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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20230829BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20230829BHJP
   G02B 30/34 20200101ALN20230829BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
G02B30/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019155670
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021033157
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚志
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0164599(US,A1)
【文献】特開2013-114021(JP,A)
【文献】特開平07-154827(JP,A)
【文献】特開2000-352695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
G02B 30/00 - 30/60
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼用の表示画像を形成する左眼用表示光をユーザの左眼に導く左眼用光学系と、
右眼用の表示画像を形成する右眼用表示光を前記ユーザの右眼に導く右眼用光学系と、
前記左眼の前方の空間と前記右眼の前方の空間との間に配置された偏光板と、
前記右眼の前方の空間において前記右眼用表示光を発生するとともに、前記左眼の前方の空間において前記左眼用表示光を発生する表示素子部と、を備え、
前記左眼の前方の空間は前記左眼用光学系によって規定される空間であり、
前記右眼の前方の空間は前記右眼用光学系によって規定される空間であり、
前記表示素子部の出射側には、表示素子用偏光子が設けられており、
前記表示素子用偏光子と前記偏光板とがクロスニコル配置となっているヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
前記クロスニコル配置は、前記表示素子用偏光子と前記偏光板とを前記左眼用光学系及び前記右眼用光学系での反射を考慮した上で、前記偏光板の透過軸と前記表示素子用偏光子の透過軸とが直交する方向に配置することである請求項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
表示素子部から前記左眼用光学系に入射する前記左眼用表示光と、前記表示素子部から前記右眼用光学系に入射する前記右眼用表示光とが、互いに平行な直線偏光となっている請求項1、又は2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
前記偏光板に、反射防止膜又は反射防止構造が形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、湾曲表面を有するビームスプリッタを用いたヘッドマウントディスプレイが開示されている。特許文献1のヘッドマウントディスプレイは、両眼の視野間を分離する鼻堤ピースを備えている。鼻堤ピースは、2つの表面間を分離する垂直バーや壁となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2014-500518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、ヘッドマウントディスプレイでは、表示素子からの表示光を左右それぞれの眼に導くための光学系が設けられている。例えば、ヘッドマウントディスプレイは左眼用表示素子、左眼用光学系、右眼用表示素子、及び右眼用光学系を備えている。
【0005】
しかしながら、ヘッドマウントディスプレイでは、例えば右眼用表示素子からの表示光が左眼に入射するクロストーク光と呼ばれるノイズ成分が発生し、表示品質が低下するという問題点がある。特に、左右方向に視野角を広げるために光学系を大型化する場合、クロストークの影響が大きくなってしまう。クロストークとは、左右の表示素子からの表示光がそれぞれ意図した眼とは反対側の眼に入射することである。この点について、図11を用いて説明する。図11は、表示素子、及び光学系の構成を模式的に示す上面図である。
【0006】
左眼ELの前には、ビームスプリッタ122L、及びコンバイナ121Lが配置されている。同様に、右眼ERの前には、ビームスプリッタ122R、及びコンバイナ121Rが配置されている。ビームスプリッタ122Lの上方に配置された左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、ビームスプリッタ122Lで反射されて、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL11は、ビームスプリッタ122Lを介して、左眼ELに入射する。
【0007】
しかしながら、コンバイナ121Lで反射された表示光PL11の一部が、クロストーク光PCTとして右眼ERに入射してしまう。図11では図示を省略しているが、同様に、右眼用表示素子101Rからの表示光の一部が、クロストーク光として左眼ELに入射してしまう。左右の表示素子からの表示光の一部が反対側の眼にクロストーク光として入射すると、表示画像のノイズ成分となってしまう。よって、コントラストの低下や二重像などが発生し、表示品質が低下してしまうおそれがある。特許文献1では、クロストークを抑制するが、2つの表面間を分離する垂直バーや壁が強調されるため、高い表示品位を得ることができないという問題点がある。
【0008】
本開示は上記の点に鑑みなされたものであり、表示品質の高いヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態にかかるヘッドマウントディスプレイは、左眼用の表示画像を形成する左眼用表示光をユーザの左眼に導く左眼用光学系と、右眼用の表示画像を形成する右眼用表示光を前記ユーザの右眼に導く右眼用光学系と、前記左眼の前方の空間と前記右眼の前方の空間との間に配置された偏光板と、を備えたものであり、前記左眼の前方の空間は前記左眼用光学系によって規定される空間であり、前記右眼の前方の空間は前記右眼用光学系によって規定される空間である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、表示品質の高いヘッドマウントディスプレイを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイの一部の構成を示す図である。
図2】本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイの機能ブロックを示す図である。
図3】ヘッドマウントディスプレイの光学系における表示光、及び外光を説明するための図である。
図4】実施の形態1にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す上面図である。
図5】実施の形態1にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す側面図である。
図6】偏光板に入射する表示光、及び外光を説明するための図である。
図7】偏光板で反射した反射光PL14を説明するための図である。
図8】実施の形態2にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す上面図である。
図9】実施の形態2にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す側面図である。
図10】実施の形態3にかかるヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を模式的に示す側面図である。
図11】表示光のクロストークを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
【0013】
実施の形態1.
本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイ、及びその表示方法について、図を参照して説明する。図1はヘッドマウントディスプレイ100の一部の構成を模式的に示す斜視図である。図2はヘッドマウントディスプレイ100の一部の機能ブロックを示す図である。図1図2では、主として、ヘッドマウントディスプレイ100の画像表示に関する構成が示されている。図1では、ヘッドマウントディスプレイ100の内部構成が示されており、実際には、図1に示す各構成要素がカバーなどで覆われていてもよい。
【0014】
ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム用、エンターテインメント用、産業用、医療用、フライトシミュレータ用などの様々な用途に適用可能である。ヘッドマウントディスプレイ100は、例えばVR(Virtual Reality)ヘッドマウントディスプレイやAR(Augmented Reality)ヘッドマウントディスプレイやMR(Mixed Reality)ヘッドマウントディスプレイである。なお、本実施の形態では、ヘッドマウントディスプレイ100が、ARやMRに用いられるオプティカルシースルータイプのヘッドマウントディスプレイとなっているが、非透過型のヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0015】
以下、説明の明確化のため、XYZ3次元直交座標系を用いて説明を行う。ユーザを基準として、前後方向(奥行方向)をZ方向、左右方向(水平方向)をX方向、上下方向(鉛直方向)をY方向とする。前方向が+Z方向、後ろ方向が-Z方向、右方向を+X方向、左方向を-X方向、上方向を+Y方向、下方向を-Y方向とする。
【0016】
図示しないユーザが、ヘッドマウントディスプレイ100を装着している。ヘッドマウントディスプレイ100は、表示素子部101と、フレーム102と、左眼用光学系103Lと、右眼用光学系103Rと、制御部105を備えている。制御部105は、制御部105Lと制御部105Rとを備えている。
【0017】
フレーム102はゴーグル形状や眼鏡形状を有しており、図示しないヘッドバンドなどによりユーザの頭部に装着される。フレーム102には、表示素子部101、左眼用光学系103L、右眼用光学系103R、制御部105L、制御部105Rが取り付けられている。なお、図1では、両眼式のヘッドマウントディスプレイ100が図示されているが、眼鏡形状を有する非没入型ヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0018】
表示素子部101は、左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rを備えている。左眼用表示素子101Lは、左眼用の表示画像を生成する。右眼用表示素子101Rは、右眼用の表示画像を生成する。左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rはそれぞれ液晶モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタなどのフラットパネルディスプレイを備えている。左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rは曲面形状を有するディスプレイでもよい。左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rは、それぞれアレイ状に配置された複数の画素を備えている。ここでアレイ状の配置とは、2次元状の配置だけでなく、ペンタイル配列などでもよい。左眼用表示素子101Lは右眼用表示素子101Rの左側(-X側)に配置されている。
【0019】
表示素子部101の上方(+Y側)には、制御部105が設けられている。制御部105には、外部からの映像信号、制御信号、電源が供給されている。例えば、HDMI(登録商標)などの有線接続、又はWiFi(登録商標)やBlueTooth(登録商標)等の無線接続によって、映像信号等が制御部105に入力される。ヘッドマウントディスプレイ100は、映像信号を生成する映像生成部(図示せず)を備えていてもよく、制御部105には、映像生成部が生成した映像信号等が入力されてもよい。
【0020】
制御部105L、制御部105RはCPU(Central Processing Unit)、及びメモリなどのハードウェア資源を備えており、メモリに格納されたコンピュータプログラムにしたがって動作する。さらに、制御部105L、制御部105Rはそれぞれ、ディスプレイの駆動回路等を備えている。制御部105Lは、映像信号、制御信号等に基づいて、左眼用画像の表示信号を生成して、左眼用表示素子101Lに出力する。これにより、左眼用表示素子101Lは、左眼用画像を表示するための表示光を出力する。制御部105Rは、映像信号、制御信号等に基づいて、右眼用画像の表示信号を生成して、右眼用表示素子101Rに出力する。これにより、右眼用表示素子101Rは、右眼用の表示画像を表示するための表示光を出力する。つまり、制御部105は表示信号を表示素子部101に出力する。
【0021】
なお、表示素子部101は、左眼用表示素子101Lと右眼用表示素子101Rを別々の表示素子とする構成に限らず、単一の表示素子とする構成としてもよい。単一の表示素子が、左眼用の表示画像と右眼用の表示画像とを生成してもよい。この場合、表示素子部101は、ディスプレイの表示領域の片側の一部を用いて、左眼用画像を生成し、反対側の一部を用いて、右眼用画像を生成する。
【0022】
表示素子部101、制御部105等の一部又は全部は、フレーム102に固定されている構成に限らず、フレーム102に対して脱着可能に設けられていてもよい。例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等をフレーム102に対して取り付けることで、表示素子部101、制御部105等を実現してもよい。この場合、スマートフォン等にヘッドマウントディスプレイ用の表示画像を生成するアプリケーションプログラム(アプリ)を予めインストールしておけばよい。
【0023】
左眼用光学系103Lは、左眼用表示素子101Lが出力した表示光を、左眼用画像としてユーザの左眼ELに導く。右眼用光学系103Rは、右眼用表示素子101Rが出力した表示光を、右眼用画像としてユーザの右眼ERに導く。左眼用光学系103Lは右眼用光学系103Rの左側(-X側)に配置されている。左眼用光学系103Lは、ユーザの左眼ELの前方(+Z方向)に配置されている。右眼用光学系103Rは、ユーザの右眼ERの前方(+Z方向)に配置されている。ユーザは、表示素子部101が生成した表示画像の虚像を正面前方(+Z方向)に視認することができる。
【0024】
上記の通り、本実施の形態にかかるヘッドマウントディスプレイ100は、半透過型又は非透過型のヘッドマウントディスプレイのいずれにも可能である。なお、ここではヘッドマウントディスプレイ100が、半透過型のヘッドマントディスプレイであるとして説明を行う。従って、左眼用光学系103L、及び右眼用光学系103Rは、後述するコンバイナを備えている。半透過型のヘッドマウントディスプレイ100では、表示素子部101からの表示光と、外光とが、左眼EL及び右眼ERに入射する。よって、ユーザは、前方(+Z方向)の景色に表示画像が重畳した重畳画像を視認することができる。
【0025】
以下、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103R(以下、まとめて単に光学系と称する)の例について説明する。図3は、光学系を模式的に示す側面図である。なお、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとは同様の構成となっているため、図3においては、左眼用光学系103Lについてのみ説明を行う。
【0026】
左眼用光学系103Lは、コンバイナ121Lと、ビームスプリッタ122Lと、遮光部150Lと、を備えている。コンバイナ121L、ビームスプリッタ122L、及び遮光部150Lは、図1で示したフレーム102に固定されている。
【0027】
コンバイナ121Lは凹面鏡となっており、ビームスプリッタ122Lは平面鏡となっている。コンバイナ121L、及びビームスプリッタ122Lはハーフミラー等のビームスプリッタであり、入射光の一部を反射して、一部を透過する。コンバイナ121Lの反射の比率と透過の比率とが等しいとすると、コンバイナ121Lは、入射光のほぼ半分の光量を透過し、残りの半分を反射する。同様に、ビームスプリッタ122Lの反射の比率と透過の比率とが等しいとすると、ビームスプリッタ122Lは、入射光のほぼ半分の光量を透過し、残りの半分を反射する。コンバイナ121L及びビームスプリッタ122Lは、反射の比率を増やし透過の比率を減らしてもよいし、反射の比率を減らし透過の比率を増やしてもよい。
【0028】
コンバイナ121L、及びビームスプリッタ122Lはユーザの左眼ELの正面前方(+Z方向)に配置されている。また、コンバイナ121Lは、ビームスプリッタ122Lの前方(+Z方向)に配置されている。
【0029】
ビームスプリッタ122Lの上方(+Y方向)には、左眼用表示素子101Lが配置されている。左眼用表示素子101Lは表示画像を形成するための表示光PL11を出射する。つまり、左眼用表示素子101Lは、左眼ELの前方斜め上に配置されている。
【0030】
遮光部150Lは、ビームスプリッタ122Lの下方(-Y方向)に配置されている。つまり、遮光部150Lは、左眼ELの前方斜め下に配置されている。遮光部150Lは、前方斜め下の視界を遮るために設けられている。遮光部150Lは光を吸収する黒色材料などで形成されている。遮光部150Lの代わりに、前方斜め下を視認するための下部窓を設けてもよい。
【0031】
左眼用表示素子101Lからの表示光PL11について説明する。左眼用表示素子101Lの表示面は、鉛直下方(-Y方向)に向いている。したがって、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、-Y方向に出射される。左眼用表示素子101Lは、例えば、液晶表示パネルを有する液晶モニタである。液晶表示パネルはバックライトからの光の偏光状態を制御することで、光を空間変調する。そのため、左眼用表示素子101Lの液晶表示パネルの出射側には、表示素子用偏光子となる偏光部材が設けられている。例えば図3のように左眼用表示素子101Lの液晶表示パネルの出射側に偏光フィルム1011Lが貼り付けられている。偏光フィルム1011Lは、紙面と平行な直線偏光を透過して、紙面と直交する直線偏光を吸収する。よって、左眼用表示素子101Lが発生する表示光PL11が直線偏光となっている。偏光フィルム1011Lの透過軸はZ方向と平行になっている。図3において、左用表示素子101Lの出射端面において、表示光PL11はZ方向の直線偏光となっている。
【0032】
左眼用表示素子101Lの下方(-Y方向)には、ビームスプリッタ122Lが傾斜して配置されている。左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、ビームスプリッタ122Lに入射する。ビームスプリッタ122Lは、表示光PL11の一部を反射する。ビームスプリッタ122Lで反射された表示光PL11を表示光PL12とする。また、ビームスプリッタ122Lを透過した残りの表示光PL11は、遮光部150Lで吸収される。
【0033】
ビームスプリッタ122Lで反射した表示光PL12は、前方(+Z方向)に反射される。ビームスプリッタ122Lで反射した表示光PL12は、Y方向に沿った直線偏光となる。そして、表示光PL12は、コンバイナ121Lに入射する。コンバイナ121Lは、後方(-Z方向)に表示光PL12の一部を反射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL12を表示光PL13とする。さらに、コンバイナ121Lは凹面鏡であり、表示光PL13を左眼ELに向けて集光するように、表示光PL13を反射する。コンバイナ121Lで反射された表示光PL13は、ビームスプリッタ122Lに入射する。ビームスプリッタ122Lは、表示光PL13の一部を透過する。
【0034】
ビームスプリッタ122Lを透過した表示光PL13は、左眼ELに入射する。このように、左眼用光学系103Lが、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11を、ユーザの左眼ELに導く。光学系により、ユーザの前方(+Z方向)に虚像を表示させることができる。また、コンバイナ121Lとして凹面鏡を用いているため、表示画像が拡大して表示される。
【0035】
次に、ユーザの前方(+Z方向)からの外光PL21について説明する。外光PL21の一部は、コンバイナ121Lを透過する。コンバイナ121Lを透過した外光PL21は、ビームスプリッタ122Lに入射する。ビームスプリッタ122Lは、外光PL21の一部を透過する。ビームスプリッタ122Lを透過した外光PL21は、左眼ELに入射する。
【0036】
ヘッドマウントディスプレイ100が半透過型であるため、コンバイナ121Lは、前方(+Z方向)からの外光PL21と左眼用表示素子101Lからの表示光PL11を合成する。ユーザの前方(+Z方向)にコンバイナ121Lを設けることで、ヘッドマウントディスプレイ100を光学シースルー方式とすることができる。ユーザの前方(+Z方向)の景色に、表示画像が重畳される。つまり、ユーザは、表示画像が重畳された景色を視認することができる。
【0037】
次に、クロストークを抑制するための構成について、図4図6を用いて説明する。図4は、光学系を模式的に示す上面図であり、図5は側面断面図である。図6は、偏光板180に入射する外光PL21及び表示光PL13を説明するための図であり、光学系を上から見た構成を模式的に示している。図4図6に示すように、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとの間には、偏光板180が設けられている。
【0038】
偏光板180は、左眼ELの前方(+Z方向)の空間(以下、左前方空間160Lとする)と右眼ERの前方(+Z方向)の空間(以下、右前方空間160Rとする)との間に配置されている。左前方空間160Lと右前方空間160Rは、偏光板180によって仕切られている。偏光板180は、X方向における左前方空間160Lと右前方空間160Rとの境界を規定する。偏光板180は、左前方空間160Lと右前方空間160Rとを仕切る仕切り部となる。
【0039】
なお、左前方空間160Lは、コンバイナ121L、左眼用表示素子101L、遮光部150L、偏光板180、フレーム102(図1を合わせて参照)、及びユーザの顔によって規定される空間となる。つまり、左前方空間160Lの前方(+Z方向)は、コンバイナ121Lに面しており、後方(-Z方向)は、ユーザの顔に面している。左前方空間160Lの上方(+Y方向)は、左眼用表示素子101Lに面しており、下方(-Y方向)は遮光部150Lに面している。左前方空間160Lの右側(+X方向)は、偏光板180に面しており、左側(-X方向)はフレーム102に面している。
【0040】
同様に、右前方空間160Rは、コンバイナ121R、右眼用表示素子101R、遮光部150R、偏光板180、フレーム102(図1を合わせて参照)、及びユーザの顔によって規定される空間となる。つまり、右前方空間160Rの前方(+Z方向)は、コンバイナ121Rに面しており、後方(-Z方向)は、ユーザの顔に面している。右前方空間160Rの上方(+Y方向)は、右眼用表示素子101Rに面しており、下方(-Y方向)は遮光部150Rに面している。右前方空間160Rの右側(+X方向)は、フレーム102に面しており、左側(-X方向)は偏光板180に面している。
【0041】
偏光板180は、ビームスプリッタ122L、122Rの前後に配置されている。偏光板180は偏光板となっている。具体的には、偏光板180は、YZ平面に沿って配置されている。つまり、X方向が偏光板180の厚さ方向となっている。偏光板180は例えばヨウ素化合物の偏光フィルムや、ワイヤーグリッド偏光子や、誘電体膜の偏光子である。
【0042】
偏光板180として、吸収型の偏光板を用いることができる。吸収型の偏光板は、例えばヨウ素化合物の偏光フィルムである。偏光板180は、その透過軸と平行な直線偏光を透過し、透過軸と直交する直線偏光を吸収する。ここでは、偏光板180の透過軸がZ方向になり、吸収軸がY方向になっている。つまり偏光板180の透過は表示光PL12、及びPL13の偏光方向と直交している。偏光板180と偏光フィルム1011Lとがクロスニコル配置となっている。クロスニコル配置とは、一方の偏光板の透過軸と他方の偏光板の透過軸との交差角度が略90度になるような配置のことである。なお、ここでのクロスニコル配置は、ビームスプリッタ122L及びコンバイナ121Lでの反射を考慮した上で、偏光板180及び偏光フィルム1011Lの透過軸が直交する方向に配置することである。つまり、クロスニコル配置は、偏光フィルム1011Lを透過し、かつビームスプリッタ122Lで反射した光の偏光方向、及び偏光フィルム1011Lを透過し、かつコンバイナ121Lで反射した光の偏光方向と、偏光板180の透過軸とが直交するような配置のことである。
【0043】
コンバイナ121Lで反射した表示光PL13はY方向の直線偏光であるため、図6に示すように、表示光PL13が偏光板180で吸収される。従って、左眼用表示素子101Lで発生した表示光PL13が、右眼用光学系103Rに入射するのを防ぐことができる。なお、左眼用表示素子101Lで発生したPL12もY方向に沿った直線偏光である。偏光板180は、左眼用表示素子101Lで発生した表示光PL12を吸収することで遮光する。従って、左眼用表示素子101Lで発生したPL12についても、右眼用光学系103Rに入射するのを防ぐことができる。
【0044】
なお、図6では省略されているが、偏光板180が右眼用表示素子101Rからの表示光PR12、及びPR13についても遮光する。偏光フィルム1011Rの透過軸は偏光フィルム1011Lの透過軸と平行であり、右眼用表示素子101Rからの表示光PR11も、Z方向の直線偏光となっている。右眼用表示素子101Rからの表示光PR11は、左眼用表示素子101Lからの表示光PL11の偏光方向と平行な直線偏光となっている。ビームスプリッタ122Rで反射した表示光PR12は、Y方向の直線偏光となっている。コンバイナ121Rで反射した表示光PR13は、Y方向の直線偏光となっている。偏光板180は、右眼用表示素子101Rで発生した表示光PR12、及びPR13を吸収することで遮光する。従って、右眼用表示素子101Rで発生した表示光PR12、及びPR13が、左眼用光学系103Lに入射するのを防ぐことができる。
【0045】
偏光板180は、左眼用光学系103Lからの表示光PL12、及びPL13が右眼ERに入射するのを遮る。また、偏光板180は、右眼用光学系103Rからの表示光PR12、及びPR13が左眼ELに入射するのを遮る。偏光板180は、図11に示したクロストーク光PCTを遮光する。これにより、クロストークを抑制することができ、表示品質を向上することができる。
【0046】
一方、外光PL21は、自然光であるため無偏光となる。よって、図6に示すように、外光PL21の一部は偏光板180を透過する。つまり、偏光板180を透過した外光PL21のうち、Z方向に沿った直線偏光成分が、偏光板180を透過する。ユーザが偏光板180を通じて外部を視認することができる。したがってユーザが、外界に対する視野角を広げることができる。つまり、コンバイナ121Lの前方から、斜め右後方に進む外光PL21が、偏光板180を介して、右眼ERに入射する。右眼ERが偏光板180を介して、左斜め前方の景色を視認することができる。また、コンバイナ121Rの前方から、斜め左後方に進む外光PR21が、偏光板180を介して、左眼ELに入射する。つまり、左眼ELが偏光板180を介して、右斜め前方の景色を視認することができる。これにより、左右方向の実視界の視野を広くすることができる。
【0047】
このように、左右方向(X方向)を厚さ方向とする偏光板180を左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rの間に配置する。YZ平面における偏光板180の形状は、左前方空間160Lと右前方空間160Rの形状に応じて決めればよい。例えば、偏光板180の端辺は、表示素子部101と、遮光部150L、150Rと、コンバイナ121L、121Rとに沿った形状とすればよい。図5に示すように、偏光板180の前方(+Z方向)側の端辺は、コンバイナ121L、121Rの湾曲に沿って形成されている。つまり、YZ平面において、偏光板180の前方(+Z方向)側の端辺は、円弧状に形成されている。このようにすることで、左前方空間160Lと右前方空間160Rとを適切に仕切ることができるため、クロストークを効果的に抑制することが可能となる。
【0048】
なお偏光板180の形状は、上述の形状に限られるものではない。偏光板180は、左前方空間160Lと右前方空間160Rとを完全に仕切っていなくてもよい。つまり、左前方空間160Lと右前方空間160Rとは一部が繋がっていてもよい。
【0049】
上記の偏光方向、及び偏光板180の透過軸方向は、実施の形態の一例であり、上記の方向に限定されるものではない。また、偏光板180の透過軸は、表示光PL12、及びPL13の偏光方向と直交していたが、偏光板180の透過軸と表示光PL12、及びPL13の偏光方向とは直交していなくてもよい。例えば偏光板180の透過軸は、Z方向からX軸を中心に45°回転した方向でもよい。つまり、偏光板180の透過軸を任意の方向にした場合であっても、表示光PL13のうち、偏光板180の透過軸と直交する偏光成分を遮光することができる。クロストーク光の一部を遮光することができるため、表示品質を向上することができる。
【0050】
偏光板180,及び偏光フィルム1011L、1011Rの透過軸の方向は上述の方向に限られるものではない。また、左眼用表示素子101L、及び右眼用表示素子101Rが直線偏光の表示光PL11、PR11を発生しているとして説明したが、表示光PL11、PR11は無偏光であってもよい。例えば、有機ELモニタである左眼用表示素子101L、右眼用表示素子101Rが、無偏光の表示光PL11、PR11を出射する場合がある。この場合であっても、クロストーク光を半減することができる。表示品質の劣化を抑制することができる。もちろん、無偏光の表示光PL11、PR11を出射するモニタを用いた場合、表示光PL11、PR11を直線偏光とするようにモニタの出射側に追加の偏光板を設けてもよい。このようにすることで、クロストーク光を遮光することができ、より高い表示品質を得ることができる。
【0051】
変形例
変形例では、偏光板180には反射防止膜又は反射防止構造が形成されている。偏光板180の表面に反射防止膜又は反射防止構造を設けることで、偏光板180での反射光を低減することができる。なお、反射防止膜又は反射防止構造は、偏光板180の両面に形成されていてもよく、片面のみであってもよい。つまり、偏光板180の右側(+X側)の表面、又は左側(-X側)の表面の少なくとも一方に、反射防止構造等が形成されていることが好ましい。
【0052】
反射防止膜又は反射防止構造がない場合、偏光板180に入射した表示光PL13の数%程度が反射してしまう。図7では、表示光PL13のうち、偏光板180で反射した反射光を反射光PL14として示している。偏光板180の表面で反射した反射光PL14の一部は、図7のように、ユーザの眼に入射してしまう。偏光板180で反射した反射光PL14が眼に入射すると、ノイズ成分となってしまい、コントラストなどが低下してしまう。偏光板180に反射防止膜又は反射防止構造がない場合、表示品質が低下してしまうおそれがある。
【0053】
よって、偏光板180の表面に、反射防止膜又は反射防止構造を形成することが好ましい。反射防止膜としては、誘電体多層膜や、誘電体膜を用いることができる。反射防止構造としては、ナノ構造体を用いることができ、例えば可視光よりも周期の短いモスアイ構造でもよい。このように、偏光板180の反射防止機能を持たせることで、より高い表示品質を得ることができる。
【0054】
実施の形態2.
本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100について、図8、及び図9を用いて説明する。図8は、本実施の形態のヘッドマウントディスプレイ100の光学系を模式的に示す上面図であり、図9は側面断面図である。本実施の形態では、左右のビームスプリッタ122が一体的に形成されている。つまり、ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rとを1枚のビームスプリッタ122により構成している。ビームスプリッタ122は、左前方空間160Lから右前方空間160Rに渡って配置されている。なお、ビームスプリッタ122以外の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとで、ビームスプリッタ122を共用する。このようにすることで左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとの間で、虚像のずれを抑制することができる。つまり、実施の形態1のように、ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rと別々に設けた構成では、ビームスプリッタ122Lとビームスプリッタ122Rの傾斜角度がそれぞれ異なって配置されていると、左右の虚像が上下方向(Y方向)にずれて表示されてしまう。本実施の形態は、上下方向(Y方向)の虚像のずれを抑制することができるため、高い表示品位を得ることが可能となる。
【0056】
左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとで、単一のビームスプリッタ122が共用されている。よって、実施の形態1のように、左右のビームスプリッタ122L、122Rの間に偏光板180を配置することができない。本実施の形態では、2枚の偏光板181,182が用いられている。偏光板181は、ビームスプリッタ122よりも前方(+Z方向)に配置されている。偏光板182は、ビームスプリッタ122よりも後方(-Z方向)に配置されている。偏光板181,182は、左前方空間160Lと右前方空間160Rとの間に配置されている。
【0057】
偏光板181,182の透過軸はZ方向と平行になっている。ビームスプリッタ122、コンバイナ121L、及びコンバイナ121Rでの反射を考慮した上で、偏光板181は、偏光フィルム1011L、1011Rとクロスニコル配置となっている。同様に、ビームスプリッタ122、コンバイナ121L、及びコンバイナ121Rでの反射を考慮した上で、偏光板182は、偏光フィルム1011L、1011Rとクロスニコル配置となっている。よって、コンバイナ121L、121Rで反射した表示光PL13、PR13が偏光板181、182に入射すると、偏光板181,182で吸収される。また、ビームスプリッタ122で反射した表示光PL12、PR12が偏光板181に入射すると、偏光板181で吸収される。これにより、実施の形態1と同様にクロストーク光を抑制することができるため、表示品質を向上することができる。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態3にかかるヘッドマウントディスプレイ100について、図10を用いて説明する。図10は、ヘッドマウントディスプレイ100の構成を模式的に示す側面図である。本実施の形態では、実施の形態1、2と異なり、ヘッドマウントディスプレイ100が1枚ミラー方式となっている。つまり、左眼ELとコンバイナ121Lとの間に、ビームスプリッタ122L、又はビームスプリッタ122が設けられていない。なお、ビームスプリッタ122以外の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
左眼用表示素子101Lの設置角度が、実施の形態1、2と異なっている。左眼用表示素子101Lは、斜めに配置されている。つまり、左眼用表示素子101Lの表示面は、下方(-Y方向)であって、前方(+Z方向)に向いている。左眼用表示素子101Lからの表示光PL11は、-Y方向及び+Z方向に出射される。表示光PL11は、表示面においてX方向と直交する方向の直線偏光となっている。コンバイナ121Lは、左眼用表示素子101Lの下方(-Y方向)に配置されているコンバイナ121Lは光の半分を透過して、残りの半分を反射する。



【0060】
コンバイナ121Lは左眼用表示素子101Lからの表示光PL11を左眼ELに向けて反射する。コンバイナ121Lで反射した表示光PL11を表示光PL13とする。コンバイナ121Lは凹面ハーフミラーであり、表示光PL13を左眼ELに向けて集光するように、表示光PL13を反射する。表示光PL13は、Y方向と平行な直線偏光となっている。左眼用光学系103Lが、左眼用表示素子101Lからの表示光を、左眼ELに導く。光学系により、ユーザの前方(+Z方向)に虚像を表示させることができる。
【0061】
また、外光PL21はコンバイナ121Lを透過して、左眼ELに入射する。コンバイナ121Lの透過率は、50%となっている。よって、外光PL21は、コンバイナ121Lを透過することで、50%に減衰する。そして、50%に減衰した外光PL21が、左眼ELに入射する。これにより、前方(+Z方向)の景色に表示画像を重畳させることができる。また、本実施の形態では、コンバイナ121Lが左眼用表示素子101Lの直下まで延在しているため、遮光部150Lが設けられていない。
【0062】
左前方空間160Lと右前方空間160Rとの間に、偏光板180が配置されている。偏光板180は、左眼用光学系103Lと右眼用光学系103Rとの間に配置されている。偏光板180の透過軸はY方向と平行な方向になっている。コンバイナ121L、121Rでの反射を考慮した上で、偏光板180は、偏光フィルム1011L、1011Rとクロスニコル配置となっている。本実施の形態におけるクロスニコル配置とは、偏光フィルム1011L、1011Rを透過し、かつビームスプリッタ122Lで反射した光の偏光方向と、偏光板180の透過軸とが直交するような配置のことである。よって、コンバイナ121L、121Rで反射した表示光PL13、PR13が偏光板180に入射すると、吸収される。
【0063】
これにより、実施の形態1,2と同様に、クロストーク光PCTを遮光することができる。よって、表示品質を向上することができる。また、図10ではビームスプリッタ122が設けられていないため、実施の形態1と同様に、1枚の偏光板180で、クロストーク光を抑制することができる。
【0064】
なお、ヘッドマウントディスプレイ100がオプティカルシースルー方式のヘッドマントディスプレイとして説明したが、ヘッドマウントディスプレイ100は非透過型のヘッドマントディスプレイであってもよい。非透過型のヘッドマウントディスプレイの場合、コンバイナ121L、121Rの代わりに、反射ミラーが設けられていればよい。つまり、ビームスプリッタ122の前方に配置される反射部材は、ハーフミラーなどのビームスプリッタであってもよく、反射ミラーであってもよい。反射部材が表示光をユーザの方向に反射する。
【0065】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。上記の実施の形態の2つ以上を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0066】
EL 左眼
ER 右眼
100 ヘッドマウントディスプレイ
101 表示素子部
101L 左眼用表示素子
101R 右眼用表示素子
102 フレーム
103L 左眼用光学系
103R 右眼用光学系
121L、121R コンバイナ
122L、122R、122 ビームスプリッタ
150L、150R 遮光部
160L 左前方空間
160R 右前方空間
180、181、182 偏光板
PL11、PL12、PL13、PR11、PR12、PR13 表示光
PL21、PR21 外光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11