(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-25
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20230828BHJP
【FI】
G06Q30/0273
(21)【出願番号】P 2023012521
(22)【出願日】2023-01-31
【審査請求日】2023-03-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-083213(JP,A)
【文献】特開2010-039916(JP,A)
【文献】特開2012-216013(JP,A)
【文献】特開2007-004345(JP,A)
【文献】特開2016-146005(JP,A)
【文献】特開2014-153980(JP,A)
【文献】吉田直邦、宍戸暉,QONECT AI LABO SNS統合アプリがAI/AR技術でリアルと相互接続し、経済活動は変革する,フォーブス ジャパン ,株式会社アトミックスメディア,2018年07月26日,第5巻 第10号,第94-95ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報
の配布履歴を特定するためのトークンであって、前記広告情報が前記広告情報の配布元から前記広告情報の配布先に配布されるごとに生成される前記トークンのブロックチェーン
へのトランザクションの記録を制御する記録制御部と、
前記
ブロックチェーンのトランザクションを参照して特定した前記広告情報の配布履歴に基づき、前記広告情報を配布した配布者から前記広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、前記配布者から前記直接受取者を経由して前記広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する特定部と、
前記直接受取者数と前記間接受取者数とに基づいて、前記配布者に付与する報酬を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記報酬を、前記配布者に付与する付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記記録制御部は、前記広告情報をさらに含む前記トークンのブロックチェーンへの記録を制御する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記広告情報が前記広告情報の配布元から前記広告情報の配布先に配布されるごとに、前記トークンを生成するトークン生成部をさらに有し、
前記記録制御部は、前記トークン生成部が生成した前記トークンを前記ブロックチェーンに記録する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記トークン生成部は、前記広告情報の配布先を示す情報と、前記広告情報の配布元を示す情報とを含む前記トークンを生成する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定のサービスは、デジタルコンテンツを提供するサービスであり、
前記広告情報は、前記デジタルコンテンツに関するデータが記録されている場所を示す場所情報を含み、
前記トークン生成部は、前記広告情報に含まれる場所情報を含む前記トークンを生成する、
請求項
3又は
4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記配布者及び前記広告情報を受け取った受取者のうちのいずれかが使用する端末が生成した前記トークンを取得するトークン取得部をさらに有し、
前記記録制御部は、前記トークン取得部が取得した前記トークンを前記ブロックチェーンに記録する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記間接受取者数が多いほど、価値が高い前記報酬を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記広告情報を受け取った受取者が前記広告情報の前記所定の商品を購入した購入履歴、又は前記受取者が前記広告情報の前記所定のサービスを利用した利用履歴を取得する履歴取得部をさらに有し、
前記決定部は、前記履歴取得部が取得した前記購入履歴又は前記利用履歴を参照し、さらに、前記広告情報の前記所定の商品を購入した前記間接受取者数が多いほど、又は前記広告情報の前記所定のサービスを利用した前記間接受取者数が多いほど、価値が高い前記報酬を決定する、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、複数の前記配布者それぞれの前記報酬を決定し、
前記情報処理装置は、前記決定部が決定した前記複数の配布者それぞれの前記報酬の価値に基づく前記複数の配布者のランキングを示す情報を、前記配布者に提示する提示部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報
の配布履歴を特定するためのトークンであって、前記広告情報が前記広告情報の配布元から前記広告情報の配布先に配布されるごとに生成される前記トークンのブロックチェーン
へのトランザクションの記録を制御するステップと、
前記
ブロックチェーンのトランザクションを参照して特定した前記広告情報の配布履歴に基づき、前記広告情報を配布した配布者から前記広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、前記配布者から前記直接受取者を経由して前記広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定するステップと、
前記直接受取者数と前記間接受取者数とに基づいて、前記配布者に付与する報酬を決定するステップと、
決定した前記報酬を、前記配布者に付与するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報
の配布履歴を特定するためのトークンであって、前記広告情報が前記広告情報の配布元から前記広告情報の配布先に配布されるごとに生成される前記トークンのブロックチェーン
へのトランザクションの記録を制御する記録制御部、
前記
ブロックチェーンのトランザクションを参照して特定した前記広告情報の配布履歴に基づき、前記広告情報を配布した配布者から前記広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、前記配布者から前記直接受取者を経由して前記広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する特定部、
前記直接受取者数と前記間接受取者数とに基づいて、前記配布者に付与する報酬を決定する決定部、及び
前記決定部が決定した前記報酬を、前記配布者に付与する付与部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告を配布した結果に対する報酬を、広告を配布した配布者に付与するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、広告主から広告を受領したユーザが、自身のフォローユーザに広告を配布し、フォローユーザの行動(クリック、閲覧、ダウンロード等)の統計データから広告配布に対する報酬をユーザに付与することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術にかかるシステムは、広告を直接配布したフォローユーザへの配布数やフォローユーザの行動等に応じて広告配布ユーザに対する報酬額を決定するものであるが、このようなシステムの場合、フォロワーユーザにより広告をさらに再配布されたフォロワーが広告を広く拡散するケース等、間接的に配布された者の行動に起因する広告配布ユーザの貢献度は考慮されていない。そのため、広告配布ユーザにおける広告を配布するモチベーションが自身のフォロワーユーザに依存してしまい、配布される配布数が向上しづらい場合があった。また、広告を配布するユーザ全体に対する報酬を付与する具体的な仕組みが無く、広告主から直接広告を受領しないユーザ(フォローユーザ等)は広告を拡散したとしても報酬が付与されないため、ユーザによっては受領した広告を拡散するモチベーションが無い場合もあった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、広告が配布される配布数を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御する記録制御部と、前記トランザクションを参照して特定した前記広告情報の配布履歴に基づき、前記広告情報を配布した配布者から前記広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、前記配布者から前記直接受取者を経由して前記広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する特定部と、前記直接受取者数と前記間接受取者数とに基づいて、前記配布者に付与する報酬を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記報酬を、前記配布者に付与する付与部と、を有する。
【0007】
前記記録制御部は、前記トランザクションの記録の制御として、前記配布履歴を特定するためのトークンのブロックチェーンへの記録を制御してもよい。
前記記録制御部は、前記広告情報をさらに含む前記トークンのブロックチェーンへの記録を制御してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記広告情報が前記広告情報の配布元から前記広告情報の配布先に配布されるごとに、前記トークンを生成するトークン生成部をさらに有してもよいし、前記記録制御部は、前記トークン生成部が生成した前記トークンを前記ブロックチェーンに記録してもよい。
【0009】
前記トークン生成部は、前記広告情報の配布先を示す情報と、前記広告情報の配布元を示す情報とを含む前記トークンを生成してもよい。
【0010】
前記所定のサービスは、デジタルコンテンツを提供するサービスであってもよいし、前記広告情報は、前記デジタルコンテンツに関するデータが記録されている場所を示す場所情報を含んでもよいし、前記トークン生成部は、前記広告情報に含まれる場所情報を含む前記トークンを生成してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記配布者及び前記広告情報を受け取った受取者のうちのいずれかが使用する端末が生成した前記トークンを取得するトークン取得部をさらに有してもよいし、前記記録制御部は、前記トークン取得部が取得した前記トークンを前記ブロックチェーンに記録してもよい。
前記決定部は、前記間接受取者数が多いほど、価値が高い前記報酬を決定してもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記広告情報を受け取った受取者が前記広告情報の前記所定の商品を購入した購入履歴、又は前記受取者が前記広告情報の前記所定のサービスを利用した利用履歴を取得する履歴取得部をさらに有してもよいし、前記決定部は、前記履歴取得部が取得した前記購入履歴又は前記利用履歴を参照し、さらに、前記広告情報の前記所定の商品を購入した前記間接受取者数が多いほど、又は前記広告情報の前記所定のサービスを利用した前記間接受取者数が多いほど、価値が高い前記報酬を決定してもよい。
【0013】
前記決定部は、複数の前記配布者それぞれの前記報酬を決定してもよいし、前記情報処理装置は、前記決定部が決定した前記複数の配布者それぞれの前記報酬の価値に基づく前記複数の配布者のランキングを示す情報を、前記配布者に提示する提示部をさらに有してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、コンピュータが実行する、所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御するステップと、前記トランザクションを参照して特定した前記広告情報の配布履歴に基づき、前記広告情報を配布した配布者から前記広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、前記配布者から前記直接受取者を経由して前記広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定するステップと、前記直接受取者数と前記間接受取者数とに基づいて、前記配布者に付与する報酬を決定するステップと、決定した前記報酬を、前記配布者に付与するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、コンピュータを、所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御する記録制御部、前記トランザクションを参照して特定した前記広告情報の配布履歴に基づき、前記広告情報を配布した配布者から前記広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、前記配布者から前記直接受取者を経由して前記広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する特定部、前記直接受取者数と前記間接受取者数とに基づいて、前記配布者に付与する報酬を決定する決定部、及び前記決定部が決定した前記報酬を、前記配布者に付与する付与部、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、広告が配布される配布数を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。
【
図3】記憶部22に記憶されているデータベースの構成の一例を示す図である。
【
図5】ある広告情報が配布された配布履歴を模式的に表した図である。
【
図6】情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、情報処理サービスを提供するために用いられるシステムである。情報処理サービスには、様々なサービスが含まれる。情報処理サービスには、例えば、複数のユーザが交流するための場所を提供するソーシャルサービス(例えば、SNS(Social Networking Service))と、所定の商品又は所定のサービスの広告を配布するユーザである配布者に対して広告を配布させた結果に応じた報酬(例えば、現金、暗号資産、情報処理サービスで利用可能なポイント等)を提供する広告サービスとが含まれる。
【0019】
ユーザは、例えば、情報処理サービスの会員である。所定の商品は、広告の広告主が販売する商品である。所定のサービスは、広告主が提供するサービスであり、例えば、電子出版物、音楽、ゲーム、映像等のデジタルコンテンツを提供するコンテンツサービスである。広告主は、後述する情報処理装置2の管理者であってもよいし、当該管理者とは異なる者(例えば、事業者又は個人等)であってもよい。情報処理サービスには、所定の商品を販売するショッピングサービスがさらに含まれてもよい。情報処理システムSは、ユーザ端末1と、情報処理装置2とを有する。
【0020】
ユーザ端末1は、ユーザが使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末1には、例えば、情報処理サービスを提供するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という。)がインストールされている。情報処理システムSは、専用アプリを介して情報処理サービスをユーザに提供する。なお、情報処理システムSは、情報処理サービスを提供するWebページを介して情報処理サービスをユーザに提供してもよい。
【0021】
情報処理装置2は、情報処理サービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。情報処理装置2は、ユーザに関する情報を管理する。ユーザに関する情報は、当該ユーザが登録している登録ユーザのリストを含む。本明細書においては、登録ユーザを登録(フォロー)しているユーザを「フォロワー」と称する。情報処理装置2は、広告サービスにおいて、配布者による広告の配布と、配布者への報酬の付与とを制御する。
【0022】
従来の広告サービスにおいては、広告を配布させた結果の一部に対する報酬しか付与されていなかった。例えば、従来の広告サービスにおいては、広告主から広告を受け取った配布者のみに報酬が付与されていたり、広告主から広告を取得した配布者から広告を直接受け取ったユーザである受取者の数のみを広告を配布させた結果として当該結果に応じた報酬が付与されていたりした。
【0023】
しかしながら、広告が配布される配布数は、広告主から広告を取得した配布者が配布する数よりも、口コミのように広告が複数のユーザを伝搬するように配布された数の方が多くなり得る。広告主においては、より多くのユーザに広告が配布されることを希望するため、口コミのように広告が複数のユーザを伝搬するように配布する仕組みを提供することが求められている。
【0024】
そこで、情報処理システムSは、広告主から広告を取得した配布者であるか否かを問わず、広告を配布した配布者に対して、直接受取者数と間接受取者数とに応じた報酬を付与する。直接受取者数は、配布者から直接受け取った直接受取者の数である。間接受取者数は、配布者から直接受取者を経由して広告情報を受け取った間接受取者の数である。間接受取者数には、上位の間接受取者を経由して広告情報を受け取った下位の間接受取者の数が含まれる。
【0025】
以下において、
図1(a)を用いて情報処理システムSが実行する処理について説明する。まず、情報処理システムSが実行する広告を配布する配布処理について説明する。
図1(a)においては、ユーザ端末1aを使用するAユーザが、フォロワー(ユーザ端末1bを使用するBユーザ、及びユーザ端末1cを使用するCユーザ)に、広告を配布する例を説明する。Aユーザは、広告主から広告を取得したユーザ、又は他のユーザから配布された広告をさらに配布するユーザである。
【0026】
この場合において、まず、Aユーザがユーザ端末1aにおいてAユーザのフォロワーに広告を配布するための操作を行うと、ユーザ端末1aは、フォロワーに広告を配布するための配布要求を情報処理装置2に送信する(
図1における(1))。配布要求には、広告を示すための広告情報が含まれる。
【0027】
広告情報には、例えば、広告のID(identifier)、所定の商品が販売されているWebページにアクセスするためのアクセス情報(例えば、URI(Uniform Resource Identifier))、所定のサービス(デジタルコンテンツを提供するサービス)において提供されるデジタルコンテンツに関するコンテンツデータが記録されている記録場所を示す場所情報(例えば、URI)のうちの少なくともいずれかが含まれる。広告情報には、さらに、配布者が広告対象の商品又はサービスを推薦するための推薦文章が含まれてもよい。
【0028】
情報処理装置2は、配布要求を取得すると、Aユーザの登録ユーザのリストを参照し、AユーザのフォロワーであるBユーザのユーザ端末1b及びCユーザのユーザ端末1cそれぞれに広告情報を送信することにより、Bユーザ及びCユーザそれぞれに広告情報を配布する(
図1における(2))。ユーザ端末1b及びユーザ端末1cは、広告情報を取得すると、広告情報に基づいて広告を表示させる。
【0029】
例えば、広告情報に広告のIDが含まれる場合において、情報処理装置2には、広告のIDとコンテンツデータとが関連付けて記憶されているとする。この場合において、ユーザ端末1b及びユーザ端末1cは、広告のIDに対応するコンテンツデータを情報処理装置2から取得し、取得したコンテンツデータを表示することにより、広告を表示する。また、例えば、広告情報に場所情報が含まれる場合、ユーザ端末1b及びユーザ端末1cは、場所情報によって示される記録場所に記録されているコンテンツデータを取得し、取得したコンテンツデータを表示することにより、広告を表示する。配布者の推薦文章が広告情報に含まれている場合、ユーザ端末1b及びユーザ端末1cは、配布者の推薦文章を、広告とともに表示してもよい。
【0030】
情報処理装置2は、広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御する(
図1における(3))。具体的には、情報処理装置2は、広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録の制御として、広告情報が配布された配布履歴を特定するためのトークンのブロックチェーンへの記録を制御する。情報処理装置2は、例えば、広告情報を配布するごとに、当該広告情報に対応するトークンをブロックチェーンに記録する。
【0031】
トークンには、例えば、広告のIDと、広告情報の配布元のユーザのIDと、広告情報の配布先のユーザのIDとが含まれる。
図1(a)に示す例において、情報処理装置2は、ユーザ端末1bへの広告情報の配布に対応するトークン(ある広告のIDと、Aユーザ(広告情報の配布元のユーザ)のIDと、Bユーザ(広告情報の配布先のユーザ)のIDとを含むトークン)と、ユーザ端末1cへの広告情報の配布に対応するトークン(ある広告のIDと、AユーザのIDと、Cユーザ(広告情報の配布先のユーザ)のIDとを含むトークン)とをブロックチェーンに記録する。
【0032】
続いて、情報処理システムSが実行する報酬を付与する付与処理について説明する。
図1(b)は、ある広告情報が配布された履歴を模式的に表した図である。例えば、ユーザU1は、広告主から広告情報の配布を依頼されたユーザである。
図1(b)においては、ユーザU1がフォロワーであるユーザU2及びユーザU4に広告情報を配布し、ユーザU2及びユーザU4が、それぞれのフォロワー(ユーザU2のフォロワーであるユーザU3、ユーザU4のフォロワーであるユーザU5及びユーザU6)にユーザU1から配布された広告情報をさらに配布したことを示す。
【0033】
この場合において、まず、情報処理装置2は、ある広告情報に対応するブロックチェーンのトランザクションを参照して特定した広告情報の配布履歴に基づき、当該広告情報を受け取ったユーザ数である受取者数として、直接受取者数と間接受取者数とを特定する(
図1における(4))。直接受取者数は、広告情報を配布した配布者から広告情報を直接受け取った直接受取者の数である。間接受取者数は、配布者から直接受取者を経由して広告情報を受け取った間接受取者の数である。
【0034】
図1(b)に示す例において、ユーザU1の受取者数を特定する場合、情報処理装置2は、直接受取者数としてユーザU2、U4の2人を特定し、間接受取者数としてユーザU3、U5、U6の3人を特定する。また、例えば、ユーザU2の受取者数を特定する場合、情報処理装置2は、直接受取者数としてユーザU3の1人を特定し、間接受取者数として0人を特定する。
【0035】
情報処理装置2は、特定した直接受取者数及び間接受取者数に基づいて、配布者に付与する報酬を決定する(
図1における(5))。
図1(b)に示す例において、情報処理装置2は、配布者であるユーザU1、U2、U4それぞれに付与する報酬を決定する。そして、情報処理装置2は、決定した報酬を配布者に付与する(
図1における(6))。
【0036】
このようにすることで、情報処理システムSは、広告情報の配布に貢献したユーザに対して、当該ユーザによる広告情報の配布に起因して当該広告情報を受け取った受取者の数に応じた報酬を付与することができる。これにより、情報処理システムSは、広告情報の受取者が、当該広告情報を再度配布する動機づけを提供することができる。その結果、情報処理システムSは、広告が配布される配布数を向上させることができる。
以下、情報処理装置2の構成について説明する。
【0037】
[情報処理装置2の構成]
図2は、情報処理装置2の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示していないデータの流れがあってもよい。
図2において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0038】
通信部21は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、外部の端末及び外部のサーバからデータを受信するための通信コントローラを有する。
【0039】
記憶部22は、情報処理装置2を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置2の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0040】
記憶部22は、ユーザに関する情報を管理するユーザ管理データベースと、広告に関する情報を管理する広告管理データベースとを記憶している。
図3は、記憶部22に記憶されているデータベースの構成の一例を示す図である。
【0041】
図3(a)は、ユーザ管理データベースの構成を示す図である。
図3(a)に示すユーザ管理データベースは、ユーザのIDと、当該ユーザが登録している一以上の登録ユーザのIDとを関連付けて記憶している。
図3(b)は、広告管理データベースの構成を示す図である。
図3(b)に示す広告管理データベースは、広告のIDと、コンテンツデータとを関連付けて記憶している。
【0042】
図2に戻り、制御部23は、情報処理装置2のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、取得部231、送信部232、トークン生成部233、記録制御部234、特定部235、決定部236、付与部237及び提示部238として機能する。以下において、記録処理と付与処理とに分けて、取得部231、送信部232、トークン生成部233、記録制御部234、特定部235、決定部236、付与部237及び提示部238の機能について説明する。
【0043】
[記録処理]
まず、情報処理装置2が実行する記録処理について説明する。取得部231は、ユーザ端末1から配布要求を取得する。配布要求には、例えば、配布要求を送信したユーザ端末1を使用するユーザのIDと、配布する広告を示す広告情報とが含まれる。
【0044】
例えば、まず、配布者がユーザ端末1において当該配布者のフォロワーに広告を配布するための操作を行うと、ユーザ端末1は、配布要求を情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、ユーザ端末1から配布要求を取得する。
【0045】
送信部232は、取得部231が取得した配布要求に基づいて、広告情報を配布する。具体的には、送信部232は、ユーザ管理データベースにおいて配布要求に含まれる配布者のIDが登録ユーザのIDとして関連付けられている一以上のユーザ(フォロワー)のIDそれぞれによって特定される一以上のユーザ端末1に対して配布要求に含まれる広告情報を送信することにより、広告情報を配布する。
【0046】
なお、配布要求には、一以上のフォロワーのIDが含まれており、送信部232は、取得部231が取得した配布要求に含まれている一以上のフォロワーのIDそれぞれによって特定される一以上のユーザ端末1に対して配布要求に含まれる広告情報を送信してもよい。広告情報が配布されたユーザ端末1は、取得した当該広告情報に基づいて広告を表示する。
【0047】
記録制御部234は、広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御する。記録制御部234は、例えば、広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録の制御として、広告情報の配布履歴を特定するためのトークンのブロックチェーンへの記録を制御する。記録制御部234は、例えば、広告情報が配布されるごとに、広告情報に対応するトークンをブロックチェーンに記録する処理を制御する。具体的には、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、広告情報に対応するトークンをブロックチェーンに記録する処理を制御する。
【0048】
第1のステップとして、トークン生成部233は、広告情報が広告情報の配布元から広告情報の配布先に配布されるごとに、トークンを生成する。具体的には、トークン生成部233は、広告情報が広告情報の配布元から広告情報の配布先に配布されるごとに、当該配布先を示す情報と、当該配布元を示す情報とを含むトークンを生成する。トークン生成部233は、例えば、広告情報の配布先のユーザ(受取者)のIDと、広告情報の配布元のユーザ(配布者)のIDとを含むトークンを生成する。
【0049】
トークン生成部233は、取得部231が取得した配布要求に含まれる広告情報を含むトークンを生成してもよい。例えば、所定のサービス(デジタルコンテンツを提供するサービス)において提供されるデジタルコンテンツに関するコンテンツデータが記録されている記録場所を示す場所情報が広告情報に含まれる場合、トークン生成部233は、広告情報に含まれる場所情報を含むトークンを生成する。また、例えば、広告のIDが広告情報に含まれる場合、トークン生成部233は、広告のIDを含むトークンを生成してもよい。
【0050】
トークン生成部233は、上記以外の情報をさらに含むトークンを生成してもよい。トークン生成部233は、例えば、トークンのIDと、トークンを記録する記録日時(トークンを生成した生成日時)とをさらに含むトークンを生成してもよい。
【0051】
図4は、トークンを模式的に表した図である。
図4に示す例において、トークンには、トークンのIDと、配布元のユーザのIDと、配布先のユーザのIDと、広告情報(例えばURI)と、記録日時とが含まれている。
【0052】
図4に示すように、トークン生成部233は、トークンのIDと、配布元のユーザのIDと、配布先のユーザのIDと、広告情報とを含むトークンを生成する。トークン生成部233は、トークンを記録する記録日時(トークンを生成した生成日時)をさらに含むトークンを生成する。広告情報に広告のIDが含まれている場合、トークン生成部233は、URIに代えて広告のIDを含むトークンを生成してもよいし、広告のIDをさらに含むトークンを生成してもよい。
【0053】
第2のステップとして、記録制御部234は、トークン生成部233が生成したトークンをブロックチェーンに記録する。このように、情報処理装置2は、広告情報が配布された配布履歴をブロックチェーンで管理することにより、配布履歴の信頼性を向上させることができる。なお、記録制御部234は、配布元のユーザのIDと、配布先のユーザのIDと、広告情報とを含むトークンを記録する記録要求をブロックチェーンに送信し、当該記録要求を取得したブロックチェーンが、トークンのIDと、配布元のユーザのIDと、配布先のユーザのIDと、広告情報と、記録日時とを含むトークンを生成し、生成したトークンを記録してもよい。
【0054】
上記において、情報処理装置2が生成したトークンをブロックチェーンに記録する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置2は、ユーザ端末1が生成したトークンをブロックチェーンに記録してもよい。具体的には、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、ユーザ端末1が生成したトークンをブロックチェーンに記録する。
【0055】
第1のステップとして、取得部231は、トークン取得部としてさらに機能し、ユーザ端末1が生成したトークンを取得する。トークンを生成するユーザ端末1は、例えば、配布者が使用するユーザ端末1である。
【0056】
例えば、まず、配布者がユーザ端末1においてユーザのフォロワーに広告を配布するための操作を行うと、ユーザ端末1は、情報処理装置2のユーザ管理データベースを参照し、配布者のIDが登録ユーザのIDとして関連付けられているユーザ(フォロワー)のIDごとに、当該フォロワーのIDを配布先のユーザのIDとして含むトークンを生成する。ユーザ端末1は、生成したトークンをさらに含む配布要求を情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、配布者のユーザ端末1から配布要求を取得することにより、ユーザ端末1が生成したトークンを取得する。
【0057】
トークンを生成するユーザ端末1は、広告情報を受け取った受取者が使用するユーザ端末1であってもよい。例えば、まず、受取者のユーザ端末1は、情報処理装置2から広告情報を取得すると、受取者のIDを配布先のユーザのIDとして含むトークンを生成し、生成したトークンを情報処理装置2に送信する。そして、取得部231は、受取者のユーザ端末1から、当該ユーザ端末1が生成したトークンを取得する。
【0058】
第2のステップとして、記録制御部234は、取得部231がユーザ端末1から取得したトークンをブロックチェーンに記録する。このようにすることで、情報処理装置2は、広告情報の配布履歴を記録する処理に伴う負荷を軽減することができる。
【0059】
なお、ユーザ端末1は、情報処理装置2を介さずにトークンをブロックチェーンに記録してもよい。この場合、例えば、ユーザ端末1は、配布元のユーザのIDと、配布先のユーザのIDと、広告情報とを含むトークンを記録する記録要求をブロックチェーンに送信し、当該記録要求を取得したブロックチェーンが、トークンのIDと、配布元のユーザのIDと、配布先のユーザのIDと、広告情報と、記録日時とを含むトークンを生成し、生成したトークンを記録する。
【0060】
上記において、情報処理装置2が、広告情報が配布されるごとに、新たなトークンをブロックチェーンに記録する処理を制御する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置2は、広告情報に対応する1つのトークンを、当該広告情報が配布されるごとに更新してもよい。
【0061】
例えば、まず、取得部231は、広告主(例えば、広告主が管理する不図示の広告主サーバ)から広告情報を取得する。記録制御部234は、取得部231が取得した広告情報を含むトークンのブロックチェーンへの記録を制御する。そして、記録制御部234は、広告情報が配布されるごとに、当該広告情報を含むトークンに対して、当該広告情報の配布先のユーザのIDと、当該広告情報の配布元のユーザのIDとを追加することにより、広告情報に対応するトークンを更新する。このようにすることで、情報処理装置2は、1つのトークンに基づいて、広告情報が配布された配布履歴を特定することができる。
【0062】
[付与処理]
続いて、情報処理装置2が実行する付与処理について説明する。特定部235は、ブロックチェーンのトランザクションを参照して特定した広告情報の配布履歴に基づき、広告情報を配布した配布者から広告情報を受け取った受取者数を特定する。
【0063】
具体的には、まず、特定部235は、ブロックチェーンのトランザクションを参照し、広告情報の配布履歴を特定する。広告情報の配布履歴は、広告情報を最初に配布した配布者である一以上の初回配布者から、広告情報を最後に受け取った受取者である一以上の最終受取者までの間において、広告情報が配布者から受取者に配布された履歴を示す。そして、特定部235は、特定した広告情報の配布履歴に基づいて、受取者数として、ある配布者から直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、当該配布者から直接受取者を経由して広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する。
【0064】
図5は、ある広告情報が配布された配布履歴を模式的に表した図である。特定部235は、ブロックチェーンのトランザクションを参照し、
図5に示すような広告情報の配布履歴を特定とする。
【0065】
例えば、まず、特定部235は、ある広告情報に対応するブロックチェーンのトランザクションを参照し、広告主から配布する広告情報を取得した配布者、すなわち、初回配布者(
図5に示すユーザU11、U21)を特定し、特定した初回配布者から順に配布者が配布した広告情報を受け取った受取者を特定することにより、広告情報の配布履歴を特定する。「初回配布者」は、例えば、ある広告情報が含まれる複数のトークンにおいて、第1トークンに含まれる配布元のユーザのIDが配布先のユーザIDとして含まれる第2トークンが存在しない場合における第1トークンに含まれる配布元のユーザのIDによって示される配布者である。
【0066】
特定部235は、ある広告情報に対応するブロックチェーンのトランザクションを参照し、最終受取者(
図5に示すユーザU14、U15、U16、U23、U25、U26)を特定し、特定した最終受取者から順に広告情報を受取者に配布した配布者を特定することにより、広告情報の配布履歴を特定してもよい。「最終受取者」は、例えば、ある広告情報が含まれる複数のトークンにおいて、第1トークンに含まれる配布先のユーザのIDが配布元のユーザIDとして含まれる第2トークンが存在しない場合における第1トークンに含まれる配布先のユーザのIDによって示される受取者である。
【0067】
1つのトークンに複数の配布先のユーザのIDと複数の配布元のユーザIDとが含まれている場合(広告情報に対応する1つのトークンが、当該広告情報が配布されるごとに更新されている場合)、特定部235は、ある広告情報に対応するブロックチェーンのトランザクションを参照して、最後に更新されたトークンを特定し、特定したトークンに含まれる複数の配布先のユーザのIDと複数の配布元のユーザIDに基づいて、広告情報の配布履歴を特定してもよい。特定部235は、例えば、特定したトークンに基づいて初回配布者を特定し、特定した初回配布者から順に配布者が配布した広告情報を受け取った受取者を特定することにより、広告情報の配布履歴を特定する。特定部235は、特定したトークンに基づいて最終受取者を特定し、特定した最終受取者から順に広告情報を受取者に配布した配布者を特定することにより、広告情報の配布履歴を特定してもよい。
【0068】
特定部235は、広告情報の配布履歴を特定すると、当該広告情報の配布履歴に基づいて、配布者ごとに、直接受取者数と間接受取者数とを特定する。
図5に示す例において、ユーザU11を配布者として受取者数を特定する場合、特定部235は、直接受取者数としてユーザU12の1人を特定し、間接受取者数としてユーザU13、U14、U15、U16の4人を特定する。また、
図5に示す例においてユーザU12を配布者として受取者数を特定する場合、特定部235は、直接受取者数としてユーザU13、U16の2人を特定し、間接受取者数としてユーザU14、U15の2人を特定する。このように、特定部235は、配布者であるユーザU11、U12、U13、U21、U22、U24それぞれの受取者数を特定する。
【0069】
特定部235は、所定のタイミングで受取者数を特定する特定処理を実行する。特定部235は、例えば、広告主から配布者に報酬を付与する付与要求を取得部231が取得したことを契機として、特定処理を実行する。例えば、広告管理データベースには、広告情報の配布期限がさらに記憶されており、特定部235は、広告管理データベースに記憶されている広告情報の配布期限が経過したことを契機として、特定処理を実行してもよい。
【0070】
決定部236は、直接受取者数と間接受取者数とに基づいて、配布者に付与する報酬を決定する。決定部236は、受取者数が多いほど価値が高い報酬を決定し、受取者数が少ないほど価値が低い報酬を決定する。具体的には、決定部236は、直接受取者数の数が多いほど価値が高い報酬を決定し、直接受取者数が少ないほど価値が低い報酬を決定する。また、決定部236は、間接受取者数が多いほど価値が高い報酬を決定し、間接受取者数が少ないほど価値が低い報酬を決定する。
【0071】
このようにすることで、情報処理装置2は、配布者による広告情報の配布に起因して当該広告情報を直接的又は間接的に受け取った受取者の数に応じた報酬を付与することができる。なお、直接受取者ひとりあたりの報酬の価値と、間接受取者ひとりあたりの報酬の価値とは、同じ価値であってもよいし、異なる価値(例えば、直接受取者ひとりあたりの報酬の方が、間接受取者ひとりあたりの報酬の価値より高い価値)であってもよい。
【0072】
決定部236は、広告主が支払う金額として定められた原資の範囲内において、各配布者の報酬の価値を決定してもよい。この場合、決定部236は、初回配布者の方が、初回配布者以外の配布者である再配布者よりも報酬の価値が高くなるように、各配布者の報酬の価値を決定してもよい。
【0073】
決定部236は、例えば、報酬の価値の付与率を用いて、各配布者の報酬の価値を決定する。付与率は、1以下の正数で示され、例えば、第1の配布者の報酬額を決定する場合において、ある配布者によって配布された広告情報を受け取った全ての受取者が再配布者としてさらに広告情報を配布しなかった場合に「1」が設定され、ある配布者によって配布された広告情報を受け取った受取者が一人でも再配布者としてさらに広告情報を配布した場合に「0.5」が設定される。
【0074】
例えば、ある初回配布者の報酬の価値(報酬額)を決定する場合において、原資をAとし、当該初回配布者の受取者数(直接受取者数及び間接受取者数を含む受取者数)をBとし、全ての初回配布者が配布した広告情報の全体の受取者数をCとし、付与率をDとし、配布者の報酬額をEとした場合、決定部236は、式「E=A*B/C*D」を用いて、初回配布者の報酬額を決定する。
【0075】
図5に示す例において、初回配布者であるユーザU21の報酬額を決定する場合において、原資が60万円である場合、ユーザU21の受取者数が5人であり、広告情報の全体の受取者数が10人であり、付与率が0.5である。この場合において、決定部236は、「60万円*5/10*0.5」に基づいて15万円をユーザU21の報酬額として決定する。
【0076】
また、例えば、初回配布者以外の再配布者(対象配布者)の報酬額を決定する場合において、対象配布者の上位配布者の全フォロワーに対する原資(例えば、上位配布者が初回配布者の場合においては、付与率により減額された金額分:E*(1-D)/D)をFとし、対象配布者の受取者数(直接受取者数及び間接受取者数を含む受取者数)をGとし、当該上位配布者から直接取得した全ての受領者が配布した広告情報の全体の受取者数をIとし、付与率をDとし、対象配布者の報酬額をHとした場合、決定部236は、式「H=F*G/I*D」を用いて、対象配布者の報酬を決定する。
【0077】
図5に示す例において、対象配布者であるユーザU24の報酬額を決定する場合において、上位配布者であるユーザU21の全フォロワーに対する原資が15万円(ユーザU21の報酬額15万円*(1-0.5)/0.5)である場合、ユーザU24の受取者数が2人であり、当該上位配布者から直接取得した全ての受領者が配布した広告情報の全体の受取者数が3人であり、付与率が1である。この場合において、決定部236は、「15万円*2/3*1」に基づいて10万円をユーザU24の報酬額として決定する。
【0078】
決定部236は、さらに、受取者数のうちの広告情報の所定の商品を購入した購入者数、又は受取者数のうちの広告情報によって示される所定のサービスを利用した利用者数(以下、「対象者数」という。)に応じて報酬の価値を決定してもよい。具体的には、情報処理装置2は、以下の2つのステップを実行することにより、対象者数に応じて報酬の価値を決定する。
【0079】
第1のステップとして、取得部231は、履歴取得部としてさらに機能し、広告情報を受け取った受取者が広告情報の所定の商品を購入した購入履歴、又は受取者が広告情報の所定のサービスを利用した利用履歴を取得する。購入履歴には、例えば、所定の商品を購入したユーザのIDと、ユーザが所定の商品を購入した購入日時とが含まれる。取得部231は、例えば、所定の商品を販売するショッピングサービスを管理する不図示の外部装置から購入履歴を取得する。
【0080】
利用履歴には、例えば、広告情報の所定のサービスを利用したユーザのIDと、ユーザが所定のサービスを利用した利用日時とが含まれる。取得部231は、例えば、コンテンツサービスを管理する不図示の外部装置から利用履歴を取得する。
【0081】
なお、広告主が、情報処理装置2を管理する管理者である場合、例えば、記憶部22には、購入履歴又は利用履歴が記憶されており、取得部231は、記憶部22から購入履歴又は利用履歴を読み出すことにより、購入履歴又は利用履歴を取得してもよい。
【0082】
第2のステップとして、決定部236は、購入履歴又は利用履歴を参照し、さらに、対象者数に基づいて報酬を決定する。例えば、まず、決定部236は、購入履歴又は利用履歴を参照し、特定部235が特定した配布履歴に含まれる受取者ごとに、当該受取者のIDが購入履歴又は利用履歴に含まれているか否か、すなわち、当該受取者が所定の商品を購入した購入者又は所定のサービスを利用した利用者であるか否かを判定することにより、対象者数を集計する。そして、決定部236は、さらに、集計した対象者数に基づいて報酬を決定する。
【0083】
決定部236は、例えば、購入履歴又は利用履歴を参照し、対象者数が多いほど価値が高い報酬を決定し、対象者数が少ないほど価値が低い報酬を決定する。具体的には、決定部236は、購入履歴又は利用履歴を参照し、直接受取者数に対応する対象者数が多いほど価値が高い報酬を決定し、直接受取者数に対応する対象者数が少ないほど価値が低い報酬を決定する。また、決定部236は、購入履歴又は利用履歴を参照し、間接受取者数に対応する対象者数が多いほど価値が高い報酬を決定し、間接受取者数に対応する対象者数が少ないほど価値が低い報酬を決定する。このようにすることで、情報処理装置2は、受取者が所定の商品を購入するように又は所定のサービスを利用するようにレコメンドする動機づけを配布者に提供することができる。
【0084】
決定部236は、例えば、配布者ごとに、配布者全体の報酬の価値の合計が原資と同じになるように、広告情報の全体の受取者数の分子として用いられる当該配布者の受取者数(例えば、初回配布者の報酬額を決定する場合において説明したC)を調整するための調整係数を設定し、設定した調整係数を用いて当該配布者の報酬の価値を決定する。
【0085】
図5に示す例において、初回配布者であるユーザU11の報酬額を決定する場合において、当該初回配布者の調整係数をαとした場合、決定部236は、式「E=A*Bα/C*D」を用いて、初回配布者の報酬額を決定する。決定部236は、所定の商品を購入した受取者を「1」とし、所定の商品を購入した受取者を「0.5」として集計した配布者の受取者数を用いて、配布者の報酬の価値を決定してもよい。
【0086】
付与部237は、決定部236が決定した報酬を、配布者に付与する。例えば、報酬が現金である場合、付与部237は、配布者の口座に決定部236が決定した金額を振り込む手続きを実行することにより、配布者に報酬を付与する。
【0087】
また、例えば、報酬が情報処理サービスで利用可能なポイントであり、ユーザ管理データベースにおいてユーザのポイントがさらに記憶されているとする。この場合において、付与部237は、ユーザ管理データベースに記憶されている配布者のポイントに対して、決定部236が決定したポイントを加算することにより、配布者に報酬を付与する。
【0088】
情報処理装置2は、配布者に報酬のランキングを提示してもよい。報酬のランキングは、例えば、ある広告情報に対応する報酬の価値が高い順に複数の配布者が並べられたリストである。
【0089】
具体的には、まず、決定部236は、複数の配布者それぞれの報酬を決定する。そして、提示部238は、決定部236が決定した複数の配布者それぞれの報酬の価値に基づく複数の配布者のランキングを示す情報を、配布者に提示する。提示部238は、付与部237が報酬を配布者に付与したタイミングで報酬のランキングを各配布者に提示してもよいし、あるユーザからの要求に応じて要求時点の配布履歴に基づき算出される報酬のランキングをリアルタイムに当該ユーザに提示してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、広告情報を配布した成果を配布者に認識させることができる。
【0090】
[情報処理装置2の処理]
続いて、情報処理装置2の処理の流れについて説明する。
図6は、情報処理装置2の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、取得部231が、広告主から配布者に報酬を付与する付与要求を取得したことを契機として開始する(S1)。
【0091】
特定部235は、ブロックチェーンのトランザクションを参照し、広告情報の配布履歴を特定する(S2)。特定部235は、特定した広告情報の配布履歴に基づいて、受取者数として、ある配布者から直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、当該配布者から直接受取者を経由して広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する(S3)。
【0092】
決定部236は、直接受取者数と間接受取者数とに基づいて、配布者に付与する報酬を決定する(S4)。そして、付与部237は、決定部236が決定した報酬を、配布者に付与する(S5)。
【0093】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置2は、所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御し、当該トランザクションを参照して特定した広告情報の配布履歴に基づき、広告情報を配布した配布者から広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、配布者から直接受取者を経由して広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定し、直接受取者数と間接受取者数とに基づいて決定した配布者に付与する報酬を配布者に付与する。このようにすることで、情報処理装置2は、広告情報の配布に貢献したユーザに対して、当該ユーザによる広告情報の配布に起因して当該広告情報を受け取った受取者の数に応じた報酬を付与することができる。これにより、情報処理装置2は、広告情報の受取者が、当該広告情報を再度配布する動機づけを提供することができる。その結果、情報処理装置2は、広告が配布される配布数を向上させることができる。
【0094】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0096】
1 ユーザ端末
2 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 取得部
232 送信部
233 トークン生成部
234 記録制御部
235 特定部
236 決定部
237 付与部
238 提示部
S 情報処理システム
【要約】
【課題】広告が配布される配布数を向上させる。
【解決手段】情報処理装置2は、所定の商品又は所定のサービスの広告を示すための広告情報が配布されるブロックチェーン上のトランザクションの記録を制御する記録制御部234と、トランザクションを参照して特定した広告情報の配布履歴に基づき、広告情報を配布した配布者から広告情報を直接受け取った直接受取者の数である直接受取者数と、配布者から直接受取者を経由して広告情報を受け取った間接受取者の数である間接受取者数とを特定する特定部235と、直接受取者数と間接受取者数とに基づいて、配布者に付与する報酬を決定する決定部236と、決定部236が決定した報酬を、配布者に付与する付与部237と、を有する。
【選択図】
図2