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特許7338186情報処理装置、外部装置、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、外部装置、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 17/00 20060101AFI20230829BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20230829BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G06K17/00 022
G03G21/00 396
H04N1/00 127A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019054201
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020154924
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 達郎
(72)【発明者】
【氏名】大高 太
【審査官】打出 義尚
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/094538(WO,A1)
【文献】特開2007-334644(JP,A)
【文献】特開2007-249690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録される第1の情報を取得する取得手段と、
前記第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するよう外部装置に要求する要求手段と、
前記外部装置によって生成された前記識別情報を、前記外部装置から受信する受信手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記第1の情報とともに、前記第2の情報も、前記記録媒体から取得する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記要求手段は、前記記録媒体から取得した前記第2の情報と、前記記録媒体以外から取得した前記第2の情報とが重複する場合、前記第1の情報と、前記重複する第2の情報のうちどちらか一方の前記第2の情報とから前記識別情報を生成するよう前記外部装置に要求する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の情報及び前記第2の情報から識別情報を生成する生成手段をさらに有し、
前記受信手段は、前記外部装置が保持する、前記第1の情報及び前記第2の情報から前記識別情報を生成するための処理内容も受信し、
前記生成手段は、前記受信手段が前記処理内容を受信した場合、前記第1情報及び前記第2情報に対して前記処理内容を施して前記識別情報を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信手段は、前記情報処理装置の設置時、あるいは前記取得手段が前記第1の情報を最初に取得した時、またあるいは前記外部装置における前記処理内容の更新時のいずれかのタイミングで、前記処理内容を受信する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
記録媒体に記録される第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するための処理内容を記憶する記憶手段と、
前記第1の情報及び前記第2の情報から前記識別情報を生成する要求を情報処理装置から受け付ける受付手段と、
受け付けた前記第1の情報及び前記第2の情報に対して、前記記憶手段に記憶される処理内容を施して前記識別情報を生成する生成手段と、
生成した前記識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を有する外部装置。
【請求項7】
情報処理装置と外部装置とを備え、
前記情報処理装置は、
記録媒体に記録される第1の情報を取得する取得手段と、
前記第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するよう外部装置に要求する要求手段と、
前記外部装置によって生成された前記識別情報を、前記外部装置から受信する受信手段と、を有し、
前記外部装置は、
前記第1の情報と前記第2の情報とから前記識別情報を生成するための処理内容を記憶する記憶手段と、
前記第1の情報前記第2の情報とから前記識別情報を生成する要求を前記情報処理装置から受け付ける受付手段と、
受け付けた前記第1の情報及び前記第2の情報に対して、前記記憶手段に記憶される処理内容を施して前記識別情報を生成する生成手段と、
生成した前記識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、を有する
情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータを、
記録媒体に記録される第1の情報を取得する取得手段と、
前記第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するよう外部装置に要求する要求手段と、
前記外部装置によって生成された前記識別情報を、前記外部装置から受信する受信手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、外部装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機では、複合機に接続したカードリーダで非接触ICカードを読み取り、読み取ったカードIDによって認証制御を行っているが、カードIDはICカードを利用するクライアント毎に様態が異なることがある。そのため、ICカード内部に格納されているデータを加工してカスタマイズされたIDを作成するようにした場合、データの加工パターンのいくつかを予めカードリーダ側に用意することが考えられる。しかし、クライアント毎の態様が増えると、全てのクライアントの要求には対応できず、個別対応としてクライアント毎に特殊ファームウェアを作成する必要が生じる。その場合、開発の期間やコストが開発・提供側とクライアントの双方にとって負担となる。
【0003】
特許文献1には、携帯端末装置におけるICカード制御技術が提案されている。特許文献1に記載された携帯端末装置は、ICカード制御サーバからAPDU(Application Protocol Data Unit、アプリケーション・プロトコル・データ単位)を取得し、読み取ったICカードの情報をもとにAPDUを実行し、サービスを提供するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-244211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、クライアント毎に異なる様態の記録媒体に対して情報処理装置側のファームウェアを変更することなく対応することのできる情報処理装置、外部装置、情報処理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]記録媒体に記録される第1の情報を取得する取得手段と、
前記第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するよう外部装置に要求する要求手段と、
前記外部装置によって生成された前記識別情報を、前記外部装置から受信する受信手段と、
を有する情報処理装置。
[2]前記取得手段は、前記第1の情報とともに、前記第2の情報も、前記記録媒体から取得する前記[1]に記載の情報処理装置。
[3]前記要求手段は、前記記録媒体から取得した前記第2の情報と、前記記録媒体以外から取得した前記第2の情報とが重複する場合、前記第1の情報と、前記重複する第2の情報のうちどちらか一方の前記第2の情報とから前記識別情報を生成するよう前記外部装置に要求する前記[2]に記載の情報処理装置。
[4]前記第1の情報及び前記第2の情報から識別情報を生成する生成手段をさらに有し、
前記受信手段は、前記外部装置が保持する、前記第1の情報及び前記第2の情報から前記識別情報を生成するための処理内容も受信し、
前記生成手段は、前記受信手段が前記処理内容を受信した場合、前記第1情報及び前記第2情報に対して前記処理内容を施して前記識別情報を生成する前記[1]に記載の情報処理装置。
[5]前記受信手段は、前記情報処理装置の設置時、あるいは前記取得手段が前記第1の情報を最初に取得した時、またあるいは前記外部装置における前記処理内容の更新時のいずれかのタイミングで、前記処理内容を受信する前記[4]に記載の情報処理装置。
[6]記録媒体に記録される第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するための処理内容を記憶する記憶手段と、
前記第1の情報及び前記第2の情報から前記識別情報を生成する要求を情報処理装置から受け付ける受付手段と、
受け付けた前記第1の情報及び前記第2の情報に対して、前記記憶手段に記憶される処理内容を施して前記識別情報を生成する生成手段と、
生成した前記識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を有する外部装置。
[7]情報処理装置と外部装置とを備え、
前記情報処理装置は、
記録媒体に記録される第1の情報を取得する取得手段と、
前記第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するよう外部装置に要求する要求手段と、
前記外部装置によって生成された前記識別情報を、前記外部装置から受信する受信手段と、を有し、
前記外部装置は、
前記第1の情報と前記第2の情報とから前記識別情報を生成するための処理内容を記憶する記憶手段と、
前記第1の情報前記第2の情報とから前記識別情報を生成する要求を前記情報処理装置から受け付ける受付手段と、
受け付けた前記第1の情報及び前記第2の情報に対して、前記記憶手段に記憶される処理内容を施して前記識別情報を生成する生成手段と、
生成した前記識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、を有する
情報処理システム。
[8]コンピュータを、
記録媒体に記録される第1の情報を取得する取得手段と、
前記第1の情報と、前記記録媒体を使用するユーザに関する第2の情報とから前記第2の情報に対応した形式の識別情報を生成するよう外部装置に要求する要求手段と、
前記外部装置によって生成された前記識別情報を、前記外部装置から受信する受信手段、
として機能させるためのプログラム。

【発明の効果】
【0007】
請求項1、7及び8に係る発明によれば、クライアント毎に異なる様態の記録媒体に対して情報処理装置側のファームウェアを変更することなく対応することができる。
請求項2に係る発明によれば、第2の情報も、記録媒体から取得するので情報処理装置が第2の情報を持たなくともよい。
請求項3に係る発明によれば、第2の情報が重複した場合には、一方の第2の情報を用いればよい。
請求項4に係る発明によれば、情報処理装置は、識別情報を生成するための処理内容を外部装置から受け取り、これを用いて識別情報を生成することができる。
請求項5に係る発明によれば、情報処理装置は、複数のタイミングで外部装置から識別情報を生成するための処理内容を受け取ることができる。
請求項6に係る発明によれば、外部装置側で識別情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システム概略構成の一例を示す構成図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る複合機の概略構成の一例を示す構成図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係るサーバの概略構成の一例を示す構成図である。
図4図4は、本発明の第1の実施の形態に係る複合機の動作を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図6図6は、ICカードの構成の一例を示す説明図である。
図7図7は、スクリプトファイルD/Bの一例を示す説明図である。
図8図8は、識別情報の一例を示す説明図である。
図9図9は、識別情報の他の例を示す説明図である。
図10図10は、本発明の第2の実施の形態に係る複合機の概略構成の一例を示す構成図である。
図11図11は、本発明の第2の実施の形態に係る複合機の動作を示すフローチャートである。
図12図12は、本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態は、情報処理装置が、ICカードから取得した第1の情報にユーザに関する第2の情報を付加して外部のサーバに送信してユーザの認証に必要な識別情報の生成を要求して、外部のサーバが生成した識別情報を受け取り、認証を行うものである。
【0010】
(情報処理システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す構成図である。
【0011】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システム1は、複合機2とサーバ3がネットワーク4に接続されて構成されている。また複合機2は、ICカード5からカードIDなどのカード情報を読み取るカードリーダ22を有している。複合機2は、情報処理装置の一例である。サーバ3は、外部装置の一例である。ICカード5は、記録媒体の一例である。カードIDは、第1の情報の一例である。
【0012】
複合機2は、印刷(プリントともいう。)機能の他に紙面等を光学走査するスキャナ機能やファクシミリ機能等の複数の機能を備えている。また、複合機2は情報処理装置の一例であり、カードリーダ22が読み取ったカードID及びお客情報を基に、サーバ3に対してユーザの認証を行うための識別情報の生成を要求し、サーバ3が生成した識別情報を受け取り認証を行う機能を有している。お客情報は、第2の情報の一例である。
【0013】
サーバ3は、いわゆるクラウドサーバ等の外部サーバであり、クライアント毎にカスタマイズされたIDである識別情報を生成するためのスクリプトファイルを保持し、複合機2からの要求に応じて識別情報を生成して複合機2に送り返す処理を行うコンピュータ装置である。スクリプトファイルは、処理内容の一例である。
【0014】
(情報処理装置の構成)
図2は、複合機2の概略構成の一例を示す構成図である。図2に示すように、複合機2は、制御部20、記憶部21、カードリーダ22、操作パネル23及びネットワーク通信部24を含んで構成される。
【0015】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等から構成され、各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する部分であり、機能実行部200、取得手段201、要求手段202、受信手段203及び認証手段204を含んで構成される。
【0016】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置から構成され、情報を記憶する部分であり、機能制御プログラム210、情報処理プログラム211、お客情報D/B(データベース)212及び認証情報D/B(データベース)213等を含んで構成される。
【0017】
カードリーダ22は、例えば非接触型のICカードリーダである。操作パネル23は、タッチパネルで構成され、操作部と表示部を含む操作・表示部を構成するユーザインタフェースである。ネットワーク通信部24は、ネットワーク4を通じて外部と通信を行う部分である。なお、カードリーダ22、操作パネル23は、上に述べたものに限定されるものではない。例えばカードリーダ22は接触型であってもよい。
【0018】
制御部20は、記憶部21に記憶された機能制御プログラム210を実行することで機能実行部200として機能するとともに、記憶部21に記憶された情報処理プログラム210を実行することで、取得手段201、要求手段202、受信手段203及び認証手段204として機能する。
【0019】
機能実行部200は、複合機2の主要部となる部分であり、印刷機能やスキャナ機能あるいはファクシミリ機能等の機能を実行する部分である。
【0020】
取得手段201は、カードリーダ22が読み取った第1の情報であるカードID、具体的にはICカード5の所有者の社員番号、名前をカードリーダ22から取得するものである。なお、ICカード5は、この他に会社名や部署名等の情報を有していてもよい。
【0021】
要求手段202は、取得手段201が取得したカードIDと、第2の情報であるお客情報とを合わせてサーバ3に送信し、サーバ3に対して識別情報を生成するように要求するものである。なお、詳しくは後述するが、第2の情報であるお客情報は例えば会社名等であり、複合機2側か、ICカード5側のいずれか一方で保持していてもよいし、両方で保持していてもよい。
【0022】
受信手段203は、要求手段202からの要求を受けてサーバ3が生成した識別情報をサーバ3から受信するものである。
【0023】
認証手段204は、受信手段203が受信した識別情報を用いて、ICカード5のユーザが複合機2の利用権限を有する者であることを認証するものである。
【0024】
記憶部21に記憶された機能制御プログラム210は、制御部20を複合機2の通常の印刷等の機能を働かせる機能実行部200として機能させるものであり、また情報処理プログラム211は、制御部20を、前述した取得手段201、要求手段202、受信手段203及び認証手段204等として機能させるものである。
【0025】
お客情報D/B212は、第2の情報としてのお客情報を格納したものであり、認証情報D/B213は、認証手段204が識別情報により認証を行う際に用いられる認証データを格納したものである。なお、認証情報D/B213は、複合機2とは別のサーバに保持するようにしてもよい。
【0026】
(サーバの構成)
図3に、サーバの概略構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、外部装置としてのサーバ3は、制御部30、記憶部31及びネットワーク通信部32を含んで構成される。
【0027】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等から構成され、各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する部分であり、受付手段300、生成手段301及び送信手段302を含んで構成される。
【0028】
記憶部31は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置から構成され、情報を記憶する部分であり、制御プログラム310、スクリプトファイルD/B(データベース)311等を含んで構成される。
【0029】
ネットワーク通信部32は、ネットワーク4を通じて外部と通信を行う部分である。
【0030】
制御部30は、記憶部31に記憶された制御プログラム310を実行することで、受付手段300、生成手段301及び送信手段302として機能する。
【0031】
受付手段300は、複合機2の要求手段202から送られた、第1の情報であるカードIDと第2の情報であるお客情報とから識別情報を生成せよとの要求を受け付けるものである。
【0032】
生成手段301は、記憶部31のスクリプトファイルD/B311に格納されているスクリプトファイルの中から、生成要求のあった識別情報に対応するスクリプトファイルを用いて識別情報(例えば、カスタマイズされたID)を生成するものである。
【0033】
送信手段302は、生成手段301が生成した識別情報を複合機2に送信するものである。
【0034】
(第1の実施の形態の動作)
次に、本発明の第1の実施の形態における情報処理システム1の動作を、図4のフローチャート及び図5のシーケンス図を参照して説明する。
【0035】
図4は、本発明の第1の実施の形態における情報処理装置としての複合機2における情報処理プログラムの動作を示すフローチャートである。また、図5は、本発明の第1の実施の形態における情報処理システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0036】
まず図4のステップS100において、図5のシーケンスS1に示すように、ユーザがICカード5をカードリーダ22にタッチする。ここで、タッチと表現したが、カードリーダ22が非接触型のICカードリーダであれば、実際にICカード5をカードリーダ22に接触させる必要はなく、かざすだけでよい。
【0037】
ステップS110において、図5のシーケンスS2に示すように、カードリーダ22はICカード5からカードID等のカード情報を読み取り、読み取った情報を複合機2の取得手段201に送る。こうしてステップS120において取得手段201は、カード情報を取得する。
【0038】
図6にICカード5の一例を示す。図6に示すように、ICカード5は、社員番号51、名前52、会社名53、部署名54等を含んでいる。ただし、図6に示すICカード5はあくまで一例であり、常にこれらの情報が全てカードに登録されていなければならないというわけではない。ICカード5には、最低限第1の情報としてカードIDのような個人を特定する情報(例えば社員番号51及び名前52)が登録されていればよく、お客情報としての会社名53は複合機2側に登録しておくようにしてもよい。なお、前記第1の情報、すなわち個人を特定する情報の他の例としては、ICカード5の製造番号や、ICカードに登録されている0001, 0002,0003等の意味を持たない数字や文字列であっても良い。これらの場合でも、例えば「0003番が登録されているICカードはAさん所有のICカード」と個人が特定されればよい。
【0039】
次に、ステップS130において、図5のシーケンスS3に示すように、複合機2の要求手段202は、第1の情報であるカードID(例えば、社員番号51及び名前52)に第2の情報であるお客情報(例えば、会社名53)を付加してサーバ3に送信し、識別情報の生成を要求する。なお、第2の情報、すなわちお客様情報は、会社名や部署名のような個人が所属する組織の情報に限らず、個人の勤務地、役職、勤務形態の情報等、個人に関連する情報であってもよい。
【0040】
ここで、要求手段202は、ICカード5に第2の情報である会社名が登録されていない場合には、お客情報D/B212からお客情報である会社名を取得して、これをカードIDに付加してサーバ3に送信する。また、図6に示す例のようにICカード5にも会社名53が登録されていて、カードリーダ22が読み取った会社名53と、お客情報D/B212の会社名が重複する場合には、どちらか一つのみをカードIDとともにサーバ3に送信すればよい。さらに、図6に示す例のように、ICカード5に(あるいはお客情報D/B212にも)部署名54が登録されている場合には、要求手段202は、カードIDと会社名と部署名の3つをサーバ3に送信する。
【0041】
サーバ3の受付手段300が複合機2の要求手段202からの要求を受け付けると、生成手段301は、図5のシーケンスS4に示すように識別情報(例えば、カスタマイズされたIDであるユーザID)を生成する。
【0042】
すなわち、生成手段301は、受付手段300からカードIDとお客情報を受け取り、お客情報の会社名に対応するスクリプトファイルをスクリプトファイルD/B311から取得し、このスクリプトファイルを実行することで識別情報を生成する。
【0043】
図7に、スクリプトファイルD/B311の一例を示す。スクリプトファイルD/B311は、各お客情報(例えば、会社名)に対応するスクリプトファイルを格納したものである。例えば図7に示すように、会社名60にA社、B社、・・・とあると、これに対応するスクリプトファイル61が、スクリプトA、スクリプトB、・・・と格納されている。
【0044】
いま受付手段300が受け取った会社名がA社であったとすると、生成手段301は、スクリプトファイルD/B311からスクリプトAを取り出して、これを実行することにより、カードIDとお客情報から識別情報を生成する。
【0045】
例えば、図6のICカード5に示すように、社員番号57が「a00123」で名前52が「Taro Fuji」であったとする。これに対して一例としてスクリプトAは、社員番号と名前の苗字部分をハイフンで結んだものを識別情報として生成するものであるとする。このときスクリプトAを実行すると、社員番号「a00123」と名前「Fuji」から図8に示すような識別情報70「a00123-Fuji」が生成される。
【0046】
このように社員番号と名前をハイフンで結んで識別情報を生成するのは一例であり、この他に、例えば、社員番号の小文字を大文字に変換して名前と組み合わせて識別情報を生成するようにしてもよい。すなわち、図9に示すように、社員番号「a00123」と名前「Fuji」から識別情報80「A00123 Fuji」を生成するようにしてもよい。なお、識別情報はこれらに限定されるものではなく、スクリプトファイルによってはこれらとは全く異なる形式で識別情報を生成するようにしてもよい。
【0047】
生成された識別情報は、図5のシーケンスS5に示すように、送信手段302により、複合機2に送信される。
【0048】
ステップS140において、受信手段203は、サーバ3から識別情報を受信する。するとステップS150において、図5のシーケンスS6に示すように、認証手段204は、受信した識別情報でユーザの認証を行う。すなわち、サーバ3が生成した識別情報(ユーザID)を認証情報D/B213のデータと照らし合わせて認証を行う。
【0049】
認証が完了したらステップS160において、複合機2は、ユーザに対してサービスを提供する。
【0050】
このように本実施の形態では、ICカード5から読み取ったカードIDにお客情報を付加して外部のサーバ3に送信してサーバ3側で識別情報を生成するようにしている。
【0051】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態は、情報処理装置が、ICカードから第1の情報を取得すると、外部のサーバからダウンロードしてある識別情報を生成するためのスクリプトファイルを用いて、情報処理装置自身がユーザの認証に必要な識別情報を生成するものである。
【0052】
(情報処理システムの構成)
第2の実施の形態における情報処理システムの構成は、図1に示す第1の実施の形態における情報処理システム1と同様に、情報処理装置としての複合機12と外部装置としてのサーバ3がネットワーク4に接続されて構成されている。
【0053】
(情報処理装置の構成)
図10に、情報処理装置としての複合機12の概略構成の一例を示す構成図である。図10に示すように、第2の実施の形態における複合機12は、図2に示す第1の実施の形態における複合機2と同様の構成を有し、制御部20、記憶部21、カードリーダ22、操作パネル23及びネットワーク通信部24を含んで構成される。
【0054】
第2の実施の形態における複合機12が、第1の実施の形態における複合機2と異なるのは、制御部20が、取得手段201、要求手段202、受信手段203、認証手段204の他に生成手段205を有し、記憶部21が、機能制御プログラム210、情報処理プログラム211、お客情報D/B212、認証情報D/B213の他にスクリプトファイル格納部214を有していることである。
【0055】
第2の実施の形態においては、要求手段202は、サーバ3に対して、複合機12を使用するユーザを認証する識別情報を生成するためのスクリプトファイルのダウンロードをも要求するものである。また受信手段203は、ダウンロード時にサーバ3からこのスクリプトファイルも受信するものである。
【0056】
スクリプトファイル格納部214は、ダウンロードされたスクリプトファイルを保存するものである。生成手段205は、スクリプトファイル格納部214に保存されているスクリプトファイルを用いて、第1の情報と第2の情報とから識別情報を生成する。
【0057】
(サーバの構成)
第2の実施の形態におけるサーバ3は、図3に示す第1の実施の形態のサーバ3と同様の構成を有している。
【0058】
(第2の実施の形態の動作)
次に、本発明の第2の実施の形態における情報処理システム1の動作を、図11のフローチャート及び図12のシーケンス図を参照して説明する。
【0059】
図11は、本発明の第2の実施の形態における情報処理装置としての複合機12における情報処理プログラムの動作を示すフローチャートである。また、図12は、本発明の第2の実施の形態における情報処理システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0060】
まず図11のステップS200において、複合機12は、サーバ3から複合機12を使用するユーザを認証する識別情報を生成するためのスクリプトファイルをダウンロードする。
【0061】
すなわち、図12のシーケンスS11に示すように、複合機12の要求手段202はサーバ3に対して本複合機12に対応するスクリプトファイルのダウンロードを要求する。そして、シーケンスS12に示すように、サーバ3からスクリプトファイルのダウンロードを受ける。
【0062】
ダウンロードのタイミングは一つに限定されるものではなく、いくつかのタイミングが考えられる。例えば、複合機12を設置したときに、お客情報として会社名をお客情報D/B212に登録し、これをサーバ3に送信してその会社名に対応するスクリプトファイルのダウンロードを要求する。これに対し、サーバ3は、その会社名に対応するスクリプトファイルをスクリプトファイルD/B311から取り出して複合機12側にダウンロードする。
【0063】
または、ユーザが最初にICカードをタッチしたタイミングで、サーバ3にお客情報を送信してダウンロードを要求し、スクリプトファイルのダウンロードを受けるようにしてもよい。あるいはサーバ3側でスクリプトファイルの更新があったときに、サーバ3から複合機12にその旨を通知してダウンロードを促し、これに応答する形で複合機12からダウンロードを要求するようにしてもよい。
【0064】
いずれにしても、一度スクリプトファイルをダウンロードしたら、スクリプトファイルをスクリプト格納部214に保存しておけば、その後はこのスクリプトファイルを用いて複合機12側で識別情報を生成することができる。
【0065】
次にステップS210において、図12のシーケンスS13に示すように、ユーザがICカード5をカードリーダ22にタッチする。前と同様、カードリーダ22が非接触型のICカードリーダであれば、実際にICカード5をカードリーダ22に接触させる必要はなく、かざすだけでよいのはもちろんである。
【0066】
次にステップS220において、図12のシーケンスS14に示すように、カードリーダ22はICカード5からカード情報を読み取る。そして、ステップS230において、取得手段201は、カードリーダ22からカードID等のカード情報を取得する。
【0067】
次にステップS240において、生成手段205は、図12のシーケンスS15に示すように、スクリプト格納部214に保存されているスクリプトファイルを用いて、カードID及びお客情報から識別情報の一例としてのユーザIDを生成する。
【0068】
次にステップS250において、図12のシーケンスS16に示すように、認証手段204は、生成手段205が生成した識別情報を用いてユーザの認証を行う。
【0069】
そして、ユーザの認証が完了したら、ステップS260において、ユーザに対してサービスを提供する。
【0070】
このように本実施の形態では、複合機12は、サーバ3からダウンロードしたスクリプトファイルを保存しておき、これを用いて識別情報を生成するようにしている。
【0071】
以上、本発明の様々な実施の形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態のみに限定されるものではない。本発明は、これらの他にも本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。例えば、上記実施の形態における情報処理プログラム211をCD-ROM等の記録媒体に記憶して提供するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施の形態で用いたプログラムをクラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することもできる。
【0073】
また、制御部20を構成する各部は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…情報処理装置、2、12…複合機、3…サーバ、4…ネットワーク、5…ICカード、20…制御部、21…記憶部、22…カードリーダ、23…操作パネル、24…ネットワーク通信部、30…制御部、31…記憶部、32…ネットワーク通信部、200…機能実行部、201…取得手段、202…要求手段、203…受信手段、204…認証手段、205…生成手段、210…機能制御プログラム、211…情報処理プログラム、212…お客情報D/B、213…認証情報D/B、214…スクリプト格納部、300…受付手段、301…生成手段、302…送信手段、310…制御プログラム、311…スクリプトファイルD/B
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