(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】無人搬送車用制御装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230829BHJP
【FI】
G05D1/02 G
(21)【出願番号】P 2020190413
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月24日ウェブサイトに掲載 ウェブサイトのアドレス https://www.toyota-shokki.co.jp/news/release/2020/09/24/002727/index.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月24日販売店で販売・販売店名 A.トヨタL&F旭川株式会社 B.トヨタL&F札幌株式会社 C.トヨタL&F釧路株式会社 D.トヨタL&F青森株式会社 E.トヨタL&F岩手株式会社 F.トヨタL&F宮城株式会社 G.トヨタL&F秋田株式会社 H.トヨタL&F山形株式会社 I.トヨタL&F福島株式会社 J.トヨタL&F茨木株式会社 K.トヨタL&F栃木株式会社 L.トヨタL&F群馬株式会社 M.トヨタL&F埼玉株式会社 N.トヨタL&F千葉株式会社 O.トヨタL&F東京株式会社 P.トヨタL&F神奈川株式会社 Q.トヨタL&F新潟株式会社 R.トヨタL&F山梨株式会社 S.トヨタL&F長野株式会社 T.トヨタL&F富山株式会社
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月24日販売店で販売・販売店名 U.トヨタL&F石川株式会社 V.トヨタL&F福井株式会社 W.トヨタL&F静岡株式会社 X.トヨタL&F中部株式会社 Y.トヨタL&F近畿株式会社 Z.トヨタL&F兵庫株式会社 a.トヨタL&F奈良株式会社 b.トヨタL&F和歌山株式会社 c.トヨタL&F岡山株式会社 d.トヨタL&F広島株式会社 e.トヨタL&F山口株式会社 f.トヨタL&F徳島株式会社 g.トヨタL&F香川株式会社 h.トヨタL&F西四国株式会社 i.トヨタL&F福岡株式会社 j.トヨタL&F熊本株式会社 k.トヨタL&F大分株式会社 l.トヨタL&F宮崎株式会社 m.トヨタL&F鹿児島株式会社 n.沖縄トヨタ自動車株式会社L&F部
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊東 光希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 元太
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-137710(JP,A)
【文献】国際公開第2009/096103(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/059307(WO,A1)
【文献】特開2020-201862(JP,A)
【文献】国際公開第2020/184168(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車を制御するプログラムが記憶された記憶部と、
前記プログラムを実行する演算処理部と、
複数のセンサが電気的に接続される複数の入力ポートと、を備え、
予め定められた走行経路を走行する前記無人搬送車の位置を示すアドレスを確認し、複数の前記アドレスそれぞれにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行する無人搬送車用制御装置であって、
前記記憶部には、
複数の前記アドレスにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行するための前記プログラムである基本プログラムと、
前記無人搬送車に特定の制御が要求される前記アドレスである特定アドレスにおいて、前記特定の制御を実行するための前記プログラムである特定プログラムと、
複数の前記アドレスそれぞれにおける前記無人搬送車に要求される制御がまとめられた一覧表である入力表と、が記憶されており、
前記入力表には、
複数の前記アドレスそれぞれにおいて、前記基本プログラムに紐づけられた第1情報を入力する第1欄と、
前記特定アドレスにおいて、前記特定プログラムに紐づけられた第2情報を入力する第2欄と、
前記特定アドレスにおいて、前記複数の入力ポートのうち前記特定プログラムを実行するために必要な前記センサが接続される前記入力ポートを指定する第3情報を入力する第3欄と、
前記第3情報により指定された前記入力ポートから入力される信号の入力論理の入力状態に対する条件を示す第4情報を入力する第4欄と、
前記入力論理が前記条件を満たすまでの制限時間を入力する第5欄と、が設けられ、
前記演算処理部は、
複数の前記アドレスそれぞれにおいて、前記第1情報に紐づけられた前記基本プログラムを実施するとともに前記特定アドレスにおいて、前記入力論理が前記条件を前記制限時間内に満たしたとき、前記第2情報に紐づけられた前記特定プログラムを実行することを特徴とする無人搬送車用制御装置。
【請求項2】
前記特定プログラムを実施するときに外部を通知する通知部が電気的に接続される出力ポートを備え、
前記入力表には、前記特定プログラムが実行されることを示す信号を前記通知部に出力する前記出力ポートを指定する情報が入力される第6欄が更に設けられることを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車用制御装置に対する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載される無人搬送車の制御方法が知られている。
上記の無人搬送車には、無人搬送車を制御する制御装置が搭載されている。制御装置は、無人搬送車を制御するプログラムが記憶された記憶部と、プログラムを実行する演算処理部と、を備えている。制御装置は、予め定められた走行経路を走行する無人搬送車の位置を示すアドレスを走行経路上に設けられた複数の磁気テープに基づいて確認している。また、制御装置は、複数のアドレスそれぞれにおいて無人搬送車に要求される制御を実行している。ここで、記憶部には、複数のアドレスそれぞれにおいて無人搬送車に要求される制御の一覧表としてタスクが記憶されており、制御装置は、当該タスクに入力された情報に基づいて無人搬送車の制御を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、無人搬送車に要求される制御は、走行経路や搬送物の種類によって日常的に変化する。そのため、複数のアドレスそれぞれにおける無人搬送車に要求される制御を変更するにあたり、記憶部に記憶されたタスクに入力された情報を容易に変更できることが望まれている。しかし、無人搬送車に要求される制御には、類似する制御が存在する。例えば、無人搬送車を停止した状態から発車させるとき、無人搬送車を発車させる条件及びタイミングが異なることがある。そのため、タスクに入力された情報が、無人搬送車を発車させる旨を示していたとしても、無人搬送車を発車させる条件及びタイミングについては、タスクに入力された情報に紐づけられたプログラムを変更しなければならない虞があり、無人搬送車に要求される制御を容易に変更できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する無人搬送車用制御装置は、無人搬送車を制御するプログラムが記憶された記憶部と、前記プログラムを実行する演算処理部と、複数のセンサが電気的に接続される複数の入力ポートと、を備え、予め定められた走行経路を走行する前記無人搬送車の位置を示すアドレスを確認し、複数の前記アドレスそれぞれにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行する無人搬送車用制御装置であって、前記記憶部には、複数の前記アドレスにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行するための前記プログラムである基本プログラムと、前記無人搬送車に特定の制御が要求される前記アドレスである特定アドレスにおいて、前記特定の制御を実行するための前記プログラムである特定プログラムと、複数の前記アドレスそれぞれにおける前記無人搬送車に要求される制御がまとめられた一覧表である入力表と、が記憶されており、前記入力表には、複数の前記アドレスそれぞれにおいて、前記基本プログラムに紐づけられた第1情報を入力する第1欄と、前記特定アドレスにおいて、前記特定プログラムに紐づけられた第2情報を入力する第2欄と、前記特定アドレスにおいて、前記複数の入力ポートのうち前記特定プログラムを実行するために必要な前記センサが接続される前記入力ポートを指定する第3情報を入力する第3欄と、前記第3情報により指定された前記入力ポートから入力される信号の入力論理の入力状態に対する条件を示す第4情報を入力する第4欄と、前記入力論理が前記条件を満たすまでの制限時間を入力する第5欄と、が設けられ、前記演算処理部は、複数の前記アドレスそれぞれにおいて、前記第1情報に紐づけられた前記基本プログラムを実施するとともに前記特定アドレスにおいて、前記入力論理が前記条件を前記制限時間内に満たしたとき、前記第2情報に紐づけられた前記特定プログラムを実行する。
【0006】
これによれば、入力表には、第3欄が設けられることにより、特定プログラムを実施するために必要なセンサが接続される入力ポートを作業者が指定することができる。そのため、複数の入力ポートそれぞれを各センサ専用の入力ポートにする必要がなく、無人搬送車用制御装置のユーザによって、複数のセンサそれぞれを電気的に接続する入力ポートを自由に選択することができるため、入力ポートを汎用化できる。
【0007】
また、例えば、第2情報に紐づけられた特定プログラムが無人搬送車を発車させるプログラムである場合を考える。この場合、特定アドレスにおいて、無人搬送車を停止した状態から発車させるとき、センサの入力論理が条件を制限時間以内に満たしたとき、無人搬送車を発車させる。すなわち、無人搬送車の走行経路や搬送物に変更があり、無人搬送車を発車させる条件及びタイミングが変更されたとしても、作業者は、入力表の第2情報に紐づけられた特定プログラムの内容を変更せずに、第3欄に入力される第3情報、第4欄に入力される第4情報、及び第5欄に入力される制限時間を変更するだけで無人搬送車を発車させる条件及びタイミングが異なる類似の制御を無人搬送車に実行させることができる。また、特定プログラムが無人搬送車を発車させるプログラムでなかったとしても同様に、第3欄に入力される第3情報、第4欄に入力される第4情報、及び第5欄に入力される制限時間を変更することにより、無人搬送車に類似の制御を実行させることができる。したがって、容易に無人搬送車に要求される制御を変更できる。
【0008】
上記の無人搬送車用制御装置において、前記特定プログラムを実施するときに外部を通知する通知部が電気的に接続される出力ポートを備え、前記入力表には、前記特定プログラムが実行されることを示す信号を前記通知部に出力する前記出力ポートを指定する情報が入力される第6欄が更に設けられるとよい。
【0009】
これによれば、特定プログラムが実行される旨を通知部により外部に通知することができる。また、出力ポートが複数存在する場合、無人搬送車用制御装置のユーザによっては、通知部を電気的に接続する出力ポートを変えることが考えられる。その点、入力表には、第6欄が設けられることにより、通知部が電気的に接続される出力ポートを作業者が指定することができる。そのため、複数の出力ポートのうち1つを、通知部を電気的に接続するための専用ポートにする必要がなく、出力ポートを汎用化できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、容易に無人搬送車に要求される制御を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5】一実施形態における無人搬送車用制御装置の記憶部に記憶された第1入力表を示す図。
【
図6】無人搬送車に荷を積載する状況を示した概略図。
【
図7】無人搬送車に荷が積載された状態で無人搬送車が発車する状況を示した概略図。
【
図8】無人搬送車の荷台で荷が荷ずれした状況を示す概略図。
【
図9】一実施形態における無人搬送車用制御装置の記憶部に記憶された第2入力表を示す図。
【
図10】無人搬送車に台車を連結する状況を示した概略図。
【
図12】変更例における無人搬送車用制御装置の記憶部に記憶された第1入力表を示す図。
【
図13】変更例における無人搬送車に荷を積載する状況を示した概略図。
【
図14】変更例における無人搬送車から荷を降ろす状況を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、無人搬送車用制御装置を具体化した一実施形態を
図1~
図10にしたがって説明する。
図1に示すように、無人搬送システム100は、無人搬送車20と、管制塔90とを備えている。無人搬送車20は、工場の内部において、荷を搬送したり、台車を牽引したりするために用いられている。工場の内部には、予め定められた走行経路である第1走行経路R1及び第2走行経路R2が設定されている。無人搬送車20は、管制塔90からの指令により第1走行経路R1及び第2走行経路R2のいずれかを走行する。第1走行経路R1の走行距離は、第2走行経路R2の走行距離よりも短い。工場の内部には、複数の無人搬送車20が配備されているが、本実施形態では、説明の便宜上、1台の無人搬送車20のみを図示している。
【0013】
第1走行経路R1は、環状をなしている。第1走行経路R1は、4つの直線形状の直線経路と、コーナをなす4つの湾曲経路と、を有している。4つの直線経路それぞれを第1直線経路Ra、第2直線経路Rb、第3直線経路Rc、第4直線経路Rdとする。第1直線経路Raと第3直線経路Rcとは、互いに同じ長さである。第2直線経路Rbと第4直線経路Rdとは、互いに同じ長さである。第1直線経路Raと第2直線経路Rbとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第2直線経路Rbと第3直線経路Rcとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第4直線経路Rdと第1直線経路Raとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。なお、無人搬送車20が走行を開始するスタート地点Pは、第1直線経路Ra上に位置している。
【0014】
第2走行経路R2は、環状をなしている。第2走行経路R2と第1走行経路R1とは、第1直線経路Raと、第3直線経路Rcと、第4直線経路Rdと、第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとを接続する湾曲経路と、第4直線経路Rdと第1直線経路Raとを接続する湾曲経路とを共用している。第2走行経路R2は、第1直線経路Raと、第2直線経路Rbと、第4直線経路Rdと、2つの湾曲経路との他に、3つの直線形状の直線経路と、2つの湾曲経路とを有している。当該3つの直線形状の直線経路それぞれを、第5直線経路Re、第6直線経路Rf、及び第7直線経路Rgとする。第5直線経路Reは、第1直線経路Raに接続されるとともに第1直線経路Raの延長線上に設けられている。第5直線経路Reと第6直線経路Rfとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第6直線経路Rfと第7直線経路Rgとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第7直線経路Rgは、第3直線経路Rcに接続されるとともに第3直線経路Rcの延長線上に設けられている。第5直線経路Re、第6直線経路Rf、及び第7直線経路Rgは、第2直線経路Rbを囲むように配置されている。
【0015】
無人搬送車20は、第1走行経路R1上を第1直線経路Ra、第2直線経路Rb、第3直線経路Rc、及び第4直線経路Rdの順に走行する。また、無人搬送車20は、第2走行経路R2上を第1直線経路Ra、第5直線経路Re、第6直線経路Rf、第7直線経路Rg、第3直線経路Rc、第4直線経路Rdの順で走行する。
【0016】
無人搬送システム100は、複数の磁気テープ30を備えている。磁気テープ30は、第1直線経路Raにおけるスタート地点Pよりも第2直線経路Rb寄りに1つ、第2直線経路Rb上に2つ、第3直線経路Rc上に1つ、第5直線経路Re上に1つ、第6直線経路Rf上に1つ、及び第7直線経路Rgに1つ設けられている。ここで、第1走行経路R1及び第2走行経路R2において、第1直線経路Raの磁気テープ30が設けられた位置を第1アドレスとし、第2直線経路Rbにおける第1直線経路Ra寄りに設けられた磁気テープ30の位置を第2アドレスとし、第2直線経路Rbにおける第3直線経路Rc寄りに設けられた磁気テープ30を第3アドレスとする。また、第1走行経路R1及び第2走行経路R2において、第3直線経路Rcに設けられた磁気テープ30の位置を第4アドレスとし、第5直線経路Reに設けられた磁気テープ30の位置を第5アドレスとする。さらに、第1走行経路R1及び第2走行経路R2において、第6直線経路Rfに設けられた磁気テープ30の位置を第6アドレスとし、第7直線経路Rgに設けられた磁気テープ30の位置を第7アドレスとする。なお、第1直線経路Raにおいて、第1直線経路Ra、第2直線経路Rb、及び第5直線経路Reの境界近傍には、図示しない分岐用磁気テープが設けられている。
【0017】
本実施形態において、無人搬送車20は、第1走行経路R1と第2走行経路R2とを交互に走行するように設定されている。無人搬送車20が第1走行経路R1を走行するとき、無人搬送車20は、第1アドレス、第2アドレス、第3アドレス、第4アドレスの順に走行する。また、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行するとき、無人搬送車20は、第1アドレス、第5アドレス、第6アドレス、第7アドレス、第4アドレスの順に走行する。
【0018】
図2に示すように、無人搬送車20は、磁気センサ21と、連結ピン22と、連結センサ23と、を備えている。磁気センサ21は、無人搬送車20の底部に配置されている。磁気センサ21は、磁気テープ30の磁気を検出する。連結ピン22は、車両の上下方向に往復動するピンである。連結センサ23は、連結ピン22に連結される後述する台車80の連結部81が接触している状態で信号を発信せず、連結部81が接触していない状態で信号を発信するセンサである。
【0019】
図2及び
図3に示すように、無人搬送車20は、荷台50と、第1センサ41と、第2センサ42と、を有している。荷台50には、後述する荷Wが積載される。第1センサ41と、第2センサ42とは、荷台50上に設けられている。第1センサ41と、第2センサ42とは、車幅方向において互いに離間して並んで配置されている。第1センサ41及び第2センサ42は、荷Wが接触している状態で信号を発信し、荷Wが接触していない状態で信号を発信しないセンサである。
【0020】
図3に示すように、無人搬送車20は、通知部としての発信機43を有している。発信機43は、無人搬送車20が特定の制御を実行するときに外部に信号を発信することにより無人搬送車20が特定の制御を実行することを外部に通知する機器である。
【0021】
図2及び
図3に示すように、無人搬送車20には、無人搬送車用制御装置10が搭載されている。無人搬送車用制御装置10は、マイクロコンピュータである。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20を制御するプログラムPrが記憶された記憶部11と、記憶部11に記憶されたプログラムPrを実行する演算処理部12と、を備えている。記憶部11は、例えば、メモリである。演算処理部12は、例えば、CPUである。
【0022】
図4に示すように、演算処理部12は、第1入力部12a、第2入力部12b、第3入力部12c、及び第4入力部12dを有している。演算処理部12は、第1出力部12e、第2出力部12f、第3出力部12g、及び第4出力部12hを有している。
【0023】
無人搬送車用制御装置10は、記憶部11及び演算処理部12を収容する筐体13を有している。筐体13には、第1入力端子101と、第2入力端子102と、第3入力端子103と、第4入力端子104と、が設けられている。第1入力端子101は、第1入力部12aに電気的に接続されている。第1入力端子101及び第1入力部12aは、無人搬送車用制御装置10における第1入力ポートIn1をなしている。第2入力端子102は、第2入力部12bに電気的に接続されている。第2入力端子102及び第2入力部12bは、無人搬送車用制御装置10における第2入力ポートIn2をなしている。第3入力端子103は、第3入力部12cに電気的に接続されている。第3入力端子103及び第3入力部12cは、無人搬送車用制御装置10における第3入力ポートIn3をなしている。第4入力端子104は、第4入力部12dに電気的に接続されている。第4入力端子104及び第4入力部12dは、無人搬送車用制御装置10における第4入力ポートIn4をなしている。
【0024】
第1センサ41は、配線41aを介して第1入力端子101に電気的に接続される。第2センサ42は、配線42aを介して第2入力端子102に電気的に接続されている。連結センサ23は、配線23aを介して第3入力端子103に電気的に接続されている。磁気センサ21は、配線21aを介して第4入力端子104に電気的に接続されている。磁気センサ21、連結センサ23、第1センサ41、及び第2センサ42は、複数のセンサの一例である。無人搬送車用制御装置10は、複数のセンサと電気的に接続される複数の入力ポートIn1,In2,In3,In4を備えている。
【0025】
筐体13には、第1出力端子111、第2出力端子112、第3出力端子113、及び第4出力端子114が設けられている。第1出力端子111は、第1出力部12eに電気的に接続されている。第1出力端子111及び第1出力部12eは、無人搬送車用制御装置10における第1出力ポートOut1をなしている。第2出力端子112は、第2出力部12fに電気的に接続されている。第2出力端子112及び第2出力部12fは、無人搬送車用制御装置10における第2出力ポートOut2をなしている。第3出力端子113は、第3出力部12gに電気的に接続されている。第3出力端子113及び第3出力部12gは、無人搬送車用制御装置10における第3出力ポートOut3をなしている。第4出力端子114は、第4出力部12hに電気的に接続されている。第4出力端子114及び第4出力部12hは、無人搬送車用制御装置10における第4出力ポートOut4をなしている。発信機43は、配線43aを介して第4出力端子114に電気的に接続されている。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が特定の制御を実行するときに外部に通知する発信機43が電気的に接続される出力ポートである第4出力ポートOut4を備えている。なお、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車用制御装置10の外部に位置する外部装置200と記憶部11とを通信可能とした構成となっている。外部装置200とは、例えば、パーソナルコンピュータである。また、外部装置200は、記憶部11に記憶される後述する第1入力表M1及び第2入力表M2に入力される情報を書き換え可能である。
【0026】
記憶部11には、無人搬送車20を制御するプログラムPrが記憶されている。プログラムPrには、基本プログラムが含まれている。基本プログラムは、例えば、無人搬送車20の走行方向を制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、及び無人搬送車20の車速を高速、中速、低速のいずれかに制御する第2プログラムPr2である。また、基本プログラムは、無人搬送車20を停止させる第3プログラムPr3、及び連結ピン22を無人搬送車20の上方に向けて突出させる第4プログラムPr4である。さらに、基本プログラムは、連結ピン22を無人搬送車20の内部に戻す第5プログラムPr5である。
【0027】
記憶部11には、無人搬送車20に特定の制御が要求されるアドレスである特定アドレスである第2アドレス、第4アドレス、及び第6アドレスにおいて、特定の制御を実行するためのプログラムPrである特定プログラムSPrが記憶されている。第2アドレス及び第6アドレスにおける特定プログラムSPrは、無人搬送車20を停止した状態から発車させる第1特定プログラムSPr1である。第4アドレスにおける特定プログラムSPrは、無人搬送車20に積載された荷Wの荷ずれが発生したときに荷ずれの旨を報知する第2特定プログラムSPr2である。無人搬送車20を停止した状態から発車させること、及び無人搬送車20に積載された荷Wの荷ずれが発生したときに荷ずれの旨を報知することは、特定の制御の一例である。
【0028】
記憶部11には、複数のアドレスそれぞれにおける無人搬送車20に要求される制御がまとめられた一覧表である
図5に示す第1入力表M1及び
図9に示す第2入力表M2が記憶されている。第1入力表M1は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行するとき、第1走行経路R1上の各アドレスで無人搬送車20に要求される制御がまとめられている。第2入力表M2は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行するとき、第2走行経路R2上の各アドレスで無人搬送車20に要求される制御がまとめられている。
【0029】
図5及び
図9に示すように、第1入力表M1及び第2入力表M2には、複数の行と複数の列で構成されている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、複数の入力欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2において、最も左に位置する列の複数の入力欄には、最上段から順に無人搬送車20が第1走行経路R1を走行するときに通過するアドレスの順番でアドレス名が入力されている。第1入力表M1及び第2入力表M2の各アドレスに対応する行における複数の入力欄には、アドレス名の隣に左から順に走行方向を示す情報、車速を示す情報、無人搬送車20の走行状態の示す情報、連結ピン22の動作状態を示す情報、特定プログラムSPrの内容を示す情報、入力ポートを指定する情報、出力ポートを指定する情報、指定された入力ポートから入力される信号の入力論理の入力状態に対する条件を示す情報、及び条件を満たすまでの制限時間が入力される。
【0030】
走行方向を示す情報は、「F」もしくは「R」により示され、「F」は無人搬送車20が前進することを示す、「R」は無人搬送車20が後進することを示す。なお、本実施形態では、無人搬送車20は第1走行経路R1及び第2走行経路R2を前進しかしないため、第1入力表M1及び第2入力表M2では、「F」のみを使用する。
【0031】
車速を示す情報は、「高」、「中」、「低」により示され、「高」は、無人搬送車20の車速を高速に制御することを示し、「中」は無人搬送車20の車速を中速に制御することを示し、「低」は無人搬送車20の車速を低速に制御することを示す。
【0032】
無人搬送車20の走行状態を示す情報は、無人搬送車20が停止することを「停止」で示し、無人搬送車20を停止させない場合には「停止」が入力されない。
連結ピン22の動作状態を示す情報は、「UP」もしくは「DOWN」で示され、「UP」は連結ピン22が突出している状態を示し、「DOWN」は連結ピン22が無人搬送車20の内部に戻された状態を示している。
【0033】
特定プログラムSPrの内容を示す情報は、「start」もしくは「error」で示され、「start」は、第1特定プログラムSPr1を示しており、「error」は、第2特定プログラムSPr2を示している。
【0034】
入力ポートを指定する情報は、各アドレスに対応する行において3つの入力欄が使用可能である。本実施形態において無人搬送車用制御装置10の入力ポートは、4つ存在するため、3つの入力欄それぞれには、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」が入力可能である。「ポート1_L」は、第1入力ポートIn1を指定することを示している。複数のセンサのうち第1入力ポートIn1に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ポート2_L」は、第2入力ポートIn2を指定することを示している。複数のセンサのうち第2入力ポートIn2に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ポート3_L」は、第3入力ポートIn3を指定することを示している。複数のセンサのうち第3入力ポートIn3に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ポート4_L」は、第4入力ポートIn4を指定することを示している。複数のセンサのうち第4入力ポートIn4に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ON」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」により指定される入力ポートから信号が出力されていることを示している。「OFF」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」により指定される入力ポートから入力される信号が出力されていないことを示している。
【0035】
出力ポートを指定する情報は、「ポート1_H」、「ポート2_H」、「ポート3_H」、及び「ポート4_H」で示される。「ポート1_H」は、第1出力ポートOut1を指定するとともに第1出力ポートOut1に電気的に接続されるセンサに信号を出力することを示している。「ポート2_H」は、第2出力ポートOut2を指定するとともに第2出力ポートOut2に電気的に接続されるセンサに信号を出力することを示している。「ポート3_H」は、第3出力ポートOut3を指定するとともに第3出力ポートOut3に電気的に接続されるセンサに信号を出力することを示している。「ポート4_H」は、第4出力ポートOut4を指定するとともに第4出力ポートOut4に電気的に接続されるセンサに信号を出力することを示している。
【0036】
指定された入力ポートから入力される入力論理の入力状態に対する条件を示す情報は、「AND」、「OR」、「NOT」のような論理条件で示される。「AND」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、「ポート4_L」を入力する3つの入力欄のうち2つに入力される「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」が指定する入力ポートに電気的に接続されるセンサの入力論理がいずれも「ON」である、という条件を示す情報である。「OR」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、「ポート4_L」を入力する3つの入力欄のうち2つに入力される「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」が指定する入力ポートに電気的に接続されるセンサの入力論理のうち一方が「ON」であり、他方が「OFF」である、という条件を示す情報である。「NOT」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」を入力する3つの入力欄のうち1つに入力される「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」の入力論理が「OFF」である、という条件を示す情報である。
【0037】
条件を満たすまでの制限時間は、数値で示される。例えば、「10」や「30」等の秒数で示される。なお、制振時間の入力欄に数値の入力がない場合、制限時間が所定時間に設定される。所定時間とは、例えば、無人搬送車20が第4アドレスから第1アドレスまで走行するために必要な時間とする。
【0038】
第1入力表M1及び第2入力表M2において、「F」は、無人搬送車20の走行方向を前方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1に紐づけられている。「R」は、無人搬送車20の走行方向を後方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1に紐づけられている。「高」は、無人搬送車20の車速を高速に制御する第2プログラムPr2に紐づけられている。「中」は、無人搬送車20の車速を中速に制御する第2プログラムPr2に紐づけられている。「低」は、無人搬送車20の車速を低速に制御する第2プログラムPr2に紐づけられている。「停止」は、第3プログラムPr3に紐づけられている。「UP」は、第4プログラムPr4に紐づけられている。「DOWN」は、第5プログラムPr5に紐づけられている。また、「start」は、第1特定プログラムSPr1に紐づけられている。「error」は、第2特定プログラムSPr2に紐づけられている。
【0039】
第1入力表M1及び第2入力表M2には、「F」、「高」、「中」、「低」、「停止」、「UP」、「DOWN」のような第1情報を入力する入力欄である第1欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、「start」、「error」のような第2情報を入力する入力欄である第2欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、「ポート4_L」のような第3情報を入力する入力欄である第3欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、「AND」、「OR」、「NOT」のような第4情報を入力する入力欄である第4欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、「10」、「30」のような制限時間を入力する入力欄である第5欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、「ポート1_H」、「ポート2_H」、「ポート3_H」、及び「ポート4_H」のような情報を入力する入力欄である第6欄が設けられている。
【0040】
第1入力表M1の各入力欄の入力状況について説明する。
図5に示すように、第1アドレスに対応する行には、「F」及び「低」が入力されている。第2アドレスに対応する行には、「F」、「低」、「停止」、「start」、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「AND」、及び「30」が入力されている。第3アドレスに対応する行には、「F」及び「低」が入力されている。第4アドレスに対応する行には、「F」、「中」、「error」、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート4_H」、及び「OR」が入力されている。
【0041】
第2入力表M2の各入力欄の入力状況について説明する。
図9に示すように、第1アドレス及び第5アドレスに対応する行には、「F」、「中」、及び「DOWN」が入力されている。第6アドレスに対応する行には、「F」、「中」、「停止」、「UP」、「start」、「ポート3_L」、「NOT」、「10」が入力されている。第7アドレス及び第4アドレスに対応する行には、「F」及び「高」が入力されている。
【0042】
図1に示すように、演算処理部12は、
図2に示す磁気センサ21から出力される信号に基づき無人搬送車20の位置を確認している。演算処理部12は、磁気センサ21から出力される信号が入力された回数をカウントしており、当該回数により第1走行経路R1及び第2走行経路R2上の無人搬送車20が位置しているアドレスを確認している。本実施形態では、上述した分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号は、第1走行経路R1又は第2走行経路R2を走行させるときの分岐を無人搬送車用制御装置10に知らせる信号である。そのため、無人搬送車20が位置しているアドレスを確認するために用いられる信号ではなく、無人搬送車用制御装置10は、分岐用磁気テープにより磁気センサ21が出力する信号をカウントしていない。
【0043】
無人搬送車20が第1走行経路R1を走行する場合において、演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が1回であれば、無人搬送車20が第1アドレスに位置していることを確認する。演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が2回であれば第2アドレスに、3回であれば第3アドレスに、4回であれば第4アドレスに位置していることを確認する。演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行して第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。無人搬送車20が第2走行経路R2を走行するとき、磁気センサ21の信号が入力された回数が1回であれば、第1アドレス、2回であれば第5アドレス、3回であれば第6アドレス、4回であれば第7アドレス、5回であれば第4アドレスに無人搬送車20が位置していることを確認する。演算処理部12は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行して第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。なお、分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号を無人搬送車用制御装置10がカウントしてもよい。このように変更する場合、上述した分岐用磁気テープが設けられる位置をアドレスとして使用するように第1入力表M1及び第2入力表M2を変更してもよい。
【0044】
演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数によって無人搬送車20が位置するアドレスを確認したとき、記憶部11に記憶されている第1入力表M1及び第2入力表M2を参照する。演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行しているとき、第1入力表M1の無人搬送車20が位置するアドレスに対応する行に入力された第1情報を参照し、当該第1情報に紐づけられた第1プログラムPr1、第2プログラムPr2、第3プログラムPr3、第4プログラムPr4、及び第5プログラムPr5を実行する。演算処理部12は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行しているとき、第2入力表M2の無人搬送車20が位置するアドレスに対応する行に入力された第1情報を参照し、当該第1情報に紐づけられた第1プログラムPr1、第2プログラムPr2、第3プログラムPr3、第4プログラムPr4、及び第5プログラムPr5を実行する。
【0045】
演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが特定アドレスである場合、第1入力表M1の第3欄により指定された第1入力ポートIn1から入力される第1センサ41の信号、及び第1入力表M1の第3欄により指定された第2入力ポートIn2から入力される第2センサ42の信号それぞれの入力論理が、第4欄に入力される条件である「AND」又は「OR」を、制限時間以内に満たしたとき、第2情報に紐づけられた第1特定プログラムSPr1又は第2特定プログラムSPr2を実行する。
【0046】
演算処理部12は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが特定アドレスである場合、第2入力表M2の第3欄に入力された第3情報に紐づけられた連結センサ23の信号の入力論理が、第4欄に入力される条件である「NOT」を、制限時間以内に満たしたとき、第2情報に紐づけられた第1特定プログラムSPr1を実行する。
【0047】
これにより、無人搬送車20は、予め定められた第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行する無人搬送車20の位置を示すアドレスを確認し、複数のアドレスそれぞれにおいて無人搬送車20に要求される制御を実行する。なお、無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令を受け、第1走行経路R1及び第2走行経路R2それぞれを走行させるための図示しないナビゲーションシステムを有している。無人搬送車20は、ナビゲーションシステムから演算処理部12に送られる情報により第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行させている。
【0048】
本実施形態の作用を無人搬送車20の動作を含めて説明する。
図1に示すように、無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により無人搬送車20を第1走行経路R1上で走行させる。
【0049】
図1及び
図5に示すように、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第1アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第1入力表M1の第1アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「低」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、低速で第1直線経路Raを走行する。
【0050】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第1直線経路Raから第2直線経路Rbに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号が入力されたとき、第1直線経路Raから第2直線経路Rbに向けて走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第2アドレスに到達したとき、「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3を実行する。そのため、無人搬送車20は、第2アドレスに到達したときに停止する。
【0051】
図6に示すように、第2アドレスで無人搬送車20が停止した状態において、無人搬送車20には、荷Wが積載される。荷Wは、荷台50に設けられた第1センサ41及び第2センサ42に接触するように荷台50に積載される。ここで、荷Wが荷台50に積載されるまでの時間がかかる。そのため、無人搬送車用制御装置10は、第1入力表M1に入力された「start」、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「AND」、及び「30」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、荷Wが30秒以内に第1センサ41及び第2センサ42に接触するように荷台50に積載された状態、すなわち、30秒以内に第1センサ41及び第2センサ42から入力される信号がいずれも「ON」である状態であれば、「start」に紐づけられた第1特定プログラムSPr1を実行する。
【0052】
図7に示すように、無人搬送車用制御装置10は、30秒以内に荷Wが第1センサ41及び第2センサ42に接触するように荷台50に積載されたとき、無人搬送車20を停止した状態から発車させる。
【0053】
図8に示すように、無人搬送車用制御装置10は、30秒以内に荷Wが荷台50に積載されたとしても、第1センサ41及び第2センサ42のいずれか一方に接触していない状態、すなわち、荷台50で荷Wが荷ずれしている状態であれば、無人搬送車20を停止した状態に維持する。なお、無人搬送車用制御装置10は、30秒以内に荷Wが荷台50に積載されない状態でも無人搬送車20を停止した状態に維持する。
【0054】
図1及び
図5に示すように、無人搬送車用制御装置10は、第2アドレスにて第1特定プログラムSPr1を実行した後、記憶部11に記憶された第1入力表M1の第2アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「低」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。すなわち、無人搬送車20は、第2アドレスにて第1特定プログラムSPr1を実施した後、低速で第2直線経路Rbを走行する。
【0055】
図1及び
図5に示すように、無人搬送車用制御装置10が第1特定プログラムSPr1を実施した後、無人搬送車20が第3アドレスに到達したとき、無人搬送車用制御装置10は、記憶部11に記憶されている第1入力表M1の第3アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「低」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、荷Wを積載した状態において、低速で第2直線経路Rbを走行する。
【0056】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第2直線経路Rbから第3直線経路Rcに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第1入力表M1の第4アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、及び「中」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、中速で第3直線経路Rcを走行する。
【0057】
また、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスに到達したとき、第1入力表M1に入力された「error」、「ポート1_L」、「ポート2_L」、及び「OR」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、第1センサ41及び第2センサ42から入力される信号のいずれか一方が「ON」であり、他方が「OFF」である状態が所定時間内に発生すれば、「error」に紐づけられた第2特定プログラムSPr2を実行する。無人搬送車用制御装置10は、第2特定プログラムSPr2を実施すると、例えば、無人搬送車20に搭載されたディスプレイ上に荷Wの荷ずれを報知するエラーコードを表示させる。また、無人搬送車用制御装置10は、第2特定プログラムSPr2を実施すると、例えば、無人搬送車20に搭載されるスピーカ等から音を発生させる。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、第2特定プログラムSPr2が実行すると、荷Wの荷ずれが発生した旨を作業者に報知する。また、無人搬送車用制御装置10は、第1入力表M1に入力された「ポート4_H」にしたがって第2特定プログラムSPr2を実行することを第4出力ポートOut4に電気的に接続される発信機43を介して外部に報知する。無人搬送車用制御装置10において、第1センサ41及び第2センサ42から入力される信号のいずれか一方が「ON」であり、他方が「OFF」である状態であれば、演算処理部12から第4出力ポートOut4に信号を出力する。演算処理部12から第4出力ポートOut4に出力された信号は、発信機43に伝達される。発信機43は、外部に信号を出力する。発信機43から出力された信号は、例えば管制塔90に受信され、無人搬送車20において荷Wの荷ずれが発生したことが報知される。
【0058】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスを通過した後、管制塔90からの指令により第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとを接続する湾曲経路と、第4直線経路Rdと、第4直線経路Rdと第1直線経路Raとを接続する湾曲経路とを通じて再び第1直線経路Raに戻るように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10の演算処理部12は、第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。なお、図示しないが、無人搬送車20が再び第1アドレスに戻ってきたとき、無人搬送車20は第1アドレスにて一時停止し、荷Wが荷台50から降ろされる。
【0059】
図1及び
図9に示すように、無人搬送車20は、第1走行経路R1を走行し、再び第1アドレスに戻ってきた後、第2走行経路R2を走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第2入力表M2の第1アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、「中」に紐づけられた第2プログラムPr2、及び「DOWN」に紐づけられた第5プログラムPr5を実行する。そのため、無人搬送車20は、連結ピン22を無人搬送車20の内部に戻した状態で、第1直線経路Raを走行する。
【0060】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第1直線経路Raから第5直線経路Reに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号が入力されたとき、第1直線経路Raから第5直線経路Reに向けて走行する。
【0061】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第5アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第2入力表M2の第5アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、「中」に紐づけられた第2プログラムPr2、及び「DOWN」に紐づけられた第5プログラムPr5を実行する。そのため、無人搬送車20は、連結ピン22を無人搬送車20の内部に戻した状態で、第5直線経路Reを走行する。
【0062】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第5直線経路Reから第6直線経路Rfに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第6アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第2入力表M2の第6アドレスに対応する行に入力された「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3、及び「UP」に紐づけられた第4プログラムPr4を実行する。そのため、無人搬送車20は、連結ピン22を第6アドレスに到達したときに停止する。
【0063】
図10に示すように、第6アドレスで無人搬送車20が停止した状態において、無人搬送車20には、台車80の連結部81が連結される。連結部81は、連結センサ23に接触するように連結ピン22に連結される。ここで、無人搬送車用制御装置10は、第2入力表M2に入力された「start」、「ポート3_L」、「NOT」、及び「10」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、台車80の連結部81が10秒以内に連結センサ23に接触するように連結ピン22に連結された状態、すなわち、10秒以内に連結センサ23から出力される信号が「OFF」である状態であれば、「start」に紐づけられた第1特定プログラムSPr1を実行する。
【0064】
無人搬送車用制御装置10は、10秒以内に連結部81が連結センサ23に接触するように連結ピン22に連結されたとき、無人搬送車20を停止した状態から発車させる。
無人搬送車用制御装置10は、
図10の二点鎖線で示すように、10秒以内に連結部81が連結ピン22に連結されていない状態、すなわち、連結センサ23から出力される信号が「ON」となる状態であれば、無人搬送車20を停止した状態に維持する。
【0065】
図1及び
図9に示すように、無人搬送車用制御装置10は、第6アドレスにて第1特定プログラムSPr1を実行した後、記憶部11に記憶された第2入力表M2の第6アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「中」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。すなわち、無人搬送車20は、第6アドレスにて第1特定プログラムSPr1を実施した後、中速で第6直線経路Rfを走行する。
【0066】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第6直線経路Rfから第7直線経路Rgに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第7アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第2入力表M2の第7アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「高」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。すなわち、無人搬送車20は、高速で第7直線経路Rgを第3直線経路Rcに向けて走行する。
【0067】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスに到達したとき、記憶部11に記憶された第2入力表M2の第4アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、及び「高」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、高速で第3直線経路Rcを走行する。
【0068】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスを通過した後、管制塔90からの指令により第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとを接続する湾曲経路と、第4直線経路Rdと、第4直線経路Rdと第1直線経路Raとを接続する湾曲経路とを通じて再び第1直線経路Raに戻るように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10の演算処理部12は、第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。無人搬送車20は、第2走行経路R2を走行し、再び第1アドレスに戻ってきた後、第1走行経路R1を走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、上記で説明した第1入力表M1にしたがって無人搬送車20に要求される制御を実行する。
【0069】
本実施形態の効果を説明する。
(1)本実施形態では、特定アドレスである第2アドレスにおいて、無人搬送車20を停止した状態から発車させるとき、第1センサ41及び第2センサ42の入力論理が「AND」の条件を制限時間である30秒以内に満たしたとき、無人搬送車20を発車させる。また、特定アドレスである第6アドレスにおいて、無人搬送車20を停止した状態から発車させるとき、連結センサ23の入力論理が「NOT」の条件を制限時間である10秒以内に満たしたとき、無人搬送車20を発車させる。すなわち、無人搬送車20の走行経路や搬送物に変更があり、無人搬送車20を発車させるタイミングが変更されたとしても、作業者は、第1入力表M1及び第2入力表M2の第2情報に紐づけられた第1特定プログラムSPr1の内容を変更せずに、第3欄に入力される第3情報としての「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、第4欄に入力される第4情報としての「AND」や「NOT」、及び第5欄に入力される制限時間である「10」や「30」を変更するだけで発車のタイミングの異なる類似の制御を無人搬送車20に実行させることができる。したがって、容易に無人搬送車20に要求される制御を変更できる。
【0070】
(2)特定プログラムSPrが第2特定プログラムSPr2であっても、無人搬送車20の走行経路や搬送物に変更があり、無人搬送車20に積載した荷Wの荷ずれを検知する条件や、荷Wの荷ずれを報知するタイミングが異なる類似の制御が求められることがある。
【0071】
その点、本実施形態では、第1入力表M1に入力された第2情報に紐づけられた第2特定プログラムSPr2の内容を変更せずに、第1入力表M1の第4アドレスに対応する第3欄に入力される第3情報、第4欄に入力される第4情報、及び第5欄に入力される制限時間を変更することにより、無人搬送車20に類似の制御を実行させることができる。したがって、容易に無人搬送車20に要求される制御を変更できる。
【0072】
(3)第1入力表M1及び第2入力表M2には、第3欄が設けられることにより、特定プログラムSPrを実施するために必要なセンサが接続される入力ポートを作業者が指定することができる。具体的には、磁気センサ21を第2入力ポートIn2に電気的に接続し、第2センサ42を第4入力ポートIn4に電気的に接続しても、第1入力表M1の第3欄に入力される「ポート2_L」の情報を、外部装置200により「ポート4_L」に書き換えるだけで、本実施形態で説明したように無人搬送車20を動作させることができる。そのため、複数の入力ポートIn1,In2,In3,In4それぞれを各センサ専用の入力ポートにする必要がなく、無人搬送車用制御装置10のユーザによって、複数のセンサそれぞれを電気的に接続する入力ポートを自由に選択することができるため、入力ポートを汎用化でき、使用しないセンサの入力ポートを確保する必要がなく、無人搬送車20の部品点数及び体格の増加を抑えることができる。
【0073】
(4)第2特定プログラムSPr2が実行される旨を発信機43により外部に通知することができる。また、出力ポートが複数存在するため、無人搬送車用制御装置10のユーザによっては、発信機43を電気的に接続する出力ポートを変えることが考えられる。
【0074】
その点、第1入力表M1及び第2入力表M2には、第6欄が設けられることにより、発信機43が電気的に接続される出力ポートを作業者が指定することができる。例えば、発信機43が第1出力ポートOut1に電気的に接続されるのであれば、第1入力表M1の第6欄に入力された「ポート4_H」を、外部装置200により「ポート1_H」に書き換えるだけで、本実施形態で説明したように無人搬送車20を動作させることができる。そのため、複数の出力ポートの1つを発信機43の専用ポートする必要がなく、出力ポートを汎用化できる。
【0075】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○本実施形態において、荷Wは、機械によって荷台50に積載されてもよい。このとき、無人搬送車用制御装置10と当該機械との間で通信を行うことにより、当該機械に荷Wの積載を停止させるようにしてもよい。無人搬送車用制御装置10と当該機械との通信を実施するために、第1入力表M1の第2アドレスに対応する行の第4欄に「ポート4_H」が入力されてもよい。このように変更すると、例えば、荷Wの積載が完了し、第1特定プログラムSPr1を実施するときに発信機43から外部に信号が出力される。発信機43から出力された信号を当該機械が受信することにより荷Wの積載を停止するようにしてもよい。
【0076】
○発信機43は、例えば、スピーカ等であってもよい。すなわち、通知部は、例えば、特定プログラムSPrを実施する旨を報知できれば構成は適宜変更してもよい。
○無人搬送車20の荷台50の構成を変更し、且つ第1入力表M1の第4欄に入力される条件を以下のように変更してもよい。
【0077】
図11に示すように、荷台50は、板状の第1荷台51と、板状の第2荷台52と、を有している。第1荷台51と第2荷台52とは、無人搬送車20の上下方向において重なり合うように配置されている。第1荷台51は、第2荷台52よりも上方に位置している。第1荷台51には、第1センサ41が埋設されている。第2荷台52には、第2センサ42が埋設されている。なお、以下、第1入力表M1の変更例に説明するが、説明の便宜上、第2荷台52に荷Wが予め積載されている状況を想定する。
【0078】
図12に示すように、第1入力表M1の第2アドレスに対応する行のうち、複数のセンサの入力状態の条件を示す第4欄には、「SEQ」が入力される。「SEQ」は、第1センサ41から出力される信号が「ON」になった後、第2センサ42から出力される信号が「OFF」となる、という条件を示す第4情報である。
【0079】
図13に示すように、第2アドレスにおいて、無人搬送車20の第1荷台51には、荷Wが第1センサ41に接触するように積載される。すなわち、第1センサ41から出力される信号が「ON」となる。
【0080】
図14に示すように、第2アドレスにおいて、第1荷台51に荷Wを積層した後、第2荷台52から荷Wが降ろされる。すなわち、第2センサ42から出力される信号が「OFF」となる。
【0081】
図12に示すように、無人搬送車用制御装置10は、第2アドレスにおいて、第1荷台51の第1センサ41に接触するように荷Wが積載された後、第2センサ42から離れるように荷Wが第2荷台52から降ろされる状態、すなわち、第1センサ41から出力される信号が「ON」になった後、第2センサ42から出力される信号が「OFF」になれば、第1特定プログラムSPr1を実行する。本変更例及び本実施形態において、入力表の第4欄に入力される「AND」、「OR」、「NOT」、及び「SEQ」は、第1センサ41及び第2センサ42が電気的に接続される入力ポートIn1,In2から入力される信号の入力論理の入力状態に対する条件を示す第4情報である。
【0082】
○第1センサ41及び第2センサ42は、荷Wが接触しているときに信号を出力せず、荷Wが接触していないときに信号を出力するセンサであってよい。このように変更する場合、第1入力表M1の第4欄に入力される第4情報である「AND」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、「ポート4_L」を入力する3つの入力欄のうち2つに入力される「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」が指定する入力ポートに電気的に接続されるセンサの入力論理がいずれも「OFF」である、という条件を示す情報とする。
【0083】
○連結センサ23は、連結ピン22に連結される台車80の連結部81が接触している状態で信号を発信し、連結部81が接触していない状態で信号を発信しないセンサであってもよい。このように変更する場合、第4情報である「NOT」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」を入力する3つの入力欄のうち1つに入力される「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」が指定する入力ポートに電気的に接続されるセンサの入力論理が「ON」である、という条件を示す情報とする。
【0084】
○本実施形態において、無人搬送車20の構成、及び無人搬送車20に要求される制御は一例であり、適宜変更してもよい。本実施形態では、無人搬送車20を停止した状態から発車させること、及び無人搬送車20に積載された荷Wの荷ずれが発生したときに荷ずれの旨を報知することを特定の制御としていたが、特定の制御の内容は適宜変更してもよい。
【0085】
○第1入力表M1及び第2入力表M2に入力される情報の表記方法は、適宜変更してもよい。例えば、「F」に代替して「前進」とし、「R」に代替して「後進」のように変更してもよい。
【0086】
○第1走行経路R1及び第2走行経路R2の構成は適宜変更してもよい。また、無人搬送車20が第1走行経路R1及び第2走行経路R2のどちらを走行するかは管制塔90の指令により適宜変更可能である。
【0087】
○磁気テープ30を、各アドレスの位置情報が記憶されたRFID(radio frequency identifier)に変更してもよい。この場合、演算処理部12は、RFIDの位置情報から無人搬送車20の位置を検出する。また、無人搬送車20の位置を検出する手段として、GPS等を利用してもよいし、例えば無人搬送車20が走行し始めてからの時間をカウントし、経過時間によって無人搬送車20の位置を検出するように変更してもよい。すなわち、無人搬送車20の位置を検出する手段は、適宜変更してもよい。
【0088】
○ 本実施形態において、無人搬送車用制御装置10には、入力ポートが4つ設けられ、出力ポートが4つ設けられていたが、入力ポート及び出力ポートの数は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…無人搬送車用制御装置、11…記憶部、12…演算処理部、20…無人搬送車、Pr…プログラム、Pr1…第1プログラム、Pr2…第2プログラム、Pr3…第3プログラム、Pr4…第4プログラム、Pr5…第5プログラム、SPr…特定プログラム、SPr1…第1特定プログラム、SPr2…第2特定プログラム、M1…第1入力表、M2…第2入力表、In1…第1入力ポート、In2…第2入力ポート、In3…第3入力ポート、In4…第4入力ポート、R1…第1走行経路、R2…第2走行経路