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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】ウエハーの欠陥領域を評価する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20230828BHJP
   C30B 29/06 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
H01L21/66 N
C30B29/06 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021507977
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 KR2018016723
(87)【国際公開番号】W WO2020040364
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0096559
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517354250
【氏名又は名称】エスケイ・シルトロン・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェ・ヒョン
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-154065(JP,A)
【文献】特開2008-085333(JP,A)
【文献】特表2014-518196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
C30B 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルウエハーを準備する段階と、
700℃~800℃の温度で前記サンプルウエハーに1次酸化膜を形成する段階と、
800℃~1000℃の温度で前記1次酸化膜上に2次酸化膜を形成する段階と、
1000℃~1100℃の温度で前記2次酸化膜上に3次酸化膜を形成する段階と、
1100℃~1200℃の温度で前記3次酸化膜上に4次酸化膜を形成する段階と、
記1次乃至4次酸化膜を除去する段階と、
記1次乃至4次酸化膜の除去された前記サンプルウエハーを食刻して前記サンプルウエハーの表面にヘイズを形成する段階と、
前記ヘイズに基づいて前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する段階と、を含み、
前記1次酸化膜、前記2次酸化膜、前記3次酸化膜および前記4次酸化膜のそれぞれの厚みは異なっており、前記4次酸化膜の厚みは前記1次酸化膜から前記3次酸化膜の厚みの和よりも大きい、ウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項2】
乾式酸化工程によって前記1次酸化膜、前記2次酸化膜、及び前記3次酸化膜を形成し、湿式酸化工程によって前記4次酸化膜を形成する、請求項1に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項3】
前記2次酸化膜の厚さは前記1次酸化膜の厚さより厚く、
前記4次酸化膜の厚さは前記1次乃至3次酸化膜のそれぞれの厚さより厚い、請求項1に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項4】
サンプルウエハーを準備する段階と、
第1ターゲット温度まで温度を上昇させる第1温度上昇区間、及び第2ターゲット温度を維持する第1温度維持区間を含み、前記第1温度維持区間で乾式酸化工程を用いて前記サンプルウエハーに1次酸化膜を形成する段階と、
前記第1ターゲット温度から前記第2ターゲット温度に温度を上昇させる第2温度上昇区間、及び前記第2ターゲット温度を維持する第2温度維持区間を含み、前記第2温度上昇区間及び前記第2温度維持区間で乾式酸化工程を用いて前記1次酸化膜上に2次酸化膜を形成する段階と、
前記第2ターゲット温度から第3ターゲット温度に温度を上昇させる第3温度上昇区間及び前記第3ターゲット温度を維持する第3温度維持区間を含み、前記第3温度上昇区間及び前記第3温度維持区間で乾式酸化工程を用いて前記2次酸化膜上に3次酸化膜を形成する段階と、
前記第3ターゲット温度から第4ターゲット温度に温度を上昇させる第4温度上昇区間及び前記第4ターゲット温度を維持する第4温度維持区間を含み、前記第4温度維持区間で湿式酸化工程を用いて前記3次酸化膜上に4次酸化膜を形成する段階と、
前記1次乃至4次酸化膜を除去する段階と、
前記1次乃至4次酸化膜の除去された前記サンプルウエハーを食刻して前記サンプルウエハーの表面にヘイズを形成する段階と、
前記ヘイズに基づいて前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する段階と、を含み、
前記1次酸化膜、前記2次酸化膜、前記3次酸化膜および前記4次酸化膜のそれぞれの厚みは異なっており、前記4次酸化膜の厚さは前記1次酸化膜から前記3次酸化膜の厚さの和よりも大きい、ウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項5】
前記第1ターゲット温度は750℃~800℃であり、
前記第2ターゲット温度は850℃~900℃であり、
前記第3ターゲット温度は950℃~1050℃であり、
前記第4ターゲット温度は1100℃~1200℃である、請求項4に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項6】
前記第3温度上昇区間の温度上昇勾配及び前記第4温度上昇区間の温度上昇勾配のそれぞれは4[℃/min]~6[℃/min]である、請求項4に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項7】
記4次酸化膜形成する段階と前記1次至4次酸化膜を除去する段階との間に、前記第4ターゲット温度から第5ターゲット温度まで温度を減少させる冷却工程をさらに含む、請求項4に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項8】
前記第5ターゲット温度は750℃~850℃である、請求項7に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項9】
前記冷却工程での温度下降勾配は3[℃/min]~10[℃/min]である、請求項7に記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【請求項10】
前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する段階は、
前記ヘイズはホワイト領域及びブラック領域の少なくとも一つを含み、
前記サンプルウエハーのホワイト領域の広さ又はブラック領域の広さによるスコアを付与し、付与されたスコアに基づいて前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する、請求項1乃至9のいずれかに記載のウエハー欠陥領域を評価する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例はシリコンウエハーの欠陥領域を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CZ法で製造される単結晶シリコンにおいて、引き上げ速度(V)/温度勾配(G)に係わるヴォロンコフ理論に従って、成長過程で混入した点欠陷(point defect)の濃度によって次のような結晶欠陥領域が発生し得る。
【0003】
例えば、単結晶シリコンがV/Gの臨界値以上に成長する高速成長の場合には、ボイド(Void)欠陷が存在するV-rich領域が発生し得る。
【0004】
また、例えば、単結晶シリコンがV/Gの臨界値以上に又はV-richよりは低速で成長する場合には、OISF(Oxidation-Induced Stacking Fault)欠陷がエッジ又はセンター領域にリング形に発生するOバンド(O-band)が発生し得る。
【0005】
また、例えば、単結晶シリコンがV/Gの臨界値以下に成長する低速成長の場合には、転位ループ(Dislocation loop)の相互ピーニング(pinning)によるLDP(Lage Dislocation Pit)欠陥領域が自発的に発生するI-rich領域が現れることができる。
【0006】
そして、V-rich領域とI-rich領域との間には点欠陷の凝集が生じなかった無欠陷領域が存在することができる。
【0007】
このような無欠陷領域は、含まれた点欠陷の属性によって空孔(vacancy)が優勢なVDP(Vacancy Dominant Pure)領域、及び自己格子間原子(self-interstitial)が優勢なIDP(Interstitial Dominant Pure)領域に区分することができる。
【0008】
CZ-Si内のCOP(Crystal Originated Particles)及びLDPのような成長欠陷(grown-in defect)は漏洩電流(leakage current)又は酸化膜絶縁破壊(oxide breakdown)のような素子不良と直接的に関連しているので、成長欠陥発生頻度が高い領域を含むウエハーは成長工程で排除することが好ましい。
【0009】
また、VDP及びIDP欠陥領域の混在による酸素析出力の差はウエハー内の金属汚染に対するゲッタリング力(gettering ability)の差につながって金属汚染による素子不良の誘発を予め防止することができる反面、過度な酸素析出による露出領域(denuded zone;DZ)減少又は残余酸素量(residual Oi)減少によるウエハー強度の低下などの問題が発生し得る。
【0010】
したがって、成長欠陥(grown-in defect)発生領域を制御するとともに無欠陷領域中の点欠陷分布を結晶成長段階で予め把握するとともにOバンド(O-band)、VDP領域とIDP領域の境界を正確に区分することが好ましい。
【0011】
特に、COP-freeウエハーが商用化した現在は、VDP及びIDPだけでなくOバンド(O-band)を含む無欠陷領域の境界を全て区分する方向に評価法が開発されている現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
実施例は、COP-freeウエハーのOバンド(O-band)、VDP、IDP、及びB-bandを迅速で簡便に区分するウエハーの欠陥領域を評価する方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施例によるウエハー欠陥領域を評価する方法は、サンプルウエハーを準備する段階と、700℃~800℃の温度で前記サンプルウエハーに1次酸化膜を形成する段階と、800℃~1000℃の温度で前記1次酸化膜上に2次酸化膜を形成する段階と、1000℃~1100℃の温度で前記2次酸化膜上に3次酸化膜を形成する段階と、1100℃~1200℃の温度で前記3次酸化膜上に4次酸化膜を形成する段階と、前記1次乃至4次酸化膜を除去する段階と、前記1次乃至4次酸化膜の除去された前記サンプルウエハーを食刻して前記サンプルウエハーの表面にヘイズを形成する段階と、前記ヘイズに基づいて前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する段階とを含む。
【0014】
乾式酸化工程によって前記1次酸化膜、前記2次酸化膜、及び前記3次酸化膜を形成し、湿式酸化工程によって前記4次酸化膜を形成することができる。
【0015】
前記2次酸化膜の厚さは前記1次酸化膜の厚さより厚くてもよく、前記4次酸化膜の厚さは前記1次乃至3次酸化膜のそれぞれの厚さより厚くてもよい。
【0016】
他の実施例によるウエハー欠陥領域を評価する方法は、サンプルウエハーを準備する段階と、第1ターゲット温度まで温度を上昇させる第1温度上昇区間、及び前記第2ターゲット温度を維持する第1温度維持区間を含み、前記第1温度維持区間で乾式酸化工程を用いて前記サンプルウエハーに1次酸化膜を形成する段階と、前記第1ターゲット温度から第2ターゲット温度に温度を上昇させる第2温度上昇区間、及び前記第2ターゲット温度を維持する第2温度維持区間を含み、前記第2温度上昇区間及び前記第2温度維持区間で乾式酸化工程を用いて前記1次酸化膜上に2次酸化膜を形成する段階と、前記第2ターゲット温度から第3ターゲット温度に温度を上昇させる第3温度上昇区間及び前記第3ターゲット温度を維持する第3温度維持区間を含み、前記第3温度上昇区間及び前記第3温度維持区間で乾式酸化工程を用いて前記2次酸化膜上に3次酸化膜を形成する段階と、前記第3ターゲット温度から第4ターゲット温度に温度を上昇させる第4温度上昇区間及び前記第4ターゲット温度を維持する第4温度維持区間を含み、前記第4温度維持区間で湿式酸化工程を用いて前記3次酸化膜上に4次酸化膜形成する段階と、前記1次乃至4次酸化膜を除去する段階と、前記1次乃至4次酸化膜の除去された前記サンプルウエハーを食刻して前記サンプルウエハーの表面にヘイズを形成する段階と、前記ヘイズに基づいて前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する段階とを含む。
【0017】
前記第1ターゲット温度は750℃~800℃であり、前記第2ターゲット温度は850℃~900℃であり、前記第3ターゲット温度は950℃~1050℃であり、前記第4ターゲット温度は1100℃~1200℃であり得る。
【0018】
前記第3温度上昇区間の温度上昇勾配及び前記第4温度上昇区間の温度上昇勾配のそれぞれは4[℃/min]~6[℃/min]であり得る。
【0019】
記4次酸化膜形成する段階と前記1次至4次酸化膜を除去する段階との間に、前記第4ターゲット温度から第5ターゲット温度まで温度を減少させる冷却工程をさらに含むことができる。
【0020】
前記第5ターゲット温度は750℃~850℃であり得る。
【0021】
前記冷却工程での温度下降勾配は3[℃/min]~10[℃/min]であり得る。
【0022】
前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価する段階は、前記ヘイズはホワイト領域及びブラック領域の少なくとも一つを含むことができ、前記サンプルウエハーのホワイト領域の広さ又はブラック領域の広さによるスコアを付与し、付与されたスコアに基づいて前記サンプルウエハーの欠陥領域を評価することができる。
【発明の効果】
【0023】
実施例は、COP-freeウエハーのOバンド(O-band)、VDP、IDP、及びB-bandを迅速で簡便に区分するウエハーの欠陥領域を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例によるウエハーの欠陥領域を評価する方法のフローチャートである。
【0025】
図2】他の実施例による1次乾式酸化工程、2次乾式酸化工程、3次乾式酸化工程、及び湿式酸化工程の工程条件を示す図である。
【0026】
図3】さらに他の実施例による1次乾式酸化工程、2次乾式酸化工程、3次乾式酸化工程、及び湿式酸化工程の工程条件を示すグラフである。
【0027】
図4】インゴットの引き上げ速度変化による単結晶内の欠陥分布図である。
【0028】
図5a図4のA~F部分に対する銅汚染法及び実施例による方法によって形成されたサンプルウエハーを示す図である。
図5b図4のA~F部分に対する銅汚染法及び実施例による方法によって形成されたサンプルウエハーを示す図である。
図5c図4のA~F部分に対する銅汚染法及び実施例による方法によって形成されたサンプルウエハーを示す図である。
【0029】
図6図5a~図5cの銅汚染法と実施例による方法によって測定されたVDP幅の相関関係を示す図である。
【0030】
図7】第1場合と第2場合の実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、前記目的を具体的に実現することができる本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0032】
実施例の説明において、各要素(element)の“上又は下(on or under)”に形成されるものとして記載される場合、上又は下(on or under)は二つの要素(element)が互いに直接(directly)接触するかあるいは一つ以上の他の要素(element)が前記二つの要素(element)の間に配置されて(indirectly)形成されるものを全て含む。また、“上又は下(on or under)”と表現される場合、一つの要素(element)を基準に上方のみでなく下方の意味も含むことができる。
【0033】
また、以下で使われる“第1”及び“第2”、“上/上部/上の”及び“下/下部/下の”などの関係的用語は、そのような実体又は要素間のある物理的又は論理的関係又は手順を必ず要求するか内包しなく、一つの実体又は要素を他の実体又は要素と区別するためにのみ用いることもできる。また、同じ参照番号は図面の説明全般にわたって同じ要素を示す。
【0034】
また、以下で記載する“含む”、“構成する”、又は“有する”などの用語は、特に反対の記載がない限り、該当構成要素が内在することができることを意味するものなので、他の構成要素を排除するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと解釈されなければならない。また、以下で記載する“対応する”などの用語は“対向する”又は“重畳する”意味のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0035】
図1は実施例によるウエハーの欠陥領域を評価する方法のフローチャートである。
【0036】
図1を参照すると、ウエハーの欠陥領域を評価する方法は、ウエハーサンプルを準備する段階(S110)、1次乾式酸化工程によって1次酸化膜を形成する段階(S120)、2次乾式酸化工程によって2次酸化膜を形成する段階(S130)、3次乾式酸化工程によって3次酸化膜を形成する段階(S140)、湿式酸化工程によって4次酸化膜を形成する段階(S150)、酸化膜除去及び食刻工程を実行する段階(S160)、及び評価段階(S170)を含むことができる。
【0037】
まず、ウエハーサンプルを準備する(S110)。
【0038】
このとき、準備するウエハーサンプルは、シリコン単結晶インゴットを成長させ、成長した単結晶インゴットに対するインゴットグラインディング及びクロッピング(cropping)、及びスライシング(slicing)工程を実行することによって得られる半導体用ウエハーであり得る。
【0039】
もしくは、準備するウエハーサンプルは、前記半導体用ウエハーの表面に対してラッピング(lapping)、グラインディング(grinding)、エッチング(etching)及びポリシング(polishing)工程の少なくとも一つを実行することによって得られるものであり得る。
【0040】
ついで、サンプルウエハーに1次乾式酸化工程を実行してサンプルウエハーに1次酸化膜を形成する(S120)。
【0041】
1次乾式酸化工程では、700℃~800℃の温度で酸素ガス(O2)を反応炉(又はチャンバー)に注入し、注入された酸素ガスを用いてサンプルウエハーの表面に1次酸化膜を形成することができる。
【0042】
例えば、1次酸化膜の厚さは4nm~7nmであり得る。
【0043】
1次乾式酸化工程では、格子間シリコン(interstitial Si)の豊かな領域での析出核の形成が増加して最大になることができる。これは、以後の酸化工程(S130~S150)による熱処理過程でヘイズ(haze)発生を抑制するソース(source)として作用することができる。
【0044】
ついで、2次乾式酸化工程では、800℃~1000℃の温度で酸素ガス(O2)を反応炉(又はチャンバー)に注入し、注入された酸素ガスを用いてサンプルウエハーの1次酸化膜上に2次酸化膜を形成する(S130)。
【0045】
また、2次酸化膜の厚さは1次酸化膜の厚さより大きくなることができる。
【0046】
2次酸化膜の厚さは7.8nm~35nmであり得る。例えば、2次酸化膜の厚さは16nm~35nmであり得る。
【0047】
2次乾式酸化工程では、自己格子間原子(self-interstitial)の過飽和、及び酸素析出物の核生成(nucleation)が発生することができる。低温酸化工程で過飽和した自己格子間原子(self-interstitial)は高温工程で転位(dislocation)型の欠陷に転換することができる。
【0048】
また、酸素析出物は単結晶成長後に酸素基板(oxide-substrate)の界面で過飽和した自己格子間原子(self-interstitial)のシンク(sink)の役割をするができ、結果として酸素析出力の差を格子間欠陥の形成有無に反映した点欠陷領域の区分を可能にすることができる。
【0049】
ついで、3次乾式酸化工程では、1000℃~1100℃の温度で酸素ガス(O2)を反応炉(又はチャンバー)に注入し、注入された酸素ガスを用いてサンプルウエハーの2次酸化膜上に3次酸化膜を形成する(S140)。
【0050】
3次乾式酸化工程の時間は2次乾式酸化工程の時間より長くてもよいが、これに限定されるものではない。
【0051】
また、3次酸化膜の厚さは2次酸化膜の厚さより厚くてもよいが、これに限定されるものではない。
【0052】
3次酸化膜の厚さは27nm~160nmであり得る。例えば、3次酸化膜の厚さは66nm~116nmであり得る。
【0053】
3次乾式酸化工程は、酸素析出物が成長し、自己格子間原子(self-interstitial)の拡散によって成長した酸素析出物で再結合(recombination)を引き起こす工程であり得る。
【0054】
3次乾式酸化工程では酸素析出物が自己格子間原子(self-interstitial)の再結合サイト(site)として作用するので、3次乾式酸化工程で酸素析出が活発なOバンド(O-band)/VDPとIDP(Interstitial Dominant Pure)間の境界が区分されることができる。
【0055】
また、自己格子間原子(self-interstitial)に対する再結合サイト(site)を提供するためには酸素析出物の大きさが充分に成長しなければならないので、3次乾式酸化工程は2次乾式酸化工程より長くてもよいが、これに限定されるものではなく、他の実施例では両者が同一であってもよく、3次乾式酸化工程が2次乾式酸化工程より短くてもよい。
【0056】
3次乾式酸化工程での酸素ガスの流量(又は投入量)は2次乾式酸化工程での酸素ガスの流量(又は投入量)と同一であり得るが、これに限定されるものではない。
【0057】
ついで、湿式酸化工程を実行して3次酸化膜上に4次酸化膜を形成する(S150)
【0058】
すなわち、1100℃~1200℃の温度で酸素ガス(O2)及び水素ガス(H2)を反応炉(又はチャンバー)に注入し、注入された酸素ガス及び水素ガスを用いてサンプルウエハーの3次酸化膜上に4次酸化膜を形成することができる。
【0059】
4次酸化膜の厚さは3次酸化膜の厚さより大きくてもよい。
【0060】
4次酸化膜の厚さは1次~3次酸化膜の厚さの和より大きくてもよい。
【0061】
4次酸化膜の厚さは650nm~1260nmであり得る。
【0062】
例えば、4次酸化膜の厚さは870nm~1150nmであり得る。
【0063】
湿式酸化工程の時間は2次乾式酸化工程の時間より短くてもよく、3次乾式酸化工程の時間より短くてもよい。
【0064】
湿式酸化工程での酸素ガスの流量は2次乾式酸化工程及び3次乾式酸化工程のそれぞれでの酸素ガスの流量と同一であり得る。
【0065】
また、湿式酸化工程での水素ガスの流量は湿式酸化工程での酸素ガスの流量より多くてもよい。例えば、湿式酸化工程での水素ガスの流量は1[SLM]~6[SLM]であり得、酸素ガスの流量は1[SLM]~4[SLM]であり得る。
【0066】
湿式酸化工程(S150)では、2次乾式酸化工程(S130)及び3次酸化工程(S140)で再結合せずに残った過飽和した自己格子間原子(self-interstitial)が転位型(dislocation type)欠陷に転換されることができるが、これに限定されるものではない。
【0067】
湿式酸化工程で生じた欠陷は後続の食刻段階(S160)で表面ヘイズ(haze)として作用して視覚的な分析ができるようにする。
【0068】
図2は他の実施例による1次乾式酸化工程(S120)、2次乾式酸化工程(S130)、3次乾式酸化工程(S140)、及び湿式酸化工程(S150)の工程条件を示す。
【0069】
図2を参照すると、1次乾式酸化工程(S120)の温度条件は700℃~800℃であり得、工程進行時間は1時間~3時間であり得る。形成される1次酸化膜の厚さは4nm~7nmであり得る。
【0070】
2次乾式酸化工程(S130)の温度条件は850℃~900℃であり得、工程進行時間は1時間~4時間であり得る。形成される2次酸化膜の厚さは16nm~35nmであり得る。
【0071】
また、3次乾式酸化工程(S140)の温度条件は950℃~1050℃であり得、工程進行時間は1時間~3時間であり得、3次酸化膜の厚さは66nm~116nmであり得る。
【0072】
また、湿式酸化工程(S150)の温度条件は1100℃~1200℃であり得、工程進行時間は1時間~2時間であり得、4次酸化膜の厚さは870nm~1150nmであり得る。
【0073】
図3はさらに他の実施例による1次乾式酸化工程(S120)、2次乾式酸化工程(S130)、3次乾式酸化工程(S140)、及び湿式酸化工程(S150)の工程条件を示すグラフである。
【0074】
前記グラフで、x軸は工程時間を示し、y軸は工程温度を示す。
【0075】
図3を参照すると、1次乾式酸化工程(S120)は、第1温度上昇区間(K1)、及び第1温度維持区間(K2)を含むことができる。
【0076】
第1温度上昇区間(K1)は酸素ガス(O2)が注入されていない状態で温度が一定の傾きで上昇する区間であり得る。
【0077】
第1温度維持区間(K2)では第1ターゲット温度(t1)に工程温度を維持することができ、酸素ガス(O2)を提供して1次酸化膜を形成することができる。
【0078】
第1温度上昇区間(K1)は700℃から第1ターゲット温度(t1)まで温度が上昇することができる。例えば、第1ターゲット温度(t1)は750℃~800℃であり得る。例えば、第1ターゲット温度(t1)は800℃であることができる。
【0079】
2次乾式酸化工程(S130)は第2温度上昇区間(P1)、及び第2温度維持区間(P2)を含むことができる。
【0080】
第2温度上昇区間(P1)は第1ターゲット温度(t1)から第2ターゲット温度(t2)まで温度が一定の傾きで上昇する区間であることができる。
【0081】
第2温度上昇区間(P1)は800℃から第2ターゲット温度(t2)まで温度が上昇することができ、酸素ガス(O2)を提供することができる。
【0082】
例えば、第2ターゲット温度(t1)は850℃~900℃であり得る。例えば、第2ターゲット温度(t2)は870℃であり得る。
【0083】
第2温度維持区間(P2)では第2ターゲット温度(t2)に工程温度を維持することができ、酸素ガス(O2)を提供することができる。
【0084】
第2温度上昇区間(P1)と第2温度維持区間(P2)で2次酸化膜を形成することができる。
【0085】
3次乾式酸化工程(S140)は、第3温度上昇区間(Q1)及び第3温度維持区間(Q2)を含むことができる。
【0086】
第3温度上昇区間(Q1)では第2ターゲット温度(t2)から第3ターゲット温度(t3)に温度が上昇することができ、酸素ガス(O2)を提供することができる。
【0087】
例えば、第3ターゲット温度(t3)は950℃~1050℃であり得る。例えば、第3ターゲット温度(t3)は1000℃であり得る。
【0088】
第3温度上昇区間(Q1)の温度上昇の傾きは4[℃/min]~6[℃/min]であり得る。例えば、第3温度上昇区間(Q1)の温度上昇の傾きは5[℃/min]であり得る。
【0089】
第2温度上昇区間(P1)の工程時間は第3温度上昇区間(Q1)の工程時間より短くてもよい。また、第2温度維持区間(P2)の工程時間は第2温度上昇区間(P1)の工程時間及び第3温度上昇区間(Q1)の工程時間のそれぞれより長くてもよい。
【0090】
第3温度維持区間(Q2)では第3ターゲット温度(t3)に工程温度を維持することができ、酸素ガス(O2)を提供することができる。
【0091】
第3温度上昇区間(Q1)及び第3温度維持区間(Q2)で3次酸化膜を形成することができる。
【0092】
湿式酸化工程(S150)は第4温度上昇区間(R1)及び第4温度維持区間(R2)を含むことができる。
【0093】
第4温度上昇区間(R1)では第3ターゲット温度(t3)から第4ターゲット温度(t4)に温度が上昇することができる。
【0094】
例えば、第4ターゲット温度(t4)は1100℃~1200℃であり得る。例えば、第4ターゲット温度(t4)は1150℃であり得る。
【0095】
第4温度上昇区間(R1)の温度上昇の傾きは4[℃/min]~6[℃/min]であり得る。例えば、第4温度上昇区間(R1)の温度上昇の傾きは5[℃/min]であり得る。
【0096】
第4温度上昇区間(R1)の温度上昇の傾きは第3温度上昇区間(Q1)の温度上昇の傾きと同一であり得るが、これに限定されるものではない。他の実施例で、第4温度上昇区間(R1)の温度上昇の傾きは第3温度上昇区間(Q1)の温度上昇の傾きより大きくてもよいが、さらに他の実施例では、その反対であり得る。
【0097】
第4温度維持区間(R2)では、工程温度を第4ターゲット温度(t4)に維持することができ、酸素ガス(O2)及び水素ガス(H2)を注入することができ、4次酸化膜を形成することができる。
【0098】
他の実施例では第4温度上昇区間(R1)と第4温度維持区間(R2)で酸素ガス(O2)及び水素ガス(H2)を提供することができ、4次酸化膜を形成することもできる。
【0099】
例えば、第2温度維持区間(P2)のの工程時間は第3温度維持区間(Q2)の工程時間より短くてもよい。また、第4温度維持区間(R2)の工程時間は第2温度維持区間(P2)の工程時間より短くてもよい。
【0100】
例えば、第2温度維持区間(P2)の工程時間は110分~150分であり得る。
【0101】
例えば、第3温度維持区間(Q2)の工程時間は160分~200分であり得る。
【0102】
例えば、第4温度維持区間(R2)の工程時間は80分~100分であり得る。
【0103】
例えば、第2温度維持区間(P2)の工程時間は120であり得、第3温度維持区間(Q2)の工程時間は180分であり得、第4温度維持区間(R2)の工程時間は100分であり得るが、これに限定されるものではない。
【0104】
例えば、第2温度上昇区間(P1)の工程時間は第3温度上昇区間(Q1)の工程時間より短くてもよく、第3温度上昇区間(Q1)の工程時間は第4温度上昇区間(R1)の工程時間と同一であっても短くてもよい。
【0105】
第1温度維持区間(K2)、第2温度維持区間(P2)、第3温度上昇区間(Q1)、第3温度維持区間(Q2)、第4温度上昇区間(R1)、及び第4温度維持区間(R2)のそれぞれで供給される酸素ガス流量は互いに同一であり得るが、これに限定されるものではない。他の実施例で、前記区間(K2、P2、Q1、Q2、R1、及びR2)の少なくとも一つでは残りと違う流量の酸素ガスを供給することができる。
【0106】
また、第4温度維持区間(R2)での水素ガスの流量は前記区間(K2、P2、Q1、Q2、R1、及びR2)での酸素ガス流量より大きくてもよいが、これに限定されるものではない。他の実施例で、第4温度維持区間(R2)での水素ガスの流量は前記区間(K2、P2、Q1、Q2、R1、及びR2)での酸素ガスの流量と同一であっても少なくてもよい。
【0107】
湿式酸化工程によって4次酸化膜を形成した後、サンプルウエハーに形成された1次乃至4次酸化膜を除去し、1次至4次酸化膜の除去されたサンプルウエハーを食刻して、ウエハーの表面に評価のためのヘイズ(haze)を形成する(S160)。
【0108】
例えば、弗酸溶液を用いて、1次乃至4次酸化膜が形成されたサンプルウエハーから1次乃至4次酸化膜を除去する。例えば、HFストリップ(strip)工程によって1次乃至4次酸化膜を除去することができる。
【0109】
湿式酸化工程の後、酸化ガスを注入せずに窒素ガスを注入し、第4ターゲット温度(t4)から温度を下げる冷却工程を実行することができる。
【0110】
例えば、冷却工程では第4ターゲット温度(t4)から第5ターゲット温度(t5)まで温度を低めることができる。このとき、温度下降の傾きは3[℃/min]~10[℃/min]であり得る。例えば、温度下降の傾きは3[℃/min]であり得る。
【0111】
例えば、第5ターゲット温度(t5)は750℃~850℃であり得る。例えば、第5ターゲット温度(t5)は800℃であり得る。
【0112】
前述したように、1次乃至4次酸化膜が除去されたサンプルウエハーを湿式食刻で食刻することによってサンプルウエハーの表面に点欠陷領域の評価のためのヘイズを形成することができる。
【0113】
ついで、ヘイズが表示されたサンプルウエハーに対し、ヘイズスコアリング(haze scoring)によって、結晶欠陥領域、及びサンプルウエハーの品質に対する評価を実行する(S160)。
【0114】
例えば、ヘイズはホワイト領域及びブラック領域の少なくとも一つを含むことができ、ヘイズが表示されたサンプルウエハーに対し、ホワイト領域の広さ(又は幅)、ブラック領域の広さ(又は幅)、又はホワイト領域の広さ(又は幅)とブラック領域の広さ(幅)の比率によるスコア(score)を付与することができる。
【0115】
例えば、ホワイト領域はPi領域を示すことができ、ブラック領域はPv領域を示すことができる。
【0116】
例えば、スコアリングはホワイト領域のPi領域を対象としてあるいはブラック領域のPv領域を対象として実行することができる。
【0117】
例えば、ホワイト領域又はブラック領域を対象として、ウエハーの一面の中心からウエハーのエッジ方向に既設定の長さ(例えば、10mm)を単位でスコアを10点ずつ付与することができる。ホワイト領域を対象としたスコアはホワイト領域の広さに比例し得る。
【0118】
そして、サンプルウエハーに付与されたスコアに基づいてサンプルウエハーのVDP幅とIDP幅の大小を識別することができ、VDPとIDP間の境界領域を区分することができ、IDPとLDPとの間の境界であるB-bandを識別することができる。
【0119】
図4はインゴットの引き上げ速度変化による単結晶内の欠陥分布図を示す。
【0120】
図4を参照すると、単結晶インゴットの引き上げ速度によって現れることができる単結晶の多様な欠陥領域分布を示す。
【0121】
グラフで、initial Cvは最初に流入した空孔(Vacancy)の総濃度を示し、Residual Cvは当該欠陥領域での空孔(Vacancy)濃度を示し、initial Ciは最初に流入した格子間シリコン(interstitial Si)の総濃度を示し、Residual Ciは当該欠陥領域での格子間シリコン(interstitial Si)の濃度を示す。
【0122】
例えば、単結晶インゴットの引き上げ速度又はV/Gが臨界値より高くなるほどO-band領域、V-rich領域が現れることができる。反対に、単結晶インゴットの引き上げ速度又はV/Gが臨界値より低くなるほどB-band領域、LDP領域が現れることができる。
【0123】
ここで、B-band領域はCZシリコン単結晶でIDPとLDPとの間に現れる欠陥領域であり得る。すなわち、B-band領域は単結晶成長過程で流入した格子間シリコン(interstitial Si)が過飽和状態で残った領域に過飽和したSiが酸素析出核として作用してIDPでの酸素析出量に比べてB-bandでの酸素析出量が高いことができる。
【0124】
B-band領域は過飽和したSiを析出核として酸素析出が発生するものであり、露出領域(denuded zone)が非常に浅く現れ、IDPよりむしろ素子特性に影響を与える可能性が高い。
【0125】
例えば、O-bandの酸素析出密度は7×109/cm3であり得、VDPの酸素析出密度は3×109/cm3~7×109/cm3であり得、IDPの酸素析出密度は1×108/cm3未満であり得、B-bandの酸素析出密度は1×108/cm3~5×108/cm3であり得、LDPの酸素析出密度は1×108/cm3~5×108/cm3であり得る。
【0126】
図5a~図5cは図4に示すA~F部分に対する銅汚染法及び実施例による方法によって形成されたサンプルウエハーを示す。
【0127】
図5aは図4のA部分を示す。A部分はWide VDPの欠陥領域を示す。図5bは図4のB部分、C部分、D部分を示す。B部分、C部分、D部分はintermediate VDPを示す。
【0128】
図5cは図4のE部分とF部分を示し、E部分はWide IDPを示し、F部分はB-bandを示す。
【0129】
図5a~図5cを参照すると、A~F部分それぞれに相当する一つのシリコンウエハーサンプルに対して銅汚染法(Cu contamination)及び実施例の方法を適用することができる。
【0130】
銅汚染法(Cu contamination)及び実施例の方法の適用結果によるハイライト(highlight)上でホワイト領域の形態として点欠陷領域の境界が視覚化することができる。ここで、ハイライトとは、高強度の光をエッチングによって露出されたウエハーの一面に照らしたとき、欠陥領域があれば欠陥領域によって光が散乱してきらめくヘイズ形態として観察されることができ、このようなハイライトによって点欠陷領域が視覚化することができる。
【0131】
ここで、VDP領域はブラック(black)領域で表示されることができ、IDP領域はホワイト(white)領域で表示することができる。また、B-band領域はブラック(black)領域で表示することができる。
【0132】
図5a乃至図5cに示したように、実施例の方法によって視覚化するホワイト領域及びブラック領域は銅汚染法(Cu contamination)法によって視覚化するホワイト領域及びブラック領域と類似している形態を示す。
【0133】
したがって、実施例の方法によって獲得されたヘイズに基づく欠陥領域の評価は銅汚染法(Cu contamination)に基づく欠陥領域の評価程度の信頼性を有することができる。
【0134】
すなわち、1次及び2次乾式酸化工程によって酸素析出物の核生成(nucleation)がなされることができ、3次乾式酸化工程によって酸素析出物の成長及び再結合(recombination)がなされることができ、湿式酸化工程による過飽和した自己格子間原子(self-interstitial)の転位(dislocation)型の欠陷に転換されることができ、酸化膜除去及び食刻工程によってウエハーの表面にVDP、IDP、及びB-bbandを区別することができるヘイズを形成することができる。このように形成されたヘイズは銅汚染法によって獲得されたホワイト領域及びブラック領域と類似している形態を有することができ、既存の銅汚染法に獲得されたヘイズをスコアリングする方法をそのまま適用することができる利点がある。
【0135】
図6図5a乃至図5cでの銅汚染法と実施例による方法によって測定されたVDP幅の相関関係を示す。
【0136】
図6を参照すると、銅汚染法によって獲得されたVDP幅と実施例による方法によって獲得されたVDP幅との間には高い相関関係があることが分かる。
【0137】
図6で、直線グラフに対する線形方程式(y=1.1793X+0.1037)は銅汚染法によるVDP幅の理想的な趨勢線を示す。図6で、R2は実施例による方法によって獲得されたVDP幅と前記線形方程式との間の決定係数(coefficient of determination)を示す。
【0138】
上述したS120~S170段階を含む実施例は銅汚染法の点欠陷領域評価法と高い相関性又は相関関係(R2>0.9)を有し、既存の銅汚染方式を代替することができる可能性が高いと言える。
【0139】
実施例は、CZ法によって成長した単結晶シリコンを一定の厚さに切断(sawing)した後、表面損傷(damage)の除去及び鏡面化(polishing)を完了したウエハーはもちろんのこと、混酸(mixed acid)食刻で表面損傷(damage)のみを除去したウエハーに対する工程投入及び評価が可能である。
【0140】
したがって、インゴット成長直後の時点まで点欠陷評価段階を繰り上げることができ、これによって実施例は生産コスト及び銅原料を節減することができる。また、実施例は点欠陷評価のために別途の金属汚染が必要でないので、別途の金属汚染装置を準備しなくても良く、金属による反応炉(furnace)の汚染も気づかう必要がない。
【0141】
図7は第1場合(CASE1)と第2場合(CASE2)に対する実験結果を示す。
【0142】
第1場合(CASE1)は図4のF部分のサンプルウエハーに対し、1次乾式酸化工程(S120)を省略し、S130~S170を遂行した結果を示す。
【0143】
第2場合(CASE2)は図4のF部分のサンプルウエハーに対する実施例によるS120~S170を遂行した結果を示す。
【0144】
第1場合(CASE1)ではただIDP及びVDPのみ現れる反面、第2場合(CASE2)でB-bandが現れることが分かる。したがって、第1場合(CASE1)ではB-bandを識別することができない。しかし、第2場合(CASE2)では、図4の銅汚染法による結果と同様に、B-bandを区別することができる。したがって、実施例は銅汚染の必要なしに、迅速で簡便にB-band領域を識別することができる。
【0145】
以上で実施例で説明した特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一実施例に含まれ、必ずしも一実施例にだけ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって他の実施例でも組み合わせるとか変形することができる。したがって、このような組合せ及び変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならないであろう。
【産業上の利用可能性】
【0146】
実施例はCOP-freeウエハーのO-band、VDP、IDP、及びB-Bandを迅速で簡便に区分するウエハーの欠陥領域を評価することができるウエハーの欠陥領域を評価する方法に使うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7