(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】有害生物圧力ヒートマップのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20230828BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2022551615
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 US2021020805
(87)【国際公開番号】W WO2021178622
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-11-17
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】スゥークヴィンダール・シン
(72)【発明者】
【氏名】サラ・キャサリン・スターリング
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・ブリッジ・バラット
(72)【発明者】
【氏名】ポール・デハイヴェル・デ・ラス・デセス
(72)【発明者】
【氏名】ワァンディ・リン
(72)【発明者】
【氏名】ロス・ジョセフ・パターマン
(72)【発明者】
【氏名】イアン・アンソニー・スチュアート-ホフ
【審査官】石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0041407(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0312942(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03482630(EP,A1)
【文献】特開2000-236794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
前記メモリに通信可能に結合されたプロセッサと、
を備えるヒートマップ生成コンピューティングデバイスであって、前記プロセッサが、
地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、前記捕集データが前記複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、
前記地理的場所のための気象データを受信することと、
前記地理的場所のための画像データを受信することと、
機械学習アルゴリズムを前記捕集データ、前記気象データ、及び前記画像データに適用し、前記複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、
第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、前記第2のヒートマップが、前記予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、前記第1及び第2のヒートマップが、
複数のノードを前記地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが前記複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、前記
第1の時点及び第2の時点における前記対応する有害生物捕集器のための前記有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び
前記
第1の時点及び第2の時点における前記複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、前記地理的場所の前記マップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、前記地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、
によって各々生成される、生成することと、
前記第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、前記モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に前記第1のヒートマップと前記第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、前記ユーザインターフェースが、前記モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることと、
を行うようにプログラムされている、ヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記第1の時点及び前記第2の時点のうちの少なくとも一方が未来の時点である、請求項1に記載のヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記予測された未来の有害生物圧力値に基づいて前記地理的場所のための処置勧告を生成するようにさらにプログラムされている、請求項1又は2に記載のヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記プロセッサが、
前記モバイルコンピューティングデバイスから、前記ヒートマップ内の選択ノードのユーザ選択を受信することであって、前記ユーザ選択が、前記ユーザインターフェースを用いて行われる、受信することと、
前記ユーザインターフェースに、前記受信されたユーザ選択に応じて、経時的にプロットされた前記選択ノードのための有害生物圧力値を表示させることと、
を行うようにさらにプログラムされている、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記複数の有害生物捕集器のうちの近くの有害生物捕集器からの距離に基づいて補間することによって前記マップの少なくとも一部の残りの部分を色付けるようにプログラムされている、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記第1及び第2のヒートマップを生成するために、前記プロセッサが、農場境界を前記地理的場所の前記マップ上にプロットするようにさらにプログラムされている、請求項1~5のいずれか一項に記載のヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記第1及び第2のヒートマップが第1の有害生物に関連付けられ、前記プロセッサが、
第2の有害生物に関連付けられた第3のヒートマップを生成することと、
前記ユーザインターフェースを用いて行われた前記第2の有害生物のユーザ選択を受信することと、
前記ユーザインターフェースに、前記受信されたユーザ選択に応じて、前記第3のヒートマップを表示させることと、
を行うようにさらにプログラムされている、請求項1~6のいずれか一項に記載のヒートマップ生成コンピューティングデバイス。
【請求項8】
ヒートマップを生成するための方法であって、前記方法が、プロセッサに通信可能に結合されたメモリを含むヒートマップ生成コンピューティングデバイスを用いて実施され、前記方法が、
地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、前記捕集データが前記複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、
前記地理的場所のための気象データを受信することと、
前記地理的場所のための画像データを受信することと、
機械学習アルゴリズムを前記捕集データ、前記気象データ、及び前記画像データに適用し、前記複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、
第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、前記第2のヒートマップが、前記予測された未来の有害生物圧力
値を用いて生成され、前記第1及び第2のヒートマップが、
複数のノードを前記地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが前記複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、前記
第1の時点及び第2の時点における前記対応する有害生物捕集器のための前記有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び
前記
第1の時点及び第2の時点における前記複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、前記地理的場所の前記マップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、前記地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、
によって各々生成される、生成することと、
前記第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、前記モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に前記第1のヒートマップと前記第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、前記ユーザインターフェースが、前記モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることと、
を含む方法。
【請求項9】
前記第1の時点及び前記第2の時点のうちの少なくとも一方が未来の時点である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記予測された未来の有害生物圧力値に基づいて前記地理的場所のための処置勧告を生成することをさらに含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記モバイルコンピューティングデバイスから、前記ヒートマップ内の選択ノードのユーザ選択を受信することであって、前記ユーザ選択が、前記ユーザインターフェースを用いて行われる、受信することと、
前記ユーザインターフェースに、前記受信されたユーザ選択に応じて、経時的にプロットされた前記選択ノードのための有害生物圧力値を表示させることと、
をさらに含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記マップの少なくとも一部の残りの部分を色付けることが、前記複数の有害生物捕集器のうちの近くの有害生物捕集器からの距離に基づいて色付けることを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2のヒートマップを生成することが、農場境界を前記地理的場所の前記マップ上にプロットすることをさらに含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1及び第2のヒートマップが第1の有害生物に関連付けられ、前記方法が、
第2の有害生物に関連付けられた第3のヒートマップを生成することと、
前記ユーザインターフェースを用いて行われた前記第2の有害生物のユーザ選択を受信することと、
前記ユーザインターフェースに、前記受信されたユーザ選択に応じて、前記第3のヒートマップを表示させることと、
をさらに含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ実施可能命令が組み込まれたコンピュータ可読記憶媒体であって、メモリと通信する少なくとも1つのプロセッサを含むヒートマップ生成コンピューティングデバイスによって実行されたときに、前記コンピュータ
実施可能命令が、前記ヒートマップ生
成コンピューティングデバイスに、
地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、前記捕集データが前記複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、
前記地理的場所のための気象データを受信することと、
前記地理的場所のための画像データを受信することと、
機械学習アルゴリズムを前記捕集データ、前記気象データ、及び前記画像データに適用し、前記複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、
第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、前記第2のヒートマップが、前記予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、前記第1及び第2のヒートマップが、
複数のノードを前記地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが前記複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、前記
第1の時点及び第2の時点における前記対応する有害生物捕集器のための前記有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び
前記
第1の時点及び第2の時点における前記複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、前記地理的場所の前記マップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、前記地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、
によって各々生成される、生成することと、
前記第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、前記モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に前記第1のヒートマップと前記第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、前記ユーザインターフェースが、前記モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることと、
を行わせる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記第1の時点及び前記第2の時点のうちの少なくとも一方が未来の時点である、請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記命令が、さらに、前記ヒートマップ生成コンピューティングデバイスに、前記予測された未来の有害生物圧力値に基づいて前記地理的場所のための処置勧告を生成させる、請求項15又は16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記命令が、さらに、前記ヒートマップ生成コンピューティングデバイスに、
前記モバイルコンピューティングデバイスから、前記ヒートマップ内の選択ノードのユーザ選択を受信することであって、前記ユーザ選択が、前記ユーザインターフェースを用いて行われる、受信することと、
前記ユーザインターフェースに、前記受信されたユーザ選択に応じて、経時的にプロットされた前記選択ノードのための有害生物圧力値を表示させることと、
を行わせる、請求項15~17のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記マップの少なくとも一部の残りの部分を色付けるために、前記命令が前記ヒートマップ生成コンピューティングデバイスに、前記複数の有害生物捕集器のうちの近くの有害生物捕集器からの距離に基づいて補間させる、請求項15~18のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記第1及び第2のヒートマップを生成するために、前記命令が前記ヒートマップ生成
コンピューティングデバイスに、農場境界を前記地理的場所の前記マップ上にプロットさせる、請求項15~19のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月4日に出願された米国仮特許出願第62/984881号明細書、2020年3月4日に出願された、米国仮特許出願第62/984885号明細書、2020年10月27日に出願された、米国特許出願第17/081,263号明細書、及び2020年10月27日に出願された、米国特許出願第米国特許出願第17/081,361号明細書に対する優先権を主張する。これらの出願はそれらの全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0002】
本出願は、概して、有害生物圧力の監視を支援するために用いられ得る技術に関し、より詳細には、有害生物圧力ヒートマップを生成し、表示するためのネットワークベースのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
世界の人口の増加及び耕地量の減少のゆえに、農作物の生産性を増大させるための方法及びシステムが望まれている。農作物の生産性に影響を及ぼす少なくとも1つの因子は有害生物圧力である。
【0004】
その結果、有害生物圧力を監視し、分析するためのシステム及び方法が開発された。例えば、少なくともいくつかの既知のシステムでは、複数の捕虫器が、関心のある農地内に設置される。関心のある農地内の有害生物圧力を監視するために、捕集器は、各捕集器内の有害生物の数を数えるために定期的に検査される。各捕集器内の有害生物の数に基づいて、関心のある農地のための有害生物圧力レベルを決定することができる。
【0005】
各捕集器内で監視される有害生物の数は、未来の有害生物圧力を予測するためにも用いられ得る。しかし、有害生物圧力は、いくつかの因子によって支配される比較的複雑な現象である。それゆえ、主に捕集数に基づいて未来の有害生物圧力を正確に予測することは比較的不正確になり得る。さらに、有害生物圧力の監視のための少なくとも一部の既知のシステムは個々の農場レベルに焦点を当てられており、限定的な視覚化、及びデータ収集における著しい時間遅れをもたらす。加えて、未来の有害生物圧力を予測するための少なくとも一部の既知のシステムは静的論理(例えば、固定されたフェノロジーモデル及び/又は決定木)に依存し、したがって、未来の有害生物圧力を正確に予測するそれらの能力は限られている。特許文献1は、データ受信モジュールが、所与の地理的地域に関連付けられた、サンプリングされた農業関連データを受信することを記載している。特許文献2は、空間成分を有する異種データを分析するためのデータ分析器を用いて、利用可能なデータを見出し、機械学習を用いて、利用可能なデータから関係を自動的に抽出することを含む空間マップ上に予測を表示するための方法及びシステムを記載している。特許文献3は、有害生物予報を遂行するための方法を記載している。特許文献4は、総合的有害生物管理(IPM(integrated pest management))システム及び電子昆虫監視デバイス(EIMD(electronic insect monitoring device))の例示的な実施形態を記載している。特許文献5は、サイト上、建物内、プロセス、施設内、又は区域内の任意の種類の有害生物に関する問題を防止し、解決するための統合された方法及びシステムを記載している。特許文献6は、販売員及び第1の栽培者に関わる農産物販売を管理するためのコンピュータシステムを記載している。
【0006】
したがって、複数の異なる種類の情報を入手してインテリジェントに分析し、未来の有害生物圧力を迅速及び正確に予測するシステムを提供することが望まれるであろう。さらに、予測された未来の有害生物圧力を提示し、ユーザが、有害生物圧力を監視し、任意選択的に、有害生物捕集システム及び/又は有害生物処置システムを制御する技術作業を遂行するのを支援することが望まれるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2017/041407A1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/312942A1号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3482630A1号明細書
【文献】国際公開第2012/054397A1号パンフレット
【文献】国際公開第2004/110142A1号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2015/025926A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、ヒートマップ生成コンピューティングデバイスが提供される。ヒートマップ生成コンピューティングデバイスは、メモリと、メモリに通信可能に結合されたプロセッサとを含む。プロセッサは、地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、捕集データが複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、地理的場所のための気象データを受信することと、地理的場所のための画像データを受信することと、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、及び画像データに適用し、複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、を行うようにプログラムされている。プロセッサは、第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、第2のヒートマップが、予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、第1及び第2のヒートマップが、複数のノードを地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、関連時点における対応する有害生物捕集器のための有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び関連時点における複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、地理的場所のマップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、によって各々生成される、生成することを行うようにさらにプログラムされている。プロセッサは、第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に第1のヒートマップと第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、ユーザインターフェースが、モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることを行うようにさらにプログラムされている。
【0009】
別の態様では、ヒートマップを生成するための方法が提供される。本方法は、プロセッサに通信可能に結合されたメモリを含むヒートマップ生成コンピューティングデバイスを用いて実施される。本方法は、地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、捕集データが複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、地理的場所のための気象データを受信することと、地理的場所のための画像データを受信することと、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、及び画像データに適用し、複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、を含む。本方法は、第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、第2のヒートマップが、予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、第1及び第2のヒートマップが、複数のノードを地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、関連時点における対応する有害生物捕集器のための有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び関連時点における複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、地理的場所のマップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、によって各々生成される、生成することをさらに含む。本方法は、第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に第1のヒートマップと第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、ユーザインターフェースが、モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることをさらに含む。
【0010】
さらに別の態様では、コンピュータ実施可能命令が組み込まれたコンピュータ可読記憶媒体が提供される。メモリと通信する少なくとも1つのプロセッサを含むヒートマップ生成コンピューティングデバイスによって実行されたときに、コンピュータ可読命令は、ヒートマップ生成コンピューティングデバイスに、地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、捕集データが複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、地理的場所のための気象データを受信することと、地理的場所のための画像データを受信することと、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、及び画像データに適用し、複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、を行わせる。命令は、さらに、ヒートマップ生成コンピューティングデバイスに、第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、第2のヒートマップが、予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、第1及び第2のヒートマップが、複数のノードを地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、関連時点における対応する有害生物捕集器のための有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び関連時点における複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、地理的場所のマップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、によって各々生成される、生成すること、を行わせる。命令は、さらに、ヒートマップ生成コンピューティングデバイスに、第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に第1のヒートマップと第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、ユーザインターフェースが、モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることを行わせる。本開示の技法は、予測された未来の有害生物圧力を提供し、ユーザが、有害生物圧力を監視し、任意選択的に、有害生物捕集システム及び/又は有害生物処置システムを制御する技術作業を遂行するのを支援することを可能にすることが理解され得る。本開示の技法は、例えば、未来の時点における有害生物圧力監視システムの動的内部状態を提供することを可能にすることが理解され得る。
【0011】
図1~
図10は、本明細書において説明される方法及びシステムの例示的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る、有害生物圧力を予測する際に用いられるコンピュータシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されるシステム内のデータフローを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2の有害生物圧力予測コンピューティングデバイスなどのサーバシステムの例示的な構成を示す。
【
図4】
図4は、
図1及び
図2に示されるクライアントシステムの例示的な構成を示す。
【
図5】
図5は、
図1に示されるシステムを用いて有害生物圧力データを生成するための例示的な方法のフロー図である。
【
図6】
図6は、
図1に示されるシステムを用いてヒートマップを生成するための例示的な方法のフロー図である。
【
図7】
図7は、
図1に示されるシステムを用いて生成され得るユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットである。
【
図8】
図8は、
図1に示されるシステムを用いて生成され得るユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットである。
【
図9】
図9は、
図1に示されるシステムを用いて生成され得るユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットである。
【
図10】
図10は、
図1に示されるシステムを用いて生成され得るユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットである。
【
図11】
図11は、
図1に示されるシステムを用いて生成され得るユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットである。
【
図12】
図12は、
図1に示されるシステムを用いて生成され得るユーザインターフェースの例示的なスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面には示され、他のものには示されていない場合があるが、これは単に便宜上のことにすぎない。任意の図面の任意の特徴は任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照され、及び/又はクレームされ得る。
【0014】
本明細書において説明されるシステム及び方法は、有害生物圧力ヒートマップを生成し、表示するためのコンピュータ実施システムに関する。ヒートマップ生成コンピューティングデバイスは、地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信し、地理的場所のための気象データを受信し、地理的場所のための画像データを受信し、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、及び画像データに適用し、複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成する。ヒートマップ生成コンピューティングデバイスは、第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、第2のヒートマップが、予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、第1及び第2のヒートマップが、複数のノードを地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、関連時点における対応する有害生物捕集器のための有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及び関連時点における複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、地理的場所のマップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、によって各々生成される、生成することを行う。ヒートマップ生成コンピューティングデバイスは、第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に第1のヒートマップと第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、ユーザインターフェースが、モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させることを行う。
【0015】
本明細書において説明されるシステム及び方法は、1つ以上の地理的場所における有害生物圧力を正確に予測することを容易にする。本明細書で使用する時、「地理的場所(geographic location)」は、概して、農業関連の地理的場所(例えば、作物を生産するための1つ以上の農地及び/又は農場を含む場所)を指す。さらに、ここで用いる時、「有害生物圧力(pest pressure)」は、特定の場所に存在する有害生物の存在度の定性的及び/又は定量的評価を指す。例えば、高い有害生物圧力は、(例えば、予想される存在度と比べて)比較的大きい存在度の有害生物がその場所に存在することを指示する。対照的に、低い有害生物圧力は、比較的低い存在度の有害生物がその場所に存在することを指示する。本明細書において説明される実施形態のうちの少なくともいくつかにおいては、有害生物圧力は農業目的で分析される。すなわち、有害生物圧力は1つ以上の農地のために監視され、予測される。しかし、当業者は、本明細書において説明されるシステム及び方法は、任意の好適な環境内の有害生物圧力を分析するために用いられ得ることを理解するであろう。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「有害生物(pest)」は、特定の地理的場所、特に、農業関連の地理的場所において存在が一般的に望ましくない有機体を指す。例えば、1つ以上の農地のための有害生物圧力を分析する実装形態については、有害生物は、それらの農地内の作物に被害を及ぼす傾向を有する昆虫を含み得る。しかし、当業者は、本明細書において説明されるシステム及び方法は、他の種類の有害生物のための有害生物圧力を分析するために用いられ得ることを理解するであろう。例えば、実施形態によっては、有害生物圧力は、菌類、雑草、及び/又は病気のために分析され得る。本明細書において説明されるシステム及び方法は「有害生物捕集器(pest trap)」及び「捕集データ(trap data)」に言及する。本明細書で使用する時、「有害生物捕集器」は、関心のある有害生物を閉じ込め、及び/又はその存在を監視する能力を有する任意のデバイスを指し得、「捕集データ」は、このようなデバイスを用いて集められたデータを指し得る。例えば、昆虫については、「有害生物捕集器」は、有害生物を確保する従来の閉じ込めデバイスであり得る。代替的に、菌類、雑草、又は病気については、「有害生物捕集器」は、菌類、雑草、及び/又は病気の存在及び/又はレベルを監視する能力を有する任意のデバイスを指し得る。例えば、「有害生物」が1つ以上の種の菌類である実施形態では、「有害生物捕集器」は、感知デバイスの周りの周囲環境内の1つ以上の種の菌類に関連付けられた胞子のレベルを定量的に測定する能力を有する感知デバイスを指し得る。一実施形態では、「有害生物」は1種類の昆虫又は複数の種類の昆虫であり、用語「有害生物捕集器」及び「有害生物捕集器群」は、それぞれ、「捕虫器」及び「捕虫器群」を指す。
【0017】
本開示の実施形態の以下の詳細な説明は添付の図面を参照する。異なる図面中の同じ参照符号は、同じ、又は同様の要素を識別し得る。また、以下の詳細な説明はクレームを限定しない。
【0018】
本明細書において説明されるのは、有害生物圧力予測コンピューティングデバイスなどのコンピュータシステムである。本明細書において説明されるように、全てのこのようなコンピュータシステムはプロセッサとメモリとを含む。しかし、本明細書において言及されるコンピュータデバイス内の任意のプロセッサは、プロセッサが、1つのコンピューティングデバイス、又は並列に作動する複数のコンピューティングデバイス内にあり得る、1つ以上のプロセッサにも言及し得る。加えて、本明細書において言及されるコンピュータデバイス内の任意のメモリは、メモリが、1つのコンピューティングデバイス、又は並列に作動する複数のコンピューティングデバイス内にあり得る、1つ以上のメモリにも言及し得る。
【0019】
本明細書で使用する時、プロセッサは、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC(reduced instruction set circuit))、特定用途向け集積回路(ASIC(application specific integrated circuit))、論理回路、及び本明細書において説明される機能を実行する能力を有する任意の他の回路若しくはプロセッサを用いるシステムを含む任意のプログラマブルシステムを含み得る。上述の例は単なる例示にすぎず、それゆえ、用語「プロセッサ」の定義及び/又は意味を限定することを全く意図されていない。
【0020】
本明細書で使用する時、用語「データベース」は、データの本体、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS(relational database management system))、又はその両方を指し得る。本明細書で使用する時、データベースは、階層データベース、リレーショナルデータベース、フラットファイルデータベース、オブジェクトリレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、及びコンピュータシステム内に記憶されたレコード若しくはデータの任意の他の構造化された集合を含むデータの任意の集合を含み得る。上述の例は単なる例示にすぎず、それゆえ、用語、データベースの定義及び/又は意味を限定することを全く意図されていない。RDBMSの例としては、限定するものではないが、Oracle(登録商標)データベース、MySQL、IBM(登録商標)DB2、Microsoft(登録商標)SQLサーバ、Sybase(登録商標)、及びPostgreSQLが挙げられる。しかし、本明細書において説明されるシステム及び方法を可能にする任意のデータベースが用いられ得る。(Oracleは、Oracle Corporation、Redwood Shores、Californiaの登録商標であり、IBMは、International Business Machines Corporation、Armonk、New Yorkの登録商標であり、Microsoftは、Microsoft Corporation、Redmond、Washingtonの登録商標であり、Sybaseは、Sybase、Dublin、Californiaの登録商標である。)
【0021】
一実施形態では、コンピュータプログラムが提供され、プログラムはコンピュータ可読媒体上に組み込まれる。例示的な実施形態では、システムは、サーバコンピュータへの接続を必要とすることなく単一のコンピュータシステム上で実行される。さらなる実施形態では、システムはWindows(登録商標)環境内で実行されている(Windowsは、Microsoft Corporation、Redmond、Washingtonの登録商標である)。さらに別の実施形態では、システムはメインフレーム環境及びUNIX(登録商標)サーバ環境上で実行される(UNIXは、Reading、Berkshire、United Kingdomに所在するX/Open Company Limitedの登録商標である)。アプリケーションは柔軟性があり、主要な機能性を全く損なうことなく様々な異なる環境内で実行するように設計されている。実施形態によっては、システムは、複数のコンピューティングデバイスの間で分散させられた複数の構成要素を含む。1つ以上の構成要素は、コンピュータ可読媒体内に組み込まれたコンピュータ実施可能命令の形態のものであり得る。
【0022】
本明細書で使用する時、単数形で記載され、単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」に続く要素又はステップは、複数の除外が記載されていない限り、複数の要素又はステップを除外しないと理解されるべきである。さらに、本開示の「例示的な実施形態」又は「一実施形態」への言及は、記載された特徴を同様に組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図されていない。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「ソフトウェア」及び「ファームウェア」は交換可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び不揮発性RAM(NVRAM(non-volatile RAM))メモリを含む、メモリ内にプロセッサによる実行のために記憶された任意のコンピュータプログラムを含む。上述のメモリの種類は単なる例にすぎず、それゆえ、コンピュータプログラムの記憶のために使用可能なメモリの種類に関する限定ではない。
【0024】
システム及びプロセスは、本明細書において説明される特定の実施形態に限定されない。加えて、各システム及び各プロセスの構成要素は、本明細書において説明される他の構成要素及びプロセスと独立して、及び別個に実施され得る。各構成要素及びプロセスは他のアセンブリパッケージ及びプロセスと組み合わせて用いることもできる。
【0025】
以下の詳細な説明は本開示の実施形態を例として示しており、限定として示していない。本開示は、有害生物圧力を予測することへの一般的適用を有することが企図される。
【0026】
図1は、本開示の1つの例示的な実施形態に係る有害生物圧力予測(PPP(pest pressure prediction))コンピューティングデバイス112を含む有害生物圧力を予測する際に用いられるコンピュータシステム100の例示的な実施形態のブロック図である。PPPコンピューティングデバイス112は、本明細書において説明されるように、本明細書においてヒートマップ生成コンピューティングデバイスとも称され得る。例示的な実施形態では、システム100は、本明細書において説明されるように、有害生物圧力を予測し、有害生物圧力ヒートマップを生成するために用いられる。
【0027】
より具体的には、例示的な実施形態では、システム100は、有害生物圧力予測(PPP)コンピューティングデバイス112、及びPPPコンピューティングデバイス112に接続された、クライアントシステム114とも称される、複数のクライアントサブシステムを含む。一実施形態では、クライアントシステム114は、ウェブブラウザを含むコンピュータであり、これにより、PPPコンピューティングデバイス112は、インターネットを用いて、及び/又はネットワーク115を用いてクライアントシステム114にアクセス可能である。クライアントシステム114は、ローカルエリアネットワーク(LAN(local area network))若しくはワイドエリアネットワーク(WAN(wide area network))、ダイヤルイン接続、ケーブルモデム、特別高速総合サービスデジタル網(ISDN(Integrated Services Digital Network))回線、及びRDTネットワークなどの、ネットワーク115を含む多くのインターフェースを通じてインターネットに相互接続される。クライアントシステム114は、農場経営者、栽培者、偵察者等に関連付けられたシステム、並びにデータを記憶するために用いられる外部システムを含み得る。PPPコンピューティングデバイス112はまた、ネットワーク115を用いて1つ以上のデータソース130とも通信する。さらに、クライアントシステム114は、追加的に、ネットワーク115を用いてデータソース130と通信し得る。さらに、実施形態によっては、1つ以上のクライアントシステム114は、本明細書において説明されるように、データソース130の役割を果たし得る。クライアントシステム114は、ウェブベースの電話、PDA、又は他のウェブベースの接続可能機器を含む、インターネットに相互接続する能力を有する任意のデバイスであり得る。
【0028】
以下においてさらに詳細に説明されるように、データベースサーバ116が種々の事柄に関する情報を包含するデータベース120に接続されている。一実施形態では、集中データベース120がPPPデバイス112上に記憶され、クライアントシステム114のうちの1つを通じてPPPコンピューティングデバイス112にログオンすることによってクライアントシステム114のうちの1つにおける潜在的ユーザによってアクセスされ得る。代替的実施形態では、データベース120はPPPデバイス112から遠隔に記憶され、非集中型であり得る。データベース120は、本明細書において説明されるように、例えば、トランザクションレコードを含むPPPコンピューティングデバイス112によって用いられる情報を記憶するように構成されたデータベースであり得る。
【0029】
データベース120は、分離されたセクション若しくはパーティションを有する単一のデータベースを含み得るか、又は各々互いに別個のものである複数のデータベースを含み得る。データベース120は、データソース130から受信された、及びPPPコンピューティングデバイス112によって生成されたデータを記憶し得る。例えば、データベース120は、本明細書において詳細に説明されるように、気象データ、画像化データ、捕集データ、偵察データ、栽培者データ、有害生物圧力予測データ、及び/又はヒートマップデータを記憶し得る。
【0030】
例示的な実施形態では、クライアントシステム114は、例えば、栽培者、偵察主体、有害生物管理主体、及び/又は本明細書において説明されるとおりのシステム100を用いる能力を有する任意の他の関係者に関連付けられ得る。例示的な実施形態では、クライアントシステム114のうちの少なくとも1つはユーザインターフェース118を含む。例えば、ユーザインターフェース118は、対話機能性を有するグラフィカルユーザインターフェースを含み得、これにより、PPPコンピューティングデバイス112からクライアントシステム114へ伝送された、有害生物圧力予測及び/又はヒートマップはグラフィカル形式で示され得る。クライアントシステム114のユーザはユーザインターフェース118と対話し、表示された情報を見、探索し、他の仕方でそれと対話し得る。
【0031】
例示的な実施形態では、PPPコンピューティングデバイス112は複数のデータソース130からのデータを受信し、本明細書において詳細に説明されるように、受信されたデータを集約し、(例えば、機械学習を用いて)分析し、有害生物圧力予測及び/又はヒートマップを生成する。
【0032】
図2は、システム100内のデータフローを示すブロック図である。
図2に示される実施形態において、データソース130は、気象データソース202、画像化データソース204、捕集データソース206、偵察データソース、栽培者データソース210、及び別のデータソース212を含む。当業者は、
図2に示されるデータソース130は単なる例にすぎず、システム100は任意の好適な数及び種類のデータソースを含み得ることを理解するであろう。
【0033】
気象データソース202は、気象データを、有害生物圧力予測の生成において使用するためにPPPコンピューティングデバイス112に提供する。気象データは、例えば、温度データ(例えば、1つ以上の地理的場所において測定された現在及び/又は過去の温度を指示する)、湿度データ(例えば、1つ以上の地理的場所において測定されたものにおける現在及び/又は過去の湿度を指示する)、風データ(例えば、1つ以上の地理的場所において測定された現在及び/又は過去の風のレベル及び方向を指示する)、降雨データ(例えば、1つ以上の地理的場所において測定された現在及び/又は過去の降雨レベルを指示する)、並びに予報データ(例えば、1つ以上の地理的場所のために予測された未来の気象条件を指示する)を含み得る。
【0034】
画像化データソース204は、画像データを、有害生物圧力予測の生成において使用するためにPPPコンピューティングデバイス112に提供する。画像データは、例えば、1つ以上の地理的場所の獲得された衛星画像及び/又はドローン画像を含み得る。
【0035】
捕集データソース206は、捕集データを、有害生物圧力予測の生成において使用するためにPPPコンピューティングデバイス112に提供する。捕集データは、例えば、地理的場所内の少なくとも1つの有害生物捕集器からの有害生物数(例えば、有害生物種の数、有害生物種の密度、又は同様のものとして表される)を含み得る。さらに、捕集データは、例えば、昆虫の場合には、有害生物の種類(例えば、分類学上の属、種、変種等)、並びに/或いは有害生物の発育段階及び性別(例えば、幼生、幼体、成体、雄、雌等)を含み得る。有害生物捕集器は、例えば、捕虫器であり得る。代替的に、有害生物捕集器は、本明細書において説明されるように、有害生物の存在を決定し、捕集データをPPPコンピューティングデバイス112に提供する能力を有する任意のデバイスであり得る。例えば、実施形態によっては、有害生物捕集器は、1つ以上の種の菌類に関連付けられた胞子の環境レベルを感知するよう動作可能である感知デバイスである。このような実施形態では、捕集データは、例えば、胞子数(有害生物数を表す)、菌類の種類、菌類の発育段階等を含み得る。
【0036】
実施形態によっては、捕集データソース206は、PPPコンピューティングデバイス112に(例えば、無線通信リンクを通じて)通信可能に結合された有害生物捕集器である。したがって、このような実施形態では、捕集データソース206は、有害生物捕集器内の有害生物数を(例えば、画像処理アルゴリズムを用いて)自動的に決定し、決定された有害生物数をPPPコンピューティングデバイスへ伝送する能力を有し得る。
【0037】
偵察データソース208は、偵察データを、有害生物圧力予測の生成において使用するためにPPPコンピューティングデバイス112に提供する。偵察データは、1つ以上の地理的場所を監視する人間の偵察者によって提供される任意のデータを含み得る。例えば、偵察データは、作物条件、有害生物数(例えば、人間の偵察者によって有害生物捕集器において手作業で数えられる)等を含み得る。実施形態によっては、偵察データソース208はクライアントシステム114のうちの1つである。すなわち、偵察者は、同じコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス)を用いて、偵察データをPPPコンピューティングデバイス112に提供するとともに、有害生物圧力予測データ及び/又はヒートマップデータを見ることができる。
【0038】
栽培者データソース210は、栽培者データを、有害生物圧力予測の生成において使用するためにPPPコンピューティングデバイス112に提供する。栽培者データは、例えば、農地境界データ、作物条件データ等を含み得る。さらに、偵察データソース208と同様に、実施形態によっては、栽培者データソース210はクライアントシステム115のうちの1つである。すなわち、栽培者は、同じコンピューティングデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス)を用いて、偵察データをPPPコンピューティングデバイス112に提供するとともに、有害生物圧力予測データ及び/又はヒートマップデータを見ることができる。
【0039】
他のデータソース212は、データソース202~210から入手可能でない他の種類のデータをPPPコンピューティングデバイス112に提供し得る。例えば、実施形態によっては、他のデータソース212は、地図作成データ(例えば、1つ以上の地理的場所の地形図)をPPPコンピューティングデバイス112に提供する地図作成データベースを含む。
【0040】
例示的な実施形態では、PPPコンピューティングデバイス112はデータソース202~212のうちの少なくとも1つからのデータを受信し、本明細書において説明されるように、そのデータを集約し、(例えば、機械学習を用いて)分析し、有害生物圧力予測データを生成する。さらに、PPPコンピューティングデバイス112はまた、本明細書において説明されるように、そのデータを集約し、分析し、ヒートマップデータも生成し得る。有害生物圧力予測データ及び/又はヒートマップデータは、(例えば、クライアントシステム114のユーザに表示するために)クライアントシステム114へ伝送され得る。
【0041】
実施形態によっては、データソース202~210のうちの少なくとも1つからのデータはPPPコンピューティングデバイス112へ(例えば、PPPコンピューティングデバイス112がデータソース202~210をポーリングすること、又はそれらに問い合わせすることなく)自動的にプッシュされる。さらに、実施形態によっては、PPPコンピューティングデバイス112はデータソース202~210のうちの少なくとも1つを(例えば、定期的又は継続的に)ポーリングするか、又はそれらに問い合わせし、関連データを取り出す。
【0042】
図3は、本開示の1つの例示的な実施形態に係る、(
図1及び
図2に示される)PPPコンピューティングデバイス112などのサーバシステム301の例示的な構成を示す。サーバシステム301はまた、限定するものではないが、データベースサーバ116を含み得る。例示的な実施形態では、サーバシステム301は、本明細書において説明されるように、有害生物圧力予測データ及びヒートマップデータを生成する。
【0043】
サーバシステム301は、命令を実行するためのプロセッサ305を含む。命令は、例えば、メモリエリア310内に記憶され得る。プロセッサ305は、命令を実行するための1つ以上の処理装置を(例えば、マルチコア構成で)含み得る。命令は、UNIX、LINUX、Microsoft Windows(登録商標)等などの、サーバシステム301上の種々の異なるオペレーティングシステム内で実行され得る。また、コンピュータベースの方法の開始時に、様々な命令が初期化の間に実行され得ることも理解されたい。一部の動作は、本明細書において説明される1つ以上のプロセスを遂行するために必要とされ得、その一方で、他の動作はより一般的であり、及び/又は特定のプログラミング言語(例えば、C、C#、C++、Java、又は他の好適なプログラミング言語等)に特化したものであり得る。
【0044】
プロセッサ305は通信インターフェース315に動作可能に結合されており、これにより、サーバシステム301はユーザシステム又は別のサーバシステム301などのリモートデバイスと通信する能力を有する。例えば、通信インターフェース315は、
図2に示されるように、インターネットを介してクライアントシステム114からの要求を受信し得る。
【0045】
プロセッサ305はまた、記憶デバイス134に動作可能に結合され得る。記憶デバイス134は、データを記憶し、及び/又は取り出すために適した任意のコンピュータ操作ハードウェアである。実施形態によっては、記憶デバイス134はサーバシステム301内に統合されている。例えば、サーバシステム301は1つ以上のハードディスクドライブを記憶デバイス134として含み得る。他の実施形態では、記憶デバイス134はサーバシステム301の外部にあり、複数のサーバシステム301によってアクセスされ得る。例えば、記憶デバイス134は、リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクス(RAID(redundant array of inexpensive disks))構成のハードディスク又はソリッドステートディスクなどの複数の記憶ユニットを含み得る。記憶デバイス134は、ストレージエリアネットワーク(SAN(storage area network))及び/又はネットワーク接続ストレージ(NAS(network attached storage))システムを含み得る。
【0046】
実施形態によっては、プロセッサ305はストレージインタフェース320を介して記憶デバイス134に動作可能に結合される。ストレージインタフェース320は、プロセッサ305に記憶デバイス134へのアクセスを提供する能力を有する任意の構成要素である。ストレージインタフェース320は、例えば、アドバンスドテクノロジーアタッチメント(ATA(Advanced Technology Attachment))アダプタ、シリアルATA(SATA(Serial ATA))アダプタ、小型コンピュータシステムインタフェース(SCSI(Small Computer System Interface))アダプタ、RAIDコントローラ、SANアダプタ、ネットワークアダプタ、及び/又はプロセッサ305に記憶デバイス134へのアクセスを提供する任意の構成要素を含み得る。
【0047】
メモリエリア310は、限定するものではないが、ダイナミックRAM(DRAM(dynamic RAM))又はスタティックRAM(SRAM(static RAM))などのランダムアクセスメモリ(RAM(random access memory))、リードオンリーメモリ(ROM(read-only memory))、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory))、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory))、並びに不揮発性RAM(NVRAM)を含み得る。上述のメモリの種類は単なる例にすぎず、それゆえ、コンピュータプログラムの記憶のために使用可能なメモリの種類に関する限定ではない。
【0048】
図4は、クライアントコンピューティングデバイス402の例示的な構成を示す。クライアントコンピューティングデバイス402は、限定するものではないが、クライアントシステム(「クライアントコンピューティングデバイス」)114を含み得る。クライアントコンピューティングデバイス402は、命令を実行するためのプロセッサ404を含む。実施形態によっては、実行可能命令がメモリエリア406内に記憶される。プロセッサ404は1つ以上の処理装置を(例えば、マルチコア構成で)含み得る。メモリエリア406は、実行可能命令及び/又は他のデータなどの情報が記憶され、取り出されることを可能にする任意のデバイスである。メモリエリア406は1つ以上のコンピュータ可読媒体を含み得る。
【0049】
クライアントコンピューティングデバイス402はまた、情報をユーザ400に提示するための少なくとも1つのメディア出力構成要素408を含む。メディア出力構成要素408は、情報をユーザ400へ伝える能力を有する任意の構成要素である。実施形態によっては、メディア出力構成要素408は、ビデオアダプタ及び/又はオーディオアダプタなどの出力アダプタを含む。出力アダプタはプロセッサ404に動作可能に結合されており、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ(LCD(liquid crystal display))、有機発光ダイオード(OLED(organic light emitting diode))ディスプレイ、陰極線管(CRT(cathode ray tube))、又は「電子インク」ディスプレイ)、或いは音声出力デバイス(例えば、スピーカ又はヘッドフォン)などの出力デバイスに動作可能に結合可能である。
【0050】
実施形態によっては、クライアントコンピューティングデバイス402は、ユーザ400からの入力を受信するための入力デバイス410を含む。入力デバイス410は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチ感知パネル(例えば、タッチパッド若しくはタッチスクリーン)、カメラ、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、及び/又は音声入力デバイスを含み得る。タッチスクリーンなどの単一の構成要素は、メディア出力構成要素408の出力デバイス、及び入力デバイス410の両方として機能し得る。
【0051】
クライアントコンピューティングデバイス402はまた、サーバシステム301又はウェブサーバなどのリモートデバイスに通信可能に結合可能である、通信インターフェース412を含み得る。通信インターフェース412は、例えば、携帯電話ネットワーク(例えば、移動通信用のグローバルシステム(GSM(Global System for Mobile communications))、3G、4G、5G、若しくはBluetooth)、又は他のモバイルデータネットワーク(例えば、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WIMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)))と共に使用するための有線若しくは無線ネットワークアダプタ又は無線データトランシーバを含み得る。
【0052】
メモリエリア406内に記憶されるのは、例えば、メディア出力構成要素408を介してユーザインターフェースをユーザ400に提供し、任意選択的に、入力デバイス410からの入力を受信し、処理するためのコンピュータ可読命令である。ユーザインターフェースは、他の可能性の中でもとりわけ、ウェブブラウザ及びクライアントアプリケーションを含み得る。ウェブブラウザは、ユーザ400が、通例、ウェブサーバからのウェブページ又はウェブサイト上に埋め込まれたメディア及び他の情報を表示し、それと対話することを可能にする。クライアントアプリケーションは、ユーザ400がサーバアプリケーションと対話することを可能にする。ユーザインターフェースは、ウェブブラウザ及びクライアントアプリケーションのうちの一方又は両方を介して、PPPコンピューティングデバイス112によって提供された有害生物圧力情報の表示を容易にする。クライアントアプリケーションは、(クライアントアプリケーションがPPPコンピューティングデバイス112と通信する)オンラインモード、及び(クライアントアプリケーションがPPPコンピューティングデバイス112と通信しない)オフラインモードの両方で動作する能力を有し得る。
【0053】
図5は、有害生物圧力データを生成するための例示的な方法500のフロー図である。方法500は、例えば、PPPコンピューティングデバイス112を用いて実施され得る。
【0054】
方法500は、地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信すること(502)を含む。例示的な実施形態では、捕集データは複数の捕集器の各々における現在の有害生物圧力及び履歴の有害生物圧力の両方を含む。捕集データは、例えば、捕集データソース206(
図2に示される)から受信され得る(502)。さらに、PPPコンピューティングデバイス112は、受信された(502)捕集データを分析し、追加のデータを生成し得る。例えば、受信された(502)捕集データから、PPPコンピューティングデバイス112は、(例えば、好適な上側及び下側閾値によって規定された)多数の異なる有害生物圧力レベルのために、各レベルにおける捕集器の数を決定し得る。さらに、PPPコンピューティングデバイス112は、多数の捕集器にわたる、及び/又は地理的場所の少なくとも部分にわたる平均有害生物圧力を決定し得る。この追加のデータは、本明細書において説明されるように、相関を識別し、未来の有害生物圧力を予測する際に用いられ得る。
【0055】
方法500は、地理的場所のための気象データ502を受信すること(504)をさらに含む。例示的な実施形態では、気象データは地理的場所のための現在及び履歴の両方の気象条件を含む。さらに、実施形態によっては、気象データは、地理的場所のための予測された未来の気象条件を含み得る。気象データは、例えば、気象データソース202(
図2に示される)から受信され得る(504)。
【0056】
例示的な実施形態では、方法500は、地理的場所のための画像データを受信すること(506)をさらに含む。画像データは、例えば、衛星及び/又はドローン画像データを含み得る。画像データは、例えば、画像化データソース204(
図2に示される)から受信され得る(506)。
【0057】
さらに、方法500は、地理的場所内、又は地理的場所の近位の少なくとも1つの地理空間的特徴を識別すること(508)を含む。
【0058】
本明細書で使用する時、「地理空間的特徴(geospatial feature)」は、有害生物圧力に影響を及ぼし得る地理的特徴又は構造を指す。例えば、地理的特徴は、水域(例えば、川、小川、湖等)、海抜特徴(例えば、山、丘、峡谷等)、輸送路(例えば、道路、鉄道線路等)、農場の場所、又は工場(例えば、綿花工場)を含み得る。
【0059】
一実施形態では、少なくとも地理空間的特徴は既存の地図データから識別される(508)。例えば、PPPコンピューティングデバイス112は、地図データソース(他のデータソース212(
図2に示される)など)から、以前に生成された地図(例えば、地形図、海抜地図、道路地図、測量図等)を取り出し得、以前に生成された地図は1つ以上の地理空間的特徴の境界を定めている。
【0060】
別の実施形態では、PPPコンピューティングデバイス112は、受信された(506)画像データを分析することによって1つ以上の地理空間的特徴を識別する(508)。例えば、PPPコンピューティングデバイス112はラスタ処理を画像データに適用し、デジタル海抜地図を生成し得、デジタル海抜地図の各ピクセル(又は他の同様の細区画)は海抜値に関連付けられる。次に、海抜値に基づいて、PPPコンピューティングデバイス112はデジタル海抜地図から1つ以上の地理空間的特徴を識別する(508)。例えば、海抜特徴及び/又は水域がこのような技法を用いて識別され得る。
【0061】
方法500は、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴に適用し(510)、有害生物圧力と少なくとも1つの地理空間的特徴との間の相関を識別することをさらに含む。機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴に適用すること(510)は、機械学習ベースのスキームを捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴に適用し(510)、有害生物圧力と少なくとも1つの地理空間的特徴との間の相関を識別することと見なされ得る。1つ以上の例示的な実施形態では、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴に適用すること(510)は、有害生物圧力と少なくとも1つの地理空間的特徴との間の関係(例えば、相関)に基づいて、有害生物捕集器に関連付けられた有害生物圧力値を決定することを含み得る。
【0062】
実施形態によっては、PPPコンピューティングデバイス112は、機械学習アルゴリズムを適用すること(510)によって、(例えば、有害生物捕集器の場所における)有害生物圧力が、少なくとも1つの識別された地理空間的特徴からの距離に基づいて変化すると決定し得る。例えば、PPPコンピューティングデバイス112は、水域の近位の場所において(例えば、水域における有害生物レベルの増大のゆえに)有害生物圧力がより高いと決定し得る。別の例では、PPPコンピューティングデバイス112は、輸送路の近位の場所において(例えば、輸送路に沿って輸送される物資の結果生じる有害生物レベルの増大のゆえに)有害生物圧力がより高いと決定し得る。さらに別の例では、PPPコンピューティングデバイス112は、工場の近位の場所において(例えば、工場において処理される物資の結果生じる有害生物レベルの増大のゆえに)有害生物圧力がより高いと決定し得る。さらに他の例では、PPPコンピューティングデバイス112は、少なくとも1つの識別された地理空間的特徴の近位の場所において有害生物圧力が低減されていると決定し得る。
【0063】
当業者は、機械学習アルゴリズムを適用すること(510)は、少なくとも1つの地理空間的特徴における有害生物圧力の間の他の相関を識別し得ることを理解するであろう。具体的には、機械学習アルゴリズムは、捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴を組み合わせて考慮し、人間の分析者では確認不可能であり得るそれらの異なる種類のデータの間の複雑な相互作用を検出する能力を有する。例えば、実施形態によっては、少なくとも1つの識別された地理空間的特徴と有害生物圧力との間の非距離ベースの相関が識別され得る。
【0064】
例えば、1つ以上の例示的な実施形態では、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴に適用すること(510)は、有害生物圧力と捕集データ(任意選択的に、捕集データは、昆虫データ、及び/又は昆虫の発育段階データを含む)との間の関係(例えば、相関)を特徴付けるモデル(例えば、機械学習モデル、有害生物ライフサイクルモデル)に基づいて、有害生物捕集器に関連付けられた有害生物圧力値を決定することを含み得る。さらに、1つ以上の例示的な実施形態では、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、画像データ、及び少なくとも1つの識別された地理空間的特徴に適用すること(510)は、有害生物圧力と、捕集データと、気象データとの間の関係(例えば、相関)を特徴付けるモデル(例えば、機械学習モデル)に基づいて、有害生物捕集器に関連付けられた有害生物圧力値を決定することを含み得る。
【0065】
さらに、実施形態によっては、第1の有害生物のための有害生物圧力が第2の異なる有害生物のための有害生物圧力と相関されてもよく、その相関がPPPコンピューティングデバイス112を用いて検出されてもよい。例えば、少なくとも1つの地理空間的特徴は、第2の有害生物のための既知の高い有害生物圧力を有する特定の農地である。本明細書において説明されるシステム及び方法を用いることで、PPPコンピューティングデバイス112は、特定の農地の近位の場所が、概して、特定の農地内の第2の有害生物の有害生物圧力レベルと相関する、第1の有害生物のための高い有害生物圧力を有すると決定し得る。これらの「有害生物間の」相関は、PPPコンピューティングデバイス112によって識別可能であるが、人間の分析者では識別不可能であろう複雑な関係であり得る。同様に、「作物間の」相関が、生産物異なる作物、近くの地理的場所の間でPPPコンピューティングデバイス112によって識別され得る。
【0066】
その後、方法500は、少なくとも識別された相関に基づいて、地理的場所のための予測された未来の有害生物圧力を生成すること(512)を含む。具体的には、PPPコンピューティングデバイス112は、識別された相関を、1つ以上のモデル、アルゴリズム等と組み合わせて用い、地理的場所のための未来の有害生物圧力値を予測する。例えば、PPPコンピューティングデバイス112は、散布タイマモデル、有害生物ライフサイクルモデル等を、識別された相関、捕集データ、気象データ、及び画像データと組み合わせて利用し、識別されたパターンに基づいて、予測された未来の有害生物圧力を生成し得る(512)。当業者は、他の種類のデータも、生成された(512)予測された未来の有害生物圧力に組み込まれ得ることを理解するであろう。例えば、以前に植えられた作物のデータ、隣接農場データ、農地水位データ、及び/又は土壌型データが、未来の有害生物圧力を予測する際に考慮され得る。1つ以上の例示的な方法では、方法500は、予測された未来の有害生物圧力に基づいて、地理的場所における有害生物圧力を監視するためのシステム、地理的場所における有害生物圧力を制御するためのシステム、及び/又は地理的場所における有害生物処置システムなどの、地理的場所における1つ以上の追加のシステムを制御するための制御信号を出力することをさらに含む。
【0067】
モデルの一例として、関心のある有害生物(例えば、昆虫、又は菌類)の発育段階は周囲温度によって支配され得る。したがって、「度日」モデルを用いて、(例えば、温度データから決定された)熱蓄積に基づいて有害生物の発育段階が予測され得る。
【0068】
生成された(512)予測された未来の有害生物圧力は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、ユーザコンピューティングデバイスへ伝送され、その上に表示され得る有害生物圧力予測データの一例である。例えば、予測された未来の有害生物圧力はユーザコンピューティングデバイスへ伝送され、ユーザコンピューティングデバイスに、予測された未来の有害生物圧力を、テキスト、グラフィカル、及び/又はオーディオ形式、或いは任意の他の好適な形式で提示させ得る。以下において詳細に説明されるように、実施形態によっては、予測された未来の有害生物圧力を示す1つ以上のヒートマップがユーザコンピューティングデバイス上に表示される。
【0069】
生成された(512)予測された未来の有害生物圧力から、実施形態によっては、本明細書において説明されるシステム及び方法はまた、予測された未来の有害生物圧力に対処するための地理的場所のための処置勧告を(例えば、機械学習を用いて)生成するために用いられ得る。例えば、現場における未来の有害生物圧力の正確な予測を用いて、PPPコンピューティングデバイス112は、高い有害生物圧力の未来レベルを軽減するための地理的場所のための処置計画を自動的に生成し得る。処置計画は、例えば、1種以上の物質(例えば、殺虫剤、肥料等)、及びそれらの1種以上の物質が施されるべき特定の時間(例えば、毎日、毎週等)を指定し得る。代替的に、処置計画は、予測された未来の有害生物圧力を考慮して農業実績を改善することを容易にするための他のデータを含み得る。
【0070】
さらに、実施形態によっては、生成された(512)予測された未来の有害生物圧力は、追加のシステムを制御するために(例えば、PPPコンピューティングデバイス112によって)用いられる。一実施形態では、有害生物圧力を監視するためのシステム(例えば、有害生物捕集器を含むシステム)が、予測された未来の有害生物圧力に基づいて制御され得る。例えば、PPPコンピューティングデバイス112は、未来の有害生物圧力に基づいて、有害生物圧力を監視するためのシステム、有害生物圧力を制御するためのシステム、及び/又は有害生物処置システムなどの、1つ以上の追加のシステムを制御するための制御信号を出力するように構成され得る。例えば、ヒートマップコンピューティングデバイスは、未来の有害生物圧力に基づいて、有害生物圧力を監視するためのシステム、有害生物圧力を制御するためのシステム、及び/又は有害生物処置システムなどの、1つ以上の追加のシステムを制御するための制御信号を出力するように構成され得る。例えば、1つ以上の有害生物捕集器によって報告される捕集データの報告頻度及び/又は種類が、予測された未来の有害生物圧力に基づいて変更され得る。別の例では、(例えば、殺虫剤を散布するための)散布機器又は他の農業機器が、予測された未来の有害生物圧力に基づいて制御され得る。
【0071】
上述されたように、PPPコンピューティングデバイス112はまた、有害生物圧力予測データを用いて1つ以上のヒートマップを生成し得る。本説明の目的のために、PPPコンピューティングデバイス112は、本明細書において、ヒートマップ生成コンピューティングデバイス112と称され得る。
【0072】
図6は、ヒートマップを生成するための例示的な方法600のフロー図である。方法600は、例えば、ヒートマップ生成コンピューティングデバイス112(
図1に示される)を用いて実施され得る。
【0073】
方法600は、地理的領域内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信すること(602)を含む。例示的な実施形態では、捕集データは複数の捕集器の各々における現在の有害生物圧力及び履歴の有害生物圧力の両方を含む。捕集データは、例えば、捕集データソース206(
図2に示される)から受信され得る(602)。
【0074】
さらに、方法600は、地理的場所のための気象データを受信すること(604)を含む。例示的な実施形態では、気象データは地理的場所のための現在及び履歴の両方の気象条件を含む。さらに、実施形態によっては、気象データは、地理的場所のための予測された未来の気象条件を含み得る。気象データは、例えば、気象データソース202(
図2に示される)から受信され得る(604)。
【0075】
例示的な実施形態では、方法600は、地理的場所のための画像データを受信すること(606)をさらに含む。画像データは、例えば、衛星及び/又はドローン画像データを含み得る。画像データは、例えば、画像化データソース204(
図2に示される)から受信され得る(606)。
【0076】
方法600は、機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、及び画像データに適用し(608)、複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することをさらに含む。
【0077】
加えて、方法600は、第1のヒートマップを生成すること(610)と、第2のヒートマップを生成すること(612)とを含む。例示的な実施形態では、第1のヒートマップは第1の時点に関連付けられており、第2のヒートマップは異なる第2の時点に関連付けられている。第1及び第2のヒートマップは以下のように生成され得る(610、612)。
【0078】
例示的な実施形態では、各ヒートマップは、複数のノードを地理的場所のマップ上にプロットすることによって生成される。各ノードは複数の有害生物捕集器のうちの特定の有害生物捕集器の場所に対応する。さらに、例示的な実施形態では、各ノードは、関連時点における対応する試験捕集器のための有害生物圧力値を表す色で表示される。一例では、各ノードは、緑色(低い有害生物圧力値を指示する)、黄色(中程度の有害生物圧力値を指示する)、又は赤色(高い有害生物圧力値を指示する)で表示される。
図7~
図9において、緑色は斜線パターンによって指示されており、黄色はクロスハッチパターンによって指示されており、赤色はドットパターンによって指示されている。当業者は、他の数の色及び異なる色が、本明細書において説明される実施形態において用いられてもよいことを理解するであろう。ヒートマップに関連付けられた時点に応じて、ノードの色は、過去の有害生物圧力値(時点が過去におけるものである、例えば、現在の日付の前、又は捕集データの直近の読み取りの日付の前の特定の日である場合)、現在の有害生物圧力値(時点が現在である、例えば、現在の日付、又は捕集データの直近の読み取りの日付である場合)、或いは予測された未来の有害生物圧力値(時点が未来におけるものである、例えば、現在の日付の後、又は捕集データの直近の読み取りの日付の後の特定の日である場合)を指示し得る。未来の予測された有害生物圧力値は、本明細書において説明されるように、例えば、機械学習アルゴリズムを用いて生成され得る。
【0079】
ヒートマップを完成させるために、色付けられたノードを含むマップの残りの部分のうちの少なくとも一部が色付けられる。具体的には、マップの残りの部分が、有害生物圧力値の連続マップを生成するために色付けられる。例示的な実施形態では、残りの部分は、複数のノードにおける有害生物圧力値の間を補間することによって色付けられる。
【0080】
一実施形態では、補間は逆距離加重法(IDW(inverse distance weighting))アルゴリズムを用いて遂行され、マップの残りの部分上の点はノードにおける既知の有害生物圧力値からのそれらの距離に基づいて色付けられる。例えば、このような実施形態では、ノードを有しない場所のための有害生物圧力値は逆距離の近くのノードの加重平均に基づいて算出され得る。本実施形態は、特定の地点における有害生物圧力は、(より遠いノードとは対照的に)より近いノードによってより強く影響を受けることになるという仮定の下で機能する。他の実施形態では、補間は、ノードからの距離に加えて、又はその代わりに、他の基準に基づいて遂行され得る。
【0081】
マップの残りの部分のうちの少なくとも一部のために(上述されたように、補間を用いて)生成された有害生物圧力値を用いて、それらの部分は、生成された有害生物圧力値に基づいて色付けられる。ノードと同様に、一例では、緑色は低い有害生物圧力値を指示し、黄色は中程度の有害生物圧力値を指示し、赤色は高い有害生物圧力値を指示する。異なる色のための閾値は、例えば、履歴の有害生物圧力に基づいて設定され得、経時的に(自動的に、又はユーザ入力に基づいて)調整され得る。当業者は、これらの3つの色は単なる例にすぎず、任意の好適な色付けスキームが、本明細書において説明されるヒートマップを生成するために用いられ得ることを理解するであろう。
【0082】
例示的な実施形態では、第1及び第2のヒートマップは、データベース120(
図1に示される)などの、データベース内に記憶される。したがって、本実施形態では、ユーザがユーザデバイス(例えば、モバイルコンピューティングデバイス)上のヒートマップを見る際に、後述されるように、ヒートマップはすでに、ヒートマップ生成コンピューティングデバイス112によって以前に生成され、記憶されている。代替的に、ヒートマップはユーザの要求に基づいてリアルタイムに生成され、表示され得る。
【0083】
生成された(610、612)第1及び第2のヒートマップを用いて、例示的な実施形態では、方法600は、ユーザインターフェースにタイムラプスヒートマップを表示させること(614)をさらに含む。ユーザインターフェースは、例えば、クライアントデバイス114(
図1及び
図2に示される)上に表示されるユーザインターフェースであり得る。ユーザインターフェースは、例えば、クライアントデバイス114上にインストールされたアプリケーション(例えば、ヒート生成コンピューティングデバイス112を動作させる主体によって提供されたアプリケーション)を介して実施され得る。1つ以上の例示的な方法では、方法600は、予測された未来の有害生物圧力に基づいて、有害生物圧力を監視するためのシステム、有害生物圧力を制御するためのシステム、及び/又は有害生物処置システムなどの、1つ以上の追加のシステムを制御するための制御信号を出力することをさらに含む。
【0084】
タイムラプスヒートマップはアニメーションをユーザインターフェース上に表示する。具体的には、例示的な実施形態では、タイムラプスヒートマップは、後述されるように、経時的に、複数の以前に生成されたヒートマップ(例えば、第1及び第2のヒートマップ)の間で動的に遷移する。したがって、動的ヒートマップを見ることによって、ユーザは地理的領域のための経時的な有害生物圧力の変化を容易に見て理解することができる。タイムラプスヒートマップは地理的領域のための過去、現在、及び/又は未来の有害生物圧力値を表示し得る。
【0085】
例示的な実施形態では、第2の時点のための第2のヒートマップは、予測された有害生物圧力値を用いて生成され、この第2の時点は、機械学習アルゴリズム内に組み込まれた(例えば、捕集データ内に含まれる)最も直近の現在及び履歴の有害生物圧力値の時間よりも遅い時点を指すことを理解されたい。すなわち、第2の時点は、このような実施形態では、未来の時点を指す。
【0086】
第1の時点のための第1のヒートマップに関して、例示的な実施形態では、これは、第2の時点よりも早い時点のための有害生物圧力値を用いて生成される。したがって、第1のヒートマップを生成するために用いられる有害生物圧力値は、概して、現在又は履歴のどちらかの有害生物圧力値である。別の実施形態では、第1の時点も未来の時点であるが、第2の時点とは異なる時点である。それゆえ、第1のヒートマップを生成するために用いられる有害生物圧力値も同様に、予測された有害生物圧力値である。
【0087】
本開示の範囲内において、本明細書においてなされる「第1のヒートマップ」及び「第2のヒートマップ」への、並びに「第1及び第2のヒートマップ」への言及は、第1の時点と第2の時点との間の様々な時点のための有害生物圧力値(例えば、場合により、現在の、履歴の、又は予測された有害生物圧力値)を用いて1つ以上の(例えば、複数の)「中間ヒートマップ」が生成されることを暗示し得ることを理解されたい。このような場合には、タイムラプスヒートマップは、経時的な、第1のヒートマップと、1つ以上の中間ヒートマップと、第2のヒートマップとの間の動的遷移を表示する。一実施形態では、中間ヒートマップは、予測された有害生物圧力値を用いて生成された1つ以上の(例えば、複数の)中間ヒートマップを含む。別の実施形態では、中間ヒートマップは、現在及び/又は履歴の有害生物圧力値を用いて生成された1つ以上の(例えば、複数の)中間ヒートマップを含む。さらに別の実施形態では、中間ヒートマップは、予測された有害生物圧力値を用いて生成された1つ以上の(例えば、複数の)中間ヒートマップ、並びに現在及び/又は履歴の有害生物圧力値を用いて生成された1つ以上の(例えば、複数の)中間ヒートマップを含む。
【0088】
一実施形態では、タイムラプスヒートマップを表示するために、次のヒートマップに瞬時に遷移する前に、各々の以前に生成されたヒートマップが短い期間の間、(例えば、スライドショー形式で)表示される。代替的に、実施形態によっては、ヒートマップ生成コンピューティングデバイス112は連続したヒートマップの間を時間的に補間し、それらのヒートマップの間の遷移データを(例えば、機械学習を用いて)生成する。このような実施形態では、タイムラプスヒートマップは、一連の静止画像の代わりに、経時的な有害生物圧力の滑らかな進展を表示する。
【0089】
図7は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、コンピューティングデバイス上に表示され得るユーザインターフェースの第1のスクリーンショット700である。コンピューティングデバイスは、例えば、モバイルコンピューティングデバイスであり得る。
【0090】
第1のスクリーンショット700は、農地706を含む領域704内の特定の有害生物及び作物に関連付けられた有害生物圧力を表示する有害生物圧力ヒートマップ702を含む。第1のスクリーンショット700に示される例では、有害生物はワタミハナゾウムシ(boll weevil)であり、作物は綿花である。当業者は、本明細書において説明されるヒートマップは任意の好適な有害生物及び作物のための有害生物圧力情報を表示し得ることを理解するであろう。さらに、実施形態によっては、ヒートマップは、同じ作物における複数種の有害生物、複数種の作物における1種の有害生物、又は複数種の作物における複数種の有害生物のための有害生物圧力を表示し得る。
【0091】
図7に示されるように、農地706は農地境界708によってヒートマップ702上で境界を定められている。農地境界708は、例えば、農地706に関連付けられた栽培者によって提供された情報に基づいてヒートマップ生成コンピューティングデバイス112によってヒートマップ702上にプロットされ得る。例えば、栽培者は、栽培者データソース210(
図2に示される)などの、栽培者コンピューティングデバイスからヒートマップ生成コンピューティングデバイス112に情報を提供し得る。
【0092】
ヒートマップ702は、農地706内の3つの有害生物捕集器に対応する、3つのノード710を含む。
図7に示されるように、各ノード710は、関連付けられた色(ここでは、2つの赤色のノード及び1つの黄色のノード)を有する。さらに、ヒートマップ702内において、ノード710を含まない場所は、ノード710における有害生物圧力値を補間することによって色付けられ、有害生物圧力値の連続マップを生成する。
図7には3つのノード710のみが示されているが、当業者は、追加の有害生物捕集器が、ヒートマップ702の部分を色付けるために用いられ得ることを理解するであろう。本例では、ヒートマップ702は、特定の時点における有害生物圧力を示す静的ヒートマップ(例えば、上述された第1及び第2のヒートマップのうちの一方)である。
【0093】
第1のスクリーンショット700は、ユーザによって選択されたときに、本明細書において説明されるように、タイムラプスヒートマップを表示させるタイムラプスボタン712をさらに含む。
【0094】
図8は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、コンピューティングデバイス上に表示され得るユーザインターフェースの第2のスクリーンショット800である。具体的には、第2のスクリーンショット800はヒートマップ702の拡大図を示す。拡大図は、例えば、ユーザがユーザインターフェース上で選択を行い、ズームレベルを変更したことに応じて生成され得る。
【0095】
図8に示されるように、第1のスクリーンショット700内には示されない追加の情報が拡大図内に示される。例えば、今度は、追加のノード802(追加の捕集器を表す)が見える。さらに、関連付けられた捕集器名が各ノード710と共に表示される。例示的な実施形態では、拡大図内において、ユーザは特定のノード710を選択し、ユーザインターフェースにそのノード710のための有害生物圧力データを表示させることができる。これは以下において
図10に関連してより詳細に説明される。
【0096】
図9は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、コンピューティングデバイス上に表示され得るユーザインターフェースの第3のスクリーンショット900である。具体的には、第3のスクリーンショット900はタイムラプスヒートマップ902を示す。タイムラプスヒートマップ902は、例えば、ユーザがタイムラプスボタン712(
図7及び
図8に示される)を選択したことに応じて表示され得る。
【0097】
図9に示されるように、タイムライン904がタイムラプスヒートマップ902に関連して表示される。タイムライン904は、ユーザが、有害生物圧力が現在どの時間のために示されているのかを迅速に決定することを可能にする。タイムライン904は、例示的な実施形態では履歴及び未来の日付を含む、ある範囲の日付を示している。さらに、タイムライン904は、現在(すなわち、現在時間)を指示する現在時間標識906、及びどの時間が、タイムラプスヒートマップ902上に示された有害生物圧力に関連付けられているのかを指示する選択時間標識908を含む。
【0098】
例えば、
図9では、タイムライン904は1月5日~2月2日に及び、現在の日は1月26日であり、タイムラプスヒートマップ902は1月29日のための有害生物圧力を示している。特に、選択時間標識908が現在時間標識906よりも遅いため、
図9に示される有害生物圧力は、予測された未来の有害生物圧力である。
【0099】
一実施形態では、ユーザは、(例えば、選択時間標識908を選択し、ドラッグすることによって)選択時間標識908を調整し、どの時間がタイムラプスヒートマップ902によって表示されるのかを操作することができる。さらに、例示的な実施形態では、ユーザが起動アイコン910を選択したとき、タイムラプスヒートマップ902はアニメーションとして表示され、異なる静的ヒートマップの間で自動的に遷移し、経時的な有害生物圧力の進展を示す。スクリーンショット900内には停止アイコン912も示されている。ユーザが起動アイコン910を以前に選択していた場合には、ユーザは停止アイコン912を選択し、アニメーションを停止し、タイムラプスヒートマップ902を所望の時点において静止させることができる。
【0100】
図10は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、コンピューティングデバイス上に表示され得るユーザインターフェースの第4のスクリーンショット1000である。具体的には、第4のスクリーンショット1000は特定の捕集器のための有害生物圧力データ1002を示す。有害生物圧力データ1002は、例えば、(
図8を参照して上述されたように)ユーザが特定のノード710を選択したことに応じて表示され得る。一実施形態では、有害生物圧力データ1002は、経時的な有害生物圧力(例えば、現在及び履歴の有害生物圧力)を表示するグラフィカルデータ1004、並びに予測された未来の有害生物圧力を要約するテキストデータ1006を含む。
【0101】
図11は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、コンピューティングデバイス上に表示され得るユーザインターフェースの第5のスクリーンショット1100を示す。第5のスクリーンショット1100は複数のユーザインターフェースオブジェクトを示している。ユーザインターフェースオブジェクトは、本明細書において、コンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示されるオブジェクトのグラフィカル表現を指す。ユーザインターフェースオブジェクトはユーザ対話式であるか、又はユーザ入力によって選択可能であり得る。例えば、画像(例えば、アイコン)、ボタン、及びテキスト(例えば、ハイパーリンク)が各々、ユーザインターフェースオブジェクトを任意選択的に構成する。ユーザインターフェースオブジェクトは任意の形状、任意の色、及び/又は任意の形態で表示され得る。第5のスクリーンショット1100は、農地境界を表すユーザインターフェースオブジェクト1101、及び農地境界の外部の有害生物捕集器を表すユーザインターフェースオブジェクト1104を示している。具体的には、第5のスクリーンショット1100は、現在の期間(現在の月、現在の週、現在の時期など)内の時点に関連付けられた現在の有害生物圧力値を指示するヒートマップを表すユーザインターフェースオブジェクト1102を示している。時点は、
図9のスクリーンショット900上で、及びより具体的には、時間標識908を、906によって指示された所望の日付に配置することによって選択されていてもよい。具体的には、第5のスクリーンショット1100は、履歴の期間(現在の月に対応する前年の月、現在の週に対応する前年の週、現在の時期に対応する前年の時期など)内の時点に関連付けられた履歴の有害生物圧力値(又はそれらを指示するヒートマップ)を表すユーザインターフェースオブジェクト1103を含むヒートマップを示している。ユーザインターフェースオブジェクト1103は、例えば、ユーザインターフェースオブジェクト1105を用いたユーザ入力によって選択された対応する過去の時期などの、過去の時間又は過去の期間に従って表示され得る。1つ以上の例では、ヒートマップ生成コンピューティングデバイス、及び/又はクライアントデバイス、及び/又はモバイルコンピューティングデバイスは、現在の期間内の時点に関連付けられた現在の有害生物圧力値を指示するヒートマップを表すユーザインターフェースオブジェクト1102を、現在の期間に対応する履歴又は過去の期間(前年内の同じ時期など)内の時点に関連付けられた履歴の有害生物圧力値を表すユーザインターフェースオブジェクト1103と共に同時に表示する(例えば、重畳する、及び/又は重ね合わせる)ように構成され得る。例えば、履歴の有害生物圧力値は過去の栽培期のための履歴の有害生物圧力を含む。例えば、第5のスクリーンショット1100は、ユーザによって選択されたとき、履歴の有害生物圧力値のための期間の選択を1103によって表示させるユーザインターフェースオブジェクト1105を示している。
【0102】
ユーザインターフェースオブジェクト1102及び1103は任意の形状又は形態で表示され得、
図11に示される形状に限定されない。例えば、ユーザインターフェースオブジェクト1102及び1103は、互いの上に重畳されるか、又は重ね合わせられ、対応する有害生物圧力値を指示する色及び/又はテクスチャを有する、(例えば、円盤又は環として形状設定された)2つのユーザインターフェースオブジェクトとして表示され得る。一部の領域では、及び一部の作物については、暦年は実際には2つの(又はそれより多い)栽培期を有し得ることが理解され得る。本開示の技法を用いると、栽培者は、現在の時期のための実際の有害生物圧力値を過去の時期のための履歴の有害生物圧力値と比較するために用いることができる情報を提供される。同じ技法が、現在の期間又は時期のための予測された未来の有害生物圧力値を、対応する過去の時期のための履歴の有害生物圧力値と比較するために適用され得る。ユーザインターフェースは、履歴の有害生物圧力値を表すユーザインターフェースオブジェクトの表示と、現在の有害生物圧力値を表すユーザインターフェースオブジェクトの表示とをトグルする、又は切り替えるためのユーザ入力を受け付けるように構成されたユーザインターフェースオブジェクトを含み得る。
【0103】
ユーザインターフェースは、第1の期間の(例えば、現在の期間のための)有害生物圧力値を表すユーザインターフェースオブジェクトの表示と、第2の期間(例えば、履歴の期間)の有害生物圧力値を表すユーザインターフェースオブジェクトの表示とをトグルする、又は切り替えるためのユーザ入力を受け付けるように構成されたユーザインターフェースオブジェクトを含み得る。
【0104】
図12は、クライアントシステム114(
図1及び
図2に示される)などの、コンピューティングデバイス上に表示され得るユーザインターフェースの第6のスクリーンショット1200である。具体的には、第6のスクリーンショット1200は特定の捕集器のための有害生物圧力データ1202を示す。有害生物圧力データ1202は、例えば、(
図8を参照して上述されたように)ユーザが特定のノード710を選択したことに応じて表示され得る。一実施形態では、有害生物圧力データ1202は、経時的な有害生物圧力値(例えば、現在の期間のための有害生物圧力値)を表示するグラフィカルデータ1204、現在の期間に対応する履歴又は過去の期間(昨年の、又は別の以前の年の7月21日~8月10日など)のための経時的な履歴の有害生物圧力値を表示するグラフィカルデータ1208、並びに任意選択的に、予測された未来の有害生物圧力を要約するテキストデータ1206を含む。特定の過去の時期又は特定の過去の年などの、1208を表示するための履歴又は過去の期間は、ユーザがユーザインターフェースオブジェクト1210を用いることによって選択され得る。スクリーンショット1200はまた、ユーザが、過去の期間がすでに選択された
図11のスクリーンショット1100内の捕集器を選択したことに応じて表示され得る。
【0105】
さらに、実施形態によっては、生成されたヒートマップは、追加のシステムを制御することを容易にする。一実施形態では、有害生物圧力を監視するためのシステム(例えば、有害生物捕集器を含むシステム)が、ヒートマップに基づいて(例えば、有害生物予測コンピューティングデバイス及び/又はヒートマップ生成コンピューティングデバイスによって)制御され得る。例えば、1つ以上の有害生物捕集器によって報告される捕集データの報告頻度及び/又は種類がヒートマップに基づいて変更され得る。別の例では、(例えば、殺虫剤を散布するための)散布機器又は他の農業機器がヒートマップに基づいて制御され得る。
【0106】
本システムによって対処される技術的問題のうちの少なくとも1つは、i)有害生物圧力を正確に監視することができないこと、ii)未来の有害生物圧力を正確に予測することができないこと、及びiii)有害生物圧力情報を、包括的な、直裁的な仕方でユーザに通信することができないことを含む。
【0107】
本明細書において説明される実施形態によってもたらされる技術的効果は、少なくとも、i)有害生物圧力をリアルタイムに監視すること、ii)機械学習を用いて未来の有害生物圧力を正確に予測すること、iii)予測された未来の有害生物圧力に基づいて他のシステム又は機器を制御すること、iv)有害生物圧力を示す包括的ヒートマップを生成すること、v)経時的な有害生物圧力の変化を動的に表示するタイムラプスヒートマップを生成すること、並びにvi)生成されたヒートマップに基づいて他のシステム又は機器を制御することを含む。
【0108】
さらに、本明細書において説明されるシステム及びプロセスの技術的効果は、以下のステップのうちの少なくとも1つを遂行することによって達成される:(i)地理的場所内の複数の有害生物捕集器のための捕集データを受信することであって、捕集データが複数の有害生物捕集器の各々における現在及び履歴の有害生物圧力値を含む、受信することと、(ii)地理的場所のための気象データを受信することと、(iii)地理的場所のための画像データを受信することと、(iv)機械学習アルゴリズムを捕集データ、気象データ、及び画像データに適用し、複数の有害生物捕集器の各々における予測された未来の有害生物圧力値を生成することと、(v)第1の時点のための第1のヒートマップ及び第2の時点のための第2のヒートマップを生成することであって、第2のヒートマップが、予測された未来の有害生物圧力値を用いて生成され、第1及び第2のヒートマップが、a)複数のノードを地理的場所のマップ上にプロットすることであって、各ノードが複数の有害生物捕集器のうちの1つに対応し、各ノードが、関連時点における対応する有害生物捕集器のための有害生物圧力値を表す色を有する、プロットすること、及びb)関連時点における複数のノードに関連付けられた有害生物圧力値の間を補間することによって、地理的場所のマップの少なくとも一部の残りの部分を色付け、地理的場所のための有害生物圧力値の連続マップを生成すること、によって各々生成される、生成することと、(vi)第1及び第2のヒートマップをモバイルコンピューティングデバイスへ伝送し、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースに、経時的に第1のヒートマップと第2のヒートマップとの間で動的に遷移するタイムラプスヒートマップを表示させることであって、ユーザインターフェースが、モバイルコンピューティングデバイス上にインストールされたアプリケーションを介して実施される、表示させること。
【0109】
本明細書において説明される実施形態におけるプロセッサ又は処理要素は人口知能を採用し、及び/又は教師あり若しくは教師なし機械学習を用いて訓練され得、機械学習プログラムは、畳み込みニューラルネットワーク、深層学習ニューラルネットワーク、或いは関心のある2つ以上の農地又は区域内で学習する複合学習モジュール又はプログラムであり得る、ニューラルネットワークを採用し得る。機械学習は、その後のデータのための予測を行うことを容易にするために、既存のデータ内のパターンを識別し、認識することを含み得る。モデルは、新規の入力のための妥当で信頼性のある予測を行うために事例入力に基づいて作成され得る。
【0110】
加えて、又は代替的に、機械学習プログラムは、画像データ、テキストデータ、レポートデータ、及び/又は数値解析などの、サンプルデータセット又は特定のデータをプログラムに入力することによって訓練され得る。機械学習プログラムは、主としてパターン認識に特化し得る深層学習アルゴリズムを利用し得、複数の事例を処理した後に訓練済みになり得る。機械学習プログラムは、ベイズプログラム学習(BPL(Bayesian program learning))、音声認識及び合成、画像又は物体認識、光学的文字認識、並びに/或いは自然言語処理を - 個々に、又は組み合わせて - 含み得る。機械学習プログラムはまた、自然言語処理、意味解析、自動推論、及び/又は機械学習を含み得る。
【0111】
教師あり機械学習では、処理要素が事例入力及びそれらの関連出力を提供され得、入力を出力に対応付ける一般規則を発見することを追求し得、これにより、その後の新規の入力が提供されたとき、処理要素は、発見された規則に基づいて、正しい出力を正確に予測し得る。教師なし機械学習では、処理要素は、ラベルのない事例入力におけるその独自の構造を見出すことが必要とされ得る。一実施形態では、機械学習技法は、コンピュータデバイス、コンピュータデバイスのユーザ、コンピュータデバイスをホストするコンピュータネットワーク、コンピュータデバイス上で実行するサービスに関するデータ、及び/又は他のデータを抽出するために用いられ得る。
【0112】
これらの分析に基づいて、処理要素は、捕集データ、気象データ、画像データ、地理空間を(例えば、1つ以上のモデルを用いて)分析し、未来の有害生物圧力を予測することに次に適用され得る、特徴及びパターンをどのように識別するのかを学習し得る。
【0113】
本明細書で使用する時、用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びサブモジュール、或いは任意のデバイス内の他のデータなどの、情報の短期及び長期記憶のための任意の方法又は技術で実施される任意の有形のコンピュータベースのデバイスを表すことが意図されている。したがって、本明細書において説明される方法は、限定するものではないが、記憶デバイス及び/又はメモリデバイスを含む、有形の非一時的コンピュータ可読媒体内に組み込まれる実行可能命令として符号化され得る。このような命令は、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、本明細書において説明される方法の少なくとも部分を遂行させる。さらに、本明細書で使用する時、用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は、揮発性媒体及び不揮発性媒体、並びにファームウェア、物理記憶装置及び仮想記憶装置、CD-ROM、DVD、及びネットワーク若しくはインターネットなどの任意の他のデジタルソースなどの取り外し可能及び非取り外し可能媒体を含む、ただし、これらに限定されない、非一時的コンピュータ記憶デバイス、並びに未開発のデジタル手段を含む、ただし、これらに限定されない、全ての有形のコンピュータ可読媒体を含み、一時的な伝搬信号を唯一の例外とする。
【0114】
本明細書は、例を用いて、最良の形態を含む開示を開示し、さらに、任意のデバイス又はシステムを作製し、使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を遂行することなど、任意の当業者が実施形態を実施することを可能にする。本開示の特許可能な範囲はクレームによって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。このような他の例は、それらが、クレームの文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが、クレームの文言とごくわずかな相違しかない等価な構造要素を含む場合には、クレームの範囲に入ることが意図されている。