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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】放送波受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20230829BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20230829BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20230829BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H04N21/435
H04N21/438
H04N21/442
H04B1/16 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019085136
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020182141
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】冨田 智明
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-159212(JP,A)
【文献】特開2018-157414(JP,A)
【文献】特開2011-223439(JP,A)
【文献】特開2007-116279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/14-7/173
H04N 21/00-21/858
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波により伝送されているチャンネルのリストであるチャンネルリストの情報を含む信号と各チャンネルの映像信号とを含み、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波を受信する受信部と、
前記受信部により受信した放送波に基づいて、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信可能なチャンネルを選局可能に登録したチャンネルマップを作成する制御部と、を備え、
前記制御部は、初期設定後に、前記受信部により受信した放送波に基づいて、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、前記チャンネルマップにおける前記左旋円偏波に対応する未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合において、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、前記チャンネルマップに対応する未登録のチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされた前記チャンネルマップに未登録の対応するチャンネルを選局可能なチャンネルとして、前記チャンネルマップに追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、放送波受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる周波数帯において、受信した映像信号の信号品質が所定のレベル以上であった場合に、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別するように構成されている、請求項1に記載の放送波受信装置。
【請求項3】
記制御部は、前記右旋円偏波により映像信号が伝送されるチャンネルが登録されている場合において、前記左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した後に、前記チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の放送波受信装置。
【請求項4】
前記制御部は、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、前記代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の放送波受信装置。
【請求項5】
前記制御部は、所定の時刻になったことに基づいて、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、前記チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の放送波受信装置。
【請求項6】
前記受信部は、複数備えられ、
前記制御部は、複数の前記受信部のいずれか一つの前記受信部が未使用であった場合に、未使用の前記受信部を用いて、受信した放送波に基づいて、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、前記チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の放送波受信装置。
【請求項7】
前記制御部は、登録済みの全てのチャンネルの映像信号が受信できない状態になった後に、いずれかの周波数帯のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、前記チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、請求項6に記載の放送波受信装置。
【請求項8】
前記制御部は、装置電源がオフの状態からオンの状態になった場合および電源プラグを介して、電力が供給されていない状態から電力が供給されている状態になった場合の少なくとも一方において、前記受信部により受信した放送波に基づいて、前記チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合に、前記チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の放送波受信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記チャンネル追加登録制御によって、新たにチャンネルが登録された場合に、新たにチャンネルが登録されたことを通知する制御を行うように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の放送波受信装置。
【請求項10】
右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波を受信する受信部と、
前記受信部により受信した放送波に基づいて、受信可能なチャンネルを選局可能に登録する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、前記受信部により受信した放送波に基づいて、前記左旋円偏波により伝送される放送波を受信したと判別した場合において、少なくとも、前記左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされた未登録のチャンネルを選局可能なチャンネルとして追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている、放送波受信装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、前記左旋円偏波の所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、前記代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、前記左旋円偏波により伝送されるチャンネルの映像信号を受信したか否かを判別するように構成されている、請求項10に記載の放送波受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送波受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、受信能力に基づいて、チャンネルを選局可能とする放送波受信装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、放送波の信号に含まれるチャンネルリスト情報を保持する第1の制御部と、放送波受信装置の受信能力に基づいて、チャンネルを選局可能とする第2の制御部と、を備える、放送波受信装置が開示されている。上記特許文献1の放送波受信装置では、第2の制御部は、放送波受信装置の初期設定時に、受信可能なチャンネルを検索して、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信可能なチャンネルを選局可能とするように構成されている。これにより、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信できないチャンネルをユーザにより選局できないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-157414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の放送波受信装置では、放送波受信装置の初期設定時に、受信可能なチャンネルを検索して、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信可能なチャンネルを選局可能として、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信できないチャンネルをユーザにより選局できないようにしている。そのため、初期設定を行った後に、アンテナの交換など受信設備が更新されたことにより、受信可能な放送波の信号が増加して、放送波受信装置が新たなチャンネルを受信可能となった場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能な放送波受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による放送波受信装置では、放送波により伝送されているチャンネルのリストであるチャンネルリストの情報を含む信号と各チャンネルの映像信号とを含み、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波を受信する受信部と、受信部により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信可能なチャンネルを選局可能に登録したチャンネルマップを作成する制御部と、を備え、制御部は、初期設定後に、受信部により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップにおける左旋円偏波に対応する未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合において、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに対応する未登録のチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされたチャンネルマップに未登録の対応するチャンネルを選局可能なチャンネルとして、チャンネルマップに追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面における放送波受信装置は、制御部を、初期設定後に、受信部により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合において、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされたチャンネルマップに未登録のチャンネルを選局可能なチャンネルとして、チャンネルマップに追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、初期設定時にチャンネルマップに登録したチャンネルに加えて、新たに受信可能となったチャンネルが、制御部により自動的にチャンネルマップに選局可能に登録されるので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能な放送波受信装置を提供することができる。
【0009】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる周波数帯において、受信した映像信号の信号品質が所定のレベル以上であった場合に、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別するように構成されている。このように構成すれば、受信した映像信号の信号品質のレベルに基づいて、映像信号を受信可能になったか否かを判別することができるので、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを容易に判別することができる。
【0010】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、右旋円偏波により映像信号が伝送されるチャンネルが登録されている場合において、左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した後に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。このように構成すれば、たとえば、日本国内において、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルが登録されている場合に、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルの映像信号の受信の可否を判別することよって、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルのみ受信可能な状態から、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルと、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルと、の両方を受信可能な状態となった場合に、容易にチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0011】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するように構成されている。このように構成すれば、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別することができる。その結果、全ての未登録のチャンネルに対して、映像信号を受信したか否かを判別する場合に比べて、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する時間を短縮することができる。
【0012】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、所定の時刻になったことに基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。このように構成すれば、所定の時刻になれば、制御部により、自動的に未登録のチャンネルの映像信号の受信の可否の判別が行われるとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信した場合に、チャンネル追加登録制御が行われる。その結果、定期的に受信可能なチャンネルの増加をチェックすることができる。
【0013】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、受信部は、複数備えられ、制御部は、複数の受信部のいずれか一つの受信部が未使用であった場合に、未使用の受信部を用いて、受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。このように構成すれば、複数の受信部のうちの未使用な受信部を利用して、映像信号の受信の可否の判別を行うとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信した場合には、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、放送波により伝送される映像の視聴や録画を制限することなく、受信可能なチャンネルの増加をチェックすることができる。
【0014】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、登録済みの全てのチャンネルの映像信号が受信できない状態になった後に、いずれかの周波数帯のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。このように構成すれば、装置電源がオンの状態において、受信可能な放送波の映像信号が変化した場合に、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、装置電源がオンの状態において、アンテナなどの受信設備を更新して、受信可能なチャンネルが増加した際に、迅速にチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0015】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、装置電源がオフの状態からオンの状態になった場合および電源プラグを介して、電力が供給されていない状態から電力が供給されている状態になった場合の少なくとも一方において、受信部により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。このように構成すれば、装置電源がオンの状態になった、または、電源プラグを介して、電力が供給されている状態になったことにより、未登録のチャンネルの映像信号の受信の可否の判別を行うとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信した場合には、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、装置電源がオフの状態、または、電力が供給されていない状態において、アンテナなどの受信設備を更新して、受信可能なチャンネルが増加した場合に、迅速に映像信号の受信の可否のチェックおよびチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0016】
上記第1の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、チャンネル追加登録制御によって、新たにチャンネルが登録された場合に、新たにチャンネルが登録されたことを通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、新たにチャンネルが登録されたことをユーザに通知することができるので、新たに登録されて選局可能となったチャンネルをユーザが容易に確認することができる。
【0017】
この発明の第2の局面による放送波受信装置では、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波を受信する受信部と、受信部により受信した放送波に基づいて、受信可能なチャンネルを選局可能に登録する制御部と、を備え、制御部は、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、受信部により受信した放送波に基づいて、左旋円偏波により伝送される放送波を受信したと判別した場合において、少なくとも、左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされた未登録のチャンネルを選局可能なチャンネルとして追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。
【0018】
この発明の第2の局面における放送波受信装置は、制御部は、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、受信部により受信した放送波に基づいて、左旋円偏波により伝送される放送波を受信したと判別した場合において、少なくとも、左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされた未登録のチャンネルを選局可能なチャンネルとして追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。これにより、たとえば、日本国内において、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルが登録されている場合に、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルを受信できるようになった場合において、制御部が、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルに対して、チャンネル追加登録制御を自動的に行うので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能な放送波受信装置を提供することができる。また、左旋円偏波により伝送される映像信号の受信の可否を判別することよって、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルのみ受信可能な状態から、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルと、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルと、の両方を受信可能な状態となった場合に、容易にチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0019】
上記第2の局面による放送波受信装置において、好ましくは、制御部は、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、左旋円偏波の所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、左旋円偏波により伝送されるチャンネルの映像信号を受信したか否かを判別するように構成されている。このように構成すれば、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、左旋円偏波により伝送されるチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別することができる。その結果、全ての左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、映像信号を受信したか否かを判別する場合に比べて、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能な放送波受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態によるテレビジョン装置を示したブロック図である。
図2】周波数帯と論理チャンネルとの関係を説明するための図である。
図3】第1実施形態によるテレビジョン装置の制御部によるチャンネル追加登録制御を説明するための図である。
図4】第1実施形態のテレビジョン装置のディスプレイに表示されるチャンネル追加メッセージを示した図である。
図5】第1実施形態のテレビジョン装置の制御部による空き時間スキャン処理のフローチャートである。
図6】第2実施形態のテレビジョン装置の制御部による定刻スキャン処理のフローチャートである。
図7】第3実施形態のテレビジョン装置の制御部による信号復帰スキャン処理のフローチャートである。
図8】第4実施形態のテレビジョン装置の制御部によるAC-ONスキャン処理のフローチャートである。
図9】第1~第5実施形態の第1の変形例によるレコーダ装置を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
図1図5を参照して、本発明の第1実施形態による構成について説明する。
【0024】
本発明の第1実施形態によるテレビジョン装置100は、図1に示すように、チューナー11と、チューナー12と、制御部2と、映像出力部3と、ディスプレイ4と、リモコン受信部5と、を備えている。また、テレビジョン装置100は、DDR(Double Data Rate)メモリ6と、FLASHメモリ7と、内蔵HDD(Hard Disc Drive)8と、を備えている。なお、テレビジョン装置100は、特許請求の範囲の「放送波受信装置」の一例であり、チューナー11およびチューナー12は、特許請求の範囲の「受信部」の一例である。また、テレビジョン装置100には、電源プラグ9を介して、電力が供給されている。また、テレビジョン装置100のチューナー11およびチューナー12には、アンテナ200が接続されている。
【0025】
アンテナ200は、右旋円偏波および左旋円偏波の両方を受信可能であり、受信した右旋円偏波の信号および左旋円偏波の放送波の信号の両方を出力する右左旋対応のアンテナ200である。なお、アンテナ200からチューナー11およびチューナー12へ信号を伝送する際の周波数である中間周波数(IF:Intermediate Frequency)の伝送帯域は、定められており、右旋円偏波の信号は、中間周波数(IF)1032MHZ以上2071MHZ以下の伝送帯域において、出力される。また、左旋円偏波の信号は、中間周波数(IF)2224MHZ以上3224MHZ以下の伝送帯域において出力される。
【0026】
第1実施形態では、チューナーは、複数備えられている。具体的には、テレビジョン装置100は、アンテナ200に接続された、チューナー11およびチューナー12の2つのチューナーを備えている。
【0027】
第1実施形態では、チューナー11およびチューナー12は、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波を受信可能である。具体的には、チューナー11およびチューナー12は、右左旋対応のアンテナ200が、上記の伝送帯域において出力する信号を受信可能に構成することにより、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波をアンテナ200を介して、受信可能に構成されている。
【0028】
また、第1実施形態では、チューナー11およびチューナー12は、放送波により伝送されているチャンネルのリストであるチャンネルリストの情報を含む信号と各チャンネルの映像信号とを含む放送波を受信する。具体的には、チューナー11およびチューナー12は、右旋円偏波および左旋円偏波で伝送される全放送(2K放送、4K放送および8K放送)のチャンネルのリストであるチャンネルリストの情報を含む信号が含まれた放送波をアンテナ200を介して、受信できるように構成されている。また、チューナー11およびチューナー12は、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される各チャンネルの映像信号を含む放送波をアンテナ200を介して、受信できるように構成されている。また、チューナー11およびチューナー12は、制御部2の制御により、アンテナ200を介して受信した放送波に対して、周波数の同調(チャンネルの切り替え)を行い、各チャンネルの放送波を受信して、その受信結果を出力するように構成されている。
【0029】
制御部2は、テレビジョン装置100の各部の制御を行うように構成されている。また、右旋円偏波を受信して、右旋円偏波により伝送される放送波の信号を出力可能な右旋専用のアンテナ201から、右左旋対応のアンテナ200に交換(図1参照)された場合など、受信設備が更新されたことにより、受信可能な放送波の信号が変化した際に、制御部2は、所定の条件により、後述するチャンネルスキャンおよびチャンネル追加制御を行うように構成されている。
【0030】
また、第1実施形態では、制御部2は、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、受信可能なチャンネルを選局可能に登録したチャンネルマップを作成するように構成されている。具体的には、制御部2は、放送波により伝送されている、チャンネルリストの情報を含む信号からチャンネルリストの情報を取得して、チャンネルリストに存在するチャンネルの中から、映像信号を受信可能なチャンネルを選局可能なチャンネルとして登録したチャンネルマップを作成する。チャンネルマップでは、映像信号を受信可能なチャンネルとリモコン51の操作に基づく制御とが関連付け(マッピング)されている。また、制御部2は、作成したチャンネルマップをFLASHメモリ7に記憶するように構成されている。なお、右旋円偏波および左旋円偏波で伝送される全放送(2K放送、4K放送および8K放送)のチャンネルリストの情報は、右旋円偏波において、伝送される。そのため、右旋専用のアンテナ201が、チューナー11およびチューナー12に接続されている場合でも、制御部2は、右旋円偏波および左旋円偏波で伝送される全放送(2K放送、4K放送および8K放送)のチャンネルリストの情報を取得できる。
【0031】
作成されたチャンネルマップは、制御部2の制御により、更新が行われる。チャンネルマップに未登録のチャンネル、かつ、新たに受信可能となったチャンネルが存在する場合には、制御部2により、未登録のチャンネルのチャンネルマップへの追加登録が行われる。また、映像信号を受信できなくなった登録済みのチャンネルは、制御部2の制御により、チャンネルマップから削除することが可能である。なお、第1実施形態のテレビジョン装置100は、接続されるアンテナが、右旋専用のアンテナ201から、右左旋対応のアンテナ200に交換された直後のテレビジョン装置100(図1参照)であり、チャンネルマップには、右旋円偏波により映像信号が伝送されるチャンネル(右旋放送チャンネル)のみが登録済みのチャンネルとして、登録されている。そのため、左旋円偏波により映像信号が伝送されるチャンネル(左旋放送チャンネル)は、テレビジョン装置100のFLASHメモリ7に記憶されたチャンネルマップには、登録されていない。
【0032】
映像出力部3は、制御部2の制御により、受信した放送波の信号に基づいて、ディスプレイ4に映像を表示させるための信号を出力するように構成されている。
【0033】
ディスプレイ4は、映像出力部3から出力された信号に基づいて、映像を表示するように構成されている。なお、ディスプレイ4は、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイおよびOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどを含む。
【0034】
リモコン受信部5は、ユーザからの入力操作およびチャンネル選局操作を、リモコン51を介して、受け付ける。また、リモコン受信部5は、テレビジョン装置100に対する操作を判別し、その結果をテレビジョン装置100の各部の制御を行う制御部2に送信する。これにより、ユーザは、リモコン51を操作することによって、テレビジョン装置100の操作を行うことができる。
【0035】
DDRメモリ6は、揮発性のメモリであり、DDRメモリ6には、制御部2において、処理されたデータが一時的に記憶されるように構成されている。
【0036】
FLASHメモリ7は、不揮発性のメモリであり、制御部2の制御により、チャンネルマップを記憶するように構成されている。
【0037】
内蔵HDD8は、制御部2の制御により、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波により伝送されるチャンネルの映像信号が記憶(録画)されるように構成されている。
【0038】
(信号品質チェック)
第1実施形態では、制御部2は、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる周波数帯において、受信した映像信号の信号品質が所定のレベル以上であった場合に、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別するように構成されている。具体的には、各チャンネルの映像信号は、アンテナ200を介して、チューナー11およびチューナー12が受信した放送波の信号が、チューナー11およびチューナー12から出力された後、復調が行われ、デコード処理(符号の復号化)が行われることにより取得される。そして、制御部2は、各チャンネルのデコード処理後の映像信号の信号品質チェックを行う。なお、信号品質とは、受信した信号の品質を表す値であり、たとえば、信号(Carrier)と信号に含まれる雑音(Noise)の比(C/N比)で表される。制御部2は、デコード処理後の映像信号の信号品質(C/N比)が”0”ではなく、各チャンネルの復調された信号がデコード処理が可能な信号であるか否かを判別する。また、周波数帯とは、アンテナ200から放送波の信号の出力する際の周波数である中間周波数(IF)の伝送帯域において、物理チャンネル毎に割り当てられた、連続した周波数の範囲のことである。なお、物理チャンネルは、複数の論理チャンネルに分割されている。周波数帯とチャンネルとの関係を説明するために、図2に一例として、周波数帯A、周波数帯B、周波数帯C、周波数帯D、周波数帯E、周波数帯F、周波数帯Gおよび周波数帯Hの8つの周波数帯を示す。また、周波数帯Aに、11チャンネル、12チャンネルおよび13チャンネルが含まれるように、各周波数帯(物理チャンネル)には、複数の論理チャンネルが含まれている。なお、図2において、周波数帯A、周波数帯B、周波数帯Cおよび周波数帯Dは、1032MHZ以上2071MHZ以下の右旋円偏波により伝送される放送(右旋放送)のチャンネルの周波数帯である。また、周波数帯E、周波数帯F、周波数帯Gおよび周波数帯Hは、2224MHZ以上3224MHZ以下の左旋円偏波により伝送される放送(左旋放送)のチャンネルの周波数帯である。なお、図2では、簡略化のために省略しているが、各物理チャンネルに割り当てられた周波数帯の間には、隣接する周波数帯を利用する別のチャンネルとの干渉を防ぐために、未使用の周波数帯が存在する。制御部2は、チャンネルマップに登録済みの論理チャンネルの周波数帯と異なる周波数帯のチャンネル(物理チャンネルおよび論理チャンネル)において、デコード処理後の映像信号の信号品質が”0”ではなく、デコード処理が可能な信号が得られた場合に、未登録のチャンネル(物理チャンネルおよび論理チャンネル)の映像信号を受信したと判別する。
【0039】
(チャンネルマップ更新)
第1実施形態では、制御部2は、初期設定後に、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合において、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされたチャンネルマップに未登録のチャンネルを選局可能なチャンネルとして、チャンネルマップに追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。具体的には、制御部2は、チューナー11およびチューナー12が受信した放送波に基づいて、上記のように、チャンネルマップに未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合において、チャンネル追加登録制御を行う(図3参照)ことにより、チャンネルマップの更新を行う。チャンネル追加登録制御とは、制御部2が、チューナー11およびチューナー12により同調させる周波数を切り替えながら、映像信号が受信可能、かつ、チャンネルマップに未登録の論理チャンネルを検索するチャンネルスキャンを行った後に、受信可能な未登録の論理チャンネルがあった場合に、受信可能な未登録の論理チャンネルをチャンネルマップに追加登録して、選局可能にするチャンネル登録処理を行う制御である。なお、各チャンネルの映像信号が受信可能であるか否かは、上記のように、制御部2による信号品質チェックの結果により判別される。また、制御部2は、チャンネルマップに登録済みの論理チャンネルを、リモコン51による選局操作を行えるようにして、登録済みの論理チャンネルを視聴可能にする。また、制御部2は、チャンネルマップに未登録の論理チャンネルについては、リモコン51の選局操作によって、選局できないようにしてもよい。
【0040】
第1実施形態では、制御部2は、右旋円偏波により映像信号が伝送されるチャンネルが登録されている場合において、左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した後に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。具体的には、制御部2は、右旋円偏波により映像信号が伝送される論理チャンネル(右旋放送チャンネル)がチャンネルマップに登録されている場合において、左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録の論理チャンネル(左旋放送チャンネル)のデコード処理後の映像信号の信号品質が”0”ではなく、復調された信号がデコード処理が可能な信号であるか否かを判別する。さらに、左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録の論理チャンネル(未登録の左旋放送チャンネル)において、デコード処理後の映像信号の信号品質が”0”ではなく、デコード処理が可能な信号が未登録の左旋放送チャンネルから得られた場合に、未登録の左旋放送チャンネルの映像信号を受信したと判別する。そして、制御部2は、未登録の左旋放送チャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、制御部2は、上記のチャンネル追加登録制御を行う。
【0041】
第1実施形態では、制御部2は、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するように構成されている。具体的には、制御部2は、同一の周波数帯に割り当てられた複数の論理チャンネルのうち、任意の一つの論理チャンネルを上記の周波数帯に割り当てられた複数の論理チャンネルを代表する代表チャンネルとして、映像信号を受信したか否かを判別している。たとえば、図2に示すように、制御部2は、21チャンネル、22チャンネルおよび23チャンネルの信号が伝送されている周波数帯Eにおいて、21チャンネルを代表チャンネルとして、周波数帯Eにおける映像信号を受信したか否かを判別する。また、制御部2は、代表チャンネルである、21チャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、代表チャンネルである21チャンネルと同一の周波数帯に割り当てられた、代表チャンネル(21チャンネル)以外の論理チャンネル(22チャンネルおよび23チャンネル)についても、受信可能になったと判別する。すなわち、制御部2は、同一周波数帯の複数の論理チャンネルのうち、いずれか一つの論理チャンネル(代表チャンネル)において、映像信号を受信したか否かを判別して、その結果に基づいて、同一周波数帯の全ての論理チャンネルが受信可能になったか否かを判別している。
【0042】
第1実施形態では、制御部2は、複数のチューナー(チューナー11およびチューナー12)のいずれか一つのチューナーが未使用であった場合に、未使用のチューナーを用いて、受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。たとえば、チューナー11により視聴、チューナー12により録画を行っていた状態から、チューナー12による録画が終了した状態、つまり、チューナー12が使用中の状態から未使用の状態になった場合に、制御部2は、未使用のチューナーであるチューナー12を用いて、チャンネルスキャンを実施する。チャンネルスキャンの結果、チャンネルマップに未登録の受信可能なチャンネルがあった場合に、制御部2は、上記のチャンネル追加登録制御を行い、チャンネルマップの更新を行う。
【0043】
(チャンネル追加メッセージ表示)
第1実施形態では、制御部2は、チャンネル追加登録制御によって、新たにチャンネルが登録された場合に、新たにチャンネルが登録されたことを通知する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部2は、上記のチャンネル追加登録制御によって、新たにチャンネルマップにチャンネルが登録された場合において、映像出力部3を介して、ディスプレイ4の画面41に新たにチャンネルが登録されたことをユーザに知らせるための通知42を表示(図4参照)させる。また、制御部2は、ユーザの操作(リモコン51操作)により、上記のチャンネル追加登録制御によって新たに登録されたチャンネルの情報をディスプレイ4の画面41に表示させてもよい。たとえば、制御部2は、登録されたチャンネルの名称とともにチャンネルの映像をサムネイル表示するなどして、チャンネル情報を表示させてもよい。
【0044】
(空き時間スキャン処理)
次に、図5を参照して、第1実施形態のテレビジョン装置100のチューナー(チューナー11またはチューナー12)が使用中の状態から未使用の状態になった場合に実施されるチャンネルスキャンである、空き時間スキャン処理の一例をフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
ステップS11において、制御部2は、左旋放送チャンネルの信号品質チェックができない状態があった否かを判別する。左旋放送チャンネルの信号品質チェックができない状態があった場合、すなわち、全てのチューナー(チューナー11およびチューナー12)が使用中の状態があった場合に、ステップS12に移行する。また、左旋放送チャンネルの信号品質チェックができない状態がなかった場合に、処理を終了する。
【0046】
ステップS12において、制御部2は、左旋放送チャンネルの信号品質チェックが可能な状態か否かを判別する。制御部2が、チューナー11およびチューナー12のうち、いずれかのチューナーが未使用の状態であり、左旋放送チャンネルの信号品質のチェックが可能な状態であると判別した場合に、ステップS13に移行する。また、制御部2が、チューナー11およびチューナー12の両方が、視聴または録画により、使用中の状態であり、左旋放送チャンネルの信号品質のチェックができない状態であると判別した場合に、処理を終了する。
【0047】
ステップS13において、制御部2は、左旋放送代表チャンネルの信号品質チェック処理を行う。全左旋放送代表チャンネルの信号品質のチェック処理終了後、ステップS14に移行する。
【0048】
ステップS14において、制御部2は、信号品質が“0”ではない代表チャンネルがあったか否かを判別する。信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた代表チャンネルがあった場合に、ステップS15に移行する。また、信号品質が“0”ではない代表チャンネルがなかった場合に、処理を終了する。
【0049】
ステップS15において、制御部2は、左旋放送チャンネルの全論理チャンネルのスキャン処理を行う。チャンネルスキャン処理の終了後、ステップS16に移行する。
【0050】
ステップS16において、制御部2は、チャンネル登録処理を行う。制御部2は、ステップS15において、信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた全ての論理チャンネルをチャンネルマップに登録する制御を行い、処理を終了する。
【0051】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0052】
第1実施形態では、上記のように、制御部2を、初期設定後に、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合において、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルに対して、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、初期設定時にチャンネルマップに登録したチャンネルに加えて、新たに受信可能となったチャンネルが、制御部2により自動的にチャンネルマップに選局可能に登録されるので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能なテレビジョン装置100を提供することができる。
【0053】
第1実施形態では、上記のように、制御部2を、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる周波数帯において、受信した映像信号の信号品質が所定のレベル以上であった場合に、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別するように構成する。これにより、受信した映像信号の信号品質のレベルに基づいて、映像信号を受信可能になったか否かを判別することができるので、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを容易に判別することができる。
【0054】
第1実施形態では、上記のように、制御部2を、右旋円偏波により映像信号が伝送されるチャンネルが登録されている場合において、左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した後に、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、たとえば、日本国内において、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルが登録されている場合に、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルの映像信号の受信の可否を判別することよって、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルのみ受信可能な状態から、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルと、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルと、の両方を受信可能な状態となった場合に、容易にチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0055】
第1実施形態では、上記のように、制御部2を、登録済みのチャンネルの周波数帯と異なる所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するように構成する。これにより、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別することができる。その結果、全ての未登録のチャンネルに対して、映像信号を受信したか否かを判別する場合に比べて、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する時間を短縮することができる。
【0056】
第1実施形態では、上記のように、制御部2を、チューナー11およびチューナー12のいずれか一つのチューナーが未使用であった場合に、未使用のチューナーを用いて、受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、複数のチューナー(チューナー11およびチューナー12)のうちの未使用なチューナーを利用して、映像信号の受信の可否の判別を行うとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信した場合には、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、放送波により伝送される映像の視聴や録画を制限することなく、受信可能なチャンネルの増加をチェックすることができる。
【0057】
第1実施形態では、上記のように、制御部2を、チャンネル追加登録制御によって、新たにチャンネルが登録された場合に、新たにチャンネルが登録されたことを通知する制御を行うように構成する。これにより、新たにチャンネルが登録されたことをユーザに通知することができるので、新たに登録されて選局可能となったチャンネルをユーザが容易に確認することができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。この第3実施形態では、チューナー11およびチューナー12のうち、いずれかのチューナーが未使用であった際に、代表チャンネルの信号品質チェック処理を行うように構成されている上記第1実施形態と異なり、所定の時刻になったことに基づいて、代表チャンネルの信号品質チェック処理を行うように構成されている。
【0059】
第2実施形態では、制御部2は、所定の時刻になったことに基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。具体的には、制御部2は、ユーザが設定した時刻、または、装置に予め設定された時刻になったことに基づいて、チャンネルマップに未登録の(左旋放送チャンネルの)論理チャンネルの代表チャンネルに対して、映像信号を受信可能か否かの判別(定刻スキャン処理)を行う。制御部2は、代表チャンネルにおいて、映像信号が受信可能であると判別した、すなわち、信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた代表チャンネルがあった場合に、チャンネル追加登録制御を行う。
【0060】
(定刻スキャン)
次に、図6を参照して、第2実施形態のテレビジョン装置100の制御部2が、定刻スキャン処理の一例をフローチャートに基づいて説明する。なお、下記の一例は、上記第1実施形態と同じく、チャンネルマップに登録済みのチャンネルが、全て右旋放送チャンネルである場合の制御部2による定刻スキャン処理の一例である。
【0061】
ステップS21において、制御部2は、定刻起動時間であるか否かを判別する。定刻起動時間であった場合に、ステップS22に移行する。また、定刻起動時間でなかった場合に、処理を終了する。
【0062】
ステップS22において、制御部2は、左旋放送代表チャンネルの信号品質チェック処理を行う。左旋放送チャンネルの全代表チャンネルの信号品質のチェック処理終了後、ステップS23に移行する。
【0063】
ステップS23において、制御部2は、信号品質が“0”ではない代表チャンネルがあったか否かを判別する。信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた代表チャンネルがあった場合に、ステップS24に移行する。また、信号品質が“0”ではない代表チャンネルがなかった場合に、処理を終了する。
【0064】
ステップS24において、制御部2は、左旋放送チャンネルの全論理チャンネルのスキャン処理を行う。チャンネルスキャン処理の終了後、ステップS25に移行する。
【0065】
ステップS25において、制御部2は、チャンネル登録処理を行う。制御部2は、ステップS24において、信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた全ての論理チャンネルをチャンネルマップに登録する制御を行い、処理を終了する。
【0066】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0067】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、初期設定時にチャンネルマップに登録したチャンネルに加えて、新たに受信可能となったチャンネルが、制御部2により自動的にチャンネルマップに選局可能に登録されるので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能なテレビジョン装置100を提供することができる。
【0069】
第2実施形態では、上記のように、制御部2を、所定の時刻になったことに基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、チャンネルマップに未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、所定の時刻になれば、制御部2により、自動的に未登録のチャンネルの映像信号の受信の可否の判別が行われるとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信した場合に、チャンネル追加登録制御が行われる。その結果、定期的に受信可能なチャンネルの増加をチェックすることができる。
【0070】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、いずれかのチューナーが未使用であった際に、上記のチャンネル追加登録制御を行うように構成されている上記第1実施形態と異なり、登録済みの全てのチャンネルの映像信号が受信できない状態になった後に、いずれかの周波数帯のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、上記のチャンネル追加登録制御を行うように構成されている。
【0072】
第3実施形態では、制御部2は、登録済みの全てのチャンネルの映像信号が受信できない状態になった後に、いずれかの周波数帯のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。具体的には、制御部2は、チャンネルマップに登録された全てのチャンネル(登録済みの右旋放送チャンネル)において、映像信号が受信できない状態になった後に、チャンネルリスト内のいずれかのチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合(信号が復帰した場合)には、チャンネルリスト内の左旋放送チャンネル(未登録の論理チャンネル)の代表チャンネルに対して、映像信号が受信できるか否かを判別していく。そして、いずれかの周波数帯の左旋放送チャンネル(未登録の論理チャンネル)の代表チャンネルにおいて、映像信号が受信できた場合に、制御部2は、上記のチャンネル追加登録制御を行う。
【0073】
(信号復帰スキャン)
次に、図7を参照して、第3実施形態のテレビジョン装置100の制御部2による信号復帰スキャン処理の一例をフローチャートに基づいて説明する。なお、下記の一例は、上記第1実施形態と同じく、チャンネルマップに登録済みのチャンネルが、全て右旋放送チャンネルである場合の制御部2による信号復帰スキャン処理の一例である。また、下記の一例は、右旋放送チャンネルの映像信号の受信に基づいて、チャンネルリスト内のいずれかのチャンネルの映像信号を受信した(信号が復帰した場合)と判別する例である。
【0074】
ステップS31において、制御部2は、右旋放送チャンネルの信号品質が全て“0”であるか否かを判別する、右旋放送チャンネルの信号品質が全て“0”であった場合に、ステップS32に移行する。また、右旋放送チャンネルの信号品質が全て“0”でなかった場合に、処理を終了する。
【0075】
ステップS32において、制御部2は、右旋放送チャンネルのいずれかが視聴可能であるか否かを判別する。右旋放送チャンネルのいずれかが視聴可能であった場合に、ステップS33に移行する。また、右旋放送チャンネルの全てが視聴できない場合に、処理を移行する。
【0076】
ステップS33において、制御部2は、左旋放送代表チャンネルの信号品質のチェック処理を行う。左旋放送の全代表チャンネルの信号品質のチェック処理終了後、ステップS34に移行する。
【0077】
ステップS34において、制御部2は、信号品質が“0”ではない代表チャンネルがあったか否かを判別する。信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた代表チャンネルがあった場合に、ステップS35に移行する。信号品質が“0”ではない代表チャンネルがなかった場合に、処理を終了する。
【0078】
ステップS35において、制御部2は、左旋放送チャンネルの全論理チャンネルのスキャン処理を行う。チャンネルスキャン処理の終了後、ステップS36に移行する。
【0079】
ステップS36において、制御部2は、チャンネル登録処理を行う。制御部2は、ステップS34において、信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた全ての論理チャンネルをチャンネルマップに登録する制御を行い、処理を終了する。
【0080】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0081】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、初期設定時にチャンネルマップに登録したチャンネルに加えて、新たに受信可能となったチャンネルが、制御部2により自動的にチャンネルマップに選局可能に登録されるので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能なテレビジョン装置100を提供することができる。
【0083】
第3実施形態では、上記のように、制御部2を、登録済みの全てのチャンネルの映像信号が受信できない状態になった後に、いずれかの周波数帯のチャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、装置電源がオンの状態において、受信可能な放送波の映像信号が変化した場合に、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、装置電源がオンの状態において、右旋専用のアンテナ201から右左旋対応のアンテナ200に交換して、受信可能なチャンネルが増加した際に、迅速にチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0084】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0085】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。この第5実施形態では、チューナー11およびチューナー12のうち、いずれかのチューナーが未使用であった場合に、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する上記第1実施形態と異なり、電源プラグ9を介して、電力が供給されていない状態から電力が供給されている状態になった場合において、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する。
【0086】
第4実施形態では、制御部2を、電源プラグ9を介して、電力が供給されていない状態から電力が供給されている状態になった場合において、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。具体的には、制御部2は、電源プラグ9を介して、電力が供給されていない状態(AC-OFF状態)から電力が供給されている状態(AC-ON状態)になった場合において、チャンネルマップに未登録の論理チャンネル(左旋放送チャンネル)に対して、映像信号が受信できるか否かを判別していく。そして、いずれかの未登録の論理チャンネルにおいて、映像信号が受信できた場合に、制御部2は、上記のチャンネル追加登録制御を行う。
【0087】
(AC-ONスキャン)
次に、図8を参照して、第4実施形態のテレビジョン装置100の制御部2によるAC-ONスキャン処理の一例をフローチャートに基づいて説明する。なお、下記の一例は、上記第1実施形態と同じく、チャンネルマップに登録済みのチャンネルが、全て右旋放送チャンネルである場合の制御部2によるAC-ONスキャン処理の一例である。なお、下記の一例は、上記第1実施形態と同じく、チャンネルマップに登録済みのチャンネルが、全て右旋放送チャンネルである場合の制御部2によるAC-ONスキャン処理の一例である。
【0088】
ステップS41において、制御部2は、AC-ON状態となったか否かを判別する。電源プラグ9を介して、電力が供給されていない状態(AC-OFF状態)から、電力が供給されている状態(AC-ON状態)となった場合に、ステップS42に移行する。また、電源プラグ9を介して、電力が供給されていない場合に、処理を終了する。
【0089】
ステップS42において、制御部2は、左旋放送代表チャンネルの信号品質のチェック処理を行う。全左旋放送代表チャンネルの信号品質のチェック処理終了後、ステップS43に移行する。
【0090】
ステップS43において、制御部2は、信号品質が“0”ではない代表チャンネルがあったか否かを判別する。信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた代表チャンネルがあった場合に、ステップS44に移行する。信号品質が“0”ではない代表チャンネルがなかった場合に、処理を終了する。
【0091】
ステップS44において、制御部2は、左旋放送チャンネルの全論理チャンネルのスキャン処理を行う。チャンネルスキャン処理の終了後、ステップS45に移行する。
【0092】
ステップS45において、制御部2は、チャンネル登録処理を行う。制御部2は、ステップS44において、信号品質が“0”ではない、デコード処理が可能な信号が得られた論理チャンネルをチャンネルマップに登録する制御を行い、処理を終了する。
【0093】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0094】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0095】
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、初期設定時にチャンネルマップに登録したチャンネルに加えて、新たに受信可能となったチャンネルが、制御部2により自動的にチャンネルマップに選局可能に登録されるので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能なテレビジョン装置100を提供することができる。
【0096】
第4実施形態では、上記のように、制御部2を、電源プラグ9を介して、電力が供給されていない状態から電力が供給されている状態になった場合において、チューナー(チューナー11およびチューナー12)により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別するとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した場合に、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、電源プラグ9を介して、電力が供給されている状態(AC-ON状態)になったことにより、未登録のチャンネルの映像信号の受信の可否の判別を行うとともに、未登録のチャンネルの映像信号を受信した場合には、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、電力が供給されていない状態(AC-OFF状態)において、右旋専用のアンテナ201から右左旋対応のアンテナ200に交換して、受信可能なチャンネルが増加した場合に、迅速に映像信号の受信の可否のチェックおよびチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0097】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0098】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について、図1を用いて説明する。この第5実施形態では、未登録のチャンネルにおいて、デコード処理後の映像信号の信号品質が”0”ではない場合に、未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別して、チャンネル追加登録制御を行う上記第1実施形態と異なり、左旋円偏波により伝送される放送波をチューナー11およびチューナー12が受信したと判別した場合において、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。
【0099】
第5実施形態では、テレビジョン装置100は、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波を受信するチューナー11およびチューナー12を備える。具体的には、チューナー11およびチューナー12は、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される放送波をアンテナ200を介して、受信できるように構成されている。また、チューナー11およびチューナー12は、制御部2の制御により、周波数の同調を行い、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される各チャンネルの放送波を受信して、その受信結果を出力するように構成されている。
【0100】
第5実施形態では、テレビジョン装置100は、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、受信可能なチャンネルを選局可能に登録する制御部2を備える。具体的には、具体的には、制御部2は、右旋円偏波および左旋円偏波により伝送される全放送(2K放送、4K放送および8K放送)のチャンネルのリストであるチャンネルリストの中から、受信可能なチャンネルを選局可能なチャンネルとして登録したチャンネルマップを作成する。チャンネルマップでは、受信可能なチャンネルとリモコン51の操作に基づく制御とが関連付け(マッピング)されている。また、制御部2は、作成したチャンネルマップをFLASHメモリ7に記憶するように構成されている。なお、チャンネルリストは、放送波により伝送される。
【0101】
第5実施形態では、制御部2は、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、左旋円偏波により伝送される放送波を受信したと判別した場合において、少なくとも、左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するとともに、検索により受信可能とされた未登録のチャンネルを選局可能なチャンネルとして追加登録する、チャンネル追加登録制御を行うように構成されている。具体的には、制御部2は、チャンネルマップに右旋円偏波により伝送される放送のチャンネル(右旋放送チャンネル)が登録されている場合において、アンテナ200からチューナー11およびチューナー12へ伝送された際の信号の中間周波数(IF)が、左旋円偏波の伝送帯域である、2224MHZ以上3224MHZ以下であった場合に、左旋円偏波により伝送される放送波(左旋放送)を受信したと判別する。制御部2は、左旋放送を受信したと判別した場合に、チャンネルリストの中から、左旋放送により伝送されるチャンネル(左旋放送チャンネル)に対して、チャンネルスキャンを実施する。さらに、制御部2は、チャンネルスキャンにより受信可能となったチャンネルマップに未登録の論理チャンネルを選局可能なチャンネルとして、チャンネルマップに登録する制御を行う。なお、チャンネルスキャンの際には、制御部2は、左旋放送チャンネルに加えて、右旋放送チャンネルに対しても、チャンネルスキャンを行ってもよい。
【0102】
第5実施形態では、制御部2は、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、左旋円偏波の所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、左旋円偏波により伝送されるチャンネルの映像信号を受信したか否かを判別するように構成されている。具体的には、制御部2は、左旋円偏波の周波数帯である、周波数帯E、周波数帯F、周波数帯Gおよび周波数帯H(図2参照)において、21チャンネル、41チャンネル、61チャンネルおよび81チャンネルをそれぞれの周波数帯の代表チャンネルとして、左旋円偏波の論理チャンネルの映像信号を受信したか否かを判別する。また、制御部2は、いずれかの代表チャンネルの映像信号を受信したと判別した場合に、代表チャンネルと同一の周波数帯に割り当てられた、代表チャンネル以外の論理チャンネルについても、受信可能になったと判別する。すなわち、制御部2は、同一周波数帯の複数の論理チャンネルのうち、いずれか一つの論理チャンネル(代表チャンネル)に対して、映像信号を受信したか否かを判別して、その結果に基づいて、同一周波数帯の全ての論理チャンネルが受信可能になったか否かを判別している。また、制御部2は、左旋円偏波の周波数帯を、左旋円偏波の伝送帯域である、2224MHZ以上3224MHZ以下の範囲として、左旋円偏波の周波数帯である、周波数帯E、周波数帯F、周波数帯Gおよび周波数帯H(図2参照)において、いずれかの論理チャンネルを、左旋円偏波により伝送される全てのチャンネル(物理チャンネルおよび論理チャンネル)の代表チャンネル(たとえば、21チャンネル)とすることにより、代表チャンネルの映像信号(周波数帯Eの信号)をチューナー11およびチューナー12が受信したと判別した場合に、左旋円偏波により伝送される全てのチャンネル(物理チャンネルおよび論理チャンネル)が受信可能となったと判別するようにしてもよい。すなわち、制御部2は、左旋円偏波の周波数帯(2224MHZ以上3224MHZ以下)の複数の論理チャンネルのうち、いずれか一つの論理チャンネル(代表チャンネル)に対して、チューナー11およびチューナー12が、左旋円偏波により伝送される映像信号を受信したか否かを判別して、その結果に基づいて、左旋円偏波により伝送される全ての論理チャンネルが受信可能になったか否かを判別してもよい。
【0103】
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0104】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0105】
第5実施形態では、上記のように、制御部2を、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、左旋円偏波により伝送される放送波を受信したと判別した場合において、少なくとも、左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、チャンネル追加登録制御を行うように構成する。これにより、たとえば、日本国内において、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルが登録されている場合に、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルを受信できるようになった場合において、制御部2が、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルに対して、チャンネル追加登録制御を自動的に行うので、初期設定後に、アンテナの交換など受信設備が更新された場合に、新たに受信可能となったチャンネルを選局することが可能なテレビジョン装置100を提供することができる。また、左旋円偏波により伝送される映像信号の受信の可否を判別することよって、チャンネル追加登録制御を行うことができる。その結果、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルのみ受信可能な状態から、右旋円偏波により伝送される2K放送および一部の4K放送のチャンネルと、左旋円偏波により伝送される一部の4K放送および8K放送のチャンネルと、の両方を受信可能な状態となった場合に、容易にチャンネル追加登録制御を行うことができる。
【0106】
第5実施形態では、上記のように、制御部2は、右旋円偏波により伝送される放送波に基づいて、チャンネルが登録されている場合において、左旋円偏波の所定の周波数帯に割り当てられた複数のチャンネルのうち、いずれか一つのチャンネルを代表チャンネルとし、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、左旋円偏波により伝送されるチャンネルの映像信号を受信したか否かを判別する。これにより、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、左旋円偏波により伝送されるチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別することができる。その結果、全ての左旋円偏波により伝送されるチャンネルに対して、映像信号を受信したか否かを判別する場合に比べて、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する時間を短縮することができる。
【0107】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0108】
たとえば、上記第1~第5実施形態では、チューナー11およびチューナー12の2つのチューナー(受信部)を備えた例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、放送波受信装置は、1つの受信部を備えてもよいし、3つ以上の受信部を備えてもよい。
【0109】
また、上記第1~第4実施形態では、制御部2は、左旋円偏波により映像信号が伝送される未登録の論理チャンネルの映像信号を受信したと判別した後に、チャンネル追加登録制御を行う例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、制御部は、右旋円偏波により映像信号が伝送される未登録のチャンネルの映像信号を受信したと判別した後に、チャンネル追加登録制御を行ってもよい。
【0110】
また、上記第1~第4実施形態では、制御部2は、代表チャンネルの映像信号を受信可能になったと判別した後に、受信可能なチャンネルの検索(全チャンネルのスキャン処理)を行う例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、制御部は、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かを判別せずに、全てのチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するようにしてもよい。
【0111】
また、上記第5実施形態では、制御部2は、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かに基づいて、左旋円偏波のチャンネルの映像信号を受信したか否かを判別する例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、制御部は、代表チャンネルの映像信号を受信したか否かを判別せずに、全てのチャンネルに対して、受信可能なチャンネルの検索を実施するようにしてもよい。
【0112】
また、上記第1~第4実施形態では、制御部2が映像信号が受信可能か否かを判別するための信号品質として、信号と信号に含まれる雑音との比であるC/N比を用いる例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、信号品質として、デジタル信号の変調誤差比であるMER(Modulation Error Ratio)や、デジタル信号の誤り率であるBER(Bit Error Rate)を用いてもよい。
【0113】
また、上記第3実施形態では、電源プラグ9を介して、電力が供給されていない状態(AC-OFF状態)から電力が供給されている状態(AC-ON状態)になった場合において、チューナー11およびチューナー12により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別する例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、制御部は、装置電源がオフの状態(Power-OFF状態)からオンの状態(Power-ON状態)になった場合において、受信部により受信した放送波に基づいて、チャンネルリストに含まれたチャンネルのうち、未登録のチャンネルの映像信号を受信可能になったか否かを判別してもよい。
【0114】
また、上記第1~5実施形態では、放送波受信装置の一例として、テレビジョン装置100を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、放送波受信装置は、図9に示した第1変形例のように、テレビジョン装置101に接続されるレコーダ装置102や、レコーダ装置102と同様に、テレビジョン装置101に接続されるSTB(Set Top Box)などのチューナー装置に本発明を適用してもよい。
【0115】
また、上記第1実施形態では、制御部2は、空き時間スキャン処理を行う例を示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、制御部は、各処理(空き時間スキャン処理、定刻スキャン処理、信号復帰スキャン処理およびAC-ONスキャン処理)のいずれか、または、全てを組み合わせて、処理を行なうようにしてもよい。
【0116】
また、上記第1~5実施形態では、説明の便宜上、本発明の制御部2の各処理(空き時間スキャン処理、定刻スキャン処理、信号復帰スキャン処理およびAC-ONスキャン処理)を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部による処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0117】
2 制御部
8 電源プラグ
11 チューナー(受信部)
12 チューナー(受信部)
100 テレビジョン装置(放送波受信装置)
102 レコーダ(放送波受信装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9