(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】車両用部品、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/55 20180101AFI20230829BHJP
F21S 43/50 20180101ALI20230829BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20230829BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20230829BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20230829BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20230829BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20230829BHJP
【FI】
F21S41/55
F21S43/50
F21S45/00
F21W102:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W105:00
(21)【出願番号】P 2019199220
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂下 祐彬
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-38712(JP,A)
【文献】実開平6-073805(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/55
F21S 43/50
F21S 45/00
F21W 102/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 105/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両用部品と第2車両用部品とが、前記第1車両用部品に前記第2車両用部品を組み付けた時に、固定構造により、相互に固定されている車両用部品であって、
前記第1車両用部品は、2つの壁部と、2つの前記壁部により形成されている曲部と、を有し、
前記第2車両用部品は、前記第1車両用部品の一方の前記壁部に並んで配置されていて、
前記固定構造は、
前記第1車両用部品の前記曲部に、前記第2車両用部品側に向けて突出して設けられている突出部と、
前記第2車両用部品に、前記第2車両用部品の面に対して交差する方向に弾性を有し、かつ、前記第2車両用部品の面に沿って設けられている弾性部と、
を有し、
前記弾性部は、前記第1車両用部品の一方の前記壁部と前記突出部とにそれぞれ当たっていて、前記第1車両用部品の一方の前記壁部と前記突出部との間において、前記組み付け方向と、前記組み付け方向に対して逆方向とに、それぞれ、固定されている、
ことを特徴とする車両用部品。
【請求項2】
前記弾性部が前記第1車両用部品の一方の前記壁部に当たっている当たり面と、前記弾性部が前記突出部に当たっている当たり面とは、前記組み付け方向に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用部品。
【請求項3】
前記第1車両用部品の一方の前記壁部には、追加突出部が、前記突出部に向き合い、かつ、前記第2車両用部品側に向けて突出して設けられていて、
前記弾性部は、前記追加突出部と前記突出部とにそれぞれ当たっていて、前記追加突出部と前記突出部との間において、前記組み付け方向と、前記組み付け方向に対して逆方向とに、それぞれ、固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用部品。
【請求項4】
前記弾性部が前記追加突出部に当たっている当たり面と、前記弾性部が前記突出部に当たっている当たり面とは、前記組み付け方向に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用部品。
【請求項5】
前記突出部には、前記弾性部を囲う片部が、設けられている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用部品。
【請求項6】
灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されているランプユニット、および、前記請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用部品と、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項7】
前記第1車両用部品および前記第2車両用部品は、それぞれ、一方が開口している筒形状の立壁部から構成されていて、
前記第1車両用部品の前記立壁部は、前記第2車両用部品の前記立壁部により被されていて、
前記第1車両用部品の前記立壁部は、前記第1車両用部品の一方の前記壁部であり、
前記第2車両用部品の前記立壁部は、前記第1車両用部品の前記立壁部に並んで配置されていて、
前記第1車両用部品の前記立壁部の他方には、閉塞壁部が一体に設けられていて、
前記第1車両用部品の前記閉塞壁部には、透孔が設けられていて、
前記ランプユニットは、光軸調整装置により、光軸調整されるランプユニットであり、前記透孔を経て前記ランプレンズに向き合って、配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固定構造により第1車両用部品と第2車両用部品とが相互に固定されている車両用部品に関するものである。また、この発明は、固定構造により第1車両用部品と第2車両用部品とが相互に固定されている車両用部品を、備える車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固定構造により第1車両用部品と第2車両用部品とが相互に固定されている車両用部品、および、この車両用部品を備える車両用灯具としては、たとえば、特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1の車両用灯具は、灯具ボディとレンズとを備える。灯具ボディには、係合穴が設けられている。レンズ周縁リブには、ランスが一体に設けられている。灯具ボディにレンズを装着して、係合穴にランスを係合させることにより、灯具ボディとレンズとが相互に固定される。係合孔の縁部とランスとは、灯具ボディとレンズとを相互に固定する固定構造を構成する。
【0004】
特許文献1の車両用灯具は、係合穴にランスを係合させる時に、ランスを弾性変形させる必要がある。これにより、特許文献1の車両用灯具は、灯具ボディの前面開口の前端部からランスが係合する係合穴の前端部までの長さと、レンズを装着したときの灯具ボディの前面開口の前端部からレンズの周縁リブの先端部までの長さと、を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の車両用灯具は、ランスをレンズの曲部から突出させて設けた場合、ランスを弾性変形させるため、ランスをレンズの曲部から突出させる長さを長くする必要がある。また、特許文献1の車両用灯具は、係合穴を有する部分を灯具ボディの曲部から突出させて設けた場合、係合穴を有する部分を弾性変形させるため、係合穴を有する部分を灯具ボディの曲部から突出させる長さを長くする必要がある。この結果、特許文献1の車両用灯具は、省スペースの固定構造が得られ難い。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、省スペースの固定構造が得られる車両用部品、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の車両用部品は、第1車両用部品と第2車両用部品とが、第1車両用部品に第2車両用部品を組み付けた時に、固定構造により、相互に固定されている車両用部品であって、第1車両用部品が、2つの壁部と、2つの壁部により形成されている曲部と、を有し、第2車両用部品が、第1車両用部品の一方の壁部に並んで配置されていて、固定構造が、第1車両用部品の曲部に、第2車両用部品側に向けて突出して設けられている突出部と、第2車両用部品に、第2車両用部品の面に対して交差する方向に弾性を有し、かつ、第2車両用部品の面に沿って設けられている弾性部と、を有し、弾性部が、第1車両用部品の一方の壁部と突出部とにそれぞれ当たっていて、第1車両用部品の一方の壁部と突出部との間において、組み付け方向と、組み付け方向に対して逆方向とに、それぞれ、固定されている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明の車両用部品において、弾性部が第1車両用部品の一方の壁部に当たっている当たり面と、弾性部が突出部に当たっている当たり面とが、組み付け方向に対して傾斜している、ことが好ましい。
【0010】
この発明の車両用部品において、第1車両用部品の一方の壁部には、追加突出部が、突出部に向き合い、かつ、第2車両用部品側に向けて突出して設けられていて、弾性部が、追加突出部と突出部とにそれぞれ当たっていて、追加突出部と突出部との間において、組み付け方向と、組み付け方向に対して逆方向とに、それぞれ、固定されている、ことが好ましい。
【0011】
この発明の車両用部品において、弾性部が追加突出部に当たっている当たり面と、弾性部が突出部に当たっている当たり面とが、組み付け方向に対して傾斜している、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車両用部品において、突出部には、弾性部を囲う片部が、設けられている、ことが好ましい。
【0013】
この発明の車両用灯具は、灯室を形成するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されているランプユニット、および、この発明の車両用部品と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
この発明の車両用灯具において、第1車両用部品および第2車両用部品が、それぞれ、一方が開口している筒形状の立壁部から構成されていて、第1車両用部品の立壁部が、第2車両用部品の立壁部により被されていて、第1車両用部品の立壁部が、第1車両用部品の一方の壁部であり、第2車両用部品の立壁部は、第1車両用部品の立壁部に並んで配置されていて、第1車両用部品の立壁部の他方には、閉塞壁部が一体に設けられていて、第1車両用部品の閉塞壁部には、透孔が設けられていて、ランプユニットが、光軸調整装置により、光軸調整されるランプユニットであり、透孔を経てランプレンズに向き合って、配置されている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
この発明の車両用部品、車両用灯具は、省スペースの固定構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、この発明にかかる車両用部品、車両用灯具の実施形態を示す車両用灯具の縦断面図である。
【
図2】
図2は、車両用部品の固定構造を示す一部拡大縦断面図(
図1におけるII部の拡大縦断面図)である。
【
図3】
図3は、固定構造の要部を示す一部拡大縦断面図(
図2の要部をさらに拡大した拡大縦断面図)である。
【
図4】
図4は、第1車両用部品に第2車両用部品を組み付ける前の状態を示す一部拡大縦断面図(
図2に対応する拡大縦断面図)である。
【
図5】
図5は、第1車両用部品に第2車両用部品を組み付けている途中の状態を示す一部拡大縦断面図(
図2に対応する拡大縦断面図)である。
【
図6】
図6は、固定構造の要部を示す一部拡大縦断面図(
図5の要部をさらに拡大した拡大縦断面図)である。
【
図7】
図7は、第1車両用部品に第2車両用部品を組み付けている途中の状態であって、弾性部が弾性変形している状態を示す一部拡大縦断面図(
図2に対応する拡大縦断面図)である。
【
図8】
図8は、固定構造の要部を示す一部拡大縦断面図(
図7の要部をさらに拡大した拡大縦断面図)である。
【
図9】
図9は、第1車両用部品の固定構造を示す一部拡大背面図(
図4におけるIX矢視図)である。
【
図10】
図10は、第2車両用部品の固定構造を示す一部拡大背面図(
図4におけるX矢視図)である。
【
図11】
図11は、第1車両用部品と第2車両用部品とが相互に固定されている状態を示す一部拡大背面図(
図2におけるXI矢視図)である。
【
図12】
図12は、一般の固定構造を示す一部拡大縦断面図(
図2に対応する拡大縦断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明にかかる車両用部品、車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用部品、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。また、図面においては、概略図であるため、主要部品を図示し、主要部品以外の部品の図示を省略する。さらに、
図1においては、ハッチングを省略する。
【0018】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具の構成について説明する。図中、符号1は、この実施形態にかかる車両用灯具である。
【0019】
(車両用灯具1の説明)
車両用灯具1は、この例では、フロントコンビネーションランプである。車両用灯具1は、車両(図示せず)の前部の左右両側にそれぞれ装備される。
【0020】
車両用灯具1は、
図1に示すように、ランプハウジング10と、ランプレンズ11と、ヘッドランプユニット12と、導光部材13と、第1車両用部品2と、第2車両用部品3と、を備える。
【0021】
ランプハウジング10は、たとえば、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプハウジング10は、前側が開口していて、後側が閉塞した中空形状をなす。
【0022】
ランプレンズ11は、たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなどであって、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。ランプレンズ11は、後側が開口していて、前側が閉塞した中空形状をなす。
【0023】
ランプハウジング10およびランプレンズ11は、灯室14を形成する。すなわち、ランプハウジング10の開口部の全周縁とランプレンズ11の開口部の全周縁とは、ホットメルトタイプの接着剤15により接着固定されている。これにより、灯室14が形成される。
【0024】
灯室14には、ヘッドランプユニット12、導光部材13、第1車両用部品2および第2車両用部品3が、それぞれ、配置されている。なお、灯室14内には、ヘッドランプユニット12以外のランプユニット、たとえば、クリアランスランプユニット、ターンシグナルランプユニットなど、その他のランプユニットが配置される場合がある。また、灯室14内には、点灯回路ユニットやその他の車両用部品が配置される場合がある。
【0025】
ヘッドランプユニット12は、光軸調整装置(図示せず)を介してランプハウジング10に取り付けられている。導光部材13は、クリアランスランプユニットを構成する部品である。導光部材13は、正面視(車両の前側から後ろ側に向かって見た状態)、円環形状をなす。導光部材13は、第2車両用部品3に保持されている。
【0026】
(車両用部品2、3、4の説明)
この実施形態にかかる車両用部品2、3、4は、第1車両用部品2と、第2車両用部品3と、固定構造4と、を備える。
【0027】
(第1車両用部品2および第2車両用部品3の説明)
第1車両用部品2と第2車両用部品3とは、第1車両用部品2に第2車両用部品3を、
図3から
図8中の実線矢印A(以下、「組み付け方向A」と称する)の向きに、組み付けた時に、固定構造4により、
図1から
図3、
図11に示すように、相互に固定されている。
【0028】
第1車両用部品2および第2車両用部品3は、スクリューなどの取付具(図示せず)により、ランプハウジング10に直接もしくは取付ブラケットなどを介して取り付けられている。
【0029】
第1車両用部品2は、この例では、化粧部材としてのインナーパネルである。第1車両用部品2は、ランプレンズ11に向かって配置されている。第1車両用部品2のうち、少なくとも、正面(ランプレンズ11に向き合う面)には、化粧、たとえば、アルミ蒸着やアルミ塗装などが施されている。
【0030】
第1車両用部品2のうち、導光部材13に対応する部分には、切り欠き部20が設けられている。切り欠き部20は、導光部材13と同様に、正面視、円環形状をなす。切り欠き部20は、導光部材13からの光をランプレンズ11側に出射させる。なお、第1車両用部品2の切り欠き部20の内側の部分と外側の部分とは、繋部(図示せず)により一体に繋がれている。
【0031】
第2車両用部品3は、この例では、保持部材としてのベースである。第2車両用部品3は、第1車両用部品2に対して、ランプレンズ11と反対側、すなわち、ヘッドランプユニット12側に配置されている。第2車両用部品3には、導光部材13を保持する保持部30が、第1車両用部品2の切り欠き部20に対応して、設けられている。保持部30は、導光部材13と同様に、正面視、円環形状をなす。保持部30の正面には、反射面、たとえば、アルミ蒸着やアルミ塗装などが施されている。
【0032】
第1車両用部品2および第2車両用部品3は、それぞれ、この例では、合成樹脂から構成されている。すなわち、第1車両用部品2および第2車両用部品3は、それぞれ、金型(図示せず)により成形されている。
【0033】
(第1車両用部品2および第2車両用部品3の各部分の説明)
第1車両用部品2および第2車両用部品3は、
図1、
図2、
図4、
図5、
図7、
図9から
図11に示すように、それぞれ、中央部分の筒部分21および31と、筒部分の周囲の環状部分22および32と、環状部分の周囲の外周縁部分23および33と、を有する。
【0034】
第1車両用部品2の筒部分21、環状部分22および外周縁部分23は、一体構造をなす。同じく、第2車両用部品3の筒部分31、環状部分32および外周縁部分33も、一体構造をなす。
図1に示すように、第1車両用部品2の筒部分21、環状部分22および外周縁部分23は、第2車両用部品3の筒部分31、環状部分32および外周縁部分33により被されている。
【0035】
第1車両用部品2および第2車両用部品3の筒部分21および31は、それぞれ、ランプレンズ11側が開口している筒形状の立壁部24および34と、立壁部24および34のヘッドランプユニット12側に一体に設けられている閉塞壁部25および35と、から構成されている。
【0036】
立壁部24および34と閉塞壁部25および35とは、それぞれ、2つの壁部であって、曲部を形成する。これにより、第1車両用部品2および第2車両用部品3は、それぞれ、2つの壁部の立壁部24および34、閉塞壁部25および35と、2つの壁部の立壁部24および34、閉塞壁部25および35により形成されている曲部と、を有する。立壁部24および34は、2つの壁部のうちの一方の壁部であり、閉塞壁部25および35は、2つの壁部のうちの他方の壁部である。第2車両用部品3の立壁部34、閉塞壁部35は、第1車両用部品2の立壁部24、閉塞壁部25に並んで配置されている。
【0037】
閉塞壁部25および35には、ヘッドランプユニット12側の開口26および36としての透孔26および36が、それぞれ、設けられている。この結果、筒部分21および31は、内部が中空状をなし、ヘッドランプユニット側とランプレンズ側とがそれぞれ開口している筒形状をなしている。
【0038】
ヘッドランプユニット側の開口26および36(透孔26および36。以下、「開口26および36」と称する)とランプレンズ側の開口とは、それぞれ、この例では、円形形状をなす。なお、ヘッドランプユニット側の開口26および36の中心とランプレンズ側の開口の中心とは、相互にずれている。
【0039】
閉塞壁部25および35のうち、ランプユニット側の開口26および36を設けた後の残った部分は、鍔部25および35を形成する。鍔部25および35(閉塞壁部25および35の残った部分)は、立壁部24および34のヘッドランプユニット12側の開口26および36の縁に一体に設けられている。なお、第1車両用部品2の鍔部25の開口26側の縁部分は、後側、すなわち、ランプレンズ11側に対して反対側に、折れ曲がっている。
【0040】
立壁部24および34は、ヘッドランプユニット12側の開口26および36からランプレンズ11側の開口にかけて、広がるように、組み付け方向Aに対して、鍔部25および35と反対側に傾斜している。鍔部25および35は、組み付け方向Aに対して垂直である。この結果、2つの壁部の立壁部24および34と鍔部25および35との曲部は、鈍角である。
【0041】
第1車両用部品2の環状部分22には、前記の切り欠き部20が設けられている。第2車両用部品3の環状部分32には、前記の保持部30が設けられている。外周縁部分23および33は、ランプハウジング10の開口部の全周縁およびランプレンズ11の開口部の全周縁に近接して配置されている。
【0042】
(固定構造4の説明)
固定構造4は、
図1、
図9から
図11に示すように、第1車両用部品2および第2車両用部品3の開口26および36の円周に沿って3箇所(左、下、右)に設けられている。なお、固定構造4を設ける箇所や数は、特に限定しない。
【0043】
固定構造4は、
図2から
図11に示すように、突出部40と、追加突出部41と、弾性部42と、を有する。
【0044】
(突出部40および追加突出部41の説明)
突出部40は、第1車両用部品2の曲部に、第2車両用部品3の曲部に向けて突出して一体に設けられている。追加突出部41は、第1車両用部品2の立壁部24に、第2車両用部品3の立壁部34に向けて突出して一体に設けられている。
【0045】
突出部40および追加突出部41の突出方向は、組み付け方向Aに対して、交差している。突出部40および追加突出部41は、スライド金型(図示せず)を使用して成形されている。
【0046】
突出部40および追加突出部41を含む第1車両用部品2は、スライド金型と、固定側金型(図示せず)と、可動側金型(図示せず)と、を備える射出成形機により成形されている。
【0047】
なお、
図2中の符号Bは、スライド範囲(スライド金型の範囲、スライド金型の寸法)を示す。すなわち、突出部40および追加突出部41を成形するスライド金型のスライド範囲である。さらに、
図2中の符号Cは、固定構造4の範囲(固定構造4の寸法、突出部40の組み付け方向Aの長さ)を示す。
【0048】
突出部40と追加突出部41とは、隙間43を介して、組み付け方向Aに向き合っている。突出部40は、追加突出部41に対して、組み付け方向Aと反対側に設けられている。
【0049】
突出部40は、
図9に示すように、両端部分400と一側部分とが第1車両用部品2に一体であり、他側部分が開口していて、中間部分が空洞(前記の隙間43)である、形状をなしている。この結果、突出部40は、高い剛性を有する。また、高い剛性を有する突出部40は、高い剛性を有する第1車両用部品2の曲部に設けられている。突出部40の断面形状は、
図2から
図8に示すように、他側部分が膨らんだ形状をなしている。
【0050】
突出部40の両端部分400には、後記の弾性部42の両側縁を囲う片部400が、設けられている。
【0051】
ここで、組み付け方向Aは、
図3から
図8における右方向であって、車両用灯具1の前方向である。また、組み付け方向Aに対して逆方向は、
図3から
図8における左方向であって、車両用灯具1の後方向である。
【0052】
追加突出部41は、
図9に示すように、突出部40の空洞の中間部分の中央に配置されている。追加突出部41の形状は、
図2から
図9に示すように、小凸部(小リブ)形状をなしている。
【0053】
(弾性部42の説明)
弾性部42は、第2車両用部品3の立壁部34のうち、閉塞壁部35(鍔部35)側の部分に、第2車両用部品3の立壁部34の壁面(第2車両用部品3の面)に対して交差する方向に弾性を有し、かつ、第2車両用部品3の立壁部34の壁面に沿って設けられている。
【0054】
図10に示すように、弾性部42の三方は、空間部(穴部、孔部、空洞部、切り欠き部など)44に囲まれている。
図7に示すように、弾性部42の残りの一方(一体部)45は、第2車両用部品3の開口36(透孔36)に対して反対側であって、第2車両用部品3に一体である。
図2、
図3および
図11に示すように、弾性部42の三方の空間部44中には、突出部40の両端部分である片部400と一側部分とが、それぞれ、挿入されている。
【0055】
空間部44は、第2車両用部品3の曲部を含む立壁部34および鍔部35に、弾性部42の三方を囲むようにして設けられている。この結果、弾性部42は、第2車両用部品3の立壁部34の壁面に対して交差する方向に弾性を有し、かつ、第2車両用部品3の立壁部34の壁面に沿っている。弾性部42は、通常時、第2車両用部品3の立壁部34の壁面に沿っている状態にあり、第2車両用部品3が第1車両用部品2に組み付け方向Aに組み付付けられて第1車両用部品2の突出部40に当たった時、一体部45を起点として、
図7および
図8中の実線矢印G方向に弾性変形する。
【0056】
(組み付け手順の説明)
以下、第1車両用部品2と第2車両用部品3との組み付け手順について、
図2から
図8を参照して、説明する。
【0057】
組み付け手順は、まず、第1車両用部品2の環状部分22を作業面(図示せず)上に載置させる。つぎに、
図4に示すように、第1車両用部品2の筒部分21、環状部分22および外周縁部分23に、第2車両用部品3の筒部分31、環状部分32および外周縁部分33を、組み付け方向Aに被せる。
【0058】
この時、
図5に示すように、第2車両用部品3の弾性部42の当たり面49が第1車両用部品2の突出部40のスライド面4Sに当たる。ここで、第2車両用部品3を第1車両用部品2に組み付け方向Aに押し付ける。すると、
図6に示すように、突出部40のスライド面4Sと弾性部42の当たり面49とにおいて、組み付け方向Aの押し付け力F1が作用する。
【0059】
押し付け力F1は、スライド面4Sおよび当たり面49の面方向の分力F2とスライド面4Sおよび当たり面49に対して垂直な面直方向の分力F3とに、分解される。面直方向の分力F3は、弾性部42の当たり面49に反力F4として作用する。
【0060】
この時、
図7および
図8に示すように、第2車両用部品3の弾性部42が、一体部45を支点として、実線矢印Gの向きに弾性変形する。弾性部42が弾性変形したままの状態で、第2車両用部品3を第1車両用部品2に組み付け方向Aにさらに押し付ける。
【0061】
すると、弾性部42の当たり面49が突出部40のスライド面4S上をスライドして、弾性部42の当たり面47と当たり面49との曲部が突出部40のスライド面4Sと当たり面46との曲部に達する。
【0062】
この時、弾性変形していた弾性部42が、弾性復帰力により、実線矢印Gの向きに対して反対向きに弾性復帰する。すると、
図2および
図3に示すように、弾性部42は、突出部40と追加突出部41とにそれぞれ当たっている。この結果、固定構造4により、第1車両用部品2と第2車両用部品3とが、相互に固定され、組み付けが完了する。この時、突出部40の両端部分である片部400と一側部分とは、それぞれ、弾性部42の三方の空間部44中に、挿入されている。また、突出部40の当たり面46と片部400の両方の面との計3面は、弾性部42を囲んでいる。
【0063】
ここで、突出部40のスライド面4Sと当たり面46との曲部、および、弾性部42の当たり面47と当たり面49との曲部は、それぞれ、湾曲面をなしている。これにより、弾性部42が弾性復帰する時に、弾性部42の当たり面47と当たり面49との曲部の湾曲面が、突出部40のスライド面4Sと当たり面46との曲部の湾曲面に沿って滑る。この結果、弾性部42の当たり面47は、突出部40の当たり面46に、容易にかつ確実に引き込まれて当たっている。
【0064】
(固定状態の説明)
以下、固定構造4による第1車両用部品2と第2車両用部品3との固定状態について、
図2および
図3を参照して、説明する。
【0065】
第1車両用部品2に第2車両用部品3を、組み付け方向Aに組み付ける。すると、
図2および
図3に示すように、固定構造4により、第1車両用部品2と第2車両用部品3とは、相互に固定されている。
【0066】
この時、弾性部42の当たり面47と当たり面49とは、突出部40の当たり面46と追加突出部41の当たり面48とにそれぞれ当たっている。すなわち、弾性部42の当たり面49は、面直方向の分力F3により、追加突出部41の当たり面48に当たっている。また、弾性部42の当たり面47は、反力F4により、突出部40の当たり面46に当たっている。
【0067】
この突出部40および弾性部42の当たり面46および47と、追加突出部41および弾性部42の当たり面48および49とは、相互に、組み付け方向Aに対して、それぞれ、傾斜する。この結果、弾性部42は、突出部40と追加突出部41との間において、組み付け方向Aと、この組み付け方向Aに対して逆方向とに、それぞれ、固定されている。
【0068】
この例において、第1車両用部品2の筒部分21の立壁部24および第2車両用部品3の筒部分31の立壁部34は、傾斜している。この結果、第2車両用部品3を第1車両用部品2に組み付け方向Aに組み付けた時に、第2車両用部品3の立壁部34が第1車両用部品2の立壁部24に当たって、第2車両用部品3を、組み付け方向Aにおいて固定することができる。なお、第2車両用部品3を組み付け方向Aにおいて固定する手段を、第1車両用部品2と第2車両用部品3とに、設けても良い。
【0069】
弾性部42が突出部40と追加突出部41との間において固定されている状態は、第1車両用部品2と第2車両用部品3とが仮固定されている状態である。仮固定の第1車両用部品2と第2車両用部品3とは、ランプハウジング10にスクリューなどの固定手段により共締めなどにより本固定される。
【0070】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0071】
ヘッドランプユニット12を点灯する。すると、ヘッドランプユニット12からの光は、ヘッドランプの配光パターンとして、第1車両用部品2および第2車両用部品3の開口26および36を経て、かつ、ランプレンズ11を透過して外部に出射する。
【0072】
光軸調整光軸調整装置により、ヘッドランプユニット12の光軸が調整される。この時、ヘッドランプユニット12と第1車両用部品2および第2車両用部品3の開口26および36の全周縁との間の隙間は、変化する。隙間の変化は、場所により、広がったり、あるいは、狭まったりする。
【0073】
また、クリアランスランプユニットを点灯すると、導光部材13からの光は、クリアランスランプの配光パターンとして、ランプレンズ11を透過して外部に出射する。さらに、他のランプユニットを点灯すると、他のランプユニットからの光は、他のランプの配光パターンとして、ランプレンズ11を透過して外部に出射する。
【0074】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0075】
この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40を第1車両用部品2の曲部に設け、弾性部42を第2車両用部品3の立壁部34に設けたものである。この結果、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40を弾性変形させる必要がないので、突出部40を第1車両用部品2の曲部から突出させる長さを、前記の特許文献1に記載のランスをレンズの曲部から突出させる長さよりも、また、前記の特許文献1に記載の係合穴を有する部分を灯具ボディの曲部から突出させる長さよりも、短くすることができる。これにより、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、省スペースの固定構造4が得られる。
【0076】
以下、前記の特許文献1に記載の一般の固定構造5について、
図12を参照して説明する。
図12中において、
図1から
図11までの符号と同符号は、同一物とする。
【0077】
第1車両用部品2の立壁部24と鍔部25との間の曲部には、弾性板部50が、組み付け方向Aに一体に設けられている。弾性板部50には、係合孔51が組み付け方向Aに対して交差する方向(直交する方向)に設けられている。
【0078】
第2車両用部品3の立壁部34と鍔部35との間の曲部には、延長部52が、弾性板部50に向き合って、組み付け方向Aに一体に設けられている。延長部52には、係合突起53が、係合孔51に対応して、かつ、組み付け方向Aに対して交差する方向(直交する方向)に設けられている。延長部52は、内部が中空状のインロー形状をなしている。
【0079】
第2車両用部品3の延長部52の係合突起53が、第1車両用部品2の弾性板部50の係合孔51に、係合することにより、第1車両用部品2と第2車両用部品3とが相互に固定される。
【0080】
しかしながら、第1車両用部品2の立壁部24と鍔部25との間の曲部は、高い剛性を有する。このため、この曲部に、弾性を有する弾性板部50を、設ける場合には、弾性板部50の組み付け方向Aの長さEを長くする必要がある。
【0081】
なお、
図12中の符号Dは、スライド範囲(スライド金型の範囲、スライド金型の寸法)を示す。すなわち、弾性板部50を成形するスライド金型のスライド範囲である。さらに、
図12中の符号Eは、一般の固定構造5の範囲(一般の固定構造5の寸法、弾性板部50の組み付け方向Aの長さ)を示す。
【0082】
これに対して、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、前記の通り、突出部40を第1車両用部品2の曲部に設け、弾性部42を第2車両用部品3の立壁部34に設けたものである。すなわち、突出部40は、弾性を必要としないので、突出部40の組み付け方向Aの長さCを長くする必要が無い。
【0083】
これにより、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40の組み付け方向Aの長さC(固定構造4の範囲C)を、
図12に示す一般の固定構造5の弾性板部50の組み付け方向Aの長さE(一般の固定構造5の範囲E)よりも、短くすることができる。これにより、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、省スペースの固定構造4が得られる。
【0084】
また、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40の長さCを、
図12に示す一般の固定構造5の弾性板部50の長さEよりも、短くすることができるので、突出部40および追加突出部41を成形するスライド金型のスライド範囲Bを、
図12に示す一般の固定構造5の係合孔51を有する弾性板部50を成形するスライド金型のスライド範囲Dよりも、狭く(小さく)することができる。
【0085】
一方、
図12に示す一般の固定構造5は、弾性板部50の長さEを長くする必要があるので、係合孔51を有する弾性板部50を成形するスライド金型のスライド範囲Dを、広くする必要がある。このため、
図12に示す一般の固定構造5は、第1車両用部品2を成形する金型の構造の選択肢において、制約がある。
【0086】
これに対して、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、スライド金型のスライド範囲Bを狭くすることができるので、第1車両用部品2を成形する金型の構造の選択肢が広がり、成形効率が向上し、かつ、製造コストを安価にすることができる。
【0087】
さらに、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40を第1車両用部品2の曲部から突出させる長さを短くすることができるので、第1車両用部品2の意匠的・構造的な制約が少なく、第1車両用部品2の意匠および構造の自由度が増す。
【0088】
しかも、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1の固定構造4の突出部40は、高い剛性を必要とするので、剛性が高い第1車両用部品2の立壁部24と閉塞壁部25との間の曲部に設けるのに適している。
【0089】
この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40および弾性部42の当たり面46および47と、追加突出部41および弾性部42の当たり面48および49とは、相互に、組み付け方向Aに対して、それぞれ、傾斜するものである。この結果、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、第1車両用部品2と第2車両用部品3とを、組み付け方向Aと、この組み付け方向Aに対して直交もしくは傾斜する方向とに、確実に強固に固定することができる。
【0090】
しかも、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、固定構造4を3箇所に設けたものであるから、第1車両用部品2と第2車両用部品3とを、組み付け方向Aと、この組み付け方向Aに対して直交もしくは傾斜する方向(車両用灯具1の上下方向、開口(透孔)26および36の径方向、あるいは、ヘッドランプユニット12の光軸(図示せず)に対して直交もしくは傾斜する方向)とに、さらに確実に強固に固定することができる。
【0091】
この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40に、弾性部42を囲う片部400を、設けたものである。これにより、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、突出部40の当たり面46と片部400の両方の面との計3面により、弾性部42を囲んでいる。この結果、この実施形態にかかる車両用部品、車両用灯具1は、第1車両用部品2と第2車両用部品3とを、組み付け方向Aに対して直交もしくは傾斜する方向(
図3から
図8における紙面に対して垂直な方向、
図9、
図11における開口(透孔)26および36の周方向)に確実に固定することができる。
【0092】
この実施形態にかかる車両用灯具1は、第1車両用部品2および第2車両用部品3の筒部分21および31に開口(透孔)26および36を設け、光軸調整装置により光軸調整されるヘッドランプユニット12を、開口(透孔)26および36を経てランプレンズ11に向き合わせて、配置したものである。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具1は、ヘッドランプユニット12の光軸を調整しても、ヘッドランプユニット12からの光を、第1車両用部品2および第2車両用部品3の筒部分21および31に開口(透孔)26および36を経て、かつ、ランプレンズ11を透過して外部に出射させることができる。
【0093】
しかも、この実施形態にかかる車両用灯具1は、突出部40の組み付け方向Aの長さCが短い車両用部品2、3、4を備えるものである。この結果、この実施形態にかかる車両用灯具1は、
図2に示すように、車両用灯具1の外側のアイポイントIPから、ランプレンズ11を通して、灯室14内の第1車両用部品2および第2車両用部品3の透孔26および36の中を見ても、固定構造4、特に、突出部40を、目視することが無い。これにより、この実施形態にかかる車両用灯具1は、第1車両用部品2および第2車両用部品3の透孔26および36の縁とヘッドランプユニット12との間の隙間の見栄えが向上される。
【0094】
なお、一般の固定構造5の場合は、
図12に示すように、車両用灯具1の外側のアイポイントIPから、ランプレンズ11を通して、灯室14内の第1車両用部品2および第2車両用部品3の透孔26および36の中を見ると、一般の固定構造5、特に、長さEが長い弾性板部50が見える場合がある。そこで、
図12に示す一般の固定構造5において、第1車両用部品2および第2車両用部品3の透孔26および36の縁とヘッドランプユニット12との間の隙間の見栄えを向上させるために、弾性板部50を隙間から離れた箇所に配置することが考えられる。しかしながら、弾性板部50を隙間から離れた箇所に配置すると、弾性板部50の係合孔51を有する先端部分から、弾性板部50の傾斜している立壁部24との接続部分までの長さが非常に長くなる。このため、弾性板部50を隙間から離れた箇所に配置すると、
図12に示すスライド金型のスライド範囲Dがさらに大きく広がるので、弾性板部50を立壁部24の中間部分に設けることは、現実的に非常に困難である。
【0095】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、車両用灯具として、フロントコンビネーションランプについて説明するものである。しかしながら、この発明においては、車両用灯具として、フロントコンビネーションランプ以外の車両用灯具にも適用することができる。
【0096】
また、前記の実施形態においては、第1車両用部品2および第2車両用部品3として、フロントコンビネーションランプのインナーパネルおよびベースについて説明するものである。しかしながら、この発明においては、第1車両用部品2および第2車両用部品3として、フロントコンビネーションランプのインナーパネルおよびベース以外の車両用部品にも適用することができる。
【0097】
さらに、前記の実施形態においては、第1車両用部品2および第2車両用部品3として、筒部分21および31を有し、また、この筒部21および31に開口(透孔)26および36を設けたものである。しかしながら、この発明においては、第1車両用部品2および第2車両用部品3として、筒部分21および31を有さないものであっても良いし、また、この筒部21および31に開口(透孔)26および36を設けたものでなくとも良い。すなわち、この発明においては、第1車両用部品2および第2車両用部品3の構造や形状などを、特に限定しない。
【0098】
さらにまた、前記の実施形態においては、第1車両用部品2に固定構造4の追加突出部41を設けたものである。しかしながら、この発明においては、追加突出部41を設けなくても良い。すなわち、第2車両用部品3の弾性部42が係合する第1車両用部品2の一方の壁部である立壁部24の一部分を追加突出部41の代替とする。この場合、第2車両用部品3の弾性部42が、第1車両用部品2の立壁部24の一部分と固定構造4の突出部40とにそれぞれ当たっていて、第1車両用部品2の立壁部24の一部分と固定構造4の突出部40との間において、組み付け方向Aと、この組み付け方向Aに対して傾斜する方向とに、それぞれ、固定されていて、第1車両用部品2と第2車両用部品3とが相互に固定されていれば良い。
【0099】
さらにまた、前記の実施形態においては、第2車両用部品3が、2つの壁部の立壁部34、閉塞壁部35を有するものである。しかしながら、この発明においては、第2車両用部品3が、1つの壁部の立壁部34のみを有するものであっても良い。
【0100】
なお、この発明は、前記の実施形態により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0101】
1 車両用灯具
10 ランプハウジング
11 ランプレンズ
12 ヘッドランプユニット
13 導光部材
14 灯室
15 接着剤
2 第1車両用部品(車両用部品)
20 切り欠き部
21 筒部分
22 環状部分
23 外周縁部分
24 立壁部(一方の壁部)
25 閉塞壁部(他方の壁部、鍔部)
26 開口(透孔)
3 第2車両用部品(車両用部品)
30 保持部
31 筒部分
32 環状部分
33 外周縁部分
34 立壁部(一方の壁部)
35 閉塞壁部(他方の壁部、鍔部)
36 開口(透孔)
4 固定構造(車両用部品)
40 突出部
41 追加突出部
42 弾性部
43 隙間
44 空間部
45 一体部
46 当たり面
47 当たり面
48 当たり面
49 当たり面
400 片部(両端部分)
4S スライド面
5 一般の固定構造
50 弾性板部
51 係合孔
52 延長部
53 係合突起
A 組み付け方向
B スライド範囲(スライド金型の範囲、スライド金型の寸法)
C 固定構造4の範囲(固定構造4の寸法、突出部40の組み付け方向Aの長さ)
D スライド範囲(スライド金型の範囲、スライド金型の寸法)
E 一般の固定構造5の範囲(一般の固定構造5の寸法、弾性板部50の組み付け方向Aの長さ)
F1 押し付け力
F2 面方向の分力
F3 面直方向の分力
F4 反力
G 実線矢印
IP アイポイント