は、前記ステージ11に置かれる前記基板10を部分的に保持しながら、前記基板10を回転させ、これによって、前記ステージ11上における前記基板10の方向が変わる。例えば、前記第2のピクセル41のための前記基板10の第2の領域が、前記第2の方向から前記第1の方向に配列されるように、前記基板10が回転することができる。上述したように、前記第2の方向は、前記第1の方向と実質的に直交することもできるが、前記第2の方向が前記第1の方向に対して所定の角度で傾くこともできる。
【0046】
図7に示しているように、前記保持部材53は、前記ステージ11上において、前記基板10を真空吸引により保持する。本発明の実施例において、前記保持部材53は、前記基板10の底面に所定の吸引力を与える真空ポンプを含む。前記保持部材53が前記基板10の底面に前記吸引力のみを提供して前記基板10を保持する場合、前記基板10の底面が損傷することがある。
【0047】
本発明の実施例において、前記保持部材53は、前記基板10の底面に真空吸引及び空気噴射を同時に提供して、前記基板10を保持する。これにより、前記保持部材53は、前記基板10の底面を損傷することなく、前記基板10の底面を真空吸引及び空気噴射により、安定して保持することができる。このために、前記保持部材53は、前記基板10の底面に所定の吸引力を与える真空ポンプ、及び前記基板10の底面に所定の噴射力を与えるエアコンプレッサーを含む。
【0048】
前記基板10が大きな寸法を有する場合、前記基板10を十分収容するために、前記ステージ11も大サイズを有するため、前記基板10の方向を変えるために、該当ステージ11を回転することは容易でない。本発明の実施例によると、上部に前記基板10が置かれる前記ステージ11を回転して、前記基板10の方向を変えることではなく、前記ステージ11上に配置される前記方向転換部材51を用いて、前記基板10を回転させる。これにより、前記ステージ11上において、前記方向転換部材51により、前記基板10の方向を容易に切り換えることができる。
【0049】
本発明の実施例において、前記ステージ11が浮上ステージである場合、このようなステージ11の上部において、前記基板10の方向を変えるとき、前記保持部材53により保持される基板10の一部を除く前記基板10の底面上に空気を噴射して、前記方向転換部材51により、前記基板10の方向を変えることができる。換言すると、前記薬液吐出部材13から前記基板10上に前記薬液が供給されると、前記ステージ11は、前記基板10の底面に空気噴射及び真空吸引を同時に提供することができるが、前記基板10の方向を変えるため、前記ステージ11の上部で前記基板10を回転するときは、前記ステージ11は、前記基板10が下方に撓むことを防止するために、前記基板10の底面に空気噴射のみを提供することができる。
【0050】
本発明の実施例によると、前記薬液供給装置100は、前記第1の方向に沿って、前記第1のピクセル31のための前記基板10の少なくとも2つの第1の領域上に、前記薬液を提供することができ、前記基板10の配向を、前記第2の方向から前記第1の方向へ切り換えることができ、以後、前記第1の方向に沿って、前記第2のピクセル41のための基板10の少なくとも2つの第2の領域上に、前記薬液を供給することができる。これにより、1つの薬液供給装置のみを用いて、1つの基板から、異なる方向に配列されるピクセルを含む他のサイズのパネルを得られる。その結果、前記薬液供給装置100は簡単な構成を有し、前記パネルを含む表示装置の製造のためのコストと時間も節減することができる。
【0051】
本発明によると、前記薬液供給装置100の方向転換部材51の位置が、前記ステージ11及び/又は前記基板10に対して変わることができる。
図8は、本発明の実施例による方向転換部材の配置を説明するための概略的な平面図である。
図9は、本発明の他の実施例による方向転換部材の配置を説明するための概略的な平面図である。
【0052】
図8に示しているように、方向転換部材51は、ステージ11上に置かれる基板10の底面の中心部を保持する。前記基板10が実質的に矩形の平面形状を有する場合、前記基板10の底面の中心部は、前記基板10の互いに対向する相対的に長い辺の中心を連結するライン、及び互いに対向する相対的に短い辺の中心を連結するラインが交差する部分となる。換言すると、前記基板10の底面の中心部は、前記基板10の対向する2つの角を連結する1つのライン、及び前記基板10の対向する2つの角を連結する他の1つのラインが交差する部分となる。
【0053】
前記方向転換部材51は、前記ステージ11に置かれる前記基板10の底面の中心部を真空吸引方式で保持する。このため、前記方向転換部材51は、前記基板10の底面の中心部と対向する前記ステージ11の部分に配置される保持部材53と、前記保持部材53を回転させる回転部材55とを含む。
【0054】
本発明の実施例において、前記方向転換部材51は、その上部に、外部から前記基板10が積載される前記ステージ11の一部上に配置されることができる。選択的には、前記方向転換部材51は、第1のピクセルのための前記基板10の第1の領域上に薬液が供給された後、前記基板10が置かれるように、予め設定された前記ステージ11の一部上に配置される。
【0055】
図9に示しているように、方向転換部材51は、ステージ11上に置かれる基板10の底面の周辺部を保持する。前記基板10が実質的に矩形の平面形状を有する場合、前記基板10の底面の周辺部は、前記基板10の互いに対向する相対的に長い辺の中心を連結するライン、及び互いに対向する相対的に短い辺の中心を連結するラインが交差する部分から、前記基板10の相対的に長い辺又は前記基板10の相対的に長い辺に向かって所定の距離だけ離れた部分となる。例えば、前記基板10の底面の周辺部は、前記基板10の相対的に長い辺から離隔される第1の距離(d1)、及び前記基板10の相対的に短い辺から離隔される第2の距離(d2)が実質的に同一部分となる。この場合、前記基板10の底面の周辺部は、前記互いに対向する相対的に長い辺の中心を連結するライン上に位置する。
【0056】
前記方向転換部材51は、前記ステージ11に置かれる前記基板10の底面の中心部を真空吸引方式で保持する。このため、前記方向転換部材51は、前記基板10の底面の中心部と対向する前記ステージ11の部分に配置される保持部材53と、前記保持部材53を回転させる回転部材55とを含む。
【0057】
前記方向転換部材51は、その上部に、外部から前記基板10が積載される前記ステージ11の一部上に配置される。選択的には、前記方向転換部材51は、第1のピクセルのための前記基板10の第1の領域上に薬液が供給された後、前記基板10が置かれるように、予め設定された前記ステージ11の一部上に配置される。
【0058】
上述したように、前記薬液吐出装置100の方向転換部材51は、前記基板10の底面の中心部、又は前記基板10の底面の周辺部を保持する。
本発明の実施例において、前記薬液吐出装置100の方向転換部材51は、前記ステージ11の一部に固定されるか、前記基板10の方向転換に際して、前記ステージ11の上部で動作する構成を有する。他の実施例において、前記ステージ11が前記浮上ステージである場合、前記方向転換部材51は、前記浮上ステージの一部に固定され、前記基板10上に前記薬液が供給されるときは、前記基板10の底面に真空吸引及びエア噴射を同時に与えるように制御され、前記基板10の方向転換時には、前記基板10の底面に真空吸引のみを与えるか、真空吸引及びエア噴射を同時に与えるように制御される。この場合、前記基板10上に前記薬液が供給される間、前記方向転換部材51から前記基板10の底面に与えられる吸引力及び噴射力が、前記浮上ステージから前記基板10の底面に与えられる吸引力及び噴射力と実質的に同一である。
【0059】
図1を再度参照すると、前記薬液吐出装置100は、前記ステージ11上又は上部において、前記基板10を移送させる前記移送部材19を含む。例えば、前記移送部材19は、前記ステージ11の上部において、前記第2の方向に沿って、前記基板10を移送させる。この場合、前記移送部材19は、前記基板10の端部を把持する。本発明の実施例において、前記移送部材19は、前記基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記基板10の相対的に短い辺の端部を把持して、前記ステージ11の上部において、前記基板10を移動することができる。
【0060】
本発明の実施例において、前記移送部材19は、ガイドレール、把持部材、駆動部材などを含む。前記ガイドレールは、前記ステージ11の一側上に、前記第2の方向に沿って配置され、前記把持部材は、前記基板10の端部を把持し、前記駆動部材は、前記ガイドレールに沿って、前記把持部材を移動させる。例えば、前記把持部材は、前記基板10の底面の端部を真空吸引方式で保持する。
【0061】
前記基板10が実質的に矩形状である場合、前記薬液吐出装置100を用いて、前記基板10上に前記薬液を供給する工程において、前記移送部材19は、前記基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記基板10の相対的に短い辺の端部を把持する。前記基板10の方向を切り換えると、前記基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記基板10の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材19からずれることがある。換言すると、前記基板10が回転して、前記移送部材19が前記基板10の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板10の相対的に短い辺の端部を把持する場合、前記基板10の相対的に短い辺の端部が前記移送部材19からずれることがある。あるいは、前記基板10が回転して、前記移送部材19が前記基板10の相対的に短い辺の端部の代わりに、前記基板10の相対的に長い辺の端部を把持する場合、前記基板10の相対的に長い辺の端部が、前記移送部材19からずれることがある。
【0062】
本発明の実施例において、前記薬液供給装置100は、前記基板10の位置及び/又は前記移送部材19の位置を調整する位置調整部材23を含む。前記位置調整部材23は、前記基板10の方向変化により、前記基板10の端部が前記移送部材19からずれる場合、前記移送部材19が前記基板10の端部を再度把持するようにすることができる。例えば、前記位置調整部材23は、前記基板10が回転して、前記基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記基板10の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材19からずれる場合、前記移送部材19が前記基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記基板10の相対的に短い辺の端部を正しく把持するように、前記基板10及び前記移送部材19の間の整列を調整する。
【0063】
前記位置調整部材23は、前記回転した基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記回転した基板10の相対的に短い辺の端部を、前記移送部材19に向かって移動させる。例えば、前記位置調整部材23は、前記基板10の底面に接触することができ、前記移送部材19に向かって、前記基板10を移動させる回転ローラを含む。前記回転した基板10の相対的に長い辺の端部、又は前記回転した基板10の相対的に短い辺の端部が、前記ステージ11の端部の外部に主として位置するので、前記位置調整部材23も、前記ステージ11の端部の外部に配置される。これにより、前記基板10が回転して、前記基板10と前記移送部材19の間に整列エラーが生じても、前記位置調整部材23が前記基板10の位置及び/又は前記移送部材19の位置を調整するので、前記基板10と前記移送部材19の間で正しい整列を行うことができる。
【0064】
特に、前記基板10が実質的に矩形状である場合、前記基板10の方向が変わることにつれ、前記基板10の縁部が前記ステージ11からずれることがある。このように、前記ステージ11からずれた前記基板10の縁部には、前記ステージ11からエア噴射が提供されないので、前記基板10の縁部が下方に撓み、このため、前記基板10の縁部からクラックが生じることがある。本発明の実施例において、前記薬液供給装置100は、前記ステージ11からずれる前記基板10の縁部が下方に撓むことを防止する撓み防止部材21を設ける。
【0065】
前記撓み防止部材21は、前記基板10の方向が変わるとき、前記ステージ11からずれる前記基板10の縁部にエアを供する。本発明の実施例において、1つの撓み防止部材21は、前記ステージ11の一端部に配置される。他の実施例において、2つの撓み防止部材21は、前記ステージ11の両端部に配置される。前記撓み防止部材21により、前記基板10が回転する間に、前記基板10の縁部が下方に撓むことを防止するので、前記基板10が損傷するか、前記基板10にクラックが生じることを効率よく防止することができる。
【0066】
以下、本発明の実施例による薬液供給装置を用いる薬液を吐出する方法について、説明する。
前記ステージ11上に置かれる前記基板10の底面の中心部を把持する前記方向転換部材51を含む、
図8の薬液供給装置100を用いる薬液を吐出する方法について、説明する。
【0067】
図10乃至
図12は、本発明の実施例による方向転換部材を用いて、基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
図8及び
図10に示しているように、前記基板10が外部から前記薬液吐出装置100のステージ11上に載せられる。このような基板10の積載は、前記基板10の底面を支持するロボット腕により行われる。
【0068】
前記ステージ11上に置かれる前記基板10は、前記ステージ11から上方に突出する支持ピンにより支持される。この場合、前記ロボット腕は、前記支持ピンの間で移動するように制御される。前記支持ピンが前記ステージ11内で下方に移動して、前記ステージ11上に配置される前記基板10の位置を整列する工程が行われる。
【0069】
前記基板10の位置が整列された後、前記移送部材19が、
図8に示しているように、前記基板10の相対的に長い辺の端部を把持する。前記ステージ11が浮上ステージである場合、前記基板10が前記ステージ11の上部に浮かぶように、前記ステージ11から前記基板10の底面に、前記真空吸引及び前記エア噴射が与えられ、前記方向転換部材51からも、前記基板10の底面に前記真空吸引及び前記エア噴射が提供される。
【0070】
前記移送部材19を用いて、前記基板10が前記薬液吐出部材13の下方に移動され、以後、前記第1の方向に沿って、前記第1のピクセル31のための前記基板10の少なくとも2つの第1の領域上に、前記薬液吐出部材13から前記薬液が供給される。前記第1のピクセル31のための第1の領域上に、前記第1の方向に沿って、前記薬液を吐出した後、前記基板10は、前記移送部材19により、前記ステージ11上の初期位置又は予め設定された位置に移動される。
【0071】
図10及び
図11に示しているように、前記方向転換部材51が、前記基板10の底面の中心部を把持し、以後、前記基板10の方向を、前記第1の方向から前記第2の方向に変える。前記ステージ11が前記浮上ステージである場合、前記ステージ11から前記基板10の底面に前記エア噴射が提供される。
【0072】
前記基板10の方向が変わると、前記基板10の縁部が前記ステージ11からずれるので、前記ステージ11をずらした前記基板10の縁部に、前記撓み防止部材21から前記エア噴射が与えられる。前記基板10が回転して、前記移送部材19は、前記基板10の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板10の相対的に短い辺の端部を把持して、前記回転した基板10の相対的に長い辺の端部が、前記移送部材19からずれることになる。
【0073】
図12に示しているように、前記回転した基板10の相対的に長い辺の端部が前記移送部材19上に位置するように、前記位置調整部材23を用いて、前記基板10の位置を調整する。これにより、前記基板10の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材19により把持される。
【0074】
前記移送部材19を用いて、前記基板10を前記薬液吐出部材13の下方に移送した後、前記薬液を、前記第1の方向に沿って、前記薬液吐出部材13から、前記第2のピクセル41のための前記基板10の少なくとも2つの第2の領域上に提供する。同様に、前記ステージ11が浮上ステージである場合、前記基板10の底面に、前記ステージ11から前記真空吸引及び前記エア噴射が与えられ、前記方向転換部材51からも、前記基板10の底面に、前記真空吸引及び前記エア噴射が提供される。
【0075】
前記支持ピン及び前記ロボット腕を用いて、前記基板10を、前記ステージ11から外部に搬出して、前記薬液を吐出する工程が完了する。
前記ステージ11上に置かれる前記基板10の周辺部を把持する前記方向転換部材51を含む
図9の薬液供給装置100を用いる薬液を吐出する方法について、説明する。ここで、前記基板10の周辺部は、前記基板10の相対的に長い辺から離隔する第1の距離(d1)、及び前記基板10の相対的に短い辺から離隔される第2の距離(d2)が実質的に同一部分となる。
【0076】
図13及び
図14は、本発明の他の実施例による方向転換部材を用いて基板の方向を変えるための方法を説明するための概略的な平面図である。
図9及び
図13に示しているように、前記第1の方向に、前記第1のピクセル31のための前記基板10の第1の領域上に前記薬液を供給した後、前記方向転換部材51を用いて、前記基板10の周辺部を把持し、前記基板10の方向を変える。
【0077】
図14に示しているように、前記方向転換部材51が、前記基板10の相対的に長い辺から離隔される第1の距離(d1)、及び前記基板10の相対的に短い辺から離隔される第2の距離(d2)が実質的に同一部分を把持する場合、前記基板10の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板10の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材19の上部に位置する。換言すると、前記基板10の相対的に長い辺から離隔される第1の距離(d1)、及び前記基板10の相対的に短い辺から離隔される第2の距離(d2)が実質的に同一部分を中心とする偏心回転で、前記基板10の方向が変わる場合、前記基板10の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板10の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材19の真上に位置することができる。
【0078】
上述したように、前記方向転換部材51が、前記基板10の相対的に長い辺から離隔される第1の距離(d1)、及び前記基板10の相対的に短い辺から離隔される第2の距離(d2)が実質的に同一部分を把持する場合、前記基板10の相対的に長い辺の端部の代わりに、前記基板10の相対的に短い辺の端部が、前記移送部材19真上に位置するので、前記位置調整部材23を省略することができる。
【0079】
以上では、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。