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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】透明カップの検出
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A47J31/44 310
A47J31/44 150
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021547479
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 US2020018075
(87)【国際公開番号】W WO2020168053
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】62/805,590
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519079201
【氏名又は名称】ラバッツァ プロフェッショナル ノース アメリカ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】LAVAZZA PROFESSIONAL NORTH AMERICA,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン、マーク
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04458735(US,A)
【文献】特開2007-128379(JP,A)
【文献】特開2003-067828(JP,A)
【文献】特開2001-034833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
G01F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機であって、
飲料ディスペンサーと、
前記飲料ディスペンサーの下に位置するカップ保持領域と、
カップスタンドと、
持ち上げ機構と、
前記カップ保持領域の一部を横切って光を送信するように構成された光源と、
前記光源によって送信された前記光の少なくとも一部を受信するように構成された受信機と、
前記受信機および前記飲料ディスペンサーに動作可能に結合されたプロセッサであって、
前記受信機で受信された前記光の少なくとも一部の光レベルに基づくトラフの検出、または
前記光源によって送信された前記光の光レベルに基づく逆トラフの検出
行うことにより、透明カップが、前記持ち上げ機構によって配置された前記カップスタンド上の前記カップ保持領域に十分に挿入されているか、および所望の高さにあるか、の両方を決定するように構成された、プロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、前記透明カップが十分に挿入されていない、または前記所望の高さにないと決定すると、前記飲料ディスペンサーが飲料を分配するのを防ぐようにさらに構成される、飲料調製機。
【請求項2】
前記トラフまたは前記逆トラフが、不透明なカップによって引き起こされるものよりも小さい光レベルの変化率によって部分的に定義される形状を有する、請求項1に記載の飲料調製機。
【請求項3】
前記プロセッサが前記トラフを検出するように構成され、前記トラフの検出が、前記光源によって送信された前記光の第1の光レベルを検出し、その後の第2の光レベルへの短い低下を検出し、その後の第3の光レベルへの増加を検出することによって行われる、請求項1に記載の飲料調製機。
【請求項4】
前記第3の光レベルが、前記第1の光レベルよりも低い、請求項3に記載の飲料調製機。
【請求項5】
前記プロセッサが前記逆トラフを検出するように構成され、前記逆トラフの検出が、前記光源によって送信された前記光の第1の光レベルを検出し、その後の第2の光レベルへの短い増加を検出し、その後の第3の光レベルへの減少を検出することによって行われる、請求項1に記載の飲料調製機。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記透明カップが前記所望の高さにない場合は、前記透明カップがその後前記所望の高さまで持ち上げられたかどうかを検出するように構成される、請求項1に記載の飲料調製機。
【請求項7】
光源によって、飲料調製機のカップ保持領域の一部を横切って光を送信するステップであって、前記飲料調製機は、飲料ディスペンサー、前記飲料ディスペンサーの下に位置するカップ保持領域、カップスタンド、持ち上げ機構、前記光源、受信機、およびプロセッサを備える、ステップと、
前記受信機によって、前記光源によって送信された前記光の少なくとも一部を受信するステップと、
少なくとも前記受信機と通信する前記プロセッサによって、前記受信機で受信された前記光の少なくとも一部の光レベルに基づくトラフの検出、または前記光源によって送信された前記光の光レベルに基づく逆トラフの検出を行うことにより、透明カップが、前記持ち上げ機構によって配置された前記カップスタンド上の前記カップ保持領域に十分に挿入されているか、および所望の高さにあるか、の両方を決定するステップと、
前記透明カップが十分に挿入されていないか、または所望の高さにないと決定すると、前記プロセッサによって、前記飲料ディスペンサーが飲料を分配するのを防ぐステップと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記トラフまたは前記逆トラフが、不透明なカップよりも小さい光レベルの変化率によって部分的に定義される形状を有する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセッサが前記トラフを検出するように構成され、前記トラフの検出は、前記光源によって送信された前記光の第1の光レベルを検出し、その後の第2の光レベルへの短い低下を検出し、その後の第3の光レベルへの増加を検出することによって行われる、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の光レベルが、前記第1の光レベルよりも低い、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセッサが前記逆トラフを検出するように構成され、前記逆トラフの検出が、前記光源によって送信された前記光の第1の光レベルを検出し、その後の第2の光レベルへの短い増加を検出し、その後の第3の光レベルへの減少を検出することによって行われる、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記透明カップが所望の高さにない場合は、前記透明カップがその後前記所望の高さまで持ち上げられたかどうかを検出する、請求項に記載の方法。
【請求項13】
透明部分を有するオブジェクトの保持領域と、
カップスタンドと、
持ち上げ機構と、
前記保持領域の一部を横切って光を送信するように構成された光源と、
前記光源によって送信された光の少なくとも一部を受信するように構成された受信機と、
前記受信機に動作可能に結合されたプロセッサであって、
前記受信機で受信された前記光の少なくとも一部の光レベルに基づくトラフの検出、または
前記光源によって送信された前記光の光レベルに基づく逆トラフの検出
行うことにより、前記オブジェクトが、前記持ち上げ機構によって配置された前記カップスタンド上の前記保持領域に十分に挿入されているか、および所望の高さにあるか、の両方を決定するように構成された、プロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、前記オブジェクトが十分に挿入されていない、または所望の高さにないと決定すると、プロセスが実行されるのを防ぐようにさらに構成されている、装置。
【請求項14】
前記トラフまたは前記逆トラフが、不透明なオブジェクトによって引き起こされるものよりも小さい光レベルの変化率によって部分的に定義される形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサが、
前記オブジェクトが前記所望の高さにあるかどうかを検出し、
前記オジェクトが前記所望の高さにない場合は、前記オブジェクトがその後前記所望の高さまで持ち上げられたかどうかを検出するように構成される、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連アプリケーションへの相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/805,590号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
高圧コーヒーメーカーおよび関連する飲料調製機の場合、ユーザーのカップが機械保持領域に十分に挿入され、飲料ディスペンサーから正しい距離にあることを確認することが重要である。ただし、ユーザーのカップがガラスなどの透明な素材でできている場合は、特定の問題が発生する。飲料調製機の透明カップの存在および/または高さを正確に検出するためのシステムが必要である。他の透明なオブジェクトの位置を検出する必要もある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一態様では、飲料調製機であって、飲料ディスペンサーと、前記飲料ディスペンサーの下に位置するカップ保持領域と、前記カップ保持領域の一部を横切って光を送信するように構成された光源と、前記光源によって送信された前記光の少なくとも一部を受信するように構成された受信機と、前記受信機および前記飲料ディスペンサーに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記受信機で受信された前記光の前記一部の光レベルのトラフ、または前記光源によって送信された前記光の光レベルの逆トラフを検出することにより、透明カップが前記カップ保持領域に十分に挿入されているか、または所望の高さにあるかを決定するように構成された、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記透明カップが十分に挿入されていない、または所望の高さにないと決定すると、前記飲料ディスペンサーが飲料を分配するのを防ぐようにさらに構成される、飲料調製機に関する。
【0004】
別の態様では、方法は、光源によって、飲料調製機のカップ保持領域の一部を横切って光を送信するステップであって、前記飲料調製機は、飲料ディスペンサー、前記飲料ディスペンサーの下に位置するカップ保持領域、前記光源、受信機、およびプロセッサを備える、ステップと、前記受信機によって、前記光源によって送信された前記光の少なくとも一部を受信するステップと、前記プロセッサによって、受信機で受信された前記光の一部の光レベルのトラフ、または前記光源によって送信された前記光の光レベルの逆トラフを検出することにより、透明カップが、前記カップ保持領域に十分に挿入されているか、または所望の高さにあるかを決定するステップと、前記透明カップが十分に挿入されていないか、または所望の高さにないと決定すると、前記プロセッサによって、前記飲料ディスペンサーが飲料を分配するのを防ぐステップと、を含む。
【0005】
別の態様では、装置は、透明部分を有するオブジェクトの保持領域と、前記保持領域の一部を横切って光を送信するように構成された光源と、前記光源によって送信された光の少なくとも一部を受信するように構成された受信機と、前記受信機に動作可能に結合されたプロセッサであって、前記受信機で受信された前記光の前記一部の光レベルのトラフ、または前記光源によって送信された前記光の光レベルの逆トラフを検出することにより、前記オブジェクトが前記保持領域に十分に挿入されているか、または所望の高さにあるかを決定するように構成された、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記オブジェクトが十分に挿入されていない、または所望の高さにないと決定すると、プロセスが実行されるのを防ぐようにさらに構成される。
【0006】
別の態様では、方法は、光源によって、装置の保持領域の一部を横切って光を送信するステップであって、前記装置は、前記光源、受信機、およびプロセッサを備える、ステップと、 前記受信機によって、前記光源によって送信された前記光の少なくとも一部を受信するステップと、前記プロセッサによって、受信機で受信された前記光の一部の光レベルのトラフ、または前記光源によって送信された前記光の光レベルの逆トラフを検出することにより、当面部分を有するオブジェクトが、前記保持領域に十分に挿入されているか、または所望の高さにあるかを決定するステップと、前記オブジェクトが十分に挿入されていないか、または所望の高さにないと決定すると、前記プロセッサによって、プロセスが実行されるのを防ぐステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるようになるであろう。
【0008】
図1A】ブレークビームアプローチがカップの挿入を決定する第1の実施形態による飲料調製機のカップ保持領域に入る不透明なカップの俯瞰図である。
【0009】
図1B】ブレークビームアプローチを利用する第1の実施形態による飲料調製機のカップ保持領域に入る透明カップの俯瞰図である。
【0010】
図2】透明カップが適切に配置されていることを決定するためにトラフ検出アプローチを利用する一実施形態による飲料調製機である。
【0011】
図3】一実施形態による、透明カップがカップ保持領域に出入りするときの光受信機の光レベル、または透明カップがカップスタンドによって昇降されるときの光レベルのグラフである。
【0012】
図4】一実施形態による、飲料調製機のカップ保持領域内で持ち上げられている透明カップの簡略化された側面図である。
【0013】
図5】一実施形態による飲料の調製方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態の以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本発明または複数の発明を限定することを決して意図するものではない。例示的な実施形態の説明は、添付の図面に関連して読むことを意図しており、これらは、書面による説明全体の一部と見なされるべきである。本明細書に開示される例示的な実施形態の説明において、方向または方向への言及は、単に説明の便宜のために意図されており、本発明の範囲を限定することを決して意図されていない。「下部の」、「上部の」、「水平」、「垂直」、「上の」、「下の」、「上へ」、「下へ」、「左」、「右」、「上部」、「下部」、「前部」、および「後部」などの相対的な用語、ならびにそれらの派生物(例えば、「水平方向」、「下向き」、「上向き」など)は、その時点で説明される、または議論中の下の図に示される方向を指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、明示的に示されていない限り、特定の方向を必要としない。「取り付けられた」、「固定された」、「接続された」、「結合された」、「相互接続された」、「固定された」などの用語、および他の同様の用語は、構造が、介在する構造を介して直接的または間接的に互いに固定または取り付けられる関係、および特に明記されていない限り、可動または固定のアタッチメントまたは関係の両方を指す。 本明細書の議論は、単独でまたは他の特徴の組み合わせで存在し得るいくつかの可能な非限定的な特徴の組み合わせを説明および例示する。さらに、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、そのオペランドの1つまたは複数が真であるときはいつでも真となる論理演算子として解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される場合、「に基づく」という句は、「少なくとも部分的に基づく」を意味すると解釈されるべきであり、したがって、「完全に基づく」の解釈に限定されない。
【0015】
全体を通して使用されるように、範囲は、範囲内にあるすべての値を説明するための省略形として使用される。範囲内の任意の値を範囲の終点として選択できる。さらに、本明細書で引用されたすべての参考文献は、それらの全体が参照されることにより本明細書に組み込まれる。本開示の定義と引用文献の定義に矛盾がある場合は、本開示が優先する。
【0016】
本発明の特徴は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載のコンピュータプログラムは、特定の実施形態に限定されず、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、フォアグラウンドまたはバックグラウンドプロセス、ドライバ、またはそれらの任意の組み合わせで実装することができる。コンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはサーバープロセッサ、あるいは複数のコンピュータまたはサーバープロセッサで実行することができる。
【0017】
本明細書に記載のプロセッサは、コンピュータプログラム命令(例えば、コード)を実行するように構成された任意の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、計算、またはプログラマブルデバイスまたは回路であり得る。様々なプロセッサは、任意の適切なタイプ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、タブレット、携帯電話など)のコンピュータおよび/またはサーバーハードウェアに組み込まれ得、バス、ソフトウェア、および揮発性および非揮発性メモリなどのデータストレージ、入力/出力デバイス、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)、リムーバブルデータストレージ、Wi-Fi、Bluetooth、 LANなどを含むがこれらに限定されない機能的データ処理デバイスを形成するために必要なすべての通常の補助コンポーネントを含み得る。
【0018】
本明細書に記載のコンピュータ実行可能命令またはプログラム(例えば、ソフトウェアまたはコード)およびデータは、本明細書に記載のそれぞれのプロセッサにアクセス可能であり、それぞれのプロセッサによって検索可能である非一時的なコンピュータ可読媒体にプログラムされ、具体的に具現化され得る。メディアにエンコードされた命令を実行することにより、必要な機能とプロセスを実行するようにプロセッサを構成および指示する。そのような非一時的なコンピュータ実行可能命令またはプログラムに構成されたプログラマブルプロセッサを具体化するデバイスは、「プログラマブルデバイス」または「デバイス」と呼ばれ得、相互通信における複数のプログラマブルデバイスは、「プログラマブルシステム」と呼ばれ得る。本明細書に記載の非一時的な「コンピュータ可読媒体」は、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびその様々なタイプ、読み取り専用メモリ(ROM)およびその様々なタイプ、USBフラッシュメモリ、および磁気または光データストレージデバイス(例えば、内部/外部ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープCD-ROM、DVD-ROM、光ディスク、ZIP(登録商標)ドライブ、Blu-ray(登録商標)ディスク、およびその他)を含む任意の適切な揮発性または不揮発性メモリを含み得るが、これらに限定されないことに留意されたい。これは、媒体に動作可能に接続されたプロセッサに書き込まれ、および/またはプロセッサによって読み取られ得る。
【0019】
特定の実施形態では、本発明は、プロセッサベースのデータ処理および通信システム、またはそれらのプロセスを実施するためのコンピュータシステムなどの、コンピュータで実装されるプロセスおよび装置の形で具体化することができる。本発明はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に具現化されたソフトウェアまたはコンピュータプログラムコードの形態で具現化され得、これは、データ処理および通信システムまたはコンピュータシステムにロードされ、実行されると、コンピュータプログラムコードセグメントである。プロセスを実装するために構成された特定の論理回路を作成するようにプロセッサを構成する。
【0020】
ここで図を参照すると、図1Aは、不透明なカップ121が、「ブレークビーム」アプローチがコップの挿入を決定する第1の実施形態による飲料製造機100のカップ保持領域110に入ることを示す俯瞰図である。例示された実施形態では、飲料調製機200は、高圧を使用してコーヒーを淹れ、他の飲料を調製する。危険または望ましくない混乱なしに飲料がカップ121に首尾よく移送されることを確実にするために、カップがカップ保持領域210に十分に挿入され、飲料ディスペンサー202から離れすぎないように適切な高さであることを確実にすることが重要である。他の実施形態では、ディスペンサーは高圧ディスペンサーである必要はないことに留意されたい。
【0021】
飲料調製機は、光106を光受信機108に送信する光源104を含む。示されたように、不透明なカップ121がまだカップ保持領域110に入っていないとき、光106を、受信機108に送信することができる。しかし、不透明なカップ121がカップ保持領域110に十分に挿入されると、光106は、もはや受信機108に送信できなくなる。光が受信機108によって受信されないとき、受信機108に動作可能に結合されたプロセッサ(図2を参照)は、カップ121が十分に挿入されていることを決定することができ、それにより、飲料の準備を開始し、飲料がカップに確実に分配されることを可能にする。他の実施形態では、2つ以上のビームおよび/または受信機を使用することができる。例えば、2つのビームを使用して、カップが挿入されて、2つの異なるビームと異なる深さを遮ることを確実にすることができるので、カップのより正確な配置が保証される。さらに、異なる高さの複数のビームを使用して、カップの高さ、および/またはカップが十分に高いか、または飲料ディスペンサーの近くまで十分に持ち上げられているかどうかを決定することができる。
【0022】
図1Bはまた、使用されているブレークビームアプローチを示しているが、不透明なカップではなく透明カップ120についてである。透明カップ120は、機械100のカップ保持領域110に入る。ここでも、カップ120が挿入される前に、光源104からの光106は、受信機108に送信される。不透明なカップ121とは異なり、透明カップが挿入された場合、光106は依然として受信機108に送信することができる。したがって、ブレークビームアプローチだけでは、透明カップの存在、位置、または高さを決定するのに十分ではない。
【0023】
図2は、透明カップ220が適切に配置されていることを決定するための「トラフ検出」アプローチを利用する実施形態による飲料調製機200である。前の実施形態と同様に、飲料調製機200は、高圧を使用してコーヒーを淹れ、他の飲料を調製する。飲料が安全かつうまくカップ220に移されることを確実にするために、カップがカップ保持領域210に十分に挿入され、飲料ディスペンサー202から離れすぎないように適切な高さであることを確実にすることが重要である。一部の実施形態では、飲料調製プロセスの開始時に、システムは、使用されているカップが不透明であるか透明であるかを示すようにユーザーに促し、次に、不透明が示される場合はブレークビームアプローチを使用し、透明カップが示された場合はトラフ検出アプローチを使用する。他の実施形態では、システムは、不透明なカップと透明カップの状態を同時に検出するように構成される。
【0024】
ブレークビームアプローチのみを利用するシステムと同様に、例示されたシステムは、光206を受信機208A、208B、208Cに送信する少なくとも1つの光源204A、204B、204Cを有し、異なる光源は、カップの位置とディスペンサーへの近接度をより正確に決定するために異なる高さまたは深さにあり得る。例示された実施形態では、機械200は、カップ220を飲料ディスペンサー202から所望の高さまたは所望の距離まで持ち上げまたは落下させるためのカップスタンド230をさらに含む。
【0025】
飲料調製機は、受信機208A、208B、208Cに動作可能に結合されたプロセッサ240を含む。プロセッサはここでは詳細に示されていないが、様々な処理装置を使用して、光受信機208A、208B、208Cからデータを受信し、位置決め基準が満たされているかどうかを判断し、それに応じてディスペンサー202を制御できることが理解される。例示されたプロセッサは、透明カップ220がカップ保持領域210に十分に挿入されたことを検出し、透明カップが所望の高さにあることを検出するが、そうでない場合、透明カップ220がカップ保持領域210内で所望の高さにあるか、またはカップ保持領域210内で所望の高さまで持ち上げられているかを検出するように構成される。他の実施形態では、機械は、これらの状態のうちの1つまたは2つを検出すればよい。これらの状態を検出する方法を以下に説明する。プロセッサは、一方または両方の条件が満たされていない場合に、機械が飲料を分配するのを防ぐことができる。
【0026】
図3は、第2の実施形態に従って、透明カップがカップ保持領域に出入りするときの光受信機の光レベル、または透明カップがカップスタンドによって昇降するときの光レベルのグラフである。具体的には、このグラフは、システムがブレークビームアプローチとトラフ検出アプローチを使用して、それぞれ不透明なカップと透明カップを検出する方法を示している。グラフは、カップの位置を変えたときの受信機の光レベルを時系列で示している。波形320は、ブレークビームアプローチを使用した不透明なカップの検出を示している。見てわかるように、不透明なカップが挿入されると、受信機108で受信される光レベルはゼロに低下し、光206の移動を中断する。後で、カップが取り外されると、光は受信機108で再び受信される。
【0027】
波形321は、トラフ検出アプローチを使用した透明カップの検出を示している。一実施形態では、透明カップがカップ保持領域に十分に挿入されたことを示すトラフを検出するために、システムは、不透明なカップよりも少ない光レベルの変化率によって少なくとも部分的に定義されるトラフの発生を識別する。図3に示されるように、不透明なカップ320の光レベルは、不透明なカップが非常に効果的に光を遮断するので、第1のレベル301からゼロまで急速に低下する。対照的に、透明カップは徐々に光レベルを下げるため、不透明なカップよりも変化率が低くなる。さらに、カップがカップ保持領域から取り外されると、不透明なカップの光レベル320は、ゼロから第1の光レベル301まで急速に上昇し、一方、透明カップの光レベル321は、より緩やかに上昇し、したがって、変化率が低くなる。システムは、光レベルの変化の変化率を識別して、変化率が透明カップの予想される変化率に対応するか(または変化率の値の範囲内にあるか)を決定するように構成することができる。システムはまた、減少する光レベルおよび増加する光レベルの変化率が所定の期間内に発生するかどうかに基づいてトラフを決定することができる。
【0028】
透明カップがカップ保持領域に十分に挿入されたことを検出するための別の実施形態では、システムは、様々な光レベルを検出することができる。一実施形態では、システムは、以下のステップを実行する:1)光源によって送信された光の第1の光レベル301を検出し(カップの挿入前に発生する);2)第2の光レベル302へのその後の短い低下を検出し(カップの縁が光線を妨害することによって引き起こされる);3)第1の光レベル302よりも小さい第3の光レベル303へのその後の増加を検出する(光がカップの中央領域を通して輝いているときに引き起こされる)。特定の実施形態では、カップが後で取り外されると、システムはまた、その後の第2の光レベル302への減少(カップのエッジがカップ保持領域を出る際に光線を遮るときに引き起こされる)、そしてその後の第1光レベルへの増加(カップが完全に取り外されるときに引き起こされる)を検出することができる(第2のトラフ332において示されている)。例示された実施形態では、第3の光レベルは第1の光レベルよりも小さいが、他の実施形態では、第3のレベルは、第1の光レベルと同じかそれ以上(たとえば、レンズ効果による)であり得る。そのような実施形態では、ステップ3)において、第3の光レベルへの増加を検出することで十分であろう。
【0029】
必須ではないが、システムは、光レベルの異なる段階に対して所定の時間を有するようにプログラムすることができる。たとえば、透明カップのトラフの短いドロップであるためには、ドロップは0.2秒または他の数値未満である必要がある。さらに、システムは、中程度の光レベルが、第1の値よりも長く、第2の値よりも小さい時間持続することを要求し得る。さらに、この方法は、異なる深さの複数のビームでの使用に適合させることができる。たとえば、システムは、(さまざまな深さの)どのビームがトラフを見たか、およびトラフの数を決定して、カップがカップ保持領域にどれだけ深く配置されたかを決定できる。
【0030】
本明細書で使用される「トラフ」という用語は、光レベルの低下とそれに続く光レベルの増加を含む光レベルパターンを指し、低下および増加は、短い(通常は、所定の)期間に発生する。透明カップのエッジのトラフ特性は、不透明なカップのエッジよりも変化率が低く、不透明なカップのエッジは光レベルのより速い低下を引き起こす。特定の実施形態では、トラフ形状特性の単一のセット(低下速度、光レベル変化の時間、および/または光レベル変化の大きさなど)を使用して、すべての透明カップ境界を識別する。他の実施形態では、トラフ形状特性の異なるセットが、異なるタイプの透明カップ(例えば、より深いまたはより広いトラフを引き起こすより厚いガラスカップ)、または透明カップの異なるエッジ(例えば、サイドエッジによって引き起こされたトラフに1セットの特性を使用し、縁エッジによって引き起こされたトラフに別のセットの特性を使用する)に使用される。
【0031】
上記のトラフ検出アプローチを使用して、システムはまた、透明カップが所望の高さになるのに十分な高さであるかどうかを決定することができる。例えば、システムは、所望の高さの光線を使用して、その高さでのカップの進入を検出し、したがって、カップがディスペンサーから離れすぎないように十分に高いことを保証することができる。所定の高さの受信機にトラフが表示されない場合、システムは、カップの高さが十分でないことを認識している。
【0032】
上で論じたトラフ検出アプローチはまた、透明カップがカップ保持領域内の所望の高さまで持ち上げられたことを決定するために利用され得る。図4は、図2に示される飲料調製機のカップ保持領域210内で持ち上げられている透明カップ220の簡略化された側面図である。前述のように、高圧飲料調製では、カップが、ディスペンサーの下の最小距離だけにするのが望ましい。したがって、機械は、カップ220を所望の高さまで持ち上げる(または下げる)ためのカップスタンド230(図2に示される)を含み得る。ブレークビームアプローチは、不透明なカップが光源と受信機の高さに達していることを確認するために使用できるが、このアプローチは、光を通過させる透明カップには不十分である。一実施形態では、持ち上げプロセスおよび増加した高さの検出は、カップが所望の高さにないことが最初に決定された後に実行される。さらに他の実施形態では、カップの高さを移動するのではなく、ディスペンサーの高さまたは位置を変更して、カップの上部とディスペンサーとの間に適切な距離があることを保証できることに留意されたい。
【0033】
例示された機械200は、3つの光源204A、204B、204Cを含み、それぞれが光206を放出する。第1の図では、カップスタンド230は、その縁221が上部光源204Aの下にあるような高さで透明カップ220を有する。第2の図では、持ち上げ機構231がカップスタンド230を持ち上げ、それによってカップ220を持ち上げている。カップ220が光源204Aおよびその対応する受信機208Aの高さの近くの所望の高さまで持ち上げられたことを検出するために、システムは、図3の第1のトラフ331のようなトラフが発生したかどうかを検出することができる。第1のトラフ331は、透明カップの縁221によって引き起こされ、光線の一時的で増加した妨害を引き起こす。トラフは、カップがカップ保持領域に十分に挿入されているかどうかを参照して、上記のトラフ検出方法と同様の方法によって認識することができる。したがって、一実施形態では、トラフは、不透明なカップのよりも小さい光レベルの変化率によって少なくとも部分的に定義することができる。システムは、光レベルの変化の変化率を識別して、変化率が透明カップの予想される変化率に対応するか(または変化率の値の範囲内にあるか)を決定するように構成することができる。システムはまた、減少する光レベルおよび増加する光レベルの変化率が所定の期間内に発生するかどうかに基づいてトラフを決定することができる。カップ220の縁221が上部光源204の高さに達すると、プロセッサは、持ち上げ機構231に、カップスタンド230の持ち上げを停止するように指示することができる。
【0034】
透明カップがカップ保持領域に十分に挿入されたことを検出するための別の実施形態では、システムは、様々な光レベルを検出することができる。例えば、システムは、以下のステップを実行することができる:1)光源によって送信された光の第1の光レベル302を検出し(縁が光線に持ち上げられる前に発生する);2)第2の光レベル302へのその後の短い低下を検出し(透明カップの隆起が光線を妨害することによって引き起こされる);3)第1の光レベル301よりも小さい第3の光レベル303へのその後の増加を検出する(光が隆起の下のカップの領域を通して輝いているときに引き起こされる)。他の実施形態では、第3の光レベルは、第1の光レベル以上であり得、その場合、ステップ3)は、第3の光レベルに増加があったかどうかを単に検出することができる。上で論じたように、システムは、光レベルの異なる段階に対して所定の時間を有するようにプログラムすることができる。たとえば、透明カップのトラフの短い低下であるためには、低下は0.2秒または他の数値未満である必要がある。さらに、この方法は、異なる高さの複数のビームでの使用に適合させることができる。たとえば、システムは、(さまざまな高さの)どのビームがトラフを見たかを判断して、カップがどれだけ高く上げられたかをより正確に判断できる。
【0035】
センサーの高さが分配された飲料の高さよりも低い場合(例えば、図4のセンサー204B)、トラフの形状および光レベルは、飲料の特性によって影響を受ける可能性があることに留意されたい。たとえば、ダークコーヒーは受信光レベルを低下させる。ただし、飲み物の不透明度や透明度は、カップの高さを決定するための最初の縁検出には影響しない。
【0036】
本発明はそのように限定されないが、図2および図4の例示された実施形態では、3つの異なる高さで3つの光源204A、204B、204C、および3つの対応する受信機208A、208B、208Cが存在する。上部光源204Aおよび受信機208Aは、一般に、カップが所望の高さにあるかどうかを検出するために使用され、下部および中間光源204B、204Cおよび受信機208B、208Cは、一般に、カップがカップ保持領域に十分に挿入されたかどうかを検出するために使用される。カップスタンド230が持ち上げられている場合、下部光源204Cが遮断される可能性があり、したがって、中央光源204Bを使用してカップを検出できることに留意されたい。一実施形態では、スタンドは、所定の高さ(10mm)で上昇し始め、次に、必要に応じて上昇または下降する。
【0037】
前述の実施形態は、トラフを識別することを論じているが、システムは、逆トラフを識別するように構成され得ることに留意されたい。これは、たとえば、システムが光制御システムを使用して受信機から見える光レベルを維持する場合に関連する。一例の制御システムでは、透明カップが送信される光の一部を遮断した場合、送信機は、受信機が依然として同じ光レベルを受信するように、より高い光レベルを提供することによって光遮断を補償する。さらに、カップが取り外されると、送信機はそれに応じてその光レベルをカップが挿入される前に提供されたものに下げることができ、それによって受信機が一貫した光レベルを確実に受け取ることができる。この場合、システムが送信機によって提供されるさまざまな光レベルを追跡している場合(受信機によって受信される光レベルの代わりに)、図3の波形は示されているものと反対になる。つまり、光レベルは、第1の光レベルで始まり、短く増加し、その後落ちる。したがって、光レベルは、トラフ331とは反対の方法で変化する。したがって、システムは、受信機で光レベルを追跡するのではなく、送信機で光レベルを追跡して、単にトラフのパターンと反対のパターンを探すことができる。検出できる上記のトラフのさまざまな側面(たとえば、変化率、光レベル、イベント間の時間)は、反転したトラフの検出にも適用できる。本明細書で使用される場合、「トラフ検出アプローチ」という用語は、トラフまたは逆トラフを検出することを指す。
【0038】
図5は、一実施形態による飲料を調製するための方法500のフローチャートである。上で論じたように、光源は、カップ保持領域を横切って光を送信することができ(動作502)、受信機は、光の一部を受信することができる(動作504)。次に、トラフ検出法を使用して、トラフを検出することができる(操作506)。トラフが検出されない場合、プロセッサは、飲料ディスペンサーが飲料を分配するのを妨げる可能性がある(操作508)。トラフが検出された場合、方法は、飲料を分配する要求(操作510)および要求された飲料を分配する要求(操作512)を受信することができる。トラフが検出されない場合、この方法はまた、カップが適切に配置されていないことをユーザーに通知するために、画面上のメッセージなどのある種の通知をユーザーに提供することができる。
【0039】
開示された実施形態は、飲料調製機における透明カップの存在および適切な配置を検出するための信頼できる費用効果の高い解決策を提供する。これらの実施形態は、飲料がより安全かつ効果的にユーザーのカップに分配されることを確実にするのに役立つであろう。
【0040】
本発明は、飲料ディスペンサーおよび透明カップに関して上で論じられてきたが、本発明はそのように限定されないことに留意されたい。本発明は、透明なオブジェクトの位置を検出することを必要とする他のプロセスで使用することができる。たとえば、ロボットを使用した製造の分野では、オブジェクトに対してプロセスを実行する前に、オブジェクトの適切な配置を確認する必要がある場合がある。オブジェクトに透明な部分がある場合は、上記のトラフ検出アプローチを使用できる。したがって、本発明は、装置が、透明部分を有するオブジェクトを保持するための保持領域、保持領域の一部を横切って光を送信するための光源、および送信された光の少なくとも一部を受信する受信機を有し得るように、より広く記述することができる。装置のプロセッサは、上記のトラフ検出アプローチ(トラフまたは逆トラフの検出)を実行して、オブジェクトが保持領域に十分に挿入されているか、または所望の高さにあるかを決定することができる。さらに、装置は、オブジェクトが十分に挿入されていない、または所望の高さではないと決定すると、オブジェクト上またはオブジェクトとともに実行されるプロセスなどのプロセスが実行されるのを防ぐことができる。上記のトラフまたは逆トラフ(および関連する機能)を検出するための様々な方法も、この装置に使用することができる。
【0041】
本発明は、本発明を実施する現在好ましいモードを含む特定の例に関して説明されてきたが、当業者は、上記のシステムおよび技術の多数の変形および順列があることを理解するであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的および機能的改変を行うことができることを理解されたい。したがって、発明の精神および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されているように広く解釈されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5