(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】飛行範囲の改善のための車両の選択および接近における飛行ドローンの支援
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
G08G5/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019116036
(22)【出願日】2019-06-24
【審査請求日】2022-05-16
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルウ,ホンシェン
(72)【発明者】
【氏名】バンサル,ガウラブ
(72)【発明者】
【氏名】ケニー,ジョン
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513456(JP,A)
【文献】特表2017-517425(JP,A)
【文献】特開2017-228286(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0196756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B 1/00- 1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00- 5/60
B64G 1/00-99/00
B64U 10/00-80/86
G06Q 10/00-10/30、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00
G08G 1/00-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
V2Xメッセージを受信するV2X無線機を含む自律飛行型ロボットによって、車両が前記自律飛行型ロボットと略同一の方向に向かっているか否かを示すものとして、前記車両の進行方向または軌跡を示す、車両セットの経路情報を記述するデジタルデータ、前記車両セットが静止または動いていないことを記述する運動データ、および、前記車両セットのGPS座標を記述するGPSデータ、を含むV2Xメッセージを受信することと、
前記経路情報、および、前記車両のブレーキがかかっていることを示す前記車両の運動データに基づいて、前記車両セットの中から着陸する車両を選択することと、
飛行経路が前記車両に向かうように、前記デジタルデータに基づいて、前記自律飛行型ロボットの前記飛行経路を修正することと、
前記車両の停車中に、前記自律飛行型ロボットを前記車両に着陸させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記自律飛行型ロボットを搭載させることの補償として、前記自律飛行型ロボットの所有者から、登録された前記車両の運転者に関連付いた銀行口座に金銭的支払いを行うことをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記V2Xメッセージは、基本安全メッセージ(Basic Safety Message)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記自律飛行型ロボットが移動した距離の通知を受け取ることをさらに含み、前記金銭的支払いは、前記自律飛行型ロボットの移動距離に基づいて行われる、
請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記デジタルデータが、プラスマイナス1.5メートルの精度で前記車両に搭載されたGPSユニットの位置を記述する、
請求項1から
4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
車両が自律飛行型ロボットと略同一の方向に向かっているか否かを示すものとして、前記車両の進行方向または軌跡を示す、車両セットの経路情報を記述するデジタルデータ、
前記車両セットが静止または動いていないことを記述する運動データ、および、前記車両セットのGPS座標を記述するGPSデータ、を含むV2Xメッセージを受信するように動作可能な前記自律飛行型ロボットのプロセッサと、
前記プロセッサと通信可能に結合された非一時的メモリと、を含み、
前記非一時的メモリは、前記プロセッサによって実行された場合に、
前記経路情報、および、前記車両のブレーキがかかっていることを示す前記車両の運動データに基づいて、前記車両セットの中から着陸する車両を選択することと、
飛行経路が前記車両に向かうように、前記デジタルデータに基づいて、前記自律飛行型ロボットの前記飛行経路を修正することと、
前記車両の停車中に、前記自律飛行型ロボットを前記車両に着陸させることと、
を実行させるように動作可能なコンピュータコードを記憶する、
システム。
【請求項7】
前記V2Xメッセージは、基本安全メッセージ(Basic Safety Message)を含む、
請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記デジタルデータが、プラスマイナス1.5メートルの精度で前記車両に搭載されたGPSユニットの位置を記述する、
請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
プロセッサに、
車両が自律飛行型ロボットと略同一の方向に向かっているか否かを示すものとして、前記車両の進行方向または軌跡を示す、車両セットの経路情報を記述するデジタルデータ、前記車両セットが静止または動いていないことを記述する運動データ、および、前記車両セットのGPS座標を記述するGPSデータ、を含むV2Xメッセージを受信することと、
前記経路情報、および、前記車両のブレーキがかかっていることを示す前記車両の運動データに基づいて、前記車両セットの中から着陸する車両を選択することと、
飛行経路が前記車両に向かうように、前記デジタルデータに基づいて、前記自律飛行型ロボットの前記飛行経路を修正することと、
前記車両の停車中に、前記自律飛行型ロボットを前記車両に着陸させることと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、自律飛行型ロボット(飛行ドローン)について、自律飛行型ロボットの飛行範囲を改善する(例えば、拡大する)よう、着陸先のコネクティッド車両を選択することに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物配達ドローンは、指定された場所に荷物を配達する自律飛行型ロボットである。荷物配達ドローンの広範な配備に対する障害は、これらのドローンがそれらのバッテリのサイズおよび重量制限のために配達範囲が狭い(すなわち、飛行範囲が狭い)ことである。
【発明の概要】
【0003】
自律飛行型ロボットをコネクティッド車両に着陸させることによって、車両を使用した、自律飛行型ロボットの飛行範囲拡大が可能になる。自律飛行型ロボットは、コネクティッド車両に載った状態である距離を移動し、それによって自律飛行型ロボットの飛行範囲を広げることができる。
【0004】
自律飛行型ロボットをコネクティッド車両に着陸させることに関連する問題は、自律飛行型ロボットが意図された目的地へ移動するためにどのコネクティッド車両に着陸すべきかを選択することが困難であること、そして、自律飛行型ロボットが選択されたコネクティッド車両に円滑に近づくことが困難なことである。この円滑なアプローチは、自律飛行型ロボットを安全にそして一貫してコネクティッド車両の屋根やトランクに着陸させるために必要な前提条件である。
本明細書に記載されているのは、これらの問題の両方を解決するように動作可能なドローン支援システムの実施形態である。荷物配達について説明したが、ドローン支援システムの機能は荷物配達に限定されない。その代わりに、ドローン支援システムによって提供される機能性は、食品配達、人々が他の多くの車両の中から自分の車両を見つけるのを助ける(例えば、親が学校で子供を迎える、混雑した通りの多くの車の中でライドシェアをする車を探すなど)、およびその他の様々な使用例にも使用することができる。
【0005】
本明細書では、自律飛行型ロボットを「ドローン」と呼ぶ。本明細書の一部では、用語「自律飛行型ロボット」の使用に戻ることがある。しかしながら、本明細書で使用する場合、ドローンおよび自律飛行型ロボットは同義語である。
【0006】
一部の実施形態では、専用狭域通信(DSRC)を装備している車両は、周期的な間隔で(例えば、0.1秒ごとに)基本安全メッセージ(BSMメッセージ)を送信する。これらの車両は、そのようなメッセージを送受信するDSRC無線機を装備している。BSMメッセージは、それらのペイロードとして、とりわけBSMメッセージを送信する車両の経路履歴、および車両の進行方向または軌跡を記述するデジタルデータを含む。一部の実施形態では、ドローン支援システムは、DSRCを装備している車両の車載コンピュータにインストールされたソフトウェアを含む。ドローン支援システムは、車両のDSRC無線機によって送信されるDSRCメッセージを生成または修正して、これらのメッセージが近くのドローンに次のことを通知するように動作可能である。(a)ドローンへの支援を提供するために車両が利用可能であるかどうか(例えば、ドローンの飛行範囲を広げる乗車)、(b)車両が現在動いているかどうか(「運動学的情報(kinematic information)」の第1の例)、(c)車両の経路、進行方向、または(将来の)軌道(本明細書
では「車両の将来経路データ」と呼ぶ)、(d)車両の全地球測位システム(GPS)位
置(「運動学的情報」の第2の例)。
【0007】
一部の実施形態では、ドローンはDSRC無線機を含む。ドローンは複数の車両からBSMメッセージを受信し、それぞれの車両には、ドローン支援システムの独自のインスタンスおよびDSRC無線機が含まれている。ドローンは、ドローンの搭載コンピュータに格納された選択モジュールを含む。選択モジュールは、(1)車両が現在動いているかどうか、およびドローンの配達場所(または「配達先」)と一致する経路に基づいて、どの車両に着陸(および乗車)するかを選択する、および(2)ドローンが円滑かつ正確に着陸できるように、選択車両に近づく方法を決定するために、BSMメッセージに含まれる車両の将来経路データおよび運動学的情報を分析するソフトウェアを含む。
【0008】
荷物配達ドローンの配達範囲を広げるために通常の消費者車両を使用する既存の解決策はない。ドローン支援システムは、ドローン支援システムを含む車両によって送信されるDSRCメッセージに含まれる車両経路データおよび運動学的情報を使用してこの機能を達成する。ドローン支援システムはまた、ドローン支援システムなしでは達成することがはるかに困難であろう、ドローンが車両に(または他の何らかのエンドポイントの近くに)接近し着陸するのを助けるために、車両経路データおよび運動学的情報を使用する。なぜなら、ドローンは、そうでなければ、車両経路データを記述する一貫性のある正確な情報および車両に関する運動学的情報を提供するBSMデータにアクセスできないからである。ドローン支援システムによってドローンに提供されるBSMデータは、0.1秒に1回、または他の何らかの一定の間隔で提供されるので、一貫性のある情報を含む。ドローン支援システムによってドローンに提供されるBSMデータは、車両が走行中の道路の幅の半分にほぼ等しい精度で車両のGPS位置を記述するので、正確な情報を含む。
【0009】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムに動作を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の動作または行動を実行するように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行された場合に装置に動作を実行させる命令を含めることによって、特定の動作または行動を実行するように構成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの一般的な態様は、自律飛行型ロボットによって、コネクティッド車両を記述するデジタルデータを含むV2Xメッセージを受信するステップ、および飛行経路がコネクティッド車両に向かうように、デジタルデータに基づいて自律飛行型ロボットの飛行経路を修正するステップを含む方法を含む。
この態様の他の実施形態は、それぞれ方法の行動を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0011】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
V2XメッセージがDSRCメッセージである方法。
V2Xメッセージが、WiFi(登録商標)メッセージ、3Gメッセージ、4Gメッセージ、5Gメッセージ、新世代通信規格(LTE)メッセージ、ミリ波通信メッセージ、Bluetoothメッセージ、および衛星通信のいずれでもない方法。
V2Xメッセージが基本安全メッセージである方法。
自律飛行型ロボットがV2Xメッセージを受信するV2X無線機を含む方法。
デジタルデータが、コネクティッド車両が走行中の道路の幅の実質的に半分前後の精度でコネクティッド車両の位置を記述する方法。
自律飛行型ロボットを前記コネクティッド車両に着陸させるステップをさらに含み、自
律飛行型ロボットの飛行範囲が、コネクティッド車両に載った状態で移動することによって拡大される方法。
記載された技術の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含みうる。
【0012】
1つの一般的態様は、コネクティッド車両を記述するデジタルデータを含むV2Xメッセージを受信するように動作可能である自律飛行型ロボットのプロセッサと、前記プロセッサと通信可能に結合された非一時的メモリを含むシステムであって、前記非一時的メモリは、プロセッサによって実行された場合に、飛行経路がコネクティッド車両に向かうようにプロセッサにデジタルデータに基づいて自律飛行型ロボットの飛行経路を修正させるように動作可能なコンピュータコードを記憶する。
この態様の他の実施形態は、それぞれ方法の行動を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0013】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
V2XメッセージがDSRCメッセージであるシステム。
V2Xメッセージが、WiFiメッセージ、3Gメッセージ、4Gメッセージ、5Gメッセージ、LTEメッセージ、ミリ波通信メッセージ、Bluetoothメッセージ、および衛星通信のいずれでもないシステム。
V2Xメッセージが基本安全メッセージであるシステム。
自律飛行型ロボットがV2Xメッセージを受信するV2X無線機を含むシステム。
デジタルデータが、コネクティッド車両が走行中の道路の幅の実質的に半分前後の精度でコネクティッド車両の位置を記述するシステム。
プロセッサによって実行された場合に、プロセッサに自律飛行型ロボットをコネクティッド車両に着陸させて、コネクティッド車両に載った状態で移動することによって自律飛行型ロボットの飛行範囲が広がるように動作可能な、非一時的メモリに記憶された追加のコンピュータコードをさらに含むシステム。
記載された技術の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含みうる。
【0014】
1つの一般的な態様は、自律飛行型ロボットのプロセッサによって実行された場合に、プロセッサに、コネクティッド車両を記述するデジタルデータを含むV2Xメッセージを受信するステップと、飛行経路がコネクティッド車両に向かうように、デジタルデータに基づいて自律飛行型ロボットの飛行経路を修正するステップと、を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を含む。
この態様の他の実施形態は、それぞれ方法の行動を実行するように構成された、対応するコンピュータシステム、装置、および1つ以上のコンピュータ記憶装置に記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0015】
実装態様は、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
V2XメッセージがDSRCメッセージであるコンピュータプログラム製品。
V2Xメッセージが、WiFiメッセージ、3Gメッセージ、4Gメッセージ、5Gメッセージ、LTEメッセージ、ミリ波通信メッセージ、Bluetoothメッセージ、および衛星通信のいずれでもないコンピュータプログラム製品。
V2Xメッセージが基本安全メッセージであるコンピュータプログラム製品。
自律飛行型ロボットがV2Xメッセージを受信するV2X無線機を含むコンピュータプログラム製品。
プロセッサによって実行された場合に、プロセッサに、自律飛行型ロボットをコネクティッド車両に着陸させてコネクティッド車両に載った状態で移動することによって自律飛
行型ロボットの飛行範囲が広がるように動作可能な追加の命令をさらに含むコンピュータプログラム製品。
記載された技術の実装形態は、ハードウェア、方法もしくはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含みうる。
【0016】
本開示は、添付の図面の図に限定としてではなく例として示されており、これらの図面では、類似の要素を指すために類似の参照番号が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一部の実施形態によるドローン支援システムの動作環境を示すブロック図である。
【0018】
【
図2A】一部の実施形態によるドローン支援システムを含む例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【0019】
【
図2B】一部の実施形態による選択モジュールを含む例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【0020】
【
図3A】一部の実施形態による、ドローンによって受信されたBSMデータに基づいて、ドローンの飛行経路を選択車両に向かうように修正するための方法を示す図である。
【
図3B】一部の実施形態による、ドローンによって受信されたBSMデータに基づいて、ドローンの飛行経路を選択車両に向かうように修正するための方法を示す図である。
【
図3C】一部の実施形態による、ドローンによって受信されたBSMデータに基づいて、ドローンの飛行経路を選択車両に向かうように修正するための方法を示す図である。
【0021】
【
図4】一部の実施形態による基本安全メッセージ(BSM)データの一例を示すブロック図である。
【
図5】一部の実施形態による基本安全メッセージ(BSM)データの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、V2X通信の隣接チャネル干渉を低減または排除するように動作可能なドローン支援システムの実施形態について説明する。V2X通信の例は、DSRC(他のタイプのDSRC通信の中でもとりわけBSMを含む)、LTE、ミリ波通信、3G、4G、5G、LTE車両対モノ(LTE-V2X)、LTE車々間(LTE-V2V)、LTE装置間(LTE-D2D)、ボイスオーバーLTE(VoLTE)などのうちの1つ以上を含む。
【0023】
一部の実施形態では、ドローン支援システムを含むコネクティッド車両はDSRC装備車両である。DSRC装備車両は、(1)DSRC無線機を含み、(2)DSRC準拠の全地球測位システム(GPS)ユニットを含み、かつ(3)DSRC装備車両が位置する管轄区域内で合法的にDSRCメッセージを送受信するように動作可能な車両である。DSRC無線機は、DSRC受信機およびDSRC送信機を含むハードウェアである。DSRC無線機は、DSRCメッセージを無線で送受信するように動作可能である。DSRC準拠のGPSユニットは、車線レベルの精度を有する車両(またはDSRC準拠のGPSユニットを含む他の何らかのDSRC装備デバイス)の位置情報を提供するように動作可能である。DSRC準拠のGPSユニットを、以下により詳細に説明する。
【0024】
「DSRC装備」デバイスは、DSRC無線機、DSRC準拠のGPSユニットを含み、DSRC装備デバイスが位置する管轄区域内で合法的にDSRCメッセージを送受信するように動作可能なプロセッサベースのデバイスである。様々なエンドポイントは、例えば、路側機(RSU)、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および上記のようなDSRC無線機を含み、かつDSRCメッセージを合法的に送受信するように動作可能な任意の他のプロセッサベースのコンピューティングデバイスを含む、DSRC装備デバイスでありうる。
【0025】
一部の実施形態では、DSRC装備デバイスであるRSUは、DSRC準拠のGPSユニットを含まないが、車線レベルの精度を有するRSUの位置情報を記述するデジタルデータを記憶する非一時的メモリを含み、RSUのDSRC無線機または他の何らかのシステムは、このデジタルデータのコピーをRSUのDSRC無線機によって送信されたBSMデータに挿入する。このように、RSUは、DSRC準拠のGPSユニットを含まないが、DSRC規格の要件を満たすBSMデータを配信するように依然として動作可能である。BSMデータを、一部の実施形態によって、
図4および
図5を参照して以下により詳細に説明する。
【0026】
DSRCメッセージは、車両などのモバイル性の高いデバイスによって送受信されるように特別に構成された無線メッセージであり、その派生物または分岐物を含む以下のDSRC規格、すなわちEN12253:2004専用狭域通信-5.8GHzのマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専用狭域通信(DSRC)-DSRCデータリンク層:媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信-アプリケーション層(レビュー)、およびEN13372:2004専用狭域通信(DSRC)-RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、EN ISO14906:2004電子料金徴収-アプリケーションインタフェースのうちの1つ以上に準拠している。
【0027】
米国、ヨーロッパおよびアジアでは、DSRCメッセージは5.9GHzで送信される。米国では、DSRCメッセージに5.9GHz帯域の75MHzのスペクトラムが割り当てられている。ヨーロッパおよびアジアでは、DSRCメッセージに5.9GHz帯域の30MHzのスペクトラムが割り当てられている。したがって、無線メッセージは、5.9GHz帯域で動作しない限り、DSRCメッセージではない。無線メッセージはまた、それがDSRC無線機のDSRC送信機によって送信されない限り、DSRCメッセージではない。
【0028】
したがって、DSRCメッセージは、WiFiメッセージ、3Gメッセージ、4Gメッセージ、LTEメッセージ、ミリ波通信メッセージ、Bluetoothメッセージ、衛星通信、および315MHzまたは433.92MHzのキーフォブによって送信またはブロードキャストされる近距離無線メッセージのいずれでもない。例えば、米国では、遠隔キーレスシステム用のキーフォブは、315MHzで動作する近距離無線送信機を含み、この近距離無線送信機からの送信またはブロードキャストは、例えば、そのような送信またはブロードキャストは、いかなるDSRC規格にも準拠せず、DSRC無線機のDSRC送信機によって送信されず、5.9GHzで送信されないので、DSRCメッセージではない。別の例では、ヨーロッパおよびアジアでは、遠隔キーレスシステム用のキーフォブは433.92MHzで動作する近距離無線送信機を含み、この近距離無線送信機からの送信またはブロードキャストは、米国の遠隔キーレスシステムについての上記と同様の理由でDSRCメッセージではない。
【0029】
遠隔キーレスエントリシステムの構成要素として作成されたキーフォブの無線メッセー
ジは、さらなる理由からDSRCメッセージではない。例えば、DSRCメッセージのためのペイロードはまた、様々なデータタイプの豊富な量の車両データを記述するデジタルデータを含むことを必要とする。一般に、DSRCメッセージは、最低でも、DSRCメッセージおよびその車両のGPSデータを送信する車両の一意の識別子を常に含む。この量のデータは、他のタイプの非DSRC無線メッセージで可能なものよりも広い帯域幅を必要とする。例えば、
図4および
図5は、BSMメッセージと呼ばれる特定の種類のDSRCメッセージに対する許容ペイロードの例を示す。遠隔キーレスエントリシステムの構成要素としてのキーフォブの無線メッセージは、DSRC規格で許容されるペイロードを含まないため、DSRCメッセージではない。例えば、キーフォブは、キーフォブと対になっている、車両に知られているデジタルキーを含む無線メッセージを送信するだけである、というのも、これらの送信に割り当てられる帯域幅が非常に小さいため、他のデータをペイロードに含めるのに十分な帯域幅がないからである。それに対して、DSRCメッセージには大量の帯域幅が割り当てられており、DSRCメッセージを送信した車両の一意の識別子やGPSデータなど、はるかに豊富なデータを含めることを必要とする。
【0030】
一部の実施形態では、DSRC装備車両は、従来の全地球測位システムユニット(GPSユニット)を含まず、代わりにDSRC準拠のGPSユニットを含む。従来のGPSユニットは、従来のGPSユニットの実際の位置の10メートル前後の精度で従来のGPSユニットの位置を記述する位置情報を提供する。それに対して、DSRC準拠のGPSユニットは、DSRC準拠のGPSユニットの実際の位置の1.5メートル前後の精度でDSRC準拠のGPSユニットの位置を記述するGPSデータを提供する。例えば道路の車線は一般に幅約3メートルであり、車両が道路のどの車線を走行しているかを識別するためには1.5メートル前後の精度で十分であるので、この精度の程度は「車線レベルの精度」と呼ばれる。
【0031】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニットは、戸外にいる時間の68%の間、その実際の位置の1.5メートル以内で、その二次元位置を識別、監視および追跡するように動作可能である。
【0032】
図1を参照すると、一部の実施形態によるドローン支援システム199の動作環境100が示されている。図示のように、動作環境100は、以下の要素、すなわち車両123、登録サーバ107、およびドローン103を含む。これらの要素は、ネットワーク105によって互いに通信可能に結合されている。
【0033】
1つの車両123、1つの登録サーバ107、1つのドローン103、および1つのネットワーク105が
図1に示されているが、実際には、動作環境100は1つ以上の車両123、1つ以上の登録サーバ107、1つ以上のドローン103、および1つ以上のネットワーク105を含みうる。
【0034】
ネットワーク105は、有線または無線の従来型のものとすることができ、スター構成、トークンリング構成、または他の構成を含む多数の様々な構成を有しうる。さらに、ネットワーク105は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えば、インターネット)、または複数のデバイスおよび/またはエンティティが通信しうる他の相互接続されたデータ経路を含みうる。一部の実施形態では、ネットワーク105はピアツーピアネットワークを含みうる。ネットワーク105はまた、様々な通信プロトコルでデータを送信するための電気通信ネットワークの一部に結合することができ、またはその一部を含みうる。一部の実施形態では、ネットワーク105は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、無線アプリケーションプロトコル(WAP)、電子メール、DSRC、全二重無線通信、ミリ波、W
iFi(インフラストラクチャモード)、WiFi(アドホックモード)、可視光通信、TVホワイトスペース通信、衛星通信経由を含むデータを送受信するためのBluetooth(登録商標)通信ネットワークまたはセルラ通信ネットワークを含む。ネットワーク105はまた、3G、4G、LTE、LTE-V2V、LTE-V2X、LTE-D2D、VoLTE、LTE-5Gを含みうるモバイルデータネットワーク、または任意の他のモバイルデータネットワークまたはモバイルデータネットワークの組み合わせを含みうる。さらに、ネットワーク105は、1つ以上のIEEE802.11無線ネットワークを含みうる。ネットワーク105は、本明細書に記載の任意の種類のV2Xネットワークを含みうる。
【0035】
車両123、登録サーバ107、およびドローン103は、ネットワーク105のエンドポイントである。
【0036】
車両123は任意のタイプのコネクティッド車両である。例えば、車両123は、乗用車、トラック、スポーツ用多目的車、バス、セミトラック、ロボット車、ドローンまたは他の道路ベースの運輸機関といった車両タイプのうちの1つである。一部の実施形態では、車両123はDSRC装備車両である。
【0037】
一部の実施形態では、車両123は、自律型車両または半自律型車両である。例えば、車両123は、車両123を自律型車両にするのに十分な自律機能を車両123に提供する高度運転支援システム180のセット(ADASシステム180のセット)を含む。
【0038】
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、自律型車両の様々な「レベル」、例えば、レベル0、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4、およびレベル5を定義している。自律型車両が他の自律型車両よりも上位レベルの番号を持つ場合(例えば、レベル3はレベル2または1よりも上位レベルの番号である)、上位レベル番号を持つ自律型車両は、低いレベルの番号を持つ車両に比べてより多くの組み合わせと数の自律機能を提供する。以下に、様々なレベルの自律型車両について簡単に説明する。
【0039】
レベル0:車両(例えば、車両123)に設置されたADASシステム180のセットは、車両制御を持たない。ADASシステム180のセットは、車両の運転者に警告を発しうる。レベル0の車両は、自律型または半自律型の車両ではない。
【0040】
レベル1:運転者はいつでも自律型車両の運転制御を行う準備ができている必要がある。自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、定速走行・車間距離制御(ACC)、自動操舵による駐車支援、車線維持支援(LKA)タイプIIのうちの1つ以上などの自律機能を任意の組み合わせで提供しうる。
【0041】
レベル2:運転者は、車道環境における物体および事象を検出し、自律型車両に設置されたADASシステム180のセットが適切に応答しない場合に(運転者の主観的判断に基づいて)対応する義務がある。自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、加速、制動、および操舵を実行する。自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、運転者による引継ぎの際に直ちに停止することができる。
【0042】
レベル3:既知の限られた環境(高速道路など)内では、運転者は安全に運転作業から注意をそらすことができるが、必要なときに自律型車両を制御する準備ができている必要がある。
【0043】
レベル4:自律型車両に設置されたADASシステム180のセットは、悪天候のような少数の環境を除くすべての環境において自律型車両を制御することができる。運転者は
、安全な場合にのみ自動化システム(車両123に設置されたADASシステム180のセットからなる)を有効にしなければならない。自動化システムが有効になっている場合、運転者は、自律型車両が安全に動作し、許容される基準に一致するように注意を払う必要はない。
【0044】
レベル5:目的地の設定とシステムの起動を除けば、人間の介入は不要である。自動化システムは、運転が合法的な場所であればどこにでも運転して行くことができ、独自の決定を下すことができる(これは車両が位置する地域によって異なりうる)。
【0045】
高度自律型車両(HAV)は、レベル3以上の自律型車両である。
【0046】
したがって、一部の実施形態では、車両123は、レベル1の自律型車両、レベル2の自律型車両、レベル3の自律型車両、レベル4の自律型車両、レベル5の自律型車両、およびHAVのうちの1つである。
【0047】
ADASシステム180のセットは、以下のタイプのADASシステム、すなわち、ACCシステム、適応ハイビームシステム、適応調光システム、自動駐車システム、自動車用暗視システム、死角モニタ、衝突回避システム、横風安定化システム、運転者の眠気検知システム、運転者監視システム、緊急運転者支援システム、前方衝突警報システム、交差点支援システム、インテリジェント速度適応システム、車線逸脱警報システム(車線維持支援とも呼ばれる)、歩行者保護システム、交通標識認識システム、方向転換アシスタント、逆方向運転警告システム、オートパイロット、合図認識そして合図支援のうちの1つ以上を含みうる。これらの例示的なADASシステムのそれぞれは、本明細書でそれぞれ「ADAS特徴」または「ADAS機能」と呼ばれうるそれら自体の特徴および機能を提供する。これらの例示的なADASシステムによって提供される特徴および機能は、本明細書ではそれぞれ「自律特徴」または「自律機能」とも呼ばれる。
【0048】
一部の実施形態では、車両123は、以下の要素、すなわちプロセッサ125、メモリ127、通信ユニット145、ADASシステム180のセット、ドローン支援システム199を含む。
【0049】
一部の実施形態では、プロセッサ125およびメモリ127は、(
図2Aを参照して以下に説明されるコンピュータシステム200などの)車載車両コンピュータシステムの要素でありうる。車載車両コンピュータシステムは、車両123のドローン支援システム199の動作を引き起こすまたは制御するように動作可能でありうる。車載車両コンピュータシステムは、メモリ127に記憶されたデータにアクセスしてこれを実行して、車両123のドローン支援システム199またはその構成要素に対して本明細書に記載の機能を提供するように動作可能でありうる(例えば、
図2A参照)。車載コンピュータシステムは、ドローン支援システム199を実行するように動作可能であり、これにより車載コンピュータシステムは、
図3A~
図3Cを参照して以下に説明される方法300のうちの1つ以上のうちの1つ以上のステップを実行する。
【0050】
一部の実施形態では、プロセッサ125およびメモリ127は、車載ユニットの要素でありうる。車載ユニットは、ドローン支援システム199の動作を引き起こすまたは制御するように動作可能でありうる電子制御ユニット(本明細書ではECU)または車載コンピュータシステムを含む。車載ユニットは、メモリ127に記憶されたデータにアクセスして実行して、ドローン支援システム199またはその要素に対して本明細書に記載の機能を提供するように動作可能でありうる。車載ユニットは、ドローン支援システム199を実行するように動作可能であり、これにより車載ユニットは、
図3A~
図3Cを参照して以下に説明される方法300のうちの1つ以上のうちの1つ以上のステップを実行する
。一部の実施形態では、
図2Aに示すコンピュータシステム200は、車載ユニットの一例である。
【0051】
一部の実施形態では、車両123はセンサセットを含みうる。センサセットは、車両123の外部の物理的環境を測定するように動作可能な1つ以上のセンサを含みうる。例えば、センサセットは、車両123に近接する物理的環境の1つ以上の物理的特性を記録する1つ以上のセンサを含みうる。メモリ127は、センサセットによって記録された1つ以上の物理的特性を記述するセンサデータを記憶しうる。
【0052】
一部の実施形態では、車両123のセンサセットは、以下の車両センサ、すなわち、カメラ、LIDARセンサ、レーダセンサ、レーザ高度計、赤外線検出器、動き検出器、サーモスタット、音検出器、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ、酸素センサ、マスエアフローセンサ、エンジン冷却水温度センサ、スロットル位置センサ、クランクシャフト位置センサ、自動車エンジンセンサ、バルブタイマー、空燃比計、死角メータ、縁石フィーラ、欠陥検出器、ホール効果センサ、マニホールド絶対圧センサ、駐車センサ、レーダガン、速度メータ、速度センサ、タイヤ空気圧監視センサ、トルクセンサ、変速機油温センサ、タービン速度センサ(TSS)、可変磁気抵抗センサ、車速センサ(VSS)、水センサ、車輪速センサ、および他のタイプの自動車用センサのうちの1つ以上を含みうる。
【0053】
プロセッサ125は、計算を実行し、電子表示信号を表示装置に提供するための、論理演算装置、マイクロプロセッサ、汎用コントローラ、または他の何らかのプロセッサアレイを含む。プロセッサ125はデータ信号を処理し、複合命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ、または命令セットの組み合わせを実装するアーキテクチャを含む様々な計算アーキテクチャを含みうる。車両123は、1つ以上のプロセッサ125を含みうる。他のプロセッサ、オペレーティングシステム、センサ、ディスプレイ、および物理的構成も可能でありうる。
【0054】
メモリ127は、プロセッサ125によってアクセスされ実行されうる命令またはデータを記憶する非一時的メモリである。命令またはデータは、本明細書に記載の技法を実行するためのコードを含みうる。メモリ127は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、または他の何らかのメモリデバイスとしうる。一部の実施形態では、メモリ127は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD-ROM装置、DVD-ROM装置、DVD-RAM装置、DVD-RW装置、フラッシュメモリ装置、またはより恒久的に情報を記憶するための他の何らかの大容量記憶装置を含む不揮発性メモリまたは同様の永久記憶装置および媒体を含む。メモリ127の一部は、バッファまたは仮想ランダムアクセスメモリ(仮想RAM)として使用されるために予約されうる。車両123は、1つ以上のメモリ127を含みうる。
【0055】
一部の実施形態では、メモリ127は、デジタルデータとして、本明細書に記載の任意のデータを記憶する。一部の実施形態では、メモリ127は、ドローン支援システム199がその機能を提供するのに必要な任意のデータを記憶する。
【0056】
図示のように、メモリ127は、ペイロードとしてBSMデータ195を含むBSMメッセージ191を記憶する。BSMメッセージ191は、DSRC規格に準拠したBSMメッセージである。BSMメッセージ191は、ドローン支援システム199によって生成される。BSMデータ195を、
図4および
図5を参照して以下により詳細に説明する。BSMデータ195は、とりわけ、(a)ドローン103を支援するために車両123が利用可能であるかどうか(例えば、ドローン103の飛行範囲を広げる車両123への乗車)、(b)車両123が現在動いているかどうか(「運動学的情報」の第1の例)、
(c)車両123の経路、進行方向、または(将来の)軌道(本明細書では「車両の将来経路データ」と呼ぶ)、(d)車両123のGPS位置を表すGPSデータ(「運動学的情報」の第2の例)を記述するデジタルデータを含む。
【0057】
通信ユニット145は、ネットワーク105または別の通信チャネルとの間でデータを送受信する。一部の実施形態では、通信ユニット145は、DSRCトランシーバ、DSRC受信機、および車両123をDSRC装備のデバイスにするのに必要な他のハードウェアまたはソフトウェアを含みうる。
【0058】
一部の実施形態では、通信ユニット145は、ネットワーク105または別の通信チャネルへの直接の物理的接続のためのポートを含む。例えば、通信ユニット145は、ネットワーク105と有線通信するためのUSB、SD、CAT-5等のポートを含む。一部の実施形態では、通信ユニット145はネットワーク105または他の通信チャネルとデータを交換するための無線トランシーバを含み、その際、以下を含む1つ以上の無線通信方法、すなわちIEEE802.11、IEEE802.16、BLUETOOTH(登録商標)、EN ISO14906:2004電子料金徴収-アプリケーションインタフェース、EN11253、2004専用狭域通信-5.8GHzのマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専用狭域通信(DSRC)-DSRCデータリンク層:媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信-アプリケーション層(レビュー)、EN13372:2004専用狭域通信(DSRC)-RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、2014年8月28日に出願された「全二重調整システム」と題する米国特許出願第14/471,387号明細書に記載の通信方法、または別の適切な無線通信方法を使用する。
【0059】
一部の実施形態では、通信ユニット145は、2014年8月28日に出願された「全二重調整システム」と題する米国特許出願第14/471,387号明細書に記載の全二重調整システムを含み、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
一部の実施形態では、通信ユニット145は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、直接データ接続、WAP、電子メール、または別の適切なタイプの電子通信を含むセルラ通信ネットワークを介してデータを送受信するセルラ通信トランシーバを含む。一部の実施形態では、通信ユニット145は有線ポートおよび無線トランシーバを含む。通信ユニット145はまた、TCP/IP、HTTP、HTTPS、およびSMTP、ミリ波、DSRCなどを含む標準的なネットワークプロトコルを使用してファイルまたはメディアオブジェクトを配信するための、ネットワーク105への他の従来の接続を提供する。
【0061】
一部の実施形態では、通信ユニット145はDSRC無線機147を含む。一部の実施形態では、DSRC無線機147は、任意のV2Xプロトコルを介して無線メッセージを送受信するように動作可能なV2X送信機およびV2X受信機を含む電子装置である。例えば、DSRC無線機147は、DSRCを介して無線メッセージを送受信するように動作可能である。V2X送信機は、5.9GHz帯域でDSRCメッセージを送信しブロードキャストするように動作可能である。V2X受信機は、5.9GHz帯域でDSRCメッセージを受信するように動作可能である。DSRC無線機147は、7つのチャネル(例えば、DSRCチャネル番号172、174、176、178、180、182、および184)を含み、これらのチャネルのうちの少なくとも1つはBSMの送受信用に予約されている(例えば、DSRCチャネル番号172はBSMメッセージ用に予約されている)。一部の実施形態では、これらのチャネルの少なくとも1つは、その全体が参照によ
り本明細書に組み入れられる、2017年10月27日に出願された「車両メッシュネットワークのためのPSMメッセージベースのデバイス発見」と題する米国特許出願第15/796,296号明細書に記載されるように、歩行者安全メッセージ(PSM)を送受信するために予約されている。一部の実施形態では、DSRCチャネル番号172は、PSMを送受信するために予約されている。一部の実施形態では、DSRCチャネル番号176は、PSMを送受信するために予約されている。
【0062】
一部の実施形態では、DSRC無線機147は、BSMメッセージをブロードキャストするための周波数を制御するデジタルデータを記憶する非一時的メモリを含む。一部の実施形態では、非一時的メモリは、車両123用のGPSデータがDSRC無線機147によって定期的にブロードキャストされるBSMメッセージの要素として(例えば、BSMデータ195の要素として)ブロードキャストされるように、車両123用のGPSデータのバッファ版を記憶する。
【0063】
一部の実施形態では、DSRC無線機147は、車両123をDSRC規格に準拠させるために必要な任意のハードウェアまたはソフトウェアを含む。一部の実施形態では、
図2Aに示すDSRC準拠のGPSユニット250は、DSRC無線機147の要素である。
【0064】
一部の実施形態では、DSRC無線機147は、特定のタイプの無線メッセージの送信および/または受信専用の単一チャネルを含む。例えば、DSRC無線機147は、BSMの送受信専用の単一チャネルを含む。別の例では、DSRC無線機147は、PSMの受信専用の単一チャネルを含む。
【0065】
一部の実施形態では、ドローン支援システム199は、プロセッサ125によって実行された場合に、プロセッサ125に
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300のステップのうちの1つ以上を実行させるように動作可能なソフトウェアを含む。一部の実施形態によって、ドローン支援システム199の機能性を以下により詳細に説明する。
【0066】
一部の実施形態では、ドローン支援システム199は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実装される。一部の他の実施形態では、ドローン支援システム199は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを使用して実装される。
【0067】
登録サーバ107は、プロセッサベースのコンピューティングデバイスである。例えば、登録サーバ107は、以下のタイプのプロセッサベースのコンピューティングデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。パーソナルコンピュータ、ラップトップ、メインフレーム、またはサーバとして機能するように動作可能な他のプロセッサベースのコンピューティングデバイス。登録サーバ107は、ハードウェアサーバを含みうる。登録サーバ107は、登録システムを含む。登録システムは、登録サーバ107のプロセッサによって実行された場合に、プロセッサに
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300のステップのうちの1つ以上を実行させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。例えば、登録システムは、登録サーバ107によって実行されるものとして
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300のステップを登録サーバ107のプロセッサに実行させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。
【0068】
一部の実施形態では、登録サーバ107は、ドローン103の所有者または運営者によって運営されるサーバまたはサーバの集まりである。オプションで、車両123の製造業者は、金融取引に対するセキュリティを確保するために、または登録サーバ107によって行われた各支払いの割合を受け取るために登録サーバ107を操作することができる。
これらの支払いは、本明細書に記載の実施形態のオプションの特徴である。
【0069】
一部の実施形態では、ドローン103の所有者または運営からの金銭的支払いと引き換えにドローン支援サービスに参加することを望む車両123の運転者は、彼らのラップトップまたはスマートフォンを使用して登録サーバ107に登録する。運転者は、自分の銀行情報と車両123の一意な識別子(ここでは、車両ID)を登録サーバ107に提供する。オプションで、車両123を運転者に販売またはリースするディーラーは、車両123が販売またはリースされた時点で運転者が登録サーバ107への登録を完了するのを支援することができる。登録後、車両123は、ドローン103の飛行範囲が広がるように、ドローン103に車両123の屋根上(またはトラックの場合はトランク内)に「乗車」させることによって、ドローン103を支援することができる。
【0070】
一部の実施形態では、登録サーバ107は、登録サーバ107に登録されている各車両IDのデータ構造(例えば、データベース)を記憶するメモリ127などの非一時的メモリを含む。一部の実施形態では、車両IDは、登録サーバ107に登録されている車両の一意の識別子を記述するデジタルデータである。一意の識別子の一例は、車両識別番号(VIN)を含む。
【0071】
一部の実施形態では、車両データ193は、登録サーバ107に登録されている1つ以上の車両(車両123など)の車両IDを記述するデジタルデータを含む。例えば、車両データ193は、登録サーバ107に登録されている車両IDを含むデータ構造を記述したデジタルデータである。一部の実施形態では、登録サーバ107は、ネットワーク105を介してドローン103に車両データ193を提供する。ドローン103は、車両データ193を記憶する非一時的メモリ(メモリ127など)を含む。
【0072】
ドローン103は自律飛行型ロボットである。一部の実施形態では、ドローン103は荷物配達ドローンである。ドローン103は、登録サーバ107を所有および運営する事業体または車両123の製造業者によって所有および運営されてもよい。
【0073】
一部の実施形態では、ドローン103は以下の要素、すなわち通信ユニット146、集約BSMデータ196、車両データ193、飛行データ192、選択モジュール197を含む。
【0074】
一部の実施形態では、ドローン103は、
図2Bに示すような他の要素も含む。例えば、ドローン103は、プロセッサ225およびメモリ227を含む。以下の要素、すなわち集約BSMデータ196、車両データ193、飛行データ192、および選択モジュール197をメモリ227に記憶することができる。プロセッサ225は、メモリ227に通信可能に結合されて、そこに記憶されているデジタルデータにアクセスし実行することができる。例えば、プロセッサ225は、集約BSMデータ196および車両データ193を入力として使用して選択モジュール197にアクセスして実行し、出力として飛行データ192を生成するように動作可能である。
【0075】
通信ユニット146は、通信ユニット145と同様の機能を提供するので、ここではその説明は繰り返さない。通信ユニット146はDSRC無線機148を含む。DSRC無線機148は、DSRC無線機147と同様の機能を提供するので、ここではその説明は繰り返さない。
【0076】
一部の実施形態では、DSRC無線機148は、車両123などの1つ以上の車両から1つ以上のBSMメッセージを受信する。DSRC無線機148は、これらのBSMメッセージからのBSMデータを選択モジュール197に提供する。選択モジュール197は
、1つ以上の車両から受信したBSMデータを使用して集約BSMデータ196を構築する。一部の実施形態では、集約BSMデータ196は、DSRC無線機148が車両123から受信したBSMデータ195を含む。
【0077】
集約BSMデータ196は、車両123などの1つ以上の車両から受信したBSMデータの1つ以上のインスタンスを記憶するデータ構造を含む。一部の実施形態では、BSMデータの各インスタンスは、そのペイロードとしてBSMデータを含むBSMメッセージを送信した車両の一意の識別子を含む。一部の実施形態では、BSMデータの特定のインスタンスがBSMデータによって記述される車両に基づいて集約BSMデータ196から取得可能であるように、集約BSMデータ196はこの一意の識別子に基づいて編成される。
【0078】
車両データ193は、登録サーバ107に登録されている車両の車両IDを記述したデジタルデータである。車両データ193に車両IDが含まれる各車両は、ドローン103を支援するために利用可能である。このように、車両データ193は、ドローン103を支援するために利用可能な車両を記述する。これらの車両は、本明細書では「登録車両」と呼ばれることがある。一部の実施形態では、選択モジュール197は、ドローン103のプロセッサによって実行された場合に、集約BSMデータ196に含まれるBSMデータに基づいてドローン103を支援するための登録車両からある車両をプロセッサに選択させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。例えば、車両123がドローン103の目的地と一致する方向に走行している場合、選択モジュール197は車両123を選択する。ドローンは以下で説明するような他の要因を考慮する。選択モジュール197によって選択された登録車両は、本明細書では「選択車両」と呼ばれることがある。
【0079】
飛行データ192は、ドローン103の1つ以上の飛行座標を記述するデジタルデータである。一部の実施形態では、飛行データ192は、ドローン103をその現在の地理的位置から、選択車両によって提供されるBSMデータによって記述される、選択車両のGPS位置まで飛行させる飛行座標を記述する。
【0080】
一部の実施形態では、選択モジュール197は、ドローン103のプロセッサによって実行された場合に、プロセッサに
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300の1つ以上のステップを実行させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。
【0081】
一部の実施形態では、選択モジュール197は、多くの異なる車両から受信したBSMデータを集約して集約BSMデータ196を形成し、次に集約BSMデータ196を分析して、(1)ドローン103が着陸する車両を選択し、(2)ドローン103が円滑かつ正確に着陸するように選択車両にどのように近づくかを決定するソフトウェアを含む。
【0082】
一部の実施形態によって、選択モジュール197によって実行される集約BSMデータ196の分析の例をここで説明する。
【0083】
ステップ1において、各BSMメッセージに対するBSMデータは、BSMメッセージを送信した車両の車両IDを含む。選択モジュール197は、各車両IDを車両データ193と比較して、BSMを送信した車両がドローンに支援(例えば、乗車および/またはバッテリ充電)を提供するのに利用可能であるかどうかを判定する。ドローンに支援を提供するために利用可能な車両は、「登録車両」と呼ばれることがある。
【0084】
ステップ2において、各BSMメッセージに対するBSMデータはまた、BSMメッセージを送信した車両の経路情報を含む。この経路情報は、車両がドローン103の配達先と大体同じ方向に向かっているかどうかの指標として、車両の進行方向または軌道を示す
。選択モジュール197は、(ドローン103を支援するためには登録車両のみが利用可能であるので)登録車両のみについてBSMデータを分析し、ドローン103によって運搬中の荷物の配達先と一致する方向に向かう車両のグループを識別する。荷物の配達場所と一致する方向に向かっている車両のグループは、「一致車両」と呼ばれることがある。
【0085】
ステップ3において、各BSMメッセージに対するBSMデータはまた、BSMメッセージを送信した車両の運動学的情報を含む。選択モジュール197は、これらの車両のうちのいずれかが現在停止しているかまたは駐車しているかどうかを決定するために、一致車両のBSMデータを分析する。一部の実施形態では、ドローン103は、移動中の車両に着陸することができるが、停止中または駐車中の車両に着陸する方が好ましい。したがって、一部の実施形態では、着陸する車両を選択するとき、選択モジュール197は、現在動いている車両の代わりに、一致車両のグループから停止/停車中の車両を選択する。
【0086】
上述のステップ1および2は、選択モジュール197が、ドローン103の配達先と同じ方向に向かっている登録車両を選択することを有利に保証する。ステップ3は、動いている車両よりも停止した車両を有利にも優先する。このようにして、選択モジュール197は、ドローン103に最も適した車両を選択する。次いで、選択モジュール197は、選択車両に着陸するための飛行座標を生成する。飛行座標は、選択車両のBSMデータに含まれるGPSデータに基づいてもよく、その結果、ドローン103は、選択車両の位置(およびどこに着陸するか)を記述するデジタルデータを含む。一部の実施形態では、選択車両は車両123である。一部の実施形態では、ドローン103は、選択車両に着陸する際にそれを補助するために必要な任意のセンサを含む。そのようなセンサの例は、一部の実施形態による車両123を参照して上述している。
【0087】
一部の実施形態では、選択モジュール197は、ドローンのプロセッサによって実行された場合に、プロセッサに選択車両への各乗車について登録サーバ107に通知させるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。登録サーバ107は、選択車両によって提供される各乗車と引き換えに、ドローン103の所有者/運営者から選択車両の運転者の銀行口座への金銭支払いを行うように動作可能なコードおよびルーチンを含む。一部の実施形態では、選択車両の製造業者(例えば、車両123の製造業者)は、ドローン103に支援を提供するのに適した、彼らが製造する車両の製造と引き換えに、ドローン103の所有者/運営者から運転者に行われる各支払いの割合または他の金銭支払いを受け取る。
【0088】
一部の実施形態では、ドローン支援システム199は、プロセッサ125によって実行された場合に、プロセッサ125に、車両123についてのBSMメッセージ191(または他のDSRCメッセージ)を生成およびブロードキャストさせるように動作可能なソフトウェアを含む。BSMメッセージ191はBSMデータ195を含む。BSMデータ195は、とりわけ、車両123の一意の識別子、車両123の経路/軌道/進行方向情報、車両123が現在静止しているか動いているか(例えば、車両123のブレーキがかかっているかどうか)を示す運動学的データ、ドローン103が車両123に着陸する場所を決定することができるように、車両123のGPS座標(すなわち、GPS位置)を記述するGPSデータを記述するデジタルデータを含む。
【0089】
一部の実施形態では、ドローン支援システム199は、BSMメッセージの代わりにカスタマイズされたDSRCメッセージを送信してもよい。ドローン支援システム199は、プロセッサ125によって実行された場合に、プロセッサ125に車両123のナビゲーション経路を記述するデジタルデータをカスタマイズされたDSRCメッセージに含ませるように動作可能なコードおよびルーチンを含む。このナビゲーション経路データは、すべてのBSMメッセージに含まれる標準経路情報よりも正確であるため、選択モジュー
ル197がドローン103の配達先と一致する方向に走行している車両を識別するのをよりよく支援する。したがって、カスタマイズされたDSRCメッセージは、ドローン103の配達先と一致する方向に向かっている車両を識別するために選択モジュール197をさらに支援するデジタルデータを含む。
【0090】
一部の実施形態では、ドローン支援システムはまた、ドローンがいつ車両123に着陸したかを検出する。一部の実施形態では、ドローン支援システム199は、各ドローン着陸について登録サーバ107に通知することができ(例えば、ドローン103は着陸時にドローンの一意の識別子を提供することができる)、およびドローン103が移動した距離を登録サーバ107に通知することができる。このように、車両123の運転者に提供される支払いは、定額料金または走行距離に基づかない他の何らかの支払いではなく、走行距離に基づくことができる。一部の実施形態では、ドローン103は、車両123に載って走行した走行距離を検出するように動作可能なセンサを含む。
【0091】
(コンピュータシステムの例)
次に
図2Aを参照すると、一部の実施形態によるドローン支援システム199を含む例示的なコンピュータシステム200を示すブロック図が示されている。一部の実施形態では、コンピュータシステム200は、
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300の1つ以上のうちの1つ以上のステップを実行するようにプログラムされた専用コンピュータシステムを含みうる。一部の実施形態では、コンピュータシステム200は、車両123の車載車両コンピュータである。一部の実施形態では、コンピュータシステム200は、車両123の車載ユニットである。一部の実施形態では、コンピュータシステム200は、車両123の電子制御ユニット(ECU)、ヘッドユニット、または他のプロセッサベースのコンピューティングデバイスである。
【0092】
コンピュータシステム200は、一部の例によると、以下の要素、すなわちドローン支援システム199、プロセッサ125、通信ユニット145、メモリ127、ADASシステム180のセット、DSRC準拠のGPSユニット250のうちの1つ以上を含む。コンピュータシステム200の構成要素は、バス220によって通信可能に結合されている。
【0093】
図示の実施形態では、プロセッサ125は信号線238を介してバス220に通信可能に結合されている。通信ユニット145は、信号線240を介してバス220に通信可能に結合されている。メモリ127は、信号線242を介してバス220に通信可能に結合されている。ADASシステム180のセットは、信号線241を介してバス220に通信可能に結合されている。DSRC準拠のGPSユニット250は、信号線244を介してバス220に通信可能に結合されている。
【0094】
以下の要素、すなわちプロセッサ125、通信ユニット145、メモリ127、およびADASシステム180のセットは
図1を参照して上述したので、ここではそれらの説明は繰り返さない。
【0095】
メモリ127は、
図1を参照して上述した、または
図2~
図5を参照して以下に説明するデータのいずれかを記憶しうる。メモリ127は、その機能を提供するためにコンピュータシステム200に必要とされる任意のデータを記憶しうる。
【0096】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット250は、車両123、コンピュータシステム200、またはDSRC準拠のGPSユニット250を、その派生物または分岐物を含む、以下のDSRC規格、すなわちEN12253:2004専用狭域通信-5.8GHzのマイクロ波を使用する物理層(レビュー)、EN12795:2002専
用狭域通信(DSRC)-DSRCデータリンク層:媒体アクセスおよび論理リンク制御(レビュー)、EN12834:2002専用狭域通信-アプリケーション層(レビュー)、およびEN13372:2004専用狭域通信(DSRC)-RTTTアプリケーション用DSRCプロファイル(レビュー)、EN ISO14906:2004電子料金徴収-アプリケーションインタフェースのうちの1つ以上に準拠させるのに必要なハードウェアおよびソフトウェアを含む。
【0097】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット250は、車両123の位置を記述するGPSデータを車線レベルの精度で提供するように動作可能である。例えば、車両123は、車道のある車線を走行している。車線レベルの正確さとは、車両123の位置がGPSデータによって正確に記述され、その結果、道路内での車両123の走行車線を、DSRC準拠のGPSユニット250によって提供されたこの車両123用のGPSデータに基づいて正確に決定しうることを意味する。一部の実施形態では、GPSデータはBSMデータ195の要素である(例えば、
図4および
図5を参照)。
【0098】
一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット250は、DSRC規格に準拠する精度で車両123の地理的位置を記述するGPSデータを取得するためにGPS衛星と無線通信するハードウェアを含む。DSRC規格は、2台の車両(そのうちの1台は例えば車両123)が隣接する走行車線に位置しているかどうかを推測するのに十分に正確なGPSデータを要求する。一部の実施形態では、DSRC準拠のGPSユニット250は、戸外にいる時間の68%の間、その実際の位置の1.5メートル以内で、その二次元位置を識別、監視および追跡するように動作可能である。走行車線の幅は通常3メートル以上であるので、GPSデータの二次元誤差が1.5メートル未満であるときはいつでも、本明細書に記載のドローン支援システム199は、DSRC準拠のGPSユニット250によって提供されるGPSデータを解析して、道路上を同時に走行している2台以上(そのうちの1台は例えば車両123)の相対位置に基づいて、車両123がどの車線を走行しているかを判定しうる。
【0099】
DSRC準拠のGPSユニット250と比較すると、DSRC規格に準拠していない従来のGPSユニットは、車両123の位置を車線レベルの精度で決定することができない。例えば、一般的な車線の幅は約3メートルである。しかしながら、従来のGPSユニットは、車両123の実際の位置に対して10メートル前後の精度しかない。結果として、そのような従来のGPSユニットは、GPSデータのみに基づいて車両123の走行車線を識別するのに十分に正確ではなく、代わりに、従来のGPSユニットのみを有するシステムは、車両123の走行車線を識別するためにカメラなどのセンサを利用しなければならない。例えば、一部の実施形態では、ドローン103が車両123の位置をより正確に識別し、車両123に円滑に着地することを可能にしうるため、車両123の走行車線を識別することは有益である。
【0100】
図2Aに示す図示の実施形態では、ドローン支援システム199は、通信モジュール202、および決定モジュール204を含む。
【0101】
通信モジュール202は、ドローン支援システム199と
図1の動作環境100の他の構成要素との間の通信を処理するためのルーチンを含むソフトウェアとすることができる。
【0102】
一部の実施形態では、通信モジュール202は、ドローン支援システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理するための後述の機能を提供するためにプロセッサ125によって実行可能な命令のセットとすることができる。一部の実施形態では、通信モジュール202は、コンピュータシステム200のメモリ127に
記憶することができ、プロセッサ125によってアクセスおよび実行可能とすることができる。通信モジュール202は、信号線222を介したプロセッサ125およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協調および通信に適合しうる。
【0103】
通信モジュール202は、通信ユニット145を介して、動作環境100の1つ以上の要素との間でデータを送受信する。例えば、通信モジュール202は、通信ユニット145を介して、メモリ127に記憶されているデジタルデータの一部またはすべてを受信または送信する。通信モジュール202は、通信ユニット145を介して、
図1を参照して上述した、または
図2~
図5を参照して以下に説明するデジタルデータまたはメッセージのいずれかを送信または受信しうる。
【0104】
一部の実施形態では、通信モジュール202は、ドローン支援システム199の構成要素からデータを受信し、そのデータをメモリ127(またはメモリ127のバッファもしくはキャッシュ、または
図2Aには示されていないスタンドアロンバッファもしくはキャッシュ)に記憶する。例えば、通信モジュール202は、通信ユニット145からのBSMデータ195を含むBSMメッセージを、0.1秒に1回などの一定の間隔でブロードキャストする。
【0105】
一部の実施形態では、通信モジュール202は、ドローン支援システム199の構成要素間の通信を処理しうる。例えば、通信モジュール202は、決定モジュール204がGPSデータをBSMデータ195の要素として含むBSMデータ195を形成することができるように、メモリ127からGPSデータを決定モジュール204に送信する。
【0106】
一部の実施形態では、決定モジュール204は、プロセッサ125によって実行された場合に、プロセッサ125に
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300のステップのうちの1つ以上を実行させるようにプロセッサ125によって実行可能な命令のセットでありうる。一部の実施形態では、決定モジュール204は、コンピュータシステム200のメモリ127に記憶することができ、プロセッサ125によってアクセスおよび実行可能とすることができる。決定モジュール204は、信号線224を介したプロセッサ125およびコンピュータシステム200の他の構成要素との協調および通信に適合しうる。
【0107】
次に
図2Bを参照すると、一部の実施形態による選択モジュール197を含む例示的なコンピュータシステム201を示すブロック図が示されている。一部の実施形態では、コンピュータシステム201は、
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300の1つ以上のうちの1つ以上のステップを実行するようにプログラムされた専用コンピュータシステムを含みうる。一部の実施形態では、コンピュータシステム200は、ドローン103の車載コンピュータである。
【0108】
コンピュータシステム200は、一部の例によると、以下の要素、すなわち選択モジュール197、プロセッサ225、通信ユニット146、およびメモリ227のうちの1つ以上を含む。コンピュータシステム200の構成要素は、バス299によって通信可能に結合されている。
【0109】
図示の実施形態では、プロセッサ225は信号線237を介してバス299に通信可能に結合されている。通信ユニット146は、信号線239を介してバス299に通信可能に結合されている。メモリ127は、信号線236を介してバス299に通信可能に結合されている。
【0110】
以下の要素、すなわち通信ユニット146、および通信ユニット146に含まれるDS
RC無線機147は
図1を参照して上述したので、ここではそれらの説明は繰り返さない。
【0111】
メモリ227は、
図1を参照して上述した、または
図2~
図5を参照して以下に説明するデータのいずれかを記憶しうる。メモリ227は、その機能を提供するためにコンピュータシステム201に必要とされる任意のデータを記憶しうる。
【0112】
図2bに示す図示の実施形態では、選択モジュール197は、通信モジュール203、および決定モジュール205を含む。
【0113】
通信モジュール203は、選択モジュール197と
図1の動作環境100の他の構成要素との間の通信を処理するためのルーチンを含むソフトウェアとすることができる。
【0114】
一部の実施形態では、通信モジュール203は、選択モジュール197とコンピュータシステム201の他の構成要素との間の通信を処理するための後述の機能を提供するためにプロセッサ225によって実行可能な命令のセットとすることができる。一部の実施形態では、通信モジュール203は、コンピュータシステム201のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセスおよび実行可能とすることができる。通信モジュール203は、信号線221を介したプロセッサ225およびコンピュータシステム201の他の構成要素との協調および通信に適合しうる。
【0115】
通信モジュール203は、通信ユニット146を介して、動作環境100の1つ以上の要素との間でデータを送受信する。例えば、通信モジュール203は、通信ユニット146を介して、メモリ127に記憶されているデジタルデータの一部またはすべてを受信または送信する。通信モジュール203は、通信ユニット146を介して、
図1を参照して上述した、または
図2~
図5を参照して以下に説明するデジタルデータまたはメッセージのいずれかを送信または受信しうる。
【0116】
一部の実施形態では、通信モジュール203は、選択モジュール197の構成要素からデータを受信し、そのデータをメモリ227(またはメモリ227のバッファもしくはキャッシュ、または
図2Bには示されていないスタンドアロンバッファもしくはキャッシュ)に記憶する。例えば、通信モジュール203は、通信ユニット146からBSMデータ195を受信し、BSMデータ195をメモリ227に記憶して集約BSMデータ196を形成する。
【0117】
一部の実施形態では、通信モジュール203は、選択モジュール197の構成要素間の通信を処理しうる。例えば、通信モジュール203は、車両データ193を決定モジュール205に送信する。
【0118】
一部の実施形態では、決定モジュール205は、プロセッサ225によって実行された場合に、プロセッサ225に
図3A~
図3Cを参照して以下に説明する方法300のステップのうちの1つ以上を実行させるようにプロセッサ225によって実行可能な命令のセットでありうる。一部の実施形態では、決定モジュール205は、コンピュータシステム201のメモリ227に記憶することができ、プロセッサ225によってアクセスおよび実行可能とすることができる。決定モジュール204は、信号線223を介したプロセッサ225およびコンピュータシステム201の他の構成要素との協調および通信に適合しうる。
【0119】
(方法の例)
図3A~
図3Cは、一部の実施形態による、ドローンによって受信されたBSMデータ
に基づいて、ドローンの飛行経路を選択車両に向かうように修正するための方法300を示す。方法300のステップは任意の順序で実行可能であり、必ずしも
図3A~
図3Cに示す順序でなくてもよい。
【0120】
ステップ301で、車両の運転者が、自分の車両を登録/支払いシステムに登録する。登録は、車両の一意の識別子(例えば、VIN番号)および銀行口座情報を提供することを含む(それにより、支払いが運転者になされうる)。登録システムは、ドローンの所有者/運営者または車両の製造業者によって運営されうる。一部の実施形態では、車両IDは、セキュリティ上の理由から登録/支払いシステムによって匿名化されてもよく、一方、互いに対して一意のままでもよい。
【0121】
ステップ303で、登録サーバが、登録された車両IDのデータベースをドローンまたはドローンを運営する事業体に送信する。
【0122】
ステップ305で、車両の通信ユニットが、(a)車両の一意の識別子、(b)車両の経路情報(DSRCメッセージが使用される場合、経路情報は、オプションとして、車両のナビゲーション経路または車両の将来の経路に関する他の何らかの豊富な情報を含む)、(c)車両の運動学的情報(例えば、車両が停止しているか動いているか)、(d)車両のGPS位置のうちの1つ以上を記述するBSMデータを含むDSRCまたはBSMメッセージ(または他のタイプの車両対モノ(V2X)メッセージ)を送信する。一部の実施形態では、車両のGPS位置はDSRC規格に準拠しており、車両の実際の位置の前後3メートル以内(または道路の幅の実質的に半分の幅)で正確である。
【0123】
ステップ307で、ドローンの通信ユニットが、多くの車両からBSMメッセージ(またはDSRCメッセージ)を受信し、これらのメッセージに含まれるデジタルデータを集約する。このデジタルデータは、BSMデータか、BSMデータと同様のコンテンツを含むDSRCデータである。このデジタルデータを集約することによって形成されるデータセットは、「集約BSMデータ」と呼ばれる。
【0124】
ステップ308で、選択モジュールが、(a)集約されたBSMデータ、および(b)登録車両識別子のデータベースを分析して、登録車両のセットを識別する。例えば、各BSMメッセージに対するBSMデータは、BSMメッセージを送信した車両の車両IDを含む。選択モジュールは、各車両IDを車両IDのデータベースと比較して、BSMを送信した車両がドローンに支援(例えば、乗車および/またはバッテリ充電)を提供するのに利用可能であるかどうかを判定する。ここでドローンに支援を提供するために利用可能な車両は、「登録車両」と呼ぶ。
【0125】
ここで
図3Bを参照すると、ステップ309で、選択モジュールが、登録車両について集約されたBSMデータを分析して、一致車両のセットを識別する。例えば、各BSMメッセージに対するBSMデータはまた、BSMメッセージを送信した車両の経路情報を含む。この経路情報は、車両がドローンの配達場所と大体同じ方向に向かっているかどうかの指標として、車両の進行方向または軌道を示す。カスタマイズされたDSRCメッセージがドローン支援システムによって使用される場合、DSRCメッセージは、車両のナビゲーション経路を記述するデータを含むことができ、これはさらに、選択モジュールが配達場所と一致する方向に向かう車両を識別するのを支援する。選択モジュールは、登録車両のBSMデータ(および登録車両のみ)を分析し、ドローンによって運搬中の荷物の配達場所と一致する方向に向かう車両のグループを識別する。荷物の配達場所と一致する方向に向かっている車両のグループは、「一致車両」と呼ばれる。一致車両が見つからない場合、ドローンはある程度の時間(例えば、0.1秒)待機し、ステップ308から再び本方法を開始する。
【0126】
ステップ311で、選択モジュールが、一致車両のセットについて集約されたBSMデータを分析して、最も利用可能な車両を選択(または識別)する。例えば、各BSMメッセージに対するBSMデータはまた、BSMメッセージを送信した車両の(a)運動学的情報、および(b)GPSデータを含む。選択モジュールは、一致車両のBSMデータ(および一致車両のみ)を分析し、(1)これらの車両のうちのいずれかが現在停止しているかまたは駐車しているかどうか、および(2)一致車両のセット中から最も近い利用可能な車両を決定する。ドローンは、移動中の車両に着陸することができるが、停止中または駐車中の車両に着陸する方が好ましい。ドローンはまた、駐車中の最も近い「一致した」車両に着陸させることが好ましい。したがって、着陸する車両を選択するとき、選択モジュールは、一般に、一致車両のグループから停止/駐車車両のセットを識別し、次いで、これらの車両のGPSデータによって示されるドローンに最も近い停止/駐車車両に着陸する。
【0127】
ステップ313で、選択モジュールが、選択車両へ飛行するための飛行座標のセットを生成する。このようにして、選択モジュールは、ドローンがステップ311で選択された車両に円滑かつ正確に近づくようにドローンの動作を制御する。選択車両によって送信されるBSMメッセージに含まれるBSMデータは、ドローンが選択車両の位置に狙いを定めるのを助け、それによってドローンが選択車両に円滑に近づくことを可能にするので、BSMメッセージがないと円滑に車両に近づくことはできない。これらのBSMメッセージは、0.1秒ごとに1回、または他の同様の時間間隔で送信される。
【0128】
次に
図3Cを参照すると、ステップ315で、選択モジュールが、ステップ313で生成された飛行座標のセットと一致する方法で、ドローンを選択車両に飛行させて選択車両に着陸させる。
【0129】
ステップ317で、ドローンが車両の屋根上(またはトラックの場合はトランク内)にある間、ドローン支援システムが、ドローンが車両に載った状態でどれだけ長く走行するか走行距離を監視する。
【0130】
ステップ319で、選択モジュールが、選択車両の移動中に選択車両の経路を監視し、ドローンを再起動することによって選択車両が存在する場所を選択する。
【0131】
ステップ321で、ドローン支援システムが、ステップ319の走行距離に基づいて、ドローンの所有者/運営者に料金を請求する。車両製造業者は、ドローンネットワークの所有者/運営者から、この料金、あるいは定額料金または年会費の一定の割合を受け取ることができる。
【0132】
次に
図4を参照すると、一部の実施形態によるBSMデータ195の一例を示すブロック図が示されている。
【0133】
BSMを送信するための規則的な間隔は、ユーザが設定可能でありうる。一部の実施形態では、この間隔のデフォルト設定は、0.1秒ごとまたは実質的に0.1秒ごとにBSMを送信することでありうる。
【0134】
BSMは、5.9GHzのDSRC帯域でブロードキャストされる。DSRC範囲は、実質的に1,000メートルでありうる。一部の実施形態では、DSRC範囲は、実質的に100メートルから実質的に1,000メートルの範囲を含みうる。DSRC範囲は、DSRC装備エンドポイント間の地形や遮蔽物などの変数に応じて、通常300から500メートルである。
【0135】
次に
図5を参照すると、一部の実施形態によるBSMデータ195の一例を示すブロック図が示されている。
【0136】
BSMは2つの部分を含みうる。これらの2つの部分は、
図5に示すように様々なBSMデータ195を含みうる。
【0137】
BSMデータ195の第1部分は、車両のGPSデータ、車両の進行方向、車両の速度、車両の加速度、車両のハンドル角、および車両のサイズのうちの1つ以上を記述しうる。
【0138】
BSMデータ195の第2部分は、オプションの要素のリストから引き出されたデータ要素の可変セットを含みうる。BSMの第2部分に含まれるBSMデータ195の一部はイベントトリガに基づいて選択され、例えば、起動されているアンチロックブレーキシステム(ABS)は、車両のABSシステムに関連するBSMデータ195をトリガしうる。
【0139】
一部の実施形態では、帯域幅を節約するために、第2部分の一部の要素はそれほど頻繁に送信されない。
【0140】
一部の実施形態では、BSMに含まれるBSMデータ195は、車両の現在のスナップショットを含む。
【0141】
以上の説明では、本発明を十分に理解できるように、多くの詳細について説明した。しかしながら、各実施形態はこれらの具体的な詳細無しでも実施できることは当業者にとって明らかであろう。また、説明が不明瞭になることを避けるために、構造や装置をブロック図の形式で表すこともある。たとえば、一実施形態は、ユーザインタフェースおよび特定のハードウェアとともに説明される。しかし、本実施形態は、データおよびコマンドを受信する任意のタイプのコンピュータシステム、および、サービスを提供する任意の周辺機器について適用できる。
【0142】
本明細書における「一実施形態」または「ある実施形態」等という用語は、その実施形態と関連づけて説明される特定の特徴・構造・性質が、少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態における」等という用語は本明細書内で複数用いられるが、これらは必ずしも同一の実施形態を示すものとは限らない。
【0143】
以上の詳細な説明の一部は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号的表現として提供される。これらのアルゴリズム的な説明および表現は、データ処理技術分野の当業者によって、他の当業者に対して自らの成果の本質を最も効果的に説明するために用いられるものである。なお、本明細書において(また一般に)アルゴリズムとは、所望の結果を得るための論理的な手順を意味する。処理のステップは、物理量を物理的に操作するものである。必ずしも必須ではないが、通常は、これらの量は記憶・伝送・結合・比較およびその他の処理が可能な電気的または磁気的信号の形式を取る。通例にしたがって、これらの信号をビット・値・要素・エレメント・シンボル・キャラクタ・項・数値などとして称することが簡便である。
【0144】
なお、これらの用語および類似する用語はいずれも、適切な物理量と関連付いているものであり、これら物理量に対する簡易的なラベルに過ぎないということに留意する必要がある。以下の説明から明らかなように、特に断らない限りは、本明細書において「処理」「計算」「コンピュータ計算(処理)」「判断」「表示」等の用語を用いた説明は、コン
ピュータシステムや類似の電子的計算装置の動作および処理であって、コンピュータシステムのレジスタやメモリ内の物理的(電子的)量を、他のメモリやレジスタまたは同様の情報ストレージや通信装置、表示装置内の物理量として表される他のデータへ操作および変形する動作および処理を意味する。
【0145】
本発明は、本明細書で説明される動作を実行する装置にも関する。この装置は要求される目的のために特別に製造されるものであっても良いし、汎用コンピュータを用いて構成しコンピュータ内に格納されるプログラムによって選択的に実行されたり再構成されたりするものであっても良い。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な、例えばフロッピー(登録商標)ディスク・光ディスク・CD-ROM・磁気ディスクなど任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光学式カード、USBキーを含む不揮発性フラッシュメモリ、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体などの、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。
【0146】
発明の具体的な実施形態は、完全にハードウェアによって実現されるものでも良いし、完全にソフトウェアによって実現されるものでも良いし、ハードウェアとソフトウェアの両方によって実現されるものでも良い。好ましい実施形態は、ソフトウェアによって実現される。ここでソフトウェアとは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードやその他のソフトウェアを含むものである。
【0147】
さらに、ある実施形態は、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取る。この記憶媒体は、コンピュータや任意の命令実行システムによってあるいはそれらと共に利用されるプログラムコードを提供する。コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体とは、命令実行システムや装置によってあるいはそれらと共に利用されるプログラムを、保持、格納、通信、伝搬および転送可能な任意の装置を指す。
【0148】
プログラムコードを格納・実行するために適したデータ処理システムは、システムバスを介して記憶素子に直接または間接的に接続された少なくとも1つのプロセッサを有する。記憶素子は、プログラムコードの実際の実行に際して使われるローカルメモリや、大容量記憶装置や、実行中に大容量記憶装置からデータを取得する回数を減らすためにいくつかのプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリなどを含む。
【0149】
入力/出力(I/O)装置は、例えばキーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などであるが、これらはI/Oコントローラを介して直接あるいは間接的にシステムに接続される。
【0150】
データ処理システムが、介在するプライベートネットワークおよび/またはパブリックネットワークを介して、他のデータ処理システム、ストレージデバイス、リモートプリンタなどに結合されるようになることを可能にするために、ネットワークアダプタもシステムに結合されうる。ワイヤレス(たとえば、Wi-Fi(登録商標))トランシーバ、イーサネット(登録商標)アダプタ、およびモデムは、ネットワークアダプタのほんの数例に過ぎない。
【0151】
最後に、本明細書において提示されるアルゴリズムおよび表示は特定のコンピュータや他の装置と本来的に関連するものではない。本明細書における説明にしたがったプログラムを有する種々の汎用システムを用いることができるし、また要求された処理ステップを実行するための特定用途の装置を製作することが適した場合もある。これら種々のシステムに要求される構成は、以上の説明において明らかにされる。さらに、本発明は、特定の
プログラミング言語と関連づけられるものではない。本明細書で説明される本発明の内容を実装するために種々のプログラミング言語を利用できることは明らかであろう。
【0152】
実施形態の前述の説明は、例示と説明を目的として行われたものである。したがって、開示された実施形態が本発明の全てではないし、本発明を上記の実施形態に限定するものでもない。本発明は、上記の開示にしたがって、種々の変形が可能である。本発明の範囲は上述の実施形態に限定解釈されるべきではなく、特許請求の範囲にしたがって解釈されるべきである。本発明の技術に詳しい者であれば、本発明はその思想や本質的特徴から離れることなくその他の種々の形態で実現できることを理解できるであろう。同様に、モジュール・処理・特徴・属性・方法およびその他の本発明の態様に関する名前付けや分割方法は必須なものでものないし重要でもない。また、本発明やその特徴を実装する機構は異なる名前や分割方法や構成を備えていても構わない。
さらに、モジュール・処理・特徴・属性・方法およびその他の本発明の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアもしくはこれらの組合せとして実装できる。また、本発明をソフトウェアとして実装する場合には、モジュールなどの各要素は、どのような様式で実装されても良い。例えば、スタンドアローンのプログラム、大きなプログラムの一部、異なる複数のプログラム、静的あるいは動的なリンクライブラリー、カーネルローダブルモジュール、デバイスドライバー、その他コンピュータプログラミングの当業者にとって既知な方式として実装することができる。さらに、本発明の実装は特定のプログラミング言語に限定されるものではないし、特定のオペレーティングシステムや環境に限定されるものでもない。以上のように、上記の本発明の説明は限定的なものではなく例示的なものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲にしたがって定められる。