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特許7338302インクジェット用インク及びインクジェット記録システム
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  • 特許-インクジェット用インク及びインクジェット記録システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】インクジェット用インク及びインクジェット記録システム
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/38 20140101AFI20230829BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230829BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
C09D11/38
B41J2/01 501
B41M5/00 120
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019142176
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021024905
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 将史
【審査官】上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-005987(JP,A)
【文献】特開2018-119078(JP,A)
【文献】特開2018-202760(JP,A)
【文献】特開2011-178981(JP,A)
【文献】特開2005-036129(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0051172(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/30
B41J 2/01
B41M 5/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料粒子と、グリコールエーテルと、糖アルコールと、水とを含有し、
前記糖アルコールの融点は、25℃以上であり、
前記グリコールエーテルの含有割合は、8.0質量%以上15.0質量%以下であり、
前記糖アルコールの含有割合は、6.0質量%以上10.0質量%以下であり、
前記グリコールエーテルは、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含み、
前記糖アルコールは、ソルビトール又はキシリトールを含み、
前記グリコールエーテルの含有割合は、前記糖アルコールの含有割合よりも大きい、インクジェット用インク。
【請求項2】
前記グリコールエーテルの含有割合は、8.0質量%以上12.0質量%以下である、請求項1に記載のインクジェット用インク。
【請求項3】
前記糖アルコールの含有割合は、6.0質量%以上8.0質量%以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
【請求項4】
前記糖アルコールは、ソルビトールを含む、請求項1~3の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
【請求項5】
前記糖アルコールは、キシリトールを含む、請求項1~3の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
【請求項6】
前記グリコールエーテルの含有割合は、8.0質量%以上12.0質量%以下であり、
前記糖アルコールの含有割合は、6.0質量%以上8.0質量%以下であり、
前記グリコールエーテルは、トリエチレングリコールモノブチルエーテルのみを含み、
前記糖アルコールは、ソルビトール又はキシリトールのみを含む、請求項1~3の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
【請求項7】
記録媒体を搬送する搬送部と、記録ヘッドとを備えるインクジェット記録システムであって、
前記記録ヘッドは、請求項1~6の何れか一項に記載のインクジェット用インクを前記記録媒体に吐出し、
前記インクジェット記録システムは、前記インクジェット用インクが吐出された後の前記記録媒体を乾燥させる後処理部を備えない、インクジェット記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用インク及びインクジェット記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィス機器に対して、省エネルギー化の要望が高まっている。この要望に応えるため、画像形成装置の分野では、インクジェット記録システムに注目が集まっている。インクジェット記録システムは、他の画像形成装置(例えば、電子写真方式の画像形成装置)と比較して消費エネルギーが少ない傾向がある。インクジェット記録システムは、消費エネルギーを更に低減させる観点から、画像形成後の記録媒体を乾燥させる後処理部を備えないことが好ましい。後処理部を備えないインクジェット記録システムでは、形成される画像の耐擦過性が低下する傾向がある。そこで、後処理部を備えないインクジェット記録システムには、耐擦過性に優れる画像を形成できるインクジェット用インクを用いることが望ましい。
【0003】
耐擦過性に優れる画像を形成できるインクジェット用インクの一例として、例えば、記録媒体(特に、印刷用紙)に対する浸透性に優れた有機溶媒であるグリコールエーテルを含有するインクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献1)。また、耐擦過性に優れる画像を形成できるインクジェット用インクの別の一例として、例えば、水に対して不溶な樹脂を含有するインクジェット用インクが提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-95710号公報
【文献】特開2010-189478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット用インクは、形成される画像の耐擦過性が不十分である。また、特許文献2に記載のインクジェット用インクは、インク吐出ノズルが詰まる現象(以下、ノズル詰まりと記載することがある)が発生し易い傾向がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ耐擦過性に優れる画像を形成できるインクジェット用インクを提供することである。本発明の別の目的は、省エネルギー性に優れ、ノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ耐擦過性に優れる画像を形成できるインクジェット記録システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェット用インクは、顔料粒子と、グリコールエーテルと、糖アルコールと、水とを含有する。前記糖アルコールの融点は、25℃以上である。前記グリコールエーテルの含有割合は、6.0質量%以上40.0質量%以下である。前記糖アルコールの含有割合は、2.0質量%以上10.0質量%以下である。前記グリコールエーテルの含有割合は、前記糖アルコールの含有割合よりも大きい。
【0008】
本発明に係るインクジェット記録システムは、記録媒体を搬送する搬送部と、記録ヘッドとを備える。前記記録ヘッドは、上述のインクジェット用インクを前記記録媒体に吐出する。前記インクジェット記録システムは、前記インクジェット用インクが吐出された後の前記記録媒体を乾燥させる後処理部を備えない。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るインクジェット用インクによれば、ノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ耐擦過性に優れる画像を形成できる。本発明に係るインクジェット記録システムによれば、省エネルギー性に優れ、ノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ耐擦過性に優れる画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】インクジェット記録システムの一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下において、体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、動的光散乱式粒径分布測定装置(シスメックス株式会社製「ゼータサイザーナノZS」)を用いて測定された値である。
【0012】
本明細書では、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
【0013】
<第1実施形態:インク>
以下、本発明の第1実施形態に係るインクジェット用インク(以下、単にインクと記載することがある)を説明する。本実施形態に係るインクは、顔料粒子と、グリコールエーテルと、糖アルコールと、水とを含有する。糖アルコールの融点は、25℃以上である。グリコールエーテルの含有割合は、6.0質量%以上40.0質量%以下である。糖アルコールの含有割合は、2.0質量%以上10.0質量%以下である。グリコールエーテルの含有割合は、糖アルコールの含有割合よりも大きい。
【0014】
本実施形態に係るインクの用途としては、特に限定されないが、後述する後処理部を備えないインクジェット記録システム用インクとして好適である。
【0015】
本実施形態に係るインクは、上述の構成を備えることにより、ノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ耐擦過性に優れる画像を形成できる。ここで、耐擦過性に優れるとは、画像形成直後の記録媒体が画像形成装置内のローラー等と接触してもインク剥がれが発生せず、かつ画像形成から一定時間後(例えば、24時間後)の記録媒体を他の記録媒体等と接触させてもインク剥がれが発生しないことを示す。本実施形態に係るインクがノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ耐擦過性に優れる画像を形成できる理由は以下の通りであると推察される。本実施形態に係るインクは、グリコールエーテルを含有する。グリコールエーテルは、疎水性が適度に高いインク用有機溶媒であるため、記録媒体(特に、印刷用紙)に浸透し易い。また、グリコールエーテルは、記録媒体に浸透する際に、水を伴って記録媒体に浸透する。そのため、本実施形態に係るインクは、記録媒体に着弾した後に、グリコールエーテル及び水が記録媒体に浸透することで固形分(例えば、顔料粒子及び糖アルコール)の濃度が急激に増大する。その結果、記録媒体の表面に糖アルコールが析出する。特に、本実施形態に係るインクは、グリコールエーテル及び糖アルコールの含有割合が一定量以上であり、かつグリコールエーテルの含有量が糖アルコールの含有割合よりも大きいため、上述の糖アルコールの析出が発生し易い。析出した糖アルコールは、顔料粒子が脱離しないように保護する。このように、本実施形態に係るインクにより形成された画像は、析出した糖アルコールにより顔料粒子が保護されているため、耐擦過性に優れる。
【0016】
また、糖アルコールは、水に対する溶解度が高い。そのため、糖アルコールは、本実施形態に係るインクにおいて、溶媒(例えば、水及びグリコールエーテル)に溶解した状態で存在する。そのため、本実施形態に係るインクは、樹脂粒子のような不溶性成分を含有するインクと比較し、吐出性に優れるため、ノズル詰まりの発生を抑制できる。
【0017】
本実施形態に係るインクによって画像を形成する記録媒体としては、特に限定されないが、記録用紙が好ましい。以下、本実施形態に係るインクについて、更に詳細に説明する。なお、以下に説明する各成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組みわせて用いていてもよい
【0018】
[顔料粒子]
本実施形態に係るインクにおいて、顔料粒子は、例えば、溶媒に分散して存在する。本実施形態に係るインクの色濃度、色相、又は安定性を向上させる観点から、顔料粒子のD50としては、30nm以上200nm以下が好ましく、70nm以上130nm以下がより好ましい。
【0019】
顔料粒子が含む顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及び黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、及び193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、及び71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(122及び202)が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(15、より具体的には15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(19、23、及び33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック(7)が挙げられる。
【0020】
顔料粒子は、顔料のみを含んでいてもよい。また、顔料粒子は、顔料及び樹脂を含んでいてもよい。顔料及び樹脂を含む顔料粒子としては、例えば、顔料を含む顔料コアと、顔料コアの表面を被覆する樹脂とを含有する顔料粒子が挙げられる。顔料粒子が含む樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン及びビニルナフタレンのうち少なくとも1種のモノマーと、(メタ)アクリル酸及びマレイン酸のうち少なくとも1種のモノマーとの共重合体が挙げられる。
【0021】
顔料粒子が含む樹脂としては、グリコールエーテルに対する相溶性の低い樹脂である親水性樹脂が好ましい。本実施形態に係るインクは、上述の通り、記録媒体に着弾した後に、グリコールエーテル及び水が記録媒体に浸透する。顔料粒子が親水性樹脂を含む場合、グリコールエーテル及び水が記録媒体に浸透してインクの固形分濃度が増大した際に、顔料粒子が記録媒体の表面に留まり易くなる。その結果、本実施形態に係るインクは、耐擦過性により優れる画像を形成できる。
【0022】
顔料粒子が樹脂を含む場合、顔料粒子における樹脂の含有量としては、顔料100質量部に対して、例えば、15質量部以上40質量部以下である。
【0023】
本実施形態に係るインクにおいて、顔料粒子の含有割合としては、0.3質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。顔料粒子の含有割合を0.3質量%以上とすることで、本実施形態に係るインクは耐擦過性に更に優れる画像を形成できる。また、顔料粒子の含有割合を5.0質量%以下とすることで、本実施形態に係るインクの流動性を向上できる。
【0024】
[グリコールエーテル]
本実施形態に係るインクにおいて、グリコールエーテルは、水と共に、溶媒として機能する。ここで、グリコールエーテルとは、グリコール化合物の有する2つの水酸基(-OH基)のうち1個又は2個の水酸基(好ましくは、1個の水酸基)を低級アルキル基(例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基)で置換した化合物をいう。
【0025】
上述のグリコール化合物としては、例えば、アルキレングリコール及びポリアルキレングリコールが挙げられる。アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール及びチオジグリコールが挙げられる。ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。上述のグリコール化合物としては、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールが好ましい。
【0026】
上述の低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル、tert-ブチル基、sec-ブチル基、i-ブチル基、直鎖状又は分岐鎖状のペンチル基、及び直鎖状又は分岐鎖状のヘキシル基が挙げられる。上述の低級アルキル基としては、エチル基又はn-ブチル基が好ましい。
【0027】
グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノエチルエーテル)、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル)、及びトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(例えば、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル)が挙げられる。グリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、又はトリエチレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
【0028】
本実施形態に係るインクにおいて、グリコールエーテルの含有割合は、6.0質量%以上40.0質量%以下であり、6.0質量%以上15.0質量%以下が好ましく、8.0質量%以上15.0質量%以下がより好ましく、10.0質量%以上15.0質量%以下が更に好ましい。グリコールエーテルの含有割合を6.0質量%以上とすることで、本実施形態に係るインクにより形成される画像の耐擦過性を向上できる。グリコールエーテルの含有割合を40.0質量%以下とすることで、本実施形態に係るインクの環境負荷を低減できる。
【0029】
本実施形態に係るインクにおいて、グリコールエーテルの含有割合は、糖アルコールの含有割合よりも大きい。グリコールエーテルの含有割合と糖アルコールの含有割合との差としては、3.0質量%10.0質量%以下が好ましい。
【0030】
[糖アルコール]
糖アルコールとは、糖化合物(例えばアルドース及びケトース)のカルボニル基を還元することで形成される化合物をいう。糖アルコールは、多数の水酸基を有するため、水に対する溶解性に優れる。糖アルコールは、融点が25℃以上である。そのため、糖アルコールは、常温において固体である。糖アルコールの融点としては、50℃以上150℃以下が好ましい。
【0031】
糖アルコールとしては、直鎖状糖アルコール及び環状構造を有する糖アルコールが挙げられる。直鎖状糖アルコールとしては、例えば、直鎖状のアルカンの有する水素原子のうち2個以上の水素原子をそれぞれ水酸基で置換した化合物が挙げられる。直鎖状糖アルコールとしては、炭素原子数4以上8以下の直鎖状のアルカンの有する水素原子のうち4個以上8個以下の水素原子をそれぞれ水酸基で置換した化合物が好ましい。具体的な直鎖状糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マンニトール、イジトール、D-タリトール、ガラクチトール、アリトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、エリトリトール、トレイトール、ボレミトール及びペルセイトールが挙げられる。環状構造を有する糖アルコールとしては、例えば、イソマルト及びラクチトールが挙げられる。糖アルコールとしては、直鎖状糖アルコールが好ましく、ソルビトール(融点95℃)又はキシリトール(融点92℃)が好ましい。
【0032】
本実施形態に係るインクにおいて、糖アルコールの含有割合としては、2.0質量%以上10.0質量%以下であり、6.0質量%以上10.0質量%以下が好ましい。糖アルコールの含有割合を2.0質量%以上とすることで、本実施形態に係るインクにより形成される画像の耐擦過性を向上できる。糖アルコールの含有割合を10.0質量%以下とすることで、記録ヘッド内で糖アルコールが析出することを抑制し、その結果、ノズル詰まりの発生を抑制できる。
【0033】
[水]
本実施形態に係るインクにおいて、水の含有割合としては、例えば、30.0質量%以上60.0質量%以下である。
【0034】
[保湿剤]
本実施形態に係るインクは、保湿剤を更に含有することが好ましい。本実施形態に係るインクが保湿剤を含有することで、ノズル詰まりの発生をより効果的に抑制できる。
【0035】
保湿剤としては、例えば、グリコール化合物が挙げられる。グリコール化合物としては、例えば、上述のグリコールエーテルの説明において例示したグリコール化合物が挙げられる。保湿剤としては、アルキレングリコールが好ましく、プロピレングリコールがより好ましい。
【0036】
本実施形態に係るインクが保湿剤を含有する場合、本実施形態に係るインクにおいて、保湿剤の含有割合としては、5.0質量%以上30.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。保湿剤の含有割合を5.0質量%以上30.0質量%以下とすることで、ノズル詰まりの発生をより効果的に抑制できる。
【0037】
[界面活性剤]
本実施形態に係るインクは、界面活性剤を更に含有してもよい。界面活性剤としては、例えば、ノニオン界面活性剤が挙げられる。
【0038】
[レベリング剤]
本実施形態に係るインクは、レベリング剤を含有することが好ましい。レベリング剤としては、例えば、両親媒性オリゴマーが挙げられる。本実施形態に係るインクがレベリング剤を含有する場合、本実施形態に係るインクにおいて、レベリング剤の含有割合としては、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
【0039】
[他の成分]
本実施形態に係るインクは、必要に応じて、公知の添加剤(より具体的には、例えば、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤及び防カビ剤)を更に含有してもよい。本実施形態に係るインクは、乾燥防止剤を更に含有することが好ましい。
【0040】
溶解安定剤は、本実施形態に係るインクに含まれる各成分を相溶化して本実施形態に係るインクの溶解状態を安定化させる。溶解安定剤としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン及びγ-ブチロラクトンが挙げられる。
【0041】
乾燥防止剤としては、グリセリンが好ましい。本実施形態に係るインクが乾燥防止剤を含有する場合、本実施形態に係るインクにおいて、乾燥防止剤の含有割合としては、0.5質量%以上10.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。
【0042】
なお、本実施形態に係るインクは、樹脂を含有しないか、又は0.0質量%超5.0質量%以下の樹脂を含有することが好ましく、0.0質量%超1.0質量%以下の樹脂を含有することがより好ましい。本実施形態に係るインクは、樹脂を含有しないか、又は0.0質量%超5.0質量%以下の樹脂を含有することで、吐出性を向上させることができ、その結果、ノズル詰まりの発生をより効果的に抑制できる。
【0043】
[インクの製造方法]
本実施形態に係るインクは、例えば、顔料粒子を含む顔料分散液と、グリコールエーテルと、糖アルコールと、水と、必要に応じて配合される他の成分とを攪拌機で均一に混合することにより製造できる。本実施形態に係るインクの製造では、各成分を均一に混合した後、フィルター(例えば孔径5μm以下のフィルター)により異物及び粗大粒子を除去してもよい。
【0044】
(顔料分散液)
顔料分散液は、顔料粒子を含む分散液である。顔料分散液の分散媒としては、水が好ましい。顔料分散液は、顔料粒子の分散性を向上させるため、樹脂を含有することが好ましい。
【0045】
顔料分散液において、顔料粒子のD50としては、50nm以上200nm以下が好ましく、80nm以上120nm以下がより好ましい。
【0046】
顔料分散液において、顔料粒子の含有割合としては、例えば、5.0質量%以上25.0質量%以下である。顔料分散液が樹脂を含有する場合、顔料分散液において、樹脂の含有割合としては、例えば、2.0質量%以上10.0質量%以下である。
【0047】
本実施形態に係るインクの製造において顔料分散液を添加する場合、インクの全原料に対する顔料分散液の割合としては、例えば、5.0質量%以上20.0質量%以下である。
【0048】
<第2実施形態:インクジェット記録システム>
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録システムを説明する。本実施形態に係るインクジェット記録システムは、記録媒体を搬送する搬送部と、記録ヘッドとを備える。記録ヘッドは、第1実施形態のインクを記録媒体に吐出する。本実施系に係るインクジェット記録システムは、インクジェット用インクが吐出された後の記録媒体を乾燥させる後処理部を備えない。以下、図面を参照して本実施形態に係るインクジェット記録システムの詳細について説明する。なお、参照する図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。そのため、図示された各構成要素の大きさ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
【0049】
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録システムの一例であるインクジェット記録システム100の構成を示す側面図である。
【0050】
図1に示すように、インクジェット記録システム100は、給紙トレイ1と、給紙部2と、搬送部3と、排出部4と、排紙トレイ5と、複数の記録ヘッド11とを主に備える。給紙トレイ1と、給紙部2と、搬送部3と、排出部4と、排紙トレイ5とは、記録媒体(後述する記録用紙P)の搬送方向X(以下、単に搬送方向Xと記載することがある)の上流側から下流側にかけて、この順番に配設されている。
【0051】
給紙トレイ1には、記録用紙Pが積み重ねられて収容されている。給紙部2は、給紙トレイ1に隣接する位置に配設されている。給紙部2は、互いに対向して配設されている第1給紙ローラー2a及び第2給紙ローラー2bを備える。第1給紙ローラー2a及び第2給紙ローラー2bは、圧接している。第1給紙ローラー2a及び第2給紙ローラー2bは、一方が回転駆動ローラーであり、他方が回転駆動ローラー又は従動ローラーである。給紙部2は、第1給紙ローラー2a及び第2給紙ローラー2bが回転することにより、給紙トレイ1に積み重ねられて収容されている記録用紙Pを、上から順番に一枚ずつ搬送部3に供給する。
【0052】
搬送部3は、搬送方向Xの上流側及び下流側に離間して配設されている第1ベルトローラー3a及び第2ベルトローラー3bと、第1ベルトローラー3a及び第2ベルトローラー3bに掛け渡されている無端ベルトである搬送ベルト3cとを備える。第1ベルトローラー3a及び第2ベルトローラー3bは、一方が回転駆動ローラーであり、他方が回転駆動ローラー又は従動ローラーである。搬送部3は、第1ベルトローラー3a及び第2ベルトローラー3bの回転により、搬送ベルト3c上に供給された記録用紙Pを搬送方向Xに搬送する。
【0053】
複数の記録ヘッド11は、搬送ベルト3cの上方に配設される。複数の記録ヘッド11は、第1記録ヘッド11C、第2記録ヘッド11M、第3記録ヘッド11Y及び第4記録ヘッド11Kを含む。第1記録ヘッド11C~第4記録ヘッド11Kは、搬送方向Xに沿って、この順番で併設されている。第1記録ヘッド11C~第4記録ヘッド11Kの各々は、同じ高さに配設されている。第1記録ヘッド11C~第4記録ヘッド11Kには、それぞれ異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクが充填されている。第1記録ヘッド11C~第4記録ヘッド11Kに充填された4色のインクのうち、少なくとも1色のインクは、第1実施形態のインクである。第1記録ヘッド11C~第4記録ヘッド11Kに充填された4色のインクは、全て第1実施形態のインクであることが好ましい。第1記録ヘッド11C~第4記録ヘッド11Kは、各々、ノズルからインクを吐出することにより、搬送ベルト3cが搬送する記録用紙P上に画像(例えば、カラー画像)を形成する。
【0054】
排出部4は、互いに対向するように配設されている第1排出ローラー4a及び第2排出ローラー4bを備える。第1排出ローラー4a及び第2排出ローラー4bは、圧接している。第1排出ローラー4a及び第2排出ローラー4bは、一方が回転駆動ローラーであり、他方が回転駆動ローラー又は従動ローラーである。排出部4は、第1排出ローラー4a及び第2排出ローラー4bの回転により、搬送部3から搬送された記録用紙Pを排紙トレイ5へ排出する。排紙トレイ5には、排出された記録用紙Pが載置される。
【0055】
図1に示すように、インクジェット記録システム100は、インクが吐出された後の記録用紙Pを乾燥させる後処理部(具体的には、例えば、加熱処理部又は紫外線照射部)を有しない。即ち、インクジェット記録システム100は、画像形成後の記録用紙Pを、乾燥処理を行わずに排紙トレイ5へ排出する。インクジェット記録システム100は、エネルギー消費の大きい部材である後処理部を備えないため、省エネルギー性に優れる。また、インクジェット記録システム100は、後処理部を備えないものの、インクとして第1実施形態に係るインクを用いているため、十分に耐擦過性に優れる画像を形成できる。
【0056】
以上、本実施形態に係るインクジェット記録システムの一例であるインクジェット記録システム100について図面に基づいて説明した。しかし、本実施形態に係るインクジェット記録システムは、インクジェット記録システム100に限定されない。例えば、本実施形態に係るインクジェット記録システムが備える記録ヘッドの個数は、1~3個又は5個以上でもよい。また、本実施形態に係るインクジェット記録システムは、複合機であってもよい。更に、本実施形態に係るインクジェット記録システムにおいて、記録媒体は、記録用紙以外の他の材料(例えば、布帛)でもよい。
【実施例
【0057】
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。まず、各インクの製造に用いた原料を説明する。
【0058】
[顔料分散液]
・顔料分散液(P-A):花王株式会社製「KM-AB-K156」、顔料としてのカーボンブラック(濃度:14質量%)及び樹脂(6質量%)を含有する顔料分散液
・顔料分散液(P-B):花王株式会社製「KM-AB-K153」、顔料としてのカーボンブラック(濃度:15質量%)、樹脂(4質量%)及びグリセリン(5質量%)を含有する顔料分散液
・顔料分散液(P-C):花王株式会社製「KM-AC-112」、顔料としてのピグメントブルー15:3(濃度:15質量%)、樹脂(7質量%)及びグリセリン(5質量%)を含有する顔料分散液
【0059】
[レベリング剤]
レベリング剤として、共栄社化学株式会社製「ポリフローKL-870」を用いた。ポリフローKL-870は、両親媒性オリゴマー及びアクリル樹脂を含有していた。
【0060】
<インクの製造>
以下の方法により、インク(A-1)~(A-9)及び(B-1)~(B-7)を製造した。
【0061】
[インク(A-1)]
攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーター(登録商標)BL-600」)を取り付けたビーカーにイオン交換水を投入した。上述の攪拌機で内容物を攪拌(攪拌速度:400rpm)しながら、顔料分散液(P-1)と、上述のレベリング剤と、グリコールエーテルとしてのトリエチレングリコールモノブチルエーテルと、糖アルコールとしてのソルビトールと、乾燥防止剤としてのグリセリンと、浸透剤としてのプロピレングリコールとをこの順番で投入した。各原料の投入量の割合は、下記表1に示す通りとした。
【0062】
[インク(A-2)~(A-9)及び(B-1)~(B-7)]
以下の点を変更した以外は、インク(A-1)の製造と同様の方法により、インク(A-2)~(A-9)及び(B-1)~(B-7)を製造した。インク(A-2)~(A-9)及び(B-1)~(B-7)の製造では、各原料の投入量の割合を下記表1及び表2に示す通りとした。なお、下記表1及び表2において、顔料の「C.B.」及び「P.B.」は、それぞれ、カーボンブラック及びピグメントブルー15:3を示す。各成分の「質量%」は、インクにおける各成分の含有割合を示す。なお、イオン交換水の投入量は、インク原料の総量100%から他の成分(具体的には、顔料分散液、レベリング剤、グリコールエーテル、糖アルコール、乾燥防止剤及び浸透剤)の投入量を引いた残量に相当する。例えば、インク(A-1)では、イオン交換水の投入量は53.6質量%である。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
<評価>
インク(A-1)~(A-9)及び(B-1)~(B-7)の各々について、以下の方法により、形成される画像の耐擦過性と、ノズル詰まりとを評価した。評価結果を下記表3に示す。なお、評価は、温度25℃かつ湿度60%RHの環境下で行った。
【0066】
評価においては、下記に示す3種類の記録用紙を用いた。下記に示す3種類の記録用紙は、いずれもカラーロック処理紙であった。
・DNS:Mondi社製「DNS Premium」、坪量80g/m2
・Domtar:Domtar社製「DOMTAR(登録商標)COPY」、坪量75g/m2
・Vitality:Xerox社製「Vitality」、坪量75g/m2
【0067】
[耐擦過性]
評価機として、インクジェット記録システム(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作機)を使用した。評価機の記録ヘッドに、評価対象となるインク(詳しくは、インク(A-1)~(A-9)及び(B-1)~(B-7)の何れか)をセットした。評価機を用いて、記録用紙(DNS、Domtar及びVitalityの何れか)に4cm×5cmのソリッド画像を形成した(画像形成試験)。この際、記録ヘッドから吐出されるインク滴の体積は、12pLに設定した。
【0068】
[30秒後耐擦過性]
画像形成試験から30秒後、ソリッド画像が形成された記録用紙の表面(ソリッド画像側の面)上に、未印刷の記録用紙(画像形成試験に用いた記録用紙と同一銘柄の記録用紙)を載置した。次に、未印刷の記録用紙上に、底面の寸法が4cm×5cmの直方体状の重り(質量1kg)を載置した。重りの載置位置は、ソリッド画像の直上に相当する位置とした。次に、未印刷の記録用紙の両端を把持して未印刷の記録用紙を水平移動させた。水平移動においては、重りがソリッド画像の上側を5往復するように移動させた。これにより、未印刷の記録用紙でソリッド画像を荷重1kgで擦った。その後、未印刷の記録用紙においてソリッド画像と接触していた領域の画像濃度を、自動スキャン分光測色計(コニカミノルタ株式会社製「FD-9」)を用いて測定した。なお、顔料としてカーボンブラックを含有するインクにより形成された画像の画像濃度の測定では、Visual濃度を測定した。また、顔料としてピグメントブルー15:3を含有するインクにより形成された画像の画像濃度の測定では、Cyan濃度を測定した。更に、画像濃度の測定においては、未印刷の記録用紙においてソリッド画像と接触していなかった領域の画像濃度をバックグラウンド値とした。耐擦過性は、下記基準に基づいて評価した。
特に良好(A):画像濃度が0.02以下
良好(B):画像濃度が0.02超0.04以下
不良(C):画像濃度が0.04超
【0069】
[24時間後耐擦過性]
画像形成試験から24時間後に実施した以外は、上述の30秒後耐擦過性の評価方法と同様の方法により、ソリッド画像の耐擦過性を評価した。
【0070】
各インクは、3種類の記録用紙に形成した各画像の30秒後耐擦過性及び24時間後耐擦過性の全てが良好以上である場合、形成される画像の耐擦過性が良好であると判断した。
【0071】
[ノズル詰まり]
上述の画像形成試験において、形成したソリッド画像を目視で観察した。各インクは、3種類の記録用紙に形成した各ソリッド画像の何れかにノズル詰まりに起因する白スジが観察された場合、ノズル詰まりの発生を十分に抑制できないと評価した(ノズル詰まり:B)。一方、各インクは、3種類の記録用紙に形成した各ソリッド画像の何れにもノズル詰まりに起因する白スジが観察されなかった場合、ノズル詰まりの発生を抑制できたと評価した(ノズル詰まり:A)。
【0072】
【表3】
【0073】
インク(A-1)~(A-9)は、顔料粒子と、グリコールエーテルと、糖アルコールと、水とを含有していた。糖アルコールの融点は、25℃以上であった。インク(A-1)~(A-9)において、グリコールエーテルの含有割合は、6.0質量%以上40.0質量%以下であった。インク(A-1)~(A-9)において、糖アルコールの含有割合は、2.0質量%以上10.0質量%以下であった。インク(A-1)~(A-9)において、グリコールエーテルの含有割合は、糖アルコールの含有割合よりも大きかった。インク(A-1)~(A-9)は、ノズル詰まりの発生を抑制でき、かつ形成される画像の耐擦過性が良好であった。
【0074】
一方、インク(B-1)~(B-7)は、上述の構成を備えなかったため、ノズル詰まりが発生したか、又は形成される画像の耐擦過性が不良であった。
【0075】
具体的には、インク(B-1)は、グリコールエーテルの含有割合が6.0質量%未満であり、かつ糖アルコールの含有割合が2質量%未満であった。その結果、インク(B-1)は、形成される画像の耐擦過性が不良であった。
【0076】
インク(B-2)は、グリコールエーテルの含有割合が糖アルコールの含有割合よりも少なく、かつ糖アルコールの含有割合が10.0質量%超であった。その結果、インク(B-2)は、ノズル詰まりの発生を抑制できなかった。
【0077】
インク(B-3)は、グリコールエーテルの含有割合が6.0質量%未満であり、かつグリコールエーテルの含有割合が糖アルコールの含有割合よりも少なかった。その結果、インク(B-3)は、形成される画像の耐擦過性が不良であり、かつノズル詰まりの発生を抑制できなかった。
【0078】
インク(B-4)は、糖アルコールの含有割合が2.0質量%未満であった。その結果、インク(B-4)は、形成される画像の耐擦過性が不良であった。
【0079】
インク(B-5)及び(B-7)は、グリコールエーテルの含有割合が6.0質量%未満であり、かつグリコールエーテルの含有割合が糖アルコールの含有割合と同一であった。その結果、インク(B-5)及び(B-7)は、形成される画像の耐擦過性が不良であった。
【0080】
インク(B-6)は、糖アルコールを含有していなかった。その結果、インク(B-6)は、形成される画像の耐擦過性が不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係るインク及びインクジェット記録システムは、画像を形成するために用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 給紙トレイ
2 給紙部
2a 第1給紙ローラー
2b 第2給紙ローラー
3 搬送部
3a ベルト駆動ローラー
3b ベルト従動ローラー
3c 搬送ベルト
4 排出部
4a 第1排出ローラー
4b 第2排出ローラー
5 排紙トレイ
11 記録ヘッド
11C 第1記録ヘッド
11M 第2記録ヘッド
11Y 第3記録ヘッド
11K 第4記録ヘッド
100 インクジェット記録システム
P 記録用紙
図1