(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230829BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20230829BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20230829BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 350
G06F21/31
G06F21/62 345
G06F3/12 338
G06F3/12 322
(21)【出願番号】P 2019162201
(22)【出願日】2019-09-05
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 朋成
(72)【発明者】
【氏名】田中 友規
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 達央
(72)【発明者】
【氏名】村石 理恵
(72)【発明者】
【氏名】林 学
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-165325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 21/00-21/88
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
ユーザを認証可能な認証情報の入力により特定される特定ユーザから、他のユーザの個人設定に関する個人設定情報の共有要求を取得し、
前記他のユーザによる許可を表す許可情報に従って、前記特定ユーザに対して前記他のユーザの前記個人設定情報の共有を許可
し、
前記許可情報として前記他のユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記特定ユーザからの前記個人設定情報の共有要求を取得した後に前記許可情報の入力を受け付け、
前記許可情報が入力された場合、前記特定ユーザに対して共有を許可する前記個人設定情報の入力を受け付ける請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記特定ユーザからの前記個人設定情報の共有要求を取得する前に前記許可情報の入力を受け付け、
前記許可情報が入力された場合、前記特定ユーザに対して共有を許可する前記個人設定情報の入力を受け付ける請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定ユーザは、二以上のユーザ又は二以上のユーザから構成されるグループである請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記他のユーザの個人設定として、複数の前記個人設定情報が存在する場合、複数の前記個人設定情報のうち任意の前記個人設定情報について共有を許可する請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記個人設定情報の共有を許可する有効期限の設定を受け付け、
前記特定ユーザから前記個人設定情報の共有要求を取得した際に前記有効期限に合致すれば前記個人設定情報の共有を許可する請求項2、3又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記他のユーザを認証可能な認証情報の入力は、パスワード認証、パターン認証、及び生体認証のうち少なくとも2つの認証が行われることである請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
ユーザを認証可能な認証情報の入力により特定される特定ユーザから、他のユーザの個人設定に関する個人設定情報の共有要求を取得し、
前記他のユーザによる許可を表す許可情報に従って、前記特定ユーザに対して前記他のユーザの前記個人設定情報の共有を許可
し、
前記許可情報として前記他のユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不要なユーザのカスタマイズ情報を効率的に削除することが可能となる画像形成装置、画像管理システムおよびプログラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、他のユーザによる許可が存在する場合に、他のユーザの個人設定情報を認証情報の入力により特定される特定ユーザに対して利用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザを認証可能な認証情報の入力により特定される特定ユーザから、他のユーザの個人設定に関する個人設定情報の共有要求を取得し、前記他のユーザによる許可を表す許可情報に従って、前記特定ユーザに対して前記他のユーザの前記個人設定情報の共有を許可する。
【0006】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記特定ユーザからの前記個人設定情報の共有要求を取得した後に前記許可情報の入力を受け付け、前記許可情報が入力された場合、前記特定ユーザに対して共有を許可する前記個人設定情報の入力を受け付ける。
【0007】
第3の態様の情報処理装置は、第1の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記特定ユーザからの前記個人設定情報の共有要求を取得する前に前記許可情報の入力を受け付け、前記許可情報が入力された場合、前記特定ユーザに対して共有を許可する前記個人設定情報の入力を受け付ける。
【0008】
第4の態様の情報処理装置は、第1から第3の何れかの態様の情報処理装置であって、前記特定ユーザは、二以上のユーザ又は二以上のユーザから構成されるグループである。
【0009】
第5の態様の情報処理装置は、第2又は第3の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記他のユーザの個人設定として、複数の前記個人設定情報が存在する場合、複数の前記個人設定情報のうち任意の前記個人設定情報について共有を許可する。
【0010】
第6の態様の情報処理装置は、第2、第3又は第5の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記個人設定情報の共有を許可する有効期限の設定を受け付け、前記特定ユーザから前記個人設定情報の共有要求を取得した際に前記有効期限に合致すれば前記個人設定情報の共有を許可する。
【0011】
第7の態様の情報処理装置は、第1から第6の何れかの態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記許可情報として前記他のユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける。
【0012】
第8の態様の情報処理装置は、第7の態様の情報処理装置であって、前記他のユーザを認証可能な認証情報の入力は、パスワード認証、パターン認証、及び生体認証のうち少なくとも2つの認証が行われることである。
【0013】
第9の態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、ユーザを認証可能な認証情報の入力により特定される特定ユーザから、他のユーザの個人設定に関する個人設定情報の共有要求を取得し、前記他のユーザによる許可を表す許可情報に従って、前記特定ユーザに対して前記他のユーザの前記個人設定情報の共有を許可する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様によれば、他のユーザによる許可が存在する場合に、他のユーザの個人設定情報を認証情報の入力により特定される特定ユーザが利用可能となる。
【0015】
第2の態様によれば、共有を許可する個人設定情報の入力を特定ユーザからの個人設定情報の共有要求を取得する都度行える。
【0016】
第3の態様によれば、特定ユーザから個人設定情報の共有要求を取得する都度、共有を許可する個人設定情報を入力する構成に比べて、個人設定情報の入力回数が減少する。
【0017】
第4の態様によれば、二以上のユーザ又はユーザのグループ内で他のユーザの個人設定情報が利用可能となる。
【0018】
第5の態様によれば、複数の個人設定情報のうち共有を許可する情報と許可しない情報との区別を行える。
【0019】
第6の態様によれば、個人設定情報の共有の一時的な許可が行える。
【0020】
第7の態様によれば、他のユーザの個人設定情報の共有を許可するために他のユーザの認証情報の入力が要求される。
【0021】
第8の態様によれば、認証情報の入力がパスワード認証、パターン認証、又は生体認証の1つで足りる構成に比べて、個人設定情報の秘匿性が高められる。
【0022】
第9の態様によれば、他のユーザによる許可が存在する場合に、他のユーザの個人設定情報を認証情報の入力により特定される特定ユーザが利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施の形態における画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における個人設定情報の共有が行われる流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図2に示すフローチャートの処理中における表示部の表示例である。
【
図4】
図2に示すフローチャートの処理中における表示部の表示例である。
【
図5】第2の実施形態における個人設定情報の共有が行われる流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図5に示すフローチャートの処理中における表示部の表示例である。
【
図7】
図5に示すフローチャートの処理中における表示部の表示例である。
【
図8】
図5に示すフローチャートの処理中における表示部の表示例である。
【
図9】
図5に示すフローチャートの処理中における表示部の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る情報処理装置としての画像処理装置10について説明する。
【0025】
画像処理装置10は、スキャン、プリント、コピー、及びFAX(=ファクシミリ)送受信等の画像処理を実行する機能を備えた複合機である。この画像処理装置10は、画像処理におけるユーザ毎の個人設定に関する個人設定情報の登録を行うことができる。個人設定情報とは、例えば、画像処理としてコピーを実行する場合、デフォルトをカラー印刷に設定することである。
【0026】
そして、第1の実施形態は、画像処理装置10に登録された一のユーザの個人設定情報を、当該一のユーザとは異なるユーザに対して共有することが可能となっている。この詳細については後述する。
【0027】
次に、画像処理装置10のハードウェア構成について説明する。
図1は、画像処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像処理装置10は、画像処理装置10の動作を制御する制御部20を備えている。この制御部20は、CPU22(=Central Processing Unit)、ROM24(=Read Only Memory)、RAM26(=Random Access Memory)、及び入出力インターフェース(=I/O28)がバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0028】
CPU22は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU22は、ROM24からプログラムを読み出し、RAM26を作業領域としてプログラムを実行する。CPU22は、ROM24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0029】
ROM24は、各種プログラム及び各種データを格納する。この各種プログラムには、少なくとも、コンピュータを画像処理装置10のCPU22として機能させるための情報処理プログラムとしての画像処理プログラムが含まれている。なお、画像処理プログラムは、画像処理装置10に予めインストールされていてもよいし、不揮発性の記憶媒体に記憶したり、又は、ネットワークを介して配布したりして、画像処理装置10に適宜インストールしてもよい。不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD(=Hard Disk Drive)、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0030】
RAM26は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
I/O28には、記憶部30、表示部32、操作部34、及び通信部36が接続されている。
【0031】
記憶部30としては、例えば、HDD、SSD(=Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。
表示部32には、例えば、液晶ディスプレイ(=LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。この表示部32は、タッチパネルを一体的に有している。
【0032】
操作部34には、画像処理装置10のユーザから各種の指示を受け付けるための操作キー群が設けられている。
表示部32及び操作部34は、ユーザから各種の指示を受け付ける。この各種の指示には、例えば、スキャン機能を開始させる指示や、コピー機能を開始させる指示等が含まれる。表示部32は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0033】
通信部36は、図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置とネットワークを介して通信を行う。このネットワークには、例えば、インターネット、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)等が適用される。
【0034】
次に、
図2から
図4を用いて、個人設定情報の共有が行われる流れについて説明する。以下では、共有が行われる個人設定情報を「コピー機能における個人設定情報」とする。また、以下では、自己の個人設定情報を自己以外のユーザに提供する側を「提供側ユーザ」とし、提供側ユーザの個人設定情報の共有を要求する側を「要求側ユーザ」とする。ここで、要求側ユーザは「特定ユーザ」の一例であり、提供側ユーザは「他のユーザ」の一例である。
【0035】
図2に示すステップS10において、CPU22は、要求側ユーザにより画像処理装置10にログインされたか否かを判定する。そして、画像処理装置10にログインされたと判定された場合にはステップS11に進み、画像処理装置10にログインされたと判定されない場合には再度ステップS10となる。なお、ここでは、CPU22は、ユーザが要求側ユーザであるか、提供側ユーザであるか等は判定していない。あくまで、ステップS10では、ユーザにより画像処理装置10にログインされたか否かを判定している。後のステップS11で、ログインしたユーザが、別のユーザの個人設定情報を使用するために、当該別のユーザを選択することで、当該ログインしたユーザが要求側ユーザとなり、当該別のユーザが提供側ユーザとなる。
図2においては、ログインしたユーザが別のユーザをステップS11において選択することを前提として、便宜的に最初から、ステップS10でログインしたユーザを、要求側ユーザと呼んでいる。
【0036】
図3(A)は、表示部32に表示されたログイン画面の表示例である。
図3(A)では、画像処理装置10を要求側ユーザが操作し、一例として、要求側ユーザを「ユーザA」としている。ユーザAは、表示されたログイン画面において、対応する「ユーザ名」及び「パスワード」を入力した後、「ログインボタン40」を操作する。
【0037】
CPU22は、予め登録されたユーザAの「ユーザ名」及び「パスワード」と、入力された「ユーザ名」及び「パスワード」とが一致した場合、ユーザAにより画像処理装置10にログインされたと判定する。そして、ユーザAは、ユーザを認証可能な認証情報の入力により画像処理装置10にログインしたため、一意のユーザとして特定されている。すなわち、要求側ユーザであるユーザAは「特定ユーザ」の一例である。また、ここでの「認証情報」は、「ユーザ名」及び「パスワード」を用いたパスワード認証となっている。
【0038】
図2に示すステップS11において、CPU22は、個人設定情報の複製を希望する提供側ユーザの選択を受け付ける。その後、ステップS12に進む。
【0039】
図3(B)及び(C)は、表示部32に表示されたログイン後の表示例である。
図3(B)及び(C)では、画像処理装置10を要求側ユーザである「ユーザA」が操作する。ユーザAは、表示された画面において、「個人用設定ボタン42」を操作し(
図3(B)参照)、その後に表示された個人用設定に対応する複数の項目の中から「複製ボタン44」を操作する(
図3(C)参照)。
【0040】
ユーザAによる上記の操作が行われた場合、CPU22は、
図4(A)に示す「ユーザ一覧画面」を表示部32に表示し、個人設定情報の複製を希望する提供側ユーザの選択を受け付ける。このユーザ一覧画面には、画像処理装置10に個人設定情報が登録されたユーザが表示される。ここで、ユーザAは、表示されたユーザの中から提供側ユーザとして「ユーザB」を選択したものとする。この提供側ユーザであるユーザBは「他のユーザ」の一例である。換言すると、このステップS11では、CPU22は、要求側ユーザであるユーザAから、提供側ユーザであるユーザBの個人設定情報の共有要求を取得している、ともいえる。
【0041】
図2に示すステップS12において、CPU22は、提供側ユーザの許可情報があるか否かを判定する。そして、提供側ユーザの許可情報があると判定された場合にはステップS13に進み、提供側ユーザの許可情報があると判定されない場合には再度ステップS12となる。許可情報とは、提供側ユーザによる要求側ユーザに対する個人設定情報の共有の許可を表す情報である。
【0042】
図4(B)は、表示部32に表示された提供側ユーザの許可情報の入力画面の表示例である。
図4(B)では、画像処理装置10を提供側ユーザである「ユーザB」が操作する。
【0043】
図4(B)に示すように、当該入力画面では、
図3(A)に示すログイン画面と同様にユーザによる「パスワード」の入力が可能となっている。一方、当該入力画面では、
図3(A)に示すログイン画面と異なり、ユーザによる「ユーザ名」の入力は受け付けておらず、この「ユーザ名」には、提供側ユーザである「ユーザB」の名前が予め入力されている。
【0044】
ユーザBは、表示された入力画面において、対応する「パスワード」を入力した後、「認証ボタン46」を操作する。つまり、CPU22は、許可情報として提供側ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付けており、予め登録されたユーザBの「パスワード」と、入力された「パスワード」とが一致した場合、提供側ユーザによる許可が存在すると判定する。ここでの「認証情報」は、「ユーザ名」及び「パスワード」を用いたパスワード認証となっている。このように、CPU22は、ステップS11で要求側ユーザであるユーザAからの個人設定情報の共有要求を取得した後に、ステップS12で提供側ユーザであるユーザBの許可情報の入力を受け付けている。
【0045】
図2に示すステップS13において、CPU22は、提供側ユーザの個人設定情報を表示部32に表示させる。そして、当該処理を終了する。
【0046】
図4(C)は、提供側ユーザの個人設定を示す表示例である。
図4(C)に示すように、表示部32には、提供側ユーザであるユーザBの個人設定が表示されている。
図4(C)では、画像処理装置10を要求側ユーザである「ユーザA」が操作する。ユーザAは、表示された画面において、複数の個人設定情報の中から「XX社提出用」を選択し、「複製ボタン48」を操作したものとする。この場合、CPU22は、ユーザAの個人設定に、当該選択されたユーザBの個人設定情報である「XX社提出用」を複製する。そのため、この複製後にユーザAの個人設定が表示された場合には、当該複製した個人設定情報である「XX社提出用」が表示され、ユーザAの個人設定として選択可能となっている。
【0047】
以上のように、CPU22は、許可情報が入力された場合、要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報の入力を受け付けている。そして、CPU22は、提供側ユーザの個人設定として、複数の個人設定情報が存在する場合、複数の個人設定情報のうち任意の個人設定情報について共有を許可する。第1の実施形態では、表示された提供側ユーザの全ての個人設定情報の中から要求側ユーザが任意の個人設定情報を選択することで、CPU22による上記の許可が行われる。
【0048】
(作用効果)
CPU22は、認証情報の入力により特定される要求側ユーザから提供側ユーザの個人設定情報の共有要求を取得し、その後、提供側ユーザによる許可情報に従って、要求側ユーザに対して提供側ユーザの個人設定情報の共有を許可する。
【0049】
そのため、第1の実施形態によれば、提供側ユーザによる許可が存在する場合に、提供側ユーザの個人設定情報を認証情報の入力により特定される要求側ユーザが利用可能となる。第1の実施形態によれば、例えば、業務引き継ぎが発生した場合に業務に紐付いた提供側ユーザの個人設定を、認証情報の入力により特定される要求側ユーザとの限定されたユーザ間で共有可能となる。
【0050】
CPU22は、要求側ユーザからの個人設定情報の共有要求を取得した後に許可情報の入力を受け付け、許可情報が入力された場合、要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報の入力を受け付ける。そのため、第1の実施形態によれば、共有を許可する個人設定情報の入力を要求側ユーザからの個人設定情報の共有要求を取得する都度行える。
【0051】
CPU22は、提供側ユーザの個人設定として、複数の個人設定情報が存在する場合、複数の個人設定情報のうち任意の個人設定情報について共有を許可する。そのため、第1の実施形態によれば、複数の個人設定情報のうち共有を許可する情報と許可しない情報との区別を行える。
【0052】
CPU22は、許可情報として提供側ユーザを認証可能な認証情報の入力を受け付ける。そのため、第1の実施形態によれば、提供側ユーザの個人設定情報の共有を許可するために提供側ユーザの認証情報の入力が要求される。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、要求側ユーザによる個人設定情報の共有要求が行われる前に、提供側ユーザが予め各要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報を選択可能となっている。
【0054】
図5は、第2の実施形態における個人設定情報の共有が行われる流れを示すフローチャートである。
図5に示すステップS20において、CPU22は、提供側ユーザにより画像処理装置10にログインされたか否かを判定する。そして、画像処理装置10にログインされたと判定された場合にはステップS21に進み、画像処理装置10にログインされたと判定されない場合には再度ステップS20となる。なお、ここでは、CPU22は、ユーザが要求側ユーザであるか、提供側ユーザであるか等は判定していない。あくまで、ステップS20では、ユーザにより画像処理装置10にログインされたか否かを判定している。後のステップS21で、ログインしたユーザが、自身の個人設定情報を共有することを選択することで、提供側ユーザとなる。
図5においては、ログインしたユーザが個人設定情報を共有することを前提として、便宜的に最初から、ステップS20でログインしたユーザを、提供側ユーザと呼んでいる。
【0055】
図6(A)は、表示部32に表示されたログイン画面の表示例である。
図6(A)では、画像処理装置10を提供側ユーザが操作し、一例として、提供側ユーザを「ユーザB」としている。ユーザBは、表示されたログイン画面において、対応する「ユーザ名」及び「パスワード」を入力した後、「ログインボタン40」を操作する。
【0056】
CPU22は、予め登録されたユーザBの「ユーザ名」及び「パスワード」と、入力された「ユーザ名」及び「パスワード」とが一致した場合、ユーザBにより画像処理装置10にログインされたと判定する。
【0057】
図5に示すステップS21において、CPU22は、提供側ユーザが共有を許可する個人設定情報を受け付ける。その後、ステップS22に進む。
【0058】
図6(B)及び(C)は、表示部32に表示されたログイン後の表示例である。
図6(B)及び(C)では、画像処理装置10を提供側ユーザである「ユーザB」が操作する。ユーザBは、表示された画面において、「個人用設定ボタン42」を操作し(
図6(B)参照)、その後に表示された個人用設定に対応する複数の項目の中から「提供ボタン50」を操作する(
図6(C)参照)。
【0059】
ユーザBによる上記の操作が行われた場合、CPU22は、
図7(A)に示す「ユーザ一覧画面」を表示部32に表示し、自己の個人設定情報の共有を許可するユーザ、すなわち、要求側ユーザの選択を受け付ける。ここで、ユーザBは、表示されたユーザの中から「ユーザA」を要求側ユーザとして選択したものとする。CPU22は、提供側ユーザによる要求側ユーザの選択が行われた場合、当該要求側ユーザに対する提供側ユーザの許可情報の入力があったと判定する。
【0060】
要求側ユーザが選択された後、CPU22は、
図7(B)に示す「ユーザBの個人設定」を表示部32に表示し、表示された複数の個人設定情報のうち、要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報の入力を受け付ける。
図7(B)では、画像処理装置10を提供側ユーザである「ユーザB」が操作する。ユーザBは、表示された画面において、複数の個人設定情報の中から「人事提出用」及び「XX社提出用」を選択し、「許可ボタン52」を操作したものとする。この場合、CPU22は、許可情報が入力されたものと判定し、ユーザAに対し、ユーザBの個人設定情報のうち、「人事提出用」及び「XX社提出用」の共有を許可する。なお、ユーザBは、要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報を入力した後、画像処理装置10からログアウトしたものとする。
【0061】
図5に示すステップS22において、CPU22は、要求側ユーザにより画像処理装置10にログインされたか否かを判定する。そして、画像処理装置10にログインされたと判定された場合にはステップS23に進み、画像処理装置10にログインされたと判定されない場合には再度ステップS22となる。
【0062】
図8(A)は、表示部32に表示されたログイン画面の表示例である。
図8(A)では、画像処理装置10を要求側ユーザが操作し、一例として、要求側ユーザを「ユーザA」としている。ユーザAは、表示されたログイン画面において、対応する「ユーザ名」及び「パスワード」を入力した後、「ログインボタン40」を操作する。
【0063】
CPU22は、予め登録されたユーザAの「ユーザ名」及び「パスワード」と、入力された「ユーザ名」及び「パスワード」とが一致した場合、ユーザAにより画像処理装置10にログインされたと判定する。
【0064】
図5に示すステップS23において、CPU22は、個人設定情報の複製を希望する提供側ユーザの選択を受け付ける。その後、ステップS24に進む。
【0065】
図8(B)及び(C)は、表示部32に表示されたログイン後の表示例である。
図8(B)及び(C)では、画像処理装置10を要求側ユーザである「ユーザA」が操作する。ユーザAは、表示された画面において、「個人用設定ボタン42」を操作し(
図8(B)参照)、その後に表示された個人用設定に対応する複数の項目の中から「複製ボタン44」を操作する(
図8(C)参照)。
【0066】
ユーザAによる上記の操作が行われた場合、CPU22は、
図9(A)に示す「ユーザ一覧画面」を表示部32に表示し、個人設定情報の複製を希望する提供側ユーザの選択を受け付ける。ここで、ユーザAは、表示されたユーザの中から提供側ユーザとして「ユーザB」を選択したものとする。換言すると、このステップS23では、CPU22は、要求側ユーザであるユーザAから、提供側ユーザであるユーザBの個人設定情報の共有要求を取得している、ともいえる。
【0067】
図5に示すステップS24において、CPU22は、ステップS23にて選択された提供側ユーザの許可情報があるか否かを判定する。そして、提供側ユーザの許可情報があると判定された場合にはステップS25に進み、提供側ユーザの許可情報があると判定されない場合には当該処理を終了する。
【0068】
ここで、上記のステップS21において、ステップS23にて選択された提供側ユーザが、ステップS22にて画像処理装置10にログインした要求側ユーザに対し共有を許可する個人設定情報を設定していた場合、CPU22は、提供側ユーザの許可情報があると判定する。
【0069】
このように、CPU22は、ステップS23で要求側ユーザからの個人設定情報の共有要求を取得する前に、ステップS21で許可情報の入力を受け付けている。そして、CPU22は、許可情報が入力された場合、同じステップS21において、要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報の入力を受け付けている。
【0070】
図5に示すステップS25において、CPU22は、提供側ユーザの個人設定情報を表示部32に表示させる。そして、当該処理を終了する。
【0071】
図9(B)は、提供側ユーザの個人設定を示す表示例である。
図9(B)に示すように、表示部32には、提供側ユーザの複数の個人設定情報のうち、ステップS21にてユーザBにより共有が許可された個人設定情報である「人事提出用」及び「XX社提出用」が表示されている。
【0072】
図9(B)では、画像処理装置10を要求側ユーザである「ユーザA」が操作する。ユーザAは、表示された画面において、「人事提出用」及び「XX社提出用」の双方を選択し、「複製ボタン48」を操作したものとする。この場合、CPU22は、ユーザAの個人設定に、当該選択されたユーザBの個人設定情報である「人事提出用」及び「XX社提出用」を複製する。そのため、この複製後にユーザAの個人設定が表示された場合には、当該複製した個人設定情報である「人事提出用」及び「XX社提出用」が表示され、ユーザAの個人設定として選択可能となっている。
【0073】
(作用効果)
CPU22は、要求側ユーザからの個人設定情報の共有要求を取得する前に提供側ユーザの許可情報の入力を受け付け、許可情報が入力された場合、要求側ユーザに対して共有を許可する個人設定情報の入力を受け付ける。
【0074】
そのため、第2の実施形態によれば、要求側ユーザから個人設定情報の共有要求を取得する都度、共有を許可する個人設定情報を入力する構成に比べて、個人設定情報の入力回数が減少する。
【0075】
(その他)
上記の実施形態では、特定ユーザとしての要求側ユーザを一のユーザとした。しかし、これに限らず、要求側ユーザは、二以上のユーザ又は二以上のユーザから構成されるグループとしてもよい。このように構成することで、二以上のユーザ又はユーザのグループ内で提供側ユーザの個人設定情報が利用可能となる。
【0076】
上記の実施形態では、要求側ユーザに対し、提供側ユーザの個人設定情報の共有が許可される有効期限を設けず、一度許可されれば永続的に共有が可能とされていたが、これに限らず、個人設定情報の共有が許可される有効期限を設けてもよい。例えば、CPU22は、個人設定情報の共有を許可する有効期限の設定を受け付け、要求側ユーザから個人設定情報の共有要求を取得した際に有効期限に合致すれば個人設定情報の共有を許可することとしてもよい。このように構成することで、個人設定情報の共有の一時的な許可が行える。
【0077】
上記の実施形態では、提供側ユーザを認証可能な認証情報の入力として、パスワード認証が行われていた。しかし、これに限らず、提供側ユーザを認証可能な認証情報の入力は、パスワード認証、パターン認証、及び生体認証のうち少なくとも2つの認証が行われることとしてもよい。このように構成することで、認証情報の入力がパスワード認証、パターン認証、又は生体認証の1つで足りる構成に比べて、個人設定情報の秘匿性が高められる。
【0078】
上記の実施形態では、提供側ユーザの個人設定として「人事提出用」及び「XX社提出用」等の題名を表示部32に表示したが、これに加えて、当該個人設定情報に含まれる画像処理設定を表示してもよい。例えば、個人設定情報として「人事提出用」が選択された場合、これに含まれる画像処理設定として「カラー印刷」、「トレイ1」、及び「両面印刷」等を表示部32に表示してもよい。
【0079】
上記の実施形態では、ユーザ一覧画面において、画像処理装置10に個人設定情報が登録されたユーザが表示されることとした。しかし、これに限らず、ユーザ一覧画面では、画像処理装置10に個人設定情報が登録されたユーザのうち、個人設定情報の共有を許可するユーザのみを表示する等、限られたユーザを表示することとしてもよい。
【0080】
上記の実施形態では、画像処理としてコピー機能における個人設定情報の共有が行われる流れについて説明したが、設定可能な個人設定情報の画像処理はコピーに限らず、プリントやFAX等の任意の画像処理を適用することができる。
【0081】
第1の実施形態では、提供側ユーザの全ての個人設定情報が表示部32に表示され、その中から要求側ユーザが所望の個人設定情報を選択することとした。しかし、これに限らず、提供側ユーザの個人設定情報が表示部32に表示される前に、表示部32に表示させる個人設定情報を選択可能としてもよい。このように構成することで、複数の個人設定情報のうち要求側ユーザに視認させる情報と視認させない情報との区別を行える。
【0082】
第1の実施形態は、業務引き継ぎ時を想定しており、要求側ユーザであるユーザA及び提供側ユーザであるユーザBの双方が常に画像処理装置10の前にいる場合を例に説明した。しかし、これに限らず、CPU22が要求側ユーザによる提供側ユーザの選択を受け付けた場合に、当該提供側ユーザの端末装置に通知を送信することとしてもよい。このように構成することで、提供側ユーザを常に帯同させることなく、認証情報の入力等の必要なときに画像処理装置10の前に提供側ユーザを呼び出すことができる。
【0083】
上記の実施形態において、画像処理装置10が備えるCPU22は、プロセッサの一例である。そして、このプロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:=Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:=Graphics Processing Unit、ASIC:=Application Specific Integrated Circuit、FPGA:=Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0084】
また、上記のプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。さらに、上記のプロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 画像処理装置(情報処理装置の一例)
22 CPU(プロセッサの一例)