(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】モータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02P 25/18 20060101AFI20230828BHJP
【FI】
H02P25/18
(21)【出願番号】P 2022548302
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(86)【国際出願番号】 JP2020034191
(87)【国際公開番号】W WO2022054181
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金森 正樹
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慶一
(72)【発明者】
【氏名】山本 健太
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-102918(JP,A)
【文献】特開2010-193702(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026282(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに非接続状態の複数の相巻線を有するモータのモータ駆動装置であって、
上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の直列回路を複数含み、これら直列回路における上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の相互接続点が前記各相巻線の一端に接続される第1インバータと、
上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の直列回路を複数含み、これら直列回路における上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の相互接続点が前記各相巻線の他端に接続される第2インバータと、
前記各相巻線の他端の相互間に接続された機械式の開閉接点を有する開閉器と、
前記開閉器の作動に際し、前記第2インバータにおける前記各上側スイッチ素子と前記各下側スイッチ素子とを交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行するコントローラと、
を備え、
前記各相巻線の他端と前記開閉接点との接続間の通電路は、前記第1および第2インバータにおける前記スイッチ素子の両端電圧の急峻な変化を抑制してそのスイッチ素子の破壊を抑止するインピーダンス値を有する、
ことを特徴とするモータ駆動装置。
【請求項2】
前記各上側スイッチ素子および前記各下側スイッチ素子は、それぞれのスイッチ素子本体に逆並列接続された還流ダイオードを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1および第2インバータの前記各直列回路における上側スイッチ素子および下側スイッチ素子が共にオフするデッドタイムを確保する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記通電路は、前記インピーダンス値を有する長さの配線である、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
前記配線は、長さが15cm~60cmである、
ことを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動装置。
【請求項6】
前記インピーダンス値は、2.0mΩ以上かつ5.0mΩ以下である、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
【請求項7】
前記通電路は、流れる電流の周波数に比例して前記インピーダンス値が変化する電線または空芯コイルである、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記開閉接点の開放により前記各相巻線の他端を非接続状態として前記第1および第2インバータを互いに連係してスイッチングするオープン巻線モード、及び前記開閉接点の閉成により前記各相巻線の他端を相互接続して前記第1インバータをスイッチングするスター結線モードを、選択的に設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに非接続状態の複数の相巻線を有するモータを駆動するモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機等の冷凍サイクル装置に搭載される圧縮機の駆動モータとして、複数の相巻線を有する永久磁石同期モータが使用される。また、複数の相巻線を互いに非接続状態とした構成のオープン巻線モータ(Open-Winding Motor)が知られている。
【0003】
このオープン巻線モータ(モータと略称する)を駆動するモータ駆動装置は、モータの各相巻線の一端への通電を制御する第1インバータ、モータの各相巻線の他端への通電を制御する第2インバータ、各相巻線の他端の相互間に接続される開閉器を備え、この開閉器の閉成により各相巻線をスター結線(星形結線ともいう)して第1インバータを単独でスイッチングするスター結線モード、及び開閉器の開放により各相巻線を非接続状態として第1および第2インバータを互いに連係してスイッチングするオープン巻線モードを、選択的に設定する。オープン巻線モードの設定によりモータを高回転数で駆動することができ、低回転数域でのスター結線モードの設定によりモータを高効率で駆動することができ、よって高回転数から低回転数まで幅広い運転範囲にわたりモータをできるだけ効率よく駆動することが可能となる。これによりモータの運転範囲の拡大とモータ駆動装置の効率向上を両立させることができると期待されている。
【0004】
スター結線モードとオープン巻線モードを切替える開閉器として、スター結線モードでの駆動電流が流れる際の抵抗を小さくするために機械式の開閉接点を有するリレーを使用することが望ましい。
【0005】
また、モータ駆動中にリレーの開閉接点に電圧が加わった状態でその開閉接点を開閉すると、開閉接点の両端間にサージ電圧やアークが発生し、リレーの寿命に悪影響を与える。そこで、モータ駆動中にリレーを切替える場合は、リレーの開閉接点の両端間に電位差が生じないようにする疑似中性点動作を第1および第2インバータのスイッチングにより実行し、その疑似中性点動作の最中にリレーを切替える。これにより開閉接点の両端間に電位差がない状態でリレーを切替えることができ、リレーの長寿命化が図れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4804381号
【文献】特開2019-62726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、本願発明者が種々の試験を行った結果、上記疑似中性点動作の実行中にリレーを切替えた際に、極めて低い確率ではあるが、リレーの開閉接点の開閉タイミングとインバータのスイッチング動作のタイミングとの組み合わせにより、上記インバータのいずれかのスイッチング素子に破壊が生じるという問題があることが分かった。機械式のリレーは電磁コイルの吸引力によって開閉接点を動かす機械的な動きを伴うものであるため、開閉接点の開閉タイミングを厳密に制御することができず、上記問題への適切な解決法が模索された。
【0008】
本発明の実施形態の目的は、リレーを使用して、スター結線モードとオープン巻線モードを切替えてもインバータのスイッチング素子の破壊を防止できるモータ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1は、互いに非接続状態の複数の相巻線を有するモータのモータ駆動装置であって、上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の直列回路を複数含み、これら直列回路における上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の相互接続点が前記各相巻線の一端に接続される第1インバータと;上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の直列回路を複数含み、これら直列回路における上側スイッチ素子と下側スイッチ素子の相互接続点が前記各相巻線の他端に接続される第2インバータと;前記各相巻線の他端の相互間に接続された機械式の開閉接点を有する開閉器と;前記開閉接点への通電路に挿入接続されたインピーダンス素子と;前記開閉器の作動に際し、前記第2インバータにおける前記各上側スイッチ素子と前記各下側スイッチ素子とを交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行するコントローラと;を備える。前記各相巻線の他端と前記開閉接点との接続間の通電路は、前記第1および第2インバータにおける前記スイッチ素子の両端電圧の急峻な変化を抑制して前記スイッチ素子の破壊を抑止するインピーダンス値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は第1実施形態の構成を示すブロック図。
【
図2】
図2は第1実施形態の制御を示すフローチャート。
【
図3】
図3は第1実施形態におけるオープン巻線モードからスター結線モードへの切替えに際し実行される疑似中性点動作および各リレーの動作を示すタイムチャート。
【
図4】
図4は第1実施形態におけるスター結線モードからオープン巻線モードへの切替えに際し実行される疑似中性点動作および各リレーの動作を示すタイムチャート。
【
図5】
図5は
図3および
図4の疑似中性点動作における各スイッチ素子のオン,オフを時間的に拡大して示すタイムチャート。
【
図6】
図6は第2実施形態の構成を示すブロック図。
【
図7】
図7は第2実施形態の制御を示すフローチャート。
【
図8】
図8は第2実施形態におけるオープン巻線モードからスター結線モードへの切替えに際し実行される疑似中性点動作および各リレーの動作を示すタイムチャート。
【
図9】
図9は第2実施形態におけるスター結線モードからオープン巻線モードへの切替えに際し実行される疑似中性点動作および各リレーの動作を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1]第1実施形態
第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、3相交流電源1にモータ駆動回路2が接続され、そのモータ駆動回路2にモータ3およびコントローラ4が接続されている。
【0012】
モータ3は、互いに非接続状態の複数の相巻線Lu,Lv,Lwを有する圧縮機駆動用の三相永久磁石同期モータであり、相巻線Lu,Lv,Lwのそれぞれ両端となる6つの端子を備えるいわゆるオープン巻線モータ(Open-Winding Motor)である。
【0013】
モータ駆動回路2は、3相交流電源1に接続され、その3相交流電圧を直流電圧に変換し出力するコンバータ10、このコンバータ10の出力端とオープン巻線モータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwのそれぞれ一端となる3つの端子への通電を制御するインバータ(第1インバータ)20、およびコンバータ10の出力端とオープン巻線モータ1Mの相巻線Lu,Lv,Lwのそれぞれ他端となる3つの端子への通電を制御するインバータ(第2インバータ)30を含む。コンバータ10をインバータ20,30の共通の直流電源とするDCリンク共通方式を採用している。コンバータ10は全波整流器やPWMコンバータ等である。
【0014】
インバータ20は、上側スイッチ素子Tu+と下側スイッチ素子Tu-を直列接続してコンバータ10の出力電圧が印加されるU相直列回路、上側スイッチ素子Tv+と下側スイッチ素子Tv-を直列接続してコンバータ10の出力電圧が印加されるV相直列回路、上側スイッチ素子Tw+と下側スイッチ素子Tw-を直列接続してコンバータ10の出力電圧が印加されるW相直列回路を含む三相インバータである。これら直列回路における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-の相互接続点Au,Av,Awが相巻線Lu,Lv,Lwの一端にそれぞれ接続される。上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-は、IGBTであり、それぞれのスイッチ素子本体に逆並列接続された還流ダイオード(フリー・ホイール・ダイオードともいう)Dを含む。なお、スイッチ素子は、MOS-FET等の他の半導体スイッチ素子でも良い。
【0015】
インバータ30は、インバータ20と同じく、上側スイッチ素子Tu+と下側スイッチ素子Tu-を直列接続してコンバータ10の出力電圧が印加されるU相直列回路、上側スイッチ素子Tv+と下側スイッチ素子Tv-を直列接続してコンバータ10の出力電圧が印加されるV相直列回路、上側スイッチ素子Tw+と下側スイッチ素子Tw-を直列接続してコンバータ10の出力電圧が印加されるW相直列回路を含む。これら直列回路における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-の相互接続点Bu,Bv,Bwが相巻線Lu,Lv,Lwの他端にそれぞれ接続される。このインバータ30における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-も、例えばIGBTであり、それぞれのスイッチ素子本体に逆並列接続された還流ダイオードDを含む。
【0016】
なお、インバータ20,30は、実際には、U相直列回路・V相直列回路・W相直列回路をブリッジ接続した主回路と、この主回路の各スイッチ素子を駆動する駆動回路などの周辺回路とを、単一のパッケージに収納したモジュールいわゆるIPM(Intelligent Power Module)であるが、全ての各スイッチ素子や駆動回路をディスクリート部品として構成してもよい。また、インバータ20,30はそれぞれ三相インバータであるが、単相インバータを三個使用してインバータ20,30をそれぞれ構成してもよい。
【0017】
モータ1Mの相巻線Luの他端と相巻線Lvの他端との相互間に、機械式の開閉接点を有する開閉器であるリレー12の常開形の開閉接点(リレー接点という)12aが通電路14u,14vを介して接続されている。通電路14uは、所定のインピーダンス値のインピーダンス成分Zuを含み、相巻線Luの他端とリレー接点12aの一端との間に存する。通電路14vは、所定のインピーダンス値のインピーダンス成分Zvを含み、相巻線Lvの他端とリレー接点12aの他端との間に存する。
【0018】
モータ1Mの相巻線Lvの他端と相巻線Lwの他端との相互間に、機械式の開閉接点を有する開閉器たとえばリレー13の常開形の開閉接点(リレー接点という)13aが上記通電路14vおよび通電路14wを介して接続されている。通電路14vは、相巻線Lvの他端とリレー接点13aの一端との間に存する。通電路14wは、所定のインピーダンス値のインピーダンス成分Zwを含み、相巻線Lwの他端とリレー接点13aの他端との間に存する。なお、
図1ではリレー12とリレー13と2つのリレーとして記載しているが、リレー12,13は同期して切り替えられるため、2接点を有する単一のリレーでも良い。
【0019】
通電路14u,14v,14wのインピーダンス成分Zu,Zv,Zwは、主にインダクタンス成分と抵抗成分からなり、流れる電流の周波数に比例してインピーダンス値が変化する。通電路14u,14v,14wとしては、所定のインピーダンス成分Zu,Zv,Zwを含む導通部材であればなんでもよく、例えば、ある程度の長さを有する配線部材(電線)や、コアを備えることなく電線を円形に巻いた空芯コイルでもよい。
【0020】
リレー12,13は、コントローラ4により、励磁電流の供給によるオン(付勢)と励磁電流の遮断によるオフ(消勢)が、同期して制御される。リレー12,13がオンするとリレー接点12a,13aが閉成し、相巻線Luの他端と相巻線Lvの他端がリレー接点12aおよび通電路14u,14vのインピーダンス成分Zu,Zvを介して相互接続されるとともに、相巻線Lvの他端と相巻線Lwの他端がリレー接点13aおよび通電路14v,14wのインピーダンス成分Zv,Zwを介して相互接続され、相巻線Lu,Lv,Lwがスター結線状態となる。リレー12,13がオフするとリレー接点12a,13aが開放し、相巻線Lu,Lv,Lwが非接続状態つまり電気的に分離したオープン巻線状態となる。
【0021】
インバータ20と相巻線Lu,Lv,Lwの一端との間の3つの通電ラインに電流センサ11u,11v,11wが配置され、これら電流センサの出力信号がコントローラ4に送られる。電流センサ11u,11v,11wは、相巻線Lu,Lv,Lwに流れる電流(モータ電流という)Iu,Iv,Iwを検知する。
【0022】
コントローラ4は、モータ3の回転速度Nが上位の外部装置、例えば空気調和機の制御装置から指令される目標回転速度Ntとなるようリレー接点12a,13aの開閉およびインバータ20,30のスイッチングをPWM制御するもので、主制御部40、電流検出部41、リレー駆動部42を含む。電流検出部41は、電流センサ11u,11v,11wで検知されるモータ電流Iu,Iv,Iwのそれぞれの瞬時値を検出する。リレー駆動部42は、主制御部40からの指令に応じてリレー12,13を駆動する。
【0023】
主制御部40は、マイクロコンピュータおよびその周辺回路により構成され、リレー接点12a,13aの開放により相巻線Lu,Lv,Lwの他端を非接続状態としてインバータ20,30を互いに連係してスイッチングするオープン巻線モード、及びリレー接点12a,13aの閉成により相巻線Lu,Lv,Lwの他端を相互接続してインバータ20を単独でスイッチングするスター結線モードを、モータ電流Iu,Iv,Iwの値などに応じて選択的に設定する。例えば、モータ回転数Nが低くてモータ電流Iu,Iv,Iwが所定値未満となる低負荷時はスター結線モードを設定し、モータ回転数Nが上昇してモータ電流Iu,Iv,Iwの値が所定値以上となる高負荷時はオープン巻線モードを設定する。これによりモータの運転範囲全域で高効率が得られる。
【0024】
また、主制御部40は、オープン巻線モードからスター結線モードへの切替えおよびスター結線モードからオープン巻線モードへの切替えに際し、リレー接点12a,13aに加わる線間電圧Euv,Evwが零となるよう、インバータ30における各上側スイッチ素子と各下側スイッチ素子とをオン,オフデューティ50%で交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行する。
【0025】
さらに、主制御部40は、インバータ20,30の各直列回路における上側スイッチ素子と下側スイッチ素子のオン,オフ駆動に際し、一方のスイッチ素子がオンすると追となる他方のスイッチ素子はオフする、相補的動作を行う。この際、上側スイッチ素子および下側スイッチ素子が同時にオンしないように、その上側スイッチ素子および下側スイッチ素子が共にオフするデッドタイムtdを確保する。
【0026】
つぎに、コントローラ4の主制御部40が実行する主要な制御を
図2のフローチャートを参照しながら説明する。フローチャート中のステップS1,S2…については単にS1,S2…と略称する。
【0027】
オープン巻線モード時(S1のYES)、主制御部40は、スター結線モードへの切替えが必要か否かを監視する(S2)。スター結線モードへの切替えが不要な場合(S2のNO)、主制御部40は、上記S1の判定に戻り、オープン巻線モードの運転が継続される。
【0028】
上位の外部装置からスター結線モードへの切替え要求が発生し、スター結線モードへの切替えが必要となった場合(S2のYES)、主制御部40は、リレー接点12a,13aに加わる線間電圧Euv,Evwが零となるよう、インバータ30における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-とを
図3に示すようにオン,オフデューティ50%で交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行する(S3)。
【0029】
この疑似中性点動作における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+のオン,オフ動作と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-のオン,オフ動作を理解しやすいように時間的に拡大して示したのが
図5である。すなわち、主制御部40は、上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+のターンオンおよび下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-のターンオフに際し、コンバータ10の出力端に対する短絡回路の形成を回避するため、上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+および下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-が共にオフするデッドタイムtdを確保する。さらに、主制御部40は、下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-のターンオンおよび上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+のターンオフに際しても、コンバータ10の出力端に対する短絡回路の形成を回避するため、下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-および上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+が共にオフするデッドタイムtdを確保する。なお、デッドタイムtdの作成には種々の方式があるが、一般的には、オフすべき側のスイッチ素子は、指令のままのタイミングでオフし、これに相対するオンすべき側のスイッチ素子のオンタイミングを遅らせる遅延時間、すなわちデットタイムtd、を設けることが一般的である。このデットタイムtdは、効率面や波形成型の面からはできるだけ短くすることが望ましいが、スイッチ素子のオン,オフ過渡特性から最低限の必要な時間が決められる。
【0030】
この疑似中性点動作の実行中、主制御部40は、リレー12,13をオンする(S4)。そして、リレー12,13をオンしてからリレー接点12a,13aが実際に閉成するまでに要する時間よりも長い一定時間t1の経過後(S5のYES)、主制御部40は、疑似中性点動作を終了してスター結線モードの制御(インバータ20の単独スイッチング)に移行する(S6)。この移行後、主制御部40は、上記S1の判定に戻る。
【0031】
ただし、この疑似中性点動作において、例えば
図1に矢印で示すように、相巻線Lu,Lvからインバータ30の相互接続点Bu,Bvに向かってモータ電流Iu,Ivが流れ、かつインバータ30の相互接続点Bwから相巻線Lwに向かってモータ電流Iwが流れた場合、リレー接点12aに加わる線間電圧Euvは零となるが、リレー接点13aに加わる線間電圧Evwは零とならない。この理由は、モータ電流Iu,Ivの流れ方向とモータ電流Iwの流れ方向とが異なること、および上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+および下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-のいずれかの還流ダイオードDを通って電流経路が形成されることで、相互接続点Bwの電位と相互接続点Bu,Bvの電位とがデッドタイムtdの期間だけ互いに異なる値となるからである。
【0032】
このように線間電圧Evwが零とならないタイミングとリレー接点13aが閉成するタイミングとが偶然重なると、リレー接点13aの両端間に放電が生じたり、あるいはリレー接点13a間に存在する微小な容量成分を通して急峻な高周波電流が流れたり、線間電圧Evwが零まで急激に下降する。これに伴いインバータ30における上側スイッチ素子Tv+および下側スイッチ素子Tw-であるIGBTの出力容量(Output Capacitance)すなわちコレクタ・エミッタ間容量が充電されることで、上側スイッチ素子Tv+および下側スイッチ素子Tw-がオフであるにも関わらず、上側スイッチ素子Tv+および下側スイッチ素子Tw-のそれぞれ両端電圧であるコレクタ・エミッタ間電圧Vceが通常のスイッチング動作時の何倍もの速さで急増する。このとき、上側スイッチ素子Tv+および下側スイッチ素子Tw-のそれぞれコレクタ・ゲート間寄生容量を通して高周波電流が流れる。この高周波電流は、上側スイッチ素子Tv+および下側スイッチ素子Tw-のそれぞれゲート・エミッタ間寄生容量を通ってそれぞれのエミッタ側へと流れていく。その際、上側スイッチ素子Tv+および下側スイッチ素子Tw-のそれぞれゲート・エミッタ間電圧Vgeに高周波ノイズが重畳する。一方、下側スイッチ素子Tv-および上側スイッチ素子Tw+においてはコレクタ・エミッタ間電圧が通常スイッチング動作時の何倍もの速さで急減し、上記と同様の原理にてIGBTのゲート部に高周波ノイズが重畳する。これらの高周波ノイズのレベルが高かったり、あるいはその高周波ノイズの発生頻度が高いと、各上側スイッチ素子および各下側スイッチ素子を駆動する駆動回路の誤動作や、その駆動回路の発振による熱破壊やゲート部の過電圧破壊に至る可能性がある。なお、以上は線間電圧Evwの例で説明したが、この現象はいずれの相間においても発生する。
【0033】
ちなみに、機械式のリレー接点12a,13aに代えて半導体スイッチ素子を用いた場合、その半導体スイッチ素子のオンタイミングをμsec単位で制御することが可能である。このため、上記した問題は発生しないが、半導体スイッチ素子はリレーに較べるとオン抵抗が大きく、しかもスター結線時は半導体スイッチ素子に常に電流が流れるため、損失が大きくなり、放熱対策を施さねばならなくなる等の課題がある。
【0034】
本実施形態では、抵抗が非常に小さい機械式のリレー接点12a,13aを用いるので、損失がほぼ発生せず、放熱対策も不要である。
【0035】
そして、相巻線Lu,Lv,Lwのそれぞれ他端とリレー接点12a,13aとの接続間の通電路14u,14v,14wに所定のインピーダンス値のインピーダンス成分Zu,Zv,Zwを持たせているので、疑似中性点動作時に線間電圧Euv,Evwのいずれかが零とならないタイミングでリレー接点12a,13aが閉じてそのリレー接点12a,13aのいずれかに高周波電流が流れても、各上側スイッチ素子および各下側スイッチ素子であるIGBTの出力容量(Output Capacitance)を充電する電流のdi/dtを抑制することができる。したがって、各スイッチ素子のそれぞれ両端電圧であるコレクタ・エミッタ間電圧Vceの急峻な変化を抑制し、コレクタ・ゲート間容量、ゲート・エミッタ間容量を介した高周波ノイズによる各スイッチ素子の破壊を抑止することができる。
【0036】
言い換えれば、通電路14u,14v,14wのインピーダンス成分Zu,Zv,Zwは、疑似中性点動作時に線間電圧Euv,Evwのいずれかが零とならないタイミングでリレー接点12a,13aが閉じても、各スイッチ素子の破壊を招くようなコレクタ・エミッタ間電圧Vceの急峻な変化が生じないインピーダンス値である。一般的な空気調和機等の圧縮機用のモータ駆動装置程度の出力であれば、インピーダンス値は2.0mΩ以上とすることが適切である。さらに、モータ運転中の効率を極力低下させないようにできるだけ小さなインピーダンス値が望ましい。一方、モータ運転中のインピーダンス成分Zu,Zv,Zwによる効率低下を抑制するためには、インピーダンス成分Zu,Zv,Zwのインピーダンス値を5.0mΩ以下とすることが望ましい。当然であるが、このインピーダンス値は、リレーを半導体スイッチ素子に置き換えた場合の半導体スイッチのオン時のインピーダンス値に比べてきわめて小さい。したがって、通電路14u,14v,14wのインピーダンス成分Zu,Zv,Zwインピーダンス値は2.0mΩ以上で5.0mΩ以下が適正範囲となる。
【0037】
実際には、通電路14u,14v,14wが単なる配線である場合、各配線において上記インピーダンス値を備えるためにはそれぞれの配線長が15cm~60cmの範囲であることが望ましい。特に、配線長は25~45cmの範囲がさらに好適である。この実現のためには、インバータ20,30が搭載される回路基板とは別の場所にリレー接点12a,13aを配置し、インバータ30とリレー接点12a,13aとを、インピーダンス成分Zu,Zv,Zwを有する長さの配線で接続すればよい。具体的には、インバータ30が搭載される回路基板とは離れた位置にリレー接点12a,13aを設ける。その上で、インバータ30を搭載した回路基板のインバータ出力端子とリレー接点12a,13aの接続端子とを上述の長さの配線で接続する。一般に、効率の観点から通電路の配線はできるだけ短くすることが一般的であり、単に相巻線Lu,Lv,Lwへの配線中に開閉器を挿入するだけであれば、長くとも10cm程度あれば十分であり、無駄に配線長を15cm以上に長く延長することは考えられない。なお、一般的な、空気調和機等の圧縮機用のモータ駆動装置において、各通電路14u,14v,14wの配線長が60cmの場合にはインピーダンス値は5.0mΩ近くとなる。
【0038】
一方、空芯コイルを通電路として用いる場合には、通電路14u,14v,14wの寸法を小さくできるため、インバータ20,30およびリレー12a,13aを同一の1枚の回路基板上に搭載して、小形化することも可能である。
【0039】
図2のフローチャートに戻り、スター結線モード時(S1のNO)、主制御部40は、オープン巻線モードへの切替えが必要か否かを監視する(S7)。オープン巻線モードへの切替えが不要な場合(S7のNO)、主制御部40は、上記S1の判定に戻る。
【0040】
オープン巻線モードへの切替えが必要な場合(S7のYES)、主制御部40は、リレー接点12a,13aに加わる線間電圧Euv,Evwが零となるよう、インバータ30における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-とを
図4に示すようにオン,オフデューティ50%で交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行する(S8)。この疑似中性点動作は、上述のオープン巻線モードからスター結線モードへの切り替えと同じである。
【0041】
この疑似中性点動作の実行中、主制御部40は、リレー12,13をオフする(S9)。そして、リレー12,13をオフしてからリレー接点12a,13aが実際に開放するまでに要する時間よりも長い一定時間t2の経過後(S10のYES)、主制御部40は、疑似中性点動作を終了してオープン巻線モードの制御(インバータ20,30の連係スイッチング)に移行する(S11)。この移行後、主制御部40は、上記S1の判定に戻る。なお、S5とS10の一定時間t1,t2は互いに同じ時間でよく、できるだけ短い時間にすることが望ましい。機械式のリレー12,13の場合、励磁電流による付勢と消勢から実際にリレー接点12a,13aが開閉するまでに10~30msecの遅延がある、これを考慮すると上記一定時間t1,t2は50msec~100msec程度が望ましい。
【0042】
[2]第2実施形態
第2実施形態の構成を
図6に示す。
モータ1Mの相巻線Luの他端と相巻線Lvの他端との相互間にリレー接点12aが接続され、そのリレー接点12aに対し、素子のオン時には双方向に電流が流れることができるように半導体素子型の補助スイッチSW1,SW2の直列回路が並列に接続されている。モータ1Mの相巻線Lvの他端と相巻線Lwの他端との相互間にリレー接点13aが接続され、そのリレー接点13aに対し、リレー接点12aと同様に素子のオン時には双方向に電流が流れることができるように半導体素子型の補助スイッチSW3,SW4の直列回路が並列に接続されている。なお、リレー接点12a,13aと相巻線Lu,Lv,Lwとの間の通電路は、第1実施形態の通電路14u,14v,14wよりインピーダンス値が小さくてよい。このため、リレー接点12a,13aと相巻線Lu,Lv,Lwとの間の通電路としては短い、例えば10cm程度の長さの配線の使用が可能となり、モータ駆動装置が小形化できる。
【0043】
補助スイッチSW1,SW2およびスイッチ素子SW3,SW4は、オン時に双方向に電流を流し、オフ時にはいずれの方向にも電流を流さなくすることができれば、どのような回路構成でもよい。例えば、全波整流器の出力端間に1個のスイッチ素子を設ける構成でもよい。
【0044】
リレー12,13は、コントローラ4により、同期した状態でオン(付勢)とオフ(消勢)が制御される。リレー12,13がオンされるとリレー接点12a,13aが閉成し、相巻線Luの他端と相巻線Lvの他端がリレー接点12aを介して相互接続されるとともに、相巻線Lvの他端と相巻線Lwの他端がリレー接点13aを介して相互接続され、相巻線Lu,Lv,Lwがスター結線状態となる。リレー12,13が消勢されるとリレー接点12a,13aが開放し、相巻線Lu,Lv,Lwが非接続状態つまり電気的に分離したオープン巻線状態となる。
【0045】
コントローラ4は、モータ3の回転速度Nが上位の外部装置から指令される目標回転速度Ntとなるようリレー接点12a,13aの開閉およびインバータ20,30のスイッチングをPWM制御するもので、主制御部40、電流検出部41、リレー駆動部42、リレー12,13、および補助SW駆動部43を含む。補助SW駆動部43は、主制御部40からの指令に応じて補助スイッチSW1~SW4を駆動する。
【0046】
主制御部40は、第1実施形態と同じく、オープン巻線モードとスター結線モードをモータ電流Iu,Iv,Iwの値などに応じて選択的に設定するとともに、オープン巻線モードからスター結線モードへの切替えおよびスター結線モードからオープン巻線モードへの切替えに際し、リレー接点12a,13aに加わる線間電圧Euv,Evwが零となるよう、インバータ30における各上側スイッチ素子と各下側スイッチ素子とをオン,オフデューティ50%で交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行する。
【0047】
また、主制御部40は、第1実施形態と同じく、インバータ20,30の各直列回路における上側スイッチ素子および下側スイッチ素子が共にオフするデッドタイムtdを確保する。
【0048】
とくに、主制御部40は、第2実施形態の特徴として、オープン巻線モードからスター結線モードへ移行する際の疑似中性点動作の実行中、補助スイッチSW1~SW4をオンする。その後、主制御部40は、補助スイッチSW1~SW4をオンした状態でリレー12,13をオンし、そのオンからリレー接点12a,13aが閉成するまでに要する時間よりも長い一定時間t1が経過した後、補助スイッチSW1~SW4をオフする。さらに、主制御部40は、スター結線モードからオープン巻線モードへ移行する際の疑似中性点動作の実行中、あらかじめ補助スイッチSW1~SW4をオンした状態でリレー12,13をオフし、そのオフからリレー接点12a,13aが開放するまでに要する時間よりも長い一定時間t2が経過した後、補助スイッチSW1~SW4をオフする。
【0049】
つぎに、コントローラ4の主制御部40が実行する主要な制御を
図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
オープン巻線モード時(S21のYES)、主制御部40は、スター結線モードへの切替えが必要か否かを監視する(S22)。スター結線モードへの切替えが不要な場合(S22のNO)、主制御部40は、上記S21の判定に戻る。
【0051】
スター結線モードへの切替えが必要な場合(S22のYES)、主制御部40は、リレー接点12a,13aに加わる線間電圧Euv,Evwが零となるよう、インバータ30における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-とをオン,オフデューティ50%で交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行する(S23)。
【0052】
この疑似中性点動作の実行中、主制御部40は、
図8に示すように、まず補助スイッチSW1~SW4をオンし(S24)、その後、リレー12,13をオンする(S25)。このリレー12,13のオンからリレー接点12a,13aが閉成するまでに要する時間よりも長い一定時間t1の経過後(S26のYES)、主制御部40は、補助スイッチSW1~SW4をオフし(S27)、このオフ後に疑似中性点動作を終了してスター結線モードの制御(インバータ20の単独スイッチング)に移行する(S28)。この移行後、主制御部40は、上記S21の判定に戻る。
【0053】
疑似中性点動作の実行中に、リレー接点12a,13aの閉成前にリレー接点12a,13aのそれぞれ両端が補助スイッチSW1~SW4のオンによって短絡されるので、リレー接点12a,13aが閉成する時にはリレー接点12a,13aに線間電圧Euv,Evwが加わらない状態となっている。したがって、この実施形態においても各上側スイッチ素子および各下側スイッチ素子のそれぞれ両端電圧であるコレクタ・エミッタ間電圧Vceの急峻な変化を抑制し、コレクタ・ゲート間容量、ゲート・エミッタ間容量を介した高周波ノイズによるインバータ20もしくはインバータ30におけるスイッチ素子の破壊を抑止することができる。
【0054】
スター結線モード時(S21のNO)、主制御部40は、オープン巻線モードへの切替えが必要か否かを監視する(S29)。オープン巻線モードへの切替えが不要な場合(S29のNO)、主制御部40は、上記S21の判定に戻る。
【0055】
オープン巻線モードへの切替えが必要な場合(S29のYES)、主制御部40は、リレー接点12a,13aに加わる線間電圧Euv,Evwが零となるよう、インバータ30における上側スイッチ素子Tu+,Tv+,Tw+と下側スイッチ素子Tu-,Tv-,Tw-とをオン,オフデューティ50%で交互にオン,オフする疑似中性点動作を実行する(S30)。
【0056】
この疑似中性点動作の実行中、主制御部40は、
図9に示すように、まず補助スイッチSW1~SW4をオンし(S31)、その後、リレー12,13をオフする(S32)。このリレー12,13のオフからリレー接点12a,13aが開放するまでに要する時間よりも長い一定時間t2の経過後(S33のYES)、主制御部40は、インバータ20,30のいずれのスイッチ素子もデットタイム期間中でないタイミングで補助スイッチSW1~SW4をオフし(S34)、このオフ後に疑似中性点動作を終了してオープン巻線モードの制御(インバータ20,30の連係スイッチング)に移行する(S35)。この移行後、主制御部40は、上記S21の判定に戻る。
【0057】
以上のように半導体の補助スイッチを介してモータ電流が流れるのは一時的であり、スター結線モードに切替えが完了し、その後の安定運転中には、モータ電流がリレー12,13だけを流れるため、運転中の高効率が維持できる。さらに補助スイッチの発熱も低く抑えることができ、放熱のための大きいヒートシンクなどは不要である。
【0058】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
2…駆動回路、3…オープン巻線モータ、Lu,Lv,Lw…相巻線、4…コントローラ、12,13…リレー(開閉器)、12a,13a…リレー接点(開閉接点)、14u,14v,14w…通電路、Zu,Zv,Zw…インピーダンス成分、20…インバータ(第1インバータ)、30…インバータ(第2インバータ)、40…主制御部