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特許7337895単一ポーションパック、使用および調製機
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  • 特許-単一ポーションパック、使用および調製機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】単一ポーションパック、使用および調製機
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/804 20060101AFI20230828BHJP
   B65D 85/72 20060101ALN20230828BHJP
【FI】
B65D85/804 200
B65D85/72 200
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021169842
(22)【出願日】2021-10-15
(62)【分割の表示】P 2019500320の分割
【原出願日】2017-07-04
(65)【公開番号】P2022023141
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】874/16
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】521365451
【氏名又は名称】フリーツィオ、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】FREEZIO AG
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ、ミュールマン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500112(JP,A)
【文献】特表2013-531527(JP,A)
【文献】特表2010-532675(JP,A)
【文献】特表2015-517960(JP,A)
【文献】特表2014-519394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/804
B65D 85/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料濃縮物から飲料を生産するための単一ポーションパック(1)であって、前記飲料濃縮物を保持するための閉鎖可能な濃縮物容器(2)を備え、
前記単一ポーションパック(1)は、前記濃縮物容器(2)から前記飲料濃縮物を抽出するための抽出手段(4a、4b)と、前記濃縮物容器(2)から抽出された前記飲料濃縮物および供給され得る混合液から前記飲料を調製するための混合チャンバ(5)と、前記混合液を前記混合チャンバ(5)に入れるための入口(6)と、前記混合チャンバ(5)から前記飲料を出すための出口(7)と、ベース(13)と、を備える抽出混合デバイス(3)を有し、
前記濃縮物容器(2)は、前記抽出手段(4a、4b)により穿孔可能なように構成された薄いポイント(8)を有し、
前記抽出手段(4a、4b)は、穿孔部(4a)および開口部(4b)を備え、
前記穿孔部(4a)は、前記薄いポイント(b)の方向に前記ベースから突出するとともに、空気ダクト(10)を有し、
前記開口部(4b)は、前記薄いポイント(b)の方向に前記ベースから突出する、ことを特徴とする、単一ポーションパック(1)。
【請求項2】
前記抽出混合デバイス(3)は、前記薄いポイント(8)の周りの容器壁(9)において、この容器壁に対して密封して保持されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の単一ポーションパック。
【請求項3】
前記飲料濃縮物の抽出のために、前記抽出手段(4a、4b)が、前記薄いポイント(8)へ移動可能に配置されている、または、前記抽出混合デバイス(3)全体が、前記薄いポイントに対して移動可能なように構成されている、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の単一ポーションパック。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記濃縮物容器(2)を穿孔するための少なくとも1つの穿孔部(4a)を備える、ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の単一ポーションパック。
【請求項5】
前記少なくとも1つの穿孔部(4a)は、前記濃縮物容器(2)から前記飲料濃縮物を押し出すために、空気が前記濃縮物容器(2)に導入されることができる空気ダクト(10)を有する、ことを特徴とする、請求項4に記載の単一ポーションパック。
【請求項6】
前記少なくとも1つの穿孔部(4a)は、前記混合チャンバ(5)内に配置されている、ことを特徴とする、請求項4または5に記載の単一ポーションパック。
【請求項7】
入口(6)および出口(7)は、前記混合チャンバ(5)の両側に配置されている、ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の単一ポーションパック。
【請求項8】
前記混合チャンバは、入口(6)と出口(7)との間に流れのシケインを有する、ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の単一ポーションパック。
【請求項9】
前記混合チャンバ(5)は、一側において、前記濃縮物容器(2)の前記薄いポイント(8)により画定されている、ことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の単一ポーションパック。
【請求項10】
飲料調整機における、請求項1から9のいずれか一項に記載の単一ポーションパックの使用。
【請求項11】
前記単一ポーションパックのためのホルダと、前記空気ダクトに接続されることができる空気供給部と、前記入口に接続されることができる液供給部と、を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の単一ポーションパックのための飲料調整機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料濃縮物から飲料を生産するための単一ポーションパックに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コーヒー用の単一ポーションパックが、長い間知られている。コーヒーを水に溶かすために、お湯が加圧下でカプセルに導かれる。
【0003】
この数年では、例えば、シロップや粉末などの飲料濃縮物のための単一ポーションパックも、飲料濃縮物が水または炭酸水に完全に混合または溶解される市場に出ている。
【0004】
手動で空にするために既に炭酸水で充填されたボトルに押し出されるシロップカプセルが、WO2013114346により知られている。この場合、内側シール膜が、穿孔部または切断部によって穿孔され、シロップが、重力に起因してボトルに流れ込み、次にボトルを振るまたは少なくとも旋回させる必要がある。また、ボトルネックは、カプセルおよび解放機構がボトルに適合するか、正確に解放されるように寸法決めされなければならない。カプセルは、飲料調整機に適していない。
【0005】
US20110166910は、飲料調整機内で開かれ、それによって絞り出されるシロップカプセルを記載している。不都合な点は、飲料調整機の複数の部分がシロップと接触し、従って後続の飲料が先行するシロップで汚染されることであり(いわゆる相互汚染)、いずれの場合もアレルギー患者にとって問題となり得る。
【0006】
また、カプセルを通して混合液を押し出してそれを他側に逃がすために、既知のコーヒーカプセルと同様に、飲料調整器内の一側から穿孔されるカプセルが知られている。ここでも、相互汚染の恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、飲料濃縮物から飲料を生産するための単一ポーションパックであって、飲料容器内の後続の混合を不必要とし相互汚染を回避する、単一ポーションパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴により解決される。飲料濃縮物から飲料を生産するための単一ポーションパックは、飲料濃縮物を保持するための閉鎖可能な濃縮物容器と、抽出混合デバイスと、を備える。抽出混合デバイスは、濃縮物容器から飲料濃縮物を抽出するための抽出手段と、濃縮物容器から抽出された飲料濃縮物および供給され得る混合液から飲料を調製するための混合チャンバと、混合液を混合チャンバに入れるための入口と、混合チャンバから飲料を出すための出口と、を備える。
【0009】
単一ポーションパックを飲料調整機に挿入すると、混合液のために接続が作られる。飲料調整を始めると、抽出手段が作動し、濃縮物が混合チャンバに流れ込むことができる。同時に、混合液の供給を開始する。次に、混合チャンバにおいて、濃縮物容器から出る濃縮物を混合チャンバに入る混合液、例えば水や炭酸水、と連続的に混合することにより、飲料が調製され、出口を経由して直接的に飲料容器、例えば飲用グラスやボトル、に分配される。混合チャンバ、抽出手段および出口のような濃縮物と接触する領域または部分は、この場合、単一ポーションパックの一部であり、これと共に取り除かれる。濃縮物は飲料調製機の一部と接触しないため、相互汚染は起こり得ない。
【0010】
いくつかの実施形態では、濃縮物容器は、抽出手段により穿孔可能に構成された薄いポイントを有することができる。薄いポイントは、濃縮物容器に溶接された密封フィルムであり得る。この場合、濃縮物容器は、単一ポーションパックを使用するときに後に空にされる側と同じ側から充填される。代わりに、薄いポイントは成形されることもでき、濃縮物容器は異なる側から、通常は反対側から、充填される。単一ポーションパックを使用するとき、薄いポイントは、抽出手段により穿孔され、濃縮物は、能動的にまたは受動的に混合チャンバに搬送される、または流れ込む。
【0011】
いくつかの実施形態では、抽出混合デバイスは、好ましくは射出成形により、一体に製造されることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、抽出混合デバイスは、薄いポイントの周りの容器壁においてこの容器壁に対して密封して保持されることができる。従って、抽出手段を有する抽出混合デバイスは、薄いポイントの外面を覆って配置される。通常、濃縮物容器の薄いポイントは、一側において混合チャンバを少なくとも部分的に画定することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、飲料濃縮物の抽出のために、抽出手段が、薄いポイントへ移動可能なように構成されている、または、抽出混合デバイス全体が、薄いポイントに対して移動可能なように構成されている。すなわち、薄いポイントを有する濃縮物容器は、薄いポイントが抽出手段により穿孔されるように、抽出手段に対して動くことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、抽出手段は、濃縮物容器、特には薄いポイントを穿孔するための少なくとも1つの穿孔部を備えている。抽出手段は、少なくとも1つの切断部として構成されることもでき、またはそのような部分を更に備えることもできる。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの穿孔部は、濃縮物容器から飲料濃縮物を押し出すために、空気が濃縮物容器に導入されることができる空気ダクトを有することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの穿孔部は、混合チャンバ内に配置されることができる。そして、穿孔部は、同時に、より良好な混合のために流れのシケインとしての働きをすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、入口および出口は、改善された混合を達成するために、混合チャンバの両側に配置されることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、混合チャンバは、濃縮物および混合液の増大した混合を達成するために、入口と出口との間に流れのシケインを有することができる。流れのシケインは、抽出手段により完全にまたは部分的に形成されることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、混合チャンバは、飲料濃縮物が混合チャンバに直接的に入るように、一側において濃縮物容器の薄いポイントにより画定されることができる。
【0020】
更に、本発明は、飲料調整機における、前述した単一ポーションパックの使用に関する。
【0021】
更に、本発明は、単一ポーションパックのためのホルダと、空気ダクトに接続されることができる空気供給部と、入口に接続されることができる液供給部と、を備える、前述した単一ポーションパックのための飲料調整機に関する。
【0022】
本発明は、図面と関連した例示的な実施形態を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1(a)および図1(b)は、一体化された抽出混合デバイスを有する単一ポーションパックの断面図を示す。
図2図2は、開状態における図1の単一ポーションパックの断面図を示す。
図3図3は、更なる単一ポーションパックの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図3はそれぞれ、一体化された抽出混合デバイス3を有する単一ポーションパック1の簡略化された断面図を示す。
【0025】
図1(a)および図1(b)はそれぞれ、互いにほぼ垂直に延びる2つの断面における同一の単一ポーションパック1を示す。単一ポーションパック1は、抽出混合デバイス3によって濃縮物容器2から空けられ、次に混合液と混合される飲料濃縮物を保持するための濃縮物容器2を有する。
【0026】
図示の実施形態では、濃縮物容器2は、ボトルネックを有する濃縮物ボトルとしてボトル形状のように構成されている。このような濃縮物容器2は、例えば、好ましくは食品用の通常のバリア層を有する、プラスチックからのブロー成形によって、製造されることができる。濃縮物容器2を充填するために使用された開口部は、密封フィルムによって密封される。密封フィルムは、濃縮物容器2の薄いポイント8を形成する。図1および図2における濃縮物容器2とは異なり、図3に示されるように、ボトル形状の濃縮物容器2を充填するための開口部は、より広い端部に配置され、密封フィルム11で閉じられることもできる。このような実施形態の利点は、それがブロー成形なしで射出成形によって生産され得ることである。この場合、薄いポイント8は、容器壁9と比較してより小さい壁厚を有するベースによって、より狭い端部に形成されることができる。このようなボトルは、同時射出されたバリア層を有することもできる。例えば円筒状容器のような、他の容器形状も可能である。
【0027】
混合抽出デバイス3は、好ましくは、射出成形によってプラスチックから一体に製造され、周囲エプロン12を有し、それによって、薄いポイント8が抽出混合デバイス3により完全に覆われるように、薄いポイント8の周りに延びる容器壁9に対して移動可能かつ密封的に保持される。より良好な保持のために、円周方向の突起またはシールリブが、容器壁9および/またはエプロン12に設けられることができる。単一ポーションパック1が使用されるとき、抽出混合デバイス2は、第1の閉鎖位置から第2の開放位置へ移動可能である。第1の位置またはベース位置において、単一ポーションパック1は閉じられ、使用の準備ができている。これが販売されている状態である。
【0028】
抽出混合デバイス3は、一側において、濃縮物容器2の薄いポイント8により画定され、他側において、周囲エプロン12および抽出混合デバイス2の隣接するベース13により画定された混合チャンバ5を有する。
【0029】
混合抽出デバイス3は、薄いポイント8の方向にベースから突出し、空気ダクト10と薄いポイント8の方向にベース13から突出した開口部4bとを有する穿孔部4aの形態の抽出手段を更に備える。抽出手段4a、4bはそれぞれ、濃縮物容器2の薄いポイント8の真下の単一ポーションパック1の第1のベース位置で切断刃として構成された鋭端部または端部と共に延びて、薄いポイント8の方向への抽出混合デバイス3の移動の際に、図4に示されるように、抽出手段がこれを穿孔または切断し、濃縮物が混合チャンバ5に流出することを可能にする。
【0030】
空気ダクト10を有する穿孔部4aは、濃縮物をより早くより効率的に空にすることを達成するために、実質的に空気を濃縮物容器2に吹き込む働きをする。穿孔部4aだけで、濃縮物容器2を空にすることになる。その上、空気供給は、濃縮物容器2への混合液の望ましくない侵入を防止する。穿孔部4aだけで、濃縮物容器2を空にすることになる。開口部4bは、薄いポイント8の広い領域を引き裂き、破壊し、または切断し、それによって、濃縮物の抽出のための濃縮物容器2に可能な限り大きな開口をもたらし、その結果、より早く空にするように構成されている。
【0031】
更には、抽出混合デバイス2は、混合液のための入口6と連続的に混合された飲料のための出口7とを有し、それは、図1(b)の断面図に見ることができる。図示の実施形態では、入口6は、エプロン12を越えて横方向に小さな管の形態で突出し、飲料調整機内において、水または炭酸水を供給するために混合液供給部に接続されることができる。図示の実施形態では、小さい管の形態の出口7は、ベース13を越えて下方にも突出しており、混合チャンバ5において調整される混合物は、例えばグラス、ジョッキまたはボトルなどの飲料容器に直接的に充填されることができる。入口6および出口7は、好ましくは、混合チャンバ5の両側に配置されている。図に示される使用状態では、濃縮物容器2が上部に配置され、抽出混合デバイス3が下部に配置されている。
【0032】
その上、混合チャンバ5は、流入する混合液と濃縮物とのより良好な混合を確実にするために、流れのシケインを有することができる。穿孔部4aおよび開口部4bは、それらの配置の結果として、そのような流れのシケインを既に形成することができる。
【0033】
飲料調整機内において単一ポーションパック1を使用するとき、第1ステップでは、空気供給部と空気ダクト10との間および混合液供給部および入口6との間に接続が作られる。この目的のため、小さい管の形態の空気ダクト10は、エプロン12を越えて横方向に突出することができる。次に、薄いポイント8を有する濃縮物容器2が、抽出手段4a、4bの方向に押圧される(図3における矢印A)。それによって、薄いポイント8が穿孔され、濃縮物容器2が開く。空気供給(図3における矢印B)および混合液供給(図1(b)における矢印C)が、実質的に同時にスイッチオンされる。混合液は、混合チャンバ5内の濃縮物容器2から抽出された濃縮物と連続的に混合され、出口7から混合飲料として出てくる(図1(b)における矢印D)。
【符号の説明】
【0034】
1 単一ポーションパック
2 濃縮物容器
3 抽出混合デバイス
4a 穿孔部
4b 開口部
5 混合チャンバ
6 入口
7 出口
8 薄いポイント
9 容器壁
10 空気ダクト
11 密封フィルム
12 エプロン
13 ベース
図1
図2
図3