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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20230829BHJP
   G08B 25/08 20060101ALI20230829BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20230829BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G08B25/04 H
G08B25/08 A
H04M11/04
G08B25/00 510E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019209984
(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公開番号】P2021082084
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】村松 奈美
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-285698(JP,A)
【文献】特開2008-165682(JP,A)
【文献】特開2012-164035(JP,A)
【文献】特開2015-191603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/04
G08B 25/08
H04M 11/04
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の住宅について予め登録された居住者の各々が在宅しているか否かを検出する居住者検出手段と、
前記住宅の各部屋の屋外に面する開口部の各々について、施錠されているか否かを検出する施錠検出手段と、
前記居住者検出手段により在宅していると検出されている前記居住者に応じ、前記開口部の各々について防犯のための監視条件を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された前記監視条件に基づき、前記施錠検出手段の検出結果から前記開口部の施錠状態を監視する監視手段と、
前記部屋の各々に設けられ前記居住者が在室しているか否かを検出する在室検出手段と、
前記開口部の各々に設けられて、該開口部を閉止して施錠する施錠手段と、
を含み、
前記設定手段は、前記防犯のための前記監視条件として、前記居住者が在室していない前記部屋について前記開口部を施錠するか否かを設定する、監視システム。
【請求項2】
前記居住者について防犯に関する判断のための属性情報を含む居住者情報が予め登録され、
前記設定手段は、在宅している前記居住者の前記属性情報に応じて前記防犯のための前記監視条件を設定する請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記設定手段は、在宅している前記居住者が予め定めた特定者である場合に、該特定者が前記在室検出手段により検出されている前記部屋の前記開口部が施錠されるように前記監視条件を設定する請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記設定手段は、在宅している前記居住者が予め定めた特定者である場合に、該特定者が前記在室検出手段により検出されていない前記部屋の前記開口部が施錠されるように前記監視条件を設定する請求項1又は請求項2に記載の監視システム。
【請求項5】
前記監視手段の監視結果に関する情報を報知する報知手段を含み、
前記報知手段は、前記設定手段によって設定された前記監視条件に関する情報、及び前記監視手段の前記監視結果に関する情報を、前記住宅について予め警備を委託した警備システムに報知する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
対象の建物について予め登録された滞在者の各々が該建物に滞在しているか否かを検出する滞在者検出手段と、
前記建物の各部屋において屋外に面する開口部の各々について、施錠されているか否かを検出する施錠検出手段と、
前記滞在者検出手段により滞在していると検出されている前記滞在者に応じ、前記開口部の各々について防犯のための監視条件を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された前記監視条件に基づき、前記施錠検出手段の検出結果から前記開口部の施錠状態を監視する監視手段と、
前記部屋の各々に設けられ前記滞在者が在室しているか否かを検出する在室検出手段と、
前記開口部の各々に設けられて、該開口部を閉止して施錠する施錠手段と、
を含み、
前記設定手段は、前記防犯のための前記監視条件として、前記滞在者が在室していない前記部屋について前記開口部を施錠するか否かを設定する、監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内を監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の警備システムには、一般家庭などの特定の警備領域に検知手段及びコントローラが設けられ、検知手段が異常を検知するとコントローラに異常検知信号が送信される。また、警備システムには、「警戒モード」に「在宅モード」及び「外出モード」が設定され、「在宅モード」及び「外出モード」の各々において警戒度合いとして「レベル1(通常)」、「レベル2(注意)」、及び「レベル3(危険)」が設定されると共に、各レベルに警報を発報するか否かの判断条件が設定されている。
【0003】
コントローラは、利用者の操作又は治安情報を受け付けて「警戒モード」における警戒の「レベル」を変更し、検知手段から入力される異常検知信号と警戒の「レベル」に対応する判断条件に基づいて警報を発報するか否かを判断する。また、コントローラは、警報を発報すると判断すると契約している監視センターに通報することで、警備領域への警備員の出動や警備領域への警備員の巡回を要求している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-178884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、年齢や性別の異なる複数人の家族が居住する住宅においては、家族全員が在宅している場合のみでなく、子供のみが在宅している場合などがあり、防犯においては、在宅している居住者に応じた監視が必要となることも考えられる。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、住宅などの建物に滞在している人に応じた防犯に効果的な監視ができる監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の監視システムは、対象の住宅について予め登録された居住者の各々が在宅しているか否かを検出する居住者検出手段と、前記住宅の各部屋の屋外に面する開口部の各々について、施錠されているか否かを検出する施錠検出手段と、前記居住者検出手段により在宅していると検出されている前記居住者に応じ、前記開口部の各々について防犯のための監視条件を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された前記監視条件に基づき、前記施錠検出手段の検出結果から前記開口部の施錠状態を監視する監視手段と、を含む。
【0008】
第1の態様では、住宅の各部屋の開口部に施錠検出手段が設けられており、施錠検出手段が、防犯に影響する開口部が施錠されているか否かを検出する。また、居住者検出手段は、在宅している居住者を検出し、設定手段は、開口部について、在宅している居住者に応じて防犯のための監視条件を設定する。
【0009】
監視手段は、設定手段によって設定された監視条件に基づき、施錠検出手段により開口部の施錠状態を監視する。このため、住宅に在宅している居住者に応じた防犯のための効果的な監視が可能になる。
【0010】
第2の態様の監視システムは、第1の態様において、前記居住者について防犯に関する判断のための属性情報を含む居住者情報が予め登録され、前記設定手段は、在宅している前記居住者の前記属性情報に応じて前記防犯のための前記監視条件を設定する。
【0011】
第2の態様では、在宅している居住者の属性情報に応じて防犯のための監視条件を設定する。属性情報には、居住について防犯に関する判断のための情報が含まれ、例えば、居住者が成人男性であるか、成人女性などの女性であるか、あるいは子供であるかが特定される情報が含まれる。これにより、在宅している居住者に応じた防犯のための監視条件の的確な設定が容易になり、住宅に在宅している居住者に応じた防犯のためのより効果的な監視が可能になる。
【0012】
第3の態様の監視システムは、第1又は第2の態様において、前記部屋の各々に設けられ前記居住者が在室しているか否かを検出する在室検出手段と、前記開口部の各々に設けられて、該開口部を閉止して施錠する施錠手段と、を更に備え、前記設定手段は、前記防犯のための前記監視条件として、前記居住者が在室していない前記部屋について前記開口部を施錠するか否かを設定することを含む。
【0013】
第3の態様では、各部屋に居住者が在室しているか否かを検出する在室検出手段が設けられていると共に、開口部に施錠手段が設けられている。設定部は、防犯のための監視条件として、開口部を施錠するか否かが含まれる。
【0014】
このため、在宅している居住者に応じ、居住者が在室していない部屋の防犯のための効果的な監視が可能になる。また、在室検出手段が在室している居住者を特定可能であれば、在室している居住者に応じたより一層効果的な防犯のための監視が可能になる。
【0015】
第4の態様の監視システムは、第3の態様において、前記設定手段は、在宅している前記居住者が予め定めた特定者である場合に、該特定者が前記在室検出手段により検出されている前記部屋の前記開口部が施錠されるように前記監視条件を設定する。
【0016】
第4の態様では、在室している居住者が予め定めた特定者である場合、在室している部屋の開口部を施錠手段により施錠するように設定される。これにより、特定者が防犯の施された部屋にいることになるので、特定者を効果的に防犯できる。
【0017】
第5の態様の監視システムは、第3の態様において、前記設定手段は、在宅している前記居住者が予め定めた特定者である場合に、該特定者が前記在室検出手段により検出されていない前記部屋の前記開口部が施錠されるように前記監視条件を設定する。
【0018】
第5の態様では、在室している居住者が予め定めた特定者である場合、特定者の不在の部屋の開口部を施錠手段により施錠するように設定される。これにより、特定者が居なくなった部屋に防犯が施されるので、特定者を効果的に防犯できる。
【0019】
第6の態様の監視システムは、第1から第5の何れか1の態様において、前記監視手段の監視結果に関する情報を報知する報知手段を含み、前記報知手段は、前記設定手段によって設定された前記監視条件に関する情報、及び前記監視手段の前記監視結果に関する情報を、前記住宅について予め警備を委託した警備システムに報知する。
【0020】
第6の態様では、報知手段が、住宅について予め警備を委託した警備システムに監視結果に関する情報、及び防犯のための監視条件を報知するので、住宅の効果的な警備が可能になる。
【0021】
第7の態様の監視システムは、対象の建物について予め登録された滞在者の各々が該建物に滞在しているか否かを検出する滞在者検出手段と、前記建物の各部屋において屋外に面する開口部の各々について、施錠されているか否かを検出する施錠検出手段と、前記滞在者検出手段により滞在していると検出されている前記滞在者に応じ、前記開口部の各々について防犯のための監視条件を設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された前記監視条件に基づき、前記施錠検出手段の検出結果から前記開口部の施錠状態を監視する監視手段と、を含む。
【0022】
第7の態様では、建物の各部屋の開口部に施錠検出手段が設けられており、施錠検出手段は、防犯に影響する開口部が施錠されているか否かを検出する。また、滞在者検出手段は、建物に滞在している滞在者を検出し、設定手段は、開口部について、検出された滞在者に応じて防犯のための監視条件を設定する。
【0023】
監視手段は、設定手段によって設定された監視条件に基づき、施錠検出手段により開口部の施錠状態を監視する。このため、建物の滞在者に応じた防犯のための効果的な監視が可能になる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明の第1の態様によれば、在宅している居住者に応じて防犯のための監視条件を設定し、設定した監視条件に応じて各開口部の施錠状態を監視する。これにより、在宅している居住者に応じた防犯のための効果的な監視ができる、という効果が得られる。
【0025】
第2の態様によれば、在宅している居住者に応じた防犯のための監視条件の設定が容易になり、防犯のための監視をより効果的にできる。また、第3の態様によれば、在宅している居住者に応じ、居住者が在室していない部屋の防犯を効果的にできる。
【0026】
第4の態様によれば、特定者が防犯の施された部屋にいることになるので、特定者を効果的に防犯できる。また、第5の態様によれば、特定者が居なくなった部屋を防犯できるので、住宅を効果的に防犯できる。
【0027】
第6の態様によれば、監視条件及び各開口の施錠状態の変化を警備会社に通知するので、在宅している居住者に応じた住宅の警備を効果的にできる。
【0028】
第7の態様によれば、滞在者に応じて防犯のための監視条件を設定し、設定した監視条件に応じて各開口部の施錠状態を監視するので、建物の滞在者に応じた防犯のための効果的な監視ができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係る住宅監視システムの概略構成図である。
図2】住宅監視システムと警備システムとの接続を示す概略図である。
図3】在宅している居住者に応じて監視レベルを示す図表である。
図4】監視レベルの設定処理の概略を示す流れ図である。
図5】玄関ドアの施錠処理の概略を示す流れ図である。
図6】窓の施錠処理の概略を示す流れ図である。
図7】窓の監視処理の概略を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態では、監視システムとしての住宅監視システム10を例に説明する。住宅監視システム10は、本実施形態に係る建物としての住宅12に設けられ、住宅12において防犯のための監視を行う。図1には、住宅監視システム10の概略構成がブロック図にて示され、図2には、住宅監視システム10が警備システム14に接続されて構成されるホームセキュリティシステムが概略図にて示されている。
【0031】
図2に示すように、住宅監視システム10は、設定手段及び監視手段が構成される監視コントローラ16を備える。住宅監視システム10では、監視コントローラ16がインターネットなどの公衆通信回線網や専用通信回線などの通信ネットワーク18に接続されている。監視コントローラ16は、通信ネットワーク18を介して予め警備契約をしている警備会社(又は警備保障会社)20の警備システム14に接続されている。
【0032】
警備会社20は、家庭(住宅12)ごとに警備契約を締結することで警備委託を受け付ける。警備契約を締結した住宅12の住宅監視システム10は、警備システム14にネットワーク接続される。これにより、住宅監視システム10は、所謂ホームセキュリティシステムとして機能し、住宅監視システム10は、警備会社20の警備システム14に各種の情報の通知(通報)が可能になる。
【0033】
警備会社20では、警備契約等に応じた警備業務を担い、警備会社20は、例えば、警備システム14に通知された情報に応じて警備員の即応体制等がとられ、警備員の派遣や巡回等の警備業務を行う。なお、住宅監視システム10は、監視コントローラ16が住宅12に設置されているHEMS(Home Energy Management System)22に接続され、HEMS22から取得される情報を用いた住宅12の監視を合わせて行ってもよい。
【0034】
図1に示すように、住宅監視システム10の監視コントローラ16には、各々が設定手段を構成する登録部30、在宅設定部32、及び監視設定部34が形成されている。また、監視コントローラ16には、各々が監視手段を構成する在室検出部36、施錠部38、施錠状態検出部40、及び監視判定部42が形成されている。さらに、監視コントローラ16には、報知部44及び通信部46が形成され、報知アラーム48が接続されている。
【0035】
監視コントローラ16は、CPU、ROM、RAM、不揮発性のストレージ及び入出力インターフェイス等がバスによって接続されたマイクロコンピュータ(図示省略)を備えている。監視コントローラ16では、CPUがROM及びストレージ等に記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開しながら実行することで、登録部30、在宅設定部32、監視設定部34、在室検出部36、施錠部38、施錠状態検出部40、監視判定部42、報知部44及び通信部46の各機能が実現される。
【0036】
監視コントローラ16の登録部30には、住宅12に居住する居住者の各々についての居住者情報が登録されている。居住者情報には、居住者について防犯に関する判断のための属性情報が含まれている。また、居住者情報には、居住者を特定する情報が含まれている。本実施形態では、特定者として子供を適用している。また、本実施形態では、男性(成人男性及び特定者以外の男性)を非特定者、女性(成人女性及び特定者以外の女性)を準特定者として特定者とは区分けしている。
【0037】
特定者としての子供は、学童(小学生と中学生)及び未就学の幼児(学童以下)が対応している。なお、子供は、高校生以下(高校生に相当する年齢以下)であってもよい。また、子供を学童以下とする場合、高校生等は、準特定者(女性)として区分けされる。さらに、特定者、非特定者及び準特定者の区分けは、居住者ごとの防犯、体力や体調等が考慮されればよく、例えば、高齢者であれば、非特定者ではなく、準特定者又は特定者に区分けされるか、非特定者に区分けされる。
【0038】
居住者情報に含まれる属性情報には、居住者が男性、女性及び子供の何れかを識別するための性別や年齢などの情報が適用され、属性情報は、居住者について非特定者、準特定者及び特定者の区分けできる情報が適用される。
【0039】
また、居住者情報には、監視コントローラ16において少なくとも居住者を他の居住者と識別するための各種の情報が適用される。居住者情報には、例えば、居住者の体形(身長、体重など)や体格、髪型(長髪か短髪かなど)等が含まれてもよく、居住者についての平常時における心拍や体温などのバイタル情報(生体情報)、顔認証のための顔画像(顔認証用画像)、虹彩認証のための虹彩画像(目の画像、虹彩認証用画像)等が含まれてもよい。
【0040】
登録部30に登録された居住者情報は、監視コントローラ16において、バイタルセンサやカメラなどの各種のセンサを用いて取得した情報が用いられてもよく、また、各種センサを用いた経時的に取得した情報が用いられて更新されてもよい。これにより、居住者情報としての居住者の体形、体格、髪型、各種のバイタル情報の適正化を図れる。
【0041】
住宅監視システム10では、居住者情報に応じて防犯のための監視条件を設定しており、住宅監視システム10には、登録部30に登録された居住者情報に対応して防犯のための監視条件としての監視レベルが複数段階に設定されている。図3には、監視レベルの概略が図表にて示されている。なお、本実施形態では、男性(大人の男性)、女性(大人の女性)及び子供を含む3人以上の家族が住宅12に居住するものとしている。
【0042】
図3に示すように、本実施形態では、監視レベルを監視レベル0から監視レベル3の4段階に設定しており、監視レベルは、数字(レベル)が高くなるほど防犯性が高められるように設定されている。なお、監視レベルとしては、複数段階で設定されていればよく、4段階に限らず、10段階などであってもよい。監視レベルの段階数を増やすことで、在宅している居住者及び居住者の組み合わせに応じ、防犯のための監視条件を詳細に設定できて、在宅している居住者に応じた効果的な監視を可能にできる。
【0043】
監視レベルは、在宅している居住者(居住者の属性情報としての居住者情報)に応じて複数から選択されて設定される。監視レベル0は、居住者の全員が在宅しているか、在宅している居住に男性(非特定者)が含まれることで選択される。また、監視レベル3は、居住者の全員が不在の場合に選択され、監視レベル2は、子供(特定者)のみが在宅している場合に選択される。さらに、監視レベル1は、子供と女性(準特定者)、又は女性のみが在宅している場合、即ち、特定者は在宅していないが準特定者が在宅している場合に選択される。
【0044】
一方、住宅監視システム10は、滞在者検出手段及び居住者検出手段としての居住者センサ50が設けられている。また、住宅監視システム10では、居住者センサ50が開口部としての住宅12の玄関52に設けており、住宅監視システム10では、居住者センサ50によって玄関52を通って外出する居住者及び帰宅する居住者を検出する。これにより、住宅監視システム10では、居住者センサ50を在外出検出手段としても機能させている。
【0045】
居住者センサ50は、居住者についての検出結果と居住者情報とを照合するなどして、検出した居住者を特定する。このような居住者センサ50としては、顔認証を行う顔認証センサ(顔の撮像手段)であってもよい。顔認証センサには、玄関52を通る居住者の顔画像を取得し、取得した顔画像を居住者情報として登録されている顔画像(顔認証用画像)と照合することで居住者を特定する構成を適用できる。
【0046】
また、居住者センサ50は、虹彩認証を行う虹彩認証センサであってもよい。虹彩認証センサでは、玄関52を通る居住者の虹彩画像(目の顔画像)を取得し、取得した虹彩画像を居住者情報として登録されている虹彩画像(虹彩認証用画像)と照合することで、居住者を特定する構成を適用できる。
【0047】
また、居住者センサ50には、RFID(Radio Frequency Identification:RFタグ)に用いるリーダ/ライター等で用いられてもよい。この場合、居住者情報として居住者ごとにID(識別符号)を設定する共に、居住者が外出時に携帯する玄関ドアのキーにID(RFID)を付与しておく。これにより、居住者が玄関52と通るときに、リーダ/ライターによってRFIDを読み取って居住者を特定できる。また、RFIDを付与したキー(玄関ドア52Aのキーなど)が住宅12内に持ち込まれていることで、該RFIDにより特定される居住者が在宅していると判断することができる。
【0048】
さらに、居住者センサ50には、カメラなどの撮像手段が用いられてもよい。この場合、居住者センサ50は、撮影画像から体形(身長など)や体格、髪型等の情報(又は画像)を抽出して、抽出した情報と居住者情報とを照合することで、検出した居住者を識別すればよい。
【0049】
居住者センサ50は、監視コントローラ16の在宅設定部32に接続されている。在宅設定部32は、居住者センサ50の検出結果に基づいて、在宅している居住者(住宅12に残っている居住者)を判断する。なお、在宅設定部32は、外出している居住者を特定することで、在宅している居住者を判断してもよい。
【0050】
監視設定部34は、在宅設定部32によって設定された在室している居住者及び、登録部30において登録されている居住者情報(属性情報)に基づいて防犯のための監視条件としての監視レベルを設定する。
【0051】
一方、住宅12には、開口部としての窓54が設置されている。なお、本実施形態では、開口部として玄関52及び窓54を例に説明するが、開口部には、勝手口などの人の出入りが可能で防犯のための監視が必要な設備が含まれる。
【0052】
住宅監視システム10には、玄関52について、施錠検出手段を構成する閉止センサ56と施錠検出センサ58とが設けられていると共に、施錠手段を構成する閉止装置60と施錠装置62とが設けられている。閉止センサ56には、マグネットスイッチなどが用いられ、閉止センサ56は、玄関ドア52Aが閉止されているか否かを検出する。施錠検出センサ58は、玄関ドア52Aが施錠されているか否かを検出する。
【0053】
また、玄関ドア52Aの閉止装置60には、例えば、ドアチェックなどが用いられ、玄関ドア52Aが閉止されていない場合に、付勢手段の付勢力やアクチュエータによって玄関ドア52Aを閉止する。施錠装置62は、玄関ドア52Aが施錠されていない場合に、玄関ドア52Aを施錠すると共に、施錠した玄関ドア52Aを手動操作で解錠可能とする。このような施錠装置62には、例えば電子錠などを用いることができる。
【0054】
また、住宅監視システム10には、各窓54について、施錠検出手段を構成する閉止センサ56と施錠検出センサ58とが設けられていると共に、施錠手段を構成する閉止装置64と施錠装置66とが設けられている。閉止センサ56は、窓54のガラス戸などの建具54Aが閉止されているか否かを検出し、施錠検出センサ58は、窓54が施錠されているか否かを検出する。
【0055】
また、閉止装置64は、窓54が閉止されていない場合に、建具54Aを閉止位置に移動して窓54を閉止する。この閉止装置64は、例えば、アクチュエータによって窓54の建具54Aを窓枠に沿って閉止位置に移動する。施錠装置66は、例えば、図示しないロック部材により建具54Aを解放する方向への移動を阻止することで施錠し、施錠した窓54を手動操作によって解錠可能としている。
【0056】
住宅12では、リビング、ダイニング、寝室などの各部屋(図示しない居室など)に窓54が設けられている。住宅監視システム10では、各部屋に在室検出手段としての在室検出センサ68を設けている。在室検出センサ68は、少なくとも窓54が設置されている部屋に取り付けられているが、居住者の居室となる全ての部屋の各々に設けられてもよい。在室検出センサ68は、部屋に居住者が居るかいなか(在室/不在)の検出に用いられる。
【0057】
居住者の在室を検出する場合、在室検出センサ68には、赤外線センサを用いることができ、赤外線センサは、パッシブセンサであってもよく、アクティブセンサであってもよい。また、居住者の在室を検出する場合、在室検出センサ68には、心拍や体温などのバイタル情報(生体情報)を検出するバイタルセンサ(生体検出センサ)を用いてもよい。
【0058】
また、在室検出センサ68としては、在室/不在のみでなく部屋に誰が在室しているか、即ち、在室している居住者を特定できる構成であることがより好ましい。在室している居住者を特定する場合、在室検出センサ68には、カメラなどの撮像手段等を用いることができ、撮像手段は、単色画像を撮影してもよく、カラー画像を撮影してもよく、赤外線画像を撮像してもよい。在室検出センサ68は、撮影手段による撮影画像から人物(例えば、輪郭)を抽出し、抽出した人物が何れの居住者の体格や生体情報と一致するか否かを判定して、在室している居住者を特定する。この際、撮像手段が赤外線画像を撮像することで、部屋内が暗くとも居住者を精度よく検出できる。
【0059】
一方、監視コントローラ16では、在室検出センサ68の各々が在室検出部36に接続されている。在室検出部36は、住宅12内の各部屋について居住者が在室しているか否かを検出する。また、在室検出部36は、各部屋について在室している居住者を判断できてもよい。
【0060】
また、監視コントローラ16では、閉止装置60、64、及び施錠装置62、66が施錠部38に接続されている。施錠部38は、閉止装置60により玄関52を閉止し、施錠装置62により玄関52を施錠する。また、施錠部38では、各部屋について、閉止装置64により建具54Aを閉止位置に移動して窓54を閉止し、施錠装置66により窓54を施錠する。
【0061】
また、監視コントローラ16では、閉止センサ56及び施錠検出センサ58の各々が施錠状態検出部40に接続されている。施錠状態検出部40では、閉止センサ56を用いて玄関52及び各々の窓54の各々が閉止されているか否かを検出すると共に、施錠検出センサ58を用いて玄関52及び窓54の各々が施錠されているか否かを検出する。
【0062】
監視コントローラ16の監視判定部42は、監視設定部34において設定された監視レベルを報知部44に出力する。また、監視判定部42は、監視手段とし機能し、監視設定部34において設定された監視レベルに応じ、玄関52及び窓54の施錠状態を監視する。さらに、監視判定部42は、監視レベルに応じて施錠部38の作動を制御することで、玄関52及び窓54を個別に閉止して施錠する。
【0063】
これにより、監視判定部42は、在室検出部36及び施錠状態検出部40の各々の検出結果に基づいて住宅12内を監視する。この際、監視判定部42は、在室検出部36及び施錠状態検出部40の検出結果から異常(非通常状態)が検出されたと判定すると、判定結果を報知部44に出力する。
【0064】
報知部44には、住宅12内の所定位置に設置されて報知アラーム48が接続されていると共に、通信部46が接続されており、通信部46は、通信ネットワーク18を介して警備システム14に接続されている。
【0065】
報知部44は、通信部46を介して監視レベルを警備システム14に通知する。また、報知部44は、監視判定部42が住宅12内において異常を検出したと判定すると、通信部46を介して判定結果となる監視情報を警備システム14に通知する。これと共に、報知部44は、報知アラーム48を用いて、アラームを鳴動させたり監視情報を図示しないディスプレイに表示させたりするなどして、在宅している居住者に報知する。
【0066】
次に本実施形態に係る住宅監視システム10の監視処理を説明する。
住宅監視システム10では、監視コントローラ16に電源が供給されることで、監視コントローラ16が常時(24時間)動作する。なお、監視コントローラ16は、例えば、非常用電源設備に接続され、商用電源の供給が停止された状態であっても動作可能とされてもよい。
【0067】
監視コントローラ16は、動作されることで、在宅している居住者に応じて監視レベルを設定する。図4には、監視コントローラ16において実行される監視レベルの設定処理の概略が流れ図にて示されている。
【0068】
このフローチャートは、予め設定された時間間隔で実行され、最初のステップ100において、居住者センサ50により玄関ドア52Aを開けて外出した居住者、及び玄関ドア52Aを解錠して帰宅した居住者が検出されたか否かを確認する。外出又は帰宅した居住者が検出されると、ステップ100において肯定判定してステップ102に移行する。このステップ102では、居住者センサ50の検出結果から外出及び帰宅した居住者を識別し、次のステップ104では、識別結果に基づいて在宅している居住者を特定する。
【0069】
この後、ステップ106では、全員が外出しているか否かを確認し、全員が外出している場合、ステップ106において肯定判定してステップ108に移行する。このステップ108では、居住者の全員が不在であることから監視レベル3に設定する。
【0070】
また、少なくとも一人の居住者が在宅していることでステップ106において否定判定されると、ステップ110、112が実行される。ステップ110では、男性(成人男性)が在宅しているか否かを確認し、ステップ112では、女性が在宅しているか否かを確認する。
【0071】
ここで、男性が在宅していないが女性が在宅している場合、ステップ110において否定判定されると共に、ステップ112において肯定判定されてステップ114に移行する。この場合、女性又は女性と子供が在宅しているので、ステップ114では、監視レベル1に設定される。また、子供のみが在宅している場合、男性及び女性の何れも在宅していないのでステップ110、112に各々において否定判定されてステップ116に移行する。ステップ116では、監視レベル2に設定される。
【0072】
また、男性が在宅している場合、ステップ110において肯定判定されてステップ118に移行する。この場合、少なくとも男性が在宅しており、男性を含む全員が在宅している可能性があることから、ステップ118では、監視レベル0に設定される。
【0073】
この後、ステップ120では、設定された監視レベルが警備システム14に通知される。これにより、居住者の外出及び帰宅が検出されるごとに、監視レベルが設定(変更)され、設定された監視レベルが警備システム14に通知されるので、警備システム14では、監視レベルの変化を把握できる。
【0074】
一方、監視コントローラ16では、監視レベルに応じた住宅12の監視処理を行う。監視処理では、監視レベルに応じた玄関52や窓54の施錠を行うと共に施錠状態を監視する防犯処理を含む。また、監視処理では、居住者が意図していないにもかかわらず玄関52や窓54等が開けられたか否かを監視する。図5から図7には、予め設定された時間間隔で実行される防犯処理における施錠処理、及び監視処理の概略が流れ図にて示されている。
【0075】
玄関ドア52Aは、外出時及び帰宅時に居住者によって解錠されて開けられると共に、閉められて施錠される。図5のフローチャートは、居住者が外出した後、及び居住者が帰宅した後に繰り返し実行され、最初のステップ130では、玄関52に設けている閉止センサ56の検出結果から玄関ドア52Aが閉じられているか否かを確認する。この際、玄関ドア52Aが閉じられているとステップ130において肯定判定されてステップ132に移行し、玄関52が施錠されているか否かを確認する。
【0076】
ここで、玄関ドア52Aが閉じられていなかった場合、ステップ130において否定判定されてステップ134に移行する。ステップ134では、玄関52に設けられている閉止装置60を用いて、玄関ドア52Aへ閉止し、次のステップ136において、玄関52の施錠装置62によって玄関ドア52Aを施錠する。また、玄関ドア52Aが閉じられているにもかかわらず、施錠されていなかった場合、ステップ132において否定判定されてステップ136に移行することで、玄関ドア52Aが施錠される。
【0077】
このように、住宅監視システム10では、居住者の不在時は勿論、居住者の在宅時においても監視レベルにかかわらず、玄関52が閉止されて施錠される。このため、居住者以外の人によって玄関52が開けられるのを防止でき、玄関52における防犯をできる。
【0078】
一方、図6に示すように、窓54の施錠は、監視レベルに応じて部屋ごと又は窓ごとに実行され、最初のステップ140では、監視レベル3であるか否かを確認し、ステップ142では、監視レベル2であるかを確認する。
【0079】
この際、監視レベル2に設定されている場合(在宅しているのが子供のみの場合)、ステップ140において否定判定されると共にステップ142において肯定判定されてステップ144に移行する。このステップ144では、在室検出センサ68によって部屋に在室している居住者の検出を行い、ステップ146では、居住者が在室しているか否かを確認する。
【0080】
これにより、監視レベル3に設定されることで、ステップ140において肯定判定されてステップ148に移行する。また、監視レベル2に設定されているときに、居住者が在室していない部屋については、ステップ146において否定判定されてステップ148に移行する。
【0081】
ステップ148では、閉止センサ56の検出結果から窓54が閉じられていないか否かを確認する。また、ステップ150では、施錠検出センサ58の検出結果から窓54が施錠されているか否かを確認する。なお、監視レベル0又は監視レベル1の場合、ステップ140、142の各々で否定判定され、監視レベル2において部屋に居住者が在室している場合、ステップ146において肯定判定されて、一旦処理を終了する。
【0082】
ここで、部屋の窓が閉じられていない場合、ステップ148で肯定判定してステップ152に移行し、閉止装置64によって窓54を閉める。また、次のステップ154では、施錠装置66によって窓54を施錠する。また、窓54が示されているが施錠されていない場合、ステップ148、150の各々で否定判定されてステップ154に移行し、窓が施錠される。
【0083】
このように、住宅監視システム10では、居住者の不在時は勿論、子供のみが在宅している際、子供が在室していない部屋の窓54が施錠される。このため、居住者が不在の部屋の窓54が未施錠の状態になるのを防止できて、在宅している居住者に応じた効果的な防犯ができる。しかも、子供のみが在宅する監視レベル2の場合、不在となる部屋の窓54を施錠するので、子供が移動して不在となった部屋の窓54を確実に施錠して防犯できる。
【0084】
一方、住宅監視システム10では、監視レベルに応じて玄関52や窓54を施錠しながら、玄関52や窓54が開けられるのを監視レベルに応じて監視している。なお、図7では、窓54に対する監視処理を例に示している。
【0085】
このフローチャートでは、最初のステップ160において監視レベル3であるか否かを確認し、ステップ162において監視レベル2か否かを確認する。この際、監視レベル2に設定されている場合(在宅しているのが子供のみの場合)、ステップ160において否定判定されて、ステップ162において肯定判定される。これにより移行するステップ164では、在室検出センサ68によって部屋に在室している居住者の検出を行い、ステップ166では、居住者が在室しているか否かを確認する。
【0086】
これにより、監視レベル3に設定されている場合、ステップ160において肯定判定されてステップ168に移行する。また、監視レベル2に設定されている場合、居住者が在室していない部屋については、ステップ166において否定判定されてステップ168に移行する。
【0087】
ステップ168では、閉止センサ56の検出結果から窓54が開けられたか否かを確認する。なお、ステップ168では、施錠検出センサ58の検出結果から居住者が在室していないにもかかわらず窓54が解錠されたか否かを検出してもよい。
【0088】
ここで、誰も在室していない部屋の窓54が開けられた場合、ステップ168で肯定判定してステップ170に移行する。ステップ170では、報知アラーム48によって警報を報知すると共に、窓54が居住者以外の人によって開けられたことを警備システム14に通知する。
【0089】
また、監視レベル0又は監視レベル1の場合、ステップ160、162の各々で否定判定されてステップ172に移行する。このステップ172では、監視レベル1であるか否かを確認し、監視レベル1であると、ステップ172において肯定判定されてステップ174に移行する。ステップ174では、居住者が在室しているか否かを確認し、居住者が在室している場合、ステップ176において肯定判定されて、一旦、処理を終了する。なお、監視レベル0であると、ステップ172において否定判定されて、一旦、処理を終了する。
【0090】
これに対して、居住者が在室していない場合、ステップ176において否定判定されてステップ178に移行する。このステップ178では、閉じられていたはずの窓54が開けられたか否かを確認する。この際、窓54が閉じられていない場合や、窓54が新たに開けられなければ、ステップ178において否定判定される。
【0091】
ここで、閉められていたはずの窓54が開けられた場合、ステップ178において肯定判定されてステップ170に移行し、報知アラーム48によって警報を報知すると共に、窓54が居住者以外の人によって開けられたことを警備システム14に通知する。
【0092】
したがって、住宅監視システム10では、居住者の不在時は勿論、子供のみが在宅している際、子供が在室していない部屋の窓54が開けられると、警報を報知する。また、住宅監視システム10では、女性のみや女性と子供とが在宅している際、女性も子供も在室していない部屋の窓54が開けられると、警報を報知する。これにおり、住宅監視システム10では、女性及び子供の何れか少なくとも一方が在宅している状態で、警備システム14に異常発生を通知できる。
【0093】
なお、玄関52については、居住者以外が玄関ドア52Aを開いた(解錠した)ことが検出されると、報知アラーム48によって警報を報知すると共に、警備システム14に通知する。
【0094】
このように、住宅監視システム10では、居住者センサ50により在宅している居住者を検出し、在宅した居住者に応じて監視レベルを設定する。また、監視コントローラ16は、住宅12の各部屋の窓54に設けられた閉止センサ56及び施錠検出センサ58を用い、監視レベルに応じて窓54を監視する。このため、住宅12に在宅している居住者に応じた防犯のための効果的な監視が可能になる。
【0095】
また、監視コントローラ16は、在宅している居住者の居住者情報に応じて監視レベルを設定するので、在宅している居住者に応じた効果的な防犯のための監視条件の設定が容易になり、防犯のための効果的な窓54の監視ができる。しかも、住宅監視システム10では、居住者が手動操作で監視レベルを設定する必要がなく、在宅している居住者(居住者の組み合わせ)が変化した場合に監視レベルを円滑に設定(変更)できる。
【0096】
また、監視コントローラ16は、各部屋に居住者が在室しているかを在室検出センサ68により検出されるので、居住者の不在の部屋を選択して効果的に窓54を監視できる。
【0097】
さらに、監視コントローラ16は、監視結果に応じた情報を警備システムに通報するので、異常な窓54の解錠等の検出を警備システムに通知できる。しかも、監視コントローラ16は、報知アラーム48によって住宅12内に報知できる。
【0098】
一方、警備会社20では、警備システム14に住宅12における住宅監視システム10の監視レベルが通知される。これにより、警備会社20では、警備員の即応体制をとることができる。また、監視コントローラ16が異常発生を通知するので、警備会社20は、監視コントローラ16の通知に応じて、警備員の派遣や巡回等の警備業務を円滑に実行できる。
【0099】
また、監視コントローラ16は、監視レベルを警備システム14に通知する。このため、警備会社20では、監視レベルごとの時間を積算できる。このため、警備会社20において監視レベルごとに料金(課金)を算出できるので、住宅12と警備会社20との間で監視レベルごとに警備内容を設定できる。これにより、例えば、監視レベル3では、警備員の巡回と異常発生時の警備員の派遣、監視レベル1及び監視レベル2では、異常発生時の警備員の派遣を可能とする即応体制とするなどの契約をできる。したがって、居住者の在宅状況に応じた効果的な警備契約及び警備が可能になる。
【0100】
なお、本実施形態では、監視コントローラ16が各部屋について居住者が在室しているか否かを検出するように説明したが、在室検出センサ68として撮像手段を用い、撮影画像に対する画像解析を行うなどして、在室している居住者を特定するようにしてもよい。これにより、例えば、監視レベル1などにおいて、子供が窓54を開けたまま他の部屋に移動するのを検出できる。
【0101】
例えば、画像解析により居住者が、男性であるか、女性であるか、あるいは子供であるかを認識できるので、この認識結果を用いて監視レベル(防犯のための監視条件)を設定できるので、在室検出手段を在宅検出手段としての機能を合わせ持たすことができる等の効果が得られる。
【0102】
また、監視レベル1においては、子供が在室していた部屋から他の部屋に移動して際、子供が在室していた部屋(移動前の部屋)の窓54が施錠されないが、在室検出センサ68が検出していた子供が他の部屋に移動して在室者が検出されなくなった場合、その部屋の窓54を施錠するようにできる。これにより、子供によって窓54が開けられたのを、在宅している女性が気付かなくて防犯性が低下してしまうのを防止できる。
【0103】
一方、本実施の形態では、監視レベル2において、子供が不在の部屋の窓54を施錠するようにしたが、例えば、特定者としての子供を小学生以下又は幼児以下とする監視レベルを設定してもよい。この監視レベルにおいては、在室検出センサ68によって子供が検出された場合、その部屋の窓54を施錠するようにしてもよい。
【0104】
すなわち、幼児などの子供が部屋を移動した場合には、移動先の部屋の窓54を施錠するようにしてもよい。これにより、窓54が施錠されていない防犯性の低い部屋に子供(特に幼児)が一人でいるのを防止できる。また、子供が施錠されていない窓54の近くにいるのを制限できるので、特定者に対する防犯性を向上できる。
【0105】
また、住宅12には、親戚や居住者の知人、子供などが来訪して滞在することがある。この際、例えば、居住者センサ50として撮像手段が用いられることで、滞在者を検出できるので、撮影画像から滞在者が子供であるか、女性であるか、或いは男性であるかを識別できる。これにより、識別結果に基づいて居住者と滞在者とを含めた監視レベルの設定ができるので、設定した監視レベルに基づいて玄関52や各部屋の窓54の施錠状態を監視することで、高い防犯性は得られる。
【0106】
なお、本実施形態に係る住宅監視システム10では、監視コントローラ16に火災報知システム等が接続されてもよい。監視コントローラ16は、在室検出センサ68によって居住者が在室している部屋を特定できるので、火災報知システムが火災を検出した際に、居住者に円滑な避難を促すことができる、住宅監視システム10が防災システム等にとして機能できる。
【0107】
また、以上説明した本実施形態では、住宅監視システム10を住宅12に設け、在宅している居住者に応じた防犯のための監視を説明した。しかしながら、監視システムが設けられる建物は、別荘、貸別荘、公共の宿泊施設などの滞在施設であってもよい。この場合、建物に滞在する滞在者の属性情報として滞在者情報を予め登録することで、建物に来訪した滞在者や建物の滞在者を識別できる。これにより、滞在者に応じた建物の防犯のための監視条件を設定できて、滞在者に応じた効果的な防犯のための監視ができる。
【符号の説明】
【0108】
10 住宅監視システム(監視システム)
12 住宅(建物)
14 警備システム
16 監視コントローラ(監視手段、設定手段)
32 在宅設定部(設定手段)
34 監視設定部(設定手段)
36 在室検出部
38 施錠部
40 施錠状態検出部
42 監視判定部(監視手段)
44 報知部(報知手段)
50 居住者センサ(居住者検出手段、滞在者検出手段)
52 玄関(開口部)
54 窓(開口部)
56 閉止センサ(施錠検出手段)
58 施錠検出センサ(施錠検出手段)
60、64 閉止装置(施錠手段)
62、66 施錠装置(施錠手段)
68 在室検出センサ(在室検出手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7