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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ドラムカートリッジおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
G03G21/18 171
G03G21/18 160
G03G21/18 178
G03G21/18 117
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019158771
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021039174
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】森 啓城
(72)【発明者】
【氏名】深谷 篤
(72)【発明者】
【氏名】桐山 翼
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-049032(JP,A)
【文献】特開2004-045857(JP,A)
【文献】特開2011-118119(JP,A)
【文献】特開2018-146829(JP,A)
【文献】特開2018-205537(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0264040(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる軸について回転可能な感光体ドラムと、
ドラムフレームであって、第2方向における前記ドラムフレームの一方側の端部に前記感光体ドラムが位置するドラムフレームと、
前記感光体ドラムと共に回転可能なドラムカップリングであって、前記ドラムフレームの前記第1方向における一方側の外表面に位置するドラムカップリングと、
前記ドラムカップリングよりも、前記第2方向における前記ドラムフレームの他方側の近くに位置する電気的接触面と、
前記電気的接触面を保持するホルダと、
を備え
前記ホルダは、前記ドラムフレームに対して、前記第2方向に移動可能であることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のドラムカートリッジであって、
前記電気的接触面を有するドラムメモリ
を備えることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムカートリッジは、画像形成装置の本体フレームに装着可能であり、
前記ドラムフレームは、
前記ドラムカップリングの周囲において前記第1方向に延びるドラムカラー
を有し、
前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着されるときに、前記ドラムフレームが前記ドラムカラーについて回動することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載のドラムカートリッジであって、
前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着されるときに、前記本体フレームに対して前記ドラムカラーが位置決めされることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のドラムカートリッジであって、
前記電気的接触面は、前記ドラムカラーを中心とする前記ドラムフレームの回動方向に沿って延びていることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項6】
請求項5に記載のドラムカートリッジであって、
前記電気的接触面は、前記第1方向および前記回動方向に対して傾斜していることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のドラムカートリッジであって
記ホルダは、前記ドラムフレームに対して、前記回動方向に交差する方向に移動可能であることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項8】
請求項に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムフレームは、
前記ホルダの前記第2方向における一方側の端面と前記第2方向に向かい合う第1規制面と、
前記ホルダの前記第2方向における他方側の端面と前記第2方向に向かい合う第2規制面と、
を有し、
前記第1規制面と前記第2規制面との前記第2方向の間隔は、前記ホルダの前記一方側の端面と前記他方側の端面との間の前記第2方向の長さよりも、長いことを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項9】
第1方向に延びる軸について回転可能な感光体ドラムと、
ドラムフレームであって、第2方向における前記ドラムフレームの一方側の端部に前記感光体ドラムが位置するドラムフレームと、
前記感光体ドラムと共に回転可能なドラムカップリングであって、前記ドラムフレームの前記第1方向における一方側の外表面に位置するドラムカップリングと、
前記ドラムカップリングよりも、前記第2方向における前記ドラムフレームの他方側の近くに位置する電気的接触面と、
を備え、
前記ドラムカートリッジは、画像形成装置の本体フレームに装着可能であり、
前記ドラムフレームは、
前記ドラムカップリングの周囲において前記第1方向に延びるドラムカラー
を有し、
前記電気的接触面は、前記ドラムカラーの前記第1方向の一方側の端部よりも、前記外表面から前記第1方向に離れていることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項10】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムフレームは、トナーカートリッジを装着可能であることを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のドラムカートリッジであって、
前記ドラムフレームに前記トナーカートリッジが装着された状態において、前記ドラムフレームの外表面に、前記電気的接触面が位置することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項12】
第1方向に延びる軸について回転可能な感光体ドラムと、
ドラムフレームであって、第2方向における前記ドラムフレームの一方側の端部に前記感光体ドラムが位置するドラムフレームと、
前記感光体ドラムと共に回転可能なドラムカップリングであって、前記ドラムフレームの前記第1方向における一方側の外表面に位置するドラムカップリングと、
前記ドラムカップリングよりも、前記第2方向における前記ドラムフレームの他方側の近くに位置する電気的接触面と、
を備え、
前記ドラムフレームは、トナーカートリッジを装着可能であり、
前記トナーカートリッジは、
前記第1方向に延びる軸について回転可能な現像ローラと、
前記現像ローラと共に回転可能なトナーカップリングと、
を備え、
前記ドラムフレームに前記トナーカートリッジが装着された状態において、前記ドラムカップリングと前記トナーカップリングとの間に、前記電気的接触面が位置することを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項13】
請求項12に記載のドラムカートリッジであって、
前記トナーカートリッジは、
電気的接触面を有するトナーメモリ
をさらに備え、
前記ドラムフレームに前記トナーカートリッジが装着された状態において、前記ドラムカップリング、前記ドラムカートリッジの前記電気的接触面、前記トナーカップリング、および前記トナーカートリッジの前記電気的接触面が、前記第2方向に並ぶことを特徴とする、ドラムカートリッジ。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のドラムカートリッジが装着可能な画像形成装置であって、
前記ドラムカートリッジが装着可能な本体フレームと、
前記ドラムカートリッジが前記本体フレームに装着された状態において、前記電気的接触面に接触する電気接点と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載の画像形成装置であって、
前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着された状態において、前記ドラムフレームを前記第2方向の他方側へ向けて押圧するベルトユニット
をさらに備えることを特徴とする、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドラムカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の画像形成装置は、現像カートリッジとドラムカートリッジとを有する。現像カートリッジは、ドラムカートリッジに装着される。そして、現像カートリッジを装着したドラムカートリッジが、画像形成装置に装着される。また、特許文献1の現像カートリッジは、ICチップを有する。ICチップは、現像カートリッジに関する種々の情報を記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-189740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、現像カートリッジだけではなく、ドラムカートリッジにもICチップを搭載することが求められている。しかしながら、ドラムカートリッジにICチップを搭載した場合、画像形成装置の電気接点に対して、ドラムカートリッジのICチップの電気的接触面を接触させる必要がある。したがって、画像形成装置の本体フレームにドラムカートリッジを装着するときに、本体フレームに対して電気的接触面を精度よく位置決めすることが求められる。
【0005】
本開示の目的は、電気的接触面を備えたドラムカートリッジにおいて、画像形成装置の本体フレームに対して電気的接触面を精度よく位置決めできる構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1開示は、ドラムカートリッジであって、第1方向に延びる軸について回転可能な感光体ドラムと、ドラムフレームであって、第2方向における前記ドラムフレームの一方側の端部に前記感光体ドラムが位置するドラムフレームと、前記感光体ドラムと共に回転可能なドラムカップリングであって、前記ドラムフレームの前記第1方向における一方側の外表面に位置するドラムカップリングと、前記ドラムカップリングよりも、前記第2方向における前記ドラムフレームの他方側の近くに位置する電気的接触面と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本願の第2開示は、第1開示のドラムカートリッジであって、前記電気的接触面を有するドラムメモリを備えることを特徴とする。
【0008】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示のドラムカートリッジであって、前記ドラムカートリッジは、画像形成装置の本体フレームに装着可能であり、前記ドラムフレームは、前記ドラムカップリングの周囲において前記第1方向に延びるドラムカラーを有し、前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着されるときに、前記ドラムフレームが前記ドラムカラーについて回動することを特徴とする。
【0009】
本願の第4開示は、第3開示のドラムカートリッジであって、前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着されるときに、前記本体フレームに対して前記ドラムカラーが位置決めされることを特徴とする。
【0010】
本願の第5開示は、第3開示または第4開示のドラムカートリッジであって、前記電気的接触面は、前記ドラムカラーを中心とする前記ドラムフレームの回動方向に沿って延びていることを特徴とする。
【0011】
本願の第6開示は、第5開示のドラムカートリッジであって、前記電気的接触面は、前記第1方向および前記回動方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0012】
本願の第7開示は、第5開示または第6開示のドラムカートリッジであって、前記電気的接触面を保持するホルダをさらに備え、前記ホルダは、前記ドラムフレームに対して、前記回動方向に交差する方向に移動可能であることを特徴とする。
【0013】
本願の第8開示は、第7開示のドラムカートリッジであって、前記ホルダは、前記ドラムフレームに対して、前記第2方向に移動可能であることを特徴とする。
【0014】
本願の第9開示は、第8開示のドラムカートリッジであって、前記ドラムフレームは、前記ホルダの前記第2方向における一方側の端面と前記第2方向に向かい合う第1規制面と、前記ホルダの前記第2方向における他方側の端面と前記第2方向に向かい合う第2規制面と、を有し、前記第1規制面と前記第2規制面との前記第2方向の間隔は、前記ホルダの前記一方側の端面と前記他方側の端面との間の前記第2方向の長さよりも、長いことを特徴とする。
【0015】
本願の第10開示は、第3開示から第9開示のいずれか一開示のドラムカートリッジであって、前記電気的接触面は、前記ドラムカラーの前記第1方向の一方側の端部よりも、前記外表面から前記第1方向に離れていることを特徴とする。
【0016】
本願の第11開示は、第1開示から第10開示のいずれか一開示のドラムカートリッジであって、前記ドラムフレームは、トナーカートリッジを装着可能であることを特徴とする。
【0017】
本願の第12開示は、第11開示のドラムカートリッジであって、前記ドラムフレームに前記トナーカートリッジが装着された状態において、前記ドラムフレームの外表面に、前記電気的接触面が位置することを特徴とする。
【0018】
本願の第13開示は、第11開示または第12開示のドラムカートリッジであって、前記トナーカートリッジは、前記第1方向に延びる軸について回転可能な現像ローラと、前記現像ローラと共に回転可能なトナーカップリングと、を備え、前記ドラムフレームに前記トナーカートリッジが装着された状態において、前記ドラムカップリングと前記トナーカップリングとの間に、前記電気的接触面が位置することを特徴とする。
【0019】
本願の第14開示は、第13開示のドラムカートリッジであって、前記トナーカートリッジは、電気的接触面を有するトナーメモリをさらに備え、前記ドラムフレームに前記トナーカートリッジが装着された状態において、前記ドラムカップリング、前記ドラムカートリッジの前記電気的接触面、前記トナーカップリング、および前記トナーカートリッジの前記電気的接触面が、前記第2方向に並ぶことを特徴とする。
【0020】
本願の第15開示は、第1開示から第14開示のいずれか一開示のドラムカートリッジが装着可能な画像形成装置であって、前記ドラムカートリッジが装着可能な本体フレームと、前記ドラムカートリッジが前記本体フレームに装着された状態において、前記電気的接触面に接触する電気接点と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本願の第16開示は、第15開示の画像形成装置であって、前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着された状態において、前記ドラムフレームを前記第2方向の他方側へ向けて押圧するベルトユニットをさらに備えることを特徴とする。
【0022】
本願の第17開示は、画像形成装置であって、ドラムカートリッジであって、第1方向に延びる軸について回転可能な感光体ドラムと、ドラムフレームであって、第2方向における前記ドラムフレームの一方側の端部に前記感光体ドラムが位置するドラムフレームと、電気的接触面と、前記ドラムフレームの外表面に位置し、前記ドラムフレームに対して前記第2方向に移動可能なホルダであって、前記電気的接触面を保持するホルダと、を備えるドラムカートリッジと、前記ドラムカートリッジが装着可能な本体フレームと、前記ドラムカートリッジが前記本体フレームに装着された状態において、前記電気的接触面に接触する電気接点と、前記本体フレームに前記ドラムカートリッジが装着された状態において、前記ドラムフレームを前記第2方向の他方側へ向けて押圧するベルトユニットと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本願の第1開示~第16開示によれば、画像形成装置の本体フレームにドラムカートリッジが装着された状態において、ドラムカップリングを基準として、電気的接触面を位置決めできる。これにより、本体フレームに対して電気的接触面を精度よく位置決めできる。
【0024】
また、本願の第3開示によれば、ドラムカラーを中心とするドラムフレームの回動を利用して、電気的接触面を位置決めできる。
【0025】
また、本願の第5開示によれば、ドラムカラーを中心とするドラムフレームの回動により、電気的接触面を、画像形成装置の電気接点に、より確実に接触させることができる。
【0026】
また、本願の第6開示によれば、ドラムカラーを中心とするドラムフレームの回動により、電気的接触面を、画像形成装置の電気接点に、より確実に接触させることができる。
【0027】
また、本願の第8開示によれば、ホルダおよび電気的接触面が、ドラムフレームに対して第2方向に移動可能である。このため、本体フレームへのドラムカートリッジの装着後に、ドラムフレームが第2方向に移動したとしても、電気的接触面の位置を一定に維持できる。
【0028】
また、本願の第10開示によれば、本体フレームへのドラムカートリッジの装着時に、画像形成装置の電気接点が、ドラムカラーの移動を制限しない。
【0029】
また、本願の第17開示によれば、ホルダおよび電気的接触面が、ドラムフレームに対して、第2方向に移動可能である。このため、本体フレームへのドラムカートリッジの装着時に、ベルトユニットからの押圧力によって、ドラムフレームが第2方向に移動したとしても、電気的接触面の位置を一定に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】画像形成装置の部分側面図である。
図2】画像形成装置の部分側面図である。
図3】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジの斜視図である。
図4】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジを、第1方向の一方側から視た図である。
図5】ドラムフレームからドラムホルダを取り外した状態の分解斜視図である。
図6】本体フレームの1つのガイドフレームの斜視図である。
図7】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置の本体フレームに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から視た図である。
図8】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置の本体フレームに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から視た図である。
図9図8中のA-A線に沿った断面図である。
図10】トナーカートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置の本体フレームに装着されるときの様子を、第1方向の一方側から視た図である。
図11図10中のB-B線に沿った断面図である。
図12】第1変形例のドラムカートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
なお、以下では、感光体ドラムの回転軸が延びる方向を「第1方向」とする。また、ドラムカートリッジにおいて、ドラムカップリングと電気的接触面とが並ぶ方向を「第2方向」とする。また、画像形成装置において、4つのドラムカートリッジが並ぶ方向を「第3方向」とする。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。第2方向と第3方向とは、互いに交差する。第3方向と第1方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0033】
<1.画像形成装置の構成>
図1および図2は、画像形成装置900の部分側面図である。この画像形成装置900は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置900の例としては、レーザプリンタまたはLEDプリンタが挙げられる。図1に示すように、画像形成装置900は、本体フレーム910、ベルトユニット920、4つのロックレバー930、制御部940、4つのトナーカートリッジ1、および4つのドラムカートリッジ2を有する。
【0034】
本体フレーム910は、4つのガイドフレーム911を有する。4つのガイドフレーム911は、第3方向に間隔をあけて配列されている。1つのトナーカートリッジ1は、1つのドラムカートリッジ2に装着される。1つのトナーカートリッジ1が装着された1つのドラムカートリッジ2は、1つのガイドフレーム911に装着される。したがって、本体フレーム910には、1つのトナーカートリッジ1が装着された1つのドラムカートリッジ2を、4組装着可能である。
【0035】
4つのトナーカートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。画像形成装置900は、トナーカートリッジ1から供給される現像剤(例えば、トナー)により、印刷用紙の印刷面に画像を形成する。ただし、本体フレーム910に装着可能なドラムカートリッジ2の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0036】
ベルトユニット920は、2つのプーリ921と、2つのプーリ921の間に掛け渡された環状の転写ベルト922と、4つの押圧ローラ923とを有する。本体フレーム910にドラムカートリッジ2が装着された状態において、転写ベルト922は、押圧ローラ923と、ドラムカートリッジ2の後述する感光体ドラム60との間に挟まれる。これにより、感光体ドラム60の外表面と、転写ベルト922の外表面とが、密接する。
【0037】
2つのプーリ921のいずれか一方は、図示を省略したモータからの動力により回転する。これにより、転写ベルト922が回動する。印刷用紙は、感光体ドラム60と転写ベルト922との間へ搬送される。これにより、感光体ドラム60の外周面から印刷用紙へ、現像剤が転写される。
【0038】
ロックレバー930は、ガイドフレーム911に対してドラムカートリッジ2を固定する部材である。ロックレバー930は、第1方向に延びる回動軸について回動可能である。トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、ガイドフレーム911に装着された後、図示を省略した本体カバーを閉じると、ロックレバー930は、ドラムカートリッジ2から離れた解除位置(図1の位置)から、ドラムカートリッジ2に接触するロック位置(図2の位置)へ回動する。そして、ロックレバー930は、ドラムカートリッジ2を、ベルトユニット920へ向けて押圧する。
【0039】
制御部940は、例えば、回路基板により構成される。制御部940は、CPU等のプロセッサおよび各種のメモリを有する。制御部940は、プログラムに従ってプロセッサが動作することにより、画像形成装置900における諸処理を実行する。
【0040】
<2.トナーカートリッジについて>
図3は、トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2の斜視図である。図4は、トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2を、第1方向の一方側から視た図である。図3および図4に示すように、トナーカートリッジ1は、ケーシング10、現像ローラ20、ギア部30、トナーホルダ40、およびトナーメモリ50を有する。
【0041】
ケーシング10は、現像剤を収容可能な筐体である。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12とを有する。第1外表面11と第2外表面12とは、第1方向において互いに離れている。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12との間で、第1方向に延びる。ギア部30、トナーホルダ40、およびトナーメモリ50は、第1外表面11に位置する。ケーシング10の内部には、収容室13が設けられている。現像剤は、収容室13内に収容される。また、ケーシング10は、開口14を有する。開口14は、第2方向におけるケーシング10の一端に位置する。ケーシング10の外部空間と、収容室13とは、開口14を介して連通する。
【0042】
現像ローラ20は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なローラである。現像ローラ20は、ケーシング10の開口14に位置する。すなわち、現像ローラ20は、第2方向におけるケーシング10の一端に位置する。現像ローラ20は、ローラ本体とローラシャフトとを有する。ローラ本体は、第1方向に延びる円筒状の部材である。ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。ローラシャフトは、ローラ本体を第1方向に貫通する円柱状の部材である。ローラシャフトの材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0043】
ローラ本体は、ローラシャフトに対して固定されている。また、ローラシャフトの第1方向の一端は、ギア部30に含まれる現像ローラギアに固定されている。したがって、現像ローラギアが回転すると、ローラシャフトも回転し、ローラシャフトと共にローラ本体も回転する。
【0044】
なお、ローラシャフトは、ローラ本体を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、ローラシャフトが、ローラ本体の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0045】
また、トナーカートリッジ1は、供給ローラ25を有する。供給ローラ25は、現像ローラ20と収容室13との間に位置する。供給ローラ25は、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。トナーカートリッジ1が駆動力を受けると、ケーシング10内の収容室13から、供給ローラ25を介して、現像ローラ20の外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラ25と現像ローラ20との間において、現像剤は摩擦帯電される。一方、現像ローラ20のローラシャフトには、バイアス電圧がかけられている。このため、ローラシャフトと現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ20の外周面に、現像剤が引き付けられる。
【0046】
また、トナーカートリッジ1は、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、現像ローラ20の外周面に供給された現像剤を、一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ20の外周面の現像剤は、ドラムカートリッジ2の後述する感光体ドラム60へ供給される。このとき、現像剤は、感光体ドラム60の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ20から感光体ドラム60へ移動する。これにより、感光体ドラム60の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0047】
ギア部30は、ケーシング10の第1外表面11に位置する。ギア部30は、上述した現像ローラギアを含む複数のギアと、トナーカップリング31と、ギアカバー32とを有する。ギアカバー32は、ケーシング10の第1外表面11に、例えばねじ止めで固定される。複数のギアの少なくとも一部は、第1外表面11とギアカバー32との間に位置する。トナーカップリング31は、ギアカバー32から露出する。画像形成装置900の本体フレーム910に、トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が装着されると、画像形成装置900のトナー駆動シャフトが、トナーカップリング31に接続される。そして、トナー駆動シャフトの回転が、トナーカップリング31を介して、現像ローラギアを含む複数のギアに伝達される。
【0048】
なお、ギア部30に含まれる複数のギアは、歯の噛み合いによって回転力を伝達するものであってもよく、摩擦によって回転力を伝達するものであってもよい。
【0049】
トナーホルダ40は、ケーシング10の第1方向の一端に位置する。図4に示すように、トナーホルダ40は、第1ホルダ部材41、第2ホルダ部材42、およびコイルばね43を有する。第1ホルダ部材41は、第1ホルダ外表面410を有する。第2ホルダ部材42は、第2ホルダ外表面420を有する。第1ホルダ外表面410と第2ホルダ外表面420とは、第3方向に離れている。
【0050】
コイルばね43は、第3方向に伸縮可能な弾性部材である。コイルばね43は、第3方向において、第1ホルダ外表面410と第2ホルダ外表面420との間に位置する。コイルばね43の第3方向における一端は、第1ホルダ部材41に接続されている。コイルばね43の第3方向における他端は、第2ホルダ部材42に接続されている。コイルばね43は、第3方向に伸縮可能である。したがって、第1ホルダ外表面410は、第2ホルダ外表面420に対して、第3方向に移動可能である。
【0051】
図3および図4に示すように、ギアカバー32は、ホルダカバー33を含む。トナーホルダ40の少なくとも一部は、ホルダカバー33に覆われる。第1ホルダ部材41は、第1ボス411および第2ボス412を有する。第1ボス411および第2ボス412は、第1ホルダ部材41のホルダカバー33と向かい合う面からホルダカバー33へ向けて、第1方向に延びる。一方、ホルダカバー33は、第1貫通孔331および第2貫通孔332を有する。第1貫通孔331および第2貫通孔332は、ホルダカバー33を第1方向に貫通する。第1ボス411は、第1貫通孔331に挿入される。第2ボス412は、第2貫通孔332に挿入される。
【0052】
第2方向および第3方向のいずれの方向においても、第1貫通孔331の大きさ(内寸)は、第1ボス411の大きさ(外寸)よりも大きい。また、第2方向および第3方向のいずれの方向においても、第2貫通孔332の大きさ(内寸)は、第2ボス412の大きさ(外寸)よりも大きい。このため、トナーホルダ40は、第1ボス411および第2ボス412と共に、ケーシング10、ギアカバー32、およびホルダカバー33に対して、第2方向および第3方向に移動可能である。
【0053】
トナーメモリ50は、トナーカートリッジ1に関する種々の情報を記憶可能な記憶媒体である。トナーメモリ50は、トナーホルダ40の第1ホルダ外表面410に位置する。トナーメモリ50に記憶される情報には、例えば、トナーカートリッジ1のシリアルナンバー、現像ローラ20の累積回転数、現像ローラ20を用いた累積印刷枚数、現像ローラ20による累積ドット数、トナーカートリッジ1の適合機種、トナーカートリッジ1の仕様、トナーカートリッジ1が新品であるか否かを示す情報、トナーカートリッジ1が純正品であるか否かを示す情報、およびトナーカートリッジ1に関するエラー履歴のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0054】
なお、トナーメモリ50に、上述した累積回転数、累積印刷枚数、または累積ドット数が記憶される場合、画像形成装置900の制御部940は、印刷処理を実行する度に、トナーメモリ50に記憶された累積回転数、累積印刷枚数、または累積ドット数を更新する。累積回転数、累積印刷枚数、または累積ドット数の更新は、0からのインクリメントであってもよく、所定値からのデクリメントであってもよい。
【0055】
トナーメモリ50には、例えば、ICチップが用いられる。トナーメモリ50は、導電性の電気的接触面51を有する。ケーシング10に対してトナーホルダ40が移動すると、トナーホルダ40と共に、トナーメモリ50の電気的接触面51も移動する。
【0056】
画像形成装置900は、トナーメモリ50の電気的接触面51に接触可能なトナー用電気接点(図示省略)を有する。トナー用電気接点は、制御部940と電気的に接続されている。トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、画像形成装置900の本体フレーム910に装着されると、トナーメモリ50の電気的接触面51が、トナー用電気接点に接触する。これにより、制御部940とトナーメモリ50とが、電気的に接続される。したがって、制御部940は、トナーメモリ50からの情報の読み出しおよびトナーメモリ50への情報の書き込みの、少なくともいずれか一方を行うことができる。
【0057】
<3.ドラムカートリッジについて>
図3および図4に示すように、ドラムカートリッジ2は、感光体ドラム60、ドラムフレーム70、ドラムカップリング80、ドラムホルダ90、およびドラムメモリ100を有する。
【0058】
感光体ドラム60は、第1方向に延びる回転軸について回転可能なドラムである。感光体ドラム60は、第1方向に延びる円筒状の外周面を有する。感光体ドラム60の外周面は、感光材料に覆われている。ドラムカートリッジ2にトナーカートリッジ1が装着されると、感光体ドラム60の外周面に、トナーカートリッジ1の現像ローラ20の外周面が、接触する。
【0059】
ドラムフレーム70は、第1サイドプレート71と、第1サイドプレート71よりも第1方向の他方側に位置する第2サイドプレート72と、を有する。感光体ドラム60は、第2方向におけるドラムフレーム70の一方側の端部に位置する。より具体的には、感光体ドラム60は、第1サイドプレート71の第2方向における一方側の端部と、第2サイドプレート72の第2方向における一方側の端部と、の間に位置する。感光体ドラム60は、第1サイドプレート71および第2サイドプレート72に対して、回転可能に支持される。また、ドラムフレーム70は、トナーカートリッジ1を装着可能である。具体的には、ドラムフレーム70は、トナーカートリッジ1が装着される凹部73を有する。凹部73は、第1サイドプレート71と第2サイドプレート72との間、かつ、感光体ドラム60よりも第2方向の他方側に位置する。
【0060】
ドラムカップリング80は、感光体ドラム60と共に回転可能な部材である。ドラムカップリング80は、ドラムフレーム70の第1方向における一方側の外表面に位置する。より具体的には、第1サイドプレート71は、第2方向における一方側の端部に、円孔を有する。そして、その円孔内にドラムカップリング80が位置する。画像形成装置900の本体フレーム910にドラムカートリッジ2が装着されると、画像形成装置900のドラム駆動シャフトが、ドラムカップリング80に接続される。そして、ドラム駆動シャフトの回転が、ドラムカップリング80を介して、感光体ドラム60へ伝達される。
【0061】
また、第1サイドプレート71は、ドラムカラー74を有する。ドラムカラー74は、第1サイドプレート71の円孔の縁から、第1方向の一方側へ向けて、円筒状に延びる。ドラムカップリング80の一部は、ドラムカラー74の内側に位置する。
【0062】
ドラムホルダ90は、ドラムメモリ100を保持する部材である。ドラムホルダ90は、第1サイドプレート71の第1方向の一方側の外表面に位置する。ドラムホルダ90は、ドラムカップリング80よりも、第2方向の他方側に位置する。
【0063】
図5は、ドラムフレーム70からドラムホルダ90を取り外した状態の分解斜視図である。図4および図5に示すように、ドラムホルダ90は、第1端面91、第2端面92、第1突起93、および第2突起94を有する。第1端面91は、ドラムホルダ90の第2方向における一方側の端面である。第2端面92は、ドラムホルダ90の第2方向における他方側の端面である。第1突起93は、第1端面91から第2方向の一方側へ向けて突出する。第2突起94は、第2端面92から第2方向の他方側へ向けて突出する。
【0064】
第1サイドプレート71は、第1リブ711および第2リブ712を有する。第1リブ711および第2リブ712は、それぞれ、第1サイドプレート71から第1方向の一方側へ向けて突出し、第2方向に対して垂直に広がる。第1リブ711は、第2リブ712よりも、第2方向の一方側に位置する。また、第1リブ711は、第1ガイド孔711aを有する。第1ガイド孔711aは、第1リブ711を第2方向に貫通する。第2リブ712は、第2ガイド孔712aを有する。第2ガイド孔712aは、第2リブ712を第2方向に貫通する。ドラムホルダ90の第1突起93は、第1ガイド孔711aに挿入される。ドラムホルダ90の第2突起94は、第2ガイド孔712aに挿入される。
【0065】
また、第1リブ711は、ドラムホルダ90の第1端面91と第2方向に向かい合う第1規制面711bを有する。また、第2リブ712は、ドラムホルダ90の第2端面92と第2方向に向かい合う第2規制面712bを有する。第1規制面711bと第2規制面712bとの第2方向の間隔は、ドラムホルダ90の第1端面91と第2端面92との間の第2方向の長さよりも長い。
【0066】
したがって、ドラムホルダ90は、第1端面91が第1規制面711bに接触する第1状態と、第2端面92が第2規制面712bに接触する第2状態との間で、ドラムフレーム70に対して、第2方向に移動可能である。
【0067】
ドラムメモリ100は、ドラムカートリッジ2に関する種々の情報を記憶可能な記憶媒体である。ドラムメモリ100は、ドラムホルダ90の第1方向における一方側の面に位置する。ドラムメモリ100に記憶される情報には、例えば、ドラムカートリッジ2のシリアルナンバー、感光体ドラム60の累積回転数、感光体ドラム60を用いた累積印刷枚数、ドラムカートリッジ2の適合機種、ドラムカートリッジ2の仕様、ドラムカートリッジ2が新品であるか否かを示す情報、ドラムカートリッジ2が純正品であるか否かを示す情報、およびドラムカートリッジ2に関するエラー履歴のうちの少なくとも1つを含む。
【0068】
なお、ドラムメモリ100に、上述した累積回転数または累積印刷枚数が記憶される場合、画像形成装置900の制御部940は、印刷処理を実行する度に、ドラムメモリ100に記憶された累積回転数または累積印刷枚数を更新する。累積回転数または累積印刷枚数の更新は、0からのインクリメントであってもよく、所定値からのデクリメントであってもよい。
【0069】
ドラムメモリ100には、例えば、ICチップが用いられる。ドラムメモリ100は、導電性の電気的接触面101を有する。電気的接触面101は、ドラムカップリング80よりも、第2方向におけるドラムフレーム70の他方側の近くに位置する。具体的には、ドラムフレーム70にトナーカートリッジ1が装着された状態において、電気的接触面101は、ドラムカップリング80とトナーカップリング31との間に位置する。また、ドラムフレーム70にトナーカートリッジ1が装着された状態において、ドラムカップリング80、ドラムメモリ100の電気的接触面101、トナーカップリング31、およびトナーメモリ50の電気的接触面51は、第2方向にこの順に並ぶ。
【0070】
ドラムフレーム70にトナーカートリッジ1が装着された状態においても、電気的接触面101は、トナーカートリッジ1に覆われることなく、ドラムフレーム70の外表面に位置する。ドラムフレーム70に対してドラムホルダ90が第2方向に移動すると、ドラムホルダ90と共に、ドラムメモリ100の電気的接触面101も、ドラムフレーム70に対して第2方向に移動する。
【0071】
<4.ドラムカートリッジの装着について>
続いて、トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、画像形成装置900の本体フレーム910に装着されるときの動作について、説明する。
【0072】
図6は、本体フレーム910の1つのガイドフレーム911の斜視図である。図6に示すように、ガイドフレーム911は、ドラムカートリッジ2のドラムカラー74を保持可能なカラー保持部912を有する。カラー保持部912は、第2方向の他方側へ向けて開いた略U字状(コの字状)の面を有する。また、図6に示すように、画像形成装置900は、導電性のドラム用電気接点950を有する。ドラム用電気接点950は、カラー保持部912よりも第2方向の他方側に位置する。ドラム用電気接点950は、制御部940と電気的に接続されている。
【0073】
また、図6に示すように、本体フレーム910は、ドラム用電気接点950を保持する接点ホルダ960を有する。接点ホルダ960は、カラー保持部912よりも第2方向の他方側に位置する。接点ホルダ960は、第1ガイド面961および第2ガイド面962を有する。第1ガイド面961は、ドラム用電気接点950よりも第2方向の一方側に位置する。第2ガイド面962は、ドラム用電気接点950よりも第2方向の他方側に位置する。第1ガイド面961と第2ガイド面962との間の第2方向の距離は、後述する回動方向へ向かうにつれて、徐々に狭くなる。
【0074】
図7図8、および図10は、トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、画像形成装置900の本体フレーム910に装着されるときの様子を、第1方向の一方側から視た図である。図9は、図8中のA-A線に沿った断面図である。図11は、図10中のB-B線に沿った断面図である。
【0075】
トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、本体フレーム910に装着されるときには、図7中の破線矢印のように、トナーカートリッジ1が装着されたドラムカートリッジ2が、本体フレーム910に対して、第2方向の一方側へ移動する。これにより、ドラムカラー74が、カラー保持部912に接近する。そして、図8のように、カラー保持部912の略U字状の面に、ドラムカラー74が接触する。これにより、ドラムカラー74がカラー保持部912に保持される。その結果、本体フレーム910に対してドラムカラー74が位置決めされる。
【0076】
続いて、図10のように、本体フレーム910に対してドラムカートリッジ2が、ドラムカラー74について回動する。これにより、感光体ドラム60の外周面が、転写ベルト922に接触する。このとき、ドラムホルダ90は、接点ホルダ960の第1ガイド面961と第2ガイド面962との間へ挿入される。そして、ドラムホルダ90は、第1ガイド面961または第2ガイド面962と接触することにより、ドラムフレーム70に対して、第2方向(回動方向に交差する方向)に移動する。これにより、本体フレーム910に対してドラムホルダ90が、第2方向に位置決めされる。
【0077】
本体フレーム910に対するドラムカートリッジ2の回動が完了すると、ドラムホルダ90に保持された電気的接触面101が、接点ホルダ960に保持されたドラム用電気接点950に接触する。その結果、ドラムメモリ100が、電気的接触面101およびドラム用電気接点950を介して、制御部940と電気的に接続される。したがって、制御部940は、ドラムメモリ100からの情報の読み出しおよびドラムメモリ100への情報の書き込みの、少なくともいずれか一方を行うことが可能となる。
【0078】
また、本体フレーム910に対するドラムカートリッジ2の回動が完了すると、トナーメモリ50の電気的接触面51は、画像形成装置900のトナー用電気接点(図示省略)に接触する。その結果、トナーメモリ50が、電気的接触面51およびトナー用電気接点を介して、制御部940と電気的に接続される。したがって、制御部940は、トナーメモリ50からの情報の読み出しおよびトナーメモリ50への情報の書き込みの、少なくともいずれか一方を行うことが可能となる。
【0079】
本体フレーム910にドラムカートリッジ2が装着された直後は、図1のように、ロックレバー930は解除位置に位置する。また、ドラムカートリッジ2は、ベルトユニット920の押圧ローラ923から、第2方向の他方側へ向かう押圧力を受けている。
【0080】
その後、画像形成装置900のカバーを閉鎖すると、図2のように、ロックレバー930が回動して、ドラムフレーム70を、第2方向の一方側へ向けて押圧する。これにより、本体フレーム910に対してドラムフレーム70が位置決めされる。このとき、ロックレバー930の押圧力によって、本体フレーム910に対してドラムフレーム70が、第2方向の一方側へ僅かに移動する。しかしながら、ドラムメモリ100の電気的接触面101は、ドラムフレーム70に対して第2方向に移動可能である。したがって、電気的接触面101とドラム用電気接点950の接触状態を維持したまま、本体フレーム910に対してドラムフレーム70を、第2方向の一方側へ移動させることができる。
【0081】
上述のように、ドラムメモリ100の電気的接触面101と、ドラムカップリング80とは、いずれも、ドラムフレーム70の第1サイドプレート71に設けられている。そして、電気的接触面101は、ドラムカップリング80よりも、第2方向におけるドラムフレーム70の他方側の近くに位置する。このため、画像形成装置900の本体フレーム910にドラムカートリッジ2が装着された状態において、ドラムカップリング80を基準として、電気的接触面101を位置決めできる。これにより、本体フレーム910に対して電気的接触面101を精度よく位置決めできる。
【0082】
また、この画像形成装置900では、本体フレーム910にドラムカートリッジ2が装着されるときに、本体フレーム910に対してドラムフレーム70が、ドラムカラー74について回動する。そして、その回動により、本体フレーム910に対して電気的接触面101が位置決めされる。すなわち、本体フレーム910に対するドラムカートリッジ2の装着動作を利用して、本体フレーム910に対して電気的接触面101を位置決めできる。
【0083】
また、ドラムホルダ90は、ドラムフレーム70に対して、第2方向に移動可能である。このため、本体フレーム910へのドラムカートリッジ2の装着後に、本体フレーム910に対してドラムフレーム70が第2方向に移動したとしても、本体フレーム910に対するドラムホルダ90の第2方向の位置を、一定に維持できる。したがって、ドラム用電気接点950に対して電気的接触面101を、接触した状態に維持できる。
【0084】
また、図9および図11に示すように、電気的接触面101は、ドラムカラー74を中心とする回動方向および第1方向に対して傾斜している。具体的には、電気的接触面101は、回動方向の下流側へ向かうにつれて、第1サイドプレート71に近づくように、傾斜している。このため、ドラムカラー74を中心とするドラムフレーム70の回動により、電気的接触面101を、ドラム用電気接点950に、より確実に接触させることができる。
【0085】
また、電気的接触面101は、ドラムカラー74よりも、第1方向の一方側へ突出している。すなわち、ドラムカラー74の第1方向の一方側の端部よりも、電気的接触面101の方が、第1サイドプレート71の第1方向の一方側の外表面から第1方向に離れている。このため、本体フレーム910にドラムカートリッジ2を装着するときに(例えば図7の状態のときに)、ドラム用電気接点950および接点ホルダ960が、ドラムカラー74の移動を制限しない。したがって、ドラムカラー74は、ドラム用電気接点950および接点ホルダ960に妨げられることなく、カラー保持部912まで移動することができる。
【0086】
図4および図5に示すように、本実施形態のドラムメモリ100は、4つの電気的接触面101を有する。4つの電気的接触面101は、ドラムホルダ90の第1方向における一方側の面に、格子状に配列されている。ただし、ドラムメモリ100が有する電気的接触面101の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。また、4つの電気的接触面101は、第2方向に一列に配列されていてもよい。各電気的接触面101は、ドラムカラー74を中心とするドラムフレーム70の回動方向に沿って延びていることが好ましい。このようにすれば、ドラムカラー74を中心とするドラムフレーム70の回動により、各電気的接触面101を、画像形成装置900のドラム用電気接点950に、より確実に接触させることができる。
【0087】
<5.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0088】
<5-1.第1変形例>
図12は、第1変形例のドラムカートリッジ2を、図11と同じ位置で切断した断面図である。この第1変形例では、ドラムメモリ100の電気的接触面101が、ドラムカラー74を中心とする回動方向および第1方向に対して傾斜していない。具体的には、ドラムメモリ100の電気的接触面101が、第1方向に対して垂直に配置されている。このような形態でも、画像形成装置900のドラム用電気接点950が、第1方向に変位可能であれば、ドラムフレーム70の位置決め誤差を、ドラム用電気接点950の変位により吸収できる。したがって、電気的接触面101とドラム用電気接点950とを、接触させることができる。この場合、ドラム用電気接点950は、図示を省略した弾性部材により、第1方向の他方側へ押圧されていることが好ましい。
【0089】
<5-2.他の変形例>
上記の実施形態では、トナーホルダ40の外表面に、電気的接触面51を有するトナーメモリ50が固定されていた。しかしながら、トナーホルダ40の外表面に、電気的接触面51のみを配置し、トナーメモリ50の電気的接触面51以外の部分は、トナーカートリッジ1の他の位置に配置されていてもよい。
【0090】
また、上記の実施形態では、ドラムホルダ90の外表面に、電気的接触面101を有するドラムメモリ100が固定されていた。しかしながら、ドラムホルダ90の外表面に、電気的接触面101のみを配置し、ドラムメモリ100の電気的接触面101以外の部分は、ドラムカートリッジ2の他の位置に配置されていてもよい。
【0091】
また、トナーカートリッジ1、ドラムカートリッジ2、および画像形成装置900の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 トナーカートリッジ
2 ドラムカートリッジ
10 ケーシング
20 現像ローラ
30 ギア部
40 トナーホルダ
50 トナーメモリ
51 電気的接触面
60 感光体ドラム
70 ドラムフレーム
74 ドラムカラー
80 ドラムカップリング
90 ドラムホルダ
100 ドラムメモリ
101 電気的接触面
900 画像形成装置
910 本体フレーム
920 ベルトユニット
930 ロックレバー
940 制御部
950 ドラム用電気接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12