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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/38 20060101AFI20230829BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20230829BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20230829BHJP
   H01G 4/224 20060101ALI20230829BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H01G4/38 A
H01G2/02 101E
H01G2/10 M
H01G4/224
H01G4/224 100
H01G4/228 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019049018
(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2020150230
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-10-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 朗丈
(72)【発明者】
【氏名】安藤 ▲徳▼久
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信弥
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 広祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 佳樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 一三
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-014329(JP,U)
【文献】特開2020-098834(JP,A)
【文献】特開2002-329637(JP,A)
【文献】特開2007-115726(JP,A)
【文献】特開2000-323356(JP,A)
【文献】実開昭55-091137(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02
H01G 2/10
H01G 4/224
H01G 4/228
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端面に端子電極が形成されたチップ部品と、
前記端子電極に接続される導電性端子と、
前記チップ部品が収容される収容凹部を有するケースと、
複数の前記ケースの各々を連結する連結部と、を有する電子部品であって、
前記導電性端子は、前記収容凹部の内側壁に沿って配置される内側電極部と、前記収容凹部の開口縁面に沿って配置される開口縁電極部と、を有し、
前記連結部は、第1係合部または前記第1係合部に係合可能な第2係合部であり、
複数の前記ケースの各々の外側面には、前記第1係合部および前記第2係合部が形成されており、
前記第1係合部は、前記ケースの外側に向かって突出する第1凸部からなり、
前記第2係合部は、前記ケースの外側に向かって突出する複数の第2凸部の集合体からなり、
前記第1凸部は、前記第1凸部の突出方向に沿って、各々離散して配置された複数の前記第2凸部の集合体で囲まれた領域に挿入されつつ、前記集合体で挟み込まれる電子部品。
【請求項2】
両端面に端子電極が形成されたチップ部品と、
前記端子電極に接続される導電性端子と、
前記チップ部品が収容されるケースと、
複数の前記ケースの各々を連結する連結部と、を有する電子部品であって、
前記連結部は、第1係合部または前記第1係合部に係合可能な第2係合部であり、
複数の前記ケースの各々の外側面には、前記第1係合部および前記第2係合部が形成されており、
前記第1係合部および前記第2係合部は、互いに係合可能な鉤形状を有し、
前記ケースの一方側の外側面には、前記第1係合部が対になって形成され、
前記ケースの他方側の外側面には、前記第2係合部が対になって形成され、
一対の前記第1係合部の各々は、互いに近づく方向に向かって屈曲し、
一対の前記第2係合部の各々は、互いに遠ざかる方向に向かって屈曲する電子部品。
【請求項3】
両端面に端子電極が形成されたチップ部品と、
前記端子電極に接続される導電性端子と、
前記チップ部品が収容されるケースと、
複数の前記ケースの各々を連結する連結部と、を有する電子部品であって、
前記連結部は、第1係合部または前記第1係合部に係合可能な第2係合部であり、
複数の前記ケースの各々の外側面には、前記第1係合部および前記第2係合部が形成されており、
前記第1係合部は、前記ケースの外側に向かって突出する凸部からなり、
前記第2係合部は、前記ケースの内側に向かって凹む凹部からなり、
前記凸部および前記凹部は、それぞれ十字形状を有する電子部品。
【請求項4】
両端面に端子電極が形成されたチップ部品と、
前記端子電極に接続される導電性端子と、
前記チップ部品が収容されるケースと、
複数の前記ケースの各々を連結する連結部と、を有する電子部品であって、
前記連結部は、前記ケースとは別体からなり、
前記連結部は、前記導電性端子を兼ねており、隣り合って接している複数の前記ケースの各々に収容された前記チップ部品の前記端子電極同士を接続し、
前記導電性端子は、第1内側電極部と、第2内側電極部と、前記第1内側電極部と前記第2内側電極部とを接続する接続部とを有し、
前記第1内側電極部は、一方の前記ケースに収容された前記チップ部品の前記端子電極に対向しているとともに、一方の前記ケースの第1内壁面に対向しており、
前記第2内側電極部は、他方の前記ケースに収容された前記チップ部品の前記端子電極に対向しているとともに、他方の前記ケースの第2内壁面に対向しており、
前記接続部は、前記第1内壁面と交差する一方の前記ケースの第1開口縁面と、前記第2内壁面と交差する他方の前記ケースの第2開口縁面とに対向しつつ、前記第1開口縁面から前記第2開口縁面にかけて延在している電子部品。
【請求項5】
前記第1内側電極部は、一方の前記ケースに収容された前記チップ部品の前記端子電極に接続され、
前記第2内側電極部は、他方の前記ケースに収容された前記チップ部品の前記端子電極に接続されている請求項4に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサなどのチップ部品が収容されるケースを有する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサなどの電子部品としては、チップ部品を単体で直接基板等に面実装等する通常の電子部品の他、たとえば特許文献1に示すように、チップ部品をケース(筐体)内に収容してなる電子部品が知られている。
【0003】
この種の電子部品は、実装後において、チップ部品を衝撃等から保護する効果を有することが報告されており、耐久性および信頼性等が要求される分野において使用されている。
【0004】
しかしながら、従来の電子部品は、1ケース単位で構成されるのが通常であり、複数の電子部品を一体として扱いたい場合に、ユーザにとって必ずしも利便性が高いものとはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-040684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、ユーザにとって利便性の高い電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子部品は、
両端面に端子電極が形成されたチップ部品と、
前記端子電極に接続される導電性端子と、
前記チップ部品が収容されるケースと、
複数の前記ケースの各々を連結する連結部と、を有する。
【0008】
本発明に係る電子部品は、複数のケースの各々を連結する連結部を有する。そのため、連結部を介して複数のケースの各々を連結させることにより、複数の電子部品の結合体を構成することが可能となる。したがって、ユーザは複数の電子部品を一体として扱うことができる他、利用場面に応じてケースの連結数を増減する等のアレンジを行うことにより、その構成をユーザが利用しやすい形態に最適化することができる。
【0009】
前記連結部は、第1係合部または前記第1係合部に係合可能な第2係合部であり、複数の前記ケースの各々の外側面には、前記第1係合部および前記第2係合部が形成されている。このような構成とすることにより、連結部を別途用意することなく、各ケースに備わっている第1係合部および第2係合部を介して、複数のケースの各々を連結させることができる。
【0010】
前記第1係合部および前記第2係合部は、互いに係合可能な鉤形状を有する。このような構成とすることにより、一方のケースに形成された第1係合部と、他方のケースに形成された第2係合部とを噛み合わせる(あるいは、引っ掛ける)ことにより、各ケースを連結させることができる。
【0011】
好ましくは、前記ケースの一方側の外側面には、前記第1係合部が対になって形成され、前記ケースの他方側の外側面には、前記第2係合部が対になって形成され、一対の前記第1係合部の各々は、互いに近づく方向に向かって屈曲し、一対の前記第2係合部の各々は、互いに遠ざかる方向に向かって屈曲する。このような構成とすることにより、一方のケースに形成された一対の第1係合部と、他方のケースに形成された一対の第2係合部とを係合させたときに、それぞれ反対方向に向かって屈曲する第1係合部と第2係合部とが互い違いに噛み合わされ(あるいは、引っ掛かり)、各ケースを強固に連結させることができる。
【0012】
前記第1係合部は、前記ケースの外側に向かって突出する凸部からなり、前記第2係合部は、前記ケースの内側に向かって凹む凹部からなっていてもよい。このような構成とした場合、一方のケースに形成された凸部と、他方のケースに形成された凹部とを係合させることにより、各ケースを容易に連結させることができる。
【0013】
前記凸部および前記凹部は、それぞれ台形状の横断面形状を有していてもよい。このような構成とすることにより、一方のケースに形成された凸部と、他方のケースに形成された凹部とを係合させたときに、凸部が凹部から抜け難くなり、各ケース間の連結強度を高めることができる。
【0014】
好ましくは、前記凸部は、その突出方向に向かうにしたがって、前記ケースの高さ方向に沿って幅広となり、前記凹部は、前記突出方向とは反対方向に向かうにしたがって、前記ケースの高さ方向に沿って幅広となる。このような構成とすることにより、凸部が凹部から突出方向に向かって抜け難くなる。
【0015】
好ましくは、前記凹部は、前記ケースの角部から、前記ケースの外側面に沿って略水平に延びている。このような構成とすることにより、ケースに高さ方向に沿う外力が与えられても、各ケース間における第1係合部と第2係合部との係合が解かれ難くなる。
【0016】
前記凸部は、その突出方向に向かうにしたがって、前記ケースの高さ方向に垂直な幅方向に沿って幅広となり、前記凹部は、前記突出方向とは反対方向に向かうにしたがって、前記ケースの幅方向に沿って幅広となっていてもよい。このような構成とすることにより、凸部が凹部から突出方向に向かって抜け難くなる。
【0017】
好ましくは、前記凹部は、前記ケースの角部から、前記ケースの外側面に沿って略垂直に延びている。このような構成とすることにより、ケースに幅方向に沿う外力が与えられても、各ケース間における第1係合部と第2係合部との係合が解かれ難くなる。
【0018】
前記凸部および前記凹部は、それぞれ十字形状を有していてもよい。このような構成とすることにより、ケースに高さ方向または幅方向に沿う外力が与えられても、各ケース間における第1係合部と第2係合部との係合が解かれ難くなる。
【0019】
前記第1係合部は、前記ケースの外側に向かって突出する第1凸部からなり、前記第2係合部は、前記ケースの外側に向かって突出する複数の第2凸部の集合体からなり、前記第1凸部は、各々離散して配置された複数の前記第2凸部の集合体で挟み込まれていてもよい。このような構成とすることにより、一方のケースに形成された第1凸部と、他方のケースに形成された第2凸部の集合体とを係合させることにより、各ケースを連結させることができる。
【0020】
前記連結部は、前記ケースとは別体からなっていてもよい。このような構成とした場合、ケースに連結部が形成されないため、ケースの構成を簡素化させることが可能である。
【0021】
好ましくは、前記連結部は、前記導電性端子を兼ねており、複数の前記ケースの各々に収容された前記チップ部品の前記端子電極同士を接続する。このような構成とすることにより、連結部を介して、各ケースを連結させるだけでなく、各ケースに収容された各チップ部品を容易に直列または並列に接続することができる。
【0022】
好ましくは、前記連結部は、複数の前記ケースの各々に収容された前記チップ部品の前記端子電極に接続される複数の内側電極部と、複数の前記内側電極部の各々を接続する接続部とを有する。このような構成とすることにより、各内側電極部および接続部を介して、各チップ部品を電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明の第1実施形態に係る電子部品の概略斜視図である。
図2A図2A図1に示すケースを透明にして内部を示す電子部品の概略斜視図である。
図2B図2B図1に示すケースの概略斜視図である。
図3図3図1に示すIII-III線に沿う電子部品の断面図である。
図4図4図1に示す電子部品を3つ連結させた状態を示す概略斜視図である。
図5図5図4に示す電子部品の実装状態の一例を示す一部透明側面図である。
図6A図6Aは本発明の第2実施形態に係る電子部品を4つ連結させた状態を示す概略斜視図である。
図6B図6B図6Aに示す各ケースの連結状態を示す概略斜視図である。
図6C図6C図6Aに示す各種金属端子の概略斜視図である。
図7A図7A図6Bに示すケース単体を示す概略斜視図である。
図7B図7B図7Aに示すケースを異なる角度から見た概略斜視図である。
図8A図8Aは本発明の第3実施形態に係る電子部品を3つ連結させた状態を示す概略斜視図である。
図8B図8B図8Aに示す各ケースの連結状態を示す概略斜視図である。
図8C図8C図8Aに示す各種金属端子の概略斜視図である。
図8D図8D図8Aに示す各ケースの連結状態を示す他の概略斜視図である。
図9A図9A図8Bに示すケース単体を示す概略斜視図である。
図9B図9B図9Aに示すケースを異なる角度から見た概略斜視図である。
図10A図10Aは本発明の第4実施形態に係る電子部品のケースの概略斜視図である。
図10B図10B図10Aに示すケースを異なる角度から見た概略斜視図である。
図11図11図10Aに示すケースを4つ連結させた状態を示す概略斜視図である。
図12A図12Aは本発明の第5実施形態に係る電子部品のケースの概略斜視図である。
図12B図12B図12Aに示すケースを異なる角度から見た概略斜視図である。
図13図13図12Aに示すケースを4つ連結させた状態を示す概略斜視図である。
図14A図14Aは本発明の第6実施形態に係る電子部品のケースの概略斜視図である。
図14B図14B図14Aに示すケースを異なる角度から見た概略斜視図である。
図15図15図14Aに示すケースを4つ連結させた状態を示す概略斜視図である。
図16A図16Aは本発明の第7実施形態に係る電子部品を示す概略斜視図である。
図16B図16B図16Aに示す電子部品の変形例を示す概略斜視図である。
図17図17図16Aに示す金属端子の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0025】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る電子部品10は、2つのコンデンサチップ(チップ部品)20a,20bと、一対の個別金属端子30,30と、中間接続体50と、絶縁ケース60と、を有する。
【0026】
図2Aに示すように、コンデンサチップ20a,20bは、それぞれ略直方体形状であり、互いに略同一の形状およびサイズを有している。図3に示すように、コンデンサチップ20a,20bは、それぞれ内部電極層26と誘電体層28とがY軸方向に沿って積層してある素子本体を有し、素子本体のX軸方向(長手方向)に互いに対向する第1端面21および第2端面23には、それぞれ第1端子電極22および第2端子電極24が形成してあり、積層方向に隣り合ういずれかの内部電極層26に接続してある。
【0027】
コンデンサチップ20a,20bにおける誘電体層28の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムまたはこれらの混合物などの誘電体材料で構成される。各誘電体層28の厚みは、特に限定されないが、1μm~数百μmのものが一般的である。本実施形態では、各誘電体層28の厚みは、好ましくは1.0~5.0μmである。
【0028】
内部電極層26に含有される導電体材料は特に限定されないが、誘電体層28の構成材料が耐還元性を有する場合には、比較的安価な卑金属を用いることができる。卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。また、内部電極層26は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよい。内部電極層26の厚みは用途等に応じて適宜決定すればよい。
【0029】
第1端子電極22および第2端子電極24の材質も特に限定されず、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。端子電極22,24の厚みも特に限定されないが、通常10~50μm程度である。なお、第1端子電極22および第2端子電極24の表面には、Ni、Cu、Sn等から選ばれる少なくとも1種の金属被膜が形成されていてもよい。
【0030】
コンデンサチップ20a,20bの形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。コンデンサチップ20a,20bは、たとえば、縦(図2Aに示すX軸寸法)1.0~6.5mm×横(図2Aに示すZ軸寸法)0.5~5.5mm×厚み(図2Aに示すZ軸寸法)0.3~3.5mm程度である。複数のコンデンサチップ20a,20bの各々について、互いに大きさや形状が異なっていてもかまわない。なお、図面において、X軸とY軸とZ軸とは、相互に垂直である。
【0031】
図2Bに示すように、絶縁ケース60は、X軸方向に細長い直方体形状の筐体で構成され、Z軸の上方向に向けて開口する収容凹部62を囲む外壁61と底壁63を有している。
【0032】
絶縁ケース60の収容凹部62の開口面は、Z軸方向の上面にのみ形成されている。外壁61と底壁63とには、絶縁ケース60の外部と通じる孔、切り欠き、溝、または開口が何ら形成されていない。収容凹部62の開口面に沿って、絶縁ケース60には、開口縁面66が、外壁61のZ軸方向の上面に具備してある。本実施形態では、開口縁面66は、図1に示す中間接続体50のZ軸方向の上面に対して面一であるが、異なっていてもよい。
【0033】
図1および図2Bに示すように、収容凹部62に中間接続体50が介挿されることにより、収容凹部62の内部には、X軸方向に沿って配置される2つの収容空間が形成される。収容凹部62の大きさは、2つのコンデンサチップ20a,20bをX軸方向に並べて収容可能な程度の大きさとなっている。
【0034】
収容凹部62のY軸方向の幅は、コンデンサチップ20a,20bが収容凹部62の内部に入り込めるように決定してある。また、収容凹部62のZ軸方向の深さは、収容凹部62の内部にコンデンサチップ20a,20bを収容した場合に、コンデンサチップ20a,20bのZ軸方向の上端が、開口縁面66からZ軸方向の上部に飛び出さないように決定される。
【0035】
ただし、コンデンサチップ20a,20bのZ軸方向の上端は、開口縁面66からZ軸方向の上部に多少飛び出してもよい。絶縁ケース60は、セラミック、ガラスあるいは合成樹脂などの絶縁体で構成されており、絶縁体は難燃性の材料で構成されていてもよい。
【0036】
本実施形態では、コンデンサチップ20a,20bを収容凹部62内に容易に収容することが可能である。このように、収容凹部62内にコンデンサチップ20a,20bを収容することにより、コンデンサチップ20a,20bを衝撃などから有効に保護することができる。
【0037】
収容凹部62の開口面の各角部(四隅)には、それぞれ係合凸部67が形成されている。各係合凸部67には、後述する個別金属端子30,30の係合片324,324の各々が係合(固定)される。
【0038】
外壁61の内壁面(内側面)には、Z軸方向に延びる2つの係合溝69,69が形成されている。各係合溝69は、外壁61のうち、X-Z平面に平行な壁面(X軸方向に細長い壁面)の内側に形成されており、当該壁面の長手方向の途中位置(X軸方向の略中央部)に位置する。
【0039】
係合溝69は、外壁61の上端から下端にかけて連続的に形成されており、係合溝69のX軸方向の幅およびY軸方向の深さは、中間接続体50が差し込まれて固定できる程度の幅となっている。例えば、係合溝69のX軸方向の幅は、中間接続体50の板厚と同程度、あるいはそれよりも大きい。
【0040】
図1および図2Aに示すように、外壁61には一対の個別金属端子30,30が設けられる。本実施形態では、一対の個別金属端子30,30の各々は、X軸方向(絶縁ケース60の長手方向)に対向して配置される。
【0041】
一対の個別金属端子30,30の各々は、同一の構成を有し、それぞれ一枚の導電性板片(たとえば、金属板)を略C字形状に折曲成形して形成される。金属板の板厚としては、特に限定されないが、好ましくは0.01~2.0mm程度である。
【0042】
個別金属端子30は、絶縁ケース60の収容凹部62のX軸方向の一方側または他方側の内側壁に沿って差し込まれる内側電極部32を有する。内側電極部32は、コンデンサチップ20a(20b)の第1端子電極22(第2端子電極24)に接触して電気的に接続される。内側電極部32には、コンデンサチップ20a(20b)に向けてスプリング力で押し付けられる湾曲部320が具備してある。内側電極部32に連続して開口縁面66に沿って開口縁電極部34が形成してある。
【0043】
本実施形態では、この内側電極部32における開口縁電極部34の近傍には、幅方向(Y軸方向)に沿って細長い貫通孔322が形成してある。貫通孔322を形成することで、開口縁電極部34を、図5に示すように、回路基板70などにハンダ80などで接続する際に、内側電極部32の方向へのハンダ上がりを貫通孔322で防止することができる。すなわち、いわゆるハンダブリッジを有効に防止することができる。
【0044】
図1および図2Aに示すように、開口縁電極部34に連続して絶縁ケース60の外壁61の外側面(外側壁)に沿って側面電極部36が開口縁電極部34と一体に形成してある。本実施形態では、側面電極部36は、外壁61の外側面に沿ってZ軸方向に延びるように形成してある。なお、側面電極部36は、外壁61の外壁面に接触している必要はなく、外壁61の外壁面に所定の隙間で平行に配置してもよい。また、開口縁電極部34は、外壁の開口縁面66に接触していることが好ましいが、多少の隙間があってもよい。また、湾曲部320は必須ではなく、省略してもよい。上述した点は、後述する各種の金属端子についても同様である。
【0045】
内側電極部32の開口縁電極部34近傍には、幅方向(Y軸方向)に沿って外側に突出する係合片324が両側に形成してある。これらの係合片324は、図2Bに示す絶縁ケース60の収容凹部62のX軸方向の両側の内壁面のY軸方向の両側に形成してある係合凸部67に、それぞれ係合可能になっている。係合凸部67は、開口縁面66と面一になるように形成してあることが好ましい。
【0046】
図2Aに示す個別金属端子30の内側電極部32を図2Bに示す絶縁ケース60の内部に挿入するのみで、ワンタッチ式に係合凸部67に係合片324が係合し、絶縁ケース60に対する端子30の位置決めと強固な固定を容易に行うことができる。
【0047】
図2Aおよび図5に示すように、中間接続体50は、導電性を有する矩形の平板で構成され、一対の個別金属端子30,30の各々の間に配置される。中間接続体50と一対の個別金属端子30,30とはX軸方向に沿って配置され、中間接続体50のX軸方向の両側には、コンデンサチップ20a,20bが配置される。
【0048】
中間接続体50は、隣接する(直列に配置された)各コンデンサチップ20a,20bの端子電極24,22同士を接続する。すなわち、本実施形態では、各コンデンサチップ20a,20bの端子電極24,22は、中間接続体50を介して、間接的に接続される。中間接続体50は、図2Bに示す各係合溝69を通じて、収容凹部62の内部に差し込まれる。
【0049】
中間接続体50は、X軸方向の一方側を向く第1接続面51と、X軸方向の他方側を向く第2接続面52とを有する。接続面51,52は、個別金属端子30,30の側面電極部36,36と対向する面である。第1接続面51にはコンデンサチップ20aの第2端子電極24が接続され、第2接続面52にはコンデンサチップ20bの第1端子電極22が接続される。各コンデンサチップ20a,20bは、中間接続体50を介して電気的に接続される。
【0050】
中間接続体50(接続面51,52)の面積は、コンデンサチップ20a,20bの端子電極24,22の面積よりも大きくなっているが、特に限定されるものではない。コンデンサチップ20a,20bの各々の間の電気的接続を確保することができれば、図示の例よりも小さくてもよく、また、中間接続体50の形状を例えば正方形、円形、三角形、あるいはその他の形状としてもよい。
【0051】
本実施形態では、コンデンサチップ20a,20bは、一対の個別金属端子30,30の各々の間に、各々の端面21,23同士を向い合せて配置される。すなわち、コンデンサチップ20a,20bは、収容凹部62の内部において、X軸方向に沿って直列に配置される。
【0052】
コンデンサチップ20aは、一方の個別金属端子30と中間接続体50との間の空間に配置されており、当該個別金属端子30の湾曲部320からスプリング力を受けつつ、一方の個別金属端子30と中間接続体50とで挟み込まれている。
【0053】
コンデンサチップ20bは、他方の個別金属端子30と中間接続体50との間の空間に配置されており、当該個別金属端子30の湾曲部320からスプリング力を受けつつ、他方の個別金属端子30と中間接続体50とで挟み込まれている。
【0054】
電子部品10は、図1に示す状態から上下反転させた状態で、回路基板(外部回路)70の個別回路パターン72,72に実装される。すなわち、電子部品10の実装面は、図2Bに示す収容凹部62の開口面側となる。電子部品10は、個別金属端子30,30(開口縁電極部34,34および側面電極部36,36)と個別回路パターン72,72とをハンダ80あるいは導電性接着剤などで接続することにより、回路基板(外部回路)70に実装される。
【0055】
側面電極部36,36と個別回路パターン72,72との間には半田フィレットが形成され、電子部品10を回路基板(外部回路)70に強固に固定することが可能となっている。
【0056】
本実施形態では、2つのコンデンサチップ20a,20bの各々の端子電極22,24は、絶縁ケース60に個別金属端子30,30および中間接続体50が取り付けられた状態で、内側電極部32,32および中間接続体50に圧接される。なお、各個別金属端子30,30の内側電極部32,32と収容凹部62の内壁面との間に、弾力性シートを介在させて、弾力性シートの変形により、各コンデンサチップ20a,20bの端子電極22,24が内側電極部32,32に圧接するようにしてもよい。
【0057】
図1に示すように、電子部品10は、連結部100を有する。本実施形態では、絶縁ケース60の外壁61に、4つの連結部100が備わっている。4つの連結部100の各々は、第1係合部110、または第1係合部110に係合可能な第2係合部120のいずれかである。すなわち、本実施形態では、第1係合部110および第2係合部120の各々が、連結部100としての役割を果たす。
【0058】
第1係合部110および第2係合部120は、絶縁ケース60の外壁61の外側面に形成されている。外壁61のY軸方向の一方側の外側面には、第1係合部110,110が対になって形成され、外壁61のY軸方向の他方側の外側面には、第2係合部120,120が対になって形成されている。
【0059】
第1係合部110および第2係合部120は、互いに係合可能な鉤形状を有し、それぞれL字状に屈曲した屈曲部からなる。一対の第1係合部110,110の各々は、X軸に沿って互いに近づく方向(絶縁ケース60の中央に向かう方向)に向かって屈曲している。一対の第2係合部120,120の各々は、X軸に沿って互いに遠ざかる方向(絶縁ケース60の外側に向かう方向)に向かって屈曲している。
【0060】
一対の第1係合部110,110の各々は、絶縁ケース60のX軸方向の一端側および他端側に形成されている。同様に、一対の第2係合部120,120の各々は、絶縁ケース60のX軸方向の一端側および他端側に形成されている。
【0061】
絶縁ケース60のX軸方向の一端側に形成された第1係合部110および第2係合部120の各々は、外壁60を挟んで、互いに向かい合って配置されている。絶縁ケース60のX軸方向の他端側に形成された第1係合部110および第2係合部120の各々は、外壁60を挟んで、互いに向かい合って配置されている。
【0062】
図2Bに示すように、第1係合部110は、外壁61の外側面に沿ってX軸方向に向かって延びる第1沿面部111と、第1沿面部111のX軸方向の一端と外壁61の外側面とを接続する第1接続部112とを有する。一対の第1沿面部111,111の各々は、一対の第1接続部112,112の各々との接続部を起点として、互いに近づく方向に向かって延びている。第1沿面部111および第1接続部112は、Z軸方向に沿って、外壁60の一端から他端にかけて連続的に延びている。
【0063】
第2係合部120は、外壁61の外側面に沿ってX軸方向に向かって延びる第2沿面部121と、第2沿面部121のX軸方向の一端と外壁61の外側面とを接続する第2接続部122とを有する。一対の第2沿面部121,121の各々は、一対の第2接続部122,122の各々との接続部を起点として、互いに遠ざかる方向に向かって延びている。第2沿面部121および第2接続部122は、Z軸方向に沿って、外壁60の一端から他端にかけて連続的に延びている。
【0064】
図4に示すように、絶縁ケース60_1において、外壁61の外側面と第1沿面部111との間に形成された隙間には、絶縁ケース60_2に形成された第2沿面部121がZ軸方向にスライドして挿入される。これにより、絶縁ケース60_1の外壁61に形成された一対の第1係合部110,110と、絶縁ケース60_2の外壁61に形成された一対の第2係合部120,120とが係合し、絶縁ケース60_1と絶縁ケース60_2とが、連結部100(係合部110および係合部120)を介して連結(固定)される。なお、絶縁ケース60_1と絶縁ケース60_2とは同一の構成からなる。
【0065】
また、絶縁ケース60_2において、外壁61の外側面と第1沿面部111との間に形成された隙間には、絶縁ケース60_3に形成された第2沿面部121がZ軸方向にスライドして挿入される。これにより、絶縁ケース60_2の外壁61に形成された一対の第1係合部110,110と、絶縁ケース60_3の外壁61に形成された一対の第2係合部120,120とが係合し、絶縁ケース60_2と絶縁ケース60_3とが、連結部100(係合部110および係合部120)を介して連結(固定)される。なお、絶縁ケース60_2と絶縁ケース60_3とは同一の構成からなる。
【0066】
前述の通り、本実施形態では、一対の第1沿面部111,111の各々のX軸方向の延在方向と、一対の第2沿面部121,121の各々のX軸方向の延在方向とが異なっている。そのため、各絶縁ケース60_1~60_3間において、第1沿面部111と第2沿面部121とが係合された状態では、各絶縁ケース60_1~60_3によるX軸方向の両側に沿う移動が制限される。
【0067】
以下に、電子部品10の製造方法について説明する。
【0068】
各コンデンサチップ20a,20bは、一般的な積層セラミックコンデンサの製造方法により製造される。
【0069】
個別金属端子30の製造では、まず、平板状の金属板材を準備する。金属板材の材質は、導電性を有する金属材料であれば特に限定されず、たとえば鉄、ニッケル、銅、銀等若しくはこれらを含む合金を用いることができる。次に、金属板材を機械加工することにより、内側電極部32、開口縁電極部34および側面電極部36の形状を付与した中間部材を得る。
【0070】
次に、機械加工により形成された中間部材の表面に、めっきによる金属被膜を形成することにより、個別金属端子30を得る。めっきに用いる材料としては、特に限定されないが、たとえばNi、Sn、Cu等が挙げられる。なお、個別金属端子30の製造では、帯状に連続する金属板材から、個別金属端子30が、互いに連結された状態で形成されてもよい。
【0071】
中間接続体50の製造方法では、前述の金属板材を機械加工することにより、中間接続体50の形状を付与した中間部材を得て、これにめっきによる金属皮膜を形成すればよい。絶縁ケース60は、たとえば射出成形により製造することができる。なお、中間接続体50は、金属以外の導電性材料で構成された導電性端子で構成されてもよい。個別金属端子30についても同様である。
【0072】
上述のようにして得られた一対の個別金属端子30,30および中間接続体50を、絶縁ケース60に取り付ける。個別金属端子30,30は、それぞれの内側電極部32,32を、それぞれ絶縁ケース60の収容凹部62のX軸方向の両側に形成してある内壁面に沿って挿入することにより、絶縁ケース60に取り付けることができる。中間接続体50は、外壁61の内側面に形成された係合溝69に沿って挿入することにより、絶縁ケース60に取り付けることができる。
【0073】
次に、収容凹部62の内部に、コンデンサチップ20a,20bを開口部の上から挿入することにより、図1に示す電子部品10を製造することができる。その後、以上のようにして製造した電子部品10を必要数だけ用意し、図4に示すように、各絶縁ケース60_1~60_3間で、第1係合部110と第2係合部120とを係合させることにより、複数の電子部品10_1~10_3の結合体を構成することができる。
【0074】
本実施形態に係る電子部品10は、図1および図4に示すように、複数の絶縁ケース60_1~60_3の各々を連結する連結部100を有する。そのため、連結部100を介して複数の絶縁ケース60_1~60_3の各々を連結させることにより、複数の電子部品10の結合体を構成することが可能となる。したがって、ユーザは複数の電子部品10_1~10_3を一体として扱うことができる他、利用場面に応じて絶縁ケース60_1~60_3の連結数を増減する等のアレンジを行うことにより、その構成をユーザが利用しやすい形態に最適化することができる。
【0075】
また、本実施形態では、複数の絶縁ケース60_1~60_3の各々の外壁61の外側面に、第1係合部110および第2係合部120が形成されている。そのため、連結部100を別途用意することなく、各絶縁ケース60_1~60_3に備わっている第1係合部110および第2係合部120を介して、複数の絶縁ケース60_1~60_3の各々を連結させることができる。
【0076】
また、本実施形態では、第1係合部110および第2係合部120が、互いに係合可能な鉤形状を有する。そのため、一方の絶縁ケース60_1に形成された第1係合部110と、他方の絶縁ケース60_2に形成された第2係合部120とを噛み合わせる(あるいは、引っ掛ける)ことにより、各絶縁ケース60_1,60_2を連結させることができる。
【0077】
また、一対の第1係合部110,110の各々は、互いに近づく方向に向かって屈曲し、一対の第2係合部120,120の各々は、互いに遠ざかる方向に向かって屈曲している。そのため、一方の絶縁ケース60_1に形成された一対の第1係合部110,110と、他方の絶縁ケース60_2に形成された一対の第2係合部120,120とを係合させたときに、それぞれ反対方向に向かって屈曲する第1係合部110と第2係合部120とが互い違いに噛み合わされ(あるいは、引っ掛かり)、絶縁ケース60_1と絶縁ケース60_2とを強固に連結させることができる。
【0078】
第2実施形態
図6A図7Bに示す実施形態に係る電子部品10A_1~10A_4の各々は、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係る電子部品10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図6A図7Bにおいて、第1実施形態の電子部品10における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0079】
図6Aに示すように、4つの電子部品10A_1~10A_4の各々は、コンデンサチップ20a,20bの他、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々と、連結部100Aと、各種の金属端子とを有する。絶縁ケース60A_1~60A_4の各々は同一の構成からなる。
【0080】
図6Bに示すように、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々は、略立方体形状の筐体で構成され、Z軸の上方向に向けて開口する複数の収容凹部62Aa,62Abを囲む外壁61Aと底壁63Aと仕切壁64とを有している。Y軸方向に隣り合う収容凹部62Aa,62Abは、仕切壁64により大部分が仕切られているが、仕切壁64に設けられた連絡溝65により、一部が相互に連通している。
【0081】
連絡溝65は、各収容凹部62Aa,62AbにおけるX軸方向における一方側の内壁面に沿って形成してある。連絡溝65のZ軸方向の溝深さは、各収容凹部62Aa,62AbのZ軸方向の深さよりも浅く形成してある。連絡溝65のX軸方向の幅は、各種の金属端子が差し込まれて固定できる程度の幅である。
【0082】
底壁63Aは、複数の収容凹部62Aa,62Ab毎に分離して形成してある。また、連絡溝65とX軸方向の反対側に位置する各収容凹部62Aa,62Abの開口面の角部には、それぞれ係合凸部67が形成してある。
【0083】
図6Aに示すように、本実施形態では、金属端子として、2つの第1個別金属端子30(個別金属端子30)と、2つの第2個別金属端子30aと、共通金属端子40と、第1連結金属端子130aと、2つの第2連結金属端子130bと、第3連結金属端子130cとが、電子部品10A_1~10A_4に具備されている。
【0084】
図6A図6Cに示すように、2つの第1個別金属端子30のうち、一方の第1個別金属端子30は、絶縁ケース60A_3において、収容凹部62Aaの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入される。この第1個別金属端子30の内側電極部32は、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。
【0085】
他方の第1個別金属端子30は、絶縁ケース60_4において、収容凹部64Abの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入される。この第1個別金属端子30の内側電極部32は、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0086】
図6Cに示すように、第2個別金属端子30aは、内側電極部32aがY-Z平面に平行な矩形状の平板を具備する点において、第1個別金属端子30とは異なる。すなわち、内側電極部32aには、湾曲部320が具備されていない。
【0087】
図6A図6Cに示すように、2つの第2個別金属端子30aの各々は、絶縁ケース60A_2に対して、Y軸方向に所定間隔(仕切壁64のY軸方向の厚みに対応)で離れて取り付けられて絶縁される。
【0088】
図6Cに示すように、共通金属端子40は、一対の内側電極部42,42を有する。これらは、Z軸方向に延びるスリット43により分離され、連絡片425および開口縁電極部44により連結してある。開口縁電極部44には、側面電極部46が連続して形成してある。開口縁電極部44は、内側電極部42に連続しており、図6Bに示す開口縁面66Aに沿って配置される。側面電極部46は、開口縁電極部44に連続しており、外壁61Aの外側面に沿って配置される。
【0089】
図6A図6Cに示すように、共通金属端子40は、電子部品10A_1に設けられる。内側電極部42は、収容凹部62Aa,62Abの連絡溝65が形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、異なるコンデンサチップ20a,20bの第1端子電極22,22同士を接続する。内側電極部42は、連絡溝65を通じて、収容凹部62Aa,62Abを跨ぐように内壁面に沿って収容凹部62Aa,62Abの内部に取り付けられる。連絡片425は、連絡溝65に係合する。
【0090】
図6Cに示すように、第1連結金属端子130aは、一対の内側電極部32,32を有する。内側電極部32には、略正方形状からなる貫通孔322が具備されている。一対の内側電極部32,32の各々は、Z軸方向に延びるスリット133により分離され、接続部(開口縁電極部)134aにより接続(連結)してある。接続部134aには、側面電極部36が連続して形成してある。接続部134aは、X-Y平面に平行な略矩形状の平板からなり、一対の内側電極部32,32の各々を接続する。
【0091】
図6A図6Cに示すように、第1連結金属端子130aは、絶縁ケース60A_3および絶縁ケース60A_4の各々に跨って取り付けられる。一対の内側電極部32,32のうち、一方の内側電極部32は、絶縁ケース60A_3の収容凹部62Abの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0092】
他方の内側電極部32は、絶縁ケース60A_4の収容凹部62Aaの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。
【0093】
接続部134aは絶縁ケース60A_3,60A_4の各々の開口沿面66Aに跨って配置され、側面電極部36は、絶縁ケース60A_3,60A_4の各々の外壁61の外側面に跨って配置される。これにより、絶縁ケース60A_3と絶縁ケース60A_4とは、第1連結金属端子130aを介して接続(連結)される。
【0094】
すなわち、第1連結金属端子130aは、異なる2つの絶縁ケース60A_3,60A_4の収容凹部62Ab,62Aaの内部に収容されたコンデンサチップ20b,20aの第2端子電極24,24同士を接続する機能を有する他、絶縁ケース60A_3,60A_4の各々を連結する機能を有する。
【0095】
図6Cに示すように、第2連結金属端子130bは、内側電極部32,32aを有する。内側電極部32,32aの各々は、X-Y平面に平行な略矩形状の平板からなる接続部(開口縁電極部)134bにより接続(連結)してある。
【0096】
図6A図6Cに示すように、2つ第2連結金属端子130bのうち、一方の第2連結金属端子130bは、絶縁ケース60A_2および絶縁ケース60A_3の各々に跨って取り付けられる。他方の第2連結金属端子130bは、絶縁ケース60A_1および絶縁ケース60A_4の各々に跨って取り付けられる。
【0097】
一方の第2連結金属端子130bにおいて、内側電極部32は、絶縁ケース60A_2の収容凹部62Aaの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。内側電極部32aは、絶縁ケース60A_3の収容凹部62Aaの連絡溝65が形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第1端子電極22に接続される。
【0098】
接続部134bは、絶縁ケース60A_2,60A_3の各々の開口沿面66Aに跨って配置される。これにより、絶縁ケース60A_2と絶縁ケース60A_3とは、第2連結金属端子130bを介して接続(連結)される。
【0099】
すなわち、一方の第2連結金属端子130bは、異なる2つの絶縁ケース60A_2,60A_3の収容凹部62Aa,62Aaの内部に収容されたコンデンサチップ20a,20aの端子電極24,22同士を接続する機能を有する他、絶縁ケース60A_2,60A_3の各々を連結する機能を有する。
【0100】
他方の第2連結金属端子130bにおいて、内側電極部32は、絶縁ケース60A_1の収容凹部62Abの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。内側電極部32aは、絶縁ケース60A_4の収容凹部62Abの連絡溝65が形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第1端子電極22に接続される。
【0101】
接続部134bは、絶縁ケース60A_1,60A_4の各々の開口沿面66Aに跨って配置される。これにより、絶縁ケース60A_1と絶縁ケース60A_4とは、第2連結金属端子130bを介して接続(連結)される。
【0102】
すなわち、他方の第2連結金属端子130bは、異なる2つの絶縁ケース60A_1,60A_4の収容凹部62Ab,62Abの内部に収容されたコンデンサチップ20b,20bの端子電極24,22同士を接続する機能を有する他、絶縁ケース60A_1,60A_4の各々を連結する機能を有する。
【0103】
図6Cに示すように、第3連結金属端子130cは、一対の内側電極部32,32と一対の内側電極部32a,32aとを有する。一対の内側電極部32,32の各々は、Z軸方向に延びるスリット133により分離されている。同様に、一対の内側電極部32a,32aの各々は、Z軸方向に延びるスリット133により分離されている。各内側電極部32および各内側電極部32aは、X-Y平面に平行な略矩形状の平板からなる接続部(開口縁電極部)134cにより接続(連結)してある。
【0104】
図6A図6Cに示すように、第3連結金属端子130cは、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々に跨って取り付けられる。一対の内側電極部32,32のうち、一方の内側電極部32は、絶縁ケース60A_1の収容凹部62Aaの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。
【0105】
他方の内側電極部32は、絶縁ケース60A_2の収容凹部62Abの連絡溝65が形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0106】
一対の内側電極部32a,32aのうち、一方の内側電極部32aは、絶縁ケース60A_3の収容凹部62Abの連絡溝65が形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第1端子電極22に接続される。
【0107】
他方の内側電極部32aは、絶縁ケース60A_4の収容凹部62Aaの連絡溝65が形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第1端子電極22に接続される。
【0108】
接続部134cは、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々の開口沿面66Aに跨って配置される。これにより、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々が、第3連結金属端子130cを介して接続(連結)される。
【0109】
すなわち、第3連結金属端子130cは、異なる4つの絶縁ケース60A_1~60A_4の各々の収容凹部62Aa,62Ab,62Ab,62Aaの内部に収容されたコンデンサチップ20a,20b,20b,20Aの端子電極24,24,22,22同士を相互に接続する機能を有する他、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々を相互に連結する機能を有する。
【0110】
図7Aおよび図7Bに示すように、絶縁ケース60Aの外壁61Aには、連結部100Aが備わっている。連結部100Aは、第1係合部110A、または第1係合部110Aに係合可能な第2係合部120Aのいずれかである。すなわち、本実施形態では、第1係合部110Aおよび第2係合部120Aの各々が、連結部100Aとしての役割を果たす。
【0111】
以下では、外壁61において、4つの外側面の各々を外側面61a~61dと定義する。外側面61aは、係合凸部67が配置されている側に位置する外側面である。外側面61bは、外側面61aとは時計回り方向に隣接する外側面である。外側面61cは、外側面61aとはX軸方向の反対側に位置する外側面である。外側面61dは、外側面61cとは時計回り方向に隣接する外側面である。
【0112】
第1係合部110Aは外側面61a,61bの各々に形成されており(図7A)、第2係合部120Aは外側面61c,61dの各々に形成されている(図7B)。
【0113】
第1係合部110Aは、絶縁ケース60Aの外側に向かって突出する第1凸部113からなる。本実施形態では、外側面61a,61bには、筒形状からなる2つの第1凸部113,113の各々が、外側面61a,61bのZ軸方向の略中央部において、Y軸方向に所定間隔で並んで配置されている。
【0114】
第2係合部120Aは、絶縁ケース60Aの外側に向かって突出する5つの第2凸部123_1~123_5の集合体からなる。本実施形態では、外側面61c,62dの略中心部には、筒形状からなる第2凸部123_5が配置されている。また、第2凸部123_5の周囲には、4つの第2凸部123_1~123_4が配置されている。第2凸部123_1~123_4の各々の外径は、第2凸部123_5の外径よりも小さくなっている。第2凸部123_5は、第2凸部123_1~123_4の各々を頂点とする仮想的な長方形の対角線の交点(すなわち、当該長方形の重心)に位置する。
【0115】
第1凸部113の外径は、第2凸部123_5の外径と略同一となっている。また、第1凸部113の外径は、第2凸部123_1,123_2,123_5(123_3,123_4,123_5)の各々の内側に形成される略円形の中空領域の内部に第1凸部113を嵌め込むことが可能な程度の外径となっている。
【0116】
図6Bおよび図7A図7Bに示すように、絶縁ケース60A_1(60A_2)の外側面61aと絶縁ケース60A_4(60A_3)の外側面61cとは、X軸方向に向かい合って配置される。外側面61aに形成された一対の第1凸部113,113のうち、一方の第1凸部113は、外側面61cに形成された第2凸部123_1,123_2,123_5の各々で挟み込まれる。また、他方の第1凸部113は、外側面61cに形成された第2凸部123_3,123_4,123_5の各々で挟み込まれる。
【0117】
また、絶縁ケース60A_1(60A_4)の外側面61dと絶縁ケース60A_2(60A_3)の外側面61bとは、Y軸方向に向かい合って配置される。外側面61bに形成された一対の第1凸部113,113のうち、一方の第1凸部113は、外側面61dに形成された第2凸部123_1,123_2,123_5の各々で挟み込まれる。また、他方の第1凸部113は、外側面61dに形成された第2凸部123_3,123_4,123_5の各々で挟み込まれる。
【0118】
このように、本実施形態では、第1凸部113を、各々離散して配置された複数の第2凸部123_1,123_2,123_5(123_3,123_4,123_5)の集合体で挟み込む(あるいは、該集合体の内側の中空領域内に嵌め込む)ことにより、第1係合部110Aと第2係合部120Aとが係合され、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々を連結部100Aを介して連結することができる。また、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々は、第1係合部110Aと第2係合部120Aとにより良好に位置決めされる。
【0119】
第3実施形態
図8A図9Bに示す実施形態に係る電子部品10B_1~10B_3の各々は、以下に示す点を除いて、第2実施形態に係る電子部品10A_1~10A_4の各々と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図8A図9Bにおいて、第2実施形態の電子部品10A_1~10A_4における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0120】
図8Aに示すように、3つの電子部品10B_1~10B_3の各々は、コンデンサチップ20a,20bの他、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々と、連結部100Bと、各種の金属端子とを有する。絶縁ケース60B_1~60B_3の各々は同一の構成からなる。
【0121】
図8Bに示すように、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々は、略直方体形状の筐体で構成されているという点において、絶縁ケース60A_1~60A_4の各々とは異なる。すなわち、本実施形態では、外壁61B、底壁63B、仕切壁64B、連絡溝65B、開口縁面66Bが、第2実施形態における外壁61A、底壁63A、仕切壁64、連絡溝65、開口縁面66Aと比較して、Y軸方向に長くなるように形成されている。
【0122】
図8Aに示すように、本実施形態では、金属端子として、2つの第1個別金属端子30と、2つの第2個別金属端子30aと、共通金属端子40と、第1連結金属端子130aと、第3連結金属端子130cとが、電子部品10B_1~10B_3に具備されている。
【0123】
図8A図8Cに示すように、2つの第1個別金属端子30のうち、一方の第1個別金属端子30は、絶縁ケース60B_2において、収容凹部62Aaの連絡溝65Bが形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入される。この第1個別金属端子30の内側電極部32は、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。
【0124】
他方の第1個別金属端子30は、絶縁ケース60B_3において、収容凹部64Abの連絡溝65Bが形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入される。この第1個別金属端子30の内側電極部32は、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0125】
2つの第2個別金属端子30aのうち、一方の第2個別金属端子30aは、絶縁ケース60B_2において、収容凹部62Aaの連絡溝65Bが形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入される。この第2個別金属端子30aの内側電極部32aは、コンデンサチップ20aの第1端子電極22に接続される。
【0126】
他方の第2個別金属端子30aは、絶縁ケース60B_3において、収容凹部64Abの連絡溝65Bが形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入される。この第2個別金属端子30aの内側電極部32aは、コンデンサチップ20bの第1端子電極22に接続される。
【0127】
共通金属端子40は、絶縁ケース60B_1に設けられる。各内側電極部42は、収容凹部62Aa,62Abの連絡溝65Bが形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、異なるコンデンサチップ20a,20bの第1端子電極22,22同士を接続する。
【0128】
第1連結金属端子130aは、絶縁ケース60B_2および絶縁ケース60B_3の各々に跨って取り付けられる。一対の内側電極部32,32のうち、一方の内側電極部32は、絶縁ケース60B_2の収容凹部62Abの連絡溝65Bが形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0129】
他方の内側電極部32は、絶縁ケース60B_3の収容凹部62Aaの連絡溝65Bが形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。
【0130】
第3連結金属端子130cは、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々に跨って取り付けられる。一対の内側電極部32,32のうち、一方の内側電極部32は、絶縁ケース60B_1の収容凹部62Aaの連絡溝65Bが形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第2端子電極24に接続される。
【0131】
他方の内側電極部32は、絶縁ケース60B_1の収容凹部62Abの連絡溝65Bが形成してある側とは反対側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0132】
一対の内側電極部32a,32aのうち、一方の内側電極部32aは、絶縁ケース60B_2の収容凹部62Abの連絡溝65Bが形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第1端子電極22に接続される。
【0133】
他方の内側電極部32aは、絶縁ケース60B_3の収容凹部62Aaの連絡溝65Bが形成してある側のX軸方向の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20aの第1端子電極22に接続される。
【0134】
図9Aおよび図9Bに示すように、絶縁ケース60Bの外壁61Bには、連結部100Bが備わっている。連結部100Bは、第1係合部110B、または第1係合部110Bに係合可能な第2係合部120Bのいずれかである。すなわち、本実施形態では、第1係合部110Bおよび第2係合部120Bの各々が、連結部100Bとしての役割を果たす。
【0135】
第1係合部110Bは外側面61b,61cの各々に形成されており、第2係合部120Bは外側面61a,61dの各々に形成されている。外側面61a,61cは略矩形の面からなる。
【0136】
本実施形態では、外側面61cに形成された2つの第1凸部113B,113Bの各々の間隔が、外側面61bに形成された2つの第1凸部113B,113Bの各々の間隔よりも大きくなっている。また、外側面61aに形成された第2凸部123B_5と第2凸部123B_1,123B_2(123B_3,123B_4)との間の間隔が、外側面61dに形成された第2凸部123B_5と第2凸部123B_1,123B_2(123B_3,123B_4)との間の間隔よりも大きくなっている。
【0137】
また、外側面61cに形成された2つの第1凸部113B,113Bの各々の直径は、外側面61bに形成された2つの第1凸部113B,113Bの各々の直径よりも大きくなっている。また、外側面61aに形成された第2凸部123B_5の直径は、外側面61dに形成された第2凸部123B_5の直径よりも大きくなっている。
【0138】
なお、第1凸部113Bおよび第2凸部123B_1~123B_5は、それぞれ中実の円柱形状からなるが、筒形状であってもよい。
【0139】
図8Bに示すように、絶縁ケース60B_2,60B_3の各々の外側面61cと絶縁ケース60B_1の外側面61aとは、X軸方向に向かい合って配置される。ただし、本実施形態では、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々は、半ケース分(絶縁ケース60B_1~60B_3の各々のY軸方向に沿う長さの半分)だけずらして配置される。
【0140】
図8Bおよび図9A図9Bに示すように、絶縁ケース60B_2の外側面61cに形成された一方の第1凸部113Bは、絶縁ケース60B_1の外側面61aに形成された第2凸部123B_3,123B_4,123B_5の各々で挟み込まれる。また、絶縁ケース60B_3の外側面61cに形成された一方の第1凸部113Bは、絶縁ケース60B_1の外側面61aに形成された第2凸部123B_1,123B_2,123B_5の各々で挟み込まれる。
【0141】
また、絶縁ケース60B_2の外側面61bと絶縁ケース60B_3の外側面61dとは向かい合って配置され、外側面61bに形成された一対の第1凸部113B,113Bのうち、一方の第1凸部113Bは、外側面61dに形成された第2凸部123B_1,123B_2,123B_5の各々で挟み込まれる。また、他方の第1凸部113Bは、外側面61dに形成された第2凸部123_3,123_4,123_5の各々で挟み込まれる。
【0142】
以上のようにして、第1係合部110Bと第2係合部120Bとが係合され、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々を連結部100Bを介して連結することができる。また、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々は、第1係合部110Bと第2係合部120Bとにより良好に位置決めされる。
【0143】
本実施形態では、外側面61cに形成された2つの第1凸部113B,113Bの各々の間隔と、外側面61aに形成された第2凸部123B_5と第2凸部123B_1,123B_2(123B_3,123B_4)との間の間隔とが比較的大きくなっているため、絶縁ケース60B_1~60B_3の各々を半ケース分だけずらして連結することが可能である。そのため、後から他の絶縁ケース60Bを容易に追加接続することができる。
【0144】
なお、図8Dに示すように、絶縁ケース60B_1の配置が、図8Bに示す配置とはX軸方向に沿って反対側となるように、絶縁ケース60B_1の2つの第1係合部110Bの各々を、絶縁ケース60B_2,60B_3の各々の第2係合部120Bに係合させてもよい。
【0145】
第4実施形態
図10A図11に示す実施形態に係る電子部品10Cは、以下に示す点を除いて、第2実施形態に係る電子部品10A_1~10A_4の各々と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図10A図11において、第2実施形態の電子部品10A_1~10A_4における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。なお、電子部品10Cにおいて、コンデンサチップ20a,20bおよび各種の金属端子については図示を省略し、絶縁ケース60Cのみ図示している。
【0146】
図10Aおよび図10Bに示すように、絶縁ケース60Cは、外壁61Cを有する。外壁61Cの外側面61c,61dには、切欠部90が形成されている。切欠部90は、外側面61cと外側面61dとの角部に形成されており、絶縁ケース60Cの上端から下端にかけて連続的に延びている。開口縁面66Cの一部は、切欠部90によって切り欠かれている。
【0147】
切欠部90の深さ(外壁61Cの厚み方向に沿う深さ)は、後述する第1凸部114の突出幅と同程度である。また、切欠部90の外側面61c,61dに沿う長さ(X軸方向またはY軸方向に沿う長さ)は、後述する第1凸部114のX軸方向またはY軸方向に沿う長さと同程度である。
【0148】
絶縁ケース60Cの外壁61Cには、連結部100Cが備わっている。連結部100Cは、第1係合部110C、または第1係合部110Cに係合可能な第2係合部120Cのいずれかである。すなわち、本実施形態では、第1係合部110Cおよび第2係合部120Cの各々が、連結部100Cとしての役割を果たす。
【0149】
第1係合部110Cは外側面61a,61bの各々に形成されており(図10
A)、第2係合部120Cは外側面61c,61dの各々に形成されている(図10B)。
【0150】
第1係合部110Cは、絶縁ケース60Cの外側に向かって突出する第1凸部114からなる。本実施形態では、外側面61a,61bの各々には、2つの第1凸部114,114の各々が、外側面61a,61bのZ軸方向の略中央部に形成されている。
【0151】
第1凸部114は、台形状の横断面形状を有し、その突出方向に向かうにしたがって、絶縁ケース60Cの高さ方向(Z軸方向)に沿って幅広となる。一方の第1凸部114は、外側面61cと外側面61bとの角部から、絶縁ケース60Cの外側面61bに沿って、そのX軸方向の途中位置まで略水平に延びている。他方の第1凸部114は、外側面61cと外側面61bとの角部から、絶縁ケース60Cの外側面61aに沿って、そのY軸方向の途中位置まで略水平に延びている。
【0152】
第2係合部120Cは、絶縁ケース60Cの内側(外壁61Cの厚み方向)に向かって凹む第2凹部124からなる。本実施形態では、外側面61c,61dの各々には、2つの第2凹部124,124の各々が、外側面61c,61dのZ軸方向の略中央部に形成されている。
【0153】
第2凹部124は、台形状の横断面形状を有し、第1凸部114の突出方向とは反対方向(絶縁ケース60Cの内側)に向かうにしたがって、絶縁ケース60Cの高さ方向(Z軸方向)に沿って幅広となる。一方の第2凹部124は、外側面61aと外側面61dとの角部から、絶縁ケース60Cの外側面61dに沿って、そのX軸方向の途中位置まで略水平に延びている。他方の第2凹部124は、外側面61cと外側面61bとの角部から、絶縁ケース60Cの外側面61cに沿って、そのY軸方向の途中位置まで略水平に延びている。
【0154】
図10A図10Bおよび図11に示すように、絶縁ケース60C_1(60C_2)の外側面61aと絶縁ケース60C_4(60C_3)の外側面61cとは、X軸方向に向かい合って配置される。外側面61aに形成された第1凸部114は、外側面61cに形成された第2凹部124に、Y軸正方向側にスライドしながら挿入される。
【0155】
また、絶縁ケース60C_1(60C_4)の外側面61dと絶縁ケース60C_2(60C_3)の外側面61bとは、Y軸方向に向かい合って配置される。外側面61bに形成された第1凸部114は、外側面61dに形成された第2凹部124に、X軸負方向側にスライドしながら挿入される。
【0156】
このように、本実施形態では、第1凸部114を第2凹部124の内部に向けて略水平にスライドさせることにより、第1係合部110Cと第2係合部120Cとが係合され、同一構成からなる絶縁ケース60C_1~60C_4の各々を連結することができる。なお、第1係合部110Cを第2係合部120Cに係合させる際には、切欠部90によって形成されたスペースを利用することで、第1凸部114を第2凹部124に向けてスムーズにスライドさせることができる。
【0157】
本実施形態では、第1凸部114および第2凹部124が、それぞれ台形状の横断面形状を有しているため、一方の絶縁ケース60C_1に形成された第1凸部114と、他方の絶縁ケース60C_4に形成された第2凹部124とを係合させたときに、第1凸部114が第2凹部124から抜け難くなり、各ケース60C_1,60C_4間の連結強度を高めることができる。
【0158】
また、本実施形態では、第1凸部114が、その突出方向に向かうにしたがって、絶縁ケース60Cの高さ方向に沿って幅広となり、第2凹部124が、上記突出方向とは反対方向に向かうにしたがって、絶縁ケース60Cの高さ方向に沿って幅広となる。そのため、第1凸部114が第2凹部124から突出方向に向かって抜け難くなる。
【0159】
また、本実施形態では、第2凹部124が、絶縁ケース60Cの角部から、絶縁ケース60Cの外側面61c,61dに沿って略水平方向に延びている。そのため、絶縁ケース60Cに高さ方向に沿う外力が与えられても、各絶縁ケース60C_1~60C_4間における第1係合部110Cと第2係合部120Cとの係合が解かれ難くなる。
【0160】
第5実施形態
図12A図13に示す実施形態に係る電子部品10Dは、以下に示す点を除いて、第4実施形態に係る電子部品10Cと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図12A図13において、第4実施形態の電子部品10Cにおける各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。なお、電子部品10Dにおいて、コンデンサチップ20a,20bおよび各種の金属端子については図示を省略し、絶縁ケース60Dのみ図示している。
【0161】
図12Aおよび図12Bに示すように、絶縁ケース60Dは、外壁61Dを有する。外壁61Dには、連結部100Dが備わっている。連結部100Dは、第1係合部110D、または第1係合部110Dに係合可能な第2係合部120Dのいずれかである。すなわち、本実施形態では、第1係合部110Dおよび第2係合部120Dの各々が、連結部100Dとしての役割を果たす。
【0162】
第1係合部110Dは外側面61a,61bの各々に形成されており(図12A)、第2係合部120Dは外側面61c,61dの各々に形成されている(図12B)。
【0163】
第1係合部110Dは、絶縁ケース60Dの外側に向かって突出する第1凸部114Dからなる。本実施形態では、外側面61a,61bの各々には、第1凸部114D,114Dの各々が、外側面61a,61bの幅方向の略中央部に形成されている。
【0164】
第1凸部114Dは、台形状の横断面形状を有し、その突出方向に向かうにしたがって、絶縁ケース60Cの高さ方向(Z軸方向)に垂直な幅方向(X軸方向/Y軸方向)に沿って幅広となる。一方の第1凸部114Dは、外側面61aと開口縁面66Dとの角部から、外側面61aに沿って、そのZ軸方向の途中位置まで略垂直方向に延びている。他方の第1凸部114Dは、外側面61bと開口縁面66Dとの角部から、外側面61bに沿って、そのZ軸方向の途中位置まで略垂直方向に延びている。なお、開口縁面66Dの一部は、第1凸部114Dおよび第2凹部124Dによる凹凸が形成されている。
【0165】
第2係合部120Dは、絶縁ケース60Dの内側(外壁61Dの厚み方向)に向かって凹む第2凹部124Dからなる。本実施形態では、外側面61c,61dの各々には、第2凹部124D,124Dの各々が、外側面61c,61dの幅方向の略中央部に形成されている。
【0166】
第2凹部124Dは、台形状の横断面形状を有し、第1凸部114Dの突出方向とは反対方向(絶縁ケース60Dの内側)に向かうにしたがって、絶縁ケース60Dの高さ方向(Z軸方向)に垂直な幅方向(X軸方向/Y軸方向)に沿って幅広となる。一方の第2凹部124Dは、外側面61cと開口縁面66Dとの角部から、外側面61cに沿って、そのZ軸方向の途中位置まで略垂直方向に延びている。他方の第2凹部124Dは、外側面61dと開口縁面66Dとの角部から、外側面61dに沿って、そのZ軸方向の途中位置まで略垂直方向に延びている。
【0167】
図12A図12Bおよび図13に示すように、絶縁ケース60D_1(60D_2)の外側面61aと絶縁ケース60D_4(60D_3)の外側面61cとは、X軸方向に向かい合って配置される。外側面61aに形成された第1凸部114Dは、外側面61cに形成された第2凹部124Dに、Z軸負方向側にスライドしながら挿入される。
【0168】
また、絶縁ケース60D_1(60D_4)の外側面61dと絶縁ケース60D_2(60D_3)の外側面61bとは、Y軸方向に向かい合って配置される。外側面61bに形成された第1凸部114Dは、外側面61dに形成された第2凹部124Dに、Z軸負方向側にスライドしながら挿入される。
【0169】
このように、本実施形態では、第1凸部114Dを第2凹部124Dの内部に向けて略垂直方向にスライドさせることにより、第1係合部110Dと第2係合部120Dとが係合され、同一構成からなる絶縁ケース60D_1~60D_4の各々を連結することができる。
【0170】
本実施形態では、第1凸部114Dは、その突出方向に向かうにしたがって、絶縁ケース60Dの幅方向に沿って幅広となり、第2凹部124Dは、上記突出方向とは反対方向に向かうにしたがって、絶縁ケース60Dの幅方向に沿って幅広となっている。そのため、第1凸部114Dが第2凹部124Dから突出方向に向かって抜け難くなる。
【0171】
また、本実施形態では、第2凹部124Dは、絶縁ケース60Dの角部から、絶縁ケース60Dの外側面61c,61dに沿って略垂直(鉛直)方向に延びている。そのため、絶縁ケース60Dに幅方向に沿う外力が与えられても、絶縁ケース60D_1~60D_4間における第1係合部110Dと第2係合部120Dとの係合が解かれ難くなる。
【0172】
また、本実施形態では、絶縁ケース60D_1~60D_4の各々の外壁61Dの厚みを比較的厚くすることが可能であり、絶縁ケース60D_1~60D_4の各々に高い強度を付与することができる。
【0173】
第6実施形態
図14A図15に示す実施形態に係る電子部品10Eは、以下に示す点を除いて、第4実施形態に係る電子部品10Cと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図14A図15において、第4実施形態の電子部品10Cにおける各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。なお、電子部品10Eにおいて、コンデンサチップ20a,20bおよび各種の金属端子については図示を省略し、絶縁ケース60Eのみ図示している。
【0174】
図14Aおよび図14Bに示すように、絶縁ケース60Eは、外壁61Eを有する。外壁61Eには、連結部100Eが備わっている。連結部100Eは、第1係合部110E、または第1係合部110Eに係合可能な第2係合部120Eのいずれかである。すなわち、本実施形態では、第1係合部110Eおよび第2係合部120Eの各々が、連結部100Eとしての役割を果たす。
【0175】
第1係合部110Eは外側面61a,61bの各々に形成されており(図14A)、第2係合部120Eは外側面61c,61dの各々に形成されている(図14B)。
【0176】
第1係合部110Eは、絶縁ケース60Eの外側に向かって突出する第1凸部114Eからなる。本実施形態では、外側面61a,61bの各々には、第1凸部114E,114Eの各々が、外側面61a,61bの略中心部に形成されている。
【0177】
第2係合部120Eは、絶縁ケース60Eの内側(外壁61Eの厚み方向)に向かって凹む第2凹部124Eからなる。本実施形態では、外側面61c,61dの各々には、第2凹部124E,124Eの各々が、外側面61c,61dの略中心部に形成されている。
【0178】
第1凸部114Eおよび第2凹部124Eは、それぞれ十字形状を有する。なお、第1凸部114Eおよび第2凹部124Eの各々の形状は、これに限定されるものではなく、例えば星形、三角形、ひし形、T型等の文字形状、あるいはその他の形状等であってもよい。
【0179】
図14A図14Bおよび図15に示すように、絶縁ケース60E_1(60E_2)の外側面61aと絶縁ケース60E_4(60E_3)の外側面61cとは、X軸方向に向かい合って配置される。外側面61aに形成された第1凸部114Eは、外側面61cに形成された第2凹部124Eに嵌め込まれる。
【0180】
また、絶縁ケース60E_1(60E_4)の外側面61dと絶縁ケース60E_2(60E_3)の外側面61bとは、Y軸方向に向かい合って配置される。外側面61bに形成された第1凸部114Eは、外側面61dに形成された第2凹部124Eに嵌め込まれる。
【0181】
このように、本実施形態では、第1凸部114Eを第2凹部124Eの内部に嵌め込むことにより、第1係合部110Eと第2係合部120Eとが係合され、同一構成からなる絶縁ケース60E_1~60E_4の各々を連結することができる。
【0182】
また、本実施形態では、第1凸部114Eおよび第2凹部124Eが、それぞれ十字形状を有しているため、絶縁ケース60Eに高さ方向または幅方向に沿う外力が与えられても、各絶縁ケース60E_1~60E_4間における第1係合部110Eと第2係合部120Eとの係合が解かれ難くなる。
【0183】
また、本実施形態では、絶縁ケース60E_1~60E_4の各々の外壁61Eの厚みを比較的厚くすることが可能であり、絶縁ケース60E_1~60E_4の各々に高い強度を付与することができる。
【0184】
また、本実施形態では、第1凸部114Eを第2凹部124Eに向けて押し込むだけで第1係合部110Eと第2係合部120Eとを係合させることが可能であり、後から他の絶縁ケース60Eを容易に追加接続することができる。
【0185】
第7実施形態
図16A図17に示す実施形態に係る電子部品10F_1,10F_2の各々は、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係る電子部品10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図16A図17において、第1実施形態の電子部品10における各部材と共通する部材には、共通の符号を付し、その説明は一部省略する。
【0186】
図16Aに示すように、電子部品10F_1,10F_2は、それぞれ絶縁ケース60F_1,60F_2を有する。絶縁ケース60F_1,60F_2の各々は、同一の構成からなり、外壁61Fを有する。外壁61Fは、その外側面に第1係合部110および第2係合部120が形成されていない点において、第1実施形態における外壁61とは異なる。
【0187】
絶縁ケース60F_1,60F_2の各々は隣接して配置されており、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々に跨って、図17に示す第1連結金属端子130aが取り付けられている。第1連結金属端子130aの一対の内側電極部32,32のうち、一方の内側電極部32は、絶縁ケース60F_1の収容凹部62のX軸方向の一方側の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0188】
他方の内側電極部32は、絶縁ケース60F_2の収容凹部62のX軸方向の一方側の内壁面に挿入され、コンデンサチップ20bの第2端子電極24に接続される。
【0189】
図17に示す接続部134aは絶縁ケース60F_1,60F_2の各々の開口沿面66に跨って配置され、側面電極部36は、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々の外壁61Fの外側面に跨って配置される。これにより、絶縁ケース60F_1と絶縁ケース60F_2とは、第1連結金属端子130aを介して接続(連結)される。
【0190】
本実施形態では、第1連結金属端子130aが、異なる2つの絶縁ケース60F_1,60F_2の収容凹部62,62の内部に収容されたコンデンサチップ20b,20aの第2端子電極24,24同士を接続する他、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々を連結する。すなわち、本実施形態では、第1連結金属端子130aが、連結部100Fとしての役割を果たす。
【0191】
なお、図16Bに示すように、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々のX軸方向の一方側だけでなく、X軸方向の他方側にも第1連結金属端子130aを取り付けてもよい。この場合、第1連結金属端子130aの一対の内側電極部32,32のうち、一方の内側電極部32は、絶縁ケース60F_1の収容凹部62の内部に収容されたコンデンサチップ20aの第1端子電極22に接続される。他方の内側電極部32は、絶縁ケース60F_2の収容凹部62の内部に収容されたコンデンサチップ20aの第1端子電極22に接続される。
【0192】
本実施形態では、連結部100Fは、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々とは別体からなり、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々の外壁61Fの外側面に形成されてはいない。そのため、絶縁ケース60F_1,60F_2の構成を簡素化することができる。
【0193】
また、本実施形態では、連結部100Fは、第1連結金属端子130aを兼ねているため、連結部100Fを介して、絶縁ケース60F_1と絶縁ケース60F_2とを連結させるだけでなく、各絶縁ケース60F_1,60F_2に収容された各コンデンサチップ20a,20bを容易に直列または並列に接続することができる。なお、図16Aでは各コンデンサチップ20a,20bが4直列接続されており、図16Bでは各コンデンサチップ20a,20bが2直列2並列接続されている。
【0194】
また、本実施形態では、連結部100Fは、一対の内側電極部32,32の各々を接続する接続部134aを有するため、各内側電極部32,32および接続部134aを介して、各コンデンサチップ20a,20a(20b,20b)を電気的に接続することができる。
【0195】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0196】
たとえば上記各実施形態では、チップ部品の一例としてコンデンサチップを例示したが、コンデンサチップ以外のチップ部品を用いてもよい。
【0197】
また、上記各実施形態において、電子部品10が有するコンデンサチップの数は、2つに限定されるものではなく、1個でもよく、また3個以上であってもよい。
【0198】
また、上記各実施形態において、仕切壁64は絶縁ケース60の一部を構成していたが、別途仕切壁部材(仕切壁64と同様の機能を有する部材)を用意し、これを絶縁ケース60の仕切壁64に対応する位置に設けてもよい。すなわち、絶縁性の仕切壁は、絶縁ケースとは別体で構成されていてもよい。
【0199】
上記第1実施形態において、回路基板(外部回路)70の個別回路パターン72,72と、電子部品10の側面電極部36,36とは、たとえばハンダ80などにより接続することができるが、ハンダ80以外の接続部材で接続してもよい。ハンダ80以外の接続部材としては、たとえば導電性接着剤、異方導電性テープなどが例示される。
【0200】
上記第1実施形態において、第1係合部110および第2係合部120は、Y軸方向に延び、さらにX軸方向に向かって屈曲していたが、Y軸方向に延び、さらにZ軸方向に向かって屈曲していてもよい。
【0201】
上記第2実施形態において、共通金属端子40は、連絡溝65を通して、収容凹部62Aa,62Abの内部に差し込まれる内側電極部42のみで構成されてもよく、その場合、内側電極部42は、矩形の平板で構成されていてもよい。上記第3実施形態についても同様である。
【0202】
上記第2実施形態および第3実施形態において、各種の金属端子が接続される回路パターンは、他の回路パターンとは接続されないフローティングパターンであってもよい。
【0203】
上記第2実施形態および第3実施形態において、各種金属端子の種別は適宜変更してもよい。例えば、図6Aにおいて、第3連結金属端子130cに替えて、2つの第2連結金属端子130bを用いてもよい。
【0204】
この場合、一方の第2連結金属端子130bを介して、絶縁ケース60A_2の収容凹部62Abに収容されたコンデンサチップ20bの第2端子電極24と、絶縁ケース60A_3の収容凹部62Abの内部に収容されたコンデンサチップ20bの第1端子電極22とが接続される。
【0205】
また、他方の第2連結金属端子130bを介して、絶縁ケース60A_1の収容凹部62Aaに収容されたコンデンサチップ20aの第2端子電極24と、絶縁ケース60A_4の収容凹部62Aaの内部に収容されたコンデンサチップ20aの第1端子電極22とが接続される。
【0206】
これにより、電子部品10A_1~10A_4が具備する8個のコンデンサチップ20a,20bの各々を直列に接続させることが可能となる。したがって、電子部品10A_1~10A_4の耐電圧を高め、電子部品10A_1~10A_4が搭載される電子機器の安全性の向上に寄与することができる。
【0207】
なお、上記のように、各種金属端子の種別を適宜変更することにより、上記第2実施形態では、例えば、8直列接続、2直列4並列接続、2直列2並列接続および2つの2直列接続の組み合わせ、2直列3並列接続および2直列接続の組み合わせ等、各種の接続を実現することができる。また、上記第3実施形態では、例えば、6直列接続、2つの3直列接続の組み合わせ、2直列2並列接続および2つのコンデンサチップ単体の組み合わせ等、各種の接続を実現することができる。
【0208】
上記第2実施形態において、連結金属端子130a~130cの構成は図6Cに示す構成に限定されるものではない。たとえば、第1連結金属端子130aの接続部134aに、さらに2つの内側電極部32,32を接続してもよい。これにより、図6Aに示す電子部品10A_3,10A_4が具備する4つのコンデンサチップ20a,20bの第2端子電極24を、4つの内側電極部32と接続部134aとを介して相互に接続することができる。
【0209】
上記第2実施形態において、第1係合部110Aおよび第2係合部120Aを省略し、第1連結金属端子130aと、第2連結金属端子130bと、第3連結金属端子130cとで絶縁ケース60A_1~60A_4の各々を連結してもよい。上記第3実施形態についても同様である。
【0210】
上記第2実施形態において、第1凸部113および第2凸部123_1~123_5の数は特に限定されるものではなく、図7Aおよび図7Bに示す数よりも多くてもよく、あるいは少なくてもよい。上記第3実施形態についても同様である。
【0211】
上記第7実施形態において、第1連結金属端子130aは、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々に収容されたコンデンサチップ20bの第2端子電極24同士を電気的に接続する金属端子としての機能と、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々を連結させる連結手段としての機能とを具備していたが、前者の機能を省略してもよい。すなわち、第1連結金属端子130aによって、絶縁ケース60F_1,60F_2の各々の機械的接続のみを行い、金属端子については別途用意したものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0212】
10,10_1~10_3,10A_1~10A_4,10B_1~10B_3,10C,10D,10E,10F_1~10F_2…電子部品
20a,20b…コンデンサチップ
21,23…端面
22,24…端子電極
26…内部電極層
28…誘電体層
30,30a…個別金属端子
32,32a…内側電極部
320…湾曲部
322…貫通孔
324…係合片
34…開口縁電極部
36…側面電極部
40…共通金属端子
42…内側電極部
425…連絡片
44…開口縁電極部
46…側面電極部
50…中間接続体
51…第1接続面
52…第2接続面
60,60_1~60_3,60A,60A_1~60A_4,60B,60B_1~60B_3,60C,60C_1~60C_4,60D,60D_1~60D_4,60E,60E_1~60E_4,60F_1,60F_2…絶縁ケース
61,61A,61B,61C,61D,61E,61F…外壁
61a,61b,61c,61d…外側面
62,62Aa,62Ab…収容凹部
63,63A,63B…底壁
64,64B…仕切壁
65,65B…連絡溝
66,66A,66B,66C,66D…開口縁面
67…係合凸部
70…回路基板
72…個別回路パターン
80…ハンダ
90…切欠部
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F…連結部
110,110A,110B,110C,110D,110E…第1係合部
111…第1沿面部
112…第1接続部
113,113B,114,114D,114E…第1凸部
120,120A,120B,120C,120D,120E…第2係合部
121…第2沿面部
122…第2接続部
123_1~123_5,123B_1~123B_5…第2凸部
124,124D,124E…第2凹部
130a,130b,130c…連結金属端子
133…スリット
134a,134b,134c…接続部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17