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特許7338040整形外科的関節のための外科的な修正処置の術前計画
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】整形外科的関節のための外科的な修正処置の術前計画
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20230828BHJP
   A61F 2/30 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
A61B34/10
A61F2/30
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022509002
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-18
(86)【国際出願番号】 US2020046484
(87)【国際公開番号】W WO2021034706
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】62/887,838
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521418414
【氏名又は名称】ホウメディカ・オステオニクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
【住所又は居所原語表記】325 Corporate Drive Mahwah, NJ 07430, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シャウウィ、ジャン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤ、マキシミリアン
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0014891(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/10
A61B 17/56-17/92
A61F 2/30
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングシステムが、罹患した解剖学的対象物に適した形状モデルを決定することと、
コンピューティングシステム、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得することと、ここにおいて、前記画像データが、前記インプラントをもつ前記関節の3Dモデルを備える、
コンピューティングシステムが、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別することと、
コンピューティングシステムが、前記骨に対応すると識別された前記ボクセルに基づいて、前記骨に対する初期形状推定を決定することと、
コンピューティングシステムが、アライメントされた初期形状推定を形成するように前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントすることと、
コンピューティングシステムが、前記骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために前記アライメントされた初期形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させることと
を備えるコンピューティングシステムの作動方法
【請求項2】
コンピューティングシステムが、前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似をディスプレイデバイスに出力すること
をさらに備える、請求項1に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項3】
コンピューティングシステムが、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントに対応するボクセルを識別することと、
コンピューティングシステムが、前記インプラントのない前記関節の3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記インプラントに対応する前記ボクセルを除去することと
をさらに備える、請求項1または2に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項4】
コンピューティングシステムが、前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似に基づいて、前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをセグメント化すること、および
コンピューティングシステムが、前記インプラントのない前記関節の前記セグメント化された3Dモデルを出力すること
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項5】
コンピューティングシステムが、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、非インプラント特徴に対応するボクセルを識別することと、
コンピューティングシステムが、前記インプラントの3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記非インプラント特徴に対応する前記ボクセルを除去することと
をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項6】
コンピューティングシステムが、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントの3Dモデルを決定するために前記インプラントに対応するボクセルを識別することと、
コンピューティングシステムが、前記インプラントの前記3Dモデルに基づいて、前記インプラントのための1つまたは複数の特徴を決定することと、
コンピューティングシステムが、前記インプラントのための前記決定された1つまたは複数の特徴に基づいて前記アライメントされた初期形状推定を形成するために、前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントすることと
をさらに備える、請求項1に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項7】
前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントすることは、コンピューティングシステムが、前記形状モデルへの前記初期形状推定の初期アライメントを実施することと、前記形状モデルに対して前記初期アライメントを回転させることと
をさらに備える、請求項6に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項8】
前記埋め込み前の罹患した骨に適した前記形状モデルを決定することは、コンピューティングシステムが、前記埋め込み前の罹患した骨の分類をユーザから受け取ることを備える、請求項1に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項9】
骨に対応する前記ボクセルを識別することは、コンピューティングシステムが、
前記3Dモデル内のボクセルを、骨、インプラント、軟部組織、またはノイズのうちの1つに対応すると分類すること
を備える、請求項1に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項10】
最初にアライメントされた形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させることは、コンピューティングシステムが、反復的最近点レジストレーションまたは弾性レジストレーションの一方または両方を実施することを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンピューティングシステムの作動方法
【請求項11】
メモリと、
回路内で実装され、
罹患した解剖学的対象物に適した形状モデルを決定し、
インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、ここにおいて、前記画像データが、前記インプラントをもつ前記関節の3Dモデルを備える、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別し、
前記骨に対応すると識別された前記ボクセルに基づいて、前記骨に対する初期形状推定を決定し、
アライメントされた初期形状推定を形成するように前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントし、
前記骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために前記アライメントされた初期形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させる
ように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えるデバイス。
【請求項12】
前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントに対応するボクセルを識別し、
前記インプラントのない前記関節の3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記インプラントに対応する前記ボクセルを除去する ようにさらに構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似に基づいて、前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをセグメント化する
ようにさらに構成される、請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントの3Dモデルを決定するために前記インプラントに対応するボクセルを識別し、
前記インプラントの前記3Dモデルに基づいて、前記インプラントのための1つまたは複数の特徴を決定し、
前記インプラントのための前記決定された1つまたは複数の特徴に基づいて前記アライメントされた初期形状推定を形成するために、前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントする
ようにさらに構成され、
前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントするために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記形状モデルへの前記初期形状推定の初期アライメントを実施し、前記形状モデルに対して前記初期アライメントを回転させるようにさらに構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
初期にアライメントされた形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させるために、前記1つまたは複数のプロセッサが、反復的最近点レジストレーションまたは弾性レジストレーションの一方または両方を実施するようにさらに構成される、請求項11から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2019年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/887,838号の利益を主張するものであり、同仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]外科的な関節修復処置は、損傷したまたは病んでいる関節の修復および/または置換を伴う。一例として関節置換術などの外科的な関節修復処置は、損傷した関節または損傷したインプラントを、患者の骨に埋め込まれた人工関節と置換することを伴うことがある。適切なサイズおよび形状にされた人工関節の適切な選択または設計ならびにその人工関節の適切な位置決めは、最適な外科的な転帰を保証するために重要である。外科医は、人工関節選択、設計、および/または位置決め、ならびに人工関節を受け入れるまたはこれと相互作用するように骨または組織を準備する外科的なステップの助けとするために、損傷した骨を分析し得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本開示は、1つまたは複数のインプラントコンポーネントが留置されている整形外科的関節の骨の埋め込み前の罹患した近似(pre-implant, morbid approximation)を決定するための技法について説明する。本開示は、整形外科的関節に埋め込まれるインプラントのタイプを決定する技法についても説明する。
【0004】
[0004]一例によれば、方法は、罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定することと、コンピューティングシステムによって、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得することと、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、インプラントをもつ関節の3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別することと、骨に対応すると識別されたボクセルに基づいて、骨に対する初期形状推定を決定することと、アライメントされた初期形状推定を形成するように初期形状推定を形状モデルにアライメントすることと、骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために、アライメントされた初期形状推定に基づいて形状モデルを変形させることとを含む。
【0005】
[0005]別の例によれば、方法は、コンピューティングシステムによって、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得することと、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、3Dモデル内の第1の対象物を識別することと、ここにおいて、第1の対象物はインプラントの第1のコンポーネントに対応する、第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定することと、3Dモデル内の第2の対象物を識別することと、ここにおいて、第2の対象物はインプラントの第2のコンポーネントに対応する、第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定することと、第1のベクトルおよび第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定することと、第1のベクトル、第2のベクトル、および第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定することと、3Dモデル内の解剖学的対象物を識別することと、決定された患者座標系に基づいて画像データから形状モデルに解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成することと、初期アライメントされた形状に基づいて、解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成することとを含む。
【0006】
[0006]別の例によれば、方法は、コンピューティングシステムによって、患者の関節の画像データを取得することと、コンピューティングシステムによって、関節が既存のインプラントを含むことを決定することと、関節の画像データをセグメント化することと、既存のインプラントに関するタイプの識別を生成することとを含む。
【0007】
[0007]別の例によれば、方法は、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得することと、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データ内で、既存のインプラントの画像を識別することと、メモリデバイス内で、複数のインプラント製品を複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスすることと、複数のインプラント製品の各インプラント製品は少なくとも1つの画像と関連づけられる、複数のインプラント製品に関する画像に対する既存のインプラントの画像の比較に基づいて、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別することとを含む。
【0008】
[0008]別の例によれば、方法は、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得することと、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別することと、セメントに対応する画像の部分に基づいて、既存のインプラントをもつ患者の関節のセメント強度を決定することと、決定されたセメント強度に基づいて出力を生成することとを含む。
【0009】
[0009]別の例によれば、デバイスは、メモリと、回路内で実装され、罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定し、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、インプラントをもつ関節の3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別し、骨に対応すると識別されたボクセルに基づいて、骨に対する初期形状推定を決定し、アライメントされた初期形状推定を形成するように初期形状推定を形状モデルにアライメントし、骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するためにアライメントされた初期形状推定に基づいて形状モデルを変形させるように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0010】
[0010]別の例によれば、デバイスは、メモリと、回路内で実装され、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、3Dモデル内の第1の対象物を識別し、ここにおいて、第1の対象物はインプラントの第1のコンポーネントに対応する、第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定し、3Dモデル内の第2の対象物を識別し、ここにおいて、第2の対象物はインプラントの第2のコンポーネントに対応する、第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定し、第1のベクトルおよび第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定し、第1のベクトル、第2のベクトル、および第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定し、3Dモデル内の解剖学的対象物を識別し、決定された患者座標系に基づいて画像データから形状モデルに解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成し、初期アライメントされた形状に基づいて、解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成するように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0011】
[0011]別の例によれば、デバイスは、メモリと、回路内で実装され、患者の関節の画像データを取得し、関節が既存のインプラントを含むことを決定し、関節の画像データをセグメント化し、既存のインプラントに関するタイプの識別を生成するように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0012】
[0012]別の例によれば、デバイスは、メモリと、回路内で実装され、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得し、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データ内で既存のインプラントの画像を識別し、複数のインプラント製品を複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスし、複数のインプラント製品の各インプラント製品は少なくとも1つの画像と関連づけられる、複数のインプラント製品に関する画像に対する既存のインプラントの画像の比較に基づいて、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別するように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0013】
[0013]別の例によれば、デバイスは、メモリと、回路内で実装され、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得し、既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別し、セメントに対応する画像の部分に基づいて、既存のインプラントをもつ患者の関節のセメント強度を決定し、決定されたセメント強度に基づいて出力を生成するように構成された1つまたは複数のプロセッサとを含む。
【0014】
[0014]別の例によれば、システムは、罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定するための手段と、コンピューティングシステムによって、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得するための手段と、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、インプラントをもつ関節の3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別するための手段と、骨に対応すると識別されたボクセルに基づいて、骨に対する初期形状推定を決定するための手段と、アライメントされた初期形状推定を形成するように初期形状推定を形状モデルにアライメントするための手段と、骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために、アライメントされた初期形状推定に基づいて形状モデルを変形させるための手段とを含む。
【0015】
[0015]別の例によれば、システムは、コンピューティングシステムによって、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得するための手段と、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、3Dモデル内の第1の対象物を識別するための手段と、ここにおいて、第1の対象物はインプラントの第1のコンポーネントに対応する、第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定するための手段と、3Dモデル内の第2の対象物を識別するための手段と、ここにおいて、第2の対象物はインプラントの第2のコンポーネントに対応する、第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定するための手段と、第1のベクトルおよび第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定するための手段と、第1のベクトル、第2のベクトル、および第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定するための手段と、3Dモデル内の解剖学的対象物を識別するための手段と、決定された患者座標系に基づいて画像データから形状モデルに解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成するための手段と、初期アライメントされた形状に基づいて、解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成するための手段とを含む。
【0016】
[0016]別の例によれば、システムは、コンピューティングシステムによって、患者の関節の画像データを取得するための手段と、コンピューティングシステムによって、関節が既存のインプラントを含むことを決定するための手段と、関節の画像データをセグメント化するための手段と、既存のインプラントに関するタイプの識別を生成するための手段とを含む。
【0017】
[0017]別の例によれば、システムは、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得するための手段と、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データ内で、既存のインプラントの画像を識別するための手段と、メモリデバイス内で、複数のインプラント製品を複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスするための手段と、複数のインプラント製品の各インプラント製品は少なくとも1つの画像と関連づけられる、複数のインプラント製品に関する画像に対する既存のインプラントの画像の比較に基づいて、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別するための手段とを含む。
【0018】
[0018]別の例によれば、システムは、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得するための手段と、コンピューティングシステムによって、既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別するための手段と、セメントに対応する画像の部分に基づいて、既存のインプラントをもつ患者の関節のセメント強度を決定するための手段と、決定されたセメント強度に基づいて出力を生成するための手段とを含む。
【0019】
[0019]別の例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに、罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定させ、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得させ、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、インプラントをもつ関節の3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別させ、骨に対応すると識別されたボクセルに基づいて、骨に対する初期形状推定を決定させ、アライメントされた初期形状推定を形成するように初期形状推定を形状モデルにアライメントさせ、骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために、アライメントされた初期形状推定に基づいて形状モデルを変形させる命令を記憶する。
【0020】
[0020]別の例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得させ、ここにおいて、画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える、3Dモデル内の第1の対象物を識別させ、ここにおいて、第1の対象物はインプラントの第1のコンポーネントに対応する、第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定させ、3Dモデル内の第2の対象物を識別させ、ここにおいて、第2の対象物はインプラントの第2のコンポーネントに対応する、第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定させ、第1のベクトルおよび第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定させ、第1のベクトル、第2のベクトル、および第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定させ、3Dモデル内の解剖学的対象物を識別させ、決定された患者座標系に基づいて、画像データから形状モデルに解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成させ、初期アライメントされた形状に基づいて、解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成させる命令を記憶する。
【0021】
[0021]別の例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに、患者の関節の画像データを取得させ、関節が既存のインプラントを含むことを決定させ、関節の画像データをセグメント化させ、既存のインプラントに関するタイプの識別を生成させる命令を記憶する。
【0022】
[0022]別の例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得させ、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データ内で、既存のインプラントの画像を識別させ、複数のインプラント製品を複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスさせ、複数のインプラント製品の各インプラント製品は少なくとも1つの画像と関連づけられる、複数のインプラント製品に関する画像に対する既存のインプラントの画像の比較に基づいて、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別させる命令を記憶する。
【0023】
[0023]別の例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得させ、既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別させ、セメントに対応する画像の部分に基づいて、既存のインプラントをもつ患者の関節のセメント強度を決定させ、決定されたセメント強度に基づいて出力を生成させる命令を記憶する。
【0024】
[0024]本開示のさまざまな例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。さまざまな特徴、目的、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0025]本開示の技法を実装するために使用され得る例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図。
図2】[0026]修正ユニットの例示的な実装形態を示す図。
図3A】[0027]リバース型インプラントを含む肩関節に関するコンピュータ断層撮影(CT)スキャンの軸方向スライスを示す図。
図3B】[0028]インプラントコンポーネントを隔離するセグメンテーション後の図3Aのインプラントを示す図。
図4】[0029]インプラント分析ユニットの一例を示す図。
図5】[0030]解剖学的インプラントを含む肩関節に対するCTスキャンの軸方向スライスを示す図。
図6】[0031]図3Bのセグメント化された画像上で特徴抽出がどのように実施され得るかを図示する図。
図7A】[0032]解剖学的インプラントのためのインプラントコンポーネントを隔離するセグメント化された画像上で特徴抽出がどのように実施され得るかを図示する図。
図7B】解剖学的インプラントのためのインプラントコンポーネントを隔離するセグメント化された画像上で特徴抽出がどのように実施され得るかを図示する図。
図8】[0033]骨疑似セグメンテーションの一例を示す図。
図9A】[0034]インプラント特徴を使用するために統計的形状モデル(SSM)に最初にアライメントされる患者解剖学的構造の一例を示す図。
図9B】[0035]反復的最近点(ICP)レジストレーションを使用して患者解剖学的構造に登録されるSSMの一例を示す図。
図10】[0036]患者解剖学的構造の罹患した埋め込み前近似を生成するための患者投影に対するSSMの一例を示す図。
図11】[0037]重ねられた肩甲骨疑似セグメンテーションおよび肩甲骨SSM予測をもつCTスキャンの一例を示す図。
図12】[0038]重ねられた肩甲骨疑似セグメンテーション、肩甲骨SSM予測、およびML確率マップをもつ例示的なCTスキャンを示す図。
図13】[0039]機械学習ユニットの一例を示す図。
図14】[0040]患者の座標系を決定するために使用される対象物となる点を有する肩甲骨の例示。
図15A】[0041]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面状切断の例示。
図15B】患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面状切断の例示。
図16】[0042]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面に対する法線の斜視図の概念図。
図17】[0043]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面に対する法線の別の斜視図の概念図。
図18】[0044]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る横軸を図示する概念図。
図19A】[0045]図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の一例を図示する概念図。
図19B図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の一例を図示する概念図。
図20A】[0046]図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の結果を図示する概念図。
図20B図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の結果を図示する概念図。
図20C図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の結果を図示する概念図。
図21A】[0047]図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の別の例を図示する概念図。
図21B図18の横軸を決定するための肩甲骨を通る矢状切断の別の例を図示する概念図。
図22】[0048]患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る横軸と肩甲骨を通る平面に対する法線とを図示する概念図。
図23】[0049]患者の座標系を決定するための関節窩の中心場所に対しての肩甲骨を通る横軸および肩甲骨を通る平面に対する法線の動きを図示する概念図。
図24】[0050]形状モデルへのセグメンテーション対象物の初期アライメントの一例を図示する概念図。
図25】[0051]形状モデルへのセグメンテーション対象物の中間アライメントの一例を図示する概念図。
図26】[0052]ICPアルゴリズムのための差異値を決定するための例を図示する概念図。
図27A】[0053]患者の解剖学的構造の罹患前形状を決定するために使用されるコスト関数のパラメータを決定するための関節窩の部分を図示する概念図。
図27B】患者の解剖学的構造の罹患前形状を決定するために使用されるコスト関数のパラメータを決定するための関節窩の部分を図示する概念図。
図28】[0054]本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャート。
図29】[0055]本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャート。
図30】[0056]本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャート。
図31】[0057]本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャート。
図32】[0058]本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0059]患者は、患者解剖学的構造に損傷を起こす傷害または疾患(たとえば、病気)に苦しむことがある。肩に関して、患者解剖学的構造の一例として、患者は、数例として、一次性肩甲上腕関節変形性関節症(PGHOA)、肩腱板断裂関節症(RCTA)、不安定性、広範囲腱板断裂(MRCT)、関節リウマチ(RA)、外傷後関節炎(PTA)、変形性関節症(OA)、または急性骨折に苦しむことがある。
【0027】
[0060]疾患または傷害に対処するために、外科医は、数例として、リバース型人工関節置換術(RA)、拡張リバース型人工関節置換術(RA)、標準的な人工肩関節全置換術(TA)、拡張人工肩関節全置換術(TA)、または半球状肩手術(Hemispherical shoulder surgery)などの外科的な処置を実施することがある。外科医が、手術の前に、患者解剖学的構造の特性(たとえば、大きさ、形状、および/または場所)を決定することには利益があることがある。たとえば、患者解剖学的構造の特性を決定することは、人工関節選択、設計、および/または位置決め、ならびに人工関節を受け入れるまたはこれと相互作用するように損傷した骨の表面を準備する外科的なステップの計画を助けることがある。事前の計画があれば、外科医は、手術中ではなく手術前に、骨または組織を準備するステップ、手術中に必要とされるツール、ツールの大きさおよび形状、埋め込まれる1つまたは複数の人工関節の大きさおよび形状または他の特性などを決定することができる。
【0028】
[0061]既存のインプラントコンポーネントとすでに嵌合している関節に追加または置換のインプラントコンポーネントを留置することは、修正手術または外科的な修正処置と呼ばれることがある。整形外科的関節に関する外科的な修正処置は、かなり一般的である。たとえば、人工肩関節置換術の約30%は、外科的な修正処置である。以前の外科的な処置またはコンポーネントが故障したとき、外科的な修正処置が必要とされることがある。処置またはコンポーネントがどのように故障するかの例としては、外傷もしくは感染症などの他の合併症を経験する1つもしくは複数のインプラントコンポーネント、インプラント動作が失敗する点までさらに進行する疾患状態、または適切に働くのに他の点で失敗するもしくは中止する既存のインプラントコンポーネントをもつ患者があり得る。既存のインプラントコンポーネントの存在は、骨折または破片または他の点で悪化した骨条件も有する患者と相関することがある。関節の良好な画像、セグメンテーション、およびモデリングを取得することは、外科的な修正処置のための術前および術中計画において特に重要であることができる。
【0029】
[0062]コンピューティングデバイスは、形状および大きさが可視化可能であるように個々の解剖学的対象物を分離するために関節の画像データ(たとえば、CT画像データ)をセグメント化することがある。コンピューティングデバイスは、肩甲骨、鎖骨、関節窩、上腕骨などの特定の解剖学的構造を含む患者解剖学的構造の3D画像を医師または他のユーザに提示することがある。画像データを取得し、画像データをセグメント化するとき、既存のインプラント、特に金属のインプラントの存在は、セグメンテーションプロセスの複雑化を潜在的に引き起こし得る。インプラントは、たとえば、セグメンテーションを実施することを困難にするまたは結果として生じるセグメンテーションを信頼できないものにする、CT画像内のノイズまたはアーチファクトを生ずることがある。
【0030】
[0063]本開示は、1つまたは複数のインプラントコンポーネントが(たとえば、修正処置を実施するために)留置されている整形外科的関節を表す画像データをセグメント化するための技法について説明する。本開示の技法は、関節がインプラントコンポーネントを含むときですら、インプラントによって引き起こされるノイズおよびアーチファクトによってもたらされる合併症を克服または回避し、コンピューティングデバイスが関節の有用なセグメンテーションを生じることを可能にする助けとなることがある。そのうえ、本開示は、デバイスが、獲得された画像データから1つまたは複数の既存のインプラントコンポーネントおよび関節に関する情報を取得することを可能にし得る技法について説明する。デバイスは、代替的または追加的に、既存のインプラントコンポーネントを1つまたは複数の新しいインプラントコンポーネントと置換するように、修正のための外科的な修正処置計画を準備することがある。
【0031】
[0064]いくつかの例では、技法は、コンピューティングデバイスが、情報に基づいて外科的な修正処置を実施するために外科医または外科的なチームに術中外科的なガイダンスを提供することを可能にし得る。したがって、本開示の技法は、コンピューティングデバイスが、外科的な修正処置のための術前および/または術中の外科的な計画とガイダンスとをより良くサポートすることを可能にすることによって、既存のコンピューティングデバイスを改善し得る。このより良い外科的な計画および/またはガイダンスは、既存のインプラントをもつ関節のセグメンテーションを改善する形を取ってよいが、既存のインプラントコンポーネントの自動化された分類ならびにそのような既存のインプラントコンポーネントを置換する外科的な修正に関する処置タイプおよびインプラントタイプに関連する外科医への自動化された推奨などのより信頼性の高い外科的な分類および/または推奨の形も取ってよい。
【0032】
[0065]本開示の技法は、コンピューティングデバイスが、術前計画ならびに術中意思決定を助けることができるさまざまなタイプの2Dおよび/または3D画像を、ディスプレイを介して、医師、看護師、患者、または他のユーザに提示することを可能にすることによって、修正手術に関するより良い術前および術中の外科的なガイダンスを提供し得る。いくつかの例では、コンピューティングデバイスは、関節の複数の部分を示す画像および/または関節のさまざまな部分を分離する画像のどちらかを生成するように構成されることがある。既存のインプラントの存在にもかかわらず、コンピューティングデバイスは、インプラントが存在しないかのように(罹患後状態または罹患前近似のどちらかにおける)関節を示す画像を生成するように構成されることがある。他の例では、コンピューティングデバイスは、既存のインプラントを示すまたはインプラントの存在を知らせるために画像に注釈を付けるのどちらかを行う画像を生成するように構成されることがある。
【0033】
[0066]ネイティブ(native)解剖学的構造とも呼ばれる罹患前解剖学的構造は、疾患の発病または傷害の発生の前の解剖学的構造を指す。疾患または傷害の後ですら、解剖学的構造の健康な部分と、解剖学的構造の健康でない(たとえば、病んでいるまたは損傷した)部分があることがある。解剖学的構造の病んでいるまたは損傷した部分は、病理性解剖学的構造と呼ばれ、解剖学的構造の健康な部分は、非病理性解剖学的構造と呼ばれる。
【0034】
[0067]本開示で使用されるとき、罹患前特徴づけは、患者が疾患または傷害に苦しむ前、したがって、インプラントの埋め込みの前にも、存在したように、患者解剖学的構造を特徴づけることを指す。患者は、一般的には、その解剖学的構造がすでに病んでいるまたは受傷するまで医師または外科医を受診しないので、解剖学的構造の罹患前特徴づけは、多くの場合、利用できない。本開示で使用されるとき、罹患した埋め込み前特徴づけは、患者がインプラントを埋め込まれる前だが疾患または傷害に苦しむ後に存在したように、患者解剖学的構造を特徴づけることを指す。本開示で使用されるとき、埋め込み後特徴づけは、インプラントを埋め込まれた後に存在するかのように患者解剖学的構造を特徴づけることを指す。
【0035】
[0068]図1は、本開示の技法を実装するために使用され得る例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。図1はデバイス100を図示し、デバイス100は、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法を実施するように構成されたコンピューティングデバイスの一例である。
【0036】
[0069]デバイス100は、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、および他のタイプのコンピューティングデバイスなどの、さまざまなタイプのコンピューティングデバイスを含んでよい。デバイス100は、処理回路102と、メモリ104と、ディスプレイ112とを含む。ディスプレイ112は、デバイス100がサーバコンピュータである例などにおいて、任意選択である。
【0037】
[0070]処理回路102の例としては、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせがある。一般に、処理回路102は、固定機能回路、プログラマブル回路、またはそれらの組み合わせとして実装されてよい。固定機能回路とは、特定の機能を提供し、実施可能である動作に関してあらかじめ設定されている回路を指す。プログラマブル回路は、さまざまなタスクを実施し、実施可能である動作において柔軟な機能を提供するようにプログラムすることができる回路を指す。たとえば、プログラマブル回路は、プログラマブル回路をソフトウェアまたはファームウェアの命令によって定義された様式で動作させるソフトウェアまたはファームウェアを実行し得る。固定機能回路は、(たとえば、パラメータを受け取るまたはパラメータを出力するために)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が実施する動作のタイプは、一般に不変である。いくつかの例では、ユニットのうちの1つまたは複数は、異なる回路ブロック(固定機能またはプログラマブル)であってよく、いくつかの例では、1つまたは複数のユニットが集積回路であってよい。
【0038】
[0071]処理回路102は、プログラマブル回路から形成される、論理演算ユニット(ALU)、初等関数ユニット(EFU)、デジタル回路、アナログ回路、および/またはプログラマブルコアを含んでよい。プログラマブル回路によって実行されるソフトウェアを使用して処理回路102の動作が実施される例では、メモリ104は、処理回路102が受け取り実行するソフトウェアのオブジェクトコードを記憶してもよく、処理回路102(図示せず)内の別のメモリがそのような命令を記憶してもよい。ソフトウェアの例としては、外科的な計画のために設計されたソフトウェアがある。
【0039】
[0072]メモリ104は、シンクロナスDRAM(SDRAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、抵抗RAM(RRAM(登録商標))、または他のタイプのメモリデバイスを含む、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などの、さまざまなメモリデバイスのいずれかによって形成されてよい。ディスプレイ112の例としては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別のタイプのディスプレイデバイスがある。
【0040】
[0073]デバイス100は、デバイス100がネットワーク116を介して可視化デバイス118にデータと命令とを出力し、ネットワーク116を介して可視化デバイス118からデータと命令とを受け取ることを可能にする通信インターフェース114を含んでよい。たとえば、解剖学的対象物の罹患前特性を決定した後、本開示において説明される技法を使用して、通信インターフェース114は、ネットワーク116を介して可視化デバイス118に罹患前特性の情報を出力し得る。外科医は、次いで、可視化デバイス118を用いて解剖学的対象物のグラフを見ることがある。見られる解剖学的対象物は、罹患前解剖学的対象物、埋め込み前罹患した解剖学的対象物、または埋め込み後解剖学的対象物のいずれかであってよい。いくつかの例では、可視化デバイス118は、たとえば、受傷したまたは病んでいる解剖学的対象物の画像の上に重ねられた埋め込み前罹患した解剖学的対象物または埋め込み後解剖学的対象物を提示することがある。異なる時間からの画像を重ねることによって、医師または外科医は、解剖学的対象物の悪化をより容易に観察することが可能になり得る。
【0041】
[0074]通信インターフェース114は、デバイス100が可視化デバイス118などの他のコンピューティングシステムおよびデバイスに(たとえば、ワイヤレスに、またはワイヤを使用して)通信することを可能にするハードウェア回路であってよい。ネットワーク116は、インターネット、ローカルエリアネットワークなどの1つまたは複数のワイドエリアネットワークを含む、さまざまなタイプの通信ネットワークを含んでよい。いくつかの例では、ネットワーク116は、ワイヤードおよび/またはワイヤレスの通信リンクを含んでよい。
【0042】
[0075]可視化デバイス118は、さまざまな可視化技法を利用して、画像コンテンツを外科医に表示してよい。可視化デバイス118は、複合現実(MR)可視化デバイス、仮想現実(VR)可視化デバイス、ホログラフィックプロジェクタ、またはエクステンデッドリアリティ(XR)可視化を提示するための他のデバイスであってよい。いくつかの例では、可視化デバイス118は、Redmond、Washington、USAのMicrosoft Corporationから入手可能なMicrosoft HOLOLENS(登録商標)ヘッドセット、またはたとえば、導波管を含む類似のMR可視化デバイスなどの、類似のデバイスであってよい。HOLOLENS(登録商標)デバイスは、ユーザがホログラフィックレンズを通して現実世界シーンで、すなわち現実世界環境で、実際のオブジェクトを見ることを可能にしながら、ホログラフィックレンズまたは導波管を介して3D仮想オブジェクトを提示するために使用可能である。
【0043】
[0076]可視化デバイス118は、患者画像データを利用して骨外形の3次元モデルを生成するために利用可能である可視化ツールを利用して、関節修復および置換に関する術前計画を容易にし得る。これらのツールは、外科医が、外科的なガイドと患者の解剖学的構造にぴったり合致するインプラントコンポーネントとを設計および/または選択することを可能にする。これらのツールは、各患者に関する外科的な計画をカスタマイズすることによって、外科的な転帰を改善することができる。肩修復に関するそのような可視化ツールの一例は、Wright Medical Technology,Inc.から入手可能なBLUEPRINT(登録商標)システムである。BLUEPRINT(登録商標)システムは、骨修復領域の2次元平面図ならびに修復領域の3次元仮想モデルを外科医に提供する。外科医は、BLUEPRINT(登録商標)システムを使用して、適切なインプラントコンポーネントを選択、設計、または修正し、インプラントコンポーネントをどのようにして最も良く位置決めし方位付けるかと、コンポーネントを受け入れるように骨の表面をどのようにして形成するかとを決定し、外科的な計画を行うように外科的なガイドツールまたは器具を設計、選択、または修正することができる。BLUEPRINT(登録商標)システムによって生成される情報は、実際の手術の前およびその間を含めて外科医または他のケア提供者によってアクセス可能である適切な場所にある(たとえば、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、またはグローバルネットワーク内のサーバ上の)データベースに記憶される患者に関する術前外科的な計画で編集される。
【0044】
[0077]図示されるように、メモリ104は、形状モデル106を表すデータと、解剖学的構造スキャン108を表すデータと、インプラントライブラリ110とを記憶する。形状モデル106、解剖学的構造スキャン108を表すデータ、およびインプラントライブラリ110は、図1の例ではデバイス100上でローカルに記憶されるように示されているが、他の例では、形状モデル106、解剖学的構造スキャン108を表すデータ、およびインプラントライブラリ110の内容は、リモートに記憶され、たとえば、ネットワーク116を介してアクセスされてもよい。
【0045】
[0078]解剖学的構造スキャン108は、たとえば、CTスキャン画像データによって表される、患者のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンの例である。解剖学的構造スキャン108は、セグメント化された解剖学的対象物を生ずるCT画像データの自動化されたセグメンテーションまたは手動セグメンテーションのどちらかによる、肩甲骨および関節窩などの、患者の解剖学的構造の3次元(3D)表現を構築するのに十分であってよい。自動化されたセグメンテーションの1つの例示的な実装形態は、米国特許第8,971,606号に記載されている。自動化されたセグメンテーションを実施するさまざまな他のやり方があってよく、技法は、米国特許第8,971,606号に記載される技法を使用する自動化されたセグメンテーションに限定されない。一例として、セグメント化された対象物を生ずるCT画像データのセグメンテーションは、骨の解剖学的構造を決定する画像データ内のボクセル強度の比較と、セグメント化された対象物を決定する骨の解剖学的構造の推定される大きさとの比較とを含む。さらに、例示的な技法は、医学専門家が解剖学的対象物をセグメント化するためにCT画像データを評価する非自動化されたセグメンテーション技法、または解剖学的対象物をセグメント化するための自動化とユーザ入力の何らかの組み合わせを用いて実施されてよい。2019年3月29日に出願された米国仮特許出願第62/826,119号および2019年3月29日に出願された米国仮特許出願第62/826,190号は、セグメンテーションの態様について記載し、両方とも、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
[0079]1つまたは複数の例では、解剖学的構造スキャン108は、インプラントを含み、したがって、傷害または疾患により病理性である解剖学的構造のスキャンであってよい。患者は、修正処置を必要とする受傷した肩を有することがあり、処置のために、またはおそらくは診断の一部として、外科医は、手術を計画するために解剖学的構造スキャン108を要求した可能性がある。コンピューティングデバイス(デバイス100または何らかの他のデバイスのような)は、外科医が、解剖学的対象物と、対象物の大きさと、形状と、手術を必要とする患者解剖学的構造の他の解剖学的構造との相互接続とを見ることができるように、患者解剖学的構造のセグメンテーションを生成し得る。
【0047】
[0080]以下でより詳細に説明されるように、処理回路102は、患者が傷害もしくは疾患に苦しむ前、または傷害もしくは疾患に苦しんだ後だがインプラントを設置される前に、患者解剖学的構造の特性を決定するやり方として、スキャン108の画像データを利用して、統計的形状モデル(SSM)と(たとえば、大きさ、形状、方位などを)比較してよい。言い換えれば、修正の場合、患者は、インプラントが埋め込まれた受傷したまたは病んでいる骨をもつ可能性があり、次いで、修正処置の場合、処理回路102は、インプラントが埋め込まれた時点で傷害または疾患を有する骨の特性を決定する。埋め込み前の、受傷したまたは病んでいる骨の特性は、外科医が修正処置を実施するのを助けることがある。SSMは、罹患前解剖学的構造のモデルまたは病んでいるが埋め込み前の解剖学的構造のモデルのどちらかを表し得る。いくつかの例では、処理回路102は、スキャン108の画像データ内の患者解剖学的構造の解剖学的対象物の非病理性点の3D点データをSSM内の点と比較することがある。
【0048】
[0081]たとえば、スキャン108は、インプラントが設置されている場合はインプラントを含む、損傷したまたは病んでいる解剖学的構造の現在の特性のビューを外科医に提供する。解剖学的構造を再構成するために(すなわち、罹患前状態または罹患した埋め込み前状態を提示するために)、外科医は、傷害もしくは疾患の前および/またはインプラントの前の解剖学的構造の特性を示すモデルを有することが有益であると分かることがある。たとえば、モデルは、損傷もしくは疾患の前および/またはインプラントの埋め込みの前の患者の解剖学的構造の予測因子であってよい。傷害が発生したまたは疾患が進行した後になるまで患者が外科医を受診しなかった可能性が高いことがあるように、傷害または疾患の前の患者解剖学的構造(たとえば、罹患前またはネイティブな解剖学的構造)のモデルが利用できないことがある。同様に、インプラントを設置される前に患者が外科医を受診しなかった場合ですら、インプラントの設置前の患者解剖学的構造のモデルは、処置がずっと以前に実施されたことにより、処置が異なる外科医もしくはヘルスケアサービスによって実施されたことにより、または多数の他の理由で、利用できないことがある。罹患前および/または罹患した埋め込み前解剖学的構造をモデル化するやり方としてSSMを使用することによって、外科医は、単に解剖学的構造スキャンのみを見ることによってもはや決定できない患者解剖学的構造の特性を決定することができる。以下でより詳細に説明されるように、処置修正に関連してSSMを使用することは、特有の難題を提示し、本開示は、デバイスが画像データを外科医に提供し、外科的なガイダンスを提供する能力を改善し得る技法について説明する。
【0049】
[0082]インプラントライブラリ110は、既知のインプラントのデータベースを表す。各既知のインプラントに関して、インプラントライブラリ110は、インプラントに関する製造業者の標識と、インプラントに関するモデルと、インプラントを設置または除去するために必要とされる外科的な技法と、インプラントが公的に入手可能であった国とインプラントがそれらの国で公的に入手可能であった日付範囲と、他既知のインプラントに関するそのような情報とを記憶し得る。各既知のインプラントに関して、インプラントライブラリ110は、インプラントのタイプ(たとえば、解剖学的、リバース型など)、インプラントの固定方法(たとえば、セメント、スクリューなど)、インプラントに利用可能な大きさなどの、インプラントについての情報も記憶し得る。各インプラントに関して、インプラントライブラリ110は、インプラントを除去するために必要とされるツールの標識およびインプラントを除去するための命令などの除去情報も記憶し得る。インプラントライブラリ110は、各既知のインプラントに関する関連づけられた2Dおよび/または3D画像も記憶し得る。
【0050】
[0083]以下でより詳細に説明されるように、インプラント除去動作を計画する一部として、処理回路102は、患者インプラントについての既知の情報と患者インプラントの画像データとを使用することによって、インプラントライブラリ110からのどのインプラントが患者のインプラントに対応するかを決定し得る。したがって、処理回路102は、手術の一部として患者から除去されているインプラントに関する除去情報などの情報を出力し得る。決定された除去情報に基づいて、外科医は、たとえば、特定のインプラントを除去するためにどのツールが必要とされるかと除去がどれくらい長くかかると予想されるかとを動作の前に知ることによって、インプラント除去に関する術前計画をより良く行うことが可能になり得る。
【0051】
[0084]修正ケースに遭遇するとき、処理回路102は、非修正ケースとは異なる処理技法を実装し得る。処理回路102は、たとえば、特定のケースが修正ケースである場合、外科的なチームのメンバもしく他のユーザからのユーザ入力に基づいて、または患者プロファイルに記憶された情報に基づいて、決定することがある。しかしながら、患者が外傷を経験しており、非反応性であるケースなどの、いくつかの例では、デバイス100のユーザは、患者がすでにインプラントを設置されたかどうかを知らないことがあり、その場合、処理回路102は、解剖学的構造スキャン108に基づいてケースが修正ケースであることを決定することがある。
【0052】
[0085]患者が関節内またはこの近位に既存のインプラントを設置された修正ケースの場合、デバイス100の処理回路102は、解剖学的構造スキャン108をメモリ104から取得するように構成されることがある。処理回路102は、解剖学的構造スキャン108に基づいて、またはユーザ入力に基づいて、関節がインプラントを含むことを決定するように構成されることがある。処理回路102は、たとえば、患者の関節がインプラントを含むかどうかをユーザに尋ねる問い合わせをデバイス100のユーザに提示することがあり、デバイス100のユーザは、はい、いいえ、または分からないの回答で問い合わせに応答することが可能であることがある。他の例では、処理回路102は、たとえば、メモリ104に記憶された医療記録から、またはデバイス100からリモートに記憶されるがネットワーク接続を介してデバイス100に別の手段でアクセス可能である医療記録から、そのような情報を抽出することによって、関節がインプラントを含むことを決定するように構成されることがある。
【0053】
[0086]代替的または追加的に、処理回路102は、解剖学的構造スキャン108に関する画像データの画像解析を実施することによって、画像データに基づいてインプラントの存在を決定するように構成されることがある。画像データは、この文脈では、表示画像と解剖学的構造スキャン108と関連づけられた生画像データの両方を含むことが理解されるべきである。この文脈では、生画像データとは、表示画像を決定するために使用される画像データを指す。生画像データは、表示画像とは異なる解像度、ビット深度、または動的範囲を有してよく、追加的に、異なる色空間または色モデルにあってよい。一般に、生画像データは、画像を表示するためにディスプレイ112または可視化デバイス118によって使用されるデータを含めて、イメージングの一部としてキャプチャされるデータと、いくつかの例では、画像を表示するためにディスプレイ112または可視化デバイス118によって直接的に使用されないデータすら含む。たとえば、生画像データは、本開示の文脈では、画像データであるとすら伝統的に考えられないデータを含んでよい。一例として、CT画像データ内で、ピクセルは、ハンスフィールドスケールを使用してハンスフィールドユニット(HU)で測定される平均減衰量に対応する相対的放射線濃度値と関連づけられる。これらのHU値は、生画像データの例である。ディスプレイデバイスは、表示のためにHU値をグレイスケールに変換する。別段に述べられない限り、画像データに対して実施されると説明される本開示の技法は表示画像または生画像のどちらかを使用して実施可能であることが仮定されるべきである。
【0054】
[0087]追加的に、本開示における画像データは2D画像データと3D画像データの両方を指すことが理解されるべきである。簡略化のために、いくつかの技法は、2Dモデル内の場所を表すピクセルに対して実施されると説明されるが、別段に述べられない限り、それらの技法は、3Dモデル内の場所を表すボクセルに対しても実施可能であると仮定されるべきである。同様に、別段に述べられない限り、ボクセルに対して実施されると説明される技法はピクセルに対しても実施されてよいことが仮定されるべきである。
【0055】
[0088]処理回路102は、解剖学的構造スキャン108の生画像データに対する強度しきい値処理を使用してインプラントの存在を決定し得る。CTスキャンを使用して撮像されるとき、異なる材料は、異なる強度のピクセルを生じる。HUで測定されるとき、たとえば、水は約0の値を有し、空気は約-1000の値を有し、皮質骨は200から500の範囲に及び、金属インプラントは通常、1000を超える強度を有する。いくつかの例では、インプラントは、インプラントを骨に固定する骨セメントを使用して、所定の位置にセメント接着されることがある。骨セメントは、一意の強度のピクセルを生じることもある。たとえば、CTスキャンでは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)骨セメントは一般に、1423±70の予想強度を有するボクセルを生じるが、他のタイプのセメントは、異なる強度を有してよい。類似の強度をもつピクセルは一般に、同じ対象物(たとえば、軟部組織、骨、インプラント、セメント)に属する。
【0056】
[0089]ピクセル強度を決定することによって、処理回路102は、画像内の対象物を、骨、軟部組織、インプラントコンポーネント、セメント、または何らかの他のカテゴリのいずれかに属するとカテゴリ化することができる。以下でより詳細に説明されるように、いくつかのピクセルは、ノイズまたは決定不可のどちらかとカテゴリ化されることがある。本開示において説明される技法を使用して、対象物に対してパターンマッチングと形状分析とを実施することによって、処理回路102は、対象物を、たとえば、特定の骨またはインプラントの特定のコンポーネントに属するとさらにカテゴリ化し得る。たとえば、骨に対応する画像内の対象物に対して、処理回路102は、骨が上腕骨、関節窩、または何らかの他の骨であるかどうかを決定するために、対象物の形状を分析し得る。同様に、インプラントコンポーネントに対応する画像内の対象物に対して、処理回路102は、インプラントコンポーネントが、ステム、関節窩人工関節、上腕骨人工関節、またはインプラントの何らかの他のコンポーネントであるかどうかを決定するために、対象物の形状を分析し得る。
【0057】
[0090]図2は、修正ユニット200を示す。図2の修正ユニット200は、たとえば、処理回路102内に含まれる図1のデバイス100のコンポーネントであってよい。修正ユニット200は、インプラント分析ユニット(IAU)202を含み、IAU202は、インプラントセグメンテーションユニット204と、インプラント識別ユニット206と、特徴抽出ユニット208とを含む。修正ユニット200は、骨疑似セグメンテーションユニット210と、投影ユニット212と、訓練された機械学習(TML)システム214と、後処理ユニット216も含む。
【0058】
[0091]インプラントセグメンテーションユニット204は、解剖学的構造スキャン108を受け取り、解剖学的構造スキャン108は、インプラントをもつ関節のCTスキャンを含む。CTスキャンは、インプラントをもつ関節の3Dモデルをまとめて形成し得る。インプラントセグメンテーションユニット204は、インプラントに対応することを示すHU値を有する3Dモデルのボクセルを識別することによって、インプラントを隔離するために3Dモデルをセグメント化する。金属インプラントに関するHU値は通常1000を超え、皮質骨、結合組織、および関節の他の部分に関するHU値は実質的により低いので、インプラントセグメンテーションユニット204は、たとえば、1000または何らかの他の閾値レベルを超えるHU値をもつボクセルをインプラントコンポーネントに対応すると、1000を下回るHU値をもつボクセルを非インプラントコンポーネントに対応すると分類し得る。
【0059】
[0092]CTスキャンは、インプラントに対応するボクセルを含む。いくつかのケースでは、インプラントは、インプラントが配置されるところの外側にあってCTスキャン内で患者解剖学的構造と重なる場所でノイズを生ずる。金属インプラントによって生じられるCTスキャン内のノイズは、金属インプラントに対応するボクセルのHU値を実質的に下回るHU値を有する傾向がある。
【0060】
インプラントに対応するボクセルは高いHUを有するので、処理回路102は、HUしきい値処理に基づいてインプラントを正確に識別するように構成され得る。しかしながら、インプラントによって生成されたノイズから生まれるボクセルは、ノイズからのそのようなボクセルが患者解剖学的構造のボクセルと混ぜられる場合、かなり低いHU値を有するので、処理回路102は、ボクセルを、患者解剖学的構造に属するまたはインプラントにより画像内で生成されるノイズに属すると容易に分類しないことがある。したがって、ノイズは、典型的には、ノイズが骨を隔離するように3Dモデルをセグメント化することを複雑化するのと同じやり方でインプラントを隔離するように3Dモデルをセグメント化するプロセスを複雑化しない。インプラントセグメンテーションユニット204によって決定されるインプラントに対応する隔離されたボクセルは、インプラントマスクと呼ばれることがある。インプラントマスクは、インプラントに対応しないすべてのボクセルが、非インプラントに対応するそれらのボクセルの値とは異なる共通値に設定される3Dモデルを表す。したがって、インプラントマスクは、3Dモデルでは、インプラントでない他のすべてからインプラントを隔離する。
【0061】
[0093]図3Aは、リバース型インプラントを含む肩関節に対するCTスキャンの軸方向スライスを示す。したがって、図3Aは、たとえば解剖学的構造スキャン108内に含まれ得る関節の3Dモデルの2Dスライスを表す。図3Aの軸方向スキャンは、上腕骨キャップコンポーネント(302A)と、関節窩球コンポーネント(304A)と、関節窩球コンポーネントを肩甲骨に取り付けるスクリュー(306A)とを示す。図3Aは、骨(たとえば、308Aおよび他の場所)と、関節の他の態様も示す。
【0062】
[0094]図3Bは、インプラントを隔離するセグメンテーション後の図3Aのインプラントを示す。したがって、図3Bは、インプラントマスクの軸方向スキャンを示し、上腕骨キャップコンポーネント(302B)と、関節窩球コンポーネント(304B)と、関節窩球コンポーネント304Bを肩甲骨に取り付けるスクリュー(306B)とを示す。しかしながら、図3Aの他の非インプラントピクセルはすべて、図3Bではインプラントコンポーネントと大きく対照をなす一定の値に設定される。図3Bは、インプラントセグメンテーションユニット204によって生成されるインプラントマスクの2D例を表す。
【0063】
[0095]インプラント識別ユニット206は、インプラントセグメンテーションユニット204によって決定されるインプラントマスクに基づいてインプラントに関するタイプを決定し、インプラントに関するタイプをユーザに出力する。この文脈では、インプラントに関するタイプは、たとえば、半球インプラントタイプ、リバース型インプラントタイプ、または解剖学的インプラントタイプを指す。図4を参照してより詳細に説明されるように、インプラント識別ユニット206は、インプラントセグメンテーションユニット204によって決定されるインプラントマスク内の接続されていない対象物の数に基づいて、インプラントのタイプを決定し得る。
【0064】
[0096]図4を参照してより詳細に説明されるように、特徴抽出ユニット208は、関節窩の中心に関する近似として働き得るインプラント球体の幾何中心などのインプラントの特徴を決定するために、インプラントのセグメント化された画像すなわちインプラントマスクを分析する。
【0065】
[0097]図4はIAU402を示し、IAU402は、図2におけるIAU202の1つの例示的な実装形態を表す。IAU402は、インプラントセグメンテーションユニット404と、接続されたしきい値処理ユニット406と、関節窩マーカ検出ユニット408と、特徴抽出ユニット410とを含む。インプラントセグメンテーションユニット404は一般に、図2のインプラントセグメンテーションユニット204に関して説明されるのと同じ様式で動作し、インプラントマスクを決定する。
【0066】
[0098]決定されたインプラントマスクに基づいて、接続されたしきい値処理ユニット406は、インプラントマスク内の接続されていない対象物の数を決定する。接続されたしきい値処理ユニット406は、たとえば、インプラントに対応するHU値を有する隣接するボクセルのグループを識別する。非インプラントに対応するボクセルによって完全に囲まれるインプラントに対応する隣接するボクセルのグループは、本明細書では、対象物と呼ばれている。非インプラントに対応するボクセルによって完全に囲まれるインプラントに対応するボクセルの第1のグループと非インプラントに対応するボクセルによって完全に囲まれるインプラントに対応するボクセルの第2のグループはそれぞれ、第1の対象物と第2の対象物とを構成する。インプラントに対応するボクセルの第1のグループのうちのどれも、インプラントに対応するボクセルの第2のグループのいずれかに隣接しない場合、第1の対象物および第2の対象物は、接続されていない対象物であると考えられる。すなわち、第1の対象物と第2の対象物との間に患者解剖学的構造があり、したがって、接続されていない。外部からのボクセルまたはボクセルのグループを接続されていない対象物と識別しないために、接続されたしきい値処理ユニット406は、ある形状または最小大きさを有するボクセルのそれらのグループのみを対象物と識別することがある。
【0067】
[0099]接続されたしきい値処理ユニット406が、インプラントマスクが3つの接続されていない対象物を含むことを決定する場合、接続されたしきい値処理ユニット406は、既存のインプラントに関するタイプが定義されていないタイプを備えることを決定し、そのタイプが不明であることを意味する。接続されたしきい値処理ユニット406が、インプラントマスクが2つの接続されていない対象物を含むことを決定する場合、接続されたしきい値処理ユニット406は、既存のインプラントに関するタイプがリバースタイプインプラントを備えることを決定する。解剖学的インプラントに関する関節窩インプラントコンポーネントは典型的には、主に金属性ではないので、接続されたしきい値処理ユニット406は、関節窩インプラントに関する対象物をインプラントマスク内に存在すると検出しないことがある。対照的に、リバース型インプラントの場合、上腕骨インプラントコンポーネントと関節窩インプラントコンポーネントの両方は、主に金属性である。図3Bは、たとえば、2つの接続されていない対象物を示し、第1の対象物は上腕骨キャップコンポーネント(302B)であり、第2の対象物は関節窩球コンポーネント(304B)およびスクリュー(306B)である。関節窩球コンポーネント304Bおよびスクリュー306Bは、図3Bの軸方向スキャンでは別個の対象物であると見えるが、実際の3Dモデルでは、それらの2つのコンポーネントは共通の対象物である。
【0068】
[0100]図5は、解剖学的インプラントを含む肩関節に関するCTスキャンの軸方向スライスを示す。図5は、球状上腕骨インプラントコンポーネント502を示し、関節窩マーカ504を示す。関節窩マーカ504は、より大きい関節窩インプラントコンポーネント内の小さいコンポーネントである。より大きい関節窩インプラントコンポーネントの大部分は非金属であるので、より大きい関節窩インプラントコンポーネントは、CTスキャン内で容易に識別可能でない。
【0069】
[0101]接続されたしきい値処理ユニット406が1つの対象物を検出する場合、関節窩マーカ検出器408は、関節窩マーカの存在に関して第2の探索場所を探索し得る。第2の探索場所は、たとえば、1つの検出された対象物への近接性に基づいて識別される、セグメント化されていない3Dモデル内の、減少した領域であってよい。たとえば、関節窩マーカ検出器408は、上腕骨インプラント502の球状表面から径方向外側のみを探索するように構成されることがあり、これは、図5では上腕骨インプラント502の左のエリアに全体的に対応する。関節窩マーカ検出器408は、上腕骨インプラントコンポーネント502から径方向内側に領域を探索する必要がないことがあり、これは、図5における上腕骨インプラント502の右の領域に全体的に対応する。半球インプラントの場合、患者は、上腕骨側の、球状に成形されたインプラントコンポーネントも有するが、解剖学的インプラントとは異なり、ヘミ(hemi)インプラントは、肩甲骨側インプラントコンポーネントを含まず、代わりに、患者の自然骨を使用して、上腕骨側インプラントコンポーネントを受け入れる。
【0070】
[0102]主に非金属性であるにもかかわらず、関節窩インプラントコンポーネントは、図5におけるマーカ504などの金属マーカを含む。金属マーカは、たとえば、CT画像の軸方向スキャン上でほぼまっすぐな線または細い長方形を示し得る金属のストリップである。まっすぐな線は、典型的には、関節窩コンポーネントの方位を決定または監視するため、および方位が経時的に変化するかどうかを決定するために、外科医によって使用される。
【0071】
[0103]関節窩マーカ検出ユニット408が、第2の探索場所が、金属に対応し、したがって関節窩マーカを示すボクセルを含むことを決定する場合、関節窩マーカ検出器ユニット408は、インプラントに関するインプラントタイプが解剖学的インプラントタイプであることを決定し得る。関節窩マーカ検出ユニット408が、第2の探索場所が、金属に対応し、したがって関節窩マーカを示すボクセルを含まないことを決定する場合、関節窩マーカ検出器ユニット408は、インプラントに関するインプラントタイプがヘミインプラントタイプであることを決定し得る。関節窩マーカの不在は、患者が肩甲骨側インプラントコンポーネントを有さないことを意味し、これは、患者の肩甲骨の変更を必要としないヘミインプラントに対応する。
【0072】
[0104]関節窩マーカは、比較的小さい傾向があり、したがって、より少ない金属を含むので、関節窩マーカは、典型的にはCTスキャン内で同じ強度を引き起こさず、特に大きい対象物を生じない。したがって、関節窩マーカを識別するとき、関節窩マーカ検出ユニット408は、接続されていない対象物の数を決定するときに接続されたしきい値処理ユニット406によって使用される強度閾値と大きさ閾値とは異なる強度閾値と大きさ閾値とを利用し得る。
【0073】
[0105]特徴抽出ユニット410は、インプラントタイプおよびインプラントマスクに基づいてインプラントの特徴を決定するように構成されることがある。以下でより詳細に説明されるように、特徴抽出ユニット410は、SSMを使用して骨の罹患した埋め込み前近似を決定するために使用可能である患者座標系を決定するように構成されることがある。
【0074】
[0106]図6は、リバース型インプラントのためのインプラントコンポーネントを隔離するセグメント化された画像上で特徴抽出がどのように実施され得るかを図示する図である。図6は、セグメント化された画像の軸方向スライス600を示す。軸方向スライス600は、たとえば、インプラントセグメンテーションユニット204またはインプラントセグメンテーションユニット404によって決定される3Dインプラントマスクのスライスであってよい。軸方向スライス600は、関節窩球602と、座標系中心604と、ベクトル606とを示す。リバース型インプラントの場合、特徴抽出ユニット410は、パターンマッチングを使用して関節窩球体に対応する部分的に球状の対象物すなわちインプラントマスク内のボクセルのグループを配置するように構成されることがある。部分的に球状の対象物は、たとえば、球状表面と平らな円形表面とを有することがある。特徴抽出ユニット410は、平らな円形表面上の中心場所を座標系中心(図6の604)と識別し得る。特徴抽出ユニット410は、平らな円形表面に直交するベクトル(図6の606)を識別し得る。
【0075】
[0107]図7Aおよび図7Bは、リバース型インプラントのためのインプラントコンポーネントを隔離するセグメント化された画像上で特徴抽出がどのように実施され得るかを図示する追加の図である。図7Aは、セグメント化された画像の軸方向スライス700を示す。軸方向スライス700は、たとえば、インプラントセグメンテーションユニット204またはインプラントセグメンテーションユニット404によって決定される3Dインプラントマスクのスライスであってよい。軸方向スライス700は、関節窩球体702と、上腕骨ステム708とを示す。リバース型インプラントの場合、特徴抽出ユニット410は、上腕骨ステム(図7Aの708)に対応するインプラントマスク内のボクセルのグループを配置するように構成されることがある。特徴抽出ユニット410は、パターンマッチングを使用して細長い対象物に関してインプラントマスクを探索することによって、上腕骨ステムを識別し得る。この文脈では、細長い対象物は、一般に、長さなどの1つの次元が幅または深度などの他の次元よりも著しく大きい対象物を指す。細長い対象物の場合、特徴抽出ユニット410は、上腕骨ステム708の遠位端から上腕骨ステム708の近位端を指すベクトル(図7Aの710)を決定するように構成されることがある。
【0076】
[0108]図7Bは、軸方向スライス700Bに関する別の図を示す。図7Bは、上記で説明された座標系中心604に対応し得る座標系中心704、上記で説明されたベクトル606に対応し得るベクトル706を示す。図7Bは、上腕骨ステム708から決定されるベクトル710も示す(たとえば、図7Bのベクトル710は、上腕骨ステム708の遠位端を越えて中心604を通って延長された図7Aのベクトル710を図示する)。図7Bで分かるように、ベクトル706とベクトル710は、完全には直交しない。したがって、特徴抽出ユニット410は、ベクトル706および710によって画定された平面を決定し、その平面上で、ベクトル706と直交するようにベクトル710を回転させ得る。この回転されるベクトルは、図7Bではベクトル712として示されている。したがって、図7Bでは、ベクトル706とベクトル712は直交する。特徴抽出ユニットは、追加的に、ベクトル706および回転されるベクトル712によって形成される平面と直交するすなわちこれに垂直である、座標系中心704を中心とする第3のベクトルを決定することがある。この直交ベクトルは、図7Bの2D画像と直角をなし(たとえば、図7Bの2D画像から出るまたはこれに入る)、図7Bではベクトル714として示される。
【0077】
[0109]ベクトル706、712、および714は、したがって、座標系中心704を中心とする患者座標系を形成する。ベクトル706は、関節窩に関する中外側(medio-lateral)軸を近似し、ベクトル712は、関節窩に関する上下(infero-superior)軸を近似する。解剖学的構造では、患者の頭部により近い位置は、一般に、上方であると呼ばれ、患者の足により近い位置は、一般に、下方であると呼ばれる。正中面は、患者の身体の中心を通って、たとえば、鼻および骨盤を通って走る、想像上の平面を指す。正中面により近い位置は、一般に、内側であると呼ばれ、正中面からより遠い位置は、一般に、外側であると呼ばれる。
【0078】
[0110]解剖学的インプラントの場合、特徴抽出ユニット410は、上記でリバース型インプラントに関して説明されたのと同じ様式で、球状インプラントコンポーネントに基づいて第1のベクトルと、上腕骨ステムコンポーネントに基づいて第2のベクトルとを決定する。しかしながら、いくつかの実装形態では、第1のベクトルは、代替的に、関節窩マーカに基づいて決定されることがある。しかしながら、解剖学的インプラントの場合、球状インプラントコンポーネントは、関節窩側インプラントコンポーネントの代わりに上腕骨側インプラントコンポーネントである。リバース型インプラントと同様に、特徴抽出ユニット410は、直交する第2のベクトルを決定し、第1のベクトルおよび回転される第2のベクトルによって形成される平面に対して直交する、すなわち垂直である第3のベクトルを決定するために、上腕骨ステムから決定される第2のベクトルも回転させ得る。しかしながら、リバース型インプラントとは異なり、解剖学的インプラントの場合、特徴抽出ユニット410は、肩甲骨側インプラントコンポーネント内の関節窩マーカの場所に基づいて座標系中心を決定する。第1のベクトル、回転される第2のベクトル、および第3のベクトルは、座標系中心を中心とする座標系を形成する。
【0079】
[0111]図2に戻って、骨疑似セグメンテーションユニット210は、関節の骨の疑似セグメンテーションを実施する。骨疑似セグメンテーションユニット210は、たとえば、骨を示すHU値を有する3Dモデルのボクセルを識別し得る。骨疑似セグメンテーションユニット210は、骨と関連づけられたHU値の狭い範囲内にあるHU値をもつそれらのボクセルのみを骨と分類するように構成されるので、骨疑似セグメンテーションユニット210によって実施されるセグメンテーションは、「疑似」セグメンテーションと呼ばれることがある。骨疑似セグメンテーションユニット210は、その狭い範囲の外側のボクセルが実際には骨に対応し得る場合であっても、それらのボクセルを骨でないと分類する。前に論じたように、インプラントの金属は、CTスキャンのみに基づいていくつかのボクセルの分類を不確定にし得るノイズを生ずる。実際には骨に対応する3Dモデルのいくつかのボクセルは、たとえば、ノイズの存在により、狭い範囲内のHU値を有さないことがある。疑似セグメント化された骨を決定する目的で、骨疑似セグメンテーションユニット210は、そのような不確定ボクセルを骨でないと分類し、そのようなボクセルをさらに分類することを試みないように構成されることがある。
【0080】
[0112]図8は、骨疑似セグメンテーションユニット210によって生成され得る疑似セグメント化された骨の画像800の一例を示す。図8の例では、エリア802は、3Dモデルのその部分に関するボクセルのHU値に基づいて骨疑似セグメンテーションユニット210が骨であると決定した、画像800内の例示的なエリアである。エリア804Aおよび804Bは、3Dモデルのその部分に関するボクセルのHU値に基づいて骨疑似セグメンテーションユニット210が決定的には骨でないと決定した、画像800内の例示的なエリアを表す。そのようなエリアは、たとえば、骨に対応するが、ノイズによって不明瞭にされることがある、または組織もしくはインプラントなどの非骨に対応することがある。
【0081】
[0113]投影ユニット212は、形状モデル106、骨疑似セグメンテーションユニット210によって決定される疑似セグメント化された骨、および特徴抽出ユニット206によって決定されるインプラント特徴の形状モデルに基づいて、肩甲骨などの罹患した埋め込み前解剖学的対象物の推定を生成する。投影ユニット212によって使用される、形状モデル106のうちの特定の形状モデルは、たとえば、インプラントが設置される前に、関節の既知の分類に基づいて、外科的なチームのメンバによって選択されることがある。既知の分類は、たとえば、以下でより詳細に論じられる、関節窩のWalch分類であってよい。
【0082】
[0114]以下でより詳細に説明されるように、投影ユニット212は、骨のための初期形状推定として疑似セグメント化された骨(たとえば、図8の画像800)を使用することがある。投影ユニット212は、最初にアライメントされた形状推定を形成するように、初期形状推定を形状モデルにアライメントし得る。投影ユニット212は、たとえば、本開示の他の場所で論じられるように、決定された患者座標系を使用して初期形状推定を形状モデルにアライメントすることがある。患者座標系は、特徴抽出ユニット208によって決定される特徴に基づいて、または患者座標系を決定するための以下で説明される他の技法に基づいて、決定されてよい。
【0083】
[0115]図9Aは、形状モデル902への初期形状推定900の初期アライメントを示す。初期アライメントは、決定された患者座標系に基づいて決定される。図9Bは、回転後の形状モデル902への初期形状推定900のアライメントを示す。初期アライメントを決定するためおよび回転を実施するための技法は、以下でより詳細に説明される。
【0084】
[0116]アライメント後、投影ユニット212は、次いで、骨の罹患した埋め込み前近似を生成するためにアライメントされた形状推定に基づいて形状モデルを変形させ得る。投影ユニット212は、たとえば、反復的最近点(ICP)および/または弾性レジストレーションを使用して変形させることを実施することがある。投影ユニット212の機能に関するより詳細な説明は、以下で提供される。図10は、罹患した埋め込み前近似1000を示し、罹患した埋め込み前近似1000は、投影ユニット212の例示的な出力を表す。
【0085】
[0117]修正ユニット200は、たとえば、術前計画において使用するためまたは他の目的で、ディスプレイデバイスを介して、外科的なチームのメンバに骨の罹患した埋め込み前近似を出力し得る。修正ユニット200は、患者解剖学的構造の3Dモデルに対してセグメンテーションを実施するために、骨の埋め込み前近似を使用することもある。
【0086】
[0118]投影ユニット212は、骨の罹患した埋め込み前近似をTMLシステム214にも出力することがある。インプラントセグメンテーションユニット204からのインプラントマスク、投影ユニット212からの罹患した埋め込み前近似、および特徴抽出ユニット208からの決定されたインプラント特徴(たとえば、座標系を示す情報)に基づいて、TMLシステム214は、3Dモデル(たとえば、肩甲骨、鎖骨、関節窩、上腕骨などの患者解剖学的構造の特定の部分を隔離する解剖学的構造スキャン106)をセグメント化する。TMLシステム214は、以下でより詳細に説明されるように、機械学習に基づいてセグメンテーションを実施するように構成されることがある。TMLシステム214は確率分類マップを生成し、確率分類マップは、各ボクセルまたはボクセルのグループを、解剖学的構造の特定のピースに対応する確率と関連づけ得る。
【0087】
[0119]上述のように、骨疑似セグメンテーションユニット210は、比較的小さい曖昧さで3Dモデル内の非インプラントからインプラントをセグメント化することができる。肩甲骨と隣接する骨との境界を識別することは、一例として、より複雑な意思決定を必要とする。したがって、TMLシステム214は、インプラントを3Dモデルから除去するように構成されることがある。この文脈において、除去は、インプラントに対応するボクセルを黒色などの一定の異なる色に設定することを意味することがある。TMLシステム214は、次いで、罹患した埋め込み前近似を残りの非インプラントボクセルと比較し、この比較に基づいて、特定のボクセルまたはボクセルのグループが肩甲骨に対応する、上腕骨に対応するなどの確率を決定し得る。
【0088】
[0120]後処理ユニット216は、たとえば、最終的なセグメント化された画像を決定および出力するために、セグメント化された画像と確率分類マップとを処理することがある。一例では、最終的なセグメント化された画像は、疑似セグメンテーションユニット210によって決定される疑似セグメンテーションに対応する境界、罹患した埋め込み前近似に対応する境界、または他のそのような境界を示す注釈を含むことがある。図11では、たとえば、境界1102Aおよび1102Bは、それらの境界が疑似セグメント化された画像に対応することを示すために、第1のスタイルたとえば色または線のタイプで提示されてよく、境界1104Aおよび1104Bは、それらの境界が罹患した埋め込み前近似に対応することを示すために、異なるスタイルで提示されてよい。
【0089】
[0121]確率分類マップは、ボクセルごとまたはボクセルのグループごとの信頼水準を表す。確率マップは、複数のセグメンテーションに関する確率を生成するために後処理ユニット216によって使用されてよい。図12は、3つの提案されるセグメンテーションをもつ出力画像の一例を示し、各セグメンテーションは、関連づけられた確率を有する。90%の確率は、たとえば、その線内のエリアは、肩甲骨に属する90%確率を有すると決定されていることを意味し得る。線は、遠く離れるほど低い確率を有し、それらのセグメンテーションは肩甲骨に属しない骨を含む可能性が高くなることを意味する。
【0090】
[0122]後処理ユニット216は、ユーザ入力を受け取るように構成されることがある。ユーザ入力は、たとえば、提案されるセグメンテーションのうちの1つの選択であってもよいし、確率分類マップによってガイドされる手動セグメンテーションであってもよい。
【0091】
[0123]図13は、TMLシステム214のための例示的な訓練システムを示す。図13の訓練システムはIAU1302を含み、IAU1302は、骨疑似セグメンテーションユニット1304と、インプラントセグメンテーションユニット1306と、特徴抽出ユニット1308とを含む。図13の訓練システムは、手動セグメンテーションユニット1310と、MLシステム1312も含む。IAU1302、骨疑似セグメンテーションユニット1304、インプラントセグメンテーションユニット1306、および特徴抽出ユニット1308は、一般に、インプラントマスクを生成し、インプラント特徴を決定するために、上記で説明された、IAU202、骨疑似セグメンテーションユニット204、インプラントセグメンテーションユニット206、および特徴抽出ユニット208と同じ様式で機能する。
【0092】
[0124]解剖学的構造スキャン108からの特定の解剖学的構造スキャンの場合、IAU1302は、インプラントマスクと疑似セグメンテーションとを生成し、インプラント特徴を決定する。同じ特定の解剖学的構造スキャンの場合、手動セグメンテーションユニット1310は、解剖学的構造スキャンの1つまたは複数の手動セグメンテーションを生じさせる。手動セグメンテーションは、たとえば、外科医または他の専門家からの入力に基づいて生成されてよい。手動セグメンテーションは、MLシステム1312のためのグラウンドトルース(ground truth)として働いてよい。MLシステム1312は、手動セグメンテーションと同じセグメンテーションたとえば手動セグメンテーションの平均またはモードが生じる様式で、疑似セグメント化された画像、インプラントマスク、および決定された特徴に基づいて、解剖学的構造スキャンをどのようにしてセグメント化するかを決定する。MLシステム1312は、機械学習を使用して、多数の訓練サンプルを使用してこれらのセグメンテーションを学習し得る。次いで、機械学習技法が、TMLシステム214によって実装されてよい。
【0093】
[0125]次に、形状モデリングの態様がより詳細に説明される。処理回路102および投影ユニット212は、たとえば、患者解剖学的構造の罹患前近似または罹患した埋め込み前近似を決定するように構成されることがある。SSMは、(データベース)サンプルの集団の間の形状変動を表すコンパクトなツールである。たとえば、臨床医または研究員は、損傷したまたは病んでいる関節窩、上腕骨、または隣接する骨に苦しまない集団を全体として表す異なる人々の、CT画像データなどの画像スキャンのデータベースを生成することがある。追加的または代替的に、臨床医または研究員は、特定のタイプの損傷したまたは病んでいる関節窩、上腕骨、または隣接する骨に苦しむ集団を全体として表す異なる人々の画像スキャンのデータベースを生成することがある。
【0094】
[0126]一例として、関節窩の形態的特徴は、伝統的に、Walch分類と呼ばれるシステムを使用して分類される。病んでいる関節窩に関するWalch分類は、2次元CTスキャンの軸方向切断に基づいて決定され、関節窩の形態的特徴は、サブタイプをもつ3つの主要グループに分けられる。タイプAは、上腕骨頭の後方亜脱臼を伴わない中心性(centered)関節炎または対称性関節炎である。タイプA1は、軽微な中心摩耗またはびらんを有し、タイプA2は、重度または大きな中心摩耗またはびらんを有する。タイプBは、上腕骨頭の後方亜脱臼を伴う非対称性関節炎によって特徴づけられる。タイプB1は、後方関節腔狭窄、軟骨下硬化、および骨増殖体を伴う明らかな関節窩びらんを有さない。タイプB2は、関節窩の両凹出現を形成する後方関節窩の明白なまたは明らかなびらんを有する。タイプCは、関節窩びらんまたは関節窩に対する上腕骨頭の場所に関係なく、25°よりも大きい関節窩後捻(形成異常に生じる)を示す。
【0095】
[0127]臨床医または研究員は、データベース内の形状から患者解剖学的構造に関する平均形状を決定し得る。臨床医または研究員は、損傷した関節に苦しまない人々のための患者解剖学的構造に関する平均形状を決定し、ならびにさまざまなタイプの病んでいる関節の各々に関する平均形状を決定し得る。臨床医または研究員は、たとえば、タイプA関節窩、タイプA1関節窩、タイプB関節窩などに関する平均形状を決定することがある。以下のさまざまな技法は、罹患前モデルまたは罹患したモデルのどちらかを表し得る形状モデル106に関して説明される。以下でより詳細に説明されるように、さまざまなタイプの病んでいる関節に関する平均形状は、インプラントをもつ患者に関する解剖学的対象物の罹患した埋め込み前特徴づけを決定するために使用されてよい。
【0096】
[0128]図1に戻って、メモリ104は、形状モデル106を示す情報を記憶する。一例として、形状モデル106は、データベース内の形状からの患者解剖学的構造の解剖学的対象物(たとえば、関節窩、上腕骨頭など)に関する平均形状を表す。データベース内の形状の最頻値または中央値などの、形状モデル106の他の例も可能である。重み付き平均は、形状モデル106の別の可能な例である。形状モデル106は、点の表面またはボリューム(たとえば、3Dモデルを画定する点のグラフィカルな表面またはボリューム)であってよく、平均形状を示す情報は、表面を形成するために相互接続するプリミティブ(primitive)の頂点に関する座標値であってよい。形状モデル106のようなSSMを生成する技法と形状モデル106を生成することと関連づけられた値は、2006年8月22日付けのhttp://www.cmlab.csie.ntu.edu.tw/~cyy/learning/papers/PCA_ASM.pdfからなどのさまざまな文献において見出され得る。形状モデル106を生成する他のやり方も可能である。
【0097】
[0129]形状モデル106を用いて、処理回路102は、形状モデル106の点または値を共分散行列に追加することによって、解剖学的構造形状変動を表し得る。たとえば、SSMは、一次方程式として解釈可能である。
【0098】
【数1】
【0099】
[0130]上記の式では、s’は、形状モデル106である(たとえば、一例として平均形状のポイントクラウド、ここで、ポイントクラウドは、形状モデル106を形成するプリミティブの頂点などの、形状モデル106内の点の座標を定義する)。式では、それぞれ、λiは固有値、viは共分散行列の固有ベクトルである(変動の最頻値とも呼ばれる)。共分散行列は、データセット内の分散を表す。i,j位置の要素は、データセット配列のi番目の要素とj番目の要素の共分散である。
【0100】
[0131]SSMは、データベースの共分散行列を構築し、次いで、主ベクトル(固有ベクトルとも呼ばれる)の行列と正の値(固有値と呼ばれる)の別の対角行列とを抽出する「特異値分解」を実施することを表す。固有ベクトル(式中のvi)は、データベースの新しい座標系基底である。固有値(式中のλi)は、固有ベクトル(vi)の分散を表す。固有ベクトルと固有値はともに、対応する軸に関する変動の量を反映し得る。
【0101】
[0132]この数式は、処理回路102が、共分散行列の重みbiを変更するだけで、sjの無数のインスタンス(たとえば、形状モデルの異なる変動)を作成することを可能にする。たとえば、新しい形状モデルを生成するために、処理回路は、biの値を決定し、siの新しい値を決定することがある。上記の例では、λiおよびviおよびs’はすべて、s’が生成された様式に基づいて(たとえば、形状モデル106が生成された様式に基づいて)既知である。biの異なる値を選択することによって、処理回路102は、形状モデルの異なるインスタンス(たとえば、形状モデル106の異なる変動である異なるsi)を決定し得る。
【0102】
[0133]形状モデルは、解剖学的対象物は患者にとってどのように見えるべきかを表し得る。より詳細に説明されるように、処理回路102は、傷害または疾患によって影響されないまたは最小限に影響される解剖学的対象物の解剖学的点(たとえば、非病理性点)として、解剖学的対象物の形状モデルの(たとえば、点の3Dクラウド内の)点を、スキャン108の画像データ内に表される解剖学的点と比較し得る。この比較に基づいて、処理回路102は、解剖学的対象物の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定し得る。
【0103】
[0134]一例として、外科医は、肩手術のために関節窩腔の罹患前特性を決定したい、または修正手術のために関節窩の罹患した埋め込み前特性を決定したいと仮定する。医学的関節窩円蓋(vault)、肩峰、および烏口など、関節窩腔の形状と、その周りの骨ゾーンとの間に相関がある。形状モデル106は、関節窩腔を含む肩甲骨の平均形状であってよい。患者において、関節窩腔は病理性である(たとえば、病んでいるまたは損傷している)と仮定する。
【0104】
[0135]本開示において説明される例示的な技法によれば、処理回路102は、患者の解剖学的対象物の非病理性解剖学的構造(たとえば、スキャン108における肩甲骨の非病理性部分)に最も良く合致する「s」のインスタンス(たとえば、関節窩腔を有する肩甲骨の形状モデル)を決定し得る。「s」のインスタンスにおいて、非病理性解剖学的構造(s*と呼ばれ、形状モデルに類似したポイントクラウドによって表される)に最も良く合致する関節窩腔は、病理性関節窩腔の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを示し得る。
【0105】
[0136]処理回路102または投影ユニット212は、s*のインスタンス(たとえば、患者の肩甲骨の非病理性部分に最も良く合致する関節窩腔をもつ肩甲骨の形状モデル)を決定し得る。非病理性部分は、解剖学的対象物の、疾患または傷害からの最小限の影響をもつ部分から影響のない部分までであってよく、解剖学的対象物およびその周囲の解剖学的構造は、解剖学的対象物をセグメント化するためにスキャン108によって実施されるセグメンテーションから得られる。
【0106】
[0137]いくつかの例では、特定の解剖学的対象物の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定するために、解剖学的対象物を越える解剖学的構造が、形状モデルをアライメントするために必要とされることがある。たとえば、関節窩の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定するために、肩甲骨の解剖学的構造が、形状モデルをアライメントするために必要とされることがある。その場合、形状モデルの関節窩は、患者の関節窩の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを表す。したがって、形状モデルは、単に対象物となる(たとえば、関節窩)解剖学的対象物をモデル化することに限定されなくてよいが、追加の解剖学的対象物を含んでよい。
【0107】
[0138]処理回路102または投影ユニット212は、以下の例示的な動作を実施してよい。(1)初期アライメントされた形状を生成するために、スキャン108の画像データから形状モデル106の座標系に、セグメント化された解剖学的対象物を最初にアライメントする、(2)アンダーセグメンテーションおよびオーバーセグメンテーションにより初期アライメントにおける誤りを補償する、ここで、アンダーセグメンテーションおよびオーバーセグメンテーションは、アライメントされた形状(中間アライメントされた形状とも呼ばれる)を生成するためにスキャン108を生成する際の不完全性によるものである、および(3)s*のインスタンス(すなわち、セグメンテーション対象物によって識別される患者解剖学的構造に最もぴったり合致するs’のインスタンス)を決定するために反復的最近点(ICP)動作と弾性レジストレーションとを含む反復的動作を実施する。動作(1)に関して、本開示は、患者が解剖学的インプラントを有するかもしくはリバース型インプラントを有するか、または患者がまだインプラントを設置されていないかもしくはヘミインプラントを設置されたかに応じて、患者座標系を決定するための異なる技法について説明する。動作(1)~(3)を実施する例示的な技法は、以下でより詳細に説明される。
【0108】
[0139]患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを生成することに関するいくつかの技術的問題があることがある。1つの問題は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより、スキャン108から必要とされる画像データが利用可能でないまたは歪められており、セグメント化された対象物を形状モデル106にアライメントする難題を生じさせることであることがある。別の問題は、ひとたび形状モデル106へのアライメントがあると、セグメント化された対象物への形状モデル106のレジストレーションが不十分であることがあり、不十分な罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけをもたらすことであることがある。
【0109】
[0140]本開示は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションがある状況および患者がすでにインプラントを有する状況ですら、セグメント化された対象物の形状モデル106へのアライメントを可能にする例示的な技法について説明する。本開示は、(たとえば、ICPと弾性レジストレーションとを使用する複数レベルの反復的プロセスにおいて)セグメント化された対象物に形状モデル106をレジストレーションする例示的な技法についても説明する。本開示において説明される例示的な技法は、別々に使用されてもよいし、一緒に使用されてもよい。たとえば、一例では、処理回路102は、本開示において説明される例示的な技法を利用してセグメント化された対象物の形状モデル106へのアライメントを実施するが、何らかの他の技法を使用してセグメント化された対象物への形状モデル106のレジストレーションを実施するように構成されることがある。一例では、処理回路102は、何らかの他の技法を利用して、セグメント化された対象物の形状モデル106へのアライメントを実施するが、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法を使用して、セグメント化された対象物への形状モデル106のレジストレーションを実施することがある。いくつかの例では、処理回路102は、本開示において説明される例示的なアライメントおよびレジストレーション技法を実施することがある。
【0110】
[0141]上記で説明されたように、処理回路102は、セグメント化された対象物(たとえば、ボクセル強度比較などの例示的な技法を使用してセグメント化されたような)を形状モデル106にアライメントすることがある。本開示では、アライメントは、セグメント化された対象物が形状モデル106と同じ座標系にあるような、セグメント化された対象物の座標系への変更を指す。同じく上記で説明されたように、形状モデル106の一例は、関節窩腔をもつ肩甲骨の解剖学的構造の形状モデルであり、関節窩腔は、受傷したまたは病んでいる解剖学的対象物である。たとえば、形状モデル106は、それ自体の座標系において定義され、患者座標系とは異なってよい(たとえば、スキャン108内の3D点のポイントクラウドを画定する座標系)。患者座標系とは、非病理性点と病理性点とを含むスキャン108内の患者の解剖学的構造内の点を定義するために使用される座標系である。非病理性点は、非病理性解剖学的構造のためのスキャン108内の点を指し、病理性点は、病理性解剖学的構造のためのスキャン108内の点を指す。
【0111】
[0142]病理性点と非病理性点とを決定するさまざまなやり方があることがある。一例として、外科医は、病理性点と非病理性点とを識別するためにスキャン108の画像データを調べることがある。別の例として、外科医は、病理性点と非病理性点とを識別するためにセグメント化された対象物のグラフィカル表現を調べることがある。別の例として、いくつかの解剖学的点がまれに受傷しているまたは病んでおり、スキャン108の画像データ内に存在するという仮定があることがある。たとえば、医学的関節窩円蓋、肩峰、および烏口は、数個の例である。追加の例としては、肩甲三角(trigonum scapulae)および肩甲骨下角がある。しかしながら、1つまたは複数の肩甲三角および肩甲骨下角は、オーバーセグメンテーションおよびアンダーセグメンテーションによりスキャン108の画像データ内に存在しないまたは歪められることがある。
【0112】
[0143]1つまたは複数の例では、処理回路102は、患者座標系を決定することがあり、この患者座標系は、スキャン108のCTスキャンデータに関して記録された座標系である。形状モデル106は、それ自体の座標系において定義されてよい。処理回路102は、形状モデル106とともに記憶されたメタデータに基づいて形状モデル106の座標系を決定してよく、メタデータは、データベース内の形状の平均を決定することの一部として生成された。処理回路102は、患者座標系および形状モデル106の座標系に基づいて変換行列を決定し得る。変換行列は、セグメント化された対象物(たとえば、点の3Dボリューム内の点)を形状モデル106の座標系に処理回路102が変換するやり方である。たとえば、セグメント化された対象物の点の3Dボリューム内の点は、(x,y,z)座標値を用いて定義され得る。変換の結果は、形状モデル106の座標系にアライメントされる座標(x’,y’,z’)座標値であってよい。処理回路102は、閉形式を通して変換行列を計算する。
【0113】
[0144]変換行列を決定する複数のやり方がある。一例として、座標系はc=(x,y,z,o)であってよく、ここで、x、y、およびzは直交基底3Dベクトル、oは原点である(cは4×4同次行列であり、最後の列は(0,0,0,1)である)。セグメント化された対象物が変換されることになる新しい座標系は、C=(X,Y,Z,O)である。この例では、変換行列はその場合、T=c^-1×Cである。したがって、処理回路102は、患者座標系を決定し得る。
【0114】
[0145]図14から図20は、処理回路102が患者座標系を決定する例示的なやり方について説明する。より詳細に説明されるように、患者座標系を決定した後ですら、形状モデル106へのさらなる調整が、セグメント化された対象物(たとえば、患者解剖学的構造)を形状モデル106に適切にアライメントするために必要とされ得る。たとえば、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションのために、欠落したまたは歪められた画像データは、患者座標系を決定するために使用できない。したがって、処理回路102は、初期アライメントを実施するために利用可能である画像データを利用するが、その場合、セグメント化された対象物を形状モデル106に完全にアライメントするためにさらなる動作を実施することがある。
【0115】
[0146]図14は、患者の座標系を決定するために使用される対象物となる点を有する肩甲骨の例示である。たとえば、図14は、関節窩中心120と肩甲三角122と肩甲骨下角124とを有する肩甲骨118を図示する。いくつかの技法は、関節窩中心120と、肩甲三角122と、肩甲骨下角124とを利用して、患者座標系を決定する。たとえば、関節窩中心120、肩甲三角122、および肩甲骨下角126は、三角形を形成すると考えられてよく、処理回路102は、患者座標系の原点として三角形の中心点(たとえば、3Dにおける)を決定し得る。
【0116】
[0147]しかしながら、そのような技法は、オーバーセグメンテーションおよびアンダーセグメンテーションのケースでは利用できないことがある。一例として、アンダーセグメンテーションでは、スキャン108は、下方および/または上方および/または内側に切られ、肩甲三角122および肩甲骨下角124が、スキャン108の画像データから抽出されたセグメント化された対象物内に存在しないことがある。したがって、処理回路102は、患者座標系を決定する目的で関節窩中心120、肩甲三角122、および肩甲骨下角124の3つすべてを利用することが可能でないことがある。
【0117】
[0148]1つまたは複数の例では、特定のランドマーク(たとえば、関節窩中心120、肩甲三角122、および肩甲骨下角124)が、スキャン108の画像データ内のセグメント化された解剖学的対象物として利用可能でない場合、処理回路102は、肩甲骨法線(たとえば、肩甲骨118に垂直なベクトル)に基づいて患者座標系を、およびスキャン108の画像データの3D情報に基づいて横軸を定義することがある。より詳細に説明されるように、処理回路102は、肩甲骨体118に最も良く適合する平面の法線に基づいて肩甲骨法線を決定し得る。処理回路102は、棘上窩と脊柱と肩甲骨体との間にある海綿様領域を通る線を適合させることによって、横軸を決定し得る。海綿様領域を使用して、処理回路102は、デカルト(たとえば、x,y,z)座標系を定義し得る(他の座標系も可能であるが)。座標系の原点は関節窩中心120であってよいが、他の原点も可能である。
【0118】
[0149]このようにして、処理回路102は、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションがある場合ですら、スキャン108の画像データ内に存在する解剖学的対象物に基づいて、患者に関する座標系を決定し得る。座標系に基づいて、処理回路102は、罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定する目的で形状モデルをレジストレーションするために、セグメンテーション対象物を形状モデル106(たとえば、初期SSM)の座標系にアライメントし、形状モデル106を患者セグメンテーション対象物に反復的に変形させ得る(たとえば、形状モデル106の変形されたバージョン)。
【0119】
[0150]図15Aおよび図15Bは、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションにより画像データが利用可能でない解剖学的対象物に依拠しないことがある患者座標系を決定するために肩甲骨を通る平面状切断の例示である。たとえば、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより利用可能でないことがある、関節窩中心120、肩甲三角122、および肩甲骨下角124に依拠する図14の例とは異なり、図15Aおよび図15Bを参照して図示される例示的な技法は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションにより利用可能でない解剖学的対象物に依拠しないことがある。
【0120】
[0151]図15Aで図示されるように、スキャン108の1つは、肩甲骨部分126を示す、肩甲骨118を通る軸方向切断のスキャンであってよい。図15Bは、肩甲骨118を通る図15Aの肩甲骨部分126の上面図である。
【0121】
[0152]図15Bは、肩甲骨部分126を通過する、部分126を通る交差平面を表す、複数のドットを図示する。1つまたは複数の例では、処理回路102は、肩甲骨部分126を通って交差する平面を決定し得る。部分126を通る平面の交差点は、ドットで示される。たとえば、図15Bは、線128を図示する。線128は、肩甲骨部分126内でドットの大半と交差する。
【0122】
[0153]肩甲骨部分126内のドットは、周囲の輪郭の「骨格」であり得る。骨格は、それぞれの最も近い境界まで各々同じ距離である輪郭を通るドットである。骨格が説明されているが、別の例として、いくつかの例では、肩甲骨部分126内のドットは、中心点であることがある。
【0123】
[0154]処理回路102は、部分126を形成する画像データを決定し得る。処理回路102は、図示されるように、部分126のドット(たとえば、2つの非限定的な例として骨格ドットまたは中心ドット)を決定し得る。処理回路102は、線128から関節窩の方へ上がって線128から肩甲骨下角の方へ下方に延びる平面を決定し得る。
【0124】
[0155]たとえば、図15Aは1つの例示的な軸方向切断を図示しているが、処理回路102は、図15Bと同様に、複数の軸方向切断を決定し、軸方向切断を通る点を決定し得る。結果は、各軸方向切断に対する2D点であってよく、処理回路102は、軸方向切断の各々を通る、線128に類似した線を決定し得る。処理回路102は、肩甲骨118を通る各軸方向切断に対する線を通って延びる平面を決定し得る。この平面は、肩甲骨118を通り、図16に図示されている。
【0125】
[0156]図16は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る、図15Aおよび図15Bに図示される例とともに決定される、平面に対する法線の斜視図の概念図である。たとえば、図16は、平面130を図示する。平面130は、図15Bに図示される線128と交差する。平面130は、肩甲骨体118に最も良く適合する平面と考えられ得る。処理回路102は、平面130に垂直なベクトル132を決定し得る。1つまたは複数の例では、ベクトル132は、患者座標系の1つの軸(たとえば、x軸)を形成し得る。他の軸を決定する技法は、以下でより詳細に説明される。
【0126】
[0157]図17は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る平面に対する法線の別の斜視図などの、図16の例の別の斜視図の概念図である。図17は、図16に類似しているが、図16の側方斜視図ではなく前面斜視図からである。たとえば、図17は、最も良く適合する平面130と法線ベクトル132とともに患者の肩甲骨118を図示する。
【0127】
[0158]このようにして、処理回路102は、肩甲骨118に垂直な患者座標系の第1の軸を決定し得る。処理回路102は、肩甲骨118を横断する軸として、患者座標系の第2の軸を決定し得る。
【0128】
[0159]図18は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る横軸を図示する概念図である。たとえば、図18は、形状モデル106をスキャン108の画像データの座標系にアライメントするための、図4および図5で決定された1つに加えて、軸を決定する例を図示する。
【0129】
[0160]図18は、横軸134を図示する。処理回路102は、棘上窩と脊柱と肩甲骨体との間にある海綿様領域を通って適合する線として、横軸134を決定し得る。横軸134を決定する例示的な技法は、図19A、19B、図20A図20C、ならびに図21Aおよび図21Bを参照して説明され、処理回路102は、図19Aおよび図19Bに図示されるようにスキャン108の画像データに基づいて、肩甲骨を通る複数の矢状切断を決定し得る。たとえば、図19Aおよび図19Bは、軸133Aに基づいて肩甲骨を通る矢状切断の異なる斜視図である。処理回路102は、棘上窩と脊柱と肩甲骨体との間にある海綿様領域の近似に基づいて軸133Aを利用してよく、推定される軸とともにあらかじめプログラムされてよい。
【0130】
[0161]図20A図20Cは、図19Aおよび図19Bの矢状切断の1つの結果を図示する。たとえば、図20Aに図示されるように、矢状切断は「Y」字形である。処理回路102は、図20Bに図示されるように、Y字形を通る骨格線を決定し得る。たとえば、処理回路102は、Y字形を通る最も近い境界に等距離であるドットを決定し、図20Bに示されるようにY字形を通る線を形成するようにドットを相互接続し得る。また、骨格ではなく、中心点のような他の点が使用されてもよい。処理回路102は、交差点135によって図示されるように、骨格を通る線の交差点を決定し得る。たとえば、交差点135は、Y字形を一緒に形成する線のすべてに共通であってよい。
【0131】
[0162]処理回路102は、矢状切断の各々におけるY字形の各々に対してこれらの動作を繰り返し、交差点135のようなそれぞれの交差点を決定し得る。処理回路102は、図21Aおよび図21Bに図示される初期横軸133Bを決定するために複数のそれぞれの交差点と交差する線を決定し得る。
【0132】
[0163]処理回路102は、初期横軸133Bを使用して肩甲骨を通る矢状切断を決定し得る。たとえば、図21Aおよび図21Bは、軸133Bに基づいて肩甲骨を通る矢状切断の異なる斜視図である。処理回路102は、図21Aおよび図21Bに示される矢状切断に対する複数の交差点を決定するために、図20A図20Cを参照して説明される動作を繰り返してよい。たとえば、図20A図20Cと同様に、軸133Bを使用する矢状切断に基づいて、各矢状切断は、図20Aと同様に、Y字形を形成し得る。処理回路102は、図20Bと同様に、Y字形を通る骨格線を決定し、図20Cと同様に、交差点を決定し得る。処理回路102は、図20A図20Cに関する上記の説明と同様に、矢状切断の各々におけるY字形の各々に対してこれらの動作を繰り返し、それぞれの交差点を決定し得る。処理回路102は、図18に図示される横軸134を決定するために複数のそれぞれの交差点と交差する線を決定し得る。
【0133】
[0164]図22は、患者の座標系を決定するための肩甲骨を通る図18の横軸と肩甲骨を通る平面に対する図16および図17の法線とを図示する概念図である。たとえば、図22は、肩甲骨118と、関節窩中心120とを図示する。図22は、平面130に垂直なベクトル132も図示し、横軸134を図示する。
【0134】
[0165]たとえば、上記で説明されたように、罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけのための初期ステップは、セグメント化された対象物が形状モデル106にアライメントされる座標軸を決定することである。上記で説明された例示的な技法を用いて、処理回路102は、x軸(たとえば、ベクトル132)と、z軸(たとえば、横軸134)とを決定し得る。処理回路102は、以下の技法を使用して、y軸をさらに決定し得る。ひとたび処理回路102が、スキャン108の画像データのセグメンテーションから決定される解剖学的対象物の場所を表し定義するために座標系を決定すると、処理回路102は、セグメント化された対象物を形状モデル106の座標系にアライメントすることが可能であることがある。
【0135】
[0166]図23は、患者の座標系を決定するための関節窩の中心場所に対しての肩甲骨を通る横軸および肩甲骨を通る平面に対する法線の動き(または延長)を図示する概念図である。たとえば、図8は、関節窩中心120を中心とする患者座標系を図示する。図示されるように、ベクトル132は、上記で決定されたように、患者座標系のx軸を形成し、横軸134は患者座標系のz軸を形成し、軸136は患者座標系のy軸を形成する。
【0136】
[0167]処理回路102は、複数の2D動作および3D動作に基づいて関節窩中心を決定し得る。たとえば、処理回路102は、関節窩腔の重心を決定し、関節窩中心120を決定するために関節窩腔表面に重心を投影することがある。
【0137】
[0168]処理回路102は、次いで、x軸132およびz軸134に基づいてy軸136を決定し得る。たとえば、処理回路102はy’=z*xを決定してよく、ここで、*はベクトル積である。y’は、x軸132およびz軸134によって画定される平面と直角をなすが、x軸132およびz軸134は、必ずしも完全に直交する必要はない。したがって、処理回路102は、直交系(x,y’,Z)または(X,y’,z)を有するために、Z=x*y’によってz軸134を、またはX=y’*zによってx軸132を置換することがある。いくつかの例では、x軸132(たとえば、肩甲骨法線)の算出は、z軸134(たとえば、横軸)の算出よりもロバスト(robust)であるので、処理回路102は、Z=x*y’を利用することがある。
【0138】
[0169]このようにして、処理回路102は、患者座標系を決定し得る。上記で説明された例などのいくつかの例では、処理回路102は、オーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションによりスキャン108の画像データからの解剖学的対象物のセグメンテーション内に存在しないことがある肩甲三角122および肩甲骨下角124などの特定のランドマークに依拠することなく、患者座標系を決定し得る。特に、この例示的な技法の場合、処理回路102は、特定の解剖学的対象物に依拠することなく、x軸と、y軸と、z軸とを決定してよいが、むしろ、スキャン108の画像データ内に存在するべきである肩甲骨118自体に基づいて、x軸と、y軸と、z軸とを決定してよいが、肩甲三角122および肩甲骨下角124は、アンダーセグメンテーションまたはオーバーセグメンテーションによりスキャン108の画像データ内に存在しないことがある。
【0139】
[0170]患者座標系を決定するための上記で説明されたさまざまな技法は、たとえば、インプラントをまだ設置されていない患者に使用されてもよいし、ヘミインプラントを設置されており、したがって肩甲骨側インプラントコンポーネントを有さない患者に使用されてよい。解剖学的インプラントまたはリバース型インプラントをもつ患者の場合、本開示は、患者座標系を決定するための追加の技法を提唱する。これらの追加の技法は、上記で特徴抽出ユニット410ならびに図6図7A、および図7Bに関して説明された。これらの追加の技法は、患者座標系を決定するための上記で説明された技法とは別々に、またはこれに関連して、のどちらかで使用されてよい。
【0140】
[0171]インプラント、最も一般的には解剖学的インプラントまたはリバース型インプラントをもつ患者のためのいくつかのケースでは、処理回路102は、上記で横軸および肩甲骨平面に関して説明された技法を使用して、x軸と、y軸と、z軸とを決定することが可能でないことがある。具体的には、横軸および肩甲骨を通る平面は、インプラントの存在によりスキャン108で容易に検出可能でないことがある。インプラントをもつ患者の場合、処理回路102は、上記で図6図7A、および図7Bを参照して説明された特徴抽出ユニット208または特徴抽出ユニット410によって決定されるように、インプラントの特徴に基づいて、x軸と、y軸と、z軸とを決定し得る。
【0141】
[0172]横軸と肩甲骨平面とを使用して、またはインプラント特徴を使用して、のどちらかにより患者座標系を決定した後、処理回路102は、患者座標系を形状モデル106にアライメントするために変換行列を決定し得る。アライメントプロセスは、一般に、患者座標系を決定するために使用される技法に関係なく同じ様式で実施される。上記で説明されたように、変換行列を決定する1つの例示的なやり方は、c=(x,y,z,o)である座標系を使用することであり、ここで、x、y、およびzは、直交基底3Dベクトル、oは原点である(cは4×4同次行列であり、最後の列は(0,0,0,1)である)。セグメント化された対象物が変換されることになる新しい座標系は、C=(X,Y,Z,O)である。この例では、変換行列はその場合、T=c^-1×Cである。
【0142】
[0173]処理回路102は、セグメンテーション対象物を形状モデル106(たとえば、メモリ104から取り出されるSSM)にアライメントするために変換行列を用いて、スキャン108からの画像データに基づいて、セグメンテーション対象物を定義する座標(たとえば、座標が、上記で説明された技法を利用して、軸から決定される場合)を乗算し得る。このアライメントの結果は、初期形状であり得る。たとえば、図24は、形状モデル106を用いてアライメントされる初期アライメントされた形状138を図示する。初期アライメントされた形状138は、図24では、形状モデル106の上に重ね合わされるように示されている。初期アライメントされた形状138は、解剖学的構造のいくつかの部分が欠落している(たとえば、アンダーセグメンテーションにより)または歪められている(たとえば、オーバーセグメンテーションにより)ことがあるスキャン108の画像データに基づいて、生成される。たとえば、初期アライメントされた形状138は、x軸、y軸、およびz軸上で形状モデル106と同じ方位を有するように全体的に位置決めされてよい。
【0143】
[0174]しかしながら、変換に続いて、初期アライメントされた形状138は、形状モデル106とぴったりアライメントされないことがある。肩甲骨が下方におよび/または内側に切り取られすぎるケースでは(これは、知られていないかもしれないが、初期形状138では当てはまる)、肩甲骨体法線(たとえば、ベクトル132)と横軸134とを決定する際に算出誤差がある可能性がある。これらの算出誤差は、形状モデル106と患者解剖学的構造(たとえば、肩甲骨118)との間にミスアライメントをもたらすことがあり、したがって、初期アライメントされた形状138は、望ましいほど形状モデル106とぴったりアライメントされないことがある。たとえば、図24から分かるように、初期アライメントされた形状138は、z軸(たとえば、横軸)134に沿って回転される。
【0144】
[0175]1つまたは複数の例では、切り取られすぎた肩甲118からミスアライメントがあるかどうか不明であることがあるので、処理回路102は、アライメントされた形状を生成するために初期形状138のパラメータを修正することがある。アライメントされた形状は、形状モデル106に実質的に近位である(たとえば、場所、大きさ、および方位に関して)。一例として、パラメータを修正するために、処理回路102は、初期アライメントされた形状モデルがz軸に沿って回転する(たとえば、初期アライメントされた形状138の点がz軸に沿って回転する)ように、初期アライメントされた形状138の座標を反復的に調整することがある。各調整時、処理回路102は、初期アライメントされた形状138と形状モデル106(たとえば、初期アライメントされた形状内の点と形状モデル106において表される点)との距離を決定することがある。
【0145】
[0176]たとえば、処理回路102は、初期アライメントされた形状138上の点(たとえば、肩峰および烏口の点など)と形状モデル106上の対応する点(たとえば、形状モデル106上の肩峰および烏口)との距離を決定することがある。対応する点とは、初期アライメントされた形状138内の点と、同じ患者解剖学的構造を識別する形状モデル106内の点を指す。処理回路102は、z軸134のまわりでの初期アライメントされた形状138と形状モデル106との距離が閾値を満たす(たとえば、距離が最小にされる場合を含む閾値よりも小さい)まで、初期アライメントされた形状138を回転させ続けることがある。次いで、処理回路102は、y軸のまわりでの初期アライメントされた形状138と形状モデル106内の対応する点との間の点の差が閾値を満たす(たとえば、距離が最小にされる場合を含む閾値よりも小さい)まで、y軸138に沿って初期アライメントされた形状138を回転させることがある。処理回路102は、x軸132のまわりでの初期アライメントされた形状138と形状モデル106内の対応する点との間の点の差が閾値を満たす(たとえば、距離が最小にされる場合を含む閾値よりも小さい)まで、x軸132のまわりで初期アライメントされた形状モデルを回転させることがある。
【0146】
[0177]一例として、処理回路102は、初期アライメントされた形状138が[-45度,45度]または[-27度,27度]の探索範囲内で軸に沿って5度回転する(たとえば、初期アライメントされた形状モデルの第1のインスタンス)ように、初期アライメントされた形状138のパラメータを修正することがある。処理回路102は、初期アライメントされた形状138の第1のインスタンスの点と形状モデル106の対応する点との距離を決定することがある。距離が最小でないまたは閾値よりも小さいと仮定すると、次に、処理回路102は、初期アライメントされた形状が軸に沿って10度回転する(たとえば、初期アライメントされた形状138の第2のインスタンス)ように、初期アライメントされた形状138のパラメータを修正し、距離(たとえば、初期アライメントされた形状138の第2のインスタンスの点と形状モデル106の対応する点との)を決定してよい。処理回路102は、初期アライメントされた形状138の各インスタンスに対して、軸の各々について、これらの動作を繰り返してよい。処理回路102は、処理回路102が、閾値よりも小さい距離(最小距離など)でもたらされた初期アライメントされた形状138のインスタンスを決定するまで、これらの動作を繰り返し続けることがある。さまざまな反復的インスタンスの間で閾値よりも小さい距離でもたらされた(最小距離の例を含む)初期アライメントされた形状138のインスタンスは、図25に図示される、アライメントされた形状140として選択される。
【0147】
[0178]これらの動作の結果は、アライメントされた形状(たとえば、x軸、y軸、およびz軸に沿って回転されたモデル)であってよい。たとえば、図25は、形状モデル106にアライメントされるアライメントされた形状140を図示する。アライメントされた形状140は、図25では、形状モデル106の上に重ね合わされるように示されている。アライメントされた形状140(たとえば、単にアライメントされた形状140)は、初期アライメントされた形状138と比較して、形状モデル106へのより良いアライメントを提供する。たとえば、図25に示されるように、アライメントされた形状140は、図24に示される形状モデル106に対する初期アライメントされた形状138よりも良く、形状モデル106にアライメントされる。
【0148】
[0179]たとえば、初期アライメントされた形状138および形状モデル106は、全体的にアライメントされてよい。しかしながら、スキャン108内の解剖学的対象物の画像データのオーバーセグメンテーションまたはアンダーセグメンテーションにより、初期アライメントされた形状138と形状モデル106との間に何らかの傾きまたは誤った方位付けがあることがある。これに対処するために、処理回路102は、初期アライメントされた形状138と形状モデル106との距離が閾値を満たす(たとえば、最小にされる)まで、各軸(x、y、z)のまわりで初期アライメントされた形状138を別々に回転させることがある。したがって、初期アライメントされた形状138を反復的に回転させることによって、処理回路102は、アライメントされた形状140(中間アライメントされた形状140とも呼ばれる)を生成し得る。アライメントされた形状140上の点と形状モデル106の対応する点との距離は最小にされ得るので、アライメントされた形状140(たとえば、中間アライメントされた形状140)は、実質的に形状モデル106の座標系内にある。
【0149】
[0180]いくつかの例では、形状モデル106は、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特性を生成するために、アライメントされた形状140の形状に変形されるので、アライメントされた形状140は、中間アライメントされた形状と呼ばれることがある。処理回路102は、以下で説明される技法を利用して、形状モデル106をアライメントされた形状140にレジストレーションするために形状モデル106を変形させ得る。しかしながら、いくつかの例では、処理回路102は、何らかの他の技法を利用して、アライメントされた形状140にレジストレーションするために形状モデル106を変形させることがある。また、形状モデル106をアライメントされた形状140にレジストレーションする例示的な技法の場合、上記で説明された技法以外の技法を使用してアライメントされた形状140が生成される場合にそのような技法が実施されることが可能であることがある。
【0150】
[0181]上記で説明されたように、処理回路102は、形状モデル106をアライメントされた形状140にレジストレーションするように構成されることがある。形状モデル106をアライメントされた形状140にレジストレーションすることは、コスト関数値が閾値を下回る(たとえば、最小にされる)まで形状モデル106を反復的に変形させることを指すことがある。レジストレーションするアルゴリズムは、反復的最近点(ICP)ループおよび弾性レジストレーション(ER)ループと呼ばれる2つの内側反復的ループを含むグローバルループである。レジストレーションするアルゴリズムを実施する他の例示的なやり方があることがあり、グローバルループ内での2つのループの使用は、レジストレーションするアルゴリズムを実施する1つの例示的なやり方にすぎない。たとえば、いくつかの例では、ICPループを回避してERループのみを実施することが可能であることがある。いくつかの例では、ICPループのみを実施し、ERループを回避することが可能であることがある。
【0151】
[0182]グローバルループの第1の反復に対するICPループでは、初期入力は、アライメントされた形状140と、形状モデル106である。グローバルループの第1の反復におけるICPループの場合、処理回路102は、第1次形状を生成するためにアライメントされた形状140と形状モデル106との比較に基づいて、アライメントされた形状140を反復的に修正する。たとえば、ICPループを通る各反復に対して、処理回路102はコスト値を決定し、閾値よりも小さい(たとえば、最小にされる)コスト値をもたらす修正されたアライメントされた形状は、ICPループの出力であり、第1次形状と呼ばれる。ICPアルゴリズムの一例は、以下でより詳細に説明される。
【0152】
[0183]第1次形状は、グローバルループの第1の反復のためのERループへの入力である。グローバルループの第1の反復のための、ERループへの別の入力は、形状モデル106である。グローバルループの第1の反復におけるERループの場合、処理回路102は、複数の推定形状モデル(たとえば、ERループを通るたびに1つ)を生成するために形状モデル106を変形させることがある。ERループの各ループに関して、処理回路102は、総コスト値を決定し、ERループのどの反復が、閾値を満たす(たとえば、最小にされる場合を含む閾値よりも小さい)総コスト値を有する推定形状モデルを利用したかを決定することがある。ERループの結果(たとえば、閾値を満たす総コスト値を有する推定形状モデル)は、第1次レジストレーションされた形状モデルである。これは、グローバルループの1つの反復を完了させる。総コスト値は、グローバルループの第1の反復の場合、推定形状モデルと第1次形状との間の距離および方位、解剖学的構造の内側化(medialization)に関する制約、ならびにパラメータ重み付けに基づいてよい。
【0153】
[0184]たとえば、S1は、処理回路102がグローバルループの第1の反復においてERループを使用して決定することが可能である第1次形状モデルであると仮定する。ERループの場合、処理回路102は、S11と、S12と、S13などとを生成してよく、S11、S12、S13などの各1つは形状モデル106の変形されたバージョンであり、S11、S12、S13などは各々、推定形状モデルの一例である。S11、S12、S13などの各1つに対して、処理回路102は、総コスト値(たとえば、S11_総コスト値、S12_総コスト値、S13_総コスト値など)を決定することがある。処理回路102は、総コスト値のうちのどれが閾値より小さい(たとえば、最小にされる)かを決定することがある。閾値を下回る(たとえば、最小にされる)総コスト値を有する推定形状モデル(たとえば、S11、S12、S13などの1つ)は、S1(たとえば、第1次レジストレーションされた形状モデル)である。この後、グローバルループの第1の反復が完了する。
【0154】
[0185]グローバルループの第2の反復の場合、処理回路102は、ICPループの動作を実施する。グローバルループの第2の反復では、ICPループの場合、一方の入力は、ERループから生成される第1次形状モデルであり、他方の入力は、前のICPループによって生成される第1次形状である。グローバルループの第2の反復では、ICPループの場合、処理回路102は、第1次形状の第1次形状モデルとの比較に基づいて第1次形状を反復的に修正する。たとえば、ICPループを通る各反復に対して、処理回路102はコスト値を決定し、閾値よりも小さい(たとえば、最小にされる)コスト値をもたらす修正された第1次形状は、ICPループの出力であり、第2次形状と呼ばれる。
【0155】
[0186]第2次形状は、グローバルループの第2の反復のためのERループへの入力である。グローバルループの第2の反復のための、ERループへの別の入力は、形状モデル106および/または第1次形状モデルである。形状モデル106が使用される場合、biの値は[-b +b]内で変化してよい。第1次形状モデルが使用される場合、biの値は[-b+b_prev b+b_prev]内で変化してよく、ここで、b_prevは、前の反復で見つけられた値(たとえば、第1次形状モデルを決定するために使用される)である。
【0156】
[0187]グローバルループの第2の反復におけるERループの場合、処理回路102は、複数の推定形状モデル(たとえば、ERループの各反復に対して1つ)を生成するために形状モデル106および/または第1次形状モデルを変形させることがある。ERループの各反復に関して、処理回路102は、総コスト値を決定し、ERループのどの反復が、閾値を満たす(たとえば、最小にされる)総コスト値を有する推定形状モデルを利用したかを決定することがある。グローバルループの第2の反復における、ERループの結果(たとえば、閾値を満たす総コスト値を有する推定形状モデル)は、第2次形状モデルである。これは、グローバルループの第2の反復を完了させる。総コスト値は、グローバルループの第2の反復の場合、推定形状モデルと第2次形状との間の距離および方位、解剖学的構造の内側化に関する制約、ならびにパラメータ重み付けに基づいてよい。
【0157】
[0188]たとえば、S2は、処理回路102がグローバルループの第2の反復においてERループを使用して決定することが可能である第2次形状モデルであると仮定する。ERループの場合、処理回路102は、S21と、S22と、S23などとを生成してよく、S21、S22、S23などの各1つは形状モデル106および/または第1の形状モデルの変形されたバージョンであり、S21、S22、S23などは各々、推定形状モデルの一例である。S21、S22、S23などの各1つに対して、処理回路102は、総コスト値(たとえば、S21_総コスト値、S22_総コスト値、S23_総コスト値など)を決定することがある。処理回路102は、総コスト値のうちのどれが閾値より小さい(たとえば、最小にされる)かを決定することがある。閾値を下回る(たとえば、最小にされる)総コスト値を有する推定形状モデル(たとえば、S21、S22、S23などのうちの1つ)は、S2(たとえば、第2次レジストレーションされた形状モデル)である。この後、グローバルループの第2の反復が完了する。
【0158】
[0189]上記の例では、処理回路102は、グローバルループの第1の反復に対してS11と、S12と、S13などと(たとえば、推定形状モデルの第1のセット)を生成し、グローバルループの第2の反復に対してS21と、S22と、S23などと(たとえば、推定形状モデルの第2のセット)を生成した。いくつかの例では、推定形状モデルの第1のセットと第2のセットにおける推定形状モデルの数は、同じであることがある。いくつかの例では、推定形状モデルの第1のセットと第2のセットにおける推定形状モデルの数は、異なることがある(たとえば、推定形状モデルの第1のセットにおける6つの推定形状モデルと、推定形状モデルの第2のセットにおける14の推定形状モデル)。グローバルループの異なる反復において異なる数の推定形状モデルを有するための1つの理由は、グローバルループのその後の反復において推定形状モデルの数を増加させることによって、同じまたはより少ない数の推定形状モデルが使用される場合と比較して、グローバル最小値をより正確に決定することが可能であり得ることである。すなわち、処理回路102は、複数のERループを通して推定形状モデルを生成するために使用される不明(たとえば、最頻値およびスケールファクタ)の数を徐々に増加させることがある。
【0159】
[0190]このプロセスは、総コスト値が閾値を下回る(たとえば、最小にされる)まで繰り返し続ける。閾値を下回る(たとえば、最小にされた)総コスト値を提供するレジストレーションされた形状モデル(たとえば、第N次レジストレーションされた形状モデル)は、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを提供する。いくつかの追加の処理が、罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを患者座標系に戻すために必要とされることがある。
【0160】
[0191]上記で説明されたように、罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定するために、ICPループとERループとを含むグローバルループがある。以下は、ICPループの一例について説明する。ICPループでは、ソースポイントクラウト(clout)とターゲットポイントクラウドがある。ターゲットポイントクラウドは固定されたままであり、処理回路102または投影ユニット212は、変換されたポイントクラウドがターゲットポイントクラウドに合致するようにソースポイントクラウドを修正する(たとえば、変換する)。変換されたポイントクラウドとターゲットポイントクラウドとの差異は、変換されたポイントクラウドがソースクラウドに対するものである合致がどれくらい良いかを示す。1つまたは複数の例では、処理回路102または投影ユニット212は、差異が閾値を下回るまで、ソースポイントクラウドを変換し続ける。たとえば、処理回路102または投影ユニット212は、差異が最小にされるまでソースポイントクラウドを変換し続ける。
【0161】
[0192]1つまたは複数の例では、グローバルループの第1の反復では、ICPループの場合、ターゲットポイントクラウドは形状モデル106であり、ソースポイントクラウドはアライメントされた形状140である。処理回路102または投影ユニット212は、アライメントされた形状140上の点と形状モデル106上の対応する点との距離を決定し得る。使用されるアライメントされた形状140上の点は、病理性でないことがわかっている点であってよい(たとえば、数個の非限定的な例として、内側関節窩円蓋、肩峰、および烏口)。他の例は、スキャン108の画像データ内に存在する、肩甲骨上のさまざまな他の点を含む。処理回路102または投影ユニット212は、形状モデル106上の同じ解剖学的構造に関する点を見つけることがある。
【0162】
[0193]図26は、ICPアルゴリズムのための差異値を決定するための例を図示する概念図である。たとえば、処理回路102または投影ユニット212は、ターゲットポイントクラウド(たとえば、形状モデル106)上の点(p)を決定することがある。処理回路102または投影ユニット212は、次いで、アライメントされた形状140上の点pへの最近点を決定することがあり、これは、図26の例では点pppである。処理回路102または投影ユニット212は、図26に図示されるpctなどの、アライメントされた形状140上の点pppに近接する、設定された数の点(たとえば、10個の点)を決定することがある。
【0163】
[0194]形状モデル106上の点pおよびこれらの点の各々(たとえば、アライメントされた形状140上の最近点および近接点)に対して、処理回路102または投影ユニット212は、法線ベクトルを決定し得る。たとえば、ベクトルnsは点pに対する法線ベクトルであり、ベクトルnppは点pppに対する法線ベクトルであり、ベクトルnjは点pctに対する法線ベクトルである。法線ベクトルを決定する1つのやり方は、点に対する接平面に直交するベクトルに基づく。点の法線を算出する別のやり方は、その点を共有する各三角形の法線を算出し、次いで、平均法線を帰することである。局所的ノイズを克服するために、法線は、特定の近傍内の点の平均法線を算出することによって平滑化される。
【0164】
[0195]処理回路102または投影ユニット212は、方位と、以下の式に基づいた形状モデル106上の点pとアライメントされた形状140上の点との距離差とを決定することがある。
【0165】
【数2】
【0166】
[0196]上記の式では、psはソース点(たとえば、形状モデル106上の点p)、ptはアライメントされた形状140上の点(たとえば、点pppまたはpctなどの最近点および近接点)、nsは点psの法線ベクトル(たとえば、図26に示されるns)、ntはアライメントされた形状140上の点の法線ベクトル(たとえば、nppおよびnj)、wは、あらかじめプログラムされた重み係数である。典型的には、wは、距離と方位との間に等しい重みを与えるために、1に等しい。いくつかの例では、高/低湾曲領域は、「w」のより高い/より低い値を必要とすることがある。「w」の値は、経験的に定義されてよい。
【0167】
[0197]処理回路102または投影ユニット212は、差異値のうちのどれが最も小さい異なる値をもたらしたかを決定し得る。たとえば、第1の差異値はp、ns、ppp、およびnppに基づき、第2の差異値は、p、ns、pct、およびnjに基づくと仮定する。この例では、第2の差異値は、第1の差異値よりも小さいことがある。処理回路102または投影ユニット212は、形状モデル106上の点pに対応する点として、アライメントされた形状140上のpctを決定することがある。
【0168】
[0198]図26は、形状モデル106上の1つの点pを図示しているが、形状モデル106上に複数(たとえば、N個の数)の点があることがあり、処理回路102または投影ユニット212は、形状モデル106上のN個の点の各々に対してアライメントされた形状140上のN個の対応する点を識別するために、上記で説明された動作に類似した動作を実施することがある。したがって、N個の差異値があることがある。処理回路102または投影ユニット212は、N個の差異値を合計し、その結果をNで割ることがある。結果として生じる値が閾値よりも大きい場合(たとえば、結果として生じる値が最小にされない例を含む)、処理回路102または投影ユニット212は、ICPループを継続してよい。
【0169】
[0199]形状モデル106上のN個の点およびアライメントされた形状上のN個の点とともに、処理回路102または投影ユニット212は、回転行列Rと並進ベクトルtとを決定することがある。回転行列および並進ベクトルに基づいて、処理回路102または投影ユニット212は、アライメントされた形状140上の点を回転および並進させることがある(たとえば、(アライメントされた形状上の点)によって乗算された-Rプラス並進ベクトル)。結果は、第1の中間の第1次形状である。回転行列Rと並進ベクトルtとを生成する1つの例示的なやり方は、Berthold K.P.Horn(1987)、「Closed-form solution of absolute orientation using unit quaternions」、https://pdfs.semanticscholar.org/3120/a0e44d325c477397afcf94ea7f285a29684a.pdfに記載されている。
【0170】
[0200]これは、ICPループの1つのインスタンスを終了させ得る。処理回路102または投影ユニット212は、次いで、処理回路102または投影ユニット212が、アライメントされた形状140の代わりに第1の中間の第1次形状と、形状モデル106とを使用する場合、これらの動作を繰り返し得る。処理回路102または投影ユニット212は、形状モデル106上のN個の点および中間の第1次形状上のN個の点の各々に対して、N個の差異値を決定し得る。処理回路102または投影ユニット212は、N個の差異値を合計し、Nで割ることがある。結果として生じる値が閾値よりも大きい(または最小にされない)場合、処理回路102または投影ユニット212は、回転行列と並進ベクトルとを決定し、第2の中間の第1次形状を決定し得る。これは、ICPループを通る第2の反復を終了させ得る。
【0171】
[0201]処理回路102または投影ユニット212は、処理回路102または投影ユニット212が、値が閾値を満たす場合(値が最小にされるときなど)形状モデル106上のN個の点と第Xの中間の第1次形状上のN個の点とのN個の差異値の合計がNによって除算されることから生じる値を決定するまで、これらの動作を繰り返し続けることがある。この場合、ICPループは終了され、処理回路102または投影ユニット212は、第Xの中間の第1次形状が第1次形状であることを決定する。
【0172】
[0202]第1次形状は、弾性レジストレーション(ER)ループへの入力になる。ERループにおける別の入力は、形状モデル106である。ERループでは、処理回路102または投影ユニット212は、形状モデル106に基づいて複数の推定形状モデルを決定し得る。たとえば、処理回路102または投影ユニット212は、以下の式に基づいて、新しい形状モデル(si)を決定し得る。
【0173】
【数3】
【0174】
[0203]上記の式では、s’は、形状モデル106である(たとえば、一例として平均形状のポイントクラウド、ここで、ポイントクラウドは、形状モデル106を形成するプリミティブの頂点などの、形状モデル106内の点の座標を定義する)。式では、それぞれ、λiは固有値、viは共分散行列の固有ベクトルである(変動の最頻値とも呼ばれる)。共分散行列は、データセット内の分散を表す。i,j位置の要素は、データセット配列のi番目の要素とj番目の要素の共分散である。
【0175】
[0204]処理回路102または投影ユニット212は、biの異なる値を選択することによって、複数の推定形状モデルを決定し得る。上記では、biは、固有値または固有ベクトルをスケーリングするスケーリングファクタである。固有値(λi)固有ベクトル(vi)は、形状モデル106(たとえば、s’)の生成から既知である。図を簡略化するため、処理回路102または投影ユニット212は、biの10個の選択された(たとえば、ランダムに、またはあらかじめプログラムされた)値に基づいて10個の推定形状モデルを決定したと仮定する。10よりも多いまたは少ない推定形状モデルがあってよい。
【0176】
[0205]ERループでは、処理回路102または投影ユニット212は、推定形状モデルに対して以下の動作を実施し得る。ERループの一部として、処理回路102または投影ユニット212は、推定形状モデルのうちのどれが、閾値を下回る(たとえば、最小にされる)コスト関数値を生じさせるかを決定し得る。コスト関数値は、3つのサブコスト関数値に基づいてよいが、3つよりも多いまたは少ないサブコスト関数値も可能である。たとえば、第1のサブコスト関数値がCf1、第2のサブコスト関数値がCf2、第3のサブコスト関数値がCf3であると仮定する。いくつかの例では、コスト関数値(Cf)は、Cf1+Cf2+Cf3に等しい。いくつかの例では、Cf=w1*Cf1+w2*Cf2+w3*Cf3、0<wi<1および0≦Cfi≦1であるように、重みが適用されることがある。重み(wi)は、あらかじめプログラムされてよい。ERループを完了するために、処理回路102または投影ユニット212は、推定形状モデルのうちのどれが、閾値を満たす(たとえば、最小にされることを含めて閾値よりも小さい)Cf値を生じさせるかを決定し得る。
【0177】
[0206]第1のサブコスト関数値(Cf1)は、推定形状モデル(たとえば、biのための異なる値に基づいて生成される)とICPループによって生成される第1次形状との距離および方位に基づく。たとえば、推定形状モデルの各々に対して、処理回路102または投影ユニット212は、Cf1値を決定することがある。Cf1の式は、ICPループに使用される式と同じであってよい。
【0178】
[0207]たとえば、Cf1=Σnorm(ps-pt2+w*norm(ns-nt2/Nである。しかしながら、このケースでは、psおよびnsは、推定形状モデルの各々の上のそれらの点の点およびベクトルに対するものであり、ptおよびntは、第1次形状上のそれらの点の点およびベクトルに対するものである。Nは、第1次形状上および推定形状モデルの各々の上の点の数を指す。
【0179】
[0208]処理回路102または投影ユニット212は、ICPループに関して説明された上記の例示的な技法を使用して、Cf1の値を決定し得る。たとえば、第1の推定形状モデルに対して、処理回路102または投影ユニット212は、Cf1(たとえば、第1のCf1)の値を決定することがあり、第2の推定形状モデルに対して、処理回路102または投影ユニット212は、Cf1(たとえば、第2のCf1)の値を決定することがあり、以下同様である。このケースでは、処理回路102または投影ユニット212は、推定形状モデルのいずれかの並進または回転を実施しないが、推定形状モデルの各々に対するCf1の計算を利用して推定形状モデルの1つを選択することがある。
【0180】
[0209]Cf1の値は、ERループのコスト関数値を決定するために使用されるサブコスト関数値の1つである。いくつかの例では、Cf1値を最小にする推定形状モデルを決定し、ERループを終えることが可能であり得る。しかしながら、ICPループの出力と形状モデル106から生成される推定形状との差(たとえば、点の距離)を最小にすることだけでは、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定するのに十分でないことがある。たとえば、患者の身体に対して、ICPループによって生成される形状(たとえば、ICPループの初期終了後の第1次形状)の場所に関する論理制約があることがあり、第1次形状と推定形状との差(たとえば、距離)を最小にすることは、場合によっては、そのような論理制約に違反することがある。たとえば、サブコスト関数値Cf1は、いくつかのケースでは非凸状であることがあり、したがって、間違っている局所的最小をもたらすことがある。追加のサブコスト関数値とともに、処理回路102または投影ユニット212は、総コスト関数値Cfの非凸状性を補正し得る。
【0181】
[0210]たとえば、関節窩の罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを予測するとき、推定形状モデルの関節窩は、現在の患者関節窩よりも内側化されるべきでない。本開示では、内側化されたまたは内側は、患者の身体の中心の方へを意味する。患者が関節窩における傷害または疾患に苦しむとき、骨びらんが、病理性関節窩を、傷害または病気の前よりも内側にさせる(たとえば、患者の身体の中央により近くシフトする)ことがある。したがって、現在の関節窩よりも内側である推定形状モデルの1つのインスタンス上の関節窩は、高い確率で、罹患前または罹患した埋め込み前患者解剖学的構造の適切な推定でない。また、傷害または疾患は、関節窩をより内側にさせた可能性があり、したがって、推定形状モデルの1つが、関節窩の現在の位置よりも内側にある関節窩を含む場合、推定形状モデルのインスタンスは、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特性を有さないことがある。
【0182】
[0211]すなわち、形状モデル106から生成される第1の推定形状モデルは、第1の推定形状モデルとICPループによって生成される第1次形状との距離および方位に基づいてCf1の値を最小にしたと仮定する。この例では、第1の推定形状モデルの関節窩が関節窩の現在の位置よりも内側にある場合、第1の推定形状モデルは、病理性解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前形状の適切なまたは最も良い推定でないことがある。
【0183】
[0212]推定形状モデルの内側化されたインスタンスが罹患前または罹患した埋め込み前特徴づけを決定するために使用されないことを保証するために、処理回路102は、Cf2の値を決定し得る。Cf2の値は、推定形状モデルが患者解剖学的構造よりも内側にあるかまたはこれよりも内側にないかを示す。すなわち、第2の例示的なサブコスト関数値はCf2である。Cf2の値は、解剖学的構造の内側化に対する制約の尺度である。
【0184】
[0213]Cf2の値を決定するために、処理回路102は、患者解剖学的構造(たとえば、病理性肩甲骨)の横軸134上にある閾値点(pth)を決定し得る。点pthは、罹患前特徴づけを決定するために使用される中間形状モデルのインスタンスによって交差されるべき関節窩内側化の閾値を表す。図27Aおよび図27Bは、pthを決定する例示的なやり方を図示する。たとえば、処理回路102は、関節窩のスキャン108からの画像データを対象物となる4つの四半分(たとえば、上方、後方、下方、および前方)に分け得る。
【0185】
[0214]図27Aおよび図27Bは、患者の解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前形状を決定するために使用されるコスト関数のパラメータを決定するための関節窩の部分を図示する概念図である。より詳細に説明されるように、図27Aおよび図27Bにおける関節窩の図示された部分とともに、処理回路102は、pthの値を決定し得る。処理回路102は、推定形状モデルの各々に対する内側化値も決定し得る(たとえば、biの値を使用して形状モデル106から、上記で説明された固有値および固有ベクトルに基づいて、生成される)。pthの値および内側化値に基づいて、処理回路102は、Cf2に関するサブコスト値を決定し得る。
【0186】
[0215]図27Aは、関節窩表面を前方側142と後方側144に分ける横軸134(たとえば、上記で説明されたような)を図示する。図27Bは、関節窩表面を上方側150と下方側152に分ける横軸134を図示する。たとえば、図18に戻ると、処理回路102は横軸134を決定した。次いで、処理回路102は、肩甲骨118を通る軸方向切断または矢状切断に基づいて、前方側142と、後方側144と、上方側150と、下方側152とを決定することがある。結果は、図27Aおよび図27Bに図示される例であってよい。
【0187】
[0216]処理回路102は、部分の各々(たとえば、図27Aの前方側および後方側ならびに図27Bの上方側および下方側)に対する関節窩表面上の点を横軸134に投影し、各部分の投影された点の質量中心を決定し得る。線上への点投影は、その線上の最近点である。点およびその投影によって定義された線およびベクトルは直角をなす。これは、投影されることになる点とともに斜辺を形成する線上のランダムな点を選ぶことによって、計算可能である。三角法を使用すると、投影は、斜辺と線によって定義される角度のコサインによって乗算される斜辺長である。質量中心は、その線上の投影点の平均点であり、重心とも考えられ得る。
【0188】
[0217]たとえば、図27Aの点146は、前方側142のための投影点の質量中心の一例である。図27Aの点148は、後方側144のための投影点の質量中心の一例である。図27Bの点154は、上方側150のための投影点の質量中心の一例である。図27Bの点156は、下方側152のための投影点の質量中心の一例である。
【0189】
[0218]1つまたは複数の例では、処理回路102は、点146、148、154、および156から最も外側の重心点(たとえば、患者の身体の中心から最も遠く離れた点)を決定し得る。処理回路102は、最も外側の重心点を閾値点pthとして設定することがある。処理回路102はまた、最も外側の四半分をQthとして決定することがある。いくつかの例では、最も外側の重心点は、必ずしも最も外側の四半分にある必要はない。たとえば、点156は最も外側の重心点(たとえば、閾値点pth)であると仮定する。この例では、最も外側の四半分(Qth)は、最も外側の重心点が最も外側の四半分にあった場合、下方側152であることがある。しかしながら、最も外側の重心点は最も外側の四半分にないことがあり得る。
【0190】
[0219]処理回路102は、Qth四半分(たとえば、最も外側の四半分)と対応する、推定形状モデルのインスタンス内の四半分を決定し得る。処理回路102は、推定形状モデルのインスタンスの四半分の点を横軸134に投影し得る。たとえば、推定形状モデルの各々に対して、処理回路102は、推定形状モデルの各々に対して点146、148、154、および156のような点を決定し得る。しかしながら、推定形状モデルの異なる内側化のために(たとえば、推定形状モデルを生成するために使用されるbiの異なる値により)、それぞれの投影点は、横軸134上の異なる場所にあってよい。
【0191】
[0220]たとえば、処理回路102は、横軸134上でアンカー点を決定することがある。このアンカー点は、推定形状モデルの各々に対して横軸134上の同じ場所にある。処理回路102は、投影点のアンカー点までの距離を決定し得る。いくつかの例では、pthは、アンカー点であってよい。
【0192】
[0221]処理回路102は、投影点のpthまでの距離を決定し得る。処理回路102は、dmedに等しい値として、投影点の距離の平均を決定し得る。
【0193】
[0222]dmedの値がゼロまたは正である場合、それは、推定形状モデルのインスタンスが現在の患者解剖学的構造(たとえば、関節窩および肩甲骨)よりも内側にあり、したがって、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特性の良好な予測子でないことを意味する。dmedの値が負である場合、それは、推定形状モデルのインスタンスが現在の患者解剖学的構造よりも内側になく、したがって、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前特性の可能な予測子であってよいことを意味する。
【0194】
[0223]いくつかの例では、処理回路102は、dmedに基づいて、値に等しいCf2を設定することがある(たとえば、Cf2はdmedの関数である)。たとえば、dmedに基づいてCf2を計算するために使用される関数は、ゼロよりも大きいdmedの値に関する増加関数およびゼロよりも小さいdmedの値に関する減少関数であることがある。一例として、dmedが0よりも大きいまたはこれに等しい場合、処理回路102は、dmedに等しいCf2を設定し、dmedがゼロよりも小さい場合は0に等しいCf2を設定することがある。このようにして、推定形状モデルのインスタンスが現在の患者解剖学的構造よりも内側にある場合、Cf2の値は正の数であり、コスト関数の全体的なコスト値は増加する。また、コスト関数(Cf)は、Cf1プラスCf2プラスCf3に等しく(および場合によっては、重みw1、w2、およびw3を用いて更新される)、Cf2が正の数である場合、Cfの値は、Cf2の値がゼロである場合と比較して増加する。処理回路102は、閾値を満たす(たとえば、コスト関数を最小にする)コスト値を決定しているので、Cf2の正の値を有することは、処理回路102を、罹患前または罹患した埋め込み前特性を決定するために現在の患者解剖学的構造よりも内側にある推定形状モデルのインスタンスを使用しないようにさせる。
【0195】
[0224]いくつかの例では、コスト関数値(Cf)は、Cf1およびCf2のみに基づいてよい。たとえば、ERループに対して、処理回路102または投影ユニット212は、どの推定形状モデルがCfを最小にすることをもたらすかを決定することがある。しかしながら、そのようなケースでは推定形状モデルが高い変動をもつ(たとえば、一般集団における罹患前または罹患した埋め込み前特性を表すより低い確率を有する)モデルであることが可能であることがある。したがって、いくつかの例では、ERループの場合、処理回路102は、パラメータ重み値(たとえば、Cf3)を決定し得る。パラメータ重み値は、より可能性の高い推定形状モデルを罹患前または罹患した埋め込み前解剖学的構造の表現であるというより高い確率を有すると重み付けし、罹患前または罹患した埋め込み前解剖学的構造の表現であるというより低い確率を有すると、推定形状モデルのように小さく重み付けする。
【0196】
[0225]たとえば、いくつかの例では、処理回路102は、データ誤差の増加分散におけるより複雑な解に対してペナルティを課すために使用されるサブコスト関数値Cf3も決定することがある。たとえば、処理回路102は、以下の式により変動の参加モードにペナルティを課す固有値を使用して、勾配平滑化項を決定することがある。
【0197】
【数4】
【0198】
[0226]上記の式では、Nは、推定形状モデルのインスタンスを作るために使用されるモードの数である。Cf3は、すべての例で必要であるとは限らないことがある。たとえば、Cf3に関する式では、推定形状モデルのインスタンスが多くのモードを有する場合、推定形状モデルのインスタンスがより少ないモードを有する場合と比較して、合計する、より大きい数の値がある。したがって、合計の結果(たとえば、Cf3の値)は、より少ないモードを有するそれらの推定形状モデルよりも大きいモードを有するそれらの推定形状モデルの場合は大きい。したがって、Cf3のより大きい値は、コスト関数値Cfを、Cf3のより小さい値よりも大きくさせる。処理回路102は、Cfの値を最小にしていることがあるので、Cf3のより大きい値を有する推定形状モデルは、Cf3のより小さい値を有する推定形状モデルと比較して、患者解剖学的構造の罹患前または罹患した埋め込み前形状として決定される可能性は低い。
【0199】
[0227]一般に、Cf3は、2つの項から構成される。疎またはハードな項と微細な(fine)または平滑化項である。固有値は、分解行列の対角の正の値である。それらの順序は、対応する固有ベクトルの発生をデータベースへと反映する。第1の固有値は、データベース内の最も「重要な」または頻繁な変動を表し、最後の固有値は、最も頻繁でないもの(通常はノイズを表す)を表すことを意味する。Cf3の疎な項では、処理回路102は、データベース分散の最も重要でないK%に参加するそれらの固有ベクトルを削除することがある(すなわち、lambda(i)>qの場合はbi=0、ここで、i≦qに対するviは、データベース分散の(100-K)%を表す)。Cf3の微細な項では、処理回路102は、より高い固有ベクトルを徐々に不利にすることがある。その結果、アルゴリズムは、複雑なまたはノイズの多い解を避ける。一般に、「平滑化」という用語は、最適化方法へのaa調節項の追加を示すために使用される。
【0200】
[0228]処理回路102は、w1*Cf1+w2*Cf2+w3*Cf3が閾値よりも小さい(たとえば、最小にされる)推定形状モデルを決定し得る。この推定形状モデルは、グローバルループを通る第1の反復のための第1次形状モデルである。
【0201】
[0229]たとえば、グローバルループを通る第1の反復に対して、ERループの場合、処理回路102が、形状モデル106およびbiの異なる値に基づいて以下の推定形状モデルを決定すると仮定する。たとえば、第1の推定形状モデルはs11であってよく、ここで、s11は
【0202】
【数5】
【0203】
に等しく、ここで、s’は形状モデル106、λiは形状モデル106を決定するために使用される固有値、viは形状モデル106を決定するために使用される固有ベクトルである。この例では、b11iは、第1の重み付けパラメータである。処理回路102は、第2の推定形状モデル(たとえば、s12)を決定することがあり、ここで、s12は、
【0204】
【数6】
【0205】
に等しく、ここで、b12iは第2の重み付けパラメータである。このようにして、処理回路102は、複数の推定形状モデル(たとえば、s11、s12、s13など)を決定し得る。
【0206】
[0230]推定形状モデルの各々に対して、処理回路102は、Cf1、Cf2、およびCf3の値を決定し得る。また、Cf1、Cf2、およびCf3のすべてが必要とされるとは限らない。たとえば、処理回路102は、推定形状モデルs11とICPループによって生成される第1次形状に基づいて、s11_Cf1を決定することがある。処理回路102は、推定形状モデルs12とICPループによって生成される第1次形状に基づいて、s12_Cf1を決定することがあり、以下同様である。処理回路102は、Cf2を決定するために上記で例示的な技法に関して説明されたように、s11_Cf2、s12_Cf3などを決定し得る。同様に、処理回路102は、Cf3を決定するために上記で例示的な技法に関して説明されたように、s11_Cf3、s12_Cf3などを決定し得る。
【0207】
[0231]処理回路102は、w1*s11_Cf1+w2*s11_Cf2+w3*s11_Cf3としてs11_Cfを決定し、w1*s12_Cf1+w2*s12_Cf2+w3*s13_Cf3としてs12_Cfを決定してよく、以下同様である。Cf1、Cf2、およびCf3に適用される重みは、s11、s12、s13などの各々に対して異なってもよいし、重みは同じであってもよい。処理回路102は、s11_Cf、s12_Cf、s13_Cfなどのうちのどの1つが最小である(または、場合によっては閾値よりも小さい)かを決定し得る。s12_Cfは最小であると仮定する。この例では、処理回路102は、ERループの結果として推定形状モデルs12を決定することがあり、グローバルループの第1の反復に対するERループの結果は、第1次形状モデルである。
【0208】
[0232]これは、グローバルループの第1の反復を終了させ得る。たとえば、グローバルループの第1の反復では、ICPループは第1次形状を生成し、ERループは第1次形状モデルを生成した。次いで、グローバルループの第2の反復の場合、ICPループへの入力は、前のERループから生成された第1次形状モデルと、前のICPループから生成された第1次形状である。グローバルループの第2の反復に関するICPループでは、処理回路102は、第1次形状モデルおよび第1次形状に基づいて、第2次形状を生成する。第2次形状は、グローバルループの第2の反復におけるERループへの入力である。また、ERループでは、グローバルループの第2の反復において、処理回路102は、形状モデル106に基づいて、および/または第1次形状モデル(たとえば、この例ではs12)に基づいて、推定形状モデル(たとえば、s21、s22、s23など)を決定し得る。ERループの出力は第2次形状モデルであってよく、これは、グローバルループの第2の反復を終了させ得る。
【0209】
[0233]このプロセスは、処理回路102が、Cf値を最小にする推定形状モデルのインスタンスを決定するまで、繰り返す。たとえば、グローバルループの第1の反復の後、処理回路102は、s12_Cfのコスト値を有する推定形状モデルs12を出力したと仮定する。グローバルループの第2の反復の後、処理回路102は、s23_Cfのコスト値を有する推定形状モデルs23を出力した。グローバルループの第3の反復の後、処理回路102は、s36_Cfのコスト値を有する推定形状モデルs36を出力した。この例では、処理回路102は、s12_Cf、s23_Cf、またはs36_Cfのうちのどの1つが最小値であるかを決定し、患者の罹患前または罹患した埋め込み前解剖学的構造として最小Cf値と関連づけられた推定形状を決定することがある。たとえば、s23_Cfは最小であったと仮定する。この例では、処理回路102は、推定形状モデルs23が患者の罹患前または罹患した埋め込み前特性を表すことを決定することがある。
【0210】
[0234]上記の例では、処理回路102は、Cfの値が最小にされるまでグローバルループをループすることがある。しかしながら、いくつかの例では、処理回路102は、設定された数の反復の間、グローバルループをループするように構成されることがある。処理回路102は、次いで、推定形状モデルのどのモデルがCfの最小値をもたらしたかを決定し得る。いくつかの例では、処理回路102は、Cfの値が閾値を下回るまでグローバルループをループすることがある。
【0211】
[0235]上記で説明されたように、処理回路102は、コスト関数値Cfの最小を決定し得る。Cfの値を最小にすることまたは複数のCf値から最小Cf値を決定することは、コスト関数を満たす2つの例示的なやり方である。コスト関数を満たす他のやり方があることがある。一例として、コスト関数を満たすことは、コスト関数のコスト値が閾値よりも小さいことを意味することがある。また、コスト関数を満たすことがコスト関数を最大にすることを意味するようにコスト関数を再構成することが可能であることがある。たとえば、コスト関数における係数の1つは、推定形状モデルの点とICPループからの出力における対応する点との距離であることがある。いくつかの例では、処理回路102は、推定形状モデルとICPループからの出力との距離を最小にすることがあり、距離と逆相関する数を生成することがある(たとえば、距離が近いほど、処理回路102が生成する数が多くなる)。この例では、コスト関数を満たすために、処理回路102は、距離と逆相関するコスト値を最大にすることがある。したがって、例は、グローバルループおよびICPループの一部として最小にすることに関して説明されているが、いくつかの例では、コスト関数を満たす(たとえば、最適化する)ために、処理回路102は、Cfの値を最大にすることがある。そのような技法は、本開示によって企図されている。たとえば、コスト値が閾値を満たすことは、コスト値は、コスト値が閾値よりも小さいことが罹患前もしくは罹患した埋め込み前形状を示す場合、閾値よりも小さい、または、コスト値が閾値よりも大きいことが罹患前もしくは罹患した埋め込み前形状を示す場合、閾値よりも大きいことを決定することを意味する。
【0212】
[0236]図28は、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャートである。図28の技法は、図1のデバイス100に関して説明されるが、いかなる特定のタイプのコンピューティングデバイスにも限定されない。コンピューティングデバイス100は、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、この画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを備える(2802)。コンピューティングデバイス100は、インプラントの第1のコンポーネントに対応する3Dモデル内の第1の対象物を識別する(2804)。コンピューティングデバイス100は、第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定する(2806)。コンピューティングデバイス100は、インプラントの第2のコンポーネントに対応する3Dモデル内の第2の対象物を識別する(2808)。コンピューティングデバイス100は、第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定する(2810)。コンピューティングデバイス100は、第1のベクトルおよび第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定する(2812)。コンピューティングデバイス100は、第1のベクトル、第2のベクトル、および第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定する(2814)。コンピューティングデバイス100は、3Dモデル内の解剖学的対象物を識別する(2816)。コンピューティングデバイス100は、決定された患者座標系に基づいて画像データから形状モデルに解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成する(2818)。コンピューティングデバイス100は、初期アライメントされた形状に基づいて、解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成する(2820)。
【0213】
[0237]図29は、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャートである。図29の技法は、図1のデバイス100に関して説明されるが、いかなる特定のタイプのコンピューティングデバイスにも限定されない。コンピューティングデバイス100は、罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定する(2902)。コンピューティングデバイス100は、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、この画像データは、インプラントをもつ関節の3Dモデルを含む(2904)。コンピューティングデバイス100は、インプラントをもつ関節の3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別する(2906)。コンピューティングデバイス100は、骨に対応すると識別されたボクセルに基づいて、骨に対する初期形状推定を決定する(2908)。コンピューティングデバイス100は、アライメントされた初期形状推定を形成するように初期形状推定を形状モデルにアライメントする(2910)。コンピューティングデバイス100は、骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために、アライメントされた初期形状推定に基づいて形状モデルを変形させる(2912)。
【0214】
[0238]図30は、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャートである。図30の技法は、図1のデバイス100に関して説明されるが、いかなる特定のタイプのコンピューティングデバイスにも限定されない。コンピューティングデバイス100は、患者の関節の画像データを取得する(3002)。コンピューティングデバイス100は、関節が既存のインプラントを含むことを決定する(3004)。コンピューティングデバイス100は、関節の画像データをセグメント化する(3006)。コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントに関するタイプの識別を生成する(3008)。
【0215】
[0239]図31は、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャートである。図31の技法は、図1のデバイス100に関して説明されるが、いかなる特定のタイプのコンピューティングデバイスにも限定されない。
【0216】
[0240]コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得する(3102)。コンピューティングデバイス100は、たとえば、画像データを取得するための上記で説明された任意の技法を使用して、画像データを取得し得る。コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データ内で、既存のインプラントの画像を識別する(3104)。既存のインプラントの画像を識別するために、コンピューティングデバイス100は、たとえば、既存のインプラントのセグメント化された画像を決定するために既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データをセグメント化し得る。
【0217】
[0241]いくつかの例では、患者の関節の画像データは関節の3Dモデルであってよく、既存のインプラントの画像は既存のインプラントの3Dモデルであってよく、複数のインプラント製品に関する画像は3D画像であってよい。いくつかの例では、患者の関節の画像データは関節の2D画像であってよく、既存のインプラントの画像は既存のインプラントの2D画像であってよく、複数のインプラント製品に関する画像は2D画像であってよい。いくつかの例では、患者の関節の画像データは関節の3Dモデルであってよく、既存のインプラントの画像は既存のインプラントの3Dモデルであってよく、複数のインプラント製品に関する画像は2D画像であってよい。既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データは、たとえば、X線画像であってもよい。
【0218】
[0242]コンピューティングデバイス100は、メモリデバイス内で、複数のインプラント製品を複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスし、この複数のインプラント製品の各インプラント製品は、少なくとも1つの画像と関連づけられる(3106)。メモリデバイスは、ローカルまたはリモートのどちらかであってよい。データベースでは、各それぞれのインプラント製品は、それぞれのインプラント製品に関するインプラントタイプ、それぞれのインプラント製品に関する製造業者、それぞれのインプラントに関するモデルタイプ、インプラントを除去するために推奨もしくは必要とされるツールのセット、インプラントの除去に関する外科的な推奨事項のセット、インプラント製品の寸法などの仕様、または他の任意のそのような情報などの情報と関連づけられてよい。
【0219】
[0243]コンピューティングデバイス100は、複数のインプラント製品に関する画像に対する既存のインプラントの画像の比較に基づいて、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別する(3108)。コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントの3Dモデルから既存のインプラントのデジタル的に再構成された放射線写真を決定してよく、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別するために、コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントのデジタル的に再構成された放射線写真を複数のインプラント製品に関する画像と比較し得る。
【0220】
[0244]複数のインプラント製品に関する画像との既存のインプラントの画像の比較に基づいて、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別するために、コンピューティングデバイス100は、画像データ内の既存のインプラントの形状を複数のインプラント製品に関する形状と比較するように構成されることがある。異なるインプラントは、典型的には、異なる形状を有する。たとえば、異なるインプラント製品のステムは、対称的であってもよいし非対称的であってもよく、カラーを含んでもよいし含まなくてもよく、まっすぐな設計を有してもよいし解剖学的な設計を有してもよく、多数の異なる断面形状のいずれか1つを有してもよく、フランジ付きであってもよいし丸背であってもよく、または他の任意の数の特徴的な形状特性を有してもよい。異なるインプラント製品の上腕骨プラットフォームは、異なるネックシャフト角度、厚さ、ポリエチレンの厚さ、ポリエチレンの角形成、または他の任意の数の特徴的な形状特性を有してよい。インプラント製品のグレノスフィア(glenosphere)コンポーネントも、グレノスフィアコンポーネントが側方化(lateralize)されるかどうかなどの、任意の数の特徴的な形状特性を有してよい。
【0221】
[0245]識別された少なくとも1つのインプラント製品に基づいて、コンピューティングデバイス100は、たとえばディスプレイを介して、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品に関する製造業者の標識または既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品に関する製品識別の標識を出力するように構成されることがある。いくつかの例では、コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品に関するそれぞれのインプラント製品を除去するために使用される必要とされるもしくは推奨されるツールのセットの標識および/または既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品に関するそれぞれのインプラント製品を除去するための命令のセットも出力することがある。
【0222】
[0246]いくつかの例では、データベースは、各それぞれのインプラント製品に対して、それぞれのインプラント製品が設置されたもしくは設置されることが承認された国の標識、それぞれのインプラントが設置に関して承認された日付もしくは日付範囲、それぞれのインプラントが中止された日付もしくは日付範囲、それぞれのインプラントが特定の国において設置に関して承認された日付もしくは日付範囲、それぞれのインプラントが特定の国において中止された日付もしくは日付範囲、または他のそのような情報などの情報も記憶することがある。コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別するためにも使用され得るユーザ入力を受け取ることがある。たとえば、患者が、ある日付で、ある国でインプラントを設置されていたことが知られている場合、コンピューティングデバイス100は、インプラント製品候補として、そのある国でまたはそのある日付の後まで利用可能でなかった任意のインプラント製品を消去するように構成されることがある。
【0223】
[0247]図32は、本開示において説明される1つまたは複数の例示的な技法によるコンピューティングデバイスの動作の例示的な方法を図示するフローチャートである。図32の技法は、図1のデバイス100に関して説明されるが、いかなる特定のタイプのコンピューティングデバイスにも限定されない。
【0224】
[0248]コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得する(3202)。コンピューティングデバイス100は、たとえば、画像データを取得するための上記で説明された任意の技法を使用して、画像データを取得し得る。コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別する(3204)。コンピューティングデバイス100は、上記で説明されたセグメント化技法に基づいて、セメントに対応する画像の部分を識別し得る。いくつかのケースでは、初期セグメンテーションを実施した後、コンピューティングデバイス100は、存在するセメントの量と形状またはパターンとをより正確に決定するために、たとえばインプラントのステムおよびベースプレートの周りで、ローカル処理を実施することがある。インプラントコンポーネントは一般に滑らかで既知の形状を有するので、コンピューティングデバイス100は、インプラントコンポーネントを骨に固定するセメントの形状とパターンとを決定するためにインプラントコンポーネントの部分に関してピクセル単位の分析を実施することを可能にすることがある。
【0225】
[0249]セメントに対応する画像の部分に基づいて、コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントをもつ患者の関節のセメント強度値を決定する(3206)。セメント強度値は、たとえば、セメントの固定強度の、画像データから決定された推定値であってもよいし、これに対応してもよい。セメント強度は、たとえば、セメントの体積、インプラントもしくは骨の表面積に対するセメントの体積、セメントの厚さ、セメント関心領域(ROI)の密度、セメントに対するインプラントの表面台座(surface seating)、または他のそのような要因、のうちの1つまたは複数に基づいて決定されてよい。コンピューティングデバイス100は、セメントのパターンに基づいてセメント強度を決定することもある。一例として、セメントの全体的な体積または平均厚さが2つの異なるインプラントに対して同じである場合ですら、セメント強度は、より多くのセメントがステムの基部の近くまたはステムの端の近くにあるかどうかに基づいて異なってよい。別の例として、セメントの全体的な体積または平均厚さが2つの異なるインプラントに対して同じである場合ですら、セメント強度は、セメントの縁が滑らかであるまたは粗いかどうかに基づいて異なってよい。
【0226】
[0250]コンピューティングデバイス100は、決定されたセメント強度に基づいて出力を生成する(3208)。出力は、たとえば、既存のインプラントを除去することと関連づけられた困難さの推定または既存のインプラントを除去するための外科的な推奨事項のうちの1つまたは複数であってよい。コンピューティングデバイス100は、追加的または代替的に、セメントの体積、インプラントもしくは骨の表面積に対するセメントの体積、セメントの厚さ、セメントROIの密度、セメントに対するインプラントの表面台座、セメントのパターン、または他のそのような要因などの要因に基づいて、外科的な推奨事項も出力することがある。
【0227】
[0251]コンピューティングデバイス100は、複数のセメント強度に対して、その強度をもつセメントによって保持されるインプラントコンポーネントを除去するために必要とされる困難さの関連づけられた尺度を記憶するデータベースにアクセスし得る。複数のセメント強度の回帰分析に基づいて、コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントをもつ患者の関節に関するセメント強度に基づいて既存のインプラントを除去するために必要とされる困難さの推定値を決定し得る。インプラントを除去するために必要とされる困難さの尺度は、たとえば、インプラントを除去するために必要とされるいくつかの打撃、インプラントを除去するために必要とされる測定された力、外科医のフィードバック(たとえば、1から10のスケール)、除去フェーズを実施するために必要とされる時間の継続時間、または任意のそのようなフィードバック、のうちの1つまたは複数であってよい。この点に関して、データベースは、すでに実施された手術に関する情報またはすでに実施された手術から得られる情報を記憶し得る。困難さの推定は、デバイス100のユーザへの出力として、数値(たとえば、1から10のスケール)、分類(たとえば、簡単、中くらい、難しい)、除去フェーズを実施するために必要とされる時間の推定量、または他の任意のそのようなタイプを含む、事実上いかなる形をもとってよい。
【0228】
[0252]いくつかの実装形態では、セメント強度は、特定のタイプのインプラントまたはインプラントの特定の種類(make)およびモデルと関連づけられることがある。したがって、インプラントタイプまたはインプラント種類もしくはモデルがひとたび決定されると、コンピューティングデバイス100は、既存のインプラントのタイプまたはモデルに基づいて、既存のインプラントを除去するために必要とされる困難さの推定を決定し得る。たとえば、決定されたインプラントタイプまたはモデルに関する複数のセメント強度の回帰分析に基づいて、コンピューティングデバイス100は、困難さの推定を決定し得る。
【0229】
[0253]技法は、限られた数の例に関して開示されているが、本開示の利益を有する当業者は、それから多数の修正形態と変形形態とを諒解するであろう。たとえば、説明された例のいかなる妥当な組み合わせも実施されてよいことが企図されている。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲に含まれるそのような修正形態と変形形態とを包含することが意図されている。
【0230】
[0254]例に応じて、本明細書において説明される技法のいずれかのいくつかの行為またはイベントは、異なるシーケンスで実施可能であり、追加、合併、または全体で省略されてよい(たとえば、すべての説明された行為またはイベントが、必ずしも技法の実施のために必要であるとは限らない)ことが認識されるべきである。さらに、いくつかの例では、行為またはイベントは、たとえば、順次ではなく、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサを通じて、同時に実施されてよい。
【0231】
[0255]1つまたは複数の例では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実施されてよい。ソフトウェアで実装された場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されてもよいし、これに送信されてもよく、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行されてよい。コンピュータ可読媒体は、データ記憶媒体などの有形媒体に対応するコンピュータ可読記憶媒体、またはたとえば通信プロトコルによるある所から別の所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体を含んでよい。このようにして、コンピュータ可読媒体は、一般に、(1)非一時的な有形コンピュータ可読記憶媒体、または(2)信号もしくは搬送波などの通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、本開示において説明される技法の実装形態のための命令、コード、および/またはデータ構造を取り出すために1つもしくは複数のコンピュータまたは1つもしくは複数のプロセッサによってアクセス可能である任意の利用可能な媒体であってよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含んでよい。
【0232】
[0256]限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、または他の磁気記憶デバイス、フラッシュメモリ、または命令もしくはデータ構造の形で所望のプログラムコードを記憶するために使用可能であり、コンピュータによってアクセス可能である他の任意の媒体を備えることができる。また、あらゆる接続は、コンピュータ可読媒体と呼ばれるのが適切である。たとえば、命令が、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。しかしながら、コンピュータ可読記憶媒体およびデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、または他の一時的な媒体を含まず、代わりに、非一時的な有形の記憶媒体を対象とすることが理解されるべきである。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD:compact disc)と、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)と、光ディスク(optical disc)と、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)と、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)と、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) disc)とを含み、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0233】
[0257]本開示において説明される動作は、1つまたは複数のプロセッサによって実施されてよく、この1つまたは複数のプロセッサは、固定機能処理回路、プログラマブル回路、または1つもしくは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは他の同等の集積論理回路もしくはディスクリート論理回路などの、それらの組み合わせとして実装されてよい。固定機能回路とは、特定の機能を提供し、実施可能である動作に関してあらかじめ設定されている回路を指す。プログラマブル回路は、さまざまなタスクを実施し、実施可能である動作において柔軟な機能を提供するようにプログラムすることができる回路を指す。たとえば、プログラマブル回路は、プログラマブル回路をソフトウェアまたはファームウェアの命令によって定義された様式で動作させるソフトウェアまたはファームウェアによって指定された命令を実行し得る。固定機能回路は、(たとえば、パラメータを受け取るまたはパラメータを出力するために)ソフトウェア命令を実行し得るが、固定機能回路が実施する動作のタイプは、一般に不変である。したがって、本明細書で使用される「プロセッサ」および「処理回路」という用語は、前述の構造または本明細書において説明される技法の実装に適した他の任意の構造のいずれかを指し得る。
【0234】
[0258]さまざまな例が説明されてきた。これらおよび他の例は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定することと、
コンピューティングシステムによって、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得することと、ここにおいて、前記画像データが、前記インプラントをもつ前記関節の3Dモデルを備える、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別することと、
前記骨に対応すると識別された前記ボクセルに基づいて、前記骨に対する初期形状推定を決定することと、
アライメントされた初期形状推定を形成するように前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントすることと、
前記骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために前記アライメントされた初期形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させることと
を備える方法。
[2] 前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似をディスプレイデバイスに出力すること
をさらに備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントに対応するボクセルを識別することと、
前記インプラントのない前記関節の3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記インプラントに対応する前記ボクセルを除去することと
をさらに備える、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをディスプレイデバイスに出力すること
をさらに備える、[3]に記載の方法。
[5] 前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似に基づいて、前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをセグメント化すること
をさらに備える、[1]から[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似に基づいて前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをセグメント化することが、前記埋め込み前の罹患した近似を機械学習システムに入力することを備える、[5]に記載の方法。
[7] 前記インプラントのない前記関節の前記セグメント化された3Dモデルを出力すること
をさらに備える、[5]に記載の方法。
[8] 前記インプラントのない前記関節の前記セグメント化された3Dモデルを出力することが、前記3Dモデルのための複数の可能なセグメンテーションを出力することを備える、[7]に記載の方法。
[9] 前記3Dモデルのための前記複数の可能なセグメンテーションの信頼値を出力すること
をさらに備える、[7]に記載の方法。
[10] 前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、非インプラント特徴に対応するボクセルを識別することと、
前記インプラントの3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記非インプラント特徴に対応する前記ボクセルを除去することと
をさらに備える、[1]から[4]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記インプラントの前記3Dモデルをディスプレイデバイスに出力すること
をさらに備える、[10]に記載の方法。
[12] 前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントの3Dモデルを決定するために前記インプラントに対応するボクセルを識別することと、
前記インプラントの前記3Dモデルに基づいて、前記インプラントのための1つまたは複数の特徴を決定することと、
前記インプラントのための前記決定された1つまたは複数の特徴に基づいて前記アライメントされた初期形状推定を形成するために、前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントすることと
をさらに備える、[1]に記載の方法。
[13] 前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントすることが、前記形状モデルへの前記初期形状推定の初期アライメントを実施することと、前記形状モデルに対して前記初期アライメントを回転させることとをさらに備える、[12]に記載の方法。
[14] 前記埋め込み前の罹患した骨のための前記形状モデルを決定することが、前記埋め込み前の罹患した骨の分類をユーザから受け取ることを備える、[1]に記載の方法。
[15] 骨に対応する前記ボクセルを識別することが、
前記3Dモデル内のボクセルを、骨、インプラント、軟部組織、またはノイズのうちの1つに対応すると分類すること
を備える、[1]に記載の方法。
[16] 最初にアライメントされた形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させることが、反復的最近点レジストレーションまたは弾性レジストレーションの一方または両方を実施することを備える、[1]から[15]のいずれかに記載の方法。
[17] 前記画像データがコンピュータ断層撮影(CT)画像を備える、[1]から[16]のいずれかに記載の方法。
[18] コンピューティングシステムによって、インプラントを含む患者の関節の画像データを取得することと、ここにおいて、前記画像データが、前記インプラントをもつ前記関節の3Dモデルを備える、
前記3Dモデル内の第1の対象物を識別することと、ここにおいて、前記第1の対象物が前記インプラントの第1のコンポーネントに対応する、
前記第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定することと、
前記3Dモデル内の第2の対象物を識別することと、ここにおいて、前記第2の対象物が前記インプラントの第2のコンポーネントに対応する、
前記第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定することと、
前記第1のベクトルおよび前記第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定することと、
前記第1のベクトル、前記第2のベクトル、および前記第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定することと、
前記3Dモデル内の解剖学的対象物を識別することと、
前記決定された患者座標系に基づいて前記画像データから形状モデルに前記解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成することと、
前記初期アライメントされた形状に基づいて、前記解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成することと
を備える方法。
[19] 前記初期アライメントされた形状と前記形状モデルとの距離が、アライメントされた形状を生成する閾値を満たすまで、前記初期アライメントされた形状を回転させるように、前記初期アライメントされた形状の座標を反復的に調整すること
をさらに備え、
ここにおいて、前記解剖学的対象物の前記罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成することが、前記アライメントされた形状に基づいて前記罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成することを備える、
[18]に記載の方法。
[20] コンピューティングシステムによって、患者の関節の画像データを取得することと、
前記コンピューティングシステムによって、前記関節が既存のインプラントを含むことを決定することと、
前記関節の前記画像データをセグメント化することと、
前記既存のインプラントに関するタイプの識別を生成することと
を備える方法。
[21] 前記関節が前記インプラントを含むことを決定することが、前記コンピューティングシステムによって、前記画像データの分析に基づいて前記関節が前記インプラントを含むことを決定することを備える、[20]に記載の方法。
[22] 前記関節が前記インプラントを含むことを決定することが、前記コンピューティングシステムによって、ユーザ入力に基づいて前記関節が前記インプラントを含むことを決定することを備える、[20]に記載の方法。
[23] 前記既存のインプラントに関する前記タイプの前記識別が、リバース型インプラント、解剖学的インプラント、または半球インプラントのうちの1つを備える、[20]から[22]のいずれかに記載の方法。
[24] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記画像データをセグメント化することが、前記3Dモデルにおいて、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別することを備え、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが3つの接続されていない対象物を形成することを決定することと、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記3つの接続されていない対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプが未定義のタイプを備えることを決定することと
をさらに備える、[20]から[23]のいずれかに記載の方法。
[25] 前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記未定義のタイプを備えることを示す出力を生成すること
をさらに備える、[24]に記載の方法。
[26] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記画像データをセグメント化することが、前記3Dモデルにおいて、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別することを備え、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが1つの接続された対象物を形成することを決定することと、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記1つの接続された対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルの場所に基づいて、ボクセルの第2の場所を識別することと、
前記ボクセルの第2の場所において、関節窩マーカを探索することと、
前記関節窩マーカを検出しないことに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプが半球インプラントタイプを備えることを決定すること
をさらに備える、[20]から[23]のいずれかに記載の方法。
[27] 前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記半球インプラントタイプを備えることを示す出力を生成すること
をさらに備える、[26]に記載の方法。
[28] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記画像データをセグメント化することが、前記3Dモデルにおいて、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別することを備え、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが1つの接続された対象物を形成することを決定することと、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記1つの接続された対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルの場所に基づいて、ボクセルの第2の場所を識別することと、
前記ボクセルの第2の場所において、関節窩マーカを探索することと、
前記関節窩マーカを検出することに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプが解剖学的インプラントタイプを備えることを決定すること
をさらに備える、[20]から[23]のいずれかに記載の方法。
[29] 前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記解剖学的インプラントタイプを備えることを示す出力を生成すること
をさらに備える、[28]に記載の方法。
[30] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記画像データをセグメント化することが、前記3Dモデルにおいて、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別することを備え、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが2つの接続されていない対象物を形成することを決定することと、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記2つの接続されていない対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプがリバースタイプを備えることを決定することと
をさらに備える、[20]から[23]のいずれかに記載の方法。
[31] 前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記リバースタイプを備えることを示す出力を生成すること
をさらに備える、[30]に記載の方法。
[32] コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得することと、
前記コンピューティングシステムによって、前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節の前記画像データ内で、前記既存のインプラントの画像を識別することと、
メモリデバイス内で、複数のインプラント製品を前記複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスすることと、前記複数のインプラント製品の各インプラント製品が少なくとも1つの画像と関連づけられる、
前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別することと
を備える方法。
[33] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品に関する製造業者と関連づけられ、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品に関する前記製造業者の標識を出力すること
をさらに備える、[32]に記載の方法。
[34] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品に関する製品識別と関連づけられ、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品に関する前記製品識別の標識を出力すること
をさらに備える、[32]または[33]に記載の方法。
[35] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品を除去するために使用されるツールのセットと関連づけられ、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品のために前記それぞれのインプラント製品を除去するために使用される前記ツールのセットの標識を出力すること
をさらに備える、[32]から[34]のいずれかに記載の方法。
[36] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品を除去するための命令のセットと関連づけられ、前記方法が、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品のために前記それぞれのインプラント製品を除去するための前記命令のセットを出力すること
をさらに備える、[32]から[35]のいずれかに記載の方法。
[37] ユーザ入力を受け取ること
をさらに備え、
ここにおいて、前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品を識別することが、前記ユーザ入力にさらに基づく、
[32]から[36]のいずれかに記載の方法。
[38] 前記ユーザ入力が、
前記既存のインプラントが設置された国の標識、
前記既存のインプラントが設置された日付または日付範囲、
前記既存のインプラントに関する製造業者、
前記既存のインプラントに関するタイプ
のうちの1つまたは複数を備える、[37]に記載の方法。
[39] 前記ユーザ入力に基づいて、前記複数のインプラント製品からインプラント製品のサブセットを決定すること
をさらに備え、
ここにおいて、前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の前記比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品を識別することが、前記インプラント製品のサブセットのみに関する画像と前記関節の前記画像データを比較することを備える、
[37]または[38]に記載の方法。
[40] 前記患者の前記関節の前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、前記既存のインプラントの前記画像が前記既存のインプラントの3Dモデルを備え、前記複数のインプラント製品に関する前記画像が3D画像を備える、[32]から[39]のいずれかに記載の方法。
[41] 前記患者の前記関節の前記画像データが前記関節の2D画像を備え、前記既存のインプラントの前記画像が前記既存のインプラントの2D画像を備え、前記複数のインプラント製品に関する前記画像が2D画像を備える、[32]から[39]のいずれかに記載の方法。
[42] 前記患者の前記関節の前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、前記既存のインプラントの前記画像が前記既存のインプラントの3Dモデルを備え、前記複数のインプラント製品に関する前記画像が2D画像を備える、[32]から[39]のいずれかに記載の方法。
[43] 前記既存のインプラントの前記3Dモデルから、前記既存のインプラントのデジタル的に再構成された放射線写真を決定すること
をさらに備え、
ここにおいて、前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の前記比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品を識別することが、前記複数のインプラント製品に関する前記画像と前記既存のインプラントの前記デジタル的に再構成された放射線写真を比較することを備える、
[42]に記載の方法。
[44] 前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節の前記画像データがX線画像を備える、[32]から[39]のいずれかに記載の方法。
[45] 前記既存のインプラントの前記画像を識別することが、前記既存のインプラントのセグメント化された画像を決定するために前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節の前記画像データをセグメント化することを備える、[32]から[44]のいずれかに記載の方法。
[46] 前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の前記比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別することが、前記複数のインプラント製品のための形状と前記画像データ内の前記既存のインプラントの形状を比較することを備える、[32]から[45]のいずれかに記載の方法。
[47] コンピューティングシステムによって、既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得することと、
前記コンピューティングシステムによって、前記既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別することと、
セメントに対応する前記画像の前記部分に基づいて、前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節のセメント強度を決定することと、
前記決定されたセメント強度に基づいて出力を生成することと
を備える方法。
[48] 前記出力が、前記既存のインプラントを除去することと関連づけられた困難さの推定を備える、[47]に記載の方法。
[49] 前記出力が、前記既存のインプラントを除去するための外科的な推奨を備える、[47]または[48]に記載の方法。
[50] 複数のセメント強度に関するデータベースを記憶することと、前記セメント強度の各々が、インプラントを除去するために必要とされる困難さの尺度と関連づけられる、
前記複数のセメント強度の回帰分析に基づいて、前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節に関する前記セメント強度に基づいて前記既存のインプラントを除去するために必要とされる困難さの推定を決定することと
をさらに備える、[47]から[49]のいずれかに記載の方法。
[51] 前記インプラントを除去するために必要とされる前記困難の尺度が、前記インプラントを除去するために必要とされる打撃の数を備える、[50]に記載の方法。
[52] 実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに[1]から[51]のいずれかに記載の方法を実施させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体。
[53] メモリと、
回路内で実装され、
罹患した解剖学的対象物のための形状モデルを決定し、
インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、ここにおいて、前記画像データが、前記インプラントをもつ前記関節の3Dモデルを備える、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、骨に対応するボクセルを識別し、
前記骨に対応すると識別された前記ボクセルに基づいて、前記骨に対する初期形状推定を決定し、
アライメントされた初期形状推定を形成するように前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントし、
前記骨の埋め込み前の罹患した近似を生成するために前記アライメントされた初期形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させる
ように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えるデバイス。
[54] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似をディスプレイデバイスに出力する
ようにさらに構成される、[53]に記載のデバイス。
[55] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントに対応するボクセルを識別し、
前記インプラントのない前記関節の3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記インプラントに対応する前記ボクセルを除去する
ようにさらに構成される、[53]または[54]に記載のデバイス。
[56] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをディスプレイデバイスに出力する
ようにさらに構成される、[55]に記載のデバイス。
[57] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似に基づいて、前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをセグメント化する
ようにさらに構成される、[53]から[56]のいずれかに記載のデバイス。
[58] 前記骨の前記埋め込み前の罹患した近似に基づいて前記インプラントのない前記関節の前記3Dモデルをセグメント化するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記埋め込み前の罹患した近似を機械学習システムに入力するようにさらに構成される、[57]に記載のデバイス。
[59] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントのない前記関節の前記セグメント化された3Dモデルを出力する
ようにさらに構成される、[57]に記載のデバイス。
[60] 前記インプラントのない前記関節の前記セグメント化された3Dモデルを出力するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記3Dモデルのための複数の可能なセグメンテーションを出力するようにさらに構成される、[59]に記載のデバイス。
[61] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記3Dモデルのための前記複数の可能なセグメンテーションの信頼値を出力する
ようにさらに構成される、[59]に記載のデバイス。
[62] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、非インプラント特徴に対応するボクセルを識別し、
前記インプラントの3Dモデルを生成するために、前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルから前記非インプラント特徴に対応する前記ボクセルを除去する
ようにさらに構成される、[53]から[56]のいずれかに記載のデバイス。
[63] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントの前記3Dモデルをディスプレイデバイスに出力する
ようにさらに構成される、[62]に記載のデバイス。
[64] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記インプラントをもつ前記関節の前記3Dモデルにおいて、前記インプラントの3Dモデルを決定するために前記インプラントに対応するボクセルを識別し、
前記インプラントの前記3Dモデルに基づいて、前記インプラントのための1つまたは複数の特徴を決定し、
前記インプラントのための前記決定された1つまたは複数の特徴に基づいて前記アライメントされた初期形状推定を形成するために、前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントする
ようにさらに構成される、[53]に記載のデバイス。
[65] 前記初期形状推定を前記形状モデルにアライメントするために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記形状モデルへの前記初期形状推定の初期アライメントを実施し、前記形状モデルに対して前記初期アライメントを回転させるようにさらに構成される、[64]に記載のデバイス。
[66] 前記埋め込み前の罹患した骨のための前記形状モデルを決定するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記埋め込み前の罹患した骨の分類をユーザから受け取るようにさらに構成される、[53]に記載のデバイス。
[67] 骨に対応する前記ボクセルを識別するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記3Dモデル内のボクセルを、骨、インプラント、軟部組織、またはノイズのうちの1つに対応すると分類する
ようにさらに構成される、[53]に記載のデバイス。
[68] 初期にアライメントされた形状推定に基づいて前記形状モデルを変形させるために、前記1つまたは複数のプロセッサが、反復的最近点レジストレーションまたは弾性レジストレーションの一方または両方を実施するようにさらに構成される、[53]から[67]のいずれかに記載のデバイス。
[69] 前記画像データがコンピュータ断層撮影(CT)画像を備える、[53]から[68]のいずれかに記載のデバイス。
[70] メモリと、
回路内で実装され、
インプラントを含む患者の関節の画像データを取得し、ここにおいて、前記画像データが、前記インプラントをもつ前記関節の3Dモデルを備える、
前記3Dモデル内の第1の対象物を識別し、ここにおいて、前記第1の対象物が前記インプラントの第1のコンポーネントに対応する、
前記第1の対象物に基づいて第1のベクトルを決定し、
前記3Dモデル内の第2の対象物を識別し、ここにおいて、前記第2の対象物が前記インプラントの第2のコンポーネントに対応する、
前記第2の対象物に基づいて第2のベクトルを決定し、
前記第1のベクトルおよび前記第2のベクトルによって画定された平面に垂直である第3のベクトルを決定し、
前記第1のベクトル、前記第2のベクトル、および前記第3のベクトルに基づいて患者座標系を決定し、
前記3Dモデル内の解剖学的対象物を識別し、
前記決定された患者座標系に基づいて前記画像データから形状モデルに前記解剖学的対象物を最初にアライメントする初期アライメントされた形状を生成し、
前記初期アライメントされた形状に基づいて、前記解剖学的対象物の罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えるデバイス。
[71] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記初期アライメントされた形状と前記形状モデルとの距離が、アライメントされた形状を生成する閾値を満たすまで、前記初期アライメントされた形状を回転させるように、前記初期アライメントされた形状の座標を反復的に調整する
ようにさらに構成され、
ここにおいて、前記解剖学的対象物の前記罹患した埋め込み前形状を示す前記情報を生成するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記アライメントされた形状に基づいて前記罹患した埋め込み前形状を示す情報を生成するようにさらに構成される、
[70]に記載のデバイス。
[72] メモリと、
回路内で実装され、
患者の関節の画像データを取得し、
前記関節が既存のインプラントを含むことを決定し、
前記関節の前記画像データをセグメント化し、
前記既存のインプラントに関するタイプの識別を生成する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えるデバイス。
[73] 前記関節が前記インプラントを含むことを決定するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、前記画像データの分析に基づいて前記関節が前記インプラントを含むことを決定するようにさらに構成される、[72]に記載のデバイス。
[74] 前記関節が前記インプラントを含むことを決定するために、前記1つまたは複数のプロセッサが、ユーザ入力に基づいて前記関節が前記インプラントを含むことを決定するようにさらに構成される、[72]に記載のデバイス。
[75] 前記既存のインプラントに関する前記タイプの前記識別が、リバース型インプラント、解剖学的インプラント、または半球インプラントのうちの1つを備える、[72]から[74]のいずれかに記載のデバイス。
[76] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記画像データをセグメント化するために、前記3Dモデル内で、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが3つの接続されていない対象物を形成することを決定し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記3つの接続されていない対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプが未定義のタイプを備えることを決定する
ようにさらに構成される、[72]から[75]のいずれかに記載のデバイス。
[77] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記未定義のタイプを備えることを示す出力を生成する
ようにさらに構成される、[76]に記載のデバイス。
[78] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記画像データをセグメント化するために、前記3Dモデル内で、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが1つの接続された対象物を形成することを決定し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記1つの接続された対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルの場所に基づいて、ボクセルの第2の場所を識別し、
前記ボクセルの第2の場所において、関節窩マーカを探索し、
前記関節窩マーカを検出しないことに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプが半球インプラントタイプを備えることを決定する
ようにさらに構成される、[72]から[75]のいずれかに記載のデバイス。
[79] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記半球インプラントタイプを備えることを示す出力を生成する
ようにさらに構成される、[78]に記載のデバイス。
[80] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記画像データをセグメント化するために、前記3Dモデル内で、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが1つの接続された対象物を形成することを決定し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記1つの接続された対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルの場所に基づいて、ボクセルの第2の場所を識別し、
前記ボクセルの第2の場所において、関節窩マーカを探索し、
前記関節窩マーカを検出することに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプが解剖学的インプラントタイプを備えることを決定する
ようにさらに構成される、[72]から[75]のいずれかに記載のデバイス。
[81] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記解剖学的インプラントタイプを備えることを示す出力を生成する
ようにさらに構成される、[80]に記載のデバイス。
[82] 前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記画像データをセグメント化するために、前記3Dモデル内で、前記3Dモデル内のボクセルの強度に基づいて前記既存のインプラントに対応するボクセルを識別し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが2つの接続されていない対象物を形成することを決定し、
前記既存のインプラントに対応する前記ボクセルが前記2つの接続されていない対象物を形成することを決定することに応答して、前記既存のインプラントに関する前記タイプがリバースタイプを備えることを決定する
ようにさらに構成される、[72]から[75]のいずれかに記載のデバイス。
[83] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに関する前記タイプが前記リバースタイプを備えることを示す出力を生成する
ようにさらに構成される、[82]に記載のデバイス。
[84] メモリと、
回路内で実装され、
既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得し、
前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節の前記画像データ内で、前記既存のインプラントの画像を識別し、
複数のインプラント製品を前記複数のインプラント製品に関する画像と関連づけるデータベースにアクセスし、前記複数のインプラント製品の各インプラント製品が少なくとも1つの画像と関連づけられる、
前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えるデバイス。
[85] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品に関する製造業者と関連づけられ、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品に関する前記製造業者の標識を出力する
ようにさらに構成される、[84]に記載のデバイス。
[86] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品に関する製品識別と関連づけられ、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品に関する前記製品識別の標識を出力する
ようにさらに構成される、[84]または[85]に記載のデバイス。
[87] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品を除去するために使用されるツールのセットと関連づけられ、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品のために前記それぞれのインプラント製品を除去するために使用される前記ツールのセットの標識を出力する
ようにさらに構成される、[84]から[86]のいずれかに記載のデバイス。
[88] 各それぞれのインプラント製品が、前記それぞれのインプラント製品を除去するための命令のセットと関連づけられ、ここにおいて、前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品のために前記それぞれのインプラント製品を除去するための前記命令のセットを出力する
ようにさらに構成される、[84]から[87]のいずれかに記載のデバイス。
[89] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
ユーザ入力を受け取り、
前記ユーザ入力に基づいて、前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品を識別する
ようにさらに構成される、[84]から[88]のいずれかに記載のデバイス。
[90] 前記ユーザ入力が、
前記既存のインプラントが設置された国の標識、
前記既存のインプラントが設置された日付または日付範囲、
前記既存のインプラントに関する製造業者、
前記既存のインプラントに関するタイプ
のうちの1つまたは複数を備える、[89]に記載のデバイス。
[91] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記ユーザ入力に基づいて、前記複数のインプラント製品からインプラント製品のサブセットを決定し、
前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の前記比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品を識別するために、前記インプラント製品のサブセットのみに関する画像と前記関節の前記画像データを比較する
ようにさらに構成される、[89]または[90]に記載のデバイス。
[92] 前記患者の前記関節の前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、前記既存のインプラントの前記画像が前記既存のインプラントの3Dモデルを備え、前記複数のインプラント製品に関する前記画像が3D画像を備える、[84]から[91]のいずれかに記載のデバイス。
[93] 前記患者の前記関節の前記画像データが前記関節の2D画像を備え、前記既存のインプラントの前記画像が前記既存のインプラントの2D画像を備え、前記複数のインプラント製品に関する前記画像が2D画像を備える、[84]から[91]のいずれかに記載のデバイス。
[94] 前記患者の前記関節の前記画像データが前記関節の3Dモデルを備え、前記既存のインプラントの前記画像が前記既存のインプラントの3Dモデルを備え、前記複数のインプラント製品に関する前記画像が2D画像を備える、[84]から[91]のいずれかに記載のデバイス。
[95] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
前記既存のインプラントの前記3Dモデルから、前記既存のインプラントのデジタル的に再構成された放射線写真を決定し、
前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の前記比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する前記少なくとも1つのインプラント製品を識別するために、前記複数のインプラント製品に関する前記画像と前記既存のインプラントの前記デジタル的に再構成された放射線写真を比較する
ようにさらに構成される、[94]に記載のデバイス。
[96] 前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節の前記画像データがX線画像を備える、[84]から[91]のいずれかに記載のデバイス。
[97] 前記既存のインプラントの前記画像を識別するために、前記既存のインプラントのセグメント化された画像を決定するために前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節の前記画像データをセグメント化する、[84]から[96]のいずれかに記載のデバイス。
[98] 前記複数のインプラント製品に関する前記画像に対する前記既存のインプラントの前記画像の前記比較に基づいて、前記既存のインプラントに対応する少なくとも1つのインプラント製品を識別するために、前記複数のインプラント製品のための形状と前記画像データ内の前記既存のインプラントの形状を比較する、[84]から[97]のいずれかに記載のデバイス。
[99] メモリと、
回路内で実装され、
既存のインプラントをもつ患者の関節の画像データを取得し、
前記既存のインプラントの一部分を骨に固定するセメントに対応する画像の部分を識別し、
セメントに対応する前記画像の前記部分に基づいて、前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節のセメント強度を決定し、
前記決定されたセメント強度に基づいて出力を生成する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサと
を備えるデバイス。
[100] 前記出力が、前記既存のインプラントを除去することと関連づけられた困難さの推定を備える、[99]に記載のデバイス。
[101] 前記出力が、前記既存のインプラントを除去するための外科的な推奨を備える、[99]または[100]に記載のデバイス。
[102] 前記1つまたは複数のプロセッサが、
複数のセメント強度に関するデータベースを記憶し、前記セメント強度の各々が、インプラントを除去するために必要とされる困難さの尺度と関連づけられる、
前記複数のセメント強度の回帰分析に基づいて、前記既存のインプラントをもつ前記患者の前記関節に関する前記セメント強度に基づいて前記既存のインプラントを除去するために必要とされる困難さの推定を決定する
ようにさらに構成される、[99]から[101]のいずれかに記載のデバイス。
[103] 前記インプラントを除去するために必要とされる前記困難の尺度が、前記インプラントを除去するために必要とされる打撃の数を備える、[102]に記載のデバイス。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図28
図29
図30
図31
図32