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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】パッケージ基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230829BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H05K3/46 B
H05K3/46 N
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2018165172
(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公開番号】P2019212881
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0061672
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン フン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ヨーン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ヨン クク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギュ ムック
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213466(JP,A)
【文献】特開2003-046021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、前記第1及び第2面を連結するキャビティを含み、少なくとも前記第1面から突出した部分を有する配線構造を備えた支持部材と、
前記支持部材の第1面に配置され、前記配線構造の突出した部分と実質的に平坦な共面を有する平坦化層と、
前記平坦化層上に配置されて前記配線構造と連結され、前記キャビティと重なった領域に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースと、
前記伝導性トレースを覆うように前記支持部材の第1面に配置され、前記伝導性トレースと連結された再配線層を有する連結部材と、を含み、
前記伝導性トレースは、前記配線構造の前記突出した部分と接続される第1金属層と、前記第1金属層上に配置された第2金属層と、を有する、パッケージ基板。
【請求項2】
前記伝導性トレースのコンタクト部分は、前記第1金属層の部分のない前記第2金属層で提供され、前記伝導性トレースの他の領域に比べて凹陥した構造を有する、請求項に記載のパッケージ基板。
【請求項3】
前記再配線層は、再配線パターンと、前記再配線パターンと前記伝導性トレースとを連結する再配線ビアと、を含む、請求項1または2に記載のパッケージ基板。
【請求項4】
前記キャビティの内部側壁及び前記支持部材の第2面に配置された絶縁樹脂層をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【請求項5】
前記絶縁樹脂層において前記支持部材の第2面に位置する領域は、実質的に平坦な表面を有する、請求項に記載のパッケージ基板。
【請求項6】
前記絶縁樹脂層において前記支持部材の第2面に位置する領域上に配置され、前記支持部材の前記配線構造に連結される上部配線層をさらに含む、請求項4または5に記載のパッケージ基板。
【請求項7】
前記配線構造は、前記支持部材の第2面から突出した表面を有し、
前記支持部材の第2面に配置され、前記配線構造の突出した表面と実質的に平坦な共面を有するさらなる平坦化層をさらに含む、請求項1に記載のパッケージ基板。
【請求項8】
互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、前記第1及び第2面を連結するキャビティを含み、前記第1及び第2面からそれぞれ突出した第1及び第2配線パターンを有する配線構造を備えた支持部材と、
前記支持部材の第1及び第2面にそれぞれ配置され、前記配線構造の突出した第1及び第2配線パターンと実質的に平坦な共面を有する第1及び第2平坦化層と、
前記第1平坦化層上に配置されて前記第1配線パターンと連結され、前記キャビティと重なった領域に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースと、
前記伝導性トレースを覆うように前記支持部材の第1面上に配置された絶縁部材、及び前記絶縁部材に配置されて前記伝導性トレースと連結された再配線層を有する連結部材と、
前記キャビティの内部側壁の少なくとも一部領域、及び前記第2配線パターンが露出するように前記支持部材の第2面上に配置され、キャビティ構造を有する絶縁樹脂層と、を含むパッケージ基板。
【請求項9】
前記配線構造は、前記支持部材を貫通して前記第1及び第2配線パターンを連結する貫通ビアを含む、請求項に記載のパッケージ基板。
【請求項10】
前記貫通ビアは、前記第1及び第2配線パターンと接続される面積に比べて小さい幅の中間領域を有する、請求項に記載のパッケージ基板。
【請求項11】
前記再配線層は、再配線パターンと、前記再配線パターンと前記伝導性トレースとを連結する再配線ビアと、を含む、請求項8から10のいずれか一項に記載のパッケージ基板。
【請求項12】
互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、前記第1及び第2面を連結するキャビティを含み、前記第1及び第2面を連結する配線構造を備えた支持部材と、
前記配線構造と連結され、前記キャビティと重なった領域に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースと、
前記伝導性トレースを覆うように前記支持部材の第1面に配置された絶縁部材、及び前記絶縁部材に配置されて前記伝導性トレースと連結された再配線層を有する連結部材と、
前記キャビティの内部側壁及び前記支持部材の第2面に配置され、キャビティ構造を有する絶縁樹脂層と、
前記絶縁樹脂層において前記支持部材の第2面に位置する領域上に配置され、前記支持部材の配線構造に連結される上部配線層と、を含むパッケージ基板。
【請求項13】
前記絶縁樹脂層において、前記支持部材の第2面に位置する領域は実質的に平坦な表面を有する、請求項12に記載のパッケージ基板。
【請求項14】
互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、前記第1及び第2面にそれぞれ位置する第1及び第2配線パターン、及び前記第1及び第2配線パターンを連結する貫通ビアを有する支持部材を製造する段階と、
前記支持部材に前記第1及び第2面を連結するキャビティを形成する段階と、
前記支持部材のキャビティに金属ブロックを配置する段階(ここで、前記支持部材の第1面のレベルに前記金属ブロックの一面が位置する)と、
封止用樹脂を用いて前記支持部材のキャビティに前記金属ブロックを固定する段階と、
前記支持部材の第1面で前記第1配線パターンと連結され、前記金属ブロックの一面に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースを形成する段階と、
前記伝導性トレースを覆うように、前記支持部材の第1面に前記伝導性トレースに連結される再配線層を有する連結部材を形成する段階と、
前記支持部材から前記金属ブロックを除去する段階と、を含む、パッケージ基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1配線パターンは前記第1面から突出しており、
前記支持部材を製造する段階は、前記第1配線パターンと実質的に平坦な共面を有する平坦化層を形成する段階を含む、請求項14に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項16】
前記金属ブロックを配置する段階は、
キャリアフィルムに前記支持部材の第1面が接するように前記キャリアフィルム上に前記支持部材を配置する段階と、前記支持部材のキャビティに露出した前記キャリアフィルムの部分に前記金属ブロックを配置する段階と、を含む、請求項14または15に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項17】
前記金属ブロックを固定する段階は、前記封止用樹脂を用いて前記支持部材の第2面を覆う絶縁樹脂層を形成する段階を含む、請求項14に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項18】
前記絶縁樹脂層を形成する段階の後に、前記第2配線パターンに連結されるように前記絶縁樹脂層上に上部配線層を形成する段階をさらに含む、請求項17に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項19】
前記金属ブロックを除去する段階の後に、前記キャビティの内部側壁に前記封止用樹脂が残留する、請求項14から18のいずれか一項に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項20】
前記金属ブロックは、前記伝導性トレースを構成する金属と異なる金属からなる、請求項14から19のいずれか一項に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項21】
前記伝導性トレースを形成する段階は、前記金属ブロックの金属と異なる金属からなる第1金属層を形成する段階と、前記第1金属層上に第2金属層を形成する段階と、を含む、請求項14から20のいずれか一項に記載のパッケージ基板の製造方法。
【請求項22】
前記金属ブロックを除去する段階の後に、前記コンタクト部分で前記第2金属層が露出するように前記第1金属層を除去する段階をさらに含む、請求項21に記載のパッケージ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体パッケージに関する技術開発の傾向は、小型化及び薄型化にある。特に、モバイル機器などに採用されるアプリケーションプロセッサー(Application processor;AP)パッケージ基板は、その厚さが持続的に減少する傾向にある。例えば、APチップの厚さに対するマージンを確保する範囲内で、パッケージの厚さを減少させようとする試みが行われつつある。
【0003】
しかし、減少するパッケージ基板の厚さが、基板工程及びパッケージの組み立て工程で設備の駆動が困難な水準(例えば、反りの制御など)に達しており、新しい方式と構造を有するパッケージの製造方案が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題の1つは、相対的に深いチップの実装空間(キャビティ)を実現するのに適した構造を有するパッケージ基板及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、上記第1及び第2面を連結するキャビティを含み、少なくとも上記第1面から突出した部分を有する配線構造を備えた支持部材と、上記支持部材の第1面に配置され、上記配線構造の突出した部分と実質的に平坦な共面を有する平坦化層と、上記平坦化層上に配置されて上記配線構造と連結され、上記キャビティと重なった領域に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースと、上記伝導性トレースを覆うように上記支持部材の第1面に配置され、上記伝導性トレースと連結された再配線層を有する連結部材と、を含むパッケージ基板を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態は、互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、上記第1及び第2面を連結するキャビティを含み、上記第1及び第2面からそれぞれ突出した第1及び第2配線パターンを有する配線構造を備えた支持部材と、上記支持部材の第1及び第2面にそれぞれ配置され、上記配線構造の突出した第1及び第2配線パターンと実質的に平坦な共面を有する第1及び第2平坦化層と、上記第1平坦化層上に配置されて上記第1配線パターンと連結され、上記キャビティと重なった領域に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースと、上記伝導性トレースを覆うように上記支持部材の第1面上に配置された絶縁部材、及び上記絶縁部材に配置されて上記伝導性トレースと連結された再配線層を有する連結部材と、上記キャビティの内部側壁の少なくとも一部領域、及び上記第2配線パターンが露出するように上記支持部材の第2面上に配置される絶縁樹脂層と、を含むパッケージ基板を提供する。
【0007】
本発明の一実施形態は、互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、上記第1及び第2面を連結するキャビティを含み、上記第1及び第2面を連結する配線構造を備えた支持部材と、上記配線構造と連結され、上記キャビティと重なった領域に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースと、上記伝導性トレースを覆うように上記支持部材の第1面に配置された絶縁部材、及び上記絶縁部材に配置されて上記伝導性トレースと連結された再配線層を有する連結部材と、上記キャビティの内部側壁及び上記支持部材の第2面に配置された絶縁樹脂層と、上記絶縁樹脂層において上記支持部材の第2面に位置する領域上に配置され、上記支持部材の配線構造に連結される上部配線層と、を含むパッケージ基板を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態は、互いに反対に位置する第1及び第2面を有し、上記第1及び第2面にそれぞれ位置する第1及び第2配線パターン、及び上記第1及び第2配線パターンを連結する貫通ビアを有する支持部材を製造する段階と、上記支持部材に上記第1及び第2面を連結するキャビティを形成する段階と、上記支持部材のキャビティに金属ブロックを配置する段階(ここで、上記支持部材の第1面のレベルに上記金属ブロックの一面が位置する)と、封止用樹脂を用いて上記支持部材のキャビティに上記金属ブロックを固定する段階と、上記支持部材の第1面で上記第1配線パターンと連結され、上記金属ブロックの一面に位置するコンタクト部分を有する伝導性トレースを形成する段階と、上記伝導性トレースを覆うように、上記支持部材の第1面に上記伝導性トレースに連結される再配線層を有する連結部材を形成する段階と、上記支持部材から上記金属ブロックを除去する段階と、を含むパッケージ基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によるパッケージ基板は、支持部材の非平坦な表面に予め平坦化層を適用することで、後続工程で実装される半導体チップ(例えば、パッド)と連結するためのコンタクト部分を提供する伝導性トレースを形成することができる。
【0010】
一実施形態によるパッケージ基板は、予め形成されたキャビティに金属ブロックを仮固定する封止樹脂(または絶縁樹脂層)を用いてパッケージの上部配線層を形成することで、製造工程を単純化することができる。
【0011】
本発明の多様で且つ有益な利点と効果は、上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でさらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態によるパッケージ基板を示す概略的な断面図である。
図2図1のパッケージ基板をI-I'線に沿って切断して示した平面図である。
図3図1に示された基板を用いた半導体パッケージを示す概略的な断面図である。
図4a】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、支持部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図4b】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、支持部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図4c】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、支持部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図4d】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、支持部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図5a】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、連結部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図5b】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、連結部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図5c】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、連結部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図5d】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、連結部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図6a】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
図6b】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
図6c】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
図6d】本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるパッケージ基板に半導体チップを実装した状態を示す断面図である。
図8a】本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
図8b】本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
図9】本発明の一実施形態によるパッケージ基板に半導体チップを実装した状態を示す断面図である。
図10a】本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、上部配線層の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図10b】本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、上部配線層の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図10c】本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、上部配線層の形成過程を示す主要工程の断面図である。
図11】本発明の一実施形態によるパッケージ基板に半導体チップを実装した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0014】
図1は本発明の一実施形態によるパッケージ基板を示した概略的な断面図であり、図2図1のパッケージ基板をI-I'線に沿って切断して示した平面図である。
【0015】
図1及び図2を参照すると、本実施形態によるパッケージ基板100は、互いに反対に位置する第1及び第2面110A、110Bを有し、上記第1及び第2面110A、110Bを連結するキャビティ110Hを有する支持部材110と、上記支持部材110の第1面110Aに提供され、上記キャビティ110Hと重なった領域に位置するコンタクト部分148bを有する伝導性トレースR0と、上記伝導性トレースR0を覆うように上記支持部材110の第1面110Aに配置され、上記伝導性トレースR0と連結された再配線層Rを有する連結部材140と、を含む。
【0016】
上記支持部材110は、第1面110A及び第2面110Bを連結する配線構造112a、112b、113を含む。本実施形態で採用された配線構造は、上記第1及び第2面110A、110Bにそれぞれ配置された第1及び第2配線パターン112a、112bと、上記第1及び第2配線パターン112a、112bを連結する貫通ビア113と、を含むことができる。少なくとも第1配線パターン112aは、第1面110Aから突出した構造を有する。本実施形態では、第1及び第2配線パターン112a、112bが、第1及び第2面110A、110Bからそれぞれ突出した構造を有する形態で例示されている。
【0017】
上記支持部材110の第1及び第2面110A、110Bに第1及び第2平坦化層(planarization layer)119a、119bが導入される。第1及び第2平坦化層119a、119bは、上記配線構造の突出した部分、すなわち、第1及び第2配線パターン112a、112bの上面と実質的に平坦な共面を有することができる。第1及び第2平坦化層119a、119bは、平坦度を提供し得る硬化性絶縁物質で形成することができる。例えば、第1及び第2平坦化層119a、119bは、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などのような絶縁性樹脂を含むことができる。
【0018】
上記伝導性トレースR0は、上記第1平坦化層119a上に配置されて上記配線構造(特に、第1配線パターン112a)と連結された配線部分146a、148aと、上記コンタクト部分148bと、を有する。上記配線部分146a、148aの一部は、上記コンタクト部分148bと連結されるように構成されることができる。上記コンタクト部分148bは、上述のようにキャビティ110Hと重なった領域に位置し、キャビティ110Hに実装される半導体チップの接続パッドのためのコンタクト領域として提供されることができる(図3参照)。
【0019】
上記伝導性トレースR0は、支持部材110の配線構造と連結され、上記連結部材140の再配線層Rとともに、ファンアウトのための再配線構造を構成することができる。上記伝導性トレースR0は、全体の再配線構造において第1レベルの再配線要素であると理解されることができる。これに対し、本実施形態で採用された伝導性トレースR0は、再配線層Rと異なって再配線パターン142a、142b及び再配線ビア143a、143bで構成されず、再配線パターン142a、142bと類似の2次元平面構造で提供されることができる。具体的に、伝導性トレースR0は、下位レベルの連結対象(例えば、第1配線パターン112a)とビアを介して連結される代わりに、面接触により直接連結されるように構成されることができる。
【0020】
図2を参照すると、伝導性トレースR0のコンタクト部分148bの一部に該当するレイアウトが示されている。伝導性トレースR0のコンタクト部分148bは2次元平面パターンで構成され、本形態では、オープン領域Oを用いて、グランドのような他の領域148Gから分離させることで形成されることができる。伝導性トレースR0の配線部分146a、148aも、これと類似の2次元平面パターンで構成されることができる。
【0021】
このような2次元平面パターンで構成された伝導性トレースR0を形成するためには、平坦な表面が要求される。本実施形態では、支持部材110の第1面110Aが第1配線パターン112aによって突出した表面を有しても、第1平坦化層119aによって平坦化した表面が提供されるため、2次元構造体である伝導性トレースR0を容易に形成することができる(図5a参照)。
【0022】
本実施形態で採用された伝導性トレースR0は、上記第1配線パターン112aと接続される第1金属層146aと、上記第1金属層146a上に配置された第2金属層148と、を含むことができる。図1に示されたように、キャビティ110Hと重なった領域に位置するコンタクト部分は第2金属層148bのみを含み、他の部分(配線部分)は、上記第1配線パターン112aと接続される第1金属層146aと、上記第1金属層146a上に配置された第2金属層148aと、を含むことができる。
【0023】
このように、本実施形態では、上記伝導性トレースR0のコンタクト部分は、上記第1金属層のない上記第2金属層148bのみで提供されることができる。その結果、上記コンタクト部分は、上記伝導性トレースR0の他の配線部分に比べて凹陥した構造を有することができる。伝導性トレースR0は、本実施形態で例示された構造に限定されず、単層構造(図9参照)や、全体領域で同一の多層構造(図11参照)で形成されてもよい。
【0024】
上記第2金属層148は、上記第1金属層146aとエッチング選択比を有する金属であることができる。特定の例において、上記第1金属層146aは上記第2金属層148のためのめっきシード層として用いられることができる。例えば、第1金属層146aはニッケル(Ni)、チタン(Ti)、またはその合金を含み、第2金属層148は銅(Cu)を含むことができる。伝導性トレースR0を構成する第1及び第2金属層の条件及び機能については、図5aでより詳細に説明する。
【0025】
支持部材110はパッケージ基板100の剛性を向上させることができる。支持部材110に第1及び第2配線パターン112a、112b及び貫通ビア113のような配線構造が導入されることで、パッケージ基板100がPOP(Package on Package)タイプのファン-アウトパッケージに活用されることができる(図3参照)。
【0026】
支持部材110は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂が無機フィラーと混合されるか、無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂を含むことができる。上記樹脂としては、例えば、プリプレグ、ABF、FR-4、BTなどが用いられることができる。
【0027】
本実施形態によるパッケージ基板100は、支持部材110の第2面110B及びキャビティ110Hの内部側壁に配置された絶縁樹脂層131を含むことができる。上記絶縁樹脂層131は、仮構造物である金属ブロックを支持するのに用いられた封止材であって、金属ブロックが除去された後に残留した樹脂層であることができる(図6c参照)。
【0028】
図1に示されたように、上記絶縁樹脂層131は、キャビティ110Hの内部側壁に位置する部分131aと、支持部材110の第2面110Bに位置する部分131bと、に区分されることができる。
【0029】
本実施形態において、支持部材110の第2面110Bに位置する部分131bは、上部配線層117、118を形成するための絶縁層として用いられることができる。上記支持部材110の配線構造(特に、第2配線パターン112b)に連結される上部配線層117、118をさらに含むことができる。上部配線層は上部配線ビア117及び上部配線パターン118を含むことができる。
【0030】
キャビティ110Hに実装される半導体チップの高さは、上記支持部材110の第2面110Bに比べて高く位置することができる。さらに提供される上部配線層117、118などによって最終のキャビティ110Hの深さが大きくなるため、このような増加された深さを考慮して、半導体チップは支持部材110の厚さに比べて大きい高さを有することができる。
【0031】
上記絶縁樹脂層131において、上記支持部材の第2面に位置する部分131bは実質的に平坦な表面を有することができる。これにより、上部配線層117、118が容易に形成されることができる。この場合、突出した第2配線パターン112bのための第2平坦化層119bは省略されることができる。例えば、絶縁樹脂層131としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂などが用いられることができる。絶縁樹脂層131としては、具体的にプリプレグ、ABF、FR-4、BTなどが用いられることができ、必要に応じては、感光性絶縁(Photo Imagable Dielectric:PID)樹脂であってもよい。
【0032】
連結部材140は、絶縁部材141と、上記絶縁部材141に形成された再配線層Rと、を含むことができる。上述のように、上記連結部材140は、上記伝導性トレースR0を覆うように上記支持部材110の第1面110Aに配置されており、再配線層Rは上記伝導性トレースR0と連結されることができる。
【0033】
本実施形態において、連結部材を構成する絶縁部材141は第1及び第2絶縁層141a、141bを含み、再配線層Rは第1及び第2絶縁層141a、141bにそれぞれ実現された2層の再配線構造R1、R2を含むことができる。
【0034】
具体的に、本実施形態で採用された再配線層R1は、上記第1絶縁層141a上に配置された第1再配線パターン142aと、上記第1絶縁層141aを貫通し、伝導性トレースR0と第1再配線パターン142aを連結する第1再配線ビア143aと、上記第2絶縁層141b上に配置された第2再配線パターン142bと、上記第2絶縁層141bを貫通し、第1再配線パターン142aと第2再配線パターン142bを連結する第2再配線ビア143bと、を含む。
【0035】
このように、上記再配線層Rは、伝導性トレースR0を介して、半導体チップ120の接続パッド120P及び支持部材110の第1配線パターン112aに電気的に連結されることができる。本実施形態で採用された再配線層Rは2層の再配線構造で例示されているが、これと異なって、単層または他の数の多層の再配線構造を有してもよい。
【0036】
例えば、上記絶縁部材141としては、上述の絶縁性樹脂の他にも、PID樹脂などの感光性絶縁物質が用いられてもよい。感光性物質を用いる場合、上記絶縁部材141がより薄く形成され、再配線ビア143a、143bの微細ピッチがより容易に達成されることができる。例えば、上記第1及び第2絶縁層141a、141bは、第1及び第2再配線パターン142a、142bを除いたパターンの間の厚さが約1μm~約10μmであることができる。
【0037】
第1及び第2再配線パターン142a、142bは該当層の設計デザインに応じて様々な機能を果たすことができる。例えば、第1及び第2再配線パターン142a、142bは、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含むことができる。また、ビアパッドパターン、電気連結構造体パッドパターンなどを含むことができる。例えば、第1及び第2再配線パターン142a、142bは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などのような導電性物質を含むことができる。例えば、第1及び第2再配線パターン142a、142bの厚さは、約0.5μm~約15μm程度であることができる。
【0038】
第1及び第2再配線ビア143a、143bは、他のレベルに位置する要素(例えば、伝導性トレースと再配線パターンまたは他の絶縁層の再配線パターン)を垂直方向に連結する要素(層間連結要素)として用いられる。例えば、第1及び第2再配線ビア143a、143bは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。
【0039】
第1及び第2再配線ビア143a、143bは、導電性物質で完全に充填されていてもよく、または導電性物質がビアの壁に沿って形成されたものであってもよい。また、第1及び第2再配線ビア143a、143bは、テーパ状または円筒状などの様々な他の形状を有することができる。
【0040】
上述の伝導性トレースR0と連結部材140の再配線層Rにより、半導体チップの数十~数百個の接続パッド120Pが再配線されることができ、電気連結構造体170を介して、その機能に応じて外部に物理的及び/または電気的に連結されることができる。
【0041】
アンダーバンプ金属(UBM)層160は、第1電気連結構造体170Aの接続信頼性を向上させ、半導体パッケージ100のボードレベル信頼性を改善することができる。UBM層160は、第1パッシベーション層150Aに配置され、連結部材140の第2再配線パターン142bと連結される。第1電気連結構造体170Aは、半導体パッケージ100を外部と物理的及び/または電気的に連結させることができる。例えば、ファン-アウト半導体パッケージ100は、第1電気連結構造体170Aを介して電子機器のメインボードに実装されることができる。
【0042】
これと類似して、POP構造を実現するために、半導体パッケージ100は、第2パッシベーション層150B上に配置され、上部配線パターン118に連結される第2電気連結構造体170Bを含むことができる。
【0043】
第1及び第2電気連結構造体170A、170Bは、導電性物質、例えば、Sn-Al-Cuなどの低融点合金で形成されることができるが、これに限定されるものではない。第1及び第2電気連結構造体170A、170Bは、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであることができる。第1及び第2電気連結構造体170A、170Bは多重層または単一層からなることができる。多重層からなる場合には、銅ピラー(pillar)及び低融点合金を含むことができる。第1及び第2電気連結構造体170A、170Bの数、間隔、配置形態などは特に限定されず、通常の技術者であれば、設計事項に応じて十分に変形可能である。
【0044】
図3は、図1に示された半導体パッケージを含むPOP(package on package)モジュールを示した概略的な断面図である。
【0045】
図3を参照すると、本実施形態による半導体装置500は、パッケージ基板100のキャビティ110Hに半導体チップ120が実装された下部パッケージ200と、上記下部パッケージ200上に配置されたインターポーザ250と、上記インターポーザ250上に配置された上部パッケージ300と、を含む。
【0046】
下部パッケージ200において、半導体チップ120はキャビティ110H内に配置されることができる。上記半導体チップ120は、支持部材110の内部側壁から所定距離離隔して配置されることができる。
【0047】
半導体チップ120は、接続パッド120P上に配置された導電性バンプ125を有することができる。導電性バンプ125は、やや凹陥したコンタクト部分148bと接続するための構造(例えば、ピラー状)を有することができる。また、上記半導体チップ120と上記連結部材140は、その間に配置される接着層127によって付着されることができる。例えば、上記半導体チップ120のボンディングは、熱圧着ボンディング(thermal compression bonding)により行われることができる。本実施形態において、半導体チップ120の活性面(接続パッド120Pが形成された面)はキャビティ110Hの底面と直接接しないことができる。
【0048】
半導体チップ120は、活性ウエハーをベースとして形成されたものであることができる。この場合、本体121を成す母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。接続パッド120Pは、半導体チップ120を他の構成要素と電気的に連結させるためのものであって、アルミニウム(Al)などの金属を用いることができる。
【0049】
本実施形態で採用された封止材135は、半導体チップ120を封止するように、キャビティ110Hの内部側壁及び支持部材110の第2面110B上に配置されることができる。上記封止材135は、上記絶縁樹脂層131と上記半導体チップ120との間に配置されることができる。上述のように、上記絶縁樹脂層131は金属ブロックを支持するために用いられた封止材であって、金属ブロックが除去された後に残留した封止材であることができる(図6c参照)。
【0050】
半導体チップ120は、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(IC:Integrated Circuit)であることができる。例えば、半導体チップ120は、セントラルプロセッサー(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサー(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサー、暗号化プロセッサー、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーなどのプロセッサー、具体的には、アプリケーションプロセッサー(AP:Application Processor)であることができるが、これに限定されるものではなく、アナログ-デジタルコンバーター、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップ、または揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップであってもよい。また、これらが互いに組み合わされて配置されてもよいことはいうまでもない。
【0051】
下部パッケージ200の第2電気連結構造体170Bとインターポーザ250の電気連結構造体270とが互いに連結されており、これと類似して、上部パッケージ300は別の電気連結構造体370を介してインターポーザ250と連結される。これにより、インターポーザ250を介して、上部パッケージ300と下部パッケージ200とが単一パッケージの構造で連結されることができる。この場合、封止材135は、インターポーザ250を下部パッケージ200上に搭載してから提供されることができる。
【0052】
パッケージオンパッケージ(POP:Package on Package)は、装置の厚さを減少させるだけでなく、信号経路を最小化する利点を提供することができる。例えば、グラフィックプロセッサー(GPU)の場合、高帯域幅メモリー(HBM:High Bandwidth Memory)のようなメモリーとの信号経路を最小化する必要がある。具体的に、HBMのような半導体チップを含む上部パッケージ300が、GPUのような半導体チップ120が実装された下部パッケージ200上に積層されたPOP構造で提供されることができる。
【0053】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法を説明する。製造方法を説明する過程で、本実施形態によるパッケージ基板の様々な特徴及び利点が具体的に理解されるであろう。
【0054】
本実施形態によるパッケージ基板100の製造方法は、支持部材の形成過程(図4a~図4d参照)と、連結部材の形成過程(図5a~図5d参照)と、金属ブロックの除去過程(図6a~図6d参照)と、に大別されることができる。
【0055】
図4a~図4dは、本発明の一実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、支持部材の形成過程を示す主要工程の断面図である。
【0056】
図4aを参照すると、互いに反対に位置する第1及び第2面110A、110Bを有する支持部材110に、第1及び第2面110A、110Bを連結する配線構造112a、112b、113を設ける。
【0057】
上記配線構造は、上記第1及び第2面110A、110Bにそれぞれ位置する第1及び第2配線パターン112a、112bと、上記第1及び第2配線パターン112a、112bを連結する貫通ビア113と、を含むことができる。
【0058】
上記支持部材110は、第1及び第2面110A、110Bに銅箔が形成された銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)を加工することで製造可能である。レーザードリル及び/または機械的ドリル、及び/またはサンドブラストなどを用いて銅張積層板にホールを形成した後、パターニングされた銅箔をシード層として電解及び/または無電解めっき工程を行うことで、第1及び第2配線パターン112a、112bと貫通ビア113を形成することができる。相対的に深いキャビティを形成するために、本実施形態のように、貫通ビア113を両面加工により得ることができる。その結果、上記貫通ビア113は、上記第1及び第2配線パターン112a、112bと接続される面積(または幅)に比べて小さい断面積(または幅)の中間領域を有することができる。
【0059】
図4bを参照すると、支持部材110の第1及び第2面110A、110Bに第1及び第2平坦化層119a、119bを形成することができる。
【0060】
上記第1及び第2配線パターン112a、112bは上記第1及び第2面110A、110Bから突出することができる。上記第1及び第2平坦化層119a、119bは、突出した第1及び第2配線パターン112a、112bと実質的に平坦な共面を有するように形成することができる。
【0061】
例えば、このような平坦化工程は、ABFまたはRCF(resin coated film)などのビルドアップ樹脂フィルムを塗布した後、デスミアまたは研磨工程を用いて第1及び第2配線パターン112a、112bの表面を樹脂フィルムに露出させることができる。この過程により、第1及び第2配線パターン112a、112bの露出した表面は、絶縁材(すなわち、第1及び第2平坦化層)の表面と実質的に同一であることができる。第1及び第2配線パターン112a、112bの露出した表面は、電気的トレースが形成可能な平坦度を維持する範囲内で、絶縁材よりやや高くてもよい。
【0062】
本実施形態と異なって、このような平坦化層は、伝導性トレースが形成されて支持部材110の第1面110Aのみに提供されてもよい。また、支持部材110の第1面110Aが既に平坦化された面を有する場合には、本工程は省略されてもよい。
【0063】
図4cを参照すると、上記支持部材110に上記第1及び第2面110A、110Bを連結するキャビティ110Hを形成する。
【0064】
キャビティ110Hの形成工程はこれに限定されないが、レーザードリル、機械的ドリル、サンドブラストなどのような工程により行うことができる。次に、粘着性を有する第1キャリアフィルム610を上記支持部材110の第1面110Aに付着させる。例えば、第1キャリアフィルム610はエポキシ樹脂を含むテープであることができる。
【0065】
図4dを参照すると、上記支持部材110のキャビティ110Hに金属ブロックMBを配置し、絶縁樹脂層131を用いて上記キャビティ110Hに位置する上記金属ブロックMBを固定させる。
【0066】
本実施形態で採用された金属ブロックMBは仮支持体であって、配線パターン及びビアを形成する金属と同一または類似の金属ブロックであることができる。例えば、金属ブロックMBは銅ブロックであることができる。上記金属ブロックMBは、支持部材110の厚さと同一またはより小さい厚さを有することができる。金属ブロックMBは、後続工程で実装される半導体チップの厚さに比べて小さい厚さを有することができる。
【0067】
本実施形態において、絶縁樹脂層131は、上記キャビティ110Hに位置する金属ブロックMBを封止し、且つ支持部材110の第2面110Bを覆うように形成することができる。絶縁樹脂層131において支持部材110の第2面110Bに位置する部分は、上部配線層を形成するための絶縁層部分として提供されることができる。
【0068】
次いで、伝導性トレースと連結部材を形成する工程を行う。このような工程の主要段階は図5a~図5dに例示されている。
【0069】
先ず、図5aを参照すると、上記支持部材110の第1面110Aに伝導性トレースR0'を形成する。
【0070】
上記支持部材110の第2面110Bに第2キャリアフィルム620を付着し、上記支持部材110の第1面110Aから第1キャリアフィルム610を除去する。これにより、上記支持部材110の第1面110Aに向かって上記金属ブロックMBの表面が露出することができる。
【0071】
本実施形態で採用された伝導性トレースR0'は、上述のように、第1金属層146と第2金属層148を含むことができる。第1金属層146は、後続工程で金属ブロックMBをエッチングする時(図10c参照)に、伝導性トレースR0'において金属ブロックMBと重なるコンタクト部分を保護するためのエッチングバリアとして用いられることができる。例えば、金属ブロックMBがCuである場合、第1金属層146としては、Cuとエッチング率が異なるNi、Tiまたはその合金が用いられることができる。第1金属層146は、湿式エッチングなどのパターニング工程により、所望の伝導性トレースR0'のためのパターンを有する。パターニングされた第1金属層146をシード層としてCuなどの第2金属層148を形成することで、二重層構造の伝導性トレースR0を製造することができる。
【0072】
上述のように、伝導性トレースR0'は、上記キャビティ110Hと重なった領域に位置するコンタクト部分146b、148bと、他の配線部分146a、148aと、を含むことができる。上記コンタクト部分146b、148bは金属ブロックMBの露出した表面と接触し、他の配線部分146a、148aは上記第1配線パターン112aと連結されるか、第1平坦化層119a上に配置されることができる。上記コンタクト部分146b、148bと他の配線部分146a、148aは、後続工程で形成される再配線層R1、R2によって互いに連結されることができる。
【0073】
また、本実施形態のように、第2キャリアフィルム620を付着する前に、支持部材110の第2面110Bに上部配線パターン(図5dの118)のための金属層118'を予め配置することができる。
【0074】
次いで、上記伝導性トレースR0'を覆うように、上記支持部材110の第1面110Aに上記伝導性トレースR0'に連結される再配線層Rを有する連結部材140を形成する。本実施形態で採用された連結部材の形成工程は、支持部材110の第2面110Bにさらなる配線層(すなわち、上部配線層)を形成する過程を結合した形態を例示する(図5b~図5d参照)。
【0075】
先ず、図5bに示されたように、第1絶縁層141aを形成した後、第1再配線層R1を形成する。伝導性トレースR0'を覆うように感光性絶縁物質(PID)を塗布して第1絶縁層141aを形成し、第1絶縁層141aにフォトリソグラフィ方法によりビアホールを形成した後、電解めっきや無電解めっきにより第1再配線パターン142a及び第1再配線ビア143aを形成することができる。
【0076】
次いで、図5cに示されたように、第2絶縁層141b及び金属層142b'を形成し、第2キャリアフィルム620を除去することができる。本工程で採用される金属層142b'は、第2再配線パターン142bのための金属層であることができる。
【0077】
次に、図5dに示されたように、支持部材110の第1面及び第2面にそれぞれ位置する金属層142b'、118'を用いて第2再配線パターン142bと上部配線パターン118を形成し、第2再配線ビア143bと上部配線ビア117を形成する。
【0078】
このように、本実施形態では、支持部材110の第1面及び第2面に第2再配線層R2と上部配線層117、118を同時に形成することができる。
【0079】
次いで、金属ブロックの除去(実装空間の形成)を行う。このような工程の主要段階は図6a~図6dに例示されている。
【0080】
図6aを参照すると、図5dで得られた結果物の上面及び下面のそれぞれに、第1及び第2パッシベーション層150A、150Bをそれぞれ形成することができる。
【0081】
第1及び第2パッシベーション層150A、150Bはそれぞれ、再配線層(すなわち、第2再配線パターン142b)の一部と上部配線層(特に、上部配線パターン118)の一部を露出させる第1及び第2開口O1、O2を有する。第1及び第2開口O1、O2によって露出した部分はパッド領域として提供されることができる。このように、上下面を連結する構造で提供されるため、POP構造のためのパッケージとして用いられることができる。これに限定されないが、第1及び第2パッシベーション層150A、150Bとしては、例えば、半田レジストを用いることができる。
【0082】
図6bを参照すると、図6aに示された結果物の上面及び下面にマスク630を形成する。上面に位置するマスク630は、金属ブロックMBに対応する位置が露出した開口Eを有する。マスク630としては、後続の除去工程の種類に応じて適切な材料が選択されることができる。
【0083】
図6cを参照すると、上記金属ブロックMBを上記支持部材110から除去する。このような金属ブロックの除去工程では、マスク630を用いて金属ブロックMBの上面が露出するように絶縁樹脂層131を部分的に除去し、金属ブロックMBの露出した上面にエッチング(例えば、湿式エッチング)を適用して選択的に除去することができる。金属ブロックMBに対する選択的エッチング過程で、連結部材140の絶縁部材141のような樹脂とエッチングバリアとして採用された第1金属層(特に、146b)は殆どエッチングされないことができる。このように、第1金属層(特に、146b)は、伝導性トレースのコンタクト部分(すなわち、第2金属層部分148b)を保護することができる。
【0084】
金属ブロックMBが除去された空間110H'は、実際に半導体チップを実装するための空間として提供されることができる。また、絶縁樹脂層131は残留し、上記支持部材110の第2面110B上に位置する部分131aと、キャビティ110Hの内部側壁に位置する部分131bと、で構成されることができる。
【0085】
図6dを参照すると、露出した第1金属層146bを選択的に除去し、マスク630を除去する。本実施形態において、第1金属層146bが伝導度の良くないものである場合(例えば、Ti)、半導体チップ120の接続パッド120Pとの良好なコンタクトを保障するために、第1金属層146bに対する選択的エッチング工程により除去することができる。これにより、伝導性トレースR0のコンタクト部分では第2金属層148bのみが残留し、やや凹陥した部分rを有することができる。これに対し、伝導性トレースR0の他の部分146a、148a、すなわち、支持部材と重なった領域では、第1及び第2金属層146a、148aの二層構造が維持されることができる。
【0086】
このように製造されたパッケージ基板100には半導体チップが実装されることができる。図7は、本発明の一実施形態によるパッケージ基板100に半導体チップ120を実装した状態を示す断面図である。
【0087】
図7を参照すると、上記金属ブロックが除去された空間110H'に上記半導体チップ120を配置する。この際、上記半導体チップ120の接続パッド120Pが上記伝導性トレースR0のコンタクト部分148bに接続されるように実装されることができる。本実施形態において、凹陥したコンタクト部分148bに接続するために、上記半導体チップ120は、上記接続パッド120Pに配置された導電性バンプ125を含むことができる。半導体チップ120の活性面と連結部材140の表面との間には接着層127がさらに導入されることができる。このような実装工程は、熱圧着工程により行われることができる。
【0088】
本実施形態による製造方法は様々な形態に変更可能であり、それによる半導体パッケージも構造的に変更されて実現可能である。
【0089】
図8a及び図8bは、本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程を示す主要工程の断面図である。
【0090】
本実施形態による製造工程は、上述の実施形態による製造工程に比べて、伝導性トレースR0が単一層の構造を有するという点と、金属ブロックMB'が伝導性トレースR0の金属と異なる金属で構成されるという点で異なる。反対される説明がない限り、図8aに示された工程は、上述の実施形態において図6aに示された工程の説明を参照して理解されることができる。
【0091】
先ず、図8aを参照すると、伝導性トレースR0は、エッチングバリアのような他の金属層のない単一の金属層148で形成され、例えば、伝導性トレースR0の金属層148はCuなどの金属を含むことができる。また、金属ブロックMB'は、伝導性トレースR0の金属(例えば、Cu)と異なる、すなわち、エッチング率が異なる金属(NiまたはTi)で構成されることができる。本実施形態において、金属ブロックMB'はエッチング率が異なる金属で構成されると例示されているが、金属ではなく、十分な選択比を有する他の物質で構成されてもよいことはいうまでもない。
【0092】
次に、図8bに示されたように、金属ブロックMB'の上面が露出するように絶縁樹脂層131を部分的に除去し、金属ブロックMB'の露出した上面を湿式エッチングにより選択的に除去することができる(図6b及び図6c参照)。
【0093】
本実施形態において、金属ブロックMB'が選択的にエッチングされ、除去された空間の底面110Bには伝導性トレースR0のコンタクト部分148bが露出するようになる。コンタクト部分148bは、底面110Bと実質的に平坦な共面を有することができる。
【0094】
図8bで製造されたパッケージ基板100Aには半導体チップが実装されることができる。図9は、本発明の一実施形態によるパッケージ基板100Aに半導体チップ120を実装した状態を示す断面図である。
【0095】
上記金属ブロックMB'が除去された空間110H'に上記半導体チップ120を配置する。この際、上記半導体チップ120の接続パッド120Pが上記伝導性トレースR0のコンタクト部分148bに接続されるように実装されることができる。上記半導体チップ120は上記接続パッド120Pに配置された導電性バンプ125を含むことができる。半導体チップ120の活性面と連結部材140の表面との間には接着層127がさらに導入されることができる。
【0096】
図10a~図10cは、本発明の他の実施形態によるパッケージ基板の製造方法のうち、金属ブロックの除去過程(特に、上部配線層の形成)を示す主要工程の断面図である。
【0097】
本実施形態による製造工程は、上述の実施形態に比べて、さらなる上部配線層を採用しない点と、伝導性トレースのコンタクト部分をさらに除去しない点で異なる。
【0098】
先ず、図10aを参照すると、上述の実施形態のように、上部配線層の形成のために再配線層工程を中断せず(図5c及び図5d参照)、第2キャリアフィルム620を除去していない状態で第2配線層R2まで形成して連結部材140を完成することができる。
【0099】
次いで、図10bに示されたように、連結部材のパッシベーション層150Aを形成し、第2キャリアフィルム620を除去した後、図10cに示されたように、マスク630を用いて絶縁樹脂層131を選択的に除去することで金属ブロックMBを露出させ、金属ブロックMBを除去する。本除去過程で、伝導性トレースR0'のコンタクト部分に位置する第1金属層146bはエッチングバリアとして作用することができる。また、本工程において、支持部材110の第2面110Bに位置する絶縁樹脂層部分131bの一部を開放させることで、上部電気連結構造体を形成するためのパッド領域eを確保することができる。
【0100】
図10cで製造されたパッケージ基板100Bには半導体チップが実装されることができる。図11は、本発明の一実施形態によるパッケージ基板100Bに半導体チップ120を実装した状態を示す断面図である。
【0101】
図11を参照すると、上記金属ブロックMBが除去された空間110H'に上記半導体チップ120を配置する。上述の実施形態と類似して、上記半導体チップ120の接続パッド120Pが上記伝導性トレースR0のコンタクト部分148bに接続されるように実装することができる。半導体チップ120は、上記接続パッド120Pに配置された導電性バンプ125を含むことができる。半導体チップ120の活性面と連結部材140の表面との間には接着層127をさらに導入することができる。
【0102】
本実施形態では、コンタクト部分でエッチングバリアとして用いられた第1金属層146bを除去しなくてもよい。このような第1金属層146bがNiなどの伝導性に優れた金属である場合には、除去しなくてもよい。このように、本実施形態において、第1金属層146は最終の伝導性トレースR0'のコンタクト部分146b、148bを構成することができる。上記半導体チップ120の接続パッド120Pはコンタクト部分の第1金属層146bと接続されることができる。
【0103】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区別するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0104】
本発明で用いられた一実施例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一実施例は、他の実施例の特徴と結合して実施されることを排除しない。例えば、特定の一実施例で説明された事項が他の実施例で説明されていなくても、他の実施例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の実施例に関連する説明であると理解されることもできる。
【0105】
本発明で用いられた用語は、一例を説明するために用いられたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8a
図8b
図9
図10a
図10b
図10c
図11